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少女魔王「に、日本だと···?」
322
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/09(木) 23:46:41 ID:LZuYhO8g
自転車あたりですら凄い驚きそうだな
323
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/12(日) 06:13:29 ID:srcho4N.
伊能忠敬は日本地図は一人でつくったわけではない
324
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/12(日) 20:51:19 ID:G0CvuxUc
伊能忠敬Bパーツ「我々の働きが」
伊能忠敬Cパーツ「あってこそ」
325
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/04/12(日) 21:02:26 ID:Levo5NMs
>>323
書かれちゃった……(´・ω・`)
326
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/15(水) 01:00:49 ID:teRGbOWc
めっちゃ面白いです!
327
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/27(月) 20:07:12 ID:nK/XlzAE
保守
328
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/27(月) 20:10:39 ID:z3g1sw46
間宮林蔵という伊能忠敬の影に隠れてしまった可哀想な人
329
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/04/28(火) 23:06:22 ID:/T7ycF9Q
――――
――
―
男「……はぁ、ただい――」ガチャン
不思議「はーい、もーいっかーい」
竜娘「は〜い、にゃ!」
魔王「に、にゃあ……」
男「……。……何? これは。夢か?」
竜娘「あ、主様〜! お帰りなさい、にゃ!」
魔王「……こっちを見るな」
不思議「お邪魔してまーす」ゴロゴロ
男「……どういう事?」
330
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/04/28(火) 23:30:35 ID:/T7ycF9Q
不思議「いやー、ギャップ萌えって奴を教えてましてー」
竜娘「にゃ〜!」
魔王「…………」
男「……おい魔王、顔真っ赤にしてどうした」
魔王「……我が何故! 猫の鳴き真似をせねばならん!」
不思議「可愛かったよー?」
魔王「やめろぉぉぉぉぉぉ!!」
男「……いや、そもそも誰だあんた」
竜娘「……はぇ?」
不思議「おーやさんに勉強教えるよう頼まれた者だよー、男くーん」
男「だから誰なんだって聞いてんだ」
不思議「ふにゅーん……分からないー?」
男「分かる訳ねぇだろっ――! ……その、髪色……いや、まさか」
不思議「まさかまさかー?」
331
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/04/29(水) 00:00:55 ID:HklRItmY
魔王「おい、結局は知り合いなのか」
男「いや、でもな……」
不思議「じゃあー……これで分かるよねー」
魔王「む……! 貴様、魔力を……!」
ボムン
猫「にゃむー」
竜娘「あ〜! 朝会った猫!」
男「マジかよ……」
魔王「……ふむ、精霊という奴か」
猫「ふにゃー」
魔王「喋れないのなら元に戻るが良い」
ボムン
不思議「いやー、元々ただの猫だからねー。喋れないんだー」
魔王「ふむ、成程……」
男「何がなるほどなんだよ」
332
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/04/30(木) 14:36:01 ID:zhvf35tk
/l、
("゚. 。 フ ふにゃー
」 "ヽ
()ιし(~)〜
333
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/05/07(木) 01:41:46 ID:YnMIkiTc
魔王「貴様、一度死んでおるな」
男「……は?」
不思議「あわー、分かったー?」
男「い、いや待てよ、意味分かんねぇぞ」
魔王「心、それは時に魔法よりも強大な力を発揮する……」
男「分かるように言えっつってんだろが」
竜娘「う〜ん、幽霊?」
男「足あんだろ違うだろ」
不思議「ぴんぽーん。合ってるよー」
男「はぁ!? え、はぁ!?」
魔王「正確には半分だけだがな」
不思議「そうだけどねー」
男「わ、分かんねぇって……」
334
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/05/07(木) 02:01:41 ID:YnMIkiTc
魔王「生前に抱いていた何らかの強い想いが、肉体無き生命として甦る事がある」
男「それが、幽霊かよ?」
魔王「人はそう呼ぶ。我らは霊魂と呼んでおる」
竜娘「想いが強過ぎると、綺麗な想いは精霊に、歪んだ想いは悪霊になっちゃったり!」
男「てことは、きれいな想いで甦ったって事か……?」
不思議「そーみたいだねー」ゴロゴロ
魔王「しかもこやつは、元の肉体に霊魂が戻っておる。生きる屍と呼ぶべき存在だ」
男「い、いきるしかばね……」
竜娘「つまり、ゾンビ!」
不思議「うがー、噛んじゃうぞー」ハミッ
魔王「ふみゅっ!? わ、我の耳を甘く噛むな!!」
男「ふみゅっ、て……ぷ、はは」
魔王「えぇい黙れ!」
335
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/05/07(木) 21:29:18 ID:Se7ZCBnc
メガテンならDark-Neutral
336
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/05/08(金) 17:04:10 ID:QlL70xss
乙!
337
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/05/09(土) 23:59:34 ID:S6uYMqxc
男「で、何らかの強い思いって?」
不思議「男くんに会いに来ただけー」
竜娘「……だけ?」
不思議「そうだよー。お礼言いたいなーって」
男「お礼……?」
不思議「助けてくれたよねー。ありがとねー……♥」ギュー
男「ちょ、頬擦りしてくんな」
不思議「♪」スリスリ
竜娘「……混ぜて下さい!」
男「駄目だっての、おい、待てって」
竜娘「主様〜♪」スリスリ
魔王「……何だこれは」
338
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/05/10(日) 17:37:43 ID:KNImqSR2
乙!
