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勇者「魔王を倒してから、あれから二十年!」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/21(火) 04:28:39 ID:yE6jxwRI
勇者「僕は元気にやってます!」
勇者「牢獄の中でなーっ!」
勇者「おはようございます!」
勇者「はい、おはようございます勇者様(裏声)」
勇者「微かに聞こえる雨音からして本日のお天気はやや小振りの雨日和ですね!」
勇者「お腹の減り具合からして大体今は午前十一時頃といったところですかね!」
勇者「不摂生はいけませんよ勇者様(裏声)」
勇者「そうですね気を付けます! 旅をしていた頃は日が出るより早く起きて日が沈む前に寝ていたのにすっかり今や」
勇者「嘘はいけませんよ勇者様」
勇者「はいスミマセンでした! 日が沈む頃に魔法使いとギシアンしはじめて日が出る所に精魂尽き果てる生活してました!」
勇者「おかげで旅のペースが遅れるの何のって! ハハハ!」
勇者「ヒャッホウ!」
勇者「ひゃっほう(裏声)」
440
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/12/31(木) 23:27:00 ID:0x5JoZ..
大丈夫、まだ年明けてない、だいじょうぶ。
これから投降しまーす! いつもご支援・ご声援ありがとうございます!
441
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/12/31(木) 23:28:06 ID:0x5JoZ..
―― 僧侶・女神捕縛からニ週間後 魔王城 ――
勇者「漸く意識がハッキリしてきました」
勇者「幻術そのものは割とすぐに水さんが解除してくれたらしいんですけど。幻術掛けられてから一時間も経ってないうちに」
勇者「さすがの手際ですよね、僧侶ですら敵にしておくのが勿体無いと嘆いてた世界一の幻術使いの腕はやはりたいしたものですよ」
水の四天王「うふふ、お褒めに預かり光栄ですわ」
水の四天王「けれど、世界最強のお二方を前にして世界一と言われてしまうと、照れくさくもありますが恐れ多いというところも……」
魔王「何を遠慮することがある。我も勇者も総合戦力でもって貴様とぶつかりあえば貴様は当然負ける、というのは、違いないがな」
勇者「僕も魔王も幻術という一分野だけに絞るならば水さんの足元にも及びません、というのも、違いないですね」
水の四天王「い、いえ、その、でも、えっと……」モジモジウゴウゴタプンタプン
魔王「ふはは、照れるな、照れるな」
勇者「蠢いとる、蠢いとる。可愛い」
442
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/12/31(木) 23:29:33 ID:0x5JoZ..
勇者「ただ、現実では一時間でも、幻術の内容が内容でしょ」
勇者「魔王戦役の祝勝パーティから塔を出る直前までの二十年を五〜六回は見ちゃってたもんで体感時間がえらいことに」
勇者「しかも、ほら、いやね、出来れば仔細には思い出したくないような出来事であるわけでして。現実ではもう終わったことだと、幻だと、解っちゃいたんですけど」
勇者「幻だって解ってても、そのうちワケわかんなくなっちゃいましてね。解除されても、目の前にきちんと現実がやってきても、ワケがわかんないまま、と……」
水の四天王「トラウマ誘発系の幻術ではありがちな後遺症ですわね」
水の四天王「トラウマ誘発系は掛けた直後から解除したあとしばらくまで効果が見込めて戦には大変に便利」
443
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/12/31(木) 23:30:17 ID:0x5JoZ..
魔王「心神喪失状態から意識が回復するまで勇者ですらこれ程時間が掛かったからな」
魔王「超高難易度の魔法なだけはある、厄介だな。しかし、回復して何よりだ」
水の四天王「ええ、本当に。けれどこう言っては失礼ですが……」
水の四天王「茫然自失な無防備そのものな勇者様のお世話が出来たことだけはワタクシ僧侶に感謝しなくては。良い経験でしたわ」
444
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/12/31(木) 23:32:16 ID:0x5JoZ..
勇者「お、お手数お掛けしました……」
勇者「ではそろそろ働きましょうかね。土さんの治療はどうなってます?」
魔王「我がやっておいた。完治させておいたぞ、あの後直ぐにな。今は僧侶の改造をやっているはずだ」
魔王「改造はその後直ぐに始めていたのだが改造完了の報告は来ておらんな。彼奴にしては珍しく仕事が遅いが……」
勇者「え。ど、どうやって? 完全回復呪文なんて使えないでしょ、あなた」
魔王「初期回復呪文しか使えんでも、そこはほれ、魔力に物を言わせてな」
魔王「言わせすぎて祖父がどこぞの川岸で手を振っておるのが見えたが……」
勇者「無茶しないで下さいよ。貴方に何かあったとき回復させるのにどれぐらい手間掛かると……」
魔王「魔力不足で死ぬ者は居らん」
勇者「わかんないじゃないですかー」
445
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/12/31(木) 23:33:04 ID:0x5JoZ..
水の四天王「フフフ。そちらもお世話させて頂きましたわ」
水の四天王「勇者様と魔王様のお二人を看病出来るなんてこれだけでワタクシ蘇った甲斐が御座いました」
魔王「うむ、世話になった。褒美は後々取らす」
勇者「僕からも何かあとでお礼の品を」
水の四天王「えっ。あ、いえ、わ、ワタクシはもうこの経験だけで。そんな、これだけでもご褒美でしたのにお礼とかされると立つ瀬と言いますか……っ」
魔王「また蠢き出したな。水で出来ておるせいか少し揺れるだけで身体全体が波打つので見ていて面白い」
勇者「この人、見た目も雰囲気も有閑マダムって感じなのに、中身は褒められ慣れてない女の子ですよね」
魔王「ぎゃっぷもえ、というやつか?」
勇者「ギャップ萌え、というやつです」
水の四天王「ぎ、ぎゃっぷもえ? いえ、ですからね、そんな、お礼なんて」
446
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/12/31(木) 23:34:14 ID:0x5JoZ..
魔王「渡すとしてだ」
勇者「渡すとしてですね」
魔王「土のところに行ってくるといい、奴も貴様のことを大層心配しておったからな。ああ、改造の様子もついでに見てきてくれ」
勇者「了解しました。それではまた後で、魔王、水さん」
水の四天王「ぅぅぅ……ま、またあとで……」
447
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/12/31(木) 23:35:06 ID:0x5JoZ..
