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勇者「魔王一家がラブラブすぎてヤバイ」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 07:48:44 ID:chemSr8I
勇者「ここか…ついに来たぞ」
勇者「(魔王を倒すことを考え続けて18年、ついに宿敵の魔王にたどり着いた!)」
勇者「(俺がどれだけこの時を待ちわびたか…)」
勇者「(毎日が修行の日々、娯楽はなんかは切り捨てひたすら己を磨いてきた)」
勇者「(友人が恋人を連れていたときは少しは羨ましいとは思ったが、宿敵を討つため…その思いは捨て去った!)」
勇者「(魔王、俺はお前のために生きてきたんだ…俺の全てを懸けて、貴様を討つ!)」
勇者「…いくぞ!」
ガチャン!
勇者「魔王!お前を…っ」
2
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 07:49:29 ID:chemSr8I
魔王「妻がかわいすぎて勇者なんかどうでもいい」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1425781876/
これの修正+続きみたいなかんじ
3
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 07:50:46 ID:chemSr8I
勇者「…ぎゃあああああああ!!」
魔王「おお、これはこれは勇者ではないか」
勇者「な、ななななな…」
勇者「何をしてるんだ貴様ああああ!」
魔王「何って…見て分からぬか?」
魔王「受胎の儀式だ…っ」パンパン
妻「あんっ!…そ、そこ…いいのおおっ!」
4
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 07:51:57 ID:chemSr8I
勇者「目がああああ!目が腐るううううう!!」
魔王「ここか?ここがいいのか…っ」ズチュズチュ
妻「あああん!…っ…いいっ、気持ちいいっ!!」ビクンビクン
勇者「俺にそんなの見せるなあああああ!」
勇者「ああああああああああああ!!!」
妻「…」
魔王「…はぁ」
勇者「おっひょひるわのいかなああああああああ!!」
魔王「…すまん、一旦中止で」
妻「そうね…」
5
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 07:53:26 ID:chemSr8I
勇者「はぁ…はぁ…や、やっと終わったか」
魔王「しばらくこれを着ていてくれ」スッ
妻「あっ、ありがとう…」
魔王「…勇者よ、儀式の邪魔をするでない」
勇者「じゃ、邪魔だとぉ…」
勇者「俺が来たのに、お前らこそ何をしているんだ!」
魔王「急に来て怒鳴り散らかして何を言うか…」
魔王「来るならあらかじめ言って欲しかったな」
6
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 07:54:46 ID:chemSr8I
勇者「い、いや違うじゃん!普通俺がくるの待ってるだろ!」
魔王「何故?」
勇者「お、俺はお前の宿敵だぞ!待ってなきゃおかしいだろ!」
勇者「来てみたら子作り真っ最中って…それっておかしいだろおおおお!!」
妻「勇者さんごめんなさい、今日は私から誘ったの…」
勇者「あ、い、いえ…こちらこそ」
勇者「…って、お前が誘ったのかよおおおおおおおお!!」
魔王「妻が謝ることではない、こやつが無礼なだけだ」
7
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 07:55:46 ID:chemSr8I
妻「そうかしら…」
魔王「ああ」
妻「でも勇者さん、私…どうしても男の子が欲しいんです」
勇者「あっ、そ、そうなんですか…」
魔王「我には子どもが4人いるんだがな、みな女の子なのだ」
魔王「我はそれでもいいのだが…」
妻「でも、あなたと私の息子よ?きっとあなた似のかっこいい子だわ♪」
魔王「いや、妻似の美男子かもしれんぞ」
妻「あなた…」
魔王「妻…」
8
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 07:58:25 ID:chemSr8I
勇者「…おええええええ!!!!」ビチャビチャ
妻「きゃっ!」
魔王「これ、汚いではないか…」
魔王「…使いの者よ、勇者に水を与えよ!」
「はっ!」サッ
勇者「はぁ…はぁ…こ、これはいかん」
「どうぞ、水分補給を」スッ
勇者「あっ、ありがとうございます…」
「私は吐瀉物を片付けます」フキフキ
勇者「何から何まですいません…」
「いえいえ」
9
