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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 4社目
1
:
◆8YCWQhLlF2
:2017/12/18(月) 00:50:43 ID:8s/TCYA6
神様「前スレだ!」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1455635965/
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1471198434/
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1486059614/
神使「読まなくても良いと思います」
神様「長い!」
579
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/13(木) 23:55:15 ID:Qvq90ftc
神様「ほい、モロコシ」スッ
大神「これは?」
神様「さっき村の人からもらった」
大神「この村のモロコシは美味いだろ」
神様「最高だね」モグモグ
大神「うむ。 相変わらず美味いな」モグモグ
神様「いつだ?」
大神「・・・・・・。 もってあと1年という感じかな」
神様「私の見立てと同じだ。 お前の神力がほとんど底をついている」
大神「潮時だよ。 武神などこの時代に必要ない」
神様「お前が鎧を着て戦に出ている姿は今でも目に焼き付いてる」
大神「惨い時代だったな。 多くの人を傷つけた」
580
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/13(木) 23:56:12 ID:Qvq90ftc
神様「私はお前が人を傷つけたところを見たことないけど?」
大神「・・・・・・」
神様「私の記憶だとお前の刀には一度も血が付いたことはなかった」
大神「美化しすぎだ」
神様「私の目は節穴じゃないよん。 よくあんな事が出来るな」
大神「私の勝手なこだわりだ。 さすが神ちゃん、よく気がついたな」
神様「私だけじゃなくて上の方の武将とかは気付いてたみたいだけど?」
大神「・・・・・・」
神様「まぁ、それ込みでお前を武神として崇敬してた訳だけど」
大神「皆を騙せていたと思っていたが・・・」フッ
神様「しかし、あんだけ偉いさんから崇敬されてた武神さまがこんなボロ神社の主神とはねぇ〜」
大神「確かに。 私を慕ってくれた者達に顔向けできないな」
581
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/13(木) 23:56:59 ID:Qvq90ftc
神様「寄付金、断ってるんだって?」
大神「何の役にも立たない私がもらう価値などない」
神様「私なら一日中寝て過ごしたとしても貰うけどなぁ〜」
大神「・・・・・・。 神ちゃんの役割と私の役割は違う」
神様「でも、村の農作物を守っているんだし少し位は良いんじゃない?」
大神「対価などモロコシ1本でも多い位だよ」
神様「お堅いね〜」
大神「すまないな、面倒な性格で」
神様「武神ではなく普通の神じゃダメか?」
大神「私には他に才がない。 この神社の姿を見れば分かるだろ?」
神様「狼娘はどうするんだ?」
大神「・・・・・・」
582
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/14(金) 00:01:45 ID:iH9wdNQw
神様「話を変える。 あの駄菓子屋は?」
大神「話が変わってないな」フッ
大神「狼娘が小さかったとき・・・ まだこの神社に人の参拝があったときだが、あいつは人の子とじゃれ合うのが好きでな」
大神「神使になることが出来たら、駄菓子屋を作りたいと夢を語ってくれた」
神様「・・・・・・」
大神「私がいなくなっても狼娘が暮らしていけるようと、あれを拵えたんだが」
神様「鎧、売ったんだって?」
大神「あぁ、さすがに赤字が酷くてな。 鎧で夢は買えぬが、金に変えれば駄菓子屋は作れる」
神様「それでも神宮からの寄付金は使わずか」
大神「私の手で何とかしてやりたかった。 それだけだ」
神様「相変わらず不器用さんだね〜」
大神「そうだな、私は面倒な性格でしかも不器用だ。 自分でもそう思うよ」
583
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/14(金) 00:02:33 ID:iH9wdNQw
大神「狼娘は私の宝、鎧なんかと比べられる物ではない。 迷いもなかったし後悔もない」
大神「駄菓子屋でも作るか、と言ったときのアイツの顔・・・ 今でもハッキリと覚えている。 作って良かった」
神様「そう」
大神「でも、ご覧の通り村から子供だけでなく人すら少なくなってな・・・」
神様「どこも同じだ。 散々見てきた」
大神「アイツには逆に苦労を背負わせてしまったようだが」ハハハ
神様「・・・・・・」
大神「神ちゃん、偉そうなことを散々言っておいて勝手な願いだが・・・ 狼娘を頼めないだろうか?」
神様「・・・・・・」
584
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/14(金) 00:03:24 ID:iH9wdNQw
大神「私がいなくなったらアイツは・・・」
狼娘「いや・・・ うそ・・・」
大神「」チラッ
神様「・・・・・・」
狼娘「イヤだ!」タッタッタッ
神使「あっ、狼娘さん!」
大神「・・・・・・」ハァ
神使「神様! 狼娘さんが外に!」
大神「すまん・・・ 神ちゃんに任せても良いだろうか。 私はこういう事が苦手でな・・・」
神様「分かった。 私に全て任せておけ」
大神「恩に着る」スタスタ
585
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/14(金) 00:04:33 ID:iH9wdNQw
スタスタ
神使「神様・・・」
神様「・・・・・・」
神使「まさかこんな事になっているだなんて・・・」
神様「」ニタァ
神使(うっ・・・ なぜこの状況で神様はこんな笑みを・・・)
神様「神使君や、ここへ電話を繋いでくれたまへ」スッ
神使「ここは?」
神様「神ちゃんプレゼンツショーの始まりだよ」ウヒャヒャ
586
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/14(金) 00:10:16 ID:c.KBW0Kg
