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少女魔王「に、日本だと···?」
1
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2014/09/24(水) 15:55:46 ID:MV3ZfvRE
魔王。それは人の世を支配しようと企む巨悪の存在である。
魔王の圧倒的な魔力、そして魔物達の脅威···人々は一致団結し、これらに対抗してきた。
その中でも神に選ばれた存在と言われる、人類最強の戦士···勇者。彼は時に一人、時に仲間を連れ、魔王を打ち破り、人の世に安寧をもたらしてきた。
だが魔王は何度も現れ、その度に世界を苦しめ、そして勇者達によって倒されていった···。
そして、再び魔王は現れた。それも、天候さえ操る程のかつてない魔力の持ち主であり、歴代最強と魔族達は騒ぎ立てている。
そんな魔王の姿は、青く短い髪と同じ色の透き通る瞳、人の様に白い肌と対称的に黒い衣装、指を出した手袋にジッパー付きブーツ、袖が無く裾が胸下辺りまでの短さの上衣、股上が浅く裾丈もとても短い下衣。
ローブを着ていた歴代魔王どころか魔族達の中でも類を見ない、肌を多く露出させている衣装を着込む、人間の少女にそっくりの姿をした魔王が、そこにいた···。
353
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/06/14(日) 19:32:30 ID:PJdBCSNM
そろそろ甘い匂いが漂い出したかな
354
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/06/23(火) 02:14:26 ID:56rutLXg
これだけ時間がたてば美味しいでしょう
355
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/06/23(火) 05:01:36 ID:4u4R7leg
甘い匂いから焦げ臭くなってね?
356
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/06/24(水) 23:36:39 ID:EtR5.kzo
あ...それは...新しく作り直してあげればいいのです!
甘党魔王の為に!
357
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/01(水) 15:59:31 ID:VHVjxFNg
マダー?
358
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/04(土) 22:55:33 ID:lT.wJfAY
魔王「……ぬぅ。まだか」
男「何回聞く気だてめぇ。さっき聞いてから五分経ってねぇぞ。まだ焼いてねぇんだぞ」
魔王「早くしろ」
男「お前焼くって言ったって高い火力で焼くんじゃねぇぞ」
魔王「ではどうやって」
男「そんなに知りたきゃ見てろ」
魔王「……」ジッ
竜娘「……おねえさま、まばたきはした方が良いよ?」
魔王「一秒たりとも見過ごせん」
不思議「目に悪いし一秒くらい見逃してもだいじょーぶだいじょーぶ」
魔王「……そうか」
359
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/04(土) 23:28:19 ID:lT.wJfAY
魔王「で、その二色の長い棒をどうするのだ」
男「四角になるように四本全部重ねんだよ」
魔王「……ふむ、『ジェムロック』の様だな」
男「……は?何のようだって?」
魔王「む……。むぅん……、じぇ、む、ろ、く……ジェムロックだ」
竜娘(わぁ……魔界の言葉、すぐ竜言語に直しちゃった。凄いなぁ……!)
不思議「それ何ー?」
魔王「真四角の板を張り合わせた盤の上に、結晶で出来た複数の駒を置いて行う遊戯だ」
男「将棋とかチェスとかオセロとか見たいなもんか」
魔王「その三つが何かは知らんが、盤上で行う遊戯なのは分かった」
男「何でそんなゲームが魔界にあんだよ。そんなもんやるより暴力やるようなとこだろ?」
魔王「肉体は貧弱でも知略に長けた魔族が競い合う為に作り出した物だ」
竜娘「おねえさまは出来るの?」
魔王「無論。魔王は全ての魔族に勝たねばならぬ故にな」
男(魔王なんのにゲームしなきゃなんねぇのか……)
360
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/04(土) 23:38:02 ID:lT.wJfAY
魔王「それで、重ねてどうする」
男「一定の厚さに切って、オーブンで焼く」
魔王「おーぶん……あれか?」
男「そうだ。長い時間を掛けて焼くんだ」
魔王「長い……時間……」
男「……んな暗い顔されてもな」
361
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/04(土) 23:58:28 ID:lT.wJfAY
魔王「…………」ジー
竜娘「おねえさま……ずっとオーブンの前に居る……」
不思議「凝視してるねー」
男「今のあいつなら菓子類遠くに投げたら追い掛けそうだな……」
魔王「追い掛ける訳無かろう」
男「実はまだ甘いもんが」
魔王「寄越せ!」
男「ねぇよ」
魔王「……」シュン
362
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/05(日) 10:27:05 ID:7cNJtkxk
魔王「む。おぉ、少しずつ膨らんでおる様な」
不思議「合ってるよー」
竜娘「良い匂いしてるね〜……」
魔王「うむ、香ばしい」
男「まだ時間掛かるけどな」
魔王「……」
男「……時間よ速くなれ、とか思ったか?」
魔王「……!」
男「図星かおい。どんだけ甘いもんに情熱注いでんだ」
363
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/05(日) 10:39:50 ID:7cNJtkxk
魔王「……我は魔王。故に魔法で様々な事が出来る」
男「そんで?」
魔王「しかし、無から有を生み出す事は出来ん。それが出来るのは神だけだ」
竜娘「魔法は、存在する物を動かす力なんですよ〜」
男「……いや、それはいいんだよ。結局何が言いたいんだ?」
魔王「甘い物を手に入れるには、人間界に赴かねばならん。故に魔界では希少だ」
不思議「つまりー……飽きる程欲しいって事ー?」
魔王「うむ」
男「じゃあ最初からそう言え」
魔王「む」
364
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/05(日) 10:57:10 ID:7cNJtkxk
男「だいたい、そんなにクッキー欲しいなら時間速くしてみろよ」
竜娘「駄目なんです、主様」
男「ん?」
竜娘「時とか、そういう概念は神様の物だから」
魔王「魔法とは飽くまでも魔力による法則の強制変化だからな」
男「うん意味分からん」
魔王「あるかどうか分からん物は魔法では弄れんのだ」
男「時間はあるだろ」
魔王「何処に?」
男「どこって……」
魔王「時など、知的生命体が勝手に生み出した概念に過ぎん。明確には存在せん物だ」
不思議「何か、難しくなってきたねー」
男「こういうのは女さん向けだな」
365
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/07(火) 15:12:39 ID:YAb6G0oo
お嬢ちゃんには人間界の本をあげようね
つ【量子力学】
366
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/07(火) 15:26:33 ID:vpFkw7s.