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 07:59:27 ID:chemSr8I
魔王「まったく…醜い顔が更に醜くなるぞ」
勇者「ぶ、ブサイクで悪かったな!」
魔王「そこまで言ってなかろう」
勇者「く、くそぉ…自分の顔が整ってるからと見下しやがって…」
魔王「…妻よ、我は人間から見てもカッコいいのか?」
妻「さぁ…?」
妻「でも…私たちも人間も見た目が違うのは角と尻尾があるかないかというだけで、そんなに差はないんじゃないかしら?」
魔王「ふむ…そうか」
妻「ふふっ、人間からみてもやっぱりカッコいいのね」
10
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:01:21 ID:chemSr8I
魔王「やっぱり…?」
妻「そうよ、あなた昔から私たち魔族の間でもカッコいいって有名だったじゃない」
妻「私にはもったいくらいに…」
魔王「…そんなことはない」
妻「えっ…?」
魔王「勇者よ、貴様に頼みがある!」
勇者「ま、魔王の頼みなんか聞くわけねえだろ!」
魔王「まあそう言うな」
魔王「…妻よ、服を脱いで立つのだ」
勇者「はっ?」
妻「え、ええ…」スッ
11
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:03:56 ID:chemSr8I
スル スルッ ハラリ
勇者「っ!?」
魔王「どうだ勇者よ、我が妻は」
勇者「ど、どうって…」
妻「ち、ちょっと恥ずかしいわ…」カァァ
勇者「(…綺麗な顔立ち、艶のある長くきれいな黒髪、信じられないくらいのスタイルのよさ)」
勇者「(に、人間にもこんなやついねえぞ…)」ゴクリ
妻「ゆ、勇者さん…どうでしょうか?」
勇者「…はっ!」
勇者「ま、まあそこそこじゃねえのか?」
12
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:04:34 ID:chemSr8I
魔王「…ふん、性器をいきり勃たせておいてそこそこか」
勇者「うぐっ…」ビンビン
魔王「…人間からも魅力的に見えるのだ、もっと自信を持て」
魔王「我の女は、お前以外に絶対にありえんのだからな」
妻「あなた…」
勇者「あばばばばばばば」
13
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:05:59 ID:chemSr8I
魔王「さっきから騒がしいな…」
勇者「…おい待てよ」
魔王「なんだ」
勇者「こんなの卑怯だぞ!」
魔王「なんのことだ」
勇者「魔王だからって、魔族の女選びたい放題なんだろ!?」
勇者「どうせその人も世界中のどっかから誘拐してきて嫁にしたんだろ!」
魔王「誘拐などしていないのだが…」
勇者「じゃあどこから連れてきたんだよ!」
14
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:07:53 ID:chemSr8I
魔王「妻は生まれたときからずっと近くにいたな」
勇者「…は?」
妻「私たち、実は幼馴染なんです」
勇者「…お、幼馴染属性ああああああああああああ!!」
勇者「羨ましいいいいいいいい!!!」
魔王「なんだこいつは…」
勇者「俺の村なんて男だらけだったのに…」
勇者「チクショオオオオオ!!!」
妻「懐かしいわねぇ…」
15
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:08:49 ID:chemSr8I
勇者「なんだよ、無理やり嫁にしたんじゃないのかよ…」
勇者「幼馴染とかふざけんなよ…」
妻「無理やりなんて…私から告白したんですよ?」
妻「私、昔から魔王くんにゾッコンでしたから…」ポッ
勇者「」ガンガンガンガン
魔王「お、おい!いきなり床に頭を打ちつけてどうしたのだ!」
魔王「使いの者よ、勇者を止めろ!」
「自傷行為はお止めください!」ガシッ
勇者「放せ、放せよおおおお!!うわあああああああああ!!」ジタバタ
16
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:09:48 ID:chemSr8I
魔王「ふぅ…いきなり叫んだり一体なんなのだ…」
勇者「俺、何のために生きてきたんだろ…」
魔王「我を倒すためだろ?」
勇者「そうだけど…そうだけどよぉ」
「パパー!」
勇者「えっ!?」
魔王「げっ…」
妻「あら、出てきちゃったの?」
17
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:10:47 ID:chemSr8I
勇者「だ、誰だ…?」
妻「あ、うちの三女です…」
勇者「ほあっ!?」