勇者「というわけで」
勇者「土さんの研究室にやってきたわけですが。相変わらず色々なナマニクが転がってて血腥いです。あと薬品臭い」
勇者「そんなところで特に新鮮な血液が目一杯滴ってるベッドの側で、ドヤ顔してる土さんと、猿轡噛まされて涙目で縛られてる女神様と……」
勇者「……僧侶? ですかね? また随分、若返っちゃってますけども。顔も綺麗さっぱり修復されちゃってお肌もツルツルになっちゃってまぁ……」
土の四天王「あ、勇者=サマ。回復しタようで何よリでスよ」
土の四天王「お世話が出来ズに申し訳ありまセンでシタ。私も綺麗に回復しテもらエまして、そノ、勇者サマも心配しテたんでスけど、そノー……」
勇者「お構い無く。戦士につづいて、僧侶ですからね、土さんにとってはたまらないものもあるでしょうから。で、僧侶なんですが……」
448
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/12/31(木) 23:36:42 ID:0x5JoZ..
土の四天王「はイ、はい! 見て下さイ! 力作ですよコレェ!」
勇者「僧侶ですよねコレ」
僧侶「……」
449
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/12/31(木) 23:37:28 ID:0x5JoZ..
土の四天王「はイ! 勇者=サマが僧侶=サンのオ顔台無しにしたと聞いた時は酷く残念でシた。手に入ったラ是非修理してアゲようと思っテテ!」
勇者「修理したと。元々はすごく美人さんでしたからねぇ、台無しにしちゃったのは悪かったかなーなんて思ってました。嘘ですけど」
土の四天王「HAHAHA! ナイスジョーク! 勇者=サマに断りなくヤッちャッてスミマセンでしたが、どうかご勘弁ヲ」
勇者「ヤッちゃったもんは仕方ないですし此れは此れで良いですよ、僧侶の顔まで嫌いとは言いませんし」
勇者「しかし見事に修理しきりましたね。どうやったんです?」
土の四天王「大変でシタよー。若いころの写真なイし黒焦げだッたシ、想像で補わなキャいけなカッたシ」
450
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/12/31(木) 23:38:03 ID:0x5JoZ..
土の四天王「鎧に入れる前の戦士=サンにしタことはあらカタしまシタ。皮膚とってー。肉はいでー。骨もいでー。骨も肉も皮膚も全部新しイのに取ッ替えテ」
土の四天王「戦士=サンは最初ッかラ長生きサセるつもリも飾るツモりもなかッたんで強化素材をしこたま入れちャいましたケド」
土の四天王「僧侶=サンは少しなり長生きしテもらって動いてるトコ長く見せテもらいたいし死んだあとも飾りタイシ」
土の四天王「僧侶=サンに合うようなパーツ見繕ったンでスけどね。これが大変で大変で……」
土の四天王「全部で四万人ぐらイの人間腑分けして使ッたかナ?」
451
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/12/31(木) 23:39:07 ID:0x5JoZ..
勇者「四万人? それはまた随分豪勢に行きましたね。選別にも力入れて……」
勇者「……あの。いざってときに、いや、万が一の時のためにですけどね、魔神様にお力添え願うときのためにね」
勇者「生贄用の素材として、そこそこ顔立ちのいい人間、体力がありそうな人間なんかを保管した倉庫あったじゃないですか、倉庫の中身が確かそれぐらい……」
土の四天王「あっ」
勇者「あっ。じゃないですよ!?」
土の四天王「あ、えっと。えーッと。て、てへぺろ?」
勇者「可愛いけど許しませんよ!? 僕が結構苦労して! 結構苦労して選別して取っといたんですよ!?」
452
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/12/31(木) 23:40:08 ID:0x5JoZ..
土の四天王「えット。そノ。あノ。えー……そ、そウだ、あのホラあれ! トップがないブラとクロッチのないパンティー!」
勇者「乳首丸出しのブラとアソコ丸出しのショーツがなんだっつーんですか!? ていうか行き成り何の話!?」
土の四天王「アレほら私流石に恥ずカシクて着れなカッたケド! 今度勇者=サマの寝室行くとき着てきますカラッ」
勇者「……えっ」
土の四天王「ほ、ホラ、アレで、一度シたいって。私恥ずかしイから無理だって言ッタ……けど、そ、その、着てきまスカラ」
土の四天王「……あ、待ッテ、ヤダ、想像したダケでもう、ち、ちょット、顔赤くないっスか私ー!? は、裸は兎も角アレは……ほ、他の案で……」
勇者「その案採用でチャラにします」
土の四天王「……他の案を……」
勇者「 採 用 で 」
土の四天王「……はィ……」ヤッチマッタ・・・
453
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/12/31(木) 23:41:08 ID:0x5JoZ..
勇者「それはそれとして。まあ、生け贄素材はまた改めて調達するとして。僧侶の改造も分かりましたけど。僧侶なんでこんな大人しいんです?」
土の四天王「はぃ……あ、はい、麻酔無しの施術は戦士=サンの屈強な身体あッテのもノですから」
土の四天王「僧侶=サンにソレやッたら回復魔法かけテテも死んじャいまスでしょ」
土の四天王「麻酔は掛けたンでスけど。意識はそのママにしトいたンですヨ」
土の四天王「僧侶=サンたらそれスラ耐えレなかッたみたイデ」
勇者「あー。肉体的ショックじゃなくて精神的ショックで逝きましたか。精神が」
土の四天王「軟な構造しテまスよネ。っと、思いまシタけど、私もこンなこトされたら逝っチャウかモ」
勇者「女性にはキツいかな?」
454
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/12/31(木) 23:42:51 ID:0x5JoZ..
勇者「女神様も綺麗さっぱり、黒焦げにされたそうですけれど、回復してますけど。何でこんなに震えて……」
勇者「あ。見学会させました? この調子だと結構見せられたみたいな感じですけど」
土の四天王「一から十までありったケ」
勇者「納得」
土の四天王「これカラ女神様にも同じ目に遭ッテ貰いまスって脅し文句付きデ」
勇者「あらヒドい」
土の四天王「あ、でも、女神様は魔王様に一応要望も聞いトカなイと。改造却下さレたら……テキトーにゴーモンでもしテ遊びまスか」
土の四天王「女神様の肉体なンて、勇者=サマとかお仲間の皆様方の身体弄ル並に手が届きマセンでしタから。楽しませて貰イたイでス」
勇者「いいですね。間違えた。そんなヒドイ」
455
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/12/31(木) 23:43:36 ID:0x5JoZ..