時間は量子力学じゃなくて相対性理論だ
367
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/07(火) 18:47:32 ID:DDmuMSKo
男「いや、でもよ、地球が回ってるからやっぱ時間って――」
魔王「……回る?」
竜娘「地、球?」
男「……おい、まさか」
不思議「もしかしてー……そっちの世界って平たいのー?」
魔王「こ、この世界は丸いのか……?」
男「球体状だぞ」
竜娘「球体……!?」
魔王「ば、馬鹿な……!!」
不思議「世界の違いじゃー仕方ないねー」
男「そりゃ無理だな」
魔王「むぅ……つまり、この世界……地球が一周した時が一日という事か?」
男「そうだな」
魔王「ふむ……この世界では時の流れとは神が生み出す物では無いのか……」
368
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/09(木) 00:52:05 ID:EdZjBH7c
チーン
魔王「!!」
竜娘「あ!」
男「そうこうしてたら出来た――」
魔王「食わせろ!」フンフン
男「鼻息荒いんだよ。出来立ては熱いから、もっと冷めてから食え」
魔王「待てん!」ガチャ カサッ
不思議「あ」
魔王「熱い!」
男「だから言ったんだっての……」
369
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/09(木) 00:57:30 ID:EdZjBH7c
竜娘「いただきま〜す!」
魔王「……貴様は平気らしいな」
不思議「火が吐けるみたいだしねー」
竜娘「んまいです!」サクサク
男「そりゃよかった」
魔王「……」ソー
男「まだ待っとけ」
魔王「ぐ……口惜しい……目の前にあるというのに、食えんとは」
370
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/09(木) 01:15:40 ID:EdZjBH7c
魔王(どうする……もう、魔法を使ってしまうか……多少なら何の問題も……)
男「……もう、いいか。あむ」サクッ
不思議「美味しいー?」
男「ん。んめぇ」
不思議「良かったー♪」
男「食わねぇのか……って、まさか猫舌か」
不思議「うんー」
魔王「では、代わりに頂こう」サクッ
不思議「どうー?」
魔王「……」
男「何か言え」
魔王「……男よ、我の側近か、専属の料理人に」
男「なってたまるか」
371
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/09(木) 01:39:18 ID:EdZjBH7c
男「……そう言えば」
魔王「何だ」
男「勇者、いるんだろ?どんな奴なんだよ」
魔王「気になるか」
男「当たり前だ、勝手にお前との戦いに巻き込まれたくねぇからな」
魔王「我が世界の問題をこの世界に持ち出す気など無い」
男「ちょっとでもお前から持ち出したら、甘いもん一生抜きな」
魔王「なぁっ……!!ばっ、馬鹿、なぁっ……!!」ガタガタ
竜娘「おねえさま、汗が汗が!」
372
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/09(木) 07:35:16 ID:5jVRqJB6
男なら焼いてる間に冷やしものを完成させる
373
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/10(金) 00:25:10 ID:yZ02DN8U
不思議「んまんまー」サクサク
竜娘「♪」サクッ
魔王「……」
男「何だよどうした」
魔王「……別に」
魔王(こうして集って、笑顔で一つの物を食す、か……)
男「……?」
男(何だよこいつは。時々、悲しんでるような……?)
374
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/10(金) 00:37:32 ID:yZ02DN8U
不思議「うーん、食べたー」
竜娘「食べた〜!」
魔王「うむ、やはり甘味物は我を惹き付ける……」
男「そうかよ」
不思議「んー……。これからどうしよーかなー、散歩しよーかなー」
竜娘「付いていっても行っても良いですか?」
不思議「どーぞどーぞ」
竜娘「やった〜!」
男「散歩って、どこに行くんだよ」
不思議「のんびりー、気の赴くままー」
男「暗くなる前に帰るんだぞ」
不思議「はーい」
竜娘「はい!」
375
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/10(金) 07:55:57 ID:yZ02DN8U
魔王「貴様は行かぬのか」
男「何の為に行くんだよ」
魔王「迷子になるやも知れぬぞ」
男「正直お前の方がなりそう」
魔王「なっ!?」
男「あぁ、絶対お前甘い匂いに釣られてどっか行くわ」
魔王「我は幼子では無いぞ!……ん?」
男「あ?」
魔王「……雲行きが怪しいな」
男「うわっ、マジかよ……傘持っていってやるか……」
魔王「……いや、あれは」
男「何だよ、雨降らねぇのが分かんのか」
魔王「あぁ……あれは……魔力の雷雲だ」
男「……は?」
376
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/10(金) 09:02:50 ID:rn2siLxY
更新続いて嬉しいぞ
377
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/10(金) 14:33:45 ID:LujV/hjs
雨の中ぴっちぴちちゃっぷちゃっぷしに行けば魔力回復する?