三女「おじさんこんにちは!」ニコッ
勇者「お、おじさん…まだ18だよ…」
勇者「(…い、いや、それにしてもなんてかわいらしいんだ)」
勇者「(親がどっちも美形だと、こんなかわいい子が生まれてくるのかよ…)」
勇者「(ふひひ…魔王倒したらこの子はお持ち帰りだなグフフ)」ハァハァ
三女「ねえねえ、なんで二人とも裸なの?」
魔王「ぱ、パパたち儀式の途中だったから…」
魔王「出てきちゃダメだろ、三女ちゃん」ナデナデ
18
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:12:04 ID:chemSr8I
三女「儀式ってなあに?」
妻「そ、それは三女が大きくなったら教えてあげるからね?」
三女「…うん、わかった!」
妻「ふふっ、いい子ね」
勇者「(かわいい…嫁にしてえ)」
「こらー!勝手に行っちゃダメだろ!」
三女「あっ、お姉ちゃん!」
勇者「お姉ちゃん!?」
19
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:13:17 ID:chemSr8I
妻「この子は次女です」
勇者「あっ、そうですか…」
勇者「(うわぁ、お姉ちゃんもかわええ…)」
次女「…何この人間」
魔王「一応勇者だ」
勇者「一応じゃねえよ!」
次女「…ふーん、こんな冴えないやつが勇者なんだ」
勇者「っ…」
勇者「(な、なんだ…お姉ちゃんはキツい性格なのか?)」
次女「…」ゴオオオオ
20
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:14:38 ID:chemSr8I
勇者「(…ん、この魔力!)」
次女「くらえ、炎魔法!!!」
勇者「なにっ!…くっ」
ザッ! バアン!
次女「…へえ、今のかわすのか」
勇者「はぁ…はぁ…」
勇者「(マジかよ、子どもがこんな威力の魔法を…)」
勇者「(間違いない、こいつは魔王の娘だ…)」
魔王「…こら」ポカ
次女「いてっ」
魔王「不意討ちなどダメではないか」
21
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:18:59 ID:chemSr8I
次女「だってぇ…」
魔王「だってぇ、ではない」
魔王「魔法はなるべく使うなと言ったであろう」
次女「…はーい」シュン
妻「ま、まあまあ…次女も反省してるみたいだしいいじゃない」
妻「今日は勇者さんも来てるんだし…ね?」
魔王「…そうだな」
妻「ほっ…次女、三女を連れて部屋に戻っていなさい」
次女「おっけー」
22
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:20:16 ID:chemSr8I
魔王「…さて、待たせたな勇者よ」
勇者「…」
魔王「どうしたのだ?」
勇者「なんか、もうどうでも良くなってきたわ」
勇者「俺、帰ります…」
魔王「そうか、気をつけて帰るのだぞ」
勇者「か、勘違いすんじゃねえ!今日は帰るだけだ!」
勇者「また近いうちに貴様を倒すために戻ってくるからな!」
魔王「ほう、楽しみに待っているぞ」
23
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:21:48 ID:chemSr8I
勇者「首を洗って待っていろよ魔王!」
勇者「さらばだ!」ガチャ
バタン!
魔王「…行ったか」
妻「そうね…」
魔王「…妻ぁ」ダキッ
妻「あら、うふふ」ギュッ
魔王「妻はかわいいなぁ…」
妻「そう言ってくれると嬉しいわ」
24
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:25:33 ID:chemSr8I
魔王「そういえば勇者のやつまた来ると言っていたな」
魔王「そのときは菓子でももてなしてやるか」
妻「ふふっ、そうね」
魔王「…さて、さっきの続きを」スッ
妻「待ってあなた…私、やり残したことがあるの」
魔王「やり残したこと?」
妻「ええ、そうよ」
妻「…」
25
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:28:04 ID:chemSr8I
勇者「ったく…なんだよあいつ、あんなもん見せつけやがって」
勇者「なーにが美人な妻とかわいい娘たちだよ…」
勇者「…はぁ」
勇者「(いいなぁ、俺にもあんな家族がいたら…)」
26
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:30:36 ID:chemSr8I
ビリ…
勇者「おっ、もうすぐ出口だな」
勇者「…はぁ、これからどうすっかな」
ビリビリ…バチッ
勇者「むっ…!」バッ
勇者「…んっ、気のせいか」
バチバチバチバチバチィ!