勇者「しかしまあ、さぞ悲鳴と苦鳴に脅かされた二週間だったでしょう女神様。すみませんねー、うちの土さんがこんな事してー」
勇者「うちの土さんこれからもこんな事しますけど。僕は女神様にこんなこたぁしませんよ! 改造だなんてとんでもない!」
勇者「そんなヒドいことはねぇ、だって僕。女神様の第一使徒でありますからね!」
土の四天王「っぷ。ぷはっ。ッあハハハハは! この状況でそれ言います!? ッアハハははは!? 止めないのにッ。ハハッ、はヒッ、い、息、苦しッ、ひはハハは!」
勇者「僕はやりませんよ。僕はぁ。ッハハハ」
勇者「ひゃっほう!」
土の四天王「ひゃっほーゥ!」
456
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/12/31(木) 23:49:05 ID:0x5JoZ..
ちょっと急ぎ足の更新となりましたが本日はここ迄。次回更新は、1月9日予定。
今回は僧侶の改造シーンは戦士とかぶっちゃったので省略させてもらいました。
次回は女神様を弄るところからになるかな?
本年は沢山の暖かいお言葉を頂きながらの投稿を続けてさせて頂けまして、本当に、本当にありがとうございました。
宜しければ来年もまたのんびりまったりと見てやっていただければ幸いです。ご視聴、ありがとうございました。良いお年をー。
457
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/01(金) 00:19:44 ID:iuM9hrEo
乙
明けましておめでとう。
458
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/01(金) 00:37:05 ID:cj.JrmCk
あけましておめでとう
>>1
と勇者様の今年の活躍に期待です
459
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/01(金) 00:44:09 ID:cJPWcAP2
乙
新年早々で悪いけどせっかく話が面白いのに土の四天王のカタカナら抜き言葉のせいで読みづらい
460
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/01(金) 01:01:27 ID:gw9UPMHs
そこがいいんじゃないか
乙あけおめー
461
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/01(金) 01:11:20 ID:YFMNSmf.
女神さまも009ばりの改造をすんだな
乙
462
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/01(金) 01:26:04 ID:oKEYhSsg
ハッピーニューイヤー!
おまいらがいるから寂しくないお(^ω^)
463
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/01(金) 09:07:46 ID:pJ24.9kQ
謹賀新年乙ひゃほー!
土ちゃんにも羞恥心があったのか
しかし魔神の生贄どうすんだw
464
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/01(金) 16:02:31 ID:92pXywQI
乙
土ちゃんの羞恥シーン激しく希望ですぞ!
465
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/02(土) 02:12:59 ID:qI/1HVYY
謹賀新年であります!!
水さんかわええ、お城島の砂浜で波打ち際をいっしょにキャッキャウフフしたい!
魔王様のおじいちゃんと川岸をキャッキャウフフでもいいwww
466
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/08(金) 23:30:46 ID:Sv4rvo4E
土に萌える日が来るとは保守ひゃっほーゥ
467
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/09(土) 20:58:24 ID:F94VQ/M2
明けました御目出度うございましヒャッホウ! いつもご支援・反応・乙・保守等々頂きまして真に有難う御座います!
新年一回目の投稿だったはずの本日ですが投稿を一日延期させて下さい。
明日! 必ず投稿しますので。申し訳ありません。
468
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/10(日) 00:06:44 ID:xIg.zRTc
>>467
乙ヒャッホウ!
待ってますよー
469
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/10(日) 02:53:15 ID:RuARIQUk
まだかなひゃっほう
470
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/10(日) 04:30:19 ID:8XBF.o4k
ひゃっほう
471
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/10(日) 10:36:43 ID:N4z466KA
ひゃっほう
472
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/10(日) 12:46:32 ID:X0nU56bw
ひやつほう
473
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/10(日) 15:28:52 ID:9eVfcPXo
>>440
全く投降していないじゃないか
474
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/10(日) 16:59:07 ID:A6OzCLOE
警察所の可能性が
475
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/10(日) 23:48:12 ID:yaFmp/GA
まだギリギリ今日の範囲内。これより投降……ならぬ投稿を! 警察とは今年も無縁でいきたいですひゃっほう!
毎度お世話になっております今年も宜しくお願い致します!