339
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/05/11(月) 00:25:57 ID:uSeMnE8A
魔王「しかし、余程の感謝をしておったのだな」
竜娘「主様への愛が為せる技……!」
男「あ、愛だぁ?」
魔王「あい……?」
不思議「ふふー。愛情いーっぱい世話して貰ったからー♪」
男「だっ……、そういうの、やめろよ」
竜娘「主様が優しい人で良かったね!」
不思議「そーだねー♪」
男「やめろって!あぁ、もう!」
不思議「照れない照れなーい」
竜娘「照れない照れな〜い」
男「あのなぁ……はぁ」
340
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/05/11(月) 00:37:57 ID:uSeMnE8A
魔王(あい……。何故だ、この言葉を聞けば聞く程、胸が苦しい……)
竜娘「……おねえさま〜?」
魔王「何だ」
竜娘「何考えてたの?」
魔王「……何も。魔界に戻る方法を考えておった」
男「で、考えた結果は?」
魔王「そやつから魔力を感じた。それも魂が肉体に戻る程、強力な魔力だ」
不思議「そんなに凄いー?」
魔王「今の我より強力なのは間違いない」
不思議「やったねー」
男「で、早く言えよ」
魔王「帰還出来る程の魔力を、この世界でも蓄えられるという事だ」
竜娘「おぉ〜!」
男「……。ん?」
341
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/05/11(月) 00:52:56 ID:uSeMnE8A
男「蓄えられるってなんだよ。普通は違うのかよ」
魔王「我が世界では、我は魔界に居なければ徐々に霧散していった」
男「ほーん……。それと、その魔力とやらをどうやって貯めるんだ。この世界にないんだろ」
魔王「他の者は大気から吸収しなければならんが、我程になれば自力で精製出来る」
男「帰れるまでどんだけかかるんだ」
魔王「……。分からん」
男「はぁ?」
魔王「この世界では殆ど精製出来んのでな。そこまで蓄えられるとは気付かなんだ」
不思議「でもー、魔力なんて使った感じしないよー?」
魔王「精霊であるが故に、魔力が殆ど無い世界でも無尽蔵に引き出し、蓄え、使用出来る様だな」
不思議「けっこー、凄いー?」
竜娘「すっごく、すご〜い!」
不思議「えっへへー」
342
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/05/12(火) 15:58:11 ID:XjgggrEc
よし、○○しよう!!
↑
先読みっぽくなったので消した
343
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/05/13(水) 00:06:12 ID:WNL/w4fo
乙!
344
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/05/18(月) 22:21:55 ID:ElrhPA0E
男「……で、だ。どうすんだ、あ〜……猫」
不思議「もっと可愛い名前がいいにゃー、なんてー」
男「だってよ」
魔王「ここで我に振るのか……!?」
不思議「まおーさま、どーか良いお名前をー」
魔王「何故我が命名せねばならぬ。竜の方が良い名前を思い付くやもしれんと言うのに」
幼竜「ムキュ」
魔王「竜の姿になって逃げるなこやつめ」
幼竜「ギャウ!」ボッ
魔王「火を吐いてまで抗議をするでないわ!」
男「狭い室内で火ぃ吐くんじゃねぇ!危ねぇだろ!」
幼竜「キュウン……」シュン
不思議「んふふー……賑やかだなー……♪」
345
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/05/21(木) 21:32:01 ID:VFExVkJQ
男「で、名前。不思議呼ばわりじゃな」
魔王「我はそれでも気にせぬが」
竜娘「竜もですよ〜」
不思議「じゃあ不思議で良いやー」
男「いいのかよ……」
不思議「男くんだけの特別な呼び方でも良いよー」
男「……考えとく」
不思議「待ってるねー」
竜娘「名前も良いけど、何処住むの?」
不思議「おーやさんの所に居て良いってー」
男「や、やめとけ!料理食ったら死ぬぞ!」
魔王「どれ程の不味さなのだ……」
346
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/05/22(金) 20:36:37 ID:PVp60I6s
不思議「へーきへーき。私料理作れるよー」
男「……何を?」
魔王「甘い物か?」
男「お前そればっかか」
魔王「悪いか」
竜娘「甘いの良いよね〜」
魔王「全くだ」
不思議「男くーん。……ね?」
男「ね、って何だよ。オレに買ってこいってか」
不思議「んーん。一緒に作ろー」
男「作ろーって……じゃあ、何か作るか」
魔王「早くしろ」パタパタパタパタ
竜娘「尻尾出てるよおねえさま」
魔王「むっ……ふぅ、いかんな、甘い物による興奮が抑えきれん」
男(甘いもんの何がこいつを突き動かすんだ……?)
347
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/05/24(日) 18:14:28 ID:zGLbI3RI
尻尾握りたい
348
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/05/31(日) 18:33:12 ID:cvRlCbIs
可愛い魔王。魔王可愛い。
349
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/06/02(火) 21:07:42 ID:MwhyCd9A
男(つっても、何があったっけな……)
不思議「男くん、クッキー作ろー?」
男「クッキー?……まぁ、確かに、出来るな……」
不思議「じゃあ頑張ろー」
男「はいはい……」
男(ココアの素あるし、これでココア味のクッキーと、ついでにミルクココア用意しとくか……)
男「……って、クッキーなんていつ知ったんだよ」
不思議「猫って意外と見てるんだよー?あっちもこっちも、そっちもこっちもねー」
男「そういうもんか……そういうもんか?」
不思議「そういうもーん」
350
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/06/02(火) 22:00:42 ID:MwhyCd9A
男「あー、とりあえず大量の砂糖を……」
不思議「はーい」
魔王「……」ヒョコ
男「……何だよ。向こう行ってろ」
魔王「我が世界では白い粉末は時に危険極まりない物が紛れている事があってな」
男「そんなんじゃねぇよこれは。砂糖っつって甘いんだよ」
魔王「……山の様に盛っておるが」
不思議「甘々だよー」
魔王「……」ピョコピョコ
竜娘「今度は耳出てるよ〜!」
魔王「ぬ、ぐぬ……いかん、見せぬと誓った筈だ、我は……」
男「……分かったら竜と待ってろ。出来るのは時間掛かるしな」
魔王「分かった」
351
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/06/03(水) 23:29:31 ID:ybWP9Jqk
魔王「……何だ、この棒は。黄と黒とそれぞれ二本あるが」
男「くっつけて、冷やし固めんだよ」
魔王「それで完成か」パタパタ
男「固まったら焼くんだよ。だからまだ尻尾振んな」
魔王「そうか、まだか……」
不思議「ごめんねー、まだ待ってねー」
竜娘「クッキー……楽しみだな〜♪」ワクワク
魔王「甘いの……甘いの……」
352
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/06/04(木) 02:19:28 ID:tvrrEPeE
あまあまな魔王
353
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/06/14(日) 19:32:30 ID:PJdBCSNM
そろそろ甘い匂いが漂い出したかな
354
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/06/23(火) 02:14:26 ID:56rutLXg
これだけ時間がたてば美味しいでしょう
355
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/06/23(火) 05:01:36 ID:4u4R7leg
甘い匂いから焦げ臭くなってね?