勇者「っ…ぐわああああああ!!!」
勇者「あがっ…っ…」バタン
勇者「(こ、これは、雷魔法…!)」
27
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:31:35 ID:chemSr8I
勇者「(くそっ、完全に油断、した…)」
コツコツ
勇者「(…誰か、くる!)」
コツコツ
勇者「(誰だ…っ)」
妻「また会ったわね、勇者さん」
28
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:33:52 ID:chemSr8I
勇者「お、おま…え…は」
妻「うふふ、私の魔法をまともに受けてまだ生きてるなんて…」
妻「流石は、勇者といったところね」
勇者「(くそっ…体が痺れて、動けねえ…)」
妻「私の夫を殺しにきて、ただで帰すと思ってるのかしらぁ?」
勇者「ぐっ…」
妻「…許さないわよ」
妻「私が命より大切な、私が世界で一番愛してる魔王くんを殺す…ですって?」
29
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:39:13 ID:chemSr8I
妻「うふ…うふひひっ…あはははははははは!!!」
勇者「(な、なんだこの女…)」
妻「あはは…はぁ…」
妻「…殺す」
勇者「なっ…」
妻「殺す殺す殺す殺す殺す殺す…殺す!」
妻「絶対に殺す、殺してやる!!!」ガッ
勇者「あがっ…!」
勇者「(く、首がっ…)」
妻「死ね!死ねえええええ!!!」ギチギチィ
勇者「かっ…あがっ…!」
30
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:43:31 ID:chemSr8I
妻「私がどれだけ彼を愛しているか、お前なんかに分かるものかあああ!!!」グググッ
勇者「っ…」
妻「ずっと、ずっと好きだったのよ!!!やっと夢が叶ったのよおおおおおおおお!!」
妻「それをお前みたいな人間にいいいいい!!!!」
妻「魔王くんを傷つける奴は全員殺してやるううううううう!!!」ギギギィ
勇者「…」
妻「はぁ…はぁ…死んだ…?」
妻「は、ははっ…やったわ…」
妻「あはっ、あはは…殺したわ、殺してやったわ!!」
31
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:45:33 ID:chemSr8I
勇者「」
妻「うふふっ…」ガシッ
妻「このゴミ、魔物の餌にでもしようかしら」
妻「…あっ、魔王くん待たせてるんだったわ」
妻「早く処理しないとね…」
妻「…あっ」
妻「いひひ…」ブン
バァン!
妻「顔面、ぐちゃぐちゃにしてあげるわ!」ガンガンガン
妻「さっき、あなた自分でしてたものねええ!!」ガンガンガンガン
32
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:49:53 ID:chemSr8I
勇者「」ドロドロ
妻「…あら、すんなりぐちゃぐちゃになっちゃったわ」
妻「醜い顔が分からなくなったわよ、良かったわね♪」ブン
ズザザ
妻「…もう、血だらけになっちゃったわ」
妻「シャワー浴びてから、また魔王くんに愛してもらおうかしら」
妻「…」
妻「さようなら…ふふっ、愚かな勇者さん」
妻「…あははははは!!!ヒャハハハハハハ!!!!」
勇者「…」
33
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:56:25 ID:chemSr8I
【半年後】
妻「お腹の子もだいぶ大きくなってきたわね」ナデナデ
魔王「ああ、そうだな」
妻「早く産まれないかしら…」
魔王「きっと、妻に似ていい子に育つだろうな」
妻「ふふっ、だといいわね…」
バタン!
