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【御機嫌よう市民】能力者スレ 置きレス用【義務は果たしましたか】

1 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/01(日) 18:27:07 ps78HVWA0
ようこそ、能力者たちの世界へ。
この世界は、数多の能力者たちが住まう世界。

こちらは置きレス用のロールスレです。
リアルタイムの進行が難しい時などにゆっくり使用できます。
混乱を防ぐため、なるべく最初から置きレス進行になる場合のみご活用ください。
時間軸は開始時・終了時など、当人同士で相談し合うとスムーズになります。
次スレは>>950の方が立ててください。


2 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/01(日) 18:41:16 32jZs6j.0
>>1乙です。今日も私は幸福です。


3 : タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk :2018/04/01(日) 21:11:15 ZCHlt7mo0
>>1乙!

>>前973

はーいはい、リラックスしてくださいねー。そんなに体ぁ強張らせないで、ゆったりと、あるがまま――――受け入れて
(なーんて、無理でしょうけどね……。ましてこの娘、下手したら生娘ですもんねぇ? こういうの、本格的に慣れてないんでしょ?)

【ニマニマと、優越感がそのまま顔に張り付いている様な、何とも悪い笑顔をイーレイは浮かべる】
【戸惑いながらも、完全に快感に流されて上気していく鵺の様子が見て取れる。掌からの微弱な電磁波は、鵺の体に甘く染み渡る】
【緩み、解けて、溶けていく。まるで自身の体が、とろりとしたミルクの様になって行く様な――――恐らく、そんな感覚に酔い痴れているのだろう】
【――――この手の感覚をまるで知らないらしい鵺にとっては、耐えると言う事も出来るかどうか怪しいだろう――――というか、出来ていない事が丸わかりだ】

(――――あぁ、好了(たまんない)……! 私の手で、みんなが甘く啼いて悦ぶの――――こみ上げてきて、たまんないわ……!)

【鵺の背面、そして脚を電気と共に撫でまわしながら、当のイーレイ自身も陶然とした表情で、熱い溜息を吐く】
【――――こうして自らの手で患者を悶えさせる事は、イーレイにとって、抗いがたい背徳の愉しみだった】
【身の内がゾクゾクと慄き、胸はドキドキと早鐘を打ち、丹田がジクジクと熱くなる――――まるで、酒に酔う様な陶酔と愉悦】
【さながら自分自身が愛撫を受けているかの如く、眉をたわめた表情で、湿り気のある熱い吐息を零した――――】



――――はい、お疲れさまでしたー! どうかしら鵺ちゃん、大分気持ち良かったでしょ? 疲れも取れたでしょうし……って、それはこれからですかね
とりあえず、これ――――なるべく、水分補給ね。折角血の巡りが良くなってるんだから、一杯腎臓に働いてもらって、疲れの元を浄化してもらっちゃいなさい
あぁあと、今日は特別サービスだから、お代は結構よ? 気に入ってくれたなら、また今度からね?
大丈夫よ、お金はお金持ちから頂けば十分なんだから、鵺ちゃんはそこのところ、気にしなくてもねぇ?

【――――余計な『おまけ』までを含めたマッサージを終えて、イーレイはようやく鵺を解放する】
【これもわざとなのだろうが、イーレイの言葉は、あくまで医者として、事務的な確認をしているという体のもので】
【恐らくは骨抜きになっているであろう鵺と対照的に、ハキハキとした調子を心がけている様だった】
【――――とはいえ、本人もどさくさに紛れて楽しんでいたので、その言葉は若干テンションの高い物になっていたが――――】

【用意したミネラルウォーターのボトルを、鵺の枕元にそっと宛がう。そして「お金は取らない」とあっさり口にして】
【「お金はお金持ちから頂けば良い」――――恐らく、冗談でも何でもなく、その通りなのだろう。こうした小さな店でも堅実に運営されているのは】
【偏に、イーレイの腕が立ち、この「若干グレーなサービス」で、高いリピート率を獲得しているからに、他ならないのだ】
【何やら只者ではない鵺とは、なるべく繋がりを持っておきたい。その為の今回のマッサージだったのだろう――――決して、ただ楽しみたかっただけ、では無い――――筈】


4 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/01(日) 21:24:26 TTyxfThg0
>>1乙です!!
前スレ>>996 カチューシャさんへ

【膝をついて、その刹那に見えた空に白い鳥飛んでいるように見えた。】
【多分それは幻想。幻想なんだろう。それでいい。あの鳥がいると思うだけで。】
【俺は祈る。祈りだけで俺は自由になれる】

【彼女の疑問に答えることはできない。俺はあのとき見えた鳥がどこか遠くへ…】
【遠くへと消えていくその光景に見とれていた。俺の目に映る幻覚。】
【薬の効果は切れ、次第に副作用が襲うだろう。血が渇いていく。】
【全てがもとの世界へと連れて帰ろうとする。俺はなぜ…】
【彼女は何故戦うんだろう。】

さようなら、カチューシャ。もう、会えないかもしれないけど。
また、会うときは傷つける必要がない場所で…君の好きな歌でも聞かせてくれ
俺を追いかけてみろ、君はそういう性分じゃないかもしれないけど
そして…

愛をこめて、祈るんだ

【その言葉をかけるときにはもう、彼女はいないのだろう。】
【届いてくれよ。ハートを撃ち抜いたんだろ?男は少し笑った。】

【程なくして、なんとか動けるようになってから男は立ち上がる】
【血だらけで、具合が悪い。バットトリップしてしまう前に帰ろう】
【リボルバーだけ回収して…あとのものはいい。どうせ、ツラは割れている】
【だが、息絶えた奴らの身分証かなんかを暴いて次のターゲットを探すのは】
【プロとして忘れない。適当にすませる。矛盾してる?うるせえ】

【内ポケットからタバコの潰れた箱を取り出した。血のこびりついた指で】
【それに火をつける。タバコの煙が俺の日常だ。この世界に変わらないという】
【優しさを彼に与える。じゃあな、カチューシャ。吸い殻を投げ捨てる】

【その後はどうしよう。電話を、公衆電話を探そう。】
【なかなか見つからないかもしれないけど。番号はうろ覚えだから】
【間違っているかもしれないけど、彼女の声が聞きたかった】
【つながらないかもしれないけど、かけてみよう。何年かぶりに聞かなくちゃ】

…俺さ、今どこだろう。

/〆です!!!お疲れ様でした!!


5 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/01(日) 21:27:46 32jZs6j.0
前スレ999

【────自分の怒り。個人的な感情。それで動くミラは確かに自分勝手なのかもしれない】
【感情が沸騰した。一体何のためにこんなことをしているのか、一瞬その全てが吹き飛んだ】
【死ななくてはならないと考えていたはずだった。必要であれば単にそうするだけだと思っていたはずだった】

【それでも無関係に見えてしまった相手には、そう見えた相手だからこそ、怒りがこみ上げてくる】
【自分勝手ならば、同じだった。この青年だってそうだった。単にそうしたかったことをして、”こうなって”いた】
【その責任を取ろうとしていたはずだったが、そんなことはもう不可能で、どうしようもなくて、だから】


お前に何が…………────っ!!


【分かるのか、と。そう言いかけた。本当のところでは、分かっているはずだった】
【目の前の女の言うことは全て正しかった。彼女は壊れてしまって、あの二人は死んではいなかった】

【そしてそうであったとしても同じだ。彼女を刀で切り裂き、銃で撃ち抜いたことと、この亜人が殺そうとしてくること】
【同じことをしているだけだ。ただ、立場がひっくり返っているだけで】
【だから、分かるのか、などとは言えなかった。頭のどこかでは、分かっていた】

【そして続いた女の言葉は、再び精神を打ちのめしてきた】


────…………そ、それは


【誰かを頼る。そんな考えは微塵も、七年経った今でも、思い当たらなかった】
【全て自分で解決しなくてはならない、なんて考えでさえない。ミラの言う通り、”他の誰か”など居ない、としていた】
【人間なのだから、と。その言葉の重みを、真に理解することは難しかった】

【────機械人形は自動ではない。動揺は、技師の手を止めていた】
【触腕の一つを引き裂くことには成功した。いくら蹴られても、巨躯との質量差がダメージを小さくする】

【だが頸関節への射撃は別だ。どうしても他より装甲が薄い部分への攻撃は確かに通った】
【配線が引きちぎれる度に火花が散る。何度も何度も金属の激突音が反響する】

【射撃を数度も受けてからやっと人形が動作を再開する。巨大な拳を振りかぶって、ミラの腹部へと打ち込もうとする】
【単純な攻撃だが破壊力は余りある。打ち込む動作は早いが振りかぶるのは決して早くない。身体を捻るなりすれば、あるいは】
【未だに肩は掴んだままだ。その点は考慮する必要があるだろう】


6 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/01(日) 21:33:55 jD3Ux1V.0
>>3

【頭のてっぺんからつま先まで、きっちり溶けてしまったかの様に】
【鉄板の上で溶けるバターのように、神経がぐずぐずのとろとろになってしまう】
【漏れる漏れる甘い呼気、可憐な少女に何処か色艶が混じる】


ゃぁ……!!ふぁ、ぅむ……んぅ───!!
らめ、らっ……きもひいぃの、とまんないっ……よっ
そんらに、なでられたら……ぁっ、ぬえね、ぬえ……

いーねぇのことしか……ぁ!……考えられなくぅ、らるの……




【────】




【くてーん、とか、とろーん、とかそう形容するのが相応しい】
【すっかり、放心状態の小娘、殆ど上の空でイーレイの話を聞いて】
【時折思い出したかのようにへろへろの相槌を打って】

【───頬にペットボトルを当てる、ちべたっ、と声が撥ねた】



ぁぅ……まだ、体の奥が……じんじんしますっ……
なんか、もう、凄くてですね───夢見心地、というか、至福というか
───もぅ、普通の生活に、戻れなくなっちゃいそうです


【気怠げに身体を起こし、つーっとイーレイにもたれかかる】
【顎を軽く当てて、じいっと上目で見つめる鵺、心做しか色気が出てきて】
【蜂蜜色の目尻に艶やかな潤いが満ちて、吐息が甘く交錯する】

【自分で自分の素肌をなぞって、どこか物足りなそうにしたら】
【指先を口元に溶かして、物憂げな赤子の様にぺろぺろと舐めて】
【お預けを食らった仔犬のように、くぅーんとないた】


ねぇ、ねぇね、イー姉……


【  ───”また来ても、良いかな?”───  】


【言葉のとおり、ちまちま間を見つけては、鵺は施術に通うだろう】
【その時の彼女は、普段の天真爛漫な様子とは違った、少し大人びた様子で】
【イケない遊びを覚えてしまった少女の様に、其の快楽を貪る】

【───その間に口の軽い鵺の事だから、色々ばらすかも知れないけど】
【それはまた、別のお話だろう】


/こんなところでしょうか!お疲れ様でした!


7 : ◆zuR4sSM1aA :2018/04/01(日) 21:34:51 0jLFl.bY0
前スレ>>995


「そんな奴に塗ってやる薬はない、何なら殺したほうがよっぽど良いんじゃないか」


【先程までの大きな態度とは一転、負け惜しみを言うような感じであり】
【此れには流石に呆れざるを得ないといったような、そんな表情を浮かべて】
【冗談めかしく言ったつもりだったが、当の本人は正面から受け取ってしまったようで】


『やっ、やめてくれェ!!殺すの、殺すのだけはどうか勘弁を……』
『ってちょっ、ちょっと待ってくれ!まさか此処の権利書を探りだすつもりじゃ……』


【男は顔を真っ青にして、醜い命乞いをする】
【が、彼の千里眼によって事務所が見つけられると今度はそれを取らないでと乞う】
【本当に醜い男だ、命を張ってでも守ろうとしないものか】


「ほう、何をくれるのか気になるな。少しは良いものだと良いのだが」
「──ああ、さっきのは私の能力というより魔術だ。単純な複合属性の魔術さ」


【自慢気にするわけでもなく、さも当然のように彼へそう話すと】
【足並みを揃えて事務所に突撃することだろう、権利書探しの始まりだ】


8 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/01(日) 21:41:05 jD3Ux1V.0
>>7

【御船は男を一瞥し、奥の事務所に移動するだろう】
【乱雑に大量の資料が置かれた部屋であるが、御船は難なく目的の書類を探し出していく】
【まるで住み慣れた部屋を掃除する様に】


ふむ、美しい研究者どのには、お金よりも魅力的なものは山ほどあるだろうけど
なかなかどうして、このカジノにはそんなものは無さそうだけどね
あるのは権利書だとか、現金だとか、僕らの様な公務員にはそれなりに価値があるんだけど

───"魔術"か、そいつは驚きだ、今の世界に完璧な魔術を行使できる人間がいるなんて
僕も仕事柄多くの異能者に会ってきたが、貴方程の魔術師は見た事ないな
カノッサ機関の人間は、つくづくとんでもない連中だと思い知らされるよ


【饒舌に喋りながら、目的の書類を山積みしていくだろう】
【何か気に入るのがあるかな、なんて声をかけながら】


9 : タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk :2018/04/01(日) 21:56:00 ZCHlt7mo0
>>6

…………ッ
(ちょっとちょっと、なんて良い反応を返してくれるんでしょこの娘は! ここまで初心だと、こっちまでドキドキしてきちゃうじゃありませんか、まったくもう……!)

【半ば上の空と言った様子で言葉の漏れる鵺。その言葉は、思いがけずイーレイを昂らせていた】
【正にピンポイントでイーレイのテンションを上げる様な言葉に、思わず口元がニヤける】
【手から放たれる電気が、嬉しそうにチリチリと揺れていた――――】



うんうん、そう言ってもらえると、私もやった甲斐があったってもんですよ。折角良い身体してるんだから、労わってやりなさいな
ま、リフレッシュしてくれたなら良かったですねぇ……身体も、心もね?

【少しやり過ぎてしまったかとも思ったが、元のやり取りが帰ってきて、イーレイも治療の終了を実感する】
【腹の内で考えている事とは別に、鵺の体が良い物であるというのは本当だった。これで疲れてコンディションを落とす様なことがあれば、勿体ない】
【それは動きのポテンシャルという意味だけではなく、美という観点からもそうだった。血流の滞りは、代謝を阻害して、内臓の働きを悪くする】
【それは当然、外見にも徐々に表れてくるわけで――――まあ、男女ともに言える事だが、身体は大事にするべきなのである】

ん――――あらあらっ……――――勿論、構いやしないわよ。私の方は、いつだって大歓迎……またいらっしゃいな、鵺……あなたの好きな様に

【甘えるように、言い出しづらそうに、鵺はイーレイに問いかけてくる】
【――――心を捉えた。イーレイは胸中で勝利の叫びを上げながら、そっと鵺の耳元に囁く。また来なさい――――と】

【――――何か、面白い事が起こり始めている。鵺は間違いなく、その世界を覗き込むための、足掛かりになってくれるはず】
【是非とも、自分の手の届く範囲に縛り付けておきたい――――鵺の望むまま、イーレイは手腕の振るうのだ】
【己の望んだ、後ろ暗く不可思議な世界を、垣間見るために】

/乙でした。ありがとうございましたー!


10 : ◆zuR4sSM1aA :2018/04/01(日) 21:59:08 0jLFl.bY0
>>8

「魔術媒介になる宝石類とか貴金属もなさそうだな」
「現金主義が一番面白くない。あんな札束をひけらかしたところで、何にもならないだろう」


【彼が抜き出していく書類に目を通していたけれど】
【出てくるのは権利書やら現金だとか、魔術師には“一切”興味がないものばかり】
【宝石類や貴金属なら、魔力媒介として使えなくはないのだけど──】


「完璧じゃない、わたしが扱えるのはあくまで“属性の枠を超えない”魔術だ」
「だから、血を扱ったり人形を操ったりだとかはできない。僕も作れないしな」


【完璧と言われたとしても、やはり欠点を挙げれば切りがない】
【飽くまで一定の属性だけを含んだ魔術しか行使できないという制限がある】
【だからゴーレムなどと言った人形も作れないし、何かを僕にすることもできない】


「ああ、そうだそうだ。この雑居ビルの権利書はないか」
「一つやってみたい“実験”があるんだった」


【そこまで言えば、女は右ポケットから質素な煙草のパッケージを取り出す】
【底を叩いて器用に一本だけを咥えると、指先に火を灯して】
【昇る白煙は故障した火災報知機には感知されず、独特な麻草の香りを残して外へと吸いだされる】


11 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/01(日) 22:14:22 jD3Ux1V.0
>>10

【成程と相槌を打ちながら捜索の手を止める、大分成果は上がった様子で】
【煙草を吸い始めた様子の貴方を見て、唇の端を傾けた】


魔術師様は我々の様な者とは、見ているモノが違うようだね
現金主義も僕らの様な存在にとっては結構なものさ、あるにこした事は無い
現に僕がやってる捜索も、お金があれば人海戦術で何とかなる

属性という枠組みか、中々に興味深いところだけども
まあ、そもそもの理論すら僕には理解出来ない
故に僕にとって魔術は万能である、と思ったりもするんだ


【御船は捜索中に見つけた煙草を加えて、貴方に近づき】
【貴方の煙草から火を貰うように、煙草の先端を近づけようとするだろう】


権利書ね、之かな?ビル自体の権利書なら之でいい筈だよ
此処のカジノに関しては僕が貰っていっていいかな、捜査の助けにもなる
"魔防法"の事もあるしね、こういう犯罪の温床は潰していかないと


【ビルの権利書を手渡し、言葉を続けた】


12 : ◆zuR4sSM1aA :2018/04/01(日) 22:24:39 0jLFl.bY0
>>11

「金があって出来ることと、出来無いことはあるさ」
「君は金があって出来ること、わたしは金があってできないことをしているまで」


【彼が為そうとしていることは、金が沢山必要らしいが】
【女が為そうとしていることは、時間と実験が沢山必要だ】
【なるほど、金で事足りることと金で事足りないことの違いらしい】

【一般人から見れば魔術は万能だと──そう思われるのだろう】
【物語に出てくる魔法使いは、皆機転を利かせて勇者を救うものだ】
【しかし、自身はどうだろうか?世を壊そうとする、魔女のそれに違いあるまい】


「ふっ、間接煙草か。接吻なんかより、よっぽどマシだ」


【彼が煙草を咥えてその先端を此方に近づければ、女もそれに応じる】
【目を瞑って、恋情的に────。その様子を見ていた者がいるのならば、可笑しくも見えようが】
【科学的に言えば、熱エネルギーが移るだけ。でも、言葉に言い表せない感情もある】


「なら、此処のカジノは君に任せることにしよう」
「此処が確か4階だから、“3階は空けて”2階以下を“実験”に使わせてもらう」


【彼がこのカジノを手にしているのだから、それは当然であると】
【即ちこのビルは此方に、カジノはあちらに。契約は其のように結ばれた】
【「魔防法」という言葉に、一切の反応を示さず。女は白煙をくゆらせ続ける】


13 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/01(日) 22:34:16 jD3Ux1V.0
>>12

【聡明な女性だ、会話をしていてもそれが分かる】
【言葉の一つ一つが論理的であり、かつ系統的なものの考え方ができる】
【形而上学的な理論体系、おそらく女の魔術は非常に纏まったものなのだろう】


美人に火を貰うんだ、出来るだけ長く楽しませて貰わなければ
契約も成立だね、まぁ数日もすれば此処も空き室になるだろうけど
それにしても、通いの店を一つ潰しても、表情一つ変えないんだね

"機関"の研究員とは皆こういうものなのか、いや……
研究者とは往々にしてこういうもの、何だろうね
敵対してなくて良かったと思うよ、心の底から


【近くのテーブルに腰を預け、大きく煙を吸った】
【"敵対していない"と言った、仮にも警察側の人間である御船が】


───『公安』という組織を知っているかい


【それはさながらコーヒーブレイクの如く、紡ぐ音律に僅かなビターを混ぜた】


14 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/01(日) 22:36:07 ps78HVWA0
>>5
【怒りと涙で視界はぐちゃぐちゃだ。ろくに相手の顔も見えやしない】
【けれど機械人形が拳を振り上げるのは見えた。酷くスロウに。この距離じゃ避けることも無理だ】
【肩は掴まれてて動かないし、触腕があちこちの機械関節に絡みついている】
【引鉄を狂ったように弾き続けた。かちり、と音がして弾切れを報せる。クソ、と罵倒が流れる】

【────重々しい音を立て、ミラの腹に金属塊が打ち込まれた。嘔吐の音と】
【吐瀉物が地面に撒き散らされる音が響く。それでも、弱々しく引鉄は弾き続ける】
【かちり。かちり。かちり。物理世界に奇跡なんてない。無から有は生まれないし、時間は戻らない】
【ごぼりとまた嘔吐する。胃の中身なんて空だった。胃液ばかりが外に出て行く──喉が灼けるようだった】


…………人は、一人じゃ……生きられ、ねぇ
どんな……アウトローを気取ろうが…………群れから外れりゃ、狼だって死ぬんだ
一匹狼なんて、負け犬の別称──赤木、ぃ…………てめぇ、は……、どう、なんだ

ほんとう、に…………一人、だった、のか──?違う、はず…………だろう…………
獣も、ヒトも──群れて、生きる。……そりゃ、弱ぇから…………だ
てめぇは…………よぉ、赤木……。一人で生きれる、ほど──強、かった……のか…………?
そうじゃねぇ…………そうじゃねぇ、だろう──?
そうじゃねぇから────今、“こう”なってんだ


【触腕から力が抜ける。ダメージを負い過ぎた。幾ら亜人とはいえ】
【ノーガードで腹部に打撃を喰らうのはまずかった。吐き気がまた込み上げて来る。手に持つ銃ですら、酷く重かった】
【触腕が自身の重みに負け、機械人形から滑り落ちる。一本、二本。だが、最後の触腕が落ちる寸前で──縋る】
【まだ諦めるつもりはないと。いつしか擬態の解けた金色の目で、赤木を睨みつける】

【落ちなかった最後の一本。其れが、脆くなった頸関節へと這う。そして馬鹿の一つ覚えのように締め上げ】
【人形の頭部を引き千切ろうとするのだ。時間を置けば置くほど、頸関節へと向かう触腕の本数は増えていく】
【腹部へのダメージが大きかったせいか。一本一本の触腕の膂力は最初と比べると弱い】
【それでも、それがいくつも重なれば。一点に集中させれば────】
【合わさる力は、先刻の其れを遥かに凌ぐ。問題は、彼と機械人形がそれを許すか。それだけだった】


15 : ◆RqRnviRidE :2018/04/01(日) 22:39:34 rtij9Twk0
/>>1乙です

>>前1000

【路地裏、夕刻、赤い液体──シチュエーションによっては危険極まりないこの状況。だが】
【目の前の天真爛漫な幼子の様子に、警戒もいくらか綻び、少女はくすりと微笑を零すだろう】

ふふ──、……だあれも怪我してないから大丈夫、なの
だからね、お医者様にかかる必要もないのよ。切ったり縫ったりしなくて、いいの

──あとね、メスっていうのは手袋じゃないのよ。ほら、見ていて?

【相手の目線に合わせるように腰を屈めて、うっすら口許に笑みを湛えながら幼子を和めようとしつつ】
【押さえていた帽子から手を離し、何かを描くように人差し指で宙をなぞっていく】

【指先からはきらりと海色の魔力が溢れ、なぞった箇所が薄青にぼんやり光り、小さな卵形となり形を変え】
【瞬く間に完成したのは、柄が扁平な小型の刃物の形状──医療用のメスに近い形のそれだった】
【クオリティは申し分ない。うっかり刃先に触れてしまえば、それこそさっくりと切れてしまいそうなほど】

うん、──ふふ、心配してくれてありがとうなの
せっかく飲んでたのに全部こぼしちゃって……それでがっかりしてたの、だけど……

……なくなっちゃったら、また手に入れればいいもの。ね
ねえ、それを頂戴? あなたにも特別に分けたげる……なの

【少女はそう言って薄く微笑む。弾けるような笑顔の幼子と比べてどこか希薄ではあったが、確かに笑って】
【相手に手のひらを差し出し、拾い上げたトマトジュース缶をこちらへ渡すようにと促した】
【缶が渡されない場合でも、着いてきて、と少女は歩き始めるだろう。──目的地は表通りの自動販売機である】


16 : ◆zuR4sSM1aA :2018/04/01(日) 22:39:51 0jLFl.bY0
>>13

「此処が潰されれば、別の賭場を探すまでだ。何なら作ってもいいけどな」


【敵対してなくてよかった──警察に居る立場の人間から聞く言葉か】
【普段は聞くはずないのだろうが、“今は”そうとも限らない】
【罠かもしれないが、そう想うのは野暮ったい。彼の話に耳を傾けることにして】


「ああ、今世間を大きく──今となってはそうでもないか」
「例の事件に関わりを持つ組織、そして警察を監視するための組織だろう」


【公安一課長、エースとも称された人間が逮捕された】
【事件にメディアも市民も盛り上がりを見せたが、魔防法にそれを攫われて】
【今となっては、見向きもされていないような組織に見えてしまうのだけれど】


17 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/01(日) 22:51:05 jD3Ux1V.0
>>16

【ふぅと、大きく息を吐いて、話が早い、と言葉を足した】


その通り、僕らからすれば同業者のようで同業者でなくて
何というか煩わしい身内という表現が、正しいかな
まあそこは良いんだ、最終的な目的地が一緒であるなら


【───"でもね"】


君ぐらいの研究員なら知ってると思うけど、"機関"と"公安"の一部は繋がっている
其の関わりの中に僕ら"警察"も入っている、此方は更に一部だけども


【白煙の中にサングラスが浮かぶ、とんとん、とテーブルを軽く叩いて】



……どうやら、"公安"の中にその繋がりに気づいた人間がいる
『セレンディピター』でも対峙したよ、不覚は取ったけどね
研究畑の人間に言うのはお門違いかもしれないが───




───気をつけてくれ、美人が傷付くのはいつだって悲しい
君達は貴重なんだ、僕の眼は美しいものを本当に美しく捉えることが出来る
其れは誰よりも、そう───誰よりも、優れた眼を持つ僕の特権さ


【互いの距離を縮める、貴女を上から見下ろしながら】
【すっと跪いて、貴女の手を取り、その甲に接吻しようとするだろう】
【クイーンに傅く騎士のように其の姿は凄絶に】


18 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/01(日) 22:54:41 32jZs6j.0
>>14

【女の言葉に、青年は何も言い返すことができなかった】
【一人で何もかもを解決しようとして、失敗して、結果が訪れた。何一つとして間違っていない】
【本当に、本当に何も違わない。完全な正論だった。どうしようもないほどに】


…………なら、一体俺は、どうすれば……


【それは最早、問いかけでさえなかった。どうしようもない”今”を、嘆くだけのものだった】
【その手はもう動かない。触腕が重なり合い、頸に力がかかる。銃弾によって脆くなっていたそれは】
【抵抗もしなかったせいで、ついぞ、へし折られることとなった】


………………また、セオドアにどやされるな


【腕を払う。機械人形の足元に魔法陣が現れて、人形の姿が消える】
【残ったのは亜人と非力な人間だけ。だが、人間の方には最早戦う意欲はなかった】
【そもそも、初めから無意味な八つ当たりに過ぎない。今更にそれに気がついた】

【前へと一歩を進める。二歩、三歩と続ける】
【壁際にいる亜人の元まで、歩いていく。近づいたところで、何をするでもないのだが】


19 : 名無しさん :2018/04/01(日) 23:00:57 KQ0u3BTA0
>>15

ならね、良かったわ! だってね、麻酔ってね、死んじゃうかもしれないってね、テレビで言ってたわ、なの!
それにね――切ったらね、縫わなきゃよ! 塗ったらね、バッシって言うね、こわぁいやつ……するんだってっ!
――あのね、あのねっ、お裁縫のね、糸! 引っ張ったらね、ぐうーってなるのよ。だからね、きっとね、すっごく痛いの――。

【けが人はいない。重病人も重傷者も居ない。トリアージの必要はもちろんなくって、なら、ひどく平和】
【やがて相手が見ていて……と言うなら、幼子はその元から丸い目をもっとずっと真ん丸に。それこそ卵みたいにまあるく、まあるく、見つめるだろう】

わ――! すごいっ、お姉ちゃんね、とってもね、上手ね!
だけどね、私もね、ちょこっとだけならできるのよ、あのね、"お姉ちゃん"にね、教えてもらうの!

【それで――巧みに作り上げられたものに、感嘆の声を挙げる。すごいすごいと繰り返して、目をキラキラにする、真夏の青空よりも、ずっと、鮮やかに】
【それから少し得意げに目を閉じるのだ、胸を張って……じぶんだってそういうことができるんだから、と、まけずぎらいみたいに、アピールする】
【祈るよりも拙く。握りこぶしをもう片方の手で包み込むようにして――刹那魔力を籠める。それからふわっと開くのだ、見せつけるみたいに】
【そうすればそこからは"はたはた"と音もなく、大きな――幼子の顔くらいの――光で形作られた、魔力の蛾が舞い上がる】

あう……それね、あのね、悲しいってね、分かるよ! 私もね、あのね、棒のね、アイス――この前ね、落としちゃったの!
えーって思ってね、だけどね、アリさんが喜ぶからって思ったんだけど……トマトのジュースってね、アリさん、喜ぶのかなぁ?
でもね、きっとね、誰かが喜ぶよ! ……えーとね、トマト大好きなね、アリさんとか!

――あ、これね! 私はね、今はね、要らないわ! 缶蹴りとかね、好きだけど……。

【せっかく飲んでいたのに落としてしまった。聞かされた事実に幼子はとたんにしょんぼりと悲し気にする、相手の気持ちに同調してしまうみたいに】
【自分もアイスを落としてしまったことがあるのだと。それでも何かいいこと探しをするのは癖なのかもしれなかった、トマト大好きなアリ……多分いないけど】
【相手がやがて缶を手渡すよう促せば、幼子はおとなしく渡す。「二人じゃね、ちょっとね、寂しいわ!」と口にして、付いてきて……と求められれば、疑うことなく、付いていくのだ】


20 : ◆zuR4sSM1aA :2018/04/01(日) 23:03:32 0jLFl.bY0
>>17

「そりゃあ煩わしいだろうな、随分威張っていたと聞いたが」
「──それは聞いた。機関と、公安の一部が組んでいるんだろう」

【公安と機関は、どこかで組んでいるという話だった】
【魔防法を提案したのも、“此方”ではない方だということもわかっていて──】
【即ち“黒幕”の方であると、そう踏んでいたのだが】


「その気づいた奴って、もしかして背の小さい“公安3課”を名乗る奴か……?」


【先日まで浮いていた例の船で、彼は公安の人物と接触したという】
【そういえば、懇意にしている“ブラスフェミア”から公安の人物については聞いていた】
【それにジルベールから聞いた公安の関係図からみて──そう推測したまでだが】


「ふっ、君の審美眼はたしかに素晴らしい。真に価値あるものを見抜く力がある」
「でも決してその接吻をばら撒くべきじゃない。一つでも、踏み外せば──」


【終わり、だと。それだけを伝えれば、彼に接吻された甲を見て】
【彼の頬に接吻を返してやるだろう──無論恋情を含むものではなく、仕返しの意を込めて】
【でも、その表情は意地悪なそれではなく、何か後ろめたいものを含めた────そんなものだった】

【嗚呼、何かが疼く。身体の中で、何かが蠢く感触がする】
【湧き出る吐き気を抑えて、彼に向けて微笑んでから随分短くなった煙草を携帯灰皿に放り込む】
【それが窒息するとともに、疼きは随分おさまってきていた────】


21 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/01(日) 23:12:18 jD3Ux1V.0
>>20

【───寸刻、驚愕の表情が漏れた、ニヒルな雰囲気の彼に似合わない様子で】
【けれども其れは、夕闇が見せた幻が如く、屹立する一音にもならないが】


ああ、その通り───驚いたな、最近の研究員はフィールドワークもするのか
名前も割れているよ"鵺"───変な格好をした小娘だが、中々奇妙な技を使う
まぁでも、一体一ならどうってことは無い相手さ───


【再びの驚愕、頬にされた接吻に、大きく息を飲んだ】
【唇の跡に熱が残る、暫し呆然と、するだろう】
【そして、電源がはいったように、声をかける】


意外と大胆なんだね、驚いたよ、こういうのは僕の専売特許だと思ってたが
悪くない───本当に、悪い気はしない、寧ろいい気持ちなんだけど
あんまり、されるのは経験が無くって、少し、言葉に困るんだ

でも、ありがとう、忠告も受け取る事にしよう


【Crimsonの異変には気づかない、その深奥を覗くには未だ淡く】
【調子が外れたな、と自嘲気味に笑う】


さて、そろそろ出ることにしよう、用も済んだことだ
エスコートするよ女神様、確かに君は幸運の女神だった様だ


【御船はCrimsonの腰に手を回す、最初にファロの卓へ向かったように】
【行きと帰りで大きな違いはない、すこしは互いの距離が近づいたぐらい】
【───その目に貴女をしっかりと、映しながら】


/こんなところでしょうか!お疲れ様でしたー!


22 : ◆zuR4sSM1aA :2018/04/01(日) 23:20:32 0jLFl.bY0
>>21

「研究会と言ってほしいな。懇意にしてる研究者から聞いてるんだ」


【ふむ、これでようやく“公安3課”の人物の正体が分かった】
【その人物の名は“鵺”、奇抜な服装の小娘で、なかなか奇妙な業を使う】
【メモを取ることもせず、脳内に覚えこませておいて】


「ふっ、此れくらい大胆じゃないと研究者は務まらないさ」
「攻めだけじゃなく、受けも経験しておくと良い。でなけりゃ、窮地に追い込まれてからどうすればいいか分からないからな」


【接吻をしてからも、少々頬を赤らめた程度の表情に戻っているだろう】
【異変も一瞬で収まった為に、何かの体調不良であると認識させて】


「感謝するよ、“騎士様”。これからも幸運が続けば良いんだけどな」


【安堵したかのような笑いと共に、エスコートされて賭場を去る】
【近づいた距離と、顔と顔。意識はせずとも、無意識は分かってくれていた】
【──感情の昂ぶりに応じて、魔術の行使に応じて。その異変が高まっていく、そのことさえも】

//こちらこそありがとうございました!


23 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/01(日) 23:24:06 ps78HVWA0
>>18
【機械人形の頸が折られる。喜びは薄い。当然だ、やることはまだ残っているのだから】
【自身を壁へと押し当てていた機械人形が消え、ずるずると地面に崩れ落ちる】
【あまりの貧弱さに驚いた。腹を殴られただけで、こうも足に力が入らなくなるものなのか】

【ポケットの中に雑に手を突っ込む。適当な数だけ弾を掴み出し、銃に込める】
【こぼれ落ちたいくつかが、地面と擦れて金属音を立てる。──こぼれ落ちる、か】
【ふ、と小さくミラは嗤った。この弾丸のように、世界では何かが選ばれて】
【あるいは、選ばれずに消えていく。まるで今の状況そのものだった】


…………どうしようもねぇ。もう、どうしようもねぇんだよ、赤木

あいつは壊れた。時間の列車から滑り落ちて、あとは駅舎で列車を眺めるだけの存在だ
お前に出来ることは────もう、何にもねぇ


【力無く銃を構え、赤木へと向ける。すっかりと擬態は解け、本来の亞人の姿へと戻っていた】
【だがそんなことは大した問題じゃあない。まだ、終わっていない。まだ──“約束”を果たせていない】
【引鉄に、指をかける。地面に崩れ落ちている自分と、立っている彼】
【一体どっちがこれから死ぬのか。それとも生きるのか。そんなことはさっぱり分からなかった】


24 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/01(日) 23:49:53 32jZs6j.0
>>23

【かつん、かつん────足音が静かな路地裏に響く】
【銃を向けられていることはお構いなしに、青年は女の前まで行き、そこで屈んだ】
【煙水晶の瞳には小さくない絶望が広がっていた。だが、それだけでもなかった】


………………思ったよりきついね、それは
何か出来るんじゃないかって、そう、思ってたよ


【それは、彼の本心だった。自分は自惚れていたという、自供だった】
【腰のホルスターから銃を引き抜く。セイフティを手早く外して、銃口を向けて引き金に指をかける】
【手慣れた様子だった。銃の扱いは、実際、慣れていた】


…………死んでもいい。お前に殺されてもいい
けど、条件がある。他にもやらなくちゃいけないことがある
それはレヴォルツィオーンを止めるってことと、麻季音ちゃんの手助けをするってこと
どっちも鈴音とは無関係だけど、片方は約束で、もう片方は俺の償いの一つだ


【ここに来て、彼は条件を突きつけていた】
【勿論、それだけではミラに聞く理由はないだろう。だが】


ここでお前が俺を撃てば、俺もお前を撃つ
相打ちだ…………それは、約束を果たしたことになると思う?


【冷静な────いや、冷酷な声だった】
【つまり、赤木はこう言っていた。約束を果たしたと、彼女に言いたいのなら見逃せ、と】
【卑怯な手段ではあった。相手の感情を利用するような────だが、自分勝手はお互い様だ】


25 : ◆RqRnviRidE :2018/04/01(日) 23:54:18 rtij9Twk0
>>19

【痛いのは嫌だものね──とふたつ頷き、そうして祈りを込めるような幼子を見留めれば】
【産み出される光輝の蛾にそっと目を見開いて、はあ、と見とれたように溜め息をひとつ】
【同時に魔力で形成されたメスは音もなく霧散し、路地裏の淀んだ空気を少しだけ浚うだろう】

あなたも──すごいのね、魔力でこんなにできるなんて、すごく素敵なの
教えてもらう、……ってことは、その“お姉ちゃん”は能力の先生なのね?

まだちっちゃいのに、すごいなの……あなたの才能かしら?

【ふわりと舞う光の蛾を眺めて、凡そ年相応とは思えない高い技術に、少女は称賛の言葉を贈る】
【共に魔力を扱う者同士ということで感銘を受けたのだろう、暫しその煌めきを見つめて】

んんと……、アリさんも喜ぶかもしれないし……
そしたら、……トマト好きなひとがいれば、多分きっと喜ぶなの。じゃあ大丈夫ね。

【落としたものでもきっと誰かが喜ぶと聞き、大分飛躍したポジティブな解釈となった】
【……恐らく地面に溢したジュースで喜ぶ者はかなり稀なケースだろう】

【そうして「ありがとう」と缶を受けとり、表通りの自販機の前へ到着すれば、】

──ね、どれがいい、……なの?

【好きな飲み物を選んで、と幼子へ尋ねる。だからとてポケットから財布か何かを取り出す様子はなく、】
【寧ろその両手は空になった缶を握って。先ほど見せたような、海色の魔力を缶に纏わせていく】

【──因みに、自動販売機の商品ラインナップはそれなりに多岐にわたる】
【時間帯によっては人が混む通りだ。ある程度ニーズに応えられるよう品数が多いらしい】


26 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/02(月) 00:22:39 ps78HVWA0
>>24
【ち、と舌打ちを一つ。面倒だ──嗚呼、本当に】
【麻季音の手伝い。そういえば、前に会った時にそんなことを言っていた】
【やることがあるとも。…………また怒りがふつふつと湧いて出るが】
【もう正直、戦うだけの力はない。あの機械人形がまた出てくれば】
【その時は本当に、命を落とすだろう──“彼”との約束を、果たさないまま】


…………クソムカつくが、呑んでやる。いいか、…………これは、譲歩だ
だがな、赤木怜司。…………これから言うことは、絶対に、守れ

ひとつ──UTには、……鈴音の側には、近付くんじゃあ、ねぇ
麻季音との作業は、他所でやるこった…………
名前ひとつ、鈴音が聞きつければ──
──その時はあたしが、てめぇを見つけ出して、殺す

ひとつ──その、やることっつうのがが終わったら…………今度こそあたしが、てめぇを殺す
だから…………きっちり、殺されに……あたしの前に戻ってこい

ひとつ────忘れる、な。鈴音は…………鈴音にだって、やりたいことが、あった
そのやりたいことを──やりたかったことを、てめぇは全部、ぶっ壊したんだ
鈴音は…………覚悟を決める時間も、納得して前に進むだけの時間も貰えねぇまま
てめぇのせいで、ある日いきなり──時間が、止まったんだ

本当なら……こんな“猶予”を、てめぇにやるのだって…………腹がたつ
てめぇが鈴音にはやらなかった時間。それを、てめぇは欲している
そのことを──絶対に、忘れるな。自分だけが、楽になろうとしている。その、事実を……な


………………分かったんなら、さっさと消えろ

それか気が変わって、撃たれてぇんなら──遠慮なく、ぶっ殺してやるから、よぉ


【銃はまだ下ろさない。引鉄にだってまだ指をかけていた】
【口にしたのは譲歩の言葉。だが、いずれ彼を殺すという宣言でもあった】

【そして思い出したかのように、ミラはポケットから“指輪”を取り出す】
【「持ってけ、通信が暗号化される」「麻季音の通信網が出来上がるまでのツナギだ」】
【魔石で出来た、簡素な指輪。なにやら術式が込められているらしいが、その詳細は彼女に聞いても分からない】
【勝手に受け取れとばかりに“指輪”を地面に置いて、彼の返事を待つのだ】
【ひとつでもノーと言えば──即座に、撃つつもりで。実際、彼がノーと言えば自分のことなど構わずに撃つのだった】


27 : 名無しさん :2018/04/02(月) 00:31:43 KQ0u3BTA0
>>25

【「なの!」と元気な頷き、痛いのは嫌だ――自分も、他人も、痛くなくって、元気で、健康がいい】
【まるでおひさまの光で作られたみたいに暖かな蛾ははたりはたりとゆるく羽ばたきながら空へ空へ、そしてやがてうんと高い場所へ着けば】
【はらはらと――剥落してくる。美しい花が舞ってくるようにちらりちらりと踊って、やがて二人にも、かすかに舞い降り】

えー、でもね、あのね、お姉ちゃんはね、お姉ちゃんだよ! 先生じゃね、ないの!
あのねっ、才能ってね――よく分からないけど! 私ね、うんとね、上手よっ、ホントなんだからっ。

だってね――――、ふふ! 内緒よっ、なの!
――あのね、私ね、ファラエナって言うの! お姉ちゃんね、お名前ね、何かなーって。

【"お姉ちゃん"。その人物はどうやら先生ではない――そして、眼前の相手を姉と呼んだように、また、本当の姉妹でもないのだろう】
【ただ才能なのかと聞かれれば、よく分からないけどと前置き一つ、才能かは知らないけど――とにかく上手だよと誇る、なぜなら。告げようとした理由は】
【けれど、途絶えて――代わりにごまかすみたいに名前を伝える。相手へ、お姉ちゃんの名前も知りたいなって、あどけなく笑って】

うんっ、トマトだーいすきなね、ヒト! きっと喜ぶわ、トマトのジュースが落ちてるって!

【×落ちてる 〇地面にしみ込んでる】
【それで喜ぶの、多分、カブトムシとかそういうたぐいなのだ。カブトムシはトマトジュースに集らないから……そしてそれはたぶんカブトムシでも、なんでも、ないのだ】

えー! 私ね、あのね、お金ってね、ちゃんと持ってるんだけど……、でもねー、うーんとね!
あっ――! 私ね、これがいい! これがいいわっ、なんかねっ、入れ物がね、かわいいの! 

【――やがて自販機の前にたどり着く。何がいいと促されれば、お金は持っているんだけどね――と口にしながら、目は自販機へ、いろいろな品揃えは見ていて楽しいから】
【それで――そのうち見出すのだ、これ!と言って指さす、「味覚破壊ココア」って書いてある謎の代物。言葉通り、ディスプレイの缶は、なんかものっすごく、かわいらしく】
【文字自体もピンクでポップな感じであれだから――でも缶には同時に「一口で糖尿病待ったなし!」とか書いてあって、ぜったい、ぜったい、"""ヤバい"""】

【でも――幼子はまだ現実に気づいていないみたいに、頬っぺたをあかーくして、ニコニコ笑って――】


28 : 邪禍 ◆Heckemet8M :2018/04/02(月) 00:39:24 u1dxVMlM0
本スレ>>233

「ヒャハハハハ! よォーやく理解しィたよォーだな……」
「そォう! 俺様はれェーーッきとした悪魔! 消耗の都合でこォの姿なだァけ」

【自身の種族について信用してもらえたのと、相手が目を輝かせたことに対して気を良くした様子】
【悪そうな笑みを浮かべつつ、持っていたポスターを懐にしまう】

「まァ、俺様も又聞きだァから詳しくは知ィらねェ」
「混沌を齎す組織の内部が混沌と化ァしてるのは面白ェがよ」

「ほォう、実験台か。――ククッ、そォーいうのは必要な存在だァからな」
「逃ィげられただァけ良ォいじゃアねェーか、"魂"まァでもを縛りつゥけられてねェッてこォとだァろう?」

【まるで"自分もやったことある"から実験する側のアレコレも理解できる――そんな、口ぶり。】

「――残念だァが、俺様は"混沌の味方"でなァ。黒幕は潰すが、他はおォそらく潰さねェ……"円卓"側は詳しい状況を得次第になァるが」
「潰して欲ォしいなァら、俺様が機関を潰すメリットを教えろ。」

【少しばかりの真面目な表情。――似合わないのはともかくとして、意外にも"メリット"があれば潰さんこともないという言葉だ】
【その者にとってのメリットがどのようなものであるかは明言されていない】


29 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/02(月) 00:39:53 32jZs6j.0
>>26


…………分かった。どれも守る
お前に責められるのは今でもムカツクけど、譲歩には感謝するよ


【ミラの言ったことの全てに頷いて────それでも少しばかりの怒りがあるようだったが】
【それらを守ると約束した。それから、指輪を受け取る。まだそれを身につけはしなかった】


……殺されには行く
だから、頼むから、死なないでくれよ
お前が死んだら…………本当に、”全部”終わりになる

…………お前以外、いないんでしょ?


【頼る先が一つならば、と。あらゆる理由で、赤木にとってさえミラに死なれるのは困ることだった】
【勿論、そうすれば自分が死ぬことはなくなるのかもしれないが、そうであったとしても、だ】
【今となってはどうすることも出来ない相手が頼れる唯一の存在ならば、無事だって祈る】

【「黒幕相手の仕事も回せよ。人手不足は知ってる」────それが最後の言葉だった】
【捨て台詞のような言葉を残して、転移術式が赤木の姿を消す】
【残ったのは────】


//乙です!


30 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/02(月) 01:16:43 ps78HVWA0
>>29
【────転移術式で彼が消える。残ったのは、傷を負った彼女のみ】
【この選択が正解だったのか、今は分からない。ただ背負う約束が増えたと見ることも出来たし】
【あるいは、約束を破ってしまったと考えることも出来た。あの時撃つべきだったのかどうか】
【“彼”との約束を破ってまで、撃つべきだったのかどうか──分からなかった】


【『鈴音。悪ぃ。やり損ねた。でも絶対に殺す』】
【『それまでは、お前に近付かないよう約束させた』】
【『悪い。ごめんな。ほんと、ごめん』】

【指輪をつけたまま、鈴の彼女にメールを送る】
【まだ体は痛かったし、引きちぎられた箇所の治療もしなければならなかった】
【正直、しばらくこの場で休んでいたかったが──そういう訳にもいかない】
【無理に体を起こし……そうして。青い体液だけをその場に残し、彼女もまたその場を立ち去るのだった】

/お疲れ様でした!


31 : ◆RqRnviRidE :2018/04/02(月) 01:32:23 rtij9Twk0
>>27

ふふ、──取って置きの内緒がいっぱいなの、ね?
お姉ちゃんのこととか、お日様の力のこととか……
気になっちゃうけれど……いつかきっと。お話ししてくれたら、嬉しいなの

【内緒事については何となく──真意が明かされぬよう、はぐらかされたように感じられた】
【幼少特有の秘め事である可能性も、ないことはない。が、少女は半分。冗談めかして約束事のようなことを宣う】
【いつかきっと──と言うことで、どうやら次回以降の邂逅を彼女は期待しているようであった】

ファラエナ。……ファラエナ、──っていうのね
私は────

【それから自己紹介を伺えば、少女は飴玉を転がすように幼子──ファラエナの名前を復唱する】

【と、同じタイミングで手元の缶が一部、どろりと液状化。それは形を変え厚みを変え、やがて数枚の薄い小片──】
【──言わば一般的な「硬貨状」となり、少女は全くの躊躇いもなく自動販売機にそれらを投入して、商品選択の赤いランプが点灯し。】
【「味覚破壊ココア」のボタンを押す。ガチャン、と取り出し口に落ちてきた缶は、ディスプレイよりビビッドで毒々しい色合いだ。間違いなくヤバい奴である】
【併せて少女は新たにトマトジュースを購入し、品物を取り出せば、ファラエナにポップでクレイジーなココアを手渡すだろう】

──私はね、ジルウェットっていうの。

【改めて希薄に微笑みながら、少女はジルウェットと名乗った】
【そうしてそれから、彼女はちらりと空を見上げる。日が傾き、夜の帳が下りかけている】

……もうこんな時間なのね。そろそろ──

【──そろそろ行かなくては、とのこと。】

【別れの時間が近いようだ。ジルウェットは最後に、「ひとつお願いがあるのだけど」と、ぽつり一言】


32 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/02(月) 11:56:59 9dGhWnkY0
【路地裏】

【メールが届いた。『黒幕側に襲われました』──「気をつけろ、お前も。あたしは元気だ」そう、返す】
【ぎち、と奥歯が軋む。ロッソが襲われるのはまだいい。あいつはプロだ】
【だが鈴音が襲われることには、苛立ちを感じた。どうして、どうして彼女を普通で居させてやらないんだ。この世界ってやつは】
【──だが、怒りの中で別の自分が囁く。「あたしも彼女を“巻き込んだ”一人じゃあないか」】

【だん、と壁を叩く。もう一度、二度。分かっている。そんなことは、分かっている】
【こんなことを考えるのは傷のせいだ。腹の痛みは引いてきたが、動くたびにする鈍痛のせいで歩みが遅くなる】
【一番の問題は千切れた触腕だ。布で固く縛って止血をしたが、酷く痛むしさっさと治療を──】
【──遠くの方で罵声。あっちだ、探せと声がする】


…………千切れた蛸でも見つけたかよ、クソが────≪ミミック/擬態≫


【ぞろりと表皮が蠢く。悍ましき触腕を頭部から生やし、その女はどこからか逃げてきた最中だった】
【触腕の一つは痛々しくも途中から裂かれ、雑な止血処理がなされていた。ざわざわと、触腕が踊る】
【女の姿は、今や別人へと変わりつつあった。どこにでもいそうな不良の姿。髪は栗色で】
【紫の革ジャンでも着て、適当にピアスでもじゃらつかせて──だが、傷のせいか変貌は完璧ではないし】
【何より。変わりつつあるその現場を、誰かに目撃される可能性はゼロではなかった】

/お返しは明日の夜くらいになりそうですがそれでもよろしければ!


33 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/02(月) 13:40:10 B1YS.jpM0
>>32

【───路地裏の入口を通せんぼするように、一つの人影が差す】
【背中を片方の壁に預け、腕を組む。──調子の良い鼻歌を軽く流して】
【旧知の友人にする様な、親しげな声を紡いだ】


やぁ、お困りかい──"化け物"


【エリート然として撫でつけた黒髪に、黒いスーツ】
【穢れ一つ無い白い手袋と、同系色のナローマフラー】
【そして完全に目を覆い尽くすサングラスが印象的な男】

【ホンキートンクな音色をそれが調和だと言わんばかりに】
【変わった調律の元では、ディミニッシュな響きすらもハーモニー】
【一つ、二つと踵を鳴らして、顔だけを女に向ける】


分かるぜ、どんなに取り繕っても皮の下は見えてる
"Dr.Feelgood"は何でもお見通しさ、そこのビルから君を見つめていた
大変そうだね、芥にもならない連中がさっきから血気盛んだ

どうだい、手助けしてやろうか?
市民の身体を守るのも、警察の役割なんだ
御用の時は此方の番号まで───てね


【出会い頭にぶっ殺しに来た前回とは、少し違う雰囲気】
【けれどもそれは絶対の安寧を意味しない、皮を剥いでみればどんな色をしてるかは】
【返答次第で全ては変わるのだろう、禅問答に一つ流した】


34 : 名無しさん :2018/04/02(月) 20:13:47 /xWzuiOE0
>>28


【メリットを問われ、少女は目を伏せる】

メリット……わかんない
わたし頭悪いし、悪魔のお兄さんと交渉なんて出来ないよ
あ……

【と、思いついたように目をパチリと見開けば】
【先程のように輝き始め】

でも、でも!
お兄さんはシワひとつ付けないで手配書を持ち歩いてたよね?
嬉しそうに見せてくれたよね!
目立ちたがり屋なんだよね!

機関をぜんぶ潰したら、みんな喜ぶし、みんな驚くし、絶対目立つよ!
それでそれで、みんな悪魔を崇めるようになって!
信者がたくさん増えて!
この退屈な世界を一から作り直すの!

【少女はベンチから身を乗り出し、男にグッと近づいた】
【近くで少女の目を見れば、一滴の涙が滴っている】

ね!どうかな?
わたしの名前はリオシア! リオシア・ステロヴァニエって言うの!
やってくれるんなら、私の"魂"だって捧げてもいいよ!
悪魔は魂を捧げたら願いを叶えてくれるんでしょ?


35 : 邪禍 ◆Heckemet8M :2018/04/02(月) 20:43:19 u1dxVMlM0
>>34

「…………」

【一応は真面目に相手の説得を聞いているようだ、"交渉"だからだろうか】
【静かに、彼女の言葉が終わるのを待つ。……うるさいほうが似合う顔なことに文句を言っても仕方ない】

「……俺様は"魂"のたァめに動いてんだ。」
「混沌を齎し人間共を阿鼻叫喚さァせるのも、」
「そォの名を知ィらしめ討ゥつべき対象として認識さァせるのも、――」

【続きはなかった、語りすぎたかとばかりに言葉は中断されたのだ。】
【少し雰囲気に飲まれたか――自分に向けて舌打ちを1つ】

「……ヒャハハハ! 残念だったなァーッ!!」
「俺様は確かに目立つのが大好きだ、どォんどん崇めて貰いたいもォのだ! 崇めろ崇めろ!」
「だァが、最初かァら作り直すのは手間だ手間! 1回やァッたからわァかるんだよ」

「俺様は魂さァえ捧げりゃア何でもかァんでも願いを叶える悪魔ってワケじゃアねェが、相応の"対価"はやァらんこともねェ」


「だァが、機関の滅びを求めるなァらば――」


【"己の魂を燃やし、己の手で成し遂げろ"】


36 : ◆3inMmyYQUs :2018/04/02(月) 21:23:24 WFKxT5bU0
>>967


【────『二日目』】


【その日、看護婦より先に現れた者があった】
【看守である。厳粛と職務に忠実でありながら、彼の絵を密かに楽しみにして来るいつもの人物だった】
【今日に至るまで数日置きに現れるので、もしかすれば顔を憶えているかもしれない。実直そうな男である】

【その看守はいつもトレイの上げ下げなど所定の労務を粛々とこなすと、決まってこう問いかける】
【「今日は何を描いたんだ」──と】

【それでなにがしか返答があったり、描いた絵を小窓から見せるようなことがあれば】
【看守はあくまで職務の一環であるという風に言いたげな真面目に引き締まった顔をしながら、】
【それでも微かに楽しげに、それを見聞きしたりするのだ】

【今日、彼が描ききった大作は、そんな看守の感動と歓喜を呼び起こすのに余り在っただろう】

【だが──】
【そんな看守の様子が、いつもとは少し異なっていた】


【 「出ろ」 】


【今日は来るなり、彼の収容番号を威圧的に発声してから、短くそう命じた】
【仮に話しかけたとて、それらは全て黙殺される。ただ粛々と扉の鍵を開け、彼が出るのを待ち】
【もし何か間を空けるようなことがあれば、「もたもたするな」と鞭打つような声で追い打ちするだろう】


【それから素直に従ったにせよ無理矢理引きずり出されたにせよ】
【彼が独房から出れば、待機していた他二人の看守に脇を固められ、】
【どこへ行くのかも知らされないまま、しばらく静謐な館内を歩くことになる】


【右へ左へ曲がり、頑丈な扉をいくつも開け、無機質な廊下を淡々と進み】
【途中何か声を掛けたとて、誰が応答することもなく、無言の行進がしばらく続き】

【やがて、ある扉の前で歩みが止まる】
【ここもまた独房であるらしい。今まで居たものと見た目にはさほど変わらない】
【看守はその扉を開くと、「入れ」と有無を言わさぬように命じる】


/すみませんが分けまする


37 : ◆3inMmyYQUs :2018/04/02(月) 21:24:29 WFKxT5bU0
>>前967


【中は全面が白い壁に覆われた密閉空間であった】
【簡素なベッドと便所があるだけで、日の差す窓もない】

【ただし中には木炭と柔らかい布きれがそれぞれ一つずつ、意味深に床へ置かれていた】


【 「描け」 】


【看守は再び命じた】
【何の脈絡なく、何の説明もなく】
【何を、どこに、と問うても、返ってくるのは無表情と無言の圧だけだろう】


【もしそれで彼が察し良く、かつ素直に『月』を壁か床にでも描き始めたなら】
【看守はただそれをじっと人形のように見つめ続け。渋れば何度でも同じように命じ】

【そこに月が現れるのを、じっと無言で待つのだ】





【 「消せ」 】



【──しかし】
【もしそれが描き終えられれば、看守は間髪を入れずにそう言うだろう】
【またぞろ沈黙による圧を、異様なほどその眼差しに湛えて】

【そこに置いてある布でこすって消せ、言外にそう命じるのだ】



【──が】


【 「描け」 】


【消し終えたなら、すぐさま間髪入れずにそう発声し】


【 「消せ」 】


【描き終えれば、再びそう命じる】


【 「描け」 】


【 「消せ」 】


【 「描け」 】


【 「消せ」 】


【 「描け」 】



【──その異常な命令が続くのは、】
【彼が耐えかねて抗議するか、あるいは木炭がなくなるまでである】

【名も、役目も無き彼は、何を思い、何を成すのか】


38 : 厳島のなか ◆rZXDD3W69U :2018/04/02(月) 22:00:42 6.kk0qdE0
本スレ>>258

「やったか!?」

【砂嵐から見えるその男の姿は、深く傷ついている様だ】
【しかし致命傷には至っていない】
【粗野にして野蛮な言葉が飛んでくるあたりも、まだ体力には余裕がある様子だ】
【全く持って、固い】

「何だこれは!?密林?」

【次に出現したのは、密林の風景】
【瞬間に男が呻きだす】
【やはりと言うか、この男の精神面にこの能力は深く関係があるようだ】
【蒸し暑い、嫌な、本当に嫌な気候だ】

「――ッ!!??」

【瞬間、男が正面の木を蹴り倒した】
【比喩ではなく、蹴り倒したのだ】
【何とか、この回避を試みるも】

「――うッ!!」

【接近して来る男と、顔面に放たれた蹴りまでは回避は難しいだろう】

「ぐあッ!!」

【そのままであれば、これもまた比喩ではなく、顔面に蹴りを貰い、後方に吹き飛び伏せるだろう】
【蹴り飛ばす、とはよく言った物だ】

「はあはあ……己、貴様……」

【中々に手強い相手と言える】
【口内は切れ、顔面からも出血が発生する】
【先ほど負傷した頭からもまた、血が噴き出す】


39 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/02(月) 22:38:12 wn2rqSVw0
>>36-37

【日々、隠すこともない仄かな楽しみ。それが看守との短い会話だ】
【彼もまた芸術家であり、創ること自体に満足感を覚える人間だが】
【やはり誰かに作品を見られ、好意的であれ否定的であれ】
【その作品を"批評"される事を己の充足とする人種であり】

【そして何より、昨日の看護婦を除けばほぼ唯一といっていい話し相手】
【だからこそその日の様子にはすぐに気付いた。けれど、何も言わず】

【眠気で赤らんだ目元をこすりながら鈍く立ち上がると】
【腕を捕まれ、その背を押されるようにして幾つもの扉と、回廊を巡る】
【途中――言葉はない。奇人ではあったが、その程度の事は察せられたし】
【なにより、今のこの男には何の力も無かったというのが大きな理由になる】

【能力偏重の六罪王。それを封じられれば、絵筆以上に重い物を持てるかも怪しいような】
【そんな、華奢な体格なのだから。ようやく歩みが停まった時には】
【しばらく狭い部屋から出ていなかった事もあって、酷く疲れた様子であり――】


――――――……強要されるのは、あまり好きじゃないな。


【辿り着いた白亜の部屋。死刑じゃないのか、なんて思ったけれど】
【そこにあるものを見れば察しが付いた。そして今日初めての、不満を漏らし】


【それでも「描く」のは、流石という他ないだろう。面白そう、ではないけれど】


 【一"枚"目】
 
【それはごくごく単純な丸い月。木炭と白い床という、たった2つの画材を用いたにしては上等な満月】
【何処から見上げた夜空だろうか、何処となく井戸のような場所から仰いだような気すらした】
【「消せ」「描け」――苦しげな吐息を漏らしてから、黒い月を拭った】


    【二"枚"目】

【消した月は、拭いきれない残滓となって黒い海原のように白いキャンバスに広がった】
【新たに描くは二つの月。夜空に浮かび、水面に映る崩れ半月】
【「消せ」「描け」――画家の男は、反抗するようににやりと笑った】


       【三"枚"目】

【再び拭って、描くは荒野。水面は割れた大地に変わり、二つの月は一個の岩となって描き出され】
【其れは昼なのだろうか。小さく霞んだ極小の月を書き出すと、寒々しい岩場の一風景となって】
【「消せ」「描け」――景色を彩った淡い月影は無残に拭われ、画家の瞳はにわかに力を帯び始め】


          【四"枚"目】

【強く拭った木炭の跡に、今度は濃く凹凸を描いていく。それは見慣れた、都市部のビル群】
【通信塔にかかる三日月はまるで金属の尖塔に貫かれようにもろく、哀れで】
【「消せ」「描け」――徹夜で赤らんだ瞳は、別な理由で強く充血し】


             【五"枚"目】

【其れは珍しく異様な一枚。空に浮かぶは巨大な月と、それを取り巻く無数の星々】
【或いはそれもまた月なのか、夜空を覆う全てが黒い泡沫のような月光に埋め尽くされていた】
【「消せ」「描け」――ぶつん、と結膜下の血管が破れ、白い瞳が赤く染まる】


                  【六"枚"目】

【――ガリガリガリガリガリ。残る木炭を床に押し付け、脆い黒色を粉として砕く】
【それを掌で大きく塗り拡げれば、そこに姿を見せるのは雲海に佇む夜空の帝王】
【けれど、誰が何処から見ているのか。さながらそれは、自らも月と並ぶような目線からの一枚で】


                【「――消すよ?」】



         ――…、……それとも、そろそろ他のことを話す気になったかい。


【赤く染まった瞳は左目で、炭で汚れた手でその目元を拭い、擦る】
【ゆらりと起き上がって壁を背に身体を支える姿はずいぶんと軟く、弱々しい】
【人形の如き看守の瞳や耳に、その姿や声が真に届いているのか】
【まるでそれを確かめるかのように言動は強く、左頬を黒く汚しながら血染めの視線を看守に向けた】


40 : 名無しさん :2018/04/02(月) 23:21:13 GcqYJQWY0
>>31

そうよっ、あのね! オトメにはね、ヒミツがね、いーっぱいあるんだから!

【手を腰に、それからふふんっと胸を張るだろう、ふわっと服が翻って、得意げな笑顔はもう満点で花丸をつけたっていいくらいの、できばえ】
【乙女なんて年齢ではなかったし秘密と言っても大したことじゃあ、なさそうだった。なんせこんな幼子だから――どーでもいいようなこと、ただ隠したみたいに】
【いつかきっと――またいつかを願われたなら。それでもあるいはこの幼子には珍しく、ううんと悩ましいような顔へ、だけど、長続きはしなくって】

うーん、でもね、あのね、いいよっ! お友達だからね! ――ジルウェットお姉ちゃんーって言うのね!

【さて。幼子は肝心なことを見逃したらしかった――空き缶がコインのようになって、ジュースが落ちて来る。多分それ犯罪じゃなかろうか、だけど、気づかなかったのだから】
【当然責めるような言葉もない――そうして出てきたココア。ココアだろうか? ディスプレイのものは退色していたらしい、メルヘンな色彩は……実際はハンパない】
【だから赤色は退色しやすいからやめろって言ったのに。誰も言ってないけど。メルヘンな色彩で描かれた謎のキャラクターは元気を取り戻して、大変な見た目をしていた】

わあ――ありがとうなの! えっとね、あのね、これね! 大事にして飲むわっ、ジルウェットお姉ちゃんとのね、思い出!
あのね、これね、お礼よっ、私とのね、思い出! どれでもね、いいよー!

【飲み物を受け取った幼子はハンパなくビビットな缶をそれでも違和感なく受け入れたようだった。思い出……思い出が、悪いものにならないといいけど】
【とにかくこちらからもお礼がしたいのだと言って、彼女はポケットの中からよいしょっと何か掴み出す――キャンディだ、いくつかの、キャンディ】
【幼子の掌で掴める分だから数は三つか四つか。味は一つ一つばらばらで――味覚破壊ココアとか選ぶ幼子だから、なんか、とんでもないものもあるかもしれなくって】

あっ、そうなんだ! じゃあね、あのね、気を付けて帰ってね――、――お願い? どしたの?

【夕暮れが傾いて落ちていく。夜がだんだん降りてきて、それを見上げた相手の言葉の方が、きっと正しい。幼子は――まだ自分は出歩くけど、というような顔と言葉をして】
【だけど――お願いがあるのだと言われれば、なあにと尋ねかえす。――ぱちくり瞬いて、相手をじっと見上げた】


41 : 名無しさん :2018/04/02(月) 23:32:02 sEQUjR4E0
>>35

己の魂を燃やし、己の手で‥‥‥‥

【彼から告げられた言葉を、小さく反芻する】

そっか‥‥‥‥そうね
わたしの魂はわたしが使えばいいんだ‥‥‥‥!

この魂を悪魔に捧げたモノと思って自分で頑張れば何でもできるってことね!

【そんなつもりで言ったのかは分からないが、少なくとも少女、リオシアは言われたことをポジティブに解釈し】

こうしちゃいられないわ!
鳩なんかじゃなくて、自分の力で人間を殺せるようにならないとね!

【ポジティブが行きすぎたのか、物騒な発言をしつつ――】

ありがとう、悪魔のお兄さん
良かったらさっきのポスター欲しいなー
わたし、ファンになっちゃった

【なんて、随分と悪魔になついた様子を見せ】
【足取り軽く、公園を後にしようと――】
【少女が踵を返した瞬間、男の足下や近くで絶命していた筈の鳩達は皆、突然息を吹き返し】
【バサバサと飛び立つ】

じゃあね!
また会おうね!

【少女は振り返らずそう叫び、足早に去って行った】

//これにて失礼させていただきます!
ありがとうございました!お疲れ様でした!


42 : 邪禍 ◆Heckemet8M :2018/04/02(月) 23:47:19 u1dxVMlM0
>>41

「まァ、そォーいうこォとにしィておけ」
「たァだ、俺様が敵としィてお前と対峙しィた時は容赦しィねェからな」

【この者の言葉の真意は直接語られることはなく、否定も肯定も曖昧に終わる】
【機関に対して敵対するのならば、この者と敵対する機会もあるかもしれない】
【あるいは、この者が敵視する機関のグループならば――】

「ポスターなァら腐る程手ェに入る、そォれこそ路地裏殺人つゥいでにひっぺ剥がせる程度にな……」
「まァ、綺麗かどォーかは知ィらねェが!」

【そして悪い笑みを浮かべながら、少女が公園を後にする様子を見守るだろう】
【(どうでも良い余談だが、彼が載っている指名手配ポスターは先程見せた2枚以外にも存在するらしい)】


「……扱い難いタイプだ、……と、いィうか俺様が確保しィてた鳩まァでどォッかいったぞ!」
「相談料払いやァがれ、死ィんでも請求すゥるぞ」

【先程まで少女が座っていたベンチに腰掛け、1人頭を抱え込んだ。自ら首を突っ込んだ案件であることは棚に上げて――】

/お疲れ様でした!


43 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/03(火) 00:41:25 B1YS.jpM0
>>38

【再び風景が変化する、密林が朽ち果て、なだらかな草原になる】
【しかし、夜闇に染まる草原には、あちらこちらに死体が満ちていた】
【そのどれもが苦悶の形相、まるで恐ろしい怪物に出会ったかの如く】


ああ、クソッタレ……っ!!こんな景色まで、出てきやがる……ッ!!
はっ、貴様じゃねぇよ、トゥイーギ=ラミレズってゆう立派な名前があるんだ
クソが、クソが!!こんなんじゃ、全然、眠れねぇ……!!


【言葉とは裏腹に男の身体がふらついた、どうやら蓄積したダメージが効いてきた様子だ】
【眠れないとの言葉、不眠から来るストレスは、感覚を曖昧にする】
【男の異様なタフさはそこにあるのか、知覚してないだけでダメージは大きいのかもしれない】

【───草原の中心に魔力が収束していくのを、感じるかもしれない】


──くそっ、コレはマジでヤベぇのが来たぜ……!!


【男は慌てて強く飛び退き、そのまま地面に伏せる】
【瞬間、草原の中心に溜まった魔力が大爆発を起こす】
【伏せていた男ですら、苦悶の声を漏らす、高濃度の魔力爆発だ】


44 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/03(火) 04:38:13 wn2rqSVw0
【路地裏】

【――と言っても、ゴミや遺体が放置される物騒な場所ではなく】
【既に廃都と言っても差し支えないような、本当に古い路地の一角】
【回り道をするほどの利便性もなく、悪党が集うような風雨を凌げる建物もなく】
【再開発候補にも上がらないような、物好きが散歩をしにくる程度のゴーストタウン】


……ええそうです。"リンドウさん"は「良い人」なわけですし
お金の問題はありませんから、気前よく使ってしまえばいいわけで。

ご飯も衣服も住む所も、なんなら遊興費だってあげてもいいですよ?
どうせアスタンなんてとんでもない地方の都市国家。
使ったお金は全部街で回るもの。投資した分自然と回収できるんですし……

――なにより、資金源は"円卓"ですし。
アレを潰すくらいの勢いで使ってしまいましょうよ、ねえ?


【「はいはい、というわけでよろしくお願いしますね」―――なんて、話し声】

【ちゅんちゅんと小鳥が囀る、アスファルトを突き破って生い茂った樹木の下】
【声の主はそこに居た。携帯を所持し、話し終えたのかつん、と画面をタップする】

【いわゆるヘテロクロミアというものなのか、その瞳は亜麻色と新緑色にくっきりと色が異なって】
【その上、頭髪までもが頭頂部を境に綺麗に左右で別れていて】
【右が亜麻色――金。そして左が新緑色と、非常に目立つ外見の"女性"だった】

【加えて言えば、その衣服は所謂巫女装束とか、そういう類のものであり】
【そして何より頭髪の合間からはぴょこんとケモノの耳が覗いていた】

【すなわち、獣人――或いは櫻の国の妖怪か。ヒールのように底の厚い下駄をカランと鳴らしながら】
【少しだけ楽しげに、和装の出で立ちとは正反対な慣れた手付きで端末を弄っていた】


45 : 厳島のなか ◆rZXDD3W69U :2018/04/03(火) 09:49:57 6.kk0qdE0
>>43
「こ、今度は……」
「一体……?」

【フラフラと立ち上がりながら、周囲を見渡した】
【次に具現したのは草原の風景】
【あちらこちらに、戦闘の後だろうか?】
【苦悶の表情を浮かべた死体が転がっている】
【一体此処で何が……】

「……トゥイーギ=ラミレズ、なるほど……それが貴様の名だな」
「では……トゥイーギ、この、力の使い方『誰』から習った?」

【息も絶え絶えに、こう聞いた】
【しかし乍ら、見ればトゥイーギと名乗った男も、足取りが怪しい】
【痛覚が機能していないだけか、あるいは本人が語る不眠の影響で、感覚その物が鈍っているだけなのか】
【少なくともダメージはある様だ】
【だが、やがて……】

「ッ!!??」
「間に合え……ッ!」

【――術式展開『風陣結界』】
【強力な風の魔力障壁を自身の周囲に展開、膨大な魔力の大爆発の影響から逃れようと試みる】
【出遅れた形だが、間に合うだろうか】


46 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/03(火) 10:02:14 bmjM3Lbw0
>>45

【魔力の爆発───然して其れは彼自身にも制御出来てない様子で】
【男の結界により防がれるだろう、其れは単純な質の問題】
【扱い切れない能力よりも、制された術の方が上だと言うこと】

【───激流では清流を掻き乱す事は出来ない】


ふふ、ははは……ひゃはははははは!!!!
『誰』から習っただって!?見当違いの事言ってんなボケナス!!
之は正真正銘俺様の力だよ!クソッタレな俺様が経験してきた悪夢さ!!

っ……クソが───まぁ、キッカケはあったっちゃあったけどな
偉大なるクソ"調停官"殿のお陰で、目覚めさせられたんだよ
あぁ鬱陶しい、鬱陶しい───!!!

こんな景色、消えちまえ……!!


【男が立ち上がり、周囲の景色が消えていく】
【後に残るのは元と同じ路地裏、殺風景な景色】
【───否、そこに残る腐臭と、血の汚濁だけは残っていて】

【蠢く男の猛りに似た、妄執だけが形を取っていた】


最後だ、ぶっ殺してやる──!!!


【腰から取り出すサバイバルナイフ、無数の血の跡が付いた刃】
【それを右手に握り締め、男は距離を縮めようと走る】
【そしてそのまま、貴方の胸に突き立てようとするだろう】

【───最初と比べて明らかに速度が落ちている】


47 : 厳島のなか ◆rZXDD3W69U :2018/04/03(火) 10:52:55 6.kk0qdE0
>>46

【爆発からの霧が晴れる】
【かなりの規模な物であったが、何とか防ぎ切れた様だ】


「なるほど……やはり、これは貴様の心象の具現、そういうわけだな」

【能力はやはりと言うべきか、予想通りと言うべき物だった】
【しかしながら、心象の具現化とは中々に高度な技術】
【制御出来ていないとはいえ、元々の能力者としての素養は高い物と見える】

「調停官?誰だそれは?」

【ここで風景は、元の路地裏】
【そう、濃密な血の匂いと、辺りに飛び散る肉片、肉塊のある】
【そして、猛る男は無数の血の跡の付いた】
【まさに、使い込まれたナイフを手に、こちらに突進してくる】

「振り下ろす、刃の下こそ地獄なり……」

【どんと踏み込め、後は極楽】
【そのナイフによる突進に、避けるでも防ぐでもなく、こちらから向かって行く】
【やがて、手の届く距離まで来たら、そのナイフの手を掴み懐に潜りこみ、背負い投げを放つ】
【成功すれば、そのまま組み付き、肩と首を同時に固める寝技に入るだろう】

「調停官とは誰だ?何者だ?」


48 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/03(火) 12:38:15 B1YS.jpM0
>>47

【決して大男の技量は低いものではない、一般人であれば軽く組み伏せられる程】
【然して、対峙する貴方の技量は大男の其れを軽く上回る】
【容易に組み伏せられ、固められる、苦悶の声が漏れた】


痛てぇ……!!クソが、クソ、クソ!!!
はん、何も知らねぇんだな……!!言いぜ教えてやるよ
───"嵯峨野"って言うんだ、『公安』のクソ忌々しい野郎だ

俺をこんなにしやがって、はは、体のいい実験動物って訳だ
思い出すだけでゾッとするぜ───ああ

───"来やがった"


【どろり。───濁った血液が融解するかの如く】

【組み伏せている筈の大男が"溶けていく"】
【それは宛ら身体が融解するかの様に、地面に身体が消えていく】
【鉄板の上のバターみたいに、ゴロンと目玉が地面に落ちて】


はは、また会おうぜ───その時は、ぶっ殺してやる……


【声帯や喉も溶けていく様で、最後の声は聞き取れない】
【やがてその全ては地面に消え、後に残るのは腐臭だけ】
【醜悪そのものであった男は消える、後に不可解さだけを残して】


/こんなところでしょうか!お疲れ様です!


49 : 厳島のなか ◆rZXDD3W69U :2018/04/03(火) 14:24:35 6.kk0qdE0
>>48
「――ッ……」

【男はいとも簡単に組み伏せられた】
【しかし、こちらも手負い、男がその力で暴れる度に】
【頭から、顔から血が噴き出す】

【しかし】

「嵯峨野?公安だと!?」
「人体実験?待て、お前は一体何をされ……」

【男の自供は、まさに脳天を突くような衝撃を齎した】
【公安が、公安の誰かが人体実験じみた何かをしている?】
【新しい企みか?】
【しかし、それを問いただす前に、その男は溶けだした】

「ッ!!??」

【地面に溶け、目玉だけが転がる】
【何とも嫌な感触だった……何とも奇妙な……】
【やがて周囲に腐臭が漂う】

「……」

【やがて、すっと立ち上がり】
【滴る自身の血を拭い】

『櫻の花弁、波の轍に揺蕩う夕焼けの頃、本を開く』

【正夢を起動する】

『カンナ、忙しい所すまない、そちらの要件が片付いたら一度会いたい、報告とそして確認したいことがある』

「一体、何が起きているんだ、公安で……」

【脱ぎ捨てたシャツを、スーツの上着を着て】
【負傷した身体を引きずり、バイクに跨った】
【言い知れぬ不安、胸騒ぎを覚えながら……】



//お疲れさまでした!ありがとうございました


50 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/03(火) 15:50:58 IBKicRNQ0
前スレ>>940
敵が全滅した後は、矛先はこちらか……
逃げ隠れするのは得意な方だが、まあ観察の機会が来たら死なない程度にやってみるとしよう

【まだ見ぬサタリュウトの怪物の姿に思いをはせる。それを目にするときは来るのだろうか】

どうも、そういうことらしい。私は混沌や魔力に慣れているわけではないのでね
魔海の瘴気も平気なレベルとなれば、確かにこの世界でも問題はなさそうだ

ああ、次の機会を楽しみにしているよ

【しばし彼の背を見送り、その後踵を返す】

【再びログハウスに向かいはしなかったが、彼らの気配がないことは察した】
【神出鬼没。彼らもまた、邪禍の命があれば現世に現れて、この世界の主に敵対する者の下に現れるのかもしれない】


【こちらを見るハイエナ? には暗い視線を返す。とはいえ、向こうが攻撃してこなければ襲いはしない】
【互いに興味と警戒をぶつけ合いながら、そのまま進んでいく。その後、獣と出会うこともなく】
【サバンナの先、家屋へと到達する。中にいるのは、悪魔か魔物か】


(……他に来客の予定があったのか? 少々、まずかったかね……)
(まあ、すでに戸を叩いた以上は仕方あるまい)

【自分はあくまでゲストであり、ここの本来の住人である悪魔たちのプライベートに立ち入るのは本意ではなかったが】
【場違いな真面目さは即座に捨てて、異形は扉へと近づいていく】
【その向こうで見たのは、ごく一般的な広さの空間。見た目に反して、中は広大ということも予想していたが、そうでもなかったらしい】


(しかし、ディルメルさんといい、ここの住人達は生活感あふれる部屋に住んでいるな……)

(ザクトルさんと似た気配……太陽の悪魔か?)
(上で見たうちの一人に、近い気もするが……判別がつかんな)

……突然失礼。私はカニバディールという者だ
邪禍さんのご厚意で、この世界を見学させてもらっているのだが――――がっ!!?

【警戒はしていたが、突然罠が発動する様子もない。ゲートのような混沌も見当たらない】
【ひとまずは、問題はないか。そう判断し、声をかけながら一歩踏み出す】

【頭に衝撃。思わず、間の抜けた声を漏らす】
【何事かと視線を上にやると、自分の頭で揺れるキノコの傘が目に入る】
【思わず頭に手をやれば、二本のキノコが髪にぴったりとくっついていた】

【頭からキノコを生やした異形。邪禍から譲り受けたマーディケリウムで作った、クリーチャーたちそのままの有様となった】


……予定していた来客用の罠だったのなら、申し訳ない

【キノコを揺らしながら、いつも通りの重々しい声で言ってはみるものの、それが余計に滑稽だったろう】
【今頃、邪禍や闇沌が笑っているだろうか、などと思いつつ、ぐいとキノコの片方を引っ張り】
【髪が抜けかけた痛みに手を離すと、結局そのままにして微かな溜息をついた】


51 : 邪禍 ◆Heckemet8M :2018/04/03(火) 18:38:07 u1dxVMlM0
>>50

【ドアを開けられても漫画を読むことは止めず、振り向くこともなく】
【先程の言葉と合わせると、来る予定の者は親しい存在なのかもしれない】
【といっても、周囲にそれらしき存在はいなかった。今日は早いと言ったとおり、もっと遅く来る予定なのだろう】

「引っかかったな、チェーザレちゃア〜ん!」
「"ダブル・スゴクッツキノコ"でそのイケメンを台無しにするが……ってアレ?」

【それは、室内にカニバディールが入り罠に引っかかった直後のことだった】
【もしかするとカニバディールの言葉も漫画に夢中で耳半分で聞いていたのかもしれない】
【馬鹿にした表情で振り返った先にいたのは、本来引っかける予定ではない存在。しかも初対面】
【バツの悪そうな顔をしつつ、しおりを読みかけの漫画に挟んでそれを閉じ、机に置けば】

「……えーっと、いらっしゃいませェー?」

【彼が左手に持っていた携帯端末……画面に表示されるは、カメラモード】
【間違いなく撮るつもりだった、こいつは。相手が本来のそれだったのならば――】

「……扉枠を抜けると別世界であったトラップ……完全に避けたか、運か、根性か……こいつ、中々やるな」

【独り言を呟いて――外の家の罠を仕掛けた犯人が、こんな近くにいた。】


【携帯端末の画面を切り机の上に置いて、立ち上がる。そして、カニバディールの方に身体を向ければ】

「あー、はい。カニバディール……サン。始めまして、だよな?」
「俺……わたくしはジュゼッペ、……といいます。」
「まあ、キノコについては薄毛に悩んで無いならば害は無いので忘れてくれ、ください」

【薄毛でなくとも害があることが既に証明されているのをわざと無視しつつ】
【少々慌てているのか、それとも元々か。言葉遣いが若干怪しいが――】
【一応、耳半分とはいえカニバディールの名前は聞き取っていたのだろう。名乗り返した】

【ジュゼッペの名は、闇沌が上で口にしていた3人の悪魔の名のうちの1つだったか】
【それと、ザクトルの海の家に生命を宿させる悪質なイタズラに加担した者の名の1つでもある】
【姿は――確か、柱を登る際に植物の蔓を出していた方の悪魔だ。いかにもイタズラ好きそうな雰囲気だが……】


52 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/03(火) 19:37:42 0COqq1r.0
>>33
【前方に影が差す。おまけに耳障りな鼻歌が一緒だ。ち、と舌打ちをひとつ】
【どうせこんな演出をしてくるのは“敵”に決まっている。それも、とびきりムカつく──】


は────最高にご機嫌だぜ、“ヒトデナシ”


【擬態は解かないまま、隠し持っていた銃を抜いて相手へと向ける。思わず口が笑みの形に歪んだ】
【あまり愉快ではない状況。その絶望感が齎す笑みだった】


ぎゃは…………参ったね、ストーカーまでされてるとは。モテるタコも辛ぇぜ。……なぁ?

それに、警察が市民の…………何だってぇ?ぎゃ、は────は
二度もぶっ殺しかけに来やがって、よく言うぜ
欲しいのはなんだ…………程のいいモルモットか?あぁん?
一度めはちょいと付き合ってやったが、流石に二度めはごめんだなぁ、おい

ま────鎮痛剤のテストくれぇは、してやっても、構わねぇ、ぜ?


【すぐに殺しにかかってこないことに対しては違和感を覚えつつも──警戒は続ける】
【何せ相手の戦闘スタイルも、あるいは明確な立ち位置も未だにはっきりとしていないのだ】
【理解できているのはたった一つ。一度は殺し合いをした仲だというただそれだけ】

【けれど。例え全てを見通す彼でなくとも、彼女の言葉は虚勢だと分かるはずだ】
【銃を握る手は時折、痛みを耐えるかのように不規則に強く力が入り。何よりその手は僅かにふらついている】
【触腕に巻かれた布は青く染まっており──その染みは今もなお、少しずつ広がっていっているのだ】


53 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/03(火) 19:51:16 B1YS.jpM0
>>52

【口元だけで軽く流す、余裕そうな雰囲気は相変わらずで】
【呼応する様に言葉を探して、伝わる様に噛み砕く】


そう躍起になるなよ、之でも旧知の仲だろう?
其れに僕も僕で中々忙しくなってね『魔防法』出来たからね
公務員は哀しいかな仕事に駆り立てられ、朝も夜も無く働くばかりさ


【銃口を向けられても顔色一つ変えない、生半可な銃弾では捉えられないのを知っているから】


で、だ───本題はその『魔防法』についてなんだが
僕のシンパもそこにお熱でね、点数稼ぎに必死なのさ
という訳で僕は考えた、そういえばこの法律に打って付けの化け物がいたな、と

もし之が完全に成立したなら、生きてけないだろう?


【"擬態"───それは紛れもない能力、故に『魔防法』の成立はミラの生命に関わる、と】



【───然して、彼も同じ事ではないか】



なぁ、こいよ、"こちら側"に───歓迎するぜ、少しは分かってやれるかもな
狩られる側に居なきゃいい。
支配する側であれば、クソみたいな決まりに従う必要も無い。

───なぁ、ミラ、君だって


【"清々しているだろう"───と】


54 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/03(火) 22:03:46 xNAPuHe.0
【公園】

【日のくれた深夜の公園。ここは都市の中心近い場所でそれなりに規模は大きく】
【整備されている。友好都市記念とかで植えられた桜は今が見頃だった】
【ライトアップされた夜桜は絶好の散歩にちょうどいい】
【春特有の強い風が時折吹いて、そのたびにまだ少し…結構寒かった】

なぜ美しいと定義されるのでしょうか。ですが私も美しいと肯定します。

【舞い散る桜を手のひらで受け止める。白い手を伸ばして、受け止める】
【銀髪のロングが風邪に揺れて、編上げのブーツに網タイツに真っ赤な春物コート】
【そんな女性が歩いている。青い瞳、まつげは長く、化粧は服装に】
【似合わず控えめだ。黒縁のおとなしげなメガネもかけている。】

…フォルケン博士。本当に…

【キョロキョロして上を見上げたり、花びらをもてあそんだりしているから】
【夜道で急に人とぶつかってしまうかもしれない。】


55 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/03(火) 22:30:30 nlmnmX0.0
>>54

【公園のベンチには一人の少女が座っていた】
【外見年齢は十歳。黒髪のミディアム。服装はスーツ姿で、両手には革のグローブ】
【何をするわけでもなく、足をぷらぷらと揺らしていたが、そこにいた女性に気がつくと】


あっ……えーっと…………こんばんは?
こんな時間に、どうしたんですか?


【小首を傾げながら、挨拶をして声をかける】


56 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/03(火) 22:46:59 0COqq1r.0
>>53
【憎たらしい野郎だ──そう思う。銃を向けても余裕綽々。どうせ撃っても避けられる】
【そうと知りつつも銃を収めないのは、自分が安心したいからだ】
【こいつ/銃 があれば大抵のトラブルはなんとかなると少し前まではそう思えていた。そうではないと知ったのは、ごく最近のこと】
【だが、新しい経験とこれまで積み重ねて来た経験値。人であれ化け物であれ、つい後者を信じたくなるのは当然のことだった】

【「だったらお役所仕事に精を出してろよ、エリート潔癖野郎」──憎まれ口を叩く】


…………は!確かにそうだ。ごもっともだぜ
確かにあのクソ法案が完全に出来ちまいやがったら、あたしみてぇなのは魔海にタコ足巻いて逃げ帰るしかねぇ

だがなぁ…………御船よぉ。狩人ってぇのにはそいつを狙う“ハイエナ”が付き物だ
狩人が弱っちまえば、ハイエナが狩人の獲物を奪っちまうことだってある
──クソ法案は仮初めの王冠みてぇなもんだ。どっかでいずれぶっ潰れるに決まってやがる
それに────いいのかよ、御船さんよぉ。てめぇもバケモンの一匹だろう?
その“王冠”がいつイバラに化けて、てめぇの頭を抉らねぇとも限らねぇんだぜ?


【“追手”の声はまだ遠い。だが、いずれこちらに来るということは分かっていた】
【彼らに見つかればロクな結果にならないだろうし──】
【その時目の前の彼が庇ってくれるかは、正直分からなかった】


それとも何だ…………とりあえずこの場でオーケイっつっとけば、見逃してでもくれるっつぅのかよ
てめぇらのクソ仲間に入れば、毎日ステキなディナーにご招待ってか?
この間は随分と刺激的すぎるダンスに誘ってくれたのに、今日はバカみてぇに穏やかじゃねぇか、あぁん?


【探りを入れる。何故、前回は殺そうとして来たのに今はそうではないのか】
【何か自分に利用価値があるのか──あるいは彼の気まぐれか】


57 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/03(火) 22:58:58 xNAPuHe.0
>>55

【声をかけられた銀髪の女性はじーっとそちらを見ている】
【じーっとたっぷり見たあとに、その銀髪に見合うイメージどおりの】
【落ち着いた声で、度を越した落ち着きっぷりは無表情で、無感情に】

………外見から推定される年齢で一般的な社会的常識に当てはめると
この時間に外に一人で出歩いているのは大変危険と私は思います。
早急な帰宅と道中の保護を進言いたします。

【ずいぶんと硬い言い回しだが言わんとしていることはわかるだろう】
【見ず知らずの通りがかりにしてはおせっかいだし、なによりあやしい】

【その女性はツカツカと、そっちに歩いてくるだろ。真っ直ぐに】
【モデルのウォーキングのような美しい歩き方で規則的なリズムと歩幅で】
【それは逆に怪しい雰囲気も相混ざって、恐怖すら感じつるかもしれないが】

―――――!!!

【しかし、転んだ。彼女は目の前で。夜道で暗がりに足を取られたのか転んだ】
【顔面を思いっきり打ち付けた。だが、すっくと立ち上がって】

さあ、行きましょう

【と冷静にいうが、眼鏡が思いっきり割れていた】

/次のお返しはあすの夜になります!


58 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/03(火) 23:06:40 nlmnmX0.0
>>57

【挨拶をした、けれど返ってきたのは無感情な視線】
【思わず少女は「うっ」と引いてしまう。夜の公園という状況も相俟って妙に怖い雰囲気があった】
【外見年齢や一般常識、なんて言葉は──外れてはいたのだが】

【女が真っ直ぐに近づいてくると、少女はベンチから立ち上がって身構える】
【両手で拳を作って腰を少し落として。子供がこんなポーズをとっても威嚇にさえならないだろうが】
【実際のところ威嚇じゃなく”本当に戦える”のだが、怖がってる顔のせいできっとそうは見えない】

【だというのに────目の前で豪快にすっ転ぶのだから、目を丸くするしかなかった】


……………………えーっと
め、眼鏡、割れてるけど、大丈夫かしら……?


【完全に困り顔である。初対面ということで使っていた敬語もつい抜けてしまう】

//了解です!


59 : ◆RqRnviRidE :2018/04/04(水) 01:52:35 rtij9Twk0
>>40

ふふ、……楽しみなの
ありがとうね、ファラエナ

【悟られることなく、躊躇いなくやってのけた“罪”に関しては、特に悪びれた様子はなく】
【ただ少女は緩く微笑を湛え、手元に残った空き缶の破片を近くのゴミ箱へと捨てる】
【やたらと手慣れた雰囲気であったから、恐らく今までもそうしてきたのだろう。息をするみたいに、ごく自然に】

そうね、ええと…………じゃあね──これにしよう、かな
新しい友達ができたってね、ご主人に報告するのよ

【そうしてちいさな手のひらいっぱいに差し出されたキャンディを、ジルウェットはじっと眺めて。その内一つ、手に取ったのは】
【“ローズマリーはちみつキャンディ強炭酸”──鮮やかな黄金色の飴玉に、ローズマリーの花弁を一枚浮かべたものになる。強炭酸味となった経緯は謎だ】

【なお、ちらりと口にしたご主人というワードから、どうやら主従関係があるらしく。しかしながら周囲にその影すらも窺えず、】
【近くに保護者の気配が感じられぬファラエナと、あるいは行動の制限の点では似ているのかもしれなかった】

ん。お願いって言うのは、あのね……、────

【少女は見上げた顔を僅かに俯かせ、幼子の向ける蒼穹から碧海の瞳が逸らされる】
【出会った最初の頃のように、どことなく少しばつが悪そうに。少々間をおいて──】

【──ワントーン声量を抑え、恥ずかしげに“お願い”をしたかと思えば。相手の脇を小走りで駆け抜けるだろう】


──────なんてね! バイバイ!

【彼女はスカートの裾を翻し、振り向き様にキャンディを持つ手を振りながら冗談めかして別れの言葉を告げる】
【そうするや否や、幼子の返答を待たずして、少女は背を向けてそのまま走り去っていくだろう】


【 「 ── あのね 」 】

【 「 “ケツァル・コアトル”を名乗るヒトが居たら、私に教えてほしいの── 」 】

【果たしてその願いは、幼子にはどう映っただろうか──?】
【真意は明かされぬまま──夜風が少女の気配を浚っていった】


/お疲れ様でした!


60 : 名無しさん :2018/04/04(水) 03:24:04 XxDP.Grw0
>>331

【みんな――みんなが居なくなる。いつか笑って話したひとも、そんなの苦手なのに一緒に眠ってくれたひとも、みんな、みんなが、居なくなってしまった】
【かといってこの世界のどこかには居るのだと思う。だけど、会わない――会えない。いつかの知り合いはほとんど見当たらなくなってしまって、そんな中で】
【見つけた居場所みたいな場所――UTでも、それは同じだった。自分を誘ってくれたひとは居なくなった。何度か言葉を交わしたひとたちも、ほとんど会わず】
【UT自体そういう面もあるのだけど――それだって。寂しくて。その中でセリーナが疲れてしまっていると気づいて。だから、だから、今更でも、手伝いたかったのに】

【「銃も握れないくせに」――握れるわけなかった。だって銃が怖くなったのだって――(そいつに撃たれたから、だし)】

……辛くないよ。辛いって言ったら……駄目なの、だって、そうじゃないと、――へびさまが、苦しいから。

【――昔々あるところに真っ白い蛇の神様が居ました。ある日、蛇の神様のところに生贄として捧げられたのは、まだ小さな小さな女の赤ん坊で】
【その神様と同じ、真っ白い髪に、真っ赤な瞳をしていて――神様は自分とよく似た女の子は厄介払いされてきたのだと気づいて、可哀想になって、育ててあげることにしました】
【赤ん坊はすぐに大きくなり、あっという間に大人になり、そうして――年老いて、ある日死んでしまいました。神様と人間の生きる時間はあまりに違いすぎて】
【悲しくなった神様は、その女性がいつかまた同じ身体と同じ魂を持って生まれて来るように細工をしました。過ごした思い出がいつか再会の縁になるように、輪廻へ流して】
【それが禁忌だとは知らず。そうしてそこからさらに数百年――生まれてきた望まれた子が、その罰を受けて、小さな子供のまま両親を喪い、小さな水の入れ物の中で殺されたとき】
【はじめてそんなはずではなかったと気づいたけれど、もう遅すぎて。死んでしまった女の子を助けるには奇跡を使うしかなくって、それでも精いっぱい、人間に似せて】
【もう一度目覚めさせてあげて――約束の時間は百年間。当たり前の人間として過ごしていい時間。人間として死んだあとは、その身体と魂を譲ってもらう約束で】

【だけど――もう一度死んでしまった。そしてその時に、前のようになるべく人間のままで生き返らせるということが、その時の神様には、もうできなかった】
【それだけの力が残っていなかった。だから――呪うしかなかった。魂と身体がばらばらになってしまったらどこかへ行ってしまう。だから、魂を縛り付けて、流れなくして】
【傷ついた身体を修復するように彼女の能力を書き換えた。それが仕組みだった。輪廻の輪に乗れない魂と修復する身体。無理やりに作り上げた不死、だからこそ、呪い】

【――そして少女はそれを知っていた。だから。だから――あの白蛇は彼女のために存在を使い潰す気でいる。償うためだなんて、今更、綺麗すぎて醜いのに】

/分割でっ


61 : 名無しさん :2018/04/04(水) 03:24:25 XxDP.Grw0
>>331>>60

…………今回のことで、カニバディールがわたしを殺したら――怒らないで、あげてね。今回だけは……、それでいいの。
――うん。仕方ないの。いいの、もう、諦めたんだよ……、大人になれない。子供を産んだり……、最後に一回だけ、初めて、最後に、死ぬのも……。

【自分で自分が許せそうにない――彼の言葉に明確に答えなかった。曖昧に笑って、伝えるのは――これは、内緒のことだった。でも、なんだか、どうでもよくって】
【殺されればそのたびに当然の痛みと苦しみと後悔の中に死ぬけど――いつかまた黄泉帰る。それを利用してくれと、言ってある。そういう意味合いだろう、その言葉は】
【――魔法みたいに解決してあげられないというのも、分かりきっていた。薄っぺらく笑ってみせる、膝をぎゅうと抱え込むとごりりとお腹に痛みが食い込んで】
【少し遅れて思い出して紅茶の缶を取り出す――大事なものであるみたいに胸元へ抱えて呟くなら。それが本当は本当に本当に欲しかったのだとも、きっと分かる】

――――――――、

【飲もうか迷うみたいに缶を手のひらでもてあそんでいた。薄っぺらく笑ったままで――そのしぐさも言葉も止まる、はたと瞬き一つ、丸い目が彼へ】

…………――、も、う、ねえ。もぅ――そんなの。わたしがね、機関に行くって言ったら……どうするの?
能力消されちゃうのが怖いから、黒幕に行くって言ったら? やっぱりクラァケさんについて円卓に行くって……言ったら?

このまま……ばけものみたいになって。こんな世界、なにもかも、めちゃくちゃに壊したくなって……。
嫌なことも、悲しいことも、全部なかったことにしちゃうくらい、壊して――全部……、壊したくなっちゃったら、どうするの?
ねぇ。だめなんだよ、わたし、悪い子なの……、卵だって持ってたの。今なくったって――だめなんだよ。わたしにはね、天敵だったんだよ。

【シンプルな言葉は――だけど考え事がぐるぐるにこんがらがってウロボロスのわっかなんか子供が遊び知恵の輪みたいになった後では、かえって、良かった】
【意味を理解するために考える必要がないと言うのは風邪の時におかゆを食べるみたい、疲れた気持ちに対する、冷たくて甘くておいしいプリンみたいで】
【その内容も――何より自分の味方になってくれる、だなんて。嬉しくないわけがないのだ、だけど口から連なるのは試すみたいに逆のこと、不安だと漏らすよう】
【自分がこのまま――機関や黒幕、円卓。それこそ今、敵だと思っている連中に寝返ったらどうするのかと。そうでなくたって――この気持ちに喰われてしまって】
【もう全部関係ないって――世界の現状とは全く関係のない別の悪意に堕ちてしまったらどうするのかと。卵――哲学者の卵。"天敵"と言うのは、よく分からないのだろうけれど】


62 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/04(水) 05:46:27 S/DUh6T.0
>>56

【成程、用心が深いと、御船は内心考えを巡らせる】
【それは本能故か、理由は分からずともミラの警戒心は伝わる】
【ディーラーが新品のカードを操る様に、御船は手札を一枚捲る】


"状況"が変わったからね、あの時は僕も僕で職務に忠実にあれば良かった
しかし今は、別の職務が出てきた訳だ。──『魔防法』に関連して
必要なのは手札、君の言った様に僕の頭を食い破られない為にもね

言っておくが、僕は一人でも生きていける。僕の目はそこまで柔じゃない
ただ、僕の描く世界の為にはどうしても権力が必要なんだ
その為には広く受け入れなければ、と思った次第だが


【背中を壁から離しミラを見据える、行動の真意は何となく掴めたかもしれない】
【彼自身が陰謀の中で生き残る為の手段だと、そう伝える様に】
【───ふぅ、と軽く息を吐いて】


断ってくれるならそれもそれで、君にはきっちりきっかりと僕の点数になってもらう
『こんな化け物が能力を使って潜伏してました』
───やはり能力者は危険だ、排除しなければ

御船は使える男と、認識する為の糧にね
やはり其方の方が性に合ってるが


【コツコツと革靴を鳴らして距離を詰める】


63 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/04(水) 09:36:13 S/DUh6T.0
>>44

【───隠匿を以て密とする。故に"隠密"】
【さすれば呼吸の一端すらも、果てる事能わぬ狂気の如く】
【そこに忍耐を用いたなら、其れこそ正しく忍ぶ者の姿也】

【 ───"其れ"は影に潜み】
【 ───"其れ"は影を進み】
【 ───"其れ"は影と結ぶ】



             【ちゃぽんと、水飛沫一つ】


     【影から顔を出す楪が一葉】




【路地裏の地面から、すぅっと小さな人影が飛び出して】
【貴方の背後に出現したなら、その後方に立つ】
【存在感は希薄、集中して漸く気づけるか、といったところ】

【──────そして】




【 "揉みしだこうとする"。───女性の獣耳を、それはもう凄絶に】

【指先で輪郭をなぞる、耳の内部をたどる、毛並みをそぅっとつたう】
【その他考えられるありとあらゆる愛撫を、その耳に加えようとする】

【白を基調としたゴシックワンピースの上から黒い姫袖のドレスを羽織り】
【軽くウェーブのかかった純白の長い髪と、蕩けるような蜂蜜色の瞳】
【白い手袋とソックス、黒の編上げブーツの少女がそこに居て】


【────きっとたぶん、わっるい顔してる】


64 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/04(水) 13:17:08 0COqq1r.0
>>62
【──ぎり、と奥歯が軋む。以前の自分であれば、彼の申し出にどう対処しただろうか】
【ふざけるな、と一蹴したかもしれない。いいぜ、と嗤って受けたかもしれない】
【気分によって、その返答は変わったのだろう。しかし、今は】


(…………正直言って、この状況。直接ナイフを向けられてるわけじゃあねぇが──)
(わりかし絶体絶命の、ってぇやつだな……クソ)
(後ろにいる連中ははっきり言ってどうとでも誤魔化せる──が、こいつは、こいつだけは無理だ)
(銃ひとつで勝てる相手でもねぇ…………あぁ、クソが!)

(────仕方ねぇ。覚悟決めるしか、ねぇ)


【つい後ろに逃げ出しそうになる足を、必死でその場に押しとどめる】
【相手は正攻法で勝てるようなタイプでないことは前回でよく分かった】
【運が良ければ打倒しうる敵──だが、今は最高にツイていない時だった】
【ぐぐ、と口元が歪む。一か八か。笑え。今はそうするしか、道がない】


…………悪ぃな、御船。てめぇの点数稼ぎとやらには付き合う気はねぇよ
だが────てめぇが生き残る駒だか手札だかくらいにはなってやる
あたしも今ここで、ゴミみてぇな死に方したくはねぇし、よぉ


【敵の懐に潜り込む。危険は承知の上だった。端から相手の手先に成り下がるつもりはなかったが】
【今、自分が危機に瀕していることと──何より自分の“探し物”の手掛かりが、行く先に存在するかもしれないのだ】
【これは賭けだった。御船が自分の目論見を看破していないか。自分が今、笑えているかどうか】
【────返事を待つ。自分の運命が他人の掌の上にあるというのは、愉快なものではなかった】


65 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/04(水) 13:34:39 S/DUh6T.0
>>64

【───貴女の笑う姿、傷ついても尚不敵に見せる笑みは】
【宛ら彫刻の如く、気高き美しさをそこに携えているのだろう】
【御船はふむ、と口の中で呼気を噛み潰した】


 (てっきり反発するものだと思ったが、よっぽど傷が深いのか)
 ("手札になる"か───其れが事実であれば心強いが)
 (…………ふん)


【自嘲気味に笑う、口角だけを軽く吊り上げて】
【何でも見えるからこそだと思った、どうしても他者の気持ちを組む事が苦手だ】
【───そもそも、汲み取りたいと思った事が希だが】


良い判断だ、僕もその選択肢が一番まともだと思うよ
ようこそ、と言いたいところだが、何も君の所属を変えるとかでは無い
ただ単純な協力関係と思ってくれ───


【"探している"───と御船は付け加える】


僕は今『魔防法』を盾に、異能力者の検挙を続けている。
思惑はさっき言った通りだ、事実功績は評価され続けているのだが
……この『魔防法』がきな臭くてね、どこの誰が裏で手を引いているか分からない


【何か知っていることはないか、と問いかけた】


66 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/04(水) 17:10:47 kKe7jHeA0
>>65

(通っ、た────!)


【所属は変えない──つまり敵陣に違和なく乗り込むことは不可能だと分かっても】
【彼の答えが彼女にとっての朗報であることに変わりはなかった】
【形はどうであれ、相手はこちらの返事を受け取ったのだ。少なくとも】
【この場では死ぬようなことはないのだろう。何よりもそれが、ミラにとっては重要だった】


けっ、例えば────“特区”とやらに、“安全に”出入り自由になるバッジなりカードなり…………
そんなもんが貰えるんじゃねぇかと少しばかり期待したが、流石にそう上手くもいかねぇか


【ゆっくりと、銃を下ろす。引鉄から指を離しはするものの、しまい込んだりはしない】
【──左利き、というわけでもあるまいに。彼女は左手で銃を握っていた】
【その左手に薄らと魔力を有す──薬指にぴたりとはまる、赤い指輪があった】


まぁそれは構わねぇ、が…………きな臭い、きな臭い、ねぇ──?
逆に、よぉ…………御船。てめぇはなんだって、あのクソ法案を「きな臭ぇ」だなんて思うんだ

大事なのは、あたしが何を知ってるか──だけじゃねぇ
てめぇが何を知っているか…………それを知らなきゃ、あたしはなんとも言えねぇ

なぁ────人でなしの潔癖野郎
てめぇはよぉ…………自分が肥溜めにどっぷり腰まで浸かってるかもしれねぇと思ってんのか
それとも。なんかたまたま通りがかった近くの草むらがただなんかクソ臭ぇと思ってんのか


【「聞かせろよ御船」──尚も笑みを浮かべたまま、ミラは問いを投げる。そんな時だった】

【──「すみません、そこの方々」「このあたりで、怪しい奴を見かけませんでしたかね」】
【先ほどから路地で騒いでいた者達だろうか。気味の悪い柔和な笑みで、武器を持った数人が2人に近付いてくる】
【まだミラの擬態は解けていない。彼らの目には、彼女はそこら辺にいる不良に見えていた】
【擬態の下──無惨にも引きちぎれた一本の触腕や】
【そこに巻きつけられた布が真っ青に染まっていることは。まだ、御船にしか“見えて”いない】


67 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/04(水) 18:00:24 S/DUh6T.0
>>66

【左手の薬指───流石の彼も、そこにある指輪の理由は知っていて】
【だからこそ気になった、以前会った時に付けていなかった筈だから】
【ファッションにしては些か奇妙だ、魔力を宿す品物は基本的に高価な傾向にある】
【───特に指輪サイズのものとなればその値打ちは高い】


(────なるほど、ね)


【軽口の一つでも叩きたかった。化け物にもとうとう番が出来たか、とでも】
【しかし、口には出来なかった、あったのは喉の乾き】
【落ち着かない。まるでドレスコードを間違えて来たパーティ会場】

【理由が分からなかった、殺そうとした相手に抱く感情とも思えなかったけど】

【言葉を返そうとした刹那、男達が近づいてきた】
【貧弱な武装だと思った、けれども、彼に見えるミラの惨状】
【痛々しかった、生まれたての赤子の様に。──くそ、なんだってんだ、と】


汚い化け物の言葉を借りるなら、僕の周囲こそが深淵そのものであったって所かな
最初はそこに理想があった。そこにしか理想が無いと思った。
見てくれではなく魂が評価される世界、真に美しい魂と身体の調和が取れた世界。───

でも其れは歯車がずれた様に、少しずつ狂っていった。
人体実験、無意味な献金、裏工作、コップに少しずつ砂の様な疑問が集って

そこにきてこの『魔防法』だ、僕はこんな物の存在聞いちゃいなかった
けれども、動かなければならない、何故か。僕の依代がそう命じるからさ
初めから全部喜劇なんだ、信じていたものも、信じようとしていたものも


【御船の手が伸びた、右手の袖から針の先端を取り出し右手に握る】
【何食わぬ顔で男達に近づき、どうしました?と言いながら針を手のあたりに刺そうとする】
【成功したなら男達は、意識の糸が切れたようにその場に倒れるだろう】


【──────"なぁ"】


君ならわかる筈さ、わかってくれる筈さ
同じ化け物じゃないか、くそ───まともになんて生きられないのに
なのにどうして、こんなにも


───まともに生きたいなんて、思ってしまったのかな


【背中を向けてミラに言葉を向けた、懺悔の様な声で】


68 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/04(水) 19:51:56 wn2rqSVw0
>>63

【背後に立つ、刺客の気配。それを女性が感じ取ることはない】
【それだけ手元に集中しているということなのか】
【或いはこの場所――棄て去られた土地が、心を無防備にしてしまうのか】
【指先が触れたその瞬間に"ぴくん"と耳が震えるまで、一切の反応は無く――】


―――――――ひゃわぁっ…♥



【ぞくりと体が震える。その声は高く甘く、その性別が雌であると示すもの】
【余程弱いのだろう、輪郭をなぞられれば身体が弛緩し】
【その内に指が入り込めば、がくんと膝を折って崩れ落ちる】

【手にしていたスマートフォンはかたんと地面に落ちてしまい】
【"王様"という相手との会話画面を覗かせつつ――やがて、指が離れる頃には】
【髪の合間に覗く首筋までもが、火照ったように真っ赤に染まり】


っ……!…―――――こ、のぉ……――!!


【片膝を付きながら右手で端末を拾い上げ、振り向きざまに少女を視認する】
【その瞳はネコの様な鋭さを帯び、ぞわ、と空気を震わせながら腰に三尾の尻尾が顕現して】
【髪色と同じく奇抜な色合いの尻尾で相手を思い切り叩きつけようとしつつ】

【更に振るうは、その左手。放たれるのは冷気であり、受ければ地吹雪を受けたようなダメージを受けるだろう】
【具体的に言うならば、足元から胸元までがぴしりと厚さ3cmほどの氷に覆われて】
【その動きを物理的に制限する。そんな能力――異能使い、でもあるらしかった】


69 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/04(水) 20:02:01 S/DUh6T.0
>>68

【嬌声が聞こえて、少女の頬が緩んだ、予想以上の反応に】
【指先に感じる獣耳の感触、ふわふわとろとろの綿菓子みたい】
【ふへへーえへへーと幸せ状態】

【────で、あったのだが】


ふにゃー!!!!ぐぇっ!!!


【突如出現した尻尾、これには流石の少女も驚きだ】
【地面に叩きつけられ、凡そ少女が出して良い声ではない音を漏らす】
【いたた、何ですか!と言おうとし、体勢を整えようとした刹那】

【左手から放たれる冷気が彼女を捉えた】


にゃああああ!!つめ、冷た!?なんでかっこれっ!?
って動けなっ……!!凍っちゃって全然動けないですよっ!
はっ!!之はそういう春本で見たことありますよっ!動けない女の子を散々弄ぶやつ!

ぬ、鵺ちゃんはそういう訓練も受けてますしっ!時間の無駄ですって!
だ、だいたいっ、そんな無防備にけもみみぴょこぴょこしてるほーが悪いですっ!
触ってくださいってー!ゆってるようなもんじゃないですかぁ!

そーですよっ!大人ってみんなそーだ!社会もそうだしっ
あまーい匂いにつられて、ふらふらやってきた女の子を誑かすんです!
あーだこーだ!あーだこーだ!


【地面に手をついていたため、足から上半身、掌に至るまで床にがっちり固定】
【ぬーぬーっとバタつくもビクともしない、焦る焦る】
【怒ってませんよーにっ!と女性の顔を見ようとする】


70 : 名無しさん :2018/04/04(水) 20:53:43 XxDP.Grw0
>>59

【――――あれっ、と、思った。告げられたお願い事、じっと待って、聞いたなら】
【それを知っているって――思ったのだ。駆け抜けていく相手の背中へ振り返る、困りきってしまったような顔、少し泣きそうな目をして】
【何か言おうとした気がするけれど、ひゅうっ、と、息が詰まる。だから――もしかしたら、その背中に思い切り投げかけたら、声は届いたのかもしれないけど】

――――――っ、

【そうこうしているうちに、相手の姿は見えなくなる。なら――、追いかけることはなかった、ぐるぐる、言いたいことはねじくれるけど】
【――それで少しして、相手がくれた缶飲料のことを思い出す。なんだかいろいろな気持ち、複雑な気持ち……それを表すみたいに、プルタブはきれいに開かなくて】
【むぎーなんて言ってぐっと押し込んでやっと開ける。それで、中身を口に含んで――――】


【――――――夕暮れすぎの街角にちっちゃい子供の悲鳴が響いた、ふぎゃーって響いて、道を歩く人たちが何事かと振り向いて】
【それでぴょんぴょんはねまわって悶える幼子を見つけて――微笑ましいなあって目で、それで、どこかへ歩いていくのだった】

/おつかれさまでしたー!


71 : タオ=イーレイ ◆auPC5auEAk :2018/04/04(水) 20:54:14 ZCHlt7mo0
【水の国 路地裏】

「がぁあッ!?」
おやおや……なんですなんです、威勢よく飛び掛かってきたから試してみたら、あなたこれじゃあただの木偶の坊じゃないですか?
もう少し歯ごたえを感じさせてくれないと、面白みってもんがありませんよ?

【切れ長で涼しさを感じさせる瞳が、艶のある短い黒髪の中で映える顔立ちの】
【医療従事者用と思しき白衣を着こみ、ポケットからはステンレス製の細長い箱が覗いている】
【頭に、白いつば広の帽子を被っている、身長160㎝前後の女性が】
【1人の男を壁際に追い詰め、品定めするような目で覗き込んでいる】

【男は、ガタイの良い身体をゾロっとした服装に包み、パッと見で分かるほどに危険なチンピラと言った風情だったが】
【そんな男が、女性に壁際まで追い詰められ、白目を剥いていた】
【――――暗闇の中、目を凝らせば、女性の手には1本の長い鍼。それが男の喉元から下顎へと、ぷっすりと突き刺されている】

ほーらほーら、息をしたかったら頑張りなさいな。神経焼き切られるの、少しは堪えてみせなさい?
この対格差の女に負けて恥ずかしいってのに、ここで良い様に遊ばれてたら、もっと恥ずかしいってもんですよ?
ちょっとは見せてみせなさいな、あんたの『男』って奴をねぇ……?
「ひ、ぃ、ぎ……!!」

【グルンとひっくり返った男の目からは、とめどなく涙が溢れ、その呼吸は細く長く、苦しげに引き延ばされていた】
【その様を見ながら、女性はサディスティックな笑みを浮かべる。疑い様もなく、女性は男より格上の存在だったのだ】
【助けを呼ぶ事さえできない男は、ただ苦痛と恐怖の故に、痙攣するように体を震わせていた――――】

/5日の21時まで待ちますー


72 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/04(水) 23:34:10 Zdz8pgr.0
>>58
【転んだ彼女は静かに立ち上がって、その青の瞳は街灯のもとの拙い明かりでも】
【透き通って見えるようだった。だがその目にかけられている眼鏡は】
【ヒビが入って、傷がごりごりに入っていてずれたままかけている】

そうですね。ですが、私は視力を矯正する必要があるほど視力は不十分ではなく
また、この眼鏡は所謂「伊達」ですので、不要とも言えます。

【淡々と述べる。彼女はじーっと少女の目を見てしっかりとはなして】
【少し言葉のあと固まって……なにか考えているようだ。ハッとしたように】
【すこしだけ、ほんの少し体を揺らしてまた口を開く】

なるほど。割れたままかけているのは不要な警戒心を抱かせてしまうのですね。
それでは外します。……よろしいですか?

【淡々と無表情のままだが、警戒心はそこじゃないことには気づいていないようだ】
【表情は一切ないが、『さあどーだ!』という自信が彼女の内には溢れている】

さあ、いきましょう。お家はどこですか?

【外した眼鏡をコートのポケットにしまい、マイペースに話を進める】
【一方的に手まで出して、手を引いて行こうとするだろう。】


73 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/05(木) 02:01:19 kKe7jHeA0
>>67
【御船の能力により、男達はなす術もなく倒れ臥す。──思わず目を見開いた】
【何かしらの形で──例えば「あちらに行きましたよ」「知りませんよ」等と】
【それくらいのことを言ってくれるのではないか、程度の期待はしていたが】
【まさか。まさかここまで、とは──思わず、笑みが消えた】


…………随分としっかり助けてくれるじゃねぇか
それにしても────“まともに生きたい”、か


【つい息が零れる。最近はこんな話ばかりだ。まともに生きて】
【普通に死にたいと思っている奴らほど、損な目に遭っている】
【自分の生き方と交換してやりたい、とまでは思わないが──】
【早死にするのは善人だけ。世界はそんな仕組みで回ってでもいるのだろうか】


────“思う”ことは罪じゃねぇ


【呟いた声は、独白にも似ていた。これは慰めなのだろうか】


まともに生きるか、そうじゃねぇか──そもそも“まとも”って、なんなんだろうな
あたしもてめぇも……確かに見た目はまともじゃあねぇ。ヒトからすりゃ化け物もいいとこだ
でもよ──心まで腐りきってるわけじゃねぇ。好きなことはしてぇし嫌なもんは嫌だ
あたしはその辺をすげぇはっきりさせて生きてる感じだからよ
真っ当な生き方してる奴からすりゃ、あたしは“まとも”じゃあねぇんだろうが…………

てめぇの言う“まとも”がどんな感じかは知らねぇよ?でも、でもだ────御船
てめぇがいつまで経ってもヒトとてめぇとを比べてうじうじしている限り、変わんねぇんじゃねぇのか?
人は人、てめぇはてめぇ。…………そうじゃ、ねぇのか
あたしはあたしなりに、楽しいことややりてぇことを見つけて生きてきた
てめぇは…………どうだ。てめぇは本当にてめぇのやりたいことを見つけられてんのか?

今────てめぇは…………楽しんで、生きてんのか?
人から命じられて生きているなんて──それは本当に、楽しいのか?


【──ポケットから、何かを取り出す。くしゃくしゃに丸められた紙だった】
【それをミラは、御船に対して投げ渡す。別に無理に受け取らせようとはしなかった】
【もしも彼が紙を受け取るのであれば。そして、その紙を広げたならば】
【中から灰色の指輪が出てくるのだ。紙には、連絡先らしきアドレスと番号が書かれており】


“奴ら”が作り出す世界は、本当に調和とやらが取れているのか?
能力も魔術も、なにもかも否定して──それが本当に、いい世界なのか?
本当に────あたしらのような異物が受け入れられる世界なのか?

…………あたしはそんなの、認めねぇ。認めたくねぇ
あたしを見てすぐにぶっ殺しにかかろうとした──そんなやつらがいる世界の方が、よほどまともじゃあねぇよ


…………。…………そいつはあたしの連絡先だ。欲しけりゃ使いな
ただ、もし使うんなら──その指輪をはめて使え
どうにもあたしの回線をじっと眺めてるクソ共がいるみてぇなんでな。それ対策だ
いらねぇってんなら、この場で砕くか…………まぁ好きにしな


【「なんだったら相談料の5セントをつけてもらっても構わねぇけど」】
【最後にそれだけ、取ってつけたように嗤う。今言ったことを少し思い返して、もう一度嗤う】
【何を言っているのだろうか、自分は。最近こんなことが多すぎて、焼きでも回ったか】
【ただ、不思議なことに──今の言葉を撤回する気には、なれなかった】


74 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/05(木) 05:27:59 wn2rqSVw0
>>69

【氷漬けにされた少女に向き直る女性の顔は、いまだ赤く】
【その吐息も荒かったが――瞳は完全に敵や獲物を見るソレで】
【ふわりと揺れる尻尾は威嚇するように毛が逆立ち、どう見ても友好的ではなくて】


ふうっ……ぴーぴーと喧しい小娘ですねえ。
一体どこから来たんです?……まっ、鵺とかいうお名前と
さっきの身のこなしで何となく想像は付きますけど?

……ほーんと、どうしてあげましょうかねえ
人様の大事なトコロを好き勝手しておいて
いざとなれば自分は嫌だなんて虫が良すぎると思いません?


【「お好みなら春画程度じゃ済みませんよ?」なんて口にしつつ】
【写真をパシャリ。相手が動けないのを良い事に、その顔やら格好やら】
【誰が見てもこの少女だと分かるように、幾つかの角度から彼女の外見を画像で保存し】

【ゆらゆらと尻尾を揺らしながら立ち上がれば、少しは怒りも落ち着いてきた様子】
【色違いの瞳は人のそれと変わらぬモノになって、格下を見下すように冷たく少女を見つめ】


"鵺"ねえ……正体不明の妖怪のお名前を使っている、と。
……貴女、櫻の国の隠密か何かです?……にしては随分とお間抜けさんですが

…………何か申し開きとか、あります?
無いならこのまま捨てて帰っちゃおっかなーなんて、私思うんですけど。
甘い香りに誘われたお馬鹿な小娘の末路なんて私、別に知りませんし?


【「どうなんです?」と問いかけながら少女の正面にしゃがみこんで】
【目線を合わせつつ、その額をつんつん、ぐりぐりと指先で突いたりする】
【氷はまだまだ、そのままで。何となく、嗜虐心の強そうな笑みを浮かべていた】


75 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/05(木) 05:43:10 wg3NHxpU0
>>73

【浮かぶ言葉に感傷も慰めも無い、彼は善人と呼ぶにはあまりにも偏っている】
【職務が故に数多の能力者を手にかけた。悪行に手を染めた事もある】
【だからこそ救われる筈の無い魂だと、思っていた】

【かけられるミラの言葉。信念を持った強い言葉だった】
【眩しく、そして不思議だった、何故こんなにも強く生きられるのだろうと】
【───何故強く、生きられなかったのだろう、と】


…………ふん、僕と君とを一緒にするのはナンセンスだろう
僕の繊細な感性は、君の様な下卑な輩には理解できないのさ
楽しんで生きるだって?

馬鹿馬鹿しい、上辺だけの人間が周囲にわんさか居て、そんな考え方良く出来る
そもそも生きる事に楽しいだなんて感じた事は無い
"人"に生まれてしまった以上、生きてるだけさ

化け物に人生論を語られるとは思っていなかったよ、人並みに良く語る
僕のやりたい事だって?さっき言った通りさ、正しい者が正しく評価される社会さ
その為に生きてるんだ、その為に───


【返す言葉には微塵も歩み寄りは無く、どこか距離を置くようで】
【しかし、ミラに紙を放られ、虚をつかれたのか少し慌て】
【両手でそれを掴むだろう、彼らしくない様子で】


…………焼きが回ったな、化け物を狩る相手に自分の連絡先を教えるだなんて
"殺してくれ"──と、言ってる様なものじゃないか
ふ、はは───酔狂もここまで来れば見事、か

ふん、なるべくこんな物に頼らない事を祈るよ、願わくば、な
まぁでも、貰っておいてやるよ、君が僕の力を頼る事の方が多いだろう
泣き顔の一つでも見せてみな、ガワは綺麗な顔してるじゃないか


【────もしかすると、助けてやるかもな】

【ポケットに乱雑なしまい方をして、御船は背中を向ける】
【何も用件がなければ立ち去るだろう、あくまでも終わりはクールに】
【或いはきっと、その姿を見られたくないから】


76 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/05(木) 05:55:19 wg3NHxpU0
>>74

【ぱしゃぱしゃと写真を撮られる】
【最初のうちは”やーだーっ!”とか”撮らないでー!”とかだったが】
【途中から、撮られるのも満更ではなくなったようで】

【キメ顔の嵐。──果たして状況が分かっているのか】


ふふーんっ、絢爛栄える桜花の都───櫻の国とは私の出身地です
可憐、美麗、豪華、櫻を讃える言葉はすっかりそのまま、鵺ちゃんにかかるのです
そーれーにっ!其れは私の台詞ですよ獣耳娘!

一体そんな素敵な萌えウェポンどこで仕入れたんですか!?
地毛ですか!地毛なのね!あぁ、生まれながらにしての格差社会!
鵺ちゃんも欲しかったです、そしたら世界初獣耳忍者としてお茶の間デビューも夢ではなくてっ

こーんなに可愛い鵺ちゃんに、そーんなに可愛い獣耳が付いちゃったら大問題!
数多くる有象無象の誘いをぴーんっと弾いちゃって
ちょーぜつイケメンの玉の輿をちゃっかり貰っちゃいますよっ!


【ぬえーんっ、と不敵に笑う、よー喋る子である】
【しかし、気づけば冷たい視線を浴びながら弄られてる】
【おーでーこー!触らないのー!と声を結んで】


ぬえっ!お間抜けだなんてひっどーい!さいてー!女の子になんて言葉かけるんですか!
隠密かどうかなんて機密事項言えるわけないじゃないですかーやだーっ!
……って、もしかして!このまま放置されちゃうんですか!

こんな人気の無い場所に、鵺ちゃんの様な超絶美少女が放置ですよ!
だめ!だーめっ!!絶対襲われちゃいます!150%ぐらいの確率で!

やだ、やだ、やだ!!捨てないで!見捨てないでくださいーっ!

───"何でもしますから"!!


【ん?】


77 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/05(木) 07:20:20 wn2rqSVw0
>>76

ふうむ、なるほど……随分と自意識過剰なお子様のようで
その上ヒトを獣耳娘呼ばわりとは非礼にも程があると言いますか。
……ほーんとどうしましょ、煮て焼いて喰ってあげましょうか?

ちなみに耳と尻尾は生まれついてです。見ての通り、妖怪ですし?
貴女のような喧しい娘が同族に居なくて良かったと安心しきりですねえ、全く。

【どうしちゃいましょ――うりうりとおでこを押すように弄りつつ】
【暫しもすればそれも飽きて、困ったようにため息を吐く】

はいはい、隠密なんですねー?
ご丁寧にどうもです、あとで櫻の国宛に文でも送っておきますね。
それにしてもなんですそれ。一度襲われてもう一度襲われるとでも?
まあいっそそうなってくれたほうが静かになってくれていいかもですが――

【"ぴょこん"――色違いのケモノ耳が敏感に揺れる】
【「何でもする」なんていう言葉を聞いた、まさにそんなタイミングの事】
【ふぅん、と楽しげに。そして悪そうな笑みを見せながら、目線を合わせるようにしゃがみ込み】


そんなことをこの"クズノハ"に言ってしまって良いんですかねえ…――?
本当に何でもさせちゃいますよ、私。

もっと人通りの多い場所でストリップショーでもいいですし。
最近話題の"特区"で、警察やらドローンやらと鬼ごっこさせちゃうのも楽しそうですねえ?

そーれーとーもー……本当に獣耳忍者になるまで、可愛がってあげましょうか。
私、結構高位の妖怪ですし。色々と貴女のことを染め上げれば
眷属みたいにすることも出来ちゃうわけで。……見た目だけは良いですしねえ
別に同性でも関係ありませんし?というかむしろ歓迎といいますか。
なっちゃいます?私の眷属。頭の中がぐちゃぐちゃになっちゃいますけど、気持ち良いですよぉ……♥


【くすくすと笑いながら、その耳元で熱く舐るような言葉を投げかける】
【凍りついた手足をその上から軽く擦って、時には外気に触れた素肌を撫でて】
【終いには味見でもするようにその耳朶に舌先を這わせてから、静かに立ち上がり】


……――――それとも、うちのお抱え隠密にでもなっちゃいます?
お金、一杯あるんですよ。多分御公儀よりお給金、良いと思うんですけどネー?


【ぱちん。指を鳴らすと鵺を凍てつかせていた氷が霧散して】
【冷たさこそ残るものの、もう自由。――飽きた、のだろうか】
【からんと高下駄を鳴らしながら振り返って向けた視線は、「さっさとお帰りなさいな」と】
【そう諭すような、優しくも冷たいものだった】


78 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/05(木) 11:01:04 wg3NHxpU0
>>77

【貴女の吐息を間近で感じる距離、触れる温もりにひゃぅって声を漏らす】
【頬が紅潮する、吐息の量が増えて、その奥の鼓動を強める】
【呼吸と共に上下する華奢な身体───貴女の瞳に見初められ】


ひぃ……!!ぇ、ようか……妖怪さんなんですか!?
私、文献やお話の中でしか会ったことなくって……え、てことは
あんな事や、こんな事も、できちゃぅって……


【冷たい汗が伝った。───無礼な行いを再認識して】
【小さく震える、どうしましょうなんて独り言を重ねたら】
【一枚一枚衣を剥ぐ様なスキンシップに、骨抜きにされていく】


ぅあ……け、眷属───ん、と……なんだか、気になるワードが……!
ぬ、鵺ちゃんは、もう所属がきまってるのでぇ……
お抱えにしたかったらっ、事務所を通して───


【謎の言葉を伝えながら、身悶えしてたら】
【氷が霧散、暴れてたのでへにゃっと軽く地面にぶつかって】
【いたた、と呟きながら鳶座りで貴女を見上げる】


……すいません、幾つか質問良いですかっ?
妖怪さん、という事は"櫻の国"の所属、なんですか?
んー、でもっ、あそこそんなに給料良くないですよね

『夜行』の一件もありましたしっ、あれで信用落ちましたしね
……えっと、その……調子には、乗りすぎました、ごめんなさい
つい、綺麗な獣耳した人を見たので、浮かれしまった、とゆーか……

里にいた頃も、たまーに、獣耳の人見かけてたんですけどっ
うちの方針で基本的に、触れ合うのは禁止されてまして
……だから、憧れが強かったんです


【貴女の言葉に残る疑問の端、僅かばかりの不満も加えて】
【後半は謝罪、興奮の熱が退いて少しは理性的な言葉】
【バツが悪そうに視線を逸らす、やってしまった、と思いながら】


79 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/05(木) 14:26:58 nlmnmX0.0
>>72

【こちらに向けられた青い瞳はとても綺麗で、吸い込まれるような美しさがあった】
【────などと、見惚れている場合じゃなかった。むしろ割れた伊達眼鏡がずれてる状態は】
【ちょっと、ださいかも。なんて思う少女であった】

え、あ、そうなのね…………なら、いい、かしら?

【伊達眼鏡だから問題ないと言われて、困惑しながらも納得するような、しないような】
【少女はそんな反応をしていた。多分、一番の問題はそこじゃない】

【眼鏡を外してくれれば、それは違和感は消えるというか、変ではなくなるのだけれど】
【”えぇ……”みたいな、そういう表情が少女から消えることはまだなかった。だから、問題はそこじゃない】

え、あ、いや、ちょっと……!
家はあっちだけど、迷子とかそういうのじゃないから!

【律儀に家の方角を指差しながら、手を引かれても抵抗はしなかった】
【ただその手の感触は少し”奇妙”だった。確かに瑞々しい皮膚があり、骨格がある】
【────その骨格は通常のものよりも重く硬いのだ。まるで金属か何かのように】


80 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/05(木) 14:38:43 1FXh.HC.0
>>78
【こちらを見上げ、幾分か言葉も大人しくなった少女に対し】
【呆れたような吐息を漏らしつつ、振り返って】
【「やれやれですねえ」なんて言いながら尻尾を揺らし】


まっ、櫻の生まれではありますが所属はしていませんよ?
御公儀とかお固すぎて合いませんし、仰る通りお給金も少ないですし。
私が所属しているのは…──ぁー、まあ、もっと気前の良いところですので。


こほん。……とりあえず、きちんとお詫びもしてもらったことですし
今回は子供のお遊びということで水に流してあげましょうか。

事情も分からないでもないですし……とはいえ、です。
……他人様の敏感なトコロを後ろからなんて、失礼にもほどがあるのは確か。
貴女だってされたら驚くでしょうに。…悦ぶかどうかは別にして。


【ばつが悪そうに視線を逸らす彼女に対し、静かにしゃがみこむと】
【その頬に触れて、両手で包むように上を向かせ、目を合わせれば】
【すでにその瞳は人のもの。穏やかな状態だと告げていて】


それに、綺麗という点では貴女も良い線行っていると思いますし?
……それにしてもその歳で隠密とか、さては"里"の出か何かで?


【里。要は忍び一族が住む山里のことだ。生まれたからには、忍術を学ばねばならない】
【そんな場所の存在も知っている。けれど、あくまでこれは方言で】
【先からいくつか気になることを口走る少女から、また情報を聞き出そうと】
【耳をぴくぴくと震わせながら、その返事を待つのだった】


81 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/05(木) 14:48:20 0JXHBTNI0
>>75

────は、そりゃつまんねぇ人生だ

ダチにもこないだ言ったばっかなんだがよぉ…………
もうちょっと、ワガママに生きりゃいいと思うぜ?
せっかく自分のカタチ持って生きてんだ。楽しく生きなきゃ損だろ


【割り切っているのだろう。自分は自分だと。例え人外に生まれ落ちても】
【それが自分の在るが儘だと、心の底から受け入れている】
【生は楽しむためにあると、ひとつ“生き方”に対する明確な答えを彼女は持ち合わせている】
【──其れを信念と呼べるのかは、定かではなかったが。そうと呼ぶ者も、確かにいるのだろう】


ばぁか────協力者だっててめぇが言ったんだぜ?
連絡先のひとつも知らねぇで何が協力だ

…………なぁ。御船、よぉ

────気が向いたら、法案なんて作った連中ぶっ潰そうぜ


【「連絡、待ってるからよぉ」──そう言って】
【彼の立ち去る姿を見るのは、途中まで。後は適当な姿に擬態したまま】
【ふらりと大通りの方に歩いて行く。そうして、人の群れに紛れて】
【あっという間に──彼女の姿は見えなくなる。彼であれば、その姿を捉えることは容易だろうが】
【堂々と、違和を抱えたまま歩くのだ。人は其れに気付かない。彼の目だけが、其れを見ることが出来るのだ】

/このあたりでしょうか、数日間ありがとうございました。おつかれ様でしたっ


82 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/05(木) 15:57:30 B1YS.jpM0
>>80

【包まれるほっぺた、うーうー唸って、蜂蜜色をじーっと向ける】
【穏やかな瞳の色を見てると、同性なのに、何故かドキドキしてくる】
【色彩に満ちた貴女の姿、浮世離れした美しさがそこにはあって】


高給取りさんなんですねっ!あぁ、羨ましいです
私はどうやらそーゆーのっ、全然縁が無いようで
櫻でのお仕事も、今のお仕事も、十分とは全く言えず……

てゆーかっ!櫻自体がなんかお金無いんですよねっ
やっぱり観光客頼りの経済自体が間違ってると思いますしっ
特にこの時期とか花見目当ての観光客が多いですしぃ

……まぁ、その、やってしまった事は、ほんとに反省してます
でも、そーゆー、魅力的なサムシングを、出してるのも、悪いよーな


【お喋り、彼女の属性は間違いなくそれ】
【櫻の国だか、どっかの京都だとか分からない事を述べながら】
【綺麗、と言われて嬉しそうにえへへーと笑った】


ほんとですかっ!綺麗なおねーさんに言われると、私も嬉しいです
でも、まぁ知ってますしーっ!鵺ちゃんが可愛いなんてじょーしき、じょーしき!
えっへへー!そうです、そうです!里でも、みんなから可愛がられるアイドルだったんですよ!

次期"御庭番衆"筆頭だなんて言われてましたし!みたいな!
可愛くって忍術もできちゃう、体術も抜群!房中術は今一歩!
里の名前と共に鵺ちゃん全盛期でした!


【本当に隠密かと言いたくなる情報開示っぷりである】
【ちらちらと蜂蜜色の瞳が獣耳に囚われる】
【猫の前でふりふりする猫じゃらしの如く】


83 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/05(木) 19:23:31 LBE6K7tg0
>>79
【その自信満々そうな様子でいるが、顔面から思いっきり転んだのだ】
【目鼻立ちのはっきりした顔に汚れもついているが気にしていない様子で】
【不気味さは別の意味に変わっていることだろう。】

よろしいのなら……よろしいです。私もよろしいですから。

【さあさあと手を掴んで。決して無理に引っ張ったりしないが、断りにくい】
【なんかすごいやる気みたいなものを感じる。使命感とも言える】

【彼女の手はその雰囲気とは裏腹に温かい。白く、長く揃った指先】

【その手を掴んだときに彼女はまた停止する。そのたびに見た目と雰囲気が】
【相まって、そういう人形がおいてあるようにピタリと止まる。考えているのか】
【その手と、少女の顔を繰り返しながめて……】

なるほど、人の体躯というものは様々です。お気になさる必要はありません。
私はヒューマノイドですので私の手は作り物ですが。作り物とそうでないものの差はそれが自分の意思を持って行動できるかだと博士はおっしゃられました

【さあ行きましょうと続ける。なにかまた勘違いしているみたいだが】


84 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/05(木) 19:47:14 nlmnmX0.0
>>83

(こ、この人、なんでこんなやる気満々なのよ……!)

【自分を家まで連れていくことに並々ならぬ意気込みを見せる女に】
【少女はもう困惑しっぱなしであった。勿論、自分の姿が子供であることは分かっているが】
【それにしても、と思う。何が彼女を突き動かしているのか!】

あぁ、やっぱり貴女”も”作り物なのね……なんだかそんな雰囲気がしたわ
というか、そろそろ迷子じゃないっていう私の話も聞いてくれてもいいと思うんだけど…………

【手を引かれたまま歩く少女。困り顔をしながらもどうにも断りにくい】
【話を聞いてくれ、という主張は諦めずに続ける。それと一緒に、作り物という言葉への反応もしておく】


85 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/05(木) 20:35:00 AlSEJK/U0
【街中】
【ショーウィンドウ立ち並ぶごく一般的な商店街。その中に、ひとり】
【驚いているような、途方に暮れているような、哀しんでいるような――】
【……とにかくよくわからない、表現し辛い表情を浮かべている少女がいた】

………………、

【肩甲骨の辺りまで伸びた白い髪を風に遊ばせている、細く小柄な少女】
【特徴的なのはいやに長い前髪だった。顎のあたりまで到達するそれを、左側で分けて】
【――――特に値打ちもしなさそうなバレッタで、顔にかかることのないよう、留めている】

【彼女は、その顔をウィンドウに映し、ぺた・ぺた――と】
【顔の右半分をしきりに触っては、首を傾げ、怪訝そうに眉を顰め】

……りょ、両目あるの、落ち着かないっ……
視界ってこんなに広いものでした? モノってこんなに立体感ありました?
ああもう、どうして、なんでこんな時に――――っ

【……そんな感じの、意味不明なことを口走っているのだ】
【故に目立つ。だいぶ目立つ。現に通りすぎていく人々の何人かは、彼女を見て――見ぬふりして去っていく】


86 : 厳島のなか ◆rZXDD3W69U :2018/04/05(木) 20:57:42 6.kk0qdE0
>>85
【街のショップのウィンドウだろうか】
【その店がどうこうではなく、店の前に自分自身を映しながら】
【自分の顔をしきりに触る少女が居た】

「あ、佳月ちゃんッス」
「え、あ、本当だ……え?何してんのあの子、と言うか髪切ったあの子?」

【その少女の事を知る二人の男女】
【カウボーイ姿の男性と少女だ】
【二人はそんな奇妙な様子の少女に近づいて】

「佳月ちゃん!何してるッス?」
「どうしたんだ?あ、髪切った?」

【口々にそう聞いた】
【なんちゃらアワーのなんちゃらショッキングを連想させる事を言ってる男性だが、そこは気にせずともよいだろう】


87 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/05(木) 20:57:58 wn2rqSVw0
>>82

まあ、櫻自体が言ってしまえば時代遅れですし?
魅力有る国っていっても不便ですしねえ、観光だよりも致し方無しというか。

……おやおや、生まれ持った私の特徴が悪いと聞こえるような。
そういうお子様、嫌いなんですよねえ私。
我慢できない上にお喋りだなんて、毎日居たら疲れるので眷属中止ですっ。

【好奇心を隠そうともせず、少し褒めれば嬉しそうに笑う】
【そんな少女を愛でたくなる自然な気持ちもあったものの】
【それ以上に、一人で静かに居たいタイプなのだろうか】
【眷属に、というある種の魅力的な誘惑は一方的に断ち切られてしまって】

【続けて耳に届く、明らかに秘匿すべきだろう情報の数々】
【特に「次期"御庭番衆"筆頭」という言葉を聞けば、尻尾は興味深そうに揺れ】

【――言葉の最中に感じる視線には、無論と言うか気付いているのだろう】
【なにせ相手は手練の隠密。一度はその弱点を突かれた身だ】
【対策は完璧――ふわりと長い尻尾を揺らして、少女のお腹を抱くようにしつつ】
【さらさらの毛並みで全身を擽るように愛でていき】

そういえばさっき、櫻でも今のお仕事でもお給金は十分ではない、と言っていたような。

……どうです?良ければ本当にうちで働いちゃいません?
"御庭番衆"の凄さは私も知っていますし、なにより背後も取られちゃいましたし。
その腕は買ってもいいかなーなんて私、思いまして。

お金なら唸るほどある組織なんですよねえ。それこそ、お国とか買えちゃうくらいでして。
今なら特別待遇で引き抜きとかしちゃうんですケド…――興味、あります?

【首筋をすりすり、ほっぺたをさらさら、時々お腹はきゅっと抱き締めて】
【存分に尻尾を自由にさせ、味わわせながらそんな事を問いかけた】


88 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/05(木) 21:28:44 AlSEJK/U0
>>86

……あ、万事屋さんたち……

【どうも、と挨拶を掛ける程度の余裕は、今回はあったらしい】
【小さく頭を下げて、上げて――そうして見せたかんばせの相違点】
【以前まではかたくななまでに見せようとしなかった、右目が晒されていることだけ】

その、ええと……髪は切ってないです。でも、
……うーん、なんて言ったら、いいのか……

【困ったように視線を逸らす、両目で。なんだかぎこちない動作だったけど】
【何秒間かそうして何処かそっぽを見つめたあと、意を決したように向き直る】

……、……ごめんなさい、こないだ「特攻隊長」やりますって言いましたけど……
しばらくの間、それもできなさそうに、なっちゃいまして……

【「何から説明すればいいのかな」、と口にしながら、また困ったように】
【視線を斜め下に落とす。その間にも、手でぺたぺたと顔の右側に触れて】
【――どうやら、右目のあたりに違和感を持っているようだった】
【眉を八の字にして、はあ。あからさまな溜息を零す】


89 : 厳島のなか ◆rZXDD3W69U :2018/04/05(木) 21:39:21 6.kk0qdE0
>>88
【どうにも、煮え切らない様子の佳月だった】
【前の様に取り乱しては居ないのだが、何だか言動がぎこちない】
【その上に元気も無い様子だ】

「何かあったッスか?」
「右目、そう言えば、ずっと髪で隠れてたなー、右目どうかしたのか?」

【口々にそう聞く】
【特攻隊長が出来なくなった、と言っている事といい只事では無さそうだ】
【随分と、様子も困っている】

「アレだ、俺達も佳月ちゃんに報告があるし……」
「ウチで話すッス?丁度スタジオガブリもレンタルしてきたッス!」

【ぐっとTSUT○YAの袋を見せながら、そう言うマリー】
【最もこの二人も何らかの報告はあるようで……】


90 : 名無しさん :2018/04/05(木) 21:51:13 DIKJp7AM0
>>884

……。あなたは、それを諦めきれないのですね。
鈴音。足りなくても、助けになっていると言っても……あなたは、納得しないのでしょう。
その気持ちは、とても分かります。でも……鈴音、どうかご自愛下さいな。
あなたが手一杯なのは、見ているとよく分かります。……どうか、無理をし過ぎないように。

【足りないのは自分も同じ。いや、自分だけではないだろう。同様の行動をする者にとって一番の悩みは、その手が全てに届かない事】
【どうしたって、一人で出来る事は限られてしまう。神様でもない、一人の人間の身では、救いたいだけ救えるなんて到底出来っこない。】
【だからこそ、その足りなさを痛感する。自分のしている事は、鈴音からすれば本当の意味での「救い」なのかもしれない。けれど】
【自分や、自分に賛同してくれる人を併せても……救える数は、100人にも満たない。100人は救ったと言えば聞こえはいいが】
【救うべき子供の数は、世の混乱に比例するように増える一方だ。自分の力の無さは、鈴音と同じように痛感している。だからこそ】
【言外に滲む鈴音の無念はよく分かってしまう。やり場のない怒りに似た感情をが湧くのも、分かってしまう。】
【しかも、鈴音は「力が無いから仕方ない」と諦めて納得しようとしない。力の無さを、本気で悔しがっている。】
【理想は所詮理想であると片付けてしまった方が楽なこともあるだろうに、そうしようとはしない。そのある意味での頑固さが】
【自分には、とても眩しく見えて。だからこそ、自分は鈴音を応援しているのかもしれない。でも】
【時として、その理想を追い求めるあまりにパンクする人がいる。それも、自分にはつらい。―――友人として、子供と同じくらい、鈴音も大切だから】

……いいのです。私でいいなら、遠慮せず思いの丈をぶつけて下さいな。
貴女の取り巻く環境の複雑さも、心を許すことが出来ない情勢も、少しは知っているつもりです。
どうか、一人で頑張りすぎないようにして下さい。……少なくとも、私は貴女の味方でいたいのですよ。

【言いたい事ばかり言われることに、苦なんて感じない。自分には、その言葉を受け止めるくらいしかできないからこそ】
【疑心暗鬼なこの情勢で、一人でも鈴音の味方でありたいから……それくらいは、させて欲しい。と】
【いっぱいいっぱいな鈴音の力になれるのなら、自分はそれで十分すぎるくらいに嬉しい。】


91 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/05(木) 21:52:23 AlSEJK/U0
>>89

……ええ、長いお話になりそうですので。
お邪魔させてもらいますね……あっ映画観るならポップコーン……
……食べてるような余裕もなさそうなんですけど、これが。

【もうひとつ溜息。零してから、ふたりについて歩いていくことだろう】
【そうしてふたりのアジトに辿り着いたなら、適当なところに腰掛ける】
【地べたに座るなら正座。椅子に座らせてくれるなら、浅く腰掛けて背筋を伸ばす】
【そんな風に、かしこまったような姿勢を取るのだ】
【リラックスしている暇も余裕も、ない。そうとでも言いたげに】

私の話は長くなりそうですので……そうですね、お二人のほうから。
教えていただけますか、私への報告とやら。

【話を切り出しながらも、やはり手は右の頬を撫でていて】
【相当、落ち着かないのだろう。それでも視線は両目とも真っ直ぐ、真面目に聞く姿勢】


92 : 厳島のなか ◆rZXDD3W69U :2018/04/05(木) 22:04:50 6.kk0qdE0
>>91

「佳月ちゃん……元気無いッスね」
「……いいさ、ゆっくり話聞いてやろうぜ」

【アパッチ盗賊団改め万事屋アパッチ拠点】

【拠点と言うほど大それた物ではなく】
【またアジトと言うほど隠された存在でもない】
【何の事は無い普通のアパート、六畳二間とキッチン、ユニットバス】
【一間は二人の寝室、もう一間がテレビ、ソファが置いてあるダイニング、の扱いの様だ】
【佳月はソファに、付近のテーブルには来る途中に買ったポップコーン、ジャ○プ、そして借りたDVDの数々】

「そうぞッス」

【マリーが佳月にお茶を出し】
【やがて……】

「うーん、それがッスね……」
「それがな……佳月ちゃんの探してる女の子、夕月ちゃんを知ってるって奴に会った」

【話し難そうに、しかしそれでも真剣な口調で】

「アスタン襲撃の主犯、カノッサ機関のCrimsonって名乗った、そいつが知ってるみたいだったが……」
「そいつは交換条件を出してきた、夕月ちゃんの情報を教えてもいいが、引き換えに」

【ここで一呼吸おいて】

「俺達も含め、機関に対抗する勢力の情報を寄越せ、とな」
「連絡先だけ聞いて、話はまた後日としたんだが……」
「……仲間を、売れって事だからな……」

【顔を落とした】
【とてもじゃないが、佳月を直視出来なかった】


93 : 名無しさん :2018/04/05(木) 22:21:59 zstv6nU60
>>90

…………うん、納得、しないの。
無理だなんて――……してない、よ、わたしは……できることをやっているだけなの、だから――ね。
それに……"みんな"の方が、頑張ってる、わたしがやり方なんて到底分からないこと……セリーナも、きっと、マリアも。

【諦めることはできない、諦めることを許容はできない。だからきっと終われない、そこに到達することがあっても、きっと、納得することはなくって】
【そんなのずーっと続くみたいで、だけど、たぶん、それでいいと思っているのだろう。世界中の全部を丸ごと救ったと思うまで止まれないような、そんな、何か】
【あるいは強迫観念めいたものでもあるかもしれない、そうまでたどり着いた気持ちは呪いにも似るかもしれないし神の祟りにも似るのかもしれない、だけど】
【世間にはあくまでいい行いのように映るから――だからこそ。きっとマリアのような人物は彼女にとって大事なのだろう、こうして話してくれるひと、なかなかいないから】

ううん――、大丈夫、だよ。だけど……ありがとう。

【――少し困ったような顔をした。眉を下げて、笑うのに、どこか寂しげで】
【言えるはずがなかった。今抱える問題は知るだけで命を蝕むような猛毒、知ったら戻れなくって、知ってしまった時点で、存在が危うくなる】
【だから言えないし、言わない。きっと言うつもりもないだろう、どれだけ問い詰めたって頑なに黙ってしまいそうなのはきっと目に見え】

マリア。マリアも――気を付けて。いろんなことが落ち着くまで、もしかしたらここにも来ない方がいいかもしれない。
マリアが……あなたの大切なひとも、自分自身も、大事だって思うなら、護りたいって思うなら、――ここは、今、あんまり、
――だけど、今日は、お話できてよかった。それはね、本当なの。わがままをしたの……、

【――――がちり、と、古い歯車がかみ合う音がした。そうして間髪入れずになり出すのは、壁に掛けられた時計。軋むような音で、時刻の数だけの鐘を鳴らし】
【そうすれば――時間も知れるだろう。そろそろ遅い時間に差し掛かりつつあった、仮定と――それからたくさんの家族が待つマリアにとっては、だいぶ遅い時間ではなかろうか】
【「安全じゃないかもしれないから」――その言葉は、古い柱時計の無遠慮な音量に遮られて、よく聞こえない。それでも言葉はわずかに矛盾する、なら、本当にわがままだ】
【それこそ疲れ始めているんだって証拠みたいにちぐはぐなこと――それでも笑った表情はやっぱりあどけなくって、それはいつも通りで】

【もう帰る――というのなら、少女は表までは見送っていくだろう。そうでなくって室内から直接転移するというのでも、可能な場所までは、見送ろうとする】
【追い返すわけではない。マリアがもう少し……というならば、彼女は嬉しそうな、それでいて少し申し訳ないような顔をするはずで――】


94 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/05(木) 22:40:06 LBE6K7tg0
>>84
【ヒューマノイドはひたりと動きをまた止める。そして思案】
【握った手は話さないまま、彼女はまた答えを導き出す】

なんと、貴女もヒューマノイドなのですか?『そいつはすげぇや』です。
私は初めて、ヒューマノイドを見ました。初めまして。

【淡々と話すが、ペコリとお辞儀をして、そしてつないだ手をぶんぶん振る】
【表情には現れていないがなんとも嬉しそうだった。なんとも人間らしい】

では、歩きながらお話しましょう。私はゾーイです。名前はゾーイといいます。

【大げさにつないだ腕を振りながら、歩みは止めない。話は聞いているが】
【足を止めろとは言われていないというのが彼女の言い分だ】


95 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/05(木) 22:47:06 nlmnmX0.0
>>94

あ、えっと、初めまして……かしら
私は姉妹がいるから他にも見たことあるけど……って、な、何よ!

【ぶんぶんと手が振られる。ぶんぶん、ぶんぶん】
【喜んでいる様子なのは分かる。けど、そういうことをする相手には見えなかったから】
【何だかびっくり。慌てるような感じになるけど、案外嫌そうではなかった】

ゾーイ、さんね。私は詩織、赤木詩織よ
さっきも言ったとおり、機械人形……人間じゃないんだけど……うぅん
貴女は、あそこで何をしていたの?

【名前を名乗り、そして自分の身体の話をしようとしていたようだったが】
【表情に微かな影が差す。すぐに話題を変えるように、公園にいた理由を尋ねる】


96 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/05(木) 23:38:34 wg3NHxpU0
>>87

【眷属中止、その響きに鵺の驚きはマックス近くになった】
【えーっ!そんなーっ!大きな目をばっと見開いて両手をばたばた】
【やーだーっ!と大きな声でいう。うるさい】


眷属中止っ!?毎日お姉さんをもふもふできて、お菓子が出てきてお金も貰えるんですよねっ!
そんな魅力的なもの一方的に禁止だなんてっ、んもぅ鵺ちゃんびっくりですっ
いや、まぁ、今のうちでしたらっ、撤回してもいいんですよ?

……うぅ、ごめんなさいぃ……悪くないですぅ……悪いのは全部ぬぇですぅ……
ぬぇが我慢出来ないお子様だから悪かったんですぅ……


【強気な態度は成就しない、スグに撤回して謝罪】
【しかしまあ懲りずに怒られ続ける小娘である】
【クズノハから見ればどのように映っているのか、気になる所ではあるが】

【ひゃっ!と声が漏れた、さらさらの長い尻尾が流れてきたから】
【それはさながら白夜に咲いた一輪の花、煌めく頬の輝き】
【とろっとろに頬を綻ばせて、尻尾の感触に酔いしれる】


ひゃぅ……そぅれふ───っ、お金払いひっどいんですよっ!
いたいけな乙女を朝から晩までこき使って、お給金は雀の涙!
鵺ちゃんの主食は最早ダクト飯、右から左へ今日はどちらの焼肉屋へと!

ふぇ!?そんな組織があるんですかっ!?
そですよっ!鵺ちゃんバリバリです!腕前!凄い!
きょーみありありですです!!


【お給金は少ない訳ではなく、鵺に計画性が無い為、一部をラピスに貯金してもらってるのである】
【ぴこーんとその言葉に反応、興味津々と言った様子で】


97 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/06(金) 00:01:42 AlSEJK/U0
>>92

【黙って、話を聞く。「夕月」のワードが出れば、身を乗り出すように前に出たが】
【その後までを聞いて――――はあ、と息を吐いた】

……カノッサ機関。そんな人が、なぜ夕月さんのこと、知ってるんでしょうね。
あのバカ……本当にどこまでも、他人様に迷惑ばっかりかけて……

【首を横に振る。そうしてから、ビリーの目をまっすぐ、見つめて】

ビリーさん。そこまでして、情報をもらいたい――なんて思いません。
そもそも相手は機関の人間なんでしょう? 嘘言ってるだけかもしれないでしょう、
ですから……そんなに考え込まないでください。やりたくないことはやらなくていい。
私、きっと他の方法で情報集めてみせますから。

【「だから、大丈夫ですよ」――そう言って、笑って見せるのだ】
【けれど内心、その機関員が持っているという情報に、興味がないわけでもなく】
【クリムゾン。クリムゾン――と、無言のままにその名を内側に刻み込んでいく】

大丈夫。あとは私がなんとかします――ありがとうございます。
報告、他に何かありますか? ないようでしたら私の方の事情、説明させていただきたいんです――


98 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/06(金) 13:56:53 6.kk0qdE0
>>97
「本人は直接は会ってない、みたいだけどな」
「アスタンでも直接戦ったわけでも無いみたいッス」

【全てが本当かは解らない、だが少なくとも嘘を言っている風では無かった】
【やがて……】

「佳月ちゃん……」
「その……いいのか?」

【多分ではあるが、無理はしているのだろう】
【それでも笑って見せ、心強い事を言う佳月に】

「俺達も、他のルートを探ってみる、なあに、三人で探せばすぐ見つかるさ」

【こちらも不敵に笑い、こう言う】
【最も、アテがあるわけではないのだが……】
【そして】

「じゃあ、佳月ちゃん、何があったんだ?」

【改めて佳月に向き直り、こう聞いた】


99 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/06(金) 18:23:17 wn2rqSVw0
>>96

【オーバーにも思える驚きの後に、尻尾で包めば花開くように頬を緩め】
【あとはもう、まさしく手玉。そんな様子の少女を絶えずふさふさの尾毛で包み】
【子供をあやすようにしながら言葉を聞いて、ふむふむ、なんて相槌を打ち】


ダクト飯とはまた、何とも貧乏症極まるワードですねえ……
折角の隠密の腕が泣いているのが聞こえるような。

……でしたら、尚更お勧めしちゃうわけですがっ。
私が今居る組織なら、毎食満漢全席を頼んでしまおうが
一日の許容摂取カロリーを一杯でオーバーするフラペチーノだろうが
A5ランクの櫻牛だろうが、何だって食べ放題ですし?


…―――というわけで。
 
       "円卓"って、ご存知です?


【彼女が裏側の人間だと、半ば確信を持って告げる言葉】
【隠語にも似た響きのその組織は、時には都市伝説として語られる事もある】

【国家規模の集金システム。政治家、官僚、大企業や財閥などが構築した欲望の坩堝】
【もっと言うならば――"魔防法"にも深く絡み、更には別の一幕とも敵対する勢力】
【その名を語って、反応を見た。ただし一つだけ、このクズノハは手を打っていた】

【――ぎゅっと、鵺の身体に絡むようにしていた尻尾の力を強めるのである】
【苦しいと言うほどではない。痛みを感じるかも怪しいような加減だったが】
【もしも、敵対していたのなら。反応次第では、全身の骨を一息に砕けるように】
【妖狐の尻尾を二本ばかり、その早熟な肢体に絡めていたのだった】


100 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/06(金) 19:34:16 EiFhEryw0
>>95
はじめましてではなかったでしょうか?私のメモリーには記憶していません。
もしかしたら抜け落ちているのかもしれませんが、そうでしたら申し訳ないです。

【彼女の顔はまたかわらないが、今度はちょっと悲しそうな顔をしているようにも見える】
【そして彼女は自分をヒューマノイドだかアンドロイドと言った割に、忘れてしまうらしい】
【盛大に転んだり、勘違いしたりとずいぶんとらしくないアンドロイドだ】
【こんなにも表情も言葉も硬いのに、そこらへんはやけに人間らしい】

詩織さん。詩織さん。ですね。わかりました。私は、散歩をしていました。
普段は任務があるのですが、代わりの方がいらっしゃったので自由時間を得ました。

普段より、多くの経験をしようと心がけておりますので、
まだ、行ったことのないの地域を散策してみようと考えました。

それで、この公園を見つけました。桜は初めて見ました。
それで見とれていたのです。美しさに見惚れるという経験は初めてです。
詩織さんは桜をどうおもいますか?もし、同意見だと嬉しいと私は思います。

【のんきなロボットだ。夜中にぶらぶらして花見に興じるなんて】
【アンドロイドというのは人間に代わって労働するためだとよく言われるのに】
【抑揚のない声は、希望と興奮に満ち溢れていた】


101 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/06(金) 19:45:58 nlmnmX0.0
>>100

あ、えっと、違うの、ちょっと動揺してたから何となく”かしら”ってつけただけで
疑問形とかそういうんじゃなくて……うぅん

【悲しい雰囲気を出すゾーイに詩織は慌てて釈明をする】
【ゾーイとは反対に表情や仕草等々、詩織はどこからどう見ても人間のそれだった】

桜……桜ね。私も嫌いじゃないわ
お花見がものスゴく好きってわけじゃないけど、私の兄が見るのが好きだから
付き合って見ている内に、なんとなく好きになっていったわ

【感動するほどじゃないし、見惚れるというわけでもない】
【それでも詩織は桜が嫌いではなかった。その理由は”兄”の影響があるらしく】
【それを話す彼女もまた、そんなに嫌そうではなかった】

それにしても貴女、表情は固いのね
もっとこう、笑ったりすれば可愛いのに

【表情の変化が乏しいことに、詩織は首を傾げていた】


102 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/06(金) 22:39:32 BRNVt/Aw0

本スレ>>462

【相手が慌てた声でごめんと謝れば少しほっとしたのだろう。大丈夫だよ、こっちこそ何かごめんね?という声が返ってくる】

水の国に出来たんだっけ?
能力のない人はそういう場所に、か……それはよく分からないかなあ
でもね、私、一つだけ分かるよ

──異端を排したがるっていうのがきっと"ごく普通の人間"の本質、なんだよ
【不意に少女の声のトーンが下がる。その声はまるで氷のように冷たくて、それでいて何処か諦めたようで】

……だって、そうだよ……そうじゃなきゃいくら化けてたとはいえ自分が愛して子まで成させた女を……自分の血が半分入った我が子を……化け物だなんて──
【その後に小さく続ける言葉は誰かに聞かせるような物ではなく自分自身に言っているようで】

【何処か遠い所を見ているように一点を見つめるのだが不意にハッとすると「……なーんて、ね」と冗談めかしたように笑う】

【そして鈴音が蛇の子孫で先祖は蛇神なのだと聞けば少し目を見開いて。それでも先程から感じていた不思議な気配の事を思い返せば成程それだったのかと納得し】

【けれどもそのうち……否、でも先祖が神様?つまり神の末裔?え、何それ妖怪と人間の合の子より位高くない!?と思い至り】

【え、どうしよう私なんか恐れ多くない?普通の同年代の女の子だと思ってため口聞いちゃってたしお魚焼かしちゃったし、なんて内心慌てて】

に゙ぇっ!?あ、そうですね私も櫻の北の方の山の中出身ですはい!
【そんな中で話をふられたものだからなんだか敬語になってしまって】

船……うん、船に乗ってきたんですよね……お母さ……母と"一緒"に……
その辺りは"仕事"の話になっちゃうんですけど……
【そして船に乗ったのかと尋ねられれば目を伏せて答え、そこから先は依頼の話だ、などと口にする】

【その声色は明るいが、何かを抑え込んでいるみたいで】

……はい、綺麗な所はいっぱいあります
東風の滝って所は行った事ないし天ノ原も行った事はないんですけど……というか山里から出た事すらなかったんですよね
でも、私の故郷だって負けてはいないんですよ?
日の光に透ける木々の緑だとか秋の日差しの中で輝く金色の稲穂だとか……後は……えーっと……
【故郷、他に何があっただろうかと考える。だが山里なものだからか何も思い付かない。寧ろ何もない。藁葺き屋根くらいしか考えつかない】

【しばらく考えて誤魔化すように笑って】


103 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/06(金) 22:51:08 AlSEJK/U0
>>98

ええ。そんなことして手に入れた情報で見つけ出したって――嬉しくないでしょう?