わくわく
587
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/14(金) 08:44:43 ID:C89q7K5Q
乙〜
588
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/14(金) 11:59:32 ID:qjh9sxfU
よし
589
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 00:10:08 ID:vEtqBjXo
─── 駄菓子屋前
狼娘「・・・大神さま」グスッ
神様「狼娘ちゃん」
狼娘「・・・・・・」
神様「お願いがある」
狼娘「嫌です!」
神使「狼娘さん・・・」
神様「この私が手塩に掛けて育てた神を、そう易々と諦めるとでも思うのかい?」ニヤッ
狼娘「え?」クルッ
神使「駄菓子屋の地下倉庫を見せてもらえる?」
狼娘「倉庫?」
590
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 00:11:28 ID:vEtqBjXo
─── 深夜・駄菓子屋地下倉庫
ギーッ
神様「うはっ! ゴミ屋敷!」
神使「これは、また凄いことになっていますね・・・」
狼娘「すいません・・・」
神様「倉庫って言ってももう少し綺麗に使わないと」
神使「神宮にある神様の私物倉庫と同じようなもんじゃないですか」
神様「もっと綺麗ですぅ〜」ゲシッ
狼娘「こんな時間に倉庫に来てどうするんですか?」
神様「決ってんじゃん。 片づけるんだよ」
狼娘・神使「え!?」
591
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 00:12:32 ID:vEtqBjXo
神様「明日の朝までにここを道場に戻す」
狼娘「道場に!?」
神様「時間がないし、ちゃっちゃとやるよ〜」トテトテ
狼娘「で、でも・・・」
神様「狼娘ちゃんは掃除機持ってきて」
狼娘「掃除機は・・・ 無いです・・・」
神様「は?」
狼娘「そういう高い物は・・・」
神様「あ〜・・・ じゃぁ箒とちりとりでも・・・」
狼娘「それならありますが」
神様「大神を助けたいんだろ?」
狼娘「すぐ持ってきます!」タッタッタッ
592
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 00:13:32 ID:vEtqBjXo
神様「いや〜 これはやりがいがあるねぇ〜」
神使「朝までに終わるんでしょうか?」
神様「終わらせるしかない」キッ
神使「神様・・・」
神様「さて、んじゃ大物から始めて神使君」
神使「え? ・・・神様は?」
神様「膝に水が溜っててさ、ドクターストップかかってんだよ」
神使「・・・・・・」ハァ
593
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 00:14:20 ID:vEtqBjXo
─── 2時間後
神様「お〜 だいぶ片づいてきたね。 がんばれ〜」
神使「神様も少しは手伝って下さいよ・・・」
神様「さっき言っただろうが、腰やっちゃってドクターストップかかってんだよ」
神使「膝の水はどうしたんですか・・・」
狼娘「あっ、私バケツの水を取り替えてきますね」スタスタ
神様「よろぴこ〜 ついでに何か駄菓子差し入れで持ってきて〜」
狼娘「は〜い」
594
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 00:15:50 ID:vEtqBjXo
神使「しかし、どういう事ですか? あの電話は」
神様「あ?」
神使「さらなる剣の上達に一生懸命な腕利きの剣道バカを紹介しろだなんて」
神様「いや、剣道“バカ”までは言ってないと思うけど・・・」
神使「とりあえず、明日は神宮付属道場の師範の方が来るそうですが」
神様「へぇ〜 剣道バカなの?」
神使「1年中剣道のことばかり考えている方で、凄腕の剣士がいると聞くとすぐに手合わせに行く位だとか」
神様「あ〜 バカだねぇ〜」
神使「でも剣道界で名は知れ渡っていて協会の理事も務めていると聞きました」
神様「それは良いカモだ! いや〜 楽しみだ」ウヒャヒャ
595
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 00:17:26 ID:vEtqBjXo
─── 翌日・鳥居前
神使「神様、あの方ではないですか?」
神様「お〜 間違いないね。 お〜い!」
剣士「?」スタスタ
神使「遠いところご苦労様です」
剣士「神宮付属武道館の剣士と申します」ペコリ
神使「神使と申します」ペコリ
神様「かわゆい神ちゃんと申します」ペコリ
剣士「凄腕の女剣士がいると聞き参上しました」
神様「いや〜 凄いよ? 剣道界の勢力図を塗り替える逸材だね、あれは」
剣士「ほぉ〜 それは楽しみですね。 しかし、それは私が剣を交えてから判断させて頂きましょう」
神様「ビビるなよ?」ニヤッ
596
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 00:18:25 ID:vEtqBjXo
─── 本殿
大神「・・・・・・」ハァ
コンコン
大神「?」
ギーッ
狼娘「失礼します」ペコリ
大神「狼娘・・・」
狼娘「大神さま、お話しがございます。 一緒に来て頂けますでしょうか」
大神「・・・・・・」
狼娘「お願いします」キッ
大神「・・・・・・。 分かった」スタスタ
597
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 00:19:17 ID:vEtqBjXo
─── 駄菓子屋・廊下
狼娘「・・・・・・」スタスタ
大神「狼娘、昨日の話のことだが・・・」スタスタ
狼娘「」スタスタ
大神「・・・・・・」ハァ
狼娘「どうぞお入り下さい」
大神「ん? ここは・・・ 倉庫じゃないか」
ギッー
大神「!?」
598
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/15(土) 08:59:40 ID:BUFUnxdo
ホラーハウス的方向での再建かと思ったがこっちの方向か
楽しみだわ
599
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/15(土) 10:27:16 ID:c4ik04a.