378
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/12(日) 00:01:58 ID:bIrgBXqE
男「意味が分かんねぇぞおい」
魔王「そのままだ」
男「じゃあ何だ、魔法使う奴がいるって事か?」
魔王「うむ」
男「誰だそいつは?」
魔王「我が世界において雷電の魔法を扱える者は一人しか居らん」
男「……おい、まさか」
魔王「あぁ、間違い無く……“勇者”だ」
379
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/12(日) 00:02:47 ID:bIrgBXqE
男「……甘い物、抜きで」
魔王「待て待て待て待て!!我が呼び起こした訳では無いぞ!!」
男「何とかしねぇと甘い物抜きだっつってんだ」
魔王「分かった分かった!!我とてこの世界で諍いを起こす気は無いと言った!」
男「じゃあどうすんだ」
魔王「……どうすべきだろうか」
男「こっちが聞いてんだから聞くな」
魔王「我は“今回の”勇者には詳しくないのだ」
男「今回って……」
魔王「勇者は一人しか存在出来んが、一人やられればまた一人と補充される」
男「補充だと……?」
魔王「我に対抗する使い捨て道具、それが人間側の勇者の考え方だ」
男「……何だそりゃ」
380
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/13(月) 23:12:18 ID:JajMm42U
読んではいるが、場面途中だからレスしにくい
次からは場面途中では黙るけど読んでるから
381
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/14(火) 00:52:13 ID:CQI8e/nA
>>380
場面途中で終わらないよう心掛けます。
382
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/14(火) 01:10:46 ID:CQI8e/nA
魔王「とにかくだ。要は勝手に死んでも困らん物を勇者にしておるのだ」
男「だけどよ、使い捨てなんて……!」
魔王「人間も必死という事だ。使える物は使う、それだけの事……下らんとは思わんか?」
男「……何がだよ」
魔王「同族の命を玩具の如く弄ぶ……時に人間は、魔族でさえ嫌悪感を抱く程の醜さを見せる」
男「そのみにくさは、てめぇら魔族が引き出してることだろが……!」
魔王「認めよう。半分だけは」
男「半分だけだぁ……?」
魔王「考えろ。魔王を討伐した勇者は、国に戻ればどうなると思う?」
男「そんなもん、英雄扱い――」
魔王「残念だが違う。答えは真逆なのだ」
男「ま、真逆……?」
383
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/14(火) 01:21:05 ID:CQI8e/nA
魔王「何度か過去に勇者達と出会った事がある。あやつらが語るには――」
勇者【お前さえ倒せば、俺は罪を赦される……!!】
魔王「と、言っておったな」
男「どういう事だよ……」
魔王「要は、過去に大罪を犯し……恐らく死刑になる物に、国王がこう告げるのだろう」
国王【魔王を討てば、その罪は神の名の下に赦されるであろう】
魔王「そして、死ねば刑を処する手間が省け、見事帰還した場合は……」
男「無事に、死刑にする、ってのか……!」
魔王「大罪を犯し、尚且つ魔王を討ち果たした物など、恐ろしい存在だとは思わんか?」
男「……」
魔王「今回の勇者も同じだろう。仕方無く、魔王を討伐する物となった……そこを突けば」
男「……多少なりとも、説得出来るってか」
魔王「いかにも」
384
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/14(火) 01:31:41 ID:CQI8e/nA
魔王「ではそろそろ出掛けるとしよう。甘味物が二度と食べられんのは死しても避けたい」
男「……おい」
魔王「何だ」
男「一人で行く気かよ」
魔王「貴様を連れて行っても足手まといだ。何の役にも立たん」
男「本気で言ってんのか」
魔王「では貴様は我が世界の言葉が理解出来るのか?話せるのか?勇者が竜言語を理解しておるとでも?」
男「その勇者が魔王の説得聞くと思ってんのか」
魔王「……む」
男「いいから連れてけよ。お前は通訳してくりゃいい」
魔王「……良いだろう。我としても、無駄な魔力を消耗する気は無いのでな」
385
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/14(火) 23:25:56 ID:XOdc5ys.
お菓子食って魔力が貯まればいいのに
386
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/20(月) 00:15:38 ID:lIVgXg6I
――――
――
―
魔王「……ふむ、近いな」
男「……何か、肌がピリピリすんな」
魔王「空気がほんの少し帯電しておるな」
男「……勇者、お前より強ぇんじゃねぇのか」
魔王「……この世界では、そうかも知れん。電気が大量に存在するからな」
男「まぁ……そりゃそうだろな。どこの家庭にもあるからな」
魔王「電気その物を操る勇者にとっては、心地良い世界であろう」
387
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/20(月) 00:21:39 ID:lIVgXg6I
魔王「……む!」バッ
男「うぉ!……あいつがか?」
魔王「うむ……間違いない。あの魔力……勇者!」
勇者「…………」ギロッ
男「……待ち構えてたみたいだな」
魔王「あんな雷雲を出せば誘き寄せられると考えたのだろう。見事成功した訳だな」
388
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/20(月) 00:32:07 ID:lIVgXg6I
勇者『……どっちが魔王だ?どっちもか?それともどっちも違うのか?』バリッ
男「……何かバリバリ鳴ってんだけど」
魔王「焦がされたくないのなら今は黙っておれ」
魔王『……我が魔王だ。こやつは――』
勇者『人質か。卑怯な』
魔王『いや――』
勇者『だが俺は、いかなる犠牲を払おうと魔王を討ち果たさなければならない』
魔王『おい――』
勇者『人の姿に化けてもムダだ!俺は躊躇しない!』バチィ!
魔王『話を聞け!』
勇者『魔王の話など聞かん!』バギュ
魔王『ちぃ!』シャッ
男「どわっ!あ、危ねぇ……!お、オレにも当たる所だったぞおい……!」
389
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/20(月) 00:57:28 ID:lIVgXg6I
勇者『お前さえ!お前さえいなければ!』
魔王(くっ、これでは甘味物が一生……!)