魔王「む、誰だ!」
勇者「俺だよ、勇者だよ!」
34
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 08:59:17 ID:chemSr8I
妻「な、なんですって!?」
魔王「おお、久しぶりではないか」
勇者「ふっ、また会ったな魔王」
妻「な、なぜあなたが生きているの!」
妻「あのとき、確かに殺したはずよ…」
勇者「ああ、そうだな…」
勇者「けど、首を絞められたくらいじゃ俺は死なないんだよ」
勇者「だって勇者だから!」
妻「はぁ?何を言って…」
魔王「…仮死状態だ」
妻「えっ?」
魔王「自分の魔力を限界まで凝縮し、一時的に死んだように見せかけたのだろう」
魔王「妻から顔面を破壊されたと聞いたのだが、回復魔法を使ったようだな」
35
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 09:01:01 ID:chemSr8I
勇者「あいにく俺は魔法が苦手だ、だから傷の修復に半年もかけちまった…」
勇者「あと、修復するときに鼻を少し高くしたぜ」
勇者「これでもうブサイクじゃないだろ!」
魔王「ほう…どおりで」
魔王「…だが、我に比べればまだまだ醜いぞ勇者よ」
勇者「お前と比べんなよおおおおおおおお!!」
妻「…殺す」
勇者「えっ」
妻「ふふっ、次はバラバラにして殺すわ」ゴオオオオ
36
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 09:03:07 ID:chemSr8I
魔王「妻よ、止めておけ」
魔王「お腹の子に影響が出るであろう」
妻「…そうね」シュウウ
勇者「ほっ…」
妻「子どもを産んだらあなたを殺すわ、覚えておきなさい」
勇者「恐すぎるわ」
妻「…絶対に殺す、切り刻んで殺す」
勇者「ふっ、そんな綺麗な顔してやることはえげつないな」
勇者「雷魔法使って動けなくしたところで首を締めて殺し、怪力で地面に何度も叩きつけて顔面を破壊…とな」
魔王「うむ、勇者を殺してくると言ってきたときの目が本気だったからな」
魔王「てっきり死んだと思っていたぞ」
37
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 09:04:03 ID:chemSr8I
勇者「はい、僕もこれは死んだなと思ってました」
魔王「はっはっはっ、そうかそうか」
魔王「…使いの者よ、菓子をもって参れ!」
「どうぞ、勇者様」スッ
勇者「えっ、もらっていいのか?」
魔王「ああ、受け取るがいい」
勇者「わざわざすまねえな」
妻「…それ、毒入りよ」
勇者「えっ」
妻「さあ、早く食べなさい」
魔王「妻よ、嘘はよくないぞ」
勇者「…何だ嘘かよ」
妻「…ふんっ」
38
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 09:05:29 ID:chemSr8I
勇者「…むっ!」
「くらえ、氷魔法!!」
ガギガギガギガギィ
勇者「うおわあああっ!」サッ
次女「ちぇ、外しちゃった」
魔王「…次女」
次女「あっ」
魔王「あれだけ魔法を使うなと言ったではないか」
次女「だって、この人間見たら攻撃したくなっちゃうもん…」
勇者「…うん、君は立派に魔王の血を引き継いでるな」
39
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 09:07:41 ID:chemSr8I
次女「黙れ人間!ブサイクのくせに私に話しかけるな!」
勇者「えっ、ヒドくない?」
「お姉ちゃーん!」
勇者「はっ…こ、この声は!」
三女「あっ、おじさんこんにちは!」
勇者「でへへえ、三女ちゃんこんにちはぁぁ!」
次女「うわ、きもちわるっ」
妻「三女、魔法は使えるようになったの?」
三女「うん、一つだけつかえるようになったよ!」
妻「そう、えらいわね」ナデナデ
三女「えへへ」ニコニコ
40
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 09:09:36 ID:chemSr8I
勇者「天使や…」
三女「ねえねえ、つかってみてもいい?」
妻「…あなた」
魔王「んん…今日だけだぞ」
三女「わーい、やったー!」
勇者「(俺の奥さんにしなきゃ)」
三女「おじさん、あいてしてくれる?」
勇者「お、いいぞ!」
勇者「(ふへへ、魔法覚えたてかぁ…)」
勇者「(三女ちゃんの初めての相手が俺…ぐふふ)」
41
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 09:11:14 ID:chemSr8I
三女「いっくよー!」
勇者「(わざと大げさに食らってあげるか…)」
三女「…超怪力魔法X!」バリバリバリバリ
勇者「えっ」
ドゴオォオォオオオ!!!!