476
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/10(日) 23:52:45 ID:yaFmp/GA
―― 僧侶、女神捕縛かに二週間と一日目。魔王城、土の四天王の研究所 ――
勇者「……」
土の四天王「……」
勇者「……」
土の四天王「……えット。勇者=サマ。い、今から、あノ、寝室行きます? 別に夜にシカ営んジャいけなイみたいナことありませんカラ」
勇者「土さんのボディラインまじたわわ。土さんの甲斐性マジたわわ。男心も僕心もガッチリ掴んで離さないって勢いに惚れますよホント」
土の四天王「ソ、それじャ行きまショ? こう、嫌なこトハぱーッとヤッて忘れちャイましョ! ネ!」
477
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/10(日) 23:55:36 ID:yaFmp/GA
魔王「どうした、二人共。今日は随分と大人しいではないか? 基本が騒がしいか無茶やってるか何がしかの貴様等にしては珍しい」ギィ、ガチャ、スタスタ
魔王「勢いで殺そうとした我が言えたことではないが、対・天界戦ではこの女は役に立つであろうから殺させるワケにもいかぬ」
魔王「とはいえ、神族の構造とやらに興味がないワケでなし。命さえ失わない程度の配慮はしつつ」ジャマスルゾ
魔王「つまりいつも通りの無茶苦茶をしない程度に、遊ぶことを許したわけだが……」チャハナイノカ
魔王「……それでも少々心配になって見に来てみれば泡吹いて倒れている女神と落ち込んでいる勇者に土とはどういう状況なのか」チャヲダセ
勇者「ああ、いや、その、なんといいますかね。あ、お茶、僕の分も宜しくお願いします土さん」
土の四天王「はイただ今」
魔王「うむ」
魔王「……」
478
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/10(日) 23:59:53 ID:yaFmp/GA
魔王「……なあ勇者。土の淹れる茶は美味いがな、お前からも何か言ってやってくれんか? いい加減ビーカーに淹れるのは止めろとな」ズズー
勇者「貴方が云十年言っても聞かないんですから僕が言ってもねぇ。たまにはいいじゃないですか、ビーカー茶、成は兎も角味は良いし」ズズー
土の四天王「湯呑み買うぐラいなラそのお金とスペースを他ノ器具に使いたいノです。あァ、そレででスね、いいタイミングというカなんトいうカ」
土の四天王「身体張ルのは吝かデはあリませンけレど、魔王様もちョッと聞いてッテ下さいヨ。愚痴仲間は多い方が宜しイ」
魔王「愚痴仲間にされるのか我は。まあよい、それで? 外傷らしい外傷もないように見受けられるが、この女神」
勇者「気絶してます」
魔王「見れば解る」
479
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/11(月) 00:05:41 ID:WJ8MK7G2
魔王「どんな傷を与えたのだ? 修復したにしても中々見事な治り具合だな? 新しい回復呪文でも会得したのか」
勇者「回復も何もまだなにもしてませんよ」
土の四天王「しテまセン」
魔王「……精神的な傷を与えたのか?」
勇者「精神的な傷といえば傷ですけどねぇ、ッハッハッハ……」
土の四天王「疑う気持ちハよく解りマスけレど、残念ながラ、本当に、まだナニもしテないのですネ、コレ」
480
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/11(月) 00:11:26 ID:WJ8MK7G2
勇者「魔王の許可も取り付けて、道具も一通り揃えて、さあはじめるぞって時ですよ。僧侶の改造シーン見せたのが余程ショックだったのか、どうなのか」
土の四天王「とりあエずメスで肌を切ってみテ神族っテ怪我したラどう治っテいくか見てミヨウ。ッテ、とこデ、泡吹いて卒倒しちャいまシタ」
魔王「え」
勇者「正直、僕、久々に悪い意味でガチでショックなんですけど」
土の四天王「私もショックか拍子抜けというカ。一応うちの神様ト同じ最高神の一人なンですケドこの人」
481
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/11(月) 00:15:59 ID:WJ8MK7G2
魔王「……長らく人間界を護ってきた女なのだがなあ、これは」
魔王「それが、まあ、全身を焼かれて気絶したならまだよいとして。人間の解体現場を見せられて衝撃を受けるのはまだ良いとして」
魔王「いよいよそれを受けて気を失うならまだしも、だ。受ける恐怖に屈して気を失ったとな。あまりに、あんまりに腑抜けた結果だな」
勇者「……もう少しばかり気骨があるところ見せてくれるのかなぁって思ってました。最近では人間爆弾とか昔は僕ポイしたり色々してるワケですし」
勇者「僕のこと戦いに送り出した張本人なワケですよ? こちとら戦いの中で何度、黒焦げになったり酸引っ被って溶けたり生きたまま食われたりして死んでると思ってんですか」
482
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/11(月) 00:21:37 ID:WJ8MK7G2
勇者「……」
勇者「僕は死んでも生き返れちゃいますから、女神様に同じ目に遭え、とは、いえませんけど」
勇者「なんというか、もうちょっと、覚悟決めてくれてるのかなってね。まだ買い被りが過ぎたかな?」
魔王「戦士でさえ戦いの中にあっては、まあアレはアレで甘い考えではあったがアレなりに死ぬ覚悟は決めていたというのにな」
魔王「よくもまあ、このザマで、殺される覚悟を決めていると言えたものだ。殺されない程度と目に見えている痛みでこれとは……」
土の四天王「まァ……こッチがちョッと、過度な期待しテたッテいう気もあるンですけレど。いやア、まサカ致す前に気絶すルとは……」
483
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/11(月) 00:27:11 ID:WJ8MK7G2
魔王「愚痴仲間がどうというのはよくわかった」
魔王「これを酒の肴に飲んでも構わん、時間を取ろう。土と共に寝所に連れ立っても構わん、時間は取らせる。その前にもう少し居ろ」
魔王「様子見がてら一つ話を持ってきたのでな。急な話ではないが、今のうちに耳に入れておけ」
勇者「良い話ですかね、悪い話ですかね」
魔王「さて、どちらかな」
魔王「遊び相手が増えたという意味では良いが、急なものであるし未知であるが故軍団の我等としては悪くもある。天界軍がな、動き出すやもしれん」
勇者「確かに良いような悪いような。思ったよりも早いといえばいいのか、思ったよりも遅いといえばいいのかも、ついでにわからなくなる話ですねぇ」
484
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/11(月) 00:30:35 ID:WJ8MK7G2
勇者「女神様がここに来てから、えーっと二週間? ぐらいですかね? あっちにとっちゃ世界一個守ってる力の持ち主、それなりの地位にいる人物が捕えられて二週間」
勇者「さあ取り返すぞと決めて動き出すには中々の腰の重さ。なんですけどねフツー。あそこは腰の重さにかけちゃ折り紙付きですよ」
勇者「魔王戦役のときもニ〜三年様子見してたぐらいですから、そこを考えると中々の腰の軽さ、のような」ミウチヒイキナダケカモー
魔王「その辺りはどうでも良いわ。兎角、軍としては、奴等を相手にする準備はまだ出来ておらん」
魔王「人間界を征服したあとでゆっくりと天界を攻め落とす準備を始めるつもりであったからな」
土の四天王「今、人間界征服に使ッテる兵ッテ、新生・魔王軍の約半分でスから残り半分もあレばどうとデモ対応出来ますけレど。警戒は大事ですネ」
485
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/11(月) 00:37:04 ID:WJ8MK7G2
魔王「そういうことだ、万が一ということもある」
魔王「我等の知らぬ戦術で、我等の知らぬ魔法で、我等の常識を超える何かで半分消し飛ばされんとも限らん」
勇者「それは流石に警戒しすぎだと思うんですけど。僕が討ち取ってからというもの、妙に疑り深くなっちゃって……」
魔王「元々そういう気があるのだ、放っておけ」
魔王「それにこちらは王手取る寸前でまさかの逆転負けで殺されておる身だ、分かれ」
土の四天王「いやア、ニ十年も前の話になルんでスねぇ。死んでたカラつい昨日の出来事にしカ思えなイんですけレド」
486
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/11(月) 00:40:31 ID:WJ8MK7G2
中途半端ですみませんが今日はここまで。続きは1月18日予定。
いつもご支援・ご声援頂きまして誠にありがとうございます。
本日はお待たせしてしまった上途中の区切りになってしまい申し訳ありませんでした。
次回投稿時にはキッチリキリのいいところまで進めようかと思いますのでどうかご容赦下さい。
それでは、ご視聴ありがとうございました。
487
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/11(月) 00:47:21 ID:Dm/LCysE
乙
今年もよろしくお願いします
488
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/11(月) 01:07:16 ID:Iz6.n/6E
乙
489
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/11(月) 01:14:48 ID:WA8tiyCo
おつおつ
490
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/11(月) 04:32:41 ID:LPewt6N.