神ちゃんバカ連発
600
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 23:05:24 ID:vEtqBjXo
─── 倉庫改め道場
神様「お、来たか」
大神「これは・・・ 一体どういう事だ!?」
神様「いや〜 お前ガラクタ置きすぎ。 掃除するの大変だったんだから」
神使「神様は何もしていませんが・・・」
神様「古くさいけど結構良い道場じゃん」
大神「なぜこんな事を・・・」
神様「ちょうど狼娘と稽古の時間だろ?」
大神「まさか、ここで狼娘と稽古をしろと?」
神様「狼娘ちゃんはケガのため見学」
大神「ケガ?」
601
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 23:06:45 ID:vEtqBjXo
神様「今日のお相手はこちらの方です! ババン!」
スタスタ
剣士「よろしくお願いします」フカブカ
大神「・・・・・・。 だれだ?」
剣士「神宮付属武道館の剣士と申します」
大神「で?」
神様「ちょっとあの人と勝負して?」
大神「は?」
神様「狼娘ちゃんが稽古できないからこの人と勝負して?」
大神「意味が分からんのだが・・・」
剣士「あなたが剣に自信があると聞き、手合わせをお願いできればと参上しました」
大神「・・・・・・」
602
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 23:07:59 ID:vEtqBjXo
神様「実は〜ぁ」サササッ
大神「うっ、何だ近いな・・・」
神様「狼娘ちゃんがアレにコテンパンにやられちゃって〜」ボソッ
大神「何? 本当か狼娘」
狼娘「え? あ、はい。 痛い痛い〜」スリスリ
神使(見事な棒読みですね・・・)
神様「次は私と神使君をボコするって。 まぁ神使君はどうでも良いんだけど私は流石にね〜」ボソッ
大神「・・・・・・」チラッ
剣士「?」
大神「」ハァ
603
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 23:09:12 ID:vEtqBjXo
神様「あの男、強いよ? お前でも厳しいかもなぁ〜」
大神「」ピクッ
神様「武の達人ってああいうのを言うんだろうな〜 やっぱお前でも難しいかなぁ〜」
大神「・・・・・・。 何を考えているのか知らんが、良いだろう。 守る必要があるのであれば私の意に反しない」
神様「そうこなくちゃ!」
大神「おい、そこの剣士」
剣士「?」
大神「手を抜くな。 どうなっても知らんぞ?」
剣士「望むところ」
大神「狼娘、竹刀を」
狼娘「はい!」スッ
大神「ん」
剣士「」ゴクリ
神様「はじめ!」
604
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 23:10:16 ID:vEtqBjXo
─── 数分後
剣士「くっ!」ガタッ
大神「良い剣筋だった」
剣士「・・・恥を忍んで、もう一勝負付けてもらえないでしょうか!」
大神「何度やっても同じだ。 私とお前では剣の重みが違う」
剣士「重み?」
大神「私は後ろにいる者達を身命を賭して守るために剣を振るった。 勝ち負けのために振るったお前の剣が勝てるわけない」
剣士「!?」
大神「そんな軟弱な剣で私を倒すことなど何度やっても無理だ」
605
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 23:11:13 ID:vEtqBjXo
剣士「しかし! あなたは私へ一度も有効をつかなかった!」
大神「ほぉ、そこまで見ていたとは見事だ」
剣士「まさか!? わざと・・・」
大神「狼娘、この者に水を」
狼娘「は、はい!」タッタッタッ
大神「ところで狼娘、傷は大丈夫なのか?」チラッ
狼娘「うっ・・・」ピクッ
大神「なら、良い」フッ
狼娘「あの!」
大神「?」
狼娘「私も稽古をお願いしても良いでしょうか!」
大神「・・・・・・。 もちろん」
606
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 23:12:15 ID:vEtqBjXo
神様「♪〜」ニヤニヤ
神使(あ〜 これはきっと神様の作戦通りに事が進んでしまっているんでしょうね・・・)
神様「んじゃ、次は“いつも通り”の大神と狼娘ちゃんの稽古開始!」
狼娘「よろしくお願いします!」
大神「こちらこそ。 久しぶりの道場だ、遠慮なく行くぞ」タッ
パンパン!
剣士「!?」
神使「これは・・・ 凄いですね・・・」
剣士「凄いなんてものじゃ・・・ これが普段の稽古!?」ゴクリ
大神「入り方が雑だ! いつも言っているだろう!」パンッ
狼娘「はい!」
大神「刀の長さを考えろ! それでは守れんぞ!」パンッ
剣士「・・・・・・」
607
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 23:13:24 ID:vEtqBjXo
─── 数分後
神様「は〜い。 見てるの飽きたから終わり〜!」
大神・狼娘「・・・・・・」
神様「どうよ、うちの秘蔵っ子の力は」
剣士「こんな方達がいたなんて・・・」
神様「二人ともご苦労様〜 ゆっくりと休んで下さいな」
剣士「・・・・・・。 あの!」
神様「おや〜 何かな?」
剣士「お願いがあります」フカブカ
大神「私か?」
剣士「弟子として私を鍛え直して頂けないでしょうか!」
大神「はぁ!?」
神様「」ウヒャヒャヒャ
神使(もはや隠す気すらないようですね・・・)
608
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 23:14:36 ID:vEtqBjXo
剣士「先生の剣の心得、感動しました! 是非私にもその心を!」
狼娘「!? だ、ダメです! 大神さまの右腕は私だけです! 私以外と稽古だなんて許しません!」プンプン
剣士「そこを何とか!」
狼娘「大神さまと剣を交えられるのは日に30分だけ。 私の稽古時間が減ってしまいます!」
剣士「姉さん! 雑用からでも結構です! 側でお二人の剣を見させて頂くだけでも結構です!」
狼娘「ね、姉さん!?」
神様「まぁまぁ、皆さんそう熱くならずに」トテトテ
神使(うわっ、神様が出てきた・・・ 〆の小芝居開始ですね)
609
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/15(土) 23:16:06 ID:vEtqBjXo
神様「大神師範も色々と忙しい」
大神「師範!?」
神様「あんた一人だけのために貴重な時間を割くというのも、ねぇ?」
剣士「確かに・・・ ではどうすれば」
神様「もう少し教えを請いたいという人がいればねぇ〜」
大神「おいおい神ちゃん、何を言っているんだ!? 私は剣術を教えるなどそんな気は───」
神様「お前だって大好きな剣を振るって余生を過ごしたいだろ?」ボソッ
大神「ま、まぁ・・・ 剣を振るうのは好きだが・・・ しかし、私の剣は勝負事の物でなく───」
神様「おいおい、私に全部任せるんじゃなかった〜? そう言ったよね? 昨日そう言ったよね?」ニヤッ
大神「うっ・・・」
神様「狼娘ちゃんのためを思ってやってるんだけどなぁ〜」ボソッ
大神「・・・・・・。 分かった」ガクッ
神様「というわけで、あんたの知り合いに声を掛けて人集めてくれ。 話はそれからだ」
剣士「」コクッ
610
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 04:03:45 ID:/gkUaJus
─── 翌日
大神「・・・・・・」
ガヤガヤ
狼娘「受付はこちらになりま〜す!」
神様「本日特価! “武神の水”は1本100円! 24本以上は配送料無料だよ〜」
大神「なぁ、狛犬の神使よ」
神使「はい」
大神「この人の量は何だ?」
神使「みんさん凄腕の剣士さん達のようです」
大神「・・・・・・」
611
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 04:04:57 ID:/gkUaJus
神様「も〜 大神遅いって」トテトテ
大神「昨日は茶番に付き合ってやったが、今日は勝負などしないぞ?」
神様「だれも勝負なんかしろなんて言ってないだろうが」
大神「そうか」ホッ
神様「ちょっと相手してやるだけで良いって」