356
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/06/24(水) 23:36:39 ID:EtR5.kzo
あ...それは...新しく作り直してあげればいいのです!
甘党魔王の為に!
357
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/01(水) 15:59:31 ID:VHVjxFNg
マダー?
358
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/04(土) 22:55:33 ID:lT.wJfAY
魔王「……ぬぅ。まだか」
男「何回聞く気だてめぇ。さっき聞いてから五分経ってねぇぞ。まだ焼いてねぇんだぞ」
魔王「早くしろ」
男「お前焼くって言ったって高い火力で焼くんじゃねぇぞ」
魔王「ではどうやって」
男「そんなに知りたきゃ見てろ」
魔王「……」ジッ
竜娘「……おねえさま、まばたきはした方が良いよ?」
魔王「一秒たりとも見過ごせん」
不思議「目に悪いし一秒くらい見逃してもだいじょーぶだいじょーぶ」
魔王「……そうか」
359
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/04(土) 23:28:19 ID:lT.wJfAY
魔王「で、その二色の長い棒をどうするのだ」
男「四角になるように四本全部重ねんだよ」
魔王「……ふむ、『ジェムロック』の様だな」
男「……は?何のようだって?」
魔王「む……。むぅん……、じぇ、む、ろ、く……ジェムロックだ」
竜娘(わぁ……魔界の言葉、すぐ竜言語に直しちゃった。凄いなぁ……!)
不思議「それ何ー?」
魔王「真四角の板を張り合わせた盤の上に、結晶で出来た複数の駒を置いて行う遊戯だ」
男「将棋とかチェスとかオセロとか見たいなもんか」
魔王「その三つが何かは知らんが、盤上で行う遊戯なのは分かった」
男「何でそんなゲームが魔界にあんだよ。そんなもんやるより暴力やるようなとこだろ?」
魔王「肉体は貧弱でも知略に長けた魔族が競い合う為に作り出した物だ」
竜娘「おねえさまは出来るの?」
魔王「無論。魔王は全ての魔族に勝たねばならぬ故にな」
男(魔王なんのにゲームしなきゃなんねぇのか……)
360
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/04(土) 23:38:02 ID:lT.wJfAY
魔王「それで、重ねてどうする」
男「一定の厚さに切って、オーブンで焼く」
魔王「おーぶん……あれか?」
男「そうだ。長い時間を掛けて焼くんだ」
魔王「長い……時間……」
男「……んな暗い顔されてもな」
361
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/04(土) 23:58:28 ID:lT.wJfAY
魔王「…………」ジー
竜娘「おねえさま……ずっとオーブンの前に居る……」
不思議「凝視してるねー」
男「今のあいつなら菓子類遠くに投げたら追い掛けそうだな……」
魔王「追い掛ける訳無かろう」
男「実はまだ甘いもんが」
魔王「寄越せ!」
男「ねぇよ」
魔王「……」シュン
362
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/05(日) 10:27:05 ID:7cNJtkxk
魔王「む。おぉ、少しずつ膨らんでおる様な」
不思議「合ってるよー」
竜娘「良い匂いしてるね〜……」
魔王「うむ、香ばしい」
男「まだ時間掛かるけどな」
魔王「……」
男「……時間よ速くなれ、とか思ったか?」
魔王「……!」
男「図星かおい。どんだけ甘いもんに情熱注いでんだ」
363
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/05(日) 10:39:50 ID:7cNJtkxk
魔王「……我は魔王。故に魔法で様々な事が出来る」
男「そんで?」
魔王「しかし、無から有を生み出す事は出来ん。それが出来るのは神だけだ」
竜娘「魔法は、存在する物を動かす力なんですよ〜」
男「……いや、それはいいんだよ。結局何が言いたいんだ?」
魔王「甘い物を手に入れるには、人間界に赴かねばならん。故に魔界では希少だ」
不思議「つまりー……飽きる程欲しいって事ー?」
魔王「うむ」
男「じゃあ最初からそう言え」
魔王「む」
364
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/05(日) 10:57:10 ID:7cNJtkxk
男「だいたい、そんなにクッキー欲しいなら時間速くしてみろよ」
竜娘「駄目なんです、主様」
男「ん?」
竜娘「時とか、そういう概念は神様の物だから」
魔王「魔法とは飽くまでも魔力による法則の強制変化だからな」
男「うん意味分からん」
魔王「あるかどうか分からん物は魔法では弄れんのだ」
男「時間はあるだろ」
魔王「何処に?」
男「どこって……」
魔王「時など、知的生命体が勝手に生み出した概念に過ぎん。明確には存在せん物だ」
不思議「何か、難しくなってきたねー」
男「こういうのは女さん向けだな」
365
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/07(火) 15:12:39 ID:YAb6G0oo
お嬢ちゃんには人間界の本をあげようね
つ【量子力学】
366
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/07(火) 15:26:33 ID:vpFkw7s.