乙
491
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/11(月) 12:21:42 ID:JIQ4cAtI
己
女神が予想以上に貧弱でワロタ
492
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/11(月) 13:13:06 ID:cDDgnIUg
女神様軟弱w
可哀想だから気絶してるうちに色々弄っちゃって、目が覚めたらもう全部終わったから
後はなにもしないよー、て状態にしておいてあげた方が良いような(ドコまで弄るかは此方の裁量としてwww)
493
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/11(月) 17:31:34 ID:3fV3u1RI
女神はほんといいとこなしだなー
魔王様そんなに茶を飲みたかったのかw
乙
494
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/14(木) 20:04:58 ID:JQa8.ik6
>>492
睡姦動画を見せ付けるプレイか
495
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/18(月) 20:01:06 ID:mDJAcBeQ
ひゃっほう。睡姦なるもの調べてみたところ、大変良いですね。ちょっと今後の参考にさせて貰います。活かせるとよいのですが。
こんばんは。予告しなかったら遅くなり、予告したらしたでやっぱり遅れる作者です。
毎度毎度申し訳ありません。18日予定でしたが20日夜予定に変更させて頂きます。
20日には必ず。すみませんでした。
496
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/18(月) 22:57:24 ID:LhsQxQ6c
ひゃっほう
心待にしてる
497
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/19(火) 14:24:39 ID:wvGr8Wrw
あいよ
498
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/20(水) 16:37:55 ID:UC7pbtlY
>>156
それ何だっけと気になって調べて読んでみたら泣いてしまった…
499
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/20(水) 16:42:42 ID:1Jvspcek
>>498
そして歴史は繰り返す
500
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/20(水) 21:45:31 ID:MewtYts.
誰も彼も幸せになれない物悲しいお話でした、アレは。誰だったか仔細がどうだったかは忘れちゃってますが、日記がすごく辛かったなぁ……。
と、さて、お待たせしました。キリのいいとこまで、短いってのにお待たせしちゃって申し訳ありませんでした、投稿させていただきます
501
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/20(水) 21:46:49 ID:MewtYts.
土の四天王「まァまァ、そレより何よリ。それなラそれデ、対人間界用でなクテ対天界用に兵を造って備蓄しトキましョウか?」
魔王「それが良い。魔神のための生け贄用にいくらか人間が備蓄してあったな?」
魔王「あの中から素体を選んでも構わん。生け贄用はまた勇者に頑張らせる、が、ほどほどにな。総て使うなよ?」
土の四天王「……はィ」
勇者「はい、それはもう」
魔王「土、何故赤くなる? 勇者は、なんというか、絶妙な顔だな、面倒臭そうな嬉しそうな……」
土の四天王「……いェ」
勇者「いえ、それはもう」
魔王「なんだというのだ。いや、待て、言わんで良い。聞いたところでろくでもないことに違いないから良いとして、仕事はしろ」
502
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/20(水) 21:49:12 ID:MewtYts.
勇者「HAHAHA、イエスサ……」アレ
魔王「む?」ヒガシカ
土の四天王「ン」ホクトウデスヨ
勇者「……先走りですかね」マオウッテバー
魔王「で、あろうな」ウルセェ
土の四天王「天界軍がこンなに早ク行動デきるとハ思えマせんかラねェ」
503
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/20(水) 21:50:42 ID:MewtYts.
勇者「数は、五、いや、えーっと、六人ですか」
魔王「中々強い気配だぞ。場合によっては魔王軍への編入を許可してもよい」
土の四天王「編入許可されタッて頷くトハ思えませンけれど。そろそろ到着なサれまスよ」
勇者「いや、僕は許可しませんよ。少数でもおらが大将助けてやんぜって突っ込んでくる心意気は買いますけど……」
504
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/20(水) 21:52:08 ID:MewtYts.
天使「聞けい悪逆無道の――!!!」
炎の四天王「Atrocious Attack!!!」ドパンッ
勇者「来た、と、おもったら早速炎さんに一人ぶっ飛ばされた。というか消し飛ばされた」ナンデアノヒト、コンナタイオウハヤイノ
勇者「天使さんがた、結構な上空を結構な速度でかっ飛ばしてきたスペックは認めますよ」
勇者「取り囲まれて攻撃されるのを警戒して地上に降りないのも、上空に浮かんでいても魔法が飛んでこないか警戒しているのも、それなりに油断が無くて宜しい」
勇者「けど世の中、一蹴りで魔法より速く空まで飛び上がってきて、一殴りで爆発四散させるような腕っ節を持った男も居ますからね」マイノリティデスケド
勇者「殴られた天使さんもまあ綺麗に無くなっちゃって、亡くなっちゃって……別にあの人無名じゃないんだから。あんなん居るのによく突っ込んでこれますよね」
505
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/20(水) 21:54:09 ID:MewtYts.
魔王「相変わらず炎を全身に纏って参上しているが。アレ、実は結構熱いらしいな」
土の四天王「風サンが風で出来テるみたいに、水サンが水で出来てルみたイに、炎で出来た魔人みたイに振る舞ッテらッしャるけど」
土の四天王「フツーに私と同じ人間型の魔人でスからネあの方。なンか、イメージが大事、ッテ仰ッテ」
勇者「聞いたときは驚きましたよ。僕はてっきり本当に風さんや水さんみたいにそういうので出来た魔人なのかと思ってたんですよ」
勇者「ノリがいいというか、なんというか。Atrocious Attackってあんた……あんな技、持ってないですよね。天使さんが悪逆無道がどうとか言うから……」
魔王「うむ、しかし、そんなことを言っている内にも炎の奴、多段空中飛びを駆使して残りの天使共を次から次へと吹き飛ばしているが」
魔王「しまったな、奴がやってしまっては奴等の正確な実力がよくわからんではないか」
506
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/20(水) 21:57:24 ID:MewtYts.