大神「・・・それを勝負と言うんじゃないのか? 」
神様「時代は違えど、こいつらは武の道を極めんとする剣士だぞ? お前、その元締めじゃないのか?」
大神「うっ・・・」
神様「この時代で武を志す者達を見捨てるの〜? 大神さんて何の神なの?」
大神「・・・・・・」
神様「それしか才がないんだよね〜? 他にできることなんか無いんだよね〜?」
大神「・・・しかし」
612
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 04:05:44 ID:/gkUaJus
神様「狼娘ちゃんはどうすんの?」ボソッ
大神「それを言えば私が頷くとでも?」
神様「思ってるよ? 当たり前じゃん」
大神「・・・・・・」
神様「何か問題でも?」
大神「分かった・・・」ガクッ
神様「よーし! 狼娘ちゃん、皆さんを道場へお連れして」
狼娘「は、はい!」タッタッタッ
神様「神使君は水売って」
神使「え〜・・・」
613
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 04:07:15 ID:/gkUaJus
─── 道場
神様「さて、皆さん防具は着けましたね?」
剣士達「はい!」
神様「それでは、大神総師範よりご挨拶! ババン!」
大神「・・・・・・」
剣士達「」ゴクリ
大神「あ〜・・・ 私は、このような───」
神様「はい、ありがとうございました」
大神「・・・・・・」
614
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 04:08:07 ID:/gkUaJus
神様「んじゃ、最初に対戦したい人は前へ」
剣士「はい! 幸運館・館長です! よろしくお願いいたします!」
大神「待て待て」
剣士「?」
大神「面倒だ。 全員まとめてかかってこい」
ザワザワ
大神「武神・大神の力を見せてやる」ニヤッ
615
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 04:09:04 ID:/gkUaJus
神使「だ、大丈夫でしょうか? 30人はいると思いますが」
神様「楽勝だろ。 本物の戦で先陣切って剣を振るってた奴だぞ?」
狼娘「大神さま凄く楽しそうです。 何十年ぶりだろう・・・ こんな大神さま見たの」
神様「アイツの本気の剣は凄いぞ? 今相手したら私でも厳しいかもな」
神使「はいはい」
神様「」ゲシッ
大神「どうした? 来ないのならこちらから行くぞ!」タッ
剣士達「!?」
616
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 04:10:00 ID:/gkUaJus
─── 10分後
パン! パンッ!
大神「剣士A! お前の狙った場所は違うはずだ!! 敵は常に動いていることを忘れるな!」
剣士A「はい!」
大神「剣士B! 残心が無いぞ!」
剣士B「はい!」
パン! パンッ!
神使「凄いですね・・・ これだけの人数を相手にしながら一人ずつ助言するなんて・・・」
神様「あれでも全然本気出してないな」
狼娘「そうですね、大神さまの本気の一振りは当たらなくても気絶しますから」
神使「・・・・・・」
617
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 04:11:12 ID:/gkUaJus
─── 30分後
剣士達「参りました!」フカブカ
大神「こちらこそ相手頂き感謝する」ペコリ
神様「どうよ、剣士達の腕は」トテトテ
大神「皆良い腕を持っている。 正直少し見くびっていた私が恥ずかしい程だ」
神様「まだまだ上達すると思わない?」
大神「あぁ、さらなる高みへ登る可能性は秘めている」
ザワザワ
神様「お聞きになりましたか皆さん! うちの総師範が皆さんの上達を約束しました!」
剣士達「うおー!!」
大神「!?」
618
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 04:12:24 ID:/gkUaJus
神様「と、いうわけで当“神ちゃん道場”で指導を希望する方はこちらの入門届を提出して下さい」
大神「は?」
神様「指導料は月1万円、キッズクラスも併設予定なので知り合いの子供の入門を希望される方は割引がありますよ〜」
剣士「入門届下さい!」
剣士「私にも!」
剣士「キッズクラスの分も一緒に下さい!」
大神「ちょ、ちょっと待て! どういう事だ!?」
神様「は? 入門届を配ってんだけど?」
大神「いや、そうじゃなくて。 まさか私が稽古を付けるのか?」
神様「他に誰がいるんだよ。 あ、キッズクラスは狼娘ちゃんが師範で稽古付けるから心配すんな」
狼娘「え!? 私ですか?」
619
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 04:13:48 ID:/gkUaJus
神様「二人とも毎日ちょー暇だろ? 少し位は武道の役に立てよ。 武神とその神使なんだから」
大神・狼娘「・・・・・・」
神様「お前は剣を教え、その対価を貰う。 お前の一つしか無い才を使ってな」
大神「・・・・・・」
神様「こいつらは戦のない今の時代で“武”を守っていく者達だ」
大神「!?」
神様「何かお前のこだわりに反することでも?」
大神「いいや、なさそうだ」フッ
神様「狼娘ちゃんはキッズクラスで頑張って。 駄菓子屋に子供も来て一石二鳥!」
狼娘「はい!!」
神様「皆さ〜ん、当道場へ入門すると大神師範も毎日飲んでいる“武神の水”が80円で買えますよ〜」
剣士「師範も飲んでいる!? すいません、武神の水を下さい!」
剣士「私も!」
620
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 04:14:44 ID:/gkUaJus
神様「はいはい押さないで! うひょ〜 バカ売れだよ、笑いが止まんねーよ」ウヒャヒャ
神使「神様・・・」ハァ
大神「なぁ、さっきから思っていたんだがあの水は何だ?」
神使「本殿の裏から汲んだ湧き水をボトルに詰めただけです」
大神「・・・・・・」
神様「狼娘ちゃん、急いで水汲んできて」
狼娘「え? あ、はい!」タッタッタッ
621
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 04:17:35 ID:/gkUaJus
大神「神ちゃんは相変わらずだな」
神使「すいません、勝手なことをして・・・」ペコリ
大神「いや・・・ どうやら、私はまた神ちゃんに救われてしまったようだ」フッ
神使「?」
大神「何の取り柄もない私を武神へ指南してくれたのは神ちゃんなんだ」
神使「神様が?」
大神「知っているか? 神ちゃんは私より強いんだぞ?」
神使「え!?」
大神「おっと、これは喋ってはいけないことだったかな?」
神使「・・・・・・」
622
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 04:19:07 ID:/gkUaJus
神様「よっしゃ! んじゃ、早速明日から道場オープン!」
大神「まてまて」
神様「なんだよ、この期に及んで嫌だとか言うなよ?」
大神「言わんよ。 一つだけ条件がある」
神様「あ?」
大神「日が昇っている時間だけだ。 日が沈む前には皆この村から出ること」
神様「そんな事か。 おっけ〜 おっけ〜」
剣士「水を! 武神の水を60本下さい!」
神様「はい喜んで! 今汲んでくるからちょい待ちね」ウヒャヒャ
623
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/17(月) 08:50:44 ID:dERVajg6
神ちゃんにはどんでん返しの罰がまってるのね
624
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:09:57 ID:/gkUaJus
─── 1週間後
神様「見てみて! このお金!」
神使「今月の月謝が大人クラス30万円、キッズクラスと駄菓子屋の売り上げが5万円です」
神様「武神の水の売り上げも1万あるよ!」
神使「それは帳簿に載っていないですね。 そのお金渡して下さい」
神様「ぇ?」
狼娘「うわぁ〜 こんなに沢山のお金を見たの初めてです」
神使「これから毎月これだけの売り上げが入ってきますよ?」
狼娘「毎月!?」