【頷く。視線はまっすぐ、両の目ともに前を向いていて】
【それから、こちらの事情を訊かれれば――意を決したようにもう一度、頷いた】
【右目に手を当てる。そうしてから一呼吸置いて、話し始める】

結論から先に、申し上げますね。
……私、能力者だったんですけど――それが「使えなくなった」みたいなんです。

私のこの、右目には――能力の鍵となるモノが宿っていて、
それによって、異形になっていたんです。……ついこの間までは。
間違っても、こんな普通なカタチはしていませんでした。

【「だから、前髪で隠していたんです」。そこまで言って、もう一呼吸】

どうして、こんなことになっちゃったかと言うと――
――――水の国、「カミス・シティ」。ご存知ですか?
あの特区に指定された街に行って、…………

【そこから先を口にしようとして、ふと唇の動きが、止まる】
【……小さく震えていた。どうやらそこで、恐ろしい事でもあったらしい――?】


104 : ◆3inMmyYQUs :2018/04/06(金) 23:06:49 adOSLVgQ0
>>39

【一枚、二枚、三枚──】
【並外れた執念によって描き出される多面多角多時系的な月の全てを】
【看守は、瞬きを失ってひたすらに見入っていた。ただ口だけが動いていた。「描け」「消せ」】

【四枚、五枚、六枚──】
【狂気が、また別の狂気を塗り潰していた】
【最後の一筆が終えられるまでじっと不動だった看守の瞳もまた酷く充血し、】
【それでもなお筋肉が緊張を続けるので、最早瞳孔以外の全てが紅に染まっていた】

【血染めの視線同士が相対する】
【看守の身が、細かく震動を始めた】


【 「描 描くな」 】

【 「消す 消すな」 】

【 「消せ」 】

【 「描く」 】

【 「描 消 消す 消せ 描 描く 描 せ 消──」 】


【────ぷつっ】


あ〜あ〜、こんなになっちゃって。可哀想に。


【そこには看護婦がいる】
【看守は初めから看護婦だった】
【たった今、前からそういうことになった】

【その手には清潔な濡れたガーゼ】
【彼女はゆっくりと彼へと近寄って】
【その汚れを拭うべく、そっと手を頬へ伸ばす】


もういいんですよ、もう大丈夫です。
今日はゆっくり休みましょう。ね。


【白衣の彼女は微笑む】
【ゆっくりと語りかける】
【弱々しい彼の身体へ柔らかい腕を回し】
【その身をベッドへ横たえるべく、導かんとする。優しい微睡みの園へ】


105 : 名無しさん :2018/04/06(金) 23:11:38 9huanI9U0
>>102

――――そう、なんだろうね。

【あるいは――彼女が相手に向けて秘密を一つ広げて見せたのは、相手がヒトではなかったからでもあった。彼女自身はありふれたヒトの形をしているけれど】
【その本質は到底ヒトとは言い難いもの、ヒトに紛れて生きているナニカ――にほかならず、ならば、どうしたって引け目のような、自分自身に感じ続ける違和感がある】
【相手を安心させるためでありながら、自分を安心させるためでもあって――そう、それこそ、自分みたいにヒトの中で生きているヒトではないひとは、わりに居るんだ、って】

………………――。

【――だけど、相手の言葉には答えられない。じっと口を噤んで――、自分は、親にそうされたことはない。その気持ちは、綺麗に丸ごと全部、分かってあげられない】
【ならば――変に言うほうがかえってひどい、かもしれない。なんせ――まだ出会ったばかりなのだ。それでも少女の雰囲気自体は柔らかく、何か話すなら聞くだろう】

そうなんだ――家(うち)の神社はね、そんなに北の方じゃないの。蛇だからね、あんまり寒いと……、だけどね、山の中だよ。
……おしゃべりするの、普通で大丈夫だよ。見た目だって、大人っぽくないの、分かってるし――、もう少しで二十五になるんだけど。

【薄く笑って言葉を返す、どうやら彼女の源流はそんなに北ではないらしい、蛇だと言うならば当然なのかもしれないけれど】
【おんなじであるのは山の中ということ――それから急に敬語になった相手に対して冗談めかす。神様の子孫とかどうでもよくって、大人に見えないのも含めて、普通でいい】
【かといってその言葉はうそにも思えた、もうすぐ……というならば今は二十四なのだろうけど。どうしたって十六か――それだって上に見繕って、だ、十五くらいに見え】
【自分の分の水を一口――、それからはたりと瞬き一つ】

…………お仕事、お母さんのこと? それって――本当に、急ぎじゃなくって、いいの?

【相手の様子も含めて。少女はふと不審に思ったのだろう、さっきは急ぎではないようなこと、言っていたけれど――親のこと、となれば、重要な話なのではないか】
【あどけない顔の眉間にわずかにしわを寄せる、少し大人びた声、諭すみたいな声音になって――、】

そっか――すごいね。わたしが行ったのは、年末ごろだったの。それでもきれいなところがたくさんあって。
だけどね、そのうち行きたいな、桜のころとか――紅葉のころとか。……、……それで、

そんなに遠くから――ここに?

【少女は相手を疑いつつあった、だけれどそれは、不審がるけれど、そういう、悪いものじゃなくって――その用事は本当に急ぎでなくって、いいものなのかと】
【なんせリーダーがおらず、正式なメンバーでもない自分が仕事を受けることはできない。――いや、ごり押しすることは可能だろう、だから、全くの不可能ではない】

セリーナは今居ないけど……、UTのひとの連絡先、少しだけなら分かるよ。そのひとたちにお話を通すことならすぐにだってできるし――、
――わたし、だって。できることなら……、戦うためのひとたちじゃないけど。困ってるひと、放っておきたかったら、こんな場所――居ないの。

【まじめな表情だった。きしっと椅子をわずかに鳴らして、相手へ目を向ける。黒色と赤色、どこか蛇にも似る瞳が、じっと相手を見つめて――】


106 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/06(金) 23:22:28 6.kk0qdE0
>>103
「能力者!?」
「佳月ちゃんがッスか!?」

【佳月の話はそれだけでも十分に、ショックを与える物の様だ】
【能力者、と言うのも初耳だったが】
【さらに、話は続き】

「使えなくなったって?そりゃ一体……」
「なるほど、だから髪で、生体の異形化を伴う能力の発現、かなり強い能力者ッスね」

【それぞれの反応を示す】
【マリーに関しては、魔能に関する知識がそれなりにはある様子で、佳月の話を独自に解釈しながら聞いている】
【ビリーに関しては、ただただ唖然とするばかりだ】

「いや、知ってるも何も……」
「アタシらがクリムゾンに会ったのは、あの街ッス、勿論施行前ッス」

【この話に、二人ともまさかと反応し】

「佳月ちゃん、あの街に行ったのか!?何があったんだ!?」
「落ち着くッス兄ィ、佳月ちゃん大丈夫ッス?怖い事があったッスね……」

【急に激情する様に、そう佳月に聞くビリーと】
【佳月が震えるのを見て、肩をそっと抱くマリー】


107 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/06(金) 23:30:11 AlSEJK/U0
>>106

【クリムゾンと会ったのは、まさにその街――その情報を脳に刻みつつも】
【あまり思い出したくないことを思い出す作業。苦々しい顔でそれを続け】
【ぽつり、と口に出したのは、たった一言だった】

……看護師。

【それからもう少しだけ時間をかけて――黙り込んでから】
【もう一度口を開く。やっぱり表情は渋くて、何かに怯えている様子】

街にある、「センター」という施設で――なにか、変な薬を。
注射されました、そしたら気が遠くなって……
……気がついたら右目もこんな調子で。きっと薬が、原因です。

……、……ですから、ビリーさんもマリーさんも……
あの街に近付いては、だめです。オーケーですか?

それから――出来ることなら、あの街と同じような場所……
――――「特区」をこれ以上増やしてはいけない。
そのために、私たちは動いていかなきゃ……いけない、のかも、しれないです……

【そこまで言って、はあと溜息。右目を押さえているのはそのまま】
【表情はどこまでも沈鬱なものだった。あんまり気分がよくないらしい】


108 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/06(金) 23:44:30 6.kk0qdE0
>>107
「看護師?」

【佳月の端的な言葉に、二人とも疑問の顔をするも】

「なん……だと……」
「注射、能力を封じる様な何かッスか?」

【街で注射をされ、気が付いたら……】
【この少女にとって、それがどれだけ恐怖を与えたのだろう】
【どれほど不安にさせたのだろう】
【どれほど……そう考えたら、途端に怒りが湧く】
【怒りは、力を与える】
【マリーは恐怖を思い出し、沈み込む佳月をぎゅっと抱きしめ】
【ビリーは佳月の言葉に】

「すまねえが、そいつぁ出来ねえ話だ……行く気だろ?またその街に」

【腰の拳銃を引き抜き、回転させ、またスッとホルスターに戻し】

「佳月ちゃんが一人で危ない目に向かってくのに、黙って見過ごせるかよ……依頼は三人でこなすもんだ」
「佳月ちゃん、今日は泊まってくッス、一人じゃ色々危ないッス」


109 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/07(土) 00:25:32 BRNVt/Aw0
>>105


【つがる自身も昔はそれを信じてはいなかった。母親は「人間は自分達と違ったモノを厭うものなのだ」と言っていたけれども】

【そんな酷いのはあの男──自分が物心つく前に母に"いなくさせられた"という自分の中に半分流れる人間の血に含まれた遺伝子の持ち主だけだと思っていた】

【此方の大陸に来てその異形を隠さなくてもそこまで気にされずに済んだ時、母親の言う事なんか杞憂だったんだ、とまで結論付けていて】

【けれども母の言っていた事は本当だった。能力といった"異端"が、"違ったモノ"が規制されて、それを皆が称賛して】

【なんだ、あの男は何処にでも"いた"んだ、あれが普通の人間だったんだ、と判って】

……人間は、本当は私達にとって悪いもの、なのかな……
【それをまた思い出したのかつがるはつとめて明るくしていた表情をふと曇らせてぽつ、と呟く。が、また椅子に座り直して顔をあげれば表情はまた明るいものに戻っており】

【敬語ではなくて大丈夫、と言われれば彼女は一瞬そちらをうかがい、ほんと?と尋ねるが、相手がもうすぐ二十五になると聞けば、え、などと短く声をあげて】

……てっきり同い年くらいだと思ってたら十歳近く上なんですが……
【本当に敬語じゃなくて大丈夫なんです?とまた敬語に戻って尋ねる】

【そして、本当に急ぎじゃなくても大丈夫なのかと聞かれれば、ええ、とだけ短く答える】

【確かに、彼女にとっては結構重要かもしれない話である。けれども、そんな彼女の世界の重要事項なんてきっと機関だとか魔能制限法の件の深刻さに比べたら本当にちゃちなものに思えて】

本当に、大丈夫ですから
【自分にも言い聞かせるかのように言って、にこ、と笑う】

【けれども、本当にそんな遠くから来たのか?UTの人達に話を通す事も可能だが本当に急ぎじゃなくて良いのか?と真剣な表情で言われれば】

──死体探し、なんです

私の依頼

お母さんの……遺体……
【少し目を伏せ、それだけを告げる】


110 : 名無しさん :2018/04/07(土) 01:28:38 9huanI9U0
>>109

そうだとは限らないけど――、ここは人間の世界だし、わたしたちは、……そうじゃない、から、

【わずかに表情が顰められる、表情を曇らす相手に同調してしまったみたいに――そしてそうじゃないなんて、到底言えないのは】
【彼女自身がすでにヒトではないから。かといって――生まれついて半分はヒトでなかった相手とも、違う。後天的な人外、ヒトから外れてしまったモノとして】
【ヒトとして過ごしたいと願いながらそれが叶わないモノとして。あくまで人間という種族の群れに混じりこんだ異物――そのうえそれを隠して生きる、全部騙しながら】
【どっちの気持ちも分かる――だけど、どっちの気持ちもすべて理解してあげることは、できなくって】

――んん、よく言われるの。だから大丈夫だよ、ほんとうに……、それよりそんな風に敬語の方が、気にしちゃうの。
本当に……さっきまでとおんなじで、大丈夫だよ。――ね、気にしないで。

【ぎしんと椅子を鳴かす、そうやってしゃべる表情は、本当に微塵も気にしていないもの。カウンター席、相手の方へ向き直って】
【年上だって気にしないでほしいようだった、見た目はきっと同じくらいなのもあるだろうし――彼女自身があまり好ましいらしいのだ、ならば、あまり無理にするのも】
【"よくない"ように思えて――、――だけど次の相手の言葉で。少女の表情は本当に"よくない"ものになる、だろう】

…………――、カエデちゃん、暇してるかなぁ、ギアさんも……、ギアさんの連絡先って知らないけど。
――あのね、急ぎか急ぎじゃないかって言ったら。もしかしたら、本当に、急いではないのかもしないけど――、そういうのはね、

そういうのはね、早くしなくっちゃ。

【ことん――とかすかな音。少女が手慰みに時々いじっていたコップが危うく倒れそうになって、持ち直した音……だ、指先についた雫をそっと机に落として】
【思い浮かべる――連絡を取りやすいだろう組織内の面子。カエデはついこの間に会ったし連絡先も知っている。ギアは――活動しているのは、知っていた】
【だから協力を頼めるかもしれない。だけど同時にそんな場合ではないひとたちだとも思う、ただそれで言ったら、自分こそ――だけど、だからって、】
【それを放っておくこともできないと分かるから。――すうとあどけなさを溶かしてしまった表情は急に大人びる、それこそ諭すみたいに、大人みたいに、早くしなくちゃね、と】


111 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/07(土) 02:41:56 AiO/ik.U0
>>110


──きらいに、なりたくないのになあ……
【鈴音の言葉につがるは目を伏せて、ただ一言呟く】

【耳や尾を隠していたとはいえ、時おり山里に降りた時はそれなりに仲良くやっていた。寺子屋だって行っていた、里の子達とも遊んでいた。天ノ原からの飛脚や商人から話を聞いたりもした。皆いい人達だと思っていた】

【こっちに来てからだってこの容姿を気にせず話してくれた人がいた。やっぱり皆いい人達だって思っていて】

【それなのにもしかしたら皆が本当は排他的な人間なのかもしれないと判って】

【けれども、思いたくないのだ。今までの十六年間触れ合ってきた人間が酷いものだと。どうせ皆そんな本性を隠している、なんて諦観したくなんかないのだ】



うぅ……本当にそれで良いならそうするけど……
【彼女は少し申し訳なさそうに言ってから、呼び方も……良い?と問いかける。もし駄目だと言われるのならそこは『ちゃん』ではなく『さん』と呼ぶつもりだが】


【相手が仲間達に連絡を回そうかなどと考え始めるとつがるは慌てて、え、ちょっと!大丈夫だってば!そこまでやんなくても!と声をかける】

あの、自分でも調べようって頑張ってるし!
いきなり死体探しに協力しろなんて言われてもその……仲間の人達困るだろうし!
その……何処にかは分からないけど売られたとかそういうのだと思うし!そうなったら剥製とか毛皮とかだろうし腐ってるとかそういうのはないと思うから!ね!?
【慌てるあまりか何だか物騒な事を口走っている気はするのだが本人は全く気づいておらず】

【というか取り組むにしてもそもそもの経緯をですね!説明させては貰えないかと!?と手振りをつけてわたわたとしている】


──きらいに、なりたくないのになあ……
【鈴音の言葉につがるは目を伏せて、ただ一言呟く】

【耳や尾を隠していたとはいえ、時おり山里に降りた時はそれなりに仲良くやっていた。寺子屋だって行っていた、里の子達とも遊んでいた。天ノ原からの飛脚や商人から話を聞いたりもした。皆いい人達だと思っていた】

【こっちに来てからだってこの容姿を気にせず話してくれた人がいた。やっぱり皆いい人達だって思っていて】

【それなのにもしかしたら皆が本当は排他的な人間なのかもしれないと判って】

【けれども、思いたくないのだ。今までの十六年間触れ合ってきた人間が酷いものだと。どうせ皆そんな本性を隠している、なんて諦観したくなんかないのだ】



うぅ……本当にそれで良いならそうするけど……
【彼女は少し申し訳なさそうに言ってから、呼び方も……良い?と問いかける。もし駄目だと言われるのならそこは『ちゃん』ではなく『さん』と呼ぶつもりだが】


【相手が仲間達に連絡を回そうかなどと考え始めるとつがるは慌てて、え、ちょっと!大丈夫だってば!そこまでやんなくても!と声をかける】

あの、自分でも調べようって頑張ってるし!
いきなり死体探しに協力しろなんて言われてもその……仲間の人達困るだろうし!
その……何処にかは分からないけど売られたとかそういうのだと思うし!そうなったら剥製とか毛皮とかだろうし腐ってるとかそういうのはないと思うから!ね!?
【慌てるあまりか何だか物騒な事を口走っている気はするのだが本人は全く気づいておらず】

【というか取り組むにしてもそもそもの経緯をですね!説明させては貰えないかと!?と手振りをつけてわたわたとしている】


112 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/07(土) 04:04:31 B1YS.jpM0
>>99

【乱舞する無数の魅力的な提案、少女の顔色がはっきりと変わる】
【どうやら食には目がないらしく、湧き上がる声には歓喜が強い】
【しかし、続く言葉を聞いて少し止まった、夢の中に感じる違和】

【"円卓"───その名を聞いたのは半ば都市伝説】
【あるらしい、とは聞いていた。しかし、その実態に触れたことは無い】
【故に感じたのは単純な好奇心、それがある種彼女にとっては幸運であったのだが】


んーっ、噂だけですねっ、何だかすっごいお金持ちのグループだって!
あれ、ひょっとしておねーさんが所属している組織って、そこだったりするんですか?
だとすれば、お金払いがいいのはなーんとなく想像つきますけど

でもーそういう組織って、得てして悪い事してるじゃないですか
鵺ちゃんも、隠密という仕事上、綺麗な事とか殆どしないですけど
悪い事はあんまりしたくないですっ、根はいい子なので!


【『ゼロ』は円卓に繋がるリストを持っている。しかし、『三課』の下っ端たる彼女に円卓を知る手掛かりはなかった】
【その点で言えば妖しさは無いだろう、もふもふの尻尾を触りながら】
【──でもどっかで、聞いたことあるよーなと思って】


……あ、お鈴ちんのメールにも書いてあった気が
円卓……なんだったっけ、黒幕と対立───とか


【かつて話した鈴音との会話、その中で見せられたメールに円卓の名があった】
【ふと口から出た言葉、これだけで黒と判断できるかは分からない】
【ただ、迂闊な言葉であることは間違いなかった】


113 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/07(土) 07:01:25 wn2rqSVw0
>>104

【それはテレビのチャンネルを切り替えたような】
【或いは明晰夢から目覚めたような。けれど、身体は確かに重く軋み】
【深々と息を吐きながら、炭で汚れた指が目元を抑え】
【瞳を閉じると、ぐらりと揺れる。看護婦の声が、永遠に続くゼロに加わるイチの様に心地良く】


……君、は…――。


【"看護婦がそこに居る"――それでいい、その現実を受けれて】
【頬に伸びた手には冷たいガーゼ。僅かに意識が楽になる】


……そうだね。今日はすこし、疲れたから。
だからちょっとだけ、休んで……"また"……、…――。


【強靭な精神が、張り詰めていた結縄が解けるように弛緩していく】
【その微笑みとベッドへ導く腕の柔らかさに、意識はゆるりと管理から離れ】

【導かれるがまま横たわった時には、既に瞳は閉じていた】
【あまりにも無防備な姿を晒しながらも、危険や驚異に怯える様子はかけらもない】
【寝顔は安らかで、きっと夢見も良いのだろう。小さな笑顔にすら感じられる、穏やかな表情】

【けれどその一方で、瞳も痛んだ。生理現象としてか、目尻からは滴が一筋流れ落ちて】
【六罪王と言うにはあまりに弱々しく、画家というにもあまりに脆い】
【そんな、一人の人物として。全てを投げ出すように、深い眠りに落ちていった――――】



【―――――――――――――――――――――】
 


【――――――――――――――ー】




【―――――――――】





【――――】





【                】


114 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/07(土) 18:37:55 wn2rqSVw0
>>112

まあそうですねえ、お金だけで言えばあのカノッサ機関なども凌ぐかもっ?
私もそこに所属……というか、そこの"王様"に雇われてるわけでして
その人、腕が良ければどんな人でも雇ってくれますし
貴女も折角ならどうかな〜なんて思うわけです。……んー、悪いことですか。

それはまあ、お金を集めてる人たちは悪いことしてますよ?
汚職とか、贈賄とか、談合とか。……でもまあ、下の人間は関係ありませんし
どちらかと言えば円卓という組織を守るためではなくてえ…――あ、"黒幕"、知ってます?


【構造上、円卓に対して組織という呼称は似合わない】
【それは不特定多数の人間が共同して作り上げた集金システムであり】
【故に確固たる目的があるわけでも、主導的な動きがあるわけでもない】

【だが今は、彼女を雇う"王"が居るのだとか――ともかく、"黒幕"という言葉を聞けば】
【それですそれです、なんて食いついて】


その"黒幕"……例の"魔防法"を進めようとしてたり
世界を自分好みに作り直しちゃおうみたいなこと、考えてる人たちなんですけどね?

あの人達と円卓は敵対してまして。ええまあ、新たしい世界より
完璧なシステムを作り上げている今の世界のほうが良いから
なーんて理由で、対立しているわけなんですケド。

そんなワケですから、お仕事としては対黒幕的なところだったり
円卓としてよりもその"王様"の雇われな所が大きくなりますかねえ?

……ところで、その『お鈴ちん』って誰です?


【「もしかして、鈴音さんとかいう方のことだったりして?」】
【と、言葉を紡ぐ。最初は冗談のようだった勧誘は、次第に剣呑さを増していき】
【断片めいた情報を結び合わせながら、自らの手元に手繰り寄せるように問いかけた】


115 : 名無しさん :2018/04/07(土) 19:00:43 jKdoOeX60
>>111

【嫌いになりたくない。相手のその言葉にわずかに目を細める――といっても本当にごくわずか。長い睫毛のその毛先がかすかに揺れる程度】
【それから呼び方についても――本当に気にしないからとでもいうのだろう。というより――誰かにちゃん付けで呼ばれるなんてめったにないから、かえって嬉しいのだ】
【なんだか普通の女の子みたいで……ってそんなに大層な理由でもないのだけど。とかくそのあたりにやり取りが終われば、あるいはそれこそ、本題だろう】

自分で調べるって言っても――、ほかのひとに手伝ってもらった方が。きっといいよ、自分じゃ知らないこと、知っていると思うし。
UTのひとたちだって、困っているひとを放っておきたいなんてひとは、居ないはずだし――……、わたしも、できることは、手伝う。
……、毛皮とか剥製、かも、しれないけど。それだって大事なものだよ。だからね、そんなこと――、……、それは、そうだけど――。

【見ためも言葉からも自分より幼いのだろうつがるではできることも限られてくるだろう、こんなご時世はもとより、夜に歩いていれば補導されかねない】
【かといってこんな世では他強いて気にすべき脅威でもないのだろうけど。とりあえずつがる一人では大変だろうと思うのだ、慌てる相手へ】
【一個一個言葉を積み重ねるようにしていく、表情はちょっとお姉さんぶったような。毛皮とか剥製――すでに死んでいると分かっているのだろうか、そうだとしても】
【探している本人というのがそんな言葉を重ねていくのを見ると少し複雑そうな目をする、たとえば自分だったとして――あの白蛇の皮で作った財布、とか、言える気がしなくて】

【――経緯を。相手がそう言えば少し遅れて少女も納得するだろう、それはそうだね、と、思った通りに口に出して】
【じゃあどうぞ――というわけではないが、聞く姿勢にはなるだろう。もちろん相手にとって簡単な話ではないだろうから、まだ少し、というのであれば、無理強いはしない】


116 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/07(土) 19:11:23 B1YS.jpM0
>>114

【───とくん、と心音が大きく聞こえる様に、少女の頬に険しさが満ちた】
【言葉を探した、今までの様なのんびりとした様子ではない】
【目の前の女は言葉こそ柔らかいが、持っている雰囲気は、迂闊な発言を押取刀で切り付けるが如く】

【平静を保ちつつ言葉を返す、仄かな違和感をそこには孕んで】


なるほどですっ!そういう意味で黒幕達と敵対してるんですねっ
それは願ったり叶ったりと言いますか、私自身も今その黒幕の情報を集めてるんです
そりゃあんな法律を作った勢力ですし、能力者としても警戒してはいますっ

……しかしまぁ、その円卓の話を聞けば聞くほど、魅力的と言いますか
ある所にはあるんですね、もう同じ社会に生きてるとは思えないです
まぁ、悪い事にしたって、その程度の事、鵺ちゃんも加担したりはしちゃったり、とか


【自嘲気味にふぅと溜息、隠密という仕事柄悪事に手を染める事はそれなりにあり】
【彼女的にはある種割り切りがあった。それが自分の信じる正義に繋がるのであれば、多少の悪は仕方ない、と】
【そんな風にしてのらり、と言葉を返していたが】

【───返答に僅かな瞬間詰まった。その追求は圧迫感があったから】
【目の前のクズノハは知っている。それは彼女にとって、幸か不幸か】
【違います、と答えるのがベストであった、しかし───】


そうですそうです!知ってるんですかっ!
あんのかわいーっUNITED TRIGGERの娘っ子ですです!
実は私、あの子とすっごく仲良しなんですよっ!

あの子ああいうとこで働いてるじゃないですかっ、ですからけっこー情報通なんです
黒幕とか円卓とか、そういう噂話も色々と知ってて
私にも沢山話してくれるんですよっ!


【きゃぴきゃぴと反応する、少女らしいあどけない笑顔】
【鈴音はあくまでも友達であり、円卓関連の話もただの噂話として聞いたと返す】
【彼女自身の性格もあり、そこまで不自然には聞こえないだろうか】

【問題があるとすれば、クズノハが既に鈴音の情報を詳しく知っていた場合】
【その際クズノハからは、明確に鵺が鈴音を庇っている様に見られるだろう】


117 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/07(土) 19:22:58 HMoBiR/U0
>>101
そうですか。それならとても良かったと思います。

【ホッとしたような顔、をしたいのだと思う。がまだ表情はない】
【そしてにこにこしていたいんだろうけど、まったく表には出てきていない】
【でも彼女はとても楽しそうだった】

そうですか、お兄様がいらっしゃるのですね。私は居ないので、羨ましいと感じました。嫉妬とはまた違う感情ですね。ですが私にはお友達が居ます。だから、寂しくはないです。

【こんな、無表情なロボットと仲良くなる人間は多分変人だろう。】
【でもロボットは嬉しそうだった。このアンドロイドの外見の設計者は本気を】
【出しすぎたようだ。あまりにも理想を追い求めすぎて逆に人間味は薄い】
【ここまで完全な外見の人間はこの世には居ないからだ。完璧は逆に人間から遠ざけてしまう。】

私の製作者であるフォルケン博士はそういった事は自ら学ぶようにとおっしゃいました。いろいろなものや人に触れて、“自然”にできるようになれと。
難しいですが、少しずつなれてきました。見てください。

【そういって彼女は笑ってみせた。少しはにかむような微笑。この顔立ちでそうすると】
【まるでどこかの令嬢が窓辺から少しだけみせるような高貴さが見えた。ほんの少しだけ、恥ずかしがるように笑う】

でもそれを動作とうまくリンクさせることができません。
詩織さんはお上手で、尊敬します。どれほどの練習をなさいましたか?

【このロボットは多くのその他のアンドロイドはそういうものをインストールなり製造段階で】
【用意されることを知らない。自ら学んでいく、また変なところが人間ぽかった】


118 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/07(土) 21:50:15 nlmnmX0.0
>>117

【「いたって大したことないわよ」なんて、少し不機嫌そうに答える。兄との仲は微妙なようだ】
【それから「友達がいるのは羨ましいわ」と続ける。それは本当に羨ましそうに】

【ゾーイの笑顔。それを見た詩織は少し目を大きく開いて、驚いたような表情をした】
【それは勿論、笑えたことにではない。その笑顔がとても綺麗なものだと、そう思ったからだ】

あ、貴女っ、とっても綺麗な笑顔だわ!
びっくりしちゃうぐらいよ、本当に!
もっっっっっっっっっのすっごく、綺麗よ!

【口を突いて出るのは賞賛の言葉の雨あられ】
【それぐらい、美しい表情だったのだ】

わ、私は練習はしなかったわ
初めから表情とかは、自由というか、人と変わらないようになってたから
でも、貴女みたいな綺麗というか、そういう感じにはならないわね……うぅん

【この部分もまた、ゾーイと詩織では大きく異なっていた。彼女はそれこそ、予め用意されたタイプだった】
【だからこそ、彼女は気にしていなかった。それよりも実際にどんな顔ができるかの方が気がかりらしい】


119 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/07(土) 22:46:47 Zs0dNNvc0
【特別福祉戦略特区/カミスシティ──その近くの路上】

【男が一人、サングラス越しに特区の光景を眺めていた】
【エリート然として撫でつけた黒髪に、黒いスーツ】
【穢れ一つ無い白い手袋と、同系色のナローマフラー】
【──それと、左の薬指にはめられた赤い指輪。それが彼の容姿だった】
【異能対策特課の管理官、御船千里。“彼”の肩書きは、そんなものだ】


(…………気にいらねぇエリアだぜ、まったくよぉ)
(当エリアでの許可なき魔能行使は厳しく罰せられる、とか──は、ナメてやがる)
(だが────あたしがあそこに入れねぇ、ってぇのも事実だ)


『さて、どうしたものか────』


【男は特区からはさほど距離の離れていない路上から、特区を観察──或いは監視しているように見えた】
【特区内の音声が、風に乗って此処まで聞こえてくる。その聞こえ漏れる僅かな音から】
【彼はそこで何が起きているのかを何となく察している様子だった】


120 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/07(土) 23:31:05 BRNVt/Aw0
>>115


121 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/07(土) 23:32:43 BRNVt/Aw0
/すみません>>120は誤タップです!

>>115

【呼び方はちゃん呼びでも良いと言われると彼女は少し嬉しそうに、じゃあそうします、と返す。考えてみれば誰かを『〜ちゃん』なんて呼ぶのは随分久し振りな気もする。向こうにいた時に里の子達をそう呼んでいた以来だろうか】

【そして、話は本題】

【一つ一つ諭すように言う鈴音に対して、でも……と口ごもるつがる】

ユウトさんだって協力してくれるって言ってたし……一人じゃ無理って事くらい分かってる……
けど……やっぱり今じゃなくたって良いよ……
魔制法の事とか特区の事とかで世界が大きく変わってって凄く大変だし……そんなのに比べたら私のお母さんの事なんか……凄く凄くちっぽけだし……
【まだ少しおろおろと視線をさ迷わせながら何とか今じゃなくたって良い理由を述べ】

それに……えっと……お金……そう!依頼料!依頼料が……ぁ……
【何とかかんとか理由を引っ張って来ようとしてお金の事に触れ、蒼白になる。そういえば依頼料の事を全く考慮していなかった。いくらかかってしまうのだろう?最悪諦めるしかないかもしれなくて】

【何だか少し涙目になりながら小さくえーっと……と呟いて。どうしよう、詳しく話すだけでも料金が発生しやしないか、などと少し戸惑っている】


122 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/07(土) 23:46:05 WMHqDivw0
>>108

きっとそう、です……ああでも、完全に封じられたわけではなくて……
なんだか、ヘンな感覚がして……今まで通りにチカラが使えない、っていうか……

【ぼんやりとした発言。彼女自身もまだ、自分に何が起きているのか】
【はっきりとはわかっていないのだろう。でも、変化が起こっているのは事実】
【……また、よくわからないことが増えた。苦々しい顔をして】

……今は、こんな状態じゃあ行けませんけど……ええ、いずれは。
それではお言葉に甘えて――寝床、貸していただけますか。
私けっこう疲れてたみたいで……最近なんだか、いろんなことが、ありすぎたから……

【そう言って。抱き締めてくれるマリーの躰に、寄りかかるように】
【ただでさえ、このところの夕月の捜索で溜まった疲労。細い躰に圧し掛かったなら】
【潰れてしまいそうになるのも当然だ。寝床まで案内されれば、大人しく眠り始めるだろう】


123 : 名無しさん :2018/04/08(日) 00:02:23 jKdoOeX60
>>121

あのね――――、世界がどうなっちゃうかわかんないのと、つがるちゃんがお母さんを探したいこと、関係ないの!
世界が大変だからって今そこで転んでけがしているひと、放っておかないの。それを助けたからって、世界よりそのひとが大事かって、それも違うの!
世界のことだって大事だけど――、今ここで「ふーん、そうだね、じゃ後にしてね」って、そんなの言うわけないの!

世界が変わってる途中で大変なら誰も困らないってそんなことないの、だから――そんなの、関係ないんだよ。

お金は……、うーんと、じゃあ、わたしのお仕事、手伝って。今じゃなくっていいよ、今はここだって、危ないかもしれないから……。
UTじゃなくってわたしを手伝ってほしいな。――それでどう、お金自体はわたしが払うよ。その分、お手伝いしてくれる?

【一瞬むっとした顔をしたのに相手は気づくだろう、それから出て来る言葉は――母親を探してほしいと来たのに、必死にそうしないでほしい理由を探すみたいな、相手へ】
【どこか少し怒るみたいに――関係ないって言葉を塗り重ねる、それとこれとは関係ない。世界は確かに大変で、自分だってそんなに暇ではなく、それどこか少しでも休みたいけど】
【それとこれとは全く別で関係がない――自分で手伝えることなら手伝うし、それが出来ないならほかのひとにも頼る。相手方も、それはきっと分かってくれるだろう】

【ただ――やはりお金、という話になれば。少女も一瞬黙る。相手の年齢ではおそらく――というよりここまで一人で来たのなら、全く余裕だってないのじゃないか】
【セリーナだってそんなことはしないと思うけど、と、思いながらも。一応発生した場合は建て替える――かといって少女個人に対する借金をしろというのではなく】
【いろんなことが解決した後でいいから、自分の仕事を手伝ってくれないか――というのだ。それで良ければ、お金は建て替える、そういうのでどうだろう、と、提案一つ】

わたしね、お金とか、家とか、なくって……きちんとご飯を食べられない子たちに、ここで、ご飯。食べさせているの、月の半分だけだけど――。
それをお手伝いしてほしいな。ずーっとじゃなくって大丈夫だよ。お金をもらえるわけじゃないし、うんと大変だけど――、

【「手伝ってくれたら、嬉しいなあ」】
【鈴の声が少しだけ囁くみたいになって、笑う。――もとより無賃のこと、それでも人手が足りないなら、彼女としては手伝ってもらえるだけで、ありがたい】
【誰が報酬としてお金を払ってくれるでもないけど――その代わり、今回の依頼費は必要なくなる。食べ物屋さんでお皿を洗うと無料にしてくれるみたいな、そういう話だった】


124 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/08(日) 00:02:26 6.kk0qdE0
>>122

「力が?」
「使えないッス?ちょっと感覚が解らないッス……」

【事実、この当事者でなければこの感覚は理解できないのかも知れない】
【兎にも角にも、この少女に過大な影響を与えている事は間違いなく】
【身体的変化も、等しくストレスを与えているに違いない】

「その時は、一緒だ」
「抜け駆けは無しッス!」

【疲れている様子だ】
【無理もない、夕月の件に加え自身の力の唐突な封印ないし抑制】
【この細い体に、それらが重圧と化し一気に伸し掛かっているのだろう】
【よしよし、とマリーが佳月の頭を撫でながら】

「今日は一緒に寝るッス、佳月ちゃんこっちッス」

【寝室へと案内する】

「俺ももう寝るか……」

【最も、ごく自然に同じベッドに入ろうとしたビリーをマリーが本気の睨みで牽制、阻止したのは別の話だ】
【横にマリーも一緒に布団に入り眠る】
【夜は静かに、少女の疲れを癒す】
【最も、完全に癒えるわけではないのだろうが、それでも幾分もましだ】
【運命の交錯は、近い】


//お疲れさまでした、この辺で〆と言う事で
//ありがとうございました!


125 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/08(日) 01:35:39 BRNVt/Aw0
>>123


【少しむっとしたようになって、それから何処か怒ったように言葉を重ねる相手に彼女は少し目を見開いて】

【世界は刻々と変わっていって、能力に対して当たりは強くなっていって、此処のリーダーは留守にしなきゃいけないくらいきっと大変で、鈴音自身だって疲れたような顔をしたりセリーナと何かあったのか少し地雷が出来ているような感じになったり、きっと大変な筈で】

【それなのに、母を探すのを手伝うと言ってくれて】


……良いのかな?
私、世界が変わってるのに何も出来なくて……お母さんの事ばかり追いかけてて……
きっと、こんな事してる場合じゃないかもしれない……けど……
それでも、良いのかな?
【泣きそうな顔をして少女は問いかける】

【そうだ、彼女自身、内心迷いかけていたのだ。厳島に会って、機関やセレンディピター号のパトロンについて調べて欲しいと言われて、機関が何処かで暗躍しているんだと思うようになって】

【それから制定された魔能制限法。世界が変化していくのがますます分かって】

【それなのに自分は自分のしたい事をしていて、こんな世界に対して何も出来なくて】

【きっとこんな事している場合じゃないのに、どうにも出来なくて、ただ『人間なんてそんなものなんだ』と諦めた振りをしてこそこそと頭を隠したりして】

【──そんなんで本当に良いのか?と】

【そして、お金の事ならいい、その代わり自分を手伝って欲しいと言われれば彼女は、それでいいの?とまた目を見開く】

【そうして話してくれるのは金も家もなく満足に食事も出来ない子供達に食事を提供してあげるボランティアの事】

【手伝ってくれたら、嬉しいな】

【そう言って笑う彼女。何だかかなわないなぁと思って】

ちゃんとご飯を食べられない子達にご飯を食べさせてあげる……それのお手伝い、か……
調理とか……ちょっとだけしか出来ないけど……それでも良いなら……
【私、やるよ、とつがるは少し自信なさげに笑う】

【ちょっと、の範疇が何処までかは不明だが取りあえず母の手伝いはしていたので魚を開いたり山菜の下拵えをしたり、簡単なもの、まあお浸しくらいだったら作れるらしいが】


126 : 名無しさん :2018/04/08(日) 01:42:03 1fPG.Lzk0
>>61


【くるり、と自らの手の内にある紅茶の缶を回転させた】

――そう。あのへびさま、そんなに君のことを。

【――鈴音の過去を、蛇神との関係を、彼は知らない】
【不死の呪いの仕組みも、知るべくはなかったが――けれど、その裏側にある、哀しいほどの神の想いを感じ取っていたのは】
【彼もまた、神霊の側に在ったものだからだろうか】

【正直な話、仮にカニバディールが鈴音を害するようなことがあるとして】
【彼女が居るからこその協力関係なのだ――それが無くなってしまえば】
【『鈴音を殺した危険な機関員』と、自分がいるだけになる。ならば斬り伏せない理由はない、のだが】
【それを伝えても少女のプレッシャーになるだろう、と、黙っていた】

――君が機関に、黒幕に、円卓に。あるいは、君自身の闇に。
なるほど、そうなってしまえば僕にとっては困ったことになるけど――
その心配はいらないよ、鈴音。
言ったろう、僕は君の味方だ。
この僕が君の側に立っていて、君にとってそんな危険なことはさせられないな。
むざむざと、敗者の側に付かせるなど。

【不敵に笑ってそう言う。かこん、と缶のプルタブを開けた音が、どこか場違いに響き】

僕の二つ名を知っているか、鈴音。
《断空》ウェイン―――「勝利王の騎士」。

僕が君の側に有る限り、僕が心置きなく刃を振るえる側に居る限り。
機関も黒幕も円卓も心の闇も、君と僕の信じる正義の元に下してみせよう。

【気負う様子はない。無論、単騎で全てを敵に回して勝てるべくもないが――けれど、確固たる意志を持って、彼はそう言った】
【どう不安になったとて、その手を掴んで、明るい方に連れて行く、と】

【――生前。彼が、かつて犯した自分の罪に慄き、怯え、そして立ち向かったことを、鈴音は知らないだろう】
【けれど、彼が進む道に迷いはない。疲れど、打ちのめされど。彼は迷わない】
【だから、自分の友人が悩んでいるのなら。彼は何度だってそばに立って、肩を貸して手をとって――救おうとするのだろう】


127 : 名無しさん :2018/04/08(日) 01:49:27 jKdoOeX60
>>125

――――良いんだよ、何もできないんじゃなくってね……、これはつがるちゃんがしなくっていいことなの。
つがるちゃんがするのはお母さんを探すこと。世界のことだなんてみんな気にするんだから。そういうのは、わたしたちに任せちゃって――。

お母さんを探すのも、わたしたちに任せて。

【なんにもできないとか。こんなことしている場合じゃないとか。そんなのぜーんぶ、全部、気にしなくっていいことだって言うみたいに、鈴の声音は、柔らかくて】
【その手元――あるいは心中にある見えないカードをすいっと取り上げてしまうみたいに手を伸ばして。ふっと止まった、「ごめんね、子供扱いだよね」と苦笑して】
【手の位置からして相手のことを撫でようとしたのかもしれないけど――自分がそうされるのが好きなのと相手が好きかどうかは別。格好よく言い切ってもどこかしまらない】

お料理のこともそうだけど――配膳とか、お皿洗いとか、手伝ってほしいこと、たくさんあるの。
お掃除もでしょ、お片付けも……お買い物行ったり、下ごしらえして。……ほら、ここって、周りだって鉄砲とかばっかりでしょう。
本物なんだよ。全部ね――だから、誰かが手伝ってくれるの、ほんとにね、嬉しいんだ。

【――本当は、ずっと一人でやる気だった。そして今もそれは変わらない、けど、だけど、そんな自分の中のルール】
【ちょっと捻じ曲げてもいいかなって思ったのだ。そして、それは――もしかしたらちょっと境遇の似ているのかもしれない相手への、どこか、気遣いにも似て】
【相手より少し早くこの人間の群れの中に紛れていたものとして。できることがこれくらいしかないってちょっと情けなくなるけど――、それで、相手が納得するのなら】

じゃあ、決まり! 他のひとにお話しするかどうかとかは置いておいて――、詳しいこと、聞いてもいい?

【ぱっと表情を華やがせて。だけど次の刹那には――また冴える。表情がころころ変わるひとらしかった、普段はひどくあどけないのに、そうするととたんに大人びるようで】


128 : 名無しさん :2018/04/08(日) 02:06:26 jKdoOeX60
>>126

……うん、へびさま、わたしのこと、だいすきだよ。
だからね――……わたしも。へびさまのこと、だいすきなの、しあわせになってほしい――、と、思う。

【蛇に愛されていた。今も愛されている。その結果にどうなったかを分かりながらも、この少女は蛇を怨まない】
【幸せになれと願われるたびに死んでしまいたいほどの気持ちになりながら、同時に死んでしまいたいくらい、幸せになってほしいと願ってしまう】
【きっとお互いに――だろう。お互いに想いあって、だけどお互いに救われない。一つ――ある出来事を除いて。あの日、人知れず世界の危機を救った時】

【"思い出した"――そう、思い出した。いろいろなこと。ずっと消えてしまいたいと思っていた、でも、思い出して――消えてしまわなくってよかった、と、思った時】
【あのとき。すべてではないけれど、確実に彼女は救われていた。だから――そう、彼がそう言ってくれたみたいに、彼女にも、それを言うだけのきっかけは、あった】
【もしも今の立場にあるのが自分ではなくって彼だったとして。そしたら彼女は彼とおんなじように――あなたの味方になる、って、言ったに違いなくって】

…………――――、……もう、ずるい、よ、そんなの、言われたらね。機関も、黒幕も、円卓も……いけなくなっちゃう。
……ウェインさんなら、きっと、ほんとうに、みんな倒しちゃうね。カニバディールも、クラァケさんも……、黒幕に知り合いは居ないけど。
それで、きっと、わたしだって、負けちゃうの。じゃあ――――、そんな分の悪い戦い、したくない、できないや。

【泣いてしまいそうに眼を細める。実際にその瞳がわずかに潤んでいるのにきっと彼は気づくだろう、少女自身も少し遅れて、目元を手のひらでぐっと拭って】
【機関にはカニバディールが居る。円卓にはミラがいる。黒幕はともかく、それら二つには縁があった。でも――彼を敵に回したなら、きっと、どっちも滅んでしまいそう】
【そしてそんな彼に自分もまた敵わないのだ。しかたないなあって言うみたいに笑う、そうすると――ぱた、と、涙が一つ落ちて】

…………ありがとう、ウェインさん。
わたしね、ほんとうはね、ずっと……怖かったの、わたしが失敗したら。みんなを危ない目に遭わせるかもしれないって。
わたしが誘ったひとが……このことで怪我をしたり、もしかしたら、死んでしまったりしたら……どうしようって。
わたしが死ぬのは。すごく嫌だけど……でも、いいの、死ぬけど、死ねないから。死なないから……。だけど。みんなが、死んじゃったら。
二度と目覚めないひとたちが死んでしまって――その原因が、わたしだったら、どうしようって、そんなこと……言えるいい子じゃ、ないのに。

【さっきとは少しだけ違った様子で顔を伏せる、膝に埋めるみたいにして、また、顔を隠してしまって。ふわっと捲れあがって露出した太ももを、一つ、雫がつうと垂れていく】
【声が少しだけ震えていたから、泣いているのかもしれなかった。怖かったんだって白状する、怖くて仕方がなかったって――ぎゅうと、抱えた膝を、抱きしめて】


129 : 名無しさん :2018/04/08(日) 02:45:42 1fPG.Lzk0
>>128

そうだね。
人は、神たちほど純粋には成れないから。
だから、敵も味方も、揺蕩ってしまう。
尊くあろうとした意思も、いつか迷いと絶望に堕ちて悪を成してしまうのだろう。

【へびさま。六王。魔界の存在達。彼等はある意味で、とても純粋なのだ】
【「そうである」から、「そう」ある――というように、在り方が強い】
【けれど、神ならぬ身の、ヒトたちはそうではない】
【かつて善き人だった能力者たちが、機関に身を投じ死を撒き散らしたように】
【けれど、かつて悪しき人だった能力者たちも、何かを護るためにその命を燃やすこともある】

【――鈴音が惑うように、揺蕩っているのだ。いつだって】
【ならば、カニバディールとて、ミラとて。もしかすると、本当に肩を並べて過ごす未来も、あるのかもしれない】

ああ。
戦いに身を投じる。君が誘った誰かも、君を誘った誰かも、君自身も。
傷つくことも、ひょっとしたら死ぬこともある。
けどね、鈴音。それは彼等自身の選んだ道だ。

人の意思が、何故尊いか。それは自分たちで選んだ道を歩むからだ。
君の意思でも、君の責任でもなく。
彼等は彼等自身の意思と責任で、傷つき、死に、生きるだろう。

君の歩む道に死が遠いとしても、彼等の人生と意思に、君が責任を持つ理由には、ならないさ。

【ぽん、と鈴音の頭に手を乗せる。それはいつかのように】
【大丈夫だよ、というように、あとはもう、そのまま黙っていた】


130 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/08(日) 02:49:56 BRNVt/Aw0
>>127


【何も出来なくたって良いんだ、世界をどうにかしようとする事なんてしなくても良いんだ。ただまっすぐに、自分がしたい事をして良いんだ】

【私達に任せて──】

【そう言われれば彼女は金色の瞳を潤ませる。ただただ、嬉しかった】

【こうやって尻込みする自分の手を取ってくれたことが】


【実際に行動してみせて、ほら、一歩進んだだろう?と態度を示してくれたユウトの事を思い出す】

【UNITED TRIGGERは、本当の本当に正義の味方で、きっと構成員達にはこうして人を思う正義の精神が息づいていて】

【いいな、かっこいいなあ、と純粋にUNITED TRIGGERへの憧れを抱く】

【そう思っている間に伸ばされ、止められた手。ごめんね、子供扱いだよね、と苦笑されてはじめてその手が頭を撫でようとしていた事に気付き】

……私だってもう十六才なんだよ?
【言って、頬を膨らませてみせて。けれどもすぐに吹き出してしまってくつくつと笑う】

【それから手伝いの内容を聞いて、うんうん、と頷いて】

【よかった、まだまだ出来る事、たくさんありそうだ、と内心ほっとして】

【鉄砲、という言葉にはぎくりとしてそっと辺りを見渡して、そういえばそうだったと気付くけれど、まあ煙が出てないなら、"あの臭い"がしてないなら大丈夫、と自分に言い聞かす】

【それでもって、他の人に話すかは置いておいてと経緯について聞かれれば】

【そこまで詳しい話でもないんだけど……と前置きをして一口水を飲んで】

……始まりは故郷の山だった
猟師にお母さんが撃ち殺されて……それで……お母さんの遺体と一緒に船に乗せられて此方の大陸に輸送されて……
私は奴隷として奴隷商に引き渡されて……売られる前に逃げてきた
それで、奴隷商に引き渡される前にお母さんとは別になっちゃって……
でも、知名度は低いけどそれなりに珍しい種類の化け猫だし……ほら、毛並みも白っぽいでしょう?だから商品価値はあるんじゃないかなって……
【ぽつぽつと話すのは母と離れるまでの経緯。最後に意外にも冷静に自分の見解を添えて】


131 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/08(日) 04:16:33 wn2rqSVw0
>>116


まっ、円卓自体が秘密組織みたいなものですからねえ
黒幕との水面下での争いなんて、よっぽど裏に詳しくないと知らないものですし。
ある程度の悪徳には目を瞑るなら、結構美味しい所ですよ?


【(――――へえ、鈴音さんって"UT"の娘なんですねえ)】
【(ぶっちゃけ名前載ったメール見せてもらっただけですし)
【(会ったことも顔も知りませんけどっ。まっ、仲良きことは美しき哉)】
【(知ってる範囲でもお話成り立ちますし、変に口出しは止めておきますかねー)】


【なんていうのが、実際の所。鈴音という少女のことは直に会ったこともないし】
【その素性もちょっとした関係性しか知らない。故に、少女の不自然さには気付かずに】


ですねえ、かなりの情報通なようで……。
……その上、"黒幕"を倒すって息巻いているんだからすごいですよねえ

なんでも有志の能力者を集めて、陰謀を打倒しようとしているとかなんとか。
機関員のお友達も居るそうですよっ?
いやあ、まさかUTが機関と手を組む日が来るとは私もぜーんぜん思っていなかったんですけど。

なんて言いましたっけかねえ……んー、「Mチーム」でしたっけ?
"王様"の方は裏方的に支援しちゃう感じらしいですよ?


【「どうです、入りたくなってきたでしょう」――なんて言いたげな言葉の切り方】
【敢えて判断は少女に委ねた。押してばかりではなく、こうして引く辺りも】
【櫻ならばいくつもの伝説が残る妖狐らしい狡猾さ、という所か】

【けれど――ある程度の警戒は解いたのだろう。尻尾の締め付けは弱くなり】
【ふわりと周囲を漂うように揺れるばかりで、鵺の動きを拘束するような事は無くなっていた】


132 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/08(日) 09:50:18 HMoBiR/U0
>>118
【「そうなのですか?」と彼女は疑問を呈す】

私は兄妹における人間関係というものは映画などの創作物でしか情報を得ていません。
映画でも詩織さんと同じような言葉を聞いたことがありますがエンディングではその多くはより良い関係が構築されています。

では、詩織さん。私とお友達になりましょう。

【突拍子もなく言い出すアンドロイド。友達の作り方はそんなふうなのか】
【アンドロイドは不器用だがとても純粋そうな目でそちらをみていた】

そうですか、ありがとうございます

【といつもの無表情に戻る。やはりまだ下手くそだ。それでも精一杯に感謝していて】
【照れくさい気持ちや、嬉しい気持ちもあるのだが表現はまだ難しかった】
【アンドロイドは悩んだ。それに申し訳ないなとも、うまく答えることができなくて】

詩織さんは優秀なのですね。私は人々を守るために作られたヒューマノイドですので、そのあたりの機能が不十分なのかもしれません。
『人類の幸福の奉仕者』として皆さんが何を望むのか知りたいのです。

【「しょんぼり」。と言葉で付け足した。どこで覚えたんだろう】


133 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/08(日) 11:48:08 wg3NHxpU0
>>131

【甘言───まさにその通りなのだろう、多くの男達を骨抜きにする魔性妖狐】
【故人は其れを指して曰く"傾国"───と】
【鵺も、大きく揺らいでいた、その心の在り処を】


あっ! "円卓"の人も、支援してるんですねっ! それなら話は早いと言いますか
私もそんなお鈴ちんの大ファンで、是非是非お手伝いしたいと思ってるんですっ!
そういう意味でも、"円卓"に参加するってありよりのありよりありですねっ

こーんな美味しい話が来るだなんて、真面目に生きてきた鵺ちゃんへのご褒美ですねきっと
クーちゃんありがとっ!
───私"円卓"に入りたいなっ!


【互いの距離を詰める、ぎゅっと貴方の手を取ろうとしながら】
【手袋に包まれた可憐な掌。細い指先が貴方を伝って】
【できたなら微笑みかける、多くの男を狂わせた無辜の微笑み】


あっ、でも今のお仕事副業禁止なんですよね
バレないようにはしますけど、毎日出勤となったらちょっとなーっ
やっぱり最初は研修期間とかで忙しかったりしますよね?

うゅ〜ん、その辺が少し心配ですねっ
クーちゃん、どうですか、"円卓"について、もっと教えて欲しいです!


【小首を傾げる、長い髪が寄り添う様に頬にペタリ】
【擽ったそうに目を閉じて、優美な睫毛が目尻を濡らす】


134 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/08(日) 13:20:03 wn2rqSVw0
>>133

【「円卓に入りたい」――その言葉を聞けば、ニコリと笑って歓迎ムード】
【その微笑みは少女の無垢で純真なものとはまた違い】
【何処か妖艶で場数を踏んだ、だからこそ意味合いの重い笑み】

【――手を握れば、優しく包むように握り返しながら】
【"パキ、ん"と手首までを凍らせて。自分と彼女の両手を、しっかり塞ぎ】


幸い"円卓"には出勤なんて概念自体ありませんし
私達に与してくれればそれでよし、だったりして。

……というわけで、知りたいというのなら教えちゃいますよ?
〝公安三課〟の鵺さんに。"王様"のジルベールさんがしてること。
――――殺したりはしないので、出来れば安心して聞いてもらいたいですねえ。


【くすり。――互いの手を凍てつかせるその氷は、クズノハの能力なのだろう】
【自然には解けず、ずしりと重く互いの動きを拘束している】
【けれどこれば鵺も、クズノハも動けないということ。慌てず話そうという配慮、でもある】

【――なにせ、目の前の少女は自分の雇い主が『必ず殺す』と言っていた相手なのだし】


まっ、簡単に言えば"円卓"は"黒幕"を潰すまでのダミーのようなものでして。
あちらさんを叩き潰したら、ジルベールさんとしてはさっさと円卓も潰す気らしいですよっ?
お金、もうしっかり貯まってますしねえ。煩わしいのはお嫌いみたいですから
まあ問題は、どうやってあれだけ大きな集団を潰すかなんですけど。

……さっきの、鈴音さんたちを支援するっていうのは本当です。
お金の面でも、あとは通信手段の面でも。黒幕さん、メールの中身を覗いてくるそうですからねえ

その辺りはしっかり手を組んでるんです。直接じゃなくて、仲介人さんを通してですけど。
という辺りが、本当にざっくりしたお話ですけれど……鵺さん、付いてこれてます?


135 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/08(日) 13:33:08 wg3NHxpU0
>>134

【───最初はただの違和感であった。何となく息苦しい盤面】
【しかし気づいたならもう手遅れ、クズノハの毒は首筋にまで達していた】
【とくん、と拍動が大きく聞こえた。その男の名前を聞いて】


───!!! ジルベール・デュボン!! 特A級の要注意人物じゃないですか!!
それになんで、私の名を───っ!! 外れ、無い……!!
一体何が起きてるんですか!? クー……クズノハさん、これはっ!?

どうしてジルベールが、『円卓』の"王様"に───!!
前戦った時はそんな事、欠片も口にしていなかったのに……


【凍りついた手を何度か引っ張る、固く拘束され其れは能わず】
【表情に焦燥を見せつつ、蜂蜜色の瞳で二色の妖狐を見据えた】
【先ほどまでの笑みすら、罠の様に思える程】

【黙ってクズノハの話を聞く、不思議なぐらい静かに】
【───視線をあげた、彼女の瞳が強い意志を持って】


……大丈夫です、筋は通ってます、私の知ってるジルベールは
『円卓』とか『黒幕』とか、そういうのは嫌いな人間です
ですが、ですが───!!

クズノハさんはジルベールの能力を知ってるんですか? 受けた事ありますか?
思い出しただけで、ゾッとする……あれには、途方も無い人の悪意と怨嗟が詰まってました
きっと、あんな能力を使うなんて、正気なんかじゃない……!

そのジルベールが、トップに立つ組織を、私は信用できません


【廃屋での死闘。思い出すと未だに身震いをする】
【後日送られてきたメッセージ、全身の毛が総立ちする様な感覚であった】


136 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/08(日) 13:42:18 wg3NHxpU0
>>119

【───刹那、貴方は背後に冷たい風を感じるだろうか】
【寸刻遅れて、艶めかしい両腕が貴方を背後から絡めとる】
【俯き加減の貴方にもたれる様に、柔らかな感触が濡れた】


ねぇ、こんな所でどうしたの、剣のお人
プライベートだったかしら、でもね、一人だったもの、仕方ないの
貴方の様なイカれた御仁が、一人だなんてどうかしてるの

ふふ、会いたかったわ、会いたかったの、こんな所で会えるだなんて光栄ね
あんな実験室で逢瀬を重ねていたら、血の匂いで狂ってしまうもの
月明かりの下でこそ、貴方を見たかったの、こんばんは御船千里


【プラチナブロンドの長い髪、朱が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒いスーツと短いタイトスカート】
【スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な少女が後から抱きついてきた】

【そっと両腕で引いて、貴方の上半身を後に逸らせようとしながら】
【彼女は身体を乗り出して、上から見下ろす体勢になろうとする】
【接吻ができそうな距離、艶やかな口元が甘く濡れる】


ひょっとして、『特区』が気になってるの?
そうよね、貴方の身では入れないもの
ひた隠しにする秘密の花園、その奥に咲くのは徒花、だもの


【どうやら彼女は御船を知っているようで、そうあれかしと話しかける】


137 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/08(日) 14:03:52 wn2rqSVw0
>>135

「万物は流転する」ということですかねえ。
ジルベールさん、元はただの機関員だったらしいですけど
今私が知りうる限り、あの人って円卓の"王様"で、機関の"六罪王"ですし?

……でも、貴女のことはちゃんと覚えていたみたいですよ?
「もし会ったら殺しとけ」なんて言われてたりして。


【手を引っ張れば、目の前に立つクズノハの体ごと引き寄せられる】
【決して離れることはない。言うなれば、互いの腕に手錠をはめたようなもの】
【そして、それを解除できるのはクズノハだけ。――対等に見えて、そうではなく】
【亜麻と新緑の深い色合いを秘めた瞳は、僅かな微笑を湛えて視線を交わし】

……いいえ、受けたことなんてありませんとも。
だって私は雇われの身ですし、あの人と敵対してませんし?

でもあの能力は確かに、使ってる側も正気じゃないだろうなーとは思いますけど。
たまーにお部屋に失礼したりするんですけどね?
椅子とか鏡とか窓ガラスとか、大概壊れてたりするんですよねえ

人の憎悪を能力として扱うなんて、まるで"陰陽師"ですけど。

でもちょっと残念です。鵺さんはまだまだお子様みたいで。
……確かに?能力も異常で人格も多分正気じゃないでしょうけど
頭のキレとしていることの道理は、決して間違っていないと思うんですよねえ私。

それに、いま"黒幕"を止められるのは実質的に"円卓"のみなのが事実でしょ?
あの人の支援がなければ、鈴音さんだってUTごとぺしゃんこ。そうは思いません?


  ――信用できる、できないの話なんてしてないんですよ

              要はどちらに付くのかということです。


それとも私、"言いつけ"守ったほうが良いですかね?


【〝「もし会ったら殺しとけ」なんて言われてたりして〟】
【微かに身震いする少女を慰めるように、温かな尻尾がその身を包む】
【けれど同時に、それはその首を絞め殺すための布石にも感じられて】
【今まで柔らかだった毛並み一つすら、少女にはどう感じられるか分からない】

【ただ、一つ確かなのは――クズノハが、鵺という少女に対して選択を迫っていることだった】
【円卓か、黒幕か。今この場で選べと、有無を言わせぬ圧力を掛けていた】


138 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/08(日) 14:43:03 wg3NHxpU0
>>137

【───殺しておけ、その言葉に背筋がゾクリと揺れる】
【言いかねないと思った。クズノハの言葉からジルベールが言い放つ光景を想起できる】
【恐ろしかった、強さ以上に彼女へ恐怖を押し付けてきた】


今、"六罪王"なんですね……敵ながら、良くもまあ出世できるものです
確かに頭のキレる人物なのは間違いないと、思いますが
ぜーんぜん、嬉しくないです、なまじ想像できる分、よけーにっ

陰陽師───本国にいた時、噂は聞きました
宵と明、陰と陽相反する二つの事象を用いる稀有な存在と
もしかして、ジルベールの原点って、そこにあったりするんですかね


【つーんと口を尖らせる、紡ぐ言葉はどこか刺々しい】


忌々しいですが、クズノハさんの言葉の通りだと思います
戦ってみて思いましたが、相当──ジルベールは頭が良いです
悪魔的頭脳だなんて言葉、ピッタリですが

…………!!


【鵺は状況をどこか甘く見ていた、既に浸かっている状況の沼に】
【身体を包む尻尾、それがどこまでも冷たく感じる】


────"円卓"の手を借りるのが、鈴音の為になる
それは、事実の様ですが……

あくまでも、共闘です、私は……円卓の手を借りても、ジルベールの手助けには参加したくないです


【言い放つのは譲歩、協力はするが、全面的ではないと言った感じ】


139 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/08(日) 15:36:35 wn2rqSVw0
>>138


まあまあ、敵に回したらとーってもいやらしい人なのは知ってますし。
幸い今日此処に居るわけでもなし、落ち着いてくださいなっ


【陰陽師、どうですかねえ――なんて、素知らぬ顔】
【確かに人間の暗い面ばかりをかき集めたような能力は、近いものがある】
【ジルベールという男の素性が広まらないのも怪しくはある、が】

【本題はそこではない。あくまでも目の前の少女、鵺の進退】
【手を貸すか、敵と見做されて此処で殺さざるを得ないのか】
【それを決したい。ふわりと揺れた尻尾で、彼女がそれを察したならば】
【幼いながらに理解できるだけの死線を潜り抜けている鵺に、今度こそ優しく笑い】


――了解ですっ。でしたら、今日から貴女は"こちら側"ということで。

別に目印の首輪を付ける必要もないですし
「私は円卓と共闘中です」なんて誰かに言う必要も有りません。
あの人の手助けはしたくないと言うならそれも結構
……別に私、雇われているだけで奴隷でも部下でも無いですし。


【じわり、と冷え切っていた手がクズノハの肌を通して温まっていく】
【後は先程と同じ。氷が何事も無かったかのように霧散して】
【けれどついでに、握った手はじわじわと温かく、手を離さない限り心地よい温度に労われ】


首輪代わりにというわけではないんですが……こんな物、要ります?
さっき話した通り、黒幕は私達の通信網を覗き見出来るそうでして
この指輪をすれば、電話でもメールでも暗号化出来るのだとか。

……ついでに、私の連絡先も教えてあげても良いんですけどね〜?


【どうしよっかなー、なんて呟きながら、ふと取り出すのは幾つかの指輪】
【魔石で作られたものらしく、色とりどりで造形も様々】
【暗号化された通信が出来るのだというが――しれっと、連絡先もチラつかせつつ】
【既にその雰囲気は元のもの。少女と戯れる優しい狐、なんて感じだった】


140 : 名無しさん :2018/04/08(日) 15:46:58 S/DUh6T.0
>>139

【少し考えた、これで正しいのかと自分に問いかけるが如く】
【答えは見つからない。けれども、少しばかり進展したのは間違いなくて】
【開いた箱がパンドラか、禁止にされた空き箱にわずか残る希望を探した】


……ずいぶんと、警戒が緩いんですね、信用されてるのか、それとも
何が起きても大丈夫と、言われてるのかは……分かりませんが
それでも、それでも────目指すのは、悪くないと思います

クーちゃんの手、あったかいね……
私、その、円卓って組織、まだ信用できないですけど
クーちゃんの事なら信じてもいいかな、って……思います


【ぎゅっと握り返す、温かい指先が心の氷すらも溶かすほどに】
【じんわりと温められて、緊張がほぐれるように】
【次に取り出される幾つもの指輪、そのうち一つを軽く手に取って】


へーっそうなんですね、それは便利な代物です
もらえるものならもらっちゃいます、最悪うっぱらえば生活費になりますしっ
じょーだんですっ!円卓に入ったからには、私もお金持ち一直線です!

ふふ、これで毎日味のしなくなったガムを食べる生活はおしまいですよっ
ガムに砂糖水を浸すと、また甘くなるんですよっ!


【えへへーと笑う、完全に気を許しているみたい】


141 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/08(日) 16:08:19 nlmnmX0.0
>>132

【兄妹の関係性については、複雑な表情を浮かべていた。一言では言い表せないといった、そんな感じだ】
【嫌いではないが、はっきりと好きとも言えない。一緒にいたいとも離れたいとも違う】
【これに関しては自分の感情を上手く説明する言葉を彼女は持っていなかった】

【お友達になりましょう──そうやって声をかけられて、はっとして顔をあげる】

……もちろん、いいわよっ

【詩織はにっこりと笑って答える。友達になろうとはっきりと言われて嫌がるような性格ではなかった】
【むしろ嬉しいぐらいだ。こう見えて、どちらかといえばさみしがり屋のせいもあった】

【それから、優秀だなんて言われて。また「うぅん」と唸って顔を伏せる、考え込む】
【表情がころころと変わる。確かにそういった意味でいえば優秀だったのかもしれないけど】
【それを素直に受け取ることはできなかった。それは、当たり前のことだったから】

人々を守るために、か
私とは全然、違う理由で作られたのね、ゾーイは
私は……自分が何のために居るのか、分からないわ

【しょんぼり、と言うには少しばかり詩織の表情は暗かった。本当に悩んでいるように】


142 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/08(日) 16:48:29 pRtSHauQ0
>>136
【ひゅう────背後からの冷気に、思わず身体が硬直する。敵か】
【どくん、と心臓が跳ねる。鼓動の変化は、相手の細い指先から伝わってしまうだろうか】

【──少し、返事が遅れた。今は彼女の為すが儘。上体を反らし】
【そこでようやく、“彼”は彼女の姿を捉える。サングラス越しの視線】
【そこには何もないと、彼女は知っているのだろうか。恐らくは──】


『────まったく。君は相変わらずだな。その露出振りも、なにもかも』


(知り合い、か────?クソ、あの潔癖野郎)
(なぁにが健全な肉体と健全な魂だ、ちゃっかり手ぇ出すとこに手ぇ伸ばしてんじゃねぇか)


【身体の支配権は彼女に預けたまま──“彼”は薄く笑う】
【声のトーンも言い回しも、自分が知っている“彼”のものに寄せたつもりだった】
【実際、声は確実に酷似している。細やかな言葉選びはさておいて】


『気になるさ、ああ気になるとも…………彼方は僕の管轄外だけどね』
『それでも──見るくらいは許されるだろう?あれが僕の理想郷足り得るかどうかをさ』

『で────君はこんなところで何をしているんだい?』
『あの鳥籠の中で踊るには、君は些か自由が過ぎると思うんだが』


【よりにもよって──心の中で毒突く。知り合いと出会うのはまだ良いが】
【なぜその相手が女なのだと、自分の不運を呪う。職場の人間であればともかく、プライベートを多少は知っていそうな女と!】
【──名前も知らない相手の話に合わせるのには、苦労する】
【なんとか自然な流れで名前を聞き出して、それから適当に情報でも抜いて】
【後は仕事があるとかなんとか言って、この場を去ればいい──】

【そう思いながら、相手の言葉を待つのだ。まだ、流石に気付かれていないだろう】
【だが言葉を長く紡げば紡ぐほど、相手がこちらに抱く違和感は膨らんでいく】
【さてどう話を進めるか──心臓は、酷くうるさいままだ】


143 : 名無しさん :2018/04/08(日) 17:01:32 S/DUh6T.0
>>142

【回した腕に沿ってくるり、と体を反転────貴方へと真っすぐ向き直る形】
【そっと腕を寄せて、貴方の胸へともたれかかる】
【鼻腔を擽る髪の香り、甘い甘い蕩けるような芳香】


ええ、だーって私は沢山の御仁に、見てもらいたいもの
そうするとね、優しくしてくださるの、はだけた姿が、殿方はお好きだから
ふふ、しーってるの、貴方様は違うものね、私の素肌なんて興味ないもの

それが故に私は惹かれるの、だーって貴方様は私の秘所の奥も、見えてるの
恥ずかしいわ、恥ずかしいの、今昂ってる事すら、お分かりになって?
ねぇ、どうなのかしら、どちらでも、素敵なのだけど


【歌うように言葉を紡ぐ、どうやら親しい仲であるのは間違いなく】
【嘯く様に笑って、ねぇ、と声をかける】
【御船の千里眼をもってすれば、女の裸など見放題だったのだろう、けど】


あら、貴方様はあのような場所を嫌いではなかったかしら
悪趣味な鳥籠だって、そんな風に言ってらした気がしたけど
まぁ、良いの、どう思うかなんて人それぞれですもの

私は好きよ、あちらこちらにカメラがあって、一挙手一投足を見てくれるの
そうなら、私はね振る舞う事の一つ一つに気を入れなきゃいけないの
そうすればするほど、自分が高まるのを感じるは、気が立っちゃうから

今は散歩よ、さーんぽっ、この前かわいい仔猫ちゃんがやってきたもの
仔猫ちゃんの喜びそうな玩具、買いに行きたいから
ねぇ、ついてきてくださらない?私、一人であんな所に買い物に行くの、恐ろしいわ

きーっと私のような身体がだーいすきな人たちが、多いから


【するり、と手を下ろして胸板を指先で辿る】
【そのまま、体の線をなぞるように指先を下ろし、貴方の右手を両手で握ろうとする】
【────どんな店に連れていくつもりだろうか】


144 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/08(日) 17:13:41 wn2rqSVw0
>>140


どちらかと言うと、何が起きても大丈夫という方ですかねえ。
円卓って結構武闘派ですし、意外に人数も居たりしますし。

……何より、貴女って腕は立っても隙だらけですし?
もうちょっとおしとやかさとしたたかさを学んだら
ほーんと、良い隠密になれると思うんですけどっ。

……でもまあ、そういう純真無垢な一言は結構ぐっと来ますねえ


【すっかり少女の手も温まったなら、こちらから握った手を離し】
【指輪も一つ選ばれると残りをしまって、からんと高下駄を鳴らす】


さてさて、それでは帰りますかねえ……。
……あ、お金はまたお時間のあるときにでも口座を教えて頂ければ。
ちょうどいいですし、今夜にでもメールなり、なんなりと。


【「私結構いつでも暇してますので」と言いながら、よしよしと鵺の頭を撫でる】
【砂糖水にガム、なんて話を聞いて哀れに思ったのか】
【それともなんとなくそうしたくなったから撫でたのかは分からない、が】

【――ともあれ、もう彼女からの要件は無いのだろう】
【鵺からもなにも無ければ、響きの良い高下駄の足音を鳴らしながら】
【その姿を、やがて打ち捨てられた都市の合間へと消すこととなるが――】


145 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/08(日) 17:22:03 NbFVqthg0
>>141
本当ですか?嬉しいです。私はたくさんの友人を作るように博士に言われました。
私個人もそうしたいのです。では、親交を深めるためにもっと詩織さんのことを教えてください。
私は人を護り、人類の幸福を守り、奉仕者としていることが任務です。
そしてそのために多くの人間の経験を得ることが求められています。

私は、個人的趣向として特に食事に興味があります。
エネルギー源として定期的に食物を摂取する必要はありませんが、文化として料理は興味深いのです。
ただエネルギー源として多くの食事をとるのは必要とする方に失礼かと思われますので、私は作る方を多く行います。

【彼女はたくさん話した。淡々とだが、いろいろなことを話した。自分がどういうロボットで、何が好きで】
【そして同じようにいろいろなことを聞きたがるだろう。話好きなのかもしれない】
【他にも友達というものに嬉しくて興奮しているのかもしれない】

そうなのですか?では、人間と同じですね。人類も多くの人は先天的に生物学上の定義を除き
生きる意味や社会的理由というものを探すと聞いています。それがアイデンティティの確立に必要だと。貴女は自由なのですね。大変、素晴らしいです。

【ゾーイは話し終わってから、彼女の方を向いて、思い出したようにあの完璧すぎてしまう笑顔を向ける】


146 : 名無しさん :2018/04/08(日) 17:24:13 S/DUh6T.0
>>144

【隙だらけなんて言われてぷくぅ、と頬を膨らませる、なにさっと言いたげに】
【実際その言葉通りである、身体能力と技術を未熟な精神が操っている】
【だからこそ円卓入りは、期待と不安があった、表にも裏にも変わるから】


メールしていいんですかっ! じゃあ電話もしちゃいますねっ
えっへへークーちゃん結構お暇なんですねっ、嬉しいっ!
でしたら、もう遠慮なくばんばんメールしちゃいますっ!

インス・タバエって知ってますか? 最近流行りの食べ物屋さんなんですけどっ
種類がめーっちゃ凄いんですよっ、ラーメンからスイーツまでなんでもこいなっ
また写真撮って送りますねっ! 鵺ちゃんけっこー写真家ですよっ


【頭を撫でられ気持ちよさそうに目を閉じて、小さく笑うあどけない笑み】
【様子を見ていたら、それはまあ年頃より幼く見えても仕方ないな、という位には】

【去っていく貴方を見守る、またねーだなんて言いつつ】



【その日から毎晩毎晩大量のメールやら電話やらが乱舞する事は、想像にかたくない】

/長時間お疲れさまでした!


147 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/08(日) 17:33:53 wn2rqSVw0
>>146
/綺麗に締めて頂いたのでこれにてっ!
/こちらこそ、連日ありがとうございましたー!


148 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/08(日) 17:38:14 nlmnmX0.0
>>145

【自分のことを次々に話すゾーイに対して、詩織は少し目を丸くしていた。驚いていた】
【淡々とした様子からは想像もできないほどによく喋る。機械的なのは外面だけで、内面はそうではないのだと】
【話をする様子からも、よく分かるような気がした】

私も……食事を作ることは多いわね
兄と二人暮らしをしていて、昔は食事の当番は私だったわ。今は違うんだけど……

えっと……仕事を、しているの。兄の護衛が私の仕事
こう見えても結構戦えるのよ。見た目はこんなんだけど、本当は17歳だし……
子供扱いされるのが悩みの種ね。本当の年齢を言ってもなかなか信じてもらえなくて……

【ぽつぽつ、とだが詩織も自分のことを話し始めた】
【仕事に、見た目についての悩み。十歳という外見年齢はどうにも不便らしくて】
【むぅ、と口を尖らせていた。それはやっぱり、子供っぽい仕草ではあった】

自由……自由なのかしら、よく分からないわ
だって、どうすればいいのか、分からないもの
貴女は、人間の……奉仕者?っていうのに、疑問を持ったことはないの?

【ゾーイの笑顔はとても眩しいものだったけれど、それでも暗い表情を変えることはできず】
【詩織は質問を投げかける。生き方に悩んだことはないのか、と】


149 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/08(日) 17:49:17 pRtSHauQ0
>>143

(…………け、随分と親しそうじゃあねぇか)
(だが──この女の口振りから察するに、少しつれねぇ扱いが“正解”ってぇところか?)
(ま、流石の潔癖野郎もこんな見るからに清楚ぶったビッチは食わねぇわな)
(…………。………………いやでも一回くらいは)

【ごほ、と思わず咳を払う。ぐらぐらとする香りだった】
【どうしても女を感じさせる匂い。裏カジノと路地裏と、そして潮の其れに慣れ切った今となっては】
【眩暈がするくらいの芳香──鼻先に纏わりつく痺れを払うように、もう一度咳をして】

【──“彼”からは、薄らと潮騒の香りがした。それと、其れを覆い隠すような石鹸の匂いも】


『本当に君の魂は穢れている。いや、爛れていると言った方がいいかな?』
『ふん──それにしたって、もう少しお淑やかさくらいは身につけたらどうだ』
『僕の目はすべてお見通し……とはいえ、毒の林檎を愛でる趣味はないぜ』

『それに…………思うことなんてその時々で多少は変わるものだろう?』
『悪趣味であると思うものほど興味は惹かれる──触りたくはないが、見るだけなら』
『は、この言い分だとまるでどこかの毒林檎と同じだな。けれどアレは匂いだけで十分だ』


【するすると、胸板がなぞられる。肉付きや細かな筋肉の表現は、少し心許ない】
【何せ“彼”の姿は服の上からしか見ていないのだ。そこから想像できる程度のものを、自身に反映させているだけ】
【見るだけ、あるいは聞くだけであれば模倣は仕切っている。だが──】
【どうしても真似の出来ない箇所は、それこそ服の下になら幾らでもあった】

【手を握られ──相手が望めば、恋人のように指を絡めることも許すのだ】
【“彼”がわざわざ、女性の手を振り払う程に意思の強い男だとは思ってもいなかったから】
【──もし彼女が日常的に“彼”とそのような行為をしていたのであれば】
【指先や掌の感触もまた、僅かに違うと気付いても不思議ではない】
【今は標準的な男性の掌を模倣している──手の皺や節の形まで観察する余裕は、今までになかったから】


『なるほど、露出狂の君にはうってつけの場所というわけだ』
『だがあまり昂りすぎないことだね。此方側の品位を────“仔猫”?』

『ふ、は────一体どんな猫を拾ってきたんだ』
『呆れてもはや何も言えないよ。それに、嫌だと言ってもそうはさせてくれないのだろう?』


【彼女の特徴。露出狂に加えて、色狂いの文字も脳内で書き足す】
【名前もまだ知らない、甘ったるい女。彼女が歩き出せば】
【“彼”は仕方ないといった様子でついていくのだ】


150 : 名無しさん :2018/04/08(日) 18:14:09 S/DUh6T.0
>>149

【ふわふわと掴み処の無い言の葉を綴る、散文詩の如き夢幻の歌】
【楽し気に頬を綻ばせても、満面ではなく、薄く、細やかな仮面を被る様に】
【ねぇ、と猫なで声がなぞるたびに、甘い吐息が零れた】


あら、香水変えたのかしら、潮の香りがするの
素敵な趣味ね、知らなかったの、私の知らない貴方がいると、嬉しくなってしまうの
だって私の身体は、その一片に至るまで、貴方に暴かれてしまったのだから

怒られてしまったの、それも当然かしら、淑して殿方を待つのも妻の定め
ねぇ、貞淑ではない女はお嫌い? 貴方に言われたなら、もしかすると変わるかも
ふふ、なーんてね、冗談よ冗談、貴方の妻だったなら、もう少し傅くけども

そうよね、貴方にとっては『特区』は触れたくも、ないものだから
ベッドの上でも、その話ですもの、ほんとっ、嫉妬しちゃうの
睦言はもっと、淫らに怠惰に、紡がれるもの


【知ってか知らずか、彼女の言葉はそうと示しているようでも、そうと嘯いてるようにも聞こえる】
【ミラの内面はわからない、けれども外面は確か】
【彼女は指の感触には気づかない、そこまで日常的に触れ合ってはいないのだろう】


とーっても可哀そうな仔猫なの、愛を知らない傷ついた仔猫
『特区』から逃げ出してきたらしいの、可哀そうに、芯から凍えて
私はね、優しいの、知ってるでしょう、だからね、温めてあげたの

貴方はとっても、素敵、いっつも冷静で、正しいの
でもね、女心に関しては、ぜーんぜん、駄目なの
はーいっ、ここで質問、拾われてきた仔猫ちゃんは、いーったい何が、必要だと思う?


【腕を組んで歩き出すだろう、そうっと持たれるように首筋を腕に当てて】
【そうして大きな瞳を透かすように、貴方を見上げた】


151 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/08(日) 19:16:54 NbFVqthg0
>>148
【坦々のしゃべる声は抑揚がないのでロボットらしさがあったが、中に人間が入っているように生き生きと】
【彼女はいろいろなことを矢継ぎ早に話そうとした。】

17歳…17歳ですか。それは製造されて17年ということでしょうか。
それとも人格形成に関わるシステムが17歳を想定しているということでしょうか。

私は製造されて3年です。外見は22歳の女性を想定していると聞きました。

【それでも手を離そうとしないのは「17歳も人間ではまだ子供の部類だから」と行って聞かないだろう】
【人類の奉仕者だかなんだか硬い言葉で大義名分を言っていたが、今のところ単なる世話焼きのお姉さんといったところだ】

護衛ですか。私も護衛しています。それについては機密事項ですので申し上げることはできませんが。
その方はとてもいい人です。少し不摂生ではありますが。

【小言をもらすアンドロイド。ゾーイは詩織の動作を真似て口を尖らせてみた】
【少しはにかんだ笑みとともに。】

なんでもできるというのは人を不安にさせるものかもしれません。
ですが自由はとても大切なことです。いろいろな経験を手にできるのですから。

いいえ、私は迷ったことはありません。私は自信の与えられた任務にプログラム的に強制されているわけではありません。
自発的に博士の意見に同意しているのです。人々は助け合っているのです。
その足りない部分を補うのが私の任務です。誰かを助けて、幸せにすることに私は幸せを感じます。
私もこれほどの素晴らしい文化に私は感謝しています。

【ゾーイは迷いなく言った。誰かのために生きることは素晴らしいことだと】
【自分も助けられているのだから助けるのは当たり前だと。真っ直ぐな意見だ】


152 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/04/08(日) 19:31:07 FM/OCohE0
/4レスに分けますっ

ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/internet/14029/1493988456/614-616
>>前614-616

【黒泡による記憶の共有は一方の心を蹂躙し、トライデントたちの過去を、他方が望むまま抉じ開ける】
【奪われれば痛む程度には大切で。ロケットに写真を入れて持ち運んでみたり、少しでも側にいられることを願ったり。……そんな、あどけなく薄氷の上をあった失いがたいモノ、】

【家族というものを知らないがゆえの幻想は、自分が奪ってしまったあの親子の在り方を、家族というものの基準の様に捉えてさえいたのだ】
【知識としての理解は異を唱えれど、罪の指標としては紛れもなく。】
【ゆえ当事者として見る初めての視界にある苦しみは、そのままの鮮明さで写し取られてゆく】
【誰もが、他者とは違う生き物だ。理解りあえることなど端から期待しないその想念は、けれど無自覚に】
【孤独に視線を重ねようとする様に共鳴を、絶望に牙剥くことを求めるかのように昏き激情を、幸福に安堵を、まるで、子供にヒトが抱く想いめいて移ろわせる】

【少しは大切だったから、愛情を注いでくれないことが悲しかった。――理解は、絶対の断絶を意味するだけの断頭台だった。】
【存在の根幹をそこに置くほどに、一瞥したことすらない“誰か”に希望を抱いていた。――夢想は、容易く裏切られた。】
【無二であること、誰かにとって特別であること。絆を願っただけの少年は、閉塞する道の先に、“悪”を弑することを見出す】

【……それが、また別の絆を奪うことと不可分であることを。奪われ、奪い、喪ったものは魂に刻んでいた。】
【彼が彼の正義を信じて殺すなら――――己は、己が答えゆえ彼を殺すだけだ。大切なものがあまりにも違う、別個の命として。】
【重なる部分があるとすれば、憎悪――もし同じだと言ってのけたなら、精神感応者へのカウンターとした時の様に、心灼き尽くされるまで注ぎ込んでやると心を決めれど】
【根源的な敵への憎しみと、奪われたものに意味がなかったなど許せないという想い。“愛される”希望を奪われたことの歪みは、遥か深く歪んだ者の心に、“違う生き物”の想いとして確かに焼き付けられるのだろう】


【トライデントをそう敵対者と捉え続ける一方で、アコーディオンの生への共感は、ダリアが自覚しかけるほどには強くあった】
【心身の苦しみ、その心を支えた存在。決して替えの利かない、無二の光――。】
【ただ殺すべきモノを殺せずにいた、“弱かった”悔恨と幸福の織りなす綯い交ぜの痛苦は――アコーディオンには、支えてくれる人がいたかけがえのない時間だった】

【……己の強さの代わりにその記憶が得られるとしても御免蒙るけれど。】
【共にあることでアコーディオンの父が得ていたはずのものは、この世界ではきっと希少な、アコーディオンの幸福が証す様に思えた】
【結局なくしてしまうのだから、羨ましいなどとは口が裂けてもいえなかったが。大切なものが欠け落ちる虚脱感は、世界に対する思いを、自分だけの/けれど別位相の“同種”があるものと再確認させた】

【殺戮者となる前のトライデントとの邂逅には、心安らぐ想いもしていたのだろうか】
【別世界の出来事のように、遠く遠く言祝ぐ様に――これから殺す“人間”として、どこか惜しむ様に、その資格がないはずの想いをひととき抱く】

【それが意味を変えたのは……二人が真実を知り、悪と虚偽を滅ぼすモノとなってからの記憶においてだ】


153 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/04/08(日) 19:31:49 FM/OCohE0
>>前614-616

【トライデントが見出した正義の下に悪を狩る。彼らは数奇な定めを乗り越えてゆく。時にヒトの通念を越えて思いあう。当たり前の人間の様に、穏やかな日常を味わいながら、】
【寄り添い、共に戦える。死なせなくていい、牙剥くことすら恐れずにいられる。傍らで見守って、力を尽くせる“大切な人”として、今も、人の世を生きてくれている――――。】

(……よかったじゃないか、失わずに済んで。ああ……けれど。…………それでも、どうして――――――――っ)

【――――“なぜ、これがあいつじゃない?”】
【想定を越えて感情が溢れる。無敵であった精神の核が、内側からダリア自身の心へと牙を剥く。ありえない逆流に、鉄杭で貫かれた様に四肢が痺れ、硬直する】
【殺しを生きる者にこんな生き方が許されるなら――――どうして、あの大切だった者たちは――――地獄で救おうとする“誰か”を、一度として得ることができなかった?】
【何より憎む“悪”の、己の同類であるはずの復讐者が、何より救いたかった“一人”が終ぞ触れられなかった温もりを得る。】
【それが当たり前のものの様に、奪い、裁く者として振る舞い続ける】

【憎悪と殺意と歓喜とで充たした亀裂が、逆巻く獄焔に拡げられ。“無意味”であるはずの想いが悪意の血肉を成すよう、命を繋ぎ】
【トライデントの言行ではなく、その存在を初めて憎悪する。最小の肉片にまで砕き散らし、欠片の一つ一つを焼き尽くしてようやく収まるのだろうと程を識る】

【榛色の瞳には、アコーディオンを救ってみせた彼が、当然の様に自分たちを嬲り続けたあの梟面たちや、殺戮者たるダリア自身に重なって見えて仕方がなかった】
【ひどく一方的な想い、暗黒でしかないこの牙の証明。ただ愛することさえもが殺戮に到るモノが、相応以上の害意を“彼ら”へと注ぎだす】

(…………憎めばいい、アコーディオン。私は、お前と、お前の大切なものを諸共に殺す――――ッ)

【喪うことで強くなったもの、寄り添う誰かを得て強く生きられるだけの光を得たもの。対極の他方をただの人間と見做しながら、涙を流すことのない身が、代わりの様に血を流し続ける――。】

(……、――――――――)

【罪なき頃であればその身が願っていたものを、アコーディオンは既に得ていて】
【だからきっと、血塗れの怪物にはその諦めが理解できなかった――死の重みを、今も忘れられないからこそ、あんな記憶を共有さえもした程に。 】
【同時に、その諦観を生むものの重さを識る。地獄の底で逢えた光が、どれだけ心安らげるものかは身に沁みて知っていた】
【だからこそ、新たな破壊を悪魔は選ぶだろう。其は世界の敵、秩序と当たり前の営みを粉砕するモノ】

【……知れば知るほどに、グラトンと己が相容れる訳がなかったことを再び理解せずにはいられなかった。 】
【破壊を愉しむことのできる性質こそ重なれど、その支配は、ダリアや、〝最終勝利〟の先で率いるはずだった異端たちの願うすべてを否むだろうから】
【“もしも、それで救われる誰かがいるのなら”――……その僅かな可能性に賭けた殺戮者は、やはり災厄で】
【彼らとは、違う。共感はしても意志は翳らず、如何な絶望があろうと突き進み続ける。】
【それが望ましい結末を呼ぶとは限らないことは、悪魔に自覚を与えたあの喪失が教えていたが――――】


154 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/04/08(日) 19:32:21 FM/OCohE0
>>前614-616

(――――甘い……奴だ……‼)

【敵の戦意の喪失は好機。あえて標的の眼前まで生かした敵性戦力を惨殺し、逃亡の気力ごと奪うことも多く】
【ならば過去を武器としてもたらすこの消耗も、“強いた”限りは類型なのだろう】
【風の吹き出し口から極低温の異能媒体を侵入させ、瘴気での汚染を絡めながら内側から凍結・破壊。内臓器官を露出させながら、決定的な勝機を奪い取る――、】
【重ねた戦闘経験と殺意はその通りにすべきだと即断し、】

「ぁ……ぐ……ぅ、……は……、……ぁっ…――――!」

【それらを統べるダリア自身の優先順位が、その失態を許さなかった。彼らの記憶を見て、この戦いの意味を、その程度には留めまいと破壊への意志を滾らせる】

【胴を貫く尾を引きずり出そうと、震える指先が手ごろな部分に触れ、掴み】
【胴を力づくで薙ぐことができなくはないのだろうが――阻まれなければ爪の先端までを引き抜くだろう】
【何かを憎むものしか持ちえぬ凄絶な光を双眸に湛え、絶えぬ意志は変わらず闇を志向する。】
【肉体があげる悲鳴は――喉の呻きに変わり、尾を引き抜ききれば、一瞬の高くか細い音へ。まるでただの女のような声に奥歯を噛みしめながら、殺戮者が、その機能を復帰する】

【ここ数年で獲得した魔の性質は危機に際して本能に訴えかけ、瘴気で止血を行うことを促した】
【応じながら巡らす思考は、ボタボタと零れる血の音が耳に届く頃には普段のそれだろう。引き抜けば細い指は力を失い、言葉は対照的に意味を明瞭に紡ぎだし、】

「さて……どうしてだったかな
 はぐらかす訳じゃなく、私にももう分からないんだ
 あの中で生まれたのか、攫われるか捨てられるかでもしたか。親のいない、作られただけの命なのか――

 後で機関で調べてみれば躰は人間だったけれど――――な」

【特に悲しみを滲ませるでもなく、淡々と事実を述べるだけの言葉。ごく当然のことを語るだけの声で】
【最低でも十数年は前に、生と死を繰り返す蹂躙の記憶は始まっていた。けれど確かな日付は、知る手段もなかったのだろう】
【強烈な経験が、それ以前を消し飛ばした可能性はあるだろうし】
【あの組織のパターンを思えば、破壊された人格を代行する疑似人格を始点とする可能性さえもあるが。せめて分かる限りの“真実”は答えるべきだっただろうと、言葉を続けて】

「……『シルヴァー・レイズ』――――それが、あの実験を主導したものたちの名だった
 7人の長老のうち4人は確実に殺したが、残りはあの施設にも、これまで潰してきた中にも確認できていない
 結局殺すから、どの道無意味な数ではあるか、な

 ……でも、私の“生まれ”はもう関係ない」

【知識と、痛苦。やがて他者の手で振るわれるための備えばかりをもたらしたモノへの憎しみは、向きあってみせた白い異形との闘争のなかでなお、一向に苛烈さを失うことはない】
【可能、不可能の域を越えて願う。纏いつく血泥さえ、引き千切られるのを待つばかりの鎖の様で】


155 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/04/08(日) 19:33:28 FM/OCohE0
>>前614-616

「あの悪夢のような筐の中で生まれた“私”に、名前と、こんな場所までつづく命をくれたのが……
 あの、唯一つ愛するだけでいられた一人の友だったんだ

 だから始まりはそこにある。……もう、私しか憶えてすらいない始まりでも
 あの屑肉どもが何のために作り上げた命だろうと、どんな、大切なものを壊してしまう願いでしかあれなかったとしても――――
 
 “私は、私の意志でそれを選び取った”。愛し、奪われ、喪い、殺した――――この悪と罪と命を生きた、唯一人のダリア・レオンフィールドとして‼
 その意志が、“在る”理由として他の誰かの意志よりも軽いと思うのか

 奪ってきたものの重みも、大切だったモノの意味も……世界如きに、私は断じて譲らない…………‼
 そう願い、そうあるために。私は私の都合で此処にいる――

 その敵である自覚を持て、インフィニティージーン――――まさか殺戮がこの場所で終わりだなんて、甘いユメに酔える訳じゃないだろう……ッ‼」

【知っている世界には呪いしかないから、そこに理由を求めはしなかった。なにより、そんなものに穢されていいひと時になどしなかった】
【悪意だけでなく始まりまでを知る相手だったから、自覚する悪魔としてだけでなく、こんな言葉を吐くほかなかった】
【逃げ場を奪い、逃げ場を失う。“奪った”者の理屈で言えば対等で――けれど、そう語る者こそが卑劣な優位を得ると知っていた。】

【本来立つ力すら残さぬはずの躰を他者を殺すための異能が支え、不退転の殺戮者が、真実を標に、彼我の闇の狭間に立つ】
【血の妖艶さを薄く纏い細められる瞳は、彼らに未だ嘗て向けたことのない悪意と、絶対的なまでの破壊への意志に満ちていた】
【あの痛苦を強いることの“悪”を知ればこそ。彼らが膝を折るのなら、その先を求めるのが己が役目だとでも言う様に――――血塗れの躰で、己の欲を突き進む力とし続けて】

【滅びゆく身体が刻む鉄錆の標が、何処へ終わりを連れるのか語る言葉はなく。言葉を交わし説得を試みるなら、これが最後の機会となるのかもしれない】
【一つ確かなのは、その望みが彼らを巻き込んで嵐とならんとしていることだった。砕こうとするものは、もはや命と心だけでは決してなく】


156 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/08(日) 20:30:03 gx3MsOBA0
>>151

あ、その言い方をするなら、私は七歳ね……
初めから十歳として作られて、それから年月が経って十七歳って思ってたけれど
…………そう考えると、私ってまだ子供なのかしら

【ゾーイの計算の仕方を詩織はしていなかったようで、その場合は七歳だという】
【そうなるとどう考えても子供になってしまう。詩織はやっぱり不満げな顔をしていた】
【十七歳でも子供ならば七歳なら余計に、だ。子供扱いが嫌でも手を離さないのは、彼女が楽しそうだからだったが】

【同じような仕事をしていることには「そうなんだ」と相槌を打つ】
【自分がそうであるせいで、ゾーイが護衛をしていることには違和感を抱かない】

【自由は大切で、誰かのために生きるのは良いこと────】
【ゾーイの言葉はまっすぐで、その気持ちも純粋なもの。軽い感銘を受けてしまうほどに】
【「ふぅ」とため息を漏らす。愚痴っぽくなっていたことに自己嫌悪を覚えた。兄のうじうじが移ったのかもしれない】

私も、貴女を見習った方がいいのかもしれないわね
けどやっぱり、人と違うのは大変だわ。それはきっと事実で……
うーん……今日はダメな日みたいね。前向きになれない日って、あるような気がする

【「分かるかしら」とゾーイに目配せ】
【そんな話をしている間にあるアパートメントが見えてくる。「あれよ」と言って詩織が指差す】
【どうやら家には到着したらしい】


157 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/08(日) 20:30:06 pRtSHauQ0
>>150
【彼女の言葉を聞き、肌に触れ──少しずつ、“彼”と彼女との関係性が理解できてきたような】
【そんな気がしてくる。何度か身体を重ねただけか、あるいはそれ未満の繋がり】
【恋人などという密な関係でないというのは、なんとなく分かってきた】
【ならば──後は相手の望むままに演じるだけ。“彼”という人間像を崩さないよう、模倣するだけ】


(とはいえ────抱く女くらいは選べよな、潔癖野郎め…………!!)

『…………っ、は、は。君の瞳に合わせたといえば、ぬか喜びくらいはしてくれるか?』
『なんて────冗談さ。仮に君が僕の妻であったとしても、そんなことはしない』
『潮は…………ほら、すべてを洗い流してくれるだろう。だから』

『それに────自分以外のモノに目を向けられるのは嫌いか?』
『君だって、僕以外の男に尻尾を振っているだろうに』


【香りを指摘されれば、流石に言葉に詰まる。なんとか適当に誤魔化してみるが】
【それが通用するかは、なんとも言えないところだった】

【加えて。“彼”と彼女の情事など、欠片たりとも興味がないのに】
【それを語らねばならぬ苦痛──苛立ちが募る。次に“彼”と会ったら取り敢えず殴るか】
【八つ当たりの矛先は既に存在しないと知らぬまま──ミラは擬態を続ける】


『特区から、か────は、そいつはいい。君のしたいようにすればいいじゃないか』
『檻に閉じ込めて鼠にするも、首輪をつけて飼い犬にするも』
『あるいは、戸を開けて猫のままにしておくのもいい』

『…………強いていうならば、買い与えるべきは首輪か』
『温めるにしたって、どうせロクでもない温め方をしてやったんだろう』
『それにしても、仕事熱心だかそうでないんだか──君、他に何をしていたっけ』


【見上げられれば、目を逸らす。“彼”の性格とコンプレックスを考えれば】
【きっと目を合わせるのは好まないだろう。問いかけに対しては】
【適当に正解ではなさそうな答えを返す。──流石にこの答えはなさすぎるな】
【口に出してからそう思うが、腕を絡めてきた彼女であれば細かいことはきっと気にしない】
【──そう、思い。ついでとばかりに、それとなく仕事の話を。自然と、心臓が煩くなる】


158 : 名無しさん :2018/04/08(日) 20:43:18 E9..h0/c0
>>129

――へびさまは、ね、羨ましくなっちゃうくらい……、わたしだけ、なの。
ウェインさんだって、きっと、分かるでしょ? 

【物凄く物凄く好かれていると言う宣言、あるいは不安がりの少女に不安を差し込む隙間さえないほどの気持ち、多分それがきっと"彼"のありようで】
【この少女を護るために存在するからこの少女のことだけ考える。効率的だけど社会に生きるには非効率、ならばやはりあれはヒトではなく、蛇の形をした神の残滓であり】
【ただまあ――二人きりになったりしたら彼にも茶とかはわりに淹れてくれたりするのだ。菓子があるから食えとか言って、たんまり出して来たり、するのだ】
【それは彼があの少女が連れてきた人物だからなのか。それともありようとは別に性格として変に優しいのか。どちらでもあって、多分、後者だと思う――そういう感じがある】
【かといっていつもひどく拙いというか、おぼつかないというか、クオリティは低いのだけど。そういう面では――ちょっと神様っぽくない、威厳がない、とも言えて】

【だけれど、その固定されたありようは、どこか羨ましくもある。きれいで――自分もああなれたらって、思ってしまいそうな、魅力がある】

【――ぽすん、と、音もなく頭に手を乗せられる。少し驚いたのか、ぴくりと肩が揺れたけれど……嫌だって振り払うことは、ないままで】
【そこから数秒ほどを、黙り込む。まだ――今の自分に、彼の言葉は、少し早いと思った。だけどいつか通らないといけない場所だとも、思う】
【ならばそのときに――思い出せるように覚えておこうと思う。かすかに頭を傾ける、ちらりと覗き見るのは片方だけの視線、相手へ向けて】

ウェインさん……お願いがあるの。少しだけ、眠らせて……、だけど――今日は、きちんと起こしてくれなくっちゃいやだよ。
クラァケさんみたいなのは駄目――、わたし、そしたらきっと、明後日くらいまで眠ってしまうから……。起きたら、きちんと、頑張るから……。
――お願い。今だけ。少しだけ。だぁれも来ないように、見張っていて――、

【彼が見るのは黒色と赤色どっちだろう、どちらでもいいけれど。とにかくすうと目を細めたなら、少しゆっくりとした速度の瞬きを続けてする】
【それから紡ぐお願い――"今日は"というのは彼に心当たりはないだろう。ほんの最近、起こしてくれるようにお願いしたら――丸一日眠ってしまったというだけの話】
【言葉はこの場に居ない誰かを責めるようでありながら――声音はひどく柔らかくて、気遣ってもらったことを知っているもの。だけど、だからこそ、彼には起こしてほしい】
【ここならば――少しだけ、安心して眠れそうに思えた。まして彼が見張っていてくれるのなら。だからお願いのふりをしたわがままをする】

【それでも――やはり無理やりではないのだ。難しいようなら、彼女も大人しく従う。何か他にすべきことがあれば、そのほうが優先されるべきだろう】


159 : 名無しさん :2018/04/08(日) 21:04:49 E9..h0/c0
>>130

【故郷の山――いちばん初めは櫻の国のことか。山の中で母が――撃ち殺されて。娘であるつがるもまた、こちらへ運ばれてきた】
【そしてつがる自身は奴隷として売られる――はずだった。けれどその前に逃げ出してきた。そして、それで、今こうしてここまで来ている】
【珍しい種族とか毛並みの色……とかいう言葉にはひどく複雑な顔をするのだが。そんなの娘であるつがるが言う必要はないって言うみたいに、眉間にしわを寄せ】
【かといって――これこそがつがるの中で物事を処理するための物の言い方かもしれないから、指摘もできない。むうと口角を下げて】

…………まず、ね。

【――全部聞けば、少女はまずぽつんと重たい声で紡ぐだろう、相手へじっと視線を向けて。相手の方へ向くように座り直して、それから】
【一瞬だけためらうような間をあけて――それからふうわり立ち上がる。わずかに椅子の軋む音をさせて、――相手が嫌がらなければ、ぎゅう、と、抱きしめようとする】
【柔らかい布地はそれだけで質のいいものだと知れるだろう。洗剤の甘い香りがする、その向こう側に、少女の体温と、それからこれは仕方がないこと、だけど】
【やせぎすの少女の骨ばったような感触。それでもなるだけ優しく、優しいように努めたもの。それで――それが叶ったなら、今度こそ、優しく、優しく、頭を撫でて】

つがるちゃんは偉かった。売られちゃう前にきちんと逃げられたの……偉かったよ。
いろんなこと、いったんそこらへんに置いちゃって――それでもいいくらいに、偉かった。よく頑張ったね、ここまで来てくれて――。

【あまりに優しい声を急に出すだろう、それこそもう眠たいとうとうと瞬く赤子や子猫にするように、甘くって、優しい、柔らかい声】
【とにかく偉かった――と思う。そこでつがるが逃げ出してこなかったなら、相手はもちろん母親を探すことはできず、そして、少女もまた、そのことを感知することがなかった】
【相手がここまで来て、話してくれたから――手伝うことだってできる。それを伝えるみたいに優しく。抱きしめること、嫌がられていたならば、その声音のみで褒めて】

――それで。お母さんのことだけど……、そういうのを取引していそうなやつらは……やっぱり、わたしは、知らないや。
だけど……ほかのひとにも、聞いてみる。つがるちゃんは……何か心当たりとか、ある? その……そいつらのグループ名みたいなのを、聞いた。とか――……。

【ぎしっ、と、椅子を軋ませて。元の場所へ座り直す、いつもの鈴の声に戻って。やはり自分の知る中には――覚えがない、と、申し訳なさそうに告げ】
【やはり誰かの力を頼ることになりそうだ、と。それから――つがるのほうで何か知っていることはないかと尋ねる。これも――悪いように、眉を少しだけ下げながら】


160 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/08(日) 23:06:18 NbFVqthg0
>>156
そうですね。そういう考え方も可能です。
7年も可動しておられるなら様々なご経験をされていることでしょう。
ですからそのように感情を表現することがお上手なのですね。

【といって、またにこりと。段々と差し込むタイミングがうまくなってきたが】
【抑揚をつけた話し方まではまだのようだ。先はだいぶ長そうだ】
【10歳の7年選手と、22歳の3年選手はどっちが大人なんだろうか?】
【でもゾーイは見た目も年相応か少し上に見えるくらいだ。】
【でも圧倒的に人馴れしているのは詩織だろう】

なぜですか?そんなにお上手に笑えるのに。悲しいことがあったのですか?
私が聞くのは差し障るかもしれません。私は、人も様々だと思います。
同じ人は一人とていません。ロボットとはそこが違います。ロボットも自己学習機能があれば、後天的に内面に差異が生じると思われます。

【私にはわかりません。としょんぼり。したように見える。本当に心配しているようだが】
【それを表情にするのはまだ難しい。】

【アパートについてもゾーイはなかなか手を離そうとしないだろう】
【こんな状況で離すのを嫌だと思った。幸福の奉仕者として】


161 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/08(日) 23:13:57 IBKicRNQ0
>>51
……イケメンとは縁遠い私には、むしろ似合いというべきかね
読書の最中だったのか。ますます申し訳ないことをしたな

【頭の上のキノコが揺れる様は、さながら触覚か。初対面なこともあって、何とも気まずい空気が流れる】
【彼がこちらに向き直り、挨拶を始めるまでカニバディールはその場に棒立ちになっていた】

……どうも、お邪魔します……

【しっかりとカメラモードの端末を見れば、闇沌に近い悪乗りタイプの悪魔だと察せられる】
【結果的にその撮影会は、このような何とも間の抜けたやり取りに取って代わられた】


外の家での呼び声は貴方か……疑ってかかって正解だったな
しかし流石悪魔の方々は、イタズラにも気合が入っている。マサジさんに教わったトラップもたいがいだったが、扉の向こうが別世界とは

【独り言に反応しつつ、部屋を見回す。生活感溢れる部屋は、とても悪魔の住処とは思えない】
【それとも、サタリュウトが特別というべきなのか。混沌は見方を変えれば自由なのだ】

……ああ、初めましてだ。無理に敬語を使われずとも構わない
以後、お見知りおきをジュゼッペさん。上の神殿では、言葉を交わす機会はなかったが、蔓を操っていたのを見たよ
このキノコのトラップは、それを使った貴方のオリジナルといったところか

薄毛については……まあ、何とかなるだろう

(ジュゼッペ……闇沌さんから聞いた一人か。となれば、やはり上で見た悪魔だな)
(ザクトルさんからも確か……やはり、闇沌さんよりの人物らしい)

【カニバディールもまた、薄毛以外に対する害は敢えて無視し、彼と言葉を交わす】
【同時に、記憶に蘇るその名と姿。この世界では一般的なのだろう、イタズラ好きの悪魔らしい】

【イタズラのレベルは悪魔基準のようだが。キノコを頭上で揺らしながら、カニバディールは気まずい空気を払うべく会話を繋ぐ】

来客の予定があるなら、訪ねたのはまずかっただろうか
もう一度トラップを仕掛け直す時間があるなら、良ければお詫びに手伝わせていただきたい


162 : 名無しさん :2018/04/08(日) 23:33:56 1fPG.Lzk0
>>158

ああ。よく、分かると思う。

【人は、迷うからこそ、人】
【ならばこそ、もはや迷わぬこの青年は―――】

【そうして、鈴音の片目。金色をしたその瞳から、視線をちらりと受ける】
【それは彼女の願い。ここしばらく、休めていないはずで】

――ああ。休息することも一つの仕事だ。
いい頃合いで起こすから、今だけは安心して休んで構わないよ。

【……クラァケ?と首を傾げるが、懐から端末を取り出し、時間を確認する】
【―――8時間半だな、と心の中で当たりをつけて】

ゆっくりお休み、鈴音。よく寝たらご飯を食べて、また日々へと戻ることになる―――

【それは、暖かな午睡。少しばかり長めに休ませるだろう】
【古びた街の、古びたソファの上。二人並んで、時を過ごすことになる】


163 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/08(日) 23:37:45 gx3MsOBA0
>>160

【褒められて、またむず痒い感じがした。たくさん褒めてくれるのは嬉しいけど】
【それでも素直に認めにくいところもあって。かといって”そうじゃない”とも言いづらくて】

【その7年の経験の中に、ゾーイのようなタイプの相手の仕方は入ってなかった】
【結局、「そうかなぁ」なんて曖昧な返事をすることしかできなかった】

悲しいこと……そうね、悲しいことなのかもしれないわ
だって、私は”人間たち”の中にいるけれど、人間じゃないもの
やっぱりそれは、ちょっと嫌よ。大人の身体だって本当は欲しいもの

……そういう、ないものねだりっていうのが、抜けないの
貴女みたいに思っている人もいるのに……贅沢なのは、良くない気がする

【人と違うこと。もっと言うならば人工物であること。それそのものが詩織にとって悩みの種だった】
【身体が十歳のまま変化しない。精神が十七歳だと認識していても、外界はそれに従ってはくれない】

【それが彼女には嫌だった。けどそれも、ゾーイのように前向きに捉えればいいのかもしれないけど】
【そういうことも出来そうになかった。それが余計に”ダメなこと”のような気がしていた】

【手を離そうとしないゾーイに、詩織は何も言わなかった。まだ少し、話していたかった】


164 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/08(日) 23:38:30 tGsrm0/s0
>>159


【ぽつぽつと語り終え、彼女はちらと相手を見る】

【開かれた口、重い声。じっと注がれた視線。どうしたのだろう?とつがるは一瞬身構え】

【次に相手がとった行動は、自分に対する抱擁。ふんわりと柔らかくて、甘い匂いがして】

【抱きしめれば此方はきっと少しだけ猫みたいなにおいがするのだろう。それはまあ仕方のない事なのだが】

【そして、あまり着込んでもいないからだろうか?布越しに年相応の少女らしい柔らかさも──まあないところはないのでそこだけ大分柔らかさが足りないのだが伝わってくるだろう】

【彼女は抱きしめられた事に少し驚いたのか、ふぇ?だの、うぅ?だの変な声をあげるのだが】

【その頭が撫でられ、優しい声で、偉かったね、頑張ったね、と言われれば、箍が外れたのかぼろぼろと涙をこぼす】

ぁ──

駄目、だ……何で……っ
私……もう泣かない……って…………っ
おかーさん、の……ことじゃ……な……かない、て……きめ……っ
【慌てて目を擦り泣き止もうとするつがる】

【しかし、涙は止まらない】

【止めどなく、止めどなく、溢れてきてしまって】

【ずっと、駄目、止まって、と小さな声で言い続けている】

【それは離されてもなかなか止まらず】

……ひぐっ……こころ、あたり……?
おぼえて、ない……わたし、あのとき……ずっと……ないてて……っ
【子供みたいにぼろぼろ泣いて、目をぐしぐしと擦りながら答える】

【曰く、覚えてはいない、と。恐らく急に起きた事がショックでそれどころではなかったのか、或いはショックでその辺りの事を忘れているのか──】


165 : 名無しさん :2018/04/09(月) 00:05:13 E9..h0/c0
>>162

【――ふわ、と、ひどく和らいだ吐息が聞こえる。安堵したのだろう、こんな時に眠ってしまうこと、まして、見張っていてだなんて、お願いしたこと】
【受け入れてもらえて――安堵したみたいに、目を閉じる。片方だけの視線も途絶えて、一瞬の間。それからするりと姿勢をほどく、すとん、と床に足をおろし】

――――――おやすみなさい。

【そのまま――彼側でないほうへ身体を倒す。ひじ掛けでも枕にして眠るだろう、よっぽど休息に餓えているのか、その意識はすぐにでも深く眠りに落ち】
【そしてまた同時にぱちり、ぱちり――と、かすかな音がする。まるでぱちぱちはじける飴をひとかけらずつ食べているひとをすぐ近くで眺めているときのように】
【音の発生源はたった今眠りに落ちた少女だ。見やれば――その真っ白な肌を滑って遊ぶかのように、きらきらとした魔力の粒子が跳ねていて。鮮やかな紫色は見覚えもあるだろう】
【あの魔術師の色だ。魔術だが悪いものではない、こうして睡眠を削ってしまっている少女の眠りを少しでも安定させ深くするための魔術だ、安眠のためのもの】

【深く安定した吐息と、ぱちぱちとした音。それ以外の音はなかった――だけれどきっとそれで充分でもあった。月白色と紫色の蛇。そしてこの瞬間には】
【勝利王というのはよく知らなかったけど――その騎士にも護られて。ならば眠りはよほどのことがない限りは妨げられないのだろう――あるいは】
【藪を突いたり。口笛を吹いたり。蛇を出すための方法はいくつかあったりもしたけど――、勝手に出てきたりするほどは、暇ではないみたいなのだった】


166 : 名無しさん :2018/04/09(月) 00:39:11 E9..h0/c0
>>164

……自分が生きるのが、ね、一番だよ。それでも……、そんなの、難しいの。
だから――その中できちんと逃げられたつがるちゃんはね、とっても、とーっても、偉いの。
それだけじゃなくって、そんな中でここまで来てくれて。わたしたちを頼ってくれようとして。――そんなの、ね。

うんと偉くって、うんとすごくって……、もうね――すごいんだよっ、本当に!

――だからね、わたしたちが、見つけるよ。絶対。そんなに頑張った子に、わたしたちが「駄目でした……」なんて言えないの。

【そんな選択はいつだって急に出て来る、自分も危うい中で大事なひともまた危ういことはままある。そんなときに、だけど、きちんと自分を選べた相手は、正しい】
【どれだけ他人が生きていても、自分が死んだら意味はない。それでもいいって本人が思うならば別だけど――それでも、それは自分の終わりになる、そこでおしまい】
【だからきちんと生きている。それはすごくって。こんなところまで来てくれて。それもすごい。お母さんを探したいからと頼んで。それだってすごすぎて】
【大人っぽい難しいことなんて言えないけど。とにかくすごいって連呼しちゃうのは語彙が足りてないのかもしれない、でもとにかく褒めてあげたかった、すごかったねって】
【偉かったね、頑張ったね、――もうずーっと抱きしめて撫でてあげたいくらい。だけど十六歳の子にそれは、やっぱり、子供扱いすぎる、だろう、多分――】

【(それこそ十六歳の時点で身体がぴったり停止している彼女は、すっごく、好きなのだけど。そういうの――)】

……そっか。うん、ごめんね。嫌なことね、聞いたよね――、……でも安心して。
UTね、どんなお仕事だってしちゃうんだよっ、だからね、任せて。つがるちゃんは何にも心配いらない。
探すのも、わたしたちに任せて。その依頼は白神鈴音(わたし)が引き受けました――、それで、つがるちゃんがすることって言ったら……。

…………つがるちゃん、お家は? 今はどこで眠っているの? ごはんは――ちゃんと食べられてる? お風呂は入れている?
お洋服やお靴のことで困っていない? そう、お金は? お仕事とか――、何かしているのかな。

【覚えていない――その言葉に少女はうんと眉を下げる、大丈夫だよって言うみたいに、視線を合わせて。それともってするみたいに、両手を小さく広げて】
【もう一回抱っこが良かったら、おいで――と誘うみたいに。依頼については受けたということで――ただあくまで給仕の少女の独断だから、あとで、怒られるかもしれないけど】
【それだってもし怒られたら言い返すくらいの気持ちだった、だからやけに堂々としゃべる、相手にも安心させるみたいに。――それで、ううんと小さく唸ったなら】

【――それから尋ねていくのは、これは依頼とは直接関係のないことだろうか。相手の生活、つまり今、どうやって暮らしていて、どうしているのか】
【やけに真に迫った様子であるのは――さっきの言葉に関係しているのだろうか。金や家や身寄りのない、食事に困窮するような子供たちへの、無料での炊き出し】
【そんなことをするひとだから――相手のことも、また、気になるみたいだった、きちんと――普通の生活をできているのか。それを確かめようと、問いかけて】


167 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/09(月) 01:37:21 tGsrm0/s0
>>166

……ん、凄くないよ……
私、逃げる途中で捕まって……それで、優しい人に助けて貰って……
その人に言われたの、UTを頼ってみたらどうだって……
だから、そうじゃなかったら……どうしてた事か……
【ようやく泣き止んだ彼女は鈴音の凄いという言葉にそう言って少し俯いて】

【何も此処まで一人で来られた訳じゃない。沢山の大人に助けて貰って此処まで来た。それでも偉いのか偉くないのかは分からないが】

【しかし彼女は知らない。その"助けてくれた優しい人"──ケイが鈴音らの敵である事を】

【──その名を口にしなかったのは幸いだろうか?】

住んでいる所……今はこの辺りの宿に泊まっているけど……今後どうするかはまだ決めてないかな
食事とかもちゃんと摂れてるよ、大丈夫
お金は……えーっと……ある人の手伝いをしていて、報酬が入る事になってる、かな
【そうして、今どうやって生活しているのかについて聞かれれば答えていって】

【金銭面の所で一瞬考え込んだが、何の事はない。彼女に仕事を手伝って欲しいと言った相手から自分の事は黙っていて欲しいと口止めされているからで、ちょっと言葉を選びながら答える】


168 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/09(月) 14:29:41 S/DUh6T.0
>>157

【ミラの推察は正しい、彼と彼女の関係は男女の関わり等では無く】
【それよりかは寧ろもっと、ビジネスライクな関係であるのだが】
【──彼女は其れを知ってか知らずか、想起させる言葉を手繰る】


えぇ、嫌いよ──私のいる前で、私以外を見られると嫉妬してしまうの
でも、仕方ないとも思ってしまうの、だーって、貴方の眼は色々なものが見えてしまうもの
私の抱く弐心もきっと、お見通しなんでしょう?

……ふふ、潮の香りがする貴方、何だか今日は別人みたい
嫌いじゃないわ、嫌いじゃないの、寧ろいつもより刺激的ね
ねぇ、呼んでくださらない?いつもの様に、ハニーって


【無垢な白百合を気取る、アルビノの椿が如く、その花片を淫らに濡らして】
【夜露の様な言葉を垂らして、誑かす。歌心に満ちた一葉】
【知りたくなかったかもしれない彼の一面が、見えてくる】

【貴方の返事には満足出来なかった様子で、ぷくりと頬を膨らませ】


はーずーれっ、もう首輪だなんて、私は飼い殺しにする気なんて無いの
まぁいいの、あっ、こっちよ、こっちに曲がるの


【強引に角を曲がり路地の裏手へ、一気に街の雰囲気が悪くなるだろう】
【彼女はと言えば、それを意に介さず奥へ奥へと進んでいく】


そうね、今は悪いことをしちゃったワンちゃんを探してるの
みんな探してるけど、私は特に、だーって同じ組織の数字持ちですもの
身内の粗相は身内が始末するの、それは至って当然の道理でしょう?

───ああ着いたの、ここよ


【彼女が案内するのは露天商であった、ちょこんと道の端に座ったローブ姿の人影】
【顔を隠す程に深くローブを被っているため、顔も体格も分からない】
【その前にはシートがひいてあり、雑多な装飾品が置かれている】

【どれも安っぽい品で、特に異常性は感じられないが】


169 : 邪禍 ◆Heckemet8M :2018/04/09(月) 18:27:31 u1dxVMlM0
>>161

【初対面こそ気まずい空気だったが、この悪魔、なかなか人懐っこいというか、物怖じしないタイプというか】

「いやー、似合ってるは似合ってるで何か腹立つ」
「――ああ、でもこれはこれでムービー撮っとけば良かった……チクショー」

【その悔しそうな顔は、明らかに後に悪用したかっただろうそれ】
【カシャ。……今、1枚写真を撮ったような音がした。持っている携帯端末のカメラはカニバディールの方を向いていて】
【――結局撮ったらしい。消してくれと頼めば、おそらく消してくれるだろう……多分、……いやわからない】

「そーそー、アレの設置の首謀者は俺! あ、マサジと会ったんだ。」
「あのトラップ、マサジは何回か引っかかったんだよなー」
「まあ、2回目以降はどこに飛ばされるかの興味本位もあったみたいだけど」

「おー、俺の活躍見てくれてたのか!」
「――訓練あんまり好きじゃあねーけどよ、いざ参加すると何だかはりきっちゃうのよねー」
「不真面目にしてるとチェーザレに怒られるってのもあるけど」

【おそらく訓練に集中していたのだろう。直接は言っていないが、カニバディールの姿を見たという話はなく】


「そう、俺のこの能力とキノコの合わせ技!」

【しゅるり、と、携帯端末を持っていない方の腕から伸びる蔓】
【結構自由かつ器用に操れるらしく、先程しおりを挟んだ漫画の前の巻を持ち、ページをめくる】
【……見せびらかしたかっただけらしく、ある程度その行為を行えば漫画を置いて、蔓も消滅させる】

「いやー、結構こういうアクシデントには慣れてるのよ」
「特定の奴だけ狙うのは難しいもんねー」

「……!」

【――それは、間違いなく悪いことを思いついた顔。】

「チェーザレちゃん来るまでまだ時間あるし、せっかくだから手伝ってもらいましょオ〜ん!」
「といっても、キノコは在庫切れだから……んー、何が良いかな〜……掃除が楽な奴は……」

【それなりの大きさの木箱を奥の方から引っ張り出してくれば、その蓋を開けて――】
【これも別の場所に繋がっているらしい、本来ならば木箱には入り切らないだろう量のモノが入っている】

【雑多に転がっているモノもあれば、"落とし穴セット"、"腐った泥水の罠用"、"イガグリ降らしの罠用"なんてラベルが付いているものもあって】
【……他の罠の首謀者も彼なのかもしれないし、保管係なだけかもしれないし】
【ともかく、イタズラや嫌がらせに向いていそうなモノが多く詰まっている】


170 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/09(月) 19:03:29 JJc5Wh3.0
>>168
【別人みたい。そう言われ、また心臓が跳ねる。大丈夫だ、きっと。まだ大丈夫】
【自分に言い聞かせる。落ち着け。今の自分は“御船千里”であって、ミラ・クラァケではない】


『そこまで見えているかは教えてやらないさ。僕にだって隠し事くらいは持ちたいからね』
『それに──君にとっては、秘密がある方が魅力的に映るだろう?』


(目の前に鏡がありゃ、叩き割っているところだクソクソクソクソ!!)
(なんだってこんな雑な恋愛映画みたいなこと言わなきゃいけねぇんだ!)
(それもこれも全部あいつのクソな性格のせいだ覚えてろあの野郎──!)


【路地を曲がる。暗く陰鬱な空気が肺に流れこんでくる】
【ゴミの臭い混じりの気配の方が、今よりかは幾分か落ち着く。そう思いながら──】
【──どうやらまだ舞台の幕を下すことは許されないらしい。心の中で舌打ちをして、“彼”を演じ続ける】


『っと────外れていたかい?は、それならお仕置きを受けなくてはいけないね』
『例えば……ハニーだなんてありふれた名称ではなく』
『今だけは、君が呼ばれたいように呼んであげよう。僕への仕置には十分すぎるだろう?』


(“数字持ち”──単純に考えりゃ、こいつは機関員でもある、ってことか)
(黒幕側の六罪王についてもなんか聞き出せりゃいいんだが…………うまく出来るかどうか)
(今はとりあえず、会話を成り立たせるようにしねぇと。名前──せめて名前!!)


『それとも──悪い狗を探している君への労りを込めて呼んだ方が、君は喜ぶかな』
『身内を疑うというのは随分と面倒だろう。僕のような目があるのであればともかく』
『さ。どんな発音で、どんな声色で…………どんな感情を込めて呼ぼう────』

『────と、ここか。それにしたって、何を買うつもりだい?』
『君の欲しがる素敵な玩具があるようには思えないが…………』


【名前をどうにかして聞き出そう──そう画策するも、ちょうどそのタイミングで露天商についてしまう】
【ち、と再度人知れず舌打ち。タイミングの悪さと、店の商品の両方に対してだ】
【これが本物の御船であれば、商品の情報を視覚のみで引き出すことでも出来たのだろうが】
【そんな芸当は、ミラには不可能。買い物になんて付き合うんじゃなかったとすら思うのだ】


171 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/09(月) 19:19:04 XlhSCBy.0
>>170

【どうやら、店主は既に彼女の事を知っていたのだろう、懐から小さな箱を取り出す】
【彼女はそれを受け取ると、見て、と箱を開くだろう】
【イヤリングがあった。簡素なデザインながら、丁寧に作られた一品だ】

【──仄かに魔力が込められている事に気づくだろうか】


そうね、貴方は隠し事ばかり、まぁ、私も貴方もビジネスパートナーでしかないから
ええ、私は秘密を着飾る方が大好きよ、そうして積み重ねた言葉の裏に何があるか辿るの
でしたら呼んでくださらない? 愛しのハニーを呼ぶようにカチューシャって

……ううん、違うわ、違ったの、慕うように労うように呼んでくださらない?
だーって、貴方にとって私は、愛しの相手でも何でもないもの
こんばんは、初めまして、どちら様だったかしら


【微笑みをかける、仮面を被った微かな笑み】


大丈夫なの、貴方の変装はとても完璧よ、私は何の違和感も持たなかったの
でもね、あまりにも知らなさすぎたわ、彼が私に会ったなら、まず最初にこういうの
『例の品物』できたか────って

驚きよね、驚きよ、彼が私を頼るなんて、貴方もそう思うんじゃない
だからこそ分かっちゃった、この人が、彼の想い人なんだって
ふふ、そこまで知ってるの、だーって相談受けたんだもの

プレゼントしたい相手がいるって、しかも女の人よ、信じられなかったの
付いてきてくれてありがとう、彼に代わって私が送るわ
……頼まれちゃったから、本当は昨日会うつもりだったけど


【種を明かす奇術師に似て、少し申し訳ない表情を作って】
【差し出すイヤリング、成程彼にしては中々気取った品ではあるが】
【──彼女がプレゼントするのは、中々奇妙に感じるかもしれない】


172 : 名も無き月罪王に捧ぐ1/2 ◆3inMmyYQUs :2018/04/09(月) 19:38:42 adOSLVgQ0
【かつての罪王に夢が降る】


【無題】

【イ調】
【フリギア旋法】

【f/4声フーガ形式】
【調律:A=4i!8l3.5Hz/ミーントーン】

【奏者無きパイプオルガンの音響】
【名も亡き罪王に捧ぐ幻想曲】


【彼の見つめる愛しきそれは、今宵、満月】
【闇夜に浮かぶ円の輪郭は輝いているようで泣いている】
【故にその縁からは血涙が滲み、滂沱と溢れ、地に滴る】

【誰とも知れぬ貴公子が天へ手を伸ばす】


【 “私はずっとあなたを、あなただけを見てきました” 】
【 “その涙を私に拭わせてください、その哀しみを共にさせてください” 】


【月は無音】
【下賤なる人の声など雑音にすら満たぬという風に】

【縋るように伸ばされた腕の先、】
【その繊細な掌が月の御影と重ねられた時、血肉の潰えるごとき音がする】

【月の表皮が爛れてめくれ、中の肉筋が剥き出される】
【絶叫が迸る。虚空の全てを劈くような金切り声】
【月が嘶いていた】


【 “お赦しください、お赦しください” 】
【 “私はただあなたの痛みを震えを引き受けたいその一心です” 】


【月を抱かんとしたその手が、月影に重なった途端、】
【腐った果実を踏み潰すような音がして、その輪郭が崩れる】

【その身を遙か天空に据えていた何かの軸が朽ち果て、】
【月だった何かはその臓腑を吐瀉物のごとく地へ墜としながら】
【人とも獣とも、若きとも老いたるともつかぬ断末魔で空を震わす】


【虚無が、時間と夜空を支配した】


173 : 名も無き月罪王に捧ぐ2/2 ◆3inMmyYQUs :2018/04/09(月) 19:39:07 adOSLVgQ0

【「描け」】

【抗い難き何かが命じる】
【何者かは地に満ちる血肉を掬い上げて、それを以て絵具として】
【失われた愛し子をあの天蓋へ再び現出させんと手を指を振るう】

【形容しがたき異物が天に描出されたとき、再び音無き声がする】

【「消せ」】

【描きたかったものではない何かをその血濡れの手で拭い去り】

【「描け」】

【今一度同じ絵具で同じものを描かんと足掻く】
【再び組成されるそれは最早何を冒涜しているのかすら定かならぬ具象】

【「消せ」】
【と言われるまでもなく認知しがたき目の前の異形を全て拭い去る】

【描かねば、と命じる内なる衝動に従いて腕を繰るがそれはすぐに】
【消さねば、と目の前の醜い紛い物がどうしようもなく許しがたくなって自身で自身に叫ぶ】

【「描け」 「消せ」 「描け」 「消せ」 「描け」 「消せ」】

【かつて存したものへの狂える恋情と、天性の美術家故に宿命づけられた創造欲が】
【外界や生命的欲求の一切を忘却させてその意識と身体を衝動させる】

【しかして描き出されるのはやはり受け容れ難き醜悪の贋物】

【それが真に欲するものではないことは、本質を直観する慧眼が刹那で悟る】
【故にその存在は許し難い。故に抹消する】

【またぞろ空白が満ちれば、】
【再びの赤熱した慕情と欲求が、空洞を埋め合わせようと心身を駆り立てる】

【故に描く】
【しかしてそれは贋物】
【故に消す】
【しかして衝動させる】
【描く】
【しかして満たされず】
【消す】
【しかして空虚で】

【描けば悍ましく】
【消せば虚ろで】

【「描け」】
【「消せ」】
【「描け」】
【「消せ」】
【「描け」】
【「消せ」】

【その夢幻は背反する螺旋】
【毎夜毎晩、名も無き者の微睡みに舞い降りる】


174 : ◆3inMmyYQUs :2018/04/09(月) 19:39:57 adOSLVgQ0
>>113

【『-32日とn/4日目』】


────おはようございます。
よく眠れました?


【その日、彼の目覚めと同時に声が掛けられるだろう】
【いつものナースだ。明るい声で、柔和な表情で、そこに立っている】

【独房は今までと変わりなく純白で何も無く駄々広い部屋である】
【いつも通りの極めて精密に幾何学的な歪みを有した整然たる空間であり】
【視界から外す度にその立方体のあらゆる角度はズレを生じて至って正常であった】

【彼は夢を見たかもしれないし見なかったかもしれない】
【覚えているかもしれないし、覚えていないかもしれない】

【いずれにせよ何にせよ、ただ唯一違和感を覚えることがあるとすれば】
【それは彼自身の心中に据えられた何か正体不明の空虚感であるかもしれない】

────どうかしました?
どこか、体調悪いです? 何か飲みます? 食べます?

【その正体が何であるのかは、彼自身が知るところだろう】
【何かの既視感なのかもしれないし、何かの言葉をど忘れしたのかもしれないし】

【もしくは自身の最も大事な何かに靄がかかった感覚かもしれないし、】
【にも関わらずそれに伴う妄執的な慕情だけが強く残っていることなのかもしれないし】

【それともただの気のせいかもしれない】
【夢見の後ならよくあることだから】

【何か不調を感じるならばナースに話してみてもいい】
【彼女はそのために、彼を癒やすためにいるのだから】



/補足:
/月に関する記憶と、月という概念の理解、そういうものを取られちゃったかもしれないし、そうじゃないかもしれない。そんな感じです。
/仮に取られちゃったとしても永続的に消したままにしたい訳ではないので、なんかこう、色々お任せします(丸投げ)


175 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/09(月) 20:12:07 /05sbsbw0
>>171
【魔術の素養は皆無といってもいいミラではあったが──イヤリングに魔力がある、ということには気付けた】
【ここ最近から身につけ始めた指輪と、どこか似通った気配がしていたからだ】


『嗚呼、構わないとも。カ、チュ────』


【────凍りつく。唇は彼女の名を呼びかけたまま】
【息が止まる。サングラスのせいで表情は読み取りにくいだろうが】
【何を感じているのかは──明白だった。『何、を』】

【言葉を絞り出すまでにも、時間がかかる。なんのことだ、と誤魔化そうとも】
【次々に紡がれる言葉に、何も言い返せなくなる。救いがあるとするならば】
【相手はまだ、此方側に敵意を有していないという……それくらい、だろうか】

【──何もないはずのサングラスの奥に、金の目が現れる。髪が、端の方から赤く染まり始め】
【ざわりと伸びる。赤髪が伸びていくに従い、服の色もエリート然としたものから】
【どこぞのアウトレットだかで買った、高級とは呼べない、赤い色の型落ち品へと】
【女だった。金の目以外は何もかもが赤い、女】


…………は、降参だぜ。まさかそんな“ジョーカー”を持っていやがるなんて、な
カチューシャ、つったか?まったく、性格の悪ぃ女だな、あんた

んで、そのイヤリングだが……生憎と。渡す相手間違ってんじゃねぇの?
御船が惚れてる相手がいるっつうのは驚きだが……あいつとあたしは殺しあった仲だぜ?
そりゃ、最後に会った時はちょいと助けられはしたが────

────それに。なんだってあんたが…………それを、あたしに渡す?
あの潔癖野郎が腹痛起こして入院したってぇんなら納得だけど、よぉ

…………後はほら、急に実家に戻った、とか
他にも…………なんか、理由、あんだろ。妹の結婚式、とか…………なぁ?


【差し出されたイヤリングは、まだ受け取ろうとしなかった。その理由が、まだ分からなかったから】
【殺しあって、打算的な協力関係を築いて──仲間に誘った。それだけの仲だと思っていた】
【故に。特注品とも見える其れを自分に向けられることに、納得はいっていなかったが】

【──彼が彼女にその品物を託した理由を考えだすと、次第に言葉が震えてくる】
【違う。そんな。まさか。そんなことは。いくらなんでも──“早すぎる”】
【だから、適当な言い訳を出てくる分だけありったけ口に出す】
【太陽でも見ちまったんだろう。幽霊と目があった?特注のメガネでも作りに夜の国にでも】

【──まるで、本当の理由を知りたくないかのようだった。だが、恐らくミラの中では答えが出ている】
【手袋のなくなった左手に、赤い指輪が光る。無意識なのだろう】
【その赤に縋るように、彼女の指はしきりに其れを撫でていた】


176 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/09(月) 20:39:50 XlhSCBy.0
>>175

【月は優美にその色を透かせる、煌々と煌めき彼女に降り注ぐ】
【無表情の仮面、綻ぶ僅かな隙すら見せず真っ直ぐに貴女を見つめる】
【────"ねぇ"と、優しく貴女の手にイヤリングの入った箱を握らせようとしつつ、両手を重ねる】


分からないわ、急に連絡が取れなくなっただけなの
ただ、几帳面な彼がこんな事って全然無かったから、少し心配なの
私も彼も、いいえ、貴女も知っているでしょう、此処がどういう世界なのか

私は知らないの、少し聞いただけだから、彼にとって貴女がどんな人なのかなんて
でもね、このイヤリングを送るって事は、大切な人だってことだから
"Dr.Feelgood"──彼の能力の一部を、装飾品にしてもらったの


【静かに紡ぐ言葉は子守唄のよう、優しい旋律がどこか残酷に】
【イヤリングに触れ、魔力を送ったなら、彼の能力である透視が使える、と】
【そこまで強力ではない、壁を一枚すり抜けて奥が見えるぐらいだが】


……ねぇ、貴方どんな魔法を使ったのかしら
私の知ってる彼は、傲慢で潔癖で、とっても孤独な人だったの
だからね、不思議よ────彼が貴方について話す時、とても生き生きとしていたから

ふふ、少し嫉妬しちゃうの、叶わぬ恋をここまで果てさせるなんて、映画みたい
『人でなしの恋』だなんて、自分で嘯いてたかしら
良かったら受け取って頂戴、彼はきっと、長い旅に出ただけなの

────長い長い旅路、男は孤独な旅を、何故出来るのか
それはね、それは、帰る場所があるから、やがて戻る場所があるから

それが貴方でなくても、そう思うのは自由じゃないのかしら


【言葉が途切れた、静かにあなたの返事を待つ】


177 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/09(月) 21:16:05 kMtBfc2g0
>>163
【ゾーイは相手の目をじっとみながら、真剣にその話を聞いている。見つめすぎて逆にプレッシャーかもしれないが】
【きっとその眼差しと同じように真っ直ぐに考えて、彼女も言葉にする】

人間でないことはしかたがないです。私も、お腹いっぱいに食べてみたいです。

【なんて。ちょっと外れているのはもはやいつものことだろう。でも真剣だ】

外見は大きなファクタでありますが、大事なのは中身だと、心だと博士はおっしゃいました。人間をどう定義するかによって機械か有機生命体かは重要なファクタではありません。

――――人間性/humanityとは一体何でしょう。

何が人を人たらしめているのでしょう。詩織さんのようなヒューマノイドはもはや人間となんら変わりはありません。私はまだまだですが。
我々は作られた機械であるわけですが、人間も生物的には単細胞生物の集合体です。
我々は作られた機能や人格があるわけですが、人間も教育を受けて後天的にヒューマニティを獲得するわけです。

ヒューマニティは定義が存在していません。心も空想上の存在と言っていいでしょう。脳の電気信号的な事象は解明されています。
ですが、何故か存在していると思うわけです。
心が、ヒューマニティが存在している生物を私は人間と定義したいと思います。

それに、人間でないからこそ私達は意味があると思いませんか?
私は私にしかできないことがあると思います。ヒューマノイドですから。

欲望は原動力です。たくさんねだればいいのです。私はそのためにいます。
誰かのために生きるのは自分自身のためだと私は感じます。

【なんて急に話しだした。彼女も、彼女なりに思っていること、悩んでいるのだろう】
【急にハッとしたように、多分した…はずで】

すみません。詩織さんの疑問と外れていたかもしれません。まだコミュニケーションは難しいですね。
私は詩織さんのような悩みを持ったことがないので、お答えは難しいです。すみません。

【詩織が悩んでいることはわかったけどうまく答えを出せなくて彼女は申し訳なさそうにしていた】

データの移行や、内部コンピュータを別の体に移すことは不可能なのですか?
私はパーツの交換ができるタイプなのである程度、要素を変更できるタイプですので


178 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/09(月) 21:31:20 WMHqDivw0
【街中――チェーン店のコーヒーショップ】
【いつだったかに、赤い靴の少女と大剣を持った男が出会った店だった】
【そうとは知らずに、この少女――白髪の少女は、この場を待ち合わせ場所に指定した】
【特になんの組織にも所属していない、自分でも気兼ねなく訪れることのできる場所】
【……それだけのことだった。さしたる意味も、なんにもない】

……さ、30分も早くついてしまった……うう、
これ以上粘るのに飲み物一杯だけだと申し訳ない気分に、ううん……

【二人掛けの椅子に座って、ひとつだけのカップを持って落ち着かない様子の少女】
【長い長い前髪は、顔の左側で分けるのが癖になっているようで】
【それでも、それを右の耳にかけておくのは慣れていないらしい】
【何度も何度もこぼれ落ちるのを、鬱陶しげに手で払って。そのたび安物のバレッタで留め直す】

【――そんな調子で髪をいじりながら、時折、テーブルに置いたスマホを見ていた】
【何の変哲もないメール画面。送信先は――未だ登録していないアドレス】
【人づてに知った自警団の男、「ディミーア・エルドワル」への文面】
【内容は、「依頼したいことがあります」――それくらいの、簡潔な文章だった】

//御予約で〜す


179 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/09(月) 21:33:20 gx3MsOBA0
>>177

【人間であることとは何か。何が人間を人間たらしめているのか】
【それを明らかにすれば、詩織を人間だと定義し直すことができるのだと】
【きっと、そういう話なのだろう。少し難しい話で、詩織は集中して聞く必要があった】

【あるいは。人間でないことに重要な意味があるのだと】
【人と違うことが嫌だと詩織は言った。そのこと自体に意味があるのだとゾーイは答えた】
【そうなのかもしれない。けれど────】

…………難しい、わね
けど、いいの。貴女が頑張って答えてくれたっていうのは分かるし、嬉しいから

【申し訳なさそうにするゾーイに、それでも詩織は微かな笑みを浮かべてみせた】
【その答えは、心を晴らすほどではなかったかもしれない。しかし真摯な気持ちは十分に分かっていた】

別の身体に移すっていうのは難しいみたい。私の身体、特別製らしくって
けど、その研究を兄がしているわ。私を別の身体にしてやるって言ってて……
全然、やれそうにはないんだけどね

【現実的な問題として、ゾーイの言う解決策はすでに取ってはいるらしい】
【ただそれは容易ではないらしく、今のところ目処は立っていないようだ】

【話の最中、アパートの方から人がやってきた】
【それは若い男だった。詩織を見るなり、こちらへと向かってきていた】


180 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/09(月) 21:50:26 gx3MsOBA0
>>178

【初めに”あの二人”が新しい協力者を見つけたと聞いたときは、説教の必要性を考慮したものだった】
【何といっても盗賊団。しょぼい懸賞金とはいえそれでも盗賊団だ。自警団員としては行動が気になる】
【とはいえ、その考えはすぐに取りやめた。どうにも憎めない二人であることも事実だった】

【そんな二人が紹介してきた少女からの突然のメール。何事かと思いながらも】
【『分かった』というそっけない返事だけをして、彼は待ち合わせを承諾したのだった】
【その場所は以前、とある少女と出会った喫茶店。その因果には、まだ気がついてはいなかった】

【ディミーアが店に入ったのは約束時間ちょうどだった】
【店員にコーヒーを注文して受け取り、席へと向かう。外套に華美な大剣という格好は否が応でも目立つ】
【白髪の少女を見つけるとそこまで歩いていき】

お前が佳月、だったか?

【そう確認を取ってから、対面に座るのだった】


181 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/09(月) 22:14:54 WMHqDivw0
>>180

【「どうしよう、ケーキか何か頼んだ方がいいかな」――そう考えて、席を立とうとした瞬間だった】
【目に入る、大剣を携えた男。「万事屋さん」から聞いていた人物像とぴったり合う】
【彼がその人なのだ、と理解すると、立ち上がる動作はそのまま。ただしそこから一歩も動かずに】

はい、そうです――ディミーア・エルドワルさん?
私、白坂の佳月と申します……どうぞよろしくお願いします。

【立ったまま一礼、角度はきっちり45度。いち、に、さんのリズムで頭を上げて】
【流れ落ちる長い前髪を、またも鬱陶しげに耳にかけてから、席に座った】
【ささっとバレッタを留め直す。そうしてから、ほとんど空になっているカップを脇に寄せて】

いきなり呼びつけてしまい、申し訳ございません。
ディミーアさんは自警団の方と……ビリーさんにお聞きしましたので、
少し、お願いしたいことがございまして。……単刀直入に言いまして、人探しなんですけど、

【空いたスペースに、スマホを置いた。すいすいと何度か液晶を撫ぜて】
【表示させたのは、一枚の画像だった。若者がよく撮るタイプの自撮り写真】
【二人並んで、インカメラにピースサインを送る――ひとりは佳月】
【……何故か写真の上では、前髪で顔の右半分を隠していたけど。それはまあ、今はどうでもいい】

この、赤い髪の女の子。私の同居人なんですけど――
……もうずっと、帰ってこなくて。ちょっと事情があって、警察にも言えなくて、それで……

【「……なので、自警団である貴方にご協力いただけないかと、思いまして――」】
【そう続ける佳月の言葉が、はたして男の耳に正常に入っていったかどうかは、定かではない】
【なにしろ――画像に写る、佳月の隣にいる少女は――男も見たことのある少女、「夕月」だったから】


182 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/09(月) 22:24:39 gx3MsOBA0
>>181

【丁寧な動作に丁寧な挨拶。ここ最近、というか人生中でもあまりされたことのない応対に】
【ディミーアは少しばかり目を丸くしていた。何とも礼儀正しい若者だと感心さえする】
【ディミーア自身は礼儀とは縁遠い環境で過ごしてきたために、少し面映ゆい思いがあったが】

あー、いや、いい。そんなかしこまらなくていい
荒っぽい世界に生きていたせいで、そういうのはどうも慣れなくてな
もっと雑でいいぞ。偉い人相手ってわけでもないんだしな

【もっとくだけた態度でもいい、と伝えながら席に座り、コーヒーの入ったカップを置く】
【それからスマホの画面に視線を落として────目を見開いた】
【そこに写っていたのは、この場所で会った少女。”困ったことがあれば言え”だなんて格好をつけた相手だった】

…………続けてくれ
依頼は受ける。探してくれと言うのなら、どこからでも探してみせる

【顔を上げたディミーアは真剣な表情へと一変していた】
【事情があろうがなかろうが、それが難しかろうが、すでにどうでも良かった】
【この子は必ず、助けなくてはならない相手だった】


183 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/09(月) 22:25:55 IXcGxUoU0
>>176
【彼女の力を借りて尚──いや。借りたからこそ、か。その箱を素直に受け取ることは、出来なかった】
【手の上には確かにある。だが。ミラの指が小さな其れを包み込むことはなく】


────そう、か…………


【連絡が取れなくなった。能力の一部をカタチに──】
【それらを聞いて、ため息のように三文字だけが口から零れた】
【几帳面な人間が、急にいなくなる。それも、彼のような強力な異能を有した者が】
【心当たりは──有り余る程にあった。何なら、その切欠は自分なのだろう】
【また、ため息が出る。深く、重いため息だった。どうして、彼のような。あるいは、蛇の少女のような】
【まともに生きたいと思う者だけが、苦しむのだろう。本当に──最近は、こんなことばかりだ】


…………さぁな。ただ──ちょいと真正面からぶん殴って
また別の日に、あたしのことをちょっと喋っただけさ
なんでまともに生きたいなんて思っちまったのか──ンなこと、言ってやがったからよぉ
楽しく生きなきゃ、わがまま言わなきゃ損だろって……そう返しただけさ

それか──あたしもあいつと同じ、バケモンって言われるような存在だから、かね


【彼は最期に、何を思ったのだろうか。自分を怨みでもしただろうか──分からない】
【けれど……自分が言ったことの責任は、持つ必要があると思った】
【Dr.Feelgood──イヤリングに籠められた視界と彼の視界が同じかどうかは、分からないが】
【…………小箱を、然りと包み込む。華奢とは言い難い、少し荒れた指ではあったが】


──バカだな、あいつはよぉ。クソバカだぜ
叶わねぇ恋っつうのも見えて…………ここまでやるなんて、よぉ
は…………、…………まったく、よぉ…………


…………。…………ありがとよ、カチューシャ。偶然とはいえ──届けてくれてよぉ
死人には敵わねぇ、っつぅが──ありゃマジなんだな


【言葉が出てこない。感情は、潮流のように渦巻いているというのに】
【何を言えばいいのか。何から言えばいいのか──結局、分からないまま】
【──ぱちん。小箱を開き、その場でイヤリングをつける。似合っているかは、関係ない】
【慣れないものだから、多少手間取りはしたが……何度か手で弄って、落ちないようにバランスを取り】


…………孤独じゃ、ねぇよ。少なくとも──あいつの“目”は、“ここ”にある
あいつが見れなかった世界を──あたしが、かわりに見てやる
それがあいつの望んだ世界かどうかは、分からねぇけどな…………それが、精一杯の葬いだろ

は────これ、浮気には入らねぇよな?


【最後にひらりと、左手を振って薬指の赤を見せる】
【少し歪んだ、強がった笑み。彼女の目は、今にも雨が降り出しそうな黄昏だった】


184 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/09(月) 22:37:57 WMHqDivw0
>>182

【「畏まったつもりもないのですけど……」、ちょっと困ったようにそう言うのだから】
【たぶん癖なのだろう。それに、櫻の人間にありがちな堅苦しさが合わさっている】
【雑でもいい、と言われて、わかりましたなんて言っても、背筋は伸びたままだし敬語は崩さない】
【とりあえずはそんな調子だったけど――男の様子が変わったのを見ると、眉根を寄せて】

……、……夕月、っていう名前の人なんですけど、
ディミーアさん、もしかして、ご存知ですか?

実はすでに万事屋さん……ビリーさんとマリーさんにも協力を依頼しておりまして、
それで、街中を探してもらっているところなんですが……見つからなくって。
ただ、ひとつだけ……手がかりのようなものは見つけてもらいました。

【とん、と画面を叩く。暗転。真っ暗になった液晶に、灰青色のまなこを映す】

「兄」――――夕月さんの、兄を自称する男に出会ったそうです。ビリーさんたちが。
褐色肌の、銀髪の男……それくらいしか分からないんですけど、
その男は確かに、自分が夕月さんの兄であるって、名乗ったそうで。

……私はそんな人の存在、知らなかったです。夕月さんとは何年も一緒に居るのに、……

【「なんにも、知らなかったんです」。苦々しい顔でそう締めくくって】
【気になったのは、男が夕月の画像を見て、おかしな反応を示したことだった】
【「それであの……ディミーアさん、何か気にかかるようなこと、ありませんか」】
【もしかしたら、自分も知らない夕月の情報を、この男が持っているかもしれない。そう思って、訊いた】


185 : 名無しさん :2018/04/09(月) 22:46:22 k6vvL7Oo0
>>167

……でもね、そんな風にして。きちんとここまで来たんだよ、誰かに言われたのだとしても――……それって、とっても、偉いでしょう?
だからね、すごくないとか。そんな風に言って。自分のことだめにしなくって、いいんだよ。
そんなに大変な時に、誰かの言葉……素直に聞けたんだから、ね。とっても、とっても、偉いよ。

……――うん。だけど、ね、そんなの難しいってね、分かってるの。分かってるつもりなの。だって、わたしも……すぐ不安になって。怖がりで。
だけど。だから……あなたよりうんとたくさん、あなたのこと褒めるの。だからよかったら覚えていてね、いつか役に立ててなんて、言えないけど。

【――なんて。ばかみたいだった、だって、彼女自身、そんなことはできないんだから。だからこそ、だろうか。相手のことをうんとうんと褒めるのだと、宣言する】
【もうそれこそ猫にするみたいによっしゃよっしゃ撫でてしまいそうだった。少しだけ年下の相手をそれこそ妹とかみたいに、もう、もう、髪の毛もくちゃくちゃにして】
【彼女の中の褒めるイメージなんてそんなものだったから。ぎゅうっと抱きしめてもらって、頭を撫でてもらう。それが最上の、ご褒美だって】

…………そ、っか、あ。宿……、お金も――そう、そっか、
つがるちゃん、それって、ちゃんとしたお仕事……かな、だったらね、わたし、何も言わないの。
悪いことはしていない? 悪いことをしたらね、駄目だよ――、もっとずっと悪い大人がね、いつだって誰だって使い捨てにしてやろうって待ち構えてるの。

【――――どうやら相手はきちんと生活できているらしい。宿というのは少し不安だった、金が尽きたら使えなくなる。仕事……というのも、なんだか不明瞭で】
【きしっと軋ませて椅子の背中に体重を預ける、しゃんと背中を伸ばして、じっと相手を見つめて。尋ねるのは――とにかく合法的なものであるのか、どうか】
【"悪いこと"だなんて抽象的だけど。悪いことはしたらいけない。そんな仕事をするくらいなら、今すぐでも自分がなんとかして違った仕事を相手のために探してくる、ような】
【そういう真面目な声音。悪いことをするともっと悪い大人に食いつぶされる。それこそ――カノッサ等々、悪い大人なんて、この世界にはたくさん溢れかえっていた】


186 : 名無しさん :2018/04/09(月) 22:47:20 5w/a9BZQ0

【路地裏】
【息も絶え絶えな少女が一人、壁に背を預ける】

はぁ、はぁ……

【見た目は10代後半──身長は155センチ程度で】
【空色の瞳に、白みがかった金髪を真ん中で分けた短めのツインテール】
【黒い半袖のブラウスに白いショートパンツと活動的な服装だが──】

【彼女の左上腕にはザックリと大きな切り傷があり】
【そこから血がポタポタと滴り落ちていた】
【少女は右手で傷を押さえながら、小さく呟く──】

はぁ、はぁ、どうして、こうなっちゃったのかな……
悪い人を殺そうとしただけなのに……

【少女は意識が遠のくように目を閉じ、そのまま地面へ倒れ込む──】


187 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/09(月) 22:52:34 gx3MsOBA0
>>184

……ああ、知っているさ。といっても、この場所で一度会っただけだ

【男の表情には苦さがあった。一度しか会っていないが、その一度で気にするには十分過ぎた】
【純粋な正義感もあったが、何よりも夕月のことが心配だった。優しい少女がどうなってしまったのか】
【気がかり、というには重かった】

兄……兄、か
その兄とやらについては知らないが、少し気になることを言っていた

ブラスフェミア、という裏社会で少し名の知れている科学者がいる
そいつに身体を弄られたことがある、なんて話を以前に聞いた
もしかするとそいつが関係しているのかもしれないな

【以前、不躾にも聞き出してしまった情報をディミーアは佳月へと話す】

【続けてその女科学者の特徴。若い女であること。黒髪赤目、背が低く痩せぎす。不健康そうな出で立ち】
【いつも隣に若い男を連れていること。銀髪に黄色い眼、背の高い褐色の人物を】
【生物の肉体を弄るのが得意なこと。違法な肉体改造手術や、合成獣の作成を主に請け負っている】
【そうして得た報酬を、「生きた人間を買うこと」――それも「金髪碧眼の少年少女」に限定して、使用していること】

【これらを伝えた】
【話すディミーアでさえ、眉根を寄せていた。もしも本当にブラスフェミアが関係しているのであれば】
【決して、夕月の状況は良いものとは言えないだろう。そう考えると、胸中に義憤が沸き起こってきた】


188 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/09(月) 23:22:14 WMHqDivw0
>>187

「ブラスフェミア」、……、……身体を?

【やっぱり、そういうのも聞いたことがなかったらしい】
【あからさまに眉根を寄せて、唇を真一文字に引き結ぶ】
【そこに指をあてて、何事か考え込むような仕草――数秒後、もう一度口を開いて】

……やっぱり、なんだか、おかしいです。
夕月さん……自分で、自分は「記憶喪失」なんだって言ってました。
うんと昔の、子供のころの記憶がないんだって……
……なのに、そいつに「弄られた」っていう記憶はある?

【知っている情報をもうひとつ、付け加えた。「夕月」が記憶喪失であるということ】
【それでますます事態がよくわからないことになっていく気がして、頭痛すら感じ始めた】
【それでも。ただ一つだけ、確かにわかることがあるとするなら――――】

――――「ブラスフェミア」。
とりあえず、こいつが怪しいんだってことだけしか、わからないですね……
でも、有名人ってんなら話は早いです――怪しいところをちょいっと浚えば、
すぐに出てきそうな気も、しま、す……

【「……すみません、ちょっと頭痛が」。そう言いながら、右目の辺りを手で押さえて】
【テーブルに肘をつく。そうしながら、男の返答を待つ】


189 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/09(月) 23:29:53 gx3MsOBA0
>>188

……記憶喪失?

【そういった話は、確か聞いていなかったはずだ】
【それが事実なのだとしたら、その原因はもしかすると────】

身体を弄られた、というのが覚えている中で最も古い記憶なのか
あるいは…………いや、よそう

【あるいは、それが、一番初めの記憶で、それ以前のものは最初から存在しないのか】
【つまり、ブラスフェミアが彼女を作った、などという予想が立つ。あまりにも恐ろしく口には出せなかった】

【「大丈夫か」と頭痛を訴える佳月にディミーアは声をかける。頭痛の辛さは分かっていた】
【問題はブラスフェミアの知名度はそれなりであることだった。活動が追えるかどうか、微妙なところだ】

裏社会に生きるやつだからな、やってはみるが……
さて、どうやったものかな。情報屋を使ってもいいが……

【裏社会における伝手を使う。あるいは逆に表の、仲間や戦友たちに手伝ってもらう】
【もしくは内偵中のカノッサ機関の力を借りる。やりようはあったが、どの手段を取るかは難しかった】


190 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/09(月) 23:46:08 WMHqDivw0
>>189

【「あるいは」――その先に出てくる言葉を聞かずに済んでよかった、と感じる】
【何故かこの話をしていると、頭が痛くなってくるから――】
【……話が難解だから、とかそういう理由では、きっとなくて】
【「あの街」で「あれ」をされてから、ずっと、こんな調子だった。……かぶりを振る】

……情報、屋? それって、ビリーさんたちのことでは……ないですよね、
あの、ディミーアさんって……自警団の方とお聞きしてましたけど、その……

【……その先を訊くのもまた、恐ろしい気がして】
【尻すぼみになった言葉の尾が、すっと消える。「これもよしましょう」で流して】
【肘をついた方の手で、頬杖をついた。正しい姿勢を保つのも、しんどくなったらしい】

……「ブラスフェミア」って、研究者なんですよね。
そういうタイプの人間がよく出入りするようなところって……
何かしら、大きな研究施設、とか……でしょうか?
そういうものって、カノッサのもの以外に、あるんですかね……

【右の米神のあたり。しきりに擦りながら、心当たりを探しているようだ】


191 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/09(月) 23:48:20 BRNVt/Aw0
>>185


【誰かに言われたとしてもこうして此処に来られた事、それだけで偉いのだ、と】

【そう言われると彼女は両手で顔を覆い、何だかプルプルと震え始める。どうやらあまりにも偉い凄いと誉められまくったからかキャパオーバーしてしまったようで】

【もう指の隙間から見える顔は真っ赤になってしまい耳の中もほんのり桜色に染まっている】

……も、もう……やめてよ……そうやって誉められ過ぎるとこう……調子乗っちゃう類って昔からお母さんに言われてるんだってば……
【恥ずかしさからもう声がうわずっていて、多分これで撫で撫でなんてされた日には卒倒でもしてしまいそうな感じで】


【仕事がちゃんとしたものかと聞かれればつがるは指の間からちらっと顔を見せて】

大丈夫だよ……情報収集、の仕事だし、頼んだ人は……新聞記者って言ってたし
悪い事、ではないんじゃないかな
【また少し考えながら答えて、途中で、あれ?雑誌記者だったっけ?と依頼者が最初に名乗った肩書きを思い返しつつ、それでも悪い事ではないんだという事は伝えようとする】

【悪い大人──硝煙の臭いさえしてなければ、まあ硝煙の臭いがしていてもだが優しそうな大人であれば結構簡単に信じてしまいそうな子供だ。母を見つける手立てがある、などと偽物でも甘い餌を蒔けば悪い所だろうがついていってしまいそうな危うさが彼女に無いとは言い切れないのだが】


192 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/09(月) 23:54:25 gx3MsOBA0
>>190

【流された話題に、あえてディミーアは何も反応をしなかった】
【自分が本当はどういう人間で、何とどう関わっているかなど、今の彼女には知らせるべきではない】
【そうでなくとも、ただの少女に過ぎない彼女たちにそれを教えるのは、心が痛むことだ】

【研究者が出入りできるような施設。一つだけ思い当たる場所はあった】

……レヴォルツィオーンという企業には、怪しげな施設があったはずだ
あそこは秘密裏に生体兵器の開発を行っているらしい。ブラスフェミアの得意とする内容と一致している
知っている限りでは、そこが一番怪しい。探りをいれるなら、まずはあそこからだな

【戦友の一人である厳島とその部下である翔子が調査をした企業であれば、探ることもあるいは可能だろう】
【というよりは、他に目星のつく場所がないというのが正しかった。言わば足がかりだ】
【まずはそこから、というつもりだった】


193 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/10(火) 08:29:59 S/DUh6T.0
>>183

【──静かに彼女の吐露を聞いた、返す言葉を少し探した】
【私の知らない彼、それを思うと僅かに嫉みが出てくる】
【自分の思い出にある彼は、誰かに贈り物を送る様な優しい人間ではなかった】

【故に彼女の目の前に居る貴方が、どれだけ大きな影響を与えたか、信じられない程に】
【此処に居ない友人へ弔いの言葉を探した】


月並みな言葉だけど、連絡が取れなくなっただけなの、まだ死んだと決まったわけじゃないの
……なんて言葉、気休めにもならないかしら、我ながら陳腐ね
少し嫉妬しちゃうの、同じ女性として、ここまで思ってくれる殿方が複数いらっしゃる貴方に

でも、分かる気もするの、殿方が貴方に何を見たのかって
貴方は強いわ、とても、眩しい位に前を見ている
────彼は思わずその眩さに焦がれて、目を細めてしまったの

後は流れのまま、ね──だからこそ、貴方に託そう、と思ったのかしら


【そっと指先を伸ばした、ピアニストの如き指先がイヤリングの表面をなぞる】
【そこに顔を寄せて、潤んだ唇を沈め込むように接吻を重ねて】
【別れの味は冷たい金属の味がした】


ミラでしたっけ、彼がそう言ってたわ、とびっきりのいい女だって
ふふ、信じられないかしら、証明はできないけど、之は生者の特権だから
弔歌代わりに供えて差し上げましょう、貴方の見える景色に祝福があらん事を

──でも、殿方って結構、こういうの気にするみたいよ
嫉妬深い男性なら特に、ね


【意味深な発言、口元に軽く浮かべるは魔性の笑み】
【浮気なのかな、と指先を唇に当てて考え込むように小首を傾げた】
【愉しげに笑みをひとつ、くるりと踵を返し背を向けて】

【振り向き加減に横顔を見せたなら、僅か一葉の便りにして】
【そのままきっと、歩き去っていくだろう】
【腰を中心にしたモデルの様な歩き方、去り方まで指示されたみたいだ】


/こんな所でしょうか!お疲れ様でした!