時間は量子力学じゃなくて相対性理論だ
367
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/07(火) 18:47:32 ID:DDmuMSKo
男「いや、でもよ、地球が回ってるからやっぱ時間って――」
魔王「……回る?」
竜娘「地、球?」
男「……おい、まさか」
不思議「もしかしてー……そっちの世界って平たいのー?」
魔王「こ、この世界は丸いのか……?」
男「球体状だぞ」
竜娘「球体……!?」
魔王「ば、馬鹿な……!!」
不思議「世界の違いじゃー仕方ないねー」
男「そりゃ無理だな」
魔王「むぅ……つまり、この世界……地球が一周した時が一日という事か?」
男「そうだな」
魔王「ふむ……この世界では時の流れとは神が生み出す物では無いのか……」
368
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/09(木) 00:52:05 ID:EdZjBH7c
チーン
魔王「!!」
竜娘「あ!」
男「そうこうしてたら出来た――」
魔王「食わせろ!」フンフン
男「鼻息荒いんだよ。出来立ては熱いから、もっと冷めてから食え」
魔王「待てん!」ガチャ カサッ
不思議「あ」
魔王「熱い!」
男「だから言ったんだっての……」
369
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/09(木) 00:57:30 ID:EdZjBH7c
竜娘「いただきま〜す!」
魔王「……貴様は平気らしいな」
不思議「火が吐けるみたいだしねー」
竜娘「んまいです!」サクサク
男「そりゃよかった」
魔王「……」ソー
男「まだ待っとけ」
魔王「ぐ……口惜しい……目の前にあるというのに、食えんとは」
370
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/09(木) 01:15:40 ID:EdZjBH7c
魔王(どうする……もう、魔法を使ってしまうか……多少なら何の問題も……)
男「……もう、いいか。あむ」サクッ
不思議「美味しいー?」
男「ん。んめぇ」
不思議「良かったー♪」
男「食わねぇのか……って、まさか猫舌か」
不思議「うんー」
魔王「では、代わりに頂こう」サクッ
不思議「どうー?」
魔王「……」
男「何か言え」
魔王「……男よ、我の側近か、専属の料理人に」
男「なってたまるか」
371
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/09(木) 01:39:18 ID:EdZjBH7c
男「……そう言えば」
魔王「何だ」
男「勇者、いるんだろ?どんな奴なんだよ」
魔王「気になるか」
男「当たり前だ、勝手にお前との戦いに巻き込まれたくねぇからな」
魔王「我が世界の問題をこの世界に持ち出す気など無い」
男「ちょっとでもお前から持ち出したら、甘いもん一生抜きな」
魔王「なぁっ……!!ばっ、馬鹿、なぁっ……!!」ガタガタ
竜娘「おねえさま、汗が汗が!」
372
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/09(木) 07:35:16 ID:5jVRqJB6
男なら焼いてる間に冷やしものを完成させる
373
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/10(金) 00:25:10 ID:yZ02DN8U
不思議「んまんまー」サクサク
竜娘「♪」サクッ
魔王「……」
男「何だよどうした」
魔王「……別に」
魔王(こうして集って、笑顔で一つの物を食す、か……)
男「……?」
男(何だよこいつは。時々、悲しんでるような……?)
374
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/10(金) 00:37:32 ID:yZ02DN8U
不思議「うーん、食べたー」
竜娘「食べた〜!」
魔王「うむ、やはり甘味物は我を惹き付ける……」
男「そうかよ」
不思議「んー……。これからどうしよーかなー、散歩しよーかなー」
竜娘「付いていっても行っても良いですか?」
不思議「どーぞどーぞ」
竜娘「やった〜!」
男「散歩って、どこに行くんだよ」
不思議「のんびりー、気の赴くままー」
男「暗くなる前に帰るんだぞ」
不思議「はーい」
竜娘「はい!」
375
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/10(金) 07:55:57 ID:yZ02DN8U
魔王「貴様は行かぬのか」
男「何の為に行くんだよ」
魔王「迷子になるやも知れぬぞ」
男「正直お前の方がなりそう」
魔王「なっ!?」
男「あぁ、絶対お前甘い匂いに釣られてどっか行くわ」
魔王「我は幼子では無いぞ!……ん?」
男「あ?」
魔王「……雲行きが怪しいな」
男「うわっ、マジかよ……傘持っていってやるか……」
魔王「……いや、あれは」
男「何だよ、雨降らねぇのが分かんのか」
魔王「あぁ……あれは……魔力の雷雲だ」
男「……は?」
376
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/10(金) 09:02:50 ID:rn2siLxY
更新続いて嬉しいぞ
377
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/10(金) 14:33:45 ID:LujV/hjs
雨の中ぴっちぴちちゃっぷちゃっぷしに行けば魔力回復する?