神使「神社の修繕や備品購入もしやすくなりますね」
神様「ちょっと街出て鰻食いに行こうぜ〜」
大神「いや、生活に必要な分として毎月2万円だけを頂くことにする」
神様「それだけで暮らしていけんのかよ・・・」
神使「残りはどうされるんです?」
625
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:11:01 ID:/gkUaJus
─── 村の畑
村人「いや〜 今年もモロコシ残っちまったな」
村人「うちも猛暑の影響か作物不良でほとんど廃棄だよ」
神様「こんちわ〜」トテトテ
村人「ん? お〜 いつぞやの」
神使「先日はトウモロコシごちそうさまでした」
村人「美味かったろ。 今日も少し持ってい・・・ く・・・・・・」
大神「邪魔する」スタスタ
村人達「!?」
626
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:12:06 ID:/gkUaJus
大神「これは懐かしい顔だ。 お前子供の時に神社の祭儀で本殿までたどり着いた者だな」
狼娘「あ! 覚えてます。 確か私の渾身の変身で気絶した方ですね」
村人「・・・・・・」
神様「あ〜 知ってんだ」
大神「当たり前だ。 村の者は全員匂いで分かる」
村人「い、いつも見回りご苦労様です・・・」ペコリ
大神「気にするな、助けて貰っているのはこちらだ」
神様「?」
627
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:13:13 ID:/gkUaJus
村人「き、今日は何か・・・」
大神「その作物は廃棄するのか?」
村人「はい、出荷は出来ないので・・・」
大神「これから廃棄する作物は神社に持ってこい。 私が全て買い取らせて貰う」
村人「え!?」
大神「いいな?」
村人「そ、そんな・・・ 神社の方には新鮮な作物を持っていきますので」
大神「前にも言ったはずだ。 献上は受け付けない」
村人「・・・・・・」
大神「私に廃棄する物を売るのだ。 わ・かっ・た・な?」ズイッ
村人達「わ、分かりました!! すぐにかき集めて売りに行きます!!」タッタッタッ
628
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:14:15 ID:/gkUaJus
神様「ねぇ、皆ちょー怖がってたけど。 逃げちゃったけど」
大神「畏れは大事だろ?」
神様「廃棄する野菜なんか買い取ってどうするつもりだよ」
大神「食べるに決っている」
神様「マジかよ・・・」
神使「廃棄といっても市場の出荷規格に合わないだけで物は新鮮で問題ありませんからね」
神様「金あるんだからまともな方を買えよ」
大神「この地に住まわせてもらっているせめてもの恩返しだ」
神使「どういう事です?」
大神「私や狼娘、それに山に住む狼は村の民に守ってもらっているからな」
神様「え? 逆じゃないの?」
629
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:17:35 ID:/gkUaJus
大神「残念だが日本で野生の狼がいるのはこの地だけだ」
神使「言われてみれば確かに・・・」
神様「そうなの?」
神使「確かニホンオオカミはすでに絶滅しています。 他に出没事例も聞いたことありませんね」
神様「いやいや、いるじゃん。喧嘩売られたじゃん」
神使「まさか、それを知って村の人達は・・・」
大神「あぁ。 皆は何も言わないが、影ながら私達の存在を隠してくれている」
神使「それで代わりに村の作物を守っていたんですか」
大神「山の狼たちの命と作物の見張りでは釣り合わないがな」
神使「もしかして献上がないというのは・・・」
大神「そんなものを受け取れるわけないだろ」
神様「うへぇ〜 面倒くせー性格してますなぁ〜」
大神「何度も言うな・・・」
630
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:18:21 ID:/gkUaJus
神使「日が落ちるまでに道場の皆さんを帰らせているのも狼さん達を隠すためですか?」
大神「あまり知られたくはないからな」
神使「そうでしたか・・・ なんか私達が荒らしてしまったようですいません」
大神「心配するな、いつかは話すつもりだ。 これも時代の流れだろう」
狼娘「・・・・・・。 申し訳ありません大神さま!」フカブカ
大神「?」
狼娘「私・・・ 色々誤解していたみたいです。 村の方達とか、見張りの件とか・・・」シュン
大神「変わることが出来なかった私の責任だ。 狼娘が気にすることではない」
神様「そうそう、ついでに人を怖がらせるのも辞めた方が良いと思うぞ? 時代に合わない」
大神「しかし、神には畏れを持って接して───」
神様「変わるんだろ?」
631
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:19:34 ID:/gkUaJus
大神「・・・・・・。 そうだな、これからはもう少し───」
剣士「名誉会長ー!」タッタッタッ
神使「名誉会長?」
剣士「ここにいましたか、名誉会長」ハァハァ
神様「バカ! 外に出てくるなっていっただろうが」ボソッ
神使「しかし完成したらすぐに知らせろと言ったのは名誉会長では・・・」
神使「神様? 剣士さん達に何をさせているんですか?」
神様「いやちょっとね・・・」アセアセ
大神「名誉会長ってのは何だ?」
神様「・・・・・・」
632
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:20:34 ID:/gkUaJus
神使「剣士さん、何が完成したんでしょうか?」
剣士「湧き水を汲み上げる大型の井戸が完成しまして───」
神様「うわー! 言うんじゃない!」
大神「井戸?」
神使「まさか“武神の水”を量産する井戸ではないですよね?」
神様「・・・・・・」
大神「剣士、急いで道場へ戻れ。 何があっても振り返るな」
剣士「え? あ、はい。 分かりました。 それでは名誉会長、先生、失礼します」タッタッタッ
大神「前言撤回だ」
神様「どの前言でしょうか・・・」
633
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:21:20 ID:/gkUaJus
大神「畏れは大事なようだ。 狼娘! お前の全力を見せてやれ!」
狼娘「はい!」
神様「ちょ、何する気? 言っておくけど狼娘ちゃんじゃ私に剣は敵わないよ?」
狼娘「ウゥ・・・」グルルル
神様・神使「!?」
狼娘「グォ グガーー!!」メキメキ
ボキボキ ミシミシ
狼娘「グギャーーー!!」グルルル
神様・神使「・・・・・・」ストン
狼娘「上手そうな匂いのする餌だ」ポタポタ
634
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:22:31 ID:/gkUaJus
神使「か、神様・・・ 謝って下さい」アワアワ
神様「」コテッ
神使「神様が失神した!?」
大神「お〜 これは怖いな。 100点だ!」
狼娘「初めての100点! ありがとうございます!!」
大神「やはり畏れは必要だな」ハハハ
神様「」
神使「神様! 神様ー!!」
神様「」ジュワ〜
神様「神様だ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 番外編・2018年夏
おわり
635
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/09/17(月) 21:23:21 ID:/gkUaJus
じゅわ〜
636
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/17(月) 22:50:56 ID:6ocRVHaI
じゅわ〜
ここ1年で一番わろた
637
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/19(水) 21:24:03 ID:3ZiwxIsc
やっぱりおもろいなぁ
だが暦では秋だ
638
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/20(木) 10:16:59 ID:Rjx8SiAE
おまるに跨った途端にどうなったんだ?
