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神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 4社目
1
:
◆8YCWQhLlF2
:2017/12/18(月) 00:50:43 ID:8s/TCYA6
神様「前スレだ!」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1455635965/
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1471198434/
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1486059614/
神使「読まなくても良いと思います」
神様「長い!」
290
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/15(火) 01:39:19 ID:OBRMEeiE
─── 奥社近辺の森
祭儀神「よしと。 これで全部終わったな」
A子「ちかれた〜」グテッ
祭儀神「予定より早く終わったな」
A子「おっちゃんが、1個設置するごとに休憩なんかしなければもっと早く終わったと思います!」
祭儀神「おれも年なんだよ。 少しは大目に見てくれよ」
A子「私100個も付けたんだよ? おっちゃんは30個しか付けてないじゃん!」
祭儀神「あとでお供え物分けてやるから」
A子「マジで!?」
祭儀神「さっき高級和牛肉のお供えがあったから」
A子「よっしゃー!! おっちゃん偉い!」グッ
祭儀神「そりゃどうも」
A子「私は一生おっちゃん派だよ」
291
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/15(火) 01:40:07 ID:OBRMEeiE
祭儀神「ふふ・・・ ふはははっ!」
A子「ちょとどうしたの?」
祭儀神「いやいや、すまない。 おかしくてな」
A子「頭が?」
祭儀神「違うわ。 俺は神宮の神だ」
A子「知ってる」
祭儀神「しかも神の中でも最高位の祭儀神」
A子「最高位なんだ。 はじめて聞いた」
祭儀神「そんな俺に自然に接してきた人間は、A子ちゃんが初めてだ」
A子「?」
祭儀神「神宮歴代の大宮司達でさえ、俺の前では頭を下げ常に一歩引いてんだぞ?」
A子「そうなんだ」
292
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/15(火) 01:41:26 ID:OBRMEeiE
祭儀神「それに引き換え、A子ちゃんはただの巫女。 今まで俺はここの巫女とまともに会話すらした事もない」
A子「私はただの巫女じゃありません〜 神宮のミス巫女です〜」ベー
祭儀神「そうかそうか、それはすまないな」ペコリ
A子「分かればよろしい」
祭儀神「神ちゃんがA子ちゃんをどうしても神にしたいのはよく分かる」
A子「どういうこと?」
祭儀神「A子ちゃんは、神ちゃんと同じなんだよ」
A子「私が?」
祭儀神「あぁ、きっと神ちゃんのような神になれる」
A子「それって月給14万のダメ神になるって事?」
祭儀神「はははっ! そうだな、ダメ神だ。 神ちゃん以上のダメ神になれる素質がある」
293
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/15(火) 01:42:27 ID:OBRMEeiE
A子「ちょっとおっちゃん、裏まで顔貸してくれる?」
祭儀神「あいにく、俺はこれからキャバクラだ」
A子「このおっさん・・・」
祭儀神「じゃ、戻るか」
A子「あ〜 私ちょっと奥社に行ってくる」
祭儀神「内宮神か?」
A子「うん」
祭儀神「分かった」
A子「じゃ、また後で」タッタッタッ
祭儀神「気をつけろよ」
A子「あいよー」
祭儀神「・・・・・・。 さて、急いで出かけるか」
294
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/15(火) 01:43:22 ID:OBRMEeiE
─── 神宮・奥社
コンコン
神聖な社に何用か? 合い言葉を述べよ
A子「知らない」
ギー
内宮神「A子ちゃん」
A子「ちょっとお邪魔しても良い?」
内宮神「もちろん。 上がって」
A子「おじゃましま〜す」
295
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/15(火) 01:44:42 ID:OBRMEeiE
内宮神「どったの? お昼は午前中に置いていったお供えをもらったけど」
A子「内宮神ちゃん、神ちゃんと意識が別れたんだって?」
内宮神「・・・あっちから聞いたの?」
A子「うん」
内宮神「そう・・・ 数日前にね」
A子「内宮神ちゃんはこれからどうするの?」
内宮神「私は・・・ 私のやるべき事をやるだけ」
A子「ずっとここに居るの?」
内宮神「封印の事は聞いた?」
A子「うん。 龍だか何だかよく分からない物を封印してるって」
内宮神「この結界だけは絶対に維持しないといけない。 それが私の役目」
A子「でも・・・」
296
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/15(火) 01:45:50 ID:OBRMEeiE
内宮神「ここら辺の土地を売り払おうとしているんだって?」
A子「うん」
内宮神「大丈夫。 絶対にそうはならないから」
A子「そうなの?」
内宮神「その為に神ちゃんが策を練っているんでしょ?」
A子「でも、流石にどうなるか・・・」
内宮神「絶対何とかなる。 今までだって守り通してきたんだから」
A子「内宮神ちゃん・・・」
内宮神「この場所が・・・ いや神宮自体が取り壊しになるって話が今まで何度もあったんだ」
A子「え?」
内宮神「そんな危機が何度も何度もあって・・・ でも、ここは何千年も無事にこの場所にある。 今回だってきっと・・・」
内宮神「だから、私は・・・ 神ちゃんを信じる」
A子「・・・・・・」
297
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/15(火) 14:28:59 ID:iAyAJZ/s
神ちゃん頑張れよ
298
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/15(火) 20:08:06 ID:cwPGBidA
乙
299
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/16(水) 00:25:31 ID:EMPt/aag
─── 喫茶ねこまた・サーバールーム
ガチャッ
猫神「ハロ〜」
B夫「猫神様いらっしゃい」
猫神「祭儀神君から機械の設置が終わったって電話があったよ〜」
B夫「オッケ」
猫神「何を取り付けたの〜?」
B夫「奥社の下に何が埋まっているのかを調べるための測定器」
猫神「でも封印されているから分からないんじゃないの〜?」
B夫「それは計測してみないと。 たぶん10分位で結果が出る」
猫神「ふ〜ん。 で、売却の件の方は何か分かった〜?」
300
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/16(水) 00:26:50 ID:EMPt/aag
B夫「これ見て」カタカタ
猫神「メール? ハッキングしたの?」