378
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/12(日) 00:01:58 ID:bIrgBXqE
男「意味が分かんねぇぞおい」
魔王「そのままだ」
男「じゃあ何だ、魔法使う奴がいるって事か?」
魔王「うむ」
男「誰だそいつは?」
魔王「我が世界において雷電の魔法を扱える者は一人しか居らん」
男「……おい、まさか」
魔王「あぁ、間違い無く……“勇者”だ」
379
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/12(日) 00:02:47 ID:bIrgBXqE
男「……甘い物、抜きで」
魔王「待て待て待て待て!!我が呼び起こした訳では無いぞ!!」
男「何とかしねぇと甘い物抜きだっつってんだ」
魔王「分かった分かった!!我とてこの世界で諍いを起こす気は無いと言った!」
男「じゃあどうすんだ」
魔王「……どうすべきだろうか」
男「こっちが聞いてんだから聞くな」
魔王「我は“今回の”勇者には詳しくないのだ」
男「今回って……」
魔王「勇者は一人しか存在出来んが、一人やられればまた一人と補充される」
男「補充だと……?」
魔王「我に対抗する使い捨て道具、それが人間側の勇者の考え方だ」
男「……何だそりゃ」
380
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/13(月) 23:12:18 ID:JajMm42U
読んではいるが、場面途中だからレスしにくい
次からは場面途中では黙るけど読んでるから
381
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/14(火) 00:52:13 ID:CQI8e/nA
>>380
場面途中で終わらないよう心掛けます。
382
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/14(火) 01:10:46 ID:CQI8e/nA
魔王「とにかくだ。要は勝手に死んでも困らん物を勇者にしておるのだ」
男「だけどよ、使い捨てなんて……!」
魔王「人間も必死という事だ。使える物は使う、それだけの事……下らんとは思わんか?」
男「……何がだよ」
魔王「同族の命を玩具の如く弄ぶ……時に人間は、魔族でさえ嫌悪感を抱く程の醜さを見せる」
男「そのみにくさは、てめぇら魔族が引き出してることだろが……!」
魔王「認めよう。半分だけは」
男「半分だけだぁ……?」
魔王「考えろ。魔王を討伐した勇者は、国に戻ればどうなると思う?」
男「そんなもん、英雄扱い――」
魔王「残念だが違う。答えは真逆なのだ」
男「ま、真逆……?」
383
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/14(火) 01:21:05 ID:CQI8e/nA
魔王「何度か過去に勇者達と出会った事がある。あやつらが語るには――」
勇者【お前さえ倒せば、俺は罪を赦される……!!】
魔王「と、言っておったな」
男「どういう事だよ……」
魔王「要は、過去に大罪を犯し……恐らく死刑になる物に、国王がこう告げるのだろう」
国王【魔王を討てば、その罪は神の名の下に赦されるであろう】
魔王「そして、死ねば刑を処する手間が省け、見事帰還した場合は……」
男「無事に、死刑にする、ってのか……!」
魔王「大罪を犯し、尚且つ魔王を討ち果たした物など、恐ろしい存在だとは思わんか?」
男「……」
魔王「今回の勇者も同じだろう。仕方無く、魔王を討伐する物となった……そこを突けば」
男「……多少なりとも、説得出来るってか」
魔王「いかにも」
384
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/14(火) 01:31:41 ID:CQI8e/nA
魔王「ではそろそろ出掛けるとしよう。甘味物が二度と食べられんのは死しても避けたい」
男「……おい」
魔王「何だ」
男「一人で行く気かよ」
魔王「貴様を連れて行っても足手まといだ。何の役にも立たん」
男「本気で言ってんのか」
魔王「では貴様は我が世界の言葉が理解出来るのか?話せるのか?勇者が竜言語を理解しておるとでも?」
男「その勇者が魔王の説得聞くと思ってんのか」
魔王「……む」
男「いいから連れてけよ。お前は通訳してくりゃいい」
魔王「……良いだろう。我としても、無駄な魔力を消耗する気は無いのでな」
385
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/14(火) 23:25:56 ID:XOdc5ys.
お菓子食って魔力が貯まればいいのに
386
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/20(月) 00:15:38 ID:lIVgXg6I
――――
――
―
魔王「……ふむ、近いな」
男「……何か、肌がピリピリすんな」
魔王「空気がほんの少し帯電しておるな」
男「……勇者、お前より強ぇんじゃねぇのか」
魔王「……この世界では、そうかも知れん。電気が大量に存在するからな」
男「まぁ……そりゃそうだろな。どこの家庭にもあるからな」
魔王「電気その物を操る勇者にとっては、心地良い世界であろう」
387
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/20(月) 00:21:39 ID:lIVgXg6I
魔王「……む!」バッ
男「うぉ!……あいつがか?」
魔王「うむ……間違いない。あの魔力……勇者!」
勇者「…………」ギロッ
男「……待ち構えてたみたいだな」
魔王「あんな雷雲を出せば誘き寄せられると考えたのだろう。見事成功した訳だな」
388
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/20(月) 00:32:07 ID:lIVgXg6I
勇者『……どっちが魔王だ?どっちもか?それともどっちも違うのか?』バリッ
男「……何かバリバリ鳴ってんだけど」
魔王「焦がされたくないのなら今は黙っておれ」
魔王『……我が魔王だ。こやつは――』
勇者『人質か。卑怯な』
魔王『いや――』
勇者『だが俺は、いかなる犠牲を払おうと魔王を討ち果たさなければならない』
魔王『おい――』
勇者『人の姿に化けてもムダだ!俺は躊躇しない!』バチィ!
魔王『話を聞け!』
勇者『魔王の話など聞かん!』バギュ
魔王『ちぃ!』シャッ
男「どわっ!あ、危ねぇ……!お、オレにも当たる所だったぞおい……!」
389
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/20(月) 00:57:28 ID:lIVgXg6I
勇者『お前さえ!お前さえいなければ!』
魔王(くっ、これでは甘味物が一生……!)