土の四天王「あノ方と戦いニなる生物すラこの世界では希少なほうでスよね。しかモ生憎そういウ生物の多くは私達側に属しテいる」
土の四天王「勝てル生物だッテここに居らッしャいますし」
魔王「魔界に我さえ居らなければ、人間界に勇者さえいなければ、二界において最強の座はあやつのものだったろうな」
勇者「そういえば、天界はどうなんでしょうねぇ。女神様はあくまで人間界の守護者ですから、天界の守護者たる方を見たことはないんですけど」
勇者「ちょっとだけ、いやいや居たら居たで至極面倒臭いですが、僕よりも魔王よりも強いのが居たら酷く面倒臭いですが、ちょっとだけ楽しみなような」
魔王「まあ、わからんでもない。何のかんの我も戦役時は、勇者が目障りで仕方なかったが、勇者程の強者が居ると知っては多少心躍ったものだ」
土の四天王「男の子しテますねェ。女の子の私にハよくわからなイので、居ない事ヲ祈りまスよ」
507
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/20(水) 22:00:01 ID:MewtYts.
炎の四天王「ッハッハー! 不意打ち御免! まあ何! 悪逆無道の徒であるゆえ卑怯な手の百や二百は覚悟せねばなるまいて!」
炎の四天王「それに少々、急ぎでな! これから水殿と――」
勇者「あ、終わったみたいですね。お疲れ様でーす!」
魔王「次は勝手に飛び出さぬよう釘を差しとかんと」
炎の四天王「おお、勇者殿! 魔王殿! 目障りな羽虫共を消しておいたぞー! ではこの炎の四天王これより水殿と『でぇと』故これにて失礼!!!」バヒュンッ
勇者「……ああ、何か妙に外に出てくるのが速いと思ったら、お出掛けするために外に出てきたところだったんですね」
魔王「よくよく見てみれば下の方に水が待っているな。ハハハ、炎の奴が大声で逢瀬がどうのと言うせいでまた悶ておるわ」
土の四天王「かわイイものデスよネ。私よりずッと大人ッポイのに中身がアレですもン」
508
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/20(水) 22:00:32 ID:MewtYts.
魔王「しかし、先走りとはいえ、天使共を吹き飛ばしたのだ。天界軍の動きが多少なりと早まるやもしれん、我は風と対策でも練ってくるか」
勇者「僕は土さんは寝室に、と、思ったんですけど。やっぱりこういうの、夜のほうがいいですね、昼はもう少しお仕事しましょーか」
土の四天王「平気です、勇者=サマ? 平気でシたら、私も私デ、えー、そう、あのー。備蓄の兵力補充ヲ……あと下着の準備……」ボソッ
勇者「平気になりました、気晴らしに派手なもの見れましたし。……貯蔵庫の人間の補給しなきゃ……」ボソッ
勇者「僧侶を連れていきます。補充がてら、街落としがてら、彼女もこっちの手に堕ちたぞーって人間共にアピールしてきますよ」
509
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/20(水) 22:02:06 ID:MewtYts.
勇者「ついでに、戦士が死んじゃったのもお伝えしてきちゃいましょーかね。剣聖も死んだ、聖女はこちらの手に堕ちた、いゃあ〜」
勇者「どんな反応してくれるか楽しみですね! 街々の皆様方ねー!」
勇者「ひゃっほう!」
土の四天王「お土産話、楽しみニしテますネ。僧侶=サンを見た反応のトコ詳しくお願いしマス、さ、それじャア私も一仕事!」
土の四天王「ひゃっほーゥ!」
魔王「元気になったようで何よりだが、やはり我は駄目だ、その勢いには付いて行けん……」
魔王「……若返りの秘薬でも探すべきか……?」
510
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/20(水) 22:04:41 ID:MewtYts.
今日はここまで。次回は1月30日か31日のどちらか。次回こそは遅れないようにしないと……。
いつもご支援、ご声援、ありがとうございます。ご視聴もありがとうございました!
511
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/20(水) 22:07:32 ID:yPfnouw6
乙
炎の四天王さんが予想通りの性格で和んだ
そしてやはり水の四天王さんが可愛い
てか
>>1
さんも勇者マークのSS知ってたんだ
512
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/20(水) 22:13:54 ID:96ysXa8E
おつおつ
513
:
156
:2016/01/20(水) 22:28:27 ID:ZWhpzwUU
まさか半年以上たってからレスがついて話題になるとは
514
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/20(水) 23:28:01 ID:0OnYSlJw
乙
515
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/21(木) 01:04:29 ID:GRFVF3/A
駄目だ今回で勇者がオリエンタルラジオの藤森で再生される。
516
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/21(木) 03:06:32 ID:bz.3t9JY
ヤメロォ(再生厨があんなにも嫌われてた理由が今この瞬間やっとわかった気がする)
517
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/21(木) 03:32:17 ID:kjAMi4.U
乙
勇者マーク懐かしいな
518
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/21(木) 21:15:35 ID:LgMIHL2Q
乙
519
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/22(金) 14:27:46 ID:na7aCfCw
炎さんのこだわりに草不可避
魔王様はそのままでいいんじゃよ?
乙!