B夫「宮司会は議事録自体がないし、この件に関する書類は手書き保管されているからさすがに取り出せない」
猫神「じゃぁこのメールは〜?」
B夫「最終的な文章を作るためには下っ端が各所とやり取りをして詰めていく」
猫神「あ〜 なるほど〜 最終文章は分からなくても、直前までのやり取りが分かれば良いって事だね〜」
B夫「ザッツライト。 このメールの最後、“それでは、こちらの契約草案で最終とさせていただきます”って書いてある」
猫神「さすがB夫くん。 怖いね〜」
B夫「その言葉、全反射でお返しします」
猫神「で? メールの中身は〜?」
B夫「今開く」カタカタ
猫神「差出人は〜 神宮の新規開拓室?」
B夫「そう。 相手は、日本新燃準備会社」
猫神「聞いたことない所だね〜? B夫君知ってる〜?」
B夫「・・・・・・」
301
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/16(水) 00:28:17 ID:EMPt/aag
ピピピピ
猫神「何の音〜?」キョロキョロ
B夫「簡易測定が終わった。 えーと・・・」
猫神「何これ? 凄い文字の羅列だね〜 Pbって文字がいっぱいあるけど〜」
B夫「・・・やっぱり」
猫神「?」
B夫「猫神様、すぐに神ちゃんのところへ行きましょう」
302
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/16(水) 00:29:26 ID:EMPt/aag
─── 神宮近くの裏通り
神様「いや〜 久々の伊勢だね」モグモグ
神使「いつの間に赤福なんか買ったんですか・・・」
神様「お前が駅でおしっこ行っているとき」
神使「大きい声でそう言う事は言わないで下さい///」
神様「お前が聞いたんじゃねぇかよ!」ゲシッ
神使「それより・・・ 神宮に行く道とは違いますね」
神様「考えなしで敵地に乗り込むほど私は愚かじゃないのだよ」
神使「ではどちらへ?」
神様「あった。 ここ」
神使「雑居ビル・・・ のようですが」
303
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/16(水) 00:30:51 ID:EMPt/aag
神様「この汚らしい建物は、なんと! 神様機構の本庁舎なのだ!」
神使「え・・・ この壁のコンクリが所々剥がれ落ちている建物がですか?」
神様「うん。 通称ボロビル」
神使「・・・・・・。 表札に“田中”って書いてありますが」
神様「神様機構なんて看板出せるわけないだろ」
神使「それはそうですが・・・ なんで田中なんです?」
神様「ちなみに両隣の建物も機構の持ち物。 中はスッカラカンだけど」
神使「長官さんはこんな所で仕事をしていたのですか・・・」
神様「長官君は神宮にいる事が多いし、ほとんど倉庫代わりだね。 普段は誰もいないはず」
神使「なんか勿体ないですね」
神様「しばらくはここが私達の前線基地」
神使「神宮まで徒歩で10分といった場所ですね」
神様「専用の地下通路があるから5分で着く」
神使「あっ、そういう所は流石ですね」
304
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/16(水) 00:31:59 ID:EMPt/aag
prrr prrr
神様「?」ゴソゴソ
神使「メールですか?」
神様「猫神だ。 B夫と猫娘を連れてこっちに来るって」
神使「随分と急ですね。 何か分かったんでしょうか?」
神様「らしいな。 明日から早速行動開始だな」
神使「きちんとした作戦を立てて下さいね?」
神様「へいへい」テクテク
神使「・・・・・・」
305
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/16(水) 06:26:23 ID:v0UJ1GLo
乙
306
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/16(水) 22:17:48 ID:ETea936Y
おつ
ドキドキ
307
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/17(木) 00:56:13 ID:QRRK9RNQ
─── 翌日・神様機構本庁舎(ボロビル)
猫神「この建物まだあったんだねぇ〜」
長官「私もボロビルに来たのは久しぶりだ」
神使「本当にボロビルと言うのですね・・・」
神様「あれ? 祭儀神は?」キョロキョロ
A子「なんか出かけてるみたい。 昨日キャバクラに行くって出たきり戻ってない」
B夫「時間も惜しいし始めよう」
神様「おっ、B夫やる気だねぇ」
猫神「悠長な事を言っていられない状況だしねぇ〜」
神様「聞きましょうか」
308
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/17(木) 00:58:36 ID:QRRK9RNQ
B夫「まずは封印されているものについて」
神使「何か分かったのですか!?」
B夫「取り付けてもらった測定器が奥社近辺で大量の鉛を検出した」
神様「なまり?」
B夫「そう、通常では考えられない量」
神使「どういう事です?」
B夫「過去にこの場所で鉛が大量に生成される事象が起こっていたと考えられる」
A子「鉛ってどうやったら出来るの?」
B夫「方法は色々あるけど・・・ 他に検出した物質と合わせて推察するに、ある物質が核分裂を起こした後に出来たと考えられる」
神使「核分裂!?」
309
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/17(木) 00:59:51 ID:QRRK9RNQ
B夫「単刀直入に言う。 高純度のウランが大量に地下にあると思われる」
一同「ウラン!?」
神使「それって原子炉とかに使われる燃料ですよね?」
B夫「ザッツライト」
長官「なんでそんな物が日本に?」
B夫「ウラン自体は結構どこにでも微量ながらある。 日本でもいくつか採掘できる場所もあるし」
長官「これは驚いたな」
神使「でも仮にウランだとしたら、龍というのは一体・・・」
B夫「高速の放射線粒子が物質と相互作用するときに青く光る現象がある。 もちろん核分裂時にも起こる」
神使「青く・・・ まさかその光が!?」
310
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/17(木) 01:00:58 ID:QRRK9RNQ
B夫「目視できる程では無いけど、目や頭部内で反応が起こると青く光ったと感じるという報告がある」
神使「それが青い龍の正体・・・」
B夫「正確にはチェレンコフ効果」
A子「私、感じた事ないよ?」
B夫「これを感じたらまず助からない」
A子「何それ怖い!」
神使「仮に、今結界を解いた場合どうなるんです?」
B夫「推定埋蔵量からすると結界解除と同時に核分裂の暴走が始まって一瞬で一帯が吹き飛ぶ」
神使「一帯というのはどのくらいの規模です?」
B夫「日本はもう住めないかもね」
一同「!?」
311
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/17(木) 01:02:10 ID:QRRK9RNQ
神使「しかし、当時はそこまでにはなっていなかったのでは?」
B夫「当時は鉱物が核崩壊をある程度抑制していたと考えられる」
神使「今は違うんですか?」
B夫「地殻の変動で奥社近辺に地下水が流れてる。 しかもかなりの量」
A子「神宮菜園も地下から水汲んでるって言ってた」
神使「それが何か問題でも?」