勇者『魔王、覚ごっ!?』ドガッ
魔王『!?』
男「ちょっといいかげんしてくんないかなぁ……。オレらは話をしにきただけなのにさぁ……」
勇者『な、何だ、何語だ!何を言ってるんだ!』
男「いくら見た目魔王くらいのガキでもやっていいこと悪いことってのがあってなぁ……?」
勇者『これ以上邪魔するならいだだだだだだだだあ!』メリメリ
魔王(あ、あやつの手が、勇者の顔面に強く食い込んでおる……)
390
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/20(月) 09:55:51 ID:Aaktfi7Y
よし、この世界の技(拷問)をみせてやろうぜ
391
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/20(月) 10:30:10 ID:lIVgXg6I
勇者『何だこいつはぁ!魔王ぉ!』
魔王『我の言葉など聞く耳を持たぬと言われてはな』
勇者『まさかこれが貴様の魔法の一つか!?』
魔王『いや、そこに居るのは何の変哲も無い只の人間だ』
勇者『!?』
魔王『だが、この我でさえ逆らえぬ事もある……我の精神を揺らがせて……』
勇者『な、魔王でも……!?』
男「おい魔王……」
魔王「な、何だ」
男「今、変なこと言ったよなぁ……?何言ってるか分かんねぇが、それは伝わったぞ……?」
魔王「い、言っとらんぞ。何も変な事など!」
男「なぁんで焦ってんだよ……?」
魔王「い、いや、それはだな」
勇者(な、何を言ってるか分からないけど、魔王がうろたえてるなんて……この男、何者……!?)
392
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/20(月) 10:42:23 ID:lIVgXg6I
勇者(しかし、なぜか魔王は攻撃せず、この男も話の途中……今なら魔王をやれ)バチッ
勇者『いだだぁ!』メリメリ
男「いいから。そういうのいいから。マジでそういうのいいから。マジで」
魔王(何故だ。切れたあやつにはどんな魔法を用いても全く勝てる気がせんぞ)
男「いいから落ちつけって。でないと痛いじゃすまなくなるからなぁ……?」
魔王『これ以上暴れると……一瞬で楽にしてやるからな、と言っておるぞ』
勇者『な、何だと……!?こ、これで普通の人間……!?』
男「おい魔王……」
魔王「な、何だ」
男「また変なこと言ったなお前……?何となく分かんだぞ、こっちは……?」
魔王「ま、またも何も、一度たりとも言っとらんぞ!」
勇者(こ、ここは大人しくして機会を待つべきか……)
393
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/21(火) 06:46:05 ID:XQSFIggw
アイアンクロー地味に痛いよなー
394
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/21(火) 21:47:39 ID:NKAD01Gw
魔王『……落ち着いた様であるし、話を聞いてはくれぬか』
勇者『……その前に聞かせてもらう』
魔王『何だ』
勇者『この世界は何なんだ。動く鉄の箱の魔物に人が食われていた。貴様の仕業か』
魔王『鉄の箱……?』
魔王「おい男。動く鉄の箱とは何だ」
男「車だろ」
魔王「くるま……あぁ、あれか、成程」
魔王『あれはこの世界の人間の移動手段だ。我らが世界の馬と同じだ』
勇者『馬……確かに人が自由に外に出ていたから、魔物と共存しているのかと思っていたが』
魔王『あれは車という、機械で出来た乗り物だ。どうやら魔法で動いておる訳では無いようだ』
勇者『……やはり魔法は無いのか。こんなにも電気はあるのに、魔力が無くて驚いた』
魔王『お陰で我は貧弱だ。今の貴様なら簡単に殺害出来るだろう』
勇者『だから、攻撃しなかった……いや、出来なかったのか』
魔王『そして人に世話になるなど、落ちぶれ尽くしたものよ、我も』
395
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/21(火) 21:58:09 ID:NKAD01Gw
勇者『……魔王』
魔王『何だ』
勇者『どうして大人しく人間の世話になる。人にしか見えないが、魔族なんだろう』
魔王『……。何故、だろうな。誇り高き魔狼の、そして魔王の我が、人と深く関わるなど』
勇者『何かを企んでいるのではないのか』
魔王『……忘れた。考えていたかもしれぬ。だが、忘れた』
勇者『……お前、本当に魔王なのか?』
魔王『…………。そう、だ』
勇者『何だ今の間は。どうしてすぐ答えない』
魔王『……貴様には、関係無い事だ。我は魔王。そして貴様は勇者。敵同士。それだけで良い』
勇者『……』
396
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/22(水) 00:09:42 ID:GYqHCs06
勇者(本当にこれが魔王……?信じられなくなって……)
勇者『……っ!』ドクン
男「ん?おい、どうした」
魔王「な、何だ……魔力が増幅していく……?」
勇者『ぐ……うぅ……!』バッ
男「お、おい、どこ行きやがる!」
魔王「……不味いかも知れん。追うぞ!」
男「分かってる!」
397
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/22(水) 07:42:22 ID:MM/vf68.