194 : 名無しさん :2018/04/10(火) 09:21:21 NItcCaGE0
>>186
//3日間くらいは募集してますー


195 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/10(火) 09:32:48 6.kk0qdE0
>>186

「……だ、よ」
「こ……よ」
「連れ……室……よ」

【意識が遠のく寸前、こんな声が聞こえただろうか?】
【恐らく、少女が次に目を覚ました時、そこは見知らぬ部屋の見知らぬベッドの上だろう】
【ベッドも壁も天井も白く、薬品の匂い】
【横には仕切りのカーテン、これも白い】
【そう、まるで何処かの病院の病室の様な】
【怪我は止血処理が施され、綺麗に縫合が成されているだろう】
【カーテンの向こうには、人の気配がする、誰か居る様だ】


196 : トライデント&アコーディオン ◆auPC5auEAk :2018/04/10(火) 12:18:49 ZCHlt7mo0
>>152-155

【――――魂の邂逅の時は過ぎ去り、光は現実を照らす。溶け合い、触れあっていたその心も、元の輪郭を取り戻した。記憶だけを残して――――】

〔――――ッ、ぐぉ、ッ!?〕

【引き抜かれる尾、そして冷気を逆流させられる尾。さしものインフィニティージーンも、消耗と合わせてそのダメージを無視する事は出来なかった】
【身に走る痛みが、身体を強張らせる。このまま頽れたままではいけないと、無理やりに立ち上がるその足は、やはり震えていて】
【満身創痍のその白い身体は、持て余したようにゆらりと、幽鬼の様にそよいでいた。裂けかかったホースの様な状態の尾を、自らのそばへと引き戻して】

〔お前の中にも……もう、残ってはいないと言う事か……。そして、その痕跡を、辿る事も出来ないと――――その先はもう、事実『闇』の中……か〕

【その先は、もはや永遠の断絶にあるのだと、理解した。ルーツは――――本当の意味での始まりは、もはや窺い知る事は出来ない】
【知ろうという心が、『彼ら』の中に再び湧き上がっていたのは、間違いないだろう。魂を抉り出された先ほどの体験は、やはり『彼ら』に、わずかながらも心を開かせたようで】

〔……………………〕

【その長老3人、彼らのへの復讐を遂げなければならないのだろう――――そう問い返そうとして、インフィニティージーンはふと口を閉ざす】
【――――それだけでは無いはずなのだ。ダリアの目指す殺戮は。これが、かつての自分を虐げた者たちへの復讐で留まるというのなら、それで構わない】
【だが、ダリアの心はもはや、その全てが血に塗れ、そして芯まで沁みついてしまっている。これは無軌道な殺しの、その過程に過ぎないのだろう】
【『罪なき誰か』など、そんな認識はダリアには存在しない。否、もはや『存在』という概念ですら怪しいものだ。存在するだけで、ダリアには許せないのだ。己諸共に】

〔…………そう、か〕

【ダリアにしては珍しく、明瞭に語られ、結ばれたその言葉に、インフィニティージーンはただ一言の相槌を返し、頷く】
【――――別に、軽く流そうとしていた訳ではない。その意味する所を咀嚼するのに、余計なリアクションを返す余裕がなかったのだ】
【トライデントとの2度の接敵を経て、何度か繰り返されてきた、ダリアの言葉。その真に意味する所を、先ほどの黒泡の渦の中で、ようやく朧気に掴むことが出来た】
【――――トライデントの正義は、相も変わらず「関係ない」と切り捨てる事を要求してくる。だが、インフィニティージーンに到達した『彼ら』には、そう割り切れないものを感じていたのだ】
【アコーディオンも同様だ。この救われざる『真実』、ただ知らしめて終わりにはしたくない。だが、インフィニティージーンに到達した『彼ら』には、それが難行である事を理解できている】

〔――――いや『終わり』だ。いずれにせよ、いずれにせよ……な〕

【傷跡の故に、白黒まだらな身体となり果てた『完成』は、言葉の中に見出した時間の猶予で、何とかコンディションを整える】
【揺らいでいた身体は、再びその足でしっかりと床を踏みしめ、肩口の触手は獲物を定めた蛇の様に擡げ、4本の剛腕は構え、エターナルトライアングルとリスクストレージは備えられた】

〔……俺から、言葉を以ってお前に向けられるのは、もうこれだけだ……『止まれ』と。その無秩序な殺意、ここで歯止めとしろ、とな……
 お前の始まりが、闇の中に消えた生まれでなく、失われた友にあるというのなら、それが真実、お前の魂の始まりだというのなら……
 ――――それをこれ以上、無辜の血で汚す事をしてはならないはずだ……たった1つ、たった1つ最後に残ったもの、なのだろう……
 お前がここに至った罪を、世界に雪がせてはならないんだ……お前の後悔を、自らを汚辱する事で卑下しては、ならないんだ……
 それが……たった1つの、無垢なる光だと言うのならば――――その名と心とを、これ以上無惨な扱いにしては、ならないはずじゃないのか……ッ〕

【ボロボロのままに臨戦態勢を整えて、インフィニティージーンは最後の言葉を、ダリアへと向ける】
【途切れ途切れ、慎重に言葉を選択している様なその台詞は、インフィニティージーン自身の葛藤の表れでもあった】
【トライデントの憎しみが、言葉に乗らない様に。アコーディオンの情念が、言葉を虚飾しない様に、そして、ダリアにプリミティブな心の動きを促す以上の事をしない様に】
【――――ダリアの『本心』が揺らげば、この言葉に意味はある。ダリアの『本心』が尚も変わらずにいれば、今度こそ言葉は尽き、血が流れる】
【――――両者の心を継ぎ、中間に立ちながら成立するインフィニティージーンという人格は、これを最後の選択としたのだろう】


197 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/10(火) 12:22:38 j.FLapxk0
>>193
【貴方は強い──そう言われて、遣る瀬無い笑みが零れる。強いかどうかなんて、自分じゃあ分からない】
【ただ好き勝手に生きているだけだ。前を見ているのだって、其方しか見る方向が分からないから】

【「バカだな、ほんと…………よぉ」何度めかになるため息。理由は言えなかった】
【死者にいくら思いの丈をぶつけたところで、虚しい静けさが返ってくるだけ。それに】
【少しだけ、格好でもつけたくなったのかもしれない。溢れ出す文句を、飲み込んで】


は────もしひょっこり生きて帰って来やがったら、それこそタコ殴りにしてやるところだ

まったく、よぉ…………そういう褒め言葉は本人に対して言えってんだ。なぁ?
あいつからは文句しか聞いたことねぇってのに──言い逃げは卑怯だぜ、ったく


【イヤリングへのキスは──何も言わず、大人しく受け入れていた】
【もしかしたら、恋人ではなかったにせよ……そう思ってしまうような別れ方】
【もっと近くに、よほどいい女がいるじゃねぇか。「バカだな、あいつよぉ」】
【噛み締めようとした言葉が、つい出てしまう。まぁ、このくらいはきっと許されるだろうと小さく笑い】


嫉妬深い、か──ま、その辺は直接聞いた方が良さそうだな
連れて行きてぇ奴がいる、で納得してくれりゃいいんだけどよぉ…………

……………………じゃあな、カチューシャ
あんたもいい女だぜ。あいつが惚れる相手、間違ったんじゃねぇかって思うくらいにはな


【──去りゆく彼女に、最後の声をかける。慰めになるかどうかも、分からない言葉】
【次に会う時は敵同士なのだろう。あるいは、今この瞬間から。だから】
【こんな穏やかに会話が出来るのは、恐らくこれで最後。次に会う時は、力と意志をぶつけ合うこととなる】

【「じゃあな──」もう一度だけそう呟き、ミラもまた何処ぞへ去っていく】
【背負うものがまた一つ増えた。契った約束も、少なくはないというのに。イヤリングを、そっと撫でる】
【今、自分は楽しんでいるだろうか。自問の答えは、すぐに出る】
【────数滴の“雨”が、言葉の代わりだった】

/お疲れ様でした!


198 : 名無しさん :2018/04/10(火) 12:33:28 /xWzuiOE0
>>195

ん……

【少女は薄く目を開く】
【軽く首を傾けて辺りを見れば──知らない光景、知らない匂い、知らない場所】
【腕から血も流れていない。出血は多かったが怪我自体は深いものではなく】
【まだ少々痛むが、動くことは問題無さそうだ】
【少女の意識も徐々に覚醒し、現状について思索する】

(ここは病院……なの?誰かが助けてくれた?)

(それとも、別の目的……?)

【善良な人間が病院に運んでくれたというのなら有り難いのだが──】
【少女は"能力者"である故に、何か"良くない理由"で連れてこられた可能性も捨てきれない】
【最も、意識を失う時は能力を使用していなかったので、見た目上は能力者とは断定できなかったはず】
【詳しく検査でもされていたら別だが──】

(……!誰かいる)

【すると、カーテンの向こうに人の気配を感じ】
【一先ず、声を出さずに顔だけを向け、じっとそちらの様子を伺った】


199 : 名無しさん :2018/04/10(火) 12:52:47 k6vvL7Oo0
>>191

【あれっと思った、ぷるぷる震えだすのを見て、少し困ってしまったみたいに、ぱちりと瞬き】
【だけれど相手が真っ赤になっていて。褒められると調子に乗っちゃう性質だなんて言われたら、ああと納得一つ】
【ぷるっぷる震えているのを見たなら少しからかうみたいに悪戯っぽく笑って――】

――じゃあ、今日はここまでね。

【だなんて。言うのだ、まだまだ褒めるところはいっぱいあるんだからって言うみたいにしゃんとせなを伸ばして、足をそろえて】
【きっと相手が見るのはいたずらっぽく笑って楽しそうなあまり見た感じ年齢の違わなそうな年上の姿だろう、それにしたって少し子供っぽいかもしれない、なんて】
【ちょこっとだけふざけている、けど、言葉はどれも嘘じゃなくって。とかく彼女は本当に相手を偉いって褒めているのだ、というのが、目に見えてよく分かるだろうか】
【ふわふわのスカートの中に手を埋めこむ。そうやって笑っているとおっきなお人形さんみたいにも見えた、色違いの瞳は、なんだか少し生き物らしくない気がしそうで】

情報収集――……新聞記者? なんでそんなひとが、わざわざつがるちゃんにそんなこと、頼むの?
櫻から来たばっかで、きっと、こっちのことあんまり詳しくないだろう、つがるちゃんに? 

……悪くないとつがるちゃんが思うなら、いいけど――……、「これ悪いことかな?」って思ったら、すぐ辞めなくっちゃだめだよ。
そのあとのお仕事はわたしが見つけるから。それだけ、ね。約束――。

【――そんな少女の顔が訝るように変わる。ぎゅうと眉間にしわを寄せて、それこそ言葉通りに「なんで?」というような顔をしているだろう、新聞記者の情報収集、なんて】
【それを自分でするのが新聞記者なんじゃないかって思うし――櫻から出たばかりでこの辺りのことをきっとほとんど知らないだろう相手にわざわざそれを頼むというのが】
【なんだか変に思った、それにそうでなくたってつがるはまだ十六――そう子供ではないが、まだ大人ではない。もちろん内容にも因るのだろうけど、それでも、いい気はしない】

【だけど――相手が悪いことではない、相手のことも悪いひとではないと認識しているようなら、この時点で少女はそう強くは言えなくって】
【めいっぱい険しい顔をしながらも――、今はひとまず、この程度だ。悪いことかなって思ったらすぐに辞めるように、そのあとのことは、自分が――って】
【あるいは初対面だのになんて思うかもしれないけど。ヒトでないことや相手の境遇に何か思うところがあったのかもしれない、彼女自身も――両親がすでに死んでいる】

【それだけ約束してほしいみたいだった。相手の名前を尋ねてどういうことなのと乗り込むなんていうのは、さすがに出張りすぎている。それは、分かっているけれど――】


200 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/10(火) 17:15:24 6.kk0qdE0
>>198

「しかし、少佐困ります、このマンションの存在はあくまで機密、信用の出来る人間でなければ」
「だから、中尉、そこはごめんなのだよ、でもあの状況じゃそうするしかなかったのだよ」

【気配の方向から、こんな会話が聞こえてくるだろう】
【若い男女の声だが】
【やがて、その声が一旦止み】
【一人の影が、そのカーテン越しに近づくのが解るだろうか】
【やがて……】

「お、目を覚ましたのだよ!」
「まだ痛む?それとも、元気なのだよ?」

【さらりとした、緑がかった長い髪】
【カーキ色の制服と思しき服装の上から、白衣】
【聴診器を首から下げている女性だ】
【特徴だけ掻い摘んで捉えれば、医者なのだろうが……】

「いやー、君が路地裏で流血して、倒れてるのを運んだのだよ」
「ここは、私の家だから安心してよいのだよ!あ、体温図るのだよ!」

【その白衣の女性は、体温計を取り出すと】
【すっと少女に渡す】
【そして少女が脇に挟んだなら】

「で、君は何であの場所で倒れていたのだよ?怪我もしてたのだよ、普通ではないのだよ」

【誰しもが気になるであろう、質問をした】
【最も、こちらからは見えないが、カーテン越しにはもう一人、影と気配がある】


201 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/10(火) 17:18:03 nWC3eN2.0
>>179
【まだまだコミュニケーションが不得意なこのロボットでも相手の気持ちがポジティブかネガティブかぐらいはわかる。】
【元気づけたいのだがそれをする方法がまだわからない自分がもどかしいと思った。】
【もっとも、それがもどかしいと表すことをロボットはまだ知らない】

そう…ですか。…詩織さんはもっと自身のことを好きになる必要があると私は感じます。
それはとても難しいことです。しかし、私は『お友達』なのでそれを手伝うことができます。
もっと親交を深めて、私が見つけた良いところをお伝えして……

【ロボットはとことんめげない、しつこくてお節介なロボットだ】
【奉仕者だとかいうぐらいだから世話焼きなようにプログラムでもされているのだろうか】
【それともこれが、彼女が得た人間性、なんだろうか】

【話をしている途中にゾーイは男を察知する。会話のデータを引っ張り出して考えて】

お兄様でいらっしゃいますか?初めまして。私はゾーイです。

【丁寧な、深々とした礼。マナーの手本になりそうなぐらい動作は完璧なはずだ】


202 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/10(火) 17:35:35 WMHqDivw0
>>192

レヴォルツィオーン、名前だけなら聞いたことが……。
……わかりました、ありがとうございます。
「行ってみます」ね、…………っ、

【情報を聞けば、すぐさまそんなことを言う。弱っちそうな少女の癖に】
【自分も行くと宣っているのだ。何かしら心得はあるようなのだが】
【……どうもさっきから、右目の辺りを手で押さえてばかりいる】

【この調子でその場に行って役に立つかどうか、というより、足を引っ張りはしないか】
【そちらの心配のほうが強く残るだろう。――振り切るように、また頭を振って】

……、……ありがとうございます、ディミーアさん。
そしてごめんなさい、夕月さんの代わりに謝ります。
たくさんご心配とご迷惑をおかけして――しょうもない人ですよね、

【やや急な話題の転換。そうすると痛む部位が多少マシになるようで】
【目を細めて、笑っていた。「帰ってきたら改めて謝らせます」、なんて言いながら】


203 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/10(火) 19:00:01 gx3MsOBA0
>>201

【自分のことを好きになる。今の詩織にとって、最も難しそうな話だった】
【思わず苦笑してしまう。自分を助けようとしているのに、めげない姿がどうしてか微笑ましかった】
【けど、そこに迎えが来る。「あ」と言って複雑な表情を浮かべる】

【やってきた男はゾーイの丁寧な挨拶に、驚いたように目を丸くしていた】

「え、あぁ、初めまして。兄の怜司です
 妹がどうも世話になったみたいで。ありがとうございます」

【一般的な礼儀の範疇で兄の怜司は礼を述べた】

「帰りが遅いから探しに行くところだった。無事で良かったよ」

……まぁ、”ご主人様”よりは強いし、一人でも平気よ

【何だか皮肉っぽい言い方で返事をして、詩織はそっぽを向く】
【怜司はそれに対してただ困ったような顔をしていた。やはり兄妹の仲は微妙なようだ】
【ふぅ、と一つため息をついてから、詩織がゾーイの手を離してアパートの方へと数歩歩き、それから振り返る】

じゃあ、またね、ゾーイ
今度は……もっと楽しい話をしましょう?
ちゃんと、用意しておくから

【申し訳なさそうな顔をして、それから詩織は背を向けて歩き出す】
【怜司も一度、ゾーイに頭を下げてから詩織の後を追った】
【そして、そのまま二人の姿はアパートの中へと消えていった】

//こんなところですかね。お疲れさまです!


204 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/10(火) 19:06:17 gx3MsOBA0
>>202

【佳月の言葉を聞いて、ディミーアは「は?」と呆けたような声をあげた】
【話の内容としても流れとしても、調査に行くのは当然自分だと考えていた。彼女が行くとは微塵も思っていない】
【何よりも戦えるようになんて見えない。どう考えても良策ではなかった】

おい、何を訳のわからないことを言ってる
調査するにせよ、それは俺の仕事だ。そのために俺を呼んだんだろう?
それにお前は……いくらなんでも無理だ。ミイラ取りがミイラになっちまうぞ

【謝罪だとか礼だとか、そんなことを気にしてる場合ではなかった】
【このまま行かせて何かあれば、夕月にさえ顔向けができない。一人を助けて一人を失っては意味がない】

今、こうやって話をしているだけでも調子が悪そうにしてるじゃないか
……右目、どうしたんだ?

【先ほどから抑えている片目が、どうにも気になった。何かあるのでは、と】
【尋ねながら、ゆっくりと手を、右目を抑えている彼女の手へと向かわせる】
【様子がおかしい。答えてくれるならそれでいいのだが──手をどけようとするのは反応を見るためだった】


205 : 名無しさん :2018/04/10(火) 19:18:09 /xWzuiOE0
>>200

あ、見つかっちゃった

【あっさりと目覚めたことに気付かれ、近づいてくる女性に反応する】

うん、ちょっと痛いけど体は動くし、元気……なのだよ?
よいしょっと……

【女性の口調(?)につられて答えつつ、上半身を起こし】
【うーん、と軽く伸びをし、治療の跡がある左腕をぱたぱたと上げ下げ】

家?お姉さんはお医者さんで、私を助けたってこと?
拘束具とかついてないし、そう思って良いのかな?
ん?でも少佐とか中尉ってお医者さんだっけ……


【ジロジロと女性の姿を観察しつつ、疑問を問いかける】
【チラリと、横目でカーテンの向こう側にある他の気配を気にしつつ――】
【体温計を受け取ると、指で摘みながらまじまじと眺めた後、脇に挟んだ】

倒れてた?やっぱりわたし、倒れちゃったんだ
あ、えっと、怪我してたのは、その、路地裏で人を殺そうと思って……
路地裏には悪い人がたくさんいるから、悪い人なら殺してもいいから
それで、悪い人を見つけて、あの、ひったくりして路地裏に逃げ込んだのを見つけて、よしってなって
能力で殺そうと思ったんだけどなんかわたしがナイフで刺されて、逃げられちゃったの

【少女はもじもじしながら、恥ずかしそうに事の顛末をいろいろと足りない情報で語った】


206 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/10(火) 19:32:09 6.kk0qdE0
>>205

「よしよし、血色も良さそうなのだよ!元気なのは良い事なのだよ」

【にっかりと笑顔を浮かべながら、少女に答える】
【窓からは優しい光が差し込み、部屋の中を温め】
【ここが地下や、はたまた雑居ビル内の怪しい施設や事務所などでは無い事を物語っている】

「……」

【しかし、カーテン越しからは睨むような】
【恐らく先ほどの会話相手であろう、暗いネイビーカラーのスーツの男性の視線があるだろう】

「私はお医者さんなのだよ、でも軍医なのだよ」
「櫻国魔導海軍陸戦隊の軍医、石動万里子、少佐なのだよ」
「だから、少佐!そういう事をあっさりと……」
「ちなみにこっちは、魔導海軍中尉、厳島命なのだよ」

【あっさりとその所属と名前を名乗る石動に、厳島と呼ばれたネイビーカラーのスーツの男性は呆れている様子】
【やがて……】

「殺し?穏やかではないのだよ」
「……」

【少女から事情の説明があると、厳島は黙り込み】
【そして石動も、表情が若干険しくなる】

「能力者なのか?」
「何れにしても、危ない事なのだよ、複数の意味で、何が君をそうさせたのかは解らないけど悪人を裁くのは君ではないのだよ」

【口々にそう言って】

「君は何て名前なのだよ?親はいるのだよ?」

【カルテ片手にこう聞いた】


207 : 名無しさん :2018/04/10(火) 20:00:33 /xWzuiOE0
>>206


【優しい笑顔の女性と、男性からの厳しい視線を交互に眺め】
【どうやら害意が無いことを本能的に感じて安心したらしく、少女はふわぁ、と欠伸をひとつ】
【かなりリラックスしてきたらしい】

少佐のお姉さん、ありがとう
海軍、海軍……へぇ、海軍……
やっぱり船に乗って大砲とか撃つの?
あ、でもマンションって言ってたからここは船の中じゃないよね?

【ようやく、自分を助けたらしい石動と名乗った女性に礼を述べ】
【海軍と聞いて思いついたイメージなのか、ざっくりとした質問を投げかける】

うん、わたしは能力者
あ、名前、名前はリオシア。リオシア・ステロヴァニエだよ
親はいなくて、お仕事もなくて、お金はまだ残ってるけどあんまりなくて……

【少女――リオシアは少しだけ悲しそうに下を向き】

違うの。悪い人を裁くなんてどうでもよくて、ちゃんと人を殺せるくらい強くなりたくて……
強くならないと1人で生きていけないし、やりたいことも出来ないもん
でもわたしの能力って戦闘向きじゃないみたいだから練習しなくちゃいけなくて。だから悪い人で試そうと思って……

あ、そうだ……お水、もらってもいい?

【自己紹介を済ませ質問に答えると、唐突に水を要求した】


208 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/10(火) 20:08:52 6.kk0qdE0
>>207

「まあ乗艦組はそうなのだよ、私達は陸戦隊、陸で戦う部隊だから違うのだよ」
「……出来ない事もないがな」
「ここは、極秘に我が海軍が抑えているマンションなのだよ、私達は諜報員なのだよ、ようはスパイなのだよ」
「少佐……ああ、もういいです……」
「んでもって、ここは私の家兼診療スペースなのだよ!」

【簡単にこの場所と、自分達の立ち位置の説明をする】
【最もこれ自体が機密情報の為、厳島はまた頭を抱える事になるが】

「リオシアちゃん、それじゃ君が言う『悪い人』と同じなのだよ」
「……」
「それにどうして、そんな強くなりたいのだよ?」

【厳島は考え込むようにして、石動は話を続けそう聞いた】


209 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/10(火) 20:10:22 6.kk0qdE0
//>>208追記

「……飲むといい」

【若干険しく、何かを考えている様子の厳島が】
【リオシアにペットボトルの、冷たいミネラルウォーターを渡す】


210 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/10(火) 22:09:36 WMHqDivw0
>>204

……ふふ、大丈夫なんです。
実は私、むかあし在った正義組織――<Justice>に所属してたりして、
ちゃんと戦えるんですよ? だから、大丈夫……

【――――口にしたのは、本当に昔も昔――今となっては実在したかどうかも分からない】
【そんな組織の名だった。そんなことを平然と、口にするのだから】
【この少女、気が狂っているのかもしれない。そう受け取られてもまあ、仕方はないだろう】

【言う最中に伸ばされる男の手、「あ、」と声を上げても抵抗はしない】
【ゆっくりそれを引き剥がされれば、なんてことはない、普通のニンゲンの眼がそこにあって】
【……ただ、右の眼球。白目の部分に、ざざざ、と――血管ではない何らかの線が、走っている】

……ああ、これ……あの街に、行ってから、ずっと「目」の調子がおかしくて……
ディミーアさん、ご存知ですか? 「カミス・シティ」――そこの「センター」に行ってから……

【どくん・どくん。脈動するかのように走る黒い線】
【それがどうやら、少女の目の辺りに痛みを与えているようだった】


211 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/10(火) 22:26:43 gx3MsOBA0
>>210

【<Justice>──その名はディミーアでさえ知っていた。かつて、<ネル・ナハト>に対抗した組織だったはずだ】
【にわかには信じがたかった。だが少女のことをよく知らない現状では否定するのもおかしい】
【そしてそんな”些細なこと”は別の事柄が頭の隅へと叩き込んだ。彼女の異常の手がかりが、その眼球には見えた】

センター……センターだと! お前、あそこに行ったのか!?
くそ、一体何をされたんだ”これ”は……っ!!

【驚愕に怒りが連なる。カミス・シティには、そしてセンターには行ったことがあった。だが、入り口までだ】
【そこで行われていることは分からない。それでもロクでもないことだというのは分かる】
【奴らの、あのクソどもの思想を考えれば容易に想像がつく。そしてそれは目の前の少女の様子からも明らかだ】

(これは、どうすればいい……下手に何かすれば、命に危険が及ぶかもしれない)
(かといって放置するのも…………レヴォルツィオーンに向かわせるのも論外だ)
(………………どうする)

【どうすればいいのか。厄介なことに何一つとして分からなかった】
【医者や技術者に見せるのか。それも危険が伴った。相手の科学技術の詳細が分からない以上、探知される可能性もある】
【もしかすれば処置しようとすれば何か、肉体に害が生じるかもしれない。そう考えると、どうしようもなかった】

………………今となっちゃ、夕月も心配だがお前のことも心配だ
お前の身体に異常があることは、分かっているのか?
その目は、何なんだ……

【佳月の手を離し、嘆くような言葉が勝手に口から出ていく】
【ぎり、と歯噛みをする。夕月に佳月。何の罪もないはずの少女たちを追い詰める何もかもに腹が立った】


212 : ◆Heckemet8M :2018/04/10(火) 22:31:41 u1dxVMlM0
【山の近くにある公園】 【時刻は昼】
【ちょうどお昼時ということもあって、公園内は少し静かだ】

「んで、何かわかったのかァ?」

【正面にテーブルがあるベンチに座り、焼いたばかりらしい肉を喰らうのは】
【ガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】

『簡潔に述べますと、能力無断で使うな、ですかね』

【その隣でカセットコンロを使い肉を焼くのは】
【20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

「ほォーん、酷ェ話だぜ。能力使わなくても戦えるけどよォ、使った方が楽しいじゃアねェーか!」

【テーブルまるまる1つを解体された肉の塊……おそらくイノシシだろうか、それで占領していて】
【控えめに言って、まあ邪魔なうえに見た目もよろしくない。が、逆にいえば遠くからでも認識しやすい――かもしれない】

/金曜終わり頃まで置いておきます


213 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/10(火) 22:38:06 WMHqDivw0
>>211

……私の右目がおかしかったのは、もともとなんです。
でもそれが、異能を扱うためのキーになっていた……んですけど、
センターに行って、……注射を打たれたんです。そうしたら、目が――

【「普通になってしまって、それで――」、そこで一旦口を閉ざす】
【異能を扱うためのキーとして動いていたものが、普通になってしまったというなら】
【それは、「今、異能の力を使うことができません」。そう言っているも同義で】
【……そうしたら、レヴォルツィオーンに行くという無茶もなおさら止められるだろう】
【だから、あんまり言いたくなかったらしい。それでもここまで心配されれば、隠すことも出来なくて】

……完全に封じられた


214 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/10(火) 22:38:24 WMHqDivw0
//ぐああ途中送信……!しばらくおまちくだしあ


215 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/10(火) 22:41:02 WMHqDivw0
>>211

……私の右目がおかしかったのは、もともとなんです。
でもそれが、異能を扱うためのキーになっていた……んですけど、
センターに行って、……注射を打たれたんです。そうしたら、目が――

【「普通になってしまって、それで――」、そこで一旦口を閉ざす】
【異能を扱うためのキーとして動いていたものが、普通になってしまったというなら】
【それは、「今、異能の力を使うことができません」。そう言っているも同義で】
【……そうしたら、レヴォルツィオーンに行くという無茶もなおさら止められるだろう】
【だから、あんまり言いたくなかったらしい。それでもここまで心配されれば、隠すことも出来なくて】

……完全に封じられたわけ、ではないみたいで……
ただ、異能を使おうとしたら――こんな風に痛みが走っちゃう、ような状態で。
それでも、……それでも私、足手纏いにはならないです、だから……

【レヴォルツィオーンに行くのを許可しろと。そんな無茶を宣うのだ】
【自分自身、無茶苦茶言っている実感はあるようだ。苦々しい顔をして】
【それでも、自分の手でなんとかしたいという気持ちは抑えきれないらしい】
【ぎゅう、と。テーブルの上に置かれた手が、強く強く拳を握っていた】


216 : 名無しさん :2018/04/10(火) 23:06:11 5w/a9BZQ0
>>208
>>209

海軍の陸戦隊……それって陸軍じゃないの?

【どうも、リオシアは軍事的な知識には疎いらしく】
【イマイチ理解できなかったようで、キョトンと首をかしげるが】

スパイ!かっこいいね!何でもできそう!
少佐のお姉さん、スパイもお医者さんもできるんだね

【その後に続いたスパイというわかりやすいワードに大きく反応し】
【キラっと目を輝かせた】
【しかし石動からの問いかけに再びシュンとし】

悪い人を殺したら悪い人なの……?
うーん……難しくなってきちゃった
あっ、強くなりたいのは、悪魔の囁きで!
"機関"を酷い目にあわせたいの!わたしを実験台にしてくれたお返し!

ありがとう、中尉のお兄さん

【そう言って、厳島からペットボトルを受け取ると】
【キャップを外し、中に細い指を突っ込み、ぐるぐると水をかき混ぜ──】
【はい、と2人に見せるようにペットボトルを前に差し出す、その瞬間】
【中の水が"銀灰色の金属に変化"し、ペットボトルはゴンッと重い音を鳴らして床に落下した】

ね、戦いにくそうな能力でしょ?だから人を襲って練習しないといけないなって……


217 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/10(火) 23:08:00 gx3MsOBA0
>>215

【異能。それを聞いた瞬間、その一瞬だけ、怒りと苦悶の表情が崩れる】
【能力者、能力。それを失った。”元”能力者。今では普通の人間と変わらない────普通の?】

【ディミーアの心の奥底で叫ぶ声があった。湧き上がり、吹き出そうとする何かがあった】
【能力者という人種への憎悪。それは今でも微塵も消えていなかった。がり、とテーブルを爪が引っ掻く】


【封じられているのならばどうなのか】

                    【それでも元々は能力者だ】

【今の自分は自警団員だ。ならば助けねば】

                    【それ以前にディミーア・エルドワルという人間なら能力者を許さない】

【だったら彼女は?】

                    【────彼女は?】


【──────酷い、頭痛がした】

【ずきり、と。強烈な痛みが一瞬。思わず顔をしかめる。目を伏せる】
【だがその痛みが感情を奥底へと追いやってくれた。まだ、正義の味方のフリは出来そうだった】
【自分は自警団員だと言い聞かせる。自警団員なら何をする?────考えるまでもない】


…………約束を、一つしてくれ
無理はしない、と。俺はお前のことも夕月のこともよくは知らない
だが、きっとあの子は優しい子だ。友人が傷つくことを喜びはしないだろう
だから、無理はしないと、約束してくれ。でなければ俺が夕月に会わせる顔がない


【これがディミーアにできる最大限の譲歩だった】
【もしも約束をしてもらえなくとも、もう佳月を止める言葉は持たない。この約束さえ自分勝手なものだ】
【それでもどうしても、せめてこれぐらいは言わなければ気が済まなかった。少女を死地へと送るには、必要な儀式だった】


218 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/10(火) 23:24:58 WMHqDivw0
>>217

【テーブルを抉るような異音。その正体に気付くと、僅かに目を見開いて】
【残された爪痕に、どんな感情が籠められているのか――佳月には、判別がつかなかった】
【自分がそうしたように、痛みに歪む男の顔。それを見て、――ああこの人も】
【「内側に」「何かを」「飼っている」のではないかと。それだけ、思案を巡らせて】

……はい。無茶、しません。死にません。
大丈夫です、そこのところはきっと弁えてますから――
生き延びて、勝って。それで、二人で夕月さんにお説教しましょう、
さんざん迷惑かけてごめんなさいって、謝らせますから。

【――しかしそれでも、そこには突っ込んでいかない】
【突っ込んだところできっと、はぐらかされてしまうような。そんな気がしたから】

【一度、まっすぐに頷いて。口の端を不敵に吊り上げて見せる】
【歴戦の戦士がそうするような、あるいは獰猛な獣が牙を見せているような】
【そんな笑顔だった。しかしこれが、佳月という少女の本性であるのだろう】


219 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/10(火) 23:42:50 gx3MsOBA0
>>218

【獰猛な笑みが、見えた。戦士がするような──それこそ、自分たちがするような笑みが】
【約束は交わされた。その上で、垣間見えたものが本性だとするならば】
【これ以上、言うことなどなかった。その笑みが本物ならば、必ず帰ってくるのだろう】


…………ああ、それで十分だ
きっちりと勝って、二人であの子に会おう
それでまたこの場所で、今度こそ、他愛のない話をしよう

おっさんの俺が苦笑しかできないような、そんな話を聞かせてくれ


【思えば夕月と最初に会ったときも、血生臭い話をしてしまっていた。そしてそれを悔いてもいた】
【だから次には平和ボケしたような話が聞きたかった。年中戦い続けている自分にはよく分からないような】
【歳を食ってしまった自分には分からないような、そんな話をする二人が見たかった】

【────胸の奥でざわつくものがあったけれど、それでもこれも本心だった】


さて、と
こっちはこっちで念のため、夕月の行方を追ってみる
レヴォルツィオーンに必ずしもブラスフェミアがいるとは限らないだろうしな

それと、他にも困ったことがあったら、いつでも言え
夕月のことに限らず、な。お前自身のことで頼ってくれて構わない
ビリーとマリーの二人じゃ頼りないだろうしな


【「すっかりコーヒーが冷めちまった」なんておどけるように言って、カップに口をつける】
【酷く苦い味がした。それでも今は、その強い苦味が気分に合っていた】


220 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/10(火) 23:53:59 wn2rqSVw0
>>172-173 >>174

【それはかつての記憶だったのかも知れない。それとも、夢だったのだろうか】
【何かとても愛おしくて、虚しくて、悲しくて、壊れてしまいそうな空の感覚】

【大事な何かを失って、けれどその何かがなんなのかが理解出来ず】
【忘れたのか、それとも最初から理解できるはずのない"何か"だったのか】
【そんな得体の知れない感情が怖かった。恐ろしかった】
【だからだろうか、目を覚ます前から男は目元を腫らせて涙を流し】

【"怖がって"いたのだ。それは彼の人生上、数えて二度目のこと】
【一度目はいつだったかも覚えていない。けれど多分、初めて頭上のソラを見上げた時】
【その丸みを目にした時だろう。そうでなければ、こんな感情は生まれない】
【生きながらに背骨を引きずり出されるような、言い表しようのない虚脱感】


っ……ぁ、あ……。
 
 いま……ぼく、は……、…?


【目を開いてから眠気が飛ぶまでの時間が異様に早い】
【本当に寝ていたのだろうか。少なくとも気分はとても――まっさら、だった】

【何も感じない。なにもない。目覚めと同時に、全て何処かに置いてきてしまったのだろうか】
【虚無――食欲も湧かない。どこも悪くない。気分?良くはない。】
【でも、なんだろう。分からないけれど、きっとなにか、あったんだけれど】
【そうして黙り込む。膝を抱えて座り続け、視線はいつだってつま先辺りを漂って】





【もう、何回目だろうか。そういう目覚めを繰り返す彼は、"衰弱"していた】

【日に日に話しかけへの反応は鈍くなり、食事は取らず、水さえも飲まない】
【飲まされれば生理的な反応で嚥下するものの、口の端から溢れることも多々あって】
【食事は点滴で代用するのだろうか。だとしても体重はひどく落ちていた】
【元々細身だった身体は肋が浮いて、繊細な筆使いを可能にしていた指は爪もひび割れ】

【それはまさしく廃人だった。人が生への執着を失うと、こうなるのだろう】
【何かの抜け殻。生きるということに意義を見いだせず、ただ存在しているだけ】
【無味乾燥な時間だけが過ぎていく。耳に届く言葉は頭の中で意味を成さない】

【目元は落ち窪み、鮮やかだった金の髪には点々と白髪が混じり始めていた】
【眠りとも気絶ともつかない無反応な時間が日に何時間かあって】
【部屋に看守が来ても、看護婦が居ても、瞳を向けもしない】


【たかが、"  "――けれども、それは彼の存在意義そのものでもあった】
【処刑宣告よりも、余程重い。もはや、生きながらにして死んでいる】
【ある医師はそう宣言した。――ただ、時折。数日に、数分だけ】

【思い出したように、天を仰ぐのだ】
【何もない白い天井を、見えないものを見るように、仰ぎ見るのだった】


221 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/10(火) 23:56:54 6.kk0qdE0
>>216

「難しい部分なのだよ、海軍の中の陸軍部署?的なのだよ」
「……大体その認識で、覚えさせた方が楽でしょうね」

【だが、スパイと言う単語に納得してくれたようで】
【目を輝かせながらリオシアはそう語る】

「まあ、私は厳島中尉みたいなスパイの人達のサポート役なのだよ!」
「実際の諜報活動は俺ともう一人の部下がやっている、が」

【どうにもここで、この二人】
【いや、魔導海軍として聞捨てならない言葉が浮上した】

「うん、悪い人なのだよ……もっと解りやすく説明が出来ればいいのだよ、でも悪い事なのだよ」

【石動はまるで子供をあやすかのように、そう説明し】

「待て、機関と言ったな?実験?何をされた!?」

【少し凄みつつも、驚愕と動揺は隠せない】
【そうリオシアに迫るように厳島が聞く】
【もう一方で……】

「……液体の金属化か?」

【ペットボトル内の金属体と化した元水を見て】
【改めてそれを拾い上げ、厳島が聞く、続けて】

「中尉、さっきから君は何を考えているのだよ?」
「……佐官を含む士官複数名の推薦による『現地徴兵制度』の事を……」

【改めてリオシアを見据えて】

「強くなりたい、機関と戦いたい、その思いは本当だな?」
「現地置ける陸戦要員不足を補う為、複数士官の推薦あるいは下士官の推薦と士官の許可により、特別に陸戦隊のみ現地での徴兵、徴用を許可する制度がある」
「実践的な戦闘訓練、座学による教養、知識の補完、実地講習これは俺ともう一人が受け持とう、能力の活用も同じだ」

【ここでやや間を置いて】
【そして厳島は聞く】

「櫻国魔導海軍に、入らないか?」


222 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/11(水) 00:19:07 WMHqDivw0
>>219

はい、お約束します。
針千本なんて用意しなくても済むくらいに――きちんとやりとげますとも。

【もう一度、しっかり頷いてから。……こちらはすっかり飲み物を平らげてしまっていた】
【だから、男がコーヒーを飲むのを見届けて、それで少しだけ表情を柔らかくさせる】
【頼れる大人が周囲にいることが、何より彼女に安心を齎していた】
【自分はまだまだ子供だから――だからこそ、男の優しさが心にしみる】

ええ――こちらこそ、です。
伊達に元<Justice>だなんて名乗っちゃいません、
何か荒事があれば呼んでくださいね――私、「特攻隊長」ですので。

【コーヒーカップが空になれば、少女は静かに立ち上がる】
【まだ<Justice>の名を出しているあたり、これが妄想であれば重症だと思わせるだろうが】
【貴方なら、きっと信じてくれるだろうか。そんな仄かな希望を燈して】

【最初にしたのと同じような、きっちりしたお辞儀。それを残して、去っていくだろう】

//ここいらでよかったでしょうか!? お付き合いいただきありがとうございました!


223 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/11(水) 03:46:16 IBKicRNQ0
>>169
……キノコが似合うと言われて、どうすればいいんだ私は
ムービー……完全に学生のノリだな。……今の撮影音は……いや、やはりいい

【悔し気な顔の悪魔と、困惑した顔の異形とが、ごく一般的な部屋で向き合うコントのような光景】
【聞こえた写真撮影の音は、もう気にしないことにした。多分、頼んでも消えはしないだろう】

マサジさんのたくましさと探求心には感心するな……
混沌を利用しているのなら、どこに飛ぶのかは貴方にもわからないのかね?

ああ、見事な活躍ぶりだった。天使の死体を盾代わりに神殿を上る器用さにも感服したよ
そのチェーザレさんは、悪魔の中では生真面目な方らしいな

【あの状況で自分が見えなかったのは無理もない。気にする様子もなく、相槌を打つ】


物を支えるのみならず、指替わりにも……便利なものだな

【彼の見せびらかしには、素直に感心した様子で見入る】
【出し入れ自在の器用な蔓。移動にも攻撃にも、大いに能力を発揮するだろう】
【彼がその気になれば、今すぐにでも自分を絞め殺すことすら可能のはず。一応は邪禍の客人である以上、邪禍が止めてはくれるだろうが】

ああ、今までにもターゲット以外がかかったことはあるのか……
(あの顔……邪禍さんや闇沌さんが良からぬことを企んでいる時のそれだ……)

【悪魔なのだから、悪だくみは当然なのだが。やはり悪魔のこういった顔は、恐ろしいものである】


ああ、是非協力させてくれ。悪魔のイタズラに加担出来る、またとない機会だ
ふむ……掃除が楽で、かつイケメンぶりを台無しに出来るような……

【共に木箱をのぞき込む。マサジの帽子と同じ原理なのか、明らかに広い空間。旧友にして宿敵たる生き人形の能力を思い出す】
【数々のラベルは、どのような効果をもたらすが想像しやすいだけに、何とも不穏】
【そこだけでイタズラの専門店が開けそうな木箱の中から、異形は二つを指差した】

――――これと、これなどはどうだろうか

【雑多に転がっていたものの一つであるバケツと、〝圧縮ビニールセット〟とラベルの貼られたものだった】
【「衝撃を与えると、急激に縮みます! 顔に被せてぶん殴れば、一気にブサメン疑いなし!」との説明文もラベルに綴られている】

バケツの中にビニールを仕込んで、蔓が消えると落ちるようにしておく
ターゲットが入ってくれば、落ちたバケツを被ると同時にビニールが発動し、ターゲットがバケツを持ち上げれば現れたるは無惨な圧縮顔と
こういう具合になれば、なかなか絵になるのではないだろうか

【頭のキノコを揺らしながら、至極まじめそうにイタズラ計画を語った】


224 : 名無しさん :2018/04/11(水) 08:22:58 /xWzuiOE0
>>221

うん実験。よくある話よ、わたしの能力をどう利用できるか調べられたり……
わたしみたいな子はたくさんいると思うよ?
そもそも能力自体、元々私が持ってたのか実験で植え付けられたのか覚えてないけどさ

それで、機関の内輪揉めか他の組織との抗争か……とにかく私のいた施設が襲撃された時に逃げてきたの

【機関に対して相応の恨みはあるようだが、どうも具体的な記憶は薄いようで――】
【表情は変わらないが、リオシアの瞳はほんの少し、潤んでいた】

うん、私が触れた水を金属にできるの。確かタングステンって言ってたっけ……
で、で、悪い人に無理やり水を飲ませて胃の中で金属化させて殺そうと思ったんだけど飲んでくれなくてだめだった!

【そして――厳島からの提案を聞き、ポカンとした表情で数秒、止まる】

えっ、そ、それって……お仕事くれるってこと?
うん!じゃあ入る!

【現在無職――いくつか受けた所謂"普通のアルバイト"には面接でことごとく落ちている彼女にとって】
【それは非常に嬉しい提案であり】
【口を開けば驚くほど軽く返事をするが、再びモジモジとしだし】

あっでも軍ってちゃんとした所だよね?
えっと、わたし、職歴もないし……
身分証明書も偽装したやつしか持ってないし……良いのかな

そうだっ、少佐のお姉さんと中尉のお兄さんはなんで軍人さんになったの?

【自分の現況で軍に入れるものなのか疑問に持ちつつ、ヒントを探るように】
【2人に興味を向けた――】


225 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/11(水) 12:43:11 gx3MsOBA0
>>222
//こちらでも乙です!


226 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/11(水) 13:49:53 6.kk0qdE0
>>224

「よくある……だと?」

【良くある話し、と本人は言っているが】
【そのような物、よくあってたまる物か、と怒りを露わにする厳島】
【一方】

「うむ!良く逃げてきたのだよ!大変だったのだよ!」

【そう励まそうとするのは石動だった】

「能力は、なるほど使い方を覚えれば、何ともなる代物だな」
「ああ、立派な職務だ、入営すれば陸戦隊二等兵として給料も出る、食事は営内でも艦隊勤務でもないから食材費が給料とは別途支給となる、住居もこのマンションの一室が充てられる、制服や装備も支給だ……最もこちらは自己調達したい装備に関しては自己負担だがな」

【櫻国の官吏の扱いとなる、待遇に関してはこの通りの様だ】
【だが、リオシアの顔は再び曇りはじめ】

「ああ、そんな事か……」
「現地徴兵に応じるには、複数士官か下士官の推挙と、佐官相当の士官の許可が必要なのだよ」
「即ち、推挙及び許可した士官が身元引受人、保証人となる訳だ」
「この場合は俺達だな……故に身分証、戸籍に関しては問題が無い、また櫻国海軍としての身分が正式に与えられる事になる」

【そう、少女の不安に答える】
【現地徴兵制度、陸戦隊及び陸戦隊諜報部にのみ与えられた権限で、現地の人間で見込みのある者】
【あるいは、必要と思った人材を海軍兵として登用する事が出来る制度】
【しかし、櫻国外で言わば特別な任官方法であるため身分、戸籍等の問題が発生する場合がある】
【それに対応する為に、現地徴兵には身元引受人、保証人の制度があり】
【これには通常、推挙あるいは許可した士官がなる事が決まっている】
【つまり、戸籍や身分証の問題は、この場合皆無と言える】

「最も、偽装身分証など保持して使っているのだ、ある意味将来有望だと思うが……」

【微笑交じりに、そうも言う厳島】
【やがて】

「私は、櫻国の医科大学の学生時代にスカウトされてね〜、何処に行くか定まって無かったし、研究もさせて貰えたから、卒業後にそのまま乗っかっちゃったのだよ!士官待遇なのだよ!」
「俺は、まあ良くある話だが、家は寂れた漁村の貧しい漁師でな、幸い能力者な上勉学は何とかなていた為に士官学校を受けた、それから合格して、今に至る訳だ」

【あっけらかんと話す石動と】
【目を閉じ、まるで過去を懐かしむような、そんな表情で話す厳島】
【櫻国の貧しい家の、それでも学問が出来る、能力のある子供がキャリアを積む方法】
【その内の一つが海軍士官学校だと】


227 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/11(水) 14:20:52 wg3NHxpU0
>>212

【公園の奥、ガサゴソと奇妙な音が響く】
【やがて現れる巨大な体格、ゆったりと大股で二人に近づくだろう】
【悪臭、食事時には似合わない猛烈な腐臭が男からはする】


く、くく……ひゃはは……!! 肉、肉だ……!!
もう三日も何も食ってねぇもんな……っ、ふ、ふへへ……!!
なぁ、悪いなぁ、悪いけどちょっくら……


【──"死んでくれや"──】

【奇妙な笑みを浮かべたかのようなホッケーマスクを被った大男が近付いてくるだろう】
【ボロボロになった米軍の迷彩服、所々に何年もたった血の跡がついている】
【腕も足も筋肉ではち切れそうな程、素手で人を屠れそうな見た目をしていた】

【大男は懐からサバイバルナイフを取り出すと右手に握り、二人に接近する】
【背後から男の首にナイフを突き立てようと振りかぶった】


228 : 名無しさん :2018/04/11(水) 16:53:43 /xWzuiOE0
>>226

じゃあ、わたしでもなれるの?
お仕事も家も貰えて……色々教えてくれて……

【石動と厳島の説明、そして軍に入った経緯を聞くうちに、リオシアはぷるぷると震えはじめた】
【ただしそれは怯えているわけではなく──】

なんで、なんで会ったばかりのわたしに、そんな優しいの?
それに、身元保証人って……私が悪いことしちゃったら責任とる人だよね?
信用してくれるの?また悪いことするかもしれないよ?
う、ひっぐ……

【リオシアの瞳からぽろぽろと涙が零れ落ちた】
【初めて、あるいは久々に人の優しさに触れたかのごとく──】

うえぇぇん……

【零れ落ちた涙は金属に変化し、ドサドサと小さな金属片がベッドに積もっていくが】
【そんなことにはかまわず、泣き喚いた】
【──能力の制御が効かなくなっているようだ】

【そして 一通り泣きはらした後、絞り出すように】

入る……
わたしも、少佐のお姉さんと、中尉のお兄さんみたいになりたい

【答えは決まったようだ】


229 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/11(水) 17:08:54 nWC3eN2.0
>>203
【もっと笑って欲しかった。悩んでいるなら助けたかったが、】
【まだ心を開いてくれるほどの信頼はされていないようだ。】

【そりゃそうだ。だってさっき知り合ったばかりなのだから。むしろ】
【そんな相手に打ち明けてくれるのだから、優しい方だ。】

【ゾーイはもっと笑えるような親交を深めていく必要があると感じた。】
【だからもっといろんな話がしたかったし、他の人間のように遊んだり】
【とかもしたいと思った。】

いえ、私は詩織さんのおともだちなので。

【手が離れたときに、ほんの一瞬、ほんの数ミリ悲しそうな顔をした。】
【本当はもっと悲しかったが、表情にはでない】

勿論です、私も調べておきます。だから…

【「悲しい顔をしないで」といいかけて、その言葉は飲み込んだ。】
【残ったロボットはその後ろ姿に小さく手を振っていた。】

【そして、帰り道。繋いだ手の感触を思い出しながら】
【連絡先を聞くのを忘れていたことを思い出す。】

【そして、しばらくはあの公園に、定期的に通うことに決めた。】
【ちゃんとこれは忘れないようにしよう。舞い上がってしまわずに。】

//お疲れ様でした!長い期間お付き合いありがとうございました!


230 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/11(水) 20:07:47 BRNVt/Aw0
>>199

【指の隙間から見える鈴音の顔は悪戯っぽく笑っていて】

【今日はここまで、なんて言われれば顔から両手を取って、まだ少し赤い顔をしながら「もー!からかわないでよー!」なんて頬を膨らます】

【そうしながらもなんだか本当に同年代の友達とお喋りしているみたいだなぁと思って】


【けれどもその後に「新聞記者が情報収集なんて」と疑問を呈し「悪い事だと思ったらすぐやめて、その後の仕事は私が見つけてあげるから」などと言われれば、ああやっぱり私よりも生きてきたひとなんだ、と思われて】

【そんな場合でもないのに、何だかお姉ちゃんみたい、などと心の中で呟いて】

【それでもすぐに思考を切り替え】

んー……何でだろう?

(……本当は成り行きみたいなもんなんだけどなあ……)

【心当たりを考える振りをして皿の上の魚をまた一口食べて】

【手伝いをすれば報酬を貰う手筈、これは本当。内容は情報収集、これも本当。ただし、新聞記者──というのは相手方がはじめに吐いた嘘をそのまま持って来ているだけでそれは"嘘"。本当はもっと違う"職"と"立場"の人間なのだが】

【鈴音も恐らく"彼"と会ったのであれば"同じ嘘"を吐かれている筈、なのだがそれに行き当たるのかは分からないし、その"嘘"とそこから導き出されるだろう『つがるが集める手筈になっている情報の内容』に気付けば多分いい顔はしないのだろう】

【内容については触れていないがあまり良い内容の情報収集ではないのだ】

【なにせ──先頃沈んだかの豪華客船とそのパトロンについての事と、カノッサ機関の事と。その情報を集めて欲しい、という事なのだから】

【そうして、悪い事だと感じたならすぐやめるように言われれば、ん、約束する、と頷いてまた魚をぱくり】

【危険、についてはどうなんだろ……あ、これホント美味しい、などと思いながら】


231 : 名無しさん :2018/04/11(水) 20:28:21 OZmk3zkQ0
>>230

――――からかってなんかないよ、偉くって、いい子に、よくできましたってね、褒めてあげるんだから。

【ね、からかうのとは違うでしょ――】
【そう言いたげな顔だった。その時点でだいぶからかっているように見える、悪気がないのが相手からすればかえって厄介かもしれなくて】

【――ただ。話題が変われば表情も変わる。新聞記者と名乗った、全く違う肩書の男のことは、知っている。だけど】
【新聞記者は世界中にたくさんいるだろう。まして、軍人ともあろう人間が、全く無関係の、一般人。それも、まだ、大人でさえない――を使う"はずがない"】
【だから思いつかない。繋がらない。軍人というのはもっと――清いイメージがある。たとえそれが勘違いだって、一般の子供をこんなことに巻き込むだなんて思いもしなくて】

【へんなひと……だと思った。ただ、やはり、相手の目の前では変だとは言いづらい。訝しんでいる、というのは相手も見て分かるだろう】
【少なくとも彼女の知る記者――は、もっと、違った。きっと彼ならそんなことはしないんだろうなってふっと思って、だけど昔のことだと、思い出を一度しまい込む】

――――とにかく。悪いことかなって、危ないことかなって、思ったら、すぐに教えてね。
相手のひとがなんか言って来たら、それも、全部わたしに言って。何か危ないことに巻き込まれそうになったら、ここに逃げてきていいし――、

多分……、つがるちゃんのほうからかけて来る分には、平気だと思う。だからいつだって連絡してね、電話より、メールとかの方が見られると思うけど……。
急だったらいつでも鳴らしていいから。ほんとうに――、

【どうやら本当に心配しているらしかった。同郷……というわけではないが、櫻の国にはどうしても親近感がある。その山から来た、ヒトではない、彼女へ】
【自分と同じ――だなんて言ったら少し失礼かもしれないけど。親を亡くした相手へ、思うところがある。まして――奇妙な新聞記者の存在を聞いたなら】
【ちらっとでも怖いことがあったら逃げて来いと念押しする、最悪間にも立つ、そう言って。それからカウンターの片隅に置いてあったブロックメモを引き寄せると】
【かりかりと書き記すのは数字と文字の羅列。電話番号とメールアドレス。それからまた違った電話番号――「これはUTの」と付け加えて。それで、相手へ渡そうとするだろう】

【――ただ。少し物騒なことも言っていた。相手からなら平気だと思う――何が、かは、分からないけど】
【それにつがるからの連絡なら、見られても、あまり困ることは――ないと、思う。そんな風に考えながら。それをごまかすための指輪はあったけれど】
【渡すつもりは、なかった。協力者たちの中で使っているものを迂闊に渡して、つがるが"そう"だと判断されたら。それこそ――巻き込むことに、なってしまう】


232 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/11(水) 20:42:01 6.kk0qdE0
>>228

「ああ、なれるさ……」

【ここで初めて、厳島は笑顔らしい笑顔を見せる】

「ただし、教育と訓練はしっかりと行うぞ」

【そしてそれを自分で察してか、取り繕うようにこう言って】

「君はもう、それが悪い事だと知ったのだよ、だからもうしないのだよ」

【石動がそっと手を添えて、こう答えた】
【あくまで今までの行為は、教育と彼女の生い立ちがそうさせたもの】
【状況さえ変われば、それらは是正されるもの、と】

「決まりなのだよ!」
「荷物はあるか?部屋は直ぐに準備ができるが……」
「装備と被服、教本、手続きの書類はこちらで発注するのだよ!」
「頼みます少佐」

【金属片と化した、少女の涙を拭い集めながら】
【石動と厳島は、そう言う】
【イレギュラーな形ではあるが、新しい海軍二等水兵が入営するようだ】
【少し、ほんの少し慌ただしくなるだろう】


233 : ◆Heckemet8M :2018/04/11(水) 21:07:15 u1dxVMlM0
>>223

「そォーだな、まあ誰かに自慢しようぜ!」

【……当然のように撮影したことを告げず、まるで何事もなかったかのようで】
【もしかすると、無茶振りをしてごまかしているのかもしれないが】

「まあ俺も確実にここに飛ぶとは言えないが、一応調整はしてるぜ」
「あくまでも、俺がしたいのはイタズラ。重症を負いそうな場所は避けたいもんねー」
「小島とか、砂漠のオアシスとか、雪山の洞窟とか、ヨルムンガンドのエリアとか……あと何があったかなァ?」

「チェーザレはホント真面目で困っちゃう。その癖、女性を見れば口説きにかかるしよォ〜」

【そして、ため息を1つ。――】


「そう。ここ……俺の別荘に限らず、色んな所にトラップ仕掛けてるんだけどよォ」
「誰でも良いから掛かって欲しい奴はともかく、そうでない奴はターゲットが来る前に別の奴が引っかかるなんてよくある話」
「マサジを引っ掛けようとして仕掛けたトラップにオオハシのハッシーちゃん引っかかってた時は盛大に笑ってやったけどな!」

【――先程の携帯端末に表示される1枚の写真。その内容は】
【罠に引っかかり、どういう原理かは不明だが亀甲縛りで木に吊るされるオオハシの姿だった】
【……、……こいつにカメラの類を持たせるのは、なかなか危険である。既に持ってしまっているが】

「――おー、カニバディール! お前、なかなか探す才能あるんじゃあねーか? その箱そのうち整理整頓しねーとなー」
「ともかく、動画としても面白そうな絵が撮れる気がするぞ!」

【――どうやらお気に召したらしい。早速と言わんばかりに、カニバディールが指差す2つの物を蔓で捕らえて箱から出す】
【その手際の良さはかなりのものだ。トラップを仕掛け慣れていることが、そして能力を使いこなしていることがよく分かる】
【また、先程よりも視界に入りづらいように、他の物と同化するように仕掛けられる】

「よーし、後はチェーザレちゃんを……おっ、メッセージ」

【"あと少しで着く。イタズラ仕掛けてたらぶん殴るからな"】


【そのメッセージの通り、トラップを仕掛けてからそれ程の時間を要さず聞こえてくるノック音】
【"おー、来たか! 入れよ。"……そんな返事を終える前には既にその扉は開かれていて】
【その姿は――ジュゼッペと共闘していた、泡を使う能力を持った太陽の悪魔だ。彼がチェーザレなのだろう】
【――かなり警戒されている、トラップの存在を。そんな時でも平静さを崩さず、漫画の続きを読むジュゼッペ】

「んもー、何警戒してんの」 『絶対何か仕掛けてんだろ』
「仕掛けてないから。お客さん来てるんだし、早く入れって」 『……あっ、はじめまして』

【言われてからようやくカニバディールの存在に気づいたらしいチェーザレ】
【それに気を取られたか、あるいは流れか。無防備な状態で玄関から室内へと侵入】
【――面白いほどに狙い通り引っかかってくれるだろう、その様子をジュゼッペは動画で撮影――ノックしたところから、隠し撮りは既に始まっていた】

『ジュゼッペ、貴様ァ……!』 「声がくぐもってて聞こえませーん」

【酷くなった見た目の顔で文句を言うチェーザレを尻目に、ジュゼッペはカニバディールへ"成功だぜ"の目線を送った】


234 : ◆Heckemet8M :2018/04/11(水) 21:19:32 u1dxVMlM0
>>227

「なんだァ? 熊でも出てきたか?」 『……いえ、おそらく人間でしょう』

【音に反応はしたものの肉を食すことを止めない男、即座に振り向いて姿を確認すれば肉を焼くのを止めて杖を構える女性】
【――いや、男は肉を食すのを止めてベンチから立ち上がった。女性もそれに続いて立ち上がる】

「……嫌いなタイプの臭いがして食欲失せたぜ」

【心底不愉快そうな表情の男。――しかし、好戦的そうな見た目や雰囲気とは裏腹に、手を出してくることはなく】
【だが、ナイフを突き立てようとしてくるのを見れば、女性をその場から遠ざけるように腕を動かしつつ】
【もう片方の手で、ほぼ反射的にその手首かナイフそのものを掴もうとする】

「ちッ……!」 『肉くらいあげますから、落ち着いてください。調味料も用意しますよ』

【――もし掴まれたとしても、手首やナイフをそのまま握りつぶされることはない】
【本当に掴んで抵抗するだけなのだ。いや、時々力を込めようとしている様子もあるのだが……すぐに、掴むだけの力に戻る】
【まるで見えない糸に縛られ引っ張られているかのような、そして不自然な挙動。】

【なお、手首かナイフを掴むことに失敗した場合は即座に回避行動を取る】
【サイドステップによる回避だ、助走なしでこれだけの距離を稼げるのは高い身体能力の証】

【どちらの場合でも、女性の杖に魔力が宿り始めるだろう】


235 : 名無しさん :2018/04/11(水) 21:19:59 5w/a9BZQ0
>>232

あ……ありがとう!
わたし、たくさん勉強してお姉さんたちと一緒に働けるようにがんばるね!
えっと、2等兵から少佐ってどのくらいでなれるのかな

【しかしやはり軍隊の階級制度のことはよく分からないらしく――】
【どうも気楽に士官にまでなろうとしている】
【きっと教育する人間は苦労することだろう】

ううん……やっぱり悪いことと良いことってよくわからないけど……
でも、でも、お姉さんたちに嫌な思いをしてほしくないって気持ちはわかるもん
勝手に人を殺したりしない!

【目をゴシゴシとこすり、少し赤くなった顔でニコッと笑う】
【添えられた石動の手をぎゅっと、両手で握り――】

荷物、荷物、うーんと、一応、町の小さい古い倉庫を勝手に家として使ってたけど
たいしたものはないからもういらない!
はやくはやく、新しい暮らしをしたいな!

【楽しみだなぁ、と――】
【将来の自分の姿に、思いを馳せた】


236 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/11(水) 21:27:53 09NSuBfc0
【路地裏】

【狭く、じめじめした、明かりの乏しい路地裏。この街の裏側】
【銃声、銃声、そして断末魔。瞬く閃光は人の命の最期の灯火】
【路地裏を奥へと進むたびに、一人、二人と死体が道標のように倒れている】

【硝煙の臭いが鼻につく。4人目が作り出した血溜まりは、側溝に流れ落ちる】
【その先は、靴痕が続いてる。血が点々と―――その先のゴミ溜めにそいつはいた】

――誰かいるのか?すまない…よく…見えないんだ。

【しゃがれた声の主は、申し訳なさそうに言った。煙草の臭いがする】
【全身、血だらけの男が壁によりかかりながら座り込んでいる。真っ赤な目をしていた】
【瞳は黒くて、それ以外が赤。手に煙草、転がり落ちてるリボルバー】
【黒髪はオールバック、ブラックスーツにもとは濃紺だったであろうシャツ】
【呼吸は辛そうで、近くには薬の吸引器みたいなものが転がっていた】





【そしてこれは別の路地裏の別の話】

【全く別の街、別の日かもしれないが時間は同じような時間帯】
【なんの理由かで路地裏を歩いてた貴方(貴女)は、その行き止まりのはずの場所で】
【緑色のドアをみつける。唐突に、それはそこにある。ドアだけぽつねんと立っている】
【決して捨てられているわけでもなさそうだ。木製で金具は真鍮かなにか】
【取手は丸ノブで鍵穴は古いタイプ。覗いても暗くて何も見えない。】

【どう考えてもそれはおかしい。ただ、ドアであるからどこかにつながっていると考えるのが筋だ。】
【でもどこにつながるか。何もないところにドアだけあるのはありえない】

【となると、それを開けてみたくなるだろう。理由は様々。ただ、運命であることは間違いない――――】


―――ようこそ、ホテル“レオンハルト”へ。


/上か下かどちらか選ぶやつです!よろしければ!


237 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/11(水) 21:31:01 BRNVt/Aw0
>>231

……んー、誉めてくれる分には良いんだけど……本当にあまりやり過ぎると調子乗っちゃいそうだから……程々に、ね?
【からかってなんかないよ、と言われればつがるはそれを素直に受け止め、それでもなるべく程々に、と苦笑する】


【そして表情を変える相手。訝しげなその表情に、言い方が悪かったんだろうか、と少し表情を強ばらせ】

【嗚呼……何かごめんなさい厳島さん……とその場にいない相手に心の中で謝罪する】

【そして、悪い事や危険な事だと疑ったらすぐ連絡してほしい、相手が何か言ってきたらそれも伝えてほしい、などと念押しされればその気迫に少々圧倒されながらもこくりと頷いて】

【此方からかける分には平気、でもメールの方が見られる、という言葉には一瞬その意味を考えるが】

【そこは正義の組織だし、今はこんな御時世だし、そういえばさっき鈴音もちょっと疲れているっぽかった、などという事を思い出して】

【魔制法の成立で非能力者から目をつけられてて迂闊にUT側から連絡をすると反逆罪みたいなアレ辺り──正しくは『テロ準備罪』なのだがつがる自身はその単語を知らない──をでっち上げられてしょっぴかれる恐れがあるからそうなんだ】

【などというぶっ飛んだ解答を弾き出して、そういう事なら仕方ないか、と納得する】

【そうして鈴音の電話番号とアドレス、UTのそれが書かれた紙を受け取るときちんと仕舞い込んで】

【色々とありがとう、とお礼を言う】

【その後は魚を摘まみつつ故郷の寺子屋ではどうだった、この間閉店後にUTに来た時はこうで、一緒に来てくれたユウトさんがこうで、などと当たり障りのないお話なんかをして】

【そうして食べ終えればきちんと「ごちそうさまでした」と手を合わせて挨拶をして、お金を払って宿に戻っていくのだろう】

【何にせよ、彼女にとって今日の出会いが大きな収穫になったのは間違いないのだろう】


/この辺りでよろしいでしょうか
数日の絡みありがとうございましたー!


238 : 名無しさん :2018/04/11(水) 21:40:51 S/DUh6T.0
>>234

【ナイフを持った腕を掴まれる。長く洗っていないのだろう、迷彩服の感触は嫌な滑りがあった】
【男は舌打ちを一つ加え、振り払おうと右手を振り回す】
【体格からもわかる様に強い力だ、気を抜けば振り払われるかもしれない】


く……くく、ひひひ……ああ悪いな、俺が欲しいのはその肉だけじゃねぇんだわ
そこの女みてぇなやわらかい肉も、大好物なんだよ……久しく味わってねぇしな
男はお呼びじゃねぇんだよ! とっとと失せて、女置いてけ

それともなんだ? あん、てめぇの女かよ?
はん! 全く釣り合っちゃいねぇなぁ! いい女ってぇのは強い男の傍にいるもんだ!
このトゥイーギ=ラミレズ様とかのなぁ!!


【男はもう片方の手で、懐から拳銃を取り出す】
【慣れた手つきだ。粗野な口ぶりに反して戦いの動作は訓練を受けたもの】
【銃口を、自分の傍に居る男に向け、その肩に躊躇なく発砲するだろう】


239 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/11(水) 21:57:34 6.kk0qdE0
>>235

「ッ!?」

【叩き上げ希望だと!?同時に二人は思ったと言う】
【リオシアの言葉は中々に驚かされるものだった】

「う、うーん、よっぽど得意な技能で功績を積んだなら解らないのだよ」
「でも普通は、兵からだとそこまでは中々行けないのだよ、運が良くて数十年とかなのだよ」
「それならば、ある程度勤めて、勤務しながら士官学校を受験するのが早いのだよ!」

【中々に将来有望な大望ではないか】
【ここは微笑ましい所だ、石動は微笑みながら、上記の様に説明した】

「約束だ、その代わり戦闘訓練もちゃんと行おう」

【少女の言葉に、しっかり約束を取り付け】

「解った、では部屋は曹長の隣が開いている、そこを使うといい」
「これがカギなのだよ!」

【石動がカギを手渡しながら】

「装備、教本、制服は後日届くだろう、それまでは座学を中心に教育を行う」
「家具は、ベッド、布団類、テレビ、テーブル、クローゼット、は揃っているが日用品や私服、下着類は何もない」

【後で買いに行こう、そう告げて】
【最も下着類も含まれている辺り、この厳島と言う男はあまりそういった部分には頓着が無い様だ】


【尚、余談ではあるが後日届くこととなる装備である】
【31式歩兵銃:ボルトアクション式の長い小銃、海軍陸軍共に兵のメインアーム】
【海軍28式自動拳銃:海軍士官標準の大型自動拳銃、水兵が持つ物ではないが、諜報員と言う特殊な役目故に所持を推奨されるもの】
【海軍30式銃剣:いわゆる小銃に着脱可能な大型ナイフ】
【水兵服Ⅰ型:所謂白のセーラーに帽子、パンツスタイル、対魔能防御の特性があり、法衣として機能する、肩の部分に階級章が縫われている】
【水兵服Ⅱ型:カーキ色のパンツスタイルの陸戦服、上記同様に対魔能防御の特性があり、法衣として機能する、上記二つの内一つを選んで身に着ける形となる】
【その他:弾帯、鉄帽、折り畳み式スコップ、水筒、飯盒、背嚢、弾倉嚢、拳銃嚢】


240 : ◆Heckemet8M :2018/04/11(水) 22:02:44 u1dxVMlM0
>>238

『ああ、なるほど……』

【ある程度予想が付いていたのだろうか、それとも元々の気質か】
【相手が狙っている"肉"が、自分たちが食べていたそれ以外にもあったことに対してあまり驚きを見せず】
【しかし、当然のように警戒心は高まった。それは相手の危険さに対するものでもあるが】

『(私狙いとなると、ヘケメトも心配ですね)』

【ちらりと、男の方を見た。】


「……アウは俺のモンだ、あんたには"絶対に"やらねェ」

【ある程度強い力を加えられれば、あっさりと腕への拘束は解かれるだろう】
【――その力に対して抵抗すれば、相手の腕に青あざを作るかもしれない。その程度の力が、ボーダーライン】

【振り払われても体勢はほとんど崩さず、しかし若干の距離を勢いのまま確保】
【その行為が仇となったか、右肩に対して命中する銃弾。血が流れ出る】

「あんたに喰われるくれェーなら、俺が喰う!」

【男はこの状況でも攻撃をしかけては来ない、代わりに女性の方が行動に移る】
【その杖から発射される魔力の弾丸は相手の胴体めがけて飛んでいく】
【――だが、当たってもダメージは殆ど無いだろう。代わりに、一時的にだが"筋力"を少しだけ下げる効果がある】


241 : 名無しさん :2018/04/11(水) 22:09:50 OZmk3zkQ0
>>237

【――さて、そのあとのことは。櫻の寺子屋のことや、閉店後のこと。ユウト――という人物はまだ会ったことがないけど、最近ではよく名前を聞く】
【ていうかその日も奥で寝てたかも、とか、そんな話をこちらもするのだろう。この前通りがかったところの桜がきれいだったとか、そういう話もきっとして】
【また櫻の国にも行きたい――なんてそんな話もするのかもしれない、ならばきっと続くのは「転移の魔術ですぐ行けるんだけど」「それだとなんだか寂しいから」】

【そして、相手がきれいに食べ終えれば、こちらも長く引き留める理由はない。なんせ夜だ、相手も早く帰った方がいい――ということで、店先までは見送るだろう】
【「またね」「気を付けてね」――そんな風な言葉がおしまいになって、相手がいなくなれば、彼女もまた店の中に戻って行く】

【そのあとは――給仕の機嫌も戻ったらしいとみた客にいっぱいの注文を受けて。それでまたちょっと拗ねた目をしていたのだけど――余談】

/おつかれさまでした!


242 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/11(水) 22:13:11 S/DUh6T.0
>>240

【魔力の弾丸が男を撃ち抜く、あん、と軽く声を上げて】
【痛くねぇなぁ、と言葉を紡ごうとして止まった】
【踏み込む足の感触、僅かばかりに軽くなってる】


チッ──!! なんだてめぇら、能力者かよ!!
余計にムカつきやがるぜ、てめぇらみたいな!! そうさ!!
テメェらみたいな奴がいるから! 俺の生活はメチャクチャになった!

ヒャハハハハハ!!! 良い気分だぜ!!
クソムカつく能力者を二人もぶっ殺せるんだからよぉ!!!
死ね、死ね! そして、死ね!!


【男は一旦引いて距離を取るだろう、言葉とは裏腹に判断は冷静だ】
【筋力が低下している、とすぐに気づく】
【長年この身一つで戦い抜いてきた、だからこそ】


そっちがその気なら! こっちも使わせてもらうぜ!
Never Ending Nightmare!!


【男の周囲を中心に、二人を合わせて、三人を取り囲むように砂嵐が吹き荒れる】
【地形はそのままに、環境だけが砂漠へ変化していく】
【砂が吹き上がり、ムチのようにしなって、男と女にそれぞれ向かう】


243 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/11(水) 22:26:28 BRNVt/Aw0

【つがると鈴音の邂逅から数時間後──】

【厳島の元に一通のメールが届く】

CAT Under The WINDow

【──猫、窓の下いる】

【一見すると拙い文章なのだろう】

【しかし、連絡としてこのような文章を送るだろうか?】

【恐らく、つがるなりの暗号、なのだろう。導き出されるだろう答えはきっとただの報告なのだろうけど──】


244 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/11(水) 22:30:55 6.kk0qdE0
>>243

『委細了解、猫に会いに行こう』

【間を置かずに、つがるの端末にはこの様なメールが入る筈だ】
【必要物を持って、会いに行くと】


245 : 名無しさん :2018/04/11(水) 22:34:06 5w/a9BZQ0
>>239

よくわからないけど頑張れば良いんだね!わかった!

【石動から説明された士官を目指す方法を雑に理解し―――】
【路地裏で怪我して良かった―――なんて運命的な出会いに感謝しつつ】

曹長さん……?
どんな人かな。仲良くしてくれるかな
鍵!私の部屋!やったあ!

【まだ見ぬ隣人にも興味を示し】
【手渡された鍵をひったくるように受け取った】


【その後、手続きを終えれば――】
【与えられた部屋のベッドにばふっと思いっきり飛び込み】
【死んだようにぐっすりと眠るだろう】

【この日、少女の運命は、大きく変化し】
【"櫻国魔導海軍・二等水兵"リオシア・ステロヴァニエの歩みが始まった】

//お疲れ様でした!ありがとうございました!


246 : ◆Heckemet8M :2018/04/11(水) 22:44:42 u1dxVMlM0
>>242

「八つ当たりかよ、俺は関係ねェーぜ! ただでさえ能力者相手するよりよっぽど面倒な状況に置かれてるっていうのによォ」
『……ある意味分が悪いですね、これは』

【男は相手と女性の間に立つように、つまり盾になるような位置取りを始める】
【見た目通りの前衛系だろうか、その左腕にエネルギー……熱と生命の、……気合のエネルギーが宿り】
【同一のエネルギーが、銃弾の命中した右肩にも宿る。――そして、幾らかの血とともに飛び出すは銃弾】

「アホみてェな言動してるクセに的確に動きやがって……」 『あなたが言いますか、それ』
「しかし、この砂嵐……くそッ、次はどこからくるッ!?」

【吹き荒れる砂嵐を腕でガードしつつ、どうやって凌ぐべきかを考える2人】
【――結論が出る前に、彼らに砂のムチが襲いかかった】

「気ィィ合のォ〜……庇護ッ!」

【男の左腕に宿っていたエネルギーが全身に駆け巡り、その状態で女性を包み込むように抱きつく】
【そして、その状態のままムチの範囲外へと移動すべく低く長い跳躍を行う】
【――男のその背にムチが命中し、着地に失敗。しかし、女性が地面となるべく接触しないように素早く体勢を変えた】

『仕方ありません。弾丸代の分、貯蓄は減りますが――ロックオン』

【跳躍のタイミングで女性のポケットから取り出されるは、一丁の拳銃。よくある普通のタイプで、銃弾は既に装填されている】
【女性の杖から放出される魔力の弾丸は彼女自身に命中、そして男が地面を滑っている状態の時に、片手で発砲した】

【素人の撃ち方で、反動も流しきれていない。だが、その狙いは非常に正確だ――男が拳銃を持つその手に対して、一直線に弾丸は向かう。】


247 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/11(水) 22:54:00 S/DUh6T.0
>>246

【女が放った弾丸が的確に男の手を捉える、苦悶の声を漏らし男が拳銃を落とすだろう】
【”なんつー腕前だ”男は内心そう思った、こんな砂嵐の中、どんな腕前をしているのか、と】
【そうは言っても埒はあかない、鼻息荒く男は叫ぶ】


ヒャハハハハハハ!! 見せつけてくれるじゃねぇか!
随分とまあ仲が良いようで! 睦まじいねぇ、羨ましいこった!
こちとら恋人も家族も皆白い目で見やがる! どうして帰ってきたってなぁ!!

国の為に戦って! 家に帰りゃ犯罪者扱い!
居場所がなくなって軍に戻りゃぁ、こんな化け物の巣窟に放り込まれる!
ああ! クソクソクソ!!! 腸が煮えくり返りやがる!!


【血を流す手を抑えながら喚くだろう、届くかはわからないが】
【男の憎悪に呼応するが如く、砂嵐が勢いを増し強く吹き荒れる】
【視界が急激に悪くなってくるだろう、男の姿も人影しか見えない程】


見えねぇだろ? 見えねぇよなぁ、そんな中、雨のように銃弾が降ってくるんだよ
ひでぇよなぁ、俺もそう思うぜ、人間の仕業じゃねぇって
生憎と現実さ、クソッタレな現実だったのさ!!


【放たれる銃弾、男の声がする方向から乱射される】
【狙いも何もあったものではない、だが、弾幕としては十分だろう】
【男自身も身を伏せて弾丸を回避している、おかしな光景ではあるが】


248 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/11(水) 23:06:25 6.kk0qdE0
>>245

「じゃあ、この書類はこっちでサインして提出しておくのだよ!」
「必要な物も発注したし、直ぐに届くのだよ!」

【石動が書類の記入終了後に、リオシアにそう告げた】
【やがて、部屋を出る前に】

「重要な事は幾つかあるが、先ず君の身分は櫻国海軍陸戦隊諜報部だ」
「諜報員である以上、自分の身分はおいそれと他人に名乗らない事だ」
「偽装の身分は追って用意して渡そう」
「制服も、魔力回路に繋げて、私服等から一瞬で更衣出来る状態にしておくのが望ましいな」
「被服到着後に、やり方は教えよう」

【と、重要な事を告げる厳島】
【だが、表情は一瞬で綻び】

「では、これから色々な事が君の身に起こるだろう」
「しかし、君の航海は始まったばかりだ、出来るならばどんな荒波にも打ち勝つ力を身に着けて欲しい」

【一呼吸おいて、そう伝える、よろしく、と】

「では、明日は六時に総員起こしだ!本日は解散!」

【部屋を出るリオシアを見送る】

「良かったのだよ?」
「こうするのが一番の得策でしょう、彼女の人生の帰結は彼女で決着を付けなければならない、その為の助力に過ぎません……」

【リオシアの航路は何処に向かうのだろうか?】
【それはまだ、先の物語、それはまだコンパスも無い大海原の物語だ】

//ではこのような感じで〆をば
//お疲れ様です!ありがとうございました!


249 : ◆Heckemet8M :2018/04/11(水) 23:19:18 u1dxVMlM0
>>247

「おい、片手打ちとか……肩外れるだろッ」 『大丈夫です。肩が痛むのはお互い様ですので』

【まずは女性がその場に立ち上がり、続いて男性が左腕を用いつつゆっくり立ち上がる】
【女性の拳銃を持つ腕が心なしかだらんとしているように見えて、けれども動かせるので肩は外れていない様子】


「――生まれた時からゴミ扱いよりは、マシだろ。」


【あれ、今、俺は何を口走って――男は、額に左の手のひらを当てて】
【そもそも生まれた時の記憶なんてどこにもない。――気づいたら、あの場所にいて、……】
【頭が痛む。ここ最近、……力を縛られたあの時から、どうも頭痛の頻度が高くなった。】

『さすがにここまで酷く吹き荒れると、"ターゲッティング・サポート"だけでは厳しいですね』

【吹き荒れる砂嵐。男の姿もよく見えないし、たとえ正確に狙いを付けたとしても銃弾が飛ばされかねない】

「銃弾ッ、……どォーするこの状況!」 『……ヘケメト、少し気合を貸してください』 「アウ、あんた両手塞がって――いや、問題ねェか」

【目の前に銃弾が着弾した、狙いがないとはいえどもいつかは当たる。】
【女性の杖に魔力が宿っていく。同時に、男は女性の首筋をがぶりと1噛み。――】

『いえ、手のひら経由で良かったのですが、…………気合の……リフレクト・シールド!』

【そして、2人の周囲に展開されるドーム状の盾。それに銃弾が当たれば、あらぬ方向にへと反射して】
【反射の方向は特に制御されていない、故に反射された弾に当たるかは――運か】

【なお、銃弾を反射する度に盾に宿った気合のエネルギーが散っていって、そのうち無くなる】
【その状態になれば、すぐに盾は壊れてしまう。が、代わりに反射の方向が少し正確になる。弾は、大体の男の方に反射する】

【そうなったら、盾となるのはこの男。――急所は避けたようだが、何発か命中した様子】


250 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/12(木) 00:05:14 BRNVt/Aw0
>>244

【翌日──】

【風の国・とある喫茶店】

【静かな雰囲気の店内。疎らな客の中に紛れ席に座る一人の少女】

【水色の猫耳のついたフード付きのケープのフードを目深に被り、白いブラウスに青いスカート姿の十代半ばの少女だ】

【少女は辺りを気にしながらたっぷりミルクの入ったコーヒーを飲んでいる】

【どうやら誰かと待ち合わせをしているようで】


251 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/12(木) 00:12:26 6.kk0qdE0
>>250

【静かで落ち着いた店内からは、外のオートバイの音も聞こえるだろうか?】
【やがて、オートバイは店の横で停止、そのまま駐車】
【やがて、ドアベルの音】

「今日も海は穏やかで、向こうの島の猿は今日も元気でしょうね」

【その少女の斜め背後から、そんな声が聞こえるだろう】

「ディミーアや曹長ならば、そう言っている所だが」
「久しぶりだなつがる、元気にしていたか?」

【少女の目には、そう話しかける暗いネイビーカラーのスーツの男性が映るだろう】
【その手には何かを抱えながら】


252 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/12(木) 00:20:41 BRNVt/Aw0
>>251

【外から聞こえるのはオートバイの音。静かな店内からは彼女の聴力も相俟っていっそうよく聞こえて】

【新しいお客さんでも来たのだろう、とつがるは気にせずコーヒーをまた一口】

【やがてベルの音が聞こえ】

【不意に斜め後ろから聞こえたのは不思議な言葉。あ、知ってる声だと慌てて振り向けばそこには厳島の姿】

あっ!お久し振りです厳島さん!
【慌ててぴょこりと頭を下げて挨拶する】


253 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/12(木) 00:27:59 6.kk0qdE0
>>252

「ふむ、元気そうで何よりだ……UTには無事に着けたか?」

【ぴょこんとお辞儀をするつがるに】
【怪我も病気も無く元気そうだ、と安心した様な顔を浮かべて】
【向かい合う椅子に座る、自分は紅茶を注文し】

「先ずは、これを渡そうと思ってな……これが無ければ不便だろう」

【すっと渡されたのは、銀ヶ峰つがるの名義で作られた通帳とキャッシュカード】
【中を確認すれば、そこそこのお金が予め入っている】

「それは第一の任務の報酬だ、受け取ってほしい」

【無事にUT本部への到着、先ずそれが第一歩だった】

「何か報告、情報があれば聞こうか?」


254 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/12(木) 00:44:21 BRNVt/Aw0
>>253

【UTには無事につけたのかと尋ねる厳島に、はい!と答えるつがる】

【通帳とキャッシュカードを受け取れば、おお……これが通帳……などと呟いて】

ありがとうございます!
【にぱ、と笑う】

【そして報告と情報について聞かれれば一瞬ギクリとし、それから申し訳なさそうな顔つきになり】

……すみません、そちらはまだ……
【とにかくUTに行くのに精一杯で……と謝罪する】


255 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/12(木) 00:56:16 6.kk0qdE0
>>254

「そうか、いや、先ずはUTに着けた事の方が喜ばしい事だ」
「婦警やフルフェイス、危ない存在はあの付近に出現する、これからも気を付けるんだ」
「情報や、報告は焦らなくてもいい、危険があってはいけない、噂話程度の物で十分だ」

【申し訳なさそうにするつがるに】
【そう、頭を撫でながら、告げる】
【情報、報告は期限のある物ではない、また噂話程度の物で十分だ、と】

「そして情報だが、これも噂話程度でいい」
「パトロンの件は一旦おいておいて貰って構わない」
「水の国特別福祉区『カミス・シティ』の情報が欲しい、加えて」
「機関員『カニバディール』の情報も欲しい、もちろん両者ともに噂話程度で構わない」

【紅茶が提供されると、ティーポットからなみなみと注ぎ入れ、砂糖ミルクを加えて】
【それをスプーンで攪拌しながら、その二つのキーワードと新しい依頼に関して話す】


256 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/12(木) 01:35:54 BRNVt/Aw0
>>255

【頭を撫でられれば、最近よく頭撫でられるな……そんな子供っぽいかな?などと思うが】

……ん?婦警が危ない?
【相手の言葉に少し引っ掛かりを感じたのか首を傾げる】

【フルフェイスが危険なのはよく分かる。何せ一大事件にもなったし。しかし婦警がそうだとはどういう事なのだろう?婦警とは確か女性の警察官を指す言葉、だった気がする】

【それが危ないとは何なのだろう?】

【頭に?マークが浮かぶ、が】

【新しい情報収集──水の国の特区『カミス・シティ』の事と機関員・カニバディールの事について調べて欲しい】

【そう告げられれば背筋をただして、はい!と真面目な表情で頷く】

……けどカミバ……じゃないや、カニバディール、ですか……確か少し前に水の国で騒ぎを起こしてましたよね?ニュースで見ました
【あれは確か櫻国軍と……と彼女は少し前に見たニュースの事を思い起こす】


257 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/12(木) 08:59:46 E7RG0NFI0
>>236


────よぉ。まだ生きてて何よりだぜ


【男に声がかけられる。女の声だった。彼女の声は】
【実際に聞いたことがあるのは一度きり。何度か思い返したりしたことはあっただろうか】
【赤い髪に、赤い服。それと金色の目──このカタチの彼女には、覚えがないかもしれないが】
【その声を忘れていなければ、彼女が誰か分かるはずだった】

【そしてもし、魔力の存在が感知できるのであれば。以前あった時には存在しなかったモノがあった】
【左手の薬指の、赤い指輪。耳元の、少しお高そうなイヤリング。後はポケットの中からいくつか】
【そこには、装飾品由来の魔力が在った。ただ、ひとつひとつの魔力自体はごく僅かなもので】


大丈夫か、探偵。闇医者の類に心当たりがあるっつぅんなら、連れてくが


【そう言いながら、女は彼に近付いていく。途中、落ちていた吸引器を拾い上げ】
【「これ、要るやつか」と声をかける。今はただ、それだけ。後は彼が何を返すかに依った】


258 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/12(木) 09:57:15 S/DUh6T.0
>>249

【砂嵐が収まっていく、同時に正確さを増した銃弾の反射が男に向かう】
【肩を撃ち抜かれる。苦悶の声。撃ち抜かれた手と合わせて片方の手は使い物にならないだろう】
【怒りで声が震える。どうして俺ばっかり──】


はっ! 生まれた時からゴミだったなら良かったろうよ!
こちとら天国から地獄さ、なまじ幸福を味わったからこそ戻れねぇ!
悪夢だよ、クソッタレ──悪夢だったら、良かったのにな

そっからだよ、俺が眠れなくなったのは
寝ようとしても寝れねぇんだ、僅かな物音に敏感になって
飛び起きてわーわー喚いて、それでおしまいだ


【砂の流れが変わる、足元の砂が不穏な音を纏い】
【徐々に徐々に変容していく。激昂から、より深い怨嗟へと】
【二ヒヒと笑いが歪む。涎が地面を跳ねて】

【次の瞬間、二人の足元に大きな流砂が出現するだろう】
【二人を取り囲む範囲だ。少し大きく飛ばないと回避は難しい】
【流砂に飲み込まれたなら、肩まで砂に浸かってしまうだろう】


259 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/12(木) 12:05:34 YidH5cR.0
>>257
【彼の目にはまだおぼろげな景色しか映らない。人影だけがその目に見えた。】
【本能的に銃を拾い上げようと手を動かしたがうまく探せなかった。】
【能力と薬の副作用と怪我と疲労がまともな思考を奪う。彼はここのところ常に限界だった】

あ…

【声が聞こえる。誰だっただろう。思い出せない。聞き覚えはある。女の声だ】
【うまく声が出ない。目を見開いて、見えろと願う。】

【凝らして見えたその姿に、瞬間的に男は怯える。ついにそこまで幻覚が見えるようになったのかと】
【そして、また瞬間的に、思い描いた人物とは別の人物だと気づく。】
【最初に願った人物ではなかった事に哀しむとともにどこか安心する。】

―――なんだ…ミラか。

【絞り出すような声で話す。本人は余裕がある風を装っているつもりらしいがどっからどうみてもそれは嘘だ】

いや…怪我は…大丈夫だ。傷は塞がってる。2日もすれば…また…
……それより、着替えたいな。あんたより赤くなっちまったよ…

【乾いたように笑い。立ち上がろうとする。手をついたコンクリートの壁には】
【べったりと血の痕がつく。ふらりとよろめいて、壁にもたれながらなんとか】

いや、それはもう使った。多分、どっかに銃が…あとは…なんだっけな
…ああそうだ、車が、路地を抜けた先に…
悪い、よく見えなくて…メインストリートの方はどっちだっけ…

【焦点の定まらないおぼろげな会話、散発的に頭に浮かんだことをなんとか口にする】
【銃は多分、リボルバーのことだろう。黒色の美しいエングレービングが施された拳銃】
【彼はゆらゆらと壁伝いに歩こうとする。壁に爪を立てるように体を支えながら】
【今の様子は一度会った時の彼とは全く様子も違っていることだろう。】


260 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/12(木) 13:34:01 6.kk0qdE0
>>256

「婦警に関しては……あるいはその内に知る事もあるだろう」
「ただ、もし『その』婦警に出会っても、無事に逃げ延びる事だけを考えるんだ」

【実際には、かの婦警の話は伝聞でしか知らない】
【しかし乍ら、彼に脅威を伝えるには、それだけでも十分だった】
【それ以上の情報は……別の危険を招きかねない、と】

「ふむ、偉いぞ、よく調べているな……ああ、カニバディールは、つい先だって我が魔導海軍陸戦隊と交戦」
「新聞等では、市街地混戦事件と言われているな」
「しかし、どうにも腑に落ちない、気になる事があるんだ……」
「どうも、この件の先には何か裏があるような気がする」

【少し、思案顔でそう話す】

「つがる、仮に君が猟師に狙われているとして、君はその猟師の近くでワザと存在を大々的に主張しながら姿を現すだろうか?」
「カニバディールの行動は、いわばそういう事さ、どうにも解せないんだ」

【ここで、例えを使ってこう話し】
【紅茶をくゆらせながら、一口】


261 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/12(木) 15:26:31 E7RG0NFI0
>>259

ぎゃは──なんだよ、お化けでも見たみてぇなツラしやがって
しかしほんっと赤いな。は、あたしより赤いってぇのも中々なもんだ!
そんだけ冗談が言えるんなら、もうちょっとくらいは大丈夫そうだな?


【銃を拾う。自分のと違って、エラく綺麗な銃だと思った】
【こんな銃でも人を殺せるんだろうから、不思議なものだった。「銃、拾っといたぞ」と】
【一応伝える。相手がそれを握れるか分からなかったから、とりあえず手に持ったまま模様を軽く撫でる】
【綺麗な銃だ──もう一度、そう思う。模様の意味も由来も、何も知りはしないが】

【深刻さを誤魔化すよう、軽く冗談を飛ばす。だが、流石にふらふらとどこかへ歩き出せば】
【笑みも自然と消え、彼の体を支えようと手を伸ばす。「こっち、掴まれよ」──】
【そう言って肩を貸そうとする。あるいは、そのまま壁伝いに歩き続けるのなら】
【目に見えない触腕が、彼をミラの方に引き寄せようとするのだ。放っておく、という選択肢はないらしい】


車の方向、こっちで合って──ああ、見えてねぇのか
とりあえず路地、抜けるからな。それまでもうちょい、頑張れよ

────。なぁ、探偵。この銃、すげぇ綺麗だな。さぞ高かったんだろ?


【どうしてもロッソがミラに掴まることを拒めば、その時は彼の速度に合わせて横を歩き】
【そうでなければ彼を触腕やら自分の身体で支えながら、路地を進む】
【敵が近くにいないかどうかは気がかりだったが──それより、彼がこのまま意識を手放さないかも気になった】
【余裕のなさは、今後どこかで弄ればいい。今はそのことを洒落にするのは、難しかった】

【とにかく喋らせよう。そう考え、さっきから思っていたことを、適当に口に出す】
【別に話題はなんだってよかった。タバコの銘柄、昨日飲んだ酒、新作のコート】
【気が紛れるものであれば、なんだって。たまたま口に出てのが、銃という単語だっただけだ】


262 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/12(木) 19:31:01 mvHE3bOw0
>>261
うるぇせえ。こんなところで…くたばるわけに…

【男はミラに手を借りて、なんとかギリギリで歩く。おぼつかない足元】
【もはや転がる死体の奴らと違いは見た目じゃわからない。死体のなりぞこないはまだ仲間の手を借りて立っている】

【荒い呼吸と、なんとか口にする減らず口。でもなにか別のものが見えているようなまともじゃない様子】

【銃はまるで芸術品だ。決して意味があるとは思えないエングレービング。】
【だが芸術品としては超一流だろう。銃には流れるような書体で名前も刻まれている】
【“sabrina no heaven ”と。そしてこの銃からはそこはかとない魔力が感じられるか】
【魔力に疎い人間でも禍々しいと美しいの混ざり合う、悪魔的な魅力は感じられるかもしれない】

くそ…どっちだ。メインストリートだ。電話ボックスの近くのナンバーが…
……3202。鍵はない。マニュアルだが大丈夫だよな?もし駄目なら―――

銃…銃…俺の銃は66番地の十字路で…契約した……降りてきたから祈ってみたら
…もう駄目だと持って…太陽をつかもうとして…そう…高かったんだ。
売り渡したんだ………運命が…全部変わった…そんで俺は

【男は現実と妄想がまぜこぜになってトリップしていったりきたり。妄想のような言葉をつぶやいた】
【喘息のやつがつかう簡易な吸入器のようなあれは、麻薬薬物、劇物スレスレのきつけ薬。どんな状態でも戦い続ける為のもの】
【薬の副作用と能力の影響様々なものが男に幻覚をみせる。】

……どこまで話したか?そうだ。そんで、やばいなら。
ダッシュボードに電話がはいってるから……俺の古い仲間に…だが
極力、かけるな。アイツは…高く付くからな。今の俺じゃ払える当ても…

ああ、そうだ。ミラ…煙草をとってくれないか。シケってなけりゃいいが

【そうやって力なく笑う。胸ポケットにはマルボロ。もとより赤いパッケージ】


263 : ◆Heckemet8M :2018/04/12(木) 20:10:21 u1dxVMlM0
>>258

【この状況をどうにかすべく、2人は考える。――手っ取り早いのは飛んで逃げることだが】
【やられっぱなしは、どうも性に合わない。どうしようもない状況ではまだない、手は残されている】
【そうだ、目の前のイカれた相手にぶつけるモノは、真っ直ぐよりも――】

「良い事思いついたぜ。あんた、まだ家族が残ってるんだろォー?」
「んで、あんたは人肉も大丈夫なタイプみてェだ」

「――喰っちまえよ。全員。」

「思い出が残ってるから忘れられねェんだろ、多分。腹一杯になりゃア、眠くなるだろォーよ」

【そして、再び左手で額を抑える男。先程命中した銃弾による傷の方が痛むのだが】
【自分で言ってて嫌になったのだ。酷い提案である。――喰ったところで忘れられたら、苦労しない】

『このままでは飲み込まれてしまいます……回避しますよ』
「よし、わかったぜアウ!」

【男の背中から生える無数の棘、それは翼の形を成して――】
【同時、女性は光となって男の背中や翼に纏われる。それから、跳躍を経由して空へと舞い上がる】

『思ったのですが、攻撃の"意思"が駄目なのですよね。でしたら、"無意識的な攻撃"はセーフになりませんか?』
「? 難しくねェーか、それ? 第一、どこまでが無意識扱いになるんだ?」

『念の為、気合の能力は返します。それでは――』 「ヘッキャアーーッ!!」

【――女性が翼の動きを"あえて"阻害、男を落下させる。相手の頭上に向けて】
【落下を確認すれば、女性はひと足早く流砂の範囲外に光のまま着地、姿を元に戻す】

【さて、まあまあの高さから落下してくる男。……100kgを超える肉の塊だ、マトモに当たった場合どうなるかはわからない】
【命中してもしなくても、男の着地地点には血溜まりが発生する。そして、全身が無数の内出血で紫色のブチまみれになった男の姿も】
【――落下ダメージだろうか? 否、"落下している時"には既に内出血の発生が始まっていた】
【銃弾の命中した部位からの出血も激しくなっており、血も吐いていて……しかし――気合で受け身だけは取るだろうか】


264 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/12(木) 20:31:06 UEw0l/xw0
>>263

【男の言葉に大男は嘲笑で返すだろう、響く高笑い】
【可笑しいから笑うのではなく寧ろ、どうしようも無い諦念に近い】
【高く高く声は激しく、吹き飛ばす程に苛烈さを増して】


違いねぇ、その通りだよ、『戻れればなぁ』!!
てめぇらには分からないだろうよ、こんなクソッタレな土地で生まれた奴らには
此処では常識が一切通用しねぇ、ふざけた場所さ

戻れるなら戻りてぇよ、まぁ軍を離れちまったからもう無理か
ああくそ──好き勝手やりやが──っ!!


【落下してくる男、なんじゃこりゃ、と思わず呟いた】
【理解出来なかった、発送のスケールが違いすぎる】
【慌てて飛び退くが、砂嵐がひどい、右足が衝撃に巻き込まれひしゃげた】

【──肉と骨が砕ける嫌な音、男の苦悶の声が漏れた】


ぎゃああああああ!! いてぇ!! いてぇよクソ野郎!!
俺の、俺の足がァ……!! もう許さねぇ……!!
殺す、全員纏めて、ぶっ殺してやらァ!!


【風景が変化していく、砂が消え、現れるのは鬱蒼と茂った密林】
【足を負傷した男は尻餅をつきながら、密林に姿を隠す】
【まるで消えていくようにその姿が木々に溶けていくだろう】

【──刹那、物音。着地した女性の後方にある木】
【その木と同化した男が上半身のみを木から出し、サバイバルナイフで首元に攻撃を仕掛ける】


265 : ◆Heckemet8M :2018/04/12(木) 21:26:11 u1dxVMlM0
>>264

「なんだよ……結局駄目なんじゃアねェーか……」
「げほっ、……無茶振りするんじゃアねェーぞ…………あと、気づく前からアウトだった」
『駄目でしたか。……弱りましたね、あなたが無意識下で"落ちる自分は武器になる"と思っていたのかもしれませんが』

【咳き込む度に血溜まりを広げていく男。むしろこの状況でよく喋れるものだ、といったところか】
【誰かに向けて落下するだけで重症を負い、けれども生命力は恐ろしく高く】
【――相手が動きを見せれば、ゆっくりとその身体を起こして。翼はいつの間にか消えていた】

『……別に、私たちもこの土地で生まれたわけではありませんし』
『戻ったところで、――ですしね。戻れないならそれはそれで、面倒な方々と縁が切れて良いことですよ』

『(――けれども、もしも彼があの世界に戻りたいと思った時。私は彼を諦めさせる事ができるのでしょうか?)』

【相手の能力は砂では無かったのか、突如変わった風景に戸惑いつつも】
【杖に魔力を宿らせつつ、男の近くに移動。ほぼ自滅とはいえ、そろそろ長居している場合ではなくなってきたか】

『――はッ!』

【物音のする方向へと素早く振り向いた彼女、相手が首元めがけて攻撃してくるのを認識すれば】
【その杖で攻撃の方向をそらそうとする。――が、パワー不足だ。もしナイフと杖が接触したとしても、簡単に押し切れるだろう】
【むしろ、杖を振るったことによる体勢変化の方が有効に働いた。首への攻撃は命中したが、すぐに命に関わるダメージは避けた――が、放置すれば命に関わるか】

【――この状況、女性は反撃に移るべきタイミングだっただろう。けれども、行ったのはそれとは違う行為】
【後ろで殺意を剥き出しにする男の視界を塞いだのだ、わざわざ不透明な魔力を放出してまで】

「アウ、俺は止まんねェからな」 『遅かったみたいですね……』

【その理由はすぐに分かる。男が、殺意剥き出しで相手へ強引に接近、その首を締めようとしてくるのだ】
【退けるのは簡単だろう、相手の首に手が近づけば近づくほど、その手の、腕の、それらの骨から無数の棘が生えては男を痛めつけて、内外の出血を強め、血涙を流し】
【なんとか辿り着いたとしても、それはもはや締め付けと言うより手をそっと当てるだけ。――棘も、相手に刺さりそうになれば消滅する】


266 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/12(木) 22:07:04 j2XsiQ7U0
>>262

メインストリート、電話ボックスの近くだな?んで、3202
分かった。なるべく急ぐからよぉ────もうちょっとだけ、そうやってお喋りを続けといてくれ

電話だったら、遠慮なくかけてやるから心配すんな
金だってあたしが貸してやるよ。いや、あたしが直接の貸し主っつうわけじゃねぇが
ま…………返せなくっても心配すんな。きっちり取り立てにうかがってやるから、よぉ


【マニュアル操作なら問題ない。そう答えるが、まともな返事はあまり期待できそうになかった】
【十字路での契約。祈り。まるでイカロスのように──彼の言葉が真実なのか】
【あるいは妄想の産物なのかは分かりはしなかった。確かなことは、銃に刻まれた文言と赤い色だけ】

【男の持っていた薬だって、どうせ良からぬものだというのは想像がついていた】
【けれどこの際、文句なんて言っていられない。死神とはこの間ニアミスしたばかり】
【少なくとも黒幕の連中をどうにかするまで、彼らには生きていてもらわなければ困るのだ】
【殺せと言われれば殺せる。そもそも黒幕絡みの一件が終結すれば、そうするつもりだったが】
【こんなところで見知った顔を失うのは──あまりいい気分はしなかった】


さ、ぶ、り、な…………サブリナ。は、なんだよ。女の名前か?
あぁ──銃だよ。あんたの銃にそう書いてあった
降りてきたってぇのは、なんだよ。天使か?それとも悪魔か?

にしたって、マルボロか。赤いな、あんたも赤が好きかよ
名前だって赤だし──こないだは分からなかったけど、目だって赤
ぎゃは、あたし以上に真っ赤っかじゃねぇか。特に今は、よぉ


【胸元からタバコを拝借。一本だけ取って、口に咥えさせてやる】
【禁煙地区だとか分煙だとか、煩く言う宗教団体には生憎と加入していない。かといって自分は吸わないのだが】
【ライターはどこだ。そう言って、場所を教えてもらえれば火だってつけてやるのだろう】
【──表通りまで、もう少しかかるだろうか。「最後の一服、とか言うんじゃねぇぞ」】
【そう釘をさす。冗談めかして笑ったつもりだったが、果たしてうまく笑えたかどうか】


267 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/12(木) 22:18:17 6.kk0qdE0
【朝、5:59、リオシアの部屋前】

「――ッよし、行きますよ!」

【セーラー服の少女が何か大量の荷物を抱えてそこに居た】
【やがてバンッ!と勢いよく扉を開けて】

【6:00】

「総員起こし〜ッ!!」

【そんな大声と共に、喇叭の音】
【携帯端末から流れる、起床喇叭の音だ】

「はい!起きてください!リオシア二等水兵〜!!」

【まだ寝ているであろう、少女のベットの元に行きながら】
【果たして、リオシアは目覚めるのか?】


268 : 名無しさん :2018/04/12(木) 22:52:04 5w/a9BZQ0
>>267


【「明日は六時に総員起こしだ」──】
【リオシアはその言葉自体は覚えていた、覚えていたが】

んえっ!?

【起床喇叭の音で目が覚め、飛び起き】
【勢いよくベッドの上に立ち上がった】
【服装は黒い半袖ブラウスに白いショートパンツ、要するに昨日のままで】
【白みがかった金髪は相変わらずツインテールでまとまっていた──若干の寝癖はある】

あれ、地面がふかふかしてる……?
ってそうか!わたし、軍に入ったんだった!

【寝覚め自体は良いようで、一瞬だけ寝ぼけたが意識はすぐに覚醒し】
【空色の瞳をゴシゴシしながら目の前のセーラー服の少女の姿を認識した】

えーと、おはよう?誰?


269 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/12(木) 22:52:37 mvHE3bOw0
>>266
【あれだけ奥へ奥へと進んでいるときにはこんなにも複雑な迷宮に思えるのに】
【出るとなると道さえわかれば何分もわからないのがこの路地裏というものだ】
【だがあれだけ派手に仕事をこなして挙げ句に血まみれのやつがいるとなっては面倒が生じかねない】
【早めに車にこの死に損ないを押し込んで、立ち去りたいところだった】

……ありがとう。

【シンプルな言葉はストレートな感情表現だった。目はどこか遠くをぼんやりと見つめている】

…アンタに借りたら…トイチじゃすまねえだろうが。まあ…そんときはそんとき…

【バッドトリップは波のように押し寄せて、正気が押し流されていく。】
【この男がどういう立場で今後、立ちはだかることになるかもしれないかはわからない】
【だがそうなった場合、面倒になることは承知だろう。今なら、簡単だ。棺桶に首まで浸かったようなやつは】

天使と悪魔が…どっちも降りてきた。なんだっけ…なんだか言っていた。
俺はアイツらに弄ばれて…地獄にすら落ちれない。ああ、クソ。頭が……

赤は嫌いだった。いつも殺しばかり。…こんなことしたくないんだ。
死んだやつにも人生があって…俺は何様なんだって。だが、俺は殺しが得意だ。
さっきの奴ら殺すのに何分かかったと思う?…5分もいらない。…もう…やめようと思った。
運命から自由になりたかった。

……赤が好きだったのはアイツの方だ。なんだか気が合って…アイツが好きだっていうから
俺も……運命にあらがって好きになろうと…結局、何も残ってない。

【ライターは同じポケットに入っている。胸ポケット。火をつけて】

……何もない。なあ、なんでマルボロか、わかるか?…ハハッ、どこでも買えるからさ
俺には何もない…マルボロの煙が俺の故郷…俺の居場所

【彼の目にはいろんなものが写っている。路地裏、赤と黒の景色、過去、妄想】
【全部が一緒くたになって。断片的に口にする。煙草を指に挟んで】

なあ、ミラ。今何を俺は言ってた…?…なんだっけ。とりあえずUTには連絡するな。
どこでもいいから…車を隠せるところに…


270 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/12(木) 23:03:54 6.kk0qdE0
>>268

「あ、目覚められたようですね!おはようございます」
「初めまして、私は那須翔子、櫻国魔導海軍陸戦隊諜報部曹長です」

【よろしくね、と微笑みかけて】
【年齢は、あまり違いは無さそうだが】
【荷物を部屋に運び込み】

「今日は中尉は任務で外出中なので、私が一日教官をしますね!」
「先ずは身支度、そして朝ごはんです!」

【先ずは洗面と、そして朝食だ】
【比較的自由な諜報員と言えど、こういう部分は軍隊だ】
【何やらやたら運び込まれている荷物は、言っていた装備や教本だろうか】
【洗面に向かえば、朝食のいい香りが漂ってくるだろう】


271 : 名無しさん :2018/04/12(木) 23:05:48 JQlEozC.0
【夜も遅くなったにも関わらず、賑やかな街】
【露店やら何やらが所狭しと並んでいて、眺めるだけでも楽しい気分にさせそうな其処】
【様々な人々が行き交うのだが、その中でも一際珍しい職の者――教会に属する者が人混みを縫うように歩いていて】


「――これだけ有れば良いかな?
駄目だったとしても……まあ、急いで焼き足せば良さそうだし。全く、ボクが買い出しに行くのもこれで何回目なんだろ……」

【ぶつかりそうな人物が前から来れば、器用にも避けて。その紙袋の中から適当なパンを取れば食みながら歩みを進める】
【修道服を纏うべき者らしからぬその行動であるが――例え好奇の眼差しを向けられても、本人は意にも介せず】
【マイペースと言うべきか、其れを纏う者らしく無いと言うべきか。何にせよ、本人はそのパンを美味しく食べている事だけは確かである】


「取り敢えずはこれで終わりかな……っと」

【上の空で歩いていれば、咥えていたパンが口から落ちて】
【慌てて其れを拾おうと前屈みになれば――当然足も止まり】
【ともなれば、誰かがぶつかっても不思議では無い話。これより先は仮の話だが】
【ぶつかったとなればその体勢も災いして、前後にふらりふらりと蹌踉めき、バランスを保とうとする事だろう】
【救いの手を差し伸べるも良し、尻餅を着いたまま結末を見るも良し。或いはちょっと押して止めの一撃を与える手もある】
【どの様な話に転ぶのか。其れは相手に委ねられていると表しても過言では無く――】


272 : 名無しさん :2018/04/12(木) 23:25:01 5w/a9BZQ0
>>270

【セーラー服の少女、那須翔子の自己紹介を聞き、昨日の記憶が蘇る】

そーちょう、曹長さん……あ!
中尉のお兄さんが言ってた隣の部屋の曹長さん!
わぁ……

【感嘆の声を漏らしつつ、部屋に運び込まれる荷物たちを興味津々に見つめる】
【と、自分の方を紹介していないことに気が付き】

あっえっと、私はリオシア!リオシア・ステロヴァニエ
教官、教官……?
私と同じくらいの女の子なのに教官なんだね!すごい!
えへへ、なんか嬉しいな

【言われるがままに洗面を終え、朝食の香りに顔を緩め】

んんー!良い匂い!すごく良い匂い!翔子ちゃんが作ったの?

【曹長が同年代の女子と知り、先程からテンションが高いようだ】
【こともあろうに上官に友達感覚で話しかけてしまうのだった――】


273 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/12(木) 23:42:07 BRNVt/Aw0
>>260


んー……とにかく悪い?婦警さんがいて、出くわしたら逃げろって事ですね?分かりました
【まだ頭にハテナマークを浮かべたまま頷くつがる】

【どんな人なんだろう?血の臭いとかさせてたらだいぶ分かりやすいんだけどな、などと考えながらコーヒーを啜る】

【そして水の国での事件について知っていた事を誉められれば照れたように笑いながら、最近はニュースとか見ておくようにしてるんです、と答える】

【そしてその事件がどうもきな臭いと聞けば、と、言うと?と尋ね】

【例え話を用いて厳島が引っ掛かった点を話されると、ううん、と唸りその状況をイメージしてみる】

普通だったら狙われている時に存在を主張するなんて事ないですよね……
もし存在を主張するんだとしたらよっぽどの無鉄砲──
【そこまで言って彼女はふと黙り込む】

【猟師が自分を狙っている、という状況のイメージ。不意に"あの日"の事がフラッシュバックして】

【ぎゅっとテーブルの下で握り締めた拳。あの日遠くで聞こえた銃声が、山の中を一心不乱に母の元へ駆けた時の砂利が食い込んだ足の痛みが、血を流し倒れ臥す母の姿が、浮かんできて】

【もしあの日に還れるなら、母の代わりになれたなら──】

【──母の、代わりに?】

【瞬間、冴えた思考】

……陽動……でしょうか?
【ぽつりと呟かれた言葉】

【テーブルの下で握っていた拳をゆっくりと開いて】

【──大丈夫、もう銃声は聴こえない。心の中で言い聞かせる】


274 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/12(木) 23:42:10 6.kk0qdE0
>>272

「えへへ、でも、本当は中尉が教官をやる予定だったんですけどね〜」
「私も教官って職務は初めてですね〜、鎮守府の海兵団に行けばちゃんとした教官も居るんですけどね」
「私も新兵さんが、リオシアちゃんみたいな可愛い女の子だと知って嬉しいです!」

【あくまで、この場の教官業務の代わりをやる人に過ぎない、と】
【最も階級自体は曹長なので、新人海兵への教官業務を行っても何ら問題はないのだが】
【やがて洗面を終えたリオシアが、食卓に来ると】

「はい!櫻国の食事ですけど大丈夫ですかね?」

【メニューはご飯、ネギとモヤシの味噌汁、カレー風味レンコンキンピラ、白身魚の漬け焼き、白菜漬け、市販の乳酸菌飲料(いちご味)】

「はい!私の手作りですよ!ふふふ、でも中尉の前ではちゃんと話して下さいね」
「食費はお給料とは別途支給なので、明日からは自分で好きな物を調達してね!」

【翔子本人は、その辺りあまり気にはしない様子だ】
【むしろ本人も新しい友達、の感覚の様で】
【ちなみに海軍兵曹士官、彼らの調理技術は総じて高いと言える】

「一応、教本と装備が来たから、午前中は座学、と基本、午後は演習訓練の基本、夜は必要な物の買い物に出ましょう」

【朝食を食べながら、こう話す翔子】
【食べ終えれば、荷物の荷解きが始めるだろう】


275 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/12(木) 23:51:40 6.kk0qdE0
>>273
「一見では解らないそうだ、だが、その時が来れば、何れ解るだろう……」
「詳しく聞きたければ、そうだな、UTならば鈴音と言う人物が色々と知っているだろう」

【自分自身が出会っても無く、また写真やその他特徴となりうる何かを持ち合わせていない】
【それ故にあまり答えられる情報が無いのも、また事実だった】

「つがる、君は賢いな……本国に居れば士官学校からも誘いが来たかも知れない」
「正直直ぐにでも、海軍に欲しいと思う」

【いけない、例えを間違えたか、と思った】
【猟師、彼女の心に傷を負わせた存在故、これは誤りだった、そう思ったが】
【顔を上げた少女の言葉は、非常に事の本質を見抜いている物だった】
【その利発さには、少々驚かされて】

「正解だ、その可能性が高い」
「彼らは何かを隠しているか、あるいは何かの目を自分達に向かせて、別の何かを成そうとしているか」

【その辺りが不明だ】
【少なくともあの時のカニバディールの行動は、あまりにも不可解だったのだ】

「君は、強いな……」

【そう言って再び、頭を撫でる】
【決して消えない心の傷、しかし、それをも克服しようとしている】


276 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/13(金) 00:07:35 j2XsiQ7U0
>>269

…………バカ、礼を言うには早すぎんだろ
そういうのはな。しっかり正気に戻って…………
んでもって金借りてたんなら、返し終わった後に言うセリフだぜ


【表通りの空気が流れ込んでくる。車のある所まではもうすぐだろう。あくまでも】
【ロッソの言うことが正しければ、の話だが。もし間違っていたら、タクシーなり何なり】
【それか適当に、路駐でもしている車を拝借するつもりだった。返す予定はもちろん、ない】


地獄にすら落ちれない?────は。あんたも、自分の時間が止まっちまったってぇヤツか?
なんか最近多いんだよな、そういうの。流行り病みてぇなもんなのか?えぇ?

おまけに、どいつもこいつも口を揃えりゃ「やりたくなかった」だの「本当はこうしたかった」だの
ほんっと…………めんどくせぇのな、みんなしてよぉ


【流石に、今にも崩れ落ちそうな男を長時間支えていれば、多少は疲れる。だが】
【零れ落ちたため息は、決して疲ればかりのせいではないだろう】
【したくないことをする羽目になった──その手の言葉を聞くのは、もう何度目だろうか】


その──“あいつ”ってぇのは、あんたの惚れた女かなんかか?サブリナとかいうやつか?
まぁどっちでもいいけどよ…………その傷だらけの体と心持って、そいつんとこ這いつくばって行って
んでもって…………一発殴られた後に逃げちまえばいいじゃねぇか。一緒によぉ
顔とか変えて、どっかの田舎か海辺で畑耕すか釣りして過ごすんだ
そこまですりゃ、きっと死神はあんたのこと探しきれねぇ
それこそ、モノトーンの映画みたいな話だけどよぉ……
運命から逃げた先がデッド・エンドなんて馬鹿げてる。そうは思わねぇか?


【──話しているうちに、もう表通りだ。電話ボックスと、3202を探す】
【見つけることが出来れば、ロッソを雑に助手席に座らせて、自分は運転席に】
【車を隠せる所。雑な指示だが、思い当たる場所はいくつかある】
【ただ、その場所に行き着くまでに彼の容体が変わらないかどうかが不安だった】

【「俺は何を言っていた?」その言葉に、思わず笑ってしまう】
【妄想話だよ、と答える。さっきから、あんたの話ばかりだ。マルボロとか、天使とか悪魔の話】


────ほら、妄想話を続けようぜロッソ
引退後に住み着いた村の安酒場じゃ、マルボロと後いくつかしかタバコは売っちゃいねぇさ
んでもって、あんたはいつも夕方にマルボロと安酒を買いに酒場に行く
そんでサブリナだかあんたの女に怒られるんだ──またこんなものを、ってな


【「UTには連絡しねぇのか、分かった」──頷いてから、エンジンをかける】
【どこに行こうか。普段の隠れ家は遠いから論外。ならばどこがいい】
【少し行った先に、空き家があった。蜘蛛の巣がかかった『売り家』の立て札がある家】
【ガレージも付いていた気がする。綺麗かと言われれば】
【確実にネズミの別荘と化しているだろうが──今は文句を言ってはいられない】
【車で10分ほど走らせた場所だったはずだ。ギアを切り替えてアクセルを踏む。「もうちょっとだ、頑張れ」】


277 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/13(金) 00:39:33 BRNVt/Aw0
>>275

一見すると分からない……ふんふん……詳しくは鈴音という──

り、鈴音ちゃんが!?
【相槌をうちながら相手の話を聞く彼女。しかし厳島の口から鈴音の名前が出た瞬間少し声を裏返らせ目を見開く】

【厳島さん鈴音ちゃんに会った事あったんだ、とかこれあの時暈して言わなくて良かったんじゃん!とか様々な事が頭に浮かんでくるが】

【危険な婦警、その存在と詳細を鈴音が知っている──】

【頭の中で歯車がかちりと噛み合った気がして】

【昨夜会った鈴音の様子。此方からかける分には、などという謎の言葉。危険な婦警の事を考慮すればすべて納得がいく】

【そうと分かってしまえば鈴音に対して益々申し訳ない気持ちになってきて】

鈴音ちゃんったら……
【どれだけ人が善いのよもう……なんてため息を吐く】

【そして、賢いと誉められればまた照れたように、やー……野生の勘ってやつですよー……などと目をそらす】

……成程、そういう事ですか……
だからその辺りを調査して欲しいって訳ですね?
【でもそうなるとちょっと骨が折れそうだなあ、とつがるは呟く】

【もし今回の襲撃事件が陽動だと仮定すると、今後の彼らの行動、それらも何かを隠す為のパフォーマンスである可能性がある。そこから真意を見抜くのは難しくなるだろう、と】

【そして再び頭を撫でられると彼女は緩く笑う】

……お母さんの事ではもう泣かないって、泣くくらいなら笑って生きてやるんだって、そう決めましたから……
【すらりとその言葉を口に出すつがる。きっと何度も言ってきた言葉なのだろう。そうやって口に出す事で何度も自分に言い聞かせ続けてきたのだろう】

【それはきっと、自分で掛けた呪いの言葉で──】


278 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/13(金) 04:42:52 UEw0l/xw0
>>265

【手に残る感触は軽い、仕留め損なったかと、小さく呟いて】
【木と同化しつつ再び身を潜めようとする、これも能力のひとつか】
【しかし、その試みは途中で中断する。視界が不透明な魔力に覆われ、阻害された】


っ……!! てめぇら!! 何しやがった──!!
くそっ! 前が見えねぇ!! こんなんじゃ、逃げられ──!!


【男は無茶苦茶にその場でナイフを振り回す、典型的なパニックの反応】
【そこに近づく男の手、彼の方にその攻撃を防ぐ手段は無かったが】
【徐々に蝕まれる男の手、彼の首につく頃には殆ど威力はなく】

【マスク越しに歪んだ笑みを浮かべる、嗜虐的な残酷な笑みを】


ひゃはははは!! どうやら力不足の様だなぁ!!
いいのかよ! そんな無防備な姿晒してよォ、おい!!
戦場じゃぁ! 弱い姿見せた奴から死んでくんだよォ!!


【ナイフを持ち直す、少しだけ晴れた視界の片隅に手が映った】
【そのままナイフを振り下ろし、首に向けられた手を突き刺そうとする】


279 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/13(金) 08:28:36 mvHE3bOw0
>>276
そうだ…金…。計画を…話さないと…ああ、クソ。うまく考えられない。

【濁流のような混濁した意識のなかでまともな泳ぎは難しい。】
【いつもの煙草、いつもの味でなんとか思い出そうとするが指から滑り落ちる始末】

【だがそうこうしてる間に、なんとか車のあるとおりにでる。言った通りのナンバーの】
【黒の4WDのセダンが停まっている。キーはさしっぱでいつでも発進できる】
【見た目の地味さとは裏腹に中身はまるでスポーツカーだ。逃げ切るための専用車】

【彼は助手席の中で、まだのびている。車内にはいろいろな荷物がある。】

【後部座席にはスーツケースやら何にやら積んであるし、グローブボックスには】
【携帯電話と消音器付きの自動拳銃が入っている。】

うるせえ、後悔しねえやつなんかいねえよ。それでも、やらなきゃならないことぐらい…
大勢、巻き込んだんだ。プロのやつが一番働かねえでどうするよ

【ニヤリと笑う顔は前見た探偵のそれだ。今はまともなところに意識があるらしい】
【まるで二重人格か躁鬱のように乱高下して、男はそのことに気づくほどの余裕はない】

…惚れた女に決まってんだろ。もっといい名前だ。…ハハッ、女はみんなそう言うな。前も言われたよ。
会いたいなら這ってでも会いに行けって。……わかってるよそんぐらい。
そうもいかねえところが…男の悪いところなんだよ。

【男は目をつぶる。何も見えなくなるとまだ幾分か気分はマシだ。】

そうだな…俺も、引退するつもりだった。残りの人生マシにするために…
「俺たちに明日はない」より「ゲッタウェイ」のほうが俺も好きだな

【「そうか…俺の話ばかりか」と、一言。】

いちいち、そんなこと言ってくるかな…でもあれか?女ってのは変わるんだろ?
そうか…そうだよな。それも…いいな。でも、そんな田舎は嫌かな…
まあ…でも…アイツさえいればいいや

【掠れた声でつぶやいて、男は目を薄く開ける。滲んだピンぼけの景色が目に映る】

車、隠したら…カモフラージュを頼む。ナンバーを変えて、車検証だとかも全部後ろに積んである。
黒のボディもシールだ。カッターで切って、剥がしてしまえば白の別の車さ。

【ずいぶんと手のこんだ仕事。プロだと言うが一体何のプロなのか…】
【そして彼は「少し休みたい」とまた目をつぶった】


280 : 名無しさん :2018/04/13(金) 12:27:01 /xWzuiOE0
>>274

鎮守府、海兵団、へぇ……
か、可愛い?ふへへ、そうかな?翔子ちゃんの方が可愛いよー!
その、何て言うんだっけ?そうだセーラー服!セーラー似合ってる!

【──まだ見ぬ海の向こうに思いを馳せつつ】
【出された食事の良い匂いに我慢できず、すぐに食べ始めた】

いただきまっもぐっもぐもぐっ
おふっ!?お、美味しい!!
わたし、櫻の国の料理は前に食べたことあったけど薄すぎて好きじゃなかったの
でもこれは……はむはむもぐもぐっごくんっ濃すぎず薄すぎずなにこれごちそう!?
とにかく美味しい!美味しさに数字があるとしたら全部100って感じだよぱくぱく
ご、ごほごほっ!!

【想像以上の美味しさに夢中で食らいき、むせながらもすぐに食べ終えてしまったのだった】

うん、わかった。中尉のお兄さんの前ではちゃんと話す。ちゃんと話します……のだよ?
ごちそうさま!え?明日からは自分で……うん
でもたまには作って欲しいな!翔子ちゃんの料理大好き!

【朝ごはんの手作りは今日だけのサービスだったようで】
【上官に毎日作ってもらうのは流石に都合が良すぎる話である】

うん、うん、うん!

【そして今日のスケジュールを聞いて頷いた。どこまで理解しているかわからないが】
【朝食で活力を得たおかげか、少なくともやる気は満ちているようだ】


281 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/13(金) 13:05:37 pqyaVbUI0
>>279

バカ、計画なんて小難しいこと後ででいいんだよ
計画つったって、好きにやれとかそういうのだろ?
そんなもんより自分の心配でもしてるんだな


【「タバコ落としちまってんぞ」走り始めたばかりの車が止まる。信号待ちだ。】
【タバコをまた取り出して、咥えさせる。無視して飛ばしても良かったが】
【あまり無茶な運転をすると、探偵の意識が本当に天国まで飛んで行ってしまう。だから安全運転だ】
【今だってぐるぐると人が変わったように喋り、黙り、また喋る】
【傷は塞がったとは言っていたが──それも妄言だったらと不安が過った】

【──信号が変わる。また車は走り出す】


…………んとに、バカだぜあんたら。そんな──
そんな、腹も膨れやしない責任感とか抱えちまって…………挙句の果てには死にかけてやがる
女を泣かせるやつはいつだってあんたみてぇなやつなんだ
一人で頑張ろうとして、結局ワケの分からないとこでくたばっちまって
んで──女のとこには「あいつは死んだ」って誰かが伝えに来るんだろう?
「急に連絡が取れなくなった」とかよぉ。…………ったく

惚れてんなら、せめて目の前で死ねってんだ
それならまだ────しょうがねぇなあってなるのによ

は…………ワガママだって思うか?女なんてそんなもんだ
男がいるだけで最初は満足するんだが、後からどんどん文句が増えていきやがる
やれ酒を飲むなタバコを吸うな、ガキが欲しい、家も広く──そんな感じによ


【順調に車は進んで行く。追手も何もなく、怖いくらいに】
【すれ違う連中も、至って平和。仕事帰りの営業車に、カップルを乗せたチャラい車】
【死にかけを乗せた車なんて、この車だけだ。黒い車。棺桶にならないことを祈るしかない】


…………。「アイツさえいれば」って思える女がいるんなら、帰ってやれよな
引退でもなんでもして……それを責めるのは、あんたの心だけだろうよ
鈴音も麻季音も、責めたりはしないだろうさ

は────それにしたって用意周到だな。まるでギャングか強盗団だ
分かったよ、あとは全部やっとく。化けるのは得意だからよぉ……化けさすのもなんとかなるだろ


【──それ以上は、何も言わなかった。休みたいと相手が言ったのだ。無理に言葉を投げかけても】
【返ってくる保証はどこにもなかったし……やれることはやった。這って女の元に行くか】
【それかいっそ楽になってしまうかは、もう彼次第としか言えない。車を走らせ続ける】

【やがてセダンは、郊外の空き家にたどり着く。埃臭いガレージを開けて、車を止める】
【ガレージ内はかつての住人の荷物が残されたままだ。植木鉢にキックボード】
【古いラジオにテレビに──まあそんなところ。家の中も似た具合だろう】

【「ロッソ、ついたぞ」「まだ寝てるか?」──そう尋ね】
【返事を待ちつつ、後ろの荷物を漁る。車検証にナンバープレート、それといくつかの道具】
【とりあえずナンバーを変えよう。ガワを整えるのは、いつだって最後。化粧と同じだ】


282 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/13(金) 13:30:35 6.kk0qdE0
>>277
「ああ、その反応は、鈴音にはもう会ったのか?」
「……彼女は色々気が回る、頭もいい、彼女の側に居る事も君にとってはいい経験になるだろう」

【胸中を察してか察せずか、少し落ち込むような、申し訳なさそうなつがるに】
【そう言葉を足すように言う】
【最も、鈴音が手一杯なのは、見て解る事で、少しでも側でサポートできる人物が居た方がいい、と言うのもあるが】

「ああ、その通りだが、調査と言うほどの事はしなくていい」
「あくまで噂話や、漏れ聞いた話を教えてくれるだけでいい」

【真相は、相手が相手だ】
【近づけば近づきすぎる程に、危険が迫る】
【あくまで、つがるは危険からは遠ざけたいと言う意思だ】

「……そうか」

【つがるの様子に、少しひっかかるものを感じた】
【普通なら、強く逞しい言葉だが……】

「だが……本当に辛い時や、泣きたい時は泣いてもいいと思う」
「そう言う時に泣けるのも、強さの証の一つだ」

【頭を撫でながら、そう静かに】


283 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/13(金) 13:44:52 6.kk0qdE0
>>280

「こ、これは学校の制服だから、それに学校は偽装身分で在席になってるだけで、殆ど行ってないし……」

【自分の、こと制服が似合っていて可愛い、と言われると】
【照れて俯きがちに】

「ふふ、ありがとう、そっか地域によっても味に違いはあるし、伝統的なのには薄味の料理も多いからね」
「そ、そんなに気に入ってくれたなら、うん、いいよ!」
「金曜日のカレーライスとか、一緒に作ろうか?」

【またいつかの機会に、手料理が振る舞われる事もあるだろう】
【夢中で食べてくれるリオシアに、思わず微笑みが零れて】
【海軍の伝統で、金曜の夜はカレーライスの決まりとなっている】
【石動や厳島、翔子もこの伝統に則り、出来るだけ自分で作って食べている様だ】
【やがて二人が食べ終え、食器を洗い終われば】

「さて、これから装備品を渡します」

【先ずは二種類の制服、白いセーラーかあるいはカーキ色の陸戦服か】
【次に弾帯、拳銃嚢弾倉嚢、背嚢、半長靴、鉄帽、飯盒、水筒】
【武器、31式歩兵銃、28式海軍士官用拳銃、30式銃剣】
【最後に、新兵用の教本類】

「制服はどちらかを選んで、一瞬で更衣出来る様にしておくのがいいよ」
「こんな風に!」

【すると翔子が目の前でその姿を変える】
【白の詰襟の、士官用制服Ⅱ型、幾つかの徽章と肩には階級章、帽子も着用】

「自分の能力因子と繋げておいて、能力を行使する感じで服を変えられるんだよ」

【さて、リオシアはどちらの制服を選ぶのか?】


284 : ◆3inMmyYQUs :2018/04/13(金) 17:30:23 adOSLVgQ0
>>220

【決定的な何かが朽ち果ててしまった彼に】
【白衣の彼女はただそっと付き添う】

【何も言わず、何も強制せず】
【ただ柔和に、穏やかに、奉仕の幸福を身に感じながら】
【物言わぬ彼の身の回りの世話を粛々と行い、共に時を重ねた】


【────────】

【─────】

【───】




【 『5兆4千億3千6百万7千2百15日目』 】


【その日彼は、車椅子に乗せられて】
【初めてかあるいは久方ぶりかに、独房の外へ出る】

【というよりは独房自体が外になる】
【周囲の壁は花開くように外部へ向けて展開され】
【役目を終えた白い殻は初めから何も無かったように霧消する】

【滑らかな夜風が彼らの髪を揺らす】

【かつて何かだった物質の全てはその無限に広がる純白の砂原に終着していた】
【深い闇色の海が遙かな太古から変わらず、静かな波を浜辺に寄せては返す】

【全てを浄化するような静寂の中】
【天上から淡い光が地上へ降り注いでいる】
【虚空の遙か彼方にただ一点、煌々としかし儚げな光を湛える真円が浮かんでいた】


 “────────”

 “─── ──── ──”


【看護師は何かを言ったがそれが彼の耳へ届いているのかは分からない】
【そもそもそれが言語であったかすらも定かではない】

【ただ彼女は微笑みと共に彼へある道具をそっと渡すだろう】
【──スケッチブックと、鉛筆】

【その最初の一ページ目をめくって】
【彼の手が物を持てそうになければ、そっと手を添えて一緒に握り】

【空いた方の手で、世界で唯一の光源たる天の円を、指差すのであった】


285 : ◆Heckemet8M :2018/04/13(金) 19:02:01 u1dxVMlM0
>>278

「――、――」

【振り下ろされたナイフが腕に突き刺さる。回避はされなかった、いや、試みてもどうせ間に合わなかった】
【さて、その感触だが……人を刺したにしては、妙なものを感じるだろう】
【まるでケーキに乗った砂糖菓子のような、古い枯れ枝の束のような、――原因は、断面の様子である程度推測できる】
【肉だけでなく骨まで自らが操る棘の餌食となっており、骨の一部分が棘へと置き換わっていっているのだ】

「"Lewa."」

【それでもなお、相手から離れようとはしない彼。何度か突き刺せば、脆くなった腕を地面に落とさせることも可能だ】
【崩壊しゆく身体、けれども真っ赤な眼光は途絶えることがなく、両腕を落としでもしない限り手が退くこともなく】

「"Mtlewart, ma u zoros wa bridon."」

【彼女が止めに入るまでは、攻撃的な感情をぶつけ続けるのだろう。】


【ヘケメト側に相手の意識が移ったタイミングで、魔力を杖に溜め始めていた彼女】
【その杖の先から放出される魔力の弾丸は2つ。それぞれ、男と相手の2者に対して1発ずつ飛ばされる】
【当たったとしてもダメージは殆ど無いだろう、代わりに付与された効果は――】

『テンション・ダウナー。ヘケメト、そろそろ落ち着いてください。さすがに帰りますよ』

【――テンションを少し下げる効果だ。興奮状態を少し落ち着かせる、頭に登った血を少し解放する、大体そんな感じの技】
【それが命中した男は正気に戻ったのか、後退しつつその背に再び翼を生やして】
【けれども、落ち着いたことによって急にダメージを体感し始めたのか、酷く苦しそうな顔を見せる】

【そして、女性は光となって男の背に纏われる。――光となった彼女の、おそらく首に該当するだろう部分からは水色の魔力が漏れ出していて】
【彼らは相手の隙を見て逃走を試みるつもりだ。それが無ければ、留まる。】


286 : 名無しさん :2018/04/13(金) 19:17:28 p.JW.jQc0
>>283

カレー、カレー!ほぁ‥‥‥‥うん、一緒に作りたい!
わたし料理も全然できないけど‥‥‥‥やる

【ぐぎゅるるとお腹の音を響かせながら金曜日のカレーにも大いに興味を示した】
【ちなみに料理というか家事全般の経験が乏しいので】
【食器を洗うときに何枚か皿を割りそうになっていた】

【そして、目の前の瞬間更衣を目の当たりにし】

おぉ!すごい!え、え、能力!?
能力いんし‥‥‥‥?と、とにかくわたしにも出来るんだ!
じゃあ翔子ちゃんも能力者なんだね!へぇーー、ほぉーー

【避けなければ、無礼にも翔子の体をぺたぺた触りまくるだろう】

制服、制服かぁ‥‥‥‥どうしようかな
セーラーも可愛いし、こっちはまさに軍隊って感じで格好いい‥‥‥‥

うん、決めた!セーラーにする!
白とか黒って好きな色なの。翔子ちゃんのセーラーとは違うけどパンツのが動きやすくて好きだし‥‥‥‥それにあとから別の服にも変えられる、よね?

そ、それで、変身はどうやるの!?

【興奮ぎみに次の説明を促した】


287 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/13(金) 19:21:27 UEw0l/xw0
>>285

【ゾクリと背筋を伝う悪寒、砂糖菓子のような感触も合わせて男の理解を超える状況であった】
【何度突き刺しても終わらない接近、その眼光に男は恐怖を感じる】
【──狂気、自分が身に纏う以上の存在に、初めて相対したが如く】


はぁはぁ……!! なんだ、なんだ!! てめぇ!
くそ、なんだってんだ!!! ちくしょう!!


【男は畏怖した、目の前の存在に──】

【その隙を縫って魔力弾を受けた、頭に昇った血が降りる】
【テンションが落ち着いたなら、脳内のアドレナリンも落ち着くのだろう】
【忘れていた痛みが襲ってくる、苦悶の声が漏れた】

【気づけば周囲の風景も元に戻ってるだろう】


くそっ!! いてぇ、いてぇよ!! 
覚えてろよ、てめぇら! 次会ったら必ず、ぶっ殺してやる!!


【男は地面に蹲りながら、逃走を試みる二人を見送るだろう】
【撒き散らされる呪詛、怒りの言葉はただただ猥雑な、喚き声に近く】
【響く音律は何処へと、消える一端を探した】


/こんな所でしょうか!お疲れ様でした!


288 : ◆Heckemet8M :2018/04/13(金) 19:38:54 u1dxVMlM0
>>287

「"Na me na."」

【――その言葉の直後、テンション・ダウナーが命中した。】


『――飛びますよ』 「ちょっ、痛たたたたたた」

【相手に隙ができたのを確認すれば、男を強引に飛び立たせて――そして、山の方へと飛んでゆく】
【追おうと思えばある程度は追えなくもない、その軌跡は血で残される】
【が、途中からそれは途絶えるだろう。追われることを危惧した彼女は、上空で止血の技を使ったのだ】


【そして、2人は山奥の泉のほとりに降りて】

『今の状況を考えてください。私が表に立って戦う必要があるのですから、ある程度の負傷は仕方ないでしょう』
「でもよォー」
『無理をして一番困るのはあなたなのです。この腕どうするつもりですか』
「何とかなるだろォー、耐久力には自身あるんだぜ」
『何とかならなかった結果がつい先程の出来事です。肉どころか骨まで駄目にしたじゃあないですか』
「でも、結果的に隙を作れたから良いじゃん」
『よくありません。死に急がないでください』

【――説教をしつつ、治癒の技を使ってその傷を癒やすのだった】


/お疲れ様でした!


289 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/13(金) 20:32:22 6.kk0qdE0
>>286

「ふふ、この制服は魔術法衣も兼ねてますから、対能力攻撃の防御と能力使用時の魔力の底上げが出来るんですよ」

【もの珍し気にペタペタと触れる】
【そんなリオシアの様子を、咎めることなく見ていて】
【やがて、もっと具体的に】

「セーラー服なんですね、可愛いですね!リオシアちゃんに良く似合ってると思いますよ!」

【海軍水兵制服Ⅰ型、白のセーラーとパンツ、水兵帽、黒の革靴】
【これらを手渡し】

「後から変更も出来るからね、その制服を手にして、能力の回路を繋げるの」
「具体的には、頭の中で制服を纏って一体になるイメージ、かな?」

【上手く繋げる事が出来れば、セーラー服はその場から消え】
【着替えるイメージを頭に強く描けば、更衣出来るようになるだろう】


290 : 名無しさん :2018/04/13(金) 21:42:45 p.JW.jQc0
>>289

【セットを受け取り、早速実践】

イメージ、イメージ、制服を着るイメージ!

【うーんと唸りながら、言われた通り自分が制服を纏う姿を想像する】
【そして】

ん!!
とりゃー!

【気合いをいれて叫べば、持った制服は消え、次の瞬間にリオリアは全身水兵の制服に包まれた】

で、できた!できた出来たよ!
わぁーー
なんだろう、体に力がみなぎってくる気がする!気がするだけ!?
でもできた!

【くるくると回りながら自分の全身を確認し、ご機嫌状態だ】

えへへ、なんだか私じゃないみたい
ね、ね、翔子ちゃんも初めて制服来たとき、嬉しかった?


291 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/13(金) 21:54:08 6.kk0qdE0
>>290

「凄いね!うんうん、ちゃんと着れた!」

【まだ真新しい純白のセーラーは、黒いスカーフを靡かせて】
【帽子には櫻國魔導海軍の文字が金色の刺繍で】
【右肩口には山形に屈折した線が一本の、二等水兵の階級章】
【左肩口には陸戦隊所属を意味する、錨に交差した小銃二本の意匠ワッペン】

「魔力の底上げがあるからね、より力が入ると思うよ!」
「私も、士官学校に合格して、最初に制服を受け取って入校式の日に着た時は嬉しかったよ!」

【なんとも微笑ましいと言える姿だ】
【恐らくリオシアにとって、初めて組織に属する『制服』と言う物を身に着けた瞬間だろう】

「じゃあリオシアちゃん、そのままさっきの私服を着てるイメージを思い浮かべて」
「そうしたら、さっきの服に戻るから」

【諜報部員にとって、主な制服と私服の換装はこうして行われる様で】
【やがて、私服に戻ったら】

「じゃあ、リオシアちゃん座ってください」
「これから座学での教育を始めます」

【教本を渡しながら、対面して座るようにして】
【こう話し始めるだろう】


292 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/13(金) 23:29:22 BRNVt/Aw0
>>282

ええ、昨日会いました。彼女はとても良い人です
優しくて、お姉ちゃんって感じで……
【つがるは長く息を吐き出す】

側に……ですか
厳島さんは鈴音ちゃ……鈴音さんがどういう取り組みをしているのか聞いた事はありますか?
満足に食事が出来ない子供達に食事を提供してあげる、そんな活動……それを手伝ってって言われたんです

──全てが、落ち着いたら
【そうして話すのは鈴音が行っている活動──『たんぽぽ』の事。今のごたごたが落ち着いたらそれを手伝って欲しい、と言われた事】

今、はちゃんと側にはいられない、と思います……
私だって、力になってあげたいけど……どうすればいいのか……
【きっと、鈴音ちゃんも怖いんだろうな……と彼女は呟く】


噂や漏れ聞いた話、ですか……きっとそれも囮とかそういうのになるかもしれないからそこから真意を読み解かないと駄目そう、ですよね……
【そっちの方は頼みますね……私も少しはやりますけど……とつがるはちょっと遠い目をして】


【そして、本当に辛いなら泣いていい、泣きたければ泣けばいい、と言われ頭を撫でられれば】

それは……ちょっと嫌だなぁ……
彼奴らに負けるみたいで……
【少し不服そうに呟きまたコーヒーを一口飲む】


293 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/13(金) 23:44:32 6.kk0qdE0
>>292

「鈴音は、支えが必要だ、きっと」
「鈴音だけじゃない、UTには支えが必要だ……君の様なね」
「直接的には、今でなくてもいい、だがUTに居る時間は極力作って欲しいんだ」

【それは、これから起こるであろう事を、予期してか知らずか】
【そして】

「いや、構わない、判断はこちらでするさ」
「君はUTや、その他で聞き入れた話を教えてくれるだけでいい」

【勿論報酬はきっちり、その口座に】
【それが、囮であったとしても、読み解けば糸口だ】
【今は、その糸口すらも欲しい】

「君は生きてここにいる、あまつさえ、再び運命に挑もうとしている」
「それは敗者ではない、強者の、それも勝者の行動だ」
「だから……無理をしてはいけない、歴史上いかな強者、覇王も無理が祟って身を滅ぼした例は幾らでもある」

【立ち上がり、後ろからすっと抱きかかえ乍ら】

「人に頼れる強さを、人に弱さを晒せる強さを、自分に弱さを受け入れさせる強さを、な」


294 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/14(土) 00:17:41 BRNVt/Aw0
>>293

支え……ですか……
うーん……依頼をやるのは後でも大丈夫だよって言った以上催促しに行くっていうのも何だかなあ……
何か他の口実考えなきゃ……
【うあー……と小さく声を上げながら天を仰ぎ】

【各所で聞き入れた話を教えて欲しいと言われると頭を元に戻して、分かりました、と答える】

【そして、無理はするな、周囲を頼る事も大切だ、と言われると】

……狡いなぁ、みんな……本当に……
【ぽつりと呟いて、ぽろりと涙を流す】


295 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/14(土) 00:40:00 6.kk0qdE0
>>294

「大丈夫、その場に居れば機会は巡ってくる」
「須く焦らずとも大丈夫さ」

【やがて……】

「狡い、か、素晴らしい感想だ」
「諜報員とは、そう、非常に狡い存在なのだから……」

【涙は少女の服にも、そして抱きしめる自分のスーツの腕にも染み入っただろうか】

「君は現状のその先に、自分の将来を掴まねばならない」
「恋人を見つけて一緒になるもいい、祖国に帰り平和に暮らすのもいい」
「自分の人生と、自分の感情を、大切にして欲しい」

【恐らく、厳島はこの仕事だ、あまり長くは生きれないかも知れない】
【だが、願わくば、この少女にありきたりでも平和な未来を】


296 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/14(土) 01:09:50 BRNVt/Aw0
>>295

将来、ですか……
まだ、何も考えてないんですよね……お母さんを見つけてどうするのか、とか……
それに……私、半分だけでも妖怪だし……他人よりきっと永く生きるのかもしれないから……
【涙を拭いながら彼女は答える】

【ありきたりでも平和な未来──】

【厳島が望むそれはきっと叶えられないのかもしれない】

【例え半分とはいえ彼女は妖怪。きっといつかその壁にぶち当たってしまう】


……でも、私は大切にしたいなって、思います
厳島さんやユウトさんや鈴音ちゃんが広げてくれた新しい"世界"の事……
【前を見つめ、口にするのは新しい世界、という言葉】

【村の人がいたとはいえ、彼女の世界には母と自分しかいなかった】

【それが思いがけない事で世界から放り出されて、さ迷って、母とは違う頼れる人々を見つけて、手を取ってもらって】

【そうして見つけた新しい世界】

【大切にしたい、もう二度と誰かに壊されたくない。そう思って】


297 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/14(土) 01:19:54 6.kk0qdE0
>>296

「それもまた、焦る必要はない」
「ゆっくり、そしてしっかりと、考えると良い」
「見つけるのさ……ゆっくりと、自分が自分で生きれる世界を」

【やがて、ゆっくりと離れ】
【伝票を手に取り】

「今日は会えて良かった、私はまた水国に戻る」
「何かあったら、連絡が欲しい」

【会計を済ませる】
【通帳の中のお金で、暫くは困る事も無いだろう、と】

「では、な……また折を見て会いに来よう、その時は手土産でも持参する」
「鈴音にも、よろしく伝えておいて欲しい」

【つがるから何も無ければ、厳島は来た時と同様に】
【オートバイで去って行くだろう】
【つがるの端末には】
【合言葉は『今日も海は穏やかで、向こうの島の猿は今日も元気でしょうね』『向こうの島に、猿は一匹もいませんよ』】
【と言う文章のメールが入っているだろう】



//お疲れさまでした!
//お付き合いありがとうございました!
//このような感じで〆でしょうか?


298 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/14(土) 01:38:38 wn2rqSVw0
>>284

【きゅる、と車椅子のホイールが音を立てても、反応はない】
【其れは最早人の形をした抜け殻であり、放っておけば2日で枯死するような異物であり】

【けれど景色が入れ替わり、降り注ぐ微光を浴びた身体は動き出す】
【其れは最早数千日に一度という、確率に起こせば限りなくゼロに近い挙動】
【天を仰ぐ。ただそれだけが、今やこの男にとっては奇跡であって】


【――鉛筆は、添えられた手によってようやく握る事が出来た】
【其れは最早持たされているという表現が正しくて、意識があるかは曖昧であった】


……思うに、物語の最も要というのはエンディングだ。
どんなお話だろうと最後が無ければストーリーとしては結べない
そして、それは特段に優れたものでなくてもいいとも思う
"終わり"という"結果"が存在し、一つの"円"が結ばれたのなら、きっとそれでいいのだと。


【景色は更に一幕、入れ替わる。世界そのものが再構築されてゆく】
【或いは最初から"こちら側"が本物で――今までのそれが、作り物だったような感覚】

【新たな世界は湖上より満点に広がる夜空。不思議と足が水に沈むことはなく】
【満天の星空において、押しつぶすような存在感を放つは満月で】
【煌々と。その輝きは力強く、月光を浴びる者に心地良さを与えてくれる】

【――けれど同時に、狂気も孕む。真上を見上げても、ひと目でその全景を捕らえることは出来ない】
【夜空の8割を覆う巨大さは非現実的であり、手が届きそうで届かない。錯覚する距離感を生み出して】
【なにより月面は。赤かった。真っ暗な湖を真紅に染める夜の光は、恐ろしくもあり】


……、…――やっぱり、一番きれいだ。


【抜け殻と化した身体の奥で、147億の年月を重ねた精神性が萌芽する】
【けれど朽ち果てた肉体は満足な会話もままならず、一口ごとに深々と呼吸をする】

【肺が痛む。凍りついたような首筋を正して、頭上を仰ぐその男は帰ってきた】
【恍惚として鉛筆を握り直し、今一度円を描こうとし――思い出したように、振り返る】
【つい数瞬前まで寄り添い、手を重ねてくれていた彼女の存在を確かめるように。】


299 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/14(土) 01:48:13 BRNVt/Aw0
>>297

ゆっくり、ですか……そうですね
【つがるはまたへらりと笑って】

【そうして考えるのは自分が生きる今の『大切な世界』『大切な人達』の事】

【もしそれが壊される危険があるのならば、構わない、立ち向かってやるんだ、と心に誓う】

……はい、ではまた!
次は何か情報が入るようには頑張ります!
【厳島が去るのを見送るつがる】

(──鈴音ちゃんにもよろしく伝えておいてくれ、か……)

(二人が知り合い、だとしたら……)
【少しは彼女の助けになれるだろうか、と彼女は思案する】

【そうして厳島からのメールを確認すると】

【これから頑張らなきゃな、と呟いてその場を後にするのだった】


/こちらこそありがとうございました!
絡み乙です!


300 : ??? ◆/iCzTYjx0Y :2018/04/14(土) 02:40:32 YPBLlEbw0

【"風"の名を持つ国の中心街、静かなるメインストリートの夜に吹き込むは一陣の疾風。】
【並列四気筒エンジン特有の甲高く、それでいて優雅な"歌声"にも似た高音を響かせ、一台の二輪車が疾走する。】
【前輪を高く上げパワー・リフトし、見せつける様な派手なライディングでネオンの中を猛速に駆け抜ければ、辿り着いた先は一軒の酒場。】

【UNITED TRIGGERという名を冠したその店先、入り口から少し離れた場所にその大型自動二輪は停車した。】
【タイヤをフルロックさせアスファルトを削り、煙を撒き散らしながら車体が止まればエンジンを鎮火する。焼け付いたマフラーから】
【ちりちりと金属音が漏れる中、異世界はイタリア製、" MV AGUSTA "と書かれたレッドの車体を灯に照らしながら、"搭乗者"がバイクから、颯爽と降りた。】


―――ふぅ。まったく……面倒ごとを請け負っちまうのはハンサムの悪い癖だぜ。
けどこれで、"やれやれ"なんて言おうモノなら一斉に"ライト・ノベルの主人公かよ"なんてバカにされるんだ。

ああ本当に―――難儀なもんだよ。格好良すぎるってのも世の中考え物だな。生き辛い事この上ねえ。
っと。―――ヘイ。ただいま、だ。"店主代理様"のお通りよ、店番って言ってくれても良いけどな。―――おーい、誰かいるか?


【降り立ったその男は背丈にして190を超す大柄な人物。ダブルのライダースジャケットはブラックで使い込まれた其れ。】
【パンツもこれまたレザーのブラックで統一、中に着込んだシャツだけはワインレッドという、お世辞にも"柄が良い"とは呼べない出で立ち。】
【腰元には二対のガン・ホルスターを携え、髪色は茶髪交じりの黒。人間ならざる"魔"の風格と怪しげな"紅い瞳"を輝かせ、"ソイツ"は店の中へ堂々と入って行った。】

【そして発せられるのはこれまた珍妙な言葉。聴き間違いでなければ―――"店主代理"。或いは、"店番"等と言っていなかったか。】
【確かに店の出自柄、また実情から"行儀の良い"客以外が多く集まるのはよくある事だったが、それにしても―――こんな派手な人物が、店番。】
【怪しい事この上ない大男は風で崩れた髪をくしゃくしゃと手櫛で直しながら、店のカウンター内にずかずかと入り込み。誰かいないか、と声を掛けながら……】


―――ま、どうせアイツも居ねえし……パーッと飲んじまうかな。ハハッ!


【客がいようが、それとも"別の店番"が居ようがお構いなしに、棚を開け放って高そうなワインボトルを取り出し】
【コルクを指で器用に弾き飛ばし、そのままぐび、ぐび、と―――瓶から直接、喉へと"フルボディ"を流し込んでいく―――。】
【勿論、彼が店番である事も、店主代理である事にも証拠がない。とっちめようとすれば出来るし、止めることも出来るだろう。恐らくは、だが。】


301 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/14(土) 09:29:42 wn2rqSVw0
>>300

【大男がワインボトルを傾け始めてから数秒後、入り口の戸が穏やかに開けられる】
【新たな来店者だった。かつん、という靴音を鳴らして歩み入る、その人物は女性であった】

【ただ、背は高い。元々高身長なのだろうが、ブーツの底も足せば180cmはあるだろうか】
【そのスタイルは裾が足首まで届く真っ白なミンクコートで隠されていたが】
【立てた襟で口元までが隠されていても、鼻筋と目元だけを見れば】
【それなりに整った顔立ちであることは分かるだろうし――その瞳は、力強い黄土色で】


……セリーナ・ザ・"キッド"は何処だ?
居ないみたいだが……何処かで「正義の味方」でもやっているのか?


【声は冷たく、あまり冗談が通じるタイプではない――第一印象は、そんな所だろうか】
【そして何より気が強い。第一声が自分の要求という辺りに我の強さが滲み出ている】

【だがその一方で、この人物がこの組織をよく知っているらしい、というのも分かるだろう】
【店内を見回す動作は明らかに死角になる位置を心得たものだったし】
【「仕事」とか「出払っている」とかではなく、敢えて「正義の味方」と口にする辺りも】
【なんとなく、セリーナという人物を知っているようなモノであり】

【ともすれば、そのセリーナが居なければ用はないなんて言い出しそうな雰囲気もあったが】
【相手の風格と腰元のガン・ホルスターを見て、店番である彼の目の前のカウンターに腰を下ろすと】
【「ラガー。」とだけ短く伝える。近付くと分かるが、背の中ほどまで届く髪は染めたものらしく】
【少しの違和感が残る艶やかな黒色をしていて、何かしらの裏がある人物――というのも、予想ができた】


302 : ??? ◆/iCzTYjx0Y :2018/04/14(土) 11:02:46 lp4TKcVo0
>>301

【3分の1程度を胃袋へ流し込み、濃厚さに元々紅い目を更に真っ赤にさせた彼が入口に目をやったのと】
【"彼女"が入店してきたのとは殆ど同じタイミングだった。黄土色と真紅、二つの視線はバッチリと重なり合って】
【互いに互いを認識する―――が、女の方は素気ない表情。用件だけ口にし、辺りを見回す彼女は聊かドライで、冷たく。】

【そうしてまた、男も中身が揺れるワインボトルをことん、とテーブルに置いて。彼女の視線の先を追った。】
【監視カメラにトラップ、自動機銃が隠されたパネルに緊急用の銃火器が潜む壁面等―――どれも"酒場"の正体を熟知した者にしか】
【知りえないような情報が詰まった個所ばかり。入店して直ぐにそれを確認するという事は、"事情を知っている人間"である事に違いはない。或いは、敵か。】


―――悪いなお嬢さん。店主は今……そうだな、……"風邪引いて寝込んで"る。
ちょいとばかしポカやっちまったのさ、仕事が忙しいのかプライベートが荒れてるのかは分からんが。

とにかく不在だ、見ての通りの有様で。オレが店番兼、―――まあ、一応店主代理、って事になるらしいぜ。
ただ……どこかで正義の味方やってるってのはその通り。寝込んでてもきっと夢の中で銃ブッ放してるよ、アイツはそういう女だからな。


【だが、恐らくは後者ではない。男はそう判断する、大胆不敵な敵であれば確かに直接乗り込んでくる事もあるだろうが】
【彼女はあくまで事情通、その上でセリーナを"正義の味方やってるのか"と、半ば揶揄する形で呼称していて。となれば、恐らくは友人。】
【若しくはもっと深い仲の存在である可能性も否定できないが、ともあれ。掛けられた言葉にはしっかりと応え、セリーナの不在と自身の立ち位置を説明し】

【―――少し"ぼかす"形で伝えたのはまだ、彼女の全てを知っている訳ではないから、だ。】
【本当に仲間だった場合には、それこそ"助けを求めないと"いけなかったのだが……それは今から判断していけばいい。】
【男は、"メルツェン"と書かれた綺麗な琥珀色のそれを取り出し、瓶の蓋をあろうことか親指で"弾き飛ばし"、ジョッキにどくどくと注いでいって。】


―――エールも良いけどやっぱビールはラガーだよな。そんでもってジャーマン製が一番だ。
ま、オレは金もないから普段はもっぱらホッピーばっかり飲んでるけどよ。今日はあの酔いどれも居ねえし好きなだけ飲んでいいぜ、なんたって―――

オレは女性に世界一やさしい男で通っててね。こんな美人と店で二人きりだ、安酒なんて出せる筈もない。
それじゃ乾杯と行こうか、君の眼の色にもよく似た"琥珀"のビールさ。―――素敵なお嬢さんとの出会いに、乾杯。ってね。


【ジョッキを差し出し、自身は瓶を掲げ。乾杯、と告げると再びワインを口に流し込んでいく。】
【そうして相手が口をつけようが、つけまいがお構いなしに唐突に、本当に唐突に言葉を告げる―――】


――――"黄土色"の瞳を持つ娘の話を。"セリーナ"からしょっちゅう聞かされてたよ。


【試す様に。髪色をちら、と見つめる。薄い紅が交じった黒髪に何かを思い出したように、男はそう告げた。】


303 : 名無しさん :2018/04/14(土) 11:34:49 p.JW.jQc0
>>291

【両肩の階級章とワッペンを交互に見て、にへらと笑うリオシア】
【物珍しそうに階級章をさすりながら】
【制服はとっても気に入ったようだ】

士官学校、士官学校‥‥!あ、少佐のお姉さんが言ってたやつね?
勉強してそこに入ればわたしも少佐になれるって!

【指示通り、イメージを浮かべればすぐに私服に戻り】
【おおっ、などと声を出せば】
【楽しそうにもう一回だけ更衣を繰り返し、ようやく席につく】

おねがいします翔子先生!

【何にでも興味を持つ性格のため、座学で居眠りしたりはせずどの分野でも素直に聞くだろう。ちなみに】
【石動達と出会った際、海軍と聞いて思い浮かべた「大砲を撃つ大きい船」の話なんかは特に食いついたりする】


304 : 名無しさん :2018/04/14(土) 11:55:54 mOm7rl4A0
>>281

【煙草で黙らされて、頭の中で余計なことばかり浮かび上がってくる。これが走馬灯ってやつか?】
【それなら何度も見てるから珍しくもねえなと別の誰かが揶揄してくる。煩えな『俺』は相変わらず】

……うるせえ、男はカッコつけんのが仕事なんだよ。カッコもつけれなきゃ意味がない
責任だとかプライドだとか抱えて詰め込んでやっと立つ生き物なんだ。覚えとけ
どうせ理解なんかできねえだろ?でもな

こういう愛し方しかできねえもんなのさ

【ハハッ、と笑って。またしばらく、彼は目をつぶった。だいぶまともな喋りをするようになったが】
【口数は減りつつある。いい兆候か悪いほうかはわからない。喋ろうが黙ろうが不安にさせる面倒なやつだ】

【黒幕の連中も特区外ではそうそう自由な権限を持っちゃいないのか。流石に封鎖も検問もなく】
【パトカーも普通の巡視体制。きっと同じように秘密裏に、探しているんだろう。イラツイてる顔でも想像すれば】
【多少気分もマシになるってもんだ】

……責めてくれたほうがまだいい。

【空き家についてから彼はすぐ返事はしなかった。呼吸はあるようだが、見た目からはもはや怪我があるのか無いのか】
【わからないほどだ。まあ致命傷ならもう死んでるはずだ。それほどシリアスに考える必要はないかもしれない】
【どちらかというとあの妄想やらなんやらの内面的なストレスのほうが深刻そうかもしれないが…どうにかなるもんだろうか】

【車にはいろいろ積まれている。着替え、拳銃、SMG、弾薬、グレネード類、治療キット、漂白剤に工具に…道具は一人前だ】
【後はペットボトルの水がいくつかとマルボロが数箱】

【作業が終わった頃、助手席のドアが開いて、彼が降りてくる。車に積んである予備のサングラスをかけて】

…最悪の気分だ。さっさと着替えたい。

【立ち上がると貧血のように頭が割れそうになって視界が揺れる。男はまた倒れそうになって、それでもなんとか歩き】
【空き家の屋内へ通じるドアを開けようとした】


305 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/14(土) 12:02:53 6.kk0qdE0
>>303

「こほん、では先ず魔導海軍の成立に関して、教本の一ページを開いてください」

【楽し気な様子のリオシアを眺めるも、先生と呼ばれたら俄然気合が入るもの】
【背筋を伸ばし、教本を手にリオシアに先ずは魔導海軍の成立とその目的から】

「正式な成立は■■年前とかなり新しくなります、これは従来の海軍組織を一新し、全軍艦、兵種に対魔能戦装備や魔導機関を設置、専門の艦を建造した為であります」
「かつて、櫻の国はカノッサ機関、荒覇吐水軍の襲撃に見舞われていました、これは当時の自警団と能力者達により撃退されました」
「これにより、対機関、対能力者の戦いの必要性を痛感した軍部が一新を決意、現在に至ります」
「魔能をもって異能の不当な侵略より祖国を防衛するを是とし」
「静ヶ﨑を鎮守府として、軍艦は魔導戦艦、重巡洋艦、軽巡洋艦、駆逐艦、潜水艦、合計艦艇数は400隻近くです」
「総旗艦は現在大和ですね」

【ここまでは大丈夫ですか?とリオシアに聞く】
【意外な事に、居眠りや退屈そうな様子は見受けられない】


306 : 名無しさん :2018/04/14(土) 12:17:02 p.JW.jQc0
>>305

ふむ、ふむ‥‥

【始まった講義、教本の1ページを開き】
【興味深そうに教本を凝視し、時折翔子の顔を見つめたりする】
【カノッサ機関という単語が出た際は、少しだけ眉間にシワを寄せたが、すぐに戻り】
【大丈夫かと聞かれると、うん!と元気良く答え】

よーするに、悪い人をめちゃくちゃにするためにめちゃくちゃつよい軍隊を作ったんだよね!

【そして講義に伴い、教本の頁を捲ると、目がカッと見開いた】

おぉ‥‥かっこいい‥‥‥‥!
これ、船も大砲も大きくてすごいね!

【教本に載っている、翔子が総旗艦と言及した大和の写真を指差しながら目を輝かせた】


307 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/14(土) 12:28:20 wn2rqSVw0
>>302

【「そうか」と、これまた短く冷たい言葉で返事をする】
【〝セリーナ・ザ・"キッド"が風邪を引いて寝込んでいる〟】
【それを聞いた、要はここに来た一番の理由が判ったにしてはそっけない返事】

【――推測的には、そういった言い回しで理解できるだけの関係性を持った人間か】
【それとも分かったふりをする馬鹿か。敢えて喋らないようにしているせいか】
【判別は正直、難しい。ただ、身にまとったミンクのコートは明らかに本物であったし】
【振る舞いも堂々としていて、迷いがない。細かいところからも"偽物らしさ"は感じられず】


――女性に優しい男というのは結構だが、センスが古い。

そんな台詞で引っかかるのは、それこそ其処らの安い女だけだろうな
まあ…――ドイツ製のラガーが一番だというのは、同意するが。


【ジョッキを差し出されれば、それをコートに合わせた白い手袋を着けた右手で受け取り】
【左手で立てた襟の前を開くと口元まで――やはりよく整った面立ちが顕になる】
【言葉は辛辣で素っ気ないが、乾杯、という言葉を聞けば小さく笑い】
【ジョッキに口を付け、濃密な泡と苦味のある琥珀色の液体を静かに味わって――】


……へえ。それで、"アイツ"はなんて言ってたんだ?