勇者「」メキメキメキィ!
ドガガガガガガガガ バァァァァン!
42
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 09:13:19 ID:chemSr8I
魔王「…死んだな」
次女「壁突き抜けていったじゃん、これ死んだでしょ」
妻「もう三女ったら…魔王一族しか使えないX魔法に最上位の怪力魔法を掛け合わせてそれを全て自分の力に変換して心臓ぶち抜くなんて凄いじゃない」
三女「っ…」バタン
三女「すぅ…すぅ…」
魔王「ふふっ、寝てしまったか」
妻「初めてでこれだけ出来れば上出来よ、三女」
次女「流石、私の妹だな!」
43
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 09:16:34 ID:chemSr8I
勇者「コヒュー…コヒュー…」
勇者「(これ、骨何十本持っていかれたんだ…)」
勇者「(臓器もほとんど機能してない、ぐちゃぐちゃだ…)」
勇者「(とっさに防御魔法使ってこれか…へへっ、流石はX魔法だぜ…)」
勇者「(こんなの、回復が追い付くわけがない…)」
勇者「ごはっ…!」
勇者「(これは、マジで死んだな…)」
勇者「…」
44
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 09:17:35 ID:chemSr8I
「…きて」
勇者「…えっ?」
「起きて、起きて」
勇者「…うわああああ!!!」
「あ、起きた」
勇者「あれ、あれっ…」
勇者「(傷口が…完璧に塞がってる)」
「あなた、大ケガしてたから治しといてあげたよ」
勇者「あ、ありがとう…」
勇者「…ん?」
45
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 09:20:41 ID:chemSr8I
勇者「君の顔、どこかで見たことが…」
魔王「このような顔か?」
勇者「そうそうこんな…って」
勇者「ま、魔王!?」
魔王「目覚めたか勇者よ」
勇者「えっ…えっ?」
魔王「貴様は地獄から戻ってこられたのだ、感謝したまえ」
勇者「なんで俺が地獄行きなんだよ…」
勇者「いや、それよりこの子は…」
魔王「ああ、うちの長女だ」
勇者「や、やっぱりそうだったか…」
長女「はじめまして、勇者さん」
長女「こうして会うのは初めてね」
46
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 09:30:56 ID:chemSr8I
勇者「(…おいおい、長女ちゃんが群を抜いて美少女じゃねえか)」
勇者「(いや、他の姉妹もある程度成長すればこうなるのか…)」
妻「…そのまま地獄に落ちれば良かったのに」
勇者「うわ、いたのかよ…」
妻「何言ってるの、殺すわよ」
勇者「まあ、お前の娘さんには命を救われたよ」
勇者「ふっ、どっかの極悪女とは大違いだぜ…」
妻「…早く殺したいわ、この死に損ない」
長女「ごめん…私、治すべきじゃなかったのかな…」シュン
妻「あっ、ち、違うの!長女は悪くないのよ!」
妻「だ、だからそんなに落ち込まないで…ね?」
長女「うん…」
妻「勇者さん、命を救ってもらった長女に感謝しなさい!」
勇者「ありがとう…本当にありがとう…」
47
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 09:34:12 ID:chemSr8I
長女「っ…」パァァ
長女「はい、どういたしまして」ニコッ
勇者「しかし、あの絶望的状態からの完治…」
勇者「一体、どれだけ高度な回復魔法を…」
魔王「うむ、うちの長女は魔法が得意なのだ」
魔王「勇者よ、ここに来るまでに数々の魔物を倒したであろう?」
勇者「あ、ああ…」
魔王「あれ、長女が遠隔回復魔法で全部治したから今も平和に生きてるぞ」
勇者「え、遠隔…だと」
魔王「うむ」
勇者「ど、どれだけここから離れてたと思うんだよ…」
長女「私の魔法範囲は地球全体だよ」
勇者「」
妻「凄いでしょ?うちの娘」
妻「その気になればあなたの村なんて今すぐ粉々にできるわよ」
48
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 09:40:56 ID:chemSr8I
魔王「流石は妻の娘だな」
妻「ううん、あなたの娘だからよ」
魔王「妻…」
妻「あなた…」
魔王「…んっ」
妻「んっ…そんな短いキスじゃいやだわ…」
妻「もっと、舌を絡ませた濃厚な…」
魔王「ああ、分かっている」グイッ
妻「あっ…」ドキドキ
勇者「目がああああああああ!!!目が痛いいいいいい!!!」
長女「勇者さんの前でいきなりなにしてるの…」
勇者「視界に入るなあああああああああ!!!」
49
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 09:43:28 ID:chemSr8I
次女「そんなに見たくないのか?」
勇者「ああああああああ…えっ?」
次女「じゃあ…見えなくしてやるよ!」ブン
ゴリゴリ グジャア
ブシャアアアアア!