電磁波じゅs
398
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/22(水) 22:09:07 ID:GYqHCs06
男「くっそ、何で逃げんだあいつ!」
魔王「何にせよ、都合が悪い事が起こったのは間違いない!」
男「めんどくせぇな全く!」
魔王「……!あそこだ!」
勇者『…………!!』
男「う……目がさっきと違ぇ……ギラついてやがる……。しかも、何か歯が……」
魔王「あれは……まさか」
男「何だよ早く言え!」
魔王「魔力症……」
男「まりょくしょう!?」
魔王「過度な魔力は人間の体には毒なのだ。本来は」
男「本来は!?」
魔王「人間でも魔法を使う者が増えた以上、対策が出来たのだろうと思っていたが……」
男「魔力症になったらどうなんだ!」
魔王「……魔族の一員と化す」
399
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/22(水) 23:17:41 ID:GYqHCs06
男「……ってことは、だ」
魔王「うむ……非常に不味い」
勇者『……な……ぜ、追って、くる』
魔王『放っておけと?』
勇者『へ、いき、だ……。そこらの、動物の、血を吸えば……いい』
魔王『……吸血衝動、か』
勇者『だから…………失せろ……!』
魔王「……男。奴は吸血衝動に駆られておる」
男「吸血鬼ってことかよ……!ほっといたらどうなる!」
魔王「勿論、見境なく血を吸い付くすだろう……。貴様は逃げた方が良いな」
男「……いや、絶対逃げねぇ」
魔王「な、何……?」
男「オレの血を飲ます」
魔王「ば、馬鹿げた事を……!何の為にそんな――!」
400
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/23(木) 00:20:03 ID:0ZLQYsKQ
つデルモンテ
401
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/24(金) 22:53:22 ID:YkHF.xts
男「オレがそうするべきだって思ったからやるんだよ!」
魔王「奴は野生動物の血を吸えば平気だと言っておるのだぞ!」
男「知るかんなもん!吸血鬼は人の血が一番美味く感じるって相場が決まってんだよ!」
魔王「意味が分からん……!」
勇者『……何を……している』
魔王『この男が貴様に血を飲まそうとしておるのだ……!』
勇者『……!!だ、だめ、だ……人の、血は、それ、だけは……!!』
男「おら、好きなだけ吸えこのやろう!魔王!回復魔法とかあんならオレに使え!」
魔王「え、ええい……!どちらも厄介な……!」
勇者『ひ、人の、血は……絶対、美味しい……だから……駄目だ!』
魔王『我儘を言っておる場合なのか!暴れられては非常に面倒なのだぞ……!』
勇者『ぐ、ぐぐ、ぐぅ…………う、うぅぅぅぅ……!』
ガプッ
402
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/24(金) 23:07:20 ID:YkHF.xts
――――
――
―
男「…………」ゲッソリ
魔王「極めつけの馬鹿だな、貴様は」
男「う、るせぇ……」プルプル
魔王「しかし、血はそこまで吸われていない筈だが」
魔王『何故この男はここまで衰弱しておるのだ』
勇者『……多分、魔力も吸ったから、だと思う』
魔王『む、成程……枯渇すればこうもなるか。反応が微弱過ぎて気付かなんだ』
男「な、なんて言ってる……?」
魔王「貴様の魔力を吸いきったらしいぞ」
男「あ、あったのかよ……」
魔王「ほんの僅かだがな」
403
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/25(土) 00:48:09 ID:/TZ3bbY2
男「ま……よかったよ……何も、なくて」
魔王「……本当にそう思うか?」
男「あ……?」
魔王『済まぬが勇者よ、我もこやつも、貴様の事情が知りたい』
勇者『……話すことはない』
魔王『何故こやつの血を吸う事を拒んだのか、その理由くらいは聞かせて貰いたいのだがな』
勇者『…………分かった、言ってやる』
魔王『そうか。ではこやつに伝わる様に通訳をさせて貰うぞ』
勇者『……好きにしろ』
魔王「男、今から勇者の言葉を翻訳してやる。休みながら良く聞いておけ」
404
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/25(土) 05:17:15 ID:5etAG0f.
勇者『……格好良いと思ってやってただけだから……本気で飲むつもりは無かったんだ』
405
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/25(土) 09:59:59 ID:BCw.gDYs
乙
なんか、煙草(またはクスリ)やりはじめた奴のような台詞が始まったぞ?
というか、魔王と同じような年齢的な姿ってことは…ショタ枠?
406
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/25(土) 22:23:15 ID:/TZ3bbY2
勇者『勇者は人間の味方だ。人に余計な危害を加えたら、何処にも居られない……』
『だからその辺の野生動物の血を吸ってたんだ。クソ不味いのを我慢して』
『不味くても血を吸えば症状は治まった……。それで今までやってきた』
『それなのに、とうとう、手を出してしまった……人の血を吸ったんだ、俺は』
『人の血は吸った事がなくても、絶対美味いって思ってた……』
『一度吸えば、止まらなくなるんじゃないか……。そう、考えてたんだ』
407
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/25(土) 22:41:13 ID:/TZ3bbY2
男「……なるほど、な。何で勇者になったか……分かったぜ」
魔王「何?」
男「おい……オレの言葉も、通訳しろ」
魔王「扱いの悪い……。分かった分かった」
魔王『勇者、この男が言いたい事がある様だ』
勇者『言いたいこと……』
男「おい、勇者……その吸血症状の、せいだろ。勇者に、なったの」
勇者『……!』
男「王様か、だれかに、こう言われたんじゃねえか……魔王、倒せば、人間として認める……ってな」
勇者『な、何で……』
男「さっきの、話のとき……怖がってたろ……?」
勇者『そ、そんな事はない……』
男「お前は、自分自身を、怖がってる……。周りも、お前を、怖がった……違う、か?」
勇者『…………』
408
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/25(土) 23:09:49 ID:/TZ3bbY2
魔王『その反応、事実らしいな』
勇者『……好きでこうなった訳じゃない。勇者になる気もなかった』
魔王『……』
勇者『だけどなるしかなかったんだ。犯罪者とか化物は、皆喜んで勇者になる』
魔王『でなければ地獄と等しき刑を受ける……他の勇者から聞いたぞ』
勇者『他の……!?その人達は――!』
魔王『さぁな。少なくとも我は逃がしてやったぞ。わざわざ安全な場所までな』
勇者『何の為に』
魔王『弱い物を殺しても虚しいだけだ。我は相手を嬲っても心は満たされないのでな』
勇者『……とにかく、勇者になって俺は人に戻るんだ。その為にも魔王を――』
409
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/25(土) 23:24:19 ID:/TZ3bbY2
魔王『倒せば魔力が消えるとでも?』
勇者『……。そんなことは分かってる。お前を倒す度の最中、勉強してたんだ』
魔王『勉強……?』
勇者『俺は馬鹿だった。だって、教えてくれる奴なんて居なかったし』
魔王『良く学ぶ気になったな』
勇者『俺は普通の人になりたかった。だから、常識とか覚えたんだよ。必死で』
魔王『……普通、か。そうか、貴様もか』
勇者『……何?』
魔王『我も、普通の魔族なら良かったと思う事がある……。我は人に近過ぎた……』
勇者『人に……』
魔王『周りと同じく、欲望と本能のままに生きられれば、悩む事も無かった……』
勇者『……イメージと違う』
魔王『ふっ、魔王が恐怖の支配者とでも思ったか?我は少なくとも……孤独な王だ』
勇者『……案外、似てるのか?俺達』
魔王『そうかも知れんな』
410
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/26(日) 17:51:36 ID:puamBkYM
な〜に男そっちのけでキズナトークしてんだよ(野次
411
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/29(水) 02:52:49 ID:KUCxTIkw
勇者と魔王は支援度Cになった!