B夫「水が核分裂のスピードを速める。 この辺を掘ったら水がウランに浸かって間違いなく暴走する」
神使「ちょっと想像を超えた事態ですね・・・」
猫神「もう一つマズい事があるんだよね〜」
長官「まだあるのかね・・・」
312
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/17(木) 01:03:30 ID:QRRK9RNQ
B夫「土地の売却に関して」
神使「ウランの事を話せば神宮も思いとどまるのでは?」
B夫「逆。 神宮はそのウランを採掘しようとしてる」
一同「は!?」
B夫「あの土地を取得しようとしているのは“日本新燃準備会社”という所」
A子「何その変な名前の会社。 センスないね」
B夫「1年前にインターナショナルエクスプロレーションという資源開発の世界的企業と合弁で設立された会社」
神使「合弁?」
B夫「そう、筆頭株主は神宮土地開発財団」
長官「神宮? どういう事かね?」
B夫「神宮が神宮の出資した会社に土地を売り払うって事」
神使「なるほど・・・ つまり営利事業が出来ない神宮のダミー会社という事ですか?」
B夫「ザッツライト。 神宮も地下にウランが埋まっている事に気付いている」
313
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/17(木) 01:05:19 ID:QRRK9RNQ
長官「しかし、封印を解いたら暴走するようなものを採掘するだなんて無理だろう」
B夫「ウランは時間経過と共に減衰していく。 通常の計算では発掘には問題ないという結果になる」
神使「しかし、話せば分かってもらえるのでは?」
B夫「相手は世界的な資源開発会社。 結界で自然界から隔離状態で維持されているなんて信じるわけない」
長官「至急契約の中止を進めよう」
猫神「それが〜」
B夫「契約はすでに終了して売買契約が締結されている」
長官「なっ!」
B夫「しかも、発掘作業が来週から始まる」
神使「そんな・・・」
神様「・・・・・・」
長官「神宮は神が不要な存在になっているようだな・・・」ハァ
314
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/17(木) 01:24:02 ID:fWoHPPuc
オクロの天然原子炉か
チェレンコフ光は例えば水中で放射線を受けた電子が水中での光速を超えた時に出る光で
研究炉の冷却プールを見学すると底の方で青くボヤッと光ってるのが見える
冷却プールは中性子線を止める減速材としての役割も果たすから安全に見学できる
井戸の底が青く光ってたら逃げた方がいいね
315
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/17(木) 05:36:54 ID:UFtm2aK2
乙
316
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/17(木) 11:55:10 ID:V3ga1RSI
乙
神ちゃんどうする?
317
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/17(木) 17:06:23 ID:cJdiN2sg
おつ
318
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/18(金) 00:26:13 ID:IgWVRr3Y
神使「神様、どうしましょう・・・」
神様「すまない」
神使「神様・・・」
神様「ちんぷんかんぷんで何を話しているのか全く分からない」
一同「」ガクッ
神様「でも、一つだけ・・・」
一同「?」
319
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/18(金) 00:29:02 ID:IgWVRr3Y
神様「リンクが切れる直前、内宮神は“この結界は私が守るから気にするな”って言ったんだ」
一同「・・・・・・」
神様「私は、結界を守れるようにしておくから後は任せろと告げた」
神使「神様・・・」
神様「私は絶対諦めない。 今までだって守ってきたんだ」グッ
一同「・・・・・・」
長官「四柱結界の威力をさらに上げるのはどうだ?」
神使「なるほど、結界の威力を上げれば第零柱の封印も強化できるという事ですね」
祭儀神「それは無理だな」テクテク
猫神「祭儀神く〜ん?」
祭儀神「遅れてすまないな」
320
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/18(金) 00:30:24 ID:IgWVRr3Y
A子「キャバクラの朝帰りは良くないと思います」
祭儀神「失礼だな、青森に行ってたんだよ。 その前にキャバクラには寄ったけど」
猫娘「キャバクラには行ってるニャ。 ニャ」
猫神「青森って、凄爺のところ〜?」
祭儀神「あぁ。 四柱結界について聞いてきた」
猫神「そっか〜・・・」
祭儀神「四柱結界はボロボロだ。 持ってあと数十年」
長官「数十年!?」
祭儀神「今の状態を維持して数十年だ。 とても出力を上げるなんて不可能だな」
B夫「俺の計算だと、第二柱が決壊寸前。 出力アップより先にこっちを修復する方が先」
長官「だったら、この際新しく結界を張り直すというのは?」
B夫「その場しのぎ。 問題解決とは言えない」
神様「・・・・・・」
321
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/18(金) 00:32:46 ID:IgWVRr3Y
A子「なんか一辺に色々起こってるんだね〜」
長官「少し妙じゃないか?」
猫神「・・・・・・」
長官「四柱結界は少し前から不安定な状態にあったが・・・」
神使「確かに神様と内宮神様の件も含め、神宮がある程度知っていたとしてもタイミングが・・・」
B夫「もしかして偶然だと思ってる?」
長官「どういうことかね?」
神使「まさか・・・」
B夫「四柱結界は意図的に不安定にされている」
長官「何だと?」
322
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/18(金) 00:34:08 ID:IgWVRr3Y
B夫「神宮のメールを漁っていたらこんなもの見つけた」ペラッ
長官「・・・これは!?」
神使「第三柱結界減衰化計画!?」
B夫「神ちゃんが再封印をして失敗に終わったみたいだけど」
猫神「たぶん、他の四柱にも手をつけてるだろうね〜 特に今は第二柱とか」
長官「あいつら・・・」
B夫「それと・・・」チラッ
猫神「・・・・・・」
長官「まだ何かあるのか・・・ この際だ、全て話してくれ」
猫神「神ちゃん? 内宮神ちゃんとのリンク・・・ もしかして、自分から切った〜?」
一同「え!?」
神様「・・・・・・」
323
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/18(金) 00:34:49 ID:IgWVRr3Y
神使「ちょっと待って下さい。 どういう事ですか!?」
神様「」トテトテ
神使「神様?」
神様「ちょっと出かけてくる・・・」
ギー バタン
神使「神様・・・」
猫神「今日は、一旦解散しようか〜・・・」
324
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/18(金) 00:35:27 ID:IgWVRr3Y
─── 10分後・神宮奥社
神様「」コンコン
ギー
内宮神「久しぶり」
神様「よっ」
内宮神「上がって」