勇者「」バタン
長女「えっ…」
次女「あっ、目玉取ろうとしたら脳みそまで突き破っちまった」
魔王「…死んだな」
妻「次女、今度好きなもの買ってあげるわね」
次女「本当!?ママ大好きぃ!」
50
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 09:44:55 ID:chemSr8I
長女「な、なにやってるの次女!」
次女「えっ…」
長女「っ…」パシンッ
次女「っ…!い、痛い…お姉ちゃんなんで…」
長女「なんで、じゃないでしょ!」
長女「命を粗末にしないで!この人だって生きてるんだよ!」
魔王「いや、今死んだぞ」
次女「ご、ごめ…お姉ちゃんごめんなさい…」ウルウル
妻「ど、どうしたの二人とも…お願いだから喧嘩しないで…」オロオロ
51
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 10:01:12 ID:chemSr8I
長女「…私の方こそ叩いてごめん」
次女「ふぇ…グスッ…ふぇぇ」ポロポロ
妻「ああっ…な、泣かないで!」
妻「あ、あなた!一体どうしたら…」
魔王「…とりあえず蘇生しとくか」ブォオオオ
長女「私の回復魔法はギリギリの命を繋ぎ止める魔法なの…死んじゃったらもうダメなんだよ?」
次女「ごめんなさい…ごめんなさい!」ポロポロ
妻「やだぁ…私のかわいい娘たちで喧嘩なんてしないで…」
魔王「あれ、蘇生魔法なんて初めて使ったな…死んだやつ蘇らせていいのか?」
52
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 10:04:26 ID:chemSr8I
魔王「…ま、勇者だしいいか」
長女「だから命は粗末にしたらいけないの、いいね?」
次女「うん…グスッ…分かった」
長女「うん、いい子ね」ナデナデ
次女「グスッ…えへへ…」
妻「ほっ…よ、良かった…やっぱり家族は仲良くしなくちゃね」
勇者「ん…うんん」
長女「…えっ」
勇者「俺は一体どうなって…」
長女「な、なんで生きてるの!?」
魔王「我が魔法を使ったのだ」
53
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 10:07:14 ID:chemSr8I
長女「お、お父さん!?」
魔王「そうだ」
長女「死んだ人が蘇る魔法なんて…私、知らない」
魔法「うむ、今作ったからな」
長女「すごい…すごいよお父さん!」
魔王「お、おう…そうであるか」テレッ
妻「…」ムッ
長女「今度の魔法議会で発表しようよ!」
魔王「いや…蘇生なんて禁忌を簡単に犯していいものなのか…」
長女「あっ、そうだよね…」
長女「ごめん、私舞い上がっちゃって…」
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以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/03/10(火) 10:10:41 ID:chemSr8I
勇者「そ、蘇生魔法…だと…」
勇者「…」
勇者「(ヤバい、ヤバすぎる…なんだこの一家は…)」
勇者「(幼きながら最高位の超魔法を使える三女、桁外れの力を持つ次女、50m使えれば上出来とされる魔法範囲が地球全体の長女)」
勇者「(そして、魔族を超えた力を持ち、超魔法を使う妻に…蘇生魔法をその場で作り出す魔王…)」
勇者「(俺なんて、全く足元にも及ばない…実力が違いすぎる)」
勇者「(…ダメだ、こいつらを本気にさせれば間違いなく人間は絶滅する)」
魔王「何をすねているのだ?」
妻「な、なんでもないわよ」プイッ
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