勇者『魔王、覚ごっ!?』ドガッ
魔王『!?』
男「ちょっといいかげんしてくんないかなぁ……。オレらは話をしにきただけなのにさぁ……」
勇者『な、何だ、何語だ!何を言ってるんだ!』
男「いくら見た目魔王くらいのガキでもやっていいこと悪いことってのがあってなぁ……?」
勇者『これ以上邪魔するならいだだだだだだだだあ!』メリメリ
魔王(あ、あやつの手が、勇者の顔面に強く食い込んでおる……)
390
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/20(月) 09:55:51 ID:Aaktfi7Y
よし、この世界の技(拷問)をみせてやろうぜ
391
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/20(月) 10:30:10 ID:lIVgXg6I
勇者『何だこいつはぁ!魔王ぉ!』
魔王『我の言葉など聞く耳を持たぬと言われてはな』
勇者『まさかこれが貴様の魔法の一つか!?』
魔王『いや、そこに居るのは何の変哲も無い只の人間だ』
勇者『!?』
魔王『だが、この我でさえ逆らえぬ事もある……我の精神を揺らがせて……』
勇者『な、魔王でも……!?』
男「おい魔王……」
魔王「な、何だ」
男「今、変なこと言ったよなぁ……?何言ってるか分かんねぇが、それは伝わったぞ……?」
魔王「い、言っとらんぞ。何も変な事など!」
男「なぁんで焦ってんだよ……?」
魔王「い、いや、それはだな」
勇者(な、何を言ってるか分からないけど、魔王がうろたえてるなんて……この男、何者……!?)
392
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/20(月) 10:42:23 ID:lIVgXg6I
勇者(しかし、なぜか魔王は攻撃せず、この男も話の途中……今なら魔王をやれ)バチッ
勇者『いだだぁ!』メリメリ
男「いいから。そういうのいいから。マジでそういうのいいから。マジで」
魔王(何故だ。切れたあやつにはどんな魔法を用いても全く勝てる気がせんぞ)
男「いいから落ちつけって。でないと痛いじゃすまなくなるからなぁ……?」
魔王『これ以上暴れると……一瞬で楽にしてやるからな、と言っておるぞ』
勇者『な、何だと……!?こ、これで普通の人間……!?』
男「おい魔王……」
魔王「な、何だ」
男「また変なこと言ったなお前……?何となく分かんだぞ、こっちは……?」
魔王「ま、またも何も、一度たりとも言っとらんぞ!」
勇者(こ、ここは大人しくして機会を待つべきか……)
393
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/21(火) 06:46:05 ID:XQSFIggw
アイアンクロー地味に痛いよなー
394
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/21(火) 21:47:39 ID:NKAD01Gw
魔王『……落ち着いた様であるし、話を聞いてはくれぬか』
勇者『……その前に聞かせてもらう』
魔王『何だ』
勇者『この世界は何なんだ。動く鉄の箱の魔物に人が食われていた。貴様の仕業か』
魔王『鉄の箱……?』
魔王「おい男。動く鉄の箱とは何だ」
男「車だろ」
魔王「くるま……あぁ、あれか、成程」
魔王『あれはこの世界の人間の移動手段だ。我らが世界の馬と同じだ』
勇者『馬……確かに人が自由に外に出ていたから、魔物と共存しているのかと思っていたが』
魔王『あれは車という、機械で出来た乗り物だ。どうやら魔法で動いておる訳では無いようだ』
勇者『……やはり魔法は無いのか。こんなにも電気はあるのに、魔力が無くて驚いた』
魔王『お陰で我は貧弱だ。今の貴様なら簡単に殺害出来るだろう』
勇者『だから、攻撃しなかった……いや、出来なかったのか』
魔王『そして人に世話になるなど、落ちぶれ尽くしたものよ、我も』
395
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/21(火) 21:58:09 ID:NKAD01Gw
勇者『……魔王』
魔王『何だ』
勇者『どうして大人しく人間の世話になる。人にしか見えないが、魔族なんだろう』
魔王『……。何故、だろうな。誇り高き魔狼の、そして魔王の我が、人と深く関わるなど』
勇者『何かを企んでいるのではないのか』
魔王『……忘れた。考えていたかもしれぬ。だが、忘れた』
勇者『……お前、本当に魔王なのか?』
魔王『…………。そう、だ』
勇者『何だ今の間は。どうしてすぐ答えない』
魔王『……貴様には、関係無い事だ。我は魔王。そして貴様は勇者。敵同士。それだけで良い』
勇者『……』
396
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/22(水) 00:09:42 ID:GYqHCs06
勇者(本当にこれが魔王……?信じられなくなって……)
勇者『……っ!』ドクン
男「ん?おい、どうした」
魔王「な、何だ……魔力が増幅していく……?」
勇者『ぐ……うぅ……!』バッ
男「お、おい、どこ行きやがる!」
魔王「……不味いかも知れん。追うぞ!」
男「分かってる!」
397
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/22(水) 07:42:22 ID:MM/vf68.