【男の視線が向いた黒髪に交じる、仄かな紅。それは隠しきれないほどに鮮烈なものであり】
【今も体型を隠しているコートのように、その人物性を誤魔化している様に思える】
【"アイツ"――セリーナをそう呼びながらまたジョッキを傾けて、大男を睨むように見返した】


308 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/14(土) 12:31:32 6.kk0qdE0
>>306

【やはり、と言うわけではないが】
【カノッサ機関の名前が出ると、顔を顰めた】
【心の傷になっている様子だ、あるいは段階的にケアも必要なのかもしれない】

「そう!そうなんだよ!」

【またリオシアが笑顔で、こう解釈すると】
【此方も笑顔で、それを肯定した】
【無垢な、極めて純粋な子なのだろう、と】

「リオシアちゃんは、艦艇乗りになりたいの?」

【教本の大和の写真に見惚れるような様子のリオシアを、見て】
【そう尋ねる】


309 : ◆jw.vgDRcAc :2018/04/14(土) 12:50:01 DIKJp7AM0
>>93

【助ければ助けるほど、もっと助けないといけない人が目に映ってしまう。それは、無限に続く繰り返しのように】
【それに、仮に全てを助けられたとしても……助けた傍から、また新たに助けないといけない人が出てきてしまう。】
【困ったことにこの世界は救いたい人より傷つけたい人の方が多いから……どうしたって、傷つく人はゼロにはならない。】
【自己満足で終わるよりは、助けたいのに助けられないと葛藤する方が健全なのかもしれない。けれど】
【―――報いを求めず救おうとする鈴音の姿勢は、あまりに強く。それでいて、危ういような気がして。】
【きっと、余計なお節介なのだろう。けれど、心の中で貴女を案じ、何か力になれないかと思うくらいは―――許してほしい。】

……あなたが大丈夫というのなら、私はそれを信じます。
けれど、どうか……どうか、大丈夫じゃない時まで、大丈夫と言わないで下さいな。
……私は来ない方がいいと思うような場所に、あなたは踏み込んでいるのでしょう?

―――それじゃあ、私からもひとつだけわがままを。
また、一緒にお話をして下さい。私だって……あなたとこうしてお話を出来た事、とても嬉しかったのですから。

【きっと、自分より他人を大切にする鈴音は、「貴女自身の為に、元気でいて欲しい」と言っても、無理をするのだろう。】
【だから私のわがままとして、「私の為に、元気でいて欲しい」と願う。―――そう、これは私のわがまま。】
【ただ私がまたあなたと話したいから、そう願う。今日はもうお別れの時間だけれど、また一緒に話したいと願う。】

【……もう少しこうしていたいけれど、そうも言っていられない。母親の身は、自分一人の物ではないのだから。】
【食べたお菓子の包みを片付けて、そう多くない荷物を持って、帽子を被って……帰り支度が済めば】
【あなたと一緒に外まで出て、最後に名残惜しそうにあなたの顔を見つめる。勿論、これで見納めにするつもりはないけれど】

ふふっ。―――またね、鈴音。

【最後に一言、彼女らしからぬ少し砕けた言い方で別れの言葉をかけると……彼女の体は一筋の淡い光芒となって】
【紅茶と彼女の匂いの残り香を残して、消えて行った。「またね」と。もう一度会いたいという想いを添えて】

//というわけで、お疲れさまでした!長々とお付き合い頂きありがとうございました!


310 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/14(土) 13:31:47 Qud9Zuhc0
>>304
【カッコつけるのが仕事。それが男ってものらしい。「分からねぇな」】
【ふと思い浮かべたやつがいた。エリート気取りの潔癖野郎。いらない土産を寄越して、いなくなった】
【「…………分からねぇよ」もう一度小さく呟く。分かりたくもなかった】

【責めてくれた方が。その言葉には、何も返さなかった。問答する余裕なんて】
【今の彼にはないだろうし、それをするつもりもなかった。イヤに気が立っている】
【短気だという自覚はあったが、やり場のないムカつきを感じたことは、そう多くない】

【換え終わったナンバープレートを、荒っぽく床に投げつける。ボディのシールだって、雑に剥がして】
【途中、メールを受信したからすぐに返信した。ついでに、いくつか宛名を足して送る】
【UTに連絡するなとか言われたが、知ったことか。今は都合よく、30分以内の記憶力が低下中】
【そういうことにでもしておこう。だいたい、どんな状態かまでは書かなかったから】
【それだけでも感謝してほしいもんだ──八つ当たりだな、と自嘲めいた笑みが浮かぶ】


おう、随分とまともな喋り方になったじゃねぇか
でも────は。まだ大丈夫とは言えなさそうだな、んん?


【車の偽装は終わった。もうすっかり別の車だ。見た目だけが白い、棺桶候補】
【ロッソが室内へ入ろうとすると、ミラが遅れて追いかけてくる】
【手には治療キットに着替え、ペットボトル。それにマルボロ】
【フラつく彼を支えようとして──ドアには鍵が。ホームレスが入ってこれないようにか】
【はんと鼻で笑って、何度かドアを蹴り飛ばす。オープンセサミほどスマートな開け方じゃないが】
【それでもドアは開くのだ。「ちょろい魔法だぜ」と半笑い】

【そのまま室内に入れば、ガレージ同様に埃とカビ臭さが出迎えてくれる。床が軋むが、気にする必要はない】
【リビングには家具が一部置きっ放しだ。綿が出ているソファに、壊れたタンス。それと部屋の隅にぬいぐるみ】
【キッチンには食器がいくつかと、とっくに期限の切れたシリアルの箱。後は少し膨れた缶詰がいくつか】
【バスルームにはタオルがいくつか。埃を被っていて衛生的じゃあないが、使おうと思えば使える】

【ミラは彼をとりあえずソファに座らせようとするが、好きにしてくれたって構わない】
【部屋を歩き回りたいのであれば、付き添いながらも歩かせてはくれるだろうし】
【治療や着替えがしたいなら、車から持ってきたものを差し出すのだ。ただし、ここは空き家】
【当然のことながら水は出ない──身体を拭きたいのなら、ペットボトルの水でどうにかするしかなさそうだ】


311 : 名無しさん :2018/04/14(土) 15:43:25 mOm7rl4A0
>>310

【素直に支えられて、ミラが万能鍵で小さい問題を解決するのを横目で見ていた】

その魔法なら俺も使えるぜ

【と、言った。この辺りは同じ考え方を持っている。手っ取り早いほうが何だっていいに限る。】
【ガチャガチャいじるより、時間効率的に言うならばこっちの方がかなりスマートだ。】
【そもそも割り切った考え方こそ1番スマートだ。綺麗事は得てして遠回りになることが多い。彼の経験上の話だ】

いや…気にするな。バスルームを借りるよ。…ありがとう。
ぶっ倒れることも無いはずだ。…まあ、その代わり、ラジオがわりに話でもしていてくれ。
何…言ってたか覚えちゃいなけど、俺の話ばっかりじゃ…

……それに、色々話はあるだろ?きっと
無いならなんでもいい。つまらないジョーク以外なら

【ミラが抱えたものを受け取って、バスルームへと男は向かうだろう。こもった物音だけが何となく聞こえるはずだ】
【廃屋でもわざわざバスルームへ行くのは、ここの元家主に気を使ったのだろうか。時間の止まった生活の残り香に】
【何かを感じたのだろうか。それとも一応、女性に配慮するという紳士的な行動のつもりか…まあどっちでもいいことかもしれないが】
【へんに繊細なこの男ならどちらもありそうな話だ。】

【そして話なら山ほどあるか。この男の素性からこの出来事の詳細もあるし、チームについての事情やらも…逆に何を話せばいいか】
【暇つぶしの世間話には贅沢すぎるぐらいだ】


312 : 名無しさん :2018/04/14(土) 16:24:17 p.JW.jQc0
>>308

おっ、これも、これも、かっこいいなぁ

【等と言いながら、他の艦艇の写真も見つつ】
【大口径の艦砲を備える戦艦や重巡洋艦が好みのようで】

うん!乗ってみたい!それで、大きな船から大きな砲弾を機関とかの基地にどーんと撃ったら悪い人を一網打尽にできそうだなって!

【あくまでも純真に、天真爛漫に答えた】

あ、でも‥‥‥‥ずっと海にいるのって楽しいのかな‥‥‥‥?
自由に歩き回ったりとかできなくて寂しくならないのかなぁ

【うーん、と首を捻る】
【艦艇に乗ることの具体的なイメージは出来ないようだ】

翔子ちゃんは、乗ったことある?


313 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/14(土) 16:45:48 6.kk0qdE0
>>312

「ふふふ、そうなんだ〜、じゃあここでの任期が終わったら、静ヶ崎の海兵団に行く?」

【静ヶ﨑鎮守府海兵団、通常入営の海兵が最初に教育を行う場所、主に艦隊勤務の水兵が育成される】
【言って居る事は兎も角も、非常に微笑ましいと言える】

「そうだね〜、海はずっといるのはちょっとね、ある程度経つと陸が恋しくなるし」
「でもずっと海に居っぱなしじゃないよ、やっぱり補給があるから定期的に港に寄らないとだし」
「私は、士官学校卒業の後、ちょっとだけ艦隊勤務してたよ、うーんと、この船に乗ってたんだよ」

【翔子が指さしたのは、魔導戦艦長門】
【大和就航以前の、連合艦隊総旗艦だ】

「やっぱり乗るなら戦艦か、重巡洋艦がいい?空母の飛行機乗りとかもあるよ?」

【もしかしたらリオシアは、砲撃手に向いているのかもしれない】
【あるいは、術式魚雷の装填手等】


314 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/14(土) 17:44:15 Gjc2dlno0
>>311
【「血塗れの魔法使いか、イかれてんな」もちろん褒め言葉だ】
【相手がどう受け取るかは知らないが。「ろくでもねぇ魔法使いと魔女だな」】
【半笑いのままそう言って、バスルームの入り口まではついていく】
【そして彼が中で着替えなりなんなりを始めた気配を察すれば】
【そのまま壁にもたれかかって座り込んだ。話。ラジオ代わりの話か】


は、くだらねぇジョーク禁止ときたか。そいつぁ中々難しいな
まぁそうだな────色々、話はある。ありすぎて、迷うくらいだ
ただ…………ラジオ代わりってんならちょうどいいのがある

────カッコつけすぎて死んでった、潔癖野郎の話だ


【は、と小さく笑う。櫻の軍人との協力や、指輪の話は後でしたっていいだろう】
【今は出来るだけ、神経を使わない話を。ちょっとした娯楽くらいがちょうどいい】
【口をついて出てきた話は──つい、と耳元のイヤリングに触れる】


そいつは潔癖症で、世の中の汚さに我慢がならなかった
だから──綺麗な世の中を作ろうとしてた。魂も肉体も健全な、完璧な世界

だが…………そいつの周りはそれを許してくれるほど、綺麗じゃなかった
汚ねぇことは山ほどさ。まるでマフィアだ。人殺しは当然のこと
誰かを騙くらかしたり、時には人体実験なんてことも
目的は男と同じだった。綺麗な世界を──やり方が、汚すぎただけで


【ため息が零れる。なんだって自分はこんな話をしているんだろう】
【くだらない感傷だろうか。誰かに、こういう奴が居たって知って欲しくて】
【ちょうど目の前に、お誂え向きの奴がいた。きっとそうなんだろう】


────そいつには、気になっている女がいた
どこかで殺し合いをした女。綺麗な世界を作るためには不要な女
でもどうしてだか、そいつは女が気になった。理由は知らねぇが

それで…………そいつは女に言われたんだ。お前の周りこそが汚ねぇって
綺麗な世界を建前にして汚ねぇことしやがる連中なんて、気にいらねぇって

…………。……………………そこから、男は考えたんだろうな
女によ、てめぇの周りにいる連中をぶっ潰そうぜって言われちまったから

結局────男はどこかに消えた。女に用意したイヤリングを遺して
女のことを好いてるなんて、一言も伝えねぇままに…………よぉ


【この話はそれでお終いだった。歯切れの悪い、不出来なお伽話のようだ】
【「どうだ、BGM代わりくらいにはなったか」──ミラから声がかけられる】
【どこか引きつった声色だった。無理をして笑っているような声】
【は、とまた吐き捨てるように笑った。「バカみてぇな話だな。ほんと」】


315 : 名無しさん :2018/04/14(土) 19:17:40 p.JW.jQc0
>>313

任期、任期‥‥‥‥そっか、軍人さんだもんね。ずっとここにいるわけじゃないんだね‥‥‥‥

【昨日今日出会ったばかりの人達だが、リオシアにとっては大切な出会いで】
【いつか来るかもしれない別れを想像してしまったのだろう、ちょっとだけしゅんとしてから】

先のことはまだよくわかんないや‥‥‥‥でも今はここで翔子ちゃんや少佐や中尉と一緒にお仕事、したいかな

【空色の瞳でしっかり翔子を見つめて、答えた】
【そして翔子の艦隊勤務の話に再び目を輝かせる】

へぇー!この船も大きくて強そう!
どんなお仕事してたの?

【自分の全く知らない話を教えてくれる翔子を尊敬の眼差しで見つめた】

空母、空母!船から飛行機が飛ぶんだよね?空飛ぶのも楽しそうだね!
うーん、うーん、でもやっぱり大砲も撃ちたいし、えへへ、海軍ってお仕事たくさんあって迷うね!


316 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/14(土) 19:33:32 6.kk0qdE0
>>315

「うん、でも希望すればその先も居れるし、それに他の任地も選べるようになるし」

【少ししゅんとするリオシアを元気づける様に】
【海軍も、折角の人材をみすみす手放すような真似はしないだろう】

「そっか、私もねリオシアちゃんと、まだずっと一緒に居たいよ!」

【しっかりとこちらを見つめる瞳に、そう答えた】
【何とも、妹の様で、翔子はついついそんな構い方をしてしまうのだ】

「私はね、通信手をしてたよ、味方の船や本国と連絡を取り合うお仕事」
「ふふふ、ゆっくり選んで決めるといいよ!」

【キャリアを積む、教育を受ける】
【それは貴重な機会だ、リオシアが今後どの様な職務に就くかはまだ分からない】
【だが、今だけは、翔子や厳島の部下であり最初の教育兵だ】

「さて、次は銃の事を教えますよ!教本の18ページを開いてね」

【そう言って、銃火器を取り出す】
【31式歩兵銃、28式士官用自動拳銃、30式銃剣、リオシアに支給された武器を、彼女の目の前に置く】

「陸戦隊はやはり銃火器の扱いがメインです、なので扱い方を覚えましょう」
「31式歩兵銃、陸軍でも使っている歩兵用の武器です、ボルトアクション式ライフルなので、この弾倉に弾を入れて……」

【木製と金属製の銃身はかなり長い】
【弾倉に弾を込めて、装填する動作をして見せる】
【最も室内故に、実際に射撃は無論出来ないが】
【構え方も見せる】

「じゃあ、構えてみてね!」


317 : 名無しさん :2018/04/14(土) 19:48:45 vXMS8RP.0
>>309
/きれいにしてもらったので、こちらからはこのままで、おつかれさまでしたっ!


318 : 名無しさん :2018/04/14(土) 21:17:27 5w/a9BZQ0
>>316

うん!一緒に頑張る!
……通信、通信手?なんか難しそうだね

【翔子の言葉に励まされつつ──】
【通信手の仕事のイメージはなんとなくしかわからなかったが、その辺りは今後の教育で覚えられるはずだ】

銃、銃!鉄砲!わぁ、銃を持つのなんて初めてだよ
あ、向けられたことはあるけど……

えっと、18ページっと……

【教本を捲り、並べられた武器と翔子の見本をしっかり見つめ】
【リオシアも歩兵銃を構える】

よっと、んむ……思ってたより重いね

【見よう見まねで翔子と同じように構えるが】
【初めてのため姿勢は安定せず銃口が小さくぷるぷると震えているのがわかるだろう】
【が、本人は気にせず】

こんな感じかな!ね、撃っていい?撃ちたい!


319 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/14(土) 21:38:21 6.kk0qdE0
>>318

「銃はこう、この銃床を肩の部分に付けて、頬を押し付ける様に利き目で狙うんだよ」
「利き目で、この照門越しに照星を見て」

【正しい姿勢を丁寧に教える】
【やはりリオシアの体格では、歩兵銃は大きい様子だ

「射撃訓練は、午後にやりましょう、今は正しい保持姿勢を覚える事」
「そうじゃないと撃つ時も怪我しちゃうよ?」

【最も、この時に正しい姿勢さえ覚えておけば】
【後の銃火器の時に応用が利く】
【やがて】

「じゃあ!これから、一緒に射撃訓練に行きます」
「同時に野戦訓練もするからね、装備をもって下に集合!」

【そう告げると、何か準備を始める】
【リオシアも準備を終えて下に行けば、翔子は既に待っているだろう】


320 : 名無しさん :2018/04/14(土) 23:06:51 5w/a9BZQ0
>>319

えっと、これを肩につけて、こっちを頬につけて、
こうかな……

怪我、怪我はしたくないな……前みたいに倒れちゃうのは嫌

【さらに丁寧に教わった姿勢を実践】
【リオシアの飲み込みは早く、何より翔子の的確な指導により──】
【教わるたびに確実に姿勢は良くなっているようで】
【装填の方法等、銃の基本的な取扱いも覚えることが出来たようだ】

【そして、射撃訓練の時間に】
【渡された装備をガチャガチャと全部持ち、翔子を追って下へ向かう】

射撃訓練と野戦訓練!ついに戦えるのね!
えへへ、わくわくする!

【リオシアもまだまだ疲れた兆候は見せていない】
【興味が溢れていると言った様子だ】


321 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/15(日) 00:37:22 6.kk0qdE0
>>320

「銃火器の自己は、怪我どころか最悪死に繋がるから、気を付けないとね」

【そう所々を直し、指導していきながら】
【しかし、内心はその飲み込みの速さに感心していた】
【やがて】

【マンション外・裏手駐車場】

「今から演習できる場所まで移動します」
「じゃあ、この車に乗ってね」

【裏に駐車されていたのは、大型のクラッシックなアメリカンタイプのバイクとこれまたクラッシックなデザインの車、どちらもOD色である事から、軍用の物と解るだろう】
【今回は車の方に、乗っていく様だ】
【ドアを開けて、荷物を載せ、リオシアも乗ればそのまま出発するだろう】


322 : 名無しさん :2018/04/15(日) 00:56:43 5w/a9BZQ0
>>321

あ、ここで撃つんじゃないんだ?

【当然、マンションの駐車場で射撃練習をできるわけはなく】
【リオシアも車に乗り込む】

車、車、ドライブってやつだね?ふふ♪

【キョロキョロしては、外の景色を見たり】
【翔子を見たりと、落ち着かない様子だ】

【目的地に着くまでの間、弾帯の銃弾をじゃらりと眺めてみたり】
【わたしの能力で作れないかな、などと呟いたり──】


323 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/15(日) 01:10:30 6.kk0qdE0
>>322

「そうだよ!このもっと奥地の山の中で演習するの、そこなら誰も来ないだろうし」

【つい最近見つけた演習地だ】
【銃の射撃練習用に、と思っていたが、まさかこういう形で役に立つとは】
【やがて、暫く運転し、山道を登り、下り、そして】

【山の中】
【かつてはお気楽なキャンプ場でもあったのか、渓流近くのちょっとした平野みたくなっている】
【確かに、ここならば誰も来無さそうだ】

「じゃあ、荷物を下して、私はこれを設置するから」

【そう言うと翔子は、人形の的を用意し、かなり離れた位置に設置した】
【その距離は大凡200メートル程】
【的を設置し終えたら、翔子が近づき】

「この位置から、歩兵銃を私が構えてって言ったら構えて、撃てって言ったら撃ってね」
「じゃあ、はじめます、構えて!」

【そしてしばらく置いてから】

「撃てッ!」


324 : 名無しさん :2018/04/15(日) 01:24:41 5w/a9BZQ0
>>323

【山中の射撃練習場に到着し】
【車を降り、的を設置する翔子をやはり興味深そうに眺める】

おぉ、それを撃つのね!
……あれ、あれ、翔子ちゃん?どこまで行くの!?

【すぐそこに置くと思っていたリオシアだったが】
【思っていたよりずっと遠くまで歩いていく翔子に戸惑いの声が上がる】
【設置された200メートル先の的──】

遠い、遠いっ!あんなに遠いとこに……

【先程まで部屋で銃の扱いを練習していたリオシアは】
【屋外の訓練でいきなりスケールが大きくなって驚嘆しているようだ】

うん、やってみる……
さっき練習した通りに……!

【構え】

……

【撃つ】

っん!

【ズバァンッ!!と、山中に銃声が響き──】
【近くの木に止まっていた鳥たちが一斉に飛び立った】
【そして肝心の銃弾は──】

ど、どう?どうかな!?当たった?

【確認すれば、命中はしていないものの】
【人形の的の右肩部分をわずかに掠めていることがわかるだろう】


325 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/15(日) 01:34:48 6.kk0qdE0
>>324

「……」
「ちょっと待ってね!」

【双眼鏡を取り出し、確認する】
【どうにも、的の人型の右肩部分を掠めている様だ】
【狙いも姿勢も悪くなかった】

「惜しかったよ〜、もうちょっと銃の先を安定させられるように意識しようか」

【原因と思われる事をアドバイスし、もう一度】

【構え……撃てッ!】


326 : 名無しさん :2018/04/15(日) 01:50:39 5w/a9BZQ0
>>325

惜しかった、惜しかったかぁ、えへへ……じゃなくて
銃の先を安定……うんっ

【惜しかったと言われてすこし喜ぶが】
【翔子の指示で直ちに次弾を装填し、構え直す】

銃の先を安定、銃の先を安定……
銃を安定させるには両手を安定……
両手を安定させるには体を安定……
体を安定させるには……ずっしりとする

【アドバイスをつぶやき、そのために自分の体で何が出来るかを考え】
【心の中でも反芻し】
【撃った──】

【どうやら今度は命中した、ようだ──】


327 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/15(日) 01:56:59 6.kk0qdE0
>>326

【何も言わずに、構え直す様を見守る】
【なるほど、今度は安定性が増している】
【やはりこの少女は飲み込みが早い、そして狙撃のセンスがある、狙撃兵向きだろうか】

「……」
「……命中、凄い!ちゃんと当たってるよ!」

【的のほぼ真ん中、しっかりと弾痕が残り】
【リオシアの狙撃能力の高さを、立証していた】

「次は、もうちょっと的に近づいて、拳銃の射撃をやってみようか?」

【構え方は教本に乗っている通り、さて出来るだろうか?】


328 : 名無しさん :2018/04/15(日) 02:45:57 5w/a9BZQ0
>>327

や、やったぁ!
翔子ちゃん、翔子のおかげだよ!
おっと、と

【命中を知り大喜びするリオシア】
【まだ射撃訓練は始まったばかりでおおはしゃぎである】
【少しバランスを崩し倒れそうになりつつ翔子に駆け寄る】

拳銃、うん、こっちのほうが小さくて持ちやすくて好きかも

【用意された"28式海軍士官用拳銃"を携え、的に近づく】

両手でしっかり握って……

【パン!と、小銃よりは軽い音が鳴る】
【初弾は外したことを自ら視認する】

あら……じゃあええと……

【狙いを修正しながら、続けて発砲する】

あっ、め、命中!

【今度も2発目で的に命中させた】


329 : キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/04/15(日) 03:00:07 YPBLlEbw0
>>307

【素っ気ない返事は先ほどと変わらず。或いは、この表現でもう察しがつくほど。】
【二人の関係性が出来上がっている、という事だろうか。どの道、"普通"ではない事だけは確かであった。】
【男はじっくりと彼女を見つめる。表情は揺れ動かない。冷徹で、だがそれでいて人間味のある其れだ。魅力的、と言い換えてみて良い】


……ハハッ。なんだよ、お嬢さんは素っ気ねぇなぁ。
オレはこれで永遠の29歳を自称してる。スマホだって最新式だぜ、センスは未来を先取りし過ぎて却って古臭く見えちまう奴だな。

た、だ―――安い女、って言葉は否定しておくぜ。女の子に高いも安いもない。良し悪しを求めるのはピュアな人間の悪い癖だ。
元々人間なんてのはそんなに高尚な存在じゃない。女の子ってのはみんな可愛くてみんな素敵。それくらいの認識でいいのさ、そうだろう?


【所謂、"遊び人"の理屈だ。曰く、股間が忙しい男は女に人間的評価を求めず、逆に童貞はそれを求めすぎる、という物。】
【この男の場合もっと深いところで"人間"其の物に対して楽観的、露悪的な見方で接している節すらある。―――見かけと言動によらず】
【男も男でドライ、というか冷徹な面を持っている様。そういう所をチラつかせるのは、似たような存在だとアピールし、心を開かせる為、だろうか。】


【―――だが、続く言葉で彼は彼女の鋭い視線に晒される事になり。どこかピリついた空気が付きまとう。】



"顔を合わせる度に小競り合いみたいになる"

"会えば確実に一度は互いの事を睨み付け合う"

"お酒を勝手に飲まれる"

"口が悪すぎる"

"ひっどいあだ名をつけられた"

"絶妙にそのあだ名が浸透し始めてて困ってる"



――――"何もかもがアタシと真逆の、とっても大切な友達。"



【静かな圧を裂く様に。彼はワインを煽りつつ、単語を並べた。つまり、これは―――】


……こんなところ、だったかな。"アイツ"の言葉で印象に残ってるのは。
ああでも! "ホルスタイン"ってのはナイスネーミングだ。オレも時折そうやって呼んでるぜ。

……それで。どうしてもってワケじゃないが、聴けるなら聞いておきたいところだな。
"姿を消してから暫く経った"とも聞き及んでた"キミ"が―――何故今、セリーナを訪ねてきたのかを、な。

オレの名はキング。セリーナとは旧友だ。キミの名前は―――、今は何て呼べばいい?


【知っている、という事。セリーナが良く語っていたのだろう、彼女の正体に触れつつ、キングと名乗るその男は本題に入って行った。】


330 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/15(日) 13:57:23 6.kk0qdE0
>>328

「うん!凄いよ!二発目でもう真ん中に当てられるなんて」

【おっと、と、駆け寄るもよろめくリオシアを支えつつ】
【そう言って褒める、実際にそれほどの、驚くべきセンスを持っている】
【続いて、拳銃での射撃訓練】

「肩が上がってるから、落として撃ってみようか」

【一発目、これは外した】
【保持姿勢か、もしくは照門をきっちり見れていなかったか】
【だが……】

「凄い!!拳銃も二発目で当てられるようになったね!」

【通常二等海兵が歩兵銃以外の銃器の訓練をすることは無い】
【これは言わば諜報部として、特有の訓練とも言える】
【それほど、並行して複数種類の銃火器を極めるのは難しいのだ】
【しかし、持ち前の才能、センスと言うものだろうか】
【二種類とも、射撃を習得してしまった】
【あるいは……この才能は、翔子はある事を中尉に打診する事を決めた】

「じゃあ、リオシアちゃん!弾倉内全弾薬撃ち切り!」
「拳銃と歩兵銃、弾倉内全部使って、自由に練習!」


331 : 名無しさん :2018/04/15(日) 18:22:49 /xWzuiOE0
>>330

【またしても翔子から褒められ、えへへと笑うリオシア】
【短時間ながら自分の成長を実感し、さらに楽しくなる】

自由?自由にやっていいの?
わかったよ!

【自由に練習と言われ、駆け出す】
【まずは歩兵銃と拳銃で的を先程と同じように射撃】
【翔子に教わった基本に忠実に行い、全弾命中とはいなかいものの──】

あ、当たった!
よし……うー、外れ

【外れるごとに自分なりに大勢を微調整し】
【そこそこな割合で命中し、繰り返すごとに命中率も上がっているようだ】
【命中する度に、翔子の方を向いてにぃっと笑ったりもする】

ん……よし、っと。そうだ!

【そこそこ時間が経過し、残弾数が少なくなった段階で、ふと何かに気づいたのか】
【拳銃を持って脇の林の中に入っていく】
【しばらくすると林の中から銃声が聞こえ──】
【またしばらくして、リオシアが残念そうに林の中から戻ってくる】

うーん、あのね、林の中にリスがいるのを見つけたから撃ってみようとしたんだけどね
全然当たらなかった……やっぱり動いてるとぜんぜん違うね

【とにかくこれで、残弾はゼロになった】


332 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/15(日) 18:46:43 6.kk0qdE0
>>331

「ふふふ、ちゃんと狙って、保持姿勢は崩さないようにね〜」

【見守りつつ、その射撃のスコアを確認していく】
【全弾命中は無い物の、その技能は一発一発毎に上がって行く】
【凄い、と内心思う、通常重量や反動、慣れない保持姿勢で、最初の射撃など大半の兵はノースコアだ】
【しかし、この少女は……】
【やがて】

「こら〜、万が一人が居たら危ないでしょ、実弾射撃の演習は教官の目の届く範囲で、許可を得てから、ね」
「それに、動体を狙撃するのは、同時に潜む技能も必要だからまだ早いよ……明日は潜む訓練もしようか?」

【少女に野外演習の重要な部分を教え】
【そして、明日の予定を決定していく】
【弾薬は無くなった様子だ……帰ったら銃の分解結合も教えないとならないだろう】

「さて、じゃあ残った時間は、体力作りと、基本動作!」

【簡単な走り込みから、匍匐前進、野戦早駆けまで】
【夕暮れまで、野外訓練は続くだろう】
【あるいは少女は、車の中で寝てしまうかも知れない】
【そして、時間になったら引き上げ、夕食の前に銃の分解結合、そして手入れを教える】
【夕食は:ご飯、豆腐と水菜の味噌汁、豚生姜焼き、生野菜、白菜浅漬け、鮪の揚げ漬け、クエン酸飲料】
【こうして入浴すれば、自由時間、就寝で、教育期間兵の一日は終わるだろう】
【こうした教育スケジュールで、リオシアは日々を送る事となる】
【最も、ここは諜報部員にとって、いわば前線であり、そう計画通りとはいかないのが常だが】
【兎にも角にも、リオシアの営内生活は、こうして一日の終わりを迎えるだろう】
【この先、リオシアが誰と出会い、どう動いていくのか、何を考え、そしてどうするのか】
【それはまだ、誰にも分らない、誰にも……運命の歯車は、嚙み合う時を待っている】


//お疲れ様です
//このような感じで〆でよろしいでしょうか?


333 : 名無しさん :2018/04/15(日) 18:51:48 /xWzuiOE0
>>332

//お疲れ様でした!綺麗にまとめて頂いたのでこのまま〆でお願いします!
ありがとうございました!


334 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/15(日) 18:55:16 6.kk0qdE0
>>333
//了解しました、絡みありがとうございました!


335 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/15(日) 20:46:35 bOUMQbQM0
>>314
【男はバスルームで血まみれのスーツを脱ぎ、そのあたりに投げ捨てる】
【水でなんとなくその血を落とし、なんとか気分がそれでマシになった】
【血とともに悪夢や妄言や過去やいろんなものが排水口に流されていく】

【傷は一番深い銃によるものは能力によって塞がれている。浅い傷やアザなんかは】
【能力はサービスの範囲外らしくて自分で治療しなくちゃならない】
【彼の能力は死なせないつもりはあっても助けるつもりはないらしい】
【全身にある古傷の上にできた新しい傷のその上に包帯を巻いていく】

【その間、ミラの話は黙って聞いていた。相づちだけたまにして、口は挟まない】

【そして着替える。カーボン素材と呪術によってできたブラックスーツに】
【ホルスターだとかベルトポーチだとかは代えがない。しかたなく使い回す】
【遠足じゃないが、家に帰るまでは気を抜けない。プロとしての鉄則を守る】

【話し終わった頃、彼も終わっていた。最後に煙草に火をつけてから出てくる】

確かに、くだらねぇジョークじゃなかった。だがラジオドラマにしちゃあ…

【そこで言葉をやめ、煙草をくわえる。吐き出した煙が言葉を埋める】
【暗くて見えづらいが血を洗い流したから、さらに顔についた怪我やアザがよく見える】
【男はリビングルームに向かって歩き出し、適当なボロのソファに腰掛けた】

お前だって、俺だって…そいつだって。とびきりのドラマを持っている。
ラブロマンスもコメディもバイオレンスもオムニバスで切り替わって…
なあ、ミラ。そのドラマの監督は誰なんだろうな。脚本家は。演出家は?
主演も助演も、どこまでがフィルムでどっからがスクリーンの外なんだろう

【至って真面目な様子だ。妄想のたぐいに思うかもしれないが。この男が言いたいことは】
【こんなあやふやな形でしか言葉にすることができなかった】

……悲しいな。

【そう言って、静かに煙草をくわえていた】


336 : 名無しさん :2018/04/15(日) 21:15:58 qopIc.l60
【――昼間。からんと旧いベルの鳴る音がして、一人の男がやってきた。"店番"の彼でもきっと見たことのある客だろう、週に三か四、五……いや、六、くらいは、来る】
【それっくらいの常連客だ。もしかしたら毎日来ているかもしれない、まあ、それはどうでもよくって。そんな彼はきっと店番の彼に、「そういえば」と前置きをしてから】
【切り出すのだろう。――曰く、給仕の少女はあれからどうだ、と。それで、どうしてかって尋ねたなら、一昨日くらいに店の前で倒れてたのを俺が運んだ、という話になる】

【それで"彼"が詳しく聞いてみたなら、一昨日の夜。日課にしている仕事帰りの散歩のおしまい、いつも通りにここで酒を引っ掛けて帰ろうとしたら、】
【店の前に給仕の少女がひどく血まみれで気を失って倒れている。これは不味いと運び込んで、それはもう自分の家よりくつろいでいたような他の常連と一緒になって適当な部屋に寝かせ】
【確かめたが傷はそうひどくもない。そのうち目を覚ました少女自身が病院には行きたくないとか言ったので、手当だけしてそのままにしておいた。それから先はどうだ、という話】

【――――とにかく。それで確かめようと思えば、件の一室には内側から鍵が掛けられていた。何度ノックしても返事はなく、連絡先として店に出している番号を鳴らしても応答はなく】
【ぴろりとも聞こえてこないから電源を落としているか、サイレントマナーにでもしているらしい。それから、ありきたりな声を掛けても、反応はなく――】
【いっそもしかしたら本当に中で死んでいるんじゃないかしら、と、疑ってしまいそうなほどの静寂――岩でもなんでもない扉だけど、それぐらいに、頑なに黙り込むなら】

【何か出てきたくなるような、楽し気なこと。それとも、なんでも開けちゃうマスターキー。それともそれとも、力ずくで扉を抉じ開けてみるだとか】
【方法はいろいろあるようだったけど――話に聞く限り、中に閉じこもっているのは死体になっていない限り、怪我人のはずではあった。賑やかすぎるのも、傷に障るかもしれなくて】

/予約のやつですっ


337 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/15(日) 22:19:16 /TwgzyKI0
>>335
【沈黙だった。彼女はバスルームの外に座り込んだまま、黙り込んでいた】
【耳元のイヤリングが、鈍く月明かりを反射する。鼻をすする音がした】

【どうしてこんな話をしてしまったのか、分かった気がする。本当に】
【呆れるほどに虚しすぎる感傷だ。自分がこんなにも女々しいとは思ってもいなかったが】
【長い、長いため息が零れる。少しは気が済んだか。心の中で問いかける】
【頭の中の自分も黙ったままだった。そうだな、それが答えだ】


────────その言葉だけで、十分だ


【立ち上がる。いつまでも昔のことを引き摺るわけにもいかない。目の前にはまだ問題が山積み】
【それを全部無視して蹲るには、死体になる覚悟が必要だ。だがそんなつもりは毛頭ない】
【リビングの入り口まで歩を進める。もう座ることにも疲れた。立ち話も、こういう時は悪くない】

【誰だろうな、このフィルムの監督は。どこかでこっちを見ているんだろうか。苛ついた笑いを浮かべ】
【いい画が取れないものかと、スナックでも食べながらカメラを回しているんだろう】


…………俳優は無名も無名さ。制作スタッフに至っちゃ、名前なんてまるで分からねえ
分かることといえば────とびきりヤツらは性格が悪いってことぐらい
踊ってんのか、踊らされてるのか。…………ダンサーには、分からねぇよ

ただ────いずれ、連中にも舞台に降りてきてもらうさ
それすらもフィルムの一部だってんなら…………は。そん時は、神様にでも祈るしかねぇな


【ポケットから、指輪を一つ摘んでロッソに投げ渡す。適当に取ったものだから、色は分からない】
【ミラの左手の薬指にも、同じような指輪がひとつ。赤く、嫌にぴたりとはまった指輪だった】
【指輪からは僅かな魔力が零れ落ちていた。「通信を傍受されないための、秘密道具」】
【「確か、まだ持ってないよな」なんでも、これをつけていると通信が暗号化されて、という代物らしかった】


338 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/15(日) 22:27:42 wn2rqSVw0
>>329

【それとなく通じ合う所がある――馴れ合う、というのとは違うものだが】
【何処か緩い範囲内で共有できるモノを持った相手として、男を見て】
【やがてその口から紡がれる幾つかのフレーズを聞けば】
【苦笑するように口元を歪めつつ、時たまジョッキを傾けて】

【ことん、とそれを置くのは最後の言葉を聞いてから】
【白い毛皮の手袋をはめた右手で頬杖をついて、ニヤリと笑い】


大切な友達、なんて言われるとどうにもむず痒くて良くねえな。
確かに色々と面白かったのは事実だけどな
勝手に飲んだ酒も美味かったし、アイツと話してると
つい馬鹿にしたくなってな。口が悪かったのも確かだぜ

……フフ、あの渾名は我ながら傑作だったな。あぁ、懐かしい話じゃねえか


【口調の切り替わりは――その慣れた様子から、こちらが本来のものだと分かるだろう】
【荒い、それこそチンピラの様な話し方。けれど瞳は芯を感じさせるように煌めいて】


ベイゼ・べケンプフェンでも、アナスタシア・ケストナーでも。
好きに呼べよ、伊達男。……一応、後のが本名なんだけどな

……ま、いいや。俺がセリーナを尋ねたのは、ある男が行方不明になったからだ。
名前は"ダグラス・マックスウッド"……元六罪王で、俺を匿ってくれた張本人だ
元々放浪癖のあるやつだったが、ここ数週間一度も連絡が取れてねえ

で、最後に言ってたのが「UTに行ってみたいんだ」って内容だ。
なんで元六罪王がってのは聞くなよ。俺も知らねえからな
ただ、奴はもう当時ほど"尖って"いやしない。……一人の絵描き、って感じでな

そんなワケで何か知らねえかと思ってきてみたら、だ。
……セリーナのやつ、何処で何してんだ?


【本当に風邪を引いているはずもない。そして、きっと仕事でもないはずだ】
【なにせ、本当に仕事なら誤魔化す必要も無かったのだから】

【来た理由は単純。そして、手がかりを追った先には別な問題】
【傾けたジョッキは早くも三分の二程が空になっていて】
【そして、合わせた瞳は睨む様なものではなく――決意の硬い、それこそ琥珀の輝きを秘めていた】


339 : キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/04/15(日) 22:39:45 YPBLlEbw0
>>336

【キングは思考を纏めていた。此処に来てからなんだかんだで一度も会えていない件の"給仕"係。】
【セリーナからはかなり話を聞き及んでいる。とても素直でちょっぴり押しが弱いが、誰より優しく、そして深い慈しみを持った娘だ、と。】
【尤も、其処に至るまでにはかなりの苦難と苛烈な過去を経ているのだそうだが―――それであればこそ、手に入れた人間性に一層の深みと、価値が出るという物。】


――――、へぇ。……なるほどな。"ソイツ"はちょいと……マズイ状況、だな。


【そんな"彼女"が、怪我を負った状態で運び込まれたと聞けば。彼も流石に何時もの調子でふざけ倒す、とはいかず。】
【話によれば常連が彼女を運び込んだそうで、キングは男に陳謝する。"ありがとう"、それと同時に"申し訳なかった"、とも。】
【彼は店番、店主不在の今最年長の彼がいわば"代理"だ。責任は重大だし、問題を二日間も放置していた事は正直言って芳しく、ない。】


―――ああ、わかってる。悪かったと思ってるよ。本当に。……謝るなら鈴音ちゃんにだろ、って?
言ってくれるぜ。そりゃその通りだが、アンタはアンタでオレに怒ってるだろ。―――フラフラしてて悪かったよ。

けどな、オレだって空いてる時間は必ず此処に来てるんだ。その日だってオレは悪魔を―――、ああいや。
なんでもねえよ、聞かなかったことにしてくれ。……成程。これがセリーナの疲労困憊の根本原因、かね。―――"責任"、か。


オーケイオーケイ、事情は分かった。それで……、閉じこもってるって訳か。
まあそこに関しちゃ怪我人だしな。放っておくわけにはいかねえよ、バイトのシフトは兎も角な。

―――どうやって開けるか? オイオイ。スーパーハンサムを舐めるなよ、女が困ってるときは男が何とかする。
昔から映画じゃそういう決まりだ。任せておいておくれ、それから―――セリーナには言っておくよ。アンタは一か月、タダ酒オーケー、ってな。


【常連にある程度説明をし、後は任せたとバトンタッチされたキング。そういう訳で、彼は考えあぐねていた。】
【確認してみると、確かに鈴音の部屋の鍵は開かない。中からしっかり施錠されている、ノックにも―――返答がない。】
【マスターキーを使うのは簡単だ。だがそれでは問題の解決としては無粋だし、何より意味がない。彼女に、開けさせなければ。】


―――と、すれば。後は切り札に頼るしかねえ、って訳だな。
全く。結局はアイツの力を借りるしかねえんだな、とはいえ……困ってる娘を助けるなら、手段は選んでいられんか。


【朝食を用意する。簡易的な物だが、ベーコンエッグにサラダ、ミネストローネ、トースト。】
【バターやジャムは複数種類用意して―――カウンターに並べる。余談ではあるがこの男、料理の腕はシェフ顔負け、である】
【これは幼少期、彼を育てた"とある魔女"が大層な料理好きだった事と、料理が出来ればモテるよ、と彼女に吹き込まれたせいなのだが―――……閑話休題。】


【そのまま鈴音の眠る寝室へ。こん、こん、と。ノックを二度重ねる。それから声の調子を整え、彼はこう切り出した。】

―――あー。鈴音ちゃん。名前は常連の奴らと、それから……"不在の店主"から聞いてるんだ。
オレはキング、もしかしたらもう耳には入ってるかもしれないけど―――前にも一度だけ、そう……

アイツが"地の国"で磔にされたとき、此処を任されたことがある。
それで、今も色々と訳あって店番頼まれたりしてたんだが―――、ちょっと聞いてくれ。

君が怪我してるのも知ってるし、何か事情があるのも分かる、分かるんだが―――大事な話があるんだ。

……セリーナが、危険だ。


【一言、最後にそう付け加え。キングは―――返答を、待った。】


340 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/15(日) 23:06:11 bOUMQbQM0
>>337
【こんな暗い場所でも男はサングラスを外さない。一体何から目を背けたいのか】
【何を隠したいのか。だが、それは彼が過去を見捨てていない証拠でもある】

【世の中の多くは、ドラマは、過去を引きずるなんて良しとしない。】
【でもそれは悲しすぎると思う。本来すべきは背負うか、抱えるべきではないだろうか】
【もっというなら最善は、抱きしめてやるほうがいい―――】

【ミラの様子を見て男はそんな戯言を思いついていたが、言わなかった】
【説教くさくなるし、それは個人的な意見だからこの場所にはふさわしくないからだ】

【―――もしかするとその判断も、見えない監督か、脚本で決められていたことかもしれない】
【でも、このエチュードのアクターはカットがかかるまで演じ続けなくてはいけない】
【地下の酒場のカルメンはいつ終わるかわからないギターに合わせて踊るだけ】

【彼は投げられた指輪をすこし不器用に受け取ると、月光に照らしてながめる】
【色はたぶんシルバーだった。こぼれ落ちる魔力を彼は「美しい」と言う感情で感じる】

持っちゃいないが…おいおい、随分と『遅い』じゃないか

【と少し笑いながら皮肉っぽく言うが、それは恨み憎しみというかどこか】
【友達に対して言う軽口に近い言い方だった】


341 : 名無しさん :2018/04/15(日) 23:09:47 qopIc.l60
>>339

【――――最初に、施錠を確かめるようなドアノブの音がして。少女はかぶっていた毛布を目元まで引き上げた】
【続いてノックの音に小さな吐息。誰が来たのだろうと思う――聞いたことのない足音だな、と、思った。じゃあ知らないひとだ。出なくっていい】
【たとえ知り合いだって出る気はしなかったけど。誰が来たって――出たくなかった。かといって、この状況が良くないとは、分かっていたけど】

【じゃあ自分はどんなことがあれば出ていけるのだろう。それは――――いっぱい考えたのに、まだ、分からない】

【やがて足音が遠くなるのを聞けば――安心する。今はどんな情報だって要らなかった、聞きたくなかった、でも、どうしたらいいのかは分からなくって】
【このまま消えてしまいたいと思う。どうしたらいいのだろう、自分は間違えてないと思うのに。正解は分からなくって。――そのまま、また、ただ寝転ぶ】

…………。

【――だけど、眠っていないなら。また戻って来る足音にも気づくのだ、同じやつだと思う。それから、またノック。ちらり、と、扉に向ける目は煩わしいような色をして】
【聞こえて来る声を――ただ遮る手段がないので、というような消極的な気持ちで、ぼうと聞いていた。――――ああ、と、思う、もう、途中から、嫌な予感がして】
【聞きたくないって思った。店番を頼まれたと言うのを聞いてどこかでよかったと思うのに。気持ちがばらばらになってしまったみたいに、ただ、心の中でやめてくれって叫ぶ】
【なんにも聞きたくなかった、今はもう、全部終わるまで、全部――終わるまで、このままずうっと、ここで、隠れていたかったのに】

【――――――返事は、なかった。ただ静寂がある、何でもない沈黙が返って来る。だけれど――相手ならば、あるいは、察知できるのではないか】
【その扉の向こう。確かにそこに居る"少女"の傷口から漏れるかすかな魔力の匂い――それ以外でも、なんでもいい。少女がひどくゆっくりではあったが起き上がり】
【扉へ向かってくる――それまでにきっと相手は数分か、もしかしたら十分とか、待たされるかもしれないけれど。とかく少女は歩いてくるのだ、そこまで】
【嫌だ嫌だって泣いて叫ぶ自分を心の中に閉じ込める。重たい吐息をゆっくりと、長く、吐き出して――】

…………、――。

【――か、ちゃん。躊躇うように、ゆっくりと。内側から、鍵が開かれる。そして、ドアノブが、ひどく緩慢に、嫌がらせかと思うくらいに、ゆっくり、傾いて――】
【その向こう側には。――ああ、でも、本当に、ほんとうに、疲弊しているようだった。冥く伏せられた目は相手を見ようともしない、口元はぎゅうと硬く結ばれてしまって】
【自分を守ろうとするかのように、その痩躯を抱きしめていた。――それだって、ひどく、華奢な腕で。服装がただあったものを着ただけのようなものだったから、余計に痛々しい】
【ただ――怪我が大したことはない、というのだけは本当らしかった。"こういう"様子ではあったが、少なくとも肉体的に"ヤバい"とは思えないのだ、ならば、問題は】

……セリーナが、どうしたの?

【低く地面を這いずるような、金属質の声。その名前で出てはきたけれど――左右で色合いの違う瞳が、初めて相手を見ようと持ち上がる、だろう】
【だけど同時に気づくだろうか。この少女、限界が近い――あるいはもう半歩踏み出してしまっている人間の、目をしていて】


342 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/15(日) 23:40:32 /TwgzyKI0
>>340

は…………そう文句言うなって。こちとら色々と仕事しながらポストマンごっこしてんだぜ?
どいつもこいつも住所不定。そのくせテレビの中や路地裏じゃあ有名人と来てやがる
気がついたら死にかけてるヤツだっているし────な?


【もういくつか出した指輪を、手の中で転がす。そのままソファに近付いて】
【「あんたも今日からポストマン見習いな」冗談交じりに、その指輪共をソファの上に転がす】

【最優先で渡すべきはカニバディール。後は適当に、会った順に渡して行く。今、配布用の指輪の所在は】
【UTと、この誰のものとも分からない空き家だけ。だが、何人かで手分けすれば】
【必要な連中の手元には、そのうち届く。野暮ったいやり方だったが、メールのやり取りよりかは確実だ】
【──そんな内容のことを軽く話した後、思い出したかのように話を続けた】


そういや…………邪禍の野郎が櫻の軍人連中と手を組んだみてぇだ
那須と厳島、ってぇ連中らしい。後は婦警の捕獲計画を立てたとかなんとか、メールで言ってきたな
ほら。そのメールを転送してやっから、早く指輪をはめるこった


【なんともせっかちな女だった。自分はさっきまで肩まで感傷に浸っていたくせに】
【目の前の男には、指輪を愛でる時間すら惜しんで行動を急かす。まるで情事の後の男】
【それも、あまりモテない男の行動。彼が指輪をはめて端末を持ったのを確認すれば】
【こちらも携帯を操作し、邪禍からのメールを転送する。その中に見慣れないアドレスがひとつ】

【「それ、レボなんとかっつぅ会社の開発部門だかの、クソナードのアドレスな」】
【あまりに雑すぎる説明。「赤木っつったか」名前はなんとか、覚えていたらしい】
【名刺はもらったような気がするが、どこにやったものか。ポケットの中で】
【カジノコインに押しつぶされてぺしゃんこになっているような気もする。取り出すつもりはあまりない】


343 : キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/04/16(月) 00:01:01 YPBLlEbw0
>>338

【考えてみれば―――この二人、存外に共通項は多いのかも、知れない。】
【共に"ある組織"によって幼少期に研究材料とされていた事。英才教育を叩き込まれている事。】
【その上で且つ、どういう訳かガラ悪く育ってしまっている事―――それでも実力は共に折り紙付きである事、などなど。】

―――そうだな。あのバカ、むず痒くなる様な台詞をバンバン口にしやがる。
あれが男でなくてよかったと思う時があるよ、歯が浮く様な言葉の度合いじゃオレ以上だ、ある意味な。

そう……そうだな、もう"懐かしい話"か。そういや、めっきりキミの名前は聞かなくなってたし。
それでも、セリーナの野郎は心配こそしてたみたいだけどな。同時に、信頼もしてた様だったぜ―――、

会える事なら会いたい、無事を確認したい。けれど、幸せに生きてくれている気がするから、
ウチ(UT)みたいなトコには出入りしない方が良いのかも、なんて。そんな風に語ってた気がするしな。

【そして、口調もよく似ている。互いに荒っぽくて、それでもどこか冷酷とまでは成り切れない様な、そんな物。】
【瞳に宿る確かな輝きは美しく、それでいて揺るがない何かを秘めている様で。そんな所もまた、少しだけ彼等は似ていた。】
【尤も、片方は恋人持ちの癖にナンパ野郎、片方は―――今でもどうかは分からぬが―――純粋な愛を持った女性、という違いはあったが】

へぇ。オレが聞いてたのは前者の方だったが―――ん。オーケイ、それじゃ"アナスタシア"。
……へへっ。セリーナならきっと、"それじゃあ アナって呼ぶね!" とでも返してるところ、だろうな。

オレはアレよりずっと紳士なので、キミの事は"アナちゃん"と呼ぶことにするよ。
好きに呼べというご厚意に甘えて、ね。でも良い名前だ。オレと違って苗字もあるし、響きも良い。

それで―――ああ、なるほどね。人探しか。ま、此処はよく人が集まるからな。
ダグラス―――、ダグラス・マックスウッド。元六罪王? そりゃ凄い。ダグラス、元六罪王、六罪、王―――、……ぁあ?

【ふ、と何かを思い出したように。キングは口に含んだワインを思い切り盛大に―――ぶちまけて。】


ぶはぁっ!? げほっ、げほごほっ、ごほっ……!? だ、だだ、ダグラスだって!?
オイオイ、知ってるぞソイツはなんたってオレは殺されかけたんだ! クソでけぇロボット兵器みてえの呼び出されてな!

あのどう考えても"イカ"れた、"デタラメ"な能力持ちの、"クソチート野郎"のダグラスが―――キミを匿ってた!? なんで!?
それに加えてウチにハイキングがてら遠征しに来たがってたって!? もうまるで意味が分からんぞ、クエスチョンマークで頭が沸騰しそうだぜ……。

ああクソっ。どうなってやがる……いや、尖ってないとか言われてもな!? 能力が危なすぎるだろ、それに……。
存在が存在だ、アイツを狙って正義感迸らせた野郎が突撃してきてドンパチなんて可能性だって―――畜生、オレが店番の時に限って……!

なんたら制限法だの、ウェインの蘇りだの、カチューシャの問題だの、オマケにダグラスだって!?
オマケにセリーナの野郎は不在ときた、アイツめ"レボルツィオーン"から無事に助け出せたら―――、……あ。


【勢いに任せて、全て語ってしまうのは酔っているからではなく、そう言う性分だから、だろう。】
【言ってよかったのか、悪かったのか。キングはちょっとだけバツ悪そうにしながらも、彼女の真摯な視線に気づいて】


――――、はぁ。アナちゃん、良い瞳してるな。覚悟が決まってる人間の其れだ。
聞いたからにはもう後戻り出来ねえけど―――許してくれよ、ああそうさ。……"有名企業"のレボルツィオーンだ。

どうにもやべえ研究をしてたみたいでな、裏でやってることを暴こうと突入してとっ捕まっちまった。
もう一匹、一緒に潜入してた義勇ってヤツは無事に帰ってこれたんだが。セリーナの奴は殿買って出てそのまま帰ってこず、だ。

……こう言うのもなんだが、アレはアレで実力者だ。オレよりは弱いけどな、まあともかく。
"弾"末魔のパワーはそう舐めたモンじゃねえ。それが通用せずボコられて捕まったとなりゃ―――相手は。

相当に危険な奴が潜んでるって事になる。正直怖いくらいだ、そう言う訳だから……今は"仲間集め"の最中さ。

【吹き零したワインを拭きつつ。キングは新しい瓶を開け、空になりかけているアナスタシアの其れへと注げば】
【自身もまた新しい瓶を取り出し。そのまま煽る、酒でも飲まないとやってられない、と言わんばかりに―――。】


344 : ◆AesGW/TV3c :2018/04/16(月) 00:17:14 s.osPgw60
 【水の国/国会】


【国会内の一室に用意された会見場では、“魔制法”に関連した与党の定例会見が行われていた】
【社会的な関心の高さもあって、会見場はほぼ満員。──それに、記者以外の人間も所々に見受けられる】
【国会外のデモ活動へ取られた分の警備人員を、市井の(尤も、信頼できる、という接頭詞はつくが)人員で補っているのだ】
【従って、そのように“見受けられる”者ならば、この場所に居ておかしくはない】

 “水国全土での魔制法の施行は──、 ”

法案が通った以上は粛々と進める。

 “『スクラップズ』の活動について──、 ”

そりゃ俺の管轄じゃねぇよ。ルカイナーのトコでも行って訊いて来い。

【壇上に腰を据える、カストロ髭を蓄えた還暦過ぎの男は、うんざりとした様子を隠しもせず答える】
【── ヨハネス・ロトゥノカイト。与党の法務部会長を務め、魔制法の可決に最後まで強硬に反対した人物だ】
【歯に衣着せぬ言動がメディアを騒がせることはあれど、親しみやすさから国民の人気は高かった】
【だが、今や彼は“親能力者”の急先鋒として連日、国民からのバッシングを受ける身だ】

【「いかに能力者が危険かという証左では。」「能力者化した人間も、魔制法の適用対象になるのか。」──etc】
【ヨハネスに対し、矢継ぎ早に質問が投げかけられる。答えねぇよ、と、彼が返すと、記者たちは気色ばんだ】
【恐らくは、テレビカメラの向こう側の“民意”も同じように反応しているのだろう。 彼は、眼鏡を外すと、悠然とシャツで曇りを拭き──】

   『 “ロトゥノカイト” ぉぉぉぉぉォォォォォ ──── ッ!!!! 』

【その瞬間。会見場の扉が大きく開き──、黒いバンダナで口元を隠した数人の男が、乱入した】
【手には一様に小銃。 彼らの狙うべくは明確。 壇上へ向けて、1人が照準を合わせ──】


/本スレの完全再利用ですが、宜しければ
/平日は夜に2〜3レス、調子良ければもうちょいお返しできるぐらいかと思われます


345 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/04/16(月) 00:36:13 A7j7RZK.0
>>196
/4レス前後に分けますっ

【途切れがちな言葉を、躰を保たせて最後まで聞き続けた。まだ人間と見做されていること以上に、“遺ったひとり”だという事実が、重くて】
【ありえてはならない今と、ありえない可能性を。共に映す様な榛色が、裂け目の様に表情を覗かせた】
【ただ、悼めばよかったのだろうか? 大切なものを大切だと言って、愛したかったと、罪なきものの様に涙を零しながら――――。】

(……とっくに、捨て去った生き方だ。そんなもの、ただの侮辱にしかならないじゃないか……――――、)

【自分で殺したモノを悼み、奪われたものと並べて悲しむ。なんて弱くて醜い終わりだと厭えど、そうしてしまいたいという想いは、どうしたって消えずに】
【疵の様に瞳をよぎる痛みの色は、目を瞑るまでの一瞬のものだった。 】
【知覚を能力の制御下に置いた酸素に委ねながら、既にあるはずの答えを、ノイズを除く様に手探りで形作り、】

「……やっぱり、上手くいかないな。

 あのバカならこれで全力で殺意を向けてくれて、幾つか手間を省けたんだけど な――」

【そう呟く表情は、束の間だけひどく人間じみたものにも見えるだろうか。トライデントへの揶揄と、彼ほど動かしやすくなどないインフィニティージーンへの不満を重ねる言葉】
【疲労の色を僅かに覗かす瞳は、途絶えぬ意志を湛えながら。血塗られた生涯の最後の光を、インフィニティージーンとは違う視点で仰ぐ様に】

「私には、“無辜の血”じゃない流血がない。

 死ぬことは、それだけ重く、辛く、傷痕を残すもの――――そう教えてくれたヤツがいた
 それでも、私はそう選ぶことができたから……

 私の心が何を求めようと、そうあったことの意味をなくせない。
 殺意が薄れることも、殺すと決めたものを見逃すこともなく。自分の目的のために“殺せてしまう”、一匹の怪物としてこの地獄を進み続ける――――
 まだ、立ち止まる訳には行かないんだよ」

【交渉は既に決裂している。そう語る様な言葉が、再び罪を犯すという宣誓とともに突き放すだろう】
【声は無軌道な破壊のみならず、目的のため重ね続けた骸の山を指し示す様に続く】

「……初めて殺しあったとき。
 戦う力を使い果たしたトライデントは……私の殺意を阻むものを、世界なんてモノに仮託した。
 まるで個人は世界には抗えず、無為に終わるも意味を残すも、より大きなものの意向一つで決まってしまうと諦めるかの様に

 アコーディオンも同じだ。母が短命で、その遺伝子を受け継いだ自分も短命だということを、“そう生まれた”という一点で受け入れている……
 私はそんなものを信じはしない。
 私が得たものは例外なく、
 当然の流れを覆すことで、たとえひと時でも、私の胸には消えない灯を残す……そんな、戦いが遺す願いの花だったからだ

 …………諦観だらけのお前たちの過去を目にして、改めて思ったよ
 私には、まだやるべきことが残されている――――だからもう一つ、相応しい愚かさを選ぶことにしようか

 ……来い――――――『ウェンカムイ』ッ‼」


346 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/04/16(月) 00:37:16 A7j7RZK.0
>>196
【元凶の鏖殺は前提で。この戦いでこそ選ぶ愚かさを加えれば――『爆ぜて』、その一声がその名の真意を告げるだろう】
【疾うに残党の頭目を呑み込み尽くした茨檻が内側から爆ぜ、獄焔をそれを遮っていた氷壁ごと砕き散らす“力”が顕れる】
【その内より姿を表すのは、小奇麗な装いに身を包んだ十歳ばかりの少年だった。傷一つなく、その身には消耗の痕すら窺えなかったが】

【必死になにかを堪える様な表情は、紅玉の様な深い輝きが見る影も無く血に穢れたダリアの髪から、一度も視線を外すことが出来ずにいた】
【その視線に潜むつらさを一切気に留めることがないかの様に、女は、涼しげな微笑を浮かべて】


「トライデントの心を折る用意の一環だったが――――別の形で使うことにしたよ

 セードムシティでの戦いを“お前たち”は覚えてるだろう?
 あの時のウェンカムイが、誰も殺さないまま元の姿を取り戻せたのがあの子供だ

 世界を統べるあらゆる法則を否定し砕き、その空白に新たな可能性を書き込み、もたらす……
 ……それが、私の力の本質だった。そうして抉じ開けた可能性を以て、無力なあいつは、父親を守るための能力を発現させた――――」
 
【移植体は救えない――だから、殺して解放するしかない。それを答えとしたトライデントへの悪意を、彼のものよりはマシな救いを示して突き立てる】
【同時に、“無辜の流血”を厭うことの証を見せてしまっているのかもしれないが。今更、隠し通す意味があるものでもないだろうと思う】
【血に濡れた口唇は、荒廃の妙に艶めいて。掠れた声はなお絶えぬ意志を、頽れそうな躰にいっそうに際立たせた】

「願いも意志も、それだけで何もかもを叶えられる訳じゃない――――
 ……必要なのは、その望みを遂げるための“力”だ。

 私はこの世界に不可能の不在という理想を布く――――奴らが願った殺戮の夢想(ユメ)を、誰一人容易く奪われるモノののない世界によって覆し尽くす。
 そのための鍵を、あいつは示した」

【“道具”としての自分の使い道は、殺し、虐げることぐらいだろうと考えていた。ならば他者に使われる使途の真逆を目指すのは、この叛逆者には必然で】


347 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/04/16(月) 00:37:46 A7j7RZK.0
>>196

「……世界規模での異能顕現は、今の世界にとっては限りない脅威になるだろう
 私と同格の化物が、幾人も現れても不思議じゃない――――
 そしてその抱く望みが、どれだけの犠牲を要求するのか想像することも今はできない

 なにより……私がその戦いに勝利を果たしても。“蹂躙”が“殺し合い”として、遥かに規模を増しながら双方向のモノになるだけの話だ

 それでも――――私には、あの頃共に見た夢、自由な虚空(ソラ)に到る約束が重いんだ。
 残る三人の長老を殺せずに終わることと同じぐらい、
 一方的に奪われ続ける“誰か”が、私達の願った自由を得られず……ただ苦しむために生まれ、死んでいくことが許し難い――――

 ……こんなモノを、お前たちは許容することはできないだろう?
 だけど、戦う理由があるのはお前たちだけじゃない――――」

【今の社会に生きるものの日々の維持と、その裏で苦しみ続けるものたちの解放。闘争は不可避で、けれど譲ることはないと、透ける様な視線を置いた】
【そこに、憎悪があることは確かだろう。自己憎悪の極限、“奪う”者への絶対の憎悪。世界最後の“悪”となり、“悪”のあれぬ世界を、万人が牙持つ世界によって在らしめる】
【平穏への祈りが勝ることは、夢のまた夢で――、】
【見える世界が同じであることと、だからこそ結論を違えることをダリアは確信して。繋がる心を振り切る様に闘争を誘う微笑は、凄烈な戦気に満ちて混迷を裂く】


348 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/04/16(月) 00:38:48 A7j7RZK.0
>>196

「――――私が、お前たちの運命を砕くことをこそ望むからだ
 アコーディオンは寿命が近いんだろう?
 あいつが父親を守るための力を得たように……私から、生存のための力を引き出せばいい。余計な世話でも、それでいい

 その上で潰し、引き千切ってやるよ――――“悪”を滅ぼす殺戮の正義も、共にあれる現実を掴み取る、寄り添うだけの願いも諸共に散らす
 そうあれるだけの望みが、“強さ”が‼ 運命を砕かずにいられない――この願いこそが私の総て、私の殺戮の根源だ!

 正義を謳うのなら“悪”を討て。
 幾億人の犠牲が出ようと“強いられる苦しみ”を砕きたがる悪魔を、力だけ掠め取って討ち果たせ
 真実が大切なら、死ねば苦しむものがいることぐらい直視しろ、馬鹿め――本当は生きたいクセに、粋がるな

 願いの器なら本体の想像如き軽く越えてみせろ。

 何一つ不可能なら座して死ね――――その程度の弱者が私の前に立った愚かさを噛み締めて、絶望するまま朽ち果てろ……ッ‼
 結末も、結論もなにも変わらない――――阻む世界の構成要素を悉く砕き、私は私の望みを遂げるッ!
 だけど僅かでも生存の目が出てくるのは、お前が私に立ち向かい、自ら“生”を掴み取るその道だけだ

 ……この程度の傷は、私の終わりには程遠い――
 私はまだ――――この命を失ってすらいないッ!!」

【だから、さあ――牙を剥け。鏖殺を、生を、自分たちの誰も想像できなかった答えを、この悪魔から奪い取って勝利に換えろと】
【求めるのは、終焉でなく運命を砕く願いの顕れ。絶望と呼ぶには程遠い強さは、狂気と理性を同居させて、天地を灼く焔に到らしめた】
【魂の自由が約した殺戮を、ただの殺しでない“誰か”の勝利にするために。願いの涯て、その牙は世界にさえ届くと証明するために】

【殺意によってしか起動できない異能を以て、鎖を砕く願いが起った。憎しみではなく障害を取り除くという意志を以て、これまでの様に、殺したいから殺すという帰結を得る】
【血染めの躰を取り巻く仄かな光は、かつてダリアが少年に手を伸ばしたあの光景に酷似して。彼我のどちらにも、それは新たな異能へと到る機会をもたらそうとする様だった】
【ダリアの“力”の起動は、彼女が他者を害そうとする意志を必要として。闘争においてしか、この解放は叶わない】

【トライデントによる“解放”もそうだろう。迎えるは、一つのピリオド。終焉へひた走る幾つもの命の終わりに、彼らは、なにを捨てずにあるのだろう】


349 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/16(月) 00:50:08 wg3NHxpU0
>>344

【────騒然とする会場。記者が口々に騒ぎ立てる】


 ”テロリストだ──!!”    ”銃を持ってるぞ!!”

    ”逃げろー!!”  ”くそっ!? 能力者か!?”


【警備人員の多くも咄嗟の事に対応出来ていないだろう、市井の人員で補ったのが仇となった】
【急ピッチで警備員に仕立てられた民草の多くは、非常時に木偶の坊と化す】


【果たして ヨハネス・ロトゥノカイトはこの状況をどう思うのだろうか】
【想定の範囲にある事象なのか、其れ共死期を悟ったのか】
【確かなのは、照準の一つが此方を向いている事だけ】


────先生! 危ないです!!


【否、一つ奇妙な事があったとすれば、舞台袖で立っていた青年が壇上へ飛び出してきた】
【そのまま舞台袖へ、ヨハネスを押し倒す様に突っ込んで来るだろう】
【お付の秘書の一人であろうか、もしかするとそれなりに雑用を命じた間柄かもしれない】

【或いは与党の若手議員か、何れにせよまだ若いスーツを着た青年であった】
【あるとすれば違和感、彼に対する認識があるかは未だ不明だが】
【──少なくともこんな、勇気の居る行いが取れる人物では無かっただろう】


……ほんと、くっそムカつくんですけどっ
あのインテリヤクザの言うことって、いっつも正しいんですよね
思いませんっ? 偉いセンセーなら、分かってくれると思うんですけど

いくら正しくてもっ、なんか、こう、言い方とか、あるじゃないですかっ


【響く言葉、先程までの雰囲気は何処へか、柔らかい音律で】
【場内は未だ騒然としているだろうが──】
【証明に照らされる青年の横顔が、不敵に笑った】


350 : キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/04/16(月) 18:40:50 lp4TKcVo0
>>341

【この一言はキングにとって切り札だった。これで開かないのならば、後は持久戦に移るしか方法は無い。】
【どういう事情があって"怪我"をして帰ってきたのかは分からないし、どうして病院にもいかず部屋に籠り切りなのかも、分からない】
【ただ間違いなく、疲弊しているのは確かだろう。誰かに遭いたくない、或いは"誰にも"会いたくない。そういうドロリとした感情に、呑まれているのかもしれず】

【兎にも角にも、男は確認をしなければいけなかった。どういう状況で中に居て、どういう心情で出てこないのかを。】
【本当は適任者が居るのだが、不在は愚か、捕らえられていては頼り様がない。それに、彼も女性の為になら何だってする、そういう気質。】
【目の前で困っている人が居て、それが少女で、友人の妹分ともなればもう動かない選択肢なんて無くて。だから―――待った。返事を、戸が開くのを。只管に。】


――――。……お。


【動きが、あった。正確には見えないが、感じ取ることが出来る。魔力の流れ、流動するそれを感知したキング。】
【この男は人間ではない、魔の眷属であるがゆえにそう言った物には敏感だ。となれば、部屋の向こうに居るのもまた―――】
【普通の人間とは違う、別の何かである事は疑いようが無い。成程、と呟いた。色々と複雑な事情がありそうな女の子―――という事だ。】


(嗚呼―――全く。一二三。ルナ。……それに奏。聞いてくれ。"お兄ちゃん"は薄幸の美少女に縁があり過ぎるらしいぜ。)


【で、あれば。ある種専門分野だ。この男は二進も三進もいかない少女を数多く見て、触れて、そして生きてきた。】
【慣れているとは言わないが、決して怖じたり、引いたり、逃げたりはしない。どんなに重い十字架も、女性の物であれば共に背負う。】
【そうやって"自分"を貫いてきた。だからそう、扉がゆっくりと開き、十分ほどを掛けて静かに"彼女"と対面した時も、面食らったりせずにただ、こう言った。】


―――――ワオ。
噂には聞いてたが……なんてこった。




とんでもねえ美少女が出てきたな、コイツは参ったぜ。


【予想外のセリフ。確かに眼前の彼女、完全に"いけない眼"をしている。だからといって、それを真に受けて】
【シビアな対応をしてしまえば、それを肯定してしまう事になる。まあ、勿論それも一つの手だ。だが、"彼のやり方"ではない。】
【そっぽを向かれるかもしれない。なんだコイツ、ナンパな野郎だ、帰れ、お呼びじゃない―――そう言われても良い。いや、むしろ"憤って"欲しい。】
【だから続ける。いつも通りの状態で。さっきまであんな風にセリーナが―――なんて言ってたのに。呼び出すための嘘っぱちか、と思える程に軽いノリで言葉を紡いだ。】


あー、まあそうだな。セリーナの奴は……いつも通りというか。
悪い奴と戦って、そんでもってとっ捕まっちまった、"らしい"。てな訳でオレ様がリーダー代理だ!

リーダーの言う事はきちんと聞いてもらわないとな、"給仕"さん。さて、最初の仕事だ。


―――昨日は飯、食ったか? 食ってないなら朝食だ。食ってても朝食だ。朝だからな! 
そうして顔を拭いて、可愛い服に着替えて、お化粧もして……そんでもってそれからゆっくりお話しよう。

さもなきゃオレが無理やり食わせる。無理やりお着換えさせるし、無理やり外に連れ出してデートもしちまうぞ。
キミが嫌がろうが断ろうが無理やり、だ。なんたってオレ様は"異世界"の"独裁者"の元で育った冷徹な"王"<キング>だからな!


……それに。美人が台無しだ。そんな顔をしてる娘を、放っておいてセリーナの話なんて出来やしないんだ。
だから―――、オレの事は疑ってくれていいし嫌ってくれていい。それでいいから―――兎にも角にも先ずは朝食だ。オーケイ?


【かつて、誰かが言っていた。暴力に晒されたり、物を奪われたり、眠る場所が無いのは辛いけれど】
【そんなこと以上に、"ご飯が食べられない"というのはとてもとても、苦しい事なのだ、と。そんな"誰か"の言葉を】
【知っているのか、知っていないのか。目の前の男はあっけらかんとそう告げた。これで扉がばたん、となる様なら―――……。】


(ま、そん時はそん時だ。)


351 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/16(月) 19:07:10 es5p150I0
>>342

あん?…しかたないだろ。俺たちは寄せ集めのならずもんなんだからな
グルーヴ感を意識しろ。そしたらそいつのやろうとしてることがわかるさ
…探偵からのアドバイスだ。

【自分の指輪は右手の薬指につける。意味はない。左手は邪魔くさくて好きじゃない】
【指のサイズに合うのがたまたま薬指だったそれだけだ。】
【転がる指輪を拾い上げ、あとのものは興味なさそうにポケットに突っ込んだ】

Wait, oh yes, wait a minute, Mister Postman.....

【「…なんてな」と鼻歌交じりに。さっきまで死にかけていたのに調子のいいやつだ】
【だがミラの次の行動を手で彼は制する】


…それは俺が知る必要があるのか?いや…否定してるわけじゃない。ちょっとだけシリアスな話をする。

俺が一番、気にしてんのは情報の流出だ。メールはもういい。この指輪が解決してくれんだろ?
そこじゃない。ストレートに言うと、拉致って自白剤に、脅迫に拷問。絶対に口を割らない自信あるか?…だったら知らないほうがいい。

最低限の情報、最低限の計画、最低限の符号…それが俺や、お前を守る。

特に俺は今、俺ら追ってる奴らを追っている。殺し屋殺しのブギーマンってやつさ。
裏を返せば俺は一番捕まるリスクが高い。カニバディールよりな。

もちろんその作戦に人手がいるなら俺も乗る。…いやもっと…言葉を変えよう
俺がすべきことだけ伝えてくれ。知りたいことだけ聞いてくれ。

【彼の経験則から、想定できることはすべて想定して、このチームが動いている】
【誰もがメンバーを知らず、居場所も、それぞれの計画もあやふやのまま】
【目的と情報だけを共有して、行動する。彼はそれを守ることでチームを守ろうとしていた】
【どれかの計画が破綻しても、誰かが倒れても。チームのダメージは最小限に】

【冷たい言い方に聞こえるかもしれないが、それが前職で得た最善策だった】


352 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/16(月) 19:52:02 Fuo6kGC20
>>351
【なるほど、Desperadoってわけだ。少なくとも、Mr.Postmanよりはしっくりくる】
【「分かったよ、参考にする」ダイアのクイーンは引かないようにってわけだ】

【だが、彼に行動を制されれば──意外に思うだろうが、彼女は大人しくそれを聞く】
【自分は経験が少ない。彼の方が、知識もくぐり抜けた修羅場の数も段違い。その自覚くらいはあった】

【──何もかもを、最低限に。なるほど。シンプル・イズ・ザ・ベスト、ってやつか】
【熱くなるとついそれを忘れそうになる。自分はなるべく、目の前のことを解決しようとしているのに】
【欲張ってしまうのだろう。目の前のパンと、遠くのケーキ。つい、どちらも取りたがってしまうが】
【大事なのは、目の前のパンをとりあえず手に取ることだ。ケーキは誰かが取るだろう】
【もしかしたら──ハートのクイーンもついでに。それがチームでいる最大のメリットだ】


────“特区”の中で、何が起こっているかが知りたい


【物事は出来るだけ、シンプルに。単純明快が一番良い】


あたしらのチームで、あの中に入れるやつは限られてる
あたしも鈴音も、邪禍もきっとカニバディールも難しい
だが────あんたはきっと可能だ。あんたが、人間の皮を被った悪魔じゃない限り

今あたしらの手元にあるのは、敵の勢力図だけ
だから…………敵のもっと、具体的な情報が知りたい


【危険だっていうのは分かっている。だが、それはお互い様だ。この案件に首を突っ込んだ時から】
【その覚悟は出来ていたはずだ。もうここは引き返せるポイントじゃあない。そんなのは】
【遥か何マイルも後方。とっくに通り過ぎてしまった】

【「それと」少し躊躇うように、ミラは続けた。カードを切るべきタイミングはここなのか】
【思考ゲームは苦手だ。カジノじゃいつも運任せ。今はまだプリフロップ──】
【フロップで何が出るかは、相手がコールしてくれなきゃ分からない】


……………………“リスト”を、探している


【もちろんクラシックじゃない。ピアノ曲よりも相応しいものがこの場にはありそうだ】
【3BBなんてもんじゃない。自分じゃオールインのつもりだが】
【問題は自分の手持ちが相手には見えないってこと。ただの標準的なレイズに見えているのか、スチールに見えているのか】
【100BBも後ろに控えているなんて思われているのが一番問題。自分のバンクロールは、もうこれっきりだ】


353 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/16(月) 20:46:49 wn2rqSVw0
>>343

【「"ちゃん"って呼ばれるような可愛げも、そんな歳でもねえけどな」】
【まあ好きにしろよと、そう返す。その辺りの気軽さも似通った所だろうか】
【以前であればそんな呼び方、決して受け入れなかっただろうが――】
【その辺りは歳を重ねて丸くなったのか、純粋に大人になるということを学んだらしく】


……あぁそうだよ、その"ダグラス"だ。
頭に思い描いたことは無制限に現実に引きずり出せちまう"チート野郎"さ

確かに、最初の頃は街に月を落としたり、デカいロボットを出したりしてたが……
今のアイツは、記憶が無いんだ。食われたとか、存在そのものを取られたとか言っててな。
……実際、六罪王の時の事もそれより前の天才芸術家、なんて頃のことも
なにより自分がダグラス・マックスウッドだって事も、覚えちゃいなかったからな

俺や他のやつから話を聞いて、「そうなんだ」って程度には理解してたが。
まあともかく…――あ?"ウェイン"って……ダグラスが話してたな。
「ウェインっていう金髪の、騎士のような青年に勧められて」……UTに行きたいんだ、って

他にもどっかの神殿だの湖だのに興味があるみたいだったが……ともかく、そいつが行方不明なわけだ。
どういうわけか俺を匿ってくれた恩人だからな、放って置くってのも義理が立たねえだろ?


【「で、セリーナはレヴォルツィオーンの魔の手の内って訳か?」】
【滑らせた口から容易に想像が付く状況を、楽しげにニヤけながら口にする】
【グラスの縁をつぅ、となぞる。心地よい共振音を鳴らしていた手を、カウンターに下ろし】


"レヴォルツィオーン"か……俺も社会常識程度にしか知らねえけどな。
……ま、大企業なんて大概は機関だのマフィアだのとくっついてるもんだ
今更驚きもしねえが、アイツが捕まったってのは意外だな

これでも元機関員だ。色々とセリーナの戦いはみてきたつもりだが
"弾"末魔のパワーってのも理解は出来る。……それを倒しちまうってのは、相当だぜ?

そんな得体の知れない奴を潰すってなりゃ、それこそダグラス級の化物が必要だ。
化物には化物を、ってな。だが、肝心のダグラスは居ないわけで、他に同じような力って言うと……ぁー。

……んー。元六罪王で、同じっつーかそれ以上っつーか……居るには居るんだが、まあ……無いな。……なんでもねえ


【「UNITED TRIGGERって、今はどの程度の人間を集められるんだ?」】
【なんて言葉で話を濁す。あてはある。ただし当てにしたくない、そんな反応で】
【元六罪王―ダグラス級かそれ以上――文言だけは、頼りになりそうな雰囲気だった】


354 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/16(月) 22:15:00 g1HLNF4w0
本スレ222,223

【”魔女”の答えを、黒衣の男は目を閉じて聞き入る。彼女の選択を、想いを】
【自然と────意図せずとも、男の口元には笑みが浮かんでいた。それは常人でも浮かべるような類の感情】
【安堵だ。打ちひしがれた者が再び立ち上がる。そのことに対する喜び。普通の感情から来る普通の表情だった】

【愉快げな微笑みには、同じような微笑みを返す。悪戯めいた表情で「誰かさんに聞かせてやりたいな」なんて言って】
【あまりにも平穏なやり取り。狂気の男がしているとは思えずに、白衣の青年は驚いた表情を浮かべていた】
【”魔女”の言葉だってそうだ。彼女の語った言葉には十分過ぎる想い────自分でも理解できる感情があった】


「…………お前達は一体なんなんだ
 狂ってると思えば、普通の人間みたいな顔もする
 そういう感情を持っていて、理解していて、それでも残酷なことを平気でやる

 何でだ……何でなんだ…………?」


【そんなやり取りを見せられたかと思えば、ブラスフェミアは人にしか見えない少女を人ではないと言い切る】
【おおよそ彼の常識と人間観では理解できるものではなかった。その背後にある理屈が全くもって不明だった】
【狂うことと正常であることが同時に存在するだなんて、一体どうやって分かるのか】

【俯く青年を、黒衣の男の双眸が見つめていた。狂気が拭われ怜悧の光を宿した瞳が】
【そしてどこか呆れたような失望したような、そんな吐息をつく】
【次の瞬間には表情は元の暗澹とした笑みへと戻っていた】


信仰心は強いさ、信仰している神だっているぐらいだ、六王ではないがね?
ふふふ、そうやってはにかんでいるお前も可愛らしいものだ。そういった表情も悪くない

さてご両人、ブラスミフェアの新たな人脈と研究の話は実に興味深いものだったが
私からも一つ、二人に申し出たいことがある。よろしいかね?


【演技がかった口調で二人の注意を引く。薄い笑みには悪意と興奮が入り混じっていた】


355 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/16(月) 22:25:15 wg3NHxpU0
223>>354

【魔女は赤木の疑問をどう捉えるのだろうか】
【ブランルとブラスフェミア、その両人と比べると自分はまだ良識的な方であるとでも考えたのか】
【──或いは同じ穴の狢とでも、捉えたのか】


思うのです、赤木様──私達は、紛うことなき人間であると
時に残酷であり、時に仁愛に満ちた、一片たりとも歪みない人間なのです
唯違うのは、人より少しだけ、好奇心を持ち合わせているだけなのです

赤木様はありませんか? 禁忌とされている事をしてみたくなる欲望
殺してはいけない、傷つけてはいけない──世の中は制約に満ちていて
だからこそ、その一歩を踏み出したくなる瞬間は誰にもございます

駅のホーム、並んでいる前の御仁の背中を押してみたくなった事は?
料理中手に持った包丁で、御自身の身を傷つけたくなった事は?
──無性に大好きな相手を殺してみたくなった事は?

恥じる事は無いのです、きっと、私も、ブラスフェミア様もブランル様も皆等しく人間です
全ては胡蝶、胡乱な夢はやがて忘れてしまうのです


【静かに言葉を述べて、魔女はブランルを見つめる、その言葉を待った】


356 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/16(月) 22:37:22 WMHqDivw0
>>354-355

【一体なんなんだ。問いに対する、“魔女”の答え】
【それを黙って聞いていた。同意しているんだか、理解できていなんだか】
【よくわからない表情だった。そうして黙り込んでから、やっと口を開いて】


……ミス・ウィッチの言うこととはまた違うんだけどさ、
レイジ君って――――どうしてもどうしても、叶えたい夢って、持ったことない?
誰をどれだけ不幸にしても、……自分さえそうなったとしても、

どうしたってそれを実現させたいって強く願うこと、ない?

……、……あったとしたらさ、きっと、僕たちと一緒になれるよ。
きっと、他の誰をどれだけ蹴落としても――
それだけが在ればどうなったっていいって想うこと。
見つかったならきっと、君だって――――


【 「簡単に毀れてしまえるよ。」 】

【――――それだけ。付け加えて、「どうぞ、ブランル」――笑って。魔女に並んだ】


357 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/16(月) 22:37:47 es5p150I0
>>352
【男は古ぼけた小さな、どこかの土産物の灰皿に吸い殻を落とす】
【この家の主は喫煙者だったのだろうか。いや、汚れは埃だけだから多分親しい人のプレゼントかなにか】
【だから家の一番いいところにおいてあった。そんな推理はワトソンしか喜ばないだろう】
【俺はそういう探偵じゃない。血まみれになって欠片を掴む。それが精一杯】

【男はまた、ミラの話を最後まで聞いてから返すことにした】
【余計な相づちを挟むより合理的に判断するほうがいい。これは会話じゃなくてディスカッションだ】

【BBが回ってくるまで、ドロップか安いコールを続けてきた。やっとこのテーブルで回ってきた気がする】
【だがまだ、レイズする必要はない。もちろんオールインの時期じゃない。ジャックポットを一回カラにしてもいい。】
【まずは、場の流れを掴む。積んでいくのはブラフ、ブラフ、ブラフ…を掴ませる…奴らに】

…特区をどう攻略するかが問題だ。確かに、俺は潜れる。この『目』がバレない限りは。
…逃げるのと隠れるのは自信がある。そして、もう一人できるやつがいる。

お前の友達の“ゾーイ”さ。やつはドクターフォルケンが作ったアンドロイド。
フォルケンはオーウェルという会社にいた。今は黒幕の重要な一部だ。
…つまり。ゾーイなら、黒幕に身内と誤認させることができる。

【つまりゾーイなら隠れる必要がない。多くのアンドロイドのひとりとして混ざり込める。この任務にはうってつけかもしれない】

マキとゾーイはその”オーウェル”が標的だ。遅かれ早かれ、特区の情報はほしい
そして…

【煙草にまた手を伸ばす。どうしても吸っていないと落ち着かないらしい】

その…望むリストが、“標的”のことなら…カニバディールが似たような話をしていた。俺は地道に追っているところだった。
だがカニバディールはあの調子だ。…居場所の検討ならつく。が…難しいぞ。
行くならお前が行け。やつには符号を伝えてある。それを言えばとって食われることはないだろうな。


358 : 名無しさん :2018/04/16(月) 22:38:37 7Pqek7vE0
>>350

【――――もし。もしも、彼に、魔術の素養までがあれば。彼女の存在そのものが人間の形に作り上げられた魔術式である、とまで気づくことが出来る、かもしれない】
【ただそれにはよっぽど高位の魔術師か、それに値するほどの魔術や魔力に対する才能なりが必要になるのだが。――ひどく巧妙に偽装されているが、彼女は"そう"だった】
【見るものが見れば彼女は決してヒトの形には見えない。まるで蛇の群れのようにうぞろうぞろと複雑に絡み合ってどれが頭で尾だか。どいつまでが一匹かもわからないような】
【そういう、ナニカ。魔力を原材料に能力で組み上げて魔術式で動いている――あるいは。彼もまた色濃く魔力の香を纏うようなら、それは彼女にも伝わるはずであって】

……………………――は?

【――とにかく。少女はたっぷりの時間をかけてようやく出てきた、嫌がらせかと思うくらいに待たせて、第一声はかろうじて違ったものの】
【第二声が、これだった。深淵を覗き込んでいる人間特有の目、冥くて、疲弊しきって、ふっと気を抜いたなら、そのまま引きずりこまれてしまいそうな、彼女から】
【出てきたのはマジでなんだこいつ……みたいな声。聞き及んでいたのと違うって思うかもしれないくらいに、辛辣な、「は?」。もうなんかかえってすがすがしいくらいの】

――……、そう。そっか、じゃあ、助けに行かなくっちゃ――、だから来たの? ――"いいよ"、……いつ行くの、今から?
早くしようよ。もう、ねえ――、……、……。……――、

【それから先の彼はきっと徹底的に"いつも通り"をするのだろう。初対面である彼女にさえこれが彼のいつもなんだって伝わるくらいに、きっと、崩れないのだろう】
【だけど、相対する少女が全く以って"いつも通り"ではなかった――疲れたように目を閉じて眉間にしわを寄せる、唇をぎゅうと噛んでから。ひどく静かに、受け入れる】
【というよりも。もうすでに驚いたり慌てたり心配したり……というような余裕が、彼女にはすでにないらしかった。だからひどく淡々と脳内のやることリストに投げ込んで】
【じゃあさっさと終わらせましょうと提案する――そうでありながらも視線が安定しない。ぎゅうと自分をより一層強く抱きしめて、今にも悲鳴を上げそうなのを堪えるように、唇を噛む】
【少女の許容範囲の器はもういっぱいいっぱいだった、だのにみんなが好き勝手にいろんな情報を入れようとしてくる。今は表面張力で持ちこたえて、だけど、もう、】

………………――、要らない。食べたくない。セリーナの話だけ、してよ――、
――ねえ。だって、ロッソさんが、セリーナが要るって、言うんだから、厳島さんだって、セリーナに用事で来たんだから。
セリーナに話をしておかないと……、駄目、なのに、もう、時間、ないのに、だって、わたしが、

――――わたしが、喧嘩したから、わるいの? わたしのせいなの? わたしがひどいこと言ったから……、わたしが、悪いから?
わたしのせいで、セリーナが捕まって……、あの子たちも殺されちゃうかも、しれないの? ……避けられてたんじゃなくって、ずっと、捕まってたの?
だのに、わたし、気づきもしないで――――――、

ばかみたい、

【――あるいは、彼はこんなことも"彼女"から聞いているかもしれない。曰く、料理するのが好きで、食べるのが好きで、ついでに、食べさせるのも好き】
【たまーに試作の試食会とか言って、到底食べきらない量作ってはひたすらセリーナに食べさせようとするらしい。材料はもちろん必要ならちょっと変な道具も調味料も、自腹で買って】
【まして。当たり前を持たない子たちへ食事を振る舞おうなどと言い始めるような人物が、こんなふうに言う。食事なんて要らない、食べたくないから、要件だけを早く話せと】

【――――だけれど、その先は、やっぱり疲れ"過ぎている"言葉が連ねられていくのだ。そのうち自分を抱きしめるのでさえ足りなくなって、顔を両手で覆うようにして】
【そうして遮断したなら世界は見えなくなる。だけどその向こうには当たり前に世界があると理解っている。自分はもう逃げ出せないって理解してる。それでも】

……セリーナの話だけして。それ以外の話するなら、帰って。

【逃げ出してしまいたい自分をぎゅっと堪えて。そうやって話すのが、今の少女の精一杯らしかった】

【(だけど――途中で彼女は明確に"違う"ことについて、触れていた。ロッソや厳島というのは誰のことなのか。話をしないといけない――"時間がない"だとか)】
【(殺されてしまいそうだという"あの子たち"が誰なのかも、分からない。わからないけど――それら全部が苛んで、彼女が"こう"であるのは、きっと、間違いがなかった)】


359 : ◆AesGW/TV3c :2018/04/16(月) 22:49:39 s.osPgw60
>>349

【数日前】


「“ヨハネス・ロトゥノカイト”。知っとるやろ。 ──、あァ?知らん?
 茶ァ呑んでサボっとる暇あったら新聞ぐらい読めボケ。ウチの前線担当は脳筋しかおらんのか、クソが。
 ── 与党の法務畑の重鎮や。元警察官僚。

 このオッサン、魔制法に最後まで反対しとった。
 可決された後も、口ではやるやる言っとるが拡大に消極的や。
 別に大臣でも何でもないが、党の中で権力は持っとる以上、政府が無視して進める訳にもいかん。

 ……俺が“賛成派”なら、そろそろコイツを殺す。
 幸い、テレビは連日、このオッサンへのバッシングの嵐や。
 どこぞのアホが義憤に駆られてブッ殺しに行ってもおかしないわ。

 最悪、ロトゥノカイトは守らんでもええ。 それよりも襲撃者のガラ絶対に抑えろ。
 誰の差金か口割らせれば上出来や。

 ……襲撃場所?
 知るかそんなもん。 変装して張り付いとけ。
 ──、あぁ、24時間や。警備が厳重な場所でも油断すんな。相手はお前のアホな頭の二十段上やと思っとけ。」


/続きます


360 : ◆AesGW/TV3c :2018/04/16(月) 22:50:34 s.osPgw60
>>349


【集団の1人が宙に向けて銃弾を放った。硝煙の匂いと戦場の轟音が、人々を蜘蛛の子の様に散らし】
【或いは、その場に凍りつかせる。 それは、一見して、標的その人──ヨハネスも例外ではなかった】
【だが、注意深くその表情を見ていた者なら分かる。彼の貌に浮かんでいたのは、“諦念”と“納得”だ】



   俺ぁもう用済みって訳かい、 ── “円卓”よォ。



【恐らくはこの場で、彼自身だけが。 “この場”に襲撃が為された意味を諒解していた】
【そして、この狂乱の坩堝の裡。 ヨハネスの呟きが耳に届いたのは、彼に接近していた“青年”だけだろう】
【──、だが、同時に疑問も覚えるかも知れない。彼が口にしたのは、“賛成派”の名前ではなく、“逆”だったのだから】

【 彼がその運命を受け入れ、それでも、忌々しげに舌打ちを響かせ 】
【 バンダナの男達の1人が、ヨハネスに向けて引き金を引いた 】

【その、瞬間】


 、 う、 ぉ── ッ!?


【その身が、青年によって引き倒される。銃弾はすんでの所で頬を掠め、彼の肌に紅の軌跡を遺した】
【会見席が盾となって、銃弾の雨から両名を護る。──、ヨハネスはといえば、初めて、その眼を釣り上げ】
【まるで“少女”のように言葉を紡ぎ、場馴れしたように笑む自らの秘書を認識する】


……お前さん、キャロルじゃねぇな。 アイツならこんな状況、小便漏らしてやがる。
どこのモンだ。 この状況で俺を救って、得する奴ぁ──。  ……、おい待て、“殺すな”!!


【再び、会見場の入り口から発砲音が聞こえた。ヨハネスは声を上げるが、反響する銃声に掻き消される】
【それらは、“襲撃者”の持っていた銃の聲と重みも、連続性も異なる。 光景を見ずとも、想像は付くだろう】
【凍り付いていた場内の警備達が、“襲撃者”の制圧を開始したのだと。応戦する銃声も、ほんの幾許かで息絶える】


/更に続きます


361 : ◆AesGW/TV3c :2018/04/16(月) 22:51:16 s.osPgw60
>>349


【そして、争いの音が止んだ後に、立ち上がったなら】



 【 “ぱしゃ” 】              【   “ぱしゃ”  】

          【 “ぱしゃ” 】
                      【 “ぱしゃ” 】

 【   “ぱしゃ” 】


         【 ──  “ぱ しゃ ” 】



【そこは、赤と白の空間。 襲撃者はその身から血液を流し、床の所々に倒れ込み、その死体にまで銃弾が撃ち込まれる】
【そして“正気”を取り戻した記者達は、自らのカメラを構えてフラッシュを焚き、眼前の光景を残そうとしていた】
【この光景を中継できる訳もないのに、カメラマンは必死に画を捉え、リポーターは必死に実況を続ける】
【そんな彼らを、誰も止めない】

【 “── この光景を、伝えなければならない。 “国民の敵”に与する政治家が、遂に、襲撃を受けたのだ” 】
【 “民意は、これを待っていた。人々は、この襲撃者達を表面上は“暴力は許されない”と言って非難するだろうが” 】
【 “人々は昏い心の中で英雄として賛美するだろう。否、そうさせることが、この国のために、我々ができる事なのだ” 】

【彼らがそう考えていることは、この光景を見た誰の眼にも、明白だった】



…………、 …………  糞が。



【呟いたヨハネスと、恐らくは傍らに立つ青年を、振り向いたカメラのフラッシュが襲う】
【──、この政治家は初めて、絶望に包まれたような表情を浮かべた。自らが命の危機に瀕したときでさえ、そんな顔はしなかったのに】
【周囲の与党議員や秘書達がその前に立ち塞がり、フラッシュから両名を護る。「先生、退避を」、と、呼びかける声にもヨハネスは動かない】
【恐らくは誰かがこの場を連れ出さない限り、この老骨の、汚泥に埋もれた脚は動くことがないのだろう】


 “ …… 襲撃者全滅。仕方ありません。ロトゥノカイト議員をその場から退避させて下さい。 ”
 “ 経路と行き先は一任 ──、訂正(コレクト)。国会正面でテロが発生しています。正面入口は回避。 ”
 “ 支援が必要ならオーダーを。 以上。現状、第二陣は確認されていませんが、早急に動いて下さい。 ”


【鵺の耳元に、リーイェンからの通信が入る。さしもの彼女も、国会内にハッキングをかけることは難しい】
【恐らくは記者のPCからカメラを通して確認しているのだろう。──故に、支援が可能な範囲は限定的で、状況も全ては把握できていない】
【つまり、これからどう動くのかは鵺次第だ。 人員支援等が必要なら、指名すれば、暫くの後に合流することができるだろう】
【──、ロトゥノカイトはと言えば、話しかけたとして最小限の返答しかすまいが、彼女の指示には基本的に従う筈だ】


362 : トライデント&アコーディオン ◆auPC5auEAk :2018/04/16(月) 22:58:26 ZCHlt7mo0
>>345-348

〔――――…………歪んでいる。率直にそう思うよ…………〕

【ダリアの『かつて』を知っても、なお今のダリアの心は見えず。インフィニティージーンは、思わず呻くように呟いていた】
【人は、元来矛盾するものだ。人間の思考を、理屈だけで当てはめて100%に理解する事などできない。そんなモノの様な人間など、この世に存在しないのだ】
【だが、それを踏まえてなお――――ダリアは分からなかった。その行動原理は、思うところは理解が追い付かない】
【ただ、確実に感じ取れるのは、その「人間には当たり前」の不合理性が、歪みと言えるレベルにまで感じられると言う事だけだ】

〔っ、なに……あの時の、ウェンカムイ……!? ……『RAGNAROK LABOLATORY』からの預かりものか……父親は、どこに行ったんだ……ッ〕

【黄金の球体を顔面と持つ白い人型は、現れた少年に向かい、驚きの声を上げていた。確かに――――むざむざ人間の姿に戻れるとは思っていなかった】
【だが――――インフィニティージーンは、無論と言うべきか、それを額面通りには受け取っていない様だった】
【単なる使い物――――要するに土産である――――扱いでもされているのか、或いは更なる策略の材料なのかと――――それは、間違ってはいないようだが――――】
【そして、共にいたはずの父親の姿が見えない事も懸念していた。あの父親は、今でも怪物の姿にあるのか、それとも処分されたのかと】

〔ッ、な…………ッ!! お、まえ…………ッッ――――――――!!〕

【絶句する――――それはそうだろう。ダリアの語る言葉の恐ろしさは、何より――――こうして戦いの舞台で対峙している『彼ら』が良く知っている】
【これは正に『パンドラの箱』そのものである。『こんなもの』が世界に齎されてしまえば――――世界は意味を失い、破滅する事になるだろう】
【ダリアの言う通り、想像を絶する悪魔がこの世に生まれ落ちる可能性も高く、そしてその果てに、全ての命が失われる事も、笑ってばかりもいられない】
【――――そこに希望など、ありはしない。それを抱けるのは、正に箱を開いたパンドラならぬ、ダリアだけだろう】

〔――――そんなもの、あってはならない。何度でも言おう、あってはならない……確かにその通りだ、『我々』には、到底認められない事態だ……〕

【インフィニティージーンの言葉は苦々しげに、それを否定する。長老たちへの復讐と言うのなら、それを黙認もしただろう】
【だが、それを行っては、それこそ数えきれない血が流され、世界は悲鳴と呪いの声で満たされる事になる――――『そんなもの』、決して許してはならない。それこそ、命に代えても――――である】

〔――――虚しいものだ、お前は……〕

【ポツリと、インフィニティージーンから沈んだ言葉が漏れ出てくる。その声色には、遣り切れなさ、哀れみ――――そんな表情が浮かんでいる】

〔わざわざ『我々』の運命を砕いた上で殺すと……? まるで『何』と表現できる言葉がない……ちゃちけた偽悪にしか見えない。だが、洒落にもならない、そして歪んでいる……
 あの悪意と、不幸と、絶望とが……『こんなもの』を生み出してしまったのか――――世界にとって、お前は罪だろうが……同時に、お前が『世界の罪』とでも言うべきか? 
 ――――『我々』の中のトライデントが、鼻白んでいるぞ……「『殺した』相手に、多少なりとも哀れみを感じるなんて、これが初めてだ」とな……〕

【――――結局の所、お互いの言葉は変わっていない。変わっているとすれば、その理解に対する深さ、その意味する所の斟酌だ】
【だが、それを知った果てにインフィニティージーンが抱いた感慨は『虚しい存在』だと言う、ダリアへの人物評価だけだった】
【トライデントの意識ですら、ダリアに対して「虚しい、かわいそうな生き物だ」と言う――――悪と言う認識が付加されているために、見下した形になっている――――哀れみだった】
【『悪意を持った災害』と、かつてトライデントはダリアをそう評した。意味する所は変わりながらも――――結局、この果てに、再びそう認識するしか、なかったのだろう】
【既に人としては『殺した』も同然の存在と、そう認識して――――3人の間の『理解しようとする意志』は、これで役目の終わりを迎える事になる】

/続きます


363 : トライデント&アコーディオン ◆auPC5auEAk :2018/04/16(月) 22:59:21 ZCHlt7mo0
>>345-348

〔――――ならば、結局お前は悪として死ぬしかないのだな。せめて『我々』は、冥福を祈ろう。今のうちに、それを伝えておく……ッ〕

【流石に、何の躊躇もなくダリアを殺す事は出来なくなった。インフィニティージーンも、それを自覚している】
【だが、いまはもうこの戦いの意味する所は違うのだ。より一層に、切実に理解させられた。ダリアの事を、生かしておいてはならないのだと】
【インフィニティージーンの顔が上がる。黄金の顔は、真っ直ぐにその姿を見据えている。始めて――――そして、恐らくは最後の――――後ろ髪引かれる殺しになりそうだ、と】

〔(――――ここから、一呼吸で決めるッ、布石を置き、間を置かずに殺しきるッ。殺さなければ、止まらないと言うのなら……殺すしかないのだ
  唯一の無垢を、自ら汚す事を選んだこの女は……もう、どうやったって止まらず、どうやったって救えない――――せめて、あの世が救いとなる事を、祈るしかないのだ)〕

【互いに、消耗は限界に突入し始めている。恐らくここからは、一息で勝負が決まるだろう】
【その中で、インフィニティージーンは、ダリアの熱線に身体を焼かれ切らさせず、氷に身体を穿ち切らさせず、また、氷で防御を固め切らさせずにしなければならない】
【『確実な一手』を確実なトドメとすべく、インフィニティージーンの心算は、ごく短く決まった】

【――――踏み込み、ダリアへと接近するインフィニティージーン。急速に距離を詰めながら、2本の副頭部、そしてちぎれかかっている尾を、ダリアへと照準する】
【そうして、副頭部から、尾から、鮮烈な白い輝きのビームが放たれる。3条の破壊の光は、真っ直ぐにダリアへと伸びて】
【巨躯から放たれるビームは、その口径も威力も高い。流石にこれを甘んじて受けるのは厳しものがあるだろう。防御もしくは回避は欠かせないはずで】
【そんな攻撃を放ちながら、インフィニティージーンはダリアへと接近する】

〔――――ぐぅッ〕 

【だが、手ひどい裂傷を負った尾は、いつまでも耐えられるはずがなく、炸裂、瓦解してしまう】
【行き場を失ったエネルギーの奔流はインフィニティージーンを焼き、そして吹き飛ばした】
【見方を変えれば、より前方へと接近したともとれるが、3条の破壊光線が2条に減ってしまう事も意味していて】

【――――ダリアの放つ、赤い光には、まるで反応を返さない。恐らく、今はダリアへの攻撃が、全てを差し置いての最優先事項となっているのだろう】


364 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/16(月) 23:04:02 g1HLNF4w0
>>355>>356

【問いかけにさえなっていなかった言葉に、魔女の答えが返る】
【人間と同じ。そんなことを言われても納得などできなかった。それだけを言われたのであれば】
【────だが、彼は俯かせていた顔を上げる。表情には気付いてしまった恐怖があった】


「そ、それは…………」


【言葉が出なかった。禁忌、欲望。その一歩を踏み出す欲求はないのか、と】
【────あった。あったのだ。振り返る必要などない。そうだ、自分を殺したくなるような瞬間が確かにあった】
【ふと気を抜いた瞬間に、持っている銃で頭を撃ち抜きたくなる。一歩を踏み出しかける。幾度となく頭を過ぎった】

【「それでも……」】
【口を開き、何かを言いかける。それでもその一歩を踏み出さないのが人間ではないのか、と】

【だがそこにブラスフェミアの言葉が突き刺さる。確かにそんな禁忌には踏み出さないかもしれない】
【なら別のものは?────夢、などという綺麗な言葉では言い表せない欲求が赤木にはあった】
【どうしても実現しなくてはならないと思っていたもの。そのためならば自分の命も他人の命も差し出そうと思っていたこと】

【今となってはもうどうしようもなかったが。それでもこの青年には確かにそういったものが存在していた】
【恐怖で歯ががちがちと打ち鳴らされる。認めがたい、認めたくない。認めてしまえば”同じ”になってしまう】
【だが、それでも────】


────ふふ、悪いな、不出来な弟子に手間をかけさせた
さぁ、主催である私からも一つ、話を提供しようじゃないか


【愉快げに笑うブランルはテーブルの下から一つの容器を取り出した】
【拳よりも少し大きい程度の容器は表面が透明になっていて中を見ることができた】
【中身は人間の心臓のようにも見える臓器だ。二人からすれば見慣れた類のものだろう】

【おかしな点といえば、全体が青みがかっているということ。通常の色合いではなかった】


さて問題だ、これは何の臓器だと思う?


【教師が生徒に問いかけるように、あるいは友人が友人に悪戯を仕掛けるように】
【楽しげな声色で、ブランルは二人へと問うのだった。放たれる魔力の量に、波長。細かな組織の違い。全体の色】
【ヒントとなるものは散乱していた────それはこの世界ではない異形のもの。『魔界』と呼ばれる世界のものだった】


365 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/16(月) 23:15:14 wg3NHxpU0
>>356>>364

【赤木に答えは要求していなかった、其れはせめてもの彼女の慈悲であったのだろうか】
【この状態では間違いなく赤木が異端であった。──】
【2+2=5と多数が言えば、それがまかり通るのだから】


──ブランル様、此方の臓器は一体……?
私も職業柄、数多の物を見て来ましたが、これは
こんな青い色合いの心臓は、初めて見ます


【言葉を返して、暫し逡巡した──ブランルの期待に答えようと】
【しかし答えは出てこない、其れは彼女の不出来さ故か】
【或いは自分が答えるよりブラスフェミアの方が適していると、判断したのか】


……直ぐには浮かんできません、何らかの生き物の臓器だとは検討がつきますが
その先は全く、別種の動物の其れではないかと、思いますが
或いは神話生物か何か……いえ、そんな筈はありませんよね

申し訳ございません──浅学故に、ブラスフェミア様に一任致します


【静かに目を伏せて彼女は沈黙する】


366 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/16(月) 23:27:18 WMHqDivw0
>>364-365

【黙ってしまったならもう、放っておいていい。】
【――視線は完全にブランルの手元に移っていた、謎の容器】
【その中に浸かっている謎の臓器。眉を顰めて】

……あっずるい、ずるいぞミス・ウィッチ。
僕だってそんなよく、わかんないもん……ええと、
僕にも、この世界のイキモノじゃないモノの臓器ってことしか、……

…………あ、もしかして、こないだ言ってた、……

【ふと想起したのは、ブランルと初めて遭ったときのこと】
【彼は何と言っていたか。この世界ではない何処かへ思いを馳せていて】
【――――、――――】

――――――魔界産のナニカ?

【一番初めに思い出したワードがそれだった。この推測が当たっていたとするなら】
【その臓器は悪魔か、魔物か。そういう存在のモノだろうか、と】


367 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/16(月) 23:28:41 wg3NHxpU0
>>359-361

【  ──ああ、そうだキャロルだ。全く、横文字は覚えるのが苦手だとあれ程言ったのに】
【"彼女"は内心で毒突く。──何だかんだ言いつつ、変装に適した相手の情報をくれる辺りに誰かさんの優しさを感じて】
【リーイェンの声が耳に流れ込む、聞き取りやすい音声が彼女の頭を急激に冷やしていく】


【 ”ホントに頭使うのは苦手なんですけどっ”──言葉には出さないが、少しだけ表情が曇って 】
【 ”……この惨状だと、インテリヤクザぜーったいカンカンですよねぇ” 】
【 ”──まぁ、命あっての物種ですしっ、リーちゃんの言葉に乗っかりましょう” 】


なんだ君達は!! この状態で何を優先すべきか考えろ!!
君達は仕事が全てなのか!? ……くそっ、これだからマスコミは……!!
すまない、先生は大分ショックを受けている様だ、裏に救急車を回してくれ

付き添いで私が病院に行く、ラトウィッジとチャールズは先生の自宅へ暫く帰れないと連絡を頼む
君達しか頼りにできないんだ……! 一体いつからこの国はこんな風になった
武力で世界を変えるだなんて──間違ってます


【"青年"はフラッシュを炊く報道陣に怒号を飛ばし、他の秘書に指示を出す】
【恐らくは鳩が豆鉄砲を食らった様な表情を彼らはするが、なし崩しに頷いて言われた通りにするだろう】
【青年は ”先生”と声をかける、恐らく放心状態であろうが──】

【数日付き添った彼女ならば分かった、ヨハネスがこんな表情をした事は無かった、と】
【変装の為調べた写真のどれにも無い表情──忌々しげに舌打ちをする】
【見たくなかった、こんな風に打ちひしがれた人間の表情を】

【半ば強引に肩に載せると、彼女は舞台袖へ行き、そのまま裏口から外へ出る】
【その内の一台、秘書として自分が運転した車に近づくと、後部座席にヨハネスを乗せるだろう】
【"救急車"を呼ばせておいて、彼女は別の車にヨハネスを乗せたのだ】


リーちゃん、そのままナビしてくれる? ハゲんとこまで運転するよ
大丈夫だとは思うけど、あのスピード狂にも準備させといて、途中で車変えなきゃ行けないかもだし
……それと私、運転めーっちゃ下手だし

──それとさ、この人ってホントに与党の偉い人なの?
与党ってさ、『魔制法』に反対してたんでしょ、だったらさ
……『円卓』にとっては味方なんじゃないの?


【運転席に座りながらリーイェンに言葉をかける、エンジンの具合を確かめて】
【大きく息を吐いた、何も無ければ良いのだけど、と思って】
【ミラーに浮かぶ自分の姿を見る、こんなのじゃ気が乗らないな、と】

【淡い影が彼女を包む、ヨハネスからも確認できる距離で】

【影が晴れたなら、そこには付き従った秘書の姿はなく】

【純白の長い髪をツーサイドアップにし、黒いコサージュリボンで片方だけを飾り】
【黒く長いマフラーと巫女服を基調とした無袖の裾が短い白の着物】
【ゆらりと長い袂からメッシュの長手袋が漏れて見える】
【白いニーソに厚底の下駄を履いた、蜂蜜色の瞳をした少女が座っていた】


さてと、センセっ! いっちょ三途の川までドライブ付き合ってもらいますよ


【──アクセルを踏み、車が夜の街を進み出す】


368 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/16(月) 23:35:49 g1HLNF4w0
>>365>>366

【両者の反応にブランルは嬉しそうにしていた。たとえ答えが出ずとも、だ】
【そしてブラスフェミアがその言葉を出すと笑みを深くした】


その通り、よく覚えていたな
そう、これは『魔界』に生息している魔族から"拝借"したものだ
もちろん、拝借した以上はそのうち返すがね、ふふふ…………

お前たちに申し出たいことはこれだ。つまり、これの『研究と利用』
ブラスフェミア、お前のキメラを作成する技術と
魔女、お前が作り出した遺伝子技術と
そして私の生体兵器に関する技術の”合成”

我ら三人で魔族を用いて一個の兵器を作り上げる
そういう愉快なことをこの間、思いついてな


【ブラスフェミアと魔女、それぞれに順に視線を送り、思いつきだという計画を語る】
【魔族を素材とした兵器の開発。三人による合作、というわけだ】
【ブランルの暗澹とした双眸には、少なくない興奮の色合いがあった。思いつきに心を躍らせていた】

【「どうだ、やってみないか」と。二人へと誘いの言葉をかける】


369 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/16(月) 23:44:27 wg3NHxpU0
>>366>>368

【──赤木に向けた言葉を自分で思い出す】
【好奇心が強い、その言葉は決して嘘ではない、踏み込む加減は人より深い】
【もう少しだけ、もう少しだけ──深淵を覗くのに、下限は必要ないのだから】

【ゾクリと背筋か濡れる、興奮が頬を上気させる】
【傷口が痛む、それはつまり、それだけ彼女が興奮しているから──と】
【ブランルを見つめる瞳、檸檬色の瞳に初めて生気が戻ってきたかの如く】


それは非常に興味深い申し出です、そして何より、そのメンバーに選ばれた事が何よりも幸福です
本当に良いのでしょうか、私の様なものが関わって──あぁ
いえ、もうダメです、もう私は決めてしまいました、絶対に完成させると

ブランル様は本当にいけないお方、こんな物を前にしてそんな申し出をされては
──喩え私のような未熟者であっても、昂るのは目に見えていたでしょうに
どう致しましょう、どう致してくださいましょう


【口数が増える、ヴェール越しに映るとろんと、蕩けた視線】
【彼女は静かに立ち上がって歩み寄る、少しでも近くでその臓器が見たい、と】
【静かに自分を抱いた、華奢な体躯が静々と震えて】


まずは遺伝子情報の解析ですね、組み込める遺伝子を片っ端から添付しましょう
自己修復機能や、精神汚染機能、ふふ、身体的特徴も加えたくなりますね
……変装機構等も、御船が持っていたデータを使えば組み込めるかも知れません


【薄く微笑む、その横顔が残酷な色合いを見せて】


370 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/16(月) 23:53:54 WMHqDivw0
>>368

拝借? ……えっ返すの? マジで?

【何故かそこが気になったらしい。「いやそりゃ無理でしょ……」みたいな顔して】
【続く言葉を、うんうん頷きながら聞いていた。……へえ、と声が唇を割って】
【思わず飛び出していたときにはもう――笑っていた。他のふたりと、同じように】

……うん、うん。素敵だね、そんなモノ使ったことないもの。
しかも三人で一緒に作るんでしょ? わぁ、絶対楽しいやつだ……

そうだね、まずミス・ウィッチが「データ」を創ったなら、
僕がそれに沿って動く躰――「容れ物」を造って、
最後にブランル――あなたが「プログラミング」したら、完成?

――――やぁだ最高。ふふふっ、ナニが出来ちゃうんだろう……っ

【くつ、くつ、くつ。肩を震わせながら、傑作だと言わんばかりに――――】


【――――笑う三人をよそに、後ろの方で。置いてけぼりにされた従者ふたり】
【男の方がのこのこ歩いて、白衣を着た青年に近付いてくるだろう】
【もう、すっかり顔を真っ青にさせた少女を伴って。横に並び立ったなら、にいっと笑って】

「……いっやーもう無理! キッメェ! ついてけねーわあいつら!
 ね、にーさんもそう思わない? おれはそう思う。マジないわー!」

【そんな調子で、世間話でも始めようとするだろう。小声で。】


371 : ◆AesGW/TV3c :2018/04/17(火) 01:16:27 s.osPgw60
>>367

【車内でもやはり、ヨハネスは口を開かない。だが、その表情には少しだけ、生気が戻り始めていた】
【 ──自らを連行する者の正体は知れないが、即座に自らを殺すつもりはないことは分かる】
【それに、漸く冷えた頭が彼の中で、回り始めていた。 “こう”なっては、選べる道はそう多くない】


……助かったよ。あんがとな、嬢ちゃん。


【一言だけ。 老政治家は彼女に話し掛けて、また口を閉ざした】
【──、リーイェンの指示に従い道を進むと、そう遠くない所でビリーの車に行き逢う】
【両名はその車に乗り換え、“目的地”を目指すことになるだろう】


 【 ── 】


【辿り着いたのは、赤煉瓦造りの2階建てビル。三課がフルーソに持つセーフハウスの一つだ】
【玄関脇の“橋立警備保障”という看板は煤けていて、既に業務を停止していることが分かる】
【ビリーの役割は送迎のみ。 ──鵺とヨハネスが、階段を上がり、2階のインターホンを鳴らすと】


 『はーい、 ……ふふっ。 可愛らしい忍者さんに、おじさま。
  まるで童話みたい。こんな騒がしい夜に、随分とおかしなお二人連れですね。 』


【扉を開け、顔を覗かせたのは、白百合の様に可憐な笑みを浮かべた、桜色の少女】
【──エヴァンジェリン・ダルハイトだ。 “重要参考人”でしかない彼女が、此処に居るのは面食らうかも知れないが】
【百家とリーイェンが彼女を“使える”と判断し、後方支援を担当させていることを考えれば、おかしな話でもないのかも知れない】

【彼女が二人を、室内に導く。 1フロアを丸ごと一室にした、その部屋の隅】
【机を挟んだソファーの一方に座していた、スキンヘッドの男が立ち上がり、ヨハネスに礼をした】


「ロトゥノカイト議員。“公安三課”の黎です。
 そちらは鵺と、ダルハイト。 ──どうぞ、お座り下さい。」

……、成程。 “三課”か。
損切りされた老いぼれを誰が助けるもんかと思ったが、やっとこさ得心がいった。

「先程の襲撃の件について、ご協力頂けますか。」

悪いが、そう期待せんでくれ。 これでも色々と背負うモンがあってな。
幾ら殺されかけたからと言って、助かった以上は全部放り投げる訳にもいかねぇ。


【黎とヨハネスが、机を挟み、向き合ってソファに座る。 エヴァは黎の横に腰を据えたので、必然的に、鵺はヨハネスの隣、となるか】
【「吸っていいか」と、ヨハネスは懐から煙草とライターを取り出し、火をつけ、一息吸って、白煙を吐いた】
【ヨハネスは決して、“協力的”ではない。 その口を割らせる材料を、黎は持ち合わせなかった】
【 ──、数秒の沈黙を、鵺に向けて放たれたエヴァの言葉が破る】


『ふふっ。 “助かった” なーんて、随分暢気なお言葉を使うんですね。
 ここにおじさまが居るのを知ってるの、私達だけなのに。』

……、はっ、脅しかよ。

『そんなことしませんよ。 私、見ての通り可愛いだけが取り柄の女の子ですから。
 でも、お手伝い頂けないなら──、少し、頑張っちゃうかも知れません。』


【「ねっ」、と。 エヴァは言葉とは裏腹に、冬の陽風の様な笑みを鵺に向けた】
【── 手掛かりを持たない以上、“すべての事情”を話させる術は限られている】
【仮に鵺がそれを許すのなら、“そう”することになるのだろうが──、避けたいのなら、鵺がヨハネスの口を割るしかないのだろう】


372 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/17(火) 01:49:02 wg3NHxpU0
>>371

【鵺は良い意味でも悪い意味でも、割り切るタイプであって──エヴァンジェリンの出現にも驚きは見せない】
【寧ろ表情に柔らかな色合いを見せて、疲れよーっなんて軽い言葉をかけるだろう】
【それは宛らマザーグースの歌にも似た、どこか歪な悪夢の様だろうか】

【少女の忍者と、それを迎え入れる可憐な桜】
【お伽噺の様な光景でも其れは紛うことなき真実で、あるのたがら】
【鵺はちょこんと、横の席に座るだろう、パッと見は祖父と付き添いで来た孫娘の様である】


 (エヴァちゃんに任せるのはまずいですよねっ、あの子絶対にSですっ、間違いないですっ、鵺ちゃんセンサーがぬえぬえゆってます!)
 (……となると、私の出番かもしれませんけど、何というかこんなおじ様にねーっ)
 (気乗りしないというか、かるーく口を割ってほしいと、ゆーかっ)


【チラリと鵺はエヴァと視線を交錯させるだろう、あどけない牡丹の如き笑み】
【やりづらい、と思った。──如何せん媚を売ってる時の自分と似たタイプだ】
【先手を打たれている以上、この場でエヴァチックに責めることは出来ない】

【──鵺は思案する、ここ数日の潜入任務で、何か変わった事が無かったか、と】
【視線の端でヨハネスの顔色を伺う、”そういう事”を想定しているかどうか】
【恐らくは魑魅魍魎の跋扈する政界を潜り抜けてきた男だ、望み薄ではあろう】


あーダメダメですねっ、可愛いだけのエヴァちゃんには、まだまだ早いのですっ
可愛くて仕事もできる鵺ちゃんじゃないと、此処から先はオンエアできませんしっ
アダルティな世界になっちゃいますし、エヴァちゃんはおやすみの時間ですよ

とまあそんな具合でして、エヴァちゃんみたいな可憐な娘っ子に、見せたくないんですよねっ
そういう血飛沫ぷしゃーとか、あんまり鵺ちゃんも趣味じゃないので
ですがまあ、一通り手解きは受けてまして、出来ないことも無いんですよね

……自慢じゃないですけど、一通り受けてもいますし、効果的なものも知ってます
"ご老体に鞭打って"──を言葉通りに示すのは、避けたい所でしょう
まぁ、あんまりペラペラ話すのは鵺ちゃんのやり方じゃないですが──


【──えっと──】


……『円卓』って、何ですか?


【踏み出す一歩、深淵よりまだ深く沈み込むように】


373 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/17(火) 08:38:49 wg3NHxpU0
>>237

【リューシオと反芻する、少しイントネーションに苦戦して何度か口に出して】
【漸く納得のいく発音が出来たなら、確かめる様にもう一度呼んで】
【──殺人犯という情報については恐らく知らないと、判断出来るだろう】


……成程、そうやったんですか──
すいません、軽はずみに聞かはる話じゃ、無かったですね
軽率に両親の話だしたんも含めて、謝罪します

スラム街ですか、しかも、ずっと一人で
……想像もつきません、それがどれだけ大変で、困難なのかも
リューシオさんは、本当に凄い方で、いらっしゃるんですね


【雨粒が戸板を叩くようにぽつぽつと言葉を探す、差した傘の表面に触れて雨に気づくが如く】
【雲間に隠れるみたいに目を伏せた、言葉の通りであった──開けた蓋の奥の重い過去】
【反省と共に、目の前のリューシオがとても、とても強い人物に見えた、から】


でも、私には……こう、上手くいえへんけど、思わはるんよ
お母はんは、きっと、子どもの事を道具だなんて、思わへんって
──知った口を聞くなって、怒られるかもしれないけど

同じ女やからかな、まだ、子どもを産んだことも、パートナーが出来たこともないけど
……それでも、お腹を痛めて産まはった子どもをな
愛してないなんてこと、絶対無いと思うんよ


【視線を両手に落とした、細い指先は苦労を知らない無垢な手に見えて】
【開いて閉じる、緩やかな曲線が見せる淡い残滓に束の間の思いを馳せて】
【表情を伺うように視線をゆっくりと上げる、貴方の顔色を確かめる様に】


374 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/17(火) 08:39:36 AHNswfp60
>>357
【ゾーイ。もう随分と久し振りにその名前を聞く気がする。だがそれも気のせいだ】
【鈴音からこの間、その名前を聞いた。確か、たまにUTで】
【仕事をしているとか──いや、大事なのはそこじゃない】


…………!!そうか、ゾーイか

いや、正直あいつのことは全く考えちゃいなかったが…………
確かに、あいつにこそこれはうってつけだ。…………あいつがやってくれるかは、さて置いてだが

んじゃとりあえずゾーイの顔見がてらUTに行くか…………ああ、クソ
ついこないだ行ったばっかっつうのによぉ!
ほんと、巡りが悪いってぇのはこのことを言うんだろうな


【思えば、自分がこの場にいるのも全てはあのアンドロイドが始まりだ】
【気まぐれで入った路時裏で彼女と出喰わし、気付けば随分なところまで来てしまっていた】
【あれはどこの路地だっただろうか。詳しい場所なんて、もうろくすっぽ覚えちゃいないが】

【そして次の問題はリストだ。結局のところ、どうにもカニバディールには合わなきゃいけないらしい】
【巡り合わせの神さまってやつは、とことん意地が悪い。カニバディールに会えないから】
【こうやって、奴に届くように指輪をバラまいているのに。結局のところ直接会う必要があると来た】


流石は名の通った機関員だな、街中でどんぱちやらかすだけある
ま、会うのは難しそうだがなんとかするさ……なるべく急ぎ足でな

さて、と────これからゾーイに会わなきゃいけねぇし、カニバ野郎を探さなきゃいけねぇ
あたしはもう行こうと思うが、あんたはどうする。まだ休んでくか?


【方針が決まればすぐに動く。とりあえずはUTに。カニバディールはどうしようか】
【街中で騒がしいところを探す。それか路地。あるいは泥の街だったか】
【心当たりはこちらもある。後は探すだけだ。敵に気づかれないように】
【誰にも気づかれない、というのだけは得意だった。少なくとも擬態が機能する限り】
【人はそこら中にいる。誰かの皮を被っていれば、ただそれだけで済む】

【用件を聞くだけ聞いて、最後に一言声をかける。車での送りは期待しちゃいないし】
【彼にだってやることもある。それに、さっきまでは死にかけていた男だ】
【伝わりにくい気遣い。あるいは伝える気はないのかもしれないが】


375 : 名無しさん :2018/04/17(火) 12:42:42 /xWzuiOE0

【繁華街から少し外れた裏通り】
【その一角に、小さな店―――看板には「貴金属買取」と書いてある】

【狭い店内には簡素なカウンターがあり、店員の中年男性が1人座っていて】
【入り口は常に開いているため、外からでも中の様子はよく見えるだろう】
【カウンターの前には客らしき少女が立っていた】

【10代後半──身長は155cm程度で】
【空色の瞳に、白みがかった金髪を真ん中で分けた短めのツインテール】
【黒い半袖のブラウスに白いショートパンツ、肩から小さなショルダーバッグを掛けている】

「お客さん、これは?」

【怪訝そうな男性の目の前――カウンターの上には、拳より一回り大きいくらいの金属片がごろんと置いてある】

これ?これ、タングステンの塊。高いんでしょ?ね、買って?

【少女は無邪気に朗らかに答える】
【男の方は怪訝な表情が呆れたものに変わり、はぁ、とため息をつく】

「あのな、タングステンなんてレアメタルを君みたいな子供がこんな塊で持ってるわけねーんだよ。
そもそも貴金属じゃねえし……ふざけてないで帰りな、お嬢ちゃん」

えっ、本物だよ?ちゃんと、ちゃんと調べればわかるよ!

「ほら、商売の邪魔だ」

【少女は店から出て、銀灰色の金属片を抱えてトボトボと歩き出した――】

うぅ、せっかく能力で作ったのに……

//3日間くらいは置いておきますので気が向いた方がいたらいつでもどうぞ


376 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/17(火) 13:43:31 BRNVt/Aw0
>>373

【文月に謝罪されると彼は苦笑を浮かべつつ、別に良いよ、と答え】

……俺が軽率に変な事思い出しちまったからってのもあるし、文月だけが悪いって訳じゃない

まあ、そう。スラム街……って言えば良いのかな?俺、馬鹿だからよく分かんねぇんだけどさ
昔っからスリとか泥棒とかやっててさ、そーやって生きてきたんだよな
でもまあ、凄いってもんでもねぇけど
【きしし、と悪戯っぽく笑うリューシオ。まるで何でもない話をしているようで】

【そして、貴女が言葉を紡いで顔をあげたのなら其処にあるのはやはり笑顔で】

……あんたはきっと、親に愛されて、望まれて、育ってきた子供なんだな


……まあ普通は、そう思うよなぁ
自分が腹を痛めて産んだ子を道具だとか要らないとか思う筈ないって

けど、実際にそんな事だってあるんだよ

産む筈じゃなかったから棄てる、周囲に望まれない子だったから棄てる、育てられないから、障害があるから、能力に目覚めてしまったから

男の愛を勝ち取れなかったから、棄てる

そういう奴を見てきたし俺自身実際体験してるんだ

【そこまで一気に喋り、長いため息を吐く青年】

【冥い場所にいたからか、親という概念に対して酷く偏見を持っているようで】

……なあ、知ってるか?
最近さ、水の国の"そういう所"にな、ガキが少し増えてきてんだよ
それも、大抵『持ってる』奴なんだ
親はいねぇのかってそういうガキに聞いたら"例の街"に行っちまったんだと

【それでも、親というものを?と彼は彼女を見据える】


377 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/17(火) 17:18:28 4pGR8cs60
>>376

【上げた視線の先映る笑顔に少女はとくん、と胸が高鳴る音がして】
【ふぇ、って変な声が漏れた。──少し恥ずかしくなってきゅう、と頬を赤くして】
【──そうかなぁ、って声を返した、親の顔を二人とも思い出して】


……そんな話聞かはると、リューシオさんの言わはる通りなんやろうな
怒られた事も、喧嘩した事も一杯あるんやけど
それでも、それでも私は愛されてたんやな、って思います

だから、私からは……ごめんなさい、やっぱり、軽率な言葉やったなって
リューシオさんみたいに体験してへんから、うぅ──
でも、やからこそな、リューシオさんはええお父はんになるんちゃうかな


【言葉を探した、上手く響く音色を見つけられなくて】
【現実を突きつけられて、自分がいかに甘い見通しで考えであったかを思い】
【それでも微笑みを向ける、リューシオならきっと、そんな事はしないだろうから】


────!! 知りませんでした、そんな事が起きてはるんですね
でも、でも……正直信じられへんどす、ほんまに……
つまりはそれって、能力を持ってはるから、捨てはるって、事やろ?

『特区』は最近私も聞かはって……それで大変な目にあってはる人と会って
でも、それだけやないんやね──子どもたちに、被害がいかはるなんて
……なぁ、私はそういうの聞かはったら、許せへん人なんよ

間違ってると思うんよ、『特区』も、子どもを捨てる親も


【双眸が静かにリューシオを見据える、言葉は何処までも真っ直ぐに】
【リューシオからすればやっぱり青く見えるかもしれない、子どもだけれども】
【だからこそ、許せない事は許せないと、述べた】


378 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/17(火) 18:53:58 ZqlmZx1U0
>>377
マキもいるだろうし。細かい話はまあ、ゾーイとしてくれ。
…そういうもんだよ人生は。おんなじところをぐるぐる回ってそれが日常って言葉の意味さ。

カニバディールとはまだ会っちゃいないんだな?なら、まあ…泥の街にいけ。
それか手下を捕まえるほうが早いかもしれない。…俺とアイツとの合言葉をお前に伝えておく。
「ヨハンは639号室の隣人」…「ヨハン」と「639」だけ覚えとけばいい。
意味は…まあいい、今度暇なときに。

【煙草を灰皿に押し付けて、男も立ち上がった。まだ、具合悪そうに頭を手で抑えているがもう構ってられない】

途中まで送ってやる。…だがあの車は処分しなきゃならない、あとは歩け。
可能な限り特区、調べておくさ

【そうして、彼はすっかり様変わりした、車の…今度は運転席にすわる。】
【助手席のグローブボックスには消音器と自動拳銃。「欲しけりゃ使え」と言うだろう】

【それからのことはダイジェスト。引きのカットで、国道沿いで車をとめ、赤い女が降りて、白い車は画面外に走り去る。女が歩き出し、画面を出ると切り替わる】

【UTの酒場は渦巻く諸問題をなんとか地下に収めていた。行き届いた清掃、綺麗に並べられた酒瓶とグラス。】
【オールディーズとカントリーの名曲が繰り返し流れ、そこにゾーイはいる】
【カウンターの隅の席で人形のようにじっとしている】

【長いまつげの蒼い瞳はまっすぐ前を見つめている。今日の彼女は銀髪の長髪で】
【薄めの化粧にワインレッドのシャツとブルージーンズのシンプルスタイル】
【腕まくりと一つ余分にボタンを外した胸元は本人曰く「雰囲気に合わせた」とのこと】

【ミラを見れば彼女は立ち上がる。ほんとうなら嬉しさのあまり飛び上がりたかったが静かに動く】
【相変わらずの仏頂面だ。でもちょっとだけ忙しない感じがした】


379 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/17(火) 19:17:51 g1HLNF4w0
>>369>>370

【それぞれに高揚を表す二人を見てブランルはまた愉しげな笑いを浮かべていた】


伝えることは色々とあるが、まずは”これ”をお前たちで好きに弄れ
目的を持った兵器の開発、レヴォルツィオーンの開発主任としての依頼は
お前たちがこの玩具に慣れてからでいいだろう

確保したのはこの一つだ
後から調達もできるが、とりあえずはこれを二人で分けてくれ
…………喧嘩するなよ?


【二人に申し出たのには一応、理由があるようで。何かしらの目的があるらしい】
【しかしそれはひとまず置いて、喜ぶ二人に向けて容器を差し出した】
【悪戯っぽく笑って、さらに続ける】


いずれはこれら魔族の生息する『魔界』に行く
正確には、『魔界』に行きやすくする。私のような魔術師でなくとも、行けるようにな

今のところ、あそこに行く手段は一部の者しか知らないようだ、勿体無いと思わないか?
愉快な世界に素晴らしい隣人たちだ、仲良くしたいだろう?


────なので、使いやすい『門』を開けることにした


【『魔界』────一部の者のみが知る異世界。あるいは、位相のずれた同じ世界】
【行き来する者も同様に少数に限られている。そんなのは不公平、不平等だとブランルは語る】
【愉しいものは全員で共有すべきだ、と。その声は善意を実現する宗教家のような純粋ささえあった】

【同時に、実行する計画は途方もないもの。世界と世界を繋ぐ”門”を開く。そんなことを、さも当然のように語る】
【生体兵器の研究者ではない。”世界”などというものを対象にしても怯むことのない魔術師がそこにはいた】

>>370

【魔女とブラスフェミア。二人の狂人────人間たちの言葉に動揺し、立ち尽くしていた白衣の青年だったが】
【男の方の従者が近づき声をかけると、はっとした表情をして顔を上げた】


「え……あ、あぁ…………」


【まだ精神が立ち直っていないようで、返事に力が込もっていない】
【それは、突然のことだったせいもある。声をかけられるなどとは、全く思っていなかったからだ】
【その視線は訝しむように彼へと向けられ、続いて隣の少女にも向けられる。そちらは心配そうに、だったが】


380 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/17(火) 20:01:40 S/DUh6T.0
>>370>>379

【ブラスフェミアの言葉も合わせると、素地となる部分は彼女が作るのがベストか】
【ブラスフェミアに視線を向ける、大丈夫ですか? と、確認する様に】
【彼女は容器を手元に寄せるだろう、瞬きを一つ呼吸がわりに浸して】


では一度私が持ち帰って、素地を作らせて頂きます
幾つかの遺伝子を組み合わせて、元となるデータを作成しますので
後日ブラスフェミア様に身体を作って頂き、仕上げはブランル様に

──ああ、こんな素敵な申し出に関わらせて頂けるなんて
本当に私の様な矮小な科学者にも、手を差し伸べて下さるのですね
分かりました、精一杯私の持てる知識を鬻ぎましょう


【ヴェール越しの表情、愉悦の零れた淡く残酷な色合い】
【後日ブラスフェミアに邂逅する際には出来てるだろう】
【──夕月を借りる実験と合わせて、その辺を調整するつもりか】


──それは途方も無い計画ですこと、私では想像もつきません
ブランル様は本当に凄い御方です、なんて恐ろしい計画
ですが、興味を惹かれるのもまた事実です『魔界』だなんて

私はお伽噺でしか知りません、古代種の悪魔や神話生物の跋扈する世界と
そこに門が繋がれば今以上に優れた遺伝子を、手に入れる事が出来るのでしょう
──その世界をブランル様の側で見れるのなら、それに勝る喜びはありません


【其の計画を聞いて魔女は静かに頷くだろう、自分で良ければ手を貸すと】
【同時に紡ぐのは思慕の情、途方もない野望を語る貴方に向ける羨望の眼差し】
【それを指して人は──カリスマと呼ぶのだろう、他者を惹きつける強力な個性】


381 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/17(火) 21:05:09 WMHqDivw0
>>379-380

……うん。下拵えはあなたに任せたよ、ミス・ウィッチ。
たのしみだなあ、どんな容れ物を作ろうか……うふふっ

門――――門ね、なんだったっけか、
「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」?
そんな言葉があったよね、ふふっ……その向こうに何が待ってんだか。

【自分の身体を掻き抱くように、震えすら起こしながら】
【冒涜者の瞳はきらきらと、子供のように輝いていた】
【寝る前に御伽噺を聞かされているような、幼い希望を孕んだ笑み】
【浮かべながら――うんうんと、二人の話に相槌を打って】


「……にーさん大丈夫? キモチ悪い? おれも大分悪いけど。
 ――――ね、それ抜かないの? 今なら三人とも、何かしでかす前に
 全員ヤっちゃえると思うんだけど、ナー」

【男は自身のネクタイを緩めながら――赤木の持つ銃を指差して】
【あっけらかんと言う。今ここで殺してしまえば話は終わるのではないか、と】
【……そこまで言うなら自分でやればいいのに。しようともしない姿は、不自然に映るかもしれない】


382 : ◆AesGW/TV3c :2018/04/17(火) 21:20:01 s.osPgw60
>>367(訂正)

【辿り着いたのは、赤煉瓦造りの2階建てビル。三課がフルーソに持つセーフハウスの一つだ】
【玄関脇の“橋立警備保障”という看板は煤けていて、既に業務を停止していることが分かる】
【ビリーの役割は送迎のみ。 ──鵺とヨハネスが、階段を上がり、2階のインターホンを鳴らすと】


 『はーい、 ……ふふっ。 可愛らしい忍者さんに、おじさま。
  まるで童話みたい。こんな騒がしい夜に、随分とおかしなお二人連れですね。 』


【扉を開け、顔を覗かせたのは、白百合の様に可憐な笑みを浮かべた、桜色の少女】
【──エヴァンジェリン・ダルハイトだ。 “重要参考人”でしかない彼女が、此処に居るのは面食らうかも知れないが】
【百家とリーイェンが彼女を“使える”と判断し、後方支援を担当させていることを考えれば、おかしな話でもないのかも知れない】

【彼女が二人を、室内に導く。 1フロアを丸ごと一室にした、その部屋の隅】
【机を挟んだソファーの一方に座していたのは、目付きの悪い金髪の男。 百家羅山は案の定、苛ついている様子で】
【── ちっ、と舌打ちを響かせると、眼鏡を上げながら、ヨハネスに自らの前を示す】


「公安三課の百家や。 そっちのアホそうなのが鵺で、マシな方がダルハイト。」

……、成程。 “公安”か。
損切りされた老いぼれを誰が助けるもんかと思ったが、やっとこさ得心がいった。

「── おうおう、その口振りやと用件分かっとるみたいやないか、オッサン。
 下手人の身元答えろや。俺らで手錠掛けたるわ。」

悪いな坊主、期待には応えられねぇ。 これでも色々と背負うモンがある。
幾ら殺されかけたからと言って、助かった以上は全部放り投げる訳にもいかねぇ。


【百家とヨハネスが、机を挟み、向き合ってソファに座る。 エヴァは百家の横に腰を据えたので、必然的に、鵺はヨハネスの隣、となるか】
【「吸っていいか」と、ヨハネスは懐から煙草とライターを取り出し、火をつけ、一息吸って、白煙を吐いた】
【ヨハネスは決して、“協力的”ではない。 その口を割らせる材料を、百家は持ち合わせなかった】
【 ──、数秒の沈黙を、鵺に向けて放たれたエヴァの言葉が破る】


『ふふっ。 “助かった” なーんて、随分暢気なお言葉を使うんですね。
 ここにおじさまが居るのを知ってるの、私達だけなのに。』

……、はっ、脅しかよ。

『そんなことしませんよ。 私、見ての通り可愛いだけが取り柄の女の子ですから。
 でも、お手伝い頂けないなら──、少し、頑張っちゃうかも知れません。』


【「ねっ」、と。 エヴァは言葉とは裏腹に、冬の陽風の様な笑みを鵺に向けた】
【── 手掛かりを持たない以上、“すべての事情”を話させる術は限られている】
【仮に鵺がそれを許すのなら、“そう”することになるのだろうが──、避けたいのなら、鵺がヨハネスの口を割るしかないのだろう】

/>>371の修正稿です


383 : ◆AesGW/TV3c :2018/04/17(火) 21:20:30 s.osPgw60
>>372

【── 鵺が“らしくない”方法に打って出ると、百家は珍しく眼を丸め】
【エヴァンジェリンは、口元の稜線を緩やかに上げた。 なーんだ、“ある”じゃないですか、と。 】
【しかし、彼女の口から出た『円卓』との語に、両名は何らかの意味を見出すことができない】


── あァ?  『円卓』が何か、だと?

嬢ちゃん、お前さんも“公安”だろ。 それも俺に張り付いてた。
尻尾掴もうとしてた連中の正体、まさか知らねぇなんてバカな事はあるめぇよ。
……、 それとも何だ。 “頭”の担当はそこの坊主か。


【だが、ヨハネスの反応は違った。 そして、それは鵺が想定していた物とも、幾分か異なるだろう】
【まるで、三課の面々が『円卓』の存在を知っていて当然、とでも言うように、ヨハネスは語っていた】
【── だが、顎で示された百家もまた、眉間に皺を寄せる】


「……チッ。 ワケ分からんことほざくなや、オッサン。
 アンタ狙ったのは野党の後ろで旗振っとる連中やろ。
 おい鵺。 襲撃した連中、『円卓』って名乗っとったんか。説明しろ。」

……、ぁん? お前も知らねぇのか、そんな筈はねぇだろ。

『うーん。 ……私、記憶力は良いんですけど、聞いたこともないです。
 今のでどうも、“野党側”と『円卓』さんは別個、っていうのは理解できましたけど。』

待て。これだけ確認させろ。  お前ら、“どこ”に付いてる。
俺の認識が確かなら、“公安”は“向こう側”の筈だ。


【一同の──若しかすると、鵺だけを除いて──間に、得も言われぬ混乱と緊張が走る】
【互いに、何か認識に齟齬があるのではないか。 だが、それを解き明かすことができない】


【ここまで整理して分かるのは、ヨハネスを襲ったのは『円卓』だということ】
【そして、“三課”は『円卓』の存在を知らず──、一方、ヨハネスは、“公安”を“『円卓』の逆側”と言っている】
【“野党”の逆が『円卓』ならば、“与党”と『円卓』は重なる筈なのに、ヨハネスは『円卓』に襲われた】


【数秒の間、場を沈黙が支配する。 百家が、エヴァンジェリンが、ヨハネスが、脳内の情報を整理するが】
【この状況を整合的に理解するピースが足りない。 無理もない。全ての材料を持つのは、鵺だけなのだから】


384 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/17(火) 21:20:33 yP.8MgWM0
>>378
【なるほどな、とまた半笑いが返ってきた。それが日常の意味なら、仕方ない】
【以前は退屈過ぎた日常が、今じゃ少し恋しいくらいだ。同じことの繰り返しを日常と呼ぶんなら】
【同じところを行ったり来たりすることも、少しくらいは悪くないと思えた。なんだって、考え方次第だ】

【合言葉ももちろん、忘れちゃいけない。ヨハンと、639。その二つの単語を、しっかりと頭に叩き込む】
【何度か口の中で言葉を繰り返し──隣人だとか間の助詞なんかは、この段階で既にすっ飛んでる】
【意味は少しだけ気になったが、それはまた今度聞こう。出来れば、血の流れない酒場でお願いしたいところだ】


おう、ありがとよロッソ。銃はもらってくぜ

──────そっちのことは、よろしくな


【心許なかった装備が新調された。名も知れない銃は悪くなかったが、たまにはまともなものを使ってもいい】
【消音器もありがたい。「持つべきものは探偵だな」と別れの挨拶に一言付け足し】

【車を降りた後は適当な手段でUTへ。蛍光灯の切れかけた自販機で甘ったるいコーヒーを買い】
【やっぱ別のにしときゃ良かったと思いながらコンクリートの道を行く】
【そしてUTに着けば──最初は、誰だか分からなかった。前に会った時とは随分と雰囲気が違っていて】


…………よぉ、ゾーイ!元気してたか?友達はあれから出来たかよ
ぎゃは────今日の赤色もイカしてんなぁ!んん?
おまけに、前にあった時より随分と色っぽい格好っつぅかよぉ!


【思わず両腕を広げる。出来ればそのままハグを。それにしたって、相変わらずの仏頂面だ】
【客に振りまく愛想の代わりに鉛玉でもくれてやりそうな顔。感情を隠さないタコ頭とは大違い】
【そんな二人が友人だと言うのだから、世の中分からないものだ】

【────積もる話や、持ち込んだ要件。言いたいことはありすぎる】
【それでも。最初の数分くらいは素直に再会を喜んだっていいだろう】


385 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/17(火) 21:26:16 g1HLNF4w0
>>380>>381


門が出来上がった暁には、もちろん、お前たちも招待しよう
何、”向こう”は何度か行ったが、そんなに悪い場所でもないさ
両手に花を持って小旅行するには丁度いい

さて、愉快な共同作業については決まったな
私はのんびりと、お前たちの手が加わるのを待つとしよう
もちろん、作るのは一体じゃない。これの次にも一つ、要求を用意してある
だがともかく、まずは一体作ってみようじゃないか


【これは初めの一歩。そのことをブランルは強調する。細々としたスペックの話がないのはそのせいだろう】
【何でもいいから一体、まず作る。そしてこの異世界の生物を弄り、汚し、その全てを理解したならば】
【そのときには次の段階へと進む。言わば一種の調査、あるいはテスト】

【意識を切り替えるように、ブランルが両手を打つ】


私からの話は以上だ
質問があるならば、何なりと。話題があるならば、ご自由に
それらがなくともこの愉快な場を続けてもいい。お前たちと話していれば退屈はしないからな
あるいはそうだな……従者同士に何かさせてみるか?


【横目に、ブラスフェミアの従者と自らの部下を見やる。口元には悪辣な笑み】


>>381

【男の言葉に対しても、青年の表情は翳りを帯びたままだった】


「…………やれるのなら、やつは俺を同席させないだろうね」


【青年の視線が動き、黒衣の男のそれと交錯する。苛立ちの表情が浮かぶ】
【口ではこう言いながらも、やはり手が銃へと伸びる。あるいは、あと一押しでもすればそれを掴みそうな気配さえあった】


386 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/17(火) 21:37:58 S/DUh6T.0
>>381>>385

【──魔女は小さく言葉を探した、自分に掛けられたモノの重さに】
【ひとつ頷いて、臓器を手に持つ──これから忙しくなる、と思った】


それでは私は一度本社に帰らせていただきます
こんな素晴らしいお土産を頂いたのですから、ふふ、寝ずの夜が続きます
ブランル様──今日の所は私は帰ります

お時間が合えばまたお呼び出しを、待っています
私はいつでも、貴方様のお言葉を心待ちにしてるのですから


【両手で抱えて、踵を返す、扉に向かって歩いて】


それではブラスフェミア様──目処が立てばまた連絡させていただきます
お元気で御二方、また会いましょう


【──そう言って魔女はその場をあとにするだろう、悠然とした足取りで】


/それではお先に失礼します!お疲れ様でした!


387 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/17(火) 21:43:48 WMHqDivw0
>>385

【「もう行ったことがあるの? ずるいなあ」】
【頬を膨らませて、それでもこれから訪れる楽しい出来事に夢を馳せて】
【――もう、本当に子供じみたというか、子供そのものの表情の作り方】
【そうしながら、ブランルの視線を追いかけて――従者を見れば、にこりと笑った】

……仲良くなれた? そんならよかった。
何かしたいことでもある?

【そう声を掛けても、従者のうち――男の方はふるふると首を横に振るばかり】
【少女の方の腕を掴んで、冒涜者のもとへ帰っていく。――その道筋で】

「だよネー。でもいいじゃん、『掴もうとはしてる』。
 おれたちには『それ』すらできないからサ――――」

【「大事にしときなよ、その感覚」。そう言い終わるころには、二人は冒涜者の隣に戻っていた】

……なんにもないみたい。それじゃあ僕も、帰ろうかな?


>>386

うん。それじゃあ、また――僕も「この子」も、楽しみにしておくね。

【手を振って見送る。その様子は晴れやかに、上機嫌そうに】
【隣で小さく震え続ける赤髪の少女とは、どこまでも対照的なものだった】

//おつかれさまでした!


388 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/17(火) 21:55:32 g1HLNF4w0
>>386


……ああ、必ず
私もお前に、伝えたいことや教えたいこともあるしな


【別れの挨拶は目線と短い言葉だけ。今となっては、それだけで十分だった】


//お疲れ様です!


>>387


おや、実に残念だな
そちらの少女はそのうち私にも…………
いや、よそう。貴重な成功例だったな。大切に扱うべきだろう


【嗜虐的な目が少女へと向けられるが、すぐにそれは奥底へと隠される】
【直後の呟きは自嘲めいたもの。重要な研究結果を軽んじるべきではないと考えたのだ】

【白衣の青年は男の言葉に一瞬、戸惑う様子を見せる。だがその意味するところはすぐに理解できて】
【表情が複雑な感情で塗りつぶされる。怒り、絶望、落胆、無力感。力なく、腕が垂れ下がる】


ではまた会おうか、ブラスフェミア
お前にもそのうち頼みたいことができるだろう
そのときにはよろしく頼む


【片手を掲げて別れの挨拶とする。会合はここまでだった】


//お疲れ様でした!


389 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/17(火) 22:00:48 WMHqDivw0
>>388

【魔女に見つめられていただけで竦み上がっていた少女が】
【さらにブランルに視線を投げられて、もうひとつ身震いをする】
【――ひゅう、ひゅう、と細い息の漏れる音。過呼吸を起こし始めているようだ】

うん! それじゃあまた――素敵なモノ、創ろうねえ!

【それに目もくれないで、「さ、帰ろう」と従者たちに声をかける、冒涜者】
【白衣の裾を翻して軌跡を描き、またこの場から離れていく――】


「――――そんじゃあネ、おにーさん。元気でやってなよ」

【――ドアの閉まる直前。男が、白衣の青年にそう言い残して】
【ばたん。完全に閉まる音、こうして狂気の会合は終幕と相成った】


//おつかれさまでしたーっ!


390 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/17(火) 22:02:41 S/DUh6T.0
>>383

【──内心ドキドキとしていた、手持ちの札を見比べて最善手を打ったつもりでいたが】
【この場にいる彼女以外の三人、特に百家が居る事が彼女に大きく負担をかける】
【──相当頭がキレる、それこそ、鵺では到底足下にも及ばぬほど】

【だからこそ少々気分が良いのも事実であった、百家の表情はそれ程迄に彼女には痛快に映ったから】
【然して何時までも小さな優越に浸ってもられない、周囲の会話を掻い摘んで汲み取っていく】
【──頭を使うのは苦手だ、だからこそ、一つ一つの意味を精査しなければならない】


そんなーっ、あーんなパンパン銃声してる中で向こうさんの言葉、聞こえる訳ないじゃないですかっ
百家さんってば、鵺ちゃんの事を兎さんか何かと勘違いしてません?
──『円卓』って仰ったのは此方のおじ様ですよっ、四六時中べーったりだったので

おじ様の言葉ならどこにいたって聞こえますからっ、ふふーん

それと、その様子だとひょっとして百家さん、『円卓』知らなかったりします?


【おやまあ、と大袈裟に驚いてみたりして】


まあ鵺ちゃんも最近知ったんですけど、どうやら『円卓』っていう裏のシステムがあるそうです
なーんでも悪い人と悪い人が集まって相互にお金を支援してるよーなっ
でもほんと、唯の都市伝説みたいでーっ鵺ちゃん全然裏付け取れてなかったんですよね

ああ、困ったなーって、まーったこの前の会議みたいに百家さんに
「信用できひんねん、このアホ」って言われるかなーって思ってたんですけどっ
──おじ様の反応を見ると、本当にあるんですね『円卓』


【まずは"三課"に『円卓』の存在を伝える、いつもの様に軽い口調で】
【声に大きな変化はない、紛いなりにも忍びの端くれだ、常人に見抜かれる程やわな演技はしない】
【──しかし、百家ともあれば、彼女の口調に若しかすると隠し事を感じるかもしれない、が】


あら、もしかするとこの場って鵺ちゃんの独擅場?
まあ現場で汗水垂らして働いたお陰ですねっ、こりゃ給料アップも期待大ですっ
ねぇおじ様、向こう側ってどちら側ですか?

──『円卓』? いやいや、其れはおかしいですよねっ、文脈に合わないじゃないですか
おじ様の認識だと、おじ様を狙うのが『円卓』なんですから、『公安』が『円卓』だなんて有り得ないです
もーしそうなら鵺ちゃんがぶすーって刺してます、おじ様が寝てる時に

と、なると考えられるのはもう一つしかないじゃないですか
居るんじゃないですか? 『円卓』以外に、もう一個


──『公安』が付いているはずの組織が


【それは宛ら解答を持った状態での試験が如く】
【鵺は認識していた、『円卓』と『向こう側』──特に『円卓』に関してはそこに属しているという始末書では済まない状態だが】
【『向こう側』に関しては、他の三課の面子も名前だけは知っているかもしれない、以前の会議で鵺が話題に出した】

【──結果はコテンパンであった、信憑性に関しては全くの皆無と言って良かったから】
【しかし今、ヨハネスという両方の存在を知っている第三者がいる】
【──小さく唾を飲み込んだ、はやる鼓動を抑えるが如く】


391 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/17(火) 22:06:32 BRNVt/Aw0
>>377

【変な声をあげて、少し赤くなる文月。その姿に何かあったんだろうか?と一瞬頭にハテナを浮かべるが】

【自分はきっと愛されていたのだ、だからやっぱりごめんなさい、と謝罪の言葉を述べられると、だから良いって!と返す】

【そして、彼ならば良い父親になれそうだと言われれば、父親なぁ……と苦笑する】

多分無理だなー……いろんな意味で
【いろんな意味。ざっくりと纏めてはいるのだがその裏には様々な『そうはなれない理由』が込められていて】

【相手がいないというのはもとより、犯罪者だし今更全うな人生は歩めないのだろう、とか"その時"になってしまえば妻子でも殺してしまえそうだという恐れ、とかそもそも親の愛を知らないから下手にやらかしかねない、とか。まあそのような理由を全部ざっくり纏めて『いろんな意味で無理そう』なんて言葉で済ませて苦笑いする】


……うーん、信じられないって言われてもなぁ……
有り得ない話じゃねぇっしょ?
マホーナンタラホーが……こう……あれで……あれ、だよ……
【異能を持ってしまった子供が棄てられるケースがある、という話に驚く文月にクールに返そうとするリューシオ】

【だが言葉が出てこないらしく何だかあやふやな物言いになってしまう】

【どうやら、魔能制限法制定により能力者排斥・ヘイトの動きが活発化し、そのあおりを能力持ちの子供も受けている可能性がある、といった事を言いたいらしい】

【くそぅ、何か決まらねぇな、と心の中で毒吐くが】

【『特区』の事で大変な目に遭っている人と会った、という言葉を耳にして一瞬にして真剣な表情になる】

……待ってくれ文月
その『特区』で大変な目に遭ったって奴の話なんだがよければ詳しく聞かせてくれねーか?


392 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/17(火) 22:08:10 ZqlmZx1U0
>>384
【探偵が言った、別れの挨拶は「Good Luck」最もこの男に程遠いセリフだ】
【皮肉めいた自嘲のような…もしくは大した考えもないのかもしれない――――】

【――――ゾーイは素直にミラの抱擁を受け入れる。アンドロイドだが硬くもなく冷たくもない。】
【どこからどう見ても触れても人間にしかみえない】

機械である私の元気が人間の元気と異なると思いますが、元気だと言えます。
ハードもソフトも異常、不具合はありません。

お友達もできました。同じ人型のヒューマノイドの方とも知り合いました。
ここにいる、初瀬麻季音も良い友人と思われます。彼女はとても聡明な方です。

【ゾーイは抱きつかれも何されてもその声色は用意されていたように静かだ】

いろいろなファッションを試すことが非常に人間的であると考えました。
非常に興味深いです。多角的にヒューマニティについて論じる材料になります。

【様々な媒体や場所で勉強している。おしゃれに目覚めたての若い女性と同じようにいろいろなタイプを試していた。】
【少なくとも麻季音の何倍のファッションとメイクのパターンはすでに学習済みだ】
【造形師の腕によりをかけたであろうこのアンドロイドの素体をみれば、さぞどれも似合うのであろう】

急にいらしたので、驚きました。私はクラァケ、さんがここに不定期でいらっしゃることは存じていましたが、周期の予測は不可能でした。
ですので、驚きました。…こういうときはこうするのですか?「わあ、びっくり」

【両手を開いて、口を開いて、目を丸くしてわかりやすい驚きのジェスチャー】
【表情の自然さは、学芸会のお遊戯より下手だが、彼女からすればそうとうやわらかくなったといえる】


393 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/17(火) 22:20:23 S/DUh6T.0
>>391

【表情豊かなリューシオの姿に思わず笑みが零れる、退屈しないなんて思ったりもして】
【一方でまた、表情が曇る──『魔制法』その影響がこんな所に出ているとは】
【小さく息を吐いた、刀の柄を握る手に力が籠る】


……リューシオさんが言わはるんやったら、多分本当の事なんやろうね
気が重いどす、正直な所私達に反感が向かはるんは分かるんよ
きっと怖いんやろうなって思うし……実際、私の力とか傷つけるだけやし

でもな、その一方で能力があるって事は、それだけ強いから
耐えられるんよね、そんな風に冷たくされても──
せやけど、子どもらはあかんよ……何より、可哀想です


【曇天に陰る小春の陽射し、晴天が霹靂に溶けたならばより一層周囲は暗く】
【暗澹とした表情は横顔に雲間を描き、朧に消えた月を探す】
【──真剣な表情をするリューシオ、思わず息を飲んで、ええっとと言葉を探した】


『カミスシティ』──やんな、『特区』の一つにある
そこにいかはった人がおるんやけど、そこで変な注射打たれはったんよ
何でも暴力行為をすると、身体が溶けはるって……

実際に見せてもらったんやけど、ほんまに腕がボロボロなってはって
……怖かったんどす、能力を使ったらあかんやったら、分かるんやけど
──いくら何でもあれは、やり過ぎやと思うし


【思い出してしまったのだろう、顔色が青白い】


394 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/17(火) 23:04:49 yP.8MgWM0
>>392
【以前あった時も思ったが、仏頂面以外は本当に人間そのものだ。肌の質感も本物ときた】
【だがそこに気味の悪さは覚えない。むしろ親近感が湧く。人の皮を被っているのは、こっちも同じだ】


ぎゃっは!そいつぁ結局、元気ってぇこったろ!
んで、麻季音ともう一人友達が出来たって?よかったじゃねぇか
今度機会があれば合わせてくれよな?

んで、ファッションか────あたしは赤色ばっか着てるから、服の合わせ方とかは分からねぇが……
…………そうだな。ゾーイはスカートよりかはパンツスタイルの方が似合う気がするぜ?
こう、できる女って感じでよ。そこにスマイルでもつけりゃ満点だ


【ハグをした後、ぽんぽんと彼女の腕を叩いて解放する。無機質な返答にももう慣れた】
【もう少し彼女と過ごす時間が長ければ、その奥にある感情の機微も理解できるのだろうか】


いや、それにしても悪ぃな。急に来ちまって
あんたからの連絡先はちゃんと取ってあるんだが、生憎とこっちの事情がだいぶ変わっちまってよ
こないだ伝えた住所はもう引き払っちまって────────────ぶっ、

は…………、ぶ、はっ…………うぐ、ぐ…………く、は、
ぎゃは…………ぎゃははははははははっ!ぞ、ゾー、イっ…………おまえっ、さぁ…………!
もーー、ほんとそういうとこいいわ、くくっ…………!
あんたのそのギャップ、あたし大好きだぜまったく、よぉ!