神様「ん」
ギー バタン
325
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/18(金) 06:44:28 ID:PzYoT8Zk
乙
326
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/19(土) 03:50:19 ID:ql5LHZOg
─── 夜・機構ビル屋上
神様「・・・・・・」ボー
ギーッ
神様「?」クルッ
神使「神様、ここにいたんですか」テクテク
神様「犬ころか」
神使「何しているんです?」
神様「何も?」
327
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/19(土) 03:51:40 ID:ql5LHZOg
神使「隣、座っても良いですか?」
神様「・・・どうぞ」
神使「失礼します」
神様「・・・・・・」
神使「曇っていて月は見えないですね」
神様「そうね」
神使「どちらへ行かれていたのですか?」
神様「ちょっと」
神使「・・・・・・」
神様「内宮神の所だよ。 ちょっと顔見ておこうと思って」
神使「次の作戦会議は明日の朝だそうです」
神様「ん」
神使「・・・・・・」
神様「・・・・・・」
328
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/19(土) 03:53:09 ID:ql5LHZOg
神使「神様、何か隠してらっしゃいますね?」
神様「はて、どのことでしょうか? 懲りずに鬼牡蠣の封印解除を狗神にやらせていることかな?」
神使「先日、神様が仰った私とA子ちゃんを神にしたいというお話しです」
神様「そっちか。 本心だし嘘じゃない」
神使「再封印をすることになった場合、神力が足りなくなるから先に私達を神にしたいんですよね?」
神様「・・・そうね」
神使「つまり、二人を神にするには結構な量の神力が必要だと」
神様「まぁ・・・ それなりには」
神使「それだけ神力を使って、いざという時に再封印は出来るんですか?」
神様「・・・・・・」
神使「もし出来るのであれば、今私達が神にならなくても問題ないと思いますが?」
神様「・・・・・・」
329
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/19(土) 03:54:28 ID:ql5LHZOg
神様「ハァ〜・・・ しくったね〜」
神使「神様らしくないですね」
神様「・・・・・・。 神になってくれる?」
神使「お断りします」
神様「・・・・・・」
神使「全て知っていらしたんですね?」
神様「・・・・・・」
神使「四柱結界の件も神宮が手を引いていると。 神宮が結界を壊して封印されているものを掘り出そうとしている事も」
神様「・・・・・・」
神使「そして、危険な状態になっている内宮神様を助けるために意識共有を切った」
神様「・・・・・・」
330
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/19(土) 03:55:51 ID:ql5LHZOg
神使「他に方法はないんですか?」
神様「まるで私がこれから何をしようとしているのか分かっているような言い方だな」
神使「分かります」
神様「・・・・・・」
神使「分かりますよ。 神様は優しいですから・・・ 何をしようとするかなんて簡単に分かります」
神様「」フッ
神使「もう少し一緒に考えましょうよ。 いつもみたいな小ずるい手段でも」
331
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/19(土) 03:57:20 ID:ql5LHZOg
神様「・・・なぁ、神使」
神使「?」
神様「人も神使も神も、この世界に生がある物には全て終わりがある」
神使「・・・・・・」
神様「お前や私は人に比べれば随分と長いけど、それでもいつかは終わりを迎えるときが来る」
神使「・・・・・・」
神様「次の世代に役割を繋ぐことでこの世界は回っているんだ」
神様「だから・・・」
神様「私は、自分の役割をお前に託すと決めている。 当然、お前も次の世代に繋ぐことになる」
神様「私は・・・ 私はお前にこの国の平和を任せたい」
神使「それは今でなくても・・・」
332
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/19(土) 03:58:07 ID:ql5LHZOg
神様「なぁ、お前はこの国が好きか?」
神使「もちろんです」
神様「即答か」
神使「神様が作ったこの国が大好きです」
神様「今まで頑張ってきて良かった」フッ
神使「ですから、神様───」
神様「私は、お前が好きと言ってくれたこの世界を壊したくない」
神使「神様・・・」
神様「これまで凄く時間がかかったんだぞ? もう一度作れと言われても私には無理だ」
神使「しかし! まだ方法が!」
333
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/19(土) 03:59:07 ID:ql5LHZOg
神様「神使さま」
神使「!?」
神様「私の愛する神使さま・・・ どうか私の望みを聞いていただけないでしょうか・・・」
神使「・・・・・・」
神様「あなたが好きだと言ってくれたこの国を、私は壊したくないのです」
神使「・・・嫌です」
神様「・・・・・・」
神使「神様のいない世界なんて嫌です!」
神様「」ニコッ
神使「ぅ・・・」
334
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/19(土) 04:00:19 ID:ql5LHZOg
神様「お願いいたします・・・ どうか私の我が儘を許して下さい」フカブカ
神使「っ・・・ くっ・・・・・・」
神様「あなたなら大丈夫。 私が認めたんですから」
神使「そんな事・・・ 言わないで下さい・・・」
神様「あなたにこれを」ゴソゴソ
神使「これは・・・ 神様のお守り・・・」
神様「最後の1個はあなたに渡すと決めていました」
神使「・・・・・・」
神様「その中には他のお守りと違って、私のおまじないを入れてあります」
神使「おまじない?」
神様「ぜひ、これを神使さんに持っていて頂きたいのです」スッ
神使「・・・・・・」
335
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/19(土) 04:01:07 ID:ql5LHZOg
神様「お願いします。 受け取って下さい」
神使「・・・・・・」ギュッ
神様「ありがとう」
神使「・・・・・・」
神様「」ニコッ
神使「どうして神様はそんなに優しいんですか・・・」
神様「それはあなたもです」
336
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/19(土) 04:02:48 ID:ql5LHZOg
神使「一つだけ約束して下さい」
神様「?」
神使「最後まであがいて下さい。 いつもみたいに・・・ どんな手を使ってでも」
神様「・・・・・・」
神使「それが条件です」
神使「それに」
神様「?」
神使「当日は、エガちゃんのスペシャル番組もありますから」
神様「分かった」クスッ
神使「神様!」ダキッ
神様「神使さん・・・」ダキッ
337
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/19(土) 07:02:22 ID:0RAgqvC.