電磁波じゅs
398
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/22(水) 22:09:07 ID:GYqHCs06
男「くっそ、何で逃げんだあいつ!」
魔王「何にせよ、都合が悪い事が起こったのは間違いない!」
男「めんどくせぇな全く!」
魔王「……!あそこだ!」
勇者『…………!!』
男「う……目がさっきと違ぇ……ギラついてやがる……。しかも、何か歯が……」
魔王「あれは……まさか」
男「何だよ早く言え!」
魔王「魔力症……」
男「まりょくしょう!?」
魔王「過度な魔力は人間の体には毒なのだ。本来は」
男「本来は!?」
魔王「人間でも魔法を使う者が増えた以上、対策が出来たのだろうと思っていたが……」
男「魔力症になったらどうなんだ!」
魔王「……魔族の一員と化す」
399
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/22(水) 23:17:41 ID:GYqHCs06
男「……ってことは、だ」
魔王「うむ……非常に不味い」
勇者『……な……ぜ、追って、くる』
魔王『放っておけと?』
勇者『へ、いき、だ……。そこらの、動物の、血を吸えば……いい』
魔王『……吸血衝動、か』
勇者『だから…………失せろ……!』
魔王「……男。奴は吸血衝動に駆られておる」
男「吸血鬼ってことかよ……!ほっといたらどうなる!」
魔王「勿論、見境なく血を吸い付くすだろう……。貴様は逃げた方が良いな」
男「……いや、絶対逃げねぇ」
魔王「な、何……?」
男「オレの血を飲ます」
魔王「ば、馬鹿げた事を……!何の為にそんな――!」
400
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/23(木) 00:20:03 ID:0ZLQYsKQ
つデルモンテ
401
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/24(金) 22:53:22 ID:YkHF.xts
男「オレがそうするべきだって思ったからやるんだよ!」
魔王「奴は野生動物の血を吸えば平気だと言っておるのだぞ!」
男「知るかんなもん!吸血鬼は人の血が一番美味く感じるって相場が決まってんだよ!」
魔王「意味が分からん……!」
勇者『……何を……している』
魔王『この男が貴様に血を飲まそうとしておるのだ……!』
勇者『……!!だ、だめ、だ……人の、血は、それ、だけは……!!』
男「おら、好きなだけ吸えこのやろう!魔王!回復魔法とかあんならオレに使え!」
魔王「え、ええい……!どちらも厄介な……!」
勇者『ひ、人の、血は……絶対、美味しい……だから……駄目だ!』
魔王『我儘を言っておる場合なのか!暴れられては非常に面倒なのだぞ……!』
勇者『ぐ、ぐぐ、ぐぅ…………う、うぅぅぅぅ……!』
ガプッ
402
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/24(金) 23:07:20 ID:YkHF.xts
――――
――
―
男「…………」ゲッソリ
魔王「極めつけの馬鹿だな、貴様は」
男「う、るせぇ……」プルプル
魔王「しかし、血はそこまで吸われていない筈だが」
魔王『何故この男はここまで衰弱しておるのだ』
勇者『……多分、魔力も吸ったから、だと思う』
魔王『む、成程……枯渇すればこうもなるか。反応が微弱過ぎて気付かなんだ』
男「な、なんて言ってる……?」
魔王「貴様の魔力を吸いきったらしいぞ」
男「あ、あったのかよ……」
魔王「ほんの僅かだがな」
403
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/25(土) 00:48:09 ID:/TZ3bbY2
男「ま……よかったよ……何も、なくて」
魔王「……本当にそう思うか?」
男「あ……?」
魔王『済まぬが勇者よ、我もこやつも、貴様の事情が知りたい』
勇者『……話すことはない』
魔王『何故こやつの血を吸う事を拒んだのか、その理由くらいは聞かせて貰いたいのだがな』
勇者『…………分かった、言ってやる』
魔王『そうか。ではこやつに伝わる様に通訳をさせて貰うぞ』
勇者『……好きにしろ』
魔王「男、今から勇者の言葉を翻訳してやる。休みながら良く聞いておけ」
404
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/25(土) 05:17:15 ID:5etAG0f.
勇者『……格好良いと思ってやってただけだから……本気で飲むつもりは無かったんだ』
405
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/25(土) 09:59:59 ID:BCw.gDYs
乙
なんか、煙草(またはクスリ)やりはじめた奴のような台詞が始まったぞ?
というか、魔王と同じような年齢的な姿ってことは…ショタ枠?
406
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/25(土) 22:23:15 ID:/TZ3bbY2
勇者『勇者は人間の味方だ。人に余計な危害を加えたら、何処にも居られない……』
『だからその辺の野生動物の血を吸ってたんだ。クソ不味いのを我慢して』
『不味くても血を吸えば症状は治まった……。それで今までやってきた』
『それなのに、とうとう、手を出してしまった……人の血を吸ったんだ、俺は』
『人の血は吸った事がなくても、絶対美味いって思ってた……』
『一度吸えば、止まらなくなるんじゃないか……。そう、考えてたんだ』
407
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/25(土) 22:41:13 ID:/TZ3bbY2
男「……なるほど、な。何で勇者になったか……分かったぜ」
魔王「何?」
男「おい……オレの言葉も、通訳しろ」
魔王「扱いの悪い……。分かった分かった」
魔王『勇者、この男が言いたい事がある様だ』
勇者『言いたいこと……』
男「おい、勇者……その吸血症状の、せいだろ。勇者に、なったの」
勇者『……!』
男「王様か、だれかに、こう言われたんじゃねえか……魔王、倒せば、人間として認める……ってな」
勇者『な、何で……』
男「さっきの、話のとき……怖がってたろ……?」
勇者『そ、そんな事はない……』
男「お前は、自分自身を、怖がってる……。周りも、お前を、怖がった……違う、か?」
勇者『…………』
408
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/25(土) 23:09:49 ID:/TZ3bbY2
魔王『その反応、事実らしいな』
勇者『……好きでこうなった訳じゃない。勇者になる気もなかった』
魔王『……』
勇者『だけどなるしかなかったんだ。犯罪者とか化物は、皆喜んで勇者になる』
魔王『でなければ地獄と等しき刑を受ける……他の勇者から聞いたぞ』
勇者『他の……!?その人達は――!』
魔王『さぁな。少なくとも我は逃がしてやったぞ。わざわざ安全な場所までな』
勇者『何の為に』
魔王『弱い物を殺しても虚しいだけだ。我は相手を嬲っても心は満たされないのでな』
勇者『……とにかく、勇者になって俺は人に戻るんだ。その為にも魔王を――』
409
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/25(土) 23:24:19 ID:/TZ3bbY2
魔王『倒せば魔力が消えるとでも?』
勇者『……。そんなことは分かってる。お前を倒す度の最中、勉強してたんだ』
魔王『勉強……?』
勇者『俺は馬鹿だった。だって、教えてくれる奴なんて居なかったし』
魔王『良く学ぶ気になったな』
勇者『俺は普通の人になりたかった。だから、常識とか覚えたんだよ。必死で』
魔王『……普通、か。そうか、貴様もか』
勇者『……何?』
魔王『我も、普通の魔族なら良かったと思う事がある……。我は人に近過ぎた……』
勇者『人に……』
魔王『周りと同じく、欲望と本能のままに生きられれば、悩む事も無かった……』
勇者『……イメージと違う』
魔王『ふっ、魔王が恐怖の支配者とでも思ったか?我は少なくとも……孤独な王だ』
勇者『……案外、似てるのか?俺達』
魔王『そうかも知れんな』
410
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/26(日) 17:51:36 ID:puamBkYM
な〜に男そっちのけでキズナトークしてんだよ(野次
411
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/29(水) 02:52:49 ID:KUCxTIkw
勇者と魔王は支援度Cになった!