くっ…………ふふふっ、あぁ。そぉやってびっくりするのもいいけど、よぉ────
あたしはこういうのも悪くねぇと思うぜ?ほら、ちょっと手ぇ出せよ


【ぱん。ハイタッチ。「Hey, buddy!」──調子はどうだい】
【お上品な言葉ではない。だが、大仰に驚くよりはこっちのほうが、再会の挨拶にはぴったりだ】
【もっとも、彼女がハイタッチを知らない場合はそこから教える羽目になるのだが】

【────ハイタッチ講習が開かれるのか、そうでないかはさて置いて】
【一通り挨拶が済んだら、まずは件の“指輪”をカウンターに置く。相変わらず、色はランダム】
【「最近な、通信が見られてんだよ」「だから、あたしとか麻季音とか、後は探偵か」】
【「その辺と連絡する時はコレつけてな」「それか、鈴音とかにもうもらってるか?」】
【同じものはミラの薬指にもあった。左手だ。色は赤。カラーギャングじゃないが】
【同じものを付けていると、だんだんテンションが上がってくる気がする。グルーヴ感を意識】
【探偵の言っていたことはこういうことだろうか】


395 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/17(火) 23:08:14 BRNVt/Aw0
>>393

【笑みを零した後にふと表情を曇らせる文月】

【もしかして、という考えが頭を過るがそれは次の彼女の言葉で確信へと変わる】

……そうか、お前も能力者なのか
俺は別に大丈夫なんだけどなぁ、憎まれるのは慣れっこっていうか……元々が泥棒だし

けど可哀想……可哀想、か……
そういう損な役回りになるのはいつだって子供とか弱い奴だからな……仕方ねーんじゃねぇか?
【はじめは普通に話していたリューシオ。しかし、子供が可哀想、と聞けばその声色は何処か冷たくなっていき】



『カミスシティ』……そこに行った奴が謎の注射を射たれた……
暴力行為をすると身体が溶ける……
そうなったのは能力者か?それから暴力行為ってのは能力を使ったものなのか?
……情報が少し足りな……おい、大丈夫か?
【文月の言葉を反芻するように呟き質問しようとするリューシオ。途中で彼女の顔が青白くなっている事に気付き声をかける】


396 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/17(火) 23:18:14 S/DUh6T.0
>>395

【リューシオの言葉にそっと頷いた】


ええ、そうです──こう見えても、戦闘経験も豊富なんですよ
フリー連合ってとこに所属してはって、機関やangel、パラグラといった組織と戦ってました
まあ家業継ぐために帰ってはったんやけど、最近またこっち来はったねん

──意外やね、リューシオさんは子どもに大して優しいんかと思わはったんやけど
私は……子どもとか、弱い立場の人は守らなあかんって思うけど


【見解の相違か、あまり強く自身の言葉は押し付けないが】


……ああ、ごめん、貧血気味なんよね──うん、大丈夫
凄い怪我やったさかいにね、思い出して少し気分悪くならはったんよ
心配かけはったな、ごめん──ええっと、話戻すで

能力者……なんかな、特殊な力は使えるみたいやけど
暴力行為って言ってはったから、多分普通に攻撃したんやと思う
──せやから怖いなって、『特区』の裏側、なんかあるんやないかな


397 : ◆AesGW/TV3c :2018/04/17(火) 23:19:15 s.osPgw60
>>390

【──、鵺の解答は、概ね満点と言って良かった】
【だが、糊塗し切れていない点もある。 例えば最初に『円卓』とは“何”か、と尋ねた点】
【不自然ではない。都市伝説上の存在と、その単語が結びつかなかったという事も有り得るだろう】
【だが、百家はその不自然を見逃す人物でもない。 全てを暴き立て、整合性を確認するのが本来の彼、だったが】


「………… 上出来や。」


【百家は表情を変えず、それだけ述べた】
【鵺からすれば、さしもの百家も驚いただろう、と、痛快な気分を呼び起こさせる反応に見えるだろうか】
【──、ちらり、とその様子を顧みて、エヴァンジェリンが自らの口元に指を当てた】


『ナルホドです。大体分かりました。わたしたち、お互いに誤解があるようです。

 …… ちょっと私から整理しますね。』


【鵺からの情報を加えて、状況を再構成するとこうなる】

【“三課”が仮定的に“この国の闇”と称して追っているのは、どうも、単一ではないらしい】

【一方が、『円卓』。 これは“与党”の側に立っている。 ヨハネスも、本来はこちら側の筈だ】
【だが、何らかの理由でその生命を、味方である筈の『円卓』に狙われた】

【もう一方。“野党”の後ろ側にある反能力者思想の集団。 これが、“N2文書”を機関と交わしている側】
【──、N2文書の記載内容が真実ならば、だが、“三課”を除いた公安のほぼ全てはこちら側についている】
【そして、奇しくもヨハネスの言葉で、文書内容の真実性が一定程度証明された】

【ここまでは、確定した。 ──、ヨハネスもまた、彼女の話に黙って耳を傾ける】
【「こんな感じでしょうか」、と。 エヴァンジェリンが微笑むと、今度は百家が口を開いた】


「大体、分かった。 さっきのアンタの言葉に答えるとしたら、“どっちでもない”が正解や。
 ……三課は他の公安と独立しとる。 アンタの口割らせて野党側に得させる気はない。」

── 、なら、お前さん達は何の得があって動いてる。

「知るか。 そこまで説明するのは面倒や。 
 ──話せ。 何でアンタは『円卓』に切られた。」


【ヨハネスは恐らく、『円卓』に切られた彼を野党側が確保し、全てを露見させようとしている、と考えたのだろう】
【 ──そうすれば、利権に塗れた与党の支持は急落する。 だが、それは誤解だった】
【百家は濁したが、三課には、三課なりの行動原理がある。 尤も、それが共有されているかは知れないが】

【老政治家は、胸元の議員バッジに残り少ない煙草を押し付け、消した】
【そして、会見場でしたそれと同じ様に、眼鏡を外し、袖で拭く。 ──もし、鵺が彼の眼を見ていたなら】
【フラッシュの海の中で見た絶望の残滓が、未だ、彼の中に遺っているのを看取し得たかも知れない】


/続きます


398 : ◆AesGW/TV3c :2018/04/17(火) 23:20:13 s.osPgw60
>>390



  『円卓』は、そう悪いモンでもなかったのさ。



マスコミは利権だ、裏金だ、なんて騒ぐが、それは社会の必要悪だ。
守銭奴共にカネを流して国民の生命や財産、自由が守れるなら、それに越したことはねぇ。
『円卓』の得になる法案を1つ成立させりゃ、“正しい”法案を1つ通せる。
──、 少なくとも、俺はそう考えて政治屋をやって来た。

少し前の話だ。 『円卓』と“機関”の一派が結びついたらしい、って噂を聞いた。
……俺ぁそれを聞いて、むしろ、歓迎したのさ。 機関も『円卓』に組み込んじまえばいい。
餌だけやって、表の舵取りは俺達がやる。 機関も利権絡みで縛っちまえば、不毛な争いも終わるだろ、ってな。


風向きが変わったのは、“魔制法”の話が出始めた辺りからだ。


まず、『円卓』の動きが変わった。
……、正確には、アイツらが意思を持って動き始めたように思えた。
何があったのかは知らねぇ。そう感じた頃から、俺への接触が極端に減ったからな。

魔制法に関しても、当初は反対の立場を取れ、って話だった。
願ってもねぇ話だ。 あんな滅茶苦茶な法案、通してたまるかよ。
だが、な。 途中から。


── 、 『円卓』の誰かが、 “気付きやがった”。


あの法律を使えば、今以上に、この国を自由にできる、って事にな。
適用対象を決めるのは権力側の人間だ。 反対するよりも、通して手綱を握ったほうが儲かるのさ。
……“通せ”、って指示が出た時点で、俺が数十年かかって作った『円卓』の手綱は、完全に消し飛んだ。


あとは、お前さん達も見た通り。法律の執行に邪魔な俺を、『円卓』は切った。
……はっ。 ご丁寧に国会内で襲いやがって。あそこに人員を送り込めるのは、“与党”の人間だけだ。



【ヨハネス・ロトゥノカイトの、長い演説が終わった。 政治家らしく、息を1つも切らさずに】
【彼は、目の前の三課員達が求めた以上の全てを、有りの侭に披瀝した。 ──、その、意図は分からない】
【だが、隣の命の恩人を見遣って、皮肉げな笑みと共に問うたそれこそが、答えの一端なのかも知れない】



なぁ、鵺の嬢ちゃん。 ──、さっきの“あれ”見て、どう思った。



【“あれ”とは、何だろうか】
【考えれば思い至る筈だ。ヨハネスは、自らが撃たれるときも、絶望することはなかったのに】
【──あの “白い海”を見て、心の底から絶望したような顔を見せていた】


399 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/17(火) 23:55:44 BRNVt/Aw0
>>396

【彼女も能力者、しかも戦闘の経験も豊富だと聞いて彼は目を見開く】

すげぇな、お前あの何か分かんねぇような連中とやりあってたのかよ!?
【純粋に驚くリューシオ。当時子供だったのもあってか情勢は理解出来ず歴代の悪は『何か訳分からん出鱈目な奴等』みたいに覚えていたようだが】

……んー、何ていうのかな?一人子供を保護したら其処にいる子供全員保護しなきゃいけなくなるだろう?多分だけど
でもそれは流石に無理があるから溢れる奴が生まれてしまう
だったらそういうの救わない方が良いし、助けてくれるかもなんて変な期待相手に持たせない方が良いっていうか……
【彼は言葉を考えながら答える。恐らく彼自身も根は良いのだろう。だが、やはり何処か擦れてしまっている】

貧血、か……無理すんなよ?話したくなかったら良いし当人に聞くって手もない訳じゃねぇからな?
特殊な力は使える人間……で、暴力行為というのは能力を使用していない攻撃……
うーん……やっぱり直接聞いた方が良いのか?
そいつの連絡先とかは知ってるか?
【そう質問してから】

裏側に何か、ねぇ……確実に何かはあると思うぜ?
俺達能力者を追い詰める"何か"が……
【顎の辺りに手を持っていって何かを考える】


400 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/17(火) 23:57:12 S/DUh6T.0
>>397

【百家の反応にしてやったりと、笑う──そこが彼女の限度である】
【或いはもっと人間としての経験を積めば変わるかもしれないが、これ以上を望むのも酷であろう】
【上機嫌でエヴァンジェリンの言葉を辿る】

【──危なかった、カンニングしてなければ一割も分からなかったから】
【ヨハネスの目を見て、鵺は心の中にもやもやとしたものが浮かぶのを感じた】
【祖父と孫ぐらいに年が離れてる、そんな相手のこんな表情は見たくなかったから】


(『円卓』と結びついたのは十中八九、ジルベールでしょうねっ、知能と権力を持った狂犬って一番タチが悪いですこと!)
(──なーんとなく見えてきましたよっ、ジルベールが『円卓』の手綱を握った結果、旧来の『円卓』メンバーが割を食って)
(ヨハネスのおじ様が襲われたのもそんな流れですかねっ、となると──)

(──ああ、もう最悪じゃないですか、これ、私が『円卓』に協力してる事バレたら死にますね)


【漸く気づいた、全くあの女狐め、なんて心の中で毒づく】
【──まあ、その時はその時、脅されただとか、スパイの一環だとか、どうとでも言い逃れはできる】
【大切なのは事実──『円卓』の存在と現状を、百家を初めとした三課の主要人物が知った事】


(……鵺ちゃんのカードは切札にも鬼札にもなりますね、インテリヤクザが『円卓』をどう判断するかによりますが)
(──インテリヤクザはまだしも、課長はどうするんですかねっ、そもそも鵺ちゃん殆ど知らないしぃ)
(兎に角此処は『円卓』とそれと"N2文書"の信憑性が増した事で良しとしますか)


【三課の行動原理──末端たる鵺は殆どそれを知らず、手足として動いている】
【だからこそ鈴音達との接触を通じて得た情報を、上手く活用出来ずにいた】
【百家や課長を初めとした"頭"たる人物達が、其れを信じ力になってくれたなら、それに勝る援軍はない、と】

【鵺はきょとん、と大きな瞳をくりくりとさせて、ヨハネスの言葉に答える】


あれってあれですよね、パシャパシャーって写真撮ってたやつ
もうどういう神経してるんですかって感じですよ! おじ様が撃たれたっていうのにっ!
──あと、それと、何というか、やーな感じでしたねっ

何というかですけど、テロに対する非難じゃなかったんですよ、あれ──寧ろ、賞賛するような
もうねっ! バッカじゃないんかと思いましたっ、力で気に入らない事を正すのが是みたいなかんじーっ!
ああいうタイプが上に立つと兵隊は苦労するんですよ、まぁうちはそうじゃなくて良かったですけど


【意味深な視線を百家に送る、ふふん、と小さく笑って】


……まぁでも、なんか──おじ様が可哀想だなぁ、とも思いました
だって、この国の為におじ様は努力してたんでしょ? 詳しくは知らないですけど
少なくとも、キャロルとして接してる数日間──鵺ちゃんはびっくりしたんです

政治家ってソファの上でふんぞり返って、遊び呆けてるだけと思ってたんですけど
寝る間も惜しんで仕事したり会議したり、事務所に帰ってきたかと思うと、また別の所へ出張だったり
この三日間おじ様何時間寝ました? 片手で数えられるぐらいですよっ

知らないんですよ、マスコミの人達はそんなこと、欠片も
──それでも、おじ様の立場が悪いとされる所にあるから、バッシングを受けて
殺されても構わない、当然の事だなんて、感じで……


【──小さくヨハネスの手を握ろうとする、あまりにもいたたまれなくなった、から】


401 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/18(水) 12:33:39 ZqlmZx1U0
>>394
では元気だということで認識します。
友人についてのことでクラァケ、さんにお伺いしたいことがあります。
私よりもコミュニケーションが達者でいらっしゃると思いますので。

【コミュニケーションが達者、なんて言いまわしを他の人が使うときは】
【うるせえとかそういう皮肉の意味で使うかもしれないがアンドロイド的には】
【素直にそう思っている。このロボットは基本的に素直な人格が形成されている】

そうですか。留めておきます。ただ、ある種の固定観念には縛られず多くのことに挑戦しておこうと私は考えています。

【彼女のお気に入りは伊達メガネをかけたちょっとお姉さんな感じのやつと派手目のパンキッシュな格好】
【そのうちここにずっといたらメイド服も着させられるかもしれない】

スマイルは学習しました。動作としては行うことができます。このように

【そう言って彼女は笑ってみせた。少しはにかんだような柔らかな微笑】
【そんな上品な笑い方をするのは歌劇に出てくる上流階級の深窓の令嬢ぐらいなもんだ】
【見た目も相まって枠で囲えば絵画の世界。彼女は作り物。だから完璧がある】

【「いかがでしょうか」とすぐにまたあのデフォルトの無表情にもどる】
【どうやらその完璧なスマイルは実用的なタイミングで使うには至っていないらしい】

【ハイタッチはゾーイも真似て手を出したが、結果的にただ受けただけにちかい】
【ゾーイはその指輪を白くて長い指先でつまみ、じっとながめていた。ロボットだと思えば解析でもできそうと思うが】
【ゾーイはただ見ているだけだ。自らの瞳と同じ青の指輪】
【ミラの説明がだいぶ簡略化していることもあり、アンドロイドに魔力を検知するシステムは搭載されていないこともあり】
【単なる友達からのプレゼントとして彼女は受け取る】

クラァケ、さん。一般的にどの指につけるのがよろしいのでしょうか。

【首を傾げて、その青の瞳でまっすぐ見つめて訪ねた】


402 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/18(水) 13:07:52 S/DUh6T.0
>>399

【リューシオの言葉に照れた様に頬をかいて、少しだけ昔の事を思い出す】
【──朝焼けの中に一滴だけ残った夜露の如く、その行先は誰も知らない】
【続く言葉は難しかった、納得はできる、けれども──】


リューシオさんの言葉は分からはるけど……でも
やっぱり私は放っておけへん、手の届く範囲、目の届く範囲
それは偽善かもしれへんけど、助けたいって思わはるから

──連絡先、之かな、一応向こうさんが持ってはる端末に繋がると思うよ
ヘケメトさんと、アウさんって人、うん、すっごい仲良い二人で
多分やけど、カップルなんじゃないかなって、思うんよ


【連絡先を紙に書いてリューシオに手渡すだろう】
【少しだけ好奇心の強い笑み、人並みにはそんな感情も強く】
【笑顔が零れたなら、淡い色合いを強く映して】


──思うんやけど、この流れの裏にあらはるんって……今までとは違うんちゃうかなって
例えばパラグラって組織は、強い能力者が犯罪をしてはった
ANGELもそう、どちらもトップにはそれなりの思想があったけど

……『魔制法』とか『特区』──違うのはな、世間が其れを是としてる所ちゃうんかなって
真綿で首を絞めるようにな、少しずつ少しずつ外堀を埋めてくねん
能力者は圧倒的に普通の人より少ないから、せやから


【──大衆を敵に回したら、勝てへん、と】


403 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/18(水) 14:27:31 R4cca41A0
>>401
【服に関しては、それ以上言うことはない。フリフリのスカートだろうと、時代遅れの格好をしようと】
【いつのまにか、どこかで自分のスタイルを見つけてくる。女ってのはそういうもんだ】
【赤が好きだから赤を着る。これも立派な自分のスタイル。派手だが一番のお気に入りだ】


コミニュケーションが達者とか、初めて言われたぜ…………いや、悪ぃ気はしねぇな
ま、聞きたいことありゃいつだって聞きな?それこそ、メールで送ってくれりゃ暇なら答えるし、よぉ…………

…………って、随分と可愛い笑い方するようになっちまったじゃねぇか
でもそれじゃ、合格点には少し足りないな
笑うっつっても、いろんなシチュとかタイミングっつぅのがある
男落とす時に今の笑い方が出来りゃ完璧だ
だが、相手に銃向ける時に今の笑い方は────まぁ、ある意味悪くねぇが
その辺はほら、映画とかドラマとか見て覚えるんだな


【いくら完璧な笑みでも、使えなきゃ意味がない。だから少しでもヒントになるようなことを伝え】
【自分もちょっとだけ笑ってみせる。端の方だけ曲がった歪な笑い。完璧なんて程遠い】
【そして指輪のことを聞かれれば、どうだったかなと首を傾げる。意味を知っているのは、一つだけ】


…………あー、多分、どこだっていいと思うぜ?
ただ────左の薬指は、やめといた方がいいんじゃねぇかな
そこは、結婚してるやつとか、婚約してるやつが指輪をはめるとこだから


【そういうミラが指輪をはめているのは、左の薬指。以前はつけていなかった】


404 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/18(水) 18:13:40 BRNVt/Aw0
>>402

【自分が吐き出した言葉に納得はすれども釈然とはしない、といった表情を浮かべる彼女を冷静な目でちらと見て】

──手の届く範囲、目の届く範囲、ね
じゃあそこから外れた奴や偶々そこにいなかった奴はお悔やみ申し上げますサヨウナラって事だろう?
そうやって裏切られるくらいだったら俺は──
【そこまで言ってふと口を噤み】

……悪い、俺もちょっと言い過ぎたっつーか……熱くなっちまったっつーか……
【自己嫌悪に陥ったのか深くため息を吐く】


ヘケメトとアウ……な、サンキュー

カップル?ふーん……じゃあちょっとからかってみるかな
【連絡先の紙を受け取るもカップルではないかという彼女の見解を聞くとニヤリと笑って、そんな場合でもなさそうな状況だというのに悪戯宣言をして】


……今までとは違う?
へぇ、今までのは能力者が起こしてる……けど今回のは非能力者である世間がそういう流れを認めてる感じ……か
【文月のこの事件に関する見解を聞き、成程考えてるなぁと感心し】

つまり、えーと、裏にいるのは能力者ではなく別の何者かって事……で良いのか?
俺、馬鹿だからよく分かんねぇけど……
【表では困惑したように頬を掻きつつ裏では別の事を考える】

【戦闘経験豊富で、元正義の組織の一員で──だがそれだけではない気がする】

【何処だ、こいつは"何処"にいる?】

【機関ではない?だとしたら例の『黒幕』を追っているという?】

【そんな疑念を、そっと隠して】


405 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/18(水) 19:05:39 S/DUh6T.0
>>404

【──あまりにも現実的なリューシオの言葉、煽られる様に顔を上げて】
【応えようとしたなら相手が謝罪をした、宙ぶらりんに浮いた言葉をぐっと飲み込んで】
【彼も彼女も、悪いわけではない──だからこそ、この気持ちを遣る瀬無いと言うのだろう】


……リューシオさんの言ってはる通りです、謝ることなんてあらへんよ
やっぱり私は何時までたっても、そんな風に甘ちゃんやから
あはは、そんなんやし、この年になっても恋人とか出来ひんしね

『特区』もそうやけど、こっちの方も心配やね、ちらほら友達とかも結婚したりしてはるし
実家の方やとな、お嫁はんは真っ白い着物着はるんよ、之がまたえろう綺麗やの
そういうの見はるたんびにお母はんはため息ついて、私の方を──


【少し暗くなった雰囲気を変えようと、明るく話す──あはは、なんて笑ってみたりして】
【木箱に腰掛けながら月明かりを見上げる、二人の声しか聞こえない静かな夜】
【──出来ればもう少しだけ、この夜に浸っていたかった】


そう考えるのが道理やね、今までの組織は強力なカリスマを持った能力者がトップとして率いてはった
せやけど、今回は──世論を味方に付けてはる、そう思うとこの裏にいはるんは非能力者か


【──或いは】


飛びっきりの権力持ってはる人らが、複数集まってる可能性が高いと思わはるんよ
考えられるのは司法とか行政の人間、政治家や警察とかの人間かな
……まあ仮定の話やけどね、そうなった場合私一人ではどうにもならへんし


【再びため息一つ、両手で軽く顎を支えて、リューシオを見つめる】
【瞬きを大きくしたなら長い睫毛が呼吸をして】
【私の顔に何かついてはる?──と軽く小首を傾げて】


406 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/18(水) 19:51:32 Z0kQz6pQ0
>>403
【あとファッションに関して言えばゾーイはミラと出会ってから、赤を身につけるように意識している】
【友達をリスペクトするという思いから、もはやどこかに赤を入れていないと落ち着かないくらいだ】

では今度、お聞きします。メールは、要件を簡潔に述べる業務的内容は私も可能ですが
友人間における程度のものはデータになく、難しいです。
勉強しようにもプライベートの範囲なので他の方に伺うのは失礼であると感じまして。

【確かに人がどんな風に友達とメールしているかはあまり見る機会もない】
【アンドロイドは人間が本能的に持ち合わせている適度な距離感というものに悩んでいた】

そう、ですか。ありがとうございます。笑いにいくつもあるのは存じています。
ただいまのところ、男性の方を突き落とすことも、恋に落とすことも想定していません。
…それと、他の方に銃口を向ける際に笑顔が必要な理由が私にはわかりません。
あまり喜ばしい状況ではないと思われます。確かに映画で見たことがあります。
ただ私個人にはそういった状況を楽しいと思う感情はまだありません。
私は人間を故意に殺傷させる事を禁じています。

【どんなことも真面目に答えるアンドロイド。彼女の話を聞けばロボット三原則というものを思い出すだろうか】
【彼女は基本的にそれに準じている。もちろん無条件ではないが少なくともニヤリと笑って引き金を引くことはできない】
【というよりしたくないのだ。彼女は基本的に性格は真面目で純粋で善であるから】
【だから、マフィア映画のあの含みある笑いの意味を理解できなかった】

…ということはクラァケ、さんは懇意の男性がいらっしゃるということですか?
私は機械ですので、目ざといのです。…「あらあら、まぁまぁ」

【わざとらしく手で口元を覆う。変なセリフとジェスチャばかり覚えているのは彼女の興味を示したものから習得しているからだ】


407 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/18(水) 20:32:19 R4cca41A0
>>406
【じゃあ、いつでもメール送ってこいよ。そうミラは快諾する】
【返せる時は返す。忙しい時は少し遅れる。メールなんてそんなものだと付け足して】
【「こういうのは習うより慣れろ。とりあえずやってみることも大事だぜ」ぎゃは、と見慣れた笑い方をする】
【失敗なんて山ほどして、それで学んでいけばいい。大事なのは、何が失敗かを覚えて】
【それで少しずつ、正解に近付いていくことだ。最初から満点が取れるやつなんて、ほとんどいない】


…………笑うときもあるんだよ。誰かをぶっ殺す時にな
やっとお前を殺せる──やっと、仇がうてる
ムカつくはずなのに、つい笑いがこみ上げてきちまう…………そんな時だってある
後はほら、「ざまぁみろ」ってぇ笑いかな。「アスタ・ラ・ビスタ、ベイビー」って具合にさ

んじゃ…………この笑い方は、あんま学ばない方がいいかもな
なんとかの三原則とかだっけ?傷つけちゃいけなくて、命令には従って、みてぇな
は────博士とやらもまぁ、古典的なオーダーを書きやがるぜ…………ってぇ

………………あー、クソ。お前マジ目敏いな
いや、まぁ…………。…………おう、そんなとこ、だ
あんたと別れた後、色々とあってよぉ。…………教会で、式あげるんだよ。
赤いドレス着て、…………へへ。相手もちゃんと、タキシード着て、さ
んで、こういう魔道具みてぇな指輪じゃなくて、ちゃんとしたリングもらって、よぉ────
式、まだいつあげるとかは決めてねぇけど、よぉ…………えっと、その


【「呼んだら、来てくれるか」照れたように口の片方だけを歪める。わざとらしいジェスチャは】
【一体どこで覚えたものやら。「そのジェスチャ、古いぞ」そういうのが精一杯】

【──結婚式。自分で言った単語だが、果たして本当にそこにたどり着くことが出来るのだろうか】
【分からない。今追っているリストやら、その他の情勢次第。ああ、そうだ】
【いい加減、ここに来た要件を言わないと。何もパーティの招待状を届けに来たわけじゃない】
【「それとよ」切り出すのは、唐突だった。思いついたがなんとか、だったか】
【「ちょっと、頼みがあるんだ」そこに笑みはなかった。ミラにしては珍しい、真面目な表情】


408 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/18(水) 20:42:30 BRNVt/Aw0
>>405

【自分が吐き出した言葉に納得はすれども釈然とはしない、といった表情を浮かべる彼女を冷静な目でちらと見て】

──手の届く範囲、目の届く範囲、ね
じゃあそこから外れた奴や偶々そこにいなかった奴はって事だろう?
そうやって裏切られるくらいだったら俺は──
【そこまで言ってふと口を噤み】

……悪い、俺もちょっと言い過ぎたっつーか……熱くなっちまったっつーか……
【自己嫌悪に陥ったのか深くため息を吐く】


ヘケメトとアウ……な、サンキュー

カップル?ふーん……じゃあちょっとからかってみるかな
【連絡先の紙を受け取るもカップルではないかという彼女の見解を聞くとニヤリと笑って、そんな場合でもなさそうな状況だというのに悪戯宣言をして】


……今までとは違う?
へぇ、今までのは能力者が起こしてる……けど今回のは非能力者である世間がそういう流れを認めてる感じ……か
【文月のこの事件に関する見解を聞き、成程考えてるなぁと感心し】

つまり、えーと、裏にいるのは能力者ではなく別の何者かって事……で良いのか?
俺、馬鹿だからよく分かんねぇけど……
【表では困惑したように頬を掻きつつ裏では別の事を考える】

【戦闘経験豊富で、元正義の組織の一員で──だがそれだけではない気がする】

【何処だ、こいつは"何処"にいる?】

【機関ではない?だとしたら例の『黒幕』を追っているという?】

【そんな疑念を、そっと隠して】


甘ちゃん、か……
まあそうじゃねぇと正義の味方にはなれねぇのかもな……
【自己嫌悪をなんとか抑え、笑顔を作り】

恋人……結婚……あー、それはこっちにしても耳の痛くなる話だよなー……
まあ、まだ21だし……大丈夫……だよな?
【何とか話題に乗ろうとした結果ちょっとダメージを受け少し遠い目をする】

【世の中俺と同じくらいで子持ちの野郎とかいるだろうに何やってんだろうなぁ俺……みたいな事を考え、あ、でもどの道俺はお先真っ暗だし良いかー、などと脳内で変に開き直ってみて】


【そして更に話される彼女の見解。特区の裏にいるのは世論を味方につけた非能力者、或いは司法や行政に関わる──政治家や警察といった権力者の集まりでは、と】

【……そこまで考え付くのか、とリューシオは脳内で苦笑する。正直、過去に得られた情報はそこまで理解出来てはいなかった。だがまあ何となくは理解出来てる程度で】

【自分達が追っているものから考えてもまあそっちだろうとは判るのだが】

【まさか普通の能力者がここまで考えられるだろうか?】

──なぁ、文月

お前……何者だ?
【暑くないのに汗が浮かぶ】

【ああもう──俺こういうの得意じゃねぇのに、と心の中で毒吐いて】


409 : ?????? ◆auPC5auEAk :2018/04/18(水) 21:12:37 ZCHlt7mo0
>>375

――――いかんな、少しばかりぼうっとしていたら、こんな所にまで足が伸びてしまった……
やれやれ……俺も、いい加減トシなのかもしれないな……

【短いバイオレットの毛皮で全身を覆い、その上からフード付きのマントと半ズボンを着用している】
【左目へとめり込む様な、人相を歪ませている大きな傷跡、更に頬にも大きな傷跡の目立つ】
【ずんぐりむっくりとした体格の、尾の先が不自然に二つ裂きになっている、右目の眼光の鋭い、身長150cm前後の猫の特徴を宿した獣人が】
【少し自嘲気味な苦笑を浮かべながら、周辺を誰何し歩いている】

【慣れた様子で周囲に視線を飛ばしながら、ゆっくりと歩く獣人。物珍しさからか、或いはその態度が気になってか、その姿を覗き込んでくる通行人は少なくないが】
【その人相、あるいは眼光を認めると、そのまますごすごと後ずさってしまう。あるいは、彼の事を知っている人物ならなおさらだ】
【悠然と、その光景をごく当たり前の事として、彼は裏通りへと足を踏み入れていく】

……この界隈はもう、範囲とも言い難いか。流石に、そろそろ戻らなくては――――ん?

【裏通りともなれば、人通りはもう少ない。その中で、短くため息を吐くと、獣人は歩調を普通に戻し、スタスタと歩み去っていこうとする】
【――――門を開いたままの店から、小さな――――実を言えば、この獣人よりは上背は高いのだが――――少女が、肩を落とした様子で出てくるのを見つけたのは、その時だった】
【こうした光景は、普段見られる事ではない。どうやら何かがあったらしいと、獣人は興味を引かれた様子だった】

――――そこの君、なにかあったか? ……その抱えているものは?

【足を止め、獣人は少女に対して声をかける。どこか端的な言葉だが、その視線は真っ直ぐに少女の顔、そして抱えられている金属片に向けられている】
【微かに警戒心が感じられなくも無いが、ほとんど自然体での行動だった。真っ直ぐに見据えるその表情は、道を尋ねる様な静かなもので】
【――――その傷跡だらけの人相、さらに言えばワーキャットと言う風貌そのものに、少女が怯まなければの話だが――――】

/もし、まだよろしければ……


410 : 名無しさん :2018/04/18(水) 21:38:01 5w/a9BZQ0
>>409

へっ?

【周りへの注意力が散漫になっていた少女は、話しかけられることで初めてその人物に気付いた】
【そして、話しかけて来た人物の姿にも】

ね、猫ちゃんが喋った!?

【目の前の獣人に対して、率直かつ失礼な感想を口走り――】
【同時に驚きからか、抱えていた金属片が少女の腕からスルリと抜け落ち】
【ゴツン、と少女の右足の上に落下した】

痛ぁっ!

【右足を抱えて叫ぶ少女】
【が、興味はすぐに獣人の方へ戻り――】

すごい!こんな生き物初めて見た!
あ……これはわたしの能力で作ったタングステンの塊なんだけど……売るのに失敗しちゃったんだよね

【キラキラと好奇心が溢れ出る目で獣人を見つめ】
【落とした金属片をつま先でつんつんと蹴りながら説明する】
【どうやら怯んだり警戒する様子は微塵もないようだ】


//ありがとうございます。ちょうど居りました


411 : ?????? ◆auPC5auEAk :2018/04/18(水) 21:56:22 ZCHlt7mo0
>>410

……あー、猫と呼ぶのは止めてもらいたいな。俺はワーキャット……確かに猫みたいな外見だろうが、俺はれっきとした獣人
――――っ、おいおい大丈夫か……?

【――――この獣人、自分の事を『猫』と形容される事を嫌う傾向にある】
【初対面とはいえ、それは譲れないラインなのか、まずはやんわりと、猫と呼ぶのは止めてくれと申し出ようとした――――のだが】
【足に金属片を落として、痛みのあまりに叫び声を上げた姿を見て、ふとその言葉を中断させてしまう】
【どうやら随分と重い金属だったようで、少女の痛がり様も結構なものである】
【少々呆れながらも、獣人は少女の足が落ち着くのを待って】

……ワーキャットは初めてなようだな。と言っても……人間界に出てくるワーキャットなんて、以前よりも更に、滅多にないモノか……
――――ちょっと待て、タングステンだと? 砲弾なんかによく使われる、あの金属か?
……それに、随分と気になる事を言ったな……作ったと?

【どうも、こういう無邪気な反応は御しにくい。そう正面切って好奇の目を向けられるのは気分の良い物ではないのだが、悪気が無いのが分かるだけに、何とも言い難い】
【そんな風に、反応に困った様子で返答を返していた獣人。その外見に違わず、恐らくは魔海から人間界に出てきて、生活の基盤を此方に移した存在なのだろう】
【そうして、自分の事を説明していた獣人だが、少女の言葉に気になる事を見つけ、思わず問い返した】
【能力で作ったタングステン――――捨て置けない発言だった。これがタングステンと言うなら、非常に希少な、実用的金属と言う事になるし】
【それを能力で作ったとなれば、尚更気になると言うものだ】

……売るのに失敗したと言ったな。ならこのタングステンの塊、俺が買い取りたいと言ったら、売ってくれるものか?

【獣人は、素早くその頭脳を回転させる。この少女、どうやら只者ではないらしい、と】
【その「タングステンを作った能力」と言うところは、やはり気になる。それを詳しく本人に聞いてみたい。ならまずは、これを換金したいと言う本人の希望に沿うのがいいだろう】
【純粋に素材の珍しさもあって、獣人は少女に、タングステンの買取を申し出る。もし差し支えなければ、売って欲しいと】

もし構わないなら……俺についてきてくれないだろうか。今すぐには持ち合わせも無い。一度、店に戻りたいんだがね……

【獣人は、少女に同行を求める。流石に今すぐに、ハンドボール程のタングステンを書いとるだけの持ち合わせは無いのだろう】
【売ってもらえるのなら、ついてきて欲しいと言う。どうやら本気で買い取るつもりのようだが】


412 : ◆AesGW/TV3c :2018/04/18(水) 21:57:35 s.osPgw60
>>400

【──ヨハネスのその手は、決して柔らかなものではなかった】
【それは彼自身が手を汚してきたことの証左なのかも知れないし──、言い換えれば】
【彼が決して、安穏と執務室に座して生きてきた人間ではない事をも、示してもいた】

…… はっ。優しいな、嬢ちゃんは。 孫に見習わせてぇぐらいだ。
だがな、バッシングは政治家の税金みたいなもんだ。 殺されかけたことだって、一度や二度じゃねぇ。
逆に俺が、他の奴にマスコミをけしかけたことだってある。 だから、気にすんな。 俺が気にしてねぇんだからな。

【ヨハネスは僅かに口角を緩めて、鵺に語りかける。 彼は愛国者であっても、決して、善人ではない】
【彼女の余りにも真っ直ぐな気持ちが有り難くもあったが、それは、彼に見合ったものではない、と】

『 ……あ、それなら私もさっき、テレビで見ました。
 今もやってるんじゃないでしょうか。 “国会前”の件と並んで、今夜のトップニュースでしょう。』

── 国会前? そりゃあ何だ。デモで何かあったのか。

『見た方が早いですよ、きっと。 “憎悪犯罪”だ、って大騒ぎです。』

【エヴァが立ち上がり、少し離れた所にあったリモコンに手を伸ばした】
【音もなく、テレビが立ち上がる。 ニュース番組が映すのは、規制線の張られた国会前】
【── “能力者”が、“反能力者”のデモ活動に車で突っ込んだ、とリポーターは言っていた】
【犯人の写真として示されていたのは、どこにでも居るような笑顔を浮かべた青年だ】


…… このガキも、馬鹿な事しやがる。


【「耐え切れなかったか」 ──、絞り出すようにそう呟いて、ヨハネスは小さく首を振った】
【ぷつん、と。テレビが消える。 エヴァが席に戻り、百家は依然、老政治家を見つめ続ける】


──俺ぁな。  あの瞬間、“この国”は終わりだ、って思っちまったのさ。
マスコミは人の死を差し置いて、それをどう切り取るかしか考えてねぇ。
民意はそれを喜んで受け入れる。 国会前の事件だって、同じ様に扱われんだろう。

『 …… でも、それは野党側の世論操作が影響しているんでしょう?
 裏で糸を引いている人達を、どうにかすればまた──、 』

はっ。 それなら話は楽なんだがな。 ……坊主なら分かんだろ。


【エヴァがきょとん、とした顔をする。 ヨハネスの言葉を理解するには、彼女もまた、幼かった】
【彼女は人がどう考えるかを知れても、“社会”がどう動くか、という点については未だ、考えが足りず】
【── 百家羅山は、若しかすると、今夜よりも前から、既に“それ”を気づいていたのかも知れない】 


「…… 雪玉みたいなもんや。 どっかのアホは、最初のひと押しをしただけ。
 世の中のアホ共が“能力者”に恨みを持った以上、もう裏で誰が糸引いてるとかも関係ない。
 多数が少数を弾圧して、少数が消えたらまた、その中でチーム分けの始まりや。
 能力者を縛った位で話は終わらん。── “N2文書”を交わした連中が思い通りの国を作るまで、分断形成は続く。」


【民衆が世論操作の存在を知り、この国を支配しようとする者達の存在に気付いたとしても】
【 ── それと、人々が“反能力者”の民意を形成してしまった、という話とは無関係だ】
【野党側とその裏の者達が主で、国民が従ではない。 後者に起きた波浪を、前者が利用しているだけ】
【切欠はどうあれ、国民が“そう思う”ようになった以上は──、波浪が止まることはない】

/続きます


413 : ◆AesGW/TV3c :2018/04/18(水) 21:58:30 s.osPgw60
>>400


「全部暴いて、魔制法を潰せたとしても、社会の分断は消えん。
 …… “魔制法は確かに悪かった” “でも、何らかの規制は必要だろう” 、位は残るやろな。
 能力の次は所得でも平等にするか。 最初のハードルが高い分、大体何でもできる。
 多数で少数をリンチしたらええだけや。 国民はもう味占めとる。なんせ、それは楽しくてたまらんからな。

 ── どっちにしろ、結末は同じや。 数年で起きる筈やった結果が、数百年後に起こるだけやろ。」


【事もなげに百家が語りきったことが、ヨハネスの言わんとする全てだった】
【この国の敵は、『円卓』に、『黒幕』と呼ばれる連中だけではなく──“民意”そのものなのだ、と】
【それを変えることができない限り、結末は決まっている。 少なくとも、ヨハネスと百家の眼には、そう見えているのだろう】

【──、そして、本来なら】
【民意を止めることこそ、政治家の職責であるはずなのだ】
【分断を埋めるなら、今しかない。 今が、最悪の未来を止める最後の機会なのかも知れない】
【だが、ヨハネスは】


この国は、丸ごと自殺しようとしてんのさ。


…… 俺はもう、疲れた。
そういう馬鹿共に付き合うほどの情熱を、“あの瞬間”に喪っちまった。
もうこんな国は、どうなっちまってもいい。 お前らも、“どっちでもない”なら、こんな国は捨てちまえ。



【もう、“愛国者”ではないのだ。 命よりも、少数を足蹴にすることに悦びを見出す、この国を愛すことができない】
【無論、あの光景が全てではないと、頭の中では分かっている。 能力者を救おうとする非能力者も居るだろう】
【仮に、この国の暗部を暴けば、国民が正義に立ち戻ることもあるのかも知れない──、だが】
【── 自らの余生を、そんな仮定に託すほどの心を、最早、ヨハネスは持ち合わせなかった】


【百家も、エヴァも、ヨハネスも、それきり何も話しはしない。 仮に、鵺もまた何も告げないのだとすれば】
【この夜は、このままに終わるのだろう。 後の現実的な懸案は、ヨハネスの身をどうするか、という点だけだ】


414 : 名無しさん :2018/04/18(水) 22:35:42 5w/a9BZQ0
>>411

あ、猫ちゃんじゃ、ないんだ……ワーキャットさん……?
わたしはリオシア。リオシア・ステロヴァニエって言うの
よろしくねワーキャットさん

【異種族に対する知識が疎い少女は、「ワーキャット」を個人名だと勘違いしてしまったらしい】
【そのまま自らも名乗り――】

人間界……人間界って、この世界ってこと?
じゃあワーキャットさんはどこから……?

【獣人の出自に関しても気になった様子で、両目をぱちくりとさせながら首を傾げる】
【そして、"タングステン"に関して問われれば、あっさりと返答する】

うん、そのタングステン
あのね、わたしの能力……えっと、触った水をタングステンに変える能力なんだけど、
最近読んだ軍の資料で、ワーキャットさんが言ってたみたいに砲弾にも使われる貴重で高い金属って学んだの
それで、売ったらお小遣いたくさん稼げるかもって……
あれ……自分の能力って他人にぺらぺらしゃべっちゃダメなんだっけ……まあ良いか

【獣人からの願ってもない申し出】
【人を疑うことを知らない、このリオシアと名乗った少女は瞬時に笑顔になり】

えっ?か、買ってくれるの?
わぁ嬉しい!
うん、ついてくついてく!今日オフだし!

へぇ、ワーキャットさん、お店やってるんだ?どんなお店なの?
よっこいしょっと……

【足元の塊を持ち上げ、どこへでも付いていく体勢となった】


415 : ◆Heckemet8M :2018/04/18(水) 23:59:29 u1dxVMlM0
【路地裏】

「……はァ、疲れた」

【その壁にもたれかかりつつ地面に座っているのは】
【40代半ばで身長182cm、きりっとした眉毛、ややたれ気味で奥二重な褐色の眼】
【赤いニット帽、上下共に白いラインの入った赤ジャージ、薄汚れた白い運動靴、茶色のウェストポーチ】

【周囲には、比喩でなく眠っている状態の複数の者共。拳銃を握っていたり落としていたりする者もいる】
【そして、彼の身体には幾つかの銃創。――となると、どういう状況だったかが読めてくるだろうか】

「さて、こいつらはまとめて牢屋に入れておかなければ。麻酔が切れる前に護送車が到着すると良いのだが……」
「……魔能制限法が決まってから妙に元気になり始めたな、奴らめ」

【もしかするとこの顔はどこかで見たことがあるかもしれない。――そう、ブレイザーシティの市長、レイジ・クォーツだ】
【彼は法案が決まった後も能力者に対して寛容な姿勢を示している。その理由は、市は何度も能力者たちの手によって護られたからだ】
【だが、その姿勢のせいか彼の支持率は急落、辞任を求める声も上がっていて……しかし奇妙なことに"市に在住する人々の殆ど"は市長を支持しているのだ】


/週末あたりまでのんびり置いておきます


416 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/19(木) 13:23:41 S/DUh6T.0
>>408

【──何者だ? と問われ彼女は少し、困った様に言葉を探した】
【"それ"はこちらの台詞だと、言いたげに──】
【普通の能力者であれば、ここまで執拗に『特区』の事を聞きはしないだろうという判断】

【──現に件のヘケメトは、シンプルな思想で示してくれた】


……そういう風に言わはっても、うちはうち、唯の一介の剣客どす
久方ぶりに本土の方へ来はったら、何やら大変な様子になってはるさかいに
野次馬根性でちょっかいかけはっとるだけどす

せやからうちの正体を聞かはってところで、多分リューシオはんが納得いくもんちゃうと思うんよ
どっかの諜報機関やら特務機関やら、そういう人間ではないさかいにな
うちは文月、和泉 文月以外の何者にもあらへんさかいに


【──木箱から飛び降りる、ブーツの踵がなって互いの距離が縮まる】
【ぐいっと顔を寄せて貴方を見上げる、黒曜石の表面に映る色合いを探して】
【見つめるその先の貴方色の煌めきを、瞳の奥底に携えたまま】

【──すっと、人差し指を伸ばした】


うちも一つ答えはったさかいに、一つ聞いてよろし?
リューシオはんこそ何者なん? 唯の人やなんて、それこそ信じられへんわ
普通の人やったら、こんな『特区』なんて関わり持たへんし、それこそ能力者やったら

──怖いなぁ言わはってそれでお終い、互いに気をつけようで終わらはる
そうやなくて、その『特区』にいかはった人等まで紹介してと言わはる
好奇心は猫を殺すって言わはるやろ、其れって案外真実どす

もう、知らなかったでは済まへん──


【妖狐の如く頬に笑みが交じる、少女が見せる大人の色香】


417 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/19(木) 13:44:12 S/DUh6T.0
>>412-413

【沈黙の帳── ヨハネスの言葉は、彼女でも理解できる程に簡潔で、だからこそ残酷な真実であった】
【"民意"は形成されてしまった。── いとも容易く呆気なく、搦手が如くするりと】
【自分達はいつの間にか劣勢に回っていた、一流の棋士が作る盤面の様に】

【鵺もまた理解していた。── 否、理解してしまった、物を知らぬ童であればまだ良かった】
【半端に大人な分余計に、自分達の状況が如何に追い詰められているかが分かってしまった】
【取り敢えず "おじ様" を何処に匿うかですね、そんな逃げの言葉を口にする】


【 ──、 "否"  】


あーぁ、もう、ばっかばかしいですねっ! ほんとーにっ吃驚しちゃいます!
おじ様も若い頃はぶいぶい言わせたんでしょう? 歳をとるってこういう事何ですかね?
──知った口を聞いて逃げるのは勝手ですが、臆病を他人に伝播させるのはやめて欲しいですねっ


【頬杖をついて、とんとんと指先で机を叩く】


そりゃおじ様にして見れば終わった国なんでしょうね、見捨てるべき国民なんでしょうね
でもね、私にとっては大事な大事な国なんです、今はここが母国だとさえ思ってるんです
ここで育ち、ここで養い、ここで育み、ここで死ぬ──そんな当たり前を、何処かの誰かに奪われるんです

──能力者というだけで


【逸る言葉が抑えられない、流れる感情の奔流を止められない】


私はそれが我慢出来ないです、いいえ!! 我慢して溜まるもんですか!
泣き寝入りなんてしません、立ち向かいます、真っ向から、このふざけた連中をぶっ飛ばします
別に民意だとか国民だとかどうでもいいんです、そういう賢い人間の仕事はそこのインテリヤクザにでも任せます

私は私の大切な人を守りたい、大切な家を守りたい、大切な──国を、守りたい
それ以上の理由を求めるから苦しくなるんです、原点はいつも至ってシンプルな一つの答えなんです
大丈夫ですよ、大丈夫にします、だってほら


  "正義は必ず勝つんです"


【一息で言い放ったならふぅ、と小さく息を吐いて、ちょこんと腰掛ける】
【お尻の辺りがそわそわした、むず痒さの所以を敢えて見ないようにして】
【──でも後悔はしていないと、真っ直ぐな蜂蜜色の瞳が証言する】

【で、おじ様をどう保護します? カフェの二階にでも放り込んどきます?】
【洗濯ぐらいは出来るんじゃないですか? なんて、言ってみて】


418 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/19(木) 15:00:40 6.kk0qdE0
【とある閉店後のBAR】

【閉店後と思われる、薄暗い店内には、暗いネイビーカラーのスーツの男性が一人】
【カウンターの一席に座っている】
【何故閉店後にも、こうして居座って居られるのか?】
【それは、このBARその物が、彼らの所属組織の拠点の一つに他ならず】
【こうして重要な機密のやり取りや、情報、物資の受け渡しに度々利用されるからだ】

「……そろそろか?」

【この日その男性は一人、見た目はまだ若い】
【ウィスキーダブル、のロックグラスを片手に、無論酒は手酌、自分で作る事となるのだが】
【酒を傾けながら、来訪者を待った】
【自分の端末に届いた連絡、そして会っておきたいと言うお互いの意思】
【それがこの時間、この場を設けたと言える】
【腕時計を片手に、入口のドアを気にする、さて素直に来てくれるだろうか?】


419 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/19(木) 16:08:55 zTrc0WtY0
>>418

────なんだ、意外と若いな
軍の諜報部っつぅから、もうちょっとダンディなおっさんがいるもんだと思ってたぜ

厳島、だっけな。櫻の軍人。邪禍からちょっとだけ話は聞いてるぜ


【ぎぃ。扉が開き、そんな言葉が投げつけられてくる】
【女だ。長い赤髪に赤い服。金色の目以外は全てが赤に包まれた、赤い女だ】
【女は彼を見た途端、厳島だと認識した。まさか“翔子”の方がこんなツラをしてはいないだろう】

【「ミラだ。ミラ・クラァケ」そう言って彼女は彼の近くに座る。そしてポケットから】
【魔石で出来た指輪を取り出してカウンターに置くのだ。色はランダム。何色かは見てみるまでは分からない】
【彼女の左薬指にも、同じ素材の赤い指輪があった。耳元には、違う素材の】
【魔力を僅かに発するイヤリング。羽振りがいいのか、別の理由があるのかは分からないが】


420 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/19(木) 17:04:17 6.kk0qdE0
>>419

「歳経た中年でなくて悪かったな、一応まだ27だ」
「ミラ・クラァケだな?」
「厳島命、櫻国海軍中尉、諜報員だ」
「此方の情報と話は、邪禍から聞いているようだな……話が早くて助かる」

【そう扉があき、そこから顔をのぞかせた女性に答えた】
【定刻通り、その赤を基調としたかのような女性は現れた】
【やがて、魔石の指輪をカウンターに無造作に置くミラに】

「これは、魔石?だな……一体これは?まさか仲間内の確認の為だけとは思えぬが」

【その中の、深い青、深層を流れる海流の様な色のそれを手に取り】
【ミラに少々訝し気に聞いた】
【ついでに】

「海軍の驕りだ、何か飲むか?」

【腐ってもBARでの会話だ、何か飲むか?と】
【挨拶代わり、駆けつけ一杯と言う奴だろう、と】


421 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/19(木) 18:23:28 zTrc0WtY0
>>420
【「よろしく」一言そう返す。素っ気ないのは、会って間もないからということと】
【相手が軍人というのもあった。いずれ敵になりそうなやつ。どう接すればいいかを、彼女は計っていた】


ぎゃは、流石に魔石ってことくらいは分かるか
そいつん中にはある術式が仕込んであるらしい────通信を暗号化する、っつうやつがな

どうにも曽根上含めたあたしらの“敵”はストーカー趣味があるらしくってよぉ
…………覗いてきやがんだよ、こっちのメールやら、秘密のヒソヒソ話をな
んで、ちょいと前にメールの送信先やらを弄って嫌がらせしてきやがったからよぉ、それ対策ってわけ
今、何人に配ったかな────まぁいいや
その指輪持ってるやつは、同じチームのやつだって思えばいいってぇわけだ

指輪をつけてりゃ、通信は見られねぇ。多分、だけどよ。見られてるかどうかはあたしらには分かんねぇ
ただ…………これつけだしてからは“嫌がらせ”のメールはなくなったな


【酒は遠慮しておいた。そのかわりに、気分が良くなりそうな炭酸飲料を貰う】
【酔った先で何があるかは分からない。頭だけは冴えさせておかなきゃだめだった】
【────ピロロン。ミラのポケットから、CMでよく聞く携帯の着信音。知らないアドレスだ】
【メールを開く。その文面を見てミラは奥歯を軋ませた後────ニヤリと笑った】


…………なるほどな。────なぁ、厳島よぉ
あんたも確か、曽根上を追ってたよなぁ?あンの、クソムカつく婦警のこった
ぎゃは…………婦警の身柄押さえる気なら、早くしねぇと先越されっちまうぜぇ?

もちろん────あたしはカニバディールに賭ける
あんたがどんだけ“婦警”のこと知ってるか知らねぇけど、よぉ…………
ああいう手合いは、殺すつもりで応じないとこっちが危ねぇんだよ


【そう言ってミラは、たった今届いたカニバディールからのメールを厳島に見せる】
【そういえば以前、カニバディールと櫻の軍は戦っていたんだったか。まぁそれはいい】
【やっちまったことはしょうがない。大事なのは、“今”“この場”での選択だ】


422 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/19(木) 19:20:57 AHSvOXg.0
>>407
【「はい」とうなずいた。きっと彼女の頭の中にあるメールボックスにいくつもの下書きが書かれるはずだ】
【恋文のようになんども推敲してきっと最初の一通目は当たり障りのない挨拶ぐらいなものだろう】

博士はそれを教えてはくれましたが強制はしていません。私は使命を伝えられています。
ですので私はそれを守る必要があると判断しました。人類の幸せのために

【人類の幸福、人類の幸せ…そんなセリフは最近よく耳にする。敵の常套句だ】
【彼らのいう幸福は隠れ蓑でしかないが、ゾーイの言葉の意味はどういうことだろう】
【憎むべき人のいない、疑う必要もない世界を彼女は見ているのだろうか】

それは素晴らしいことです。とても素晴らしい方なのですね。様々な要因からそう推測します。
…私もご招待いただけるのですか?ありがとうございます。

【ぺこり、と頭を下げてから思い出したようにあの隙きのない笑顔を作動させる】

はい、お伺いいたします。

【ゾーイは相変わらずで今が真面目なのかふざけているのかは見た目からはわからないだろう】
【だがどういう話が来るのかはゾーイもいくらか予想はついている。博士は彼女に無駄を余分に搭載させるぐらい優秀だった】


423 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/19(木) 20:11:29 g1HLNF4w0
【路地裏】

【人気のない夜の路地裏に破砕音が響いていた。断続的なその音の発生源には一人の少女】
【外見年齢は十歳。子供用のスーツ姿で、髪の色は黒。長さはミディアム。胸元にはエメラルドグリーンの宝石をあしらったネックレスが月明かりで光り輝く】
【少女の眼前には金属の壁。革の手袋で覆った両手が拳を作り、振り抜かれる。激突音と共に壁が打ち砕かれて散らばる】

【周囲には金属の欠片が散乱。少女のいる場所を最大とした放射状の密度分布を描く。その範囲の外側で青いシートが広げられていた】
【シートの上には銃器が並び、工具や部品がその隙間を埋める。端には男が座っていた。白衣に眼鏡という研究者然とした格好】
【レンズの奥にある煙水晶の瞳が手元の携帯端末の画面を見つめていた。傍らには魔石の嵌まった指輪が一つ。男の表情には小さな笑み】


「何にやついてるのよ。気持ち悪いわね」

…………そういうことを、兄に面と向かって言わないでほしい


【少女の侮蔑の視線を受けて、男が落胆したように答える。不機嫌そうに鼻を鳴らして、少女は再び壁と相対する】
【拳を振り上げて打ち下ろす。壁が大きく曲がり、そのまま倒れる。少女の足が持ち上がり、地面を踏み鳴らす】
【地面を突き破りながら金属の塊が浮上。少女が再び身構える】

【そんなことが、もう数十分も続いていた。路地裏に入る者がいれば、その奇妙な音を聞くことができるだろう】


424 : ?????? ◆auPC5auEAk :2018/04/19(木) 20:20:08 ZCHlt7mo0
>>414

……おいおい、ちょっと待ちなさい。俺の事をワーキャットと呼ぶのは、お前たちを『人間』と呼ぶようなものだぞ……
えーと、リオシア。俺の名前と言う事であれば、俺はアーディン。アーディン=プラゴールだ……

【こうまで無邪気な間違いを重ねられるとは思わず、ついつい苦笑を重ねながら、獣人――――アーディンは、少女――――リオシアの、その間違いを訂正する】
【まさか、ワーキャットが種族名として通じないとは思わなかった。確かに、人間との間に交流はほぼ無い出自だが、その言葉くらいは通じると思っていたのだが――――】

――――もしかすると、『魔海』の事も知らないのかな?
人間にはそう簡単に入れない、とても広い森があるんだよ。俺は、その中で生まれたんだ……

【――――どうやら『魔海』の事も、少なくともすぐに思い当たらない程度には、知らないらしく、それでは無理もないとため息をついた】
【人間を拒絶する魔力に包まれた、人外の領域である広大な樹海――――『魔海』。その中には、多種多様な人外の種族が、もはや1つの世界を成している】
【アーディンの様な、人と猫の相の子の様な獣人があるのも、その『魔海』の特徴と言うべきなのだろう】

――――水を、タングステンに変える……!?
(……勿論、加工には手間も元手も掛かるが、それが本当ならコトだ……。この娘、リオシア……その意味する所を、まるで分かっていないらしい……!)

【タングステンの製造法を聞いて、思わずアーディンは絶句したようだ。水から作る――――実用金属を、水から作る能力。信じがたい力だ】
【事もなげに言ってのけたその能力が、どれほどとんでもない事なのか、どうやらリオシアは『小遣い稼ぎ』程度にしか考えていない事から、軽く見ているらしい事が見て取れる】
【そのとんでもなさを、どう伝えたものか――――思わずアーディンは考え込んでしまう】

――――リオシア。確かにこの事は、そう軽々に喋らない方が良いな……君にとっては、なんて事の無い事なのだろうが、これは大変な事だぞ……
下手をしたら……君は命を狙われるかもしれない。だから……良いか? タングステンを作れる、なんて事……人には、そう簡単に話さないようにするんだ
君を誘拐して、無理やりにタングステンを作らせようとする、そんな連中は……別に、探さなくても、その辺にいるもんだぞ……

【すっと表情を引き締めて、静かにアーディンはリオシアに諭す。これが人に知られれば、或いは身の危険を招く事になるのだと】
【とりあえず、価値のあるものだと言う事は理解している様で。ならば、それが良からぬ連中を招く誘引剤にもなり得るのだと説明して】
【――――それでなくても今のご時世、能力を簡単に行使する事は、世情的に宜しくない。その辺は言葉の中に含めなかったが――――】

……いや、俺は雇われているだけだ。ダイニングバー……つまり、ちゃんとした食事のできる酒場、だ……

【一応、重い金属片を抱えたリオシアに配慮しているのだろう。ゆっくりとしたペースで、アーディンは先導する】
【時折奇異の目を向けられたりもしたが、それはアーディンの一睨みで追い返す。後ろからでは分からないだろうが――――睨みつけるアーディンの表情は、かなり威圧的だ】

【そうしてたどり着いたのが、ダイニングバー『Crystal Labyrinth』と言う建物だった】
【表の喧騒を避けるようにして、アーディンは裏口に回る。店員用の控室へとリオシアを誘導して】

さて、タングステンだったな……まずは、それが本物か、確かめさせてもらう……さて、重量計と、水差しと、計量器……あと、タングステンの比重は……

【まずは、持ち込まれたタングステンが本物かどうか調べにかかる段だ。とは言え、アーディンも金属に詳しいという訳ではなく、本を頼りに道具を取り出し、準備にかかる】
【タングステンを受け取ったら、重さと体積、そしてそこから導き出される比重を確かめる。本当なら、特徴の1つである耐火性も調べたい所なのだが、そこまでは手が回らないのだろう】


425 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/19(木) 20:20:25 zTrc0WtY0
>>422
【人類の幸せのために、か。幸せってなんだろう。誰もが平等な世界なのか、それとも。】
【幸せになりたがってた周りの連中は、みんな不幸になっていった。そんな連中が】
【彼らの祈りのままに幸せになることが一番いいんだろうが────現実は、どうなんだろう】

【「そうだな」と返すしかなかった。ゾーイに何かを、殊この世界のことを教えるには】
【この金色の目は、あまりに片側に隔たり過ぎて物事を見ていたから】


…………まずは、あんたの周りの小さなことを大事にするのがいいぜ
あたしはあんたが招待に応じてくれてハッピーだった。嬉しかった…………
そういった、ちっちゃなことが────そんな、積み重ねがきっと大事だ

さて──────んじゃ、本題に入るか


【話を区切る。彼女の笑顔を、今は見ていられなかった。あまりにも、無垢過ぎて】
【罪悪感なんだろうか。彼女を危険だと分かっている場所へ送り出すことへの】
【ジルベールと最後に会った時、なんだってあんな顔をしていたかやっと分かった気がする】


…………“特区”のことは、知ってるな?カミスシティのことだ
あそこの中に入って────色々と、情報を集めてきてほしい
なんだっていい。どこにどんな奴がいた、中で何が起きている、警備員の配置、なんでも
“黒幕”って言われている連中の動きだとか、戦力とか。次の目的とか。その辺を探れりゃ大儲けだ

ロッソが言ってたよ。あんたは“オーウェル”が作ったから、きっと特区の中で動いてもバレにくいだろうって
…………すげぇ、危ないこと言ってるのは分かってる
でも、特区の中に入れて、かつバレにくいやつって…………結構限られてるんだ
もしかしたらまた、こないだみてぇなドンパチが起こるかもしれねぇ
最悪、こないだ以上に危ない目にあうかもしれねぇし…………
そうなっちまったら、あたしは助けに行くことができねぇ…………そもそも特区に入れねぇんだ

その────────それでも、よぉ。頼まれて、くれるか


【不安と、信頼と。あぁ、あの時のジルベールも、こんな表情を浮かべていたんだろう】
【情けない表情を浮かべているっていうのが自分でも分かる。落ち着かない、嫌な気分だ】


426 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/19(木) 21:11:15 AHSvOXg.0
>>425
私は単なる人間をもして作られた機械です。人類と比べた場合その個よりは能力が高いかもしれません。
けれど人間は個ではありません。私ができることよりもずっと、大きなことを成すことができます。
私はその可能性を信じています。この手の届く範囲内で種を巻くのが私の使命です。

【抽象的な概念で述べるがその物言いははっきりとしている。ロボットはどこで覚えたのか、教えられたのか、考えたのか】
【作為的な存在なのか自在なのか。このロボットは自由すぎる】

現状については大方把握しています。初瀬麻季音にレクチャーを受けました。
それにオーウェル社については現在も一部アクセス権を保有しています。
権限は限られます。社内、データベースと管理AIの一部に限られるため、“特区”についてはほとんど保有していません。

“特区”のセキュリティがオーウェル社のシステムを採用しているならば
私は認可された“あちら側“としてIDを照合させることができます。
したがって、問題なく市内を行動することは可能です。しかし、行政庁舎内等は
手段を講じる必要があると思われます。

もっとも情報収集に最適と思われるのはイントラネットワーク内のデータベースにアクセスすることだと思われます。
セキュリティ上、外部からのアクセスは不可能です。サーバ等に直接潜入する必要があります。

【ゾーイは原稿を読み上げるがごとく話す。行く気は満々。それどころかそれを想定してたかのように計画を話す】
【IDも偽装できる、セキュリティチェックもすり抜けられる、ハッキングもできる】
【これ以上ない適任者だろう】

ご安心を。今度は“動きやすい義体”を用います。私は博士とともに、彼らの嘘偽りを暴くことを、博士の技術を取り返すことを目的としてました。

「答えはYESさ、baby....だから――――」

―――だからそんな顔はやめて。

【笑顔をみせる。優しげな、母親のような。】


427 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/19(木) 21:40:25 zTrc0WtY0
>>426
【「ほんと、どこで覚えたんだそんな小難しいこと」博士に教えられでもしたんだろうか】
【だとするならば、フォルケンとかいう博士は相当な善人か】
【一周回って、かなりの捻くれ者だろう。完璧な笑顔に、完璧な理論。そんな彼女を】
【理想的ではない世界に飛び込ませたのだ。不健全な世界。潔癖野郎の言葉を借りると、そんな世界に】

【ゾーイの言葉を、黙って聞いていた。足りない頭をフル回転させて】
【難しい用語の意味をなんとか汲み取って。言葉の海に脳みそが埋もれる頃、ようやく】
【彼女の意図がわかるのだ。自分がかつて、ジルベールに言ったようなことを】
【機械の友人は、そのまま自分に返してきていた。(やばくなったらなんとかして逃げ出すさ)】
【(大丈夫だって。んな、心配すんなよ。なぁ?)自分が言ったことが、頭の中でリフレインする】

【あぁ、そんな顔をされてしまったら。そんなことを言われてしまったら】


────────気をつけろよ、ゾーイ


【こう返すしか、ないじゃないか。模倣であり、模倣ではない言葉】
【同じ言葉で、同じ気持ちで発せられたもの。だが、模倣の意図はない、シンプルな言葉】

【慈母のような笑みを浮かべたゾーイの頬に、そっと手を伸ばす。きっと柔らかくて】
【暖かい感触がするのだろう。「その笑顔、100点だぜ」そう言って笑うのだ】


428 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/19(木) 22:04:52 6.kk0qdE0
>>421

「なるほど、便利な物だ」
「暗号送受信機と共に仲間の識別も兼ねている、作った君の仲間は相当頭のいい存在なのだろうな」

【この部分は素直に感心し、そして驚愕した】
【現状、海軍では特殊な能力者以外暗号は送受信機を経て行われている】
【それがこの指輪と、携帯端末だけで事足りるのだ】
【話しの上では、通信の妨害機能もあると見えるが】
【これ一つだけで、暗躍行動一つが一気に変貌する、さらっと言ってのけたがミラ達のバックに居るであろう技術者は一体……】

「受け取っておこう、ありがとう」 
「君の優秀な仲間達にも、よろしくと伝えておいて欲しい」

【だが、ここでさらに、厳島は顔を真っ青にする状況に追い込まれる事となった】

「ああ、無論だ、邪禍ともジルベールともそう話した」
「なんだと……」

【端末の画面を覗き込んだ】
【カニバディールからのメールだった】
【確かに彼の存在は、邪禍から聞いており、また彼の行動に疑問を持っていたのも事実だった】
【だが、驚愕したのはそこではない、違うのだ】

「鈴音が……円卓側だと?」

【完全にその存在を失念していた、邪禍の話にも出なかった】
【しかし、読み解けることは、鈴音はカニバディールと結んでいる】
【かつての自分の行動と、ある発言を非常に悔やんでいた】
【カードをチラつかせたつもりが、逆にカードの一部を掠め取られていた】
【ダブルスパイ……いやこれではどちらがダブルスパイに化けたのか結果的には解らない】
【正義組織UTは円卓の手に堕ちていたのか?それすら解らない】
【セリーナはこの事を知っているのか?それも不明】

「……ああ、俺は随分甘かった様だ」

【ようやく冷や汗が伝う顔を上げ、ミラと向き直る】

「そうだな……殺すつもりで挑まねば、数は意味が無い……」
「情報だけ得られれば良かったが、身柄ごと必要になった、ジルベールもそれを望んでいるようだ……」

【目は殺意と、そして狂気の一部が伝播し宿り始めた】
【そして次に押し寄せる波は荒波】
【怒りの荒波だった】

「その日時に俺と部下も行く、カニバディールに伝えてくれると嬉しい」

【子供を人質に、なるほど婦警ならばやりかねない、いやむしろ中々に正当なやり口ともいえる】
【しかし、カニバディールは解るとしても、では麻希音は?この部分は解らない】

「改めて手を組ませてくれ、君も仲間達も、俺の想像以上に強力な集団の様だ」

【ミラにこう向き直り、呉越同舟ではあるが協力関係である事もまた事実だ】



「お手並み拝見だ……可愛い諜報員さん」

【呟くようにそう言った】


429 : ◆AesGW/TV3c :2018/04/19(木) 22:11:17 s.osPgw60
>>417

【感情のままに、それでも純粋に、正しい鵺の言葉】
【── ヨハネスは、それを黙ったまま耳朶に叩き込み続けた。 返す言葉はない】
【彼女が語り終えると、エヴァンジェリンが鵺の頭に手を伸ばし、えらいえらい、と撫でる】


『 私もそう思いますよ。 あれこれ理由つけて動かないなら、死んだ方がマシじゃないですか。
 ……と言うか、そもそも鵺さんも百家さんも、課長さんに従わないといけませんもんね。
 特に百家さんなんかパブリック・エネミーですし。 ふふっ。 きっと逆らった瞬間死刑、ですよ。』


【「ねっ」、と。 エヴァンジェリンが意味ありげな目線を送ると、百家は憮然とした表情をした】
【この男が何を考えているのかは、分からない。 ──ただ、未だこの国を捨てる気はないようだった】
【百家は立ち上がると、端末で“迎え”の指示を出しながら、鵺の言葉に「アホ」とだけ吐き捨てた】


「唯でさえ人員足りんのに、役に立たん要警護のオッサン置いとけるか。
 “どこ”や。 どうせ家族は先に逃がしとるんやろ。」

…… 櫻だ。

「はっ。 やっぱり、や。」


【『円卓』からすれば、国外に出たヨハネスを敢えて殺す必要はない】
【邪魔だったのは、“水の国の与党議員”としての彼だ。 逃亡先としては、この上ない物だった】
【「行くぞオッサン」、と百家は扉に向かう。 どうやら、彼がヨハネスの国外脱出を手配するらしい】


「── あァ、言い忘れてた。
 
 お前ら、黎には絶対に『円卓』の話はすんな。
 後、鵺。お前『円卓』探って来い。 手段は任せる。 後は各自、解散しろ。」


【扉に手を掛けて去り際に放った、その指示。 前半は、客観的に見れば合理的な物だった】
【幾年もこの国の闇を追ってきた課長と黎が『円卓』の存在を知り得なかった筈はない。 ──と、すれば】
【それは、“隠されていた”のだろう。 “狗”に余計なことを考えさせぬが為に、だ。 そこまでを鵺に読みきれるかは定かでないが】

【 後半の指示は、彼女にとって、“願ってもない”物だったのかも知れない】
【手段は任せる。それは、内部潜入を正当化するものだ。 三課と『円卓』を股にかけようが、時期さえ誤魔化せば問題はなくなる】
【──、ただ。 エヴァンジェリンが、珍しくその眼を一瞬だけ丸めて、また、元に戻した。 まるで“鵺に気取られぬ”ように】


/続きます


430 : ◆AesGW/TV3c :2018/04/19(木) 22:12:19 s.osPgw60
>>417
【最後に、ヨハネスが立ち上がる。 無言のまま、扉に向けて歩を進め──】


…… ん。


【“ぶるる”】
【彼のポケットに入れられていた端末が、震える】
【──、取り出して画面を確認した彼は、 何のことはなく。 柔らかに、笑みを浮かべた】
【鵺を振り返り、端末を軽く上げて示す 】


こんな老いぼれにも、心配してくれる奴らは居るらしい。
どいつもこいつも、“大丈夫か”だってよ。大丈夫なわけねぇだろ。殺されかけてんのに。
…… はっは。 馬鹿だよなぁ、こいつら。


【 ヨハネスは、端末を地に叩き付け、踏みつけた】
【それが本当に強い力だったので、画面はひび割れ、内部部品は破却され、もう、二度と灯ることはない】


── 俺ぁ、よ。 本当に、歳をとっちまった。

お前さんの言うとおり、若い頃なら、“こいつら”の為にもうひと踏ん張りしただろうよ。
だが、俺は我が身可愛さにこいつらを見捨てる。 本当に糞なのは、俺なのかも知れねぇ。


【 「なぁ、鵺の嬢ちゃんよ」 】




   ともだちは、大事にしろよ。 それだけは、間違いなく正義だ。




【 分かりきった話かも知れねぇがな。── 最後に笑って、ヨハネスは、扉の向こうに去って行った】


431 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/19(木) 22:13:00 AHSvOXg.0
>>427
自らの過ちは、自ら律しなくてはなりません。その過ちを二度と繰り返さないために。
私にできることは限りがあります。私は貴女や初瀬麻季音や他の皆様、人類全てを信じるだけです。

【彼女の言う、人類とは単に外見の違いは含まれない、人種も能力の有無も】
【けれど機械である自身はそこには入っていない。隔たりはそれだけだ】

【ロボットの肌は温かい。もし作られた存在でも作られた心があるならば】
【それは暖かさもきっと模倣している】

ありがとうございます。

【相変わらずの無表情。でも少し照れくさそうにしているような気も――――】

「…イ……ゾーイ……ゾーイ!」

【段々と近づく声、そして慌ただしい足音。店奥のドアが勢いよく開かれる】

「ゾーイ!メール見た?!ずっと連絡してるのに……あ、クラァケさん!!」

【うってかわってやかましい声、丸い髪型、丸い目、スタイルの良い二人と並ぶと更に小さく見える身長】
【初瀬麻季音がやってきた。前に比べると身なりが荒れ目で、目の下にクマもできている】

【ゾーイだけだと思って取り乱した自分に恥ずかしくなって、一旦、咳き込んで落ち着ける】

「一斉送信だから、ケータイ見たほうがいい。――――ついに、やるときが来た」

【新着で一件。差出人はカニバディール。それだけでもはやわかりきったようなものだ】


432 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/19(木) 22:32:09 zTrc0WtY0
>>428
【「そりゃあな」軽く返す。実際にあったことはない。その技術を見て、名前を聞いて】
【ただそれだけの仲だ。指輪の制作主は自分のことを知らない可能性だってある】
【だから短く返す。情報は必要なだけ。そう探偵も言っていた】


…………へぇ。あんた、ジルと会ったのか
まぁそれはいい。今はどうだっていい────大事なのは


【とん、とメールの文面を指す。鈴音。カニバディール。麻季音。とん、とん】
【文字列の上で指を躍らせる。リズムを取るように。メロディはなんだっていい】


あんたの理解だ。邪禍は言っていなかったか?あたしらは“共同戦線”だ
チームM…………目的は、“黒幕”をぶっ潰すこと
そのためならなんだって利用する。UTだろうと、円卓だろうと────どこかの国の、軍隊だろうと
“黒幕”潰しさえ終わっちまえば、あとはもう好き勝手になっちまう。それが“M”だ

鈴音とカニバディールは元々敵同士さ。だが、連中は覚悟を決めて手を組んでる
これはな────軍人さんよぉ。お友達ごっこでもなけりゃ、スパイ映画でもねぇ
Mにいる連中には皆が皆、戦う理由がある。あいつらは自分の命を、存在を賭けてるんだ


【鈴音が円卓。その言葉を、否定もしなければ肯定もしなかった。嘘はついちゃいない。そうだろう】
【決して短くはない忠告をした後────ミラは厳島に向き直る。「いいんだな?」】
【聞かなくても、返事は分かりきっているのだが。彼が肯定の意思を見せれば、改めて】
【ミラは彼に嗤って手を差し出すのだ。「よろしくな、厳島よぉ」共同戦線。もしかしたら】
【いずれ互いに命を預け合うかもしれない間柄だ。このくらいは、しておいても悪くない】


433 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/19(木) 22:45:33 6.kk0qdE0
>>432

「……」

【再び示されたメール画面を見る】
【確かに記載された、三人の名前】
【そして問いかけ、ここは無論】

「勿論だ、改めて手を組ませてくれ……」
「黒幕を倒す、一時結託には十分すぎる理由だ」

【こちらも、笑みを口に湛えて】
【そして、ミラの手を取った】
【文字通り、手を組んだ瞬間だ】

「先ずは婦警を狩る、そしてそれに釣られて、ノコノコと出てきた者から順次狩り取る」
「この上なくシンプルで、そしてこの上なく効果のある作戦だと思うが?」


434 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/19(木) 22:47:37 zTrc0WtY0
>>431

…………そうだな。特に今は────信じるってぇのは大事なこった
あたしはあんたや鈴音を、麻季音を、ロッソも…………信じてるぜ


【公安の一件が全て片付いてしまえば、自分はこのチームからいなくなって敵になる】
【それでも信じているのだ。彼らの力を。そうでなくちゃ、大事な仕事なんて任せられない】
【頬に触れた手を、頭に乗せる。そのまま子供をあやすように、ぽんと数度撫でてから】


ぎゃは、少しあんたの表情の違いがわかって気がするぜ、ゾーイ
ちょっと照れてるだろ。違うか?…………いや、違うなら違うって言ってくれよな
そん時はあたしが恥ずかしいだけだから、よぉ────

────な。まだここんとこ、夜は冷えるんだ
探偵の野郎、あたしを適当な場所で降ろした後にここまで歩かせやがってよぉ
あったかいココアかコーヒーでも、入れちゃもらえねぇか?


【小難しい話は、一旦ここで終わり。他に何もなければ、後は友人同士の語らいとなるのだろう】
【夜は更けていく。客がくれば、ゾーイが客の相手をするのを】
【店の隅でただ見ていて、客が帰ったら接客に関して余計なアドバイスでも適当に】
【ウィンクの一つでもすれば、とか。ケツを撫でられたら蹴っとばせ、とか】
【そんなロクでもないものばかり。夜明け前に眠気が来たらまた仮眠室でも借りて──】

/キリもいいのでこの辺でいかがでしょうっ
/1週間丸々のお付き合い、ありがとうございました!


435 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/19(木) 23:36:51 BRNVt/Aw0
>>416

【唯の一介の剣客だ、と答える文月に、その言葉を反芻するリューシオ】

……唯の剣客、ねぇ
俺にはそうは見えないんだけど?
諜報機関や特務機関の人間ではない?果たしてそうじゃねぇって証明出来んのか?
【ふと目を瞑って、少し顔を上げて目を開けて。相手を見下ろすように見て鼻で笑って。そうしながらも心臓は早鐘のように打ち付け続けているのだが】

【ぐっと顔を寄せられた刹那、心臓が跳ねる】

【お前こそ、何者だ?】

【たじろいだ拍子に突き付けられた問い掛け】

【このまま誤魔化し通せるか、否か──】

(……クソッ!やるしかねぇ……!)

【早まる心臓の音が煩い】

【けれども、覚悟を決めて】

【出来るだけニヒルに笑って】

──リューシオ・エスクリオス

唯の好奇心旺盛なこそ泥だぜ?

【指で鉄砲の形を作って、ばーん、なんて撃つ真似事をして】

【納得などしてくれないだろう事なんて、分かりきってるけど】


436 : 名無しさん :2018/04/19(木) 23:49:49 5w/a9BZQ0
>>424

あ、違ったんだ、ごめん……アーディン、アーディンさんね!

【改めて、アーディンと名乗った獣人】
【このままだと名前をワーキャットとして認識されているところで、互いに自己紹介出来たのは良いタイミングだったか】
【『魔海』を知らぬかと問われれば】

うん……魔海、魔海……言葉は聞いたことあるような気はするけどなぁ……
森……へぇ、広い森かぁ、なんか楽しそうで怖そうね
でもいつか行ってみたい!

【まだ見たことのない世界をなんとなくイメージし、思いを馳せた】
【人間には簡単に入れないと言われたばかりにもかかわらず、どこまで本気かわからないが行って見たいと好奇心を見せ】

うん、そうそうタングステン。地味でしょ?プラチナとかダイヤモンドとかなら綺麗だったのにねー
敵を簡単にやっつけたりもできないし……へ?やっぱり話さないほうが良かったの?

【自身の能力については、あまり大きな価値を見出していない様子だ――】
【戦闘で強い能力の方が良いと、リオシア自身は思っているようで】
【しかし、アーディンからの想定外の反応と、警告にリオシアは照れたように頬を緩める】

え、大変なこと?そ、そうかな?えへへ……能力を褒められると嬉しいな……
誘拐って、"機関"に捕まるのは嫌だな……あ、でも大丈夫!
わたし、結構鍛えてるから!それに仲間もいるし!

【アーディンは"誘拐"と言っただけで、特定の名称を出したわけではなかったが】
【リオシアは"機関"を想起したのか、少しだけ曇ったような表情をするが――すぐに笑顔に戻り、会話を続ける】

【アーディンのダイニングバーに到着すれば、これまた興味深そうにそこら中を見渡し――】

ここがアーディンさんのやってる、じゃなかったお仕事してるお店ね
『Crystal Labyrinth』……クリスタルラビリンス?綺麗な名前だね!由来とかはあるの?

【金属の塊を調べれば、あらゆる特徴が紛れもなく純粋なタングンステンであることを示すだろう――】


437 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/19(木) 23:55:07 6.kk0qdE0
【水の国、とあるBAR】

「あら?久しぶりじゃない……何にするのよ?」

【暗いネイビーカラーのスーツの男が、その店に訪れたのは夜も深まり始める時だった】
【酒類を扱う業種にとっては、まさに今からが掻き入れと言うその時】
【ふらっと来訪し、店主の所謂オカマの人物に話しかける】
【もっとも、ここはオカマバーでもゲイバーでも無く、表向きは普通のショットバー】
【単純に20代後半位だろうか、店主兼バーテンダーがオカマと言うだけだが】

「今日はどんな注文なの?」
「ああ『静ヶ﨑の海の色に似たカクテル』と『気の抜けたビール』を」
「……本当、顔意外好みじゃないわね」

【そうやり取りすると、店主とみられるオカマは店内の客に向かって】

「今日はもう店仕舞よ!!ほら、早く帰った帰った!!」

【そう告げて、ぶつくさ文句を言う客たちを帰していった】

「ほら、空けたわよ、で、誰が来るの?男?女?」
「女、公安だ……少尉、貴官も随分とその役目が板についている気がするが?」
「はんっ、よしてよ、これでも私軍人よ!本当食えない中尉、で何か飲むの?」
「いつものウィスキー、ダブルだ」

【表の看板はCLOSED、しかしその待ち合わせ相手には、正夢の通信で店の場所、時間、名前は伝えてある】
【ここは一見普通のこじんまりとしたBAR、しかし実態は櫻国海軍諜報部の拠点の一つ】
【はたして?】





//予約です、よろしくお願いします


438 : アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk :2018/04/20(金) 00:23:05 ZCHlt7mo0
>>436

……まぁ、知らないと言うのもあり得ない事ではないか。案外、興味が無ければそんなものかもしれないな……
――――おいおい、本当に言ってるのか? 俺みたいな怖い生き物も、一杯居るところだぞ?

【『魔海』については、とりあえず一般常識の範疇に含めて良い名詞だと、アーディンは思っていたのだが】
【しかし、リオシアはどうも、そうしたところに疎い所があるらしく。ならば知らなくても無理はないだろうと、留飲を下げた】
【とは言え「行ってみたい」の一言には、流石に呆れた様子で首を傾げ、危険な場所である事を伝える】
【――――ワーキャットと言う単語を正確に理解してなかったリオシアに、そうした表現が上手く届くのか、少し不透明な気もしないではないが――――】

……それはそれで、大変な事になりそうだがな……
まぁ、ダイアモンドなど、幾らあっても仕方がないものだとは思うんだが……

【もしも、この要領で水からダイアモンドやプラチナが生み出されたら、どんなことになるだろうかと、やはりアーディンは呆れた調子のため息をこぼす】
【もしもそんな事になれば、通貨パニックが起こりかねない。未曽有の物価上昇が起こってしまうだろう】
【そんな能力でなくて良かったと、割と本気でアーディンは苦笑していた】

【――――アーディンとしてはどうも、振り回されている傾向がある。今まで、こうも陰の無い、屈託のない誰かと触れる事は、そう多くなかったのだ】
【無邪気で自由奔放なリオシアの言葉に、どう反応を返したらよいものかと、図りかねていたのだ】

……ハッキリ言ってしまえば、君を捕まえてタングステンの精製を強制すれば、どこの組織だって一気に強くなるぞ……
元手が水だと言うなら、本物のタングステンを用意するよりずっと簡単、かつ大量に用意できるんだからな……
10発しか弾の撃てないところを、君がいれば10000発の弾が撃てる。それがどういう意味か、分かるだろう?

【その認識だけは、植え付けておかなければならない。タングステン精製能力となると、悪人たちはこぞって手に入れようとするだろう】
【そんな事になれば、リオシアの命もまた、狙われる。そんな危険を、自らの手で手繰り寄せる事は、賢い行動とは言い難い】
【とりあえず、年長者としてその事は言っておかなければならないだろう】

――――それは、君や君の仲間は、機関と戦っても負けない位、強いと言う事で良いのか? じゃなきゃ、大丈夫じゃないぞ……

【リオシアの語る「大丈夫」が、どれくらい大丈夫なのかは分からない。しかしアーディンは、年長者として、それだけは言っておかなければならないと、感じていた様だ】
【リオシアの言う鍛えているとはどれくらいなのか。そして仲間はどれくらいの存在なのか】
【そこが分からない以上、アーディンとしては安心できない、と】

――――さあな、前は『八福尽星』と言う名前だったが、オーナーが変わってな。改装ついでに名前も変えたんだ……由来までは、俺も良く知らん……

【『Crystal Labirinth』の由来自体は、ワーキャットにも分からない。オーナーの意向としか、言い様が無かった】

……比重はほぼ19、電気が通しにくく、硬度も高い……確かに、間違いなくタングステンだ……

【好物の手引書を下に、どうやら何とかそれが本物である事を認めたらしい】
【金によく似た重さ。金と真逆の通電性。確かにこれはタングステンである事は、間違いない】

さて……となると。タングステンの一般の取引額は……1㎏につき約3,000〜3,500?
これ、7㎏はあるな…………なら、㎏5,000円換算だ。35,000。これでどうだ?

【物が確実である事を知ったら、次は商談である。相変わらず、本で現在のタングステンの大まかな相場を確かめて】
【それよりも、確実に一回り高い金額を提示して、アーディンはリオシアに商談を持ち掛ける】
【リオシアがこれで納得すれば、タングステンの取引は完了と言う事になるだろう】


439 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/20(金) 05:59:35 wg3NHxpU0
>>429-430

【エヴァンジェリンに撫でられ嬉しそうに目を細める、擽ったそうに白い喉を揺らして】
【ぱちくり、瞼を開いたなら大きく瞬きをして、百家の言葉に小首を傾げる】
【数瞬してぽんと両手を叩く、理解するのに結構な時間がかかった】


……まぁ、触らぬ神に何とやら、触らぬハゲに祟なしとでも言いましょうか
インテリヤクザが態々釘を刺すって事は、何かしらあるんでしょうねっ
まぁ鵺ちゃんはそんな反骨精神もりもりのジャックナイフでも、何でもないので

言われた事はなんなりと、きっちりきっかり守る事にしますよ
てゆーか、後半の指令なんですかっ!? いきなり『円卓』の中探れだなんてっ!?
伝手も何も無いですよっ! エヴァちゃーんっ! 知り合いにそーゆー人いない!?


【百家の背中に言葉を向けつつ、エヴァにもお裾分け、相変わらずの言葉運び】
【百家の言葉の真意までは読み取れない、それでも藪をつつく趣味はないようで】
【エヴァの変化にも気づかないだろう、撫でてもらってる状態で上目に見つめるぐらい】


そこは否定しませんよ、誰にだって守るべきものはあるんです
それは大人になればこそですよ、家族も財産も地位も、守るべきものがどんどん増えるんです
そりゃ臆病にも、保守的にもなりますよ── それが道理というもんですしっ

だからこそ、若い衆がいるんですっ、持ってないから、これから手に入れなきゃって
ふふーんっ、それが一番の武器なんです! まあ、後は若者に任せてください
── この国を取り戻します、一欠片も残さずに


【去りゆく背中に言葉を投げかけて、去った二人を見送ったなら】
【彼女もまた、次の戦いに準備を始める、『円卓』とアポイントメントを取らなければ、と】
【── 頭脳労働は苦手だ、エヴァンジェリンに軽く挨拶して、その場をあとにするだろう】


/お疲れ様でした!


440 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/20(金) 06:10:23 wg3NHxpU0
>>435

【返される言葉、強情だなんて思ったのか、少し眉をひそめて】
【前髪が額を擽る、白百合の様な素肌に鮮やかな茶色が落ちて】
【それは宛ら紅葉の如く、柔肌のキャンパスを飾り立てていく】


そんなの出来るわけあらへん、そんな証明書持ってる人とちゃうし
やからこそ、信じてもらうしか無いどす、信じてもらえへんのやったらそこまでやし
……せやけどな、うちが何者であったとしはっても、リューシオはんに大きな変化は無いと思うんよ

あんさんを捕まえるだとか、どうとか思ってる訳でもなくて──
うちはな、リューシオはんが信用出来はるかどうかを知りたいねん
この先にあらはる、ぎょうさん溜まった困難を、リューシオはんとなら乗り越えられるか


【しゅん、と蕾が萎む様に、形の良い眉が困った様に傾く】
【結局の所言葉の通りであった、大切なのは所属ではなくその人単体ではないのか、と】
【じいっと顔を上げて見つめる、柔らかな双眸を濡らして】


……こそ泥はんやねんな、そういう事にしとかはるんどす
せやったらうちから言える事はあらへんから、うん──
また道端でも逢えたらええな、互いに無事やったら重畳やし

うちは── やっぱり、そういう『特区』とか作ってはる人らを許されへんから
リューシオはんがゆってはった子どもの話もそやし、ヘケメトはんの言葉からも思わはるねん
……出来ればな、リューシオはんにも、手伝ってもらいたかったんやけど


【表情を和らげる、諦めにも似た儚い笑みの色合いをそこに浮かべて】
【──少なくとも彼女はその言葉に納得する、心中はどうか分からないが】
【言われたならばそれが真実、それくらいに甘い人間だから】


441 : 名無しさん :2018/04/20(金) 09:41:32 /xWzuiOE0
>>438

うーん?ひょっとしてみんな知ってるような所だった?
わたし、ちょっと前まで外と隔離されて自由じゃなかったから……世の中のこと、全然わかんないの
あ、でも今は勉強中だから色々知らないことをたくさん知れて楽しいんだけどね

怖い生き物……アーディンさんが?全然こわくないよ?
ていうかさっきからすごく優しいし……

【リオシアは過去について詳細を語らなかったが――詳細をよく覚えていないというのが正しい】
【あるのは機関の施設で過ごしたやんわりとした記憶と、やんわりとした復讐心のみ】
【それ故に、この社会についてはまだまだ疎く、それ故に――】
【恐らく、今までアーディンが少なからず被って来たであろう、社会に蓄積した異種に対する"偏見"も持っていなかった】
【種族、見た目は一切関係なく、ただアーディンと話した印象だけで、優しいと思ったのだ】

わたしがいればどの組織も強くなるならすっごく楽しそうだけど……
でも、でも毎日毎日弾を作り続けるのは嫌かなぁ……心が疲れてたら能力もちゃんと使えなくなっちゃうし
やっぱりわたし自身が強くなって戦いたいよね

【アーディンの話はあくまで例えだったのだろうが、具体的なイメージにはなったようで】
【どこかの工場に繋がれて一日中タングステンを作り続ける自分を想像し、げんなりする】

わたしの仲間はすっごく強いよ!たぶん!
すごい軍隊だし、わたしも訓練がんばって……あ、これも言っちゃダメだった。しーっ

【今の自分が軍属であることをさらっと語るが――】
【あまりに軍人らしくない彼女の様子から或いは冗談と受け取られてもおかしくないかもしれない】

へぇ、オーナーさんってなんだかオシャレな人なのかな?
アーディンさんはどうしてここで働いてるの?

【そして、アーディンがタングステンを調べる間、興味深そうにじっと見守り続け】
【値段を提示されれば――】

アーディンさん、物知りなんだねぇ……わたしの能力なのにこんなちゃんと調べたこと無かったよ

うん良いよ!売る売る!どうぞ!

【タングステンの具体的な相場も知らなかったリオシアは、この値段が高いのか安いのかもわかっていないようだったが】
【どんな値段でも、売ろうと決めていたのだろう――即答した】


442 : アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk :2018/04/20(金) 10:59:48 ZCHlt7mo0
>>441

――――なるほど。そういう事があったのか……なら、今は何もかも新鮮で、面白く感じられるのか?
なら、その「面白い」と思う気持ちを、大事にするんだ……生きているとな、自分の身の回りの事にしか、興味が無くなってしまう……
なんにでも興味を持って、それを自分に結び付けられると言うのは……生きていくうえで、大事な事だよ

【世間から隔絶されていたという事情があるのなら、無理もない――――ようやく、アーディンはリオシアの屈託の無さと知識の曖昧さに納得がいった】
【日々を過ごしている人間にとっては、何気ない、もはや味気ない事物にも、リオシアは新鮮さと空想の飛躍を、飽きる事無く感じている状態なのだろう】
【――――微笑ましくも思う一方で、同時に危ういとも感じる。身を守る事の常識も、彼女には養われていない事の証左でもあるからだ】

――――それはそうだ、優しくしているからな……けど、大人相手に仕事をしていると、こうはいかない……
それに、『魔海』は本当にとんでもない世界だ……悪い妖精だとか、魔法を使ってくる毒虫の大群だとか、そんなのが当たり前にいるからな……

【――――昔からそうだったのだが、アーディンはやくざ者で、仕事上の敵対者は、時に殺す事も厭わない。その一方で、こうした子供たちには、誰隔てなく優しく接する事を心掛けている】
【子供は、未来への宝であり、大人の穢れで接するべきではない――――ある種、それはアーディンの信条とも言うべきものの様だ】
【だが、それは換言してみれば、彼のルールに抵触した相手には、一切の容赦がない事も意味する。そうした顔を、リオシアには見せないが、微かに仄めかして見せて】
【――――魔海も同様。あそこには、弱肉強食の原理が強く根付いている。種族や部族で結託する事はあっても、人間界ほどに、安定した日常など存在しない。それが人外たちの生きる樹海なのだ】

――――だからこそだ、信頼できる相手じゃなきゃ、それを「作れる」とは言わない方が良い……
……まぁ、なんでそんなものを持ってるのかって聞かれた時の、嘘のつき方を考えた方が良いかな……?
――――っ、軍隊? ……なるほど、既にそういうところに所縁があるのか。――――ま、そうでなくてはな……

【流石に、その言葉にはアーディンも驚いた様だった。彼女は1人でか細く生きている様なイメージがあったが、既にどこかの軍に――――国軍とも限らないが――――保護されていて】
【共に訓練していると言う事は、彼女は軍属――――正規ではなく、いわゆる外部協力者扱い――――として過ごしているのだろう】
【――――こうして出歩いているのは、中々勇気のある話だが、そうした大人がそばにいるなら、世情や常識についても、その『誰か』が教えてくれるだろう】
【自分が後ろ暗い日常にいると言う負い目もあってか、アーディンは余計な老婆心で、必要以上の節介は焼くまいと、ポツリと呟いて】

――――まだ40にもなってないだろう女だ。前のオーナーとの間に、あんな人が関わっていたなど、俺でさえ知らなかったがな……
確かに、あのオーナーの元で、なんだか少し華やかな雰囲気になったよ、この店も……
――――俺は、もう20年以上前に、人間界に出てきた時、ここぐらいしか仕事場がなかったってだけなんだよ……
よく蹴飛ばされて、酒を浴びせかけられて、殴られて……それでも、喰らい付いてきた。そして今じゃ、この飲み屋街のボスみたいなものになってしまった……

【『八福尽星』から『Crystal Labirinth』へ。随分と印象が変わったものだが、それも新オーナーが女性だと言えば、納得できるかもしれない】
【大衆向けの、少しガラの悪い酒場と言うのは変わっていないが、それでも少しばかり、店の雰囲気が明るくなったのは間違いない】
【そしてアーディンは、そこの用心棒――――元々は、異種族として弱い立場を良い様に使われていた、丁稚奉公じみた使い走りだったそうだが】
【今では人から『親分』や『旦那』と呼ばれる、荒くれ者たちのボスとなってしまった。リオシアは、そんなアーディンにどんな印象を抱くだろうか】

――――よし、ならこれだ、現金35,000……持って行け……! ……思いがけず、良い物を仕入れられた。また売りたくなったら、俺に声をかけてくれ……!

【金を用意すると、アーディンは封筒に包んだ紙幣をリオシアへと手渡す。形式的には、ある種の闇取引になってしまうのだが、ともあれ商談は成立だ】
【少し高い服でも買える位の金額。水が元手と考えれば、大きい物だろう】

さて……なんなら、食事でもしていくか? 軽い物なら、俺の奢りにしてやるが……

【表のダイニングバーでの食事を、アーディンは提案する。裏の顔として、リオシアとの面識を持つのも悪くなさそうだと、そんな事を考えていたのだ】


443 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/20(金) 12:42:07 QDXAoPJI0
>>433
【握手を交わした後、ミラはメールを打つ。慣れた仕草だ。暗号化のためか、薬指の指輪が】
【赤く輝く。便利な道具だ。たったこれだけの小さなもので、暗号化なんて高度なことができてしまう】


…………は、効果があるかは知らねぇけどな
婦警が“黒幕”のどこの椅子に座ってんのかも分からねぇんだ
あたしらが掴んでるのは今の勢力図だけ────
今あたしらが追い詰められてんのか、そうじゃねぇのかすら分からねぇ
曽根上がポーンなのかクイーンなのかも、どうだかなって具合だ

あぁ────そうそう。あんま勘違いしないでほしいんだけどな、厳島
あたしは何も、義憤に駆られて曽根上をぶっ殺そうなんてわけじゃあねぇ
私怨だよ、それも完全な。…………だから、正義がどうとかはあんま期待すんなよ?


【メールを打ちながら、そう厳島に言う。これだけは伝えておかなくてはいけないと思ったからだ】
【自分がどう思われているのか、どんなタイプの人間なのか。それを味方には知っておいてもらいたかった】
【決して正義心に突き動かされているわけじゃあない。むしろその逆だ。復讐と、苛立ちと、怒りと】
【それらが赤い女を突き動かす。こと曽根上に関しては、だが】
【メールを送信。「さて、後はなんか、話すことはあったか?」冷たい炭酸を喉に流し込む】


444 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/20(金) 13:37:35 6.kk0qdE0
>>443

「婦警の装備を鈴音から聞いた事がある」

【ミラの話を聞いて、淡々と答える】

「先ず、能力者の無力化だが、現状確認されているのは特区とその婦警ただ一人」
「目的が能力者の無差別な無力化で、婦警がポーンならば婦警同様の存在と装備品が多数報告されていてもいい筈だ」
「それが無いと言う事は……曽根上ミチカは何らかの立場にあると予想できる……クイーンでなくとも、例えばナイトやビジョップ、ルーク位には……」
「それに、それこそそんな物は本人の口から直接、戦闘中にでも吐かせればいい、それ位はこのメンバーならば容易だろう?」

【端末を操作し、メールを送るミラ】
【なるほど、指の宝石の発光から、仲間内、所謂チームMへの連絡と予想が出来る】

「なるほど、十分だ」
「寧ろ下手な正義感よりよほど信頼できる理由だ」
「それを言うなら、俺は軍の命令、水の国の為では無く櫻国の為に動いていると言う事になる」
「理由はそれぞれで、十分だろう……」

【そう、ミラに答える】
【口元には笑みを湛えたまま】
【理由はそれぞれだが、正義感のみが理由、と言うよりも信頼における、と】

「いや、こちらからは特には無い」
「今日はすまなかったな、わざわざ、こんな辺鄙な場所まで」


445 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/20(金) 15:52:56 QDXAoPJI0
>>444

…………装備自体は、よぉっく知ってるぜ
なんせ、あたしは直接あいつに襲われてっからなぁ
あれだろ?ビカビカする眩しいペンライトと、のっぺりしたアンドロイド
2発とはいえ、腹に銃弾ぶち込んでも生きてるしぶとさだ。頭潰さねぇと安心はできねぇな

んで────そうだな。吐かせることが簡単かは分からねぇが…………
特区と婦警以外は能力を無力化出来てねぇってのは確かに重要────あぁ


【「だから麻季音か」そう小さく呟いた。一人で何かを納得して】
【ゆるりと席を立ち上がる。後は何をすればいいんだっけ。指輪はだいぶ渡し終えたし】
【曽根上のことはカニバディール達が計画を進めてくれている。特区のことはゾーイや探偵に任せて】
【自分ができることは、残っているのは────】


…………な。あんたさ、“リスト”って聞いたことあるか?


【最後の最後。何気なく言葉を投げる。相手が諜報部員だからと知っての言葉】
【特に返事は期待しちゃいない。知っていてくれれば、儲け物。その程度の質問だった】


446 : 名無しさん :2018/04/20(金) 17:42:09 /xWzuiOE0
>>442

うんっ、毎日新鮮で楽しいよ!時間が足りないくらい!
ひょっとして、アーディンさんって結構おじいちゃんだったり……するの?

【諭すように言われ、素直に返答する。しかしその気持を大事にするということは――まだリオシアにはよく理解できないだろう】
【いつか、リオシアにとっての世界の輝きが濁るようなことがあれば、その時はその大事さに気付くかも知れないが】
【そして、達観したかのようなアーディンの言説に、彼は思っていたよりずっと年なのではないかという疑問がリオシアに浮かんだ】
【というより、ワーキャット──獣人の年齢というものを見た目で判断できる知識と経験がリオシアには当然伴っていない】

大人相手の仕事かぁー
やっぱりお店で働いてると迷惑なお客さんとか来たりするのかな?べろんべろんに酔ったりして……

妖精!魔法を使う虫!わぁー、見てみたいなぁ……
あ、でもやっぱりそこまで言うなら危険なんだよね……死ぬのは嫌だから魔海のこと書いてある本とか、探してみようかな

【リオシアはアーディンの裏の仕事を知らない。ダイニングバーで大人相手の仕事と聞き、せいぜい酔っ払い相手に苦労するくらいの想像しかしてないようで――】
【未知の生命の話を聞いて心を躍らせるが、そこはアーディンの思いが伝わったのか、直接行くのはやめて書籍を探すことにしたようだ】
【もっとも、リオシアの部屋には軍の教本の他に、知識を得るために入手したものの読み終わっていない本が大量にあるのだが】

普段は作ったものを持ち歩いたりしないから、そこは大丈夫かな
前はその辺に捨ててたんだけど、能力の痕跡は下手に残すなって教わってるし……
そうそう、怪我して倒れそうなところを助けてもらったの!運が良いんだぁ、わたし

【オーナーは「まだ40にもなってない」らしい――やはりその言い方だとアーディンの年齢は……?】

20年!?そうなんだ……そんな目にあって……大変だったんだねぇ
えっ、すごい!ボスだったの?かっこいい!じゃあすごく強いんだね!
なんかこのお店に来る時、みんなにチラチラ見られてる気がしてたんだけど、わたしじゃなくてアーディンさんを見てたのね

【ボスと聞いて、かっこよくて強いのだと無邪気に連想する】
【実際の所、腕っぷしがなければ裏社会でそこまでの立場にはなれないだろうし、荒くれ者たちに慕われる人望も必要な筈なので――】
【要するに強くてかっこいいという評価は本質的には間違って無さそうではあるが】

ありがとう!わぁ……自分の能力でお金稼いじゃった
お給料とは違った嬉しさだね
もっと買ってくれるの?だったら水があればすぐに……あ、今そんなにたくさん作っても困っちゃうよね
また今度、アーディンさんが欲しくなったら作りに来るよ!

【自ら「取引」をして金を得るのは初めてなのだろう、リオシアは上機嫌にまたいつでも、と約束し――】

ごはん奢ってくれるの?じゃあ食べたい!
ちょうどお腹も空いて喉も乾いてたんだよね

【食事の提案にも速攻で食いつく】
【それに、アーディンからもっと色々話を聞きたいと思っていた】


447 : アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk :2018/04/20(金) 19:34:29 ZCHlt7mo0
>>446

……良い事だ。楽しさで時間が追いかけてくるのは、幸せな事だよ……
――――あぁ、おじいちゃんと言われるほどの歳ではないつもりだがな……人間には、ワーキャットの外見は分かりづらいだろう……
今年の夏で、49になる。……ま、確かにそろそろ『おじいちゃん』になるのかもしれんな……

【もう少し世間を正しく見る目はあった方が良いとは思うが。それでもリオシアの生き方は、幸せなものだとアーディンは頷く】
【そして、アーディン本人の年齢は――――なにせ獣人と言うところから、そして毛深い体つきと傷の為に歪んでいる人相から、見て取るのは難しいだろうが】
【その年齢は、仮に人間基準で考えても、そろそろ中年を脱して壮年の域に入る年頃だった。「五十にして惑わず」の境地に、足を踏み入れるほどの年齢だったらしい】

――――単に酔うだけなら良いが、喧嘩など始める連中もいる。それでは他のお客が食事も酒も楽しめないし、危険が及ぶ事もある……
そういう連中を、店から叩き出すのが、俺の一番多い仕事だな……そういう連中がいない様に、見張るのとな……

【話が具体的な内容に入っていくのは、仕方がないだろう。リオシアには、少々刺激の強い話かもしれないが――――アーディンは、軽くさわりだけを説明する】

――――そういう事なら、サリード=ヴァルマンウェと言う男の本をお勧めしておこう……奴は、何度も何度も病気みたいに体を壊しながら、何度も魔海に足を踏み入れている……
何冊か、奴の書いた魔海の研究本とか、冒険記と言うのが出ていたはずだ。……たまに俺の店にも来るがな

【魔海の本と言って、アーディンは知り合いの書いた本を思い出した。人間には珍しい、魔海を直接訪れる男の本】
【その人物には、アーディンも好感を抱いているらしく、その人となりを信頼できると、さりげなく付言する】

――――なるほど。まぁ、持ち運ぶにも、ちょっとした手間が必要だろうからな。その場で作って、その場で使うのが一番か……
そこら辺の心得があれば、まぁとりあえずは大丈夫だろう……――――助けてもらったと言うのは、その仲間たちに?

【とりあえず、無邪気なりに必要な心得はあるようで、アーディンも老婆心ながら安心する】
【既に危ない目には遭っていたらしいのだが。ふと気になって、その助けについて尋ねてみる】

……まぁ、な……ここの近所で、余計な騒ぎなんかが起きない様に見回るのも、俺の仕事だ……だから、みんな俺の事を覚えるんだな……
――――見られている気がしたのか?

【つらつらと苦労話をするつもりはないが、確かにアーディンは――――力があり、ある程度の手勢を率いる器を認められている】
【やや如何わしい世界の話ではあるが、確かにアーディンは、人から認められて頭角を現していたのだろう】
【――――リオシアの見られていたと言う言葉には、何か、見られる理由があったのかと、揶揄い半分で問いかけてみて】

――――よし、じゃあ店に出ようか……

【リオシアは食事の誘いに首肯して。アーディンは再び先導して、リオシアと共に店のホールへと出る】

【――――テーブルと椅子の並んだ、ビアホールじみたメインホールと、ややオーセンティックなカウンターとが同居している、不思議な酒場だった】
【テーブルの客たちは陽気に、カウンターの客は静かに、それぞれ酒を楽しんでいる】

……刺身三品とモスコミュール、貰おうか……リオシア、君はどうする?

【通りがかった、ガタイの良いホールスタッフに、素早く注文を伝えるアーディン。次いで、リオシアの注文を待つ――――】


448 : ◆3inMmyYQUs :2018/04/20(金) 21:19:29 adOSLVgQ0
>>298

【 名も亡き者が 】
【 “在れ” と命じ 】

【そして世界は起こった】


【確率的に起こり得ない筈の情報の爆発が起きた】
【その時、その空間の最奥に埋没していた情報アーカイブの全てが彼に味方した】
【天文学的規模の遙か過去そのある一点において無から宇宙が生起した時の記憶と連鎖して】
【彼がそう在らしめたいと願った情報組成の構築に大いなる追い風を吹かせた】


【そして美は顕現した】


【“そこ”はこの147億の間に興っては潰えたあらゆる文明のどれよりも】
【本質的な美的統一を成し、純粋性そのものと化しているが故に歪だった】


【(その美は美しすぎた)】


【──現と虚の境界線を踏み越えていた】
【その罪に対して原理的な罰が起動した】



【(時流の停止)】


【鏡面の如き水面を駆けていた微かな波紋が動きを失った】
【風のそよぎ。光の推進。世界の運行の全てが凍り付いた】


【(“終わり”の開始)】

【あらゆる存在の全てが生起と同時に内包する滅びへの指向性に従って】
【その世界という一連の情報組成は宇宙的な完結という終焉を要求した】

【それは即ち純粋性の完成であり】
【美がより美であろうとし、真がより真であろうとする働きが】
【創造主へ対してすらも『無』であることを要請した】


【 (完成された美のその内側に創造主がいてはならない) 】


【創造主の言霊が、“それ”を至高の美として定めたが故に】
【“それ”以外の必要で在り得べからざる要素の全てが、何物でもない原初の因子へと還った】

【止まった世界の中で唯一動く創世者】
【振り返ればそこには──無──がある】

【人型にくり抜かれた暗黒として情報的な空白が現出していた】
【それは“彼女が存在していた”という虚無だった】


【無音】


【無光】


【無時】



【────────────────】


/ご帰宅↓


449 : ◆3inMmyYQUs :2018/04/20(金) 21:20:17 adOSLVgQ0
>>298

【『25日目』】



【独房の壁は今日も無機質な灰色であった】
【窓のないその部屋は日光の代わりに人工の白色光が彼へ降り注ぐ】

【時刻は朝の6時頃らしいがそんなことはどうでもいい】
【次に意識が覚醒した時、恐らくその心中に大きな何かが居座っているはずである】


【虚無感か、喪失感か、はたまた別の名称で呼びうる何かか】
【冷静に分析するとするなら、それは最も大事な概念か記憶かを忘却してしまったような感覚だろうか】

【何を忘れたのかは他人からは分からない】
【もしくは何かの夢見の後で、そんな気がするだけなのか】


【そんな時分】
【見回りの看守がやってきて、窓から彼を覗く】

【彼が寝ていれば起きるように命じ】
【そして起きれば、もしくは既に起きていれば】
【看守はふとこのようなことを彼に向けて呟くだろう】


【 「最近、 “  ” を描かないんだな」 】


【何と言ったか、それは不明瞭だった】
【看守の発声が悪かったのか、何かの雑音にでも阻まれたか】
【確かに口にされたはずの言葉が、彼へ届く前に消失してしまう】




【 「……? 大丈夫か?」 】


450 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/20(金) 22:01:43 6.kk0qdE0
>>445

「……」
「何のリストの事だ?少なくとも該当するような物に関しては、知らんな……」

【ミラの質問はある意味予想も出来た事だ】
【しかし、最も現状考えたくない話だった】
【鈴音には、その在処、存在まで辿れないように、匂わせている程度】
【だが、それすら……】

「すまない、どうにも質問の意味が解らないが、そのリストとやらは此方の掌握している情報には無い物だ」

【ポーカーフェイス】
【表情の無いままで、でそう答える】
【最も、張り付いた笑みすら消えている為、勘ぐられる要素はあるのだが】
【この場で取った選択肢は、しらを切り通す事】
【自分は知らぬ、存ぜぬ、と】


451 : ◆3inMmyYQUs :2018/04/20(金) 22:11:59 adOSLVgQ0
>>437

【果たして扉が静かに開かれた】
【落ち着き払った風体でそこに足を踏み入れるのは、】
【グレーのスーツを着こなした──男、であった】

【それも中年の、白髪に碧眼】
【無駄口を良しとせず寡黙に引き結んだ唇は一言も発せず】
【現場を検証する刑事のような眼差しが店内を一度薙ぐと】

【男は黙って歩みを進め、厳島の隣の席へ腰を下ろす】

【「ジントニックを」】

【渋みのある声が低く告げる】
【──そこでようやく“彼女”は、自身の纏うホログラフを解いた】

──良いお店ね。厳島さん。

【透けて消えゆくホロ粒子の奥から彼へ声を掛けるのは、ダークのパンツスーツを着た年若い女性】
【緩く波打つ赤毛の彼女、黒野カンナは事前の打ち合わせ通り、そこに現れた】


【──ここ数日の浅い睡眠、日中も胸を締め付ける心的緊張、頭に居座る焦燥感、】
【それらから来る身体的ストレス反応の全てをナノマシンの整調機能によって掻き消してきた彼女は】
【口元に柔らかい微笑を作り、真っ直ぐな眼差しで厳島を見る】

【一言二言、挨拶も交わすだろうか】
【しかし彼女は言葉少なに、「それで、例の件は」と、情報交換を促すだろう】
【注文した飲み物へは、口もつけずに】


452 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/20(金) 22:31:25 QDXAoPJI0
>>450

…………。……………………ん、そっか

いや、悪ぃな。変なこと聞いちまってよ
知らねぇんならそれはそれでいいんだ


【半笑いで出口へと向かう。もし知っていたとしても、素直に言うタイプじゃなさそうなのは】
【なんとなく分かっていた。軍人だし、そんなものだろう。結局やることは増えもしないし】
【減りもしない。リストを探さなければ。黒幕の連中がそれを手にするよりも早く】


んじゃ、またな軍人さんよぉ。飲み物ごっそーさん
────…………あぁ。それと、な


こういう場所でのポーカーフェイスは、逆効果だと思うぜ?
表情隠すのが苦手だったらグラサンでもつけることをオススメしといてやるよ


【ぎゃは。そう嗤って、彼女は店を出ていった。何を悟られたのかは分からないが】
【何かを彼女が得たのは、事実だった。仮に彼女を追って席を立ったとしても】
【通りに出てみれば、赤い女などどこにもいないのだ。人通りは少ない夜道。彼女のような格好は】
【どうやったって目立つというのに。赤の痕跡すら残すことなく、彼女はいなくなっていた】

/このあたりでしょうか、お疲れ様でしたっ


453 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/20(金) 22:46:52 6.kk0qdE0
>>451

「ねえちょっと……」
「……」

【店に入って来たのは、見ず知らずの】
【そして予想だにしなかった人物だった】
【渋い空気を纏う、そんなある意味このBARと言う空間が良く似合う男性だった】

「ちょっと、お客さん……!?」

【そうバーテンダーのオカマが言いかけて、そして息をのんだ】

「ホログラムか?偽装技術も飛び抜けているな……」

【そう、厳島はホログラムを解いた女性、黒野カンナに言った】

「全く、仲間まで食えないわね、ジンはビフィーターで良いのかしら?」

【そう言いつつ、律儀に注文のジントニックを作り出す】
【それはこのオカマの性格的な部分だろう】
【やがて】

「疲れているようだな、大丈夫か?」
「……先ずこちらから話す前に、前提を伝えたい」
「ここからは、綺麗事で無い戦いになりそうだ」

【正義や、忠義、憂国の想い、そう言った一般に賛美されるであろう話ではない】
【もっと汚く、卑劣な情報戦、諜報戦の世界になる、と前置きして】
【やがて、ウィスキーを煽る】

「順を追って話す、先ず俺の部下が先だって鳴神と言う人物と接触した」
「彼によれば、UTのセリーナがレヴォル社に身柄を拘束されているらしい、近々奪還作戦が実行される様子だ」
「そして、さらに先だって、市街地にて円卓サイドの機関員カニバディールと我々櫻国海軍陸戦隊、そして黒幕サイド機関員№3カチューシャが交戦」
「これは公式の記録にもある情報だが、この件に不振を感じ独自に調査を開始した」
「そして、偶然知り合っていたUTの構成員である、レオーテと言う人物が彼の上司と語っていた人物と共に対黒幕の戦線を組んでいるとの情報が入り、接触した」
「レオーテ、そして、上司の名は手配中の人物『邪禍』、情報を確認すると、どうも円卓側が資金提供し各方面から無差別に対黒幕の組織を結成した様だ」
「資金提供した本人は『ジルベール』これは本人も認めた」
「そして、櫻国海軍諜報部はこの戦線に一時的に参加する事で協力体制を形成した」
「無論、こちらから対円卓の情報を漏らすつもりは無い、あくまで対黒幕の為の戦線だ……」
「さし当たっては、黒幕『婦警、曽根上ミチカ』の拘束あるいは殺傷の目的で共同する事ととなった」
「メンバーの中にはカニバディールや、そして白神鈴音やUTの人間も幾分か絡んでいる、UTが円卓側に付いた可能性を示唆しているが、はっきり言って不明だ」
「そして、もう一つ、二つ細かく聞きたいことがある……が、一応ここまでの話は大丈夫か?」


【一度に話したが、話は理解できただろうか?と】
【一呼吸おいて、カンナに向き直り聞いた】
【邪禍、レオーテ、カニバディール、ミラ、鈴音、のメンバーが現状確認されている円卓サイドの対黒幕戦線】
【これに櫻国海軍諜報部は加担する、と】
【むろん一時的かつ、こちら側からの黒幕以外の情報提供は無し】
【呉越同舟の関係、いつ敵に回り戦うか解らない関係性、それをお互いが認め合った上で】
【だからこその、汚い戦いになる、と】
【そう語る厳島の顔も、幾分疲れている、と言うよりも、嫌気の様な物を感じるだろう】


454 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/20(金) 23:17:28 6.kk0qdE0
>>452

「サングラスは趣味でないが、参考にはしておこう」

【そう一息ついて、一笑して店を出るミラの姿を見送った】
【表情は、影が落ちており、その目は何を考えて居るのかは、不明だ】
【だが、少なくとも明るい事や、良い事では無い】
【さし当たっては、曽根上ミチカの件そして】

「(もう一度、UTに向かわねばなるまい……)」

【この先への不安が、闇と同化しているようだ】
【通りは所々灯が落ちている】


455 : 名無しさん :2018/04/20(金) 23:49:58 5w/a9BZQ0
>>447

49歳かぁ、じゃあおじいちゃんじゃなくてお父さんって感じだね!

【アーディンの年齢は老人と呼ぶには若いものだった】
【もちろん、リオシアよりはずっと年上だったが】

ふんふん、つまり店とお客さんを守ってくれてるんだね、やっぱり強いんだぁ

【用心棒としてのアーディンの働きには素直に、頷いた】
【さわりだけを説明したのは正解だっただろう。シンプルにちゃんと納得したようだ】

サリード=ヴァルマンウェ……ふーん、冒険記って面白そう!
本屋さんで探して買ってみる!何度も体を壊して挑戦するなんてかっこいいね
よっぽど魔海が好きなのかな

【初めて聞く名前だったが、その名を心に留め――会ったこともない人物の挑戦心に感服した】
【研究本よりは冒険記のほうがリオシアにとってはキャッチーだったらしく】
【購入意欲が高い】

うん、水があればどこでも使えるのはこの能力の良い所かな?
それに変化させて数分くらいの間ならわたしの意志で水に戻せるし……
あ、その売ったやつはかなり時間が経っててもう戻したくても戻らないから大丈夫だよ

そう!私を助けてくれた人たちが今の仲間!助けてくれて、無職だった私をそのまま誘ってくれたんだ
しかも見つけてくれたのはお医者さんだったんだよ!すごい幸運だよねー

【ふふん、と】
【今の自分の仲間たちを誇るように、幸せそうに語った】

んー、わたしはそんなに人に注目されるタイプじゃないし、変な金属を抱えてたからかな?えへへ

おおぉ、みんな楽しそうだねー

【ホールに案内されれば、例によって興味深そうに周りをきょろきょろと見回し】
【楽しげな雰囲気の客たちを見てると、今はこんな平和な店で喧嘩が起きることは想像できない】

(あ、やっぱりお魚が好きなんだ)

【すぐに刺身を注文したアーディンを見て、猫を連想してそんなことを思ったが】
【猫扱いを嫌っているのは最初に聞いていたため、口には出さなかった】

わたしは……肉!お肉が食べたい!できれば牛肉!
それと、えーと何か甘い飲み物!

【割と遠慮なく食べたい物と飲みたい物をリクエスト】
【詳しいメニューはわからないため、あとはお任せだ】


456 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/20(金) 23:54:40 BRNVt/Aw0
>>440

【眉をひそめ、そんな事は証明出来ないけど、と口にする相手】

【それでも、何者であったとしても自分に大きな変化はないのだと】

……分かった
今はお前の言う事をそうだって飲み込んどく
易々と口に出しちゃなんねぇ"何か"かもしれねぇからな
信じるしかねーよ
【その言葉に頷き、今は貴女の名乗りを鵜呑みにしておこうと答えるリューシオ】

【(自分のように)そうおいそれと口には出来ない肩書きがあるのかもしれないから、と付け加えて】

……うん、また何処かで会えたら、な
まあ手伝ってって言われても俺みてーなこそ泥に何が出来るか分かんねぇけどさ
【諦めにも似た色の儚い笑みを浮かべた彼女に、はは、と軽く笑って答え】

……でも、な
別に信じてくれなくても良かったんだぜ?
名前も、その在り方も、何もかも全部、ぜーんぶ嘘だって
そう思ってくれたって良かったんだぜ?俺
【そっと手を伸ばして、可能ならばその頭をくしゃりと撫でて──仮に退けられたなら行き場のない手をふと戻すのだが】

【そうというのも今まで誰かに信じて貰った事なんてごく僅かで(その信用すらも嘘なのかもしれないけど)他人に信じられ慣れていないものなので、どうせ信じてくれる訳がないのだと常に予防線を張っていて】

【そうして立ち去ろうとするのだが】


──なあ、文月

お前はこれ以上追うな
そういう事は"俺みてぇな奴"に任しとけば良いんだよ

まあ、子供の事も嘘、かもしれねぇし、な?
【ふと立ち止まって口にするのは、これ以上この件に関わるなという事】

【普通の女性なら、ただの正義に燃えるだけの後ろ楯のない娘ならばと仮定して危険から遠ざけようとして】

【"自分みたいな人間"──彼が最後まで口にしようとはしなかった彼の本来の立場なのか、それとも身寄りのない孤独な人間、という意味なのか、それは受け手に依るのだろうがそういう人に任せておけ、などと口にして】

【最後にまた予防線。能力を持ったが為に棄てられた子供の事すら嘘かもしれないぞ、なんて告げて】

【これでもう大丈夫。少しは"それ"らしくなれたかなあ、などと心の中で笑って】

【そうして今度こそその場を去るのだった】



/この辺りでしょうか
/数日間の絡みありがとうございました!


457 : ◆3inMmyYQUs :2018/04/21(土) 00:09:43 adOSLVgQ0
>>453

これだけしてても、万全とは言えないけど。相手が相手だけに。
──ああ、それでお願いします。

【伏し目がちに微笑む彼女】
【公安からの厳重なマークを、その内部にいながらして躱すのは当然ながら至難を極め】
【いくら電磁光学的な偽装を施したとは言え、それがどこまで通用するのかは最早誰にも知れなかった】

【そんな危険を冒してでも接触する価値のある男、厳島命】
【彼に難なく自身の疲労を見抜かれ、またぞろ自嘲気味に笑みを零すが】
【信頼できる仲間に会えた安堵故か表情を緩め、「大丈夫よ」と目を見て返事をする】

【そして彼の話にじっと耳を傾ける】

【ストレートで行かない戦いなのは既に元より覚悟の上で】
【彼のもたらす情報を、脳内で体系立てて整理していく】

【──内心、衝撃の連続であった】

【あのUTの長たる『セリーナ』が拘束されていること、】
【円卓側の六罪王『ジルベール』との直接接触、】
【そして櫻国海軍と『円卓』との共同戦線】

【どれを取ってもずしりとのしかかるような重みを感じる】

【ただ、その中にあって、唯一彼女の中に仄かな明かりを灯すものがあった】


……鳴神──


【ぽつり、何か思い深げに反芻した】
【──義勇。その名が彼女の脳裏に想起される】
【いつかの列車でほんの一時、道中を共にしたあの旅人なのであろうか】

【自らの行く末を追い求めていた彼が、この大きな闇の端に触れている】
【そのことに片時、意識が脇道へ逸れるが──それは厳島の顔を見ると同時、再び焦点を合わすべき本筋へと戻され】


……うん。関係性は把握しました。
続けて、聞かせて下さい。


【彼の苦々しい表情の奥にあるであろう思いを重々感じ取りながらも、先を促す】


458 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/21(土) 00:34:02 6.kk0qdE0
>>457

「衝撃の強い話なのは重々承知しているが……」
「対黒幕戦線に関しては、純粋に円卓と言う訳でもない、元より呉越同舟なのはメンバー自身が最も自覚している部分だ」

【カンナの心的、肉体的疲労を気使い乍ら、話を進める】
【近くにあるインテリア目的だろうか?チェスボードと駒を手に取りながら】
【そして】

「私は直接の面識は無いが、鳴神と言う人物を知っているのか?」

【祖国では鳴神一刀流、として名の通った苗字だ】
【カンナの様子から、知人なのだろうか?と】
【そして……】

「先ず、先だって個人的に戦闘となった人物が居る」
「トゥイーギ=ラミレズと本人は名乗ったが、何らかの改造あるいは能力実験の疑いが見られる」
「本人の言葉も、それを肯定していた」
「そしてトゥイーギ=ラミレズは『公安の嵯峨野』と言う名前を口にした、調停官と名乗っているらしい」
「何か、心当たりはあるか?」

【調停官、公安の嵯峨野と言う人物が、裏で何かの人体実験】
【それも能力に絡むもの、これを行っているらしい……】
【どうにも、この件は一連の事と無関係とは思えない、と】

「そして、こちらも部下からの報告だが」
「黒幕側と思われる、№3カチューシャ、彼女はどうやら、これも恐らく黒幕側だが誰かに命じられて行動している様子だった」
「その際に『OMERAS』と言う単語を残している……何か知っているか?」

【重ねて、そう聞いた】
【上記二つの情報は、果たしてカンナの知識の中に引っかかるだろうか】
【最も、あまりに断片的に過ぎる為、知らなくとも仕方がない話だ】
【そして、厳島が弄るチェスの駒は、対峙する黒と白、黒幕と円卓の様相を示し】
【それぞれのトップ、黒のキング:ロジェクト、白のキング:ジルベール】
【配下に、黒のナイト:カチューシャ、黒のルーク:曽根上ミチカ】
【それらと対峙して真ん中に置かれるのは、白と黒ごちゃ混ぜのポーン達、これは自分達とその周辺を指している様だ】

「カンナ、君は何か報告はあるか?」
「そう言えば件のドローンの件もあるが……」

【まだ聞いていない新しい情報】
【ウィスキーを少し含みながら、そう聞いた】


459 : ◆3inMmyYQUs :2018/04/21(土) 02:05:06 adOSLVgQ0
>>458

……うん、ちょっとした知り合いです。
列車で、駅に着くまでの間、少し話しただけの──

【そう、たったそれだけ。深く話はしないだろう】
【互いの旅路の中で偶々交差した点のような接触】
【──だけれども、その些細な繋がりが今は少しだけ彼女に勇気のようなものを与えていた】

【続く厳島の口から出るワードを、彼女は眉を潜めて聞いた】


……嵯峨野……
……『OMERAS』……


【反芻してから物憂げな表情でやや押し黙る彼女の様子は、】
【それらに関して何も有力な情報を有していないこと、】
【そしてそのことに対して無力感のごときものを覚えていることの証左だった】

【それを観念して示すように、ゆっくりとかぶりを振る】

【──自分は『ゼロ』として敵地・公安の只中にいるのに、】
【核心へ至るような情報は未だ何も掴めていない。そのことが歯痒かった】

【やおらチェス盤へと視線を落とす】
【展開される盤面の中で、自分はどのマスへ動いてもすぐにつまみ上げられる存在】
【もっとも『死に駒』に近い自覚はあった。しかし彼女にとってそれが全てを諦観する理由にはならなかった】


……そうね、厳島さん達のお陰で、『特区』について分かったことはいくつかあります。


【厳島からの促しを受けて、彼女は懐から一枚の白いチップ様のものを取り出した】
【それを机上に置き、指で軽く押すとそれは拡張し、何枚かの書類の束へと変貌した】
【近年開発されたという圧縮用紙のようだった】

──『特区』のインフラ構築に関わったのは、民間の大手各社ってことになっていますけど、
その一覧の中にはない、けれどもほぼ確実に中核に関わってるいくつかの企業が分かりました。

……詳しいデータはこっちの書類にまとめてあります。
今は名前だけ、先に伝えておきます。


『ルハニア社』、『オーウェル社』──です。


【その二つの名前について明かした後、その概要について要点を伝えるだろう】


【『ルハニア社』】

【水の国の大手医療機器開発メーカー】
【元は遺伝子工学研究所から出立したが、現在はバイオ医療・ナノテクノロジー・AI・義肢と人工臓器の開発など】
【年々増加する収益の増加に伴って、手がける領域と規模を拡大していった】

【何より特徴的なのはその秘密主義的体制にあった】
【この社は近年の水の国社員年収ランキングにおける上位の常連でありながら、】
【マスメディアには全くと言っていいほど露出していない】


──……『特区』のドローンやドロイドを“設計”しているのは、ほぼ間違いなくここです。


【ビジネス誌の情報によれば、この社は自社の製造プラントを一切持たない】
【ルハニア社において行われているのは全て研究と設計のみ、実製造はほぼ全て社外で行われている】
【それは対外的には、徹底的な維持コストの削減、ニッチなニーズのみに的を絞った少数製造、柔軟かつ高速な納品速度を実現するためだとか謳われているが】
【それを隠れ蓑にして、『特区』に用いられるドロイド類のパーツは全て『ルハニア』の名の付かない、例えば自動車メーカーなどの製造タグを付けられていたのだった】

【重要な手がかりを手に入れつつ、それでも彼女が明るくない面持ちなのは、】
【その根が複雑に張り巡らされているという事実を認識しているからであった】
【製造プラントは、実質世界中に散らばっている。どれか一つを潰したとて、恐らく何の痛手にもならない】

【異能者を刈り取る機械兵器が、政府の公認を受けて、今こうしている間にも次々と生産され続けている】
【その兵力を総集した時に何が起こるのか──その決して空想では留まりえぬ想像が彼女の心胆を何よりも寒からしめていた】


──……そして、その『ルハニア』と密な取引記録があるのが、『オーウェル社』


【これもまた謎多き企業であった】
【『ルハニア』との関連は濃厚ではあったが、その内部情報までは掴むことが出来なかった】
【しかしこの社が手がけるIT分野において、『ルハニア』と同様に何か恐るべきものを開発しているのだとしたら】
【医療と機人設計の『ルハニア』とのシナジーにおいて何が成されるのか、最早想像することさえ躊躇われた】


【──そのような内訳をひとしきり話せば、彼女はそこでようやく飲み物へ口を付ける】
【アルコールの味など楽しめるような心境ではなかったが】


460 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/21(土) 02:32:13 6.kk0qdE0
>>459

「そうか、いや、気にするな……情報を君に伝えられただけで意味のある物だ」

【随分と今日の彼女は悲観的で居る】
【そう、少々気になるように感じて】
【やはり、疲労だろうか……】
【そして、彼女の手の内を見ながら、盤上に白の駒を二駒足す】
【白のナイト:カニバディール、白のビジョップ:赤崎桐子】
【そして……】

「ハルニアと……オーウェル!?オーウェルと言ったか!?」

【その圧縮用紙を受け取り、内容を読んでいく】
【カンナの話が、その二社に及ぶと……】
【オーウェル社、その名前には聞き覚えがあった】
【UTの初瀬麻希音と彼女の傍らに居たアンドロイド、ゾーイ】
【確かゾーイは、オーウェル社の製造だと言っていた】
【繋がって行く、繋がって行くのだ】

「特区のドローンとアンドロイドを……」
「つまり、その二社は……黒幕の……」

【冷や汗が伝うのを感じた】
【そして、片方のハルニア社は医療、バイオテクノロジーの雄】
【歯車が、カチリと嚙み合った】

「曹長、私の部下が、特区に潜入した者でその能力を奪われた者と接触した」
「こちらも、近く再度潜入を試みる様だ……」

【一体、特区で何が起きていると言うのか?】
【いや、誰もが想像し得る、予測が可能な事だ、しかしあまりにも、あまりにも悍ましすぎる現実であり、口にするのも憚られる】
【動揺は隠せない……】

「……解った」
「情報を、ありがとう……あのドローンからここまで引き出すとは、流石だ」

【嫌な渇きを覚える喉を、こちらも酒で潤そうと】
【最も、もはや味など感じなかったが】
【それは、恐らくカンナも同じか】

「そう言えば、もう一人、この国の陸軍の軍人でアヤ大尉と言う人物が手を貸してくれるそうだ、協力したい、と」
「以前から交友のある人物だ、無論信用は出来る」
「近く、接触の機会も来るだろう……」

【悲観ばかりでもない、仲間も着実に増えている、と】


461 : 1/3 ◆3inMmyYQUs :2018/04/21(土) 04:37:59 adOSLVgQ0
>>460


──、……!
知ってたのね、厳島さん──


【『オーウェル』に対して反応を示す厳島に、彼女は目を丸くする】
【彼が集めた情報のお陰で、また一つピースが繋がるのを実感する】

【事は僅かでも確かに前進している】
【彼が口にしたもう一人の協力者──アヤ大尉なる存在を聞いた時も】
【それを確かに感じ取り、彼女は「分かりました」と短くしかし芯を込めて言った】


【──それらが確かに喜ばしいことであることに疑いはなかった】
【しかし如何なる訳か、彼女の表情はいまだ曇りを抜けきらなかった】

【グラスの氷がからり、と揺れた】


【ややあってから、彼女は礼を言うだろう】
【そして幾方面に諜報を重ね、尚且つ無事に帰り情報を提供してくれる彼の】
【労をねぎらいつつ、今まで挙がった情報の整理や詳細などを話し合っていく】

【そうした一連のやり取りが一段落した後、彼女はぽつりと零す】


────……これで、いいのかな。


【机上を見つめ、唐突に意味深な呟きをした彼女は】
【やがてゆっくりと顔を持ち上げ、厳島へ視線を据えるだろう。そして】


厳島さん。
少し、聞いて欲しいことがあるんです。


【空気の色がその時、少しだけ変わる】
【勇壮とは言い難かったが、さりとて悲観的でもない】
【プラスでもマイナスでもないゼロのごとき境地の声色で、彼女は話し出すだろう】


462 : 2/3 ◆3inMmyYQUs :2018/04/21(土) 04:38:40 adOSLVgQ0
>>460


──前に少し、『西島当護』という警部について話をしたこと、覚えていますか。


【かつてディミーアがその確保に立ち会った、公安一課の『エース』と目された人物】
【『円卓』へ抗するため官僚を襲撃した事件において『内乱罪』の容疑を掛けられ、】
【現在は裁判を待つ身として拘留中ということになっている、司法下においては重罪人】

【ただし実際にはその身柄は『ゼロ』の司令官たる円 嗣星という人物の工作によって、】
【裁判までの日程を引き延ばすと共に、西島自身の所在地を攪乱させ続け】
【彼を暗殺を目論む者の手から匿い続けている──】

【彼女は『正夢』を併用しつつその状況を説明するだろう】

【とはいえ、厳島にとっては会ったこともない人物の話だ。明確なイメージがなくても無理はない】

【そんな人物をわざわざこの場で持ち出した理由】
【それは、『ゼロ』の存在意義に関わることを話すためだった】


……私、ある時からずっと考えてたんです。

西島警部はどうして、逃げようとしないんだろう……って。


『黒幕』と『円卓』の間にあって、
この国の『法』はもうほとんどまともに機能しないことが分かっているはずなのに。
命さえ狙われているんだから、円警視正の力を使って逃げてしまえばいいのに──


【何なら早々に刑を確定させ『三課』に行くという手立てだってあったはずだ】
【しかし彼らはそのどれもをしなかった。ただ司法の下に裁判を受くという一点から揺らがなかった】
【その意図は、そこにある意思はなんなのか──彼らは語らなかった】


──どうして。
今は守る価値があるかも分からない『法』に、それでも従おうとするんだろうって。


【その意義を、『ゼロ』は一人問い質そうとしていた】


463 : 3/3 ◆3inMmyYQUs :2018/04/21(土) 04:39:09 adOSLVgQ0
>>460

【──今、様々な能力者達が各々の思惑と信念の下、『黒幕』を打倒するために戦っている】
【その中には、正義の志を持ちつつも、世間からそう見做されることを放棄する覚悟を持ってまで、】
【即ち、法を逸脱する悪になってでもその正義を遂行しようとする気高い者達が存在している】

【『魔制法』の可決を前にそれでも尚立ち向かうと決めたディミーア・エルドワルも然り】
【嫌忌を帯びながらも『円卓』との共同戦線を張る覚悟を決めた厳島命も然り】
【彼女自身も、悪逆者の汚名を被ることなど一向に厭わないつもりだった】
【他にも、彼女の知らぬ者達がきっと存在しているのだろう】

【そしてそのような者達は、闇を打ち破るためには無くてはならない存在】
【それだけは確かに疑いようがなかった】

【──しかし】
【そこで何かが──論理的に言語化しがたい何かの感覚が、彼女に告げたのだった】


【それで十分なのであろうか──と】


【幾重にも情報的な攪乱を弄し、幾度でも人の心理の裏を掻かんとしてくる相手を前に】
【いかに『正義』と『武力』を結集しようと、果たしてそれで本当に『黒幕』の心臓を突けるのだろうか、と】


【──集った異能者達が持つ意思の力と、】
【いかな逆境さえ撥ねのけて勝利を手繰り寄せる希望の力、】
【その確固たる強大さを彼女自身はその目で確かに見てきた】

【彼女が生まれる前も、生まれた後も、】
【目にしたところでも、そうでないところでも】
【これまでにこの世界は、幾多の脅威から守られ、救われてきた】

【故に、この大いなる闇への戦いを覚悟した者達の力を、僅かたりとも過小に思ったことはない】

【しかし──それだからこそ】
【『黒幕』もまた、この世界が持つ光の底知れぬ力を知らぬとは、到底思えなかった】
【光が大きくなるにつれ、闇もまた膨れあがり、その奥で何かがほくそ笑んでいるのだとしたら】


【(────……私たちは、まだ何か見落としてるんじゃないか)】


【車輪の一つは確かに今、生起しつつある】
【だが、そのもう片輪は──敵の術中によって欠落している、もしくはそうなりつつあのではないか】

【その欠落とは即ち──】
【──『法』、なのではないか、と】
【彼女にはそのように思われていて──それらがそっくりそのまま、厳島へと『正夢』を介して伝えられるだろう】


【彼女は再び口を開く】


────……何が正解なのかは、分からない。

けれど一つ言えるのは……
『法』の外に出る覚悟を持ってまで戦う人がいるのなら、
『法』の内に踏みとどまる人間もまたいなくちゃいけないんじゃないかって……


【「だから……私たちはそれをする。──『法』を、取り戻す」】


【それが、彼女が微かに見いだしつつある『ゼロ』の意義だった】


【──『ゼロ』がこれから始めようとしているのは、】
【今後この大いなる闇へ立ち向かっていくであろう市井の能力者達、】
【そこに宿る光を決して無為にしないための戦いであった】

【あるいはそれは、力を携えるべき者達の袂を分かつ可能性を孕んでいた】
【それこそ、厳島が初めに断じた『綺麗事』そのものであるのだろうから】
【そんなもので国が、世界が救えるものだろうかとの反論があって不思議ではない】

【故に、厳島命と今後どこまで足並みを揃えられるか分からない】
【それでも私たちは同盟し続けられるだろうか──と】
【その静かな眼差しは尋ねていた】


464 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/21(土) 05:16:55 4pGR8cs60
>>456

【頭を撫でられ心地よさそうに目を細める、雫の様に濡れた瞼の色を映して】
【言葉を探した、万華鏡の如く移り変わる貴方の表情を探して】
【──ううん、と首を振る。──はっきりと、伝える様に】


……そんな、思わはらへんよ、うちは信じる事しかできへんから
リューシオはんの言葉をそっくりそのまま、信じはるよ
それで裏切られてもしゃあないどす、そう思ってはるんよ

信じて生きはる方が、疑って生きるよりずっとずっとええんどす


【微笑みの色が鮮やかに映る、波打つ頬の色にも似て】


もう、そんなん言わはったら余計に、気になります
……でも、なるべく、守らはることにします
気をつけておくんなし、うちも気をつけるさかいに

なぁ、また会えるやんね、きっと──


【見送る言葉の背に届く、いつかの木漏れ日がごとく】


/お疲れ様でした!


465 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/21(土) 05:20:05 6.kk0qdE0
>>461>>462>>463

「……」
「……そうか」

【それは、切なる告白と】
【そして、切なる不安だった】
【思えば当然の疑問かも知れない、思えば過ぎたる感情だったのかもしれない】

「私は、いや我々は諜報員であって軍人、それも他国の軍人だ」
「本来君達、この国の治安維持組織にとっては敵だ」

【これは紛れもなく悲しい事実で前提だ、そうと告げて】

「三権の分立、法の下の平等、これらは既に死んだと考えられるだろう」
【「こと、西島警部逮捕の一件以来だが……」】

【黒幕と円卓、この間で先ず政治が取り込まれ、そして次は司法】
【この次の部分】
【我々は、あるいは誰もがこの司法を忘れていた、目を向けていなかった】
【厳島命すらも、それは盲点だった】
【あるいは、盲点を作らされそれに乗せられていた、とも】
【正夢も交えて、こちらも返答していく】

【「司法の清浄化、その算段は?」】

【そして】

「そもそも、前提が異なるな、我々海軍諜報部は、初めからこの国では国際法犯罪者、法の外の人間だ」
「思うのだが、法の外と内、この両面は切っても切り離せない、光と影と言うなら言い得て妙だ」
「いつまでも、と言う訳には勿論行かないが、我々は出来る所まで貴官達と協力関係を持ちたいと考えて居る」

【ただし、それはいつか必ず来る袂を分かつ瞬間を示唆している】
【それは仕方のない、仕方のない事なのだ】

「君達ゼロと協力者は法の内光の面から、我々海軍諜報部は法の外闇の面からこの国をあるべき形にけん引する」
「そこには、矛盾は無い筈だが?」

【一杯の水をもって、これを善か悪かと論ずる事は不可能だ】
【水そのものは、双方の側面を帯びている、全でもなく悪でもない、あるいはその両方でもある】

「何が正解なのか解らないと言ったな、実は、私もなのだ……」
「どんな航路が正解かは私も解らないのだ、どんな手段があるいは私のこの行動すらも、実は敵の術中であり、全ては間違いだったと言う事もある」

【自嘲気味に話した後、やがてカンナに向き直り】

「それでも貴官の意思は受け取った、貴官の想いだけは、間違っていないと信じよう」


466 : ◆3inMmyYQUs :2018/04/21(土) 06:21:48 adOSLVgQ0
>>465

【黒野カンナは厳島命の言葉をただ黙して受け止めた】
【本来であればその外交上交わることのない線】
【そしてそれが確かに今確固として結ばれ、共に同じ舳先を見据えている】


【(──嗚呼)と思った】
【その時、彼女は直観した】


【あの西島と円という人間達は恐らく未来を見ていた】
【『法』が人を守らない未来ではなく、人が『法』を守らない未来を】

【そしてきっと彼らは信じていた】
【意思ある者たちが、そのどちらの暗い未来も打ち破り、必ずや『新世界』を作り上げるだろうと】

【その礎を、今後戦いに赴く者たちに託そうとしているのだと】


【だから恐れず戦えと教えられているような気がした】
【男達と若人の間に一切の言葉はなかった、しかしその時それは確かに伝達された】

【そうして黒野カンナが受け取ったものは、その眼差しを通じて厳島命へと託されようとしていた】
【ただ一点、真っ直ぐに真のあるべき姿を指向する零の意志として】


────手はあります。
今ならきっとまだ遅くはないはずですから。


【司法を取り戻す。そこに至るための道筋と希望は微かながら見えている、と彼女は言った】
【それは厳島命の往く航路とは異なっていようが目指すものは同じ光だった】
【矛盾はない、そう告げた彼の勇壮な言葉がそれを彼女に確信させた】


……──ありがとう、厳島さん。


【正解など分からない、けれどだからこそ手を取り合いより正解に近いものを探りに行く】
【その大いなる旅路を共にする仲間として──彼女は再び彼の有難みを口にする】
【それは一国の諜報員という立場を抜きにした、ごく個人的な意思の表示だった】

【そうする時の彼女の相貌は、光の芯を内包した揺らがぬものとなっていた】







【────そうして】




【やがて夜は更けて、また新たな陽が昇ろうとしていた】
【その日差しが照らし出すのは、希望か、あるいは】

【知る者はなく、ただ歩み出す者だけがいた】


/ではこんなところでこちらは一旦締めさせていただきます。
/夜通しお付き合いいただいて本当にありがとうございました。

/イベントへの導入はまた後ほど……


467 : ◆3inMmyYQUs :2018/04/21(土) 07:14:27 adOSLVgQ0


【その後、魔素痕跡を残さぬように特殊開発された転送術式により、】
【黒野カンナは程なく『ゼロ』の極秘捜査本部へと帰還した】

【ふう、と溜息が宙に溶け出す】

【相も変わらずそこには無機的な静寂が満ちている】
【ただ某かの分析の進捗を映し出すいくつかのディスプレイと】
【周囲に配された箱状や球状の精密機器群が、微細な唸りを上げ続けていた】

【彼女は電算制御式のエルゴノミクスチェアに腰を沈めると、】
【脳波操作アシスト付きの入力デバイスに触れ、出立前に中断していた情報分析を再開した】


【──まだ大いにやるべきことがあった】
【身動きの取れない『死に駒』だとしても】
【この肉体と核/Ghostがそこにある限り打つべき手はある】


【──そして、もう一つ】
【今分析しているデータが誤りでなければ、『彼』は恐らく、あの場所に────】



【 (ず きン) 】


【その時何か電流のごとき刺激が脳内へ迸った】
【彼女は反射的に顔を顰めた。唐突に頭を鉄骨で殴打されたような感覚であった】
【バイタルの異常を検知したナノマシンがすぐに痛みを鎮静させたが、】
【何か形容しがたい靄のごときものが頭に纏わり付くような感覚がして、彼女はしばらく額を抑え落ち着くのを待った】

【その時入り口の多重電子ロックが解除され、】
【すう、と微かな空気の擦れる音だけをして扉が開かれた】

【円警視正だろう】
【それら一連の作動があまりに自然で滑らかだったので彼女はそれが有り得るはずのない侵入者であることに一瞬思いが至らなかった】
【扉の奥から現れた屈託のない女の笑顔にその時視線が刺さると同時に心臓が爆裂しそうな強度で一度脈打った】
【一切の脈絡を欠いて唐突に現れたその受容し難い現実が神経を強かに一撃し黒野カンナの全身は硬直した】



「────ああ。あなただったんですね」



【婦警が言い、そして鮮やかな光が弾けた】




/幕間でした。


468 : 名無しさん :2018/04/21(土) 09:55:15 iOiDi9vk0

『らっしゃい。御主人様は元気かい』

お陰様で、変わりないご様子です


【ここはがらくた市】
【玉石混淆とはよく言ったもので、立ち並ぶテナントには紛い物から掘り出し物まで、人々の選眼を試すように並び立つ】
【その中の一つ、廃品機械引取業を営む髭面の店主は、軒先をくぐって店に現れた馴染みの客を出迎える】
【丈の長いエプロンドレスに桃色のミディアムヘア、そこに添えられた白いカチューシャ】
【黒曜石の如き瞳を持つ、愛想のない女であった】
【ここ何ヵ月かの馴染みとはいえ、未だ気さくな仲とは言い難い。それは偏に女の鉄面皮が原因で。苦笑混じりに店主が話を振っても最低限の回答のみで直立不動。目礼すらしない】
【まあ人柄に難があろうと店にとっては客には違いない。咳払いして店主は商売用の笑顔を貼り付ける】

『さて、今日は何が要り用だい?』

レジデナス社製不凍メチルオイル10L、高純化タービンⅡ型、発火磁鉄鋼8kg、E型レンチ��������

『お、おう』

【途端、立て板に水の勢いで品名を並べ立てる女に、目を白黒させる店主であった】


��������


【時刻は昼を過ぎておやつ時。買い出しを終えたメイドは荷物を手に帰路を進む】
【人がそっくり丸ごと入りそうな木箱は明らかに積載過多なのだが、細身に似合わぬ意外な膂力で肩に担ぎすたすたと】
【通りを曲がった所で腹の辺りに衝撃を覚えた】
【目線を下ろせば5、6歳の男の子。手にはひしゃげたソフトクリームが】
【エプロンを汚された女と少年の目線が無言で絡む】
【不意に荷物を下ろし、女が手を持ち上げた。それを見て叱られると思ったのか、子供はびくっと震え逃げていく】
【その背になにも言わず見送る女。誰もいない空間に差し出された手には、フリルのハンカチが摘まれていた】


469 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/21(土) 10:02:43 wn2rqSVw0
>>448-449

【目覚めは驚くほどに良かった。まるでつい先程瞳を閉じて】
【そしてまた開いただけのような、そんな感覚】

【寝るという数時間の空白も感じられなければ】
【"眠い"という感情も湧かない。瞼も軽く、身体もすぐに走り出せそうな軽さ】
【白色灯の光も眩しいとは感じない程に、明晰な目覚めであった】
【時たま存在する、「今なら何でも出来るのではないか」というような朝】


   ぁ、……、…――…え……?


【しかし、足りないものがあまりにも多かった。耳に届く言葉にはノイズが混じり】
【眩しいと感じないのではなく、視覚が色彩と光量を遮断しているのだと気付き】
【ふらつくように立ち上がれば向かいの壁によりかかる】

【足りない――何か大きな"芯"を失い、無数の"支え"を亡くしたような感覚】
【それに気付いた瞬間には平衡感覚というものを喪失し】
【「大丈夫か」と問われながら、手をつくことも出来ずに倒れ込む】


 【"事故"が起きたのはそれからだったと、奇跡的に一命を取り留めた看守は語っている】
 【最初に空間が歪んだ。次にその歪みから無数の創作物が溢れ出した】
 【考えうる可能性としては"能力の暴走"だろうと、後の調査官は報告しているが】

 【クリスタル製の大型トラック、首のない石像、系統不明な言語を発するラジオ】
 【7つの関節を持つ怪物の腕、単眼の頭骨、壁面を覆う血管に似た蔦植物】
 【楽曲の譜面であろう紙が燃えながら舞い散り、無数のベルが現れては響いて、潰れていく】

 【何かを失った創作物は、独房を物理的な容量不足で破壊し】
 【施設の数%をその物量で埋め尽くし――夜を迎えると】
 【その帳に招かれたように消え失せる。尚も気を失っていた"画家の男"が発見されるのは】
 【ようやく、それから。怪我はなかったが、その意識はどのような外的接触を持ってしても戻らない】


【それはまるで外界を拒絶するかのようで、その実、必要な状態だった】
【複雑に絡み合った糸玉を一つ一つ解していくような、単調で気の遠くなる作業】
【そんな行為を、自らの心で行う。心中に残った重さ、喪失、析出する創作欲】
【入り交じる感情を抑えるにはそうして自己を防衛するしか無かった――約、10日】


【何処でかは、分からない。けれどその日の午後8時21分、男は静かに瞳を開けた】


470 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/21(土) 13:49:47 wg3NHxpU0
【<harmony/group>研究室】

【レヴォルツィオーン社とまた違い、白を基調としたオフィス、無駄を極限まで省いた機能的な空間】
【脚を運んだ貴方達は二手に別れることとなるだろう】
【"ブラスフェミア"は上の階層へ、"夕月"は下の階層へ、それぞれ職員の手によって案内される】


【──上に向かったなら、とある室内へ案内される】


【広めの一室であった、大量のモニターに囲まれた室内】
【萌葱色の長い髪に病的な白さの肌、檸檬色の双眸は切れ長の面持ちを耽美に飾る】
【黒いトーク帽に黒いヴェール、肩を大きく露出させた黒のナイトドレス】
【黒のニーソックスとハイヒールを履いた少女が椅子に腰掛け微笑みかける】

【──彼女は対面の椅子を進め、座ったなら間にあるテーブルに紅茶を差し出す】
【お久しぶりです、と囁く様な音色が零れて】
【此方の用件は、合同制作予定の怪物──その話であった】



【───】



【下の階層に案内されたなら、職員が夕月を拘束しようとするだろう】
【一般人である、抵抗すれば可能であろうが──場所自体が場所なので、あまりお勧めはできない】
【無抵抗で受け入れたならば、アームバインダーを用いて後ろ手に拘束されるだろう】

【そのまま無機質な一室へと通される、4畳程の小さな部屋だ】
【案内されたなら床に座らされ、両足を伸ばした形で揃えるよう伝えられる】
【従ったなら両足首を拘束具で床に固定、足を動けなくするだろう】

【──処置が終われば外に職員が出ていく、外側からロックがかけられ暫し静けさがやってくる】

【なお、この様子はすべてモニターを通じて、魔女とブラスフェミアの元へ届けられる】


471 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/21(土) 14:06:36 WMHqDivw0
>>470

【――「上の階層」。白衣を纏った黒髪の女が、室内に入ってくる】
【一面のモニターをぐるりと見つめて、へえ、と声を上げて――最後に、部屋の中央】
【座る“魔女”に、暗赤色の瞳、焦点を合わせて。親しい友人にそうするように】

や、久しぶりだねミス・ウィッチ――「アレ」の調子はどう?

【勧められるままに腰掛けて、紅茶のカップを受け取りながら】
【話題を受け取る、「アレ」というのはもちろん、ブランルから賜った異界生物の臓器の話】
【世間話でもするようなトーンで喋りながら――ちら、とモニターのひとつを見た】


 【――視線の先にある、「下の階層」の映像。拘束されて、座らされた赤髪の少女】
 【ずっと俯いているから表情は見えないが、おそらくはあの会合のときと同じ顔をしている】
 【恐怖と緊張に強張った顔。見せない代わりに、ひゅうひゅうと――】
 【過呼吸めいて異常に早い呼吸音だけが、モニターの向こうに届けられるだろう】


……やー、思ってた以上にガッチガチだ。
どうしようね、あんまり、面白い反応してくれないかも……。

【あたたかい紅茶で唇を湿らせながら、“冒涜者”は渋い面をした】
【「お茶請けにならないかもね」。そんなつまらない冗句を零して、魔女に視線を戻す――】


472 : 名無しさん :2018/04/21(土) 14:19:58 wg3NHxpU0
>>471

【現れた女性を目の当たりにして、魔女は静かに笑みを強めた】
【膝の上に揃えられた両の手、たどるように何度か膝を触って】
【お待ちしておりました、と柔な音色で答えていく】


ええ、ブラスフェミア様もきっと気に入る仕上がりになっていると思います。
此方の中に遺伝子データを組み込みました、起動すればどんな胚にも応用可能かと。
容れ物は完全にブラスフェミア様にお任せしております。──私などより、ずっと


【そういって魔女はUSBをテーブルの上に置いた、大容量のものだ】
【解析に使用した臓器もその側に置く、もう不必要だと言わんばかりに】
【USBについた付箋に目がいくかもしれない。──ジャバウォックとそうかかれている】


……大丈夫でしょう、今回受けていただくのは我々の研究成果の一部でございます。
肉体を遺伝子に分解し、校正した後、再び肉体に戻させて頂きます。
今回は体験ですので、足首から先に限定しましょう、それ以上は時間が掛かりすぎます。

お望みとあれば、足に関してでしたら怪我の治癒や、別遺伝子の組み込みなども可能ですが


【一つブラスフェミアに投げかける、しばしの問いを待って】


473 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/21(土) 14:42:56 WMHqDivw0
>>472

【USBと臓器を受け取って、簡単に手にできるほう――USBを手にして】
【付箋を見て、目を細める。ええと、と、何かを思い出すような仕草】

……あぶりの刻、ねばらかなる……んん、だめだ思い出せない。
「ジャバウォック」って多分、これのことだよね?
童話とかお好きなの? 可愛らしいネーミングセンス……

【有名な詩を思い出そうとしていたらしい。でも、全部はそうできない】
【それからもうひとつ思い出す作業に入る――ジャバウォックとは、どんな生物だったか】
【わけのわからない化物。鋭い顎と鉤爪があって、それで――】
【――もう少し詳しいことを考えるのは、データを見てからにしよう。首を振って、話に戻る】


分解、再構築――足首から先だけ! あはは、どうなることやら。
いいね、これを機に何か混ぜてみるのも面白いかも――と言いたいところだけど、
その前に一つ教えとかなきゃいけないことがあった。

あの子ね、何故かあの靴――赤いアレ。とっても大切にしてるみたいでさ、
触っただけでもぎゃーぎゃー喚いて暴れるの。面倒だったら、先に脱がしたほうが早いかも?

【モニターを指差した先、固定された脚の先っぽ――厚底靴を示して、肩を竦めた】


474 : 名無しさん :2018/04/21(土) 15:07:50 wg3NHxpU0
>>473

【魔女はブラスフェミアの返答に目を丸くした、知ってるんですね、と言いたげに】
【ヴェール越しの表情が少し照れた色を見せる、秘所を暴かれた子猫が如く】
【こくりと頷いたなら白妙の喉が揺れる、歌うように言葉を紡いで】


流石はブラスフェミア様、文学にも造詣が深いのですね
ええ、好きです── お恥ずかしい話かもしれませんが、幾つになっても、物語から離れず
だからこそ、魔女だなんて名乗っているのです、童話に出てくる悪い魔女

ご存じでしょう、どの童話でも、魔女の最後は惨たらしく残酷に死ぬのです
火に焼かれ、目を啄まれ、腸を裂かれ── 私自身もどこかでそれを望んでいるのかも、しれません
ふふ、お話が過ぎましたね、ブラスフェミア様なら、内部データを見れば分かると思いますが

……そこに組み込んだ遺伝子は、『虚神』ロールシャッハと『千貌』ミラ=クラァケの遺伝子データ
どちらも断片的にしか手に入らなかった為、組み合わせて使用しております
その異能は『不定』────他者の畏怖する事象や、物体に体の一部及びすべてを変形できます

だからこそ、訳の分からない化け物が、ぴったりと、思ったのです


【紡ぐ音律に概要を加え、USBの中にあるデータの内容を説明する】
【勿論、ブラスフェミアほどの能力であれば、遺伝子データから十分理解できるだろう】
【一部聞き慣れぬ語句が会ったかもしれない、その場合は説明を求めればする】


……あら、かわいらしい一面も持ってらっしゃるのですね
それは大変可哀想です、私も一人で眠る際はお気に入りのぬいぐるみを抱いて寝ます
恥ずかしながらあれが無ければ寝られないのです、気持ちは十分分かります

そうですね、係員に連絡して脱がしてもらいましょう


【冗談じみた音色、ジャーロの一面にも似たシリアスな喜劇】
【室内に男が数人やってきて、靴を脱がせようと試みる】


475 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/21(土) 15:33:55 WMHqDivw0
>>474

こう見えて小さなころは本の虫だったからね、
暇つぶしに読んでたばかりだったけど――

【言いながら目を細める、昔のことを思い出すように】
【空いた時間を埋めるように流し読みばっかりした物語たち、悪い魔女の行く末】
【そうなりたいのかもしれない――と語る魔女に、目を丸くして。そうなの、と言を零す】

不定、不定――――なるほど、精神を侵すための。
それなら「モト」になる形は……やっぱりヒト型がいいかな。
あどけない、素朴な、純情な――いろんな人から愛される――

……子供が望ましいかな。かわいらしい容姿の。
変形したあととのギャップがあればあるほどいいもの、
とびきり愛らしくしてあげよう。……何か好みの外見タイプ、ある?

【「案として聞いておきたいよね」とか口にして、紅茶を一口】
【それから、またちらりと視線を外して。モニターへ】


【――――案の定、少女は暴れ回っていた】
【もはや何を口にしているかもわからない。言葉にならない悲鳴を上げて】
【上半身が陸に打ち上がった魚めいて跳ねていた。それでも、拘束具は軋みもしない】

【暴れ疲れてぐったりと上半身を倒した頃合い。少女の足から、ようやく靴が抜き取られる】
【そのころにはすん、すんと啜り泣きの声を零していた。まだ何も始まっていないのに】
【もう絶望の真っただ中に突き落とされて、どうしようもなくなった――そんな感じの、昏い眼をしている】


476 : 名無しさん :2018/04/21(土) 15:45:11 wg3NHxpU0
>>475

【浮かべる笑みは自嘲的な其れ、捕まった魔女が処刑される前に見せる】
【やるせない諦念の思い、どうしようもなく悲しくて哀しくて仕方ないから】
【──だからこそ笑う、そんな笑み】


可愛い少女の姿が宜しいです、そうでなければならないのです
可憐で無垢で無辜、瀟洒で怜悧な少女なら、万人に愛され、睦言を嘯かれ
そうして数多の命を吸うのでしょう、其れであれば私達が作る価値があるのです

──せめてもの生きた証をそこに残せたなら、其れに勝る喜びはありませんわ
子細はブラスフェミア様に一任致します、それでももし、私の希望が残るのなら
長い髪を、ええ、長い髪の少女にしていただけたなら、と


【魔女は静かに言葉を重ねて、ブラスフェミアに返すだろう】


【────】


【状況が整ったなら、手元の端末を操作し、実験室の雰囲気が変化する】
【夕月の耳に入るのは機械の駆動音、耳鳴りのような暗澹としたムードで】
【背筋を這いずる芥の如く、ぞわぞわと深奥に近い部分を貪る】



        【──── べり】



【それは捲れる痛み、皮膚の繊維に紙を突き立て、引き抜いたが如く】
【爪先の皮膚が縦に裂け、焼けるような痛みと共に赤い赤い血が滲むかの様】
【親指の爪先が熱を持つだろう、傷口から焼けた鉛を流し込まれた様に】

【──次に襲うのはつけた傷口を引き裂くが如く、傷口に爪を突き立て、そのまま開く】
【足の指先が縦に裂けるかのように、足先から全身へとびりびりとした痛みが襲いかかる】
【而して爪先に視線を向けてみれば、まるで異次元に消えたかの如く、爪先のほんの一部だけが消えているだろう】


477 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/21(土) 16:07:41 WMHqDivw0
>>476

【魔女は火で炙るのが常套手段だと言う。磔にして、民衆に見せつけるようにして】
【だからこそ彼女らは最期に嗤って――人々の精神に、何かを遺して逝くのだとも】
【聞いたことがある。善き魔女も、悪い魔女も。みんなそうするんだって、どこかで】
【聞いたことがあったから――この女もまた、目の前の魔女の笑みが、心のどこかにひっかかった】

……髪の長い子ね。わかった。
きれいな髪を仕入れておくよ、絹より滑らかで珠より艶かしいやつ。
それを長く長く伸ばして――王子様をたくさん捕まえよう。

【カップをソーサーに置いて。静かに、口元だけで笑んだ】


【――――暗転】


【モニターの向こう。啜り泣きの音が止む】
【無機質な駆動音。雑然としたノイズにも似て鼓膜を苛む、イヤな音】
【それに気付くと、は、と息を呑んで――涙の溜まった赤い瞳を、部屋中に走らせて――】

…………、……、あつ、っ?

【辛いとか苦しいとか悲しいとかそういうのよりも先、痛い、の感覚】
【それよりも早く、一番最初に脳髄に走った電流がもたらした感覚は、「熱い」だった】
【台所、沸かしていた熱湯がひとしずく垂れて爪先に落ちてしまったときの感覚を、思い、出し、て、――――】


――――――い゛、っあぁあああぁぁああぁああッッ!!?


【思い出した瞬間にはもう、凄絶な痛みに全部塗り潰されて。視界がスパークするような錯覚】
【見開いた眼のすぐ近くで火花が散った。同時に、口から迸る濁音交じりの悲鳴】
【爪先から痛みが駆け上ってすぐに脳髄を焼く。熱い、熱い、痛い、熱い、痛い痛い痛い――】
【それ以外のことを考えられなくなる。苦しくて悲しいから、それ以前の理由で、涙が溢れ出てきて、こぼれる】

【そうして滲んでぼやけてしまった少女の視界、痛みの原因たる部位を見て……また悲鳴を上げた】
【「足が、っ、〜〜〜〜っっっ、」――どこかに消えた足先の肉、爪、皮膚、骨――行先を探すように】
【あるいは逃げ場を必死で探すように視線が惑う。そんなものどこにも、ありはしないのに】


478 : 名無しさん :2018/04/21(土) 16:25:43 wg3NHxpU0
>>477

【モニターを二人して見つめていると、扉が開くだろう──視線を向けたなら】
【二人の部屋に入ってくる新たな人影を、視認するはずだ】
【プラチナブロンドの長い髪、抜群のプロポーション、僅かに朱が滲むマリンブルーの双眸】

【特筆すべきはその服装、一糸纏わぬ全裸に白いシーツをショール代わりに巻いて】
【寝ぼけ眼な瞳を二人に向けながら、ゆっくりと歩いてくるだろう】
【唯一身につけているのは白銀のロザリオ、豊かな谷間に沈み込んでキラリと輝く】


「……はぅ、ねぇお姉様、朝のドリンクが欲しいの────今日はね、ベッドの側に置いてなかったの
カチューシャはまだ寝たり無いから……むぅ、あら……
お客様、なの、珍しいの── 変わった匂いのするお姉様、ね」

「ふふ、いいえ、いーえっ、私は知ってるの、大好きな香りよ、いつも素敵に思うの
噎せるような血の香りかしら、尊厳を貪る背徳の香りかしら、いずれにせよ好物よ
ねぇそうでしょう、禁忌の味はあまいあまぁい、蜜の味ですもの」


【現れた彼女は、すぅとブラスフェミアの背によって、背後からぎゅうと抱きしめようとする】
【流れてくる彼女の芳香、清潔な曇り無い石けんの香りであろうか】
【それはまさしく、先ほど魔女が述べた、清廉潔白な無辜の香り】


【────】


あら、まだ爪先だけよ、それも親指の── いったでしょう、今日は足首から先を作り替えるから、って
夕月様でしたっけ、ブラスフェミア様の大切な創作物ですもの、一片の微塵も容赦もいらない、と
本当に感服いたしますこと、この実験を、このレベルで耐え切れた方は殆どいませんのに


【それはさながら、爪先から少しずつ微塵切りにしていくが如く、例えるなら、そう】
【鋭い刃で膾切りに少しずつしていくかの様に── 熱が足を焼いていく】
【少しすると、親指以外の指、も同じ目に合っていく、不可思議なのは乗数的に痛みが増す事だ】

【同時にあちらこちらで脳内で警笛が鳴る、生きたまま五体を引き裂かれるかのように】
【肉体的な痛み、切り傷や打撲といった、砕け刻まれる痛み── その中に新たな痛覚が加わる】
【酸で焼かれるが如く、無惨に露出した傷口を酸で焼かれるかの様に】

【── しかし、それでいて実際に起きているのは、消失だけである】
【夕月の脳裏に宿る現象とは裏腹に、実際に起きているのは、少しずつ足が爪先から消えていくだけだ】
【しばらくすると、両足の指がすっかり消えてしまうだろうか】


479 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/21(土) 16:47:36 WMHqDivw0
>>478

【「この調子じゃすぐ気をやりそうだね、どうしよう」――――】
【冒涜者はつまらなさげに頬杖をつきながらモニターを見て、欠伸すら零しそうな勢い、……、】


…………え、え゛っ、え゛あぁッ!?