639
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/24(月) 09:37:50 ID:YB17levw
神ちゃんまた牡蠣のシーズンが始まりましたぜ
牡蠣の産地が皆悉く天災に遭って大変です
640
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/09/29(土) 16:01:16 ID:DPBfoQKk
神ちゃん台風が来る
641
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/10/17(水) 04:17:51 ID:n.U5TMMY
紅葉シーズンだ
642
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/11/27(火) 09:21:38 ID:Y7cvm5kc
もう少しで12月だな
643
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/11/29(木) 01:15:15 ID:vo7KMhcE
神ちゃん、おらほの神様も出雲からお帰りになっただ
一緒に来て貰えねべか?
ご馳走も用意するだはんで
644
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:20:58 ID:WOS73er2
スレが余ってるんだよ……
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
645
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:22:39 ID:WOS73er2
幼子「お母さん? どこ?」テクテク
ガタガタ
幼子「!?」ビクッ
?「幼子」
幼子「お母さん!」タッタッタッ
?「こんな所でどうしたの?」
幼子「あのね、お祭り見てたら迷子になっちゃったの」
?「沢山の人がいるものね。 でも、もう大丈夫よ」ニコッ
幼子「ねぇ、あのガタガタしてる箱は何?」
?「あれは、お母さんと幼子の宝物。 幼子が大きくなったら一緒に開けましょうね」
幼子「うん!」
?「お母さんちょっとお仕事があるから、先に帰っててね」
幼子「はい!」ニコッ
─────
───
─
646
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:23:57 ID:WOS73er2
■ 神様「神様だ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 番外編・2018年冬
少女「お母さん・・・ お母さん!!」ハッ!
ガタンゴトン
少女「・・・・・・」ボー
「ねぇ」
少女「?」クルッ
「隣に座っても良い?」
少女「・・・・・・。 連れの方と一緒じゃないんですか?」
647
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:24:50 ID:WOS73er2
神様「あいつ寝ちゃってさぁ〜 暇だから誰かと喋りたいの」ヨイショ
少女「お小遣いをねだって、断られた腹いせにスネ蹴りして気絶させたように見えましたけど」
神様「見てたの!?」
少女「嫌でも聞こえる位に大きな声でしたから。 財布、返した方が良いですよ?」
神様「いいのいいの。 それより座っても?」
少女「・・・・・・。 もう座っているように見えますが」
ガタンゴトン
648
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:25:27 ID:WOS73er2
神様「♪〜」ニコニコ
少女「・・・あの」
神様「3つ先の駅にデカい神社があってさぁ〜」
少女「?」
神様「デカいくせにすげー田舎なもんで参拝者が全く来ないんだって」
少女「そう」
神様「あっ! 今、牛が見えた」
少女「・・・・・・」
神様「牛でけ〜」
649
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:26:07 ID:WOS73er2
少女「特に用がないなら、できれば一人にして頂きたいのですが」
神様「ひま?」
少女「そうですね。 あまり会話も弾みませんし」
神様「違うって。 ナウじゃなくてこの先ずっと暇? って聞いたの」
少女「・・・どういう意味ですか?」
神様「バイトしない?」
少女「え?」
650
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:27:08 ID:WOS73er2
─── 錆礼田神社前駅
プシュー
神様「いや〜 さすが神使君チョイス。 何もない所だね〜」トテトテ
神使「神様、酷いですよ・・・ 見て下さいよ、こんなに大きい青あざが・・・」スリスリ
神様「お付きの分際で私に楯突くからだ」
少女「お付き?」
神使「?」クルッ
神様「紹介しよう。 彼女は少女ちゃん」
少女「」ペコリ
神使「はじめまして」ニコッ
651
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:28:08 ID:WOS73er2
神様「電車の中で意気投合して仲良くなったのだ」
少女「私には意気投合した記憶がないですが」
神様「この出会いは何かの縁なのだよ。 そう、これから起こるであろ───」
神使「すいません、なんかご迷惑をおかけしたみたいで」
少女「はい。 結構」
神使「神様、可愛いからって他人を引きずり回すのは良くないですよ?」
神様「お前って本当に犬ころだな。 だから皆からダメすぎィーヌって呼ばれるんだよ」
神使「そんな風に呼ばれたの初めてなんですけど」
少女「それより私は何を? バイトって言ってましたけど」
神使「バイト!?」
神様「聞いて驚け、少女ちゃんを雇った」
神使「本当に驚きですよ。 雇うって、そんなお金───」
神様「金ならここにある」フリフリ
652
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:28:52 ID:WOS73er2
神使「それ私の財布に見えるのですが・・・」
神様「そう、これは神使君がワゴンセールで買ったダサい長財布」
神使「・・・・・・」
神様「これダサいから中身も含めて全部少女ちゃんにあげる」ポイッ
少女・神使「え!?」
神使「今月分の生活費が入っているのですが・・・」
神様「全部って言っても少し抜いてあるから大丈夫」
少女「・・・・・・(抜きすぎ)」ジャラ
653
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:30:13 ID:WOS73er2
神様「紹介しとくね。 これは私のお付きで犬ころ」
少女「えーと・・・ 執事とかそういう類いですか?」
神様「私は巫女さんで、この犬ころは雑用の召使いみたいなもん」
神使「神様、もう少しまともな紹介をして下さいよ・・・ それより私の財布───」
少女「もしかして、この神社の方なんですか?」
神使「いえ、私達神宮の者でして」
少女「神宮?」
神様「神社とか管理している営利団体」
神使「非営利です」