520
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 21:03:53 ID:8zevVFlw
SSのまとめサイトとかでオススメーみたいな特集組まれてるタイトルならちょくちょく見てる、にわかSS読者な
>>1
であります。
ああいうとこのコメント欄、偏見かもだけど厳しい方多いよね〜。ここは優しい方々多くて安心と言いますか。常々日頃より感謝であります。
いつもご支援・ご声援ありがとうございます。本日の投稿を始めさせて頂きます。
521
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 21:04:42 ID:8zevVFlw
―― 僧侶、女神捕縛かに二週間と一日目。魔王城、土の四天王の研究所 ――
いくつもの村が、いくつもの街が、いくつもの砦が落とされた今アノオー国の首都は厳戒態勢。
王宮の内部から周辺まで、街中にも街を守護する壁と外にもずらりと重武装の兵が並び、襲撃に備えていた。
しかし……
勇者「しかし、まあ。なんというか、まあ。事此処に至ってもまだ対岸の火事ってノリですねぇ、僧侶?」スタスタ
僧侶「はい」スタスタ
勇者「思い返してみれば二十二年前のあの日も、旅立ちの日もこんな感じでしたっけ、ねえ僧侶?」
僧侶「はい」
勇者「兵隊さんは揃っちゃいるけど、そのうち向こうに攻め入ってる兵隊さんがカタつけてくれるだろー的な」
勇者「民草も、そのうちなんとかなるだろー的な感じで気が抜けてるというか何というか。いやはや中々の賑わい、活気、物資」
勇者「一応戦時下なんで普段ほどメッチャクチャに物溢れてるってぇわけじゃあございませんが、平和なもんで――」ドン
勇者「っとと」
522
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 21:05:49 ID:8zevVFlw
―― 僧侶、女神捕縛から二週間と一日目。アノオー国、首都 ――
でした。早速ミスった。すみません。
523
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 21:06:19 ID:8zevVFlw
子供「いてっ」ドサッ
勇者「あら、あららー。これは失礼、荷物が……」
子供「ぼ、僕の方こそごめんなさい。余所見してた……」
勇者「ボサッと突っ立ってた僕が悪い。拾うの手伝いますよ、ほら僧侶もつったってないで手伝いなさいよ」
僧侶「お買い物ですか、少年。お使いでしょうか、えらいですね」
勇者「あ、手伝う気ないですか……そうですか……」
子供「うん、そうだよ。お母さんに頼まれたの」
勇者「そうですかー」ヒョイヒョイ、ヒョヒョイノヒョイ、ハイオワリ
524
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 21:08:03 ID:8zevVFlw
子供「今日はシチューなんだよ、ビーフシチュー! 大好きなんだー、って、はやいねお兄さん」
勇者「袋もこうして紐でギュッとして、はいこれで溢れない。え? ああ、道端に落ちてるもの拾うのは得意なんで。どうぞ」
子供「あ、ありがとう。かわった得意技なんだね」
勇者「落ちてるものを拾うときは落ちてるものの気持ちになるのです。転がったジャガイモやニンジンの気持ちになり、早く拾ってくれという声を聞けば、おのずと手は其処に!」
子供「そ、そうなんだ……ジャガイモやニンジンの声聞こえるんだ……」
勇者「嘘ですけど」
子供「嘘なの!?」
子供「もう! お兄さん!」
勇者「ハハハ、ごめんごめん。でも、余所見には気を付けなきゃ駄目ですよ? 当たったのが僕でよかったものの、兵隊さんにぶつかったらもっと痛いから」
子供「わかってるよ! 兵隊さんにめいわくかけないよ! まおーぐんってのと、ユーシャって悪いやつが居るから、兵隊さん忙しいもん」
525
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 21:09:20 ID:8zevVFlw
勇者「忙しい、ええ、うん、そうですね。坊やも協力してくれてますし、きっとすぐまおーぐんもユーシャもやっつけてくれますよ」
子供「うん、戦いにはいけないけど、いきたいけどお母さんが駄目っていうから、兵隊さんには迷惑かけないようにするんだ」
勇者「いい子だ。それじゃあ、もうお帰り。今度は気をつけるんですよ?」
子供「うん、ばいばい、お兄さん。あ、でも、ねぇお兄さん」
勇者「はい?」
子供「カツラずれてる」
勇者「え゛」
526
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 21:11:26 ID:8zevVFlw
子供「お兄さん、髪真っ白なんだね。お爺ちゃんみたい。だからカツラかぶってるの?」
勇者「……」イソイソ
勇者「……どうです?」
子供「なおった。白髪染めしたら?」
勇者「良い色が中々見つからないんですよ。黒だとなんかホントにお爺ちゃんになった気分だし、金色はなんかわざとらしいし……」
子供「? 髪、だいじにねー。白になったらハゲるっていうし」
勇者「い、いや、それは年齢的必然というか……老いたら皆そう、いやでもふさふさの人も……いやでも僕の母方のお爺ちゃんがハゲだしな……えー……き、気を付けます」
子供「気を付けてね! それじゃーねー!」タッタッタッ
527
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 21:12:56 ID:8zevVFlw
勇者「……」
僧侶「……」
勇者「何か?」
僧侶「いえ」
勇者「この僧侶、もう少し愛想良い人格にしてもらったほうが良いかなぁ……いやそも、とりあえず載っけてみた人格だからか? 後で土さんに相談するとして」
勇者「カツラ一つで驚くぐらい気付かれませんね。カツラなくても気付かれなかったりして」
勇者「僕の手配書ちゃーんとあっちこっちに貼ってあるんですけどね。魔王も、四天王の面々も。僧侶にしたって、んー」
勇者「いやあ、若返っちゃいますけど。僕に焼かれてからというもの顔はずっと隠しっぱなしでしょ、あなた。ならその顔、目立つは目立つと思うんですけど」
528
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 21:14:01 ID:8zevVFlw
僧侶「先程から男性の方中心に、あの人綺麗だな、とか、お前ナンパして来いよ、などの声はあります」
僧侶「振り向かれたりもしますが、まさかこんなところに聖女が居る、勇者が居るとは思わないでしょうから」
勇者「思い込みって怖いですねー」スタスタ
勇者「はい到着、街一番の活気がございます、ここは中央広場〜。いやあ、あんな露天こんな露天あったりして目移りしちゃいますが」
勇者「用があるのはさらにこの広場のど真ん中にございます、この無駄にご立派な、あのローガイの国王の銅像。いやあ、何時見ても憎たらしい」
529
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 21:15:00 ID:8zevVFlw
勇者「そしてここに取り出しまするは戦士の剣。人間界一の鍛冶師が精魂と心血を注ぎ込んだ、彼の最高傑作たる、その名もまんま『戦士の剣』〜」
勇者「コイツを」
勇者「この銅像に」
勇者「僧侶ごと――」
530