【……退屈そうにだらけていた細い胴に、絡まる白くつややかな腕】
【それに気付いて目を見開いて、振り返ったなら――蒼白い肌に一気に熱が灯る】
【薄布一枚だけを隔てた先にある柔らかな肌の感触。知覚するや否や激しい動悸が走って】

【――困惑と照れ。そういった、魔女も見たことないような表情をして――真っ赤になって、止まってしまった】



【――――そうして、主がわりかしニンゲンっぽい表情をしている間にも】
【モニターの向こう、少女はずっと叫び続けていた。すでにもう、声は嗄れを帯びて】
【喉を傷付けているのではないかと心配になるくらい、ずっとずっと、啼いていた】

「うあ、あ゛あぁあ、っぐ、ひうぅ……ッ、いだっ、いだあぁああっ……
 やだっ、やだっやだっもう無理ぃ……、無理だよ、足ぜんぶとかっ、むりっ、
 もういや、おうちっ、おうち帰してっ……ひっぐ、い゛やああああぁ……ぁ、……」

【がりがりがりがり。後ろ手に纏められた手が床について、指先がそこに喰いこんでいる】
【がむしゃらに床を引っ掻いているのだ。そうしたところで何にもならないとわかっていながら】

【あるいは――少しでも痛みを紛らわせようとしているのかもしれない。床に減り込んだ指先】
【赤色のマニキュアを綺麗に塗った爪が、無残に剥がれ始めている。赤黒い血の跡が、床に線を描いて】
【そうして、他の部位に痛みを発生させることで、脚先の筆舌尽くし難き激痛を、見ないふりしようと】
【……それも無駄なことだった、単純にどちらも痛い。それだけで終わる、簡単なこと】


480 : 名無しさん :2018/04/21(土) 17:19:21 wg3NHxpU0
>>479

【ブラスフェミアの首筋からすっとカチューシャが顔を出す、小さな顎をその肩において】
【胡乱な溜息をついた、甘い吐息が耳を擽る、ブラスフェミアの耳たぶを小さく吹く】
【耳の中で反芻する吐息の残照、響く音が吹雪く音色を告げて】


「おねーさまってば赤くなってるの、肌がもちもちしてて、気持ちいいの
ねぇ貴方はどんな方、それとも私の遊び相手になってくれるの
カチューシャは退屈が嫌いよ、ねぇ、起きたばかりで身体の熱が冷めないから」

「貴方の身体でその熱を冷まし、高ぶりを鎮めればいいのかしら
そうよね、背徳を尽くし、愛欲を栄えさせましょう、跡に残るのはとっても淫らな残照
美しいお姉様を溶かして、壊してそれをぬぐうの、とても楽しそう────あら」


【カチューシャの目がモニターを捉えた、分解される夕月の姿】
【頬に笑みが混じる、無表情の水面に僅か浮かぶ淡い蜜草の如く】
【ねぇ、カチューシャは魔女に問いかける、ホームビデオを一緒に見る姉妹が如く】


「────懐かしいの、あの子も私と同じ風にするの?」



【────】



【轟々と痛みが積み重なる、肉体的なダメージではない、精神的な作用】
【最後に訪れるのは拡散であった、角砂糖が飲料に溶けるが如く】
【傷口から足が分解されていく、細かい粒子となって】

【その粒子一つ一つにむき出しの神経があって、それを削り、燻り、抉り、捲り──】
【焼いて、刺して、砕いて、抉って、破いて、裂いて、一つ残らず痛めつける】
【やがて足首から先がきれいさっぱりと消えてしまうだろう、傷口は真っ黒な断面図になっている】

【────未だ正気を保っているかは、分からない】


481 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/21(土) 19:07:42 WMHqDivw0
>>480

【顎を女の肩に乗せたなら、殿方たちとは比べ物にならないくらい頼りないことがすぐわかるだろう】
【細くて、骨の感触がすぐ伝わってくる。手で握って、力を籠めれば、きっと貴女だって】
【すぐにでも「ぼきっ」とやってしまえるんじゃないかってくらいの弱弱しさ。……それが、震えて】

ひぃ、耳はやめてっ…………、……っていうかあ、
ふ、服……服着なよ、風邪ひいちゃうよぉ…………

【へなへな。情けなく萎んだ声色で、そんなことを宣うのだ】
【表情も似たようなもの。真っ赤なのは相変わらず、眉は困り果てたみたいに八の字を描き】
【……照れていた。年若い少女だってここまで初心な反応は見せないだろうというくらいに】

【そうして、ずっと困惑しきったみたいな顔をして魔女とカチューシャを交互に見ていたけど】
【カチューシャがモニターを見てコメントを残せば、ふと。目が丸まって、え、と声を零す】


…………懐かしい? あなたもああいう風に、……融かされたの?


【――――】


【がりがりという引っ掻き音はとうに止んでいた。引っ掻くための爪が、全部だめになったから】
【代わりに曝け出された指先の肉、真っ赤な血の滲むそれを床に擦り付けて――いびつな線を何本も描き】
【少女は、もう重力にすら耐えられないと言った様子で上半身を突っ伏していた】

【着ていたのはそれなりに厚い生地のパーカー、だったのに、濡れていることがモニター越しにもわかるくらい】
【汗にまみれて重たそうになっていた。まだ辛うじて呼吸はしている、それに合わせて布地が上下して】
【――何度目かの蠕動のあと、嘔吐した。頭がおかしくなるくらいの激痛によって、身体機能がバグを起こしている】

「――――――……ぜえっ、ぜえ、ひゅうっ……ひゅっ、ひゅーっ、ひゅ、…………ッ」

【汗、涙、鼻水、涎、今しがたぶち撒かしたばかりの嘔吐物。様々な液体で顔を汚し】
【それでもまだ、少女は意識を飛ばすことができていないようだった。――否、】
【「飛ぶ」ことを許されていないと考えたほうがよさそうだ。誰にそんなことを、と言われれば――該当するのはひとりしかおらず】


482 : 名無しさん :2018/04/21(土) 19:45:09 wg3NHxpU0
>>481

【── しなやかな指先がブラスフェミアの輪郭をなぞる、盲者が点字を辿るが如く】
【静謐の中に流麗な無音があった。── 極限にまで研ぎ澄まされた所作】
【茶道の道よりもまだ侘びしい、簡素さの中に機能美がある様に】


「ねぇ、心配してくださるの、優しい優しいお姉様、でもね、大丈夫なの
カチューシャはね、優しくて可愛くて美しいお姉様が大好き、だから
触れているだけで、暖かくなってね、そう、心の底から高鳴るの」

「召し物が必要なのは殿方にひさぐ時だけなの、ええ、そう、そうでもなければいらないわ
優しいシルクの感触、それ以上に私の身体を遮るものなんて必要なくて
お姉様もはだけましょう、無垢な素肌に、私を浸して戻れなくなりましょう」


【その胸の中にブラスフェミアを抱く様に、そっと両腕を絡めて】
【言葉に反して体温は低い、硝子細工のような細い首筋を壊れないようにそっと】
【時折試してみるように、強くぎゅぅとしてみたり────】


「そうよ、そうなの、そうだから今の私があるの
足の先から頭のてっぺんまで、このおしりも、おっぱいも全部全部ぜーんぶっ
融かされちゃって、消えちゃって、そこから私が生まれたの」

「可哀想な子猫ちゃん、普通の傷なら脳が死なない様に気持ちよくしてくれるの
でもね、分解されちゃうのはそうじゃないから、いつまでもお風呂上がりみたいに鮮明に
やがて声も出なくなるの、叫び過ぎちゃって、声帯が裂けるから」


【カチューシャが音節を説いたなら、モニターの電源が落ちる】
【今この一瞬も、刻々と痛みを享受する夕月、しかし、それは誰にも見られない】
【── それほどまでに残酷な事があろうか、彼女たちが団欒して、歓談している間にも】

【少女は無辜の苦しみを受ける、ただただ徒に】


ブラスフェミア様、いかがなさいますか?
遺伝子データの解析が出ました、このまま組成しましたら、以前と何も変わらぬ足になります
ええ、そうです、私達は徒に少女の身体を切り刻み、徒に蘇生するだけになってしまいます

── ここに、ミラ=クラァケの遺伝子データの一部があります
これを組み込めば足を触手に変化できたりなど、できますが


【或いは、他の、と言って魔女が言葉を濁す】
【文字通りこの状態であれば何でもできるのだろう── 】
【それが痛みを乗り越えた特権、とでも言いたげに】


483 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/21(土) 20:10:54 WMHqDivw0
>>482

【あ、と。惚けたような声が漏れた】
【なぞられた箇所からほんのり熱が灯っていくみたいに、紅色に染まっていく肌】
【首筋、急所にカチューシャの嫋やかな指が触れれば、一瞬だけ身を硬くしたが】
【――すぐに柔らかにほどけてしまう。確かな体温を持った吐息を漏らして】

……んん、……ぬるい。微温湯に浸かってるみたい、……気持ちいい。
弱ったなぁ、僕、こういうの、本当に、……弱くて……

【声色はデクレッシェンド、どんどん小さくなっていく。そうして微睡むようなもにょもにょ感を残して】
【曖昧に語尾を切りながら、おそるおそる、そうっと――カチューシャの背に腕を回そうとして見る】
【素肌の感触。ひゃ、と声を上げながらもなんだかんだで楽しんでいるようだ、背骨をひとつひとつなぞって】

そうなの、じゃあ、融かされちゃう前のあなたは……どんな子だったろう。
あんなに痛そうなことされて、たくさん泣いたのかな……ねえ、

【「かわいそうに」。……本心から言ってないとすぐにわかる、浮ついた声色】
【ぷつん、と電源の落とされるモニター、その向こう側で、少女の真っ青になった唇が】
【「たすけて」と――誰かに向けて言葉を紡いだ気がするが、それも全部、暗転】


……そうだな、触手。それもいいけど、……機動力上げるような改造はできない?
あの子、接近戦はからきし、だから……

【カチューシャの胸に抱かれながら、夢見心地、みたいな顔をして】
【無遠慮に、無責任に、そう宣った。もうなんだってしてやればいい、と言いたげな遊び心で】


484 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/21(土) 20:14:10 mOm7rl4A0
>>434

…今の言葉、信じます。

【ゾーイはロボットであるのに不確定な行動を、非効率な行動を行う。人間のように】
【頭を撫でられれば嬉しそうに――多分…している。少女のように純粋なアンドロイド】
【それが人間の理想ということなのだろうか、本来持ち合わせているものを失わないことが…】
【答えることが出来るのは、博士だけだ】

わかっていただけたのですね?…時間的な理由によって親交が深まったからということなのでしょうか
友人とは素晴らしいものですね。人類が羨ましいです。

かしこまりました。どちらもご用意することができます。また、私は最近は料理をつくるのに興味があります
もしよろしければいくつかご用意させていただきたいと思います。

【ゾーイは仏頂面の抑揚のない声でもとめどなく話すだろう。最近あったすべてのことを事細かく、時にはなんだかずれた事も言ったりして】
【あとは料理を振る舞ったり。それはさすがアンドロイドというべきクオリティのものだろう】
【機械でできた彼女をどう形容すべきかわからないがそれはとっても生き生きとしてたことだろう】


/〆です!!ありがとうございました!!お疲れ様でした!!


485 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/04/21(土) 21:27:25 kv2SjV/o0
/3レスに分けますっ
>>362-363

「生きているし、合流させてそれで終いだ。これ以上、あいつを私の手元に置くつもりもない――――

 ……私以外の力なんて、初めから必要ないんだよ。
 単騎で世界を砕くほどの力――――その高みに到達できなければ、私の望みは叶わない
 だから、“そうする”。余分なものを“ただの人間”として、あるべきヒトの群れに還すのが……そんなにもお前には不思議なのか?

 私の目的に沿う戦いに堪えないモノだなんて、あの街での一戦で見え透いてただろうに――」

【元から、移植体は人間の姿に戻すためだけに回収されたもの。瀕死の身を恃み続ける絶対の自信は、変わらず、彼らをただの弱者と、人間と扱う】
【穏やかな時など、所詮殺戮者には幻想にも等しいひと時だった。あの子にも、それは束の間の夢で――――。】

「……ただの“実例”が、いつまでもこんな場所にあるな。
 私がトライデントを圧していない状況でその姿を見せた時点で、お前の役目は終わっている……

 理屈は、今お前が聞いた通りだ。唯一の標的だったトライデントも、今や別存在になってそこにいる――――
 ――――お前が出る幕なんて何処にもない所を、私が無理矢理に押しとどめていただけなんだよ。

 逃れ出る術を忘れたのなら――邪魔になる前に、消し去るぞ?」

『……う、く……っ、で、でも、――――――また……ひどいケガ……して……っ――――!』

【……そこで会っただけの女が死ぬことなど、気に留める意味すらもないのに。】
【遥かに大切なはずの父の元に走ることもなく、数年を共に過ごしたこの女の手傷ばかりを気にかけるのだ。今、目の前で傷ついているというそれだけで】

【一瞥すらせず突き放す言葉に、じっとその背を見つめる少年は、戦場の仕込みの段階で手渡された転移装置を、未だ起動させることもなく】
【かつて自分を庇った殺人鬼が、怖く、けれど痛みを隠そうと、こんな態度を取っている様にしか見えなくて】
【それでも、『どうしたいのか』……答えは未だ出ず、双つの嵐が紡ぐ言葉を、傍観者めいて聞き続けるしかなかった】


486 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/04/21(土) 21:28:17 kv2SjV/o0
>>362-363

【そして紅き魔人は、敵意を隠す素振りもなく憐れみを笑う。傍らの視線も、敵対する“正義”も、同じ視点に立つことなどないと知るかの様に】
【彼らが少年を退去する様に説得するのなら、ダリアにとっても望ましいのだろう。彼らには乱入が、彼女にはまた喪うことが、恐ろしい悪夢となるから】
【それは、より大きな目的のため、そして邪悪としてある者にはできない救いのカタチ。進み続けるだけの悪魔は、自らの心さえ燃料に“強さ”を求める】

「お前たちが黙って平穏を生きられるなら……別段殺す理由もなくなるけど、な
 
 『RL』を倒すだけじゃなく、獣に変えられた者たちに人間としての命を取り戻させる――
 ……そんなことが、お前たちにできるのか?
 それが、私の答えだよ。

 私が死んでも運命を砕こうとする様に、現実とやらに縛られるままお前たちは足掻き続ける――――
 そして私の優先順位は。

 闇に墜ちつつある平穏よりも足掻くモノたちを、お前たちの足掻きよりも〝目的〟を、私の存在目的として選んでいる。
 立ち塞がると分かっているから、救い出せても止まれない――――
 
 ――――これは、ただそれだけの世界を砕く邪悪。果てなく戮し、闘争の涯てに至るべき空を見たひとつの意志……‼
 地獄が待つのならそれさえも砕こう――――私は、そのためにこそこの地獄に生まれたからッ‼」


487 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/04/21(土) 21:28:47 kv2SjV/o0
>>362-363

【救えないモノを救うために、この世界を地獄に変えてでも鎖を砕く。言葉にすればシンプルで、だからこそひどく恐ろしいものなのだろう】
【彼らは直に目にしてなお、移植体に変えられた者たちに、人間としての未来があるなど想像もできない。まして、そのために秩序を炎にくべるなど論外の極みだと拒絶を選ぶ】
【ダリアは、僅かたりとも世界を信じていない。ただ意志と力でこそ地獄を切り拓けるのだと、世界の理さえ砕く覚悟で破壊を選んでいる】

【悪に奪われ続けてなお世を信じ守ろうとしたもの、世界に全てを奪われなお愛そうとしたもの】
【相容れぬ二つの願いは、向き合い、対峙して】

【答えを紡ぐ両者が、互いを滅ぼすための力を繰る。接近からのビームは、間違いなく致命傷に足るもので――――ゆえ“選ぶ”は、】

【左腕を半ば獄焔と同化させて生成する、焔の鉤爪。自らの身を削りながら出ずる焔に、致命打を潰すための一手は成る】
【鉤爪が事もなげに空間ごと破壊光を大きく薙ぎ払い、莫大なエネルギーを呑み込んだ熱の塊が空間の裂け目に消える】
【熱風と衝撃、これら余波に“耐える”ための防備を強いる意図をそれは含んで】


「四つの選択肢は、単純に勝敗と力の大小の話だ。けど、命もろとも要らないのなら是非もないなッ
 “実無限に到達する出力という幻想”――――……過程とはいえお前に耐えられるものか、その身で味わってみるがいい……ッ‼」

【反撃を生むのは、迎撃に伴って散った僅かな焔の欠片。その、ひとつだけ】

【ごく小さな火の粉と見えたそれが無数の光条へと分岐し、個々が先の超集束型獄焔にも勝る破壊力を伴って虚空を貫いた】
【恐ろしいのは、一つ一つの射線に複数を重ねて撃つことによって実現したさらなる貫通力だろう。防壁は、恐らくほぼ意味をなさない】

【距離を開けるための逃げは打たない。灰燼に帰すために、最至近からの殺傷力に能力形態を特化する】
【このビルをも倒壊させかねない破壊力だったが、限定された射線と射程がそれを阻むだろう。まさにインフィニティージーンを殺すためだけに、この異能は行使されている】
【上半身を丸ごと消し去りかねないそれは、迅速に姿勢を変えたならば――そして体勢の変更が間に合ったならば、無傷で凌げる可能性を含んでいて】

【あと、一歩。それで“過程”がその先に到達するための、全ての手札が揃う】
【逃げ出すのならばそれでいいし、耐えて生き延び、到達する新たな異能を前に、彼らが只人としての生き方を選ぶならダリアには最良の結末になる】
【けれど終わりまで突き進むのだろうと、奇妙な確信が悪魔にはあった。譲れぬ理由があり、戦う力が残されている――】

【そこで自分たちの“生”を優先することは、彼らには無い選択なのだろう。得られる力は、きっとダリアを滅ぼすためのものでしかない】
【こうなることが分かっていてなお、彼らには己を滅ぼす理由があるという真実をダリアは選んだ。選んだ上で、心と運命を砕く望みを捨てていない】

【過去を背負いながら傲岸不遜に、けれど己が善さえも滅ぼす業とともに。殺意によってのみ起動する“力”は、今こそ無限を望みこの闘争の刹那を〝在〟った】


488 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/21(土) 22:06:48 wn2rqSVw0
【昼の国・宗教都市ゼン=カイマ】

【数年前の災厄を経て、この都市は未だ復興途上にあった】
【往年の荘厳なる教会群は跡形も無く、神智とも称された大図書館も無く】
【けれど、街としての体裁を整えるには十分すぎるほどの施設が揃っていた】
【人々の心の拠り所となる木造の大聖堂、活気あふれる自由市場を始め】
【かつての神聖な――言い換えれば古臭い町並みとは、やや違った活況を呈していた】

【そんな街の、とある家屋。中心部からは少し離れた大きめの家】
【昼と言うには遅く、夕方と言うには早い――そんな時間】


…――ただいま、っと。いやー、今日もいい鍛錬だったぜ
やっぱ教会でお祈りしてるより、体動かしてるほうが向いてるよなー!
未だに父上には一発も入らねーけど……母上にも稽古とかしてもらうか……。


【そんなぼやきをしながら扉を開けた少女は、10歳程度】
【鮮やかな金の髪とターコイズブルーの瞳が特徴的な彼女は】
【"家"に帰るなり、まずは手洗いとうがいを済ませてから、一息ついて】
【この静かな午後、他に誰か居るだろうかと確かめる様に耳を済ませる】
【―――居なければ普段お菓子が置かれている戸棚に近付こうとするのだが】


【まあ、そうでなかったとしても。彼女が着ているのは、ぼろぼろの修道服】
【元よりお古ということはあったけれども】
【野外で戦闘の訓練と称して色々としてくる、活発なタイプだからか】
【真新しい糸のほつれや泥汚れも目立っていて】

【奔放、と言えば聞こえは良いのだが――騎士というにはまだ幼い】
【そんな少女は、共に家を出た父よりも先に戻っていたのだった】

/予約になります!


489 : アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk :2018/04/21(土) 22:47:20 ZCHlt7mo0
>>455

……お父さん、か……

【何とも言えない表情で聞き入るアーディン。――――喧嘩別れになってしまった、娘の事を思い出していた】
【自分の、こうした子供たちに対する態度が、実の娘にそうしてやれなかった事の裏返しなのは、もう十分に自覚しているが、それでも――――】

……そうだな。俺の店では、俺がいる限り、安心して飲み食いを楽しんでもらう。金を払い、マナーを守るなら、どんな客でも、な

【負の側面を見せない様に、少し格好つけた言い方をする。まぁ実際、彼の仕事の生み出す恩恵と言うのは、要するにそういう事なのだ】

――――魔海が好き、という訳ではないんだろう。奴は、この世界の不思議、この世界の美しさなら、何でも好きなんだ。恐らくな……
それこそ、魔海に限らずあちこち歩いて回っている様だ。どの国もそれぞれに美しい、不思議と驚きに満ちていると、熱っぽく語るからな……

【少年の様な冒険心を、そろそろ『良い歳』だと言うのに、未だに持ち続けている。その様を思い出しながら、アーディンは苦笑する】
【尤も、彼には落ち着く姿など似合わないだろう。どこまでも冒険、世界に対する挑戦に生き続ける。そんな姿の方が浮かびやすい】
【だからこそ、情熱をもって秘境を踏破し、研究本や冒険記などを執筆も出来るのだろうが――――】

……差し支えなければ、一度その光景を、直に見せてもらいたいものだが……それはまた今度と言う事にしておこう
――――それなら助かるよ。それでペテンにでもかけられたら……こっちも黙ってはいられないからな……後が大変だ……

【水からタングステンを生み出す。一体、具体的にどういう現象が起こるのか。アーディンとしてもそれは興味深い様だった】
【本当なら、ここで実演でもしてもらいたいくらいだったが、流石にそれは高望みだろうと、自制する】
【買ったタングステンが水に戻れば――――苦笑しながら、あくまで冗談めかして、曖昧な物言いで。アーディンは軽く流す】
【――――本当にそんな事になったら、確実に落とし前をつけてもらう事になるのだ。そこは、彼のような生き方をしている人間として、譲れない一線で】
【だが、本人としてもその気はないのだろう。あまり脅かす事はすまいと、仄めかすにとどめた。伝わるかどうかは別問題だが――――】

……良い縁を得る事が出来たんだな。その仲間たち、大事にする事だ……仲間と言うだけじゃなくて、いい友達にもなれるだろう

【――――老婆心は起こすまいと思っていたアーディンだが、ついついそれは覗いてしまう様で】
【リオシアの言葉は、本当に楽しそうで、そして仲間の事を誇りに思う様で、何より幸せそうだ】
【ならば、その仲間たちを大切にする方が、今後の人生、良い事があるだろうと、アーディンは言う。勿論、言わずもがな事かも知れないが――――】

……よし、それじゃあローストビーフとサイコロステーキを、それぞれスモールサイズ、フレッシュオニオンソースで持って来てやれ。それとジンジャーエールだな……
――――ここの海鮮は良いぞ。俺がわがままを言ってな、拘らせているんだ。おかげで、客たちにも結構好評でな……
酒の肴として丁度いいんだ。当然合う合わないはあるんだがな……

【リオシアのリクエストに応じて、アーディンはメニューを伝える。当然、リオシアにはアルコールを進める事はしない】
【――――魚を注文した事にどう思われているのか。それを知ってか知らずか、アーディンは刺身の良さをさりげなく語っていた。結構好きなのだろう】

――――毎日が楽しいって言ってたが、どんな楽しい事があったか、聞かせてもらっていいかな? 大人には、忘れてしまった気持ちがある様な気がするんだよ……

【ふと、アーディンは訪ねてみる。こういう子供たちは、どんな楽しみを日々の中に見出しているのだろう、と――――】


490 : ◆jw.vgDRcAc :2018/04/21(土) 23:19:13 DIKJp7AM0
>>488

【物音は、しない。それどころか気配すらも無い。家の中はしんとしていて、誰かがいるという雰囲気ではなさそうだ。】
【活発な少女は、誰も居ないことを確認して、無事にお菓子の戸棚にたどり着くことが出来るだろう。】
【戸棚に近づけば、クッキーの甘い香りがふわりと立ち上がるはず。どうやら、できたてほやほやのようだ。】
【――――――ん?できたて?じゃあ、作った人は一体何処へ……?】

―――こらっ!

【―――あなたの真後ろに立っていた。いつの間にか、音もなく。さっきまで気配も無かったのに。】
【少し驚かせるくらいのつもりで、突然声を掛ける。もちろん、つまみ食いを咎めるつもりであるが】
【あまり声色は鋭くなり過ぎず、表情も怒っているというよりはむしろ少し悪戯っぽさまで秘めて。】
【貴女とよく似た金髪に青い目。長い髪を後ろで束ねて、エプロン姿の女性……言うまでもなく、貴女の母親だ。】

【あなたが思惑通り驚いた顔を見せてくれれば、いたずらが上手く行った子供のような嬉しそうな笑みを浮かべて】
【それから、少ししゃがんであなたの目線に合わせながら、頭を撫でて話す。穏やかな声色に、叱りつけるような色は無く】

お腹を空かせてると思って、頑張ったご褒美にクッキーを作ったのに……勝手に食べちゃったら、お母さんはあなたを褒められないでしょ?
我慢するのも、騎士の鍛錬のうち!いいですね?

【あなたがちゃんと頑張って鍛錬をしているという事は、見てなくてもちゃんと知っているらしい。】
【諭すように声を掛けて、ちゃんと反省している様子ならそれ以上は咎めたりはしない。その必要はないと思っている。】
【後ろめたさを感じながらつまみ食いするよりは、きっとちゃんと食べる方が美味しいだろう。その辺も分かっているのだ。】

【……それにしても。戦いの第一線からは退いたのに気配を消せる辺り、まだまだ実力は健在らしい。】

//宜しくお願いしますっ


491 : ◆Heckemet8M :2018/04/22(日) 00:31:31 u1dxVMlM0
【――ここはとある公園】
【人気は少なく、遊具も老朽化が激しい。一応、テーブルベンチが存在しているだけ……いや、妙にこれだけ新しい】
【誰かが後から持ってきて設置したかのような……】

【そんなベンチに座るのは、2人の人物】
【1人はガタイが非常に良く、筋肉モリモリな20代前後に見える男性で、2本のアホ毛を持つ深緑色の髪で、それは天へ向けて逆立っており】
【身長約175+髪15cm、青紫色の左目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は狂気を感じる赤色をした右目に】
【黒色に桃色の模様を持つ帽子付きウィンドブレーカー、その中に青のタンクトップ、紺色のジーパンの様なジャージ、黒基調の運動靴】
【もう1人は、20代前後に見える女性で身長約155cm、黒い短髪で、白いローブに身を包み、木製に見える杖を右手に持っていて】
【桃色の右目と、白目が漆黒の空洞に見えて瞳や虹彩は清々しさを感じる空色をした左目で、桃色のシャツとジーパンに青いブーツ】

【"建物内ですとヘケメトが迷惑をかけるでしょう。すみませんが、屋外での待ち合わせを希望します。よろしいでしょうか。"】
【――彼らは、この場所で誰かを待っているのだ】

「ヘケケ、少し早く来すぎたなァ」 『遅れるよりは良いでしょう』
「……暇だ! アウ、技かけて良いかァーッ?」 『人待ちですし、後にしましょう』
「大丈夫だろォー」 『止めてください、相手が引きますよ』

【暇を持て余したらしい男が女性に掴みかかれば、そのまま繰り出すは……ロメロスペシャル! テーブルの上でそれは繰り広げられる】
【……話によれば、この男は人間及びそれに準ずる存在へ危害を加える事が難しい状態になっていたはずだが】
【マッサージ扱いなのか、あるいは別の何かか……】

/予約です


492 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/22(日) 01:02:53 BRNVt/Aw0
>>491

【人気がなく遊具も老朽化した寂れた公園。そこに足を踏み入れた者が一人】

【少し伸ばした黒髪に入れた紅色のメッシュ。赤いシャツの上に黒いレザージャケットを羽織り、下は黒いレザーパンツとこれまた黒いブーツ。首には黒いチョーカーを着けた何となく黒っぽい青年】

成程な、こんなに寂れてるんだったら人に話を聞かれる心配も──
【青年の独り言と足がふと止まる】

【その紅色の良く言えば鋭い、悪く言えば目付きが悪い、そんな瞳がとらえたのは真新しいテーブルベンチ】

【何でこれだけ新しいんだ、と突っ込む前に更に目に入るのは】

【がたいの良い若者が小柄な女性にそのテーブルベンチのテーブルの上でロメロスペシャルをかけている姿】

【え、多分この二人だよな?何これ何でそんな事になってんの?】

【一瞬困惑した青年だったが、ふと先日会った女性──彼らの存在を教えてくれた櫻の剣客の言葉を思い出す】

【あの二人は多分カップルだと思います】

【二人はカップル。カップルが、二人で、何かしてる】

【つまり、これは野外[自主規制]】

【そう理解した青年は割かし相手に近い所で膝をつき、力の限り叫ぶ】

……見せつけてんじゃねぇぇぇ!このリア充共がぁぁぁぁ!!! 

【初っぱなからなんというか、ぐだぐだである】


493 : ◆Heckemet8M :2018/04/22(日) 01:16:48 u1dxVMlM0
>>492

「腕の調子もだいぶ良くなってるみてェーで良かったぜ!」
『離してください。勘ですが、そろそろ相手の方が来るような気がします』

【――男の方はノリノリであり、女性の方は終始真顔だが別に嫌がっている様子でもない】
【やはり彼らを紹介してくれた彼女の言葉は正しかったのだろうか……?】
【ぎぎぎぎ、ぎぎぎ――ふと、近くから叫び声が聞こえてくる】

「リアジュー? 新手の獣かァ?」
『ある意味あなたも獣ですよ。……もしかするとこの青年が待ち合わせの方かもしれません、はい、リリース』

【なんというか、彼らはこの状況に慣れすぎである。リリースの言葉で男――ヘケメトはロメロスペシャルを解除】
【体勢的に女性――アウが自身の上に落ちてくることになるが、難なく受け止めて】
【そしてテーブルからベンチへ、さっと移動する2人。着席順はアウ→ヘケメト。】

「ヘケケ、あんたか? 俺たちを呼んだのは」

【……当然のように何事もなかったかのような態度で、彼の方を向きながら話しかけてくる】


494 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/22(日) 01:34:19 BRNVt/Aw0
>>493

【片やノリノリで、片や真顔で、キャッキャウフフしている(ように青年には見えている)二人組】

【二人は此方を見るとロメロスペシャルを解除して瞬時にベンチに移動する】

【何これ、本当に何これ】

【青年はその様子に内心頭を抱え、やがてある結論に達する】

【よし、見なかった事にしよう。俺は何も見てねぇ、リア充の野外アレなんて見てねぇ、良いな?】

【青年は脳内でそう暗示をかけるとスッと立ち上がり膝についた砂埃をパンパンと払う】

【そうして、何事もなかったかのように、自分達を呼んだのはお前か?と尋ねられこれまた何事もなかったかのように、ああ、と短く返して頷く】

……あんたらがヘケメトとアウ……で間違いねぇか?
俺はリューシオ・エスクリオスだ、まあよろしく頼む
【何処かクールな表情で名乗る青年】

【とても先程まで膝をついて叫んでいた、また先日電話をくれた時にアポイントメントを間違ってアパートメントと連呼していた人物とは思えない】


495 : ◆Heckemet8M :2018/04/22(日) 01:51:15 u1dxVMlM0
>>494

『変な場面を見せてしまいすみませんね……彼、普段からあのような調子なんです』

【――見てなかったことにした出来事に対して軽い謝罪を入れる彼女】
【しかし顔からは全く申し訳無さが感じられない。……無表情のままだ】

「間違いねェーぜ! 俺はヘケメトで」 『私がアウ・ダァコルです。よろしくお願いします』
「リューシオか、よろしく頼むぜェーッ!!」

【無駄にエネルギッシュでハイテンションな返事をしてくる男。確かに、室内では迷惑をかけそうだ】
【なお、殆どの場面でずっとこの調子である。……鼓膜の無事を祈るしか対策は無い】

「それで、俺たちにアパ……アルパカ……アカスグリ……えェーと、とにかく俺たちに何か用があるって話だったよな!」
「……何の用だっけ?」 『確か、彼のアレコレに関する話でしたよね。どこから話しましょうか』

【もはや最初の一文字しか合ってない状態になり諦めたようだが……】
【ともかく、詳しい要件や聞きたい部分を確認してから色々言うことにした様子だ】


496 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/22(日) 02:12:05 BRNVt/Aw0
>>495

【例の件について謝罪する女性に、リューシオは、あ、そうなんスか……と苦笑し】

まあ、アレっすね……流石に人前ではそういうアレは……うん
【どこか遠い目をしながら諭してみる】

ああ、こちらこそ……
や、それをいうならアポクリフ……アペンド?うん?
そ、そうだ!とにかく用があってだな!
【極めて冷静に話そうとするリューシオ。しかしヘケメトの言葉を訂正しようとし、やはり自分でも言葉が思い出せなかったらしく誤魔化して】

そうだな、まず特区に入った時の状況と、どういう経緯で注射を刺されたのか、その後どういう状態になってんのか……
まあそんな所……か?
後は……特区に入ってみた印象……とかも出来れば話してくれれば良いと思う
【そう言いながらようやく二人の対面のベンチに座る】


497 : ◆Heckemet8M :2018/04/22(日) 11:18:30 u1dxVMlM0
>>496

『止められたら苦労しませんよ』

【――常にヘケメトストッパーなる装置を使える状態にしておけば、止められなくもないのだが】
【まあ、やっぱりこいつらキャッキャウフフしてただけなのかもしれない】

「――わかったぜ! 一気には言えねェーから、適当に分けながら良い感じに良い感じな感じで話すぜェ」

【そしてちらりと女性の方を見て――おそらくは、補足やフォローは頼んだとかその辺りのアイコンタクトだろう】

「まず! 特区に入った時! まァ、いつも通りウロウロしてたら迷い込んだんだけどよォ」
「見た目はなんかが機械っぽいのがちょくちょくいた以外普通だった」
「……で、最初に何かそいつから言われた気がするぜ、ウェルカムようこそカニミソスシ亭へとかそんな感じ」
『その内容は一切言われてませんね。……重要と思われる部分は、無許可での魔能行使は厳しく罰するとのこと――辺りでしょうか、ホームページでも見れる情報ですけど』

「それで、刺された経緯! ――まず、俺が街の人々にバックブリーカーをかけていた時だった!」
「なんかそれやめろって音声と、あとなんかの音楽が流れてよ、無視してたらニコニコしてる変な奴らがやっぱり止めろって集ってきて」
「あいつら強いんだよ! 俺の回し蹴り全員さっと回避して、俺には回避する隙も与えず眩しい光での目潰しからビリビリ攻撃をしてきたんだ!」

『それで動きを止められた彼ですが、一度は注射を気合で破壊させ防がせました。中身は揮発性の高い液体でしたね』
『――ですが車に乗せられどこかへ運ばれてしまいまして、その中での出来事だったようです。刺されたのは』

【端的に言えば自業自得だろうか、罰が重すぎただけであり。……そこまで言えば、2人は少し一息つく。】
【……どこから出したかは謎な飲み物、男はコーラ、女性は緑茶の入ったペットボトルを空けて一口。頼めば何か出してくれるかもしれない】


498 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/22(日) 12:10:22 S/DUh6T.0
>>483

【カチューシャは未だにブラスフェミアに絡みついていたが、魔女がえいやと離して】
【ことんと、テーブルの上にカップを置くと、床にちょこんと座りながらカップの中のココアを飲む】
【シーツにくるまって飲む姿は何かの置物みたいで】


お待たせしました、ブラスフェミア様のおめに叶う出来かは分かりませんが
此方が今回組み込む遺伝子の詳細になります


【魔女がタブレットを取り出しテーブルの上に置いた】

【── "Butterfly Swimmer" ──】

【そう銘打たれた遺伝子、組み込まれたなら黒い蝶のタトゥーが足の甲から足首まで刻まれる(オプションで消せます☆)】
【ミラの遺伝子(蛸)と『極夜蝶』シャーデンフロイデの遺伝子を組み込んでおり、発動すれば二つの異能が使える】

【一つは脚を中心に伸縮可能な黒いリボンを発現させることが出来る異能】
【ミラの持つ触手を元にしており、建造物や物体に吸着したり巻き付いたりする事が可能】
【加えて極限まで細くすればワイヤーの様に切断する事もできる】

【もう一つは両足にリボンで編み込んだ黒い蝶の羽が出現する異能】
【羽ばたく事で推進力が発生、魔力で発生する推進力であり、何も無い空間を歩く事や急加速急停止が可能】
【また軽度の対異能処理がされている為、低級魔術なら蹴りでかき消せる】

【── どうでしょうか、とブラスフェミアの返事を待った】

【許可が得られればその遺伝子を組み込み、両者を返すだろう】
【不許可ならばそのまま夕月の足を直し、いずれにせよ解放するはずだ】


499 : 名無しさん :2018/04/22(日) 13:28:20 5w/a9BZQ0
>>489

うん、お父さん。本当のお父さんがどんな感じかわからないけどね、えへへ

【お父さんと言った時、アーディンの表情が曇った──気がした】
【けれども、これ以上語ることは出来ない──リオシアは父も母も覚えていないからだ】

わぁー、冒険家なんだね……国々を旅する……
いつかわたしも、一人で旅できるくらい強くなったら、世界中と"不思議と驚き"、見てみたいなぁ

【まだ、世間のことすらよく知らないリオシアにとって】
【世界を旅することはあまりにスケールが大き話だが、それでも彼のするサリードという人物の話には、憧れたらしい】

ペテンなんてしないよー。わたし、嘘つくの苦手だし

【今の軍に拾われる前、普通のアルバイトの面接で尽く落ちまくったことを思い出していた】
【裏社会の人間に嘘をつくということはどれだけリスキーか、そもそも嘘をつかないこの娘には関わりないことで】

もちろん大事だよ!友達にも、なれたらいいなぁ。よくわかんないけど……
アーディンさんにも大事な友だち、いるの?

【アーディンの口ぶりから、仲間や友達に何か思い入れがありそうな気がして、ふと投げかける】
【──そして、アーディンが注文した料理と飲み物が届くと大層喜んで】

おお、美味しそう!いただきます!
酒の肴かぁ、お酒って飲んだことないだよねぇ……大人の人はみんな好きみたいだけど……
町中で見かける酔っぱらいみたいになっちゃうのがこわいし、わたしは能力が暴走したら死にかねないし
アーディンさんは強そうだね?なんとなくだけど

【"飲み慣れてそう"と言いたかったのだろうか、刺身をつまみに酒を嗜むアーディンは、大人っぽく見えたのだろう】

楽しいこと、楽しいこと……そうだなぁ、なんでも楽しいからこれ!って話はないかもだけど……
あ、そうだ!今の軍に拾われる前に、"悪魔"に会ったことがあるの!邪禍ってお兄さんで
わたしにえーと、消極的だったわたしに積極的に頑張れって言ってくれたんだ!
もしかしたら、あの人も、じゃなくてあの悪魔も"魔海"出身だったりしたのかなぁ


500 : クローディア :2018/04/22(日) 15:19:13 B3KDEI320
【裏路地】

【人気のない静かな狭い道。室外機が上から下まで所狭しと並び、たまに枯れた鉢植えが放置されている】
【日が当たらない故にせっかく伸びた雑草の葉先は枯れ、崩れかけた建物の壁紙パラパラと風に靡く】
【ただでさえ怪しい店の並ぶ路地の……さらに裏】
【さてーーこんな怪しげな場所に迷い込んでしまったのは一人の少女】
【夜海色の長く、綺麗に切りそろえられた髪を薔薇をあしらったヴェールですっぽりと隠し】
【ゴシック調の黒い洋服ーー引き摺るくらい長いロングスカートは不思議と汚れていない】
【スカートを薫せ歩いていたがふと、ぴたりとその歩みをとめて小さくため息をついた】
【若草色の瞳は絶望に染まり、白い肌がより一層青白くなっていて。その表情はひどく落胆しているような……】

おしまいなのだわ……
行き当たりばったりも考えものね、こんな……まさか、思った以上に誰もいないの……

【ガックリ、という効果音が聞こえて来そうなくらいに肩を落とす】
【どうやら適当に歩いて辿り着いたのがこの場所らしく、その事に彼女はひどく後悔しているよう】
【賑わいを見せる路地からだいぶ離れてしまったこの場所でーー】
【どうすることもできない少女は左手の甲につけた黒い宝石のアクセサリーをなんとなく指で玩びながら】

だれか……だれかいないのかしらー!

【室外機の音にかき消されそうな弱々しい声で助けを呼ぶ】
【果たして、助けてくれる者はいるのだろうかーー】

/よろしくお願いします!!


501 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/22(日) 15:27:04 6.kk0qdE0
>>500

「そんな大声で騒がなくたって、誰かしら居るわよ」
「まあ、一応街中ですからね〜」

【宵闇にでも居れば溶け込んでしまうかのような、そんな少女だった】
【ゴシックの調の黒い洋服に、あしらったヴェールが特徴的な長い髪】
【とても、裏路地には似つかわしくない】
【良い所のお嬢さん、と言った風体】
【対し、この少女に話しかけたのは、身長は高くそれでいて全体の極めて細い女性】
【いや、よく見れば女性風にメイクされ髪を伸ばした、オカマだった】
【そしてその傍らには、これまたこの裏路地には似つかわしくない、付近の学校の物だろうか】
【セーラー服に眼鏡、片目が隠れるような黒い髪をした少女だ】

「一体どうしたの?迷子?」

【日中でも薄暗い裏路地で】
【オカマは少女にそう聞いた】


502 : クローディア :2018/04/22(日) 15:56:24 B3KDEI320
>>501

【伸びやかな声に振り返る。人の声が聞こえただけでこんなにも明るい表情に変わるのか、というくらいに少女の顔は煌めいていて】
【目に飛び込んで来たのは見慣れない格好のーー女性だった】
【セーラー服を見るのは初めてだし、存在も知らなかったのだけどその清潔そうな姿の女性にぱたぱたと駆け寄った】
【そしてまるで神にでも祈るかのように自身の胸の前で手を組み、自分より背の高い目の前の救世主を見上げてーー】

お姉さまどうか助けて欲しいのだわ
へんな大男に追いかけられたり、カラスにつつかれたりしながらフラフラしていたらこんなところに迷い込んでしまって……
このゴーゴー音がする機械の熱風にやられてしまいそうなの!

【と、室外機を指差して】
【暗い路地裏だからか、それとも目の前の女性が『完璧』だからなのか、オカマだということに気づいていない】
【お姉さま、と呼んで人懐っこく笑いながら喜びを全身で表すようにぴょんぴょんと小刻みに跳んでみてーー】


503 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/22(日) 16:01:39 6.kk0qdE0
>>502

「(あらやだ、この子)」

【お姉様、と言われてちょっと嬉しそうだ】
【横目でセーラー服の少女が、じとっとその様子のオカマを睨むが】

「変な大男ですって!?それは大変よ」
「ええーっと、どうしましょう?なんか熱気にもやられてるみたいですが……」
「決まってるでしょ、お店に行くわよ!」

【駆け寄り、話す少女に、オカマと少女はそう話し】

「何だか訳ありみたいね……私この近くでお店やってるの、よかったら来ない?」
「ジュースとお昼位は出せますよ」

【と、それぞれ少女に話す】
【最も、場所がいかがわしい場所である故、警戒される可能性は十二分にあるし】
【また、この二人が悪人でない保証も現状無いが……果たして】


504 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/22(日) 16:04:54 g1HLNF4w0
本スレ504,511

【車から現れた大男をディミーアは知っていた。たった一度、出くわしただけだったが】
【この場に現れたことから敵かと身構えるが、厳島の反応からそうではないことを悟る】
【忌々しげに舌打ちをする。向こうはこちらを助けるつもりだ。それさえも腹立たしいことではあったが】

【しかし、それを受けざるを得なかった。抵抗などはせず大人しく運ばれて治療を受ける】
【屈辱的な表情を浮かべている男は、とても助けを受ける側の姿ではなかった】
【それでも、こういった救助を拒んでいて戦える相手ではないことも、分かっていた】

【────────】


…………セレンディピター号以来になるな
言っておくが、礼は言わんぞ、ナンバーズ


【治療が終わった後、拠点内のどこかに座りながら、不快感を隠しもせずにディミーアはカニバディールへと言い放つ】
【No.30、カタロス。自身もナンバーズであったはずだが、その振りをする余力は残されていなかった】
【所詮は内偵活動のための偽りの称号と名。もうほとんど役立つこともないだろう】


こうしてやってきて俺たちを助けたということは
やはりお前は黒幕側ではない、ということだな
だったらクソむかつくが、協力体制を作らねばならんな

呉越同舟などという”生温い”ことは言わん
利用できるものは互いに全て利用して奴らを地上から殲滅する
どうせ、そういうことだろう?


【何故助ける。何故協力する。そういった問いかけを男はしなかった。そんなことは分かりきっているからだ】
【今でもこの男からは狂気的に膨れ上がる殺意が溢れ出している。そしてそれを、抑え込んでいる】
【そうまでしてでも、本来は憎悪の対象であるナンバーズと協力してでも、奴らを滅ぼさねばならなかった】

【「で、何から話す」────下らない前座を早々に切り上げて、ディミーアは本題に移ろうとしていた】


505 : クローディア :2018/04/22(日) 16:22:11 B3KDEI320
>>503

お姉さま方のご厚意に甘えるのだわ!

【まったく、全く疑う様子もなく、もはや即答の意気でそう返し】
【だがすぐにはっ、としたように周囲を睨み出す。目の前の相手二人を警戒はしないのに、周りにだけ注意する謎の少女】
【やがて少女はぴたり、と自身の救世主……お姉さまの方に磁石みたいにくっついてーー】

本当に怖かったの、へんな大男だったのだわ
ひとつ、アクセサリーを盗まれてしまって……悲しくて泣いたら何故かお金を渡されたのだわ

【と、懐から裸のままのお金を出してみて】
【……お札が2枚。大金ではない】

彼に付けられていたら大変だわ、お姉さま方にまでご迷惑をおかけすることになってしまうの……大丈夫かしら?

【どうやらその大男に付けられているかも、と心配しているらしい】
【人の気配に鈍感な彼女ではいるかいないかまではわからないが恐らくーーいないのだろう】
【いないのだけど余程怖い思いをしたのか、彼女はお姉さまとセーラー服の少女の間に入り、二人の袖をきゅっと握るのであった】


506 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/22(日) 16:31:29 6.kk0qdE0
>>505

「それは大変ね、直ぐに自警団か警察に言わないと」
「うーん、でも強盗って言えるのかな?」

【どうにも話を聞くと奇妙だが】
【物盗りに同情でもされたのだろうか?】
【兎にも角にも、奇妙な三人は移動する事に】
【なお掴んでみれば解ると思うが、オカマの腕の筋肉はそれなりに強そうだ、そう男性の腕の様に……】

「(ねえ、少尉大丈夫なんですか?)」
「(正体明かさなきゃ問題ないわよ、それともこの子放っておけっての曹長)」

【少しこそこそと二人で話すが】

「あら、私達は大丈夫よ、ねえ?」
「そ、そうですね〜、多分普通の人間なら……」

【やがて、二人は少女に手を握られながら】
【ショットバー『Cherry blossom』と掛かれた看板のある入口の前に来るだろう】
【当然店は開店前、入口の鍵を開けて真っ暗な店内へと】
【どうやら、店は地下にある様だ】
【階段を降り、電気を付ければ、カウンターのみの小さなバーが】

「何か飲むの?ジュースは色々あるわよ」

【少女が椅子に座れば、オカマがそう聞くだろう】


507 : クローディア :2018/04/22(日) 16:49:39 B3KDEI320
>>506

私も知りたいのだわ……なんだったのかしら……
でも、慌ててたし顔も覚えていないし、取られてしまったものはしょうがないの……諦める
きっとお姉さまたちが大丈夫とおっしゃるのならば大丈夫なのだわ!優しい二人に助けてもらえてよかったの……

【二人に連れられて店に向かう間、そんな愚痴を零して】
【が、自身の手から伝わるお姉さまの腕の頼もしさに、時折掴んでいる指を動かしてその質感を確認してみたり】
【セーラー服の生地を握りながらその質の良さに感動したり】
【そんなことをしているうちに、ちょっとしたアクセサリーを盗られたことなんてどうでもよくなってしまったのだろう】
【二人に挟まれてなんだか嬉しくて一人ニコニコと笑みを零すのだ】
【だから、二人のひそひそ話なんて聞こえていないのだろう】

わ、素敵な雰囲気のお店なの!!
なんだか落ち着く空間ね

【室内に入ったことですっかり安心したのか二人の腕を解放して店内を見回す】
【どうやらバーの雰囲気が気に入ったらしい】
【そして飲み物を尋ねられれば、「果実の飲み物がいいの!」と笑顔で答えるのだ】
【アバウトな注文だがそこはオレンジでもリンゴでも、多分構わないのだろう】


508 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/22(日) 16:58:02 6.kk0qdE0
>>507

「ふふふ、どういたしまして」
「あたしら優しいって言えるのかしらね?」
「(少尉!そういう事はシーッ!)」

「うーん、でもアクセサリーでも強盗だし、大丈夫なんですかね〜?」
「本人が大丈夫って言ってるんだから、大丈夫でしょ?警察とかそれこそ面倒よ?」

【セーラー服が珍しい、と言う少女】
【どうにも世間ズレした部分が気になる】
【バーカウンターの横の席に座り、少女が話を始める】

「私は那須翔子、こっちの人は賀茂宗司ね、君は何て名前なのかな?」

【セーラー服の少女が、そう聞いた】

「あら、ありがとう、こんな狭い店でもそう言ってくれる人がいるなんてね、驚きよ」

【そう言いながら、オカマは少女のジュースを準備する】
【程なく葡萄、グレープジュースが出てくるだろう】

「でも、あなた、幾ら迷い込んでもあんな場所うろうろしちゃダメよ」
「見ての通り、この辺りは物騒なんだから」

【そう窘める事も忘れずに】


509 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/22(日) 17:54:39 WMHqDivw0
>>498

【カチューシャが離されると、ああ、と声を上げる。残念そうな顔】
【テディベアを取り上げられた子供みたいにちょっとだけ腕を伸ばして】
【――すぐ下げる。しゅんとした顔で、「お仕事」モードに戻る】

【タブレットの画面を見て――「ちょうちょ」、と呟いた】


……うん、うん、十分すぎるくらいだ。
あの子アタマ足りないからな、使いこなせないかもしれないくらいだ――

――――うん。これを貰おう、対価は何か必要?


【女の中にある絶対法則。何かを貰ったなら、何かを差し出すべきだって】
【そういうルールがあったから、その言葉が自然に出てきたた】
【何があってもそれだけはきっちり守ってやり遂げるというのが、この女の評判であり】
【多少の無茶な要求だって二つ返事ですぐ呑み込むだろう。そんな予感をさせる、人のいい笑み】


510 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/22(日) 18:14:59 S/DUh6T.0
>>509

【魔女は不思議そうに小首を傾げる、対価は何が必要か──と、問われて】


対価なら十分払われたでしょう、常人なら十分気狂いになる痛みを享受されたのです
私が求めるものはまた頂きました、ブラスフェミア様の作品の遺伝子を解析できたのです
そこからまた新しい作品を作れる、私には十分な対価です


【── それに、と言葉を続けた】
【ヴェール越しの微笑みが愉悦に染まる、小さく映るのは強かな楽しみ】
【魔女が持つ、ほんの少しの遊び心】


別生物の遺伝子を組み込むのに、大きな反作用が検体を襲います
元々の遺伝子が阻むのでしょう、何体もの検体が自ら部位を切り落とす程です
これもまた対価に十分と、私は考えます


【数日は身体を動かす事すらままならないでしょう、と魔女は続ける】
【事実、夕月の足が再構成されたなら、足が内部から引き裂かれる痛みが襲う筈だ】
【── 正確には既に再構成は始まっている、モニターを切っている為、伺えないが】


ブラスフェミア様、本日は貴重な実験にお付き合い頂きありがとうございます
これで私共の研究も、更に次のステージに進めます
別種の生物同士のキメラ、それこそ鵺といった伝説の生物まで──

ふふ、そう考えると夢が広がりますわ


【魔女が指し示すと、モニターが映り、係員が数人がかりで入場、夕月を運んでいくだろう】
【静かに立ち上がり、ブラスフェミアの側へ、そのまま外へと案内していくだろうか】


511 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/22(日) 19:04:01 WMHqDivw0
>>510

……そう、ならいいけど。
あんまり面白味もない解析結果しか残らないかもしれないけど……

【「何かの参考にしてくれれば」と言い残して、そこで切る】
【無理に強請ることはしない、それでいいと言うならそれでおしまい。それもまた、ルールのひとつ】
【続く言葉に――はは、と。此方も笑みを零した】

あははっ……あなたもなかなかヒッドいなあ!
わかった、それも伝えておく――よりも先に身体で理解するか。
もともとココロの強い子じゃないんだけど……ガマンできるかなあっ

【暗転した画面の向こうではまた、少女が悶え転がっているのだろう】
【容易に想像できた。だからこそ、二人の狂女たちの笑いを誘う】
【カップを傾けて紅茶の最後の一口。飲み干したら、立ち上がる】


こちらこそ、ミス・ウィッチ――面白いモノなんでも創ろうよ。
伝説の「生物」なんて言わずにさあ、


【 「神様だって創れるよ、きっと、僕たち」 】

【――――冒涜者に相応しい、神を穢すような台詞を残して】
【カチューシャに手を振りつつ、モニタールームを後にするだろうか】
【既にほとんど誰も直視していないモニターの向こうでは】
【ぐったりと生気を失った少女が、項垂れている光景だけが映っていた】


512 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/22(日) 19:10:57 S/DUh6T.0
>>511
/キリがいいのでこの辺りで!
/お疲れ様でした!


513 : クローディア :2018/04/22(日) 19:40:20 B3KDEI320
>>508

そうなの、きっとケーサツのお世話になる方が面倒なのだわ!
彼らのお世話になる、ってことは時間を取られるってことでしょ?勘弁なの

【あれくらいくれてやるのだわ、とボソッと呟いて】
【よく見ると腰に巻いてある布状の緑色のベルトにぶら下がった丸い宝石たちーー熟す前のトマトのような……面白いデザイン。何個も同じモノが規則正しく並んでいるのだが、丁度ひとつ分空いている所がある】

翔子さんと宗司さん……宗司さん?
なんだか男性のような響きのお名前ね、かっこいいのだわ
もちろん翔子さんも素敵なお名前なのよ
私はクローディア。好きに呼んで欲しいの!
そのまま呼ぶ人もいればクロって呼ぶ人もいるのよ

【一瞬違和感を覚えて首を傾げるが、名前で男!女!とはっきり決めてしまうのは失礼だろう】
【二人の自己紹介ににこり、と笑みを落とせば自身の胸に手を当て、名前を教える】

宗司さんの言う通りだわ、あんな場所に迷い込んで怖い思いをして情けないの
でも、翔子さんと宗司さんに出会えたのだから悪くない冒険だったわ!
ふたりは何をしている方たちなのかしら?
この素敵なお店の店員さん?


514 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/22(日) 19:45:15 WMHqDivw0
>>510

【――――】

【夕月と呼ばれていた、赤髪赤眼の少女のカラダ】
【それを分析して言ったなら、以下のことがわかるだろう】

【まず、大前提として――その肉体はもう、「生きていない」】
【「死んでいる」のだ。いつか“冒涜者”が口にしていたことを思い出すだろうか】
【「死者の蘇生を研究テーマにしている」と。それならまあ、ここらへんはおかしなことでもないと思うだろうか】

【そこから先、二重螺旋を紐解いていったなら――魔術式が編み込まれているのがわかる】
【術式は大まかに分けて三つ。肉体に絡みつけて縛るように緻密に、緻密に、組み込まれて】

 【ひとつめ。一番外側に「偽装」の式、死んだ肉体を生きているように見せかけるための】
 【体液を分泌させて、呼吸をして、全身に血を巡らせて、神経を通わせて、――エトセトラ】
 【ここが一番大掛かりな術式になっているのだと、すぐにわかるくらい】
 【……深く考えなくてもわかるだろう、これが機能していないと単なるゾンビにしか成り得ない】

 【それより内部、ふたつめとみっつめは、それぞれ違った式だったが――】
 【ふたつで一組の術式であるともとれる「偽装」より幾分、単純な術式。肉体を動かすためのそれではなくて】
 【もっと別の――一般的に“召喚術”と呼ばれるそれに似た、何かを呼び出すための「喚起」の式】
 【ならばもうひとつは、そうして喚んだナニカを肉体に結び付けて、留めておくための「結合」の式】

【これら三つの術式から考えるなら、“冒涜者”の扱う≪蘇生≫法は、とても簡単なスリーステップ】
【「喚起」で彼岸にある死者の魂を此岸に喚んで、肉体に「結合」させてから】
【その上に「偽装」を施して、あたかも生きているかのように見せかける】
【そんな見え透いたカラクリ。子どもでもすぐに思いつきそうな、ちゃっちい方法であった、けど】

【――――三つの術式。全てを恙なく成功させたうえで】
【バランスよく、それぞれを邪魔しないように、緻密に肉体に編み込んでいくのは】
【きっと途方もないくらい面倒臭くて難しい、それでも人間の手作業でしか出来ない、業だ】
【子供がぱっと考えた夢物語のような、無茶苦茶な思想を現実のものにする。それが、“冒涜者”の能力】



【……一つ。疑問に思うこともあるだろう、本当に単純なこと】
【術式を使い続けていくなら、それに見合った熱源が必要なはずだけど、と考えてみたなら――――】
【――――「そこまでは明かせないの、ごめんね」。 女の声が、響いてくるような錯覚。――――】

//補足的なサムシングです。
//お付き合いいただきありがとうございました!


515 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/22(日) 19:57:44 6.kk0qdE0
>>513

「時間を取られる……君は何か急いでいるの?」

【翔子、そう名乗ったセーラー服の少女が首をかしげて】
【やがて少女、クローディアの腰の宝石達に気が付いて】

「素敵な宝石だね、ガーネット?」
「何れにしても、あんまり見せびらかして持たない方がいいわね、でないと今度は貴女の身体ごと宝石を攫いに来る悪漢に出くわすわよ」

【事実、治安は決してよろしくない】
【オカマ、宗司はその辺を窘めながら】

「だ、男性の様な……」
「ありがとう、貴女も素敵な名前ね」

【名前に関しては、この宗司は性別を黙って居る事に決めた様だ】
【どうにも、オカマとしてではなく女性として見られる事は初めての様子で】

「そうね、私はここのマスター兼バーテンダー」
「この子は、まあちょっと知り合いの子よ、店はごくたまに手伝って貰ってるの」

【翔子の頭に手を置いて、そう説明した】
【最もこれは嘘であり、彼……もとい彼女達の本当の身分を隠すための方便だ】

「店員って言うか手伝いは、ちゃんともう一人いるのだけどね」

【そう言って、何を考えたのか宗司は人型に切られた紙を取り出し】
【そのまま放った、紙はクローディアの真横に落ちるだろう】
【やがて】

「何用ですご主人?」

【その場に所謂唐風と呼ばれる赤い服を着た、少女が出現する】
【紫の髪に片目を隠した、やや俯き気味の少女だ】

「ちょっとした紹介よ、試しにってやつよ」
「用が無いならいちいち呼ばないで欲しいのです?龍鬼は断じて暇でない……」
「この子は誰ですご主人?」
「クローディアちゃんよ、ちょっとお客さん、相手してあげなさい」
「苦手です……龍鬼です?ご主人が何か迷惑かけてるです?」

【少女はクローディアに向き直り、そう自己紹介と共に話しかけた】


516 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/22(日) 20:19:31 MCfvOEa20
>>504
【────搬送中、そして運び込まれてしばらくは、彼女はピクリとも動かなかった】
【心臓はまだ動いていたが弱々しく。血圧は低下し呼吸も浅い。その体に青い血液を】
【流し込んで尚も、指先ひとつ動くことはなく。加えて、触腕の一本が不自然なまでに短かった】
【過去に負った手傷だろうか。引きちぎられたと思われる傷口は既に塞がっていたが】
【その傷口からは、新しい組織が随分と芽吹いていた。傷口から二股に生えた、短くも新しい触腕】
【元は一つの腕が二つになってしまっているのは生体のエラーか何かだろうが──この亜人種の再生力が、垣間見えた】
【逆にその再生力が分かるからこそ、今の傷の深さも伺えるというものだった】
【細胞新生促進剤でも用いれば、この新しい二股の触腕もすぐに他の触腕と同じ長さにまで生え揃うのだろうが】
【今すべきことなのかどうか。その判断は、カニバディールらスクラップズの面々に任される】

【────そして数時間後。漸くバイタルが徐々に回復の兆しを見せてきたのは】
【彼女の意思が強かったからだろうか。生きたいという、意思が】


(────────生きてる……………………)


【意識が無の底から浮上して、最初に思ったことはそれだった】


(……………………かえ、れる──────)


【次に思ったのは、それだった。生きている。ならば、此処が何処だろうと帰ることは出来る】
【────そういえば、此処は何処なのだろうか。三度目の思案で漸く、彼女は】
【自分の現在地が気になった。帰るにしろ、自分が何処にいるのか分からなければ帰れない】
【結局のところ、今の彼女の心を埋め尽くすのは“帰還”と“約束”の二つだけだった】


【ゆるりと身体を起こす。ここにきてやっと、傷の痛みが無いことに気付く】
【左手を見る。傷はない。それよりも、赤い指輪が薬指にはまったままであることに安堵した】
【耳元を手で触る。硬いイヤリングの感触が確かに返ってきて、二度目の安堵を覚えた】
【その後腹や胸の傷を見て──付けた傷の悉くが異常なまでに丁寧に縫合されいるのを見て】
【感謝よりも先に、気味の悪ささえ感じた。──そういえば、<ミミック/擬態>は使えるのだろうか】

【薄紅色の肌を見る。頭の中でスイッチを切り替える感覚。普段当たり前のように使っているチカラに働きかける】
【大蛸の如き触腕が、彼女の顔や体に巻きつき──そこから、漣が沸き立つように】
【彼女の姿が変わっていく。薄紅色の肌を持つ亜人から、赤い長髪に金の目を持つヒトの姿へ】
【変化は瞬きの間に、音もなく行われた。その変貌を、彼女自身は平然と受け入れていた】
【手を見て、髪を触り──その見た目が人と寸分の違いもないことに対し笑みを浮かべていた】

【ヒトの形をした金の視線を、周囲に向ける。まともな施設でなさそうなことはすぐに分かった】
【訝しげな表情を浮かべながらも、恐怖はない。むしろ、楽しんでいそうな節すらあったが】
【もしも部屋に誰もいなければ、寝台から抜け出て適当に歩き回るのだ】
【「誰かいねぇのか」──まるでゲームの序盤だな、などと当人は思っていたが】
【あるいは傍に誰か控えていることに気付けば、「よぉ」「あんたがしてくれたのか」そのように、まずは語りかける】


517 : クローディア :2018/04/22(日) 20:28:20 B3KDEI320
>>515
けして急いでるわけではないのよ
でも、調べられる時間に付き合うのはもったいなく感じるの

……これはアレキサンドライトって言ったかな?
身体ごと!?それは怖いのだわ、なるべく隠すようにする

【アレキサンドライトーー光の種類によって色が変わる宝石】
【その宝石を何個もついてるベルトを隠すようにスカートを少しひっぱって被せるように覆ってみる】
【たぶん、歩けばまた見えてしまうのだろうけど。とりあえず今はこれで納得して】

ふふ、ありがとう翔子さん
名前を褒められるのは嬉しいのだわ
ーーあ、ごめんなさい!男性のよう、って言って傷つけてしまったかしら
でも、女性のような名前の男性もいるのだから、気にしなくてもいいのだわ!
一つの褒め言葉として受け取って欲しいの

【とても嬉しそうに笑っていたのだが、宗司の反応にハッーーと桃色の唇に細い指を当てて。男性のような、と言ってしまって傷つけてしまったのか?なんて不安になって】
【本意も性別も見抜けないクローディアはわたわたと説明し始めて】
【人によってはデリケートな話題だ。もちろん、傷つけるつもりで言ったのではないのたけど】

翔子さんはお手伝いさんなのね!
とても若いのに偉いのだわ……もしかしたら私たち、そんなに年が変わらないかもなのにもう働いてるなんて……

【嘘だなんて微塵も気づかないクローディア。もしかしたら同い年くらいかもしれない彼女がたまにとはいえ働いていることに関心して】

【宗司が人型の紙を取り出すと、何をするのだろうと首を傾げーー】
【それが真横で少女に変われば驚きのあまり声も出さないまま仰け反って】
【宗司と少女のやり取りをとんでもないものを見たようなーーいや、とんでもないものなのだけどーーそんな驚愕が張り付いた顔で見ていたかと思えば】

っ!
はじめましてなのだわ!クローディアなの!
今のは何かしら、彼女は紙で出来ているのかしら?
でも、それにしてはちゃんとした可愛らしい少女なの

【話しかけられれば嬉しそうに目の前に現れた少女に向かってそういい】
【感動のあまり少女の両手を握ろうとするだろう。振り払われなければそのままゆるゆると上下に振りだすのだ】


518 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/22(日) 20:44:27 6.kk0qdE0
>>517

「アレキサンドライト?」
「光の加減で色の変わる宝石よ、鉱石魔術にも使われるわね」

【何れにしても、希少な宝石類である事に変わりは無く】
【隠して歩くのは、懸命と言える】
【もっとも宗司は、この宝石の事は知っていた様子だが】

「ありがとう、全然気にしてないわ、むしろ嬉しいわよ」

【名前に関しては、こう宗司は答えた】
【デリケート所か、この人物にはどうにも褒められている感覚しか無いようで】
【最も当然と言えば当然か……】

「まあこの子の本業は学生よ、見ての通りね」
「そんな、偉いだなんて……」

【翔子のセーラー服は、彼女がこの付近の学校の学生である事を示していて】
【褒められれば、そう照れたような反応をする】

「式神って言ってね、この辺で言うならば自由に呼び出して使える使い魔の精霊、みたいなものよ」
「陰陽道って言ってね、櫻の国の魔術なのよ」
「うう〜、龍鬼は断じて、慣れていない?」

【そう簡単な説明をする宗司】
【龍鬼と呼ばれた少女は、手を取られ振られ、困惑しながらそう答える】

「で、クローディア、貴女何処から来たの?」
「この辺では、見ない感じですね〜」

【宗司と翔子がそれぞれこう聞いた】


519 : クローディア :2018/04/22(日) 21:05:20 B3KDEI320
>>518
【気にしていない、と言われれば安心したように笑顔を浮かべて。小さな子供のような、純粋な笑顔】

お勉強もしてお手伝いもしているのね
ますます偉いのだわ……翔子さんのこと、尊敬するの
見ての通りってことは、着ているものは学生さんの正装ってところかしら?
…………可愛いのだわ!

【照れたような反応の翔子をまじまじと見つめ。セーラー服。あたらめてじっくり見てみると清楚さと可愛らしさが組み合わさったデザインだ】
【素直に可愛いと、そう言ってーー足がちょっとすーすーしそう、と言う感想は飲み込んで】

式神……聞いたことはあるのだけど、実際見るのは初めてなの!
式神の龍鬼さんも凄いのだけど、操れる宗司さんも凄いのだわ

【ゆるゆると振っていた龍鬼の手。慣れていないと彼女がいえば謝罪の言葉とともに離して】
【凄い人ばかりだ、と目を輝かせていたが、二人に質問されると、うん?と首を傾げて】

私はそのーー山奥から来たの
場所ははっきり教えられないのだけど、山奥の奥の奥……に、ある村から歩いて来たのだわ

【そういえば、と用意されたジュースに口をつけ】
【渇いていた咽喉が潤されてゆく】
【一気に半分近く無くなって、おいしー!とご機嫌の様子だ】


520 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/22(日) 21:13:38 6.kk0qdE0
>>519

「そうだよ、うん!正装正装」
「(……?)」

【翔子もそう笑顔で答えた】
【事実年が近いのもあるのだろう】
【一方で宗司は、ある疑問を浮かべていた】

「ご主人〜?」
「褒められてるのよ、誇りなさいな……陰陽師たるものこの位はねえ」

【どうにも、意思の疎通や会話は出来るが、式神の方は人間慣れしていない様子だ】
【宗司は素直にうれしそうだが】
【やがて……】

「山奥?しかも歩きって!?」
「ええーっと、国とかは?水の国?」

【極めてクローディアの答えはアバウトな物だった】
【本人の話ではかなりの山奥のようだが、仮にそんな場所があったとして歩いて来る事など出来るのだろうか?】

「あ、何か食べる?と言っても簡単な物しか出来ないけど」

【宗司はジュースを半分ほど飲んだクローディアに、そう聞いた】


521 : クローディア :2018/04/22(日) 21:25:37 B3KDEI320
>>520
水の国……
……その国の名前に心当たりはないのだわ
言われてみれば前に話した人が言っていたナントカの国も全然知らないの
そう、たくさん頑張って歩いたのよ!
何日か歩いてたらいつの間にかひらけた場所に出て、それからはここら辺を観光して歩いているのだわ!

【どうやらこの世界に対する知識はほとんどないようだ】
【記憶喪失なのか、それともーー世界が違うのか】
【本人は至って気にしている様子はなく、観光なんて言っているところを見ればこの状況をそれなりに楽しんではいるようで】

ご飯までいただいていいの!?
本当に感謝なのだわ……
そうね、例えばナッツとか、白いパンとか、りんごとか……そういうものがいただければありがたいの

【こんなによくしてもらって、もはや腰ベルトの宝石をお礼に置いて行った方がいいだろうか、なんて顎に人差し指をあてて考えて】
【クローディアが欲しがった食べ物は『料理』じゃなくて本当にすぐに用意できるようなものばかりで】


522 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/22(日) 21:41:07 6.kk0qdE0
>>521

【二人は顔を見合わせて】
【そんな事があるのだろうか?と】
【やがて】

「ここが水の国よ」
「ええっとクローディアちゃんってもしかして……別の世界の人、とか?」

【あるいは記憶喪失】
【文献レベルの話だが、確かにこれまでにも異世界からの来訪者の記録はある】
【だが、この少女が?と二人はかなり訝し気だ】

「ナッツ、パンに林檎……わかったわちょっと待っていなさいな」

【料理と言うよりも食材だ】
【それもまるで中世の者が好むような】
【直ぐに宗司は一皿持ってくるだろう】

「よく噛んで食べなさいな」

【普通に提供される白いパン、ハム、チーズ、スープだ在り合わせと言う感じで】

「貴女、何処かあてはあるの?」


523 : クローディア :2018/04/22(日) 21:57:19 B3KDEI320
>>522

別の世界……?なのかしら……?
あまり自覚はないのだけれど、そうだったら…………
そうだったら、仕方ないよね?

【一瞬だけ不安そうに眉をハの字にして。宗司、翔子、龍鬼の順に視線をやって、首をかしげる】
【もし、ここが自分の世界じゃない所だったら。歩いているうちにどういうわけか移動して来てしまったのならーー】
【仕方がないーー今はもう、そう考える事しかクローディアにはできない】

まあ、美味しそうなのだわ!
ありがとう、私これなら全部いただけそう!

【しょんぼりしていた顔が、目の前に置かれた美味しそうな食べ物を見て晴れやかになって】
【言われた通りよく噛んで食べる。美味しい。幸せそうに食べながらふと、式神もご飯を食べるのかという疑問がよぎって。ちら、っと龍鬼の方を見たりして】

あてはこれから考えるの
きっとなんとかなるのだわ、なんだかそんな予感がするの

【質問されれば向きなおり】
【謎の自信だが、彼女はわりと本気で言っているらしい。月のように柔らかな笑顔でそう答えるのだったーー】


524 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/22(日) 22:03:12 wn2rqSVw0
>>490

【そろり、そろりと戸棚へ。誰も居ないのだから普通に近付けば良いのだが】
【そこでも足音を潜めてしまうのが子供心というものなのか】
【ふと香る甘い香り。クッキーだと分かれば、疑問が浮かぶ】
【疑問――できたての香り。それは、つまり――】


…――う、おぉっ……!!?


【びくん!と動きが止まる。ゆるりと振り向いた顔はと言えば】
【「やっちまった」なんて表情で。要は、悪いことだと分かっていたのだ】
【それを会えてやりたくなるのが子供のさが、とでも言うべきものなのだが】

【その驚きから、若干バツが悪そうなものへ表情はシフトして】
【けれどその人物――自分の母が笑むのを見ると、少しは安心したのだろう】
【目線を合わせ、頭を撫でられると小さく笑って。】

ん……ごめん、なさい……母上…。
……っ、でもよー!あんないい匂いさせてる方が悪いんだぜ!?
それに、最初からご褒美だって知ってりゃ…――っ、我慢も、か……。

……分かった。つーか、母上"透過"の魔術かなんか使ってたのか!?
全っ然、気配とか感じなかったんだけどよー!


【――この少女、ベアトリクスを躾けるのは大変なようで、実は容易い】
【「これも騎士たる者の鍛錬」と、そういうワードを盛り込めば良いのである】

【それが彼女の夢であり、憧れであるから。だから、そうと言われれば素直に従うし】
【なにより、根はただの良い子なものだから、言いつけはきちんと守る】
【諭すような言葉を聞けばしっかりと反省した様子で――むしろ、自分の母に質問をした】

【最早、クッキーなど忘れた様子で。それもそうだろう、何せ憧れのうちの一人なのだから】
【目をキラキラとさせながら「どうやったんだ!?」と聞いて、動かない】
【早い所興味の対象を変えなければ、折角のクッキーが冷めてしまいそうだった】
【――もちろん、クッキーは冷めても美味しいものなのだが。】


525 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/22(日) 22:11:40 6.kk0qdE0
>>523

「……クローディアちゃん」
「……」

【仕方がない、そう不安そうに顔を顰めるクローディアに】
【こう、二人は黙する他無い】
【自分の身に置き換えれば解る】

「よかったわ、でも本当にそんな物でよかったの?」

【今まさに置いた食事は、一般的には質素な物だ】
【ボリュームがある、と言う訳でもない】
【少々その部分は不安げに】

「食べないです?でもご主人が食べろと言うなら頂くです」

【なお、式神は食事は食せる事は食せるが、エネルギー摂取に食事は不要な様だ】

「クローディアちゃんって逞しいね!」
「そうなのね……お金は持ってるの?」

【屈託のない、邪気の無いそんな笑顔】
【故に、宗司はより心配になり、そう聞いた】


526 : クローディア :2018/04/22(日) 22:36:08 B3KDEI320
>>525

もしかしたらそのうち村に戻れる可能性だってなくは無いはずなの!
それまではこの世界を楽しむのだわ!
……はっ、もしかして私はこの世界に呼ばれて何か役目を果たさないといけない運命にあるのかも……と、いう可能性も捨てきれないのだわ……!

【黙する二人を安心させるように笑いながら、そんな冗談も挟んで】
【もちろん世界が呼んだ、とか運命とか、そんなのは無いのだろうけど】

食べなくても大丈夫だなんて、羨ましいのだわ龍鬼さん
私も式神に転職しようかしら……
ちょっと恥ずかしいのだけれど、私好き嫌いがとても多いみたいなの
でも、出して頂いたものを残すのも好きじゃ無いわ
だからこういうお食事がとても嬉しいの
【ーーごちそうさま、と手を出して合わせる】
【今回出されたものに嫌いな物はなかったらしく、見事完食】

翔子さんの言う通り、私ってば逞しいのかもしれないのだわ!
お金はあるの、さっき貰ったやつ!
……も、もし無くなったのならその時は働くの、翔子さんみたいに!立派に!

【さっきのやつーー男から渡されたしお金のことだろう】
【それだけじゃ心配をかけると思って働く決意を示して見せて】
【ふと、薔薇の造花がついたヴェールをぽふっと外す】
【夜海色の腰より長めの切りそろえられた髪ーーヴェールを外した衝動でかもさっと乱れている】
【よく見ると一つの薔薇が千切れているーーカラスに襲われたときだろうか】
【その部分を指で摘んでなぞれば】

柔らかいベッドが無くても寝れるし、服が破ければこうやって元にだって戻せるの。
なんとかなるわ!

【指を離すと千切れていた部分は元に戻っていて。派手な演出はなかったけどきっとそれは魔法によるものでーー】

宗司さんが魔術師的なものだというのはなんとなくわかったのだけど、もしかして翔子さんも強かったりするのかしら?一見、とても可憐な少女なのだけど……


527 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/22(日) 22:49:08 BRNVt/Aw0
>>497

【特区に入った時の事を話し出すヘケメト】

【青年──リューシオはテーブルに肘をつき、端末を取り出してメモを取りながら聞き始める】

特区の中は機械っぽいのがちょくちょくいる……そいつらは……蟹味噌?
あ、カミスシティにようこそって言ってんだな多分……
【まあそれは良いか、と呟き】

えーっと……街の奴にバックブリーカーをかけていたら……つまりは暴力を振っていた、と……そうしたら注意の音声と音楽……音楽がどんなのか気になるな……まあ、それが流れてきて……

……笑顔の人間達が集まって?
【ふと眉をひそめる。妙だ、と感じた。警備を担当する人間なのだろうが普通街の人間が暴力を振るわれていたら笑顔でいられるだろうか?なんというか、不気味だ】

戦闘能力は高い、光で目潰し、でもってビリビリで動きを止めてくる……

注射の中身は液体……多分薬かなにかだろうな……キハツセーが高い液体……と……

で、車に乗せられて何処かに……注射はその時、か……

【こちらもメモを取る手を止め、一息つく】

車から笑顔の奴等が出てきて車に乗せてった……って感じだな……
【想像するとなんか不気味……や、流石にずっと笑顔な訳ねぇよな、うん、と呟いて】


528 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/22(日) 22:58:59 6.kk0qdE0
>>526

「そうねえ……まあクローディア、貴女がそう決めているのなら、そう、大丈夫ね!」

【自身の置かれた状況に悲観することなく】
【むしろ、心でそれを乗り越えてしまう気概】
【彼女は大丈夫なのだろう、そう決して挫ける事は無いだろう】

「人間から式神になれるです?」
「なれるわけないでしょ、冗談よ冗談で言ってるのよ」
「私も嫌いな物はある、のかな?」

【食事に関しては、またそれぞれの反応を返す】
【ジュースも新たに注ぎ入れられ】

「ふふふ、私もそんなに働いてないですけどね〜」
「じゃあもっと入る?いいわよ私は……いや、ちょっと待って……」

【そう冗談交じりに答えた宗司だが、ここで少し】
【何か考えるような仕草をして】
【だが、ここで】

「――ッ!?貴女能力者なの!?」

【復元能力だろうか、ヴェールのバラの細工が修復されている】
【一体どんな能力を、とその場の二人は困惑した顔になり】

「強いかは解らないけど、私も能力者だよ」

【翔子はその状況に、少々顔を引きつらせながらぎこちなく答えた】
【余りにも意外過ぎる事だった様だ】
【そして……】

「ねえ貴女、ここで働かない?」

【宗司は、そう聞いた】


529 : ◆Heckemet8M :2018/04/22(日) 23:17:49 u1dxVMlM0
>>527

「音楽はよォ、なんか楽しそォーな感じだったぜ! あの、アレがぐるぐる回って音出る奴みてェな感じでよォ」
『……オルゴールのことですね、おそらく。私はその音を聞いていないので断言はできませんが』

「そォーなんだよ、ずーっとめっちゃニコニコしてた! ついさっきめっちゃうめェもん食ってきたみてェな感じの笑顔!」
「しかもよォ、あいつら凄ェんだ。俺が車乗せられて運ばれてたら誰かが車になんかドーンってして助けてくれたんだけどよォ……」
「俺が横のガラスと仲良くしていた、そんな時でも変わらずニコニコだったんだ! 事故の衝撃で動けねェ状態なのによォ」

【――相手が一度は無いだろうと判断した要素は本当にあったらしく】
【一部を目撃していたアウも否定してこない。となると、ヘケメトの勘違いなどの可能性も低そうだが――】

「――そォーだ、あの特区だかなんだか。もしかすると俺たちの味方も潜んでるのかもしれねェぜ」
「さっき車が事故ったって言っただろォ? あれ、その味方らしき奴がやった気がするんだ」
「後ろからの光眩しくてよく見えなかったけどよォ、なんか被ってて、ゴリラで、それで機械がいっぱいっぽい声で、……"俺みてェな口調だった"」

【そこまで言えば、彼は頭に片手を当てる。――"頭が頭痛で痛ェ"なんて呟き通りの状態と思われる】
【その際、片袖が下がって、車に轢かれたかバットでボコボコにされたかゾンビウイルスか……】
【とにかく、カサカサ肌と牛柄のように広がる内出血を持った腕の一部がちらりと見えるだろう。そう言えば、手はわりと普通だったか。ある程度治ったのだろう】


530 : クローディア :2018/04/22(日) 23:24:22 B3KDEI320
>>528

のうりょくしゃ……?

【ぽかーんと口をあけて、そのちょっと間抜けな顔のまま首をかしげる】
【聞きなれない言葉だったが、翔子もそうなのだと聞けば、あぁ!と手をポンっと合わせて】

あ、この服だけなの。こうやって直せるのは
例えば翔子さんの服が破けたら私は直してあげることはできないの。この被り物で隠してあげることしか……
でも、翔子さんが能力者というものならば多分こんなことは必要無いのだろうけど!

【恥ずかしそうに笑って手に持ったヴェールで翔子の身体を隠すように前に持ってきて見て】
【長いヴェールは翔子の体ーー首から膝までなら隠すことができそうで。また白いヴェールの裏地は青と緑が混ざった不思議な色合いをしていて】

私自身の能力といえば、そんな話せるほど凄いものでは……

【と、うつむき気味にボソリと呟く声は三人に聞こえたのだろうか】
【しかし宗司の、意外すぎる一言にぱっと顔を上げて】

私がここで……?

【これまたぽかん、とーーでも若葉の瞳がキラキラ輝いて】

わ、私なんかがお役に立てるのかしら?
何もしたことなくて、たぶん、本当に何もできないのだわ……
雑だと言われたりもするし……
こんな私のことのこと怪しんでないのかしら……?へんな娘だと思わない?

【予想外の言葉に戸惑いつつ、しかし嬉しそうな声色で】


531 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/22(日) 23:42:42 6.kk0qdE0
>>530

「うーん、私は服を直す能力は持ってないよ」
「偶然同じような能力を持つ人は居るけど、基本的に能力はそれぞれ違うわよ」

【どうにも、概念そのものが無かったためか、先ずはそんな説明をした】
【そしてヴェールでこちらを隠して見せるクローディア、長くてそして手の込んだ織物の様だ】
【非常に綺麗で、不思議な物】

「(やはり、能力者ね……)」

【クローディアの呟きの様な声は、宗司には聞こえて居た様だ】
【そして……】

「そうよ、ここで、ね」
「(ちょ、ちょっと少尉!)」
「(何よ?何か問題あるの?)」
「(大ありですって!ここ諜報拠点ですよ!)」
「(それがどうしたのよ?そう言う時に使う以外は普通のBARよ)」

【何やらこそこそと話す二人だが】
【やがて、クローディアに向き直り】

「んなもん覚えて行けばいのよ、洗い物からお客さんの相手までね」
「変なのはお互い様でしょ、クローディア貴女も色々あると思うけど、せめて先立つ物は必要でしょ?」

【先立つ物、即ち現金】
【雲や霞で生きている訳では無し、どちらにしても食べていく、生きていく手段は必要だと】


532 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/22(日) 23:57:33 BRNVt/Aw0
>>529

【ヘケメトが話す笑顔の人間。曰く終始ニコニコ笑っていた、と】

【車に何かが追突して恐らく横転、なのだろうか?そうなってしまった時も相も変わらずニコニコとしていた、と】

……うへぇ、マジかよ……普通事故ったらニコニコなんてしてらんねーって……どーいう精神してんだそいつら……
【再びメモの手を止め顔をしかめるリューシオ。普通ならそれらが洗脳されている等と疑う所なのだろうが、そこまでは考え付かないらしく】

え、味方?
後ろから光……それは車の後ろが開いたやつ……で良いのか?
で、何か被っててゴリラで機械がいっぱいっぽくて……お前みてぇな口調?
【どういう事だ?彼は考え込む。頭の中でその証言を繰り返し、口を開き呟く】

……喋る……メカゴリラ……?

【刹那、飛び出たのはなんだか残念な答え】

【や、そんな訳ねぇよな!もう少ししっかり考える!と頭を横に振り】

【ふとその目にヘケメトのボロボロの腕が映り】

……なぁ、それって……何があったんだ?
【頭を振るのをやめ、おずおずと尋ねる】


533 : クローディア :2018/04/23(月) 00:06:43 B3KDEI320
>>531
私が着ているこの服が特別な布で編み上げられていてね、私の力に反応して破けたらくっ付くようにできているの
一着しかないからボロボロになってしまったら困るの
……でもカラスにつつかれたくらいで破れるのだから、たいしたことないわね……

【この服の特性を振り返ってみる。この世界に来るまでは破けることなんてそう無かったから、修復を見たのは自分でも久しぶりだ】

【能力者の説明を頷きながら聞けば、今まで歩いてきた道を思い出して】

ここまで、特に大きな怪我なく来れたのは運が良かったのかもしれないわ
だって、悪い能力者もいるのでしょう?
出会わなくてよかったの

【宝石一個で済んだのは奇跡だったのかもしれない。襲ってきた男が能力者じゃなくてよかった、と思うとにへら、と力の抜けた笑みが溢れる】
【ーーこの世界で生きていくにはもっとたくさんのことを知らないといけないようだ】

私、ちゃんと覚えるわ!
皆さんが私の力になってくれるように、私もそのうちきっと役にたってみせるの!お皿もピカピカに洗ってみせるのだわ!


【白い頬がほんのりと桃色に染まった】
【宗司からの誘いーー答えはイエス。最初に「落ち着く」と言ったこの空間に居られるのは彼女にとっては素晴らしい申し出で】

翔子さんは迷惑じゃないかしら……?

【潤んだ瞳が翔子をとらえる】
【最後の不安……一緒に働くことになるであろう翔子に確認を取り】


534 : ◆Heckemet8M :2018/04/23(月) 00:14:29 u1dxVMlM0
>>532

「昔の自分みてェに魂が入ってねェーって、アウは言ってたな」 『ですね』

「こう、事故って車の後ろ開いて、俺がそこから出ようとしたら……メカゴリラが俺を引っ張ったんだ!」
「本当めっちゃ眩しかったぜ、真っ白でよォ。そこからはよくわかんねェ、気づいたら草っ原にいたから」

【おそらく後光が差していたような状態のことを言いたかったのだろうか】
【――その正体は彼にもわからない、だから残念ながら相手が付けた仮称が採用されてしまった】

「――そォーだ、これがあんたが聞きたかった薬のアレだぜ!」

【頭から手を話しつつ、両袖をまくれば……やはり、ちらりと見えていた光景が広がっていて】

『これでもかなり治ってきた方です。あと数日もあれば問題なく完治"させる"ことができるでしょう』
「で、なんでこォーんなことになってるかというと、その薬が出てくるんだ」

「まァ、アレだ! 簡単に言うと、攻撃とか迷惑とかかけようとすると、めっちゃ苦しくなる! 我慢して続けるとそのうち"自滅して"崩壊する! って感じかなァ」
『飛び道具や人が居る可能性を感じた建物の破壊など、実際に危害を加えないとしてもそうなる可能性を感じれば駄目みたいですね』


535 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/23(月) 00:27:18 6.kk0qdE0
>>533

「あら、便利な作りね」
「(魔力と結ぶ?私達の制服と同じ作りかな?)」
「悪い能力者?いるわよ勿論」
「だから、あんまり危ない所とか行かない方がいいと思うな〜」

【無論、悪い能力者と言うならばそこら中に居る】
【それ故に、今のある一連の問題や事件が発生しているとも言えるが】
【それをクローディアが知るのは、まだ先の事になりそうだ】

「それなら決まりね!先ずは住む所を手配しないといけないわ」
「確か常連のお客さんに、不動産屋さんが居たわね、ちょっと待って」
「(あ、流石に住む所は『別の』を用意するんだ)」
「わ、私!?全然、殆どお店に入らないし、それにクローディアちゃんみたいな可愛い子がいてくれるなら、嬉しいかな〜」

【携帯端末を片手に、色々調べ連絡を取り始める】
【一方の翔子は、そうクローディアに答えた、やがて】

「え?何ケチ臭い事言ってんの?もっと下げなさいよ!どうせ入居者なんて今の時期そうそう入らないわよ!」
「よーし、それで行くわよ!いいわね、男に二言は無しよ!」

「クローディアちゃん、住む場所決まったわよ!」

【携帯端末に住所と地図を表示、ここからほど近いアパートだ】

「後で不動産屋さんがカギ持って来てくれるって、ここで大丈夫?」


536 : ◆jw.vgDRcAc :2018/04/23(月) 00:35:10 DIKJp7AM0
>>524

【確かに、騎士の鍛錬であると言えば何でも言う事を聞くだろう。この子がそういう性分であるという事は、よく知っている。】
【けれど……言う事を聞かせる方便としてその言葉を使ったことは無いし、これからも使うつもりは無い。だって】
【娘にとっての騎士は、そのような方便に使うような軽々しいものではない。夢であり、目標なのだから。】
【彼女の夢を世界中の誰よりも応援する者であるからこそ、本当に騎士に必要であると言えることにだけしか言わない。】

そうです、我慢もです!どれだけ力が強くても、心が弱いと意味が無いですもの。
力を持つ者こそ、その力に溺れずに正しい事に使えるようにならないと!ね?

ふふっ。魔術なんてなーんにも使ってませんよ?雑念を消しただけですっ。
心をコントロールできれば、こういう事も出来るようになるかもしれませんよー……?

【そして、心のコントロールは騎士には欠かせない。力を振るう者ならば、その力を悪用しない強い心も必要だ。】
【実際に、強い力を持ちながらその力に溺れて破滅した者を何度も目にした。―――この街の崩壊も、例外ではない。】
【これは、かつて義を見誤った故に多くを失った自分たちへの自戒でもある。だからこそ、言葉にも実感が籠る。】
【我が子に自分と同じ轍を踏ませない事こそが、親の務め。願わくば、この子が強く正しくあって欲しいと】

【……でも、お説教だけでは終わらない。】
【我慢して心をコントロールすることで、こういう事も出来るのだと夢を描き目を輝かせる子供に教える。】
【「こうあるべきだ、こうしなければならない」という言葉は子供には窮屈だ。活発な彼女にとっては尚更だろう。】
【それよりも、「こんな風になれるよ!」と可能性を示す方がずっとずっと、心に響くはず。ぽんぽんと優しく頭を叩いて】
【「さ、出来たてのうちにお上がりなさい。でも、お父様の分はちゃんと残しておくのですよ?」と着席を促す。】
【勿論、お菓子を食べながらでも何か訊けば必ず答えてくれるだろう。食べ始めたらお話が出来ないわけではないのだから】

【……さて。おやつの時間が終わればやらなければならないことがあるな、と娘の服を見て一人考えを巡らす。】


537 : クローディア :2018/04/23(月) 00:45:43 B3KDEI320
>>535
ええ、もう危なそうなところには近寄らないの!悪い能力者に虐められたら悲しいもの

【裏路地が危ない場所、というのは覚えた。ーーもっと他にも危険地域はありそうだが。果たしてクローディアはそれを身を以て知ることになるのか、知らずに過ごせるのか……】

翔子さん!ありがとうなの、本当に感謝なのだわ!!
あなたがそう言ってくれるとわたしとても心強いわ!

【宗司が連絡している間。「嬉しい」と言ってくれた翔子にふわっと抱きついて】
【「でもけして可愛くなんてないのだわ」なんて言いながら子犬が尻尾を振るように喜んで】
【やがてーー宗司の声に我にかえる】
【住む場所、と聞こえたような気がする。翔子が嫌がっていなければ抱きついたまま携帯の画面を覗き込み】

宗司さん……仕事が早すぎるの……
きっといろんな人からいい女だ、なんて言われてると思うのだわ!
もちろん、ここで大丈夫なの!

【どんなお家なのだろう、と想像して。クローディアにとっては完全に新生活が始まるわけだが、今は期待でいっぱいのようで】


538 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/23(月) 00:48:29 BRNVt/Aw0
>>534

【終始笑顔の人間達を魂が入っていないと形容するヘケメト達。魂が入っていない、ねぇ……と呟いてメモするも】

【ん?今何か問題発言が聞こえた気が?と首を傾げ、まぁ気にしたら負けだ!と敢えてその発言をスルーしようとする】


【事故で車の後ろが開き、脱出しようとしたら件の何者かがヘケメトを引っ張り出して、気付いたら彼は草原にいた】

【恐らく後光が射していた状態なのではっきりとは分からない、と綴りながら】

え、待ってそれ採用すんの!?もっとこう……あるだろ!?
つーかリアルゴリラじゃねぇんだよな!?体格とかをそういってるだけで人間なんだよな!?そいつ!
【自分の仮称が採用されてしまった事に慌て、別の案にしろとせがむ】

……というかあれだな?本当にその事故が起きる時まで街の中にいたんだよな?
いつの間にか街を出ていた、とかじゃなくて、か?
【そしてふと気付いたのか冷静になって尋ねる】


……成程、それが薬の効果か……
迷惑や暴力を働こうとすれば発動して苦しくなる
続けると……自滅?それってどういうやつなん……あ、口で説明してくれ
【流石に目の前で崩壊だかってのは嫌だし……と呟き】

……でもって道具を使う、人のいるかもしんねー建物を壊すとかでもやべぇなって感じたらアウト……か……
とにかく能力とか魔法とかそういったのを使う使わないに関わらずそんな感じなのか?


539 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/23(月) 01:02:43 6.kk0qdE0
>>537

「きゃッあ、ちょ、ちょっと……クローディアちゃん?」

【まるでじゃれつかれるように、抱き着かれて】
【恥ずかしいのかそうは言っているが、決して嫌がる素振りは見せずに】
【やがて、そのまま端末の画面を覗き込む】

「ありがとう、極上の褒め言葉ね」
「じゃあ決まりね、不動産屋にも伝えておくわ、まあ夜に呑みながら来るでしょうけど」

【そして改めて向き直り】

「じゃあ、先ず3つ重要な事を伝えるわね」
「一つは、自分の能力、魔術の類は極力人には見せない事」
「さっきも言ったように悪い能力者や、はたまた能力者ではなくても能力者を憎む人間や、能力者を利用しようとする組織が沢山あるの」
「だから、極力、それは見せない事ね」
「二つ目はもしこのBARに『静ヶ﨑の海に似たカクテル』を注文するお客さんが来たら、その日は閉店、貴女も帰っていいわ」
「最もそんな客はネイビーカラーのスーツを着た、いけ好かない、顔意外は好みじゃない男ただ一人だけど……」

【翔子が苦笑いをした】
【三つ目はやや間を置いて、そして】

「三つ目は……私は男よ、身体はね」


540 : クローディア :2018/04/23(月) 01:18:36 B3KDEI320
>>539
重要なこと……

【ふわりと抱きしめていた翔子をそっと離し、宗司に向き直る】

【一つ目ーー】

わかったのだわ!と、いっても私は本当にたいしたことないのだわ……
ううん、でも重要なことよね。わかったの、私のことは誰にも話さないし、もし服が破けても家まで我慢するのだわ

【二つ目ーー】

うん?
ーーわかったのだわ!

【首を傾げて考える。何故なのかなんてわかるはずもない】
【ならば言われた通りにするだけだ。そう注文する客が現れたのなら素直にそうする事だろう】

【三つ目】
【間が空くーーと、いうことは一番大事なことなのかもしれない】
【何を言われるかと思い体を強張らせて待っていればーー】

……あら、そうだったの
それは全然構わないのだわ!
でも、お姉さまという呼び方は間違ってはいないのでしょう?

【予想もしていなかった事ーーなるほど、頼もしい腕も宗司という名前もここで合点】
【きょとん、としながらそういいーーすぐににっこり笑って受け入れて】


541 : ◆Heckemet8M :2018/04/23(月) 01:24:58 u1dxVMlM0
>>538

「えェー、良い感じだから良いだろォ? ……人間か、……うゥーん、人っぽい形だった気はするけど、人間かはわかんねェ!」
「だってよォ、あの時本当ビリビリ痺れてて意識朦朧としてたし、さっきも言ったけど光で姿はよく見えなかった!」

【せっかく一言で表せる単語が出てき(てしまっ)たのに、――なんてちょっと不満げな表情を見せる】

「その辺は風景見てねェからよくわかんねェけど、……ガラス越しに見えた地面は多分道路的な奴だった気がするぜ」
「だから俺は多分草原なんかに連れて行かれてねェはず。……実は道路は幻覚だったって可能性もあるけど!」
「……本当、あいつに引きずり出された直後に真っ白になって、何事もなかったかのように移動してて……まるで夢の中の出来事だったかのような感じだ」

【けれども、夢じゃあなかった。それを示す材料は既に彼の身に存在している】
【――この辺りの話は、アウは実際に見ていない。訂正・推測できそうな部分もないので口を挟むことはなく】


「自滅するとこみてェなら、多少なら見せてやるぜ? ――あ、要らねェのか。苦しい状態までならやってやろォーかと思ったんだが」

『……彼の能力は"棘"なのですが、それで生み出せる棘のベーシックなものが攻撃部位の骨から身体の外側に向けて生えてきてしまうようです』
『つまり骨の周りにある肉がどうなるかは……ええ、想像の通りです。故に能動的な攻撃を行っても威力は殆どありません』
『その状態でもなお攻撃を止めなければ、骨も棘に侵食されます。そうなった結果を私が治療しておよそ一週間程の状態が今の彼の腕ですね』

『ちなみに、攻撃部位以外にも内出血が発生しますし、血涙を流したり血反吐を出したりもしますね。それでも場合によっては攻撃を止めないのが彼なのですが……』

「そォーなんだ、物理も魔法もどっちも駄目なんだぜ! 本当に100%無意識的な攻撃なら大丈夫かもしれねェが……すげェー難しいんだぜ!」


542 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/23(月) 01:30:11 6.kk0qdE0
>>540

「!?」

【三つ目を告げた時、てっきりもう少し驚かれるかと思ったが】
【これは少々意外だったが】

「そうね、これからも、そうお呼びなさい」

【翔子はくすりとそのやり取りに笑い声を漏らし】
【そしてやはりと言うか、宗司は嬉しそうだった】


「良い子ね、じゃあこれからよろしくねクローディアちゃん」
「よろしくお願いしますね、私もたまに来ますよ!」

【二人とも笑顔で、そうクローディアに言った】
【夜まではこの場で寛ぎ乍ら過ごすことになるだろう】
【そして夜になれば、禿げた頭を光らせながら、不動産屋が来てクローディアに鍵を渡し家賃等も説明し】
【ついでに一杯飲んでいくだろう】

「(少尉!もう中尉や少佐に怒られても知りませんからね)」
「(ただバイトを雇うだけよ、それに私達の『本件』には私が責任をもって触れさせないわ、これでいいでしょ?)」
「(もう、報告は自分でして下さいね!)」

【こんなひそひそ話も、クローディアの聞こえない所で……】
【さて、新たにこの国の住人となった異邦人の少女の】
【その先の航路は、何処へ向かうのだろうか?】 


//お疲れさまでした!
//こんな感じで〆で宜しいでしょうか?


543 : クローディア :2018/04/23(月) 01:39:32 B3KDEI320
>>542
わかったのだわ、お姉さま!
翔子さんも龍鬼さんも、改めてよろしくなの!私、頑張る!

【ふわりお辞儀をすれば青味がかった黒髪がゆれ】
【顔をあげれば月のような柔らかな笑みがそこにあってーー】

【みんなで楽しく飲んで寛いだ後に】
【説明され通りに部屋へ向かいーー扉を開ける】
【外の空気とは違う、部屋特有の落ち着いた空気。ガラリと何もない部屋がこれからクローディア色に染まっていくのだろう】

すごーい、窓がこんなに大きいのだわ!

【一番最初に感動したのはそこーー自分よりも大きな窓。こんなもの、自分の部屋には無かったから】
【一通り部屋を観察すればやがてベッドに横になるのだろう】
【これから生活、仕事、彼女を待ち受ける楽しいことを夢見てーー】

/お疲れ様でした!いろいろお世話になりました!
/最高の〆ありがとうございます!


544 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/23(月) 01:49:32 BRNVt/Aw0
>>541

【人間かは分からない、とりあえず人の形はしていた気がする、と言われ彼は唸りながら考える】

【謎の影、人っぽい。猿(というかゴリラ)、人っぽい。となると】

……あー、じゃあメカゴリラで良いな
【結局それの呼び方はメカゴリラになってしまったらしい】


【ガラス越しに見た地面は恐らく道路だった、なので草原には連れてかれなかった筈、と聞き彼は成程と頷く】

……って事はそいつには移転能力?ワープ?そーいうのがあんのかもしんねぇな……
【そうして彼が立てた仮説は恐らく何らかの転移能力ではないか、と】


わーやめろ!何かエグい事なりそうだからやめろ!
つかアウさんナイス!ナイスフォロー!
本当なら肉体から外側に向けて出る筈の棘が骨から外側に向けて出るって事な!
で、骨が肉を貫くと……えぇ自分で言ってて何か痛くなってきたぁ……

えーと……とりあえず能力は全部自分に返ってくるって事で良いのか?
で、能力を使おうが使うまいが暴れれば自分が傷付くと……
【うわー怖ぇー薬ー……とリューシオはため息を吐く】


545 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/23(月) 16:21:04 IBKicRNQ0
>>233
自慢になるのだろうか、これは……

【撮影のことは早々に諦めて頭の中から放り出した。彼なりの処世術である】

……後半の方は、重傷を負いそうな場所にしか思えないのだが……
悪魔の間では、それでも大事には至らないイタズラの範疇なのか……

どういう人物かはその一言でだいたい察した。仕掛け甲斐がありそうな相手じゃあないか

【薄く笑った口元は、悪魔のそれに近いものだった】


この世界でも、そういう時の想定外はよくあるのだな……

――――ふ、ふふ!! ずいぶん見事にかかったのだな!! オオハシを亀甲縛りにするとは、流石のイタズラの腕前だ!!
ハッシーちゃんには、糸蜘蛛に盛大に糸を浴びせられた姿を笑われたからな。お返しに笑ってやる機会を、私も待つとしようかね

【端末をのぞき込んで笑う異形、やはり自分もほぼ確実に撮影されているだろうという思考は封じ込めた】
【この端末の中にいくつの画像や映像が記録されているのだろうか】


それはありがとう。悪だくみは私も日常茶飯事なのでね、こういったものを探す時は気合も入る
イケメン悪魔の無惨に変形した顔……永久保存版になるな

【器用に動きトラップを準備する蔓を感心したように見つつ、込み上げる笑いを抑える】
【同時に、この力を敵対者に使えば、どれほどの脅威になるかという恐れも沸いてくる】
【即席の迷彩までも施すのを見れば。ますますその感情は加速する】

来たか。さて、後は仕上げを御覧じろだな

【ノックの音を聞けば、カニバディールも何食わぬ顔でくつろいだ様子を見せる】
【あたかも、自分もつい先ほど招かれた客人だと言わんばかりに。この手の演技力はこの異形もそれなりらしい】

(やはり、あの時に見たもう一人の悪魔か。あの顔、かなり警戒しているが……さて、気が付けるかな?)
どうも、初めまして。私は、カニバディールという者だ。邪禍さんにお招きいただき、この世界を見学させていただいている

【巨躯を折り曲げて一礼するカニバディール、すぐに顔を上げて成果を確認する】
【トラップが見事に決まった時、異形は心中で密かに快哉を上げた】

【あくまで自分も驚いたような顔をしながら、ジュゼッペの目線にわずかな頷きで答えた】
【笑いを堪えて、ひくつく表情筋までは隠しきれていなかったが】


546 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/23(月) 16:49:17 IBKicRNQ0
>>本スレ511
櫻の軍人、厳島で間違いないかね? 会えて光栄だよ
先日は、そちらの魔導海軍に大変世話になった

【身構える彼に、醜悪に笑いかける。行動以外は、到底救急隊とは思えない有様だ】
【間違いなく敵、と言える間柄。だが、今この時だけは違う】

ミラ・クラァケは出血量がひどい。助かるかどうかは、五分だろうな
ああ、派手にやられたな。だが、命はある。ならば、やり返す機会もあるだろうさ

わかった。それが敵にとっての不利益となるなら、手を貸さない理由はない
――――お人よしだな。ついこの間、私はお前の仲間の軍人たちを、何人もズタボロにしたというのに
礼には及ばん。私の為にやっていることだ

【重苦しい声で告げる。傷への処置は、異形の指示通り的確であり、この分なら回復も早いだろう】


>>504
【抵抗はなくとも、その抜き身の刃物のような敵意は、ひしひしと感じ取れた】
【個人としての因縁はないはず。カニバディールが把握している自分への恨みの筋の中に、彼はいなかった】
【となれば、機関員への怒りか。その根源が何なのか、知る由もなかったが。今この時は、共闘する気がある。異形にとって重要なのはその一点だ】

ああ、久しぶりだなカタロス。あの時は、ろくに話も出来ず残念に思っていたところだ

両手足を撃ち抜かれる重傷を負ったばかりで、それだけの口がきける辺りは流石だな
術後の経過も問題なさそうで何よりだ

無論だとも。礼を言われるような筋合いはないさ。私の利益のためにやっていることなのだから

【彼が腰かけるのは、待機所らしき広い部屋に置かれた、簡素な椅子になるだろうか】
【彗星のごとく現れたナンバーズ。カニバディールは、彼が最初から機関へ仇なすつもりで機関入りしたことは察していたが】
【それを今どうこうするつもりはない。そもそも、自身とてまだ籍はあるが、裏切り者としていつ機関を追われてもおかしくない身なのだから】


そういうことだ。彼奴等の目的は、私の利益に反する
まあ見ればわかってもらえるだろうが、『黒幕』の理想とする世界が実現してみろ。私のような異物がどうなるか、日の目を見るより明らかだ

ふ、ふふ!! 一度わずかな時間会っただけだというのに、私のことをよく見抜いてくれているじゃあないか
そういうことだ。今回のことでお前も骨身に染みただろうが、『黒幕』どもは我々が本来の姿通りにいがみ合いながら、片手間に倒せるような相手じゃあない
いずれ私も地獄行きだが、少なくとも『黒幕』に連なる奴ら全員を、私より先に向こうに送り込んでやらねば気が済まん

【抑え込んでもなお漏れ出るほどの、凄まじい殺意に相対しながら、異形はいつものように笑った】
【彼が話を進めようとすれば、異形もまた応じる。この場に必要なのは、殺意のぶつけ合いではない】

さあて……お前がどこまで状況を把握しているかにもよるが
まずは、今回の件について聞いておきたいな。お前たちほどの精鋭が、どうやって敵の罠に嵌められたのか
とにかく、『黒幕』は全貌が見えない。少しでも、その実態を知る情報が欲しい

話してくれれば、こちらも現時点で掴んでいる情報を話そう。あるいは、すでにそちらが知っていることも含まれているかもしれないがな


547 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/23(月) 17:21:15 6.kk0qdE0
>>546

「ああ、私もあの時はその場に居なかったが……かなり派手に戦ったようだな」

【カニバディールの問いかけに、こう答えた】
【先だっての水国混戦事件、そして邪禍やユウト、ミラとの迎合】
【その中で何度も名前が出た男、カニバディール】
【初めて顔を合わせる事となった】

「……すまない、出来る限りの手を尽くしてほしい……」

【ミラはかなり危ない状況で、そして現状頼れるのは彼だけだった】

「手酷いのはお互い様だ、これも諜報員だ、お人好しのつもりは無いが……今は仲間だ」
「それにそちら側、円卓のトップには既にこの件で挨拶済みでもある」
「……叩くぞ、黒幕を……」

【対黒幕戦線、通称をチームM】
【彼ら黒幕に仇なさんとする者達が一時的に手を組んだ同盟】
【この一角に二人は居る、如何にせん協力関係だ、そして命を助けられているのも事実だ】


548 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/23(月) 17:32:39 IBKicRNQ0
>>516
(思った以上にダメージが大きいな……まだ息はあるが、一刻を争う)
(この触腕の欠損は……古傷か? だが、すでに新たな腕が生えつつある……大した再生力だ)
(この力をもってしても、瀕死に追い込まれる重傷……この世に留められるかは、五分五分だな)

(再生の促進剤もあるにはあるが……今は、生命活動の維持を優先すべきだろう)

【カニバディールは彼女の肉を観察し、その傷の深さから判断を下す。まずは何より、血液の循環。生命活動の維持だ】
【触腕に再生のための力を裂いて、心臓がおろそかになっては意味がない。異形は配下らに指示を飛ばし、手下どもはそれを遂行する】
【彼女が間違いなく一命をとりとめた、との確証を得た時。流石の盗賊どもの顔にも、疲労の色が浮かんでいた】


【流石に、この状況で彼女の指輪やイヤリングに手を付けるほど、盗賊どもも無節操ではなかった】
【この時ばかりは、身内にしか使わない医療技術を、全力で彼女たちに注ぎ込んでいた】
【彼女自身がつけた傷、流石に跡までは消せず。しかし、その治療痕から異形どもの執拗さは伝わるのだろう。気味が悪いと感じた彼女の感覚は正常だ】


【部屋には、人の姿はない。彼女が寝かされていた寝台と、医療機器類に奇怪な生物が浮いたカプセル群。ここにあるのはそれだけだ】
【まさに、ホラーゲームか何かのスタート地点と言うべきか。彼女が主人公となり、部屋から抜け出て声を発すればすぐに、一人の女が現れるだろう】
【何故か黒い色のミニスカナース服。服と溶け合う長い黒髪。顔立ちは端正だが、その両手の指は全てが異様な長さと細さをしており、うねうねと気味悪く蠢いていた】

〈あら、お目覚め? 意識もはっきりしているみたいね。これなら問題なさそう。あれだけの傷を負っていたのに、大したものね〉
〈初めまして、私はウィーヴァー。カニバディールの手下の一人って言えば、わかってもらえるかしら〉

〈ええ、縫合を担当したのは私よ。勝手に連れてきちゃってごめんなさいね。でも貴女、相当危険な状態だったから〉
〈まだもうしばらくは安静にしておいた方がいいと思うけど、すぐに退院したいなら止めないわ。もちろん、回復するまでいてくれても大丈夫よ〉
〈とにかく、ボスに報告しないとね。大慌てで現場に駆け付けた甲斐があって、ボスも喜ぶわ〉

【ミラが拒まなければ、ウィーヴァーは彼女を案内して待機所まで歩いていくだろう】
【今まさに、カニバディールと言葉を交わす厳島やディミーア(>>504)とも、鉢合わせることになるだろうか】

〈ボス、クラァケさんが目を覚ましたわよ〉
……そうか。ご苦労、ウィーヴァー。よくやってくれた。超過勤務分の手当ての他に、ボーナスを上乗せしておこう
〈部下に気前がいいところは、ボスの数少ない美点よね〉
一言多い癖は治らないな、お前は。――――さて

直接会うのは初めてだな、クラァケさん。私がカニバディールだ。以後、お見知り置きを
我々の密猟サンプルに、貴女に適合する血液があったことは幸運だった。すでに歩き回れる辺りは、貴女自身の生命力に驚嘆するがな

【その外見に見合わぬ、意外なほど優雅な一礼と共に、カニバディールは名乗った。異形と亜人、今まで出会ったことのなかった奇妙な共闘者は、今ここにようやくの邂逅を果たしたのだ】


>>ALL
【そこへ、慌ただしい靴音。駆けて来たのは、カニバディールの腹心の部下、スカーベッジ・トラーシュだ。小脇には、小型のテレビを抱えている】
【彫りの深い顔を歪め、焦燥に駆られたその様子は、その場にいる全員に良くない事態の発生を知らせるだろうか】


[ボ、ボス!! お取込み中にすいやせん!! しかし、またえらいことになってますぜ!!]
どうしたスカーベッジ。また『黒幕』どもが何かやらかしたか?
[図星ですが、やらかしたの程度がかなりのものでして!! とにかく、見てください!!]

【スカーベッジがテレビを手近な机の上に置き、電源を入れる。映し出されたのは緊急のニュース速報】
【テロップには、『水の国 国会前でテロ発生 反能力者デモ隊が狙撃された模様』とある】

【声を震わせるアナウンサーの姿が、現場のリアルタイム映像に切り替わる。恐らくは、程度の差はあれこの場の誰にも関わりのある人物がそこにいた】

カチューシャ――――!! あの女、もう前線に復帰したか……!!
≪なんと、私の毒じゃご満足いただけなかったんですかねえ? もっと真っ赤に爛れた肌のほうが、絶対いいのに≫
……少し黙っていろ、ポイゾニック

【ずれたことを言う部下の一人をたしなめながら、カニバディールは歯噛みして映像に見入った】
【混乱の渦に呑まれる国会前と、時計塔の上で優美なまでの姿を見せつける狙撃手に。そして、それに立ち向かおうとする二人に】
【傍らのディミーアや厳島にとっては、おそらくはそれ以上の衝撃が走るだろうが】


549 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/23(月) 17:36:29 g1HLNF4w0
>>546>>547

【ふん、とカニバディールの返答には忌々しげに鼻を鳴らす。気に入らないことこの上なかった】
【だがやりやすいのは事実だった。認めがたいが、思考の方向性が一致している】
【それが余計に腹を立てる原因にはなっていたが、ひとまずは感情を抑えることにした】


詳細まで話す気にはなれんが、しかしお前たちにとって必要な部分を教えよう
俺の場合、極めて個人的な事情に絡めた情報を掴まされた。偽の情報、というわけだ
その個人的な事情なんてものはどうだっていい。問題は、奴らがそれを調べた上で利用してきた、という部分だ

情報収集能力の高さを裏付ける事実だ。そんなところまで利用できるはずがない、と俺が油断していた、というのもあるがな


【剣士の表情には極大の苦さがあった。今回のことを”失態”だと捉えていた】
【感情を一瞬で飲み込み、表情が冷静なものへと戻る。起こしてしまったことを気にしている場合ではなかった】


次はお前の番だ
重複していても構わん。確度が上がるだけだ


【手短に終えて、カニバディールへと手番を回す】


550 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/23(月) 17:43:24 IBKicRNQ0
>>547
ああ、相当な激戦だったよ。流石は噂に聞く櫻国魔導海軍の精鋭だ
手下を失わずに逃げおおせたことが奇跡だな

【何とも奇妙な縁である。敵でありながら轡を並べ、互いに名は知っていても会ったことはなかった】
【しかし、そんな流れを経て今、この場で彼らは出会った。そして、共に戦うのだ。いずれ、殺し合う間柄に戻る日まで】

無論だ。彼女に死なれては、私も困る
自分の利益に関することでは、私はいつだって本気だ。手下たちの尻を蹴りまわしてでも、この世に押しとどめて見せるさ

【自身の利に固執する悪党。それゆえに、その言葉に嘘の気配はなかった】


ふ、ふふ。なるほど、諜報員としては相当に有能らしい。櫻の国はいい人材を揃えている
まさか、すでにジルベール・デュボンとも顔を繋いでいたとはな

ああ、そうしよう。二度と立ち上がれないよう、徹底的に叩きのめしてやろうじゃあないか

【Mチーム。全てがバラバラな、共同戦線。その名の下に、何もかもが違う彼らは同じ場所で戦う】
【今は、肩を並べる時。それが理解できる相手であることは、カニバディールにとっては僥倖だった】

【――――その僥倖は、すぐに水の国国会前のテロの速報に、水を差されることになるのだが】


551 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/23(月) 17:52:10 g1HLNF4w0
//>>549に追加

>>548


テロ、だと……!?


【テレビ画面へと視線を移したディミーアが、驚愕に目を見開く。続いたのは憤怒の形相】
【一瞬、椅子から立ち上がろうとする。だが四肢に激痛が走り、うめき声が漏れる。歯を食いしばってでも動こうとするが、身体がついていかない】
【いくら適切な治療を受けたとはいえ、急激な行動が可能になるほど回復しているわけではなかった】


ク、ソ……どいつも、こいつも……!


【椅子に戻り、怒りのままに腕を振り上げる。しかし、力なく降ろされるだけだった】
【まともな怒りを通り越した何かが発露していた。水の国の事件が問題なのではない】
【この男にとっては、”反能力者の思想を持つ人々”が殺されるのが極めて不愉快だった】

【激情を表出させたまま、画面を注視する。そして────その表情が一変する】
【その画面に映る女を見て、男の表情は言い表しようのない複雑さが混じり込んできた】


────カチューシャ


【怨敵を呼ぶような、伴侶を呼ぶような。愛情と悲哀と敵意が入り混じった声で、彼女の名を呼ぶ】


552 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/23(月) 18:06:09 6.kk0qdE0
>>548>>549>>550

「ああ、頼む……」

【言葉短くだが、しっかりとそう告げて】
【やがて、側のディミーアにも】

「詳細は俺の方からも伝える事になる、ディミーア今彼らは……円卓も含めた彼らは」
「味方だ、そこは理解して欲しい」

【剣呑な、恐らく彼は納得のできない部分も大きいだろう】
【しかし、この場は、いや、対黒幕との戦いにおいては大いに手を借りる相手だと】
【何より我々は既に、黒野カンナを捕らえられているのだ、と】

「頼もしい言葉だ、流石カニバディール、円卓の要と言った所か……」

【だが、その言葉の、奇跡に近い迎合の最中】
【持ち込まれた情報は、その状況を一気に過酷なるそれへと誘う物だった】

「何だと!!??」
「今、カチューシャと言ったか!?この女が……」

【TVに映されたその光景は、国会前の混乱と動乱の絵を中継していた】
【渦中の、黒幕の女、№3カチューシャ……】

「こうしては居られない、私が向かう……ぐッう……」

【身体の傷は、後頭部に受けたダメージはまだ消える事は無い】
【その場の壁に手を付いて、苦悶の表情でTVを睨む】
【誰か、誰か向かった仲間は居ないのか、と】
【動けぬ事が、こんなにも歯痒いとは……】


553 : ◆Heckemet8M :2018/04/23(月) 18:46:54 u1dxVMlM0
>>544

「やっぱりメカゴリラでいいじゃあねェーか、よし決定!」

【――仮にも自分を助けたと思われる相手に対してその呼び方は良いのだろうか。その辺りはおそらく、彼はあんまり考えていない】
【自分がゴリラ呼ばわりされても別に文句は言わないから問題ないと思っているのかもしれない】

『ワープ系統……ですか。あと考えられるとすれば、一瞬で意識を消し飛ばして運び、放置した辺りですかね』
『前者の方が可能性として高そうですが……どちらの場合でも、敵に回したくないです』


「ヘケケ、骨に棘が生える前なら俺のリアクションだけだぜ」 『なぜあなたはそんなに乗り気なのですか』
「まァ、とにかく……こォーいう感じの棘が中から生えてくる感じって事だ! 長さはよく見てねェから知らねェけど」

【そしてその右腕に生えるは、頭髪のような緑色の棘。長さはバラバラだが、大体15cm程度のものが多いか】
【一本一本の強度はそこまで高くない。折ろうと思えば素手でもぺきりと折れるだろう……が、それはさせてくれない。もし手などを近づければすぐに棘を消滅させるのだ】

「全部返ってくるって言うかよォー、ゴリ押せば多分通せる気がするんだ。だから、どっちかっていうと……どっちだ?」
『……攻撃の反動が強すぎる、辺りでしょうか。いえ、当ててなくてもアウトですし反動という表現は少し不適切ですかね……』
『…………』 「…………」 『……攻撃には天罰を?』 「無意識的とはいえ一応自滅だぜ」 『……』

「――俺以外の奴に打たれた場合どォーなるかは知らねェが、とにかくヤバい薬だぜ!」

【どうやら適切と思われる表現がすぐに出てこなかったようで、半ば誤魔化すかのように言葉を発する】


554 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/23(月) 19:06:33 IBKicRNQ0
>>549
【憤懣やるかたない様子の彼に、醜悪な笑みで応える。気に食わずとも優先順位をつけねばならない、その怒りを楽しむように】
【同時に、合理的な思考の共通点も感じ取る。こういう相手ならば、問題なく共闘可能だろう。たとえ、それが怒りに満ちたものだとしても】

それで構わない。『黒幕』を潰すために必要なものだけでいい
偽情報でおびき出した……古典的だが、効果的な策だな。ああ、その事情を詮索するつもりは私にもない
そう、そこだ。その個人的な事情を、彼奴等は突き止めた。お前に油断があったにせよ、そう簡単に知り得ることではないだろう

彼奴等の情報網がどこまで広がっているのか。注意すべきは、通信傍受だけではないということか

【彼の苦い表情にはあえて構わず。彼の危機感のみを共有する】
【見据えるべきは未来。敵を打ち倒す、その目的のみだ】

わかった。まず、私が知る『黒幕』に属する者の名前は四つ。〝第五列 / インフォーマー〟こと、ケイ
機関No.3カチューシャ。『婦警』曽根上ミチカ。そして、六罪王〝計劃者〟ロジェクト

ロジェクト以外の三人は前線で活動し、顔も名前もわかっているが、ロジェクトだけはわからない
いきなり、機関員の頭の中や夢の中に語り掛けて来た。当初は『黒幕』の懐に潜り込もうとした私の裏切りがバレたのも、この男に脳内を覗かれでもしたのかもな
それくらい、得体のしれない相手だ。現状、ロジェクトが『黒幕』の中心だ

ケイは、猟犬を自称し『黒幕』を追う者を消して回っていることくらいしかわかっていない
だが、私の共闘者たちにもすでに接触しているとの情報は入ってきている
神出鬼没、かつ的確に手を打つ厄介な女だ。お前たちが嵌められた罠の元となった情報も、この女が収集に加わった可能性もあるな

『婦警』については、特に前線に出てきている割に正体がつかめない。能力を消す武装や、マインドやアートマンとは違うアンドロイドの召喚、攻撃を弾く見えない壁といったものを使うらしい
連中にとってどういう意味があるのかは知らないが、自販機を住処にしていた『井戸魔人』という無害な悪魔の類を殺しまわっていたこともわかっている

『特区』カミス・シティに潜入した協力者の話では、カミス・シティの地下病院で看護師もやっていたらしい
見た目からは到底信じがたい怪力で、危うく協力者は捕らえられかけたそうだ
……UTの鈴音に、子供を人質にした脅迫を行った張本人でもある。その件は、お前の耳には入っていたかね?

カミス・シティでの協力者の行動記録は、このUSBメモリに収めてある。必要なら持っていけ

【いったん言葉を切ると、ディミーアにメモリを投げ渡す。ギア・ボックスがカミス・シティで見聞きした一部始終がそこに記されている】
【地下の患者たちが口にした言葉、『オメラスに行く』『おめが が くる』といった謎の言葉は、特に目を引くだろうか】


>>551
【飛び込んできたニュースに、話を一度打ち切ることになるだろうか】
【驚愕と怒り。そして苦痛。近くにいたスカーベッジが、無理に動こうとするディミーアを止めようと一歩踏み出すが】

【カニバディールが首を振って止めさせた。怒りに支配された彼に下手に触れるのは危険と判断したためだ】
【同時に、今動くことは出来ないとカニバディールは知っていた。果たして、彼は力なく椅子に戻る】

【彼の激情の根を、カニバディールは知らない。だが、その根深さは想像できた】
【彼の憎悪。怒り。己に向けられた時、どう対処すべきか。ひそやかな損得勘定は、ひとまずはしまい込んで】


…………。カチューシャについての説明は必要ないらしいな
まあ私も、彼奴が〝ああ〟なる前の過去の姿をわずかに知っている程度だが

(まさか、この危険な男にも粉をかけていたとは……恐れ入るよ、淫売め)

【今度はカニバディールが苦々し気な表情を浮かべ、ディミーアを眺める番だった】


555 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/23(月) 19:14:36 IBKicRNQ0
>>552
【厳島に観察の視線を送るカニバディール。自分たちの如き悪党を味方だと言い切る姿は】
【ことがおさまれば、容赦なくこちらに銃口を向けるだろうことも、同時に想起させた】

【口でいいつつも、剣呑さも感じる気配に、いずれ敵に戻る未来を異形は密かに恐れた】

正確には、私は円卓ではないがな。彼らの代表たるジルベールにも、お目通りが叶ったことはまだない
元より、私は金持ちとの相性は最悪だ。あまり円卓とうまくやれる気はしていないが……
『黒幕』を潰すのに、彼奴等の力が必要なのも事実だ

【重々しく呟くカニバディール。スカーベッジが現れたのは、その直後であった】


お前は初めて見たか。そうだ、彼奴がカチューシャだ
魔導海軍と、我々スクラップズを相手に、たった一人で混戦を引っ掻き回した、とんでもない女だよ

おい、その傷ではまだ無理だ。手負いで勝てるほど、甘い相手じゃあない

【悔し気に唸る厳島に忠告を発しつつ、カニバディールの視線はテレビへと向く】
【国会前での派手なテロ。ますます世論が魔制法の拡大に向けて加速していくだろう】
【手をこまねいている間に、事態はどんどん動いていく。いや、動かされていく。敵の手によって】

…………? おい厳島。私の見間違いでなければ、カチューシャとやり合っている女は
混戦にも参加していた、お前のところの女曹長じゃあないのか

【カメラが捉えた女性の姿を、カニバディールが目ざとく見出す。あの日は、刃を交えることはなかったが】
【カチューシャと対話を試みた、あの女性が確かに画面の中にいた】


556 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/23(月) 19:34:13 g1HLNF4w0
>>552


…………無茶は無茶、らしいな
俺もお前も動けるような状態じゃない
ここはこのクソ野郎の甘言に乗って、身体を休めておくしかない


【動こうとする厳島を言葉で止める。もっとも自分も動こうとしていたのだから説得力はないが】
【画面を見るディミーアの表情に気づき。画面の向こうには翔子ともう一人、戦う者の姿があった】
【それは厳島も知っている姿だろう。しかし、部隊長の気配は明るくなかった】


あ…………あれは、アルベルト、か
………………マズいやつが来たな


>>554

【画面を見ながらカニバディールの言葉に耳を傾ける】
【情報収集をそれ相応に行ってきたつもりのディミーアだったが、カニバディールの話す内容には未知のものが多く含まれていた】
【携帯端末を取り出して記憶装置を差し込み、内容を確認する】


腹は立つが、有益な情報だ。どれも知らなかったことだ
オメラス、という言葉は…………カチューシャのやつが言っていた、と聞いた。そこの厳島の部下からな
どうにも、どいつもこいつもどこにいるのかいないのか分からんやつばかりだ
後手に回り続けるのも頷ける


【黒幕への協力者が少数であることは判明した。だがどれもこれも容易に打ち倒せるような相手ではなかった】
【────そのうちの一人については、個人的な事情から。「”ああ”なる前……」と呟きが漏れる。男は気にする素振りを見せた】
【疑問を一度は飲み込む。今はそれを詮索している余裕はない。だが、それでも】


…………ああなる前とは、どういう意味だ


【理性を舌が裏切り、問いかけを投げてしまう】


557 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/23(月) 19:57:49 6.kk0qdE0
>>555

「そう、だったのか?」

【これは意外な情報だった】
【カニバディールはその行動立ち位置から、てっきり円卓の所属と思っていたが】
【どうやら、違った様だ】
【だが、二人の心中を無視するような形でこの会話は遮られる事となるだろう】

「ッ!!??」
「こいつが……」

【カニバディールの話により、カチューシャがこの人物と言うのは理解できた】
【魔導海軍陸戦隊の兵を次々倒し、そしてカニバディールすら相手にする】
【まさに桁外れの相手……思わず息をのんだ】
【だが】

「なん、だと……」

【カニバディールの言葉に、再び画面を注視すると、そこには確かに曹長の】
【那須翔子の姿があった】

「まさか、単身?見方は!?少尉は居ないのか!?」

【愚かな事だった、勝てるはず等ない】
【何故、何故……いや、もう一人いた、こちらは見覚えのある姿、見覚えのある人物だった】

「カニバディール、私とこの場の全員、回復までどれ位かかりそうだ?」

>>556

「アルベルト!?このもう一人……いや、知っている知っているぞ」
「確か観艦式の時に、ディミーアの部下だと……ディミーア、何がマズいんだ?」

【TVを食いつくように見ながら、傍らのディミーアにそう聞いた】
【あるいは、この状況を覆しかねないのかも知れない、と】


558 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/23(月) 20:00:52 Pqx556PE0
>>548
【奇妙な生物群のいくつかには、見覚えがあった。────彼女の故郷は魔海。故に】
【幼少期の記憶の中に、確かにそれらは存在したのだ。だからこそ、何故自分が生きているのかは】
【すんなりと理解が出来た。あの原生生物達のいずれかは、青い血を持っていることを知っていたから】

【「────っ、……………………は、まるでザトウムシだな、その手」】
【「いや、悪口じゃねぇよ?随分と器用に動き回ってくれそうな手じゃねぇか」】
【ウィーバーと顔を合わせれば──いきなり声をかけられたせいだろう。驚いた表情を浮かべていたが】
【カニバディールの部下と言われれば、納得したように手を差し出すのだ。「おっと」】
【その前に手の擬態を解く。顕になるのは薄紅色の肌に、吸盤が並んだ掌】
【「こっちの方があんたらは良さそうだな?」ぎゃは──先ほどまで死の狭間にいたとは】
【思えないような笑みを浮かべてそういうのだ。「…………あんがとよ。おかげで帰ってこれたわ」】


【────そして待機所まで連れてこられ。誰がカニバディールなのかは、一目で分かった】
【何度もニュースで目にした顔。特徴的すぎて、忘れようとしても忘れられない顔だった】


…………よぉ。自己紹介はなくてよさそうだな、カニバディール?
ったく、あんたを探すのにも随分と苦労させられたぜ
まさかこんな初対面になっちまうとはなぁ?ま、その辺の苦労話は置いといて…………だ

────────改めて礼を言うぜ、カニバディール
おかげでこうやって生き伸びることができた。あんたらのおかげだ
あたしの生命力もあるんだろうが…………あんたらが色々してくんなかったら、あたしはこうして立ってちゃいねぇ
だから……………………ありがとよ


【そう言って。ウィーバーと同様、擬態を解いた吸盤のある手で握手をかわそうとするだろう】
【拒絶されればそれはそれ。「そ」などと言って手はヒトの形に戻すのだろうが】


>>ALL
【彼女が部屋に入ったのは、彼らがあの霧の中での体験を話し終え、ある程度情報を共有する少し前のこと】
【二人から声をかけられれば、適当に返す。「お互い無事でよかったな」とか、そんなことだ】
【彼女から話すことは今はない。罠にかかった理由を聞かれれば「婦警がいるって聞いてな」と】
【短く答えるだろう。そのまま、彼女は聞き手に徹する。恐らくはまだ本調子ではないのだ】
【時々痛みを耐えるかのように、表情を歪めはしていた。無理もない】
【錆びて毀れた刃で体を滅多刺しにして、数時間しか経過していないのだ】
【カニバディールと2、3言葉を交わす余裕はあるらしいが、スカーベッジが現れれば────】


────────っく、は。くくっ…………ぎゃは、はははははははっ!!
おいおいおいおいカチューシャじゃねぇか、随分と派手にやってやがんなぁ!
思い切りのいい女は嫌いじゃあねぇぜ。あぁ、それにしたってありゃ“いい一手”だ

なぁ、あんたらもそうは思わねぇか?っつぅか記者はカメラワークへったくそかよ!
おら、もっと寄れ寄れぇ、あのビッチが何言ってるか聞こえねぇだろー?
ぎゃっは!あんたらも聞きてぇよなぁ、あの綺麗なお口からどんだけ淫乱な言葉が溢れてくるのかさぁ!


【────嗤う。どうやら彼女も、カチューシャとの知り合いらしい。語る言葉に敵意はない】
【むしろ久し振りに悪友を見つけたような、そんな語りぶりだった。だが】

【「────」「────」「────」目は真剣な表情で、画面の中を見据えていた】
【視点はカチューシャに然りと合わせられている。笑い終えた後は口元では、何かをひたすらに呟き】
【「──だぁれ」「仔猫ちゃん、ねぇ、ねぇ」「愛さないと」「ねぇ」────“模倣”していた】
【画面の中の、淫靡な言葉を。口元を手で隠し、囁くような音量で…………ただひたすらに】
【紙いっぱいに書かれた文字を無心に模写する作業と、それは似ていた】
【気付かなくても無理はない。だが、誰かが気付いても決しておかしくはないものだった】


559 : ◆Heckemet8M :2018/04/23(月) 20:39:08 u1dxVMlM0
>>545

「雪山の洞窟は案外暖かいし、ヨルムンガンドは基本寝てるから大丈夫だぜ。多分」
「うん、多分だがな!」

【――非常に信憑性を感じられない、おちゃらけた口調と表情だ】
【イタズラで死者が出たという話は確かに今までなかったが、……】

「おーおー、どんどんチャンスを狙ってくれ! あの鳥公、いっつも自分は大丈夫だって顔してて腹立つからな」
「よく面倒見れるもんだぜ、マサジの奴」

【自分は絶対にやりたくないと言わんばかりの様子を見せるジュゼッペ】
【そういえば、あのオオハシが野生の存在か飼われている存在かはマサジは明言していなかったが、やはり彼に飼われていたらしい】


『カニバディール、さんですか。俺はちぇーざっ!?』

【がぁん、と音が響く。――急に視界が暗くなって、そして何かが顔に貼り付いていて】
【やはり仕掛けていたか、バケツを両手で頭から外すも、どうも視界がおかしい】
【……とりあえず、〆るか】

「ギブギブギブギブ!」 『客の前で何てことをしてくれるんだ、ジュゼッペ!』

【おそらくビニールによって視界が制限されているのだろう、カニバディールが笑いを堪えている様子に気づかず】
【両手に現れる指空きグローブのような装備、そこから発せられるは無数の泡】
【それがジュゼッペの顔に集まり、そして圧迫する。……こっちはこっちで、なかなか。】

『動画消せ』 「あ、バレてた?」

【そしてジュゼッペが手に持っていた端末を奪い取れば、それを操作して動画を1件削除】
【……よく見えないが、相変わらずろくでもない写真と動画ばかりに見える、呆れた様子でため息を1つ】

「まァ、既にクラウドにアップロードされてるからこっち消しても無駄だけどねェン……あだだだだだ!」
『邪禍に招かれた方でしたか、……ジュゼッペのアホが失礼しました。俺はチェーザレと言います』

【少し前に止めていた泡による圧迫を再開しつつ、】
【自身の顔を覆うビニールを強引に剥がし……案外堅い材質だ、……剥がし……剥がせない……】
【……泡を歪ませ回転させ、それをカッターのようにして扱いビニールの一部を切断、そこから剥がした。それから、謝罪の言葉を発した】

「相変わらず真面目ねェ、そこのキノコ男爵は共犯なんだぜ?」 『は?』

【せっかく隠していたというのに、あっさりバラしにかかるジュゼッペ】
【チェーザレの視線がカニバディールに向けられる。……もっとも、ジュゼッペの信頼度を考えると、まだ誤魔化しきれるかもしれないが】


560 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/23(月) 21:00:52 IBKicRNQ0
>>556
それは良かった。情報が広がれば広がるほど、『黒幕』の不利益になる。喜ばしいことだ
ああ、私もカチューシャが〝OMERAS〟という言葉を口にしたのを確認している
口ぶりからすると、人名のように思えるが……何を指す言葉なのか、未だ不明だ

【眉を顰めつつ、返答する。未知ほど恐ろしい物はない。臆病なカニバディールは、それを良く知っている】
【オメラス。いったいその正体は。疑問に答える者は、ここにはいない】


全くだ、霞のように掴みどころのない連中ばかり揃えている
表に出ているのが少数というだけで、後にどれほど控えているかもわからない
私自身、彼奴等の下っ端に幾度も襲撃を受けた。どれほどの勢力を持つのかも知れない相手……厄介極まりないな

――――アルベルト、というのはカチューシャと戦っているもう一人かね?
むしろ我々の側に近いような、粗暴な言葉を吐き散らしているようだが

【アルベルトがテレビの中で吐き出す猥雑な言葉を聞いていたカニバディールの耳に、彼の呟きと疑問が届く】
【彼は知らなかったのだ。彼女の過去を。いや、彼女の器の、肉体の過去というべきなのか】


――――知らなかったのかね。聞きたいのなら、教えよう
ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ。この名に聞き覚えは? いつぞやの大会にも出場していた、UT所属の女狙撃手だ
機関員として、私はソニアと戦ったことがある。儚げで華奢で、異国の言葉ゆえに舌っ足らずの、幼さを残す女だった

狙撃の腕前は凄まじく、その腕と能力とで私の手下の一人を手ひどく叩きのめしてくれた
だが、それほどの腕を持ちながら、決して敵の命を奪おうとはしなかった。そういう、甘さと強さを兼ね備えた女だった
強敵だったよ。間違いなくな。我々機関の前に、幾度も立ちはだかった戦士だった


……それが、どうだ。ある時、機関のデーターベースにアクセスしてみれば、ソニアがナンバーズの一人に登録されていた
No.3カチューシャとしてな。あれを見た時は、午後のコーヒーを全て噴き出したよ

初めは、双子か何かかと思った。あるいは、機関の誰かが作ったクローンか、とも
だが、あの水国市街混戦事件の日、直接対峙してはっきりとわかった。あれは、間違いなくソニア本人だと
肉の鑑定眼に関しては、自信がある。狙撃の時の筋肉の動き、その癖、いくら観察しようと確信が深まるばかりだった

それでも、疑いたくなるくらいにカチューシャはソニアとは似ても似つかない人格だ。あの淫靡さも、敵への容赦のなさも
全てが、真逆と言っていいくらいに違う。まるで――――ソニアを一度、徹底的に破壊してから、継ぎ接ぎに修復したかのように、私には思えたよ

カチューシャがソニアと同一人物だとしたら、考えられるのは一つだけだ。『黒幕』どもが、ソニアに何かをしてカチューシャに生まれ変わらせた
今回、お前たちに彼奴等がやったのと同じようなことを、さらに時間をかけて念入りに……私はそう予測している


ああ、一応言っておくがカチューシャ本人にソニアと呼びかけるのはやめた方がいい。彼奴はそう呼ばれるのが気に入らないようだからな
かつての記憶はまるでなく、自分はカチューシャ以外の何者でもない、というのが本人の意見だ

〝みんなみんな、私じゃなくて、ソニアが好き〟――――彼奴が漏らした言葉だ
私だけではなく、かつての〝ソニア〟を知る敵や仲間に、繰り返し言われたのだろうよ
『何があったソニア』 『どうしてそんなところにいるんだソニア』 『帰ってきてくれソニア』……と。無理からぬことだが

……カチューシャに気があるのなら、ライバルはお前が思う以上に多いだろうと忠告しておこう。彼奴がソニアだった頃からの繋がりを含めてな

【盗賊は饒舌に並べ立てた。自身が知り得る、カチューシャの正体についての情報を】
【厳島(>>557)とミラ(>>558)にも、カニバディールのまくしたてた言葉は届いているかもしれない】


561 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/23(月) 21:14:24 IBKicRNQ0
>>557
この事態の勢力図は、思った以上に複雑なんだ。『黒幕』どもが、そこいら中に一度に喧嘩を売るような真似をしたせいでな

【彼の驚きに、カニバディールはこう切り返す。この事件に纏わる、十重二十重の対立構造に触れて】
【『黒幕』の起こしている事態の大きさを、否応なく感じさせることになるだろうか】


そうだ。魔導海軍の榴弾を、空中で狙撃して撃ち落とした化け物だよ

【息をのむ厳島の後ろで、異形は表情を歪める。あの日、生きて帰れたのは結局のところ、己の悪運に頼ったのだという自覚から】
【その日の苦い記憶の中にいたもう一人。己が轢き潰そうとした女性の姿が、カメラに映り込む】

あの日も、単身でカチューシャに向かっていったな彼女は。以前から顔見知りだったらしく、対話を求めていた
私の手下の広範囲攻撃から、カチューシャが曹長を庇うような動きも見せている……
二人の間に何があったのかは知らないが。無謀とわかっていて、それでも立ち向かうだけの理由があるのだろうよ

【冷徹な観察眼が、テレビ画面越しに彼女らを睨む。その腹の底までは、見通せはしないが】


……場慣れしているだけあって、お前たちの回復は常人に比べて遥かに速い
事実、すでに動けるまでに快復している
それでも、戦闘が行えるほどまでになるには2日はいるだろう

まして、相手がカチューシャほどの実力者ともなれば……動きが鈍った状態では、一方的に狙撃されて終わりだろうな


562 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/23(月) 21:25:09 g1HLNF4w0
>>557


何が、も何も…………
あいつは俺が言うのもなんだが、正真正銘のクソ野郎だからな
カチューシャのやつをとっ捕まえたらどうするか、考えなくたって分かる

────そもそも俺の部下だ、殺すだろうしな


【ディミーアは呆れたように部下を評する。そこに本心からの軽蔑はなかったが】
【しかしそれでも、殺すだろう、と話す彼の表情は少しばかり影が差した。理由は、厳島なら分かるだろう】

>>558

【亜人が部屋に入ってきて、ディミーアは彼女を一瞥した。それだけだ】
【特別に声をかけることはない。他の人間と話すのを聞いてはいるが】
【ただ、その”声”については一瞬、首を傾げて】


…………真似が上手いな、”能力”か?


【そんな、探りをいれるのだった】


>>560

【ソニア=エカチェリーナ=ドラグノフ────聞き覚えがあるか、という質問に男は首を横に振った】
【それは────それらの話はディミーアにとって、想像もしていないような話だった】
【彼女がある別の人間から作り出されたものだ、などと。おおよそ常識では考えられない出来事だ】

【カニバディールが話し終えた後も、ディミーアは考えるように視線を彷徨わせていた】
【言葉を失った、と形容するのが最も近い表情を浮かべていた。だがやがて、口を開いた】


…………話は分かった。にわかには信じがたいが
だがまぁ、そうだな…………そんなに重要でもない。ちょっと生い立ちが変わってるってだけだ
そもそも、そのソニアとやらを知らんしな

あと、最後のは全くもって余計なお世話だ
そんなところで絡んでくるな、鬱陶しい


【軽々しい声色で、男はその情報をこう評した。曰く、見ず知らずの他人の話だ】
【最後の忠告には腹立たしそうに反発する。が、害意もなく、照れ隠しのようなものだった】


それで、これからどうする
いい加減、後手に回り続けるのも飽きてきている
反撃の手を考えなければこのままだと死ぬだけだ


【話をカチューシャから対黒幕へと戻す】


563 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/23(月) 21:38:47 IBKicRNQ0
>>558
〈ありがとう。自分でも結構気に入ってるのよ、この指〉
〈あら、わかる? そうなのよ、この指の器用さを買われてボスに雇ってもらってるの〉
〈スクラップズは、がさつな奴が多いからね。私みたいなのが一人くらいいないと〉

【彼女の驚きが過ぎ去れば、ウィーヴァーの語りは再開する。口数の多さはボス譲りか】
【擬態が解かれても、驚く様子はない。異形には、仲間たちで慣れ切っているのだろう】
【〈そうね、私はこっちの方が好みよ〉と言いつつ、差し出された手を握る】

【死を乗り越えたばかりだと言うのに、生気に満ち溢れた笑顔。それが好ましく思えたか、ウィーヴァーも自然な笑みを浮かべて】
【〈どういたしまして。助かってくれて良かったわ〉。そう返した】


【悪名だけは、売っている。ゆえに、彼女が自分に気付いても驚きはしない】

そうだな。お互いに不要らしい。私も鈴音から貴女の話は聞いている

それはすまなかった。私としても早いうちに会っておきたかったのだが、すれ違いが多かったらしいな
全くだ、このような形で出会うことになるとは。危うく、メール上だけのやり取りで終わるところだった

……何、礼には及ばない。我々も、我々のために行動した。その結果なのだから
だが……まあ礼は受け取っておこう。盗賊稼業の中で、人の命を留めるために行動したことなど、滅多になかったことだからな
助かってくれて良かった

【薄く笑いながらそういう異形は、やはり醜悪であったが。それでもこの瞬間だけは、盗賊らしくない言葉を吐くことにした】
【たとえ、行動の理由が打算であったとしても。もしかしたら、近い未来に彼女と敵対することになったとしても】
【図らずも、鈴音との間柄と同じ。この瞬間は、未来に影響されない過去となる】

【カニバディールはウィーヴァーと同じく、全く躊躇うことなく擬態を解いた彼女の手を握った】
【異形と亜人の、Mチームの関係性と同じくらいに奇妙な、されど確かな握手だった】


【痛みに苦しむ彼女に、多少なりとも遠慮はしながらそれでも情報は聞き出しておく】
【「自分自身が釣り餌になるほど恨まれていることは、『婦警』にも自覚があるらしいな」などと頷きながら】
【主に厳島とディミーアを相手に、場に言葉を送り出していく】
【それが破られたのは、それからほぼ間を開けず】


……貴女もカチューシャのことは知っていたのかクラァケさん。良くも悪くも、交友の広い女だ彼奴は

まったく、忌々しいくらいに効果的な手だよ……世論はますます『黒幕』の思う通りに加速するだろう
ああ、向こうの報道陣は素人らしいな。その割には、この危険な現場にカメラだけは向け続ける辺り、あの連中も度し難いと思うが

一度やり合った時に、私もあの口から散々に淫らな囁きを聞かされたよ……彼奴がソニアだった頃を知っているだけに、私としては気味が悪かったがね
(どうやら、敵味方問わず魅了するのは、形は違えど昔と変わっていないらしい)

【ミラの様子を感じ取り、ディミーアと同じく敵と言い切るには微妙な間柄だと察する】
【彼女らの間に何があったのかは、詮索する気はなかったが。それよりも、その模倣に意識がいった】

【画面越しだというのに、彼女も言ったように下手なカメラワークなのに、正確に。これも彼女の擬態能力の副産物か】


……失礼、クラァケさん。カチューシャの言葉を目で拾えているのかね?
ならば、もし彼奴が何か『黒幕』に関わるようなことを口走ったら、教えてもらいたい

……睦言は、省略してもらって構わない

【最後の一言は、思い出したように付け加えた】


564 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/23(月) 21:50:44 IBKicRNQ0
>>562
【無理もない。カニバディール自身も、未だに信じがたい話なのだから】

ソニアを知らない人間にとってはそうだろうな。今のカチューシャが全てだろう
だが、ソニアを知っている連中にとってはそうではない。UTは無論のこと、ソニアが築き上げた交友がどこまであるか
彼奴とやり合う上で、ソニアを知る者たちが介入してくる可能性は高い。ソニアを〝取り戻す〟ためにな
私がいうのも何だが、あの女には奇妙な魅力がある。ソニア時代の彼奴に魅了された連中は、決してこの事態を放置しては置かないぞ

ふ、ふ!! いや、すまなかった。口数が多すぎるのが、私の悪い癖だ

【そう、彼にとっては見ず知らずの他人。だが、そうでない人間にとっては違う】
【彼らの取る行動がどのようなものか。その過程で、カタロスがどのような影響を受けるか】
【カニバディールには、それが良い方向に転がるものだとは思えなかった】

【最後の一言には、皮肉っぽく口元を歪めて軽口をたたく】


全くその通りだ。現状、我々は『黒幕』どもに踊らされているといっていい
……私には今、糸口が一つある。先もいったが、私の共闘者の一人である、UTの鈴音は『婦警』に脅迫を受けた
鈴音が面倒を見ている子供らの命が惜しくば、私の首かUTが保護している〝初瀬麻季音〟という女の身柄を持ってこい、とな

つまり、それに応じる振りをすれば、受け渡しのために敵は確実に現れる
私は、そこを狙って襲撃をかける気でいる。引き取りに来るのがもし『婦警』なら、これを討ち取れば敵への一打となるだろう

【悪意と殺意を三つ目に湛えて、異形は悪だくみを語った】


565 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/23(月) 21:54:15 6.kk0qdE0
>>558>>561>>562

「なるほど、思っている以上に関係性は図式で図れない、か」

【カニバディールの話に、そう短く答える】
【やがて、TVの画面に目をやり】
【そしてカニバディールの、その日の水国市街混戦事件の話を聞いた】

「擲弾砲を一撃で、もはや一狙撃手の域では無いな、能力か?」
「曹長、一体何故……カチューシャ……この女は……」
「そうか、解った……2日経てば俺とディミーアは動ける、戦えるんだな?」

【カニバディールから、そう治療状況を聞いた】
【ミラや鵺はもっと時間が掛かるのだろう】
【この知らせは僥倖と取るべきか不幸と取るべきか】

「なるほど、そんな声をしているのだな、カチューシャと言う女は、解った理解した」

【ミラの声真似に、憎悪が募って行く】
【そしてそこに、ディミーアの話】

「なるほど……最悪だな、まさに」
「相手が悪かった、そうなるのか……いや、まだどうなるかは、解らないが」

【正真正銘のクソ野郎、それはこの人物を説明するには簡潔で十分な言葉だったか】
【兎にも角にも、このTVの先ではかような状況が展開されているのだと、理解が出来る】

>>ALL

【改めて、この場の全員に向き直り聞こえる様に】

「皆、一旦ここで落ち着いて、とりあえずだが、今日でなくてもいい」
「集めた情報を整理してみよう」

【そう提案した】
【黒幕はもはやなりふり構わずの様に、作戦を展開している】
【ならば、こちらも一度纏めていく方が良い、と考え】
【個々人が持つ情報を、提供できる部分だけ持ち寄り、最も今出来る事が無いためせめてものと言う部分も多いにある】


566 : トライデント&アコーディオン ◆auPC5auEAk :2018/04/23(月) 22:15:15 ZCHlt7mo0
>>485-487

〔――――あぁ、分からんね。やはりお前の歪みは分からんものだ。始まりの女をして、罪で汚したお前が、そんな世話を焼くなど……『我々』には分からないよ
 どうせお前の進む道は、再びその子供を、屍とするものだろうに……〕

【インフィニティージーンの感じる矛盾が、また1つ重なった。結局、何がしたいのか――――行き着く果ては分かる。だが、こうした道を往く事は、どうしても理解が出来ない】
【それをただ『矜持』と呼ぶのなら――――やはりそれは、ひどく歪んでいると言わざるを得ないだろう】

〔――――その通りだ、小僧。『我々』の本当の姿……トライデントとアコーディオンの事は、お前も覚えているだろう……そして、先ほども見たのだろう……
 ここは、もう普通に生きる事の出来ない――――ヒトの皮を被ったバケモノが殺し合う、修羅の巷だ……
 父親が本当に無事だと言うなら、すぐに帰れ……『我々』がこの形を失い、再びトライデントとアコーディオンに戻れば、トライデントは、お前の父親を殺すだろう……〕

【ダリアの伴っていた少年に、顔も向けずにインフィニティージーンは、端的に諫める言葉を向ける】
【最後の決着は迫っている。その瞬間に、己の身も守る事の出来ない存在は、立ち会う資格は無い。折角拾った命なのだから、そのままあるべき所に帰れ、と】
【少年のその瞳の見ている先にあるのは――――バケモノと、そしてバケモノでしかないのだと】

〔――――そんな生き方は、『我々』にとり、生きる屍と変わりはしない。黙る事は魂を殺す事だ。これくらいはお前にだって分かるだろう?
 殺さず救うなど、口にするだけで傲慢だ。それが出来ないから殺すと言うのに。それが許されないから殺すんだ……〕

【宿命から目を背ける生き方を、トライデントもアコーディオンも望まない。真っ直ぐに、最後の瞬間まで見つめ続ける。それが魂――――人の尊厳の証明だ】
【例えここから戦いを放棄したって、ダリアは自分達の存在を許しはしないだろうし、そうやって許されようとも思わない】
【それは自分達だけではなく、対峙するものに対しても同様だった。彼らに出来るのは、敵を殺す事だけである。救う事など、彼らの手に余る行いだ】
【そして、浅ましくも己の命に縋るために、他社を害する存在など――――許すつもりも無いし、許したくもない】
【「神は自らを助ける者を助ける」――――神など、人間の生み出したただの偶像に過ぎないが、その精神は、通じるところがあった】

〔――――許されないから。だからお前も殺すんだ……お前に名と意味を与えた者さえも、お前は裏切った――――
 もはやお前は何者でもない。トライデントの言う、災害……いや『歪み』だ……酷な話だが、お前はもはや、世界にとっての害悪でしか無いのだ……!〕

【あってはならない『歪み』――――ダリアの事を、インフィニティージーンはそう断じる。生まれるべきではなかった命である、インフィニティージーンだからこそ】
【苦渋と、それを超える義憤とによって、これ以上ダリアの悪行を重ねさせるわけにはいかなかったのだ】

【――――その結論をすら、世界に下された諦念に過ぎないと、ダリアは言うだろうか?】
【だが、自棄を起こしたところで、それはグラトンの呪縛に囚われ、死人の書いた図に当たった、ただの人形の行いに過ぎない】
【生まれながらに業を背負っているトライデントとアコーディオン、そしてインフィニティージーンには、唯一の自己肯定がこれでしかない――――それだけの話だった】

/続きます


567 : トライデント&アコーディオン ◆auPC5auEAk :2018/04/23(月) 22:16:20 ZCHlt7mo0
>>485-487

〔――――『無限』はな、始まりも、終わりもない。そんな1点を取り出して観測できるようなものではない。だからこその『無限』なのだ……〕

【――――本当の、本物の『覚悟』を決めたのだろう。その身も心も、及び腰にはなっていない。顔の無い黄金の頭部は、澄んで冴え切った輝きを放つ】
【とある哲学者の言葉に「無限は、区切る事が出来ないからこそ無限であり、故に『現在』を以って区切られる時間は、有限でしかない」と言うものがある】
【――――幻想は、所詮『幻想』でしかない。一個人の生み出す『無限』など、所詮虚構に過ぎない。己が名に『無限』を背負うインフィニティージーンは、己が存在ごと冷笑で否定する】
【そこにあるのは、ダリアへの挑発と、自らを生み出したグラトンへの嘲笑――――】

〔ッグ――――ガアァァァァァァァァ!!!〕

【しかしそれはそれとして――――無限を謳うだけの理由がある、そんな破壊の力が、インフィニティージーンを襲う】
【結論から言えば――――それは、インフィニティージーンの左腕を、ほぼ肩から焼き尽くして。灰燼にしていた】
【尾が炸裂して、姿勢を崩していた事。それが幸いだったのだ。前へと進む勢い、つんのめった歩調。それが、絶望的な破壊から命を守った――――腕を犠牲にして】
【そして、足は止まらない。止まる訳が無い。止まるくらいなら、とっくに死んでいるのだ――――今は前へと進む事が、生きる意味】
【そんな言葉が聞こえてきそうな――――血と共に絞り出される様な、インフィニティージーンの裂帛の叫びが空へと溶けていく】

〔――――『リスクストレージ:前行健忘』……来い……ッ、エターナルトライアングル……ッ!!〕

【インフィニティージーンの身体は、再度ダリアへと最接近する。飛び込んだ身体は、無理を重ねた負担をそれ以上押し切れず、持て余す様に揺れかかった】
【そこで踏ん張るのは、最後の意志の力、とでも言う他無いだろう。腰の副腕が、赤い光をダリアへ向けて放射して】
【――――普段、一般に記憶喪失と言うのは、正確には『逆行健忘』と言う。記憶を遡る事が出来ない事態を指す言葉だ】
【その逆の記憶障害に『前行健忘』と言うものがある。障害を起こした地点より未来の事を、記憶できなくなる記憶障害である】
【インフィニティージーン――――正確にはその『中』にいる、アコーディオンは、それをダリアへと見舞ったのだ。意識に、リセットされる空白を、ほんの一瞬でも挟ませる】
【防御しようと言う意志を、わずかに健忘させる。それで反応を、わずかながらにも遅らせようとして】

【――――そして、その空白を縫って、エターナルトライアングルが、インフィニティージーンの右手に集結し、3基が連結する】
【そこから飛び出す、巨大な光の刀身。エターナルトライアングルが、巨大な光の剣のグリップと化して、赤い裁きの光の刀身を展開する】
【空白を突くべく、インフィニティージーンはそれを振り下ろした。健忘により飛ばした意識の隙を突き、ダリアを今度こそ絶命させるために――――】

【――――完璧な攻勢のはずだった。だが、1つだけ誤差が生じていた。インフィニティージーンの蓄積したダメージによる、精彩を欠いた動きである】
【エターナルトライアングルの剣を振り下ろすタイミングが、かすかにワンテンポ遅れていた。折角に生み出そうとした意識の空白を、無為にしかねない遅れが生じていた】
【今度こその、インフィニティージーンの最後の一撃である。その中で生じた齟齬が、何をもたらすのか――――それは、彼らの知るところではなかった】


568 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/23(月) 22:18:35 Pqx556PE0
>>562
【「────生き残るための“手段”さ」答えたのは、ミラ本人の声だった】
【生存のための手段。だがそんなものは“能力”を言い換えたに過ぎない】
【チカラを奪われたあの霧の中と、この廃屋で姿形が異なっているのが何よりの証拠だった】

>>563
【ウィーバーとカニバディール、双方と握手を交わした彼女はこうも付け加えるのだ】
【「あんたらとは仲良くできそうだな」「それがいつまでかは、さて置いてよぉ」】
【──いずれ敵になろうとも、今だけは。その心は、彼女も彼らと同じであった】

【そして────カチューシャのことをとわれれば】
【知り合いかと言われれば「ちょっとな」と誤魔化すように答える。詳細は語らないものの】
【そこにはやはり敵意などないのだ。敵意などない。だが、続く彼女の行動には躊躇いなど一切なかった】


────全部見えてるわけじゃあねぇ。だが、画面越しでも言ってるこたぁなんとなく分かる
あぁ…………多分、“こっち”の方が気合が入るな


>>ALL

【ぞわりと、彼女の赤髪が蠢いた。其れは彼女の素肌に巻きつき、張り付き、這い回り】
【やがては沈み込み──赤ではない色を写し出す。マリンブルーの瞳。プラチナブロンドの髪】
【蠱惑的な肉体も、それを意識させるような清楚な衣服も全て全て模倣しきって────】


『────全部はね、全部はダメよ。だって完璧なものは面白くないの』
『そう、そう。“わたし”はこんな感じね、きっとこんな感じなのだわ、うまくできているかしら』


【ミラがいた位置には、“カチューシャ”と呼ばれる狙撃手が笑みを湛えて立っていた】
【甘ったるいソプラノボイスが、陰鬱とした廃墟に響く。────<ミミック/擬態>】


『ね、ぇ………………能力者も、こんな感じなの』
『…………一人で国を…………滅ぼすなんて出来るの── 』
『無垢な顔…………無辜な顔して…………貴方達の側で微笑んでるの
『恐ろしくって──────でもね、でも』

『私達も、同じ人なの────柔肌を割けば、中から、真っ赤な血が覗いて』
『苦しければ泣いて…………痛ければ啼いて…………あまりにも、普通の存在よ』
『だからね、────殺したければ殺せるわ、どんな時でも、隙は、あるのだから』

『こんな風に言っちゃったらね…………大変よ、能力者は隠れちゃうもの、隠しちゃうもの』
『だからね、怪しい人は狙わなきゃ、割っ捌いて腑を覗いて探してしまうの』
『疑わしきは罰して、殺して── 安眠を、貪りましょう』

『傷つけて傷ついて、苦しんで苦しむ── その先に至上の愛があるのだから』
『素敵な終末を、私は貴方達に告げに来たのだから』
『響くギャラルホルン────ふふ…………歌声は何処まで、届くのかしら』


【────相手の性格と言い回しを理解し、唇の動きを真似て言葉に紡ぐ。そうして彼女は】
【画面の中のカチューシャの言葉を、この場に再現してみせる。カメラでは拾えない音声でも】
【見てしまえば──“真似て”しまえばいいのだ。これが能力でなくて、一体何なのだろうか】


『ねぇディミーア、それにカニバディール、いつく、しま…………』
『“わたし”はうまくできたかしら、できたわよね、できているはずだわ』
『そうでなければお仕置きが欲しいの、とびきりうぅんと、甘い甘いお仕置きが────』


【ふわりと笑う。羽毛のベッドに埋もれる少女のように】
【だが彼女はカチューシャではないのだ。その見た目こそは、カチューシャそのものだが】


569 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/23(月) 22:18:53 Pqx556PE0
>>ALL
【────<ミミック/擬態>。姿がまた変わる】
【黒髪の丸い髪型の少女。まだ成人してもいない年若い少女だ────“初瀬麻季音”】


『あいつらはこっちを狙ってきてる。だから、“あたし”を囮にするのはいい案だと思う』
『“あたし”は連中の欠けているピース。それを回収しにきたってことは、逆に言えば』
『“あたし”がいなきゃ連中の計画は成り立たない────違うかな』


【ぞわり────<ミミック/擬態>。今度こそ、そこにいたのはミラだ】
【赤い髪をした女。彼女は少しだけ不満な顔をしてそこに立っていた】


…………っべぇな、麻季音はまだ自信ねぇわ
ま、適当におしゃべりすりゃなんとなく覚えるだろーから、そこんとこは適当に、な
囮に麻季音本人を使うのはあまりにリスキーだ────
だから、作戦をいざやるっつぅ時はあたしが囮になってやんよ

んで、集めた情報────ねぇ?
特区の方はまたあたしのダチに潜ってってもらってる。こないだ頼んで、今は連絡待ちだな
金はある。武器や兵力は厳島や邪禍任せ…………
特区に関しちゃ、出来ればあんたらが拾ってきてくれた以上のことを持って帰ってくれりゃいいんだがな
ま、こればっかはあいつが帰ってこねぇと分かんねぇってこった

それ以外の情報っつぅと…………中々な。なんせ“指輪”の配送で忙しくってよぉ


【ぎゃは、と笑ってミラは薬指の赤い指輪を見せる】
【厳島やカニバディールが持っているものと同じものだ。「あぁ」そう呟く】
【「あんたもいるか」そう言って、ディミーアにもポケットから指輪を取り出し放るのだ】
【色は分からない。ただ、それは魔石で出来た指輪だった。「連中、盗聴してくるからよぉ」】
【「それ対策な。通信を暗号化…………この文言も言い飽きたな」また笑う】
【言い飽きたのは、確かだった。次からは別の宣伝文句でも考えるべきか】


570 : 名無しさん :2018/04/23(月) 22:31:17 joaT2whI0
>>534

【この場合――敵は黒幕という扱い。だからこそ自分たちはいったん敵でもなんでもなくなる、そういう、協力関係】
【そうしてさらに。――円卓を倒すと宣言した彼女の言葉を見れば、また、いつか円卓の敵になる面子でもあるのだ。それを思う……でもないけれど】
【少女は他にどんな人間がいるかを教えない。変に口にするのは怖かった――いくら相手が円卓側であり今は味方だと知っていたとしても】

あ……――、え? 