神様「宗教法人という隠れ蓑を使って労働基準法を無視しまくる極悪非道な───」
神使「少女さんは、こちらの神社へ来られる予定だったのですか?」
少女「私は・・・」
神様「ねー、寒みーし早く行こーぜ」
神使「そうですね」
654
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:31:14 ID:WOS73er2
─── 参道
テクテク
神様「しかし、相変わらず土地だけは広いなぁ〜」
神使「神様ここ知っているんですか?」
神様「神社だろ? 遊園地じゃないことくらい私でも見りゃ分かるわ」
神使「そういう意味でなく・・・ ん?」ピタッ
神様「ふがっ!」ドンッ
神使「すいません。 大丈夫ですか神様」
神様「急に止まるなよ」
神使「見て下さい、あの小屋」
神様「あ? ただの倉庫じゃん」
神使「あの形と作りは相当年代物ですよ?」
655
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/26(水) 02:32:02 ID:WOS73er2
神様「昔はあんなのゴロゴロあったぞ。 珍しくもないだろ」
神使「神様の言う昔というのはいつのことですか・・・」
神様「ん〜 平安とか?」
神使「それこそ今の時代に残っていたら国宝級じゃないですか」
少女「・・・・・・」チラッ
神様「あのボロっちい建物が気になる?」ニョキ
少女「え!?」
神様「」ジー
少女「い、いえ別に」
神様「ま、早く社務所へ行きましょ」トテトテ
少女「・・・・・・」
656
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/26(水) 05:56:20 ID:zgdU4R52
奇跡の番外編
乙なのよな
657
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/26(水) 06:14:43 ID:pjusIRGE
神ちゃん!!
658
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/26(水) 21:27:57 ID:kpgxjAHA
更新されてる!?
ありがとうございますありがとうございます
659
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:23:52 ID:i7pReU3c
─── 社務所
神使「社務所も年代物ですね」
神様「家具も電化製品も古いな」
神使「でも、一部最近の物も見られるようですが」
神様「誰か住んでたんじゃね?」
少女「・・・・・・」
神使「え〜・・・」
神様「あとは勝手にジモピーの老人会とかが会合開いてたとか」
神使「その可能性はありそうですね」
神様「ま、詮索してもしょうが無いし」
神使「そうですね。 電気とガスは事前に開通してもらっていますので最低限の生活は出来ると思います」
660
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:24:52 ID:i7pReU3c
神様「寒みーし、温かい物が飲みたい」
神使「では、お茶でも煎れてきますね」
神様「犬ころは掃除! お茶は少女ちゃんが煎れたのが飲みたい」
少女「え? 私ですか?」
神様「良いでしょ〜 少女ちゃ〜ん」スリスリ
少女「わ、分かりましたから離れて下さい」
神様「よろぴこ〜」
少女「はぁ〜・・・」スタスタ
661
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:25:25 ID:i7pReU3c
神使「あっ、買ってきたお茶っ葉───」
神様「神ちゃーんキィークッ!」ゲシッ
神使「痛い!」ガクッ
神様「しまっとけ」
神使「え? でもコレがないとお茶が・・・」
神様「いいから!」
神使「?」
662
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:26:16 ID:i7pReU3c
─── 数分後
少女「お茶、煎れてきました」スタスタ
神様「わ〜お、飲みたい飲みたい」ピョンピョン
神使「お茶位でそんなに興奮しないで下さい」
少女「どうぞ」コトッ
神使「ども〜」
少女「はい、どうぞ」コトッ
神使「ありがとうございます。 でも、良くお茶っ葉とかお分かりになりましたね」
少女「!?」ピクッ
神様「・・・・・・」ズズズ
少女「台所なんてどこも同じような物です」
神使「確かにそうですね」
663
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:27:13 ID:i7pReU3c
神様「さて、んじゃ仕事でもしますか。 神使君、この神社の事前情報を教えて」
神使「錆礼田神社、由緒や主神などの情報は不明です」
神様「これだけデカいのに?」
神使「はい、ただ平安時代の書物に記載があるようで建立はかなり古いと思われます」
神様「ずっと無人か?」
神使「100年ほど前まで巫女さんがおられたようですが」
神様「巫女?」
神使「錆礼田神社は、宮司や神職は置かず代々巫女が管理をしていたようです」
神様「ふ〜ん」チラッ
少女「・・・・・・」
664
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:29:37 ID:i7pReU3c
神様「後を継ぐ巫女はいなかったの?」
神使「それが・・・ 変なんです」
神様「あ?」
神使「当時こちらの神社から神宮に管理者変更の書類が届いたらしく、次の巫女の名前も記載されていたようです」
神様「それはどちら様?」
神使「それが、改めて書類を確認したら名前が消えていたそうで」
神様「・・・何言ってんの?」
神使「書類から書かれていた名前が消えたと言いました」
神様「あ〜 誰かがその書類を後から改竄したってこと?」
神使「いえ、改竄根はなかったそうで・・・ 綺麗に名前だけ空欄になっていたと」
神様「・・・・・・。 神使君、あなた疲れてるのよ」
神使「私は神宮から言われたことをお伝えしているだけですので・・・」
神様「それを真に受けるお前もおかしいし」
神使「そう言われましても」ポリポリ
665
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:30:33 ID:i7pReU3c
神様「少女ちゃんもこのクソ犬に言ったって! お前はやっぱりダメすぎィーヌだって」
少女「変・・・」
神様「ほら、少女ちゃんも私と同じ真っ当な思考の持ち───」
少女「なんで記憶が・・・」ボソッ
神様・神使「・・・・・・」ジー
少女「あっ! いえ、何でもないです」
神様「少女ちゃん? もしかして・・・」
少女「な、なんでしょうか」
神様「あなたも疲れているのよ」ポンポン
少女「そ、そうみたいですね」
神様「風呂だ! 風呂を沸かすのだ!! 疲れた体には風呂が効く!」
神使「・・・・・・」
666
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:31:50 ID:i7pReU3c
─── 30分後
神使「神様、お風呂湧きましたよ」
神様「ん。 バブある?」
神使「はい。 ラベンダーとゆず、森の香りと〜」ゴソゴソ