412
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/29(水) 21:56:43 ID:ky5FkG3.
男「おい……何て言ってんだ……」
魔王「さぁな、知りたければ我が世界の言語を学ぶのだな」
男「……甘い物抜き」
魔王「悪いがそれでも言えん」
男「……じゃ、聞かねぇ」
魔王「そうか。……助かる」
男「気持ち悪ぃ……」
魔王「貴様という奴は……」
男「……勇者は、どうするよ?」
魔王『勇者、貴様はどうする。我とまだ戦うか?』
勇者『……借りは、返す』
魔王「礼がしたいらしいぞ、男」
男「礼、か。好きで、やったんだ……。いらねぇ、よ」
魔王『……礼は良いらしいが、このままでは家に帰れそうに無い』
勇者『運べばいいんだな、分かった』
413
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/29(水) 21:57:22 ID:ky5FkG3.
男「お、お前……よく担げるな、オレを……」
魔王「勇者だからな」
男「それで、すむと思うなよ……」
魔王『まぁ、勇者。優しくしてやってくれ』
勇者『善処する』
男「あぁ〜……家帰ったら、飲んでやる……」
魔王「何を。甘いのか、それは」
男「そればっかかよ……」
魔王「まぁ良い。帰るぞ」
414
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/29(水) 21:58:00 ID:ky5FkG3.
勇者『……』
男「んぐっ……はぁ!あぁ〜生き返った」
勇者『……どういう、事だ』
魔王「……。何だそれは」
男「酒」
魔王「さけ?」
男「飲むと気分がよくなってくる飲み物だ」
魔王「……あぁ、それか。……何!?」
男「な、何だよ」
魔王「それは何処から採ってきたのだ!」
男「取ってきたって……こんなもんどこにでも売ってるだろ、缶ビールくらい」
魔王「……あり得んぞ、これは」
415
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/29(水) 21:59:07 ID:ky5FkG3.
男「おいおい、酒が珍しいってのか?」
魔王「うむ。何と言っても、魔力回復効果があるのだからな」
男「……流石にこっちの酒にんな効果ねえって」
魔王「だが今回復したではないか」
男「……じゃあ、これ飲んでみろよ。お前一応子供じゃねぇんだろ」
魔王「あぁ……」クピッ
男「どうだ」
魔王「……不味い」
男「魔力は!」
魔王「一口で分かると思うか」グビグビ
男「ぁあ!?全部飲んだなてめぇ!」
魔王「やはり不味い。よくこんな吐瀉物が飲めるな」
男「黙れ!!なんてこと言うんだ!」
416
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/29(水) 21:59:48 ID:ky5FkG3.
魔王「しかし、そうだな……ほんの微量は回復したかも知れん」
男「何で分かんねぇんだよ」
魔王「微量過ぎて分からん」
『勇者なら分かっただろう』
勇者『何がだ。魔力が極々僅かに増えたことか』
魔王『うむ』
勇者『……で?』
魔王『それだけだ』
勇者『…………』
男「おい、勇者から殺気漂ってるのオレでも分かるぞ」
魔王「気の所為だ」
男「気のせいじゃねえよ!」
417
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/29(水) 22:00:21 ID:ky5FkG3.