【――そんな少女の表情が驚きに染まる。わずかに一瞬言葉を詰まらせて、ぱちりと大振りな瞬きをする】
【これらの言葉の流れで言うなら――多分相手は円卓を潰すと言う話をしている、相手もまたいつか円卓と敵対するのだという話を、している?】
【「えっと……」と鈴の音が戸惑うように振れる、ほんの数舜ばかし言葉を探すようにした少女は、やがて、ふわっと視線を持ち上げて】

あなたは円卓側なのに……円卓を潰すの?

【――――理解しきれなかったか分からないけれど。もう一度尋ね返すのだ、本当にそうするのかって、――そして、それならば】
【こうして最初から敵対すると分かっている自分たちみたいな側より――様々な情報、もってこられるのではないかって】

/お返ししますっ


571 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/23(月) 22:36:06 g1HLNF4w0
>>564

【ソニアを取り戻すための介入がある。その忠告に対して「お前はお人好しか何かか?」とディミーアは思わず言った】
【完全に公安とは無関係の事柄に対して助言ともとれる発言をされては、さしものこの男もそう考えざるを得なかった】
【それもまた、口数の多さのせいなのかもしれないが────】


なるほど、愉快な作戦だ
何が愉快かって、敵をやっとぶちのめせるって部分だ
今までは引っ込んでいてばかりだったからな。そいつは最高だ


【カニバディールの立案した作戦に、男は獰猛な笑みを浮かべてみせる】
【本来の凶暴性が表に出ていた。元々、権謀術数などはこの男の本領ではないのだ】

>>564>>565>>568>>569

【ミラの擬態の能力にディミーアは目を見開き、驚いていた】
【姿を変える能力。他人のものへと変化する能力────能力】
【ぞわり。右手が震えながら、近くに置いてある大剣へと伸びていく。その手を左手が掴んで止める】

【殺意が膨れ上がり、魔力さえ溢れ出す。ミラの能力がこの男にとって何に見えているか、厳島には分かるだろうか】
【だが、その異変もほんの数秒だ。注意していなければ分からないような変貌。誰も気がつかなくともおかしくはない】
【二度、三度と深呼吸をして冷静さを取り戻す。まだだ。まだ楔を解いてはならない。今はまだ】


…………金も武器も兵力もある。情報については待機中、そうだな?
そして襲撃の手筈も一応は整っている。さらには…………情報共有の手段もある、と


【指輪を受け取りつつ、現状を纏めていく】


邪禍だの初瀬麻季音だの……あとは鈴音、だったか?
知らない名前も多いな。味方がどれだけいるかの把握も必要そうだな?


【全員の顔を見つつ、情報整理の一環としての一つ目を提案する】


572 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/23(月) 23:02:06 IBKicRNQ0
>>565
そういうことだ。黒幕と円卓の二項対立で済めば、まだわかりやすかったのだがな

【言いつつ、画面の中の戦闘に釘付けになる。その狙撃技術のすさまじさは、いささかの衰えもなかった】


能力ならば、良かったのだがな。大会での様子や先日の戦いを見る限り、彼奴の狙撃は純粋な技術だ
だからこそ、恐ろしい。たとえ今回のように、能力を消される事態になっても、カチューシャはあの銃さえあれば十分に戦いうるということだ

曹長とカチューシャの関係については、本人に問い質してみるしかあるまい
私としても、少々興味があるな

ああ、傷の具合から見てもそのくらいの期間は必要だろう
まともな医者なら、もっと時間を取るべきところだろうがな。今はゆっくり傷を癒している余裕もない
2日だ。最低限、それだけ経てばお前たちなら戦闘に耐えられる

【ミラの再生力ならば、あるいは厳島らと同じくらいの日数で戦闘もこなせるようになるかもしれないが】
【鵺はどうなるか。カニバディールにも、まだわからない】
【ともあれ、運命は彼らを休ませてはくれないようだ。まだ戦え、と言わんばかりに】


【彼が情報の整理を提案すれば、頷いて同意を示す】

必要なことだろうな。無知は最も致命的な傷だ
こうして集まれる機会すら、これから作れるかもわからない。今のうちにすり合わせはしておくべきだろう

【言いつつ、厳島にもカタロスに渡したカミス・シティでのデータを、まずは手渡そうとするだろう】


573 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/23(月) 23:14:09 BRNVt/Aw0
>>553

一瞬で意識を消し飛ばす、か……そっちだとするとその眩しい光ってのが意識を消すスイッチ……とでもいうのかな?そういうものになってんじゃねーか?
光ってのはこう……簡単に避けれねぇからな……ほんとどの道厄介だぜ……


や、リアクションだけでも駄目なものは駄目だろ!?
【そう突っ込みつつヘケメトが棘を出すのを見る】

【右腕に生えた頭髪のような緑色の棘。あー、これ地味に痛いやつだ……と呟いて】

攻撃の反動が強すぎる、というか上手く言い表せない……か……
ヘケメトの能力とか性格がこうだから何て言うかちっとばかしややこしくなってんのかもなー……
【然り気無く酷い事を口にして】

【仮に攻撃が自分に跳ね返る感じとしたら自分の場合どうなるのだろう?と考えてしまう】

【彼の能力は炎に関するもの。幾つか系統はあるのだがその内の二つは口腔を介するものである】

【つまり──】

あ、駄目喉焼ける痛い絶対痛いつーか多分気管ヤバイ下手すると死ねるうわぁぁぁ………
【どうなるんだか勝手に予想してそのエグさに思わず頭を抱えてしまう】


574 : アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk :2018/04/23(月) 23:16:28 ZCHlt7mo0
>>499

――――お父さんと呼んでもらえるようならば、俺もまだまだ捨てたものではないらしいな……

【実の娘との離別の話など、リオシアに対してする事ではないだろう。酒の味を、自分から悪くする必要もない】
【ただ、やくざな世界に生きている自分が、誰かから「父の様だ」と言ってもらえるなら、それは心の慰めとなる】
【微かに浮き出てしまった憂いの表情を振り払い、アーディンはリオシアに対して微笑みかけて見せた】

……今の君の、世界に対する新鮮さと面白さ。それを感じる心を失わない限り……必ず、君にもできるさ
それをしてみたいって思いが、どこまで途切れずに持ち続けられるか。それが、夢を叶える原動力なんだからな……

【素朴な憧れなのだろう。リオシアの言葉にアーディンはそっと言葉を添える。それを願うなら、周りに対する興味をいつまでも尽きさせない事だ、と】
【――――要するに、アーディンには出来なかった事なのだが、それでも、サリードには出来た事だし、リオシアならば出来るかも知れないと、アーディンは背中を押して見せた】

(……そうなんだろうな。嘘をつく程度の世知ですら、リオシアにはピンと来ていないようだ……良い意味の、純真さだな、これについては……)

【どうやら信用して良いのだろうと、肩の力を抜いた。リオシアの事をシメるとなると、流石にゾッとしない。そんな事態にならなくて、安心したのだ】
【無論、その分不便も多い事だろうが、それが表に出にくい環境に生きているらしい事が、救いだった】

友達、か……さて、俺にそんなもの居たかな……1人だけ、まぁ友達と言って良い奴ならいるな……
後は、どうだろうか……昔からの仲間なんて、もうほとんど音信不通になってしまった……よくある事ではあるんだがな……
(……思えば、そうやって親しく触れあってきた連中は……もうほとんど、生きてもいないんだな……)

【ここで煙に巻く事が出来れば良かったのだろうが、先ほどまでの、無邪気さに引きずられたペースが、まだ取り戻せていないのだろう】
【ふと考え込んで、少しばかり寂しい実情を漏らしてしまう。腹を割って話せそうな相手なら、1人だけ。後は知らない、と――――】

【――――古い友人だったラギデュースは死に、自分の子供の様に思っていたレイドとイマミレイも、もはや生存は絶望的だ】
【ラベンダァイスは、近頃再会する事は出来たが、その関係は冷え切っていて――――最後に友人と言って残った顔は、どこかの不良中年探偵だけだった】

ん……俺は別に酒に強い訳じゃないぞ。ただ、自分のペースと言うものを把握できるようになっただけだ。後は無理しない事だな……これは大事だ

【――――ローストビーフも、サイコロステーキも、添えられたソースが良い仕事をしている】
【玉ねぎと酢をベースにしたソースは、旨味を湛えた酸味と、ごく仄か、隠し味程度の辛みが、食欲をそそると同時に、さっぱりとした風味を与える】
【牛肉も、これならば重すぎずに食べる事が出来るだろう。リオシアが女の子と言う事で、アーディンもそうした配慮を利かせたらしい】
【ゆっくりとモスコミュールを嗜み、その合間に刺身を口へと運ぶ。のんびりした飲み口だが、アーディンも楽しんでいる様だ。用心棒として、泥酔するわけにもいかないのだろう】

……悪魔? ほお……話だけでは何とも言えないが、確かに魔海出身者の可能性はあるな……
……何気なく、随分と珍しい経験をしているじゃないか……俺も悪魔には会った事はないぞ……

【どんな視点で日常を見ているのだろうかと、そんな話を期待していたら、予想外のワンダーが飛び出してきた】
【アーディンも、流石に上手くイメージがつかめなかったのだろう。悪魔に会うとはどういう事なのだろうと、ふと考え込んでしまった】


575 : ◆Heckemet8M :2018/04/23(月) 23:28:39 u1dxVMlM0
>>573

「まァ、でも多分味方だから安心だぜ!」

「そォーかァ? 俺がめっちゃ地面でごろんごろんしてるだけの絵だぜ?」
『だから何故あなたはそんなに乗り気なのですか。説明したから十分でしょう』
「いっぱい聞くより一回見た方が良い的な言葉あるじゃアねェーかァー」 『却下です』

【まあいいか。別に不満げな様子も見せず、出現させていた棘を消滅させる】
【結果だけはその腕が確かに残していて説明も行ったから十分だというのが、アウの判断だ】

『まあ、性格のせいでややこしいことになった可能性も0ではありませんね』
『薬の効能は個人差があるでしょうし、彼は非常に好戦的ですから……』

「お? いきなりどォーした? 自分が打たれた時のアレとか想像したとかかァ?」
「ヘケケ、まァ何とかなる! 気合だぜ、気合」
『耐久性の高いあなたは参考になりませんよ。"気合の能力"もこの世界では殆どの方が持っていないでしょうし』

【――妙に鋭く相手が考えていることを察知しつつ、参考にならないアドバイスを自信たっぷりに行う彼】
【何とかならなかった結果がこの腕なのだが、本人はあまり気にしていない様子】


576 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/23(月) 23:44:57 6.kk0qdE0
>>568>>569>>571>>572

「ディミーア、堪えろ、彼女は違う」

【今にも目の前のミラに、襲い掛からんとする位のディミーアに】
【そう告げて、諫めようとする】

「なるほどな、ミラ、君の擬態能力は中々の物のようだな」
「初瀬麻季音に関しても、完璧と思えるな最も俺も彼女には一度しか面識がないが……」
「しかし、疑問が残る、敵は君の擬態能力を知っているのだろう?」
「万が一にも看破され、手薄の状態の初瀬麻季音が襲われでもしたら?」

【なるほど、囮の作戦は良い事を考えた】
【だが、だがもしその作戦が、ミラの擬態が看破される様な事があったら、と】
【その部分には疑問を呈した、もっとも麻希音を隠す手段が無いわけではないが】

「ディミーア、君は先ず我々と同じ状況だ」
「体力の回復、傷の完治が優先だ?気持ちは解るが、焦っては事を仕損じる」

【今にも戦いに、カチューシャの元に赴かんとの勢いのディミーアを窘めて】
【そして、今度はカニバディールに】

「純粋な狙撃技術……一体どれほどの訓練と実戦を経験すればここまでになるのだ……」

【軍人としては非常に空恐ろしい物を感じた】
【修羅、もはやその境地では、と】

「解った、二日の静養の後行動を開始する、有り難い」
「各々は各傷の治りを診て、そして自己の判断で動けばいいだろう」

「これは……カミスシティーの情報か?」
「有り難い、帰って解析しよう」

【カニバディールからのUSBメモリを受け取り、自身のポケットに仕舞込む】


「では、俺の知っている情報を話す」
「先ず現状だが、俺、いや、俺達魔導海軍諜報部は邪禍、レオーテ、ミラ、カニバディール、鈴音からなるチームMなる対黒幕戦線に参加、協力する事となった」
「これがその証だ」

【ミラから受け取ったその指輪、右の中指にしている指輪を見せる】

「加えて黒幕の動きだ、先ほども開示されたように、部下の曹長が過去何度かに渡り№3カチューシャと接触している」
「その際に『OMERAS』と言う単語を聞いている、これが何を意味するのかは不明だ」
「しかし、カチューシャは明らかに黒幕の意思の下で動いている、特区を探ればこの辺りも明らかになるだろう」
「また、特区の件だが、連れ去られた仲間、黒野カンナが特区のドローンを解析した結果以下の事が判明した」
「『ルハニア社』と『オーウェル社』だ、この二社が特区のインフラ開発、ドローンやアンドロイドを開発している事が判明した」
「オーウェルと言えば、麻希音とゾーイが何か知っている様子だったな」
「加えて特区では、能力者や問題行為者に対し、他社への攻撃が不可能な様に注射を施すとの情報が入っている」
「この注射をされた者は、能力や他社への攻撃の意思を見せた時に、身体が拒否の反応を起こすらしい」
「こちらは、部下と他何名かが現在再度潜入、薬の奪還作戦を計画している様子だ」
「また、こちらも彼我不明の情報であるが、公安の嵯峨野と言う人物が、調停官を名乗り、何か能力絡みの研究、実験をしている様だ、詳細は一切不明だが」
「そして、先だってチームMの仲間のUT白神鈴音に対し、婦警から脅迫が入った」
「婦警は慈善活動『たんぽぽ』の子供を人質に取り、麻希音あるいはカニバディールの身柄を要求してきた」
「情報の統括は、以上だ」

【自分から話せる情報も交え、そして現状を知る限りで纏めた】
【最後に、何か質問はあるか、と周囲を見渡して】


577 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/23(月) 23:53:34 BRNVt/Aw0
>>575

……や、本当に味方とか分かんねーじゃん、何か魂胆があってそうしたのかもしれねぇし……簡単に信じねぇ方良いって
【無条件にメカゴリラ(仮)を味方と信頼するヘケメトに思わずため息を吐いて】


そうだよ!何でお前そんな乗り気なんだよもっと自分を大事にしろ彼女が泣くぞコラ!
【あまりにも乗り気な相手に思わず突っ込むが不満げとはいえやめてくれたのでまたため息を吐く】


【そして彼自身が好戦的と聞けば指をさして、それだー……と苦笑し】

多分無理に戦ったりとかしなかったらもっと早くに治ってるやつだよなーそれ……
【俺はなったら気をつけよ……と呟く】


【薬を射たれても多分気合いで乗りきれるだろ、と笑うヘケメト。それを聞いて彼は凄く据わった目で、気合いってお前なぁ〜……と口を開き】

人間は!気管に熱が入ったら焼けるし!そっから肺に熱い空気入ったら肺がこう!砂肝みたくなって死ぬんだぞ!
【炎が口内を逆流した際の危険性を力説するのだが】

【ヤバいって……ホント……まだそれ以外の部位に火傷負うならまだしも……と頭を抱えて呟く】

【要するにすっごいビビってる】


578 : ◆Heckemet8M :2018/04/24(火) 00:22:51 u1dxVMlM0
>>577

「そォーかァ。……俺みてェな口調だったからきっと味方だと思うんだけどなァ」
「……あァ、頭いてェ。」

【謎の根拠を示し、そして再び額に当てられる手の平。痛みの度合いそのものはおそらくそうでも無いのだろう】
【ただ、気分的な何かも混ざっているのか、表情が少しこわばる。痛みに苦しむそれとはおそらく違う、顔】
【そうしていた時間は少しだけ。後はすぐに、いつものアホ面に戻るはずだ】

『本当です。無理に相手に迫るからより悪化するので……そういう意味でも自滅、ですね』
「だってよォー、アウを攻撃する悪い奴らは放置できねェーし」
『だからですね、……はい、また堂々巡りが始まるのでそれは置いておきましょう』

「ヘケケ、そォーいうのも全部気合で何とかするんだぜェーッ!」
「お前なら多分やれる! 気合のエネルギーで耐えるんだぜ! こォーんな感じによォーッ!」

【実演。――ベンチの上に立ち上がった彼の周りに纏われ始めるのは、暑苦しい生命のエネルギーだ】
【そしてそのエネルギーが一気に体内に吸収されたかと思えば、発散!】

【……周囲に飛び散るそのエネルギー、例え当たっても暑苦しいだけで済むはずだ】
【実は回復技の余波であり攻撃ではない。故に、ヘケメトが苦しんだりもしない】

『だからそれは、他の方が持ってないと思われる能力です。無茶振りは止めてください』


579 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/24(火) 00:36:02 IBKicRNQ0
>>568
>>569
同感だな。貴女には、親近感が湧くよ

【〝それがいつまでか〟という言葉に対しては、沈黙と笑みで答えた。その意味するところを、正しく理解している、とそれだけで伝わるだろう】
【そう、今は単なる共同戦線。向いている方向は全員がバラバラだ】
【だからこそ、この瞬間が貴重であるともいえるのだろうが】

【カチューシャについては、深くは言及しなかった。重要なのは、いざという時ミラがカチューシャを害せるのか、という点】
【しかし、その心配は即座に杞憂に終わる。敵意がなくとも、彼女はやる時はやる。次の瞬間に、そう確信させられた】

〝こっち〟……? ――――!!!

【擬態の能力と聞き及んではいた。だが、聞くと見るとでは大違いだ。まさか、ここまで。ここまで精巧なものだとは】
【赤い髪、おそらくはあの触腕。それを纏わりつかせることでの擬態。限りなく近く、しかしやはり違う、そんな姿が現出する】

……見事だ。見た目は無論、声にセリフ回しまで。完璧の傍らだ
(これほど見事な擬態で、親しい誰かに化けて近づかれれば……最高の暗殺者足り得るだろう)
(もし、敵対する時が来れば、あまりに大きな脅威だ……我々ならば、殺されても肉さえあれば蘇生は可能だが、それについては黙っておいた方が良さそうだな……)

【その顔には、隠し切れない称賛の色があった。そして、表には出さなかったが戦慄も】
【能力の恐ろしさもさることながら、カニバディールが直感的に悟ったのだ。ミラ・クラァケ。彼女は、自分の一番信じる誰かのためなら】
【カチューシャのように憎からず思う相手にも、容赦なく刃を振り下ろせる存在なのだと】
【その切っ先が自分の方に向く日が来ないか、少しでも先であることを、カニバディールは柄にもなく祈った】


……彼奴らしい、見事な煽り方じゃあないかね。やってくれる
これで、民衆はただ能力者を糾弾するだけではなくなる。恐怖を除くために、武装し、徒党を組み、襲い掛かる
能力者に、だけではない。彼らが恐れるものを、彼らが敵だと決めつけたものを、徹底的に排除しにかかるぞ

互いに監視し、疑い、分離していく……そこに付け込めば、彼奴等の目的たるディストピア建設はたやすく遂行されるだろう
たった一人で、これだけのことをやってのけるとはな……

【ミラの擬態を目の当たりにしながら、彼女が伝えてくれた言葉の内容に悪寒を覚え、こめかみに冷や汗を伝わせる】
【ミラの、能力としか思えない擬態のレベルに対してもそうだが。彼女を通して聞いた、カチューシャの言葉】
【すでに、敵の計劃は着々と進行しているのだと。その事実を突きつけられたがゆえに】

……ああ、上手くできている、というだけでは足りないほどのクオリティだ。驚いたよ、クラァケさん
見た目や声までなら、能力によるものと思えるが。その言い回しは、貴女自身の演技力かね

【やはり、あまりにも近い。よく観察すれば、見抜けるかもしれない。だが、見抜いた時にはきっと遅い】
【そう思った瞬間には、もう次の姿に変わっている。まだ直接会ったことはないが、ミラの〝真似〟を見れば察した。彼女が初瀬麻季音だ】

……おかげで、初瀬麻季音の顔と声は覚えられた。思わぬ収穫だ、ありがとうクラァケさん

【そして、また元の姿に。幻惑でも見せられていたかのような。それでいて、本人は不満げに】
【能力もさることながら、やはり本人の観察眼。いや本能的な記憶力か。それが何より恐ろしかった】

……重ねていうが、見事なものだ。その力を持ってすれば、『黒幕』も騙しおおせるだろう
『婦警』が貴女の能力を消したというなら、その能力が向こうにも知れているのは難点だが……
今回に関しては、一瞬でも隙が出来れば十分だろう。その時は、是非頼みたい


ほう、『特区』にまだこちらの協力者が潜っているのか……あそこには、まだ不明な点が多い
それに関しては続報を期待しよう

そうか、指輪を配っていたのは貴女か。面倒なことだとは思うが、これがなくては連携もままならないからな……

【宣伝文句のことなど気にするミラに、カニバディールは事前の予想を遥かに超えた恐ろしさと頼もしさを同時に覚えていた】


580 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/24(火) 00:44:22 BRNVt/Aw0
>>578

【俺みたいな口調、という言葉に、それ!と指をさし】

その自分みたいな口調ってのも怪しいよなぁ……何だっけ?そういうのなかった?こう……ポッカリピングーみたいな……自分とそっくりな奴がどっかにいるーみたいな?
【どうやらドッペルゲンガーと言いたいらしいのだが、やはり言葉は出てこず変な単語を作り上げてしまうリューシオ】


【目の前で、そういう事をするから、だってお前を攻撃する奴は、などと堂々巡りな話をする二人。それを見て】

あーもう……何惚気てんだよホントお前らお休みなさいだなー……
【などと言ってちぇーっと口を尖らせる。それを言うならご馳走さま、なのだが】



え、そんな事言ったって……うわ何だそれ暑苦しっ
【言い掛けた所でエネルギーを顔に受けてしまい顔をしかめる】

まあ、ほら……能力なんて人によって違うしさ……お前だけが出来る事なんだよ多分……
【そう言いながら端末を確認し、詳しい事は粗方聞き終わったかな、と呟いて】

……じゃあ最後に聞くけど……お前らは何かしらの組織だとか団体とかに入ってたりはするのか?
【とりあえず聞いた方が良いだろう、と思い尋ねてみる】


581 : ◆Heckemet8M :2018/04/24(火) 01:03:08 u1dxVMlM0
>>580

「自分とそっくりな奴はよォー、いっぱいいるから的な奴だろォ? 量産型的な」
『……、……多分彼が言いたいこととは違うと思います』

【なぜだか少し言葉に詰まりつつも、今回は相手の言いたかったことに辿り着けなかったらしく】
【ヘケメトはヘケメトで、自分で言っておきながら"何いってんだ俺"は的な様子を見せる】

「どォーだ、これが気合の能力! ――ヘケケ、俺以外でも使えるぜ?」

【口部に親指と人差指を入れれば、そこから取り出されるのは――小さなクリスタル的な結晶】
【それをアウに手渡せば、彼女はそれを握って……次に手を開けた時にはその姿はなく】

『気合の回復弾ッ! ……いえ、実質彼は使えませんよね。私たちと常にいるわけでもありませんし』

【そして持っていた杖に宿るは先程と同質の――気合のエネルギー】
【その弾はヘケメトの顔に向けて一直線に飛び、そして命中。ぶへっ、とマヌケな声が聞こえてくる】
【……回復弾と言っている通り、バケツの水をざばっとかけられた程度の衝撃はあれどもダメージは皆無、むしろ回復する】

「――俺たちかァ? 特にどこにも入ってねェぜ。2人でその辺ずっとウロウロしてるんだ。最近は他人ん家に居候してるけどよォ」
「でも、えェーと、2つ!」 『"魔導海軍"と"御庭番衆"、ですね』
「そォー、その奴らとは薬とか特区とかで協力することになった感じだ、だがまァ基本フリーだ!』


582 : ◆ROhV0jlpGg :2018/04/24(火) 01:14:37 qpY1SMsA0
【水の国・裁判所前】

【コツコツと、硬い足音を伴って建物から人影が現れる】
【鞄の内から通信端末を取り出したなら、液晶の光がその姿を照らし出して】

【―――黒のパンツスーツに銀色の髪、そして縁の細い眼鏡。】
【そんな出で立ちの細身の女は、端末を操作する。仕事用でも、私生活用でもなく、〝もう一つ〟の連絡を取るためのもの】

【――――――通知は無い。それはつまり、〝成果無し〟ということ】
【とても気分のいい話ではないが、女は眉一つ動かすこともなく、端末を鞄に戻し、歩き続ける】

…………何か食べていくか。

【敷地を出れば、近くにある飲食店に向かい、歩を進めていく】
【もし、誰かと出会うのならば。それは歩いている途中のことか、或いは店内でのことか】



/ゆっくり置き募集ですー


583 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/24(火) 01:27:31 BRNVt/Aw0
>>581

や、量産型の話してねぇし!なんつーか……あの……見たらヤバいってやつ!多分言葉の感じはそんなだったと思うんだけど……あー……もう良いや!忘れてくれ!
【多少プルプルと震えながらもなんとかドッペルゲンガーという言葉を思い出そうとするがやはり出てこなかったらしく諦める】

へぇー、アウも使えるのかそれ……すっげーのな!
【彼らの実演を見れば、リューシオは子供の様に目をキラキラと輝かせる。なんというか単純なのだろう】

【その後脳内で、でも特にメモする事じゃねぇよな、と考えて】


ふーん、所属はなし、と……
でも『魔導海軍』と『御庭番衆』と協力している……と……

──うん?それ何だ?
【ぽちぽち、とメモをしていた彼だったが聞きなれない組織名に思わず手を止め首を傾げる】

【それと同時に、もしかして、という想いも頭を横切る】


584 : ◆Heckemet8M :2018/04/24(火) 01:40:53 u1dxVMlM0
>>583

「……わかった! めっちゃ眩しい光!」

【確かに見たらヤバいという要素は含まれている、しかし他の要素は綺麗に抜け落ちてしまったらしい】
【アウが"ああ、ドッペルゲンガーですかね"なんて呟いているが、ヘケメトの声の大きさでかき消された可能性もある】

『使えるというかなんというか、……そうですね、使おうと思えば誰でも使えます。ただ、使わせる気はありませんがね』

【こだわりなのか何なのか、アウの口部から取り出されるのはやはり先程の結晶。それをヘケメトに返却した】


「何だって言われるとだなァ、魔導海軍は……"翔子"って奴がいるところ!」
『……テレビや新聞などで時々名前を聞きますので、そこそこ活動しているようですね』

「御庭番衆は……"文月"って奴がいるところだ!」
『……前述の魔導海軍と協力関係を結んでいるようですね。そう言えば文月さんの名前、私たちに電話する時に出していませんでしたか? 気のせいでしょうか』

【協力関係を結んだわりにはなんともざっくりとした説明だが、――おそらくは知った名前が上がっているはずだ】


585 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/24(火) 01:43:40 IBKicRNQ0
>>571
ふ、ふふ!! 冗談が過ぎるな、カタロス。まさか、私がお人よしには見えないだろう?
単に、『黒幕』との決着がつく前にお前に死なれては困るというだけの話だ

いくらカチューシャの前身とはいえ、知りもしない女に絡んだ因縁で、敵を増やして刺された、などということになってはあんまりだろう?
そのような形で、貴重な共闘者を失ってはたまらない。まあ、おしゃべりの悪癖の延長であることも否定はしないがね

(……あわよくば。ソニアを救おうとする者と、カチューシャを想う者とが。潰し合ってくれれば、私としてはありがたいのだがな)

【大きく笑いながら、異形は己の理屈を並べる。その陰に、姑息な本音を隠して】
【公安とのことを別にしても、カチューシャはソニアの歴史にまで遡った大きな渦の中心だ】
【あわよくば、そこに自分の敵対者同士の対立構造が生まれれば。そんな皮算用。とはいえ、今はただの絵空事。頭の片隅に追いやる】


だろう? 上から我々を見下ろしているつもりの連中の面に、思いっきり拳を叩き込んでやる
今までの意趣返しも兼ねた、渾身の一発だ
(正体のわからん男だが、この獰猛さは本質の一端なのだろうな……)

【敵への直接攻撃。それに血を滾らせる姿は、確かに彼と言う男を表している】
【この凶暴性を、あの大剣に込めて振るえば、その威力たるやどれほどのものか。異形は密かに、彼への警戒レベルを引き上げる】


【ミラのあまりに見事な擬態に対して、カタロスが見せた変貌には、一瞬凍り付く】
【厳島のとりなしもあってか、それはすぐに収まるが。改めて、彼の秘めたる危険性を感じずにはいられなかった】
【今の彼を形作る凄惨な過去を知らずとも、異形の経験が言っていた。この男は、憎んでいる。機関員を、あるいは能力そのものを】


――――そうだな。連なる者がどれほどいるのかは、知っておかねばならない
誰が敵か味方かわからない状況ほど、恐ろしい物もないだろう


>>ALL
私が知っているこの件においての共闘者を挙げておく
まずはUTのメイド、鈴音。裏社会に精通した探偵、チンザノ=ロッソ。『黒幕』が狙う天才少女、初瀬麻季音
後は……『黒幕』が狙う技術の開発者たる故フォルケン博士が制作した、アンドロイドがいると聞いている。名前や姿は知らないが

UTには、もう一人ギア・ボックスという男がいる。元人間で、今は人形に自分の魂を宿す生き人形だ
この男は私と個人的因縁があるが、それが元で対『黒幕』に対しては協力も取り付けた。先ほど渡したUSBメモリでのデータも、このギアがカミス・シティで集めて来たものだ


さらに、大会優勝経験を持つ勝利王の騎士ウェイン。幾多の配下を従える悪魔、邪禍。邪禍はあくまで、協力者としての立ち位置だが
そして、ここにいるメンバーと……『円卓』。私は、頂点に立つジルベール・デュボン陛下以外の関係者は知らないが。ずいぶんと豊富な人材が集まっているという噂は聞いている

後は……公安三課は、数にいれていいものかどうか。鵺と初という女、人工知能のリーイェンの三人までは、存在を確認している
それ以外のメンバーはわからない。『黒幕』とは敵対しているらしいとはいえ、公安だからな。どこまで信じて良いものかどうか

ひとまずは、こんなところだ


586 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/24(火) 02:04:27 BRNVt/Aw0
>>584

【ヘケメトの言葉に、いや何か話戻ってねぇ!?と突っ込むリューシオ】

【そのやり取りで憐れドッペルゲンガーというアウの製糖はかき消されてしまう】


【使おうと思えば誰でも使えるが使わせる気はない、と口にする彼女に、何処かにやつきながら、ふーん、と呟いて】


翔子……初めて聞く名前だなぁ
えーと……もしかしてこないだの水の国の事件とか、船のやつとかの?

で、御庭番衆は……やっぱりそうか……
【文月の名前を耳にした瞬間、彼は深くため息を吐く】

んー、名前は出したぜ?でも彼奴の所属は知らなかった
上手い具合にはぐらかされちまったっていうか……
でも……魔導海軍と協力している組織、かー……
【テーブルに突っ伏しながら思考を巡らせる】

【魔導海軍──恐らくは先日の水の国での襲撃事件の際対応した組織。彼らは機関員と戦闘していた。つまりは正義の側】

【それと協力関係にあるから御庭番衆も然りだろう】

【有益か、否か?判断は掴めない】


587 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/24(火) 03:59:44 IBKicRNQ0
>>576
まったく、寒気を覚えるほどだよ。UTにいれば、実戦経験には事欠かなかったのだろうが
それにしても、異常なレベルの技能の持ち主だ。彼奴がどれほどの血塗られた半生を送って来たのか、想像も及ばないな

【軍人たる厳島すら恐れるその力。カニバディールもまた、恐怖を押し殺そうとする】
【何という相手が敵に回ったのだ。今更ながら、そんな思いが沸き上がる】


それで問題あるまい。心が折れるか死ぬかしていなければ、やりようはいくらでもある

ああ、頼む。カミス・シティは敵の最終目的のモデルとなる都市だ。詳しく調べて、調べすぎるということはあるまい

【自身もギアから聞いた話をデータに纏め上げたに過ぎないのだが。そのうすら寒いまでの管理体制には、恐怖を感じたものである】


>>ALL
レオーテ……レオーテヴュート。ユウト・セヴォランディのことか
複数の名前を持っていると、こういう時は紛らわしいな……

【呟きつつ、まずは厳島のいう『黒幕』の情報を記憶に焼き付けていく】

『ルハニア社』と『オーウェル社』……それらが彼奴等の管理体制における、技術面を担っているわけか
『黒幕』が機関と交わした密約、『N2文書』には能力者に対する洗脳をもって、異能の力を自分たちの管理下におく計画が記されていたが

恐らくは、その洗脳の技術にも、その二社か噛んでいるのだろう。初瀬麻季音の身柄を狙っているのも、その関係か……

加えて、強制的に戦闘能力を奪う薬物……我々が作った、能力を強制的に植え付ける薬の対極に近いと言えそうだ
薬の奪還については、続報待ちになるかね

そして、嵯峨野……初めて聞く名だが、『黒幕』派の公安か
『黒幕』に与する公安職員は、もう一人『N2文書』に署名があった水の国公安部長のセリザワという人物がいる
傀儡なのか、中枢の一人なのかはわからないがね。公安は、はねっかえりの三課以外はかなりの広範囲が『黒幕』に汚染されていると見るべきか


脅迫の件について付け加えるが、『婦警』が鈴音の前に現れた時「いました」と漏らしていたらしい
鈴音が敵の下っ端からの襲撃を退けたすぐ後だったことから見て、最初から鈴音の居場所を知った上での行動だったようだ
敵がどこから、鈴音の居場所や『たんぽぽ』の子供たちのことを掴んだのか……敵の情報網については、まだはっきりしていないな


それと、もう一つ。ロッソがMに関わる者同士の符牒として用意した言葉がある
『ヨハンは639号室の隣人である』。ヨハンと、639が符合だ。今後、また知らない人間がMに加わってきたとしても
この符牒を知っていれば、それと知れるようになっている

【カニバディールも、いったん話を締めくくる。この場に出た情報を、頭の中で吟味しながら】


588 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/24(火) 04:20:35 IBKicRNQ0
>>587
/すみません、>>ALLとして、以下の文章を追記します


【その時、テレビの向こうで戦闘が終息した。カチューシャの〝一斉狙撃〟が、翔子曹長とアルベルトを地に落とす】
【アルベルトは己の魔術でどうにか防ぎ切ったようだが、翔子曹長は。この場の面々の前で、強かに地面に叩きつけられることになるだろう】

――――終わったか。公演、ときたものだ。最後まで、カチューシャの一人舞台……やはり、とんでもない女だな
あれほどの実力者二人を向こうに回して、結局は扇動をやりおおせた

彼奴が今回投じた小石は、大きな波紋となって広がるぞ……大衆は過激化し、狂気となって伝染・拡大する
これから、ますます厄介なことになりそうだ……

――――む? セヴォランディさん、か?

【苦々しく歯噛みするカニバディールの目に、カメラの見る前に堂々と姿を現す巨大な龍】
【櫻の絵巻物を思わせるそれが、明らかな人の言葉を発する。恐らくは、厳島も彼のことは知っているだろう】

……女曹長は邪禍さんが保護されたか。彼の下ならば、死ぬことはあるまい
カタロス、お前の身内は心配することはなさそうだな?

【ひとまずは、またも『黒幕』の攻勢に死者を出さずに凌いだこととなる】
【しかし、また一歩。追い詰められたということでもある。異形は、とても状況を楽観視は出来なかった】


589 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/24(火) 07:27:13 wg3NHxpU0
>>582

【女性が街中を歩いていたなら、前方から何やら言い争う声が聞こえてくるだろう】
【一つは女性の、もう一つは男性の声で、視線を向けてみればその通り二人の人物がいた】
【耳を傾けると、その内容が女性にも伝わる筈だ】


……せやさかいに、確かにうちは能力者やけど──、それだけで疑われるんはおかしいどす
万引きされはったんは気の毒やとは思わはるよ、でも、それはそれで
それにこの刀は護身用、そんな風に言わんでもええんちゃう?


【染めたての茶色い長髪を、紅細工の簪でポニーテールに結って】
【紅いキャミソール状の半襦袢の上から、長い白羽織を着こなす】
【黒いニーソにブーツ、黒曜石色の瞳をした少女がその一人であった】
【白木と黒木の鞘に包まれた太刀を二本、左の腰に添えている】

【特徴的なのはその口調、櫻の国の一部でしか見られない独特の訛りが入っている】
【どうやら露天商の男性が少女に言い掛かりを付けているようで、彼女はその対応に困っているのだろう】
【何がきっかけか、能力者であるとバレてしまった様で、それもトラブルに拍車をかけている様だ】


590 : 名無しさん :2018/04/24(火) 13:01:54 /xWzuiOE0
>>574

ごく、ごく、ぷへーっ。もぐっぱくぱく、美味しい肉の味〜♪

【ジンジャーエールを半分ほど一気に飲み、ローストビーフとサイコロステーキを速いペースで口に入れていく】
【アーディンが配慮した味付けも大層気に入ったようだ。料理も素人で現在練習中の身には具体的に何がどうなっているのかはまるでわかっていないが―――】

音信不通……音信不通って、もう会えないってこと?それは寂しいね……
あ、でも一人いるなら良かったね!うんうん

【「誰かを失う」経験をした記憶がないリオシアにとって、アーディンの話はどこか他人事で】
【しかしその表情から、何かは察しただろうか――】

やっぱり珍しかったんだ?でも悪魔に会ったのもあの時が初めてだし、ワーキャットに会ったのも今日が初めてだから……
わたしにとっては今日のこともすごい体験だし、思い出だよ!
魔海っていろんな人が住んでるんだねぇ

【アーディンと出会い、話したことで――あちらにとっては他愛ない話だったかもしれないが】
【今日もリオシアの「世界」は大きく広がった】

夢を叶える原動力……
夢、わたしの夢かぁ……やりたいことがたくさんあるんだよね
ね、ね、アーディンさんは船に乗ったことある?わたしはないんだけど、軍にすごい大きな船があってね、すごい大きな大砲も持ってるの
それでそれで、いつかそんな大きな船から大砲をドーンと撃って"機関"をひどい目に合わせたり出来たら良いなって思ってて、
あ、でも船の指揮するには士官にならなきゃいけなくて、たくさん勉強するんだ
だけどえっと海に落ちたら怖いよね、わたしの能力で海を固められるかな?たぶん無理だよね、広いし荒れてるし
だから泳ぎの訓練もして、すごいよね、人間でも頑張れば水面にずっと浮いていられるの
で、それでね、艦長になったら望遠鏡で遠くの悪い人を見てこう言うんだ
「撃て!!」

【ドン!!と、持っていたグラスをテーブルに強く叩きつけた】
【一気にとりとめもなく喋って、半ば興奮状態になったリオシアは】
【はあはあと少し息も荒げている】

ふふ、それにね、船があれば色んな所に行けるよね?世界を冒険できるかな?サリードって人みたいに……
あれっ?

【リオシアが手元のグラスを見ると、中に少し黄色みのある金属が入っている】
【アーディンは気付いただろうか――グラスを叩きつけた時に、一瞬でジンジャーエールが金属化したのだ】
【ジンジャーエールの水分のみが金属化したため不純物が混じっているものの、新たなタングステンだ】

いつの間にか変えちゃったみたい……えへへ、奢ってくれるって言ってたけど……お代としてあげるよ

【リオシアがグラスを逆にすると、ゴトッと、グラスの形をしたタングステンがテーブルに乗った】


591 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/24(火) 13:52:45 eh4mW.L60
>>571>>576>>579
【各々異なる反応。ミラは満足気だった。おまけにカチューシャに関しては】
【完璧の傍らとすら言われれば──笑みを隠す性格の女ではない。嬉しそうに笑う】


そう、カニバディールの言う通り────声や見た目は擬態能力のおかげだ
だがそっから先…………そいつの言葉や態度はあたしが選んでる
擬態っつってもコピー能力じゃないんだ。さすがに中身までは何を考えてんのか分からねぇ
だから恋人の相方に化けたとなりゃ誤魔化しが結構難しい。長く話せばボロが出ちまう

ま、つまりは誰かに完璧に化けるにはちょっとばかし“お勉強”が必要ってこったな
どんな性格で、どんな口癖で──最低限それだけありゃ、後はアドリブだ
趣味や交友関係なんかも知れりゃ上出来だが…………

あぁ────だから厳島の心配はご無用だぜ
とりあえずおびきだせりゃそれでいいんだろう?遠目から“麻季音”だって分かればそれでいい
連中も流石に、遠くから狙撃して血が赤いか青いか確かめた上で引き取り…………なんてことはしねぇだろ

それに…………万が一のことを考えて、麻季音はあんたのアジトに隠すのがいいんじゃねぇかって思う
泥の街、だっけ?あんたらの配下がいるってぇ話は聞いてるぜ。安全だ、とも────


【────殺気。それも、喉が干上がるほどの。最初は誰のものか分からなかった】
【だが厳島やカニバディールの反応から、ディミーアが発したものだと分かる。危険だ、この男は】
【瞬時に頭の中で、要注意の烙印を押す。信頼できるか。否。協力者に殺気を向けるような】
【(狂犬だ、あいつは)用心して接しなくてはいけない。心に強く刻み込む。その思考を】
【表に出したりはしない。こういった僅かな亀裂から組織が瓦解する可能性があることは】
【ミラはよく知っていた。ちら、とテレビに視線を戻す。戦闘は既に終わっていた】
【ん、と小さく唸る。確かにカチューシャの口元が何かを紡いでいたことを、見逃す彼女ではなかった】


あぁ────待て、今また、あいつなんか言ったわ

『また…………会い、ましょう』

『すべては……………………O、M、E、R、A、S────OMERASの、望む…………ままに────』


【響き渡るソプラノは、混沌の予感を孕んでいた。“OMERAS”────】
【「なんだってんだ」そう、ミラが呟く。何かを指し示していることは分かる】
【何を指し示しているのか。人か、物か。分からないことだけが増えていく】


592 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/24(火) 13:53:31 eh4mW.L60
>>571>>576>>579

…………“OMERAS”。…………どうも連中、少なくともカチューシャはそいつに従ってるみてぇだな
六罪王のロジェクトやら、黒幕の連中でも、なく────?
…………わかんねぇな。もう少し、OMERASとやらについても調べる必要がありそうだ

んで────協力者の詳細だって?
まぁ、聞いてる限りじゃそんなもんだし、それ以上のことをあんたらが知る必要があるとは思えねぇ
あたしの協力者────ロッソは言ってたぜ?

『俺が一番、気にしてんのは情報の流出だ。拉致って自白剤に、脅迫に拷問』
『絶対に口を割らない自信あるか?……だったら知らないほうがいい』
『最低限の情報、最低限の計画、最低限の符号。それが俺や、お前を守る』
『俺がすべきことだけ伝えてくれ。知りたいことだけ聞いてくれ』


【──今度は男の声だった。Mの一員である探偵の声。記憶の中から、彼の言葉をひっぱりだし】
【声だけを模倣する。その方が、説得力があるように感じたから】


…………ま、メインで動いている連中だけ知っときゃいいってこった
後はメールが解決してくれる。必要なやつに、必要な情報を
全員が知る必要があると思えば、全員に伝えればいい────そうだろ?

おっと、別にあんたらが嫌いってぇわけじゃあねぇ
ただあたしは、探偵の言葉に理を感じただけ。それに、大体のメンツはどうもあんたら知ってるみてぇだしな
これ以上あたしが出せる情報はねぇな。強いていうなら、“今後にご期待”ってぇわけだ


だけど────そうだな。あんま、グズグズはしてらんねぇな
このまま時間ばっか過ぎると、カニバディールの言う通り。黒幕連中の思うがままだ
世間さまの“流れ”っつぅもんな、既にあちらさんの手の中
だったら、こっちはその流れをかき消すくらいのどでかい花火を打ち上げなきゃいけねぇ
能力者は危険だ────じゃなく。能力者が居てもいい。そう思わせるような、花火をな

さ、て…………ちょっとまた、向こうの部屋で休ませてもらうわ
構わねぇだろ?流石に起きていきなり喋りっぱじゃ、疲れちまう
また後で、“傷の具合でも見に来て”くれねぇか、カニバディールよぉ
ほら────術後のケアっつうやつ?大事なんだろ、こういう時にはさ


【ぎゃは、とミラは小さく笑い──一足先にこの部屋から出ようとする。傷が痛むのは本当だろう】
【特に傷の深かった腹部を抑えながら、先程まで居た医療室に戻ろうとする】
【再度カニバディールがその部屋を訪れれば、口の端を歪めて笑うのだ。「よぉ、待ってたぜ」】


593 : アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk :2018/04/24(火) 15:33:01 ZCHlt7mo0
>>590

……うん

【リオシアが満足げに頬張る様子を、アーディンは微笑ましく見守っていた】
【こうして食事を振る舞う時には――――と言っても、彼自身が用意した訳ではないが――――食べて満足してもらうのが一番だ】
【口の中の刺身の旨味を、その満足感と共に噛み締めた】

――――だからこそ、だ。いつ会えなくなるか、本当に突然、そうなってしまう事がある……だからこそ、友達は大切にするんだ
会えない相手に、何かを言えなかった、何かをしてやれなかった……そういう後悔はな、時間が経てば経つ程に……重くなる
わざわざ、しょい込むものではないぞ……こうした重みはね

【アーディンも、リオシアのどこかそっけない言葉に、悪意はない事を知っている。そうした経験ですら、彼女には無いのだろう】
【その言葉自体が、余計な重荷かも知れないが、結局は老婆心は――――歳をとるごとに拭い去りづらくなるものらしい】
【そんな後悔をして欲しくないと、そんな心境でアーディンはリオシアに、重ねて「友達を大事にしろ」と説いた】

良いな……それこそ、枯れかかった奴の言う事かもしれないが、それが若さと言うものだ……どこまでも、純で力強いものだ……

【今日のこの事さえも、大きな出来事であり、楽しみであり、そして思い出である――――リオシアのその言葉に、アーディンは静かに頷く】
【そうなのだ――――そういう認識でいる彼女には、そして彼らには、そうなのだ。それが、良い意味での若さなのだろう】
【その溌溂としたエネルギーを、アーディンは嬉しく思う。出来る事なら、いつまでもそれを持ち続けて生きていって欲しいと――――】

そうだな……俺でさえも、どんな連中がいるか、完全には分からない。俺たちみたいなワーキャットもいるし、オーガ族も、リザードマンもいる……
勿論マーマンだっていた……どれくらい、そうした連中がいるのか、俺にも見当はつかないよ……

【それこそ、魔海内部の世界は、アーディンにも窺い知れない。重ねて、それはもう人外たちにとっての、1つの世界なのだ】
【多種多様な亜人たち、勿論亜人だけでなく、様々な魔獣たち――――そのひしめく種族たちは、数えきれない】
【覗き切れないほどに、世界とは広い物なのだ――――】

……船、そして海か…………
(……櫻の国の海軍? いや、流石に短絡的過ぎか? ……だが、可能性は高そうだな。そうか、そんな繋がりが……――――っと、そこを探ってどうする……)

【語る言葉の中には、リオシアの所属のヒントらしきものが垣間見せる。ついついそこを分析しそうになって――――そんな目的で会話はしてないと、アーディンは意識を切り替える】

士官、か……それは大変だ。凄い事を目指すもんだな。いや……夢が夢としてそこにあるなら、大変でも無いかも知れないな……
客として、船には何度か乗った事はあるが……そうか、船を動かしたいのか……艦長、いずれ目指す事になるのか……?

【確かに士官となると、この年ごろから目指さなければならない、大きな目標だ。だが、彼女のひたむきさなら、或いは――――】
【広大な海を行く、精強な男たちの船。それを指揮するリオシア――――それは、彼女の中で、淡い憧れとは一線を画する、具体的な目標としての夢なのだろう】
【潮と錆の匂いが、鼻に届いたような気がした】

っ、これは――――まぁ、あまりグラスを叩いたりしないようにな……

【ジンジャーエールさえも、タングステンに変わる。その変化を目の当たりにして、アーディンの表情が驚きに満ちる】
【が――――とりあえず、大人として注意はしつつ、タングステンを受け取った。まぁ、これはおまけだろう――――】


594 : 名無しさん :2018/04/24(火) 16:49:13 4IFkENwo0
【風の国――UT店舗内】
【静かな夜だった。空では月がしんと冴えていて、見上げた夜空にはちりばめられたような星々が煌めく、夜風など姿も見えない妖精が囁くように緩く吹く】
【だけれどそれはあくまで何も知らない人間が観測する世界。"何か"を知っている者たちからすれば、大きく事態が動いたあとの、まるでうるさくざわめくような、夜だった】

――――――――、麻季音ちゃん。

【――ことん、と、小さな物音がした。それは扉を開ける音かもしれないし、開かれた空間に立ち入る誰かの足音だったかもしれない】
【とにかく小さな物音に付随して、鈴の音が相手へ向けられる。――少しためらうような、どこか申し訳ないような、ものおじするような声が、控えめに、相手の名前を呼び掛けて】
【振り向いたなら――やはりというべきか思い浮かべた通りの人物が、そこに居るはずだ。――少し疲弊したような目。どこか覇気のない元気の足りない様子。だけど】
【よほど今すぐ倒れてしまいそうだと心配されるほど、朧ではない。そこまでの冥さは、"仲間"が振り払ってくれた――そのことを、相手はすでに知っているはずだ】

【――――"現在"から少し前。一通のメールが届いていた。その内容は今更言う必要があるほどありふれたものではない、ひどく印象深いものであり】
【鈴の音はそれを前提にして現れた――らしい、というのも推測できた。"あの"メールを読む限り、この少女は】

【眼前に居るであろう"相手"か。きっとさっきまで一緒に居たのだろう"彼"かを差し出すよう、黒幕に命じられて】
【そしていまだにその命令はきっと生きていて――"そういう"、人物だった。味方を裏切れと言われている。大事に思うものを人質に取られて】
【――それでも。"そう"しようと思ってきた人間の態度では、きっとないというのも、分かるはずで。でなければ――そもそも同じく要求されたカニバディール自身が】
【あんなふうなメールを送るというのはありえないだろう。そうなっている時点で彼女は少なくとも彼に打ち明けている。彼はそのことを皆に知らせ、少女が相手の前に現れた】

……今。大丈夫?

【――肩を撫でる長さの黒髪に、色違いの瞳。生成り色のシャツに赤いスカート、かかとの高い、靴】
【ここ数日はどうにもどこぞの部屋に引きこもって出てこないとちょっとした噂になっていた――あるいはそれも"このせい"だったのかもしれないって、今なら、分かるかもしれなくて】

/予約ですっ


595 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/24(火) 17:01:44 g1HLNF4w0
>>576>>587>>592


…………思ったよりも情報が多いな
邪禍、レオーテ、ミラ、カニバディール、鈴音、魔導海軍諜報部にチンザノ=ロッソ、初瀬麻季音
それから、ギア・ボックスにウェイン、邪禍、はさっき数えたな……あとは、『円卓』、ジルベールのクソ野郎か
公安三課は鵺なら数えてもいいだろう。直接面識があって信用できるやつだ

で、名前が分かりきっていて実際に動きそうなやつを数え上げても、俺を入れて十二人だ
十二人だぞ? 一般的な兵士じゃないやつらが集まりに集まって十二人だ
これで勝てないようなら、そのときは俺たちは全員揃って頭が悪いってことになる


【カニバディールや厳島が提示した名前を数え上げて、具体的な数字を言葉にする】
【そしてその上で、勝てないはずがない、と発破をかける。まるで馬鹿にするような言い方をわざわざ選び】
【その場にいた者たちへと順に視線を送る。そうじゃないよな────と】

【誰に対しても怖気付いているとは思っていない。こういった状況で鼓舞するかのような言動は】
【ある種、部隊長としての癖のようなものだった】


正体不明の単語だの何だのはともかく、だ
ルハニアとオーウェル。特区そのものに、脅迫してきたとかいう婦警
明らかなターゲットはこれらだろう。まずは見えているところから潰す

特区は厳島の部下が潜入中で、婦警に対してはカニバディールが当たっているな?
なら、今できることはルハニアとオーウェルの情報を集めることだ
初瀬麻季音というのが仲間だったら、なるべく話を聞いておいた方がいいだろうな


【「────というのが俺の見解だが、何か意見は?」という言葉でディミーアは締めくくった】
【横目で画面を確認する。全ての事が終わり、意味のない映像を映すだけ】
【効果的な”演出”に溜息が漏れ出す。副長率いる『ヴィセリツァ』は目的を妨害できなかった点で敗北しているといって良かった】


アルベルトはクソ野郎に違いないが、強力な魔術師だからな、心配は最初からしていない
世論を気にするのもいいが、ひとまず捨て置け。そいつは初めから俺たちにどうこうできるものじゃない


【カニバディールへと言葉を返しながら、今回の事件に対する所見を述べる】
【副官たる部下の能力への信頼は厚いようだった。が、強がりが含まれていることも否定できなかった】
【彼女ほどの実力者を相手にどうなるかは、ディミーアにとっても予測できないものだったからだ】


それと情報統制をした方がいいという意見があるようだが…………まぁ好きにしろ
経験上、それにどういう利点があるのか俺にはよく分からん。全体を把握する人間が一人でもいれば、統制するのも結構だが
そうでないなら勧めはしない。部隊の動きが鈍りそうだ

仲間を守るべきだ、という意見は頷けるがな。効果があるかは見ての通りだ


【苦痛を堪えながら腕を掲げる。敗戦の証明が包帯の中にはある】
【元軍人であるディミーアにとっては、ロッソの意見は頷き難い部分もあるらしく、難色を示す】
【それでも強く反対まではしなかった。全ては個々人の自由だとしていた】


596 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/24(火) 18:07:07 6.kk0qdE0
>>585>>587>>588

「ロッソ、ウェイン、そしてギア・ボックスと言う人物は初めて名前を聞くな……」
「アンドロイドの名前は、ゾーイだ、こちらは面識がある、確か麻希音と共に居たな」

【探偵チンザノ・ロッソ、勝利王の騎士ウェイン、特区から重要な情報を持ち出したギア・ボックス】
【面識は無いが、このカニバディールにそこまで言わしめる人物だ】
【きっと余程の者達に違いは無いだろう】

「(N2文書?それは何だ?)」

【ここに来てまだ知らない、その意味ありげなキーワード】
【その疑問の言葉が出かかったが、あえて飲み込んだ】
【それを問うならば、こちらもリストに関して言及しなければいけなくなる】
【駆け引き、と言う物だ】

「公安部長セリザワ、だな……根は深いと見えるな」
「確かに、奴らの情報網は謎だ、あるいはこの場の全員、既に関係性の存在が知られているかもしれない」
「必要があるなら、その情報網を潰すことも念頭に置かねばいけない」

【N2文書の事は、この際だ、隠密に調べるとして】
【先ずは目下の情報確認としよう、と】

「ヨハンは639号室の隣人である、だな、記憶した……」

【だが、そこでTVの中継に変化が起きる】

「曹長ッ!?」
「カチューシャ……貴様は……」

【自分がこの場に居れば】
【その思いがあまりにも歯痒く】
【だが、ここで】

「あの龍は、ユウトだと言うのか!?」

【龍はそのまま翔子を背に乗せ、そして飛び去って行った】
【ユウト、邪禍の下ならば安心と言えるだろう】
【後で迎えに行く必要もあるのだろうか……】

>>591>>592

「なるほどな、おびき出すだけならば……その姿に擬態するだけで十分、か」
「麻希音を隠す方法があるならば、それも僥倖だ、いざとなったら潜水艦にでもと思ったが、その要は無さそうだな」

【そして次に探偵ロッソに擬態し、その口調で話すと】

「ロッソと言う人物は、そう言う声で話すのだな」
「なるほど、一理ある話だが、情報の伝播と統制も重要だ、対軍部隊行動の要だ」
「最も、そのロッソとは近いうちに会う事にはなりそうだが……」

【防諜の概念、それは間違いなく正しいと言える】
【防諜の前提は情報を漏らさない事、ならば知らない事が最も手っ取り早いが】
【(果たして、それが通じる相手だろうか?)】
【との、一抹の不安も隠せないでいる】
【やがて、TVの方、再びミラがカチューシャの口真似をすれば】

「OMERAS?やはりその言葉は、何か意味のある言葉の様だな……」
「気にはなるが、特区やその近辺を追えば、何れ知れるだろう」

【やがて、ミラが退出の意を示せば、特に止める事は無く】

「ああ、君は特に重傷だ、ゆっくりと休んだ方がいい」

【と、見送った】


597 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/24(火) 18:07:26 6.kk0qdE0

>>595

「待てディミーア」
「俺はその内、鈴音や麻希音とは面識があるが……彼女達を戦いの要員と考えていいのか?」

【見た目は、なんら変哲の無い普通の少女だった】
【そんな彼女達を、果たして戦力と考えて良いのだろうか?と】

「彼女が知っているのはオーウェルの様だ、先に挙げたゾーイがオーウェルの製造らしい」
「その二社の探索や情報収集は、特区を調べると言う点においては、有効だろう、賛成だ」

【そして】

「……」

【情報に関するディミーアの意見には、黙して答えた】
【実際のところ、ロッソの意見にもディミーアの意見にも賛成とも反対とも言える】
【個対群の集合体ならばロッソ、群対群の戦いならばディミーアの考えに分がある】
【本件はそのどちらでもないからだ】

「賛成だ」
「先ずは婦警の件だ、奴を叩く、そこが最も各々の目的にも近いと思われる」
「逆に、これは機会は一度きりだ、これを逃せばこの群をもっての婦警拿捕あるいは殺害は難しくなるだろう」

【先ずは見えている敵を、目下の脅威を】
【大きな敵はそこから引きずり下ろし、のこのこ出てきた所を順番に刈り取る】
【その部分に大いに賛同を示す】
【何よりそうでなければ、この群は結束の意味を失いかねない】


>>All

「俺も、もう話す情報は話した」
「そして、聞きたい情報は聞けた……そろそろ全員休むのもいいんじゃないか?」

【状況を鑑み、そう提案した】
【無論まだ話のある者や、用事のある者が居るならばその限りではないのだろうが】
【最も、全員漏れなく重傷を負った後だ、休息が必要なのは誰しも間違いはないだろう】


598 : 名無しさん :2018/04/24(火) 18:30:02 /xWzuiOE0
>>593

うん、人生ってわからないもんね……
わかんないけど、良い事が突然あれば、嫌なことも突然起きるって、なんとなくわかるよ

【自らの人生の意味を真面目に考えたことなど無かったが――】
【世の中に、幸運があれば不運もある。そんなことはリオシアもわかっているつもりだった】
【"大切なものを失った経験”が不足しているため、どこか実感はわかないが】
【今の仲間たち、出会った人々は大事にしたい――そう思っていた】

オーガ?リザード?マーマン?へぇ……

【種族名に関しては、やはり疎いようでピンときていないようだが】
【聞けば聞くほど、魔海の話は興味深い】

艦長……そうか、わたしが艦長かぁ、えへへ
リオシア艦長?かっこいいかも……

【具体的な役職を言われ、そこに就いた自分を想像して微笑した】

うぅ、ごめんね
気持ちがワッー!ってなるとたまに勝手に能力が出ちゃうの……そういう"能力制御"も今練習してるんだけど

【自分が使いたい時に能力を使い、暴発はさせない。"能力者"として戦うのであればそれは基礎だが】
【リオシアにはまだ訓練が足りていないのだろう】

ふぅ、ごちそうさま!美味しかった!
またご飯食べに来ていい?

【心もお腹も満腹といった、幸せそうな表情で食後の余韻に浸る】
【止められなければ、今日はこれで去ることになるだろう――】


599 : ◆Heckemet8M :2018/04/24(火) 18:46:00 u1dxVMlM0
>>586

「気のせいだ、気のせい! 戻っても問題ねェぜ!」
『……返してもらえないと困るからですよ? 使わせないのは』

『ええ、その辺りの事件に関わっているようです』
『元々、私たちと会う前から特区に関する情報を追っていたようですし、今忙しそうですね』

「隠されてた感じだったのか! 妹の鹿を食わせたらばっちり喋ってくれたぜ、俺たちには」
『……魔導海軍の方と会ったの方が決め手じゃあないですか? おそらく』 「まァ、どっちでも良いけど!」

【――正確に言うと、"妹の名前を付けていた鹿を彼が狩ってしまったが、何だかんだで3人で食べることになった"辺りなのだが】
【ともかく、彼らは相手が既に文月の所属がどこであるかの情報を知っていると思っていた様子】
【(とはいえ、知らなかったということを知っていたとしても、彼らは話してくれただろうが)】

「ヘケケ、まァとにかく色んな奴と協力して! この面倒な状況をどォーにかするんだ」
「頼むぜ! 解毒の鍵ゲット作戦!」

【――そして勝手に作戦のメンバーに加えられるのであった】


600 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/24(火) 19:03:30 WMHqDivw0
【――――――銃声。】

【それは当たり前のように、路地裏の奥の奥から届くもの】
【一回きりの鉄の咆哮、それだけでもいやによく響いて】
【聴覚に優れている、だれかの鼓膜を揺らすくらいの余裕はあった】

【その音に導かれて、あなたがコンクリートの迷路に足を踏み入れたなら】
【ゴール地点、小柄な人影がふたり――対峙している場面に遭遇するだろう】


「……狼さんたら狼さん。どうしてそんな、コワイ顔しているの?
 わたしが言うのもなんだけど……ケダモノみたいな顔してる、それも“手負い”の。
 まあ――活きが悪いのを狩るより、そっちのほうが愉しいからいいのだけど」

【一方。黒いワンピースの上から、真っ赤な頭巾を被った少女の姿】
【鮮血色の布のすきまから零れる真黒な三つ編みが、だらんと垂れて】
【首を傾げる頭の動きに追従する。――ぎらぎら光る金の瞳が、丸くきょとんと開かれる】


『煩い、……煩い煩い煩いどいつもこいつも、どいつもこいつもッ!!
 なんなんだよみんなして寄って集って――あたしを虐めてそんなに愉しいか!?
 じゃあ死ね、あたしに触れるヤツはみんな死んじゃえばいい! おまえもそう!!
 オオカミはおまえだよ――――撃たれて脳髄ブチ撒けて死ねッッ!!!』

【それに絶叫を返すのもまた――少女だった。黒いパーカーのフードで頭を隠し】
【その下から、射殺さんばかりに目の前の赤ずきんを睨み付ける。赤い瞳の娘だった】
【ざり、と地面を踏み締める音、立てているのは真っ赤な厚底靴、戦場に似合わぬ形状】


【銃声の源、拳銃を握っているのは、赤い靴の娘のほうだった】
【銃口はぴったり、頭巾の中央部に合わせられて――すぐにでも引鉄が引かれるのだろう】
【それをじっと見守る赤ずきん、「狼はお前」と言われた瞬間――眉間に皺を寄せて】
【ぎり、と牙を噛み締める音を立てた。腕を振り上げる。なんらかの攻撃の前動作】

【誰も止めてくれないなら、きっとこのまま殺し合いが始まる。それだけの話】
【この世界の、治安の悪い路地裏では、いつものように繰り広げられる茶飯事――――】


//我は闘争を欲す(意訳・戦闘ロールしたいです)
//お付き合いいただける方は赤い靴子か、赤ずきん子か、どちらか一方を敵に指定してやってください!


601 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/24(火) 19:27:35 ksxqTH220
>>594

【私はその時はUTの間借りさせてもらっている自室ではなく、研究用に使わせてもらっている場所に居た。】
【ここ最近は多くの時間をここで過ごしている。UTに出入りしている業者か】
【この施設を作った凄腕エンジニアだかのおかげで】
【必要な機材はほとんど揃っている。綺麗に片付いていたこの場所も私が参考文献やら書籍やらファイルしたデータやら】
【試作品やらいろいろなものを持ち込んだせいで、歴史ある研究室と似たような状態になっている】
【ホワイトボードも二枚使って、メモを書き留めておいている。あ、両面だから4枚か】
【多分、世の中の人が思い描く研究者の部屋や研究室というイメージ通りなんだろう。カノッサよ、混沌はここにある。と言いたくなる】

【ある作家は、作家らしい部屋を演じるために書き損じの原稿用紙を部屋いっぱいにばら撒いたというが】
【私はそういうわけではない。…念の為】

【カニバディールさんからのメールには思ったとおりに返信した】
【それから、また意識は研究に戻った。…そうして、体感では、ほんのすぐ後に感じた】

―――鈴音さん。

【声で、一瞬で研究の世界から意識が引き戻される。浮かんだのはメールの内容】
【私はいつものパーカーにジーンズという可愛げも何もない服装の上に】
【さらに白衣を羽織っていたからさらに色気なかったことだろう】

ええ、もちろん…あ、でもここはあんまり、いい場所じゃないわね。

【私は慌てて立ち上がって、机の上をどかそうか、テーブルは…と見回してみたけれど】
【まともに落ち着ける環境を作るには5分ぐらいかかりそうだった】


602 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/24(火) 19:39:55 6.kk0qdE0
>>600

【二人の間に割って入るように】
【白い鳥が飛翔して来るだろう】
【二人の間に丁度割り込むように、そして上手く行ったなら、それはヒラリとその場に紙となって落ちるだろう、鳥型に切り抜かれた紙切れに】
【赤い頭巾と赤い靴】
【対照的な二つの赤だ】

「一体何事よ?」
「騒々しいったらないわ」

【直後、声と共に二人の目の前に立つのは、ネイビーカラーのワイドパンツと白いパールピン使いブラウス】
【長い髪をふさっとたなびかせ、ヒールを履いた長身の、オカマだった】

「で、これはどういう状況よ?」
「ただの喧嘩って訳じゃなさそうね……」

【拳銃を構える少女と、それに対し何らかの攻撃を加えようとする少女】
【見極めようと、俄かに紙の札を手にして構える】

//もしよろしければ!


603 : 名無しさん :2018/04/24(火) 19:40:58 4IFkENwo0
>>601

【――――――自分の知らない世界だ、と、思った】
【いろいろな機械にまとめ上げられた文献、資料、試作品にホワイトボードのメモ書き。ごちゃっとした印象の部屋は、だけど、そういう意味では究極に纏まっている】
【そうやって思うのはきっと自分が何も知らないからだろうな、と、思わされる。そういう場所だと思った、――そして、これは、分かるひと相手なら】
【きっと嘆息して自分の及ばなさに三日くらい寝込んでしまうんだろうな、とも。――なら、全くわかんなくって良かったかもしれない、三日という時間は、大きすぎるから】

こんばんは。――ごめんね、急に。

【どこか物憂げな瞳は眠たそうにけだるげにも見えた。いろいろなことを悲観するような目、だけど、それは色気のない恰好をした相手に向けたはずもなく】
【散らばった部屋じゃあ運気も逃げて行って云々などというスピリチュアルなよく分からないことを言い出すはずもなく、ただ――本当に憂鬱なのだ、きっと、心底から】

ああ、えっと――お構いなく、大丈夫だよ、本当に……、急に来たのは、わたしだから。
それに。良くない場所だなんて、思わないの、だから――、えっと……、

【それでも。相手が慌てて立ち上がる、机の上だのを掃除しだすのを見れば――こちらも慌てたようになって大丈夫だから、とか、気にしないで、とか口にして】
【だけれども相手がそれじゃあってことで気にするなら、おずおずと手伝うのを提案したりもするかもしれなかった。とはいえ――ここは相手の空間であるのなら】
【勝手にどうこうはできないし、相手の指示は必要だったが。単純に物を動かしたりするくらいなら、手がもう一対増えるというだけの話。多分そんなに効率もよくならない】

【――――だけど。お互いにワンクッション挟むという意味合いであれば、十分な意味があるのかも、しれなかった】
【とにかく。相手が机を片付けるのなら少女も手伝いたがって。許可が下りればおっかなびっくり手伝う、駄目と言われれば、隅っこで所在なさげに立っている】
【多分犬ならしゅーんと尻尾が垂れているような顔をしていることだろう、(――手伝っていいって言われていたなら、それこそ、ぱぁと嬉し気な顔。尻尾があったら、振っているくらい)】


604 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/24(火) 20:17:09 ksxqTH220
>>603
【自分以外の人が居ると、客観的にこの部屋を見ることができて、これだけとっちらかったのを見られるのは恥ずかしい。】
【まるで頭の中身を見られているような気分だ。…確かに研究に関するものが殆どだから、あながち間違いじゃない】

【頭の中の記憶を整理するのは寝ているときだという。】
【もしこの部屋が頭のなかと同じならだいぶ整理がついていないみたいだ。】
【まだ危ない工具だとか材料だとかは別の部屋で作業していたから良かったと思った】

ええ、あ…こんばんは。

【ここのところ時間はあまり気にしていなかった。データが出るまで寝るとか区切りのいいところまでやるとかそういう生活で…】
【時計を見ない訳じゃないけど、気に留めないと見てないのと一緒だ】

【つまりは、それほど自分も焦っているということだ】

【バタバタと片付けようとして、慌てて手近なプリントをまとめたり、したけど】
【鈴音さんに制されて、体はピタリと止まって。動揺がバレているみたいな気がした】
【そういわれると今更無理やり押し切って片付けるのも失礼な気がして…所在なく立ち尽くしてしまう】

全然、来てもらうのは構わないわ。…それにその…あの、なんというか。
……私も、その…心配してたから。…ごめんなさい、ホントは私から声をかけたかったんだけど

【鈴音さんはいつものように見た目も可愛らしくて、隙がないのに(性格に抜けてるところはすこしあると思うけど)】
【これだけ憔悴している姿は見ていられない。多分、私の笑顔も随分と下手なことだろう】

【心配はしていたけど、どうしていいか自分にはわからなかった。短い期間の間柄で他にもっと気のしれた人が…と言い訳をしていた】
【私のことを周りは天才と囃し立てたが、こんな単純なことも間違ってしまう。17歳でしかない】

…とりあえず、なら適当に座って。インスタントのコーヒーぐらいしかここにはないけど…あ、そうだ。ゾーイに頼む?きっと彼女ならなんでも………

……すぐ、本題に入ったほうがお互いに楽かしら。

【なんだか冷たい言い方しか思いつかなかった。でも彼女の負担を考えたらこれが一番かもしれなくて】


605 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/24(火) 20:24:05 BRNVt/Aw0
>>599

成程、魔導海軍……ねぇ……
【特区に関する情報を追っている、ねぇ……"俺達"の邪魔にならなきゃ良いんだが、と思考し】

隠されてたっていうか……何ていうか……
【口ごもり、視線を反らす。正確には『互いに所属を隠し腹の探りあいをしていた』とでもいうのだろうが】

【そうしてふと、こいつら俺の事何も疑ってねぇのかなぁ、などと疑問を感じ】

【まあそれを問い質したら面倒な事になるし言わないでおこう、とあえて触れない事にする】


……ってちょっと待て、何だその作戦
っつーか俺お前らの面倒事に首突っ込む気なんざさらさらねぇんですけど!?
【だがヘケメトの言葉を聞いて表情が変わる。思わず勢いよく立ち上がって叫び】

【俺は情報だけ貰って帰る筈だったのにどうしてこうなった!?と心の中で絶叫する】


606 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/24(火) 20:35:09 WMHqDivw0
>>602

【――――微かな羽搏きの音。先に反応を示したのは、赤ずきん】
【音のしたほう、鳥の飛んでくるほうに視線を投げて――一瞬だけ】
【動きが止まった。振り上げた腕が行先を失くして、指先が天を衝いているあいだに】

 【――――――銃声、ふたたび】

【赤い靴の娘は、鳥の存在に気がつかなかった。視界に入るまでは】
【だから銃口を下ろさなかった、引鉄に籠める力だって抜かなかった】
【(――なぜかその指先には、絆創膏がぐるぐる巻かれていた。十の指ぜんぶに)】


【結果として、引鉄は引かれたのだ。赤ずきんに銃口が向かったまま】
【ただし、鳥の乱入によって――狙いは逸れた、驚いた赤い靴の娘がきゃあと悲鳴を上げて】
【腕が震えた。そうして狙いは外側に逸れて――赤ずきんの米神のあたりを掠めていった】
【赤色の布と黒い髪、それから幾許かの肉を削り取って。銃弾は壁に埋まる】


「…………どなたかしら。どなただったとしても、獲物の横取り、よくないわ」

【「よくないの、……とってもよくない」。ゆっくりと、赤ずきんの顔が乱入者のほうに向けられて】
【顔の片側、銃弾が掠めていったほう――赤色にべっとり濡れていた。傷口から滴る、血】
【それを流しつつもはっきりとそう言った。親しみは一ミクロンたりとも混ぜない、つめたい言葉】

【一方、引鉄を引いた張本人――赤い靴は、目を見開いて】
【乱入者たるあなたをじいっと見つめていた。右手に持っている銃は、下ろさないまま】
【警戒している。なにも声を掛けない限り、次の瞬間にはきっとあなたに銃口を向ける】


【引鉄を引いて傷をあたえたのは赤い靴だ。しかし、物騒なことを言っているのは赤ずきんだ】
【どちらを危険因子と判断して、どちらをこの場から逃がそうとするかは――あなたの判断次第】

//はい〜それでは置きペースでよろしくおねがいしま〜す


607 : ◆Heckemet8M :2018/04/24(火) 20:38:01 u1dxVMlM0
>>605

「まァー、その辺の事情はわかんねェーけど!」
「あれじゃアねェーの、生理的に駄目だった的な」 『違うと思います』

【適当な口調で発せられる、唐突なDisり発言。……悪意なく言っているのだから、余計にタチが悪い】
【一応アウがフォローを入れてはいるものの、彼女は彼女で表情や感情が控えめなのであまりフォローを入れている的な雰囲気には見えない】

「ヘケ? 特区から色々持ち帰ろう大作戦に参加しに来たんじゃアねェーの?」
『情報収集がメインでしょう。そもそも彼にそのことは1ミリも電話で伝えてませんから……』

「それはそれで良いぜ! とにかく、特区って所はやべェーんだ!」
「覚えといてくれよ! 俺は用がなければ絶対行かねェーけど、色々と注意するんだぜ!」

【勝手にメンバーに加えようとはしたものの、別に強制するつもりはなかったようで――】

【ずどん。テーブルの上に乗せられる片足。若干相手に近づけられる頭部。そう言えば、ベンチの上に立ち上がったままだったか】
【この行為に特に意味はない。おそらく、相手が立ち上がって叫んだので何となく行ったのだろう】
【テーブルから何か、めきりという音が聞こえた気がするがきっと気のせいだ】


608 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/24(火) 21:03:33 6.kk0qdE0
>>606

【式神による介入は、成功したと言えるだろう】
【だが、銃声、銃弾は放たれた】
【結果は、赤い頭巾の少女を少し掠めただけだったのだが】

「獲物?冗談じゃないわよ、何の話しよ?」
「私、人間で狩りをする趣味はないわよ……」

【状況を冷静に、そして睨みつけるような鋭い目で考察する】
【なるほど、解りやすい、と】
【赤い靴の少女は確かに銃を持ち、それを放ったが】
【手を見れば、目を見れば理解も出来る】
【追い詰められているのだ、この少女は……ならば】

「いつから、私がこの靴の女の子を狩ると思ってたの?本当、冗談じゃないわ……」

【非常に冷たく、狂気すら帯びた赤い頭巾の少女の言葉】
【二枚の式札を取り出す、人型に切られた札だ】
【赤い靴の少女の側に立ち】
【やがて、その少女を守る様に】

「牛鬼、馬鬼、やってお仕舞」
「それと、あんたはそんな使い慣れてない物、使うんじゃないの!玩具じゃないのよ玩具じゃ」

【牛の頭に赤い甲冑、大きな長刀の大男、馬の頭に黒い甲冑の大太刀の大男が、赤い頭巾の少女の前に立ちはだかる】
【対してその後方、赤い靴の少女に、オカマはそう語りかける】
【状況は決まった、オカマは赤い靴の少女を助けると決めた】
【言葉と共に、同時に二体の異形から攻撃が繰り出されるだろう】
【長刀と大太刀が、同時に赤頭巾の頭上から迫る】


609 : 名無しさん :2018/04/24(火) 21:08:02 4IFkENwo0
>>604

【――――それでも。いつもに比べたなら、その恰好は少し劣っている。生成りのシャツは洗いたてにしてはくしゃりと撚れて】
【もとからふわふわのスカートはあんまり変わらないけど――、少しシンプルすぎる気がした、というのは、まあ余談か。本人のどこか疲れた雰囲気も相まって】
【なんだか物足りない感じ――焦っているし、追い詰められている。それならきっとお互いさまで、それで、きっと、"みんな"もそうに違いなかった】

……ううん。ごめんね、ありがとう。――わたしね、みんなみたいに、得意なこと、あんまりないから……。
頑張らなくちゃって思ってたの、でも、だめだね、……――麻季音ちゃんはね、麻季音ちゃんのできること、分かってて、出来てるの、……羨ましくなっちゃう。

だのに、ごめんね――お店の番、何回も任せちゃって。

【心配していた――その言葉に少女はくしゃりと弱気に笑う。見た目だけならばもしかしたら相手の方が年上に見えるかもしれなかった、でもそうじゃないって分かっているなら】
【年下である彼女に心配されちゃうくらいに無様だったって自分でも分かっている。いろんなこと、頑張っていたけど、相手はうんと大きくて、強くって、どうしようもない】
【事態はどんどん悪くなって、瞬く間に居場所だと思っている地面さえ崩れてなくなってしまいそうで、それなのに、自分の都合にかまけて、くたびれてしまって】
【――羨ましいって言葉は、きっと本心でもあった。なんにもできない自分は惑ってしまう、出来ることがあるって分かっているのは強いと思う。――料理なんて、今役立たない】
【ロッソみたいなことも麻季音みたいなこともミラみたいなことも――できない。それを引け目に思っている。隠したつもりでも、それが、どうしたって、漏れ出てしまう】

――――――そうだね。"それ"がいいな、……。

【慌てて片付ける必要はないけれど、立ち話で済ますには、少し、重たすぎた。ならば座ってと促されれば、――それでも一応どこがいいか相手に尋ねてから――少女は座るだろう】
【しゃんとした背中。姿勢は悪くなくって、だいたいいつもこうだった。これが猫背になっているとだいたいくたびれているか眠たいとき。――今は意識的に、しゃんとさせて】

…………だけど、ね。どうしたらいいのか……分からないの、言いたいこと、謝らなくちゃいけないこと、たくさんあって、ある、のに、あるはずなのに。
どうやって、言ったらいいのか――、――ごめん、なさい、わたし。婦警に、遭って……、殺そうと思ったの。だけど、怪我を、していて……殺せなくって。
言い訳だって分かってるの、だけど、"あの子たち"の写真、見せられて――、そんなの、もっと早くに、思いつくこと、できたはずなのに――、だのに分からないふりして、
そんなのきっといつかされるって、もっと早くに――なのに。

【――それでも。言葉を漏らしてしまえば、どうしたって崩れる。不安でしかたないように身体をちぢこめて、視線が俯きがちになる、鈴の声さえか細くなって】
【言い訳をしているって分かっていた。これは言い訳だって。こんな状況にありながら、自分の大事なものは傷つけられることがないって、信じていた、信じていたかった】
【でもそれが単なる妄想だと気づかされて――その現実に向き合うことを強いられて。やはり惑ってしまった、ありえてはいけなかった。みんなが頑張っているのを知っていたのに】

/ごめんなさい分割しますっ


610 : 名無しさん :2018/04/24(火) 21:08:20 4IFkENwo0
>>604>>609

――ごめんなさい。みんなを裏切れって言われて……そんなのできないって。あの子たちが殺されても。わたしが、殺されても……言わないと、いけなかった、
あなたも。カニバディールも渡さないって。裏切りものになんかならないって――、わたしは、あのとき、言うべきだった、……――。

【ぎりぎりと歯を噛み締める。膝に乗せるよりも押し付けるように力のこもった手がスカートの布地をぐしゃぐしゃに握りしめていた、声も、震えてしまって】
【――メールが送られてきた時点で、そう"命じられた"彼女がカニバディールに接触したことは、すでにみんなが知っている。どんなつもりだったか、までは知れなくとも】
【そう命じられた彼女はどうあれカニバディールと接触した。あのメールはその内容を聞いたカニバディールが動いた結果にほかならず、なら、彼女の思惑は関係がない】
【少女が"どんな"用事で彼と会ったのかは分からないけど――、そもそもそうせざるを得なかった時点で、どうしようもない、自分が悪かった。自分のせいだった、と、】

【――――裏切り者に貶められそうになって。だけどそれをその場で拒むことができなくて。もう少し状況が違っていたら、どうなるかなんて、分からなかった】
【それこそどこかで何かが少し違っただけで、そうしていたかもしれない。カニバディールを殺して、麻季音さえも、差し出していたかもしれない。その自分を否定してしまえない】
【許されたいのかもわからなかった。そもそも謝ることに意味があるのかさえも。それでも泣いてしまいそうな声が謝罪を繰り返す――「ごめんなさい」――悲痛そうに、ひずみながら】


611 : アーディン=プラゴール ◆auPC5auEAk :2018/04/24(火) 21:09:25 ZCHlt7mo0
>>598

……そこはもう、人にはどうしようもないからな。ただ、真っ直ぐに前だけを見ていれば良い……そうした方が、得だよ

【残念ながら、世の中の巡り合わせは良い事ばかりとは限らない。だからこそ、真っ直ぐに生きろとアーディンは言う】
【生きていけば――――後悔はそれだけ積み重なっていく。それを少しでも増やさない事が、いつもまでも楽しく生きるためのコツだ】
【今はただ、純真に生きていれば、それでいい――――リオシアには、そうした生き方を求めていた】

――――まぁ、実物を見たら驚く事にはなるだろう。まずはその前に、調べてみるんだな。その方が良い……

【それこそ、リオシアでなくても普通の人間にとっては、脅威の亜人となるのは想像に難くない】
【まぁ、最初に自分の姿を見ても、怯んだりしなかったリオシアなら、「正しく向き合うための予備知識」など、必要ないかも知れないが】
【向こう側がどうかは分からない――――それもまた残念な事に、亜人たちも純真な人間ばかりではないのだ】
【まずは腹を決めてから。アーディンも、そうした付き合い方をお勧めする】

――――1つの船を預かるリーダーだ。もしも本当になる事が出来れば、間違いないだろうな……格好いいものだよ
まぁ、簡単ではないだろうが……もしかしたら、リオシアなら頑張れるかもしれん……

【凛として、部下を指揮統率して、船を操るリオシアの姿――――アーディンも、想像してみれば微笑ましく思う】
【勿論、下士官ではなく、上級士官なのだから、エリート育成の、非常にきつい訓練を乗り越えた先に、ようやく仄見える道なのだが】
【まぁ、夢くらいは純に見せてやるべきだろう。折れる事は考えずに、憧れだけを見せるのも、悪くはない】

……そこは追々だな。しかし……本当に水が一瞬で凝固して、変質している……凄いな、これは……
テンションと制御の別々に切り離す事は……まぁ、これは頑張らなければな。とりあえず、人との食事なんかでこれが出ると、大変だ……

【取り出されたタングステンは、グラスの形に添った形状をしている。アーディンは唸りながらそれを手に取った】
【本当にタングステンを、水分から生み出すその光景を、目撃してしまったのだ。疑っていた訳ではないが、やはり興味深い】
【同時に――――リオシアの制御の不完全さも、問題だろう。むしろ、軍属としてのトレーニングではなく、此方の方を優先させた方が良い様に思う】
【先ほど、言葉の熱に当てられたのなら、ついテンションを上げ過ぎたのだろうが、そこは己の中で、上手く切り離していかなければならない】
【今まで、制御など必要ない環境にいたのだろうが――――これからは、そうもいかないだろう】

――――勿論だ。タングステンも、もしも金が要り様なら買い取ってやろう。こういうのを求めている伝手があるんだ……
もし俺が居なくても、俺の名前を出して、リオシアと名乗れば、まぁ悪い様にはしない。そう伝えておくよ
……今は金があるんだからな、気をつけて帰ると良い。まぁ、ここ近辺では、ケチなスリはいない様に『してある』がな

【リオシアの食事が終わる頃合いに、アーディンも刺身とモスコミュールを平らげる】
【リオシアには、もしも何かあったらうちを頼れと伝えて、送り出す――――意外な形だったが、上客が1人増えた格好だ】
【――――気まぐれな無駄足も、時には無駄じゃなくなる。巡り合わせの妙に思いを馳せながら、アーディンはタバコに火をつけた――――】

/長らく、乙でしたー!


612 : 名無しさん :2018/04/24(火) 21:12:37 4IFkENwo0
>>610
/ごめんなさい訂正部分ありますっ

〜あの子たちが殺されても。わたしが、殺されても……言わないと、いけなかった、

〜わたしが殺されても。あの子たちが、殺されても。……言わないと、いけなかった、

です、失礼しましたっ


613 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/24(火) 21:22:09 WMHqDivw0
>>608

【あなたの考察はきっと正しかった。赤い靴の娘は、自分が庇われたのだと】
【正しく理解した。そうしたから――「ありがと、ごめん」。それだけ言い残して】
【踵を返す。走っていく、ここではない何処かへ。作ってくれた隙を利用して、逃げていく】

【――――逃げた少女が正しかったのだとしたら、取り残された少女は】


その気があっても、なくてもね。
この場に踏み入ったなら覚悟すべきよ、理解すべきよ。
強者が弱者を喰らう場所。そういうところよ、ここは――――

【低い声色。気の立っている獣の唸り声に似て、地の底を這うように】
【赤ずきんは、怒っているようだった。喰うはずだった獲物に逃げられた。お前のせいで】
【ならば代わりの獲物はおまえ。そうとでも言わんばかりに、睨み返して】

【跳躍。斜め後ろに飛び立って、振り下ろされる凶器を回避する】
【巨大な獲物の切っ先は地面にでも墜ちただろうか。でも赤ずきんはもう、それを「見ていない」】
【まっすぐ、まっすぐ。術者たるあなただけを見つめて。捕えて離さぬ顎のように】

【――空中で腕を振る。愛らしく広がった姫袖、戦場に似つかわしくないその形状の内側から】
【「じゃりっ」と金属の擦れる音が鳴った。そうして、指先をまっすぐあなたの方に向けたなら】
【其方に向かって、一直線に射出される――「鎖」だ。赤黒い、そう太くはないものが一本】
【先端には、鋭い鉤がついている。まるで牙か爪かを思わせるような、肉を裂くための形状】

【まっすぐあなたに向かっていく鉤。避けるか弾くかしない限り、あなたの肉に喰いこむだろう】


614 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/24(火) 21:43:11 6.kk0qdE0
>>613

「随分現金な物ね、まあ正しい判断よね」

【一言だけを残して走り去る少女、その後ろ姿を見送って……】
【そう、残された少女は……間違いなく】

「いつからこんな路地裏が、そんな修羅の国みたいになったのよ」
「いい加減になさい、この場の平穏を乱しているのは貴女」
「弱肉強食のルールを無理矢理強いているのも貴女よ」

【睨みつけながら、そう語る少女に】
【此方も殺気をぶつけ乍ら、そう答え、そして】

「ちいッやるじゃない!!」

【後方に飛び退きながら回避を試み、その間に拳銃を取り出し】
【鎖とその鎖の使いてたる少女に向け、何発もの発砲を試みる】
【その少女の言動には、その服装が極めて似つかわしくなかった】


615 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/24(火) 21:56:08 WMHqDivw0
>>614

強いている? わたしが? ……まさか。
あなたたちのほうが押し付けてきたんじゃない、……「俺」にッ!!

【吠える口の中には生え揃った牙。これも恐らく、肉を引き裂くためのもの】
【よくよく考えなくてもわかるだろう、この赤ずきんはきっと人間じゃない】
【だって今もそうだった、跳躍の高さがあまりにも高く――人間の脚力では不可能な領域へ】

【赤ずきんが今いる場所は空中、足場もなければ壁もなく】
【逃げる場所はどこにもない、だから迫る銃弾を避けきることはできない】
【せいぜい身体を捻って急所を避けるのが精一杯。当たることは必然的】
【二の腕――脇腹――太腿――そういった箇所に突き刺さっていく、弾丸たち】

【 痛みに顰められた口元が――それでも嗤って見せる 】

【鎖の先端に繋ぎ止められた鉤は、地面に突き刺さってアスファルトを噛み締める】
【それでも赤ずきんはそれを良しとしたようだ。次の瞬間、ぐん、と】
【鉤が刺さった地面の方へ、赤ずきんの身体が急加速する。――鎖を縮めて、鉤の到達点に移動したのだ】


――――――――るぅうア゛あぁッ!!!


【咆哮。まるきりケダモノめいて意味を成さない音】
【それを発しながら、赤ずきんは着地し、姿勢を低くして――一気に地を蹴りつける】
【クラウチングスタートに似た動作。ただしそこまで正しい姿勢ではなく、もっと野性的な】
【四つ足の獣がそうするみたいに、あなたに向かって突進した。タックル。押し倒さんばかりに、勢いをつけて】


616 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/24(火) 22:00:36 ksxqTH220
>>610
【自分が無頓着なのもあるけれど、そういう細かな変化に私は気づけなかった】
【でも、鈴音さんがそうとうな負担を感じていることは気づいている。】
【なのに自分は何をどう話をすればその負担を軽くさせてあげれるのか思いつかなかった】
【そんな自分が情けなかった】

そんなことない…!鈴音さんはこんなにみんなに信頼されて、頑張っているからこうやって…!……いや、その…ごめんなさい。

【つい声が、大きくなってしまった。慌てて、椅子に座り直す。】
【鈴音さんには隣の机の椅子を勧めた。研究者は私だけだから使うことはほとんど無い方の机と椅子。机の上は物置と化している】

鈴音さんだってできることをしているじゃない。それに…私と違って、外に出て危険な目にもあって…私はみんなに守られているだけ。

【良くない。そういうことを言うのは良くないわ。麻季音。自分に言い聞かせる】
【そういうネガティブなことを言っても鈴音さんはもっと悲しむだけだ】
【ポジティブに、前に進まないと。】

…いいの、本当に。できないなら、したくないならしなくていい。…私はそう思う。
だって、鈴音さんはそんな…

【顔を見ていられなくて、自分もうつむいてしまう。言葉も途切れ途切れで、何を言えばいいのか。】
【伝えたいことはたくさんあるのに詰まって出てこない】

鈴音さんは悪くない。…だって、そんなことになって、正しい判断を下せる人なんて居ない
それでも…なんとかしようと思った鈴音さんは……私は戦えないもの。

【うつむいて、顔を挙げれない。言葉が滲んでいく。話すべき言葉が】

だから……だから………ぐすっ…ぐすっ…あの…ひっく…だから…うぅ…ぐすっ

【だめだった。泣くのはやめようと思ったのに。もっと、心配かけてしまうから。】
【これ以上悩んでほしくないのに、不必要な心配させてしまうから】
【でももう、理性とかをこじ開けてしまう。せめて、顔を見られないようにうつむいてなんども手で涙を拭う】
【それでも、言わなくちゃ。ちゃんと言いたいことは】

…だからぁ…ぐす……もう、謝らないで…うぅ…
みんなで…助け合うの…だから…ぐすっ…チーム…なんだもん…


617 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/24(火) 22:05:17 BRNVt/Aw0
>>607

や、生理的に駄目だったってのはいくら何でもねぇわ!
なんというかこう……凄いシン
リセンがあったとだけ言っておこう
【何故か無駄に格好つける。そもそもこの男に心理戦など出来るのかというのが謎なのだが】

いや、何だよ特区から色々云々って……
アウのいう通り俺は特区の情報が欲しかっただけだしそもそも──

【ずどん】

【言い掛けた瞬間にテーブルに乗せられた相手の足。思わず目を丸くして】

【続いたヘケメトの言葉に少しだけ苦笑して】

……何だ、分かってんじゃん

そうだよ、多分特区ってのはかなり危険な所だ
普通の能力者がコンビニみてーにホイホイ入って赦される所じゃねぇ

だから俺みてーな奴じゃねーと──
【そこで言葉を止め】

……や、最後のは何でもねぇ、ただの独り言だ
【そう言って端末を仕舞いこみ】

……っと、"地蔵徴収"はこれで終わりだ
俺はそろそろ行くが……何かあるか?
【また格好つけて緩く笑うと何かないか尋ねる】


618 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/24(火) 22:14:12 6.kk0qdE0
>>615

「なんの、話よ!?」

【跳躍したその高度】
【その筋力と、突如の口調の変貌、何らかの改造によるものか】
【あるいは、そもそも人間ですらないのか?】

「何なのッ!?」
「っくッ!!ぐッあッ!!」

【突然の急加速】
【弾丸の痛み等、もろともせずに、向かって来る赤い頭巾の化け物】
【此方へのタックルの攻撃を、躱すことは困難で】

「がッはッ!!」

【そのまま組み伏せられてしまうだろう】
【だが、組み伏せられる直前で、服装を詰襟の海軍士官制服Ⅱ型へと変貌させる】
【魔導法衣も兼ねた制服で、ある程度の魔術、能力防御効果はあるが、果たして】


619 : ◆Heckemet8M :2018/04/24(火) 22:19:53 u1dxVMlM0
>>617

「ねェーのか、人間って意外なものが駄目だったりするからちょっと思ったのになァー」
「まァ、情報が欲しい感じって言うのはわかったぜ!」
「本当、めっちゃ危険だから……、――頑張れ!」

【――相手が途中で止めた言葉の先がわかったのか否かはわからないが】
【体勢はそのままに、拳を握りつつ親指を突き出す。いわゆるグッドマークのジェスチャーをして】

『いえ、私からは特にありませ……』
「何だっけ! アレあるよな、アレ! ほら、アレ! シュザ・イリョウ的な奴!」
「ヘケケ、食べ物で良いぜェ、いっぱいくれよ」

『……逃げてください、リューシオさん。ここは私が食い止めます』
『下手すると数十万は軽く吹っ飛びますから、全力で逃げてください』

【非常に不安になる止め方だが、……ともかく、彼が望むがままに報酬を出せば本当に数十万は吹っ飛びかねない】
【アウはポケットに片手を入れつつ、ヘケメトの様子を伺っているが――】


620 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/24(火) 22:29:03 WMHqDivw0
>>618

【突進が成功したならそのまま上に乗ろうとする。軽い少女の身体、それでも全体重をかけて】
【「――――なんの話だと思う?」 月を背にして、笑いながら】
【口を大きく開いて――内にある生え揃った牙を、まるまる晒す】
【やっぱりそれは人間の歯の形状ではなかった。もっと別の、たとえばイヌ科の生き物の】

さあ「狼さん」――――あなたのお肉は美味しいかし、ら…………!?

【それを以ってして、首筋に噛み付こうとした】
【それがそのまま成功すれば、肉を千切ろうとしただろうが】
【――――怯んだ。一瞬で変化する服装、それに伴う魔力の渦に】

【思わず頭を引っ込めて、動きが止まった。鎖を出している方とは別の手】
【空いた手を顔の前に持ってきて、咄嗟に防御するように。――その過程で】
【広がる姫袖の向こう、手首の辺りに無数の傷痕が存在するのが見えるだろうか】
【まだ血の乾いていない、新しい傷もある。何遍も何遍も繰り返し重ねたみたいな、深い傷】

【そうこうしているうちに、赤ずきんは一瞬だけ、無防備になった】
【勢いよく押し倒したとはいえ、細く小さな子供の身体】
【軍人たるあなたが払いのけるのは、苦労もしないだろう】


621 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/24(火) 22:36:58 6.kk0qdE0
>>620

「ぐッ……冗談じゃないわ」
「狼は、あんたでしょうが!」

【まるで、そう】
【生え揃った狼の牙のように】

「!?」
「このおッ!!」

【その一瞬の隙を見逃さなかった】
【思い切り跳ね除け、そして蹴飛ばそうと試みる】
【そして、その腕に刻まれた、無数の傷跡も目にして……】

「サブマリナー舐めんじゃないわよォ!!」

【蹴飛ばしが成功したならば、即座に式神を呼び戻し自分と少女の前に立たせるだろう】
【少女から見れば、再び馬の頭の武者と牛の頭の武者が立ちはだかる事となる】


622 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/24(火) 22:43:09 BRNVt/Aw0
>>619

【めっちゃ危険だから頑張れ、とサムズアップを決めるヘケメト。言われなくても注意はしとくさ、と彼は苦笑し】


【アウからは何もないと言われ、ではそろそろと思った時ヘケメトから取材料として食料をせびられる】

【まあ何か奢るくらいなら、と思った矢先アウが口にしたのは軽く数十万は吹っ飛ぶぞという言葉で】

【一瞬にしてその認識を改める。給料の何倍だよと脳内で突っ込みを入れ】

え、と……とにかく逃げるけど良いんだな!?本当に良いんだな!!?
【戸惑いながらもベンチの後方の端に片手をかけ前方の端には片足をかけ、後ろに飛ぶやいなやその姿が変化していく】

【頭から半分垂れた黒い耳が生え、尻からは尾が生え】

【地面に着地する頃にはそこにいたのは一匹の黒い猟犬】

【それは全速力で公園の出口まで駆けていこうとする】


623 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/24(火) 22:50:15 WMHqDivw0
>>621

【小さな身体が一瞬宙に浮いた。容易く蹴飛ばされる】
【くの字に曲がった身体、背中が勢いよく壁に叩き付けられて】
【ずるりと壁伝いに落ちていく。地面に墜ちる。けほ、とひとつ咳を零した】

【――――それでもまだ敵意は消えない。爛々光る金の瞳が、ぎろっと前を向いて】


…………「俺」を、「わたし」を――狼と呼ぶなあッ!!!


【血痰を吐き出しながらの咆哮。そればかりはどうあっても赦さないと言うように】
【曖昧に、定まらない一人称。思えばこの赤ずきんは、何もかも安定しない子供だった】
【仕草はまるきりケダモノなのに、狼と呼ばれればこういう風に激昂して】
【さっきだって、鎖を使えば仕留められたろうに――自分の顎を使ってとどめを刺そうとした】
【不安定で不確定な自我。それを抱えながら生きていけるほど、この世界は甘くない】

【戻って来た二体の式神、ちいと大きく舌打ちしながら睨み付けて――】
【――そうじゃない。最初からずっとそうだった、ずっとあなたばかり見ている】
【従者は狙わない、術者のみずっとマークする。急所ばかり狙おうとする、獣の作法じみて】

【また、腕を振った。地面に突き刺さっていた鉤を力任せに引き抜いて】
【大きく薙ぎ払う。鞭めいて、重たい風切り音を中空に響かせながら】
【二体の式神の壁がある以上、当然あなたに届くわけもないが――それでも】
【立ち塞がる式神たちを、先端の鉤で引き裂いて薙ぎ倒す。そういう勢いで、一直線に振り払われた】


624 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/24(火) 22:59:59 6.kk0qdE0
>>623

「……まるで獣ね」

【激昂の感情を剥き出しにして】
【獣の如く、真っすぐを見据え】
【そして獣の如く猛り乍ら】
【まるでそう、子供の様だった】

「そうじゃなければ何?クソガキとでも呼べばいいのかしら?」

【こちらだけを見据え、地面に突き刺さったその鉤を引き抜き】
【此方を式神ごと薙ぎ払わんとする】
【式神に命じ、向かって右側の牛鬼が長刀を構え、それを一手に防御しようと試み】
【向かって左側の馬鬼がその隙に、大太刀を振るい赤頭巾を叩き切らんと、斬り払いの一撃を放つ】


625 : 名無しさん :2018/04/24(火) 23:02:21 4IFkENwo0
>>616

――――じゃあわたしはッ、そんな風に、みんなに信頼してもらって……なのにっ、なのに――、こんなこと、こんな、ふうに……。
嫌だって。そんなことしないって。言えなくって……、みんなを巻き込んでしまったんじゃないかって。ウェインさんも、カニバディールも、
みんな……ほかのひとだって……わたしが巻き込んじゃったんじゃないかって……。こんなふうに、当たり前に、何度も、殺されそうになって――。

ウェインさんはっ――わたしのせいじゃないっていうけど! でも。そうじゃなくって。わたしと関わった、だけで、"あんなふう"に――、

【鈴の声が一瞬張り裂けたかと思うほどにひっくり返る。それならどこか悲鳴にも似ていた、みんなに信頼されて……"それなのに"】
【相手の言葉は悪くない。慰めようとしてくれているのが痛いほどわかるのに。それで慰められるだけの余裕が、彼女の中にない。心なんてとうにひびわれて、ささくれだって】
【悪くなっていく状況に、ずっと不安だった。巻き込んでしまったんじゃないか――騎士は少女のせいではないと諭した。それで、ようやく、少し落ち着けたのに】

【――あの子供たちは、違う。自分と関わっていた。ただのそれだけで。たったそれだけで。――それだけなのに。だから。自分が、巻き込んでしまった】
【ひどい後悔が苛むから少女は一瞬相手の気持ちを考えることさえできなくなる、まして――そのせいで味方を裏切れと言われて、その場で拒めなかった。過去は変えられないから】
【子供たちを巻き込んでしまった後悔。麻季音やカニバディールをその場で護ろうとできなかったこと。自分を信頼するみんなを、その時点でどこか裏切ってしまった、罪悪感】

それだってっ――ロッソさんみたいに考え事なんてできなくて、クラァケさん、みたいに、ほかのひとに成り代わることも、できなくって……。
麻季音ちゃんみたいに頭よくも、なくってッ……、ウェインさんみたいに強くない、カニバディールみたいに、――自分、で居続ける、ことだって――。
なのにUTの仕事だって全部しないで、セリーナが攫われたのだって、気づかないで――、――わたし、

【みんな――みんな、すごかった。だから、怖かった。いつか邪魔をしてしまうんじゃないかって、いつか足を引っ張るんじゃないかって、いつか、迷惑をかけるんじゃないかって】
【声が震える、目が潤んで――いけないって思えば思うほどに、溢れて来る。真っ白な頬を涙が滑り落ちて、スカートにぱた、ぱた、水玉模様を描き出す】

/分割で……


626 : 名無しさん :2018/04/24(火) 23:02:39 4IFkENwo0
>>616>>625

あ――――、あぅ、――、っ、っ……、泣かない、で、っ――、泣かなくって、いいの、だって、麻季音ちゃんは――っ、
――わたしたちの誰にもできないこと、できるの、ねえ、だから、――――、おねがい。そんなふうに……、

【少し遅れて、相手も泣いてしまっているのに気が付いた。自分も泣いているくせに――泣かないで、だなんて、滑稽だろうか】
【瞳は左右で色の違うものでも溢れる涙はおんなじ色。そして、相手の流す涙とも、おんなじで。困ってしまった子供みたいにお願いする、「泣かないで」って、繰り返して】
【それだって相手の不安を上手に見つけて取り除いてあげられない。自分だって不安で仕方がない。だけど――泣かないでほしかった、仲間の誰もがきっと麻季音を護るけど】
【相手はそれに見合う以上のことをしている。護られて、とか、戦えない、とか。違うのに。違うけど――うまく、言葉にして伝えてあげることが、できなくて】
【その涙を拭いたくって手を伸ばす――けれどその指先は虚空でぴたり、と、止まってしまうだろう】

――――――――ありがとう、

【みんなで助け合う。チームだから。――分かってる。分かっているけど。分かっているのに。だけど、いっつも、自分は役立たずなんじゃないかって、不安で仕方ない】
【でも――それは、だからって、涙を流してチームだからと言ってくれる相手に「それでも」って言い返す理由にはならない。ならば、立ち止まった手は、もう一度】
【今度は両手になって――ふわっと、相手のことを捕まえようとする。それが叶えば、そのまま、そっと、抱き寄せようとして――】

泣かないで……。

【まるで神に祈る瞬間のように尊く儚い声音が囁く、なんにも悪くない子が――泣く必要なんて、ないと、思ったから】
【大人になりきれない弱虫が泣いてしまうのは、弱いから。だけど相手は、本当なら、こんなこと――関わらなくっていいはずだった。だけど世界は、意地悪だから】
【彼女を中心にしていろいろな運命と因果を巻き取ってしまった。だからこそ彼女にしかできないことがあって、それ以外のことは――だいたい誰かで、代用が出来た】
【だから"自分たち"は相手を護る。それが勝つためだから。護られているばかりとか、戦えないとか、関係ない――ひどく戦略的で、だけど、だからこそ、絶対的で、でも】

【そうだって言いきれない弱虫はどうしようもなく困ってしまったみたいになって――抱きしめられていたなら、そのまま、頭から背中まで、何度も、優しく撫ぜるだろう】
【それこそ親猫が何度も何度も子猫のせなを舐めてやるみたいに、優しく、丁寧に。母親が子供を寝かしつけてやるみたいに、呼吸の間隔までも、重ねて――】


627 : ◆Heckemet8M :2018/04/24(火) 23:15:19 u1dxVMlM0
>>622

『ええ、逃げてください。大丈夫です、彼を止める技はたくさんあります』
『最終兵器ヘケメトストッパーの準備もできています、ですので早く』

【――駄目なフラグをどんどん立てている気もしないではないが】
【テーブルやベンチの上に乗せられていた足を地面にへと下ろす彼、そのフォームは……"追い"だ!】

「なるほど、それがあんたの能力的な奴か! ヘケケ、どっちの脚が速ェかなァー?」

【まずい、このままでは猟犬が狩猟されてしまう!】
【そう思ったかは定かではないが、ともかく力的なモノでは彼を止められないので】

『ヘケメト、私に向かってコブラツイストです!』 「ヘケヒャハーッ!」

【……自分を犠牲にして止めることにしたらしい。ばっちりコブラツイストを決められているアウ】
【というか、ヘケメトは他害行為が駄目だったのではないだろうか――まさかこれはセーフなのだろうか】

【こうしてリューシオの姿が確認できなくなるまで時間を稼いで、彼に追うのを諦めさせる作戦だ】
【アウの心配をして戻ったりしなければ、大丈夫だろう、……多分。】


628 : ◆XLNm0nfgzs :2018/04/24(火) 23:33:39 BRNVt/Aw0
>>627

【アウの言葉が聞こえたのか聞こえなかったのかは定かではないが、とにもかくにも全力で逃走する事に決めたらしい黒い犬】

【だがヘケメトも負けてはいない、なんと猟犬相手に脚力勝負を仕掛けてくるときた】

【あ、やべぇと言いたげな顔をしているであろう猟犬】

【と、アウが体を張った指示を出しヘケメトを止める】

【その様子が逃げる背後から伝わったのだろう】

悪い!恩にきる!返せねぇけど!
【リューシオの声で喋る猟犬。端から見れば軽くホラーである】

【そうしてリューシオは公園から逃げ去り、奇妙な邂逅は幕を閉じるのだろう】

【この出会いが今後どうなるのかはまだ誰も知らない】



/この辺りでしょうか
/数日間の絡みお疲れさまでした!


629 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/24(火) 23:38:17 WMHqDivw0
>>624

――――わからない? 「赤ずきん」って、そう呼んでくださればいいのよ。

【すぐに表情が変わる。にたり、横に裂いたような笑みに】
【どうやら相当に「赤ずきん」が好きであるらしかった、だからこそ】
【物語の中の悪役――「狼」呼ばわりされることに、これほどまでに怒るのかもしれない】

【金属音。振り回した鎖が、牛鬼の刀に阻まれた音だった】
【刀に絡みつく鎖、すぐに解けたけれど、それでも隙を生むには十分】
【その間に迫りくる馬鬼。振り上げられる大太刀――赤ずきんは、それを見て】
【目を見開いて――それでも「にやり」と、笑って見せたのだ】

【大きく仰け反る。それだけでは回避もままならず、薄い腹に、ぴいっと】
【喪服じみて黒いワンピースの布地ごと、その下の白い肌に切り傷が生まれた】
【それも然程浅くもない、ぱくっと開いて大量の血を吐き出す――致命傷というほどではないが】
【ひどく痛そうな、大きな傷であることは間違いない。だのに、赤ずきんは、笑って――】


 【 「じゃりっ」 】


【鎖が立てる金属音。先程薙ぎ払いに使った鎖は、阻まれて地に落ちたはずだ】
【ならばこんな音を立てるはずがない。だったらきっと、新しい、二本目の鎖】

【――――その発生源は、今しがたこさえたばかりの――「腹の傷口」】
【その傷口の大きさに見合った、さっきまで操っていた鎖よりずっと太くて、強そうな】
【それだったら先端についている鉤だって、比例して大きい。もはや狼の牙のサイズではなく】
【ちょっとした、竜の牙くらいありそうなサイズの大きなものだった。それがまっすぐ、愚直に真っ直ぐ】
【いなくなった馬鬼――その空いたスペースを通って、術者たるあなたへ。喰らいつかんと、射出された】


【赤ずきんの持つ異能。「傷口から、それに見合ったサイズの鉤付き鎖を生やすこと」――】


630 : ◆zuR4sSM1aA :2018/04/24(火) 23:44:17 0jLFl.bY0
>>570

【現在における敵は黒幕であり、倒さなければならないのだけど──】
【見ているのはその先のこと。この一件が終われば円卓そのものの必要性がなくなる】
【有り余る資金源は出処不明の黒い金であり、それが政府に回る前に奪ってしまえば】


【円卓を潰す、といえば彼女の表情は少しばかり驚いて】
【円卓に所属している筈なのに、円卓を潰すのは何故なのだろうか】
【それは彼女と同じ理由だ──円卓の世界は、“機関”にとっても不要なのだから】


「……──そりゃそうだろう、あんなもの残しておいても邪魔にしかならないからな」


【白衣の右ポケットからタバコのパッケージを取り出して、また咥える】
【彼女が風上になるようにちょこちょこと移動すれば、白煙を吐き出すだろう】
【まあ、円卓を潰すというのはいつかの話だ。近日中にやってしまえば資金源が絶たれてしまうから】


631 : ◆Heckemet8M :2018/04/24(火) 23:51:35 u1dxVMlM0
>>628

「よォーし、コブラツイスト終わり! 追いかけるぜェーッ!」

【そして勢いよく公園の外へ向けて走り出す男。土煙が上がり、そしてやたらと速い】
【本気で走れば大体制限速度で走っている原付き程度なら軽々追い越せるとかなんとか】
【さて、どうやら彼は相手の姿を見失ったらしく、公園の外からは出ずにキョロキョロと辺りを確認して】

「……あれ? どこいった?」 『さて、ヘケメト。帰りましょうか』

【状況が落ち着いたことを確認したアウは、ヒビの入ったテーブルと土の付いたベンチを回収】
【そのポケットに突っ込む。……何故か入ってしまうのだ】

【――その後、彼らは改めて公園の外に出て、そして歩き出す】
【向かう先は居候先か、あるいは別のどこかか。……それは、歩いている内に決まるだろう】

/お疲れ様でした!


632 : 名無しさん :2018/04/24(火) 23:53:19 5w/a9BZQ0
>>611

リーダー、リーダーかぁ……えへへ
……うん、いろいろ頑張る!

【リオシアなら頑張れると言われ、素直に答える】
【一筋縄ではいかない頑張りになるが、少女の目にはまだ希望しか見えていない】
【だからこそ、アーディンも水を指すようなことは言わないでくれたのだろう】

アーディンさんも、ダイニングバーとかボスのお仕事頑張ってね!

【歩き出し、振り返り、手を振りながら言った】

うん、せっかくお金もたくさんもらったし、帰りに本屋さんに行ってその、
サリード!サリードって人の冒険記を探してみるね!

じゃあ、またね!

【大きく別れを告げながら、店を出る】
【これから、休みの日にはちょくちょく来ようと思いつつ】

【またひとつ、よい出会いに巡り会えた】


//お疲れ様でした!


633 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/24(火) 23:53:46 6.kk0qdE0
>>629

「赤頭巾の可憐さはないわね、淑やかさも可愛げも」
「狼、それでなければクソガキよ、解った?クソガキ」

【まるで口が裂けたような】
【気味の悪い、非常に不気味な笑みだった】
【ここで牛鬼が攻撃を凌ぎ、馬鬼が攻撃を掛ける】
【結果は成功だ、どちらも上手く行った】
【だが、赤頭巾はけっしてその薄ら笑いを止めなかった】

「(何?何なの?)」

【ゾクリとする背中】
【言い知れぬ不気味さが襲う】
【そして金属音】

「何?何をしようと言うの?」

【その答えは直ぐに明らかになった】

「能力!?」
「っざけんじゃないわよォ!!」

【真っ直ぐこちらに向けて飛翔して来る鉤付鎖】
【それに合わせ、土符術を発動する】
【土属性の符をつかった呪術】
【詠唱は不要、魔力消費はさほどでもないが効力は決して強くは無い】
【陰陽師の符、本人曰くインスタント魔術だ、先ほどよりも強く強靭な鎖と鉤】
【しのぎ切れるかは怪しい、あるいは突破されるかも知れない】
【しかし、それ位しか策が無いのも事実で】
【眼の前に、土の壁を出現させ防御を試みる】


634 : 名無しさん :2018/04/25(水) 00:15:23 4IFkENwo0
>>630

【――――さわ、と、夜風が揺れる。だけど生ぬるい風だった、路地裏の奥の奥のずうと奥の下水口からあふれてきたような、生ぬるくって、湿っぽい風】
【相手が風下に移動してくれて――その間も少女はきっとずうっと難しい顔をしていた。さも当たり前だと言う風に呟く相手を視線が追いかけて】
【それがかえってシンプルだからこそその通りだと思わせた――このことが終わったら円卓は不要になる。多分、その気持ちは、少なくともこの二人の中で共通している】

【むしろ必要なのは金と。構成する政治家など権力のある人間、ではなかろうか。だれも円卓そのものなんて必要じゃなくって、大事なのは、そのふたつ】
【金は言うまでもなく、どうあがいても結局まだ国には勝てない公安を抑えるための圧力としての政治家――公安を倒したなら、必要ない。ああ、でも、それは】
【まだ手元にいない狸の皮を何に使おうって思っているのにも似て――ならば気持ちを切り替える。あくまで円卓も武器の一つとして数える、そういう効果のある"武器"として】

【――ああ。なら。彼女は円卓に対しての"武器"を一つ、持っていた。これをちらつかせれば、相手は分からないけれど、円卓側は、その情報をうんと欲しがるだろう】
【円卓を構成する人員のリストのありかを知っている――厳密には、知らない。だけど。だいたいどのあたりにあるかは、知っていた。――困ったな、と、思考が一つ。揺らいで】

…………じゃあ。あなたたち、円卓は……いまはわたしたちの味方で。黒幕を倒したら――わたしたちが円卓を倒す、間もなく、自分たちから、瓦解する?
だけどね。円卓だってばかみたいにがらがらって崩れて終わりじゃないって、分かるよ。……もともといたようなひとたちは、どうするの? 
それともみんな、殺しちゃう? ――それだって、わたしには、あんまり関係はないけど――――。

【――口に出すのはやめた。そのカードはあんまりに大きすぎて、そしてなにより、出どころが出どころだ。不和はなるだけ持ち込みたくはない】
【だけれど同時に重要なカードであるのを分かっている。必要な時が来たら切らないといけないことも。――今は、まだ、その時じゃない。きっとそうだと、判断して】

【尋ねるのは相手が描くこれからの道筋。うまく行くかは別として、どんなふうに考えているのか、そのなかで、どれくらい互いの利害が一致する瞬間があるのか】
【そうしてどこからさきは完全に枝分かれして、全く関係のない、利害関係のない間柄に、戻るのか。――そもそも円卓自体どうやって潰すのか、それさえ見当もつかないで】


635 : ◆3inMmyYQUs :2018/04/25(水) 02:34:18 adOSLVgQ0
>>469

【そこはともすれば天空に浮遊しているかのごとき位置だった】

【それがどこかの、何かの〈塔〉の頂であることを教える者はなかった】
【ましてやその〈塔〉を構成する要素が全て歪(いびつ)極まりなく、】
【明らかに全うならぬ奇怪なオブジェが重なり、融け合って成り立つ代物だということはもっての外だった】

【それは数里ほど離れた遠目から見れば優美なる彫刻のようであった】
【しかし手の届くほどの近くで見れば、およそ健全たる知性が成したとは思えぬ狂気的造形をしていた】

【それはまさしく今し方開目したその男自身を表しているかのようだった】


【──淡く、儚い光が彼を出迎えていた】

【夜。その天上に浮かぶどんな星々よりも煌々たる輝きをした女神が彼を見つめていた】
【仰向けに寝る彼もまた、意識の覚醒と共にまずその美的な光源と視線を合わすことになろう】

【女神と彼とを結ぶ線上に如何な遮蔽もなかった】
【ただ茫漠とした距離と静寂だけが両者の間に在った】

【無条件の愛のごとくして天から降り注ぐその朧なる光は、彼の何かを癒やすのかもしれない】
【しかしその反面に、決定的に喪失された何かの虚ろさを残酷なまでに浮かび上がらせもしよう】


────あなたが喪ったものは、


【声がした】
【虚ろさの洞の奥から響くかのごとき声が】

【身を起こし振り向いたなら彼女はいる】
【かつて有り得たどの文化様式にも合致しない、前衛的造形をした純白の衣服を纏っている】
【その微笑みは満ち欠けするもののごとく儚げで、しかして永く身近にいたように自然たる色であった】


────あなたが喪ったものは、最後のページにあるんです。


【眼下に広がる世界の全てに代わって告げるかのようだった】
【本の頁がそうされるかのように、夜風がその白い裾を靡かせた】


────この幻を終わらせて、真実に還りましょう。

本当の世界を、描くんです。

あなたの全てを取り戻すために。


【“心に虚ろな洞の空いている時空が、どうして現実でなど有り得よう”】

【そう告げる眼差しには愛情の全てが込められていた】
【友愛、性愛、家族愛、同胞愛。愛の取り得る形の全てが】

【彼女はそっと手を差し出す】
【彼の行く末を導かんとするように、あるいは立って歩くのを支えんとするように】


636 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/25(水) 04:31:56 IBKicRNQ0
>>559
雪山はともかく、もしそのヨルムンガンドが起きている時に行ってしまったら、えらいことになりそうだな……

【いかにも軽い調子で話しているが、このような話を軽く語ることが出来るのはやはり悪魔がゆえか】
【サタリュウトの感覚は、自分たちとはあまりにかけ離れ過ぎていた】

ああ、よくわかるよ。あれは、そういう表情だった。鳥だというのに、何故かそういった見下しが露骨に伝わって来たよ
マサジさんは、ある意味では相当に懐が深いのだな

【予想はしていたが、やはりオオハシの飼い主はあのゴブリンか】
【危険地帯にも研究のために踏み込むタフさは、こんな形でも発揮されていたらしい】


【あまりにも見事に。チェーザレの頭部にクリーンヒットするバケツ。そしてビニール】
【外されれば、潰れた顔。想像以上に綺麗に決まった。さらに笑いがこみあげる】

【続いて、チェーザレが繰り出した反撃。あの泡が彼の力であろうか】
【今は、イタズラの仕返しに仲良く相手の顔を圧迫するにとどまっているが、本気を出せば頭を握り潰すくらいはできそうだ】


(きっちり隠し撮りもやっているとは、イタズラのプロだな……)
ここにもクラウドはあるのだな……

ご丁寧にどうも。邪禍さんとは以前から懇意にしていただいている
いやとんでもない、得難い体験をさせていただいているよ

【そう言いつつ、刃物のような効果さえ発揮する彼の泡には驚嘆する】
【ジュゼッペの蔓と同じくらいに器用で、応用範囲も広いらしい。これが太陽の悪魔たちか】


――――いやいや、この頭のキノコを見てくれチェーザレさん
私もこの通り、最初に仕掛けられていたイタズラに引っかかった被害者であって……

【平静を装いながらも、あっさりと自身を売ったジュゼッペに少し恨みがましい視線をひそかに向けつつ】
【カニバディールは弁明を試みる。もっとも、今チェーザレがかかった罠を仕掛けるのを見逃した、という事実はすでに、下手な弁解に滲んでいたが】

【居住まいを正そうと、カニバディールは一歩後退し。その身体が、背後の本棚に当たった】
【収められていた漫画が数冊落下し。頭のキノコを立て続けに直撃した。衝撃に耐えきれず、二本のキノコは頭から抜け落ちた】

あっ――――……

【間の抜けた声と共に、床にコミックとキノコと。キノコと一緒に抜けた大量の髪の毛が散らばった】
【イタズラに加担した報いか。絶句するカニバディールが、恐る恐る頭に手をやると。円形の平原が二つ】

【この日。イカれた肉屋は、魔界で禿げた】


637 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/25(水) 04:55:44 IBKicRNQ0
>>591>>592
【屈託のない笑み。嬉しさを表に出すその姿は、彼女の多面性を如実に示していた】
【豪快さ。冷酷さ。それでいて、素直な一面も。当たり前ではあるかもしれないが、人には様々な顔がある】
【ミラもまた、そうなのだろう。そのすべてが彼女であるのだ】

潜入などに使うには、事前の下調べが不可欠なわけだ
それでも、十分に高い有用性だがな。貴女の演技力は大したものだ、クラァケさん。今のを見ただけでも、よくわかる

こうした一瞬の成り済ましなら、なおさら強力な能力となり得るだろう
引き渡しの際にその能力があれば……今度はこちらが、彼奴等を騙せるというわけだ

同感だな。初瀬を敵に渡せば『黒幕』の計画はさらに大きく進行するだろう
本人がどうするつもりかは、わからないが。希望するなら、私のセーフハウスはいつでも使えるようにしておこう

【平然と会話しながら、やはり意識の何割かはディミーアの殺気に持っていかれる】
【恐ろしい。この場に集いしは、形は違えど皆、恐るべき存在であるのだ。その認識を、違えてはならない。異形は己に言い聞かせる】


OMERAS……またその単語か。気味が悪いな、何かといえば繰り返し……
カチューシャにとっては、縋るに足る重要な存在であることは確かのようだが

『黒幕』にとって重要であることは、疑いようもない。今後、私の方でも調査を進めよう


……ふ、ふ。今のが電話越しだったのなら、私は間違いなくロッソだと信じて疑わないところだ
彼奴らしい言い分だ。それに実際、一理ある

知らないことが、武器となることもある。自分たちですら全貌を知らない、不定形の繋がり。『黒幕』にとっても、やりづらいことだろうよ
自分たちで、知るべきこととそうでないことの選択は、きっちりとしておく必要はあるがな

そう、時間がないのも確かだ。忌々しいことだが、流れは未だに敵が握っていると言っていい
それを断ち切るには、相応の衝撃がいる。困難ではあるが、やらねば我々に未来はない
これについては、各々で動くことになりそうだが。その方が、多方面から迫ることが出来るだろう


無論だ。病み上がりの身体に、無理を強いたりはしないとも
わかった。貴女は特に重傷だったからな。安静にしておいてくれ。少し間をおいてから、そちらに向かう

【重々しくうなずき、痛みを堪えながら去っていく彼女の背を見送る。あの分なら、回復も遠くはないだろう】


【そうして、彼女が休息をとるに十分な時間をおいて。異形は、部屋のドアをノックした】
【入室すれば、挨拶に応じ。部屋の隅の椅子を引き出してきて、腰かける。三つの目玉が、彼女を見た。そして、切り出す】

……メールにあった、〝別件〟についての話、でいいのかね?


638 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/25(水) 05:21:36 IBKicRNQ0
>>595
鵺は、公安とは思えないほど真っ直ぐすぎる女だが、それだけに信用できるというのは私も同感だ
少なくとも、三課にとっても『黒幕』が不倶戴天の敵であることは間違いあるまい

ふ、ふ。全くだな。せっかく『黒幕』どもがこれだけのメンツを、一時的とは言え手を組むまでにお膳立てをしてくれたんだ
全力で応えてやらねばなるまい。愚か者がどちらだったか、思い知らせてやらなければ

【カタロスの発破に、醜悪な笑みと悪意を秘めた瞳で頷く。この時ばかりは異形の盗賊も、彼の凶暴性に少しあてられていた】
【愚かなのは自分たちではない。死ぬのは自分たちではない。少なくとも、この複雑怪奇な対立構造から最初に消えるのは、『黒幕』でなければならないのだ】

【能力者を殲滅するための部隊。それを束ねる男としての、確かな器】
【この男もまたミラと同じく、先の凶暴性と共にこうした上に立つ者としての面も兼ね備えた、いくつもの顔を持つ存在なのだろう】


わからないことよりは、はっきりしていることから当たる。当然だな
見えている部分を切り崩していけば、暗闇の中に引っ込んでいる本体も姿を出さざるを得まい

ルハニアとオーウェルが企業ということなら、そこには必ず金や技術、人や物の流れがある
まずは、そこから当たってみるとしようか。『特区』に商品を納入しているのなら、まずその周辺の動きからだな

【彼の意見には同意しつつ、捕捉を加える。『黒幕』に最も近い二大企業。そして、『特区』カミス・シティ】
【前線に出て来た敵の牙城。抗う者たちの刃は、まずはそこに向くことになろうか】


あの男は魔術師なのか。見かけによらないものだな。次々に妙なものを召喚して、芸達者な人材じゃあないか
まあ、元より世間から外れた盗賊の私が、干渉出来る範疇でないことは確かだな
〝嫌がらせ〟のネタは、まだ考案していく予定ではあるが

【あきれと信頼の混じった声音は、彼のアルベルトへの信頼を伝えてくる。先の戦闘でもわかる通り、確かな実力があるのだろう】
【だが、事態は混沌。何がどうなってもおかしくはない。ゆえにカニバディールも、先に行った能力の強制発動させる薬品のような】
【敵への嫌がらせは、まだ続けるつもりでいるようだ】


お前たちのように、一枚岩の部隊であるというなら、情報統制に意味はないだろうが
この繋がりは、あまりにバラバラで不定形だからな……『黒幕』に幾度も、情報戦で上をいかれた懸念もあるのだろう

まあ少なくとも私は、得た情報は可能な限り伏せずに流すつもりではいる
多くの抵抗者が知るべきことについてまで、出し惜しみする気はない。その辺りの取捨選択は、個々人によるということだな

【そう、結局はこの繋がりは個々の集まり。一人のリーダーがいるわけでもなく。互いに信頼があるわけでもない】
【ただただ、同じ目的の下に組まれた歪な同盟。ゆえに強く、ゆえに脆く】
【ともあれ、必要な情報を伏せるほどに異形が愚かでないことは確かだ】

さて、ならば……後は、少しでも早く傷を治すことだな

ああそうだ、通信は施設内でも使えるから、先ほどの副長らお前の部隊の者に連絡を取るなら、そうしてくれて構わない
どのみち、今後を警戒してこのアジトはお前たちの退院後には引き払う予定だ。居場所が割れる心配はしなくていい


639 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/25(水) 05:30:50 IBKicRNQ0
>>596
ゾーイ……覚えておこう。初瀬と共にいるなら、UTの保護下か。ならば、今は問題なさそうだ

【そう、挙がった名前は間違いなく猛者揃い。厳島が彼らと出会う時が来るかは、まだわからないが】


【N2文書に関しては、カニバディールもそれ以上に言及はしなかった】
【一瞬、ちらと厳島の顔色を確認するのみ。諜報員との水面下の駆け引きは、この場では沈みこんだまま】


その可能性もある。こうまで先手を取られ続けて来たんだ、最悪の想定は必要だろう
潰すことが出来れば御の字だが……そこは、皮算用の域を出ないか

【苦い表情は、自身の裏切りをあっさりと看破されたがゆえ。敵はどこから情報を得ている】
【通信の傍受だけでは済まない、薄気味悪さをカニバディールは感じていた】


ああ、間違いない。ユウト・セヴォランディ。今回の件で、邪禍さんと共に関わっていることは聞いている

【いつか恐れたこと。サタリュウトの住人達が、この世界にあふれ出してくる時のこと】
【ユウトの存在が、その現実化の一歩であるのかもしれない。それは『黒幕』の悪夢たり得るか】


>>597
ああ、私の方も出せる情報は場に出した
回復に2日とはいったが、肉体に無理をさせればそれが伸びることもあり得る。それほどの傷なのだからな
まずは、休むことだ。それで初めて、抗えるようになる

【次なる戦いに備える。それだけは、ここの全員に共通することであっただろう】


640 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/25(水) 09:55:19 kqieby7o0
>>595-596
【「んじゃ、ルハニアとオーウェルはあんたらが当たってくれ」ディミーアと厳島にそう告げる】
【「小難しい話は苦手でね、あたしは別のことをやっとく」】
【「臨機応変に──なんだったかな」小さく笑った。あの探偵はなんて言ってたっけ】
【「とにかく、“好きにやれ”ってのが、あたしらの最初の指針だったからな」】

【「それにしても、十二人か──ぎゃは。集めに集めたもんだぜ」】
【「ちゃあんと、黒幕をきっちり丁寧にぶっ潰してやろうな」】
【そう言って、ミラは部屋を出ていった。彼女が何をするのかは具体的には言わなかったが】
【Mのルールを考えれば、そんなものだ。全員がばらばらに動いて、ばらばらに考える】
【部隊で動く厳島やディミーアには、受け入れにくくもある考えかもしれないが】
【小さな波が、どこかで合わさって大きな波になればいい。それが、“M”だった】


>>637
【部屋の中から返事。入れば、ヒトではなく亜人の姿の彼女がいた】
【その姿の方が楽なのだろう。怪我をしている今は尚更】
【ベッドに座り、携帯端末を弄っていたようだがどうもまだ怠いらしい】
【カニバディールが話を切り出せば、端末を枕元に放り投げた】


ぎゃは────話が早いようで助かるぜ、カニバディール
ま、つまりはそういうこった。まどろっこしい話をしなくていいのは楽だね

…………と言いたいとこだが。ちょっとだけ前置きをさせてくれ
どうせ最後に聞くこたぁ変わんねぇんだが…………そうだな、“アンケート”みてぇなもんだ

なぁ、カニバディール────あんた、“円卓”についてはどう思う?


【今日の夕飯の予定を尋ねるかのような気さくさで、彼女はそれを問うてきた。“円卓”──】
【既に散々聞き及んでいることだろう。黒幕と対峙する、国の暗部の一つ】
【真剣な雰囲気はそこにはなく、あくまでも話を始める前の雑談として彼女は問いを投げていた】


641 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/25(水) 10:32:25 uPyolTM20
>>597>>638


仮にその二人が完全な一般人だというなら、名前も挙がらんだろう
戦いの要員となるかは分からんが、やれることはあるはずだ
なら、やってもらおうじゃないか。それとも女子供だという理由で外すか? ん?


【名を挙げたからには理由がある、としてディミーアは厳島に反論する】
【女子供という言葉を使った裏には那須翔子の存在があった。彼女は女な上に子供だが、立派な軍人だ】
【それを部下に持つお前がそう言うのか、と言外に表していた。もっとも、半分冗談めかして、だが】


さて、方針は立った
自警団員が盗賊のアジトで休む、なんてのはタチの悪い冗談のようだが
世間様への奉仕をしていると見なして遠慮なく利用させてもらおう

部下とも連絡を取らねばならんので、俺は少し失礼する


【そう言ってディミーアは席を立つ。怪我の痛みに顔が一瞬歪むが、すぐに持ち直した】
【ゆっくりとした足取りでそのまま部屋を出ていく。向かう先は周囲に誰もいないような場所だ】
【そういった場所を見つけたら、携帯端末を取り出して副官へと連絡をとる。通信の暗号化は自前で行う。指輪も施設機能もなしで】


…………俺だ
ちょっと色々あってな。”私用”で治療中だ。詳細は後で送る
国会前の中継を見ていた。カノッサがああも煽ってくるんじゃ仕方ない
『ヴィセリツァ』を動かす。俺たちも表舞台に出ようじゃないか。クリスにそう伝えろ

…………そういうことだ。部隊を広く展開しておけ。能力者を見つけたらぶち殺せ
やっと”風向き”が変わってきたんだ、利用しない手はない
だから、人命救助を優先しろ。敵は逃してもいい。本来の自警団らしく振る舞え


【いくつかの指示を出して、通信を切断する。男の口元には歪んだ笑み】


……カチューシャめ
そういうことをするんじゃ、俺も本来の役目を果たさねばならなくなるな

────だが、それでも。お前だけは


【言葉を吐き出す。それだけで酷い頭痛がした。背後には女と子供が立っている。振り返らずとも分かる】
【薬瓶を取り出して錠剤を飲み込む。今はまだこれが必要だった。何も終わっていないのだから。始まってもいないのだから】
【ああ、それでも────この道の先に平穏などあるのか。そんな疑念は、薬の効力がすぐにかき消していった】


//三人ともお疲れ様でした。お先失礼します!


642 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/25(水) 17:16:44 WMHqDivw0
>>633

【あなたの言うことは何から何まで正しくて、このケダモノには】
【いずれ散るとわかっていながらそれでも綺麗に咲く花の可憐さはなく】
【毎朝決まった時間に決まった枝に留まって美しく歌う鳥の淑やかさもなく】
【ただひたすら、目の前の肉を喰い散らかすことだけを考える――いっそ怪物と言うほうが正しく】
【獣の誇りすらとうに失って、あなたを殺すことだけを考えていた。金の瞳はずうっとあなただけ見てる】

【――――がきン、と硬質の音を立てて。大振りの鉤が、土の壁に喰いこんだ】
【がっちり噛み付いて表面に罅を入れるところで止まった、けれど、「それでいい」】
【赤ずきんは嗤った。だん、と地を蹴りつける、勢いよく前方に躍り出る】


――――――――もーーーう、いーーーい、かぁあああぁぁ……いッ!!!


【ドップラー効果を伴って音になる、かくれんぼの鬼が使うセリフ】
【壁の向こうのあなたは、それが急激に近づいてくるのがわかるだろうか】

【最初にやったのと同じこと。鎖を縮めて、鉤の喰いこんだ先へ移動する術】
【それを使ったのだ。風切り音を立てて壁のほうへ猛進。接近が叶ったなら】
【その勢いを全部全部全部乗せて、罅割れた土壁に体当たりをかますだろう】
【そこまでしたなら、ようやく壁も破れるだろうか。それから先のことはあんまり考えていなさそう】

【――赤ずきんはすでに、息が上がっていた。ぜえぜえと、疲れ切った呼吸音】
【無理もない。最初の、赤い靴の娘に穿たれた傷。それからあなたに撃たれた傷と】
【それから壁に叩き付けられたのと、さっき斬られた分。いくらなんでも傷が多すぎて】
【流した血も多すぎる。もうきっと、永くは持たない。それを予感させるには、材料は十分すぎる】


643 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/25(水) 18:43:58 5p38.LtA0
>>638-641

「……それを言われると、何も言えないな」

【ディミーアの言葉にはそう答えた、事実何も言えないほどのそれは正しいのだ】
【冗談交じりの皮肉ではあるが、事実正論だった】
【だが同様に、少女二人が前線向きの人間ではない、そう見える事も事実であり】
【少し苦しい顔を見せた後】

「二人に無理や無茶は、させない……それは我々の任務だ」

【こう短く言って】
【やがて】

「ルハニアとオーウェルの件はこちらで探りを入れさせて貰う、何、直ぐにでも尻尾は掴むさ」
「……カンナが伝えてくれた情報だ、必ず掴んで見せるさ」

【そう全員に告げ】
【最も最後の部分は、聞き取れたかは不明だが】
【やがてカニバディールに向き直り】

「解った、ではもう少し世話になるとしよう」
「……すまかった、本当に、助かった」

【鵺の病室を見舞った後に、自身の病室に戻るだろう】
【時間はあまり残されていない】


//お疲れ様でした!ありがとうございました!


644 : ◆Heckemet8M :2018/04/25(水) 18:52:57 u1dxVMlM0
>>636

「確かに。反撃はしてくるけど、怒ってきたことは殆どねーしな」

【だからといってイタズラは止めないけど。――周りに比べれは非力なゴブリンだが】
【それを補う立ち回りができているのだろうか、本人が言っていた交友関係に嘘はあまりない様子】

「最近整備されたんだぜ、クラウド」
「本当大助かり! こいつ、俺が携帯を持ってたらすぐに奪って写真消し始めるし」
『それをされて当然の行いをしているという自覚を持て』

【奪い取った端末をぶっきらぼうに投げ、ジュゼッペに返却】
【投げる側も投げられる側も、かなり手慣れた動きだ。多少意地悪な投げ方をされても問題なく】

『キノコ……そういえば、ジュゼッペの奴が何かに使えないかと言ってたような――』
「仕掛けられたら仕掛けたくなるじゃん?」
『被害者が、加害者で、……』

【――どちらの言葉が信頼できるかと言われれば】
【それは当然、付き合いの長い奴の方が信頼できる。性格を熟知している相手なのだから】
【……信頼できるからこそ、どちらの言葉を優先すべきかの判断だってできる】

「オーマイガーッ!」 『仮に彼が加担していたとしても大体お前のせいだろう』

【ぎちぎち、ぎちぎち。死なない程度に対象を締め付け痛めつける泡たち】
【そんなことをしていると、けして小さくはない音が聞こえてくる】
【大した価値のない漫画本の無事よりも、もっと気になる出来事がそこには生まれていた】

「……ひっ、ギャハハハ! この流れでそれはずりィぜ!」
『く、……くく、…………ジュゼッペは後でもっと〆ておくので、すみませ、……ふっ』

【――爆笑しているジュゼッペが持つ端末から聞こえてくるシャッター音について説明する必要はないだろう】
【こんな状況でも抜け目のない奴だ、色々な意味で敵に回したくないタイプかもしれない】

【そしてチェーザレの方もツボに入ったらしく、カニバディールの方を見ずにぷるぷると振るえながら一応の謝罪をしてくる】
【状況のためだろう、ジュゼッペを締め付けていた泡はその辺へ散ってふよふよと漂い、そのうち割れ、消えて無くなる】


645 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/25(水) 18:54:52 5p38.LtA0
>>642

「何なの!?この化け物、かくれんぼのつもり!?」

【出現させた土壁は確かに少女の、赤頭巾の鉤を防いだ】
【しかし、赤頭巾の猛攻は止まる事はなかった】
【まるでそう、かくれんぼの様に】
【ともすれば楽しい遊びのように】
【そんな声を上げて、こちらに突っ込んでくるのだ】
【そこには決して、無垢で可憐な赤ずきんは居ない】
【醜悪な獣が居るのみだ】

「……やっぱあんた、赤ずきんじゃ無いわね」
「くたばんなさい、この化け物ッ!!」

【土壁が少女の突進により、粉微塵に破壊される】
【そのタイミングで対峙する二者】
【そして、素早く雷の符を叩きつける】
【成功すれば、一筋の雷撃が少女を撃つだろう】
【威力そのものよりも、この場は如何に素早く動くか、と言う事だろう】
【最も外れれば、赤ずきんのその無慈悲なまでの一撃が待っている】
【食うか食われるか、獣の戦いのそれだ】

「布瑠部由良由良止布瑠部……なんちってね」


646 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/25(水) 19:17:58 p2o9zmbU0
>>625 >>626

…どうして、あなたはそんなにも自分を責めてしまうの?
本当に強い人なんて居ない…間違わない人なんて居ない…居ないの…

貴女を巻き込んでしまったのは私。私がUTに来たから…

【すべての始まりは私だ。私がUTに来たから。もしかするとあの探偵がUTにいけと言ったからあの人のせいかもしれない】
【そうやってたどっていけば、クラァケさんだって、カニバディールさんだって状況を悪くするのに何かしらやらかしている】
【それなのに背負い込もうとするのは…悲しくもあり、辛くて、可愛そうで…だけどずるいと思う自分も居る】
【自分はそんな彼女を羨ましく思っているのだろうか】
【なにか言葉にしようと思っても―――涙しか出てこなかった】

でも…違う…そうじゃないの…

【私に優しさはいらない。鈴音さんに慰めてもらうなんて、間違ってる】
【私は泣いてる場合じゃない。慰めてもらっているわけにはいかない。泣いてる意味はない。悲しさや同情も】
【悲しみがついてこれないほどのスピードで私は立ち上がらなきゃならない】
【すべきこと、できることじゃない。したいことをする。どうせわがままなら泣くよりも――啼きなさい】
【麻季音、貴女はソラリスよ。スタニスワフが、タルコフスキーが表現した叡智。望むべきものを与える力】

【私は、鈴音さんの胸の中で、自分の涙を手で拭った。】
【そして今日ようやく、まっすぐ腫れた目で鈴音さんと向き合うことができた】

―――私が、貴女を守る。
だから、私を守って。それは貴女にしかできないことだから。


647 : 名無しさん :2018/04/25(水) 19:59:00 4IFkENwo0
>>646

――――ッ、違う! 違うの、違うの――、セリーナはっ……、セリーナは、そんなの、言わない、この場所はっ――、
"ここ"にいるひとはっ、そんなこと、言わないの。言わないから――、そんなのっ、思わないからッ! だから……。

【――確かに、全部のきっかけは麻季音だったかもしれない、麻季音がこの場所に来たから、全部始まった。知らないところで、いつか巻き込まれて、だけど】
【少女はいろんなこと、お仕事のこととか、酔っ払った客のあしらい方とか、セリーナに教わっていたけど。そんなの教わってなかった、困ってここを頼ったのだろうひとを】
【お前が全部の原因でお前のせいで巻き込まれたんだなんて言えって――、そんな風に考えることさえ思いつかない、だから、声は刹那だけ、鋭さを帯びてしまう】

【あなたはなんにも悪くない。悪いのは――悪いひとが居たとするのなら。それは黒幕と、円卓と、――それから、それらに耐えることのできない(自分だけ)】

【何度も何度も優しく相手の背中を撫でる。吐息を重ねて、鼓動の間隔までも合わせようとする、落ち着かせようとするみたいに――誰を。自分かも、かも、しれなかった】
【この距離ならきっと分かるだろう。少女の吐息は何度も引き攣れるから、それならば何かをずうっと堪えているみたいだった。だからせめて相手の吐息に重ねて、それを真似して】
【相手は泣いてしまっているかもしれなかったけれど。何事かを叫んで悲鳴をあげて泣きわめいてしまいそうな衝動をきっと抑え込んではいないはずだから――】

――――――――……、

【――目が、あった。蛇に似た目はぐちゃぐちゃに濡れてしまって今にも溶け出てきそうなほど、相手の言葉に、どこか驚いたような――少しだけ、目を丸くして】
【だけどどうしようもなく安堵したようになるのだ、年上とか。そういういろいろなこと。もの。プライドみたいなものとか、なんかなんだっていいけど、何か、いろいろなものを】
【この瞬間全部えーいって遠くまで投げてしまったみたいに、ひどく安堵した目をする、迷子が誰かに見つけてもらえた瞬間みたいに、――くしゃ、と、気弱に笑う】

……ねえ。駄目だよね、こんなの、わたし、年下の子に、こんなふうに――、こんな風に、言ってもらって。
恥ずかしいってね、思わないと、だめなの……、――ねぇ。でも。いいかな、――いいの、かなぁ……、麻季音ちゃん――、

…………――チーム。なら。いいのかな――、

【うんと近い距離感で。吐息はおろか鼓動さえも伝わってしまいそうな距離感で。さっきは「それでも」って言い返したくって、しなかった。優しいからじゃなくて、】
【それじゃあ拗れるだけだって分かっていたから。優しい言葉に「それでも」って返すのがどれくらい恩知らずかを想像できただけだった。だけど、今は】
【――もう一回その言葉を繰り返す、大事な宝物を指先でなぞるみたいに。情けない泣き顔、そんなの尋ねちゃうことさえ恥ずかしいことみたいに、視線を伏せて――伏せた、ままで】

――ぅん。護るよ。ぜったいに……、絶対、に。

【女王に跪く騎士のように格好よくなんて、ないけれど。小さな声で鈴の音が誓う、絶対に絶対に護るって。――ぎゅうと抱きしめ/抱き着きながら】


648 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/25(水) 20:28:44 4pGR8cs60
>>691>>692

【間一髪、手を引いてその場を去った彼女は、ふぅ、と大きく嘆息した】
【ちらりと横目でうつむき加減の少女を見る、打ちひしがれた姿は萎れた美しい水仙を思わせた】
【枯れてもなおその可憐さを残しているあたりは、気高く咲いた名残なのだろう、と】


それはボクがこの場所を好いているからなのさ、どうしようも無く穢らわしいどうしようも無い連中の居場所を
さっきキミに声をかけた下品な二人はフレドリックとロバート、ドラッグも女も酒も好きな最低な二人
救いようが無いニンゲンだし、救う気も無いけど、彼らを見てると安心するんだ

──ニンゲンはどうしようも無く愚かだ、彼らと違って良かった、なんて
ねぇ鈴ちゃん、ボクが鈴ちゃんを気に入った一番の理由はそこなんだよねっ
匂うなぁ、ぷんぷん匂うんだ、ニンゲン以外の芳醇な香りが


【ピタリと足を止めた、周囲を見渡せば繁華街についているだろう】
【夜の街並みであった、いかがわしい店が所せましと並び、暗い盛り上がりに支配されて】
【イルはその中でも良く顔が聞くのだろう、下品な男達が声を掛けてきたりもする】


鈴ちゃんニンゲンじゃないもんね、ボクと一緒、だからボクは鈴ちゃんがだーい好き♪
ねぇ、いつまでニンゲンの味方なんてしてるのさ、あんなどうしようも無い連中の
いつか鈴ちゃんは壊れちゃうよ? いらない重荷を背負いすぎて

煩わしい荷物は捨てちゃおう、服なんてもういらないでしょ?
かわいいかわいい鈴ちゃん、お人形さんみたいな鈴ちゃん
イケないことは気持ちいいこと、二人ならきっと、堕ちていっても怖くないから


【背伸びをして首元に抱きつく、そっと口元を耳に寄せて甘美な言葉を紡ぐ】
【口の中で飴玉でも転がすように、とろとろに溶けたリップノイズを混ぜて】
【響く音律は微睡みの中で聞く子守唄、貴方の心を溶かしてしまいそうなほど】


649 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/25(水) 20:37:56 WMHqDivw0
>>645

【「やっと見つけた――――」 そう言いたげに、にたり広がる朱の唇】
【その向こうに生え揃った牙が煌めいて、あなたの肉を蹂躙するのを心待ちにしている】
【そんな調子。もう止まらない、止まれない、後にも退けない、どこにも行きたくない】

【 だからもう――――回避という選択肢は、取らなかった 】

【――――ばちり、と電流の弾ける音がする。それに伴って、肉の焼け焦げる音も】
【中空に留まる赤ずきんの身体は一度だけ奇妙に波打って、それから地に墜ちるだろう】
【真正面から雷撃を受け止めた、その小さな身体で。耐えきれるはずなどあるわけもなく】

【 だけどまだ――――攻撃をやめるつもりも、なかった 】


俺は、わたしは……ッ…………「赤ずきん<メイジー>」だぁあああぁあッッ!!!


【雷光がその身を焼く瞬間。赤ずきんは、持てる力――牙のすべてを開放したのだ】
【すなわち、この戦闘で負ったすべての傷――二の腕、脇腹、太腿の銃痕】
【腹の斬傷――計四つ。そこから一本ずつ、鎖を射出した】
【二の腕のものはあなたの頭上から。脇腹と太腿のものはそれぞれ左右から】
【そして一番太い腹のものは真正面からまっすぐ――あなたに向かって、先端の鉤を喰いこませんと】
【まるで上顎と下顎とで挟んで噛み砕くように。あらゆる方向から、凶器/狂気が殺到した】

【その後の話だ。赤ずきんの身体が言うことを聞かなくなって、完全に動かなくなるのは】
【――――この攻撃がうまく決まろうと、そうでなかろうと。赤ずきんは地に伏したまま、動かなくなる】


650 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/25(水) 20:53:26 p2o9zmbU0
>>647
【セリーナさんは素晴らしい人だ。私の不確かで胡散臭い陰謀論みたいな話も聞いてくれて、受け入れてくれた】
【きっとその認識は彼女も同じで…いや、私よりもずっとずっと。その名がいの一番に出てくるぐらいに】
【でも、私は完璧な人間なんて居ないと思う。こんな状況でもそう思っているからやはり私は根の曲がった懐疑論者なのだろう】
【それなら、私は私なりのやり方をやるしか無い】

【たった一つの、冴えたやり方で】

…そうね。駄目ね。…私も駄目。勉強ばっかりして、あとのことは何も知らない。いいえ、知ってるだけ。
でも、駄目じゃない。恥ずかしいし、恥ずかしくない。誰も、そんなこと決められないと…決める権利はないと思わない?
私は、貴女を守るから、あなたはしっかり守られて。どんな失敗も、不安も私も受け止めるから。だから私の不安を受け取って。私を守って。

【「それがチームだと思わない?」と。最後に私は付け足した】
【誰かとこんなに近い距離で話したことはきっと小さな頃に両親としたのが最後なはずだ】
【言葉よりもずっと伝わる気がした】

……そろそろ、恥ずかしいわね。
ああそうだ、えーっと…何の話だっけ。…作戦?とかそんなだっけ…

【急に恥ずかしさがこみ上げてきたのは冷静さを取戻した証拠かもしれない】
【顔をそむけてわざとらしい真面目な声で話そうとしたけど裏返ってしまって更に恥ずかしい】


651 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/25(水) 21:20:11 6.kk0qdE0
>>649

「な、なんて奴……」

【土壁を破壊され、覗いた顔はまさに狂戦士のそれ】
【猛り燻り狂った獣のそれ】
【それは雷撃を喰らっても、止まる事は無く】

「小癪なァ!!」

【これが、渾身の力を振り絞った】
【文字通り乾坤一擲の業か、メイジーと名乗った少女は】
【この戦闘で負った全ての傷から、鉤鎖を射出し、此方に向けてきた】

「っくッ!!」

【元より、無傷は望めない】
【ならば最も危険な、致命傷と成り得る攻撃のみ防ぐ、と】
【取り出したのは、金の符一枚】
【正面に叩きつけ、金属製の壁を出現させて】
【それを持ち、正面の鉤のみを防がんとする】
【後の二つは、防御姿勢を取るのみで、術や技による防御はしていない】

「殺されてたまるもんですかァ!!」


652 : 名無しさん :2018/04/25(水) 21:25:44 4IFkENwo0
>>648

【げらげらした笑い声が耳にこびりついていた。酒で肝臓が駄目になりかけている人間の臭いがした。ドラッグの臭いは知らないけれど。女の体液の臭いはまだ分かるけど】
【フレドリックだろうとロバートだろうと関係がない。不愉快だった。本当にほんの少しボタンを掛け違えていたならきっと苛立ちに任せて殺してしまいそうで】
【そのほうが気持ちがすっきりしてよかったかもしれないとまで思った――数秒遅れて思考が思考に追いついてざわめく、少しだけ恐ろしくなって、でも】

――――どうして。こんな場所! こんなところ――ッ……、あんな、やつ、
あんな奴! 安心だなんてっ……、――――――っ、ァ、

【気づけば周りは猥雑な繁華街になっていた、下品なネオンがびかびか光って、端っこが割れて中の電球がむき出しになった置き看板が並ぶ】
【客引きの男に店に属さない娼婦が退屈げに話しかけている。娼婦の一人が親し気にイルに手を振って笑った、――だけど、その笑みが褪める。少女が声を張り上げた瞬間、だった】

【この場所を好いている――きっと少女はその意味を心底理解できなかったのだ。あるいはしようともしなかった。こんな場所が好き。あんな男たちを見て、安心する】
【"彼らと違って良かった"―― 付随する相手の言葉に。少女は凍り付いてしまう。もしくはどうしようもなく鋭い電撃を身体に流されたみたいに、硬直する】
【それは間違いなく図星の態度だった。わずかに後ずさった背中が誰かにぶつかる。ぶつかった背中を払いのけられてよろめく。――もうやめてって、思った、】

【今そんなことを言わないでって――、よりによって、今、その話をしないで。って。向けられる瞳が懇願していた、跪いて命乞いをするみたいに震えていた、抱きしめられたなら】
【それはいっそう相手に伝わるだろう――人間じゃないって。相手が繰り返して、繰り返されるたびに、心が折れていく。一番大きな幹は耐えても、細い枝葉を引きちぎられていく】
【人間じゃない――人間じゃ、なくなってしまった。人間でいられなくされてしまった。"間違い"で。間違いだったと言われた、あれは間違いだったって、間違いだったのに】
【いつか当たり前になれると思っていた大人になることも。いつか憧れた母親になることも。それ以外はないって信じていた、いつかありふれた死さえも】
【全部間違いで奪われて――壊されてしまって。壊した人間は当たり前に大人になっていた。自分にはできないこと、出来るって思うと、どうにかなりそうだった】

やだ――……、やめて、もうやめて……、もぅ、やだよ、やめて……。

【いつまで人間の味方をしているのか――わからない。人間の味方って言葉さえも。だって、"わたし"は、人間が好きで、人間、だったから、(でも誰かの間違いを負わされて)】
【あんなどうしようもない連中の――どうしようもない、と。思う。本当に。だけど。おんなじくらいに、自分も、どうしようもない、(どうしたいのかも、もう分からなくて)】
【いつか壊れちゃうよ――でも。みんなが頑張っているから。もっと頑張らないといけない。死んだって平気なんだから。みんなの何倍だって、頑張らなくちゃ(その分痛いけど)】
【要らない重荷――、ちがう、って、小さな声が漏れた。要らなくない。重荷なんかじゃない。子供みたいにいやいやをする、だけど、(もう持てないって、態度全部が言っていて)】

――やだ。やだよぉ、……もうやだぁ……あぁあ――、

【――この場所では公安も円卓も関係がないんだ、って、なぜだかこの瞬間に強く思った。こんな場所なら、全く別の勢力が入ってきたら、すぐにわかる】
【分かるし――この場所は外の世界なんかより、よっぽど安全なんだろう。どうしようもない場所かもしれないけど。だからこそ。流れを乱すものは、すぐに発見されて、排除される】
【それこそ子供たちが使い潰されて燃やされていくみたいに。助けたいって、思っていた。足りないって分かっていた。あくまで時間稼ぎだって。分かっていたのに】
【手の届かない場所が絶対的にあるって分かっていたのに。目の当たりにして。全部がいっぺんにのしかかる、――ああそうだった、今までの全部、間違いの上に積み上げてきたんだった】

【――――――ぎゅうと相手の身体に縋りつく、自分より小さな身体に、だけど、小さな子供が親にそうするように。子守歌の中、全部忘れて眠りたいって、願うように】


653 : 名無しさん :2018/04/25(水) 21:47:03 4IFkENwo0
>>650

【――――きゅう、と、変な声がする。泣いてしまったことで強張った喉から漏れる空気の音。年下の――だけど自分よりもうんと賢い女の子に、諭されて】
【少女はすんすんとしゃくりあげながらも聞いているだろう、それこそ――少し変な話だけど、学校で授業を聞く子供みたいに。知らない価値観を、習うように】
【みんながみんな。勝手にできることをやっているんだと思っていた。だってそれが可及的速やかに、なんちゃらかんちゃら、――"好きにやれ"、だって、思っていた】
【だから焦った。みんなが出来ることはあんまりに上手すぎて。自分ができることは、あまりに些細すぎて。協力者探しだって、ただ、知り合いだった、というだけで】
【手伝ってくれると言ってもらえたのだって、運が良かったり。相手が優しかったり。そうする理由があったり。しただけで――、それは自分の功績じゃない。自分がしたことなんてないって】

【――でも。まだ。推進力を喪ったままだって。それは、きっと、見て分かるのだ。ほんのきっかけでまた逸れてしまう。それぐらいに消耗しているって、だけど】
【今は――ひとまず。持ち直したと見えた。それでもまだ引け目が消えたわけじゃないけれど。チームだから。それを確認できた。頼ってもいいんだって。頼られることもあるんだって】

――――……、えと。ぁ……、ああ、ぇと。
カニバディールから……、まず、ね、――わたしは、わかんない、から……、麻季音ちゃんに。……、特区の。中で、あったこと……。

【真面目ぶるけど裏返った声。失礼にもちょっとだけ笑ってしまって、――それからまず渡すのが、一つのUSB】
【噂のカニバディールからの贈り物。というにはちょっと飾りっ気がなさすぎるし、中身も――楽しくは、なさそうだった】
【UTに所属するギア・ボックスが特区に潜入した際のデータだと言う。それを渡して――、それも、重要では、あったけど】

【少女は一瞬。メールに書かれていたことをわざと後回しにする。言葉を探すみたいに――どうしたいのか、まだ、少し分からないみたいに】


654 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/25(水) 21:48:38 WMHqDivw0
>>651

【――――がきィん、と。硬い硬い音を立てて】
【一番太い牙は、あなたの肉を穿つ前に弾かれた。その代わり】
【残りの三本の牙は、容赦なく肉を抉っていくだろう。……それで終わり】

【路地裏に静寂が戻ってくる。そのまま、倒れ伏していたと思われた赤ずきん】
【……だったが、数十秒たっぷりの時間をかけて――驚くことに、ふたたび立ち上がった】
【細い躰ではあるが、ニンゲンのそれよりは頑丈なのだと語るように】
【ただしもう――もう一度その牙を振るうことはできない、これ以上の戦闘は不可能】


――――――――覚えたわよ、「狼さん」


【鎖の擦れる音。片方の手、自分でつけたと思われる傷口から鎖を伸ばし】
【はるか上空――どこか高い建物の高いところへ鉤を突き刺して】
【そのまま鎖を縮めた。急上昇していく赤ずきんの身体。逃げる心算なのだろう】


【 ただし眼は――金の瞳だけは、ずっと、あなただけを見つめ続けて 】
【 「次は必ず喰らってやる」と語るように。不気味なきらめきをその場に残して、去っていった 】


//ここらへんで〆させていただきます、お付き合いいただきありがとうございました!


655 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/25(水) 21:57:12 6.kk0qdE0
>>654

「ぐう……はッ」

【肉が割かれ、血が噴き出す】
【三か所から一斉に……】
【倒れるのは……相手がやや早かった】
【だが】

「まだ……立てるっての?」

【こちらは既に地面に座り込んでいる状態】
【とてもではないが、二撃三撃目は凌げない】
【しかし】

「冗談じゃ、ないわよ……」
「狼は、貴女でしょう……」

【荒い呼吸の中、少女が去って行くのを、ただただ見送るだけだった】

「牛鬼、馬鬼!戻りなさい……」
「龍鬼!」
「何です?ご主人、断じてボロボロ?」
「見ての通りよ、ちょっと家まで運んでいきなさい」
「龍鬼は力ないです?それなら牛鬼と馬鬼のが適任です?」
「いいから、肩貸すだけよ!」

【そうして、この陰陽師もなんとか帰り着いたと言う】

//お疲れさまでした!
//ありがとうございました!


656 : ◆Heckemet8M :2018/04/25(水) 22:37:54 u1dxVMlM0
【水の国――とある街】
【ここは特区が隣接しており、そのためか反能力者の思想を持つものが集まりだしている】


【時は少し遡る――最初に異変に気がついたのはどこかの港町】

「あ、あれは……鳥!? 飛行機!? いや、……何だ!?」
「海の方から黒くて大きな――あれは! ドラゴンだ!」

【海の方から飛来する驚異、その姿はまごうことなきドラゴンのもの】
【漆黒の身体に紫色の腹部、赤い角や爪、牙を持っていて、それなりに長い尾も持つ。脚は4本だ】
【そして、背には腕にもなりそうな、鋭く強靭な1対の翼】


【――そのドラゴンが降り立ったのが、前述の街の中央だった】
【地上に降りてみて初めて分かるその強大さ。体高およそ5m、当然体長もそれ相応で、立つ姿は哺乳類のようにも見える】
【あんな奴に立ち向かえるわけない! 街の人々は瞬く間にパニック状態になった】

「わ、私の店がっ!」 「まだローンの残っている新築なのにっ!」

【先程の着地に巻き込まれた建物が倒壊した、そしてドラゴンはゆっくりと歩み始める】
【周りの建物を気にすることはない、故に歩けば歩くほど、街は壊れていって】

【現在、ドラゴンに敵意がある様子は見られない。けれども、このまま放置するわけにはいかないが――はたして】


657 : ◆D2zUq282Mc :2018/04/25(水) 23:05:33 JY1GydDk0
>>656

…っべー。マジやべえ。アレから特区とかカミスシティとか調べちゃいるが
大した進展が無え。そりゃあもう嗤ける位に。

【先日のテロによって反能力者の風潮が強まっている水の国の緊迫した空気を意に介さず】
【ポケットに両手を突っ込んで闊歩するのは、茶色の痛んだ長髪と筋肉質でスレンダーな体型が特徴的な女性であった】
【口に咥えた煙草も相まって、気だるく鬱々とした雰囲気がこの女性から醸し出されていた】


それに引き換え数ならぬもの/能力者への風当たりが日増しに強くなって遣り難いったらありゃしねえ
あーあ、抑圧感ってのかねえ。どうもスカっとしねえ…なっと!


