【カオスは】メリィさんの小部屋【永久に不滅です】 - 1340379107

680：首輪付き：2014/01/16(木) 00:07:23 ID:tH9BDnI20: AMS外伝　～If stories～
　　「偉大なる兵士、結城悠里の華麗なる日常」
　　　　Episode 01 首輪付き

座っている椅子に深く座り直し、背もたれを倒しながら大きく伸びをする。
体の固さをとりつつ、気分を変えるために懐からタバコを出し火をつける。
それにしても、見れば見るほど見事な迷彩だと感心する。
見たかぎり、カメレオンのように自分の体毛を植物に擬態させているようだ。
これが室内でなく、森や山の中であればどんな歴戦の兵士であっても気づけない･･････そんなレベルである。

僕が見破れたのも普段使っている自室、という理由が大きい。
そうでなければ気づけなかったに違いない。
あえて気づかれる危険を犯してまで、ここに侵入するということは、
この生命体の目的は僕の自室、ないし僕自身にあると予想できる。

僕個人を標的に狙う、というのは普段であれば身に覚えがありすぎるが
生憎、このような毛むくじゃらの不思議生命体との接点はなかったと断言できる。
そう考えれば、この部屋自体に用があると仮定した場合は･･････これまた困ったことになる。

なにしろ、この部屋には大した物がない。
自分で言ってて悲しくなってくるが、ある物といえば
「机」「ロッカー」「パソコン」「観葉植物」ぐらいである。
ロッカーの中身は着替えだけだし、パソコンにはそれなりの情報もまとめているが
外に見られても大して痛くない情報しかない。

そこで改めてガルシアに拾われた経緯を思い出してみる。
あれは事故、もしくは何かと戦闘になって撃墜された･･････その直ぐ後に僕らと出会ったはずだ。
自身の生命を対価に、RHSの内情を探る･･････そんな考えは当然却下である。
なにしろリスクが大きすぎる上に、設立したてのRHSを探るメリットが見当たらない。
今は人手不足なので、よっぽどな人物でなければ、即採用していることからも明白である。

そこまで考えて、ほとんど吸っていなかったタバコを吹かす。
そもそも、知的生命体かどうかも怪しい生き物である。
考えても仕方ないと結論づけるしかない。

この部屋に入って4時間程度作業しているが、その間、何度も僕を襲える機会はあったはず。
なのに、いまだ何らアクションを起こしてないということは
直ぐに危害を加えるつもりもないのだろう。

そうなるとちょっとしたイタズラをしてみたくなってきた。
見たことも聞いたこともない生き物･･････そんなものが隠れて僕の部屋にいる。
今なら何かイタズラしても、ガルシア達にバレることもないだろう。
これほど都合の良いタイミングは、今後二度と来ないかもしれない。

思い立ったが吉日、という言葉もある。
まずは･･････水でもあげてみようかな。観葉植物だから、水をあげても不自然にならないし。