乙
338
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/19(土) 13:37:39 ID:2f.aTyFM
乙だけど終わらすなよ!
339
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/20(日) 04:28:28 ID:euA81Vw6
─── 翌日
ガチャッ
神使「遅くなりました」テクテク
神様「わりーね」トテトテ
猫神「おはよ〜 神ちゃ・・・ !?」
祭儀神「ほぉ」
長官「これは驚いたな」
B夫「?」
A子「みんなどったの?」キョロキョロ
猫娘「神使先生凄いニャ。 ニャ」
A子「え? 何が??」
340
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/20(日) 04:30:20 ID:euA81Vw6
神様「たっぷりと神力を使わせて頂きましたので」ツヤツヤ
神使「お恥ずかしいです・・・」
A子「ねぇ、何が? みんな何に驚いてるの?」
神様「ご紹介しよう! 神使之神だ!」
神使「・・・///」ペコリ
A子「え!? 神使さん神になったの?」
猫娘「見て分からないんですかニャ? ニャ」
A子「ちょっと猫娘ちゃん、もしかして私をディスってる?」
猫神「あっ、そう言えばこの中でA子ちゃんだけ〜・・・」
A子「猫神様まで私をディスったー!」
B夫「猫神様? 俺も人なんだけど・・・」
祭儀神「どうすんだ? A子ちゃんは」
A子「そんな事を言っても私は流されませんので」プイッ
341
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/20(日) 04:31:38 ID:euA81Vw6
神使「私のことはともかく・・・ 早速会議を進めましょう」
B夫「みんなには俺は見えてないのかな?」キョロキョロ
猫娘「ニートは人じゃないニャ。 ニャ」
B夫「・・・・・・」
神様「じゃぁ、長官君からよろ」
長官「あぁ。 昨日の夜に神宮の方から正式に土地売却の話を受けた」
祭儀神「無理矢理聞き出したんだがな」
猫神「何て言ってた〜?」
長官「・・・これが契約書のコピーだ」バサッ
猫娘「うニャ〜 分厚いニャ。 ニャ」
長官「B夫君の言ってた通り売却はすでに完了済み。 奥社の取り壊しと地質調査が4日後だ」
神使「急ですね」
B夫「やっぱりスケジュールは短縮されたか」
神様「なんとかして止められないの?」スリスリ
A子「?」チラッ
342
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/20(日) 04:32:24 ID:euA81Vw6
長官「契約解除は違約金が100億と神宮の土地の全てを譲渡だそうだ」
神使「随分とメチャクチャな契約ですね」
B夫「周りが反対してくると見込んだ防御策」
祭儀神「全く、呆れて言葉もでんわ」
長官「言葉は出なかったが、手は出てたな」
祭儀神「うっ・・・」
神様「お前、手を出したのかよ・・・」スリスリ
猫神「?」チラッ
343
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/20(日) 04:33:13 ID:euA81Vw6
祭儀神「ちょっとド突いただけだよ」
長官「あれは殴ったと言うんだよ」
猫神「祭儀神君がキれるなんて珍しいねぇ〜」
祭儀神「すまん・・・」
B夫「地質調査のボーリングだけは何としても阻止しないと」
神様「残り4日か」スリスリ
祭儀神「?」チラッ
344
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/20(日) 04:34:09 ID:euA81Vw6
B夫「時間的に出来ることは限られる」
祭儀神「念のため、当日に各結界へ神を集めて強度を一時的に上げる手は打った」
神使「しかし、四柱結界がもつでしょうか?」
祭儀神「ギリギリの所で凄爺に調整を頼んでいる」
猫神「でも、その場しのぎにしかならないねぇ〜」
神様「特に第二柱は不安だな」スリスリ
長官「?」チラッ
345
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/20(日) 04:35:04 ID:euA81Vw6
A子「あの〜」
一同「?」
A子「私バカだから詳しくは分からないんだけど、四柱結界っていうのが大きければそれだけ結界も強くなるの?」
B夫「原理的にはそう。 でも日本国内東西南北の最端から結界を張っても計算上は今とあまり変わらない」
A子「だったら海外は使っちゃダメなの?」
一同「海外!?」
A子「うん、世界中から貼れば凄く強くなるんじゃない?」
一同「・・・・・・」
A子「ごめん、無理だよね・・・ わすれて」ハハハ
B夫「いや、それはありかも」
祭儀神「でも海外って、どうやって結界を張るんだ?」
猫神「海外か〜・・・」
346
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/20(日) 04:35:50 ID:euA81Vw6
神様「う〜ん・・・」スリスリ
一同「・・・・・・」チラッ
A子「ねぇ、神ちゃん?」
神様「なに?」スリスリ
A子「さっきから何やってるの?」
祭儀神「俺も気になって集中出来ないんだが」
長官「そ・・・ そうだな。 目のやり場に困るというか・・・」
猫神「女の子がそんなところ、ちょっとはしたないね〜」
347
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/20(日) 04:37:05 ID:euA81Vw6
神様「いや、股が痛くてさ」
神使「!!」ブボッ
A子「ちょっと神使さん、お茶吹き出して汚い〜」
神使「すいません」ゲホッ ゲホッ
猫神「いや〜・・・ まぁ・・・ 神ちゃんも女の子だものねぇ〜・・・///」
長官「そういう反応に困ることは言わないでくれ・・・」
祭儀神「程々にな」ボソッ
神使「・・・・・・///」
348
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/20(日) 05:38:31 ID:6VZQPd3U
乙
349
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/20(日) 05:54:45 ID:n/YvW2I6
乙
やっちゃったか〜
これで頑張れるかな?