男「はぁ……家にいるときぐらいゆっくりさせ──」
竜娘「戻りました!」ガチャ
魔王「残念だったな」
男「あぁ……そうだな……」
不思議「何がー?」
勇者『……狭いな』
竜娘「!?み、見知らぬ人が!!」
魔王「勇者だ」
竜娘「えぇ!?」
不思議「おおー、揃い踏みー」
男「……ま、いいか」
418
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/30(木) 22:29:22 ID:GyC63voA
寝る時も密着するしかないな、仕方ない
419
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/31(金) 20:06:41 ID:GQnXSRC6
>>418
この世界では冬だからね。魔王出てから二日も経ってないからね。
全然夏じゃないからね。仕方ないね。
420
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/31(金) 20:17:42 ID:hjt6kWBo
仕方ないが水着回は遠いのか
冬で大人数なら鍋しかないな
421
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/08/01(土) 17:09:26 ID:/Iu/0X8U
竜娘『ほ、本日はお日柄も良く……』
勇者『……何なんだ。頭下げて』
竜娘『勇者様相手に失礼を働く訳には……』
勇者『いいよ、別に……。魔王がすぐ側にいる時点で失礼なのに』
魔王『おい』
勇者『にしても、君もこっち側なんだな』
竜娘『ええと、竜は竜騎士の……』
勇者『竜なのか!』
竜娘『はい!一応!』
勇者『すごいな……!人の姿になれるのか……!』
魔王『ふむ、竜よ。折角だ、竜の姿になってやっては』
幼竜「クルル……」
魔王『どう、だ……。早いぞ……』
勇者『かっこいいな……!』
幼竜「キュ♪」
422
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/08/01(土) 17:51:41 ID:/Iu/0X8U
男「すっげぇ。何言ってっかぜんぜんわかんね」
不思議「あー。近くて遠いなー」ゴロゴロ
男「ゴロゴロしたらホコリまうだろ」
不思議「んにゅー……」ピタ
男「……どうすっかな。こんな大人数はなぁ」
不思議「こっちは大丈夫だよー。猫の姿してたら一杯食べ物くれるからー」
男「……そっちが気にしねぇなら、別にいいんだけどよ」
不思議「出来たら男くんのが良いなー。はふーん」
男「何で」
不思議「怪我治してくれる人のー、優しい手で出来た料理が食べたーい」
男「……よく言えんな、そんなん」
不思議「ふんー?んんー?」
423
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/08/05(水) 08:39:10 ID:teU9gh1s
のんでくってねてー脂肪じゃなくて魔力を貯めよう
424
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/08/10(月) 18:58:01 ID:3H99A23Q
連レスは控えてるけど見てるんだぜ、何かこのスレはチェックしに来ちゃう
425
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/08/15(土) 20:14:04 ID:c7rZLMnY
男「あぁ……もうめんどいな。あるもんで何か作るか……いやもうめんどい」
魔王「何だ、どうしたのだ」
男「とりあえず全員適当に食いたいもん挙げろ」
不思議「お魚!」
竜娘「お肉!」
魔王「あ」
男「お前は分かってんだよ甘いもんだろが。いいからお前は勇者に聞いてくれ」
魔王『……。勇者、男が食べたい物を言え、と言っておるぞ』
勇者『食べたい物……。…………………………』
魔王「……たらふく、欲しいそうだ」
男「……そうか」
426
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/08/15(土) 20:25:16 ID:c7rZLMnY
――――
――
―
男「……何でついてくんだよ」
魔王「勇者の付き添いだぞ、我は」
勇者『…………』
男「だから、何でだって聞いてんだ」
魔王「勇者が来いと言ったからだ」
男「あぁ、だから……」
魔王「それ以上の理由を言わんのだから、我も言えん」
男「じゃあ、聞けよ」
魔王「聞いた上で言わんのだ」
男「あっそ……」
427
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/08/15(土) 21:06:41 ID:2VWPv.YE
まぁ違う世界の有り様を見せとくのもいいだろ
428
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/08/16(日) 20:53:15 ID:1RSYOW0A
魔王「……何だ、この匂いは」
男「そりゃ、食べもん売ってんだから」
魔王「ほう……む?」
勇者『……』ソワソワ
男「おい、どうしたんだよこいつ」
魔王『おい勇者。落ち着かん様子だが』
勇者『……』グゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
男「……」
魔王『……勇者』
勇者『食べたい物、聞くってことは……買うんだろ……?』グギュルルルルルルル
男「おい急いで買うぞ」
魔王「あぁそれが良いな」
429
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/08/16(日) 22:38:13 ID:1RSYOW0A
勇者(……凄い所だ。見たことない食べ物がいくつも並んである)スッ
(この、赤い……果物、か?美味しそうだ……)
魔王『何をしておる』
勇者『……そんな目で見るな。売り物を食べたりしない』
魔王『ならば涎を拭くのだな』
勇者『っ!こ、これはただ、美味しそうだと思っただけで』
男「あん?どうした。リンゴなんか持ってよ」ヒョイ
勇者『あ』
魔王「美味そうに見えたらしい」
男「……ちっ、わぁったよ。おら、持っとけ」
勇者『な、何だ、買う気か?』
魔王「……甘そうだな、これは」
男「てめぇ……おら買ってやる全員分な!」
430
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/08/17(月) 00:40:19 ID:pMufs6s.
最近のリンゴは蜜リンゴ固定出来るらしい
431
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/08/19(水) 20:12:33 ID:zCH.C4Dk
魔王(……。やけに簡単に買ったな)
男(リンゴ……たまに食いたくなんだよぁ……)
魔王(……好きなのか)
勇者(真っ赤で、まるで宝石みたいだな……)
勇者『魔王。食べたことはあるのか』
魔王『む?いや。そもそも、ここまで赤い果物が魔界に無い。あるのは……』
勇者『あるのは?』
魔王『……血の如く赤黒い、皺だらけで苦過ぎる存在理由が不明な物だけだ』
勇者『恨みでもあるのか……?』
魔王『ある。三日三晩苦味が邪魔して食事が喉を通らなくなった』
勇者『許せないな』
魔王『分かってくれるか』
432
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/08/19(水) 20:32:34 ID:zCH.C4Dk
男「おい、行くぞ」
魔王「見れば分かる」
魔王『来い、勇者』
勇者『見れば分かる』
勇者(にしても……本当に凄いな……)
魔王『どうした?』
勇者『魔力を感じないのに、冷気を感じるんだ』
魔王『男曰く、機械らしいぞ』
勇者『機械か……。こっちでは、かなり発達してるんだな。まるで魔法だ』
魔王『我もそう思うがな……向こうに持ち込む訳にはな』
勇者『何か問題があるのか?』
魔王『いや、こちらでは電気で動かしておるそうでな』
勇者『俺しか使えないな、じゃあ』
433
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/08/20(木) 07:16:25 ID:v8E11XQY
あ、そうだ、冬ならコタツで愛すだろ
434
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/08/20(木) 07:53:38 ID:2ISgXEEA
発電機だソラーだ
435
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/08/31(月) 02:33:21 ID:Zje/mIX6
勇者(……これだけの技術があるのなら、平気か)
魔王『何を考えておる』
勇者『……別に』
勇者(魔王……敵意の欠片も無い、“今の”お前は信じてやる。だがもし……)
魔王『そうか。てっきり、食事の事を考えているかと思ったぞ』
勇者『そこまで飢えて……いるけどな……』グゥゥゥゥゥ
勇者(もしも俺達の様に魔物がこちらに現れたら……お前はどうするんだ……?)