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 21:17:00 ID:8zevVFlw
老人「……そこなお人」
勇者「後で回収にきますからね〜、僧侶。安心してぶっ刺され……。……はい?」
老人「……お止めになってはいただけませぬか」
勇者「今からが楽しいところなんですよ。それに夜までには帰らにゃいけませんので少し急ぎで、水差すのは止めていただけますか、ご老体」
勇者「というか、子供にぶつかったり、老人に見咎められたり、少し不調ですねー今の僕ー。流石の僕も……まあ、裏声さんよりも付き合い長かったですしね……」
勇者「しかし子供は子供なりに敏い、何かに引っかかるものでもあったのかもしれませんし。老人は老人でもただの老いぼれではないみたいですので、仕方ないかな?」
勇者「なんともまあ、偶然もあるもので、いやはやお久し振りです。魔法使いの先生。賢者殿?」
勇者「大賢者、魔法使いは元気にしてます? 全ー然足取りも姿も掴めないんですよ、あの女」
老人「……」
531
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 21:18:20 ID:8zevVFlw
改め、賢者「……姿形も、心内も、変わり果てられましたな、勇者殿」
勇者「おかげさまで。あ、このカツラいりますか? 思ったより蒸すんですよね、これ。その禿頭におひとつプレゼント」
賢者「説得などというつもりはございません。戦士も、僧侶も、女神様でさえ、貴方のお心は救えなかった。私如きに何が出来ましょうか」
勇者「フフフ、話を聞いてくれませんね。ノリわるし」
532
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 21:21:39 ID:8zevVFlw
勇者「まあ、よろしい。訂正させて頂きますが、戦士は説得のせの字も出ませんでした、お前を倒すのはこの俺だーつって勘違い特攻してきました」
勇者「僧侶と女神様は、主に女神様は、説得というか公開オナニーショーをぶちかましたあとに、殺しにかかってきましたよ。結構ヤバかったです」
勇者「まあ、二人は見ての通り。戦士は色々あって死にました、僧侶もこれから色々使ったあとに殺します、女神様は……えー。保留」
勇者「とりあえずこの二人はこうなったよって宣伝しに、此処に」
賢者「その宣伝とやら、黙って見ているわけにもいきますまい」
勇者「黙って見ていれば多少なり長生きできますよ」
賢者「死に際に一つしこりが増えますゆえ……」
賢者「後悔というしこりは、死に際を穏やかにはしてはくれませぬ。ただでさえこの老いぼれ、長く生きている分だけそんなものが沢山ございましてな」
533
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 21:23:16 ID:8zevVFlw
勇者「ほほう」
賢者「どうせ悩まされるというならせめて少なく、穏やかにならないなら、ならないなりに少しでもしこりは減らして逝きたく存じ上げます」
勇者「ふむ。いや、話が早くて助かります」
勇者「戦士も僧侶も女神様も、貴方のその姿勢を見習わせたいですよ。ではお互い、説得は無理という線で、ささっとはじめましょうか」
賢者「ふふふ。出来れば……ふとした散歩でばったりと、ではなく。きちんと、それなりの布陣を以て、相対したかったところではございますが……」
勇者「世の中巧くいかないものですよ。僕でさえ巧くいかないことばかりです」
534
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 21:25:35 ID:8zevVFlw
勇者「まあ、でも、悪いことばかりでもありませんか。正直ガッカリするもの見せられたけれど、爽快なものも見れたし」
勇者「ちょっと残った憂さ晴らしがてらのお仕事では、たまにはきちんと覚悟を決めた御仁に出会えた。久々に人間と会った気分ですよ」
勇者「賢者殿に敬意を評して……特別ですよ〜? 僧侶と一緒に串刺しにしてあげましょう。死に様を飾って差し上げる」
カツラを取って捨て、白髪を陽の下に晒しながら、にっかりと笑顔を浮かべる勇者。
それに何を思うか、皺と髭とに覆われた老賢者の顔は変わらず、ただ細い目を大きく開き。
――。
535
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 21:27:08 ID:8zevVFlw
ほんの数分後、買い物に来ていた主婦が。母のお使いにきていた子供が。ぶらりと散歩していた青年が、街を護っていた兵隊が、其々の悲鳴を上げる。
中央広場のど真ん中に設えられた国王の銅像に、その胸に突き刺さっているのは戦士の剣。
縫い付けられているのは年若い女性であった。見る者さえ見ればすぐにわかる、歳こそ不自然ではあるが、それはかつての聖女だった。
縫い付けられているのは年老いた男性であった。見る者さえ見ればすぐにわかる、かつての大戦の英雄の一人、魔法使いの師、その人だった。
アノオー国剣聖が、アノオー国聖女が、殺された。
そしていずれはアノオー国大賢者も同じ目に遭わせると知らしめるように賢者も殺され。
それをあろうことか厳戒態勢を取っていた筈の首都の、それも首都のど真ん中で行われた宣伝行為に、国は震えることになる。
536
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 21:29:05 ID:8zevVFlw
勇者「爺さんも本望でしょう。男の子の夢的なものありますよね、英雄と共に死す、みたいな? たまにはいいことしますよね、僕も。ハッハッハ」スタスタ
勇者「それにしてもさて、さて、これでいい加減、現実を直視してくれるでしょうねぇ、アノオー国民諸君」
勇者「苦しめて殺すつもりはないんですけど。呆けたまま死なれるんじゃあこっちの気が晴れないんですよ」
勇者「しかし、ん〜〜〜〜……い〜い悲鳴だ、中央から伝播して、伝播して、伝播して。残る全ての人々に届くと、いいですねぇ」
勇者「ヒャッホウ!」
勇者「ひゃっほう(裏声)」
勇者「Wonderful!!!!!(軍団)」
537
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 21:35:39 ID:8zevVFlw
本日はここまで。次回は2月10日予定。
後二月とちょっとでこのスレはじめて一年が経ちます。それまでになんとか終わらせられれば良いな、とは、思っていますが。
去年の四月から今まで、相変わらず先のことは何にも考えず、ノリだけで書いておりますので終わるかもしれませんし終わらないかもしれませんし。
何にせよどうぞあんまり期待せず、ゆる〜くのんびりとご視聴頂ければ幸いです。それでは、ご視聴ありがとうございました。
538
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/01/31(日) 22:24:42 ID:bQMaGKoc
おつおつ!
539
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2016/02/01(月) 00:32:11 ID:huRXNKt2
賢者はなにやらかしてこうなってるか分かってないの?
乙
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