350
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/20(日) 08:20:38 ID:RDYEwSwM
乙
怒涛の更新に興奮が止まらないのにさらに興奮させられた
351
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/20(日) 17:55:11 ID:KFaBcpMI
乙
ガチで終わりに向かってる感あって楽しいけどそれと同時に寂しさもある……
352
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/21(月) 00:27:57 ID:B9wXo4AQ
─── 翌日(取り壊し3日前)・ボロビル
ガチャ
A子「ちわ〜」
猫娘「A子さんニャ。 ニャ」
A子「あれ? みんなは?」キョロキョロ
猫娘「うニャ〜 みんな用事があるみたいで今日は作戦会議はお休みになったニャ。 ニャ」
A子「そうなんだ。 私は別に用事ないけどさ」
猫娘「長官さんと祭儀神様は青森、猫神様はウサちゃんに会いに行くって言ってたニャ」
A子「ウサちゃん?」
猫娘「詳しくは分からないですニャ。 ニャ」
353
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/21(月) 00:29:22 ID:B9wXo4AQ
A子「ふーん。 神ちゃん達は?」
猫娘「神ちゃん様と神使先生は二人で出かけたニャ。 ニャ」
A子「くそ、デートかよ・・・」チッ
猫娘「とってもラブラブだったニャ〜。 ニャ」
A子「あっ、そういう話は心が痛くなるから結構ですので」
猫娘「A子さんも彼氏いない歴=年齢でも諦めなければ良いことありますニャ。 ニャ」
A子「諦めてないし」
猫娘「ニャ? ニャ」
A子「私はこう見えても猫娘ちゃんよりは人生経験豊富なのです」
猫娘「私はこう見えてもA子さんより数百年長く生きてますニャ。 ニャ」
A子「大変失礼いたしました、猫娘先輩」フカブカ
猫娘「ニャ。 ニャ」
354
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/21(月) 00:30:48 ID:B9wXo4AQ
B夫「おはよう」テクテク
猫娘「もうお昼ニャ。 ニャ」
A子「相変わらずB夫さんはお寝坊さんだね〜」
B夫「徹夜で調べ物してたんだけど・・・ あっ、猫さん昨日は夜食ありがとう」
猫娘「ニャ。 ニャ」
A子「おやぁ〜? 猫娘ちゃんはB夫さんにお優しいんですねぇ〜」
B夫「猫さんは俺に首ったけ」
猫娘「B夫さん? 何度も言いますが、本気で不快なのでそういう事は言わないで下さい」
B夫「すいません・・・」
A子「B夫さんも余計な事を言わなきゃ良いのに」
B夫「?」
355
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/21(月) 00:33:21 ID:B9wXo4AQ
猫娘「お、お腹が空いたニャら“ねこまんま”で良ければすぐ作るニャ。 ニャ」
B夫「おねしゃす」
猫娘「A子さんも食べていきますかニャ? ニャ」
B夫「猫さんの猫飯は最高。 なんせ本物だし」
A子「それって人が食べても大丈夫なの?」
猫娘「とっても美味しいですニャ。 ニャ」
A子「質問の答えになってないんだけど・・・ 私は戻って食べるから気にしないで」
猫娘「ニャ。 ニャ」
A子「じゃぁ私神宮に戻るね?」
猫娘「また明日ニャ。 ニャ」
A子「じゃぁね〜」テクテク
356
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/21(月) 00:34:18 ID:B9wXo4AQ
─── キセキ野教会
猫神「ここか〜・・・」
ギー
猫神「お邪魔しま〜す」
修道女「?」クルッ
猫神「お邪魔しても良いですか〜?」
修道女「もちろんです。 どうぞお入り下さい」
猫神「立派な教会ですね〜」
修道女「ありがとうございます」
357
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/21(月) 00:35:21 ID:B9wXo4AQ
猫神「はじめまして〜 わたし猫神と申します〜」
修道女「猫神さま・・・?」
猫神「日本の神で〜す」
修道女「!? あっ、シスターうさーを呼んで参ります!」
猫神「いえいえ、私が用があるのは〜───」
うさー「ね〜 シスターちゃん、お腹すいたから塩バタコーンラーメン作って」テクテク
修道女「シスターうさー、お客様の前ではしたないことを言わないで下さい・・・」
うさー「ん?」
猫神「ハロ〜 久しぶりだね〜 うさーちゃ〜ん」
うさー「げ! 猫神・・・」
猫神「」ギロッ
うさー「さま」
358
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/21(月) 00:36:09 ID:B9wXo4AQ
猫神「久しぶり〜」ニコッ
うさー「う〜 私、何も悪い事してないよ」
猫神「別にお説教しに来たわけじゃないよ〜」
うさー「本当に?」
猫神「ちょっとお願いがあって〜」
うさー「私に?」
猫神「ん〜 うさーちゃんもだけど、本命はシスターちゃんの方かなぁ〜?」
修道女「私・・・ ですか?」
うさー「?」
359
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/21(月) 00:37:04 ID:B9wXo4AQ
─── 1時間後
修道女「はい、えぇ・・・ 緊急事態だそうで・・・ はい」
うさー「どうしてパチカンなんかに電話を?」
猫神「世界がヤバい〜 って感じで〜」
うさー「世界?」
修道女「猫神様、お待たせいたしました。 電話を繋いでもらいましたのでどうぞ」スッ
猫神「ありがとう〜 ここしかツテがなかったもので迷惑掛けるね〜」
修道女「いえ、お気になさらず」
猫神「もしもし〜 あっ、日本語でも大丈夫ですか〜?」
360
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/21(月) 00:38:14 ID:B9wXo4AQ
うさー「ねぇ、シスターちゃん。 電話の相手って誰?」
修道女「パチカンの法王庁です」
うさー「・・・・・・? え!? まさか法王さま?」
修道女「はい」
うさー「なんでシスターちゃんが法王さまを知ってるの!?」
修道女「一応・・・ 私も括りでいえばその・・・」
うさー「まぁそうだけど・・・ 私も神だけど連絡先なんて知らないよ?」
修道女「シスターうさーは、日本の神じゃないですか」
うさー「え〜 私も法王さまと友達になりたい〜」
修道女「シスターうさー、ちょ・・・ 揺らさないで下さい」ユサユサ
361
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/21(月) 00:39:19 ID:B9wXo4AQ
ペシッ!
うさー「痛い!」
猫神「他宗教の神に手を出しちゃダメだよ〜」
うさー「う〜 だって〜」
修道女「お電話終わったのですか?」
猫神「うん」
ギー
一同「?」クルッ
?「こんに〜ちは、シニョリータ」
うさー「げっ!」
362
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/21(月) 00:40:06 ID:B9wXo4AQ
猫神「随分と早いですね〜」
?「私に距離など関係ありませ〜ん」
猫神「さすが〜」
?「お話しの前にコーヒーでもいかがですか?」キラッ
猫神「わたし、紅茶派なもので〜」
?「それは残念で〜す」
猫神「時間がないので本題でも良いですか〜?」
?「お伺いしま〜す」
363
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/21(月) 04:39:29 ID:/seE7PAY
総動員になるのか?