魔王「男、早く帰るぞ」
男「あぁ、たらふく食わせてやらねぇと」
436
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/08/31(月) 05:29:30 ID:xL1B9XF2
ケーキバイキングなんか連れてったら腰抜かすな
437
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/08/31(月) 19:57:30 ID:zdUdgnWA
アメ細工とか見せてやろうぜ
438
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/09/03(木) 01:15:58 ID:Kl8vhFdw
────
──
─
魔王「……これは?」
男「鍋だ」
魔王「見れば分かる」
不思議「鍋料理だねー」
勇者『これは何だ……適当に食材を入れた様にしか見えないんだが……』
竜娘『そういう料理みたい』
勇者『これで……?』
魔王「どういう料理なのだ」
男「鍋に入ったダシで食材煮るだけ。そんだけの料理だ」
魔王「……そんな物で我が満足させられるとでも?」
男「バカ言え。奥深いんだよ、鍋は」
439
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/09/03(木) 01:16:37 ID:Kl8vhFdw
男「おら、これ使え」
勇者『何だこの得体の知れない液体……飲まないぞ俺は』
竜娘「これ何ですか〜?」
男「ポン酢」
魔王「ポ……何?」
不思議「ポン酢ー」
魔王「ポン酢……酢?酸っぱいのか」
不思議「そうだねー」
男「激ウマ調味料だぞ。これあったら大体何とかなるしな」
魔王「げ、げきうま……?」
不思議「凄く美味しいって意味ー」
魔王「な、成程……そうなのか」
440
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/09/06(日) 12:07:14 ID:vRxv5L0Y
しあわせ〜って、なんだっけ、なんだっけ
441
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/09/08(火) 01:57:06 ID:Y89I1KqY
男「さ、出来てきたな……」
竜娘「おぉ〜……これがお鍋……」ジュルリ
勇者『…………ま、待ってくれ』
竜娘『どうしましたか勇者様!』
勇者『これ、まさか……このまま食べるんじゃないだろ?』
魔王『このポンズとかいう調味料に浸けて食べるそうだが』
勇者『そうじゃない……取り分けないのか?』
不思議「何てー?」
竜娘「取り分けないのか、って」
男「分けねぇ。鍋はこうやって周りで囲いながら食うもんだ」
魔王『取り分けずこうして鍋を囲って食べるのが普通らしいが』
勇者『…………』
442
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/09/08(火) 02:00:57 ID:WA44tmyQ
鍋奉行はおらんのか
443
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/09/08(火) 02:06:42 ID:Y89I1KqY
竜娘『な、何か、ダメな事でも!』
勇者『……残飯ばっかり、食べてたから……旅も一人で……こうして食うのに慣れてなくて』
竜娘『ゆ、勇者様……』
魔王『……そう言えば、我もそんな日があったな。これでも一族の落ちこぼれだったからな』
竜娘『竜は他の子より食べさせてもらう量が少なかったです……』
勇者『お前達も……?』
男「……おいそこ、何か急にしんみりすんな」
不思議「食べ物に悲しい思い出でもあるのかなー……私は玉ねぎ食べちゃった事が……」
男「おいやめろそういう雰囲気で食うもんじゃねぇぞ」
444
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/09/08(火) 02:32:02 ID:Y89I1KqY
男「ああもういいから食えっての。いただきます!」
不思議「いただきまーす」
竜娘「いただきます!」
魔王『ほら勇者、ああやって手を合わせて……』
魔王「頂きます、だ。この世界の食事前の礼儀だ。礼儀位は言える様になれ」
勇者『急に言われても困る……』
魔王『全員が言わなければ(礼儀と言うからして恐らく)食べられんぞ』
勇者『う……あ、う……』
勇者「ウィ……ヅァ……クィ……ウゥ……」
勇者『駄目だ……』
魔王『まぁ、最初は我もそんな物だった。気にするな』
445
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/09/08(火) 03:20:12 ID:Y89I1KqY
男「何だ今の。いただきますってか?」
魔王「いきなり竜言語を話そうとすると大抵こうなる物よ」
男「そういうもんか。ま、今は食え。好きなだけ。おら、勝手に入れてやるぞ」
勇者『な、何をするんだ。これ野菜だろ。これはどっちも茸だろ。食べろと?嫌だ』
竜娘『好き嫌いは良くないです!』
男「何て?」
魔王「野菜と茸が嫌いだと言っておる」
男「は?エノキとかシイタケとか茸類が嫌いなのはいいけどな、白菜嫌いは許せねぇ」
不思議「拘りあるのー?」
男「オレ的見解を言えば、鍋で一番うまいのは白菜だからな。竜、食わせろ」
竜娘「はいっ!」
竜娘『ごめんなさい!』
勇者『むごっ!?…………あ、美味い』
竜娘「美味しいそうです!」
男「だろ?」
446
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/09/08(火) 04:25:11 ID:WA44tmyQ
ふざけんなキノコの方が美味いだろ、むしろキノコこそ鍋
447
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/09/08(火) 12:39:06 ID:oVXMfXm6
>>446
出汁の素(きのこ)VS出汁を吸った旨味野菜(白菜)
ファイッ!
448
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/09/10(木) 13:05:31 ID:JqgqioYo
竜娘たゆたゆふにふにしたい。
449
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/09/18(金) 23:50:40 ID:4Lw7574.
不思議ちゃんください
450
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/09/24(木) 21:30:41 ID:eOMAktjA
続きおくれ。
451
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/10/17(土) 14:38:52 ID:0cg/bwwE
寒くなってきた
452
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/10/27(火) 03:12:55 ID:JWHQcfJw
保守
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