412
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/29(水) 21:56:43 ID:ky5FkG3.
男「おい……何て言ってんだ……」
魔王「さぁな、知りたければ我が世界の言語を学ぶのだな」
男「……甘い物抜き」
魔王「悪いがそれでも言えん」
男「……じゃ、聞かねぇ」
魔王「そうか。……助かる」
男「気持ち悪ぃ……」
魔王「貴様という奴は……」
男「……勇者は、どうするよ?」
魔王『勇者、貴様はどうする。我とまだ戦うか?』
勇者『……借りは、返す』
魔王「礼がしたいらしいぞ、男」
男「礼、か。好きで、やったんだ……。いらねぇ、よ」
魔王『……礼は良いらしいが、このままでは家に帰れそうに無い』
勇者『運べばいいんだな、分かった』
413
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/29(水) 21:57:22 ID:ky5FkG3.
男「お、お前……よく担げるな、オレを……」
魔王「勇者だからな」
男「それで、すむと思うなよ……」
魔王『まぁ、勇者。優しくしてやってくれ』
勇者『善処する』
男「あぁ〜……家帰ったら、飲んでやる……」
魔王「何を。甘いのか、それは」
男「そればっかかよ……」
魔王「まぁ良い。帰るぞ」
414
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/29(水) 21:58:00 ID:ky5FkG3.
勇者『……』
男「んぐっ……はぁ!あぁ〜生き返った」
勇者『……どういう、事だ』
魔王「……。何だそれは」
男「酒」
魔王「さけ?」
男「飲むと気分がよくなってくる飲み物だ」
魔王「……あぁ、それか。……何!?」
男「な、何だよ」
魔王「それは何処から採ってきたのだ!」
男「取ってきたって……こんなもんどこにでも売ってるだろ、缶ビールくらい」
魔王「……あり得んぞ、これは」
415
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/29(水) 21:59:07 ID:ky5FkG3.
男「おいおい、酒が珍しいってのか?」
魔王「うむ。何と言っても、魔力回復効果があるのだからな」
男「……流石にこっちの酒にんな効果ねえって」
魔王「だが今回復したではないか」
男「……じゃあ、これ飲んでみろよ。お前一応子供じゃねぇんだろ」
魔王「あぁ……」クピッ
男「どうだ」
魔王「……不味い」
男「魔力は!」
魔王「一口で分かると思うか」グビグビ
男「ぁあ!?全部飲んだなてめぇ!」
魔王「やはり不味い。よくこんな吐瀉物が飲めるな」
男「黙れ!!なんてこと言うんだ!」
416
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/29(水) 21:59:48 ID:ky5FkG3.
魔王「しかし、そうだな……ほんの微量は回復したかも知れん」
男「何で分かんねぇんだよ」
魔王「微量過ぎて分からん」
『勇者なら分かっただろう』
勇者『何がだ。魔力が極々僅かに増えたことか』
魔王『うむ』
勇者『……で?』
魔王『それだけだ』
勇者『…………』
男「おい、勇者から殺気漂ってるのオレでも分かるぞ」
魔王「気の所為だ」
男「気のせいじゃねえよ!」
417
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/29(水) 22:00:21 ID:ky5FkG3.
男「はぁ……家にいるときぐらいゆっくりさせ──」
竜娘「戻りました!」ガチャ
魔王「残念だったな」
男「あぁ……そうだな……」
不思議「何がー?」
勇者『……狭いな』
竜娘「!?み、見知らぬ人が!!」
魔王「勇者だ」
竜娘「えぇ!?」
不思議「おおー、揃い踏みー」
男「……ま、いいか」
418
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/30(木) 22:29:22 ID:GyC63voA
寝る時も密着するしかないな、仕方ない
419
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/07/31(金) 20:06:41 ID:GQnXSRC6
>>418
この世界では冬だからね。魔王出てから二日も経ってないからね。
全然夏じゃないからね。仕方ないね。
420
:
以下、名無しが深夜にお送りします
:2015/07/31(金) 20:17:42 ID:hjt6kWBo
仕方ないが水着回は遠いのか
冬で大人数なら鍋しかないな
421
:
◆vC.kHTi4RE
:2015/08/01(土) 17:09:26 ID:/Iu/0X8U
竜娘『ほ、本日はお日柄も良く……』
勇者『……何なんだ。頭下げて』
竜娘『勇者様相手に失礼を働く訳には……』
勇者『いいよ、別に……。魔王がすぐ側にいる時点で失礼なのに』
魔王『おい』
勇者『にしても、君もこっち側なんだな』
竜娘『ええと、竜は竜騎士の……』
勇者『竜なのか!』
竜娘『はい!一応!』
勇者『すごいな……!人の姿になれるのか……!』
魔王『ふむ、竜よ。折角だ、竜の姿になってやっては』
幼竜「クルル……」
魔王『どう、だ……。早いぞ……』
勇者『かっこいいな……!』
幼竜「キュ♪」
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