364
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/21(月) 16:51:57 ID:ONWkNDUs
これは胸熱だな
365
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/21(月) 20:26:14 ID:I6DL76l2
乙
366
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/22(火) 04:50:58 ID:/2UkAQLU
─── りんごちゃん神宮本殿
凄爺「遠いところ、良く集まってくれた」
長官「すでに皆には状況を説明した通り、かなり不味い状況だ」
昭宮神「驚きました。 そんな危機になっていただなんて・・・」
狐神「本当だよ。 ついこの間、神ちゃんと会ったときには何にも言ってなかったのに」
祭儀神「神ちゃんはギリギリまで粘って一人で何とかしようと溜め込む癖があるからな」
凄爺「それも込みで皆、あのガキを慕っているんじゃろ?」
一同「・・・・・・」フッ
凄爺「さて、時間もない。 ワシから四柱結界の説明をしよう」
367
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/22(火) 04:52:09 ID:/2UkAQLU
─── 神宮・奥社
A子「ムフフ。 今日のお供えも完璧なのです! 内宮神ちゃん喜んでくれるかな〜」テクテク
チカッ チカッ
A子「あれ? 奥社の中が光ってる」タッタッタッ
トントン
A子「内宮神ちゃん? 入るよ?」
ギー
368
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/22(火) 04:53:03 ID:/2UkAQLU
ゴゴゴゴ
A子「うわっ! なにこれ!」
内宮神「A子ちゃん! 危ないからそれ以上近寄らないで!」
ゴゴゴ
A子「ちょ、内宮神ちゃん! なにこの光!」
内宮神「結界が少し弱まってて・・・」クッ
A子「だ、大丈夫!?」
内宮神「封!」
ピカッ
369
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/22(火) 04:54:10 ID:/2UkAQLU
ゴゴ… ゴ……
A子「収まった」
内宮神「ハァ・・・ ハァ」バタッ
A子「内宮神ちゃん!」タッタッタッ
内宮神「ハァ・・・ ハァ」
A子「大丈夫?」
内宮神「大丈夫・・・ しばらくは封印が効くから・・・」ハァハァ
A子「そうじゃなくて・・・ 内宮神ちゃんがだよ」
内宮神「私も大丈夫。 すぐ回復するし」
A子「内宮神ちゃん・・・」
内宮神「あっ、ご飯持ってきてくれたの? ありがとう。 後で食べるね」ニコッ
A子「・・・・・・」
370
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/22(火) 04:55:21 ID:/2UkAQLU
─── 10分後
A子「今までずっとこんな事してたの?」
内宮神「最近結界が薄くなっていてね。 たまに封印の強化が必要で」
A子「四柱なんとかってやつ?」
内宮神「よく知ってるね。 でも大丈夫、まだ私だけでも何とか持たせられるから」
A子「私も何かお手伝いできる事ない?」
内宮神「心配ないって」
A子「でも、あんな辛そうな内宮神ちゃん見たくないよ」
内宮神「A子ちゃん・・・ これは神の仕事なんだからA子ちゃんが気にしなくても大丈夫」
A子「神・・・」
内宮神「?」
371
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/22(火) 04:56:43 ID:/2UkAQLU
A子「私も神になれば力になれる?」
内宮神「あっ! 別にA子ちゃんに神になってくれって言っているわけじゃないからね? 気にしないで」
A子「・・・・・・」
内宮神「これは私の仕事だから。 普段ゴロゴロしてるんだからこういうとき位は、ね」
A子「でも、神ちゃん私を神にしたがっていたし」
内宮神「あ〜 それは何と言うか・・・」
A子「内宮神ちゃんも神ちゃんとこの間まで同じだったんだから理由は知っているんだよね?」
内宮神「う〜ん・・・ 今の私は神ちゃんじゃないし・・・」
A子「」ジーッ
内宮神「神ちゃんがA子ちゃんを神にしたい理由は、結界維持に協力して欲しいなんて事じゃないから」
A子「?」
372
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/22(火) 04:58:38 ID:/2UkAQLU
内宮神「・・・さて、体調も良くなってきたしご飯食べよっかな〜」ゴソゴソ
A子「内宮神ちゃんは私が神になったら嬉しい?」
内宮神「もちろん! でも、それはA子ちゃんが納得して神になってくれたらだけどね」モグモグ
A子「そっか・・・」
内宮神「おっ、このお魚おいしいねぇ〜」モグモグ
A子「じゃ、私戻るね」
内宮神「あっ! ちょっと待って」
A子「?」
内宮神「これ、A子ちゃんにあげる」スッ
A子「本? 分厚いね〜」
内宮神「私と神ちゃんの集大成!」フンスッ
A子「・・・・・・」ペラペラ
内宮神「A子ちゃんに持っていて欲しい」
A子「なに・・・ これ・・・」
373
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/22(火) 04:59:56 ID:/2UkAQLU
内宮神「名付けて“この国の本”。 この国の理、仕組みとか〜 神の作り方とか色々書いてある」
A子「こんなの、私が持っていて良いものじゃないよ・・・」
内宮神「A子ちゃんにそれを託したい」
A子「何で私がこんな大切な物を?」
内宮神「犬ころに渡すのが筋なんだけど、たぶんA子ちゃんの方が良いかなぁ〜って」
A子「どういう事?」
内宮神「私、A子ちゃんと出会えて嬉しかった。 今まで生きていた中で最高に楽しかったよ」
A子「なに言ってるの?」
内宮神「だから・・・ これを託したい」
A子「なんで急にそんな事言うの?」
内宮神「この先、どうなるか分からないしね」
A子「ダメ・・・ ダメだよそんな事言っちゃ・・・ まさか、内宮神ちゃん・・・」
内宮神「大丈夫。 最後まであがくから。 私も神ちゃんも諦めが悪いのが長所だしね」ニコッ
374
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/22(火) 05:00:51 ID:/2UkAQLU
─── 夜・ボロビル(神ちゃんの部屋)
コンコン
神様「だれ?」
A子「わたし」
神様「A子ちゃん?」トテトテ
ギー
神様「今日はごめんね、急に休みにしちゃって
A子「・・・・・・」
神様「A子ちゃん? どったの?」
A子「わたし、決めた!」
神様「?」
375
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/22(火) 06:42:47 ID:fmT7vZt.