神様「森の香りって意味分かんないんだけど・・・」
神使「後は“唐辛子”と、オマケでもらった“檜風呂に浮かべた檜玉の香り”ですね」
神様「!?」
神様「季節的に“ゆず”ですかね」
667
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:32:29 ID:i7pReU3c
神様「神使君? 最後なんて言ったの?」
神使「? “檜風呂に浮かべた檜玉の香り”ですか?」
神様「何それ! 檜の香りに檜の香り!? ミックスする意味あんの?」
神使「さぁ? コレにします?」
神様「聞くまでもないじゃん!」
神使「それでは───」
神様「ゆずでお願いします」
少女「・・・・・・(唐辛子って何?)」
668
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:33:13 ID:i7pReU3c
─── 夜・台所
神様「ふぃ〜 良いお湯でした〜」ホクホク
神様「やっぱ風呂上がり後はカップラだよね〜」ゴソゴソ
神使「神様?」
神様「うわー!」ビクッ
神使「ダメですよ? 寝る前にカップ麺なんて」
神様「んだよ、ビックリしたなぁ〜 ラーメン落とすところだったよ」ホッ
神使「太りますよ?」
神様「うるせー。 文句あるなら普段から私に贅沢な飯を寄こせ」
669
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:33:54 ID:i7pReU3c
神使「あの、お聞きしたいことがあるのですが」
神様「なに」
神使「神様は少女さんの事をご存じなんですか?」
神様「あ?」
神使「急にバイトで雇うとか、先ほども少女さんを観察していましたよね?」
神様「」
神使「少女さんは一体・・・」
神様「さぁね、少なくとも私はあの子と会ったのは初めてだ」
神使「そうですか」
670
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:35:16 ID:i7pReU3c
神様「ただ、よく似た神を知っている」
神使「神・・・ 似てるというのは?」
神様「遙か昔に、私はある少女を神にした。 そいつによく似ている」
神使「容姿がですか?」
神様「容姿だけじゃない。 雰囲気もどこか似ている」
神使「その神は今もご存命なのですか?」
神様「100年以上前に、神から人に戻した」
神使「え?」
神様「たぶん、生きてはいない」
神使「その神と少女さんに何か関係があるのでしょうか?」
神様「・・・・・・。 アイツはとても不思議なヤツだった・・・ 私でも理解できない位」
神使「分かりました。 お答え頂きありがとうございます」ペコリ
神様「もう良いのか?」
671
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/27(木) 00:36:07 ID:i7pReU3c
神使「神様もまだ考えている所なんですよね? 今はここまでで十分です」
神様「あっそ。 まぁ私にもよく分からないけど一応忠告だけしておく」
神使「?」
神様「流されるな。 自分を見失うな。 自分の行動を忘れるな」
神使「・・・はい」
神様「私のように完璧であれ。 じゃ」トテトテ
神使「あっ、神様! ラーメン忘れてます! あと、服着て下さい!」
キャー!
神使「少女さんに変なトラウマ植え付けないで下さい・・・」
672
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/12/28(金) 06:30:57 ID:D6X/Q6d2
おつ
来てくれてありがとう
673
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:14:57 ID:qW8GGYRo
─── 翌朝・社務所前
少女「あの・・・」
神様「うんうん。 よく似合う」
少女「私、こういう格好はあまり・・・」
神使「予備の巫女服なのですがサイズが同じで良かったです」
神様「神社でバイトするんだからその格好じゃなきゃダメ」
少女「そもそも私バイトするとは一言も・・・」
神様「いいから。 少女ちゃんは参道から本殿前までのお掃除お願い」
少女「・・・・・・」
神様「はい、箒」スッ
少女「まぁ、掃除位であれば」
神様「んじゃ、よろぴこ。 神使君は裏庭ヨロ」
神使「分かりました」
神様「それでは! 朝のお掃除スタートゥ」
674
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:15:48 ID:qW8GGYRo
─── 本殿
神様「さてと、一度ご神体でも覗いておきますかね」トテトテ
ギー
神様「うむ。 空っぽでござる」
神様「何か金目になる物はねーかな〜」キョロキョロ
神様「木箱・・・ はは〜ん、あれは宝箱じゃまいか?」
神様「♪〜」トテトテ
675
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:16:33 ID:qW8GGYRo
神様「どうする神ちゃん。 開けるのか? 開けてしまうのか?」
神様「迷う必要など無い! これで私は大金持ち!!」ウヒャヒャ
パカッ
神様「イヤッホ〜イ! 何も入ってな〜い」
神様「・・・・・・。 まぁそう都合良く宝箱なんてないよね」
神様「・・・・・・」ハァ
神様「さて、他には何もなさそうだし」
676
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:17:29 ID:qW8GGYRo
─── 1時間後
神使「神様、裏庭のほう終わりました」スタスタ
神様「ん」ジー
神使「こんな隅っこで何をジーと見ているんですか?」
神様「あれ、どう思う?」
神使「少女さんですか? 綺麗にお掃除されていますね」
神様「やっぱお前の目は節穴だな」
神使「特に変わったところはないように思えますが・・・ 箒の扱いが上手いですね」
神様「あれ、神社での掃除にかなり慣れているぞ」
神使「そうなんですか?」
677
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:18:34 ID:qW8GGYRo
神様「ゴミを集める箇所が理想的だ。 わたしもあの場所は賛成だ」
神使「それは・・・ 偶然じゃないですか?」
神様「あと、一度も本殿に向かってゴミを掃いていない」
神使「ゴミを?」
神様「神のいる本殿にに向かってゴミを掃かないのは神社掃除の基本」
神使「巫女のバイト経験でもあるんでしょうか?」
神様「気になるのは、本殿以外にもう一カ所ゴミを掃いていない箇所がある」
神使「どこです?」
神様「あそこ」クイッ
678
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/12/29(土) 00:19:20 ID:qW8GGYRo
神使「倉庫? 年代物の古い倉庫ですか?」
神様「あぁ」
神使「まさかあの倉庫も神域・・・」
神様「あの子、この神社で働いていたのは間違いないな」
神使「少女さんがここで? しかし、もう100年近く無人なんですよ?」
神様「・・・・・・」
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