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賢者「勇者様の遺志を継ぎ、私が魔王を倒します」

584 ◆49HRmRlKYE:2020/03/25(水) 20:39:09 ID:E1OrZHt.
武闘家「えーっと、つまりなんだ。アンタの話を要約するに――」

武闘家「里を飛び出したエルフのお姫様は先代の魔王に恋しちゃって、それで勇者から魔王を守る為に進化の秘術を側近に授けたって言うんだな?」

詩人「愛は恐ろしいね。人の倫理観を狂わせ、時として破滅を呼んでしまう」

詩人「かく言うこの僕も愛ゆえに、禁忌を破ろうとしているわけだけど」

武闘家「き、気持ち悪いこと言うなよ」

詩人「――で、どうする?」

武闘家「どうするって言われても……」

詩人「元々君はこの力を求めて旅をしていたんだろう。何を迷うことがある?」

武闘家「だっておかしいじゃねぇか。なんで剣士殿に使わない。人間には効果ないからか?」

詩人「あるよ」

武闘家「じゃなんでだよ。俺より先に使うべき人がいるじゃねぇーか!!」

詩人「そうしないのは僕の目的が、この歪んだ世界を元の正しい世界に戻すことだからさ」

武闘家「歪んだ世界?」

詩人「この世界は進化の秘術のせいで歪んでしまった。その歪みを正すのに、どうして元凶たる秘術の力に頼らなければならない?」

585 ◆49HRmRlKYE:2020/03/25(水) 20:41:05 ID:E1OrZHt.
武闘家「んなこと言っていられる状況か?!」

詩人「わかってないね。この力で魔王を倒しても世界の歪みは正されない。むしろ事態はさらに悪化するだけだ」

詩人「君がそうだったように、多くの人達も剣士の力の秘密に迫るだろう。そして辿り着く。そうなれば秘術を求め、今度はエルフ族との戦いが始まる」

武闘家「でも敵はいなくなるんだぜ? 追い求めるか、そこまでして力を?」

詩人「追い求めるさ。人とは、そういう生き物だ。だからこそ人は繁栄を極めた」

武闘家「じゃあ、なんで? なんで俺はいいんだよ?」

詩人「それは君が元々歪んだ存在――、人魔族の血が混じっているからだよ」

武闘家「俺が歪んだ存在? 人魔族だから??」

詩人「それに言っただろう。完全には扱えないって。内なる力に身体が耐えきれず、死に至る危険性が極めて高い」

武闘家「なるほど。俺なら失敗してもいいってわけか……」

詩人「最後まで聞いてくれ。君の身体の半分は魔族だ。失敗してもその血が――、邪神の加護が守ってくれる。肉体の崩壊を」

586 ◆49HRmRlKYE:2020/03/25(水) 20:44:34 ID:E1OrZHt.
詩人「まあ、その場合は人魔族以外の魔族同様に、魔王が死に邪神の加護が失われたとき君も死ぬことになるんだけど――」

詩人「覚悟はできているんだろう?」

武闘家「そう言ったけど。言ったけどさ……」

詩人「覚悟ができていたって、そうすぐに決められるものじゃないか……」

武闘家「……」

詩人「こんなこと言いたくはないけど、君の身体には臆病者の人魔族の血が流れている」

詩人「克服するには秘術の力に頼る他ないと思うよ」

武闘家「っ!?」

詩人「ごめん。でも君の為を想って言ったつまりだ。考えておいて。僕は待ってる」タッ

武闘家「くそ、くそぉおお! どうすりゃいいんだよ……」

詩人「(それにしても意外だったな。彼等が進化の秘術を知っていたなんて。四天王ですら知らない機密だぞ。誰が彼等に教えた?)」

詩人「(姉は絶対にあり得ない。召喚士のオカマがお漏らししたとも思えないし――)」

詩人「(となると残るは呪術師だけ。なるほど、彼が教えたのか。困った爺さんだな)」フフッ

587以下、名無しが深夜にお送りします:2020/03/26(木) 17:26:50 ID:xtidNnwA


588以下、名無しが深夜にお送りします:2020/06/14(日) 14:01:54 ID:38JAE7Qs
おつ


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