乙
376
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/22(火) 08:05:39 ID:XcqNThas
なんだか悲しくなってきたがな
377
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/23(水) 06:16:55 ID:7UlgirJs
─── 翌日(取り壊し2日前)・ボロビル
A子「おっはよ〜!」
神様「遅れてわりーね」
猫神「もぉ〜 いくら何でも1時間は遅れ・・・ す・・・・・・」
祭儀神「ほぉ」
長官「これは驚いたな」
神使「A子ちゃん!?」
猫娘「ニャー!! ニャ」
B夫「?」キョロキョロ
378
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/23(水) 06:18:10 ID:7UlgirJs
神様「紹介しよう! A子神だ!」
A子「みなさんごきげんよう! 私の名は神宮のミス巫女、A子神!」
一同(巫女なのか・・・ 神なのか・・・)
A子「これからは私の時代。 私が救世主でありこの国の最高神!!」フンスッ
神様「あっ、最高神はA子ちゃんには譲れないから」
A子「え〜 そうなの〜?」
長官「A子ちゃんは最高神になる前に神階を上げていかないとな」
祭儀神「ダメ神が誕生してしまったな」ハハハ
A子「そんな〜」
猫神「最高神はやっぱり神ちゃんじゃないとね〜」
379
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/23(水) 06:19:32 ID:7UlgirJs
神様「あ〜 その件なんだけど〜」
一同「?」
神様「もし、私の身に何かあった場合は次の最高神の任は神使に委ねる」
一同「え!?」
神使「ちょっ、神様どういう事ですか!?」
神様「ん? 言った通りだけど」
長官「神ちゃん、どういうつもりかね?」
祭儀神「このタイミングでそう言う冗談は勘弁してくれ」
神様「まぁまぁ落ち着けって」
A子「ごめん神ちゃん、私そういうつもりで言ったんじゃ・・・」
神様「A子ちゃんも、私もそういうつもりで言っているわけじゃないから。 これは万が一の時のため」
猫神「万が一って〜?」
神様「前に言っただろ? 何が起こるか分からないって」
一同「・・・・・・」
380
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/23(水) 06:20:38 ID:7UlgirJs
神様「今回一番危険なのは私と内宮神だ。 結界の真下で封印強化をするんだから」
祭儀神「それを回避するためにこうして作戦会議を開いているんだろうが」
神様「成功の保証はない」
一同「・・・・・・」
神様「これは私と内宮神しか出来ないことっていうのは理解できるだろ?」
長官「しかし、次の最高神の指名を今する必要は・・・」
神様「だ〜か〜ら〜 よく考えろって。 私達に何かあったら最高神がこの国にいなくなるだろうが」
神使「それと私が最高神になるということにどう関係があるんですか?」
神様「次の最高神はお前に委ねると私が決めているから」
神使「しかし・・・ いくら何でも私は身分不相応かと思います」
神様「そう? それを言ったら私が最高神やってる方が不相応だろ」
一同「・・・・・・」
神様「あの・・・ そこは出来ればみなさんに否定して頂きたかったです・・・」
381
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/23(水) 06:21:31 ID:7UlgirJs
A子「私は異存なし!」
神使「A子ちゃん?」
神様「さすがA子ちゃん、私と内宮神が認めただけのことはある」ウンウン
長官「・・・・・・」
祭儀神「・・・・・・」
猫神「・・・・・・」
神様「分かってくれ。 最高神不在だけは絶対にしたくない」
神使「神様・・・」
神様「安心しろって。 そう簡単にくたばるつもりはないから」
382
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/23(水) 06:22:36 ID:7UlgirJs
祭儀神「神宮祭儀神として認めよう」ハァ
長官「私も、神様機構長官として認めるよ」
猫神「神ちゃんは一度言ったら取り下げないもんねぇ〜」
神様「神使、お前の気持ちを聞かせてくれ」
神使「・・・・・・。 分かりました」
神様「ありがとう」
神様「神勅! 私、神様は自身が最高神を全うすることが出来なくなった場合の次の最高神として神使を指名する」
一同「」フカブカ
神様「以上! 最高神神様より神勅を申し伝えた!」
383
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/23(水) 06:24:25 ID:7UlgirJs
次の投稿2〜3日開きます
384
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/23(水) 06:59:54 ID:LV3BaPVk
乙
385
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/23(水) 09:48:49 ID:15adRd/.
おつ
386
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/23(水) 12:56:28 ID:tkrjLsL2
おつー
ゆっくり自分のペースで投下していってな
387
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2018/05/23(水) 15:52:28 ID:SC.Vzo8g
おつ
388
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/25(金) 23:37:50 ID:tsn2o6U.
─── 翌日(取り壊し前日)・ボロビル
ガチャ
神様「いや〜 今日は暑いね〜」トテトテ
長官「おはよう、神ちゃ・・・」
祭儀神「随分と遅かっ・・・」
猫娘「おはようございますニャ。 ニャー!!」
神使「神様、せめて服は着て下さいよ・・・」
神様「お前の目は節穴か? 着てるだろうが」
神使「Tシャツとパンツは服を着ているうちに入らないかと・・・」
神様「裸じゃないし〜」ベー
A子「いつも通りの神ちゃんじゃん。 別に驚くことはないと思うけど」
神使「A子ちゃんもだいぶ毒されてますね・・・」ハァ
389
:
◆8YCWQhLlF2
:2018/05/25(金) 23:39:24 ID:tsn2o6U.
神様「あれ? 猫神は?」キョロキョロ
猫娘「昨日の夜にお出かけしましたニャ。 朝には戻るって言ってたんですけどニャ〜。 ニャ」
神様「どこ行ったんだ?」
祭儀神「そう言えば、昨日色々なところに電話しているのを見たな」
A子「ウサちゃんがどうこう言ってるの聞いた」
神様「ふ〜ん。 んじゃ、いるやつだけで先に明日の最終確認をしようか」
長官「待ってなくても良いのかい?」
神様「午後は内宮神と打ち合わせあるしあんまり時間ないんだよ」
長官「そうか。 それじゃ始めようか」
神様「では、作戦本部長のB夫! よろ」
B夫「オレ、いつから作戦本部長に?」
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