【足元の石を蹴り飛ばし一人グダを巻く胡乱な彼女の意識は、未知なるモノの遭遇によって明瞭さを取り戻すのであった】
【最初は轟音と街の人々の恐慌状態に対して、うるせえなあ。誰も彼も酔っ払いかよ。景気がいいな】
【暢気な感想に苦笑と僅かな呆れを抱いていた。だがそれも直ぐに霧散する】


―――ハッ。なんだ…ありゃあ…
ヤクを決めてる訳…じゃあねえよな。アタイの目が確かならありゃあ…でかすぎんだろッ!


【自身の許容範囲外にあるものと対峙するとき、往々にして人は呆然とする。それはカイも例外ではなく】
【咥えた煙草が口から零れ落ち、地面にべたっと落ちるまで思考が追いつかなかった。口をぽかんと空けた間抜けな顔もそれを物語る】


【だが未知なるモノ/ドラゴンは歩みを進めているのか、轟音が自身に近づいているのが理解できたゆえに】
【即座に腰に挿した拳銃を取り出し臨戦態勢を整えるのであった。――それは自身の能力の発動も意味していた】
【そして、鬱々とした気分を吹き飛ばせる状況に、口元を半月に歪め】

――OK!Let's Rock Crazy!こいつぁジルバだ!派手に踊るぜェッ!

【軽口を叩く。間違ってもカイを突き動かす衝動は義憤ではなく、正義感でもなく。己の快楽と愉悦】

//すみませんおまたせしました!


658 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/25(水) 23:05:39 6.kk0qdE0
>>656

――ブゥルルルルルルルルッ

【このドラゴンの進撃から数分の後だ】
【空に10余りの機影と、レシプロ機のプロペラ音が響く】
【OD色の塗装に翼には、錨と櫻の意匠】
【胴の部分には、其々空母赤城、空母加賀の所属を示す意匠】
【櫻国海軍航空隊、赤城航空隊より5機、加賀航空隊より5機】
【計10機の爆装艦上戦闘機『type:zero』通称零式の編隊だ】
【遠洋演習にて、友好国水の国の軍港に補給を受けている最中の二艦】
【急を要するあまりの事態に、政府からの要請を受け、出動した物と見える】

「目標彼我不明の龍」
「警戒に当たる、状況開始!!」

【数機の零式が編隊より離脱】
【ドラゴンの眼前を飛行し、停止と注意を引き付ける行動に出る】
【一方……】



――ドッドッドッドッドッドッドッ

【そのドラゴンの前に、一台のODカラーの】
【クラッシックな側車付アメリカンタイプのオートバイが追従する様に走る】

「と、止まって!!」
「止まって下さいッ!!!!」

【そう声は掛けるが、果たしてこのドラゴンは止まるだろうか】
【そもそも、人語を理解するのだろうか】
【オートバイの人物は、少女だった】
【少女は白い詰襟、こちらも櫻国海軍の所属を示す階級章と意匠】
【背には銃剣着き歩兵銃と腰の弾帯には拳銃、擲弾筒を装備している】

「あれは、赤城と加賀の航空隊、一航戦の零式!?」
「このドラゴン、一体……止まって!!止まってッ!!!!」

【オートバイでドラゴンと随伴する様に走りながら】
【少女は声を上げた】


659 : ◆Heckemet8M :2018/04/25(水) 23:26:46 u1dxVMlM0
>>657,658

【逃げ惑う人々の中には、彼女たちに向けて"早く逃げろ!"と主語もなく叫ぶものがいるだろうか】
【あるいは、"誰でもいいからあいつを何とかしてくれ!"と誰に宛てるわけでもない叫びもあるかもしれない】
【ともかく、他の者共の反応を見る限りでは、幻影ではない――本物の驚異】

【――本能か、あるいは別の何かか】
【カイが臨戦態勢を取れば、その顔がゆっくりとそちらへ向けられて】
【翔子が"止まれ"と言えばまるで聞いているかのようにほんの僅かに停止しつつそちらを向いて】

【けれどもすぐに正面を向き直し、歩みは再開される】
【一応の警戒をしただけだろう、――"彼女らは今のところ驚異ではない"】

【そして眼前を飛行する数機の零式――目論見通り、その注意を引き、一時的に歩みを止めさせることができるはずだ】
【鬱陶しく感じたのだろうか、その翼――強靭で鋭くまるで刃のようで、しかし大きな爪も持っていて腕のようでもある翼】
【それが零式に向けて振り下ろされる。ドラゴンにとっては、目の前を飛ぶハエを叩き落とすような感覚に過ぎない】

【その大きさ故に初速は控えめだが、その分範囲が広い。技術で乗り切れるか、それとも――】

【なお、振り下ろした翼はそのまま地面を叩きつけるまで止まらない】
【地上にいる2人は警戒が必要だ。――翼本体はもちろんのこと、風圧や飛ぶ瓦礫・道路の欠片も、驚異になりうる】


660 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/25(水) 23:38:17 6.kk0qdE0
>>657>>659

【轟ッ、と巨大な腕付きの翼での一撃だった】
【眼前を飛行する零式に向かい、容赦なく振われたのだ】
【目の前の羽虫を落とすが如く、ドラゴンにとってはごく自然な振る舞いと言える】

「ああああああああッ!!」
「ぐッ!こちら加賀航空隊前橋上飛曹、飛行不能!!」

【眼の前の零式は大半がその一撃で空中分解、あるいは爆散し】
【難を逃れた者も、風圧により飛行バランスを崩し、地面あるいは建造物に衝突を余儀なくされた】

「ええいッ!赤城航空隊続け!!目標龍!目標龍!!」

【それを受け、頭上の数機の零式が旋回】
【一斉にドラゴンに向け機銃を放つ】

【そして一方】

「と、止まった……あ、航空隊が!?」

【ドラゴンの進撃を止める事は成功した】
【だが、零式や周辺の建造物の破片、風圧は襲い来る】
【また、その翼は零式を破砕しても止まる事は無く】

「くうう……間に合って……」

【スロットルを一気に捻り、急加速しその場の離脱を試みる】
【その最中】

「ッ!?」
「そこの人!!ここは危険です!!」
「って、拳銃でドラゴンを!?無茶です!!直ぐに逃げてください!!」

【少女は見かけた女性】
【それもドラゴンに立ちはだかり、拳銃を構える女性に】
【こうあらん限りの大声を出した】


661 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/25(水) 23:40:14 6.kk0qdE0
//レス順間違いです、すみません
//>>660は無視でお願いします!


662 : ◆D2zUq282Mc :2018/04/26(木) 00:07:00 JY1GydDk0

(こいつァ…まずアタイらが脅威だと知らしめる必要があるみてェだな)

…面白れェな。くくっ、面白いってのは大事なこった。
テメエにとっちゃアタイはダンスの相手にも成らないってか。
またアタイが勝手にイキってるだけかよ。

――上等だよ、その舐め腐った傲慢。片っ端から蜂の巣にしてやる。
その為には、悔しいがアタイ一人じゃ厳しいなァ。


【言葉を裏付けるように、ぎゅッ、とグリップを握る力が強くなる。】
【ぎりっ、と歯軋りをするカイの視線の先には櫻国海軍の軍服を身に纏う少女の姿があった】

【軍人ならば、一瞥をくれただけでソッポを向いたドラゴンにダメージを与えるに違いない】
【故にドラゴンと併走し、言葉での制止という無謀な行為をしている翔子に助力を請う事にした】


おいッ!戦火の中、ドラゴンとツーリングとは大分キメてんなァ!
その軍服が本物なら話が早ェッ!手ェ貸してくれッ!


【翔子からは、両手にハンドガンを握りながら駆け出すカイの姿が見えるかも知れない】
【その姿は、鬼気迫ると言わんばかりに緊迫したものであり同時に怒気を孕んでいた】

【そんな折、カイの目に留まるのは、ドラゴンの翼が零式に向けて振り下ろされる光景】
【いとも容易く零式を叩き落とさんとするドラゴンの姿が、カイの進行方向を反転させる】

【もし零式が叩き落されようと叩き落されまいと、自身に襲い掛かる瓦礫や道路の破片は】
【間違いなく自身の脅威となりうる。そうなれば良くて意識を失い。最悪死に至る】

…くそがッ!規格外すぎんだろうがッ!

【だから。カイはドラゴンから距離を取らざるを得なかった。全速力で彼我の距離を取る事に腐心する】
【その甲斐あって、瓦礫や道路の欠片も回避できたが風圧はその限りではなく、カイに襲い掛かっていた】

ぐおぉッ…!!…くっそ、近づけねえッ!

【距離を取ったとはいえ、風圧で吹き飛ばされ体勢を崩されたカイは軽い擦過傷に見舞われる】
【言葉を吐き捨てながら、再びドラゴンの居るであろう方向へ振り向いたカイが見たのは一体――】


663 : ◆D2zUq282Mc :2018/04/26(木) 00:09:33 JY1GydDk0
//>>662は無しでお願いします。
//書き直しをしますので少々お待ちを


664 : ◆D2zUq282Mc :2018/04/26(木) 00:35:07 JY1GydDk0
>>658 >>659

【怒号交じりに逃げる様促されようが、上空を飛来する戦闘機が来ようが】
【意識は眼前のドラゴンへと向けられ続けていた。依然として進み続ける巨躯】
【音叉の如くにカイや翔子へ一瞥を向け、すぐさま視線を外すドラゴン】

【そんな折、カイの目に留まるのは、ドラゴンの翼が零式に向けて振り下ろされる光景】
【いとも容易く零式を叩き落とさんとするドラゴンの姿が、カイの進行方向を反転させる】

【羽虫を叩き落す様に零式の大半は撃墜されていき、ドラゴンの翼の勢いは尚も止まらず】
【地面に叩きつけられた。その所為で、瓦礫や破片が四方八方散らばる事となる】

…くそがッ!規格外すぎんだろうがッ!

【全速力で距離を取ったお陰か、瓦礫や破片でのダメージは無かったが風圧による転倒で】
【膝や腕に軽い擦過傷が生じる事となった。それ故、急激に膨れ上がるは怒気と狂気であった】


テメエにとっちゃアタイはダンスの相手にも成らないってか。
またアタイが勝手にイキってるだけかよ。

――上等だよ、その舐め腐った傲慢。片っ端から蜂の巣にしてやる。
頭から尻尾まで隅から隅まで風通しを良くしてやらァ!


【言葉を裏付けるように、ぎゅッ、とグリップを握る力が強くなる。】
【ぎりっ、と歯軋りをするカイの意識は別方向へと向ける切欠となったソレは
 櫻の国の軍服を身に纏う少女。その少女の言葉に思わず自身の激情をぶつけるのであった】


うるせえ!アタイはあの傲慢の塊にありったけの弾丸ぶちこまねえと気が済まねえんだよッ!
それにアタイの辞書に逃げるなんて言葉は無えし、とうの昔に削除しちまった!

大体、てめえもご大層な軍服羽織ってんなら気概の一つでも見せて見やがれッ!
物見遊山でココに居るわけじゃあねえんだろッ!?間違ってもドラゴンとツーリングしに来た訳じゃねえだろ!
だったらテメエも手ェ貸せ。テメエら軍人も手ぶらじゃ帰れねえだろ?


【ドラゴン相手に自分だけでは太刀打ちできない故の言葉。現状においての最善と思えたのは】
【個人の力を超えた力を利用する事。だからこそ翔子にぶつけるのは力任せの言葉と意図せぬ鼓舞であった】


665 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/26(木) 00:46:59 6.kk0qdE0
//>>664
//すみませんでした、お手数をおかけしました
//>>660このままで行きます


666 : ◆Heckemet8M :2018/04/26(木) 01:04:57 u1dxVMlM0
>>660-665

【零式が衝突した建造物は、やはりそれに耐えられなかったのか崩壊】
【状況が状況のため、咎めるものはおらず。……あるいは、咎めて来るような存在は全員逃げてしまったか】

【放たれた機銃の弾が次々と着弾、堅いものに当てたような高めの音が響く】
【さすがに敵意を見せずにはいられなくなったか、ドラゴンはその前脚を地面から離し】
【一時的に二足歩行のような体勢となれば、その口部から放たれるは咆哮】

【近くに建っていたビルの窓ガラスがそれに耐えられず、次々と割れていき、地面にへと落下】
【幸いなのは、高い位置で吠えたことだろうか。――地上に届くまで、多少は咆哮の威力も減衰するはずだ】

【そして咆哮の後は、両方の翼で零式の1機を挟み込み掴もうとする】
【もしそれに成功すれば、他の零式に向け振りかぶるような形で投擲するだろう】

【前述の行為の成功失敗問わず、ドラゴンはその前脚を再び地面にへと戻す】
【まるで地響きのような音だ。道路には、くっきりと前脚の跡が残されて】
【とにもかくにも、少し動く度に風圧がその周囲に巻き起こるのが厄介だ】

【ドラゴンが次に行うだろう行為は、カイ、翔子の2者がいるだろう方向へ顔を向けること。】
【おそらく、カイが自身に立ち向かおうとする気配を感じたのかもしれない。目線はカイに向けられるはずだ】

【"来るなら来い。"】

【――低い唸り声が聞こえてくる。それはまるで挑戦者を待つような眼】
【それは、ただ街を歩きに来ただけではなく、けれども人の言葉で語られることは一切無い、……そう感じられる"意思"だった】


667 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/26(木) 01:25:16 6.kk0qdE0
>>664>>666

「命中!」
「弾着確認ッ!!」
「このまま押し切る!赤城加賀両航空隊、全弾撃ち切れ!!」

【攻撃成功の報を受け、あるいは視認し】
【他数機の零式も続こうと旋回したその時だった】

「咆哮!?全機惑わされるな!」
「っく、衝撃で操縦桿が乱れます……」
「ぐああああああああああッ!!」

【内の一機が捉えられ、ドラゴンの両翼に潰される】
【爆装していたために、翼の中で小規模の爆発を発生させるも、ダメージには遠いだろう】
【やがて……】

「ああああああああああッ!!」
「佐々木!!佐々木少尉!!」
「赤城航空隊佐々木少尉、落とされました!!」

【潰した零式の残骸を叩きつけ、逃げ遅れた一機にそれは衝突】
【空中にて爆発、四散する】

「……航空隊があんなに……」
「急がないと……」

【一方の地上では、バイクの少女翔子とその拳銃の女性が会いまみえていた】

「言われなくてもそのつもりですよ!!」
「そんなに言うんなら……側車に乗って下さい!動きながら戦いますよ!!」

【そう少女は女性に答えた】
【人間の脚と手で、その場に止まり続けて戦うのは無理がある、と】
【女性が乗ったならば、ドラゴンの周囲を大回りに旋回する様に動き出すだろう】
【周囲から無造作に、足元から攻撃を加えられるように】
【そして再び空中では】

「やられっ放しとは、情けない」
「赤城加賀航空隊、編隊を組め!!爆撃を開始する!!」

【残りの航空隊零式が、編隊を組み直し】
【全機がドラゴンに対し、装備していた爆弾を投下するだろう】


668 : ◆D2zUq282Mc :2018/04/26(木) 01:59:15 JY1GydDk0
>>666 >>667

いいねえ。良く吼えやがったなッ!
吐いた唾は飲み込めねえんだからよ、その言葉忘れんなよッ!

【売り言葉に買い言葉。カイも翔子も非常時だからか臆す事無く言葉の応酬をかます】
【翔子に促される様にバイクの側車に勢い良く乗り込み、どかっと座り込むのであった】

【ドラゴンの周囲を旋回するような動きに合わせて、両の手に握られた拳銃は、その銃口は】
【初めてドラゴンへと向けられるのであった。カイもその時を待ち望んでいた】

きゃッはははっ!こいつぁスリリングだッ!
おいガキ。おめえは運転に神経を向けてろ。
俵藤太の百足退治とは訳が違え。おめえがヘマこいた時はアタイも一緒だ。
あの撃墜された戦闘機と同じ運命は辿りたくはねえ。

【ドラゴンへと視線を向ける。荒地を走るバイクの振動に混ざるドラゴンの地響きも相まって】
【ガタガタと揺れる身体と銃口。けれど集中は欠ける事は無かった】

【ドラゴンの強者特有の余裕。かかってこいと言わんばかりの傲慢じみた意思表示】
【いいだろう。その余裕こいた態度を直ぐにでも取れなくしてやるよ】
【そう言わんばかりにカイの表情は引き締まり、頭は冷たく、心は熱くなる】

けっ、見ず知らずの奴といきなり一蓮托生なんざ嗤えねえジョークだがよ。
今はおめえが、いやおめえら"軍人"の力が必要不可欠だ。能力者であるアタイだけじゃどうにもならねえ。

だから今は、おめえの代わりにアタイがお前の銃になってやる。だから――


Show Dawnだ!――あのクソ畜生に天国までの片道切符をくれてやらァ!


【爆撃が始まると同時にカイの二丁拳銃からありったけの弾丸が放たれる。狙いはドラゴンの胴体から下半身】
【Heaven's RushとHell's Rushともに能力効果はBurst Impactであるため】
【前者の弾丸の効果は着弾時の衝撃発生。後者の弾丸の効果はマグナム程の威力を持っていた】

【零式を易々と撃墜出来るほどの相手に放たれたソレは計12発。果たしてドラゴンに効くのだろうか】


669 : ◆zuR4sSM1aA :2018/04/26(木) 01:59:28 0jLFl.bY0
>>634

【風下に移るときも、彼女の難しい視線を感じていた】
【円卓に属するはずの自身が、何故円卓を潰すというのであろうか──】
【という疑念なのであろう。しかし先程言ったことに間違いはなく】

【円卓という存在はこの一件が終われば間違いなく邪魔になる】
【機関からすれば公安の一組織という面で、彼女からすれば機関とつながっていという点で】
【凡そ中途半端な立ち位置であり、存続し続けても意味のない組織とは思っていて】


「それは分からないさ。じっくり時間をかけて溶かしていくのか、すぐにでも瓦解させるのか」
「──自分から瓦解することはないだろうな。奴ら、金だけは持ってるし」
「金はあれど、能力はない。自衛手段を持たない人間ばかりだから、殺すのも一つの手だ」


【白い煙を吐けば、湿った風に誘われるようにして表路地へと出ていく】
【これからの道筋といっても、これと決まったものはない。状況に応じて行動をするだけ】
【利権と自己防衛に拘る政治家達を、見逃すなんて真似はしない。必ず殺すともとれる言動であって────】


670 : ◆zuR4sSM1aA :2018/04/26(木) 02:00:11 0jLFl.bY0
>>634

【風下に移るときも、彼女の難しい視線を感じていた】
【円卓に属するはずの自身が、何故円卓を潰すというのであろうか──】
【という疑念なのであろう。しかし先程言ったことに間違いはなく】

【円卓という存在はこの一件が終われば間違いなく邪魔になる】
【機関からすれば公安の一組織という面で、彼女からすれば機関とつながっていという点で】
【凡そ中途半端な立ち位置であり、存続し続けても意味のない組織とは思っていて】


「それは分からないさ。じっくり時間をかけて溶かしていくのか、すぐにでも瓦解させるのか」
「──自分から瓦解することはないだろうな。奴ら、金だけは持ってるし」
「金はあれど、能力はない。自衛手段を持たない人間ばかりだから、殺すのも一つの手だ」


【白い煙を吐けば、湿った風に誘われるようにして表路地へと出ていく】
【これからの道筋といっても、これと決まったものはない。状況に応じて行動をするだけ】
【利権と自己防衛に拘る政治家達を、見逃すなんて真似はしない。必ず殺すともとれる言動であって────】


671 : ◆zuR4sSM1aA :2018/04/26(木) 02:12:57 0jLFl.bY0
【どこかの国の、どこかの路地裏──】
【夜間は著しく視界が悪くなり、街灯の明かりにも頼れない】
【そのために、自警団員は懐中電灯や光源を生成する能力等を用いて警邏しているのだが──】


『……?今、足音がしたような……』


【一人の自警団員が、懐中電灯を持って路地裏の先を照らす】
【深くの路地裏から、足音が聞こえる。ザリ、ザリといった砂利を踏み締めるような音】
【こんな時間にろくな人間がいるはずがないと──正義感から、そちらへと歩みを向けた】

【不思議なことに、その足音についていけば行くほど霧が濃くなっていく】
【じめついているとは言えども、こんなに濃い霧が──黒い霧ができるはずもない】
【さては、相手が能力者なのでは────と考えたときには、手遅れだった】


「よォ、さっきから俺のことを従けてたみたいだが──なにか用か?」


【右手には、漆黒の刃を持つ刀の柄が握られていた】
【胸ぐらを掴まれたのだが、どこに声の主である女がいるかわからない】
【そちらに懐中電灯を向け、顔を見ようとしたその瞬間だったか】


「何もねェのか……。従けてたのが運の尽きだったな」


【女が刀をすうっと引いたのに、男は霧で気づかない】
【戸惑っている内に、女はその刀で男の腹部を貫いた──】
【刹那、衝撃を伴う甲高い破裂音が路地裏に響く。彼の腹に、“風穴”を開けてしまった】


「ったく、俺の前に只の人間が姿を見せるな。殺しちまうだろうが」


【刀を一振りすれば、付着した血液が数滴空を舞って】
【ぱたたと彼の死体へ降り注ぐ。目は見開かれたまま、腹部に大きな穴を伴って倒れていた】
【その死体に目を向けることもなく、“依頼人”に指定された場所へと草履を鳴らして歩いていた】

【裏稼業──傭兵や暗殺者と言った部類で女はそこそこ名のある方だった】
【自警団員が12人纏めて殺害されたときなどは、辺りの建物を数棟崩壊させていて】
【何よりの特徴は、“死体に穴が開いていること”。故に風穴開けの異名を持っている】

【指定された場所に辿り着けば、右手に握った黒刀を崩壊させて】
【宙に浮かぶ下弦の月をぼんやりと眺めながら、辺りの空気に気を向けていた】


672 : ◆Heckemet8M :2018/04/26(木) 02:26:07 u1dxVMlM0
>>667

【地上に、零式の破片に混じって小さな黒い破片が少し落ちてくるだろうか】
【光の当たり方によって緑や青などの色も見せてくれるそれは、おそらくドラゴンの鱗の一部】
【本当に全く攻撃が通らない程の鱗を持っているわけではない、ひとまずはその証明になるかもしれない】

【投下される複数の爆弾。それによって齎された爆風はドラゴンを包み込む。】
【砕けたらしい鱗の破片が辺りに飛び散り、それはダメージを示すと同時に地上に対する攻撃にもなりうる】
【内部にあるだろう皮や肉はまだ露出せず、けれども明らかに嫌がっている。見えないが、内部にダメージが通ったのかもしれない】

【その爆風でカイの行動が見えなかったか、あるいは見えていたが回避が間に合う機動力ではなかったか】
【左側の胴体及び後脚に弾丸は命中。――そして、着弾時に発生した衝撃で繋がりが緩んだか、続くマグナム程の威力の弾が鱗を複数飛ばして】
【巨体と比較すれば少しの領域だが見えた、鱗と同色の皮が。――皮の強度は不明だが、少なくとも鱗よりは柔らかいと思われる】

【ドラゴンも黙って攻撃を受け続けはしない。翼を地面に勢いよく振り下ろして――2人に対する攻撃か、いや、それは全く狙っていない】
【そして一瞬姿勢を低くしたかと思えば、……大跳躍!】

【その巨体を利用し、零式を纏めて弾き飛ばすか、あるいは押しつぶすかを狙っているのである】
【どのような結果であれ、着地時には風圧と軽い地震が周囲に巻き起こるだろう】
【衝撃の緩和のためか、脚部の次に腹も地面に接して、前方向へそれで滑るような形となる。巻き込まれた街路樹がなぎ倒されて】

【この着地で地上の2人を攻撃するのも一応目的に入っているが】
【着地の方向の問題で、例えその場に留まっていたとしても"ドラゴン本体に潰されることは"おそらく無い。尻尾が少し危険かもしれない程度】
【また、着地時の衝撃、それと体勢の立て直しのため、ドラゴンの動きが少しの間止まる――反撃のチャンスとなり得るか】

【――そういえば、遠距離に対してはブレスやその他遠距離攻撃を使えば良い気もするのだが】
【このドラゴン、そのような行為は今のところ見せてこない。あえて言うならば投擲だろうか、その程度である】
【いざという時のために温存しているのか、それとも元から使えないのか。……それはまだ、わからない。】


673 : ◆Heckemet8M :2018/04/26(木) 02:26:35 u1dxVMlM0
>>672
//安価抜けました、>>668も追加で


674 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/26(木) 02:47:17 6.kk0qdE0
>>668>>672

「ガキじゃありません、櫻国海軍陸戦隊曹長、那須翔子です!」
「その言葉、そのままそっくり……」
「お返しします!!」

【ここで初めて少女は己の名を名乗った】
【女性の搭乗、それを確認するや否や急速でバイクを発進させる】
【零式の爆撃により、降り注ぐ鱗や破片は巧みに回避を試み】

「武器が必要だったら言ってくださいね!」

【女性の言う通り、こちらは運転とサポートに徹する】
【否、攻撃まで行う余裕が無い状態だ】

「やりました!!銃が効いてるみたいです!!」

【剥がれていく鱗】
【露出する皮膚】
【異能による銃撃が効果を成した様だ】
【鱗をよけつつ、適度な距離を保ち運転している】
【そして……】

「やったぞ!」
「爆撃は有効のようだ……効いている!!」

【上空の航空隊は爆撃の有効性に歓喜するも、それは一時の物だった】
【ドラゴンの次の一手、それは……】

「龍、次の攻撃きます!!」
「今度は……うわあああああああああッ!!」
「何だとッ!!全機衝撃範囲から離脱……うわあッ!?」

【巨体を利用した大跳躍】
【そして、それに伴って発生する衝撃波】
【これに操縦桿のバランスを取られ、さらに数機の零式が落とされることとなる】

「っく、止む負えない……赤城加賀航空隊、全機撤退!!」

【これを受け、壊滅状態となった航空隊は撤退を余儀なくされた】

「きゃああああッ!!」

【それは地上でも例外でなく】
【何とか転倒は阻止した物の、激しくバランスを崩すオートバイ】
【それは側車の女性にも、多大な影響が出るだろう】


675 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/26(木) 03:08:43 4pGR8cs60
>>652

【氷塊が手のひらの温度で溶けていくように、ズルズルに剥けていく少女の理性】
【痛ましかった、背負うべきでない傷を負って捲れていく度に】
【その姿を見れば見るほど、彼女の中に溜まっていく感情があって】

【揺らぐその真紅を誰も気づかない程に】


あは♪ その感じぃ、ひょっとして鈴ちゃんは後天的にニンゲンじゃなくなったタイプ?
そうだよね、きっとそう、そうじゃないとそんな反応しないもん
そんなさぁ、まるで自分はマトモみたいな反応

ほんとは分かってるでしょ、コドモの事なんて結局自己満足なんだってば
恵まれないコドモ達を救いたいだなんて夢物語
もう聞いてて耐えらんなかったよ、笑いこらえるので必死だし


【喉の奥が鳴った、嘲笑の音色は何処までも艶やかに】
【少女の心を煮詰めてもなお足りないぐらいに、どうしようかななんて嘯くほどに】
【縋り付く貴女を愛おしく撫でる、悪夢を見た妹をあやすみたいに】


よしよし、ここまで壊れずにいたのが立派なんだよね、鈴ちゃんえらいえらい
もう後は誰かに任せちゃお、嫌なこと苦しいことから、逃げ出して
ボクがいっぱい癒してあげる、鈴ちゃんを世界で一番大切にしてあげるから

ニンゲンなんて弱っちいの、全部全部捨ててしまおう


676 : ◆ROhV0jlpGg :2018/04/26(木) 06:21:21 qpY1SMsA0
>>589

【何事だろうか、声が聞こえる。穏やかな状況ではなさそうで】
【声の方向を探すまでもなく、人の視線を辿れば、その光景は飛び込んできた】

【言い争うは二人の男女。少女の出で立ちを見るに、放っておけば厄介な問題になりそうである】

【――――騒々しい。だが、目の前にある問題をそのままに、というのも、女の性には合わなかった】
【溜め息を一つ、歩む向きを変え、声のした方へと近付いていき】

……一体何を騒いでいる、お前たち。
法廷の目前で無用な諍いを起こすようであれば、捨てては置かんぞ。

【威圧するように、極めて高圧的な声色で告げる。碧の双眸は射竦めるが如く】
【それからただ静かに、指の先で眼鏡のブリッジを押し上げた】



/お待たせしました


677 : 名無しさん :2018/04/26(木) 07:42:45 4IFkENwo0
>>670

【――厳密には。機関と繋がっているから邪魔なのではない、世界の支配なんて望んだから、邪魔なのだ】
【機関と繋がっている"だけ"ならば、結局大企業とか、そういうのには割とあるだろう。表向きがどれだけきれいな言葉で飾られていようと】
【だからってそれを責め立てていたらきりがない――"だからって"それをいつまでも放置しておくつもりはないけれど、それって、きっと、今やるほど】
【緊急性のたかいことでもなくって。――誰にもそんな余裕がないだろう。なら、今まで通りだ。本当にそうかは、分からないけど――】

……あなたみたいな、ひとが。中に居るんだから、それで、潰すって言ってるんだから……それは"自分たち"からだよ。
わたしは、そうだって、思うけど――、今まで聞いた話だってね、もともと中に居たひとは……――くだらない、って、思うの。

お金と、権力と……あるけれど。それ以外のこと、なんにもできない。能力もなくって。偉いひとが集まってるだけだって。

【少女が聞いただけでも。円卓だなんて腐っちゃった世界に浮かぶ上澄みみたい、――そのうち捨てられるもの】
【偉いひとが集まったはいいけれど何かすることはできない、そんなことが出来るひとたちじゃない。唯一懸念するとしたなら】
【それこそ一番最初には居なかった、円卓側の六罪王。会ったことはない。その人物に好意を持っている人物と話をした――程度で、】

【――――結局。分かった。この集まりもそうだけど。円卓についてはいろんなひとが金を目当てにしている、だから、お金を取れるだけ取ったら、要らなくなる】
【ちょっとだけ可哀想だって思った、世界の実効支配なんて望んで――実際では"殺すのも一つの手"だなんて、言われちゃう。――自分も言った。きれいな顔なんてできないけど】


678 : 名無しさん :2018/04/26(木) 08:49:50 4IFkENwo0
>>675

【握りしめられる。もはや逃げ道だなんてなかった、何を掴まれているのかさえ理解できないままで、それなのに、何かがはぎとられていく】
【もはや異質でしかなかった、うんと大きな西瓜の皮がバナナの皮にすり替えられてしまったみたいに、うんと大きな晩白柚の皮が桃の皮になってしまったみたいに】
【その中身を護るにはあまりに適さない――それくらいに溶かされて、剥かれて、だのにそれでなお縋るほどに、疲弊している、使いきってしまっている】

――――  、やだ――、やだぁあぁ……、やめて。――ください、おねがい、もぅ、ゃだよお、
わたし、はっ――、わたしは、

【呼吸が不規則になる、身体はひどく震えて、じっとりと冷たい汗をかく。貧血を起こしたみたいに足元はふらふらおぼつかなくて、それが余計にいっそう相手に強く縋らせる】
【子供みたいにいやだいやだって首を振るたびに鈴の音がひどく不安定に震えて懇願する、そんなことを言うのはやめてほしいってお願いする、報われないけれど】
【それでも廃教会のステンドグラスに頭を垂れるように祈る、指先を絡めて組む代わりに相手の服をぎゅうと掴んで。まだここに居たいって泣きじゃくる、ここがいいって】
【人間の世界に紛れていたい。だって。人間だったのに。間違いだったのに。だけど間違いって言葉に魔法の力だなんてない、どれだけ間違いでも、砕け散った皿は戻らないなら】

【"あれ"からずっと。頑張っていた。と、思う、いろんなひとに会って。いろんな話をして。いろいろなことを考えたし、自分なりのこと、してきた、と】
【やっと見つけた。できること。やりたいこと。きっと何者にもなれないはずだった、――なれるかもしれないって。人間としては、もう、生きてはいけないけど】
【いつかそのことだってばれてしまうけど。大事なひと、みんな。いつか当たり前に死んでいくだろうけど――、それでも自分は、この場所で、何にも変わらないまま】

――――――――っ、

【頭を撫でられる――それで、最後の何かが崩れてしまう、音がした。本当に音はしなかったけれど、本当はそんな音、ほんの少しだって、しなかったのだけれど】
【きっとその瞬間に折れてしまった、って、相手には伝わるのだ。伝わってしまう、もうできない。もう頑張れない。いっぱい、頑張って】

【いっぱい頑張ったけど――それだって。結局。敵に対する弱みを増やしただけで。自分が頑張らずにいたなら。あの子たちだって、関係なかった。だって、救えないのに】
【救えもしないのに――時間を稼ぐくらいしか、できない。してあげられないのに。きっと自分たちも知らないまま、そうだって知らないまま、駒の一つに、人質にされて】
【――だから、って。頑張らなかったなら。誰もあの子たちのために頑張ってあげなかったから。あんな工場がまかり通る。でも。どっちがましなんだろう】

ぁ、うぁ――、――…………、

【あったことは変えられないのに。間違いだったって言葉一つが全部、全部、一番底を叩き割っていった、なら積み上げたものはぐらぐら揺らいで、だったなら、】
【相手のしたことなんてひどく簡単なこと、そのどこでもいいけれどぐらぐらするところを、つんっ、て、指先で小突いた。それだけ。本当に、それだけ、だったのだけど】
【崩れ落ちる、いろいろなもの。全部のこと、そのまま地面に散らばしてしまって。溶けてしまいたかった、劇物の中、抱きしめたぬいぐるみの中身が有刺鉄線だったとしても、】
【思い切り抱きしめたならずきずき刺さって二度と抜けなくなっちゃったとしても。今この瞬間なら、それも、いいなって――それで、一時、安らぐのを赦されるのなら】


679 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/26(木) 09:54:16 S/DUh6T.0
>>676

【焼け焦げたアスファルトに打ち水を一つ、加えたかの様に静謐が跳ねた】
【女性の声に視線を向ける二人、怜悧な眼差しに射止められるのだろう】
【数瞬の静寂、茶の湯に於ける間に似た、緊張感を持った瞬間であった】


”はん、弁護士様か何かかよ、だったら丁度良い──このガキが万引きをしたんだ”
”いくら言っても知らばっくれて、認めようとしねぇ”
”──何ならここで、身体検査しても、いいんだぜ”


【露天商の男が少女と女性を見比べて吐き捨てる、後半の言葉は嫌な音律を孕んでいて】
【指先に張り付く粘液に似た粘つき、下卑た視線が這いずり回るかのように】
【少女は怯えた目を向けた、ガキと呼ぶには些か大人びてはいるが──年の頃は16くらいか】


──、……何なん、久しぶりに本土来はったら、やれ『特区』やの『魔制法』やの
うちの知ってる本土はもうあらへんくて……こんなんばっかし
いつの間にこんな風にならはったん、昔はもっと、優しい人ばっかやったのに

うちは万引きなんて、ようしてはらへん、そりゃお金なんてあらへんけど
うちの父も母も、人さんの物盗んだらあかんて、散々言ってはったどす
──それ以上言わはるんやったら、うちにも考えがあらはります


【少女は悔しそうに唇の端を噛んだ。── 鈴蘭の様に清楚な首筋が傾いて】
【茶色の前髪が瞳の色合いを隠すと、嘆息して、纏う雰囲気を少し変えた】
【一触即発と言ったところか、女性の判断ひとつで、大きく変わる状況であった】


/いえいえ!


680 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/26(木) 10:07:35 S/DUh6T.0
>>678

【腕の中で震える貴女、捨てられた子猫が残された命の残滓を戦慄く様に──】
【其れは彼女の嗜虐心を擽った、確かめる様に強く抱き締めたなら愉悦に歪む表情は見せないように】
【柘榴がその身に潜む淫らさを悟られない様に、瀟洒な表皮を申し訳程度に羽織った】


頑張ったよ鈴ちゃんは、もう十分過ぎるほど頑張っちゃったんだよ
それはね、とっても偉いことなんだよ、たくさんのニンゲンが出来ないこともきっと出来たんだと思う
だからね、後はもう任せちゃって良いんじゃない? 鈴ちゃんだけが背負うのは可笑しいよ

目の下にクマが出来てるよ? 最近寝れてないんじゃない、美人さんが勿体無いし
もうこんなに痩せぎすだもん! スイーツでも食べに行こうよ、好きなだけクリームをかけてさ
肩もこってるね、毎晩遅くまでご苦労さま♪ 後はボクが心ゆくまで癒してあげるよ


【渇いた喉に雫が落ちていく様に、優しさだけを集めて絞った纐纈模様】
【耳元に吹きかける吐息は甘い甘い罪の香り、踏み込んだなら戻れない蜂蜜細工の網掛けの様で】
【それでいて何処か正しい様な、そんな音色を孕んでいた】


ねーね、ボクね、国を作りたいんだ♪ ニンゲン以外で出来た、ボク達だけの国
魔海なんてちっぽけな場所じゃなくて、この世界に大きな大きな城でも建てて
そしたらね、きっと楽しいよ── 悩みなんて、きっと無くなる

鈴ちゃんは今の生活が気に入ってるの? 寄って集って鈴ちゃんを虐めるニンゲンばかりの生活
ボクなら耐えきれないや、全部投げ捨てて新しい召し物を羽織って
心ゆくまで惰眠を貪るんだ、きっと、楽しいよ


681 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/26(木) 17:59:19 IBKicRNQ0
>>640
【亜人の姿こそが、彼女の本来の姿なのだろう。ならば、それを否定する理由はない】
【そも、盗賊どもとて異形なのだ。相手の姿にこだわることがないのは、この悪漢の数少ない美点と言えるだろうか】
【端末を雑に放り出す様子にも、頓着を見せることもない】


こういった話はシンプルな方が進みやすいからな。面倒は好きじゃあない

……アンケート、か。集計結果を何に使うかは、答えなければ教えてもらえないのだろうな
――――雑談程度に話すには、少々重い話題に思えるがな

さて、〝円卓〟か……

【考え込む様子を見せる。脳内では、すでに算盤が弾かれ始めてはいたが】
【これに関しては、すでに答えは決まっていた】

――――『黒幕』に比べれば、まだマシというだけで。私は、『円卓』も気に入らない
元より、彼奴等のような金持ちは、私の盗賊仕事の主なターゲットだ。向こうも私を良くは思っていないだろうがな

【異形の視線は観察するようなものに変わる。鈴音から、彼女が『円卓』に与するものであるとは聞いていた】
【ゆえに、これは将来的な敵対宣言ともなろうか。しかし、異形にはそれをこの場でごまかすつもりはなかった】


682 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/26(木) 19:27:10 MfG3a4us0
>>681

ぎゃは────────そりゃあ、そうだ


【円卓は気に入らない。カニバディールのその答えを、彼女は】
【さも当たり前かのように受け入れる。口元は愉快そうに弧を描いていた】


いや、それにしてもあんたすげぇな
あたしが円卓側に肩入れしてるっつぅの、鈴音から聞いてねぇのか?
あいつにはそのこと隠すなともなんとも言わなかったからな、知ってても知らなくてもおかしくはねぇんだが…………

…………もし知ってて今の答えを出した、っつぅんなら、あんた確かにすげぇわ
鈴音の言う通り────間違いなくあんたは“信頼できる”悪党だ
分かりやすく筋が通ってて、妙な見栄とか張ったりしねぇ
あんたみてぇなの、あたしは嫌いじゃあないぜ?

んで────大事なのはあたしがあんたを好きか嫌いかじゃなくってだな


【一度言葉を区切る。楽しそうな笑みは今も変わらず】


“円卓”にいるお偉方は確かに金は持っている。だがそれだけだ
連中は金を持ってるブタにすぎねぇ。しかも、きっちりお世話してやる必要のあるブタだ

んで────ここであんたに問題
六罪王にまでなっちまうような業突く張りな男が、だ
ブタのケツ拭き係をこれから先ずうっとやっていくと思うか?


【直接言及はしていないものの、“男”とはジルベールのことを言っているのだろう】
【彼とどのような関係か。そのことも彼女はまだ明かしていないが、悪い感情を抱いていないことは確かなのだ】
【────彼女の金色の目が、期待しているかのようにカニバディールを見ていた】
【まるで自分の一番の宝物でも自慢するかのような、そんな表情で】


683 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/26(木) 19:35:31 B7xGHGL20
>>653
【きっと、もっと私が大人だったらもっと正しい(正しいという表現は難しい)言葉をかけてあげれたんだろう】
【私にできることは私の思う正しさで、頭でっかちでひとりよがりで。あとは一般論でしか無い】
【きっと鈴音さんだって私の言うようなことはわかっているんだから。それなのに、そうできないから悩んでいて】
【理性と感情とぶつかり合って常に正しい選択ができないのは私の方だ】
【でも、私は私に対してもドライだったから。まだ、私も他人も置いてきぼりにできる】

…私に?―――特区の…中…

【私は鈴音さんが取り出したフラッシュメモリを受け取る。特区の中とはどういうことだろう】
【潜入した際のデータということは写真や動画なんかだろう。それならば私より適任が居る】

ありがとう。簡単に目を通してこれはゾーイに渡しておくわ。あのね、ゾーイが今度潜入するんですって。
もともと、“奴ら”と関係があるから、騙せるから適任だって。なんだか張り切ってたわ。ロボットなのにね

【フラッシュメモリを机の上に一回おいて、話は保留にしておく】

私は…今の研究は一段落しつつあるの。黒幕が使っている技術についての。
…だから次は、奴らを表に引っ張り出す。私が行けば、きっと出てくるから。

【そうして話の本題に徐々にハンドルを切ることにした。ソラリスとして埒を開ける役を私は考えていた】

【このチームは精鋭揃いだ。どんな強力な相手も倒せるだろう。しかし、いまだ倒すべき相手は闇の中。】
【他の人たちが行ったところで正直黒幕にしてみれば“取るにならない”邪魔者でしかない】
【自惚れるわけじゃないけど、彼らの望むものの上位にソラリスは居るはず】


684 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/26(木) 19:48:19 IBKicRNQ0
>>641
それはこちらも同じだ。一時的とはいえ、自警団員を腹の内にかくまって治療するなど、まったく悪い冗談だよ
ああ、そうするといい。必要なものがあれば、そこら辺にいる私の手下に頼めば用意する

【立ち上がる彼の背を見送る。厳島の口から洩れた彼の本名と思しき名、ディミーアの名は異形の脳内に焼き付く】
【一時の共闘者として。同時に、恐るべき敵として】

(『ソニア』を取り返そうとするものと、『カチューシャ』を護ろうとするもの……それが衝突するようなことになれば)
(こちらとしては、相当に面白いのだがな……特に彼奴は。ディミーアは、きっと派手にやり合ってくれるだろう。いい酒の肴になりそうだ)

【彼が通信を行ったことも、錠剤を服用したことも知らなくとも。彼の恐ろしさは察せずにはいられない】
【同時に、先の未来において。ソニアとカチューシャを巡る戦いの勃発を期待などして見せつつ】
【異形の盗賊もまた、ひそかな笑みを浮かべていた】

/遅ればせながら、こちらも締めです!! ありがとうございました!!


685 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/26(木) 19:52:35 IBKicRNQ0
>>643
わかった。その二社については、任せよう。こちらでも何か掴めば、連絡する
(カンナ……捕らえられた女とは、浅い仲ではなかったらしいな)

【その呟きを聞きつけながら、異形はそこには触れない。ただ、その関係性は記憶に焼き付ける】


……何度も言うが、礼には及ばん
生きて、『黒幕』を打ち倒すために動いてくれるなら、それで十分だ
それが終わった後は……改めて、殺し合おうじゃあないか

【皮肉っぽく笑って、戻っていく彼を見送る。いずれ来る、未来を見据えながら】

/こちらもこれにて締めさせていただきます!! ありがとうございました!!


686 : 名無しさん :2018/04/26(木) 20:04:10 Xn.UyTsY0
>>680

【がたがた震える――何も身体だけじゃない、心までが震えた、怖くて。何が怖いのかも、もう分からないけど】
【いろんなことが全部全部いっぺんにのしかかる、そうやって押しつぶされてひび割れてくしゃって平たくなった心に、優しげな言葉がしみ込んでいく】
【その意味合いが本当はどんなだって関係なかった。こんな気持ちでいるときに、嘘かもしれなくたって、頑張ったねって、偉いねって、頭を撫でられて】
【それを振り払っていくことなんて、できない。それができるような子ではなかった。本当はもっとずっと子供みたい、誰かにずっと愛されて、庇護されていたいのに】

【大人だから――って我慢する。大人にならなくちゃ――って我慢する。そうやって頑張れるのは全うに育った人間だけだって、知らないままで】
【どこかで躓いて歪んでしまったひとにはできない魔法だって知らないままで。目の前で両親が死んだ。引き取られた施設で長く虐待されて、だけど、憧れた】
【当たり前、普通、ありふれた、飽き飽きしちゃうような、平穏、平凡、突飛なことなんてなんにもない、一番の悩みごとってきっとしあさっての数学のテストくらいで、そんな】

【――叶わないって気づくのに、うんとかかった】
【気づいて――だけど受け入れるのにも、たくさん、たくさんの時間がかかった】
【いっぱいの傷を受けて泣きながらやっと一つ見つけた。かさぶたが剥がれるたびに痛む傷にまた泣いて、だけど、そのうち白い肌を見つけて】
【がんばれるって思った――】

――――――そぅしたら、隠さなくって、いいの? ばれちゃうかもしれないって――ずぅ、と、こわ、くて――、
だって。こんな、"ばけもの"――、みんな、嫌いだって、きもちわるいよ、――嫌い、きらい……、きもちわるくて……、死んじゃえば、いいのに――。
死んだら、いいのに、こんな……きもちわるいの――、きらい……、やだぁあ――もう、ゃだよぉ――、

【――思った、だけだった】

【ずうと震えて嫌だ嫌だって泣いているばっかりだった少女がふっと言葉を返した、相手の言葉に。きちんと意味のあるものを向けた、――でも】
【連なっていくのは、きっと、自分から自分への言葉たち。"みんな"っていうけれど、言っているのは自分で、それで傷つくのも自分で。なら手首を切るのと意味は似ている】
【だけれど手首の傷は放っておけばふさがっちゃうけど、自分の心を何度も何度も切っていくのはふさがることのない自傷行為、自分が嫌い。気持ち悪くて。死ねばいいって】
【こんな真っ白な肌も。痩せた身体も。片っぽずつで色の違う目も。真っ黒な髪も。嫌いだった。だから着飾る、そうやってきれいにしたら、少しは、安心して紛れ込んでいられた】

――――まちがいだなんて、ひどいよ、

【でもそんな武装だって敵わない現実があって――ぽつり、と、小さな声。それで今度こそちいちゃな子供みたいにわあわあ声を上げて泣いてしまう】
【錯乱したみたいに言葉はちぐはぐで無秩序で理解だなんてどこにもない、嫌だ、助けて、怖い、出来ない、お母さん、お父さん、――そんな単語が混ざっていた気はするけど】
【気のせいかもしれないし、本当だったかもしれないし、――相手にとってはどちらでもいいだろう。何かが擦り切れて破断した人間でもないモノ一つ、赤子みたいに泣くばかりで】
【それこそ"どう"したって――いいはずだった。身長こそわりに高いけれど痩せた身体はコツさえ知っていれば簡単に持ち上がる、どこにだって持っていけて、どうだって、してしまえた】


687 : 名無しさん :2018/04/26(木) 20:31:09 Xn.UyTsY0
>>683

――――――、ゾーイさんが、

【――そうやって聞けば、思い出す。そういえばロッソが何か言っていたなって思うのだ、いろんなことを聞いて――、ああ、でも、すぐに思い出せない】
【頭の容量はすでにいっぱいいっぱいで余裕がなくっていつだって処理が重たいようだった。だけどその中にまた新しい情報を入れていく、――整理するのは、後ででもできる】
【今できるのはきちんと相手の言葉を聞いておくこと。大事なものは渡した。後のことは分かるひとがやってくれる、――またぐずりと膿んだような傷が疼く】

……そうなんだ。……まだ、お話したこと、あんまり、ないから――。

【オーウェル社を乗っ取る。それで……とにかく。いろんなものを奪い取る、その前に特区にゾーイが出向いて、いろんなこと、やること、やらなきゃいけないこと、山積みで】
【その前に婦警をおびき出す、おびき出したり、なんだかいろいろをする、――ひどく眠たいときみたいに、泥酔したときみたいに、思考回路が茫洋とする、どこか揺蕩いそうに】
【それでも薄く笑う、ロボットなのに張り切ってるっていうのはよく分からなかった、まだ彼女――彼女?――の人となり――人?――を知らないからこそ、曖昧に】
【――ミラはゾーイと話しただろうか。お友達だって言っていたから。なんてことないことを話せばいいって思う、友達みたいに、普通に――どうでもいいくらい、普通のことを】

……………………駄目。

【逃げていこうとする思考を捕まえる、踏んづけてこの場に留める。尻尾を踏まれてギャアって悲鳴を上げる、――全部、そんな現実はないけど】
【とかく。少女が紡いだのはひどく断言するような。言い切るような。それはさせないっていうかのような。子供のわがままを認めない大人のような、冷たいもので】

……婦警が来るなら。能力を封じられるかもしれない、そしたら誰もあなたを護れない、
…………だから、――駄目、

【そのくせすぐに自分の言葉が言いすぎたって思うみたいに眉を顰めるのだ、連ねる理由は。そうやって相手を差し出す――ふりをした、ところで】
【少なくとも状況的に自分は居合わせる、と思う。カニバディールは――首だけでどうにかなるなら別だけど。頼りにはできない、メールの内容で言えば】
【その場に何人もが隠れていて――ということに、なるのだろうけど。それだって能力を封じられて十全の動きをできるのが何人いるか。自分は無理だ。だから】

【――断言するような強いものの言い方。だけど、視線がふらふら揺れていた。不安で仕方ないみたいに、あちらやこちらを往復する、眉をひそめたまま――声音まで、ひそやかにして】


688 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/26(木) 20:48:13 4pGR8cs60
>>686

【目の前の少女は、長く放置しすぎた傷口の様に思えた。──膿んだ傷口が化膿して、取り返しがつかなくなったよう】
【情人ならば耐えられない心の傷であった、耐えられてしまったことに彼女の不幸があるのだろう】
【──イルは嘆く、少女の不幸を、そうなってしまった現実を、可笑しそうに嘆く】


そぉんな風に思う必要も無いんだよ、鈴ちゃんが虐められる事も無くなるし
我慢してたもんね、今まで一杯、我慢させられてたもんね、これまで一杯
じゃあさ、もう十分じゃん、鈴ちゃんはもう十分、耐えたんだよ

嫌いなニンゲン、嫌いな世界、そんなものに付き合って自分が傷つく必要ないんだよ
優しい優しい鈴ちゃん、でもね、その優しさにアイツらは漬け込むんだ
だからね、優しさを狭めていけばいいんだよ、ボクにだけ、注いでくれたらいいよ

ボクは鈴ちゃんを裏切らないから、だって鈴ちゃんもボクもニンゲンじゃないから♪
あーんなどうしようも無い連中じゃないもん♪ 早く鈴ちゃんも書いてもらおうよ
鈴ちゃんが主役の物語、鈴ちゃんがどのようにして、世界を壊すかの物語


【唄うように少女は笑う、腕の中で泣く貴女を愛おしく撫でていって】
【後半の音律は違和感があるかもしれない、何かを隠しているような音色で】
【それをそうと悟られぬ様に、嘯くような音色で染めて】


ひどいよねっ、ほんとーにっ、マチガイだなんてどの口が言うのか
鈴ちゃんは優しいなぁ、ボクだったらマチガイなくマチガって殺しちゃうよ、そんな奴
でもさぁ、鈴ちゃんがいつまでも悲しむの、見たくないしぃ

ほんとにボクの仲間になりたかったらさ、この本を持っておくといいよ
『スナーク狩り』って本、これはねボクの物語なんだ♪
この本があったらどこに居ても、ボクは鈴ちゃんを迎えに行けるから


【皮表紙の薄い本、一旦抱きしめる手を離して、貴女の目の前に立つ】
【取り出した本はナンセンス詩であった、不条理な物語が乱立して】
【──その中で描かれるスナーク、正体不明の怪しい存在】

【真紅の瞳が笑った、こちら側に来るかと確かめる様に】


689 : ◆D2zUq282Mc :2018/04/26(木) 21:08:34 JY1GydDk0
>>672 >>674

【どうやらドラゴンは必ずしも無敵と言うわけではないらしい】
【それが証拠に爆撃はおろか、一個人の銃撃でさえ竜の鱗は剥がせるのだから】
【怪獣映画のワンシーンの様な爆撃と轟音。加えて剥がれ落ちる鱗は確かな手応えを感じさせる】


あっはははっ!いい具合に攻撃が通ってらぁな。いい気味だ。
流石に逆さ鱗に触れりゃあアタイらの様な羽虫でさえも無視できねえだろ?
テメエが如何にアタイらを小さい存在と見下していようがよォ。


【先程までの我が物顔で闊歩していたドラゴンの見せる不快の仕草】
【間違いなく攻撃は効いている。このまま銃撃や爆撃をお見舞いしてやれば】
【ドラゴンが地べたを這い蹲る光景を見る事が出来ると踏んで、カイは愉悦を隠さない】


那須っつったか。この調子でタマぁぶち込み続けりゃブチ殺せそうだが、火力はあるに越した事は無え。
おめえの持ってる武器、出来れば射撃武器をこっちに―――


【寄越してくれ。カイの口が〆の句を継ごうとした矢先の事】
【カイの両手に握られた拳銃の再装填を行っていた矢先の事】

【カイが目の当たりにするのは――大きく飛躍し零式や自分達に襲い掛かる巨躯の姿】

【巨躯たるものの質量で着地しようものなら、地響きが鳴り響くのは道理】
【そして音だけでなく、地面を伝ってカイと翔子に衝撃が襲い掛かるのも道理】

ぐっおおおおおおおおおおおおお―――ッッ!!!

【ドラゴンの着地した際の衝撃はカイ達にも牙を向き、それによってカイと翔子の駆るバイクも大きくバランスを崩す】
【そしてカイは激しい揺れによって、座席から放り出され、勢い良く地面にぶつかるのであった】

ぐっっァァァあああああああああああああああああああああッッ!!!
クソがッ!ィいでええええええええええええええぇぇぇええええッッ!!!

【咄嗟に両腕で頭を護っていたので、死には至らない。だが頭を庇った両腕は瓦礫や破片が食い込んだ事により】
【あちこち出血していただけでなく。衝突した際の衝撃によって全身に駆け巡る痛みにのたうち回るのであった】


690 : ◆Heckemet8M :2018/04/26(木) 21:29:35 u1dxVMlM0
>>674,689

【ようやく鬱陶しいハエがいなくなってスッキリしたのだろうか】
【独り言のような、小さな声量で上げられる唸り声】
【けれども、これで全てが終わったわけではない。地上にも、己に牙を剥ける者共がいるのだから】

【――着地の衝撃で一時の静かさを見せていたドラゴン】
【その首が後方にへと……向けられる範囲で向けられる】
【あちら側にも着地の衝撃が届いていたか、けれども"抗う意思はまだ消えていない"】

【ドラゴンは、その身体の方向をゆっくりと変え始める。――2人がよく見える方向にへと】
【横にあった建物に尻尾が当たり、それを瓦礫の山にへと変えて】
【次の攻撃が来る時は、近い。】


【さて――周囲にいた殆どの存在は避難したか、あるいは巻き込まれて命を落としたかの2択だろう。稀に避難しそびれて建物内等に取り残された存在もいるのだが】
【2人の後方に、それらとは異なる存在の気配を感じるかもしれない】
【その場で振り向いたとしてもその姿を見せることは今はない、おそらく物陰かどこかに隠れているのだろう】

【もしそれが応援に駆けつけた存在ならば隠れる必要なんてなく】
【けれども敵意を剥き出しにしているわけでもなく、怯えているわけでもなく】

【――あえて言うならば、強い"聖"のエネルギーを感じる程度だろうか。】


691 : 名無しさん :2018/04/26(木) 22:09:59 eQBfYAGE0
>>688

【――――きっと、もう、この少女はいろんな言葉を理解していなかった。周りが繁華街であることも分からなくなって、歩きゆく人間たちはもはや違う形に見える】
【あるいは人間という形を認識するだけの意識すら足りずにただ赤子のように喚くだけで精一杯、ちっぽけな世界の中で自分だけを護るのにすべてのリソースを使い果たして】
【だから。もうなんにも分からなかった、分からなくって、ただ――自分に幸せになってほしいって言って泣いた、大事な、大切なひとの、ことが、ちらりと過ったような】
【そんな気がしたけど。それももう分からなかった。――ううん、あのひとなら、きっと見つけてきてくれるって。迎えに来てくれるって。八百年待っててくれたから】

【あなたのために幸せになりたかったよ、って、思う。わたしが幸せになってみせたら笑ってくれると思った】
【それで自分を許してあげてほしかった。好きなひとにもう一回逢いたいって願っただけのひと】
【間違いだったって自分を責めて。存在さえも返上して助けようとしてくれたひと】
【全部のことを思いだしたよ――って言ったら、嬉しそうに、笑ってくれた】
【何百年も前から好きだから。覚えてないけど。とても嬉しかった】
【だから間違いだなんて言って自分を傷つけないでほしかった】
【幸せにはなれなかったけど。夢さえも叶わないけど】
【せめてあのひとだけは幸せになってほしいって】
【それを許さない世界なんて嫌いだって】
【間違ってない。間違えたのは】
【わたしたちじゃない】
【人間だって】
【だから】

――――――。

【視界の中で世界がじぐざぐに引き裂かれてどこまでも散らばっていった、宇宙の向こうまで立ち上って、地面の下まで崩れ落ちていった】
【真紅色だけが視界にあって、それがなんだったかはもう思い出せないけど。世界が全部糸くずになってぐるぐるになってめぐる、相手が離れた、その瞬間】
【少女はもはや一人で立つことさえ叶わなくなっていた、旧く黄ばんだテンションゴムが役に立たないキャストドールのよう、かくん、と、身体が崩れ落ちる刹那】
【おそらく生物としての反射――それこそ赤子の持つ原始反射のように手を伸ばす、極端に狭まった視野は相手しか見ていなかった。だけど、それでも、大事な蛇(ひと)がいる】
【――だけども、だけれども。少なくともこの瞬間少女は相手だけを求めた、もっと優しい言葉で蕩かしてほしいみたいに、ドラム缶の中、骨の欠片さえ残りたくないみたいに】

【それで――意識がなくなる。顔どころか服の襟までも涙でずぶぬれにして、冷や汗が髪の毛も洋服もじっとり濡らして身体に張り付ける、ひどく蒼褪めた身体は冷たくて】
【あどけない顔が悪夢にうなされるように眉を顰める――世界を遮断したって、なんにも変わらない。現実はそのままで、過去は固定されて、(――きっと、未来も?)】


692 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/26(木) 22:20:07 ABHv169.0
>>691

【すっかり意識を失くした鈴音をイルは両手で抱き抱える、よいしょっと軽く声を上げて】
【背中に生える一対の悪魔羽、チャイナドレスの背中から黒い一対が羽ばたいて】
【ふわりと空中に浮いたなら、そのまま旧市街を去っていく】


──あぁ、そっか、君も起きちゃったんだね
ほんとぉに、鈴ちゃんは悪い子♪ お姫様が気軽に出歩いちゃ駄目じゃない
眠ってた子が起きて、大惨事になっちゃうんだから


【途中 "工場" を見下ろした、耳を覆いたくなるような喧騒が、下では巻き起こっていた】
【それは宛ら災禍の坩堝、詰め込んだパンドラの匣から悪夢が漏れ出てしまったかの如く】
【多くの人々の悲鳴が聞こえた──その音色を背に】

【イルは飛び去っていく、夜に大きな人影が、ふわりと溶けて】



【──────】

【────】

【──】



ねーね、鈴ちゃん起きて起きて、いつまで寝てるのー
ボク朝ごはん作ったんだよ、ほらほら、冷めちゃうよ?


【気がつくと貴女はベッドに寝かされているだろう、清潔なシミひとつない真っ白なベッド】
【起こしに来るイルの姿、チャイナドレスを身にまとって、垂れた目尻をとろんと溶かして】
【声をかけたなら近くのテーブルを目で示す、簡単なモーニングセットが置いてある】


693 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/26(木) 22:21:33 6.kk0qdE0
>>689>>690

「解りました!では――」
「きゃあッ!」

【自分の持てる分の武器を手渡そうとした瞬間だった】
【強い衝撃と縦揺れ】
【そして……】

「だ、大丈夫ですか!?」

【投げ出される女性】
【破片か、残骸か】
【それに体をやられたためか、その場にのた打ち回る女性】
【直ぐに、近づきバイクをその場に止め、その身体を側車に戻そうとするも】

「な、ドラゴンが!?」

【ここで龍に動きが、向きを変え】
【そうまるで、此方を探すかのように……】
【だが、もう一つ、状況に変化が……】

「(これって!?)」

【強い魔力、それも聖属性のエネルギー】
【ドラゴンでは無い、つぶさに周囲を見渡す】
【だが、それにばかり気を取られて居る訳にもいかない】

「早く!早く!!」

【女性を介抱、何とか安全と言える側車に乗せようと】


694 : ◆D2zUq282Mc :2018/04/26(木) 22:41:54 JY1GydDk0
>>690 >>693

っぐぁ、ぁぁあああッッッ!!
ああああッッッ!!ぶっ殺す!ぶっ殺すッ!!ぶっ殺すッッ!!!

【駆け巡る激痛に顔を歪ませ、痛みを誤魔化す様に、自身を鼓舞する様に言葉を吐き捨てる】
【顔を上げれば、ドラゴンがこちらへと振り向き、のそのそと歩みを進めていた】

【頭の中が沸騰する。殺意で沸騰し滾り、血走る目が捉えたのはバイクに乗った翔子の姿】

るせェッ…んだよ。クソガキ。
ンな事言われなくても解ってるッってんだよッ!

【何時までも痛みにのたうち回っている場合でもない。故にカイはふらふらしながらも立ち上がり】
【駆けつけてきた翔子の助力で、カイは再度側車に乗る事となる】

――ヤロウ。スカッと爽やか気分爽快みてえなツラしやがってッ…!
万倍。いいや億倍にしてノシをつけて返してやるッ…!

【口走るのは呪詛の毒。血塗れの両手に握られた拳銃を落とさぬ様ぎゅっとグリップに力を込める】
【すると痛みが走り、苦悶の表情を浮かべるが。この痛みを糧に、折れそうな心を奮い立たせる】

【介抱され側車へと運ばれる折、奇妙な気配を感じた】
【だが、今はそれどころではない。奇妙な気配の主が現れたらその時はその時だ】
【そんな割り切りをして、視線は、専心は、銃口は今一度ドラゴンへと向けられるのだった】


695 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/26(木) 22:44:59 WMHqDivw0
【――――路地裏】
【この場所が血腥いのはもはや普通のことでもあったけど、今日ばかりは】
【その臭いがきつくてきつくて仕方ない。そればかりか、ヒトの呻き声も聞こえてくる】
【嗅覚と聴覚をダブルで脅かす、その源のほうへ歩いて行ったなら――ひとつの「バケモノ」と対面するだろう】

【大きなワニ、みたいな、トカゲみたいな。よくわからない爬虫類っぽいフォルム】
【だけど目玉が5つもついていた。前方に3つ、左右にそれぞれ一つずつ】
【それに加えて額からはツノが一本、尻尾の先には剣じみて鋭い、硬そうな鱗がびっしり】
【……あきらかに、この世の「自然」には存在し得ないイキモノだった。それが、地を這っていて】


「…………う、うぁあ、助けてくれぇ……」


【じりじり。かすかに口を開けながら、壁際に追い詰められた人に寄っていこうとしているのだ】
【おそらく捕って喰おうとしている。よく見れば、すでに食い散らかされたヒトも何人か】
【何もなければこのまんま、この不自然なバケモノは当たり前のようにヒトを喰う。それから】
【「これじゃ足りない」と言わんばかりに、表通りの方へ移動し始めることだろう】
【止めるなら今。今しかない、果たして誰か、来てくれるものだろうか――――】

//御予約で〜す


696 : 名無しさん :2018/04/26(木) 22:47:00 eQBfYAGE0
>>692

【それから少女はひどく長く眠っていた。もしかしたら何日かもしれないし、それとも、十九と半分時間くらい、なんて、ものかもしれない】
【とにかく。ありふれた人類からしたらよっぽど長い時間を眠って過ごした、ぱちぱちって魔力のはじける音と一緒に。――紫色の魔力がはじけていた、二酸化炭素の飴玉みたく】
【相手に魔術の心得があれば分かるだろう。眠りを深く保ち安定させるための魔術。つまり安眠させるための魔術。――こういう補佐がないともはや眠れない、のかもしれなかった】

――――……。

【起こされた少女はひどく不快であると表明するみたいにあどけない顔をゆがめた、色違いのまなざしが移ろって、まだ眠たいって、抗議する】
【頭の中はひどく空っぽだった。記憶がない、とかじゃなくて。考えるための力が全部なくなってしまったみたいに。考えても形を成さないから、考えてないのと同じで】
【世界で一番安全な場所で眠る胎児のように――あるいはとぐろ巻く蛇のように丸めていた身体をほどく、頭を一緒に視線も、ぼうっと、持ち上がる】

縺、縺ゅ?――、――――、縺ュ繧?縺溘>、

【ひどく不快な音であった。鈴の音の持つ涼やかさを反転させてごちゃごちゃにこね回して原形がなくなるまで加工したみたい、プリクラだなんてひどく原形に忠実で涙が出るほど】
【「――ああ」と呟いて、眼をこする。ようやく少しだけ思考が戻って来る。ねむたい――、もう一度呟いた、今度は、相手にも理解できる言語であるはず、ぼやっとした鈴の音】
【知らない匂いがする、でも、不快じゃない。仕事場の仮眠用のベッドなんかよりもずっと心地よくて、このまま誰かに抱かれてもいいと思った、それがここで眠るための条件なら】

ごはん…………。

【ぼおっとした声がなぞる――ちょっと物事を理解してしゃべる動物みたいだった、それくらいに考え事を放棄している、ここがどこで、何がどうなったのか、とか】
【たくさん眠ること。たくさん食べること。インプットされている、それが、生きる方法だって。そうじゃないと――駄目になるって。だから、思考を放棄した今なら、今こそ】
【あんまりに素直に食べたい――って、手を伸ばす。近くのテーブルはあんまりに遠くって、それなら――まっかな口のひなどりよりも消極的に、おねだりするみたいに】


697 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/26(木) 22:58:05 ABHv169.0
>>696

【イルは少女から零れる不愉快な音律に眉を顰めた。──コンサート会場で聞く不協和音の如く不可解な意味合いで】
【漸く調子を取り戻してきたなら、よしよし、と口元で転がす──何しろ寝ている間も色々と大変だったから】
【おはよう、お姫様なんて口ずさみながらカランコロンとテーブルを引いて、近くに寄せるだろう】


はーいっ、ボクが早起きして作ったんだもん、心して食べてね
パンと牛乳、それとハムと卵、ニンゲンは嫌いだけどニンゲンのお陰で美味しいご飯が食べれるんだもん
あ、寝起きの鈴ちゃんはぽかぽかさんだもんね、しょうがないなぁ

はい、あーん、よく噛んで食べてね、好き嫌いもせずに食べなきゃいけないよ
鈴ちゃん痩せぎすだもん、きゅうって抱きしめたら壊れちゃうしっ
夜伽の時だってボク、いっつも気を使ってるんだよ、知ってた?


【軽く嘯きながらパンを小さくちぎって、口元に持っていく】
【水仙のような指先が貴女の唇に触れて、軽く咀嚼される音を耳に残す】
【指先についた貴女の唾液を軽く舐る、間接よりも深い接吻の如く】


ね、美味しくできたかな? ボクはなんでも作れるよ、鈴ちゃんの為なら何だって作るし
手の込んだ料理だって大丈夫、鈴ちゃんが食べたいものなら練習もするし、勉強もする
いっぱい我儘を受けてきたもんね、いっぱい我儘を言っていいんだよ

ほら、採れたてのハムもあるし、食べてみる、ついさっき採れたんだ
新鮮なハムだもん、さっと油を敷いて焼くだけで十分なんだ
おいしそーでしょ?


【フォークで無造作に刺して、鈴音に差し出すだろう──普通のハムとは、微妙に雰囲気が違う】
【採れたてのハムとは一体何であろうか、言葉の奥にトゲが残る】


698 : ◆qijkYF5k5g :2018/04/26(木) 23:00:35 5w/a9BZQ0
>>695

ふう、いろいろ買ってたらすっかり遅くなっちゃった
確かこっち、こっちから帰れば近道だったよね……

【自分の記憶を確認するように、つぶやきながら少女が一人】
【路地裏をてくてくと歩いていた】
【身長は155cm程度――空色の瞳に、白みがかった金髪を真ん中で分けた短めのツインテール】
【服装は黒い半袖のブラウスに白いショートパンツ、肩から小さなショルダーバッグを掛け】
【両手には、どこぞの百貨店やらスーパーやらの紙袋やビニール袋を大量に下げていた】

……!?うぇ?なになに?

【不意に、血生臭いと呻き声に気づき】
【そちらの方へ歩いてみれば――目の前に想像を絶する光景が飛び込んできた】

えっ?えっ!?

【襲われている人と、人の死体らしきもの、そして謎のバケモノ】

なにあれ……モンスター……?
あっ……大丈夫かなあの人……

ねー!どうしたのー!この生き物何ー!?

【とりあえず、襲われそうな人に大声で呼びかけてみた】
【恐怖や正義感よりも、好奇心が勝ったらしい】


699 : ◆Heckemet8M :2018/04/26(木) 23:00:38 u1dxVMlM0
>>693,694

【向けられる意思に答えるかのごとく、そのドラゴンは動き始めた】
【地面に向けて勢いよく振り下ろされる翼。地面に生まれるは2つのクレーター】
【ちょうど下にあったらしい水道管が破裂し、辺りに水をばら撒く】
【当然、ドラゴンもその餌食にはなっている。上半身が濡れるが……殆ど意に介していない。若干視界が悪くなった程度の感覚だ】

【そして、そのクレーターを更に抉るかのように、翼が動いて――】
【――敷かれていたアスファルトが強引に剥がされる。】

【ドラゴンはそのまま下から力を加え、剥がされたそれを2人のいる方向に向けて投げ飛ばす】
【地面か何かに衝突すれば、その衝撃で砕け瓦礫の一部にへと変化するだろう】
【同時に砂煙が巻き起こり、しかしドラゴンの周囲のものは水分によってすぐにかき消されて】

【――先程の気配の主は、特に動きを見せることはない。】
【けれども、消えることもなく。】


700 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/26(木) 23:07:40 6.kk0qdE0
>>694>>699

「だから、クソガキじゃありませんってッ!!」

【元気よく、とはいかないが】
【それだけ呪詛と憎まれ口を叩ければ十分だと、カイの搭乗を確認】
【スロットルを捻り、一気にその場を離れる】
【やがて……】

「っくうッ!!」

【地面が穿たれ、そして水道管だろうか?】
【それが破裂し、周囲に雨を降らす】
【バイクも、身体もずぶりと濡れるも、構っている余裕はない】

「貴女、これは使えますか?」

【運転しながらカイに、擲弾筒を渡す】
【100式擲弾筒、一回りは大きいが竹製の水鉄砲の様な形状】
【個人携行のグレネードランチャーだ】

「――ッ!!??」
「掴まってて下さいね!!」

【急旋回、急加速】
【背後から飛び来る、そのアスファルトの一部を】
【何とか躱そうと試みる】
【気配には、気を配れる余裕はない……】


701 : ◆zuR4sSM1aA :2018/04/26(木) 23:21:58 0jLFl.bY0
>>677

「──言われればそうだな、“一時的でも”所属した人間が壊すんだから」
「金と権力だけ持った、力を持たない無能共だ。“黒幕”の人員とは大違いだな」


【円卓は金と権力だけを握った、“見た目だけは”とても大きな存在】
【でも、内部崩壊には耐性がない。構成している人員を一人ひとり殺してまわれば】
【いつの間にか、金だけ此方に渡って権力もどこかへすっ飛んでいってしまう】


「……──それなら、もともと“円卓”にいた人間の一覧が要るな」


【もしも一人ひとり殺して回るのならば、そのメンバーを記したリストが必要である】
【いくら抵抗が出来ないといえども、その身を隠すことが出来ないわけではない】
【故に構成員すべてを記したリストが必要だと──そう零した。特に意識したわけでもなく



702 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/26(木) 23:27:48 WMHqDivw0
>>698

【足音が聞こえた。誰か来てくれた。助かった、とその人は思ったのだろう】
【おおいこっちだ、と声を張り上げて――すぐにその表情を歪める】
【なにせ、目に入った人影が、あどけない少女のものだったから】

「だ、駄目だお嬢ちゃん、早く逃げろ――――っ、――――ッ!!」

【駆けられた声に返すのはきちんとした返答ではなくて、ただひたすら】
【この化物から逃げろ、と。それだけ口にして、それが最期になった】
【化物が、少女の方に振り向いたのだ。それで鋭い鱗の生え揃う尻尾が振りかぶられて】
【ざん、という音と共にその人の胴を切り裂いて――おしまい。血腥いのが一段強まった】


――――――、――――――rrrrr、


【ずるりと音を立てて頽れる人だったものを、化物はもう眼中に入れていない】
【新しく見つけた獲物、みずみずしい少女――そっちのほうが「旨そう」だと判断したのか】
【喉を鳴らして其方を見る。標的にされたのだとすぐにわかるくらい、5つの目がぎらぎら煌めいていた】


703 : 名無しさん :2018/04/26(木) 23:29:28 eQBfYAGE0
>>697

【近くに寄せられた机――それを少女は見やることもない。口元にパンの欠片が添えられても、反応は鈍く。数度ふわふわのパンで唇を小突いて、やっと、開けられる】
【それでゆっくりと頬張って――食事の時間だって認識したみたいに、また、あーん、って、口を開けるのだ。もう一度パンを放り込んでやれば、あどけなく笑う】
【食事は好きだ。眠るのも好き。うんと食べて、うんと眠る。良い子だってこんなふうにしないよってくらい。だから彼女はいい子だった、どうしようもないくらいの"良い子"】
【だからよしよしって撫でてあげると嬉しそうにする。きっとイルは知っていた、だって、いろんなこと。知っているのだから――】

――――――しらない。

【微睡んだままで答える、ぺこりって頭垂れたあとのおじぎそうみたいにやる気がない、唇に何かが触れたら食べる、けだるげに眼を閉ざして、身じろぎする】
【きっと相手の用意した服を着ていた。掛け布団はあんまり重たくないのが好き。タオル地とか毛布みたいなのは好きだけど、あんまりにふわふわってしたのは、好きじゃない】
【そんなお布団の中でくしゃっと足を動かす、ひどく華奢で折れてしまいそうな足がしわを動かす、――また眠ってしまいそうに言葉が途切れる、ふつ――と、吐息が安らぐ】

――ん、んん、ぅ……、……あー、ああ、

【それを遮られたならくしゃくしゃって髪が鳴く、むずがって顔を枕に埋めるようにして――、その口元にハムをやられれば、一瞬の間のあとに、また食べる】
【それでも顔を枕に埋めるようにしてしまった後なら、食べさせづらいだろう。真っ白なシーツにぽたり、って、滴る。採れたてのハムの脂とか、あるいは、味付けのお醤油とか】
【むぐと咀嚼する、――ちらとわずかに開かれる眼は何か疑問を覚えたみたいだった。お料理は得意だったから、考えるより前に、違和感が訪う――ああ、でも、】

【――少女はずっと目を閉じていた。眠りと覚醒のはざまで、最低限の知性で、生きていた。それで傷ついた存在を癒していた。なにもかもを相手に依存して、依存しきって】
【いったん全部を停止してしまって治癒に回す。そういう器用なことが出来るのも人間じゃないから、かもしれなかった。――気持ち悪いって、嫌だって、死んじゃえって願っても】
【蛇の呪いは決して彼女を逃がさない――逃げられない。人外に愛されるってきっとそういうことだった。人間の理の外側に生きるから、人外――そういう、存在に魅入られて】


704 : ◆D2zUq282Mc :2018/04/26(木) 23:31:35 JY1GydDk0
>>699 >>700

【バイクの側車に搭乗したカイに手渡されたのは、個人携行のグレネードランチャー】
【自身の持つ武器の火力を上回るそれを――今は使わない。決定打として取っておく】

はっ…もっと気の利いたモンは用意できなかったのか。
バケモン退治にはロケットランチャーってのがお約束だろう?

でも、まあ――無い物強請りなんざ出来る状況じゃねえからこれで我慢してやるよ。

【破裂した水道管から噴出する水は、バイクもカイ達をも無差別に濡らす】
【その水は妙に心地よく、沸騰した頭を冷ますのにはもってこいだったようで】
【カイは冷静さを取り戻しつつあった。それだけでなくドラゴンの周囲の砂煙も消え、視界が晴れていた】

よぉ、デカブツ。水浴びは楽しいか?
それに後ろでコソコソ隠れて見てる見知らぬヤロウ。

これからだぜ?アタイらの戦いのゴングは何度でも鳴り響くんだ。
――アタイらが戦う事を止めねえ限りなぁッ!

【震える指先で拳銃のトリガーを二、三度引いて。二丁の拳銃から銃弾が放たれる】
【再装填された弾丸の効果は、貫通能力に特化したHeaven's Rayと】
【先程と変わらぬマグナム程の威力の弾丸Burst Impactであったため、先程と変わらぬ効果を見込めると思った】

【放たれた銃弾の狙いはとてもではないがいい加減で。けれど貫通能力を持った弾丸であれば
 当たりされすれば、ドラゴンにとって脅威になりうるかもしれない】


705 : ◆qijkYF5k5g :2018/04/26(木) 23:42:37 5w/a9BZQ0
>>702

【その人と目が合った】
【こちらを見て「逃げろ」と言って、息絶えた】

……ぇ

【目の前で人間の命が、今まさに終わった】
【少女は固まる。こうもあっさりと、人は死んでしまうのか】
【理解が頭に追いついていなかった】
【だが、本能的に――】
【目の前のモノを、敵と認識する】

やったな……

【両手から、持っていた袋がドサドサと地面に落ち】
【ショルダーバッグにごそごそと手を入れ、取り出したのは――拳銃】
【両手で構え、狙いを定め、5つの目を見据え、言った】

……動くな

【言葉が通じるかはわからないが、はっきりと少女の意志がこもっていた】


706 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/26(木) 23:44:09 ABHv169.0
>>703

【可愛らしい笑みであった、あどけない表情はお人形さんの様に整っていて】
【それを見てイルは嬉しくなる、もっかいぎゅーして、なでなでして】
【扉の奥の秘密の花園、眠る姫の寝顔は私しか知らないから】


鈴ちゃんかぁいい♪ ねーね、ボクがお洋服着せてあげたんだよ?
可愛い可愛いベビードールっ、レースのいっぱいついたお気に入りのお洋服
鈴ちゃんは嫌いなんだよね、自分の素肌が外に出る服、ボクは何だって知ってるから

でもね、ここにはボクしかいなくて、ボクはそんな鈴ちゃんが大好きだから
だからね心配しなくていいよ、ここなら鈴ちゃんが好きな服を何でも着れるんだ
えへへ、二人で見せ合いっこもできるね、互いを互いを着せ替えもできそう♪

そうだ、ウィッグも買ってきてさ、そして一杯一杯写真を撮ろーよ♪
夜になったらね、じっくりねっとり互いの体温を確かめてさ
それでお昼までぐーっすり、泥のように眠るの


【言葉の通り今の鈴音は上等な材質のベビードールに身を包んでいるだろう、零れるフリルが貴女の可愛らしさを強調して】
【細い手足も合わせて本当にお人形さんみたい、舶来品の、とびきり上等な一品】
【それに対する彼女は、歪んだ欲望の詰まったフィギュアの様、コントラストが美しい、から】


ふふっ、最初はボクが男の番ね、鈴ちゃんの弱点一杯知ってるんだから♪
ボクの指先で可愛い声を漏らすの、それを聞く度にうずうずしちゃうから
玩具も道具も思いのまま、快楽を貪るのに躊躇は必要なくて

その後はボクが女の番、うまく出来るかなぁ、鈴ちゃん優しいから激しい責めできないんじゃないか、って
ボクは優しいのじゃ満足出来ない身体だから、縛って打って嬲って、それが正常
大丈夫だよ、一からちゃんと、ボクが教えてあげるから

ほうら、もう思い出せないでしょ、何があって、何をしていたのかなんて
生きるのに理由なんて必要ないの、大切なのは楽しいことと、嬉しいこと、と
あとはちょっとの快楽で、ボク達の世界はできるんだ


【貴女の後ろに回って、両腕を絡める、自身の腕を溶かすように貴女に抱き着いて】
【何処までもイルはやさしく、病魔はしとりと、侵食していく】


707 : 名無しさん :2018/04/26(木) 23:51:47 eQBfYAGE0
>>701

【まあ問題があるとすれば――相手が下手に権力を持っていたりするから、多少なりとも面倒くさいってことくらい、だろうか】
【SPもボディーガードもしょせん人間だから目当てとおんなじ方法でも殺せるけれど。そうなって危機感を与えた後なら、それでも金はいくらでもある】
【対能力者に特化した――あるいは傭兵のようなものを生業にする能力者を雇われたりしたら、それは手間だ。ゆえに必要なのは危機感を感じさせることなく、速やかに】

――――――――……。

【――これは対黒幕の事柄ではない。それより未来に存在するだろう対円卓の事柄であり、ただ、状況によっては並行する可能性もある】
【円卓はそれを探しているだろう。黒幕と円卓は対立していて、基本的には敵同士であると見ていい――はず。ならばこれは、かえって、円卓に貸しを作るにも等しい】
【この借りを円卓はきちんと返してくるだろうか。それを考える、円卓にはミラがいる。貸したものは返すって分かっているんじゃないか。――金についてそれを求めるのなら】
【情報とかだって、おんなじだろう。借りたら返す。お金を返すみたいに簡単じゃないかもしれないけれど――】

……誰が持っているかは、知らない。だけど――どのへんにあるかは、知っているよ。
だけど――その代わりにね、あなたたちはわたしたちに何をくれる? わたしたちは円卓からお金を借りているけど――、いつかね、返すよ。

それとおんなじなの、わたしが教えてあげること、円卓(あなたたち)はね、何で返してくれるの?

【――――わずかに、踏み込む。その対価に何をもらえるのかしらって欲張りに尋ねる、表情は少し強気に、求めるものをくれないなら、その情報も隠しちゃうって、言うみたいに】
【けれどすでに指輪だとかで、借りていた。――だけど。それ以上の価値があるでしょう? 知りたいでしょう? ――そんな風に、笑うのだ。狡猾に。意地悪な蛇みたいに】


708 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/26(木) 23:54:01 WMHqDivw0
>>705

【動くなと言われて動かないでいるほどの知性は、この化物にはなかったらしい】
【けれども、少女がはっきりと示す意志――敵意には、きっちり反応して】


――――――Arrrrrrrrrrr――――ッッ!!!


【吠えた。大きな口を、大きく開けて。それに比例した大きな大きな啼き声を発する】
【攻撃のためではない。威嚇。少女の鼓膜をびりびり揺らして、ちょっと痛くさせるくらいの音量】
【だけどいきなりそうされるものだから、びっくりするくらいはしてしまう、だろうか】

【――ただ、口を開けてからそうするまでに数秒の猶予があったので、その間に】
【その口に銃弾を叩きこんだり、あるいは耳を塞いだりもできるだろう】

【吠えたあと、化物は動き出す。鋭い爪の生えた四足を蠢かせて、一直線に少女の元へ】
【突進せんばかりの勢いで――その間、「ばちばち」と何かの弾ける音が聞こえてくる】
【見れば、額から生えている角に、青白い稲妻が走っているのがわかる。帯電しているのだ】
【きっと近付けば、そのばちばち弾ける角で、少女の身体をつっつこうとするだろう】
【受けるのはきっと危険。けれど動きは直線的、対処はいくらでも取れるはず――】


709 : 名無しさん :2018/04/26(木) 23:58:46 XqQAhkbc0
【路地裏】

【日もすっかり沈み、ただでさえ日の届きにくいこの一角が明かり一つない暗がりとなり、悪意を持った住人がうごめく時間帯となっている】
【そんな中、路地裏の開けた場所にて、大きな物音がしていた】

【人間を殴りつけたような肉を打つ音、壁に激突した鈍い音、そしてパリン!とセトモノかなにかが割れたような音も鳴り響く】
【叩きつけられたのは、黒いコートに帽子、そして叩き折られ使い物にならなくなったライフルを持った男―――その腕には≪No.91≫と刻印された金具が付いている】

【武器を失い、息も絶え絶えな男に、殴った相手の人物は追い打ちをかけるように胸倉をひっつかみ、力任せに壁に叩きつけてくる】


「ナンバーズ相手に、逃げもしないどころか……一方的に殴り倒してきやがるとは……
おまえ、やっぱりカタギじゃねえな……ガキみてぇな顔してるくせによ……!」

おいおいひどいじゃないの、ちょっと刑務所でオツトメしてただけなのにすっかりぼくは忘れられてるって事?
……いや、思い返しても見ればぼく自身はあんまり君たちナンバーズ倒してないかも。……じゃあ、しっかり君たちを倒してるって
証拠をしっかり集めさせてもらおうかな?


【殴りつけてきたのは黒い短髪に真っ白な鉢巻き、黒と白の太極図がプリントされた白いシャツ、その上から赤色のベスト】
【手元に銀の腕時計、青いダメージジーンズにウエスタンブーツの、どこか幼い顔立ちの若者だった】

【だが、その服装にはカノッサ機関員なら頻繁に見慣れた物がくっついている事がわかる】
【ベストの左腰には≪No.78≫と書かれたプレートが付いており、シャツの左肩には≪No,34≫と書かれたバッジ】
【そして、ジーンズには引きちぎられたような布が縫い付けられ、そこには≪No.59≫と書かれていた……そして、その全てに血痕が付着している】

【彼は品定めするように、相手の男の腕についた金具に目を通しながら呟き始めるだろう】


ま、本格的に呼ばれる前のウォーミングアップにはなったかな?大した情報は手に入らなかったけどねー
それじゃあ今日も戦利品をいただいておこうか?……おやまあ、No,91?ぼく90番台のナンバー初めて見たかもしれないな
そんな低いナンバーあんまり尊敬されないんじゃないの?……ま、それでもかまわないよ

―――おばあちゃんは言ってた。『魅力は千差万別。この世の全てに短所がある代わり必ず長所も存在する』ってね


【そう言い捨てるなり、その若者はもう片方の手で男の腕のナンバーをひっつかむと、ブチリ!と力任せに容赦なく引きちぎる】
【そして、手慣れた様子でポケットにしまうだろう……はた目から見てると、この若者のほうが容赦なく暴行を働いているようにしか見えない】


710 : ◆Heckemet8M :2018/04/27(金) 00:04:13 u1dxVMlM0
>>700 >>704

【いい加減な狙いでも問題なく、その巨体に銃弾が命中】
【着弾位置は背中と右の翼だろうか、ドラゴンがそのダメージに声を上げて】
【投擲攻撃を行っていた翼の内の片方に少なくないダメージを与えられたのは、今後の展開を有利にしてくれるだろうか】

【――銃弾によって貫かれた鱗が砕け、自身が開けた道路の穴にへと流れていく】
【そして、そのまま体内を経由し貫通、銃弾はドラゴンの向こう側にへと落ちる】
【風穴から流れる血液が、周囲の水に色を付けていって――】

【もしかすれば、予想よりも強い効果を発揮したと感じるかもしれないし】
【あるいは、ただ単に当たりどころが良かっただけなのかもしれないし】


【――ドラゴンの脚が動きを見せる】
【一歩、また一歩、地面を踏みしめ、前にへと進んでいって】
【……突進だ、2人に向けて突進してきているのである!】
【歩いている時ですら建物を物ともせず歩みを進めていたとなれば――】

【ご丁寧に自分で開けた穴は回避しつつ、2人に向けて行われる突進】
【おそらくは、2人が正面からいなくなればブレーキを掛けてその勢いのまま方向転換を試みる】
【が、折り返して突進してくることはない。バランスを崩し、転倒こそしないものの体勢を立て直す行為に時間を取られるのだ】

【その際、下半身でなぎ倒した建物が自身のその上に積もる。】
【特に動きを阻害したりはしないため、むしろ下半身側が狙いにくくなることになるかもしれない】

【正面のある程度の範囲にいる限りは延々と突進を続けてくるため、回避するとしたら横か上か】
【かなりリスキーな選択肢になるが、股下を潜って避けるという手段もなくはない。その場合は風圧や振動もネックになるだろう】
【それとも他の手段か――】


711 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/27(金) 00:15:35 6.kk0qdE0
>>704>>710

「十分気は効いてると思いますよって言いたい所なんですけどッ」
「本当なら戦車位は欲しいですよねッ!」

【右に左に】
【さながら軍艦の之字運動の様に】
【巧みに運転し、破片や衝撃に備える】
【ドラゴンに再びのダメージ、やはり銃撃は良く狙えば効果はある様だ】
【カイと翔子の連携での攻撃こそ、鍵となるのだろう】
【だがここで、ドラゴンに動きが】

「――ッ!?」
「突進きます!!掴まっててッ!!」

【ハンドルを体重を横に動かし】
【急旋回、突進の正面の射線軸から外れようと試みる】
【そして、埒が明かないと判断した為か】
【術式構成を開始……次発にて能力を行使する準備だ】


712 : 名無しさん :2018/04/27(金) 00:18:31 eQBfYAGE0
>>706

【生まれたての赤子が意識もせず笑うのに似ていた。あまりにあどけなくって無垢にはにかむ、それが愛される生き物だって、知っているみたいに】
【抱きしめられたなら素敵な香りがする。きっと相手とおんなじだった、ふわふわ泡立つボディーソープの香り。だけど、お風呂に浸かるのは、うんと嫌いで】
【水嫌いの子猫みたいにぴゃあぴゃあ泣いてしまうからやめた方がいいみたい――そっと華奢な指先が相手を捕まえる、大事なぬいぐるみにするみたい、優しく頬ずりしたなら】
【ちくちくってその内側に詰まった茨の有刺鉄線が何度も刺さる。けれどもう分からないようだった、絡めとられて逃げ出すって気概もない、きっと外のことを覚えてもいない】

【真っ白い肌には無数の蛇が這っていた。もちろん本物じゃあなくって、桜色に浮き上がっていた、縦横無尽に、幾重にも、幾重にも幾重にも幾重にも情念のように重ねた、魔術式】
【毎夜毎夜愛しい人を想って一人果てるのを何百年も重ねたあとのような愛が刻まれていた。そのせなには無垢さに似合わぬ白蛇と林檎の入れ墨が刻まれていたし】
【そのせなの白蛇の首は斬り落とされていた。旧い刀傷があったのだ、それこそまるで致命傷だったかのような、古傷。四肢はただ白いばかりだが、骨の浮くほど細く】
【だからこそイルの選んだ下着は映えていることだろう、深い深い赤色のベビードール。上等な金の糸で編んだレースが寂しげな胸元を飾る、ひらりっと翻って、腹を見せたなら】
【誰の子だって宿せないような細さだった。そもそもこんなにあどけなく笑う無垢さにそんな白は似合わない。――でも、何にも知らない生娘でも、なくって】

――――――――、ねー、ね。

【後ろから抱き留められる。絡められた腕を捕まえる。傾げるように首を後ろに傾けたなら、相手の首元に顔を埋めこむ――鈴の音が、その耳元、擽るように囁くだろう】

【「――――――――」】

【それはどんな願いだっただろう。相手にしか聞こえなかったはずだ、それに、二人の睦言に耳を欹てる不届きものだなんて、この世界には存在しないはずであって】
【なら。それは彼女だけが知る"お願い"だった。もしかしたらあだ名ではなく名前で呼んでほしいとねだったのかもしれないし、それとも、朝ごはんがもっと欲しいと求めたのかも】
【――とにかく。今の彼女はひどく単純な"いきもの"だった。眠るのと食べるのが大好きで、ほかの欲はひどく単純であどけなくって、ああ、だけど、"そういうの"も嫌いじゃない】

【今は何日だろう。今は何時だろう。外は雨なのか、晴れなのか。温度はどれくらいなのか。――そんなの関係ないから、欲しいのは。(――なんだっけ)】


713 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/27(金) 00:29:45 ABHv169.0
>>712

【病魔は根深く巣を張った、イルの寝床は水の国にあった、何処かの高級マンションの一室】
【鍵はかけない、好きに出て好きに戻ってこれる、そんな素敵な住処】
【──それでもきっと鈴音は放っておいても戻ってくるのだろう、それだけの楔は打った】


じゃあ鈴ちゃん、今日はどんな風にして遊ぼうかな
お話読んであげようか? ボクね、お話読むのも上手なんだ
『偽書psychosocial』『燻製ニシンの虚偽』──『スナーク狩り』

グランギニョルの神々のお話、ねぇ、眠くなるまで何を話そう


【意味は知る必要が無かった、唯音律だけを無垢に伝えて】
【そのまま二人で何処までも、落ちていければいいと思った】
【──この夜の果てまで、何処までも】


/こんな所でしょうか! お疲れ様でした!


714 : ◆D2zUq282Mc :2018/04/27(金) 00:38:06 JY1GydDk0
>>710 >>711

どうやらアタイの弾丸はお気に召した様だな。
なァに。御代わりは腐るほどある。思う存分堪能してくれや。
それにデザートも用意してある。その命を以って最後まで味わいやがれ。


【アバウトな射撃であったが、それが却って効を奏したのかドラゴンの片翼に手痛いダメージを与えていた】
【ドラゴンの叫喚はそれを物語る。イカロスの翼宜しく両翼捥ぎ取って地面に叩き落してやる】

【再度銃撃をしようとした際、翔子が告げるのはドラゴンの突進と自分達の回避行動】
【"チッ、しゃーねぇなァ!"と悪態を付きながらもカイは衝撃に備えて拳銃を腰周りのベルトに無造作に挿して】
【力の入りにくい両手で確りと掴まり、振るい落とされまいと抗うのであった】


おい、那須。今のうちに聞いとくが、背後からの気配をどう思う?
さっきからずっと張り付いたような視線が気になって仕方ねえんだ。


【この場面においての認識の共有。先程口走った事ではあるが】
【不安要素は少しでも排除しておきたいと思ったからこその言葉】

【急旋回によって正面の射線軸から外れたバイク。正面の射線軸から外れそうになったタイミングで】
【カイは右手で腰に挿した拳銃を引き抜き、ドラゴンへ銃口を向けて、引き金を引く】
【銃口から放たれた一発の弾丸は、マグナム相当の威力の弾丸。それは苦し紛れの攻撃に似ていた】


715 : 名無しさん :2018/04/27(金) 00:45:41 eQBfYAGE0
>>713

【まるで歌うように並べられる音階に意味はなかった、それはさながら全く知らない文化の歌を聞いているよう、ただ耳に心地よくて、どろどろに溶けていく】
【それでよかった。それがよかった。どんな世界もここには関係ない、間違いで壊れてしまった女の子の憧れた未来も、何かのきっかけで未来を喪った子供たちの嘆きも】
【ただ微睡んでいればいい。お腹が空いたらねだればいいし、愛してほしかったら抱き寄せればいい。彼女は早い段階でそれを学んだ――生きるため、に】

【――――やがて少女の吐息は深く深くなる。これでまたしばらく起きやしないだろう、相手はそれをきっと知っているし、それで問題はなかった】
【相手は彼女の服も荷物も棄ててしまっただろうか。それともどこかにあるのなら。ぶー、ぶー、って、バイブレーションの音がする。覗き見たなら、携帯の画面が点灯している】
【誰かの名前だった。少女のことを心配するみたいな文面。誰だろう。友達かもしれない。家族かもしれない。恋人――ってことは、きっと、ないだろう】

【それでも。キスをねだる仕草に初心さはなかった。当たり前に口付けてもらえる方法を彼女は知っていた。だけどあまりに清らかだった、たったそれだけの矛盾点】

【――夢の中で桜が散る。けど、もう、誰もいなかった】

/おつかれさまでした!


716 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/27(金) 05:40:08 IBKicRNQ0
>>682
……聞いているとも。『円卓』の王がその座につかれる前から、彼の加入を示唆したくらいだ
私と鈴音がそうであるように、いずれは陣営が分かれることは承知の上だ
その上で、手を組もうというのだ。そこをごまかしてしまっては、この一時の共闘すら危うくなる

……鈴音が、私をそのように言っていたのか。光栄なことだな
何、単に自分の利に正直なだけだ。このようなところで見栄を張っても、何の益にもならないからな

……そう言ってもらえるのはありがたいが。本題は、そこではないわけだ

【彼女の笑みに対して、異形は至極まじめに表情を引き締めた、彼女の言葉、すなわち『円卓』の王の言葉と捉えていたからだ】


……そこについては、同意見だな。『円卓』と言えば格好よく聞こえるが、それはつまり指導者がいないということでもある
本来ならば、同じ志を持つ者同士が一つの目的のために、対等な協力関係を結ぶ。そうした形態の組織が名乗る名前だ

金の亡者たちが『円卓』を名乗るということは、すなわち意思なき欲望だけが寄り集まった、単なる既得権益の集金システム……
はっきり言って、つまらない連中だよ。金を持っているブタ、とは言い得て妙だな


――――なるほど。その上で、貴女がそういうと言うことは。デュボン陛下にとっても『円卓』は単なる踏み台なわけだ
彼は、すでにその先にある何かを見ている……まだお目通り叶ったことはないが、その器の巨大さは推して知るべしだな

そして……その指輪と、貴女の目を見てわかったよ。ミラ・クラァケ〝王妃殿下〟
肩入れしているのは『円卓』ではなく、デュボン陛下個人。そういうことだな

(……『黒幕』とはまた別の意味で恐ろしい……洗脳や技術なのではなく、人心をここまで惹き付けるとは)
(ジルベール・デュボン。王の器であることは確からしいな……。ロッソ。思った以上の強敵だぞ、これは)

(私にとってもロッソにとっても、デュボンが『円卓』をも潰すつもりであるのは、悪いニュースではないが……その後、彼が目指す場所がどこなのか)
(それによっては、利害の衝突もあり得る……そうなれば。目の前のこの、最高の暗殺者の脅威に常に晒されることになるわけだ……)

【わざとらしくも聞こえる敬称だが、そこに慇懃無礼な色合いは見られなかった。この異形は、大きな力には立場に限らず敬意を払うことにしている】
【黒い三つ目に移る、彼女の目の金色。目は口程に物を言う、とは言ったものである。その輝きは雄弁に伝えていた】

【今この場にはおらず、名前さえ出ていないその男を。業突く張りとさえ形容した男を。彼女が、この世の誰よりも優先しているということを】
【後は、盗賊の嗅覚と観察眼、異形自身のこれまでの経験の成せる業か。二人の関係を、カニバディールは看破したのだ】

【同時に、世界に王手をかけようと画策する、この一組の夫婦の恐るべきも理解する。この盗賊は自分より大きな者の気配には敏感だ】
【脳内で弾きまわされる損得勘定の算盤は、今はまだ彼らとの利害関係に答えを出せずにいた】


717 : ◆qijkYF5k5g :2018/04/27(金) 08:09:49 /xWzuiOE0
>>708

【化物が口を開く】

なに?わたしを食べる気……?

【警戒をする少女――だが、発せられた咆哮には何も対策できず】
【啼き声をもろに聞いてしまう】

うっ……

【それでも耳は塞がず、拳銃から両手を離さず狙いはなんとか維持する】
【化物がこちらへ向かってきても、その姿を正面に見据え、その場から引かず――】
【直前の咆哮により、耳鳴りがキーンと続き、角の稲妻の音は聞こえないが】
【角が自分を狙っていることは理解できた】
【少女は構えた拳銃で化物の角を狙い、パァン!と1発、発砲した】
【銃弾はごく普通のもの――狙いは比較的正確で、化物が直線的に動き続けるのなら命中するはずだが――】


718 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/27(金) 09:33:51 MfG3a4us0
>>716
【カニバディールの答えに、彼女はさらに笑みを深める。期待通り、いや──期待以上の言葉】
【王妃殿下、言われれば──照れを隠すかのように、口の端だけが歪んだ笑みとなって】
【見せびらかすように手をひらひらとさせて赤い指輪を彼に示すのだ】
【指輪は赤いだけで、Mに連なる者が持つ魔石の指輪となんら変わりない】
【だが、その“赤”はぴたりと彼女の指にはまっているのだ。それだけが、彼女に合わせて作られたように】


ぎゃはっ、こいつはまだ婚約っつうの?まだ正式に結婚したわけじゃなくって────
あぁ、そうそう。そのうちな、結婚式やるんだ
赤いドレス着てさぁ、どっかの教会で。そん時は表の教会でやるって言ってたな
いつやるとかはまだ決めてねぇけど、そのうちやるだろうからさ
そん時はあんたも来いよ、な?…………って、ちょっと話がズレたな


【へへ、とまた笑う。嬉しさや恥ずかしさの入り混じった表情で】
【心酔、あるいは狂信。もしくは──愛とでも呼ぶのだろうか。確かに彼女は】
【“彼”のためであるならば、友と呼ぶ存在さえ害すのだろう】
【“彼”のためならば、自身にすら傷を付ける。──彼女にとって、何よりも優先すべきは“彼”だった】


で────、そう。そうなんだよ。あいつにとっちゃ“円卓”はただの踏み台だ
黒幕連中を潰しちまって、円卓の金も吸っちまった後は邪魔な存在だ
────その先にある“世界”を取るためにはな


【くくと喉を鳴らし、さもおかしそうにミラは笑った。「笑っちまうだろう?」】


あいつは世界がほしいんだよ。強欲にも程があるだろ?
世界を取って、世界を買って、王様になって…………ぎゃは、随分と楽しそうだよな!
そんでもって、世界の一番上から世界を見下ろしてやるんだって
楽しそうな夢────でも、夢で済ませちまうようなヤツじゃねぇんだよ、あいつはさぁ


【また言葉を区切る。話したいことは話した。ならば、後は聞くべきことを聞く時だった】
【笑みが薄れる。「それでな」言葉を置く。計略など一切ない。知略を巡らせることは苦手だった】


円卓にどこのお偉方が関わってるか…………それをどこぞの誰かに知られちまえば、マズいだろ?
黒幕連中に知られちまったら言わずもがな──黒幕がいなくなった後も、だ

だから────“リスト”がいるんだ。円卓の面子が書かれたっつぅ“リスト”がな
探偵から聞いてるぜ?あんたもちょいと“リスト”に関わってるってな


【金色の目が、真っ直ぐに三つ目を捉える。彼が自分の言葉をどう取るのかは、彼次第だった】
【ならば後は────彼の返事を待つだけだ】


719 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/27(金) 13:35:46 ABHv169.0
>>709

【開け放した窓辺に、淡雪の名残りがはらりと舞い落ちる様に】
【路地裏に、僅か差し込む宵月の、照らす輝き頭に浴びて】
【踵を鳴らす音がした、反響音がどこまでも無機質な世界に響いて】


藪をつついて蛇を出す、花盗人だけじゃなく悪戯小僧も赦されなくて
弱い者虐めは楽しいのかしら、一方的に相手を嬲る悦びなんて分からないけど
殿方はきっと違うのね、拘束された私を苛む表情は皆愉悦

──其れを見て私は笑うの、ああ、こうして愛されてるのね、って
御機嫌よう素敵な殿方、あら、私ってば、男性の年齢を見間違えるなんて
そうでしょう、貴方に殿方なんて称号は似合わないわ、『坊や』

それとも何かしら、あちらの方は十分に益荒男だったりして


【プラチナブロンドの長い髪、朱が差したマリンブルーの瞳、白銀のロザリオを首筋に垂らして】
【零れ落ちそうな豊満な胸を、大きくはだけさせた黒いスーツと短いタイトスカート】
【スラリと伸びた両脚をストッキングで包む】
【白いコートを袖を通さず羽織り、高いピンヒールを履いた、どこか幼げな横顔が印象的な少女であった】

【貴方の正面から立ち尽くし、真っ直ぐにマリンブルーの双眸で見つめた、視線を軽く腰の数字に移し】


数字集めが好きなのね、そんな風に着飾るのは誰かに褒めてもらいたいから?
旦那様、家族、友達、可愛い可愛い愛しの彼女、健気な数字を集めたら、それを誇りに思ってくれるから
──やがて少年は無謀にも、届かぬ数字に思いを馳せて、失意のままに死んでいくの

Разрешите представиться
カノッサ機関 "No.3" カチューシャ
子どもたちがお世話になったの、後は、私がお相手するの


【虚空に浮かぶ硝子細工の魔法陣、そこにまるで手慰みの様に軽く手を伸ばして】
【引き抜く大きな狙撃銃、長い銃身が真っ直ぐ刀剣のように伸びて】
【くるり、と回転させ、それを彼女は右手に持った】


720 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/27(金) 14:29:16 WMHqDivw0
>>717

【銃弾は正しく化物の角に当たった。けれど、貫通まではしなかった】
【半分くらいの深さまで穿って、その周囲に罅を入れたくらいのところで止まった】
【きっと少女も気付くだろう、この化物の巨躯を相手取るには、拳銃というサイズの武器では不利だと】


――――――ッッッ、


【しかし角を抉られた痛みは十分伝わっているらしい、動きを止めて、頭を振る】
【まるで悶絶するみたいに。縦に横に振り回して、埋まった弾を取り出そうとしているのか】
【……それもすぐに諦めたようだった、少女に向き直って、もう一度吠えて――――】

【――――だん、と、着地音。後ろに飛び退いたのだ。わざわざ詰めた距離を、何故か取り直して】
【そうして5つの目――黄金色のそれらでぎらぎらと少女を睨み付けてから】

【 「     ばぢっ 」 】

【――――弾ける音がまた響く。5つの目、それぞれの前に一つずつ、光球が発生した】
【外側から内側へ、電流が流れているのが見えるだろうか――そんな球体たち、そのうち3つが】
【ふよふよ、そう早くはない速度で少女の元へ。取り囲むように、じりじりと迫っていく】
【残り二つはまだ化物のそばにある。何をしでかそうとしているのかはまだわからないが】
【このまま何もしないなら、きっと何かしら、「よくないこと」になるはずだ。――角の電流は、まだ止まない】


721 : ◆qijkYF5k5g :2018/04/27(金) 20:57:52 /xWzuiOE0
>>720

……当たった!

【銃弾は命中】
【実戦で敵を撃つのは初めてだったために、思わず喜んだ】
【しかし――】

うわぁ……あまり効いて無さそう……

【化物は突進こそ止めたものの、体力は衰える気配がなく、新たな技を放つ】
【自身に迫る3つの光球に対して、再び拳銃で射撃を連続で行うが】
【今度は動きが不規則にふよふよしているために狙いが定まらず、弾は全て外れ――】

弾切れっ……

【拳銃の弾は切れ、再装填をしようとショルダーバッグに手を入れようとするが――】
【光球は目前まで迫っていた】


722 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/27(金) 21:58:13 WMHqDivw0
>>721

【 「ばち ばちばち ぢぢっ――――」 】

【稲妻の弾ける音は連続して、止まない。その間にもずっと】
【化物は唸っていた。少女をまっすぐ見据え、視線を離さず】
【逃がさないとでも言うように、5つの目を光らせながら】

【そこから動かないなら、光球は少女を取り囲むような位置まで動いて、静止する】
【少女の前方と、斜め後ろそれぞれ左右。そこまで到達したのなら】
【化物が大きく大きく口を開く。先程と同じ、咆哮の前準備だろうか――――】


――――――――Arrrrrrrr――――!!!


【 「――――――  ばぢィっ!!!」 】

【咆える。それと同時に、今までよりずっと強い破裂音】
【それが鳴り響いたのは――少女を取り囲むように動いていた、光球からだ】
【3つすべてが強く瞬いて、それと同時に放電を始めたのだ】
【自身らが取り囲んだ、中心にいる少女を打ち据えるように。三条の稲妻が線になって、襲い掛かる】
【ただ、取り囲んでから放電するまでに若干の時間はあった。それまでに回避行動を取ろうとしても、十分だ】


723 : ◆Heckemet8M :2018/04/27(金) 22:15:50 u1dxVMlM0
>>711,714

【急旋回し突進の領域から離れれば、それはブレーキをかけるようにして四足に力を入れて】
【すぐに止まれるような質量や勢いではなく、道路に爪痕を残しながらある程度は突進を実質的に続行する】
【何かの建物に衝突するも、大して気にした様子は――いや、傷口に触れたか、右の翼で一部を軽く払い落とす】

【ある程度減速したと思えば、おそらく彼女らがいるだろう方向を推測し向きを変更】
【だが、突進を続行するには至らず。――バランスを崩したのだ、転倒はしなかったものの】
【結果、瓦礫の山を下半身に積もらせながら、2人の位置を確認するのみとなった】

【そういえば、胴体左側は先程まで出血が見られなかった位置のはずだが――】
【この位置は最初に鱗を剥がした部分だ、援護射撃も特に行われた様子はなく】
【カイが放った苦し紛れの攻撃がその部位に命中した、そう断言して問題ないだろう】

【――ドラゴンが吠える。2人の方を向いて、大きく口を開けて。】
【最初に見せた咆哮と同一だ、けれども、今度は完全に地上で発せられている。つまり、実質的に最初よりも高威力】
【距離にもよるが……水や軽い瓦礫、小さい鱗の欠片程度ならば軽々と吹っ飛ばしてしまうのだ】

【――鋭い、視線。"別に今まで手を抜いてきたわけではない、だからこれからも手は抜かない。"】


724 : 名無しさん :2018/04/27(金) 23:01:15 /2w8LyQo0

【あなたの傍に立つ者が、常に友人とは限らないーーーー】

【月のかげった気味の悪い深夜だった】
【空気は湿気っているが、雨は夜半に止んでいる。水溜まりを踏んでブーツが路地裏を歩いていく】
【ゴミ捨て場の影から人の姿が現れて、その歩みは止まった】

この男性をご存じでしょうか

【足を止めたのは、丈の長いエプロンドレスに桃色のミディアムヘア、そこに添えられた白いカチューシャ】
【黒曜石の如き瞳を持つ、愛想のない女は、手の中の写真を掲げる】
【その前に現れた浮浪者然の男。身なりは汚いが体は大きく、腰に妙な膨らみがある】
【緩慢に顎髭を撫でる。男は場末の情報屋であった】
【首を横に降り、無言で顎をしゃくる。向こうへ行けの合図】
【それに気落ちした様子もなく、一拍開けて女は踵を返す��������その髪に、かちり、と冷たい鉄の塊が押し付けられた】


『礼儀のねえトーシロが』

【硝煙の匂いが漂う、男の足元には頭を撃たれ倒れ伏した女】
【目障りな相手を殺して黙らせる。それが日陰に生きる彼らにとっての日常】
【ガムを踏んだ程度の不快さで呟き、拳銃をベルトに戻し背を向けようとしーーーー男が大きく目を見開いた】

【頭蓋を撃ち抜かれた筈の女が、手をついて何事もなく起き上がろうとしている】
【打ち損じた訳ではない。後頭部からは赤い色がつうっと滲んでいる】
【なのに、呻きすら上げず無言で振り返り。乱れた前髪の向こうからじっと見つめている】
【男の驚愕が、恐怖の色に染まった】


【ぱん、ぱぱん、ぱん。路地裏に立て続けの発砲音が響く】
【それすらもこの街では決して珍しいことではない】
【聞くものは奥を覗けば、騒ぎの一端に触れられるだろう】


/使い回しですが、よろしければ何方でもどうぞ


725 : 名無しさん :2018/04/28(土) 01:50:03 /xWzuiOE0
>>722

【気がつくと、光球に取り囲まれる】

あっ、これやばい?

【化物の咆哮の瞬間、本能的に危険を感じ――】
【少女は、勢いよく前方に倒れ込むように伏せた】
【同時に、光球が放った稲妻が一瞬前まで少女が立っていた場所を襲った】

危なっ……あ、でも今チャンスかも?あれ、試してみよっかな……

【化物の攻撃が終わった直後ならば、次の攻撃まで猶予があるのではないか――】
【少女はそう考え、行動に出る】
【伏せた状態からクラウチングスタートのように立ち上がり、一気に走り出し】
【化物との距離を詰めれば、バッグからすばやくペットボトルを取り出し、振り上げ】
【正面の目玉の1つを狙って振り下ろした】

おりゃぁー!

【ペットボトルの中に入っているのはただの水、だが――】
【振り下ろした瞬間、水は少女の能力によって”金属化”し】
【十数キロの金属の塊が化物の目玉を襲うことになる】

【しかしその重さ故に、命中するか否かに関わらず、攻撃の直後に少女は大きくよろめき体勢を崩すだろう】


726 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/28(土) 02:08:39 6.kk0qdE0
>>714>>723

「鱗が無い部分を狙って下さい!!」

【突進は回避が叶った】
【此方への方向転換には、かなり手間取っている様子だ】
【無理もない、あの巨体と力だ、慣性を完全に殺し切り停止するには、いかなドラゴンとて……】

「……っく」

【瓦礫の山に埋もれ乍ら、こちらを視認するドラゴン】
【再びの離脱と接近を要される】

「こちらでも気配と、聖属性魔力は確認していますが……」
「解りません……ただ」
「動く気配が無い事から、このドラゴンを操って嗾けている能力者か」
「あるいは単に状況の偵察で、介入の機会を伺っているか」
「後者は何の事は無いのですが、前者だったら最悪ですね……そんな強力な能力者……」

【ぞっとしない返答だが、カイにこう答えた】
【あくまで予測の域を出ないが、兎にも角にも、先ずは眼前のドラゴンを相手にしなければ】
【その謎の傍観者への対応は、必然に後手に回ってしまうのだろう】

「――ッ!!??」
「きゃあッ!!」

【だが、ここでドラゴンの咆哮】
【バイクは、飛来する音の衝撃と無数の細かい瓦礫、鱗にまかれて】
【その場に引っ繰り返した玩具の様に、転がる事となる】

「うう……う……」

【頭部から流血】
【鉄帽も同時に脱げてしまったのか、明確で手痛いダメージだ】
【霞む目でカイの安否を確認しようと】

「だい、じょう、ぶ……ですか?」

【そう問いかけた】


727 : 名無しさん :2018/04/28(土) 03:05:31 XqQAhkbc0
>>719

【軽やかな足音、おそらくは女性のモノ。即座に判断したと同時に彼は男の胸倉をつかんだまま振り向いた】
【振り向いてまず、彼は目を見開く。白金の髪の輝きを、鮮やかなマリンブルーの瞳に目を奪われたように】
【一度下に目線を落として艶めかしい脚線美に目をやり上へ上へと舐め上げるように視線を上げ、最後に豊満なその胸部に目をやる】

【―――五秒、十秒と無言で彼は最後に目を通したその目線を全く動かさなくなるが】
【やがて上機嫌そうな表情で彼女の顔に目線を動かし、「ヒューゥ」と軽薄そうな口笛を鳴らすだろう】

【そして同時に今まさに掴みかかっていたナンバーズの胸倉から手を離すと―――鮮やかな身のこなしで突然延髄めがけてハイキックを叩き込んだ!!】
【突然の暴力に全く反応できず、「ぐぅぉ!」とうめき声をあげ≪No.91≫の男はその一撃だけで昏倒した……】


一応言っておくけどぼくはきみよりは年上だと思うよ?まあ見た目で判断されるのはしょうがない
波紋呼吸を極めた仙人の卵みたいなものだからねぇぼくは。向こう10年はこの姿のまま変わらないだろうと言われたよ
うふふ、なんだいかわい子ちゃん。物欲しそうな目線を向けてくれちゃって

―――……そんなエロい目で見るなよ。ぼく、思わず本当にこの場で全てをさらけ出したくなる所だったじゃないの


【ケラケラ笑いながら彼は少女と向き合い、一歩、また一歩と近づいてくるだろう】
【間合い5mほどまで近づいたところで、かけられる言葉。なぜか身に着けている「複数のナンバーズナンバー」を言及されると、彼は正直に答えるだろう】


褒めてもらいたいからではないよ。これはね……バカにしているのさ
ナンバーズってのは皆カノッサの上級構成員であることを数字でひけらかすからねぇ。逆に言えば……負けて奪われた数字をぼくにひけらかされたら
その番号を持ってる奴は『ぼくにボロ負けしました』って恥を晒すことになるわけ。……別にいいでしょ?なくしてもお上に泣きつきゃいいじゃないか

とはいえ、きみの場合はそう容易くやらせてはくれそうにないねぇ……一目でわかるよ。きみはそうとうデキる。
実力もあって、全身かっちり武装している。……その上能力者か。なら慢心なく……いきなりコイツを使わせてもらうぜ


【懐から取り出すのは、中央にベルのような物が取り付けられた機械製のベルトのバックルだった。彼はそれを下腹部にくっつけると】
【『Get Set』という電子音とともにベルトが彼の腰全体に巻かれる事だろう。完了したところで彼は再び言葉を紡ぐ】


こちらも自己紹介させてもらおうか、"カーチャ"ちゃん?
≪justice≫……は今じゃ通じないかな?ならばぼく個人の名前を。――――ぼくはドラ。人呼んで……"ナンバーハンター"ドラだ
気軽にドラと呼んでくれてもかまわないよ

――――変身。

【瞬間、彼はまず右の親指でベルト中央のベルを鳴らすだろう―――この場に涼やかな金属の音色が響き渡る】
【ぐ、と両手を右腰に携えた後、左手を前に突き出してから再び脇に引く、それと同時に右手を左前に向けて突き出すだろう】
【そのまま手を大きく頭上に運び顔の右で握り拳を握り、すぐさま脇に引いた左手をベルトに運び赤いトリガーを引っ張る、するとトリガーが元の位置に戻ろうとする途中で音声が流れる】

『―――Set up!Rider!CAT-Ⅲ!!』

【空間をなごやかな雰囲気に塗り替えていきそうな軽快なチャイム音と共にドラの体が青い光に包まれる】
【光が止んだのならばそこに立っているのは―――青い装甲に覆われた白いボディ、猫科の獣をモチーフにした頭部に橙色の大きな複眼を搭載したデザイン】
【―――変身完了、『シンクロライダー・"キャットⅢ"』!両腕を上げ拳を握り、ファイティングポーズを取り始める!】


728 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/28(土) 05:21:56 ABHv169.0
>>727

【数字を持つ男に対して彼女は興味を示さない、それ以上に唆る獲物が有るから】
【猛々しい男であった、倭絵から抜け出してきた様な益荒男そのままに、雄々しき気を隠そうともしない】
【其れは力の表れであろうか、否が応でも感じる心奥を、悟られないように瞑目して】


そう仰るのね、坊やの名前は──ええ、大丈夫、しっかりと覚えておいて差し上げるの
名を残したいのでしょう、カチューシャは優しいから、坊やの願いを蹂躙したりはしないの
手慰みはもう飽きて? 焦らないの、女を抱く時は手順とムードが大事

いきなりクライマックスだなんて、安いポルノムービー、貴方も私もお望みじゃないでしょう
ふふ、でも坊や、その姿じゃ本当にムービースターみたいね
銀幕に憧れて着飾るのも良いけど、舞台の下に降りたならそこに居るのは一つの個人

撃てば壊れる偶像に、私の相手は務まらなくて?


【長い脚線を開いて、右手の銃口を向ける、絵画の様に僅かな乱れもなく】
【変身を終えたドラに対しても、向ける言葉は変わらない──幾つもの死線を乗り越えた証拠】
【一つ一つの動作が艶めかしく、寵愛を受けようと愛撫する姫君にも似て】


さあ幕を開けて、火蓋を切るには観衆が足りないけども
夢見心地な坊やに現実を教えてあげるには、舞台袖ぐらいが丁度いいのね
芸を仕込みましょう凄絶に、叩いて裂いて破って壊して、自尊心を撃ち砕くの

もう二度と逆らおうなんて考えない程に、徹底的に坊やの尊厳を嬲って差し上げましょう
そして最後には一杯の愛を、ご褒美も必要でしょう、でも、その前に
──────お仕置きの時間よ


【銃身が跳ねる、放たれた銃弾がドラの胸へと向かう】
【ノータイムでいきなり命を取りに来た、言葉とは裏腹に躊躇の無い戦い方】
【銃弾を放ったなら銃身が上へと傾く、左手で下部を支えて衝撃を吸収】

【手淫でもするかの如く、銃身を撫で下ろして、再び地面と平行に】
【肩幅に開いた両足が地面を踏みしめる、下ろした腰に体重がかかった】
【全身を使って巨大な狙撃銃を制御する、かなりの手誰だ】


729 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/28(土) 05:33:32 ABHv169.0
>>766

【貴方の反応に満足そうに小さく頷いた、呼吸のように自然な動作で】
【大きな変化の無い少女であった、希薄な現実感は儚さを含んではいたが】
【手を伸ばしたら掻き消えそうな、そんな陽炎の如き少女の名残】


博識ですのね、クローディア様は──存じ上げられている方が居て、驚きました
あれも恐ろしい因習でございます、あのような慣わしが至る所にあるのです
私が研究者を目指した一因ですね、生贄や犠牲で事象を制御できるなど戯言です

クローディア様はお優しいのですね、そんな言葉を私に下さるだなんて
お家の中でいらしたのでしたら、きっと世の中の不条理など知らずに済んだのでしょう
責めてる訳ではございません、寧ろ人はきっと、そうあるべきにございます


【喋りすぎてしまう、と内心に思った──微笑む裏側に微かな自嘲があって】
【それこそが目の前の少女の魅力なのだろう、不思議と言葉が弾んでしまう】
【──故に自戒するが如く、キリッと強く太ももを抓った】


それだけでも十分手助けになります、お心遣い感謝致します
ああ、お優しいクローディア様、こんな私にも優しくしてくださる
……でも本当は、そうじゃないの──ごめんなさい、嘘をついていました


【ワイングラスの淵から、一滴溢れたなら、其れはとめどなく流れる洪水の様に】


脳波だけ、身体データだけ、そんなもので能力の根源を探れるとでも?


【──零すように言の葉を貴方に投げかけた】


730 : クローディア :2018/04/28(土) 09:24:11 B3KDEI320
>>729
【博識……言われなれない単語に少しだけ口角が上がるがすぐに照れ笑いに変わってーー】
【ただ本で得た、知識と呼ぶにはあまりにも狭いーー触りだけしか知らないけど、相手がほんの少しだけ、満足そうにしてくれたのなら、それでもいいやって】

もう何年も前に本で少しだけ見た程度なの
だから知っている、ってはっきり言っていいのかはわからないのだけどーー
魔女さんの言う通り、恐ろしい習わしだったようなの。私も、生贄とかは反対。
最近では、生贄無しで催し事で燃やすって書いてあったのだわ
……豊作を願ってなのか、無病息災を願ってなのかは忘れてしまったのだけど


【本には世界の祭事がたくさん書いてあったーー分厚い本だった】
【セピアの記憶が徐々に蘇るーー繊細に描かれた絵と、ページをめくる幼い手】

もともとは怖い習慣でも、今風にアレンジして伝統を守ることは……悪くない気がするの
魔女さんの言う通り、世の中の不条理を知らない私がこんなこと言っていいのか、わからないのだけど

【ーーその犠牲者がいることも忘れないためにも】

【ふと、魔女が自身の太ももを強く抓るのが目に入ってーー】
【そんなことしないで、という風にそっと抓る指に手を添えようと伸ばしながらーー】

嘘……?
あっ、ごめんなさい、私なにも知らなくてっ!!
うっ…………簡単な実験っておっしゃってたから……本当はもっと複雑なのかしら……?それともその実験の存在自体が嘘なのかしら??

【恥ずかしそうに真っ赤に顔が染まるーー先ほど太陽に焼かれた程度が可愛く思えるくらいに】
【博識だなんて言われて嬉しかったけど、そうだ自分はまだ色々と知らな過ぎて】
【脳波や身体データを取るだけならーーよくわからないけどーー簡単なような気はしたのだけど】
【でも何故ーーこの少女は『嘘』を教えてくれたのだろう】
【濡れた宝石のように瞳が滲むーー彼女の指に伸ばした手が払われていなかったら、その細指に手を添えたまま】
【振り払われていれば、自身のヴェールをぎゅっと、握りしめてーー】


731 : ◆D2zUq282Mc :2018/04/28(土) 10:14:35 JY1GydDk0
>>723 >>726

【那須も自分達の背後に潜む気配には察していた様だった。それもカイより正確に】

【少しだけ那須の事を見直しながら、苦し紛れで放った一発の銃弾がドラゴンの胴体左側に命中しているのを確認した】
【よっしゃあ、と口走った刹那、耳朶を震わせる那須の指示に素直に頷くのも先程の一撃が効果的だったからだろう】

なるほどな。アタイらの認識に相異は無くて何よりだ。

だが、おめえが最悪のケースを想定しようとも、だ。
背後の奴が敵だったとしても関係無い。邪魔する奴は全部撃ち抜いて罷り通るさ。

【前門の虎、後門の狼とならなければ良いが。だが後ろ向きな事を考えていても埒が明かない】
【何よりそんな後ろ向きな姿勢でどうしてこの状況を切り抜けられようか。兎にも角にもドラゴンを討伐する事が先決である】

【そんな遣り取りを行っていた折、ドラゴンの咆哮が耳を劈き、大地を震わせた】
【今までとは違う咆哮。それは羽虫の様に飛んでいた零式ではなく、カイ達に照準を定めた咆哮】

(おいおい…一切合財の油断も無いなコイツ。手強いな。ハナから油断などしちゃいねえってか)
【何の油断も無く全力でお前達を排除する。そんな意思表示の様な咆哮によって様々なモノがカイ達に襲来した】

――…!?…ぐおぁッ!…ぐっぁあッ

【飛来する水分が目に当たる事により一時ではあるが視界を潰されたせいで、転倒に備える事叶わず】
【バイクの転倒によって、カイは頭を打ち流血していた。それだけに留まらずカイは一時的に意識を失っていた】
【右手に握っていた拳銃もカイの手を離れ、カイは虚ろな目のまま翔子の呼びかけに答えられなかった】


732 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/28(土) 10:26:18 ABHv169.0
>>730

【無垢だと思った、朝日を浴びて眩く輝く初雪の如く──目の前の少女は穢れなき存在なのだろう】
【照れ笑いの姿、あどけなき桜色は小春日和に降り注ぐ、あっけらかんとした朝焼けを思わせて】
【雲珠桜の可憐さにも似た、尊き残照を彼女に映した】


いえ……その考え方は、間違っていません──寧ろとても、素敵な発想です
伝統も因習も紙一重に御座います、全て非科学的と断ずるのは貧しい考えでしょう

Red sky at night, sailor’s delight
Red sky in the morning, sailor’s warning

──言い伝え伝承とは得てして、粗末な種明かしがあるのですから


【指に這ってくる手をそっと握り直す、手袋に包まれた柔らかな触感】
【そのまま手を持ち上げる、胸の高さまでゆっくりと】
【握った手を自分へと寄せて、貴方の顔を近くに呼んだ】


そう、もっと複雑──いえ、ある意味もっとシンプルかしら
あら、嫌だ、クローディア様、ううん、クローディア
貴方と話していると、如何しても、捨てた自分を思い出してしまうな


【音律が歪む、並行の世界に移調したかの様に】
【僅か半音違うだけの世界は、移動しなければ不協和音のままで】
【慌てて元の調律に戻そうとしても、容易には戻らないのだろう】


考えてもごらん、我々が世界の殆どを知らなかった頃、知識をどうやって貪った?
訳もなく虫を殺した事は無かったかい? 花を蕾ごと毟った事は?
或いはもっと単純に、気紛れに、割いて壊して砕いた事は?

──手段は最もシンプルにあるべきだ、同じ事が能力者に言える
能力を使う為の器官があるのかもしれない、それならば内臓を腑分けして調べるべきだ
或いは脳の働きか、それならば頭蓋を開き脳を切開しよう

……ええ、嘘なのです、私の言葉は魔女の甘言、聞いてはならない蛇の唆し
クローディア様は此方に来るべきではございませんわ


【口調が転調し、再び元に戻る──静かに佇む魔女が一人】


733 : ◆Heckemet8M :2018/04/28(土) 11:02:43 u1dxVMlM0
>>726 >>731

【――ドラゴンが再び突進を行おうとしていた、そんな動きだった】
【けれども、それはとある出来事によって行われることがなく】

【どこかの物陰から堂々とした態度で現れた者が、ドラゴンの顔の近くに向けて歩みを進める】

【援軍の能力者か? いや、――】
【その者が目の前に来ようとも、ドラゴンがそれに対して警戒などをする様子は一切見せず】
【また、それ程の距離まで近づけたのにも関わらず、その者がドラゴンに攻撃することもなく】

【その姿は、――真っ白な身体に、緑寄りの金色の毛、水色の模様を持った、身長175cm程でロングヘアな女体】
【背から生える翼は、白が基調だが前述の金色や水色も持っていて】
【更に白い羽衣を身に纏い、その帯で眼を隠している】

【姿だけを見れば――だろうが、2人に対して向けられるその挑戦的で邪悪な笑みは、それとは真逆の印象を与えるモノ】
【そして、その者が飛翔しドラゴンの背中に乗ろうとして】
【――ドラゴンの左翼がその者に対してクリーンヒット。先程ドラゴンが開けたクレーターへ向けて吹っ飛んで】
【水によって土が緩くなっていたそれに頭から突っ込み、せっかくカッコつけて登場したのも台無しとなった】

【その後、ドラゴンは不愉快そうな様子でその者を殴り飛ばした翼の爪を見た】
【先程までは確かになんともなかったはずのそれ、今は無残に溶け落ち地面へと滴る】
【そういえば、先程の存在は強い聖のエネルギーを持っていたか。それが爪を溶かしたのだろう】

【――見た目は確かに邪悪だが、邪なエネルギーや魔力などは一切見せていないはず】
【身体から離れた鱗も、流れ出る血液も、……少なくとも、わかる範囲では存在していない】
【そもそも魔力そのモノすら持っていないのではないか、そのくらいそれを能動的にも受動的にも見せてこない】

【存在そのモノが邪なのか、あるいは別の何かか……ともかく、先程の存在が現れたことによってドラゴンの動きがそれなりに止まっているようだ】


734 : クローディア :2018/04/28(土) 11:11:42 B3KDEI320
>>732

こんな私の考えを、素敵だなんて言ってもらえてとても嬉しいのだわ
何も知らない小娘の戯言と、一蹴する大人だってたくさんいるのに

【月の光に似た笑顔。冷たさは感じさせない、柔らかに笑む】
【握られた手を包むように指を折る。手袋の肌触りーーその下の柔らかな触感】
【檸檬色の瞳を見つめ返す。目が合えばもう片方の手も、彼女の手に触れてーー】
【不協和音ーー人によっては耳障りに感じてしまうのだろうか】
【優しく微笑む姿から、少なくともクローディアには『そう感じられない』ようで】
【連ねられる言の葉、一言一言血が渋くような単語を発する彼女を、懺悔を聞く神父のようにーー嘘を告白する子供を見守るようにーーうんうんと、頷きながら】
【彼女が話を終えるまで、きっと一言も喋らずにずっと、耳を傾けて。やがて、言葉の演奏が終わったのなら、一言ーー】

何も知らない私に、忠告してくれるのね
ありがとうなの、魔女さんはとても優しいのだわ

【夜海色の、綺麗に切り揃えられた髪が風に弾かれる】
【身体に羽織ったヴェールが飛ばないように、重ねていた方の手を離し裾を掴んだ】
【ーー握ったままの手に少し力が入ったのを魔女と名乗った少女は感じ取れるだろうか】
【瞳は彼女を見つめたまま、さらに少し近づいてーー不快じゃないかって気にしながらも、こう言わずにはいられない】

魔女さんは、辛くない? 我慢してない?


735 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/28(土) 11:31:21 ABHv169.0
>>734

【──不思議な音色だった、はて、と一瞬だけ年相応の表情が見えた】
【目の前のこの子は何を言ってるのだろう、と呼吸のように瞼を浸して】
【少しだけ言葉に迷った、それだけに貴女の無垢が尊すぎたから】


……どうでしょうか、少なくとも私は思うがままに生きているつもりで御座います
その様子をさして「辛い」「我慢している」と思われるのでしたら、他者から見ればそうなのでしょう
ですが私にとってはそれが自然体なのです、この生き方や考え方以外知らないのです

──きっと今日の邂逅はただの気まぐれ、神様が起こしたちょっとした戯れなのです
そうに決まってます、クローディア様、私は貴女とはきっと交わりません
平行線なのです、これまでも、そして、これからも


【逃げるように視線をそらした、太陽を肉眼で直視できないのと一緒だ、目の前の貴方は眩しすぎる】
【心をまるごと吸い取ってしまいそうな貴方の瞳孔、逸らす色彩には惨めな自分が映って】
【運命を呪うだなんてありきたりなフレーズを、使いたいと思ってしまうほどに】


騙されないでください、クローディア様は甘いんです
私が優しい人だなんて有り得ません、古今東西どんな書物を読んでも魔女は悪役に御座います
焼かれこそすれ、裂かれこそすれ、殺されこそすれ、幸せになることなどないのです

いいですか、先程から思っておりましたがクローディア様には危機感が足りません
世の中には悪い殿方が沢山おります、甘い言葉を信じて痛い目を見る事も往々にしてあります
ですので、努々忘れないようにっ、りぴーとあふたみー

──男はみんなオオカミ、です


【視線を向き直す、じとーっとクローディアを見つめ、ずびしぃと指を指す】
【先程までの威圧感は消えて、何だか感じるのは親近感】
【世話焼きの友人やら、口煩いメイドや、きっとその辺】


736 : クローディア :2018/04/28(土) 12:13:31 B3KDEI320
>>735

あぁ、ごめんなさい!
魔女さんは、きっと私の知らない生き方をしているだけでそれを「辛い」とか「我慢」とか、そういう表現を用いるのは愚かだったのだわ!
私ってばまだまだなの。反省するのだわ

【痛そうな言葉が連ねられ、それを「辛い」と思い込んでしまったことに反省……ブニブニと自分の頰をつねって伸ばして、でも痛くてすぐに離して。白い頰に指の跡が薄っすら残っている】
【魔女が視線を逸らしたのならば、こちらもまた同じように視線を逸らしているのだろう】
【ーーふと、視線を彼女に戻して。萌葱色の神とか、華奢な身体を包む黒いお洋服とか、宝石みたいにキラキラして、でもどこか美味しそうな色合いの瞳とかーーとても好きだ】

じゃぁ、神様の戯れに感謝するのだわ!
平行線、だなんて許さないの。もしそうだとしたなら私がグニュっと曲がって魔女さんの肩を叩いて気付かせます!
魔女が悪役かどうかは本なんかに決めさないーー私が決めるのだわ!
少なくとも、目の前の魔女さんは私にとって悪役じゃないし、焼かせないし裂かせないし殺させないの!私のお友達に幸せになれないなんて言った人はお仕置きなのだわ、洗濯バサミで鼻をつまんでピッ、なの!

【ピッーーで伝わるのだろうか、鼻を摘んでそのまま引っ張る、地味に痛いアレ】
【ーーそう言った直後に想像して自分の鼻を押さえ、照れ臭そうに笑うのだろう】
【そうしてしゃんと背筋を伸ばして。危機感が足りないって言われれば「そんなことないのだわ!」と小さく言って】
【いろんな人に言われて、危ない場所には行かないようにしている。ーー十分危機感ありなのだわ、と】

【そして彼女の言葉を元気よく、繰り返すーー】

りぴーとあふたみー、男はみんな、オオカミで…………
オオカミ!?!?

【身体が驚いた猫のように反り返り、そのままパタリ、と魔女の膝にと倒れこむ】
【翡翠の布をすっぽり頭からかぶり、隙間から瞳を覗かせる。魔女を見上げるその瞳はじんわり涙で滲んでいて】

お、お、オオカミはダメなの、あの子達は私の髪を食べるのだわ!
そして爪で私の背中を引っ掻くのだわ、痛かったのぅぅぅ……

【ーー狼にはトラウマがあるらしい】


737 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/28(土) 12:41:41 4pGR8cs60
>>736

【クスリ、と微笑みを漏らした、先程の笑いとは全く違う、庭先に咲いた蒲公英を見る様な優しい笑み】
【野原一面に芒が広がって、それが一斉に風に吹かれた様な心地良さを感じて】
【それが貴方の何よりの魅力なのだろうと思った、美しい髪や顔立ちよりも尚も愛しい】


そうですね、洗濯バサミで鼻をつまんでピッです、ふふ、想像すると面白い光景で御座います
でもそれだけじゃ可哀想です、赤く腫れた鼻ぐらいは、よしよしとして差し上げましょう
飴と鞭です、私だってちょっとは女の子らしいとこ、あるんですよ

御座いません、はっきり申し上げますがクローディア様の危機感は生まれたての赤子レベル
いえ、赤子ならば母親が生命に変えてもお守りする分、赤子の方が幾分も上でしょう
お話してる最中でも、私がその気ならばぱくりと食べてしまえるぐらいでした


【ぐりぐり、と鼻を指で押すだろう、じとーっとする目は変わらない】
【若しかすると意外に世話焼きなのかもしれない、なんて思わせるぐらいには】
【膝に倒れ込んだクローディア、白い太股に重なる貴女の姿──少しだけ吃驚して、その後落ち着いて】


よしよし、痛かったのですね、それは災難に御座います
ですがお分かりでしょう? クローディア様、狼とはこの様に恐ろしい存在
そして世の殿方は皆心の中に狼を飼っているのです、隙を見せてはなりません

今度はぱくり、と食べられてしまいます、それはもう恐ろしい勢いで
ああ哀れ美しかったクローディア様は見るも無残な、御姿に──魔女はそれを見て、嘆くのです
だから言ったではないですかと、後悔先に立たず後のお祭りです、がおー


【そっと身体を折って、布地の隙間から顔を覗かせる貴女に顔を近づけて】
【ふふ、と頬の端をあげて、がおーっと狼の真似をする】
【まあ何ともしかし、楽しげな様子で】


738 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/28(土) 12:51:48 WMHqDivw0
>>725

【雷撃は、何もないところを穿って消えた。その後の光球は】
【やっぱりそう早くもない速度でふよふよ空を漂って、また移動をし始めた――が】


――――――――ッッッ!!?


【鈍い音がして、それに見合った感触が少女の手に伝わるだろう】
【化物の目――真正面についているものが、ぐしゃりと潰れたのだ】
【苦しそうな呻き声を上げながら、化物は滅茶苦茶に暴れはじめる】

【頭を捻り胴体を捩じらせ尾を振り回して――とにかく意味もなく暴れるのだから】
【このまま近くに居れば何かしら当たるかもしれなくて危険、だけど】
【逆にチャンスともとれる。一度落ち着いて距離を取ることを選択したなら】
【ただその場で暴れるだけの化物に、追撃を与えることも出来るだろう】

【 「――――ぽひゅん」 】

【同時。少女を追跡するように動いていた光球、5つのうちのひとつが】
【そんな間抜けな音を立てて、消えたのがわかるだろうか】
【――どうやらこの球は、化物の「目」の数と同じ数しか操れないらしい。なら、この先は?】


739 : クローディア :2018/04/28(土) 13:15:12 B3KDEI320
>>737

【心地よく感じる良い声だった。ーー自分に微笑んでくれたのなら微笑み返す】
【でも、ハッとしたようにやがて恐ろしいことに気づいたように少し肩を震わせて】

やっぱり魔女さんは優しいのだわ……!私、よしよしだなんて、飴だなんて、考えていなかったの!私、ひどい子なのかもしれないわ……
はわぁぁあ鞭は!鞭はごめんなさいなの〜!!

【押される鼻、パタパタうごく足】
【黒いロングスカートがふわふわと動きに合わせて波打って】

そんなことないのよ、危なそうなら私だって逃げちゃうのだわ!!
ふふ、でも魔女さんはその気じゃなかったはずよ。ーーその気だったとしても逃げないの。でも痛くしたらちょっと怒るわ!優しく食べてください

ふ、ふふ、ふふふふ
うふふふ、あははははははっ!!
全然!全然怖くないのだわ!!

【ーーがお、とやられて】
【最初は我慢するように。喉の奥で笑っていたのだけど。やがて漏れ出てケラケラ笑い出す】
【彼女の膝の上で小刻みに揺れて笑う。くすぐったいだろうかーー】
【やがて顔に被っていたヴェールは滑り落ち、地面に蜷局を巻いて】
【でもそんなことは気にせずに、楽しそうに笑いながら近づいた彼女の鼻先をつん、とつつくのだ】

ねえ魔女さん、様なんてつけなくていいのだわ
クローディアって呼んで頂戴。なんならクロでも構わないのだわ!

【膝は借りたまま、見上げる顔は綻んでーー】


740 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/28(土) 13:37:56 6.kk0qdE0
>>731>>733

「うう……」
「カイさん!!カイさんッ!!」

【近づき、そして意識を失うカイを揺り起こそうとする】
【意識は絶たれたが、しかし、この場でその無防備な姿を晒す事は即ち死に繋がる】
【そして自分自身が単身となる事も……】
【そんな中】

「……誰、ですか?」

【ついにその気配だけの存在が姿を現した】
【拳銃を向け構えて、そう問いかける】
【が……】

「……」

【その邪悪な笑みと】
【そして神々しいまでの登場にあっけにとられていた、が】
【その後のあまりにも間抜けな状況に、唖然とする顔を隠せない】

「あの……大丈夫ですか?その、色んな意味で……」

【泥濘に頭から突っ込む女性に、そう再び問いかけた】


741 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/28(土) 16:14:36 S/DUh6T.0
>>739

【クローディアの反応に暫し硬直する、笑い出す貴方の顔を見て】
【純白雪を夕やけが染めるように、白い柔肌に紅潮が満ちていく】
【耳まで真っ赤にしたなら、つん、とそっぽを向いて】


……こほん、冗談ですよ冗談、本気になさったんですか?
全くもう、クローディア様はお子様なんですから、ほんとに
ほらヴェールが落ちました、服装の乱れは心の乱れに御座います

──それは出来ない相談です、クローディア様
私は敬意を持って他者に接するのです、それが私の意義なのですから
……呼び捨てはもっと仲良くなってから、秘め事は後の方が宜しいのです


【付け加える様に述べた、小さな音律は、それでも確かに響いて】
【少ししたら貴女をよいしょと、座り直させて彼女は立ち上がる】
【風に揺れるヴェールを抑えた、布地越しに視線を向ける】


時間になりました、私はこれで──ですが、お忘れなきよう
クローディア様はくれぐれもお気をつけて、お腹を出して寝てはいけませんよ
それから……悪い狼には気をつけて

──それでは、またどこかで


【静かにその場を立ち去っていくだろう、優しい微笑みを残して】


/この辺りでしょうか! お疲れ様でした!


742 : クローディア :2018/04/28(土) 16:37:58 B3KDEI320
>>741
【指摘されればヴェールを抱き寄せるように拾って】
【赤くなる彼女の頰をにまにまと、はたまた得意げに見つめたりして】
【出来ない相談だと言われれば、逆に嬉しそうに、子犬のように尻尾があればぶんぶんとーー】

それは、また会ってくれるって意味よね?
ふふ、絶対ーー約束なのだわ!

【座り直されれば素直に従い、そのまま立ちあがって空を見て】
【ああ、もうこんな時間だと残念そうに肩をすくめてみせる】

【去る彼女にゆるりと手を振れば聞こえるようにーー】

狼には気をつけるけれども!!
お腹は出さないのだわー!

【って、ちょっと拗ねた声がお見送り】

【やがて視界から彼女が消えれば、少女もまた家へと向かうのだろう】
【今日だけはヴェールを裏返したまま、ご機嫌な足取りで、踊るように】

//お疲れ様でしたー!!ありがとうございました!!


743 : ◆D2zUq282Mc :2018/04/28(土) 18:20:35 JY1GydDk0
>>733 >>740

【意識は仄暗い水の底へ沈んでいく。深く、深く沈んでいく】
【ドラゴンが此方へ突進する光景は、意識を失う前に焼き付いていた】

【だから、立ち上がってドラゴンをぶっ殺さにゃならんのに】
【感情は、心は空回る。言う事の聞かない身体に足を引っ張られ、空回る】

―――……ぁ、づ、ァぁ…

【翔子に揺られる身体。それは意識を水底から引き上げる】
【その証拠に、半ば反射的ではあるが呻き声を上げていたのである】

(―――……ゃ、ッべぇ。意識、トんで、…やがる)
(しかも、…視界も、…真っ赤っ赤で、……クソ程見辛ェ)

【カイの双眸に光が灯り始める。外部からの刺激で徐々に意識を取り戻す】
【だが、依然として身体の自由は利かない。そして頭から血を流している為に視界も悪い】

【そんな劣悪な視野でも朧気ながら理解できた】
【――自分達を背後から見ていたヤツの姿を。不快感を刺激する挑戦的な雰囲気を】
【何よりここにいる人間の中で一番ドラゴンに対して脅威となっている事を】

【そのお陰でドラゴンの動きが停滞し始め、カイは意識を取り戻し、立ち上がる】
【無意識に、左手で腰に挿したもう一丁の拳銃を取り出し、反射的に引き金を引く】
【無作為に放たれた貫通特化の弾丸は、"アタイらの獲物を横取りすんな"と主張するようだった】


744 : ◆qijkYF5k5g :2018/04/28(土) 19:14:09 /k0oE.eA0
>>738

っやったっ!……っとと

【金属化したペットボトルの一撃は、化物の目のひとつを潰し】
【手に伝わった感触で確実にダメージを与えたことを実感するが】
【やはり、その重さゆえ攻撃後によろめいてしまう】

【転倒はふんばって防いだが――化物からの距離をとることができず】
【暴れだした化物の、鋭い鱗が付いた尻尾の振り回された一撃を右わき腹に受けてしまう】

うぐっ……!

【衝撃でそのまま吹き飛ばされ、結果的には化物から多少距離をとる形になったが】

痛ぁ……

【わき腹の引き裂かれた傷から、血が滲み出した】

目、目、目を潰せば……ダメージはあるみたい……うっ、でも止血しないと……

【なんとか立ち上がり、傷を手で押さえながら、化物を睨み付ける】
【残った目を潰す、やるべきことは見えたが――今すぐ攻撃に転じるのは難しい状況となった】


745 : ◆Heckemet8M :2018/04/28(土) 20:01:13 u1dxVMlM0
>>740 >>743

「糞が。せェッかく俺が満を持ィして出ェたといィうのに。もォーっと格好良く登場さァせやがれ」

【ひとまず、両腕に力を加えてクレーターの外へと脱出を試みるその者】
【……地面が濡れていたためか、クレーターが大きかったためか。ともかく、足を滑らせ再度その中にダイブ】
【腕を用いるのは諦め、横方向に身体を転がしながらの脱出を行い、それは成功させた】

「ほォう、俺の心配をすゥる余裕がまァだあァるとはな……那須翔子」

【全身に付着した泥やゴミ等を払いつつ、その眼を――隠されてはいるが、それを向けて】
【――はて、完全に女性の声であり、一人称も一応別物で、けれども既視感があるような、ないような。】
【感じるかもしれない聖は紛れもなく本物だ、故に邪な存在とは真逆に位置するだろう存在に間違いなく】

「――良ォい。抗え、人間共。魂有ァる限り」

【カイの放った弾丸が、翼を見ていたドラゴンの方へと向かっていって】
【丁度眼の上辺りだろうか、そこを経由し背中を通る。――角が片方、地面に落ちた】

「最後に。――爪を溶ォかしたのは、聖じゃアねェ。"能力の源"だ。」

【その言葉の直後、その者は再び物陰に向けて素早く飛び去っていくだろう。何かしらの妨害がなければだが】

【そして、龍の眼が再び2人を捉えれば、両翼が動き出し、右、左の順で2人がいる周辺――距離によっては手前に向けて振り下ろされる】
【2人を直接狙ったわけではないが、移動による巻き添え、あるいは周囲への余波には警戒が必要だろう】

【――まず、右の翼はカイの弾丸によってダメージを受けている。そのため、振り下ろしの力や速度は弱く、クレーターは生じない】
【だが、質量が変わったわけではないため、直接受けるのはまだまだ危険か】
【左の翼は、速度こそ今までどおりだが爪が溶けた影響か、生まれるクレーターは前よりも小規模である】

【なお、翼は振り下ろされた後も戻されることがない。もしかすると、この攻撃は本命ではなく、次に繋げるための何かかもしれないが……】


746 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/28(土) 21:01:47 WMHqDivw0
>>744

――――――rrrrrr、

【唸り声。潰された目から赤い涙を流す化物が、恨みがましい目つきで少女を睨む】
【ようやくのたうち回るのをやめたらしい。でも、激しい痛みはまだ残っていて】
【それに引きずられているのか、あるいは視界の一部を潰されたことによって動き難くなったのか】
【おそらく両方の原因で、歩みは遅い。それでも一歩一歩、重たい足音を立てながら少女に向き直り】

【 「………………ばぢ、ばち、ぢっ」 】

【ふたたび響く稲妻の音。残り4つの光球が、先程と同じように少女を追いかけて】
【また取り囲もうとしている。しかし先程よりもずっと遅い速度、芋虫が這う程度の速度で】
【それでも、よろけた少女に狙いを定める。少しずつ口を開け始める、熱い吐息が漏れてくる】

【化物の使う能力。目と同じ数の光球を視界の中で操り、それらで獲物を囲んで】
【その内側に電撃を与える、というようなもの。からくりはもう、伝わっただろう】

【――――唸り声が止んだ。次の瞬間には先程と同じ攻撃が来るだろうと】
【予測させるような、嵐の前の静けさ。それを前にして、少女は、どんな手を使うだろう――】


747 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/28(土) 21:17:44 6.kk0qdE0
>>743>>745

「カイさん!!」

【女性は意識を取り戻した】
【危ない、非常に危ない所であった】
【そして、もう一方でも……】

「……その口調」
「その話し方、まさか……邪禍さん!?」

【確かに、その人物、話し方には覚えがあった】
【間違いなく、邪禍のそれだった】
【やがてクレーターから脱出した、邪禍、と思しき女性は】

「能力の源?魔力の事!?」

【そう、ヒントめいた何かだけを単切に伝えて飛び去って行った】
【そして、再び腕が振るわれる】
【速度は幸いに遅いが、この場に留まる訳にもいかない】

「――っぐッ」

【目下最も危ないのは、カイ】
【取れる行動は一つだった】

「離れますよ!!」

【渾身の力で、カイの身体を抱き寄せ、抱き上げ】 
【その場からの離脱を試みる】
【尚、能力の構成は完了しており、発動や展開はいつでも可能な様だ】


748 : ◆D2zUq282Mc :2018/04/28(土) 21:45:53 JY1GydDk0
>>745 >>747

【出血が酷い。頭がぼんやりする。目の前のヤツが何か言ってやがる】
【何を言ってるか解らねえけど、大方ロクでも無い事なんだろう】
【視界が流血で遮られてるお陰でその面は拝む事は出来ないが、何言ってるかは解る】

――……抗うさ、地の果て…まで、な。

【揺蕩う頭と曖昧な意識が紡ぐ言葉は、何に対してのものか。
 眼前を飛び去った女性に対してか。それともココではない何処かに対してか】

【破れたジャケットの袖を強引に引き千切り、顔を覆う血液を拭った。
 すると、赤に染まった視界から赤以外の色が戻りつつあるのを確認するまでも無く】

天国までイかせてやる筈なのによ、アタイが…地獄にいる様な、……気分だ。

【うわ言めいた言葉を垂れ流すカイの身体は、翔子に引き寄せられる】
【手放した銃を手繰り寄せようとした瞬間の出来事で、カイは翔子に抱き上げられるのを止められない】

この、……おたんこ那須め。

【翔子によって抱き上げられたまま、彼我との距離を取った為にドラゴンの攻撃は大した手傷無く
 飛び散った瓦礫や破片が飛んでくる程度にやり過ごすのであった】

【この時点でのカイの武器は左手に握られたHeavens Rush付与の拳銃のみ】
【ドラゴンに対してはHeaven's Rushだけでは分が悪すぎる。故に――告げる】
【カイの口から零れた言葉は、自身への祝詞か。呪詛か。カイの身体に冷たさと熱さが混ざる感覚が奔る】

              ―――Heaven's Hell――― 

【その一言で天国と地獄が混ざる。Heaven's RayとBurst Impactの効果が混じる弾丸は】
【自身の能力を融合させたカイは抱えられながら、両手で持った拳銃をドラゴンへと向け、3発放った】
【それは相対するドラゴンが何かをしようとするのを本能的に察知したからだろうか】


749 : ◆Heckemet8M :2018/04/28(土) 22:37:04 u1dxVMlM0
>>747 >>748

「――俺の名ァは魂の天使"ディルメル"。邪禍じゃアねェ」

【しかし、その者が見せる表情は、彼女が知る存在とよく似ていた。】


【両翼に、両脚に、力が籠められる。――最初に零式たちを一網打尽にした時のような、挙動】
【それと決定的に違う点は、……対象が、空を飛ぶ存在でなく、地上に立つ存在というそれ】
【まるで"己を投擲"するかの如く、巨体が地面から離れていって】

【――右の翼から、メキメキと何かが起きている音がする。開けられた穴から流れる血の量が増えて】
【左の翼は右よりは状態は良いが、爪の引っかかりが無く力を入れづらいようで】
【けれども、まだ止まらない。力ある者へ、それは向かう意思を見せる】

【カイの放った3発の弾丸が、ドラゴンを捉えた】
【それは胸部を貫き、あるいは首をそうして。ようやく自身の投擲を遂行できるかと思っていた矢先の出来事だった】
【ドラゴンはバランスを崩し、前方向にへと転倒。砂煙、あるいは水しぶきと共に2人の方へと進んで】
【ある程度距離が近い状況であれば、それに巻き込まれて撥ねられる可能性もあるが……】

【瞬く間に周囲の泥水を真っ赤に染めて――それでもなお立ち上がろうとする。】
【体勢を崩したときとは別の意味でずいぶんと手こずっているようだが】


750 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/28(土) 23:09:23 6.kk0qdE0
>>748>>749

「邪禍さんじゃ、無い!?」
「じゃあ、一体……」

【果たして、その疑問に答える声はあるのだろうか?】
【だが、ゆっくりと構えている暇はない】
【カイの銃弾は的確にドラゴンを捉え、そしてダメージを与えた】
【危ない所だったと言える】
【カイの銃弾が命中しなければ、自分達はあの零式同様に藻屑とされていたに違いない】
【泥水を赤く染めたドラゴンの流血が、足元にも届く】

「こうなったら!!」
「誰がおたんこ那須ですかっ!!」

【言うが早い、振り返りカイを下せば】
【隙だらけのドラゴンに向き直り】

「これでもっ!!」

【術式展開――氷禍】
【ドラゴンの地面に接している部分を中心に、氷結させ動きを封じる策に出る】
【最も巨体に過ぎる為、完全な展開には時間が掛かるだろうが】
【果たして、上手く行くだろうか】


751 : ◆D2zUq282Mc :2018/04/28(土) 23:42:18 JY1GydDk0
>>749 >>750

【翔子に担がれていたのは僥倖とでも言うべきか。そのお陰で射撃に専念出来たのだから】
【内心ゾッとする思いだった。もし零式を撃墜する程の"投擲"が自分達へと牙をむいていたなら】
【確実に死んでいた。二人仲良く仲良死とでもいうべき状況にでもなっていただろう】

【翔子の足元周りを見やれば、そこには泥の色に混じる赤色があり、その先には】
【"投擲"をしようとした名残か、砂煙や水飛沫を伴って前のめりに倒れようとするドラゴンの姿があった】

…よう。地べたを這い蹲るのはどんな気分だ?
やっぱり腸が煮えくり返る様な気分か。そうであって欲しいぜ。私も同じ気分だから。
(――チッ、"混ざって"きやがった。■■、てめえ出てくんなよ…っ!)

【ヘヴンズヘル発動の弊害か。カイは自身に混ざり、表出し始めていた■■に毒づいていた。
 その為、翔子に下ろされていた事も、翔子の能力が発動している事に気付くのが遅れた。
 加えてドラゴンが倒れる時の衝撃に備えるというアクションも遅れていた】

那須翔子。援護し―――うぉあっ!?

【建物を薙ぎ倒し、零式を羽虫扱い出来る程の巨躯が倒れたのだ。当然、その衝撃は計り知れない】
【満身創痍のため、衝撃に身体が持ってかれる。覚束ない足は縺れ、その身は又しても倒れる】

【瓦礫や破片が背中や肩、二の腕に食い込み苦悶の表情を浮かべるも、上体を起こし】
【翔子の援護射撃として、残弾全てをドラゴンへと撃ち放つのであった。
 その後、カイはグレネードランチャーを持ち出すべくバイクへと向かおうとするのだった】


752 : ◆Heckemet8M :2018/04/29(日) 00:03:40 u1dxVMlM0
>>750-751

【立ち上がるべく力を籠めた脚が、翼が、妙な涼しさを感じて】
【――おそらく、推測した展開時間を大幅に短縮する速度で氷結が進行していくだろう】
【そういえば"爪を溶かしたのは能力の源"……だったか。多くは語らなかったが……】
【カイの放った弾丸が高い効果を示しているような気がしたのも、もしかすると気のせいではなかったのかもしれない】

【ただでさえ立ち上がることに難儀するほど体力を奪われていたこの状況だ】
【それを更に阻害されれば、当然その行為を遂行することが更に困難になる】
【――吠えようとした、が、首へのダメージからかそれは中断されて】

【その代わり、正面に向けて……翔子を噛みちぎろうと首が動かされる】
【大きく開けられた口部から吐き出されるのは、鉄のようなにおい。あるいは、赤色の体液】
【どちらも攻撃目的ではないのは明白か。おそらくは、この状況でできるだろう行動を苦し紛れに行ったに過ぎない】
【けれども、それに油断すれば刺し違える結果にもなりかねない、かもしれない】


753 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/29(日) 00:11:15 6.kk0qdE0
>>751>>752

「カイさんっ!?」

【どうにも、一瞬カイの様子はおかしかった】
【しかし、同時に確信したこともあった】
【魔力による氷の生成が妙に早い】
【そればかりか、威力も上がっている気がする】
【『能力の源』即ち魔力の事だろうか?】
【とすれば、このドラゴンは魔力を帯びた攻撃に弱い】
【ならば、と】

「これでもっ!!」

【自身に向かい大きく開いた口が迫る】
【カイは、一旦この場を離れ、転倒したオートバイの元に向かう】
【鉄の、血の濃密な臭い】
【胸が悪くなりそうだったが、その口目がけ】
【術式展開――氷槍】
【巨大な氷のランスを、その口の中心目がけ放つ】
【まさに食うか食われるか、この瞬間に掛かっているだろう】


754 : ◆D2zUq282Mc :2018/04/29(日) 00:35:03 JY1GydDk0
>>752 >>753

【バイクへと辿り着き、100式擲弾筒を手に取るカイは】
【直ぐにドラゴンへと振り向く】

……窮鼠、猫を噛む。
否。目の前の鼠は龍ですから。この例えは宜しくないでしょう。

【歩くような速さであるが、カイは出来る限りの速さでドラゴンと翔子へと近づく】
【この状況下において漸く五分五分だと考えているカイは、翔子への援護射撃を絶やさない】

那須翔子。手負いの…獣には、注意なさい。
さもなくば、貴方の喉笛を食いちぎられてしまいます。

【翔子へと注意を促しながら、カイは銃弾の再装填を行う。見る限り能力での攻撃の方が利きが良い】
【そう踏んだカイは自身の拳銃に単なる魔力弾を装填した。そして装填され次第、何発も発砲した】
【複数の魔力弾が向かうその先は、翔子を食らわんとする大きな口である】


755 : ◆qijkYF5k5g :2018/04/29(日) 00:43:47 5w/a9BZQ0
>>746

またふよふよと……

【再び自身に迫る光球――】
【残るは目玉の数と同じ4つ。どうやら連動しているらしい】
【攻撃を加えようにも、拳銃やペットボトルは直前の応酬で落としてしまい、武器がない】
【そして、わき腹からの出血――このままでは】

あ……こんなに血が……

【傷口を押さえる手に、べったりとついた赤い血】
【かつて、路地裏で負傷たときは助けてくれた人がいたが――今回は誰もいない】
【自らの力でなんとかしなければ――】

どこかに水があれば……

【少女の能力を使えば、水を金属(タングステン)化して鈍器にすることは出来るが――周囲を見ても、手の届く範囲に水はない】

あれ……

【しかしふと、再び自分の手を見て、気がつく】

血……血も……水で出来てるよね?
うん……!

【目をつぶり、すぅーっと息を吸い、呼吸を整える】
【そして、再び目を見開けば】

変・身!

【訓練では習わなかったセリフを叫ぶと】
【少女の姿は一瞬で、セーラー服――水兵としての軍服姿に変わり】
【さらに、わき腹から滲み出る血が金属化し、傷をふさぐ形となった】

よし!

【化物を見据える。意志の通った空色の瞳でしっかりと睨みつけ】
【――確かな戦意を持って、武器を持たない拳を構えた】


756 : ◆Heckemet8M :2018/04/29(日) 01:01:23 u1dxVMlM0
>>753 >>754

【――その口部が喰らったものは、生物ではなかった】
【己の身体を蝕むもの。力を持った者共が放ったそれらだった。】

【巨大な氷のランスが口部を、その奥を目指して突き進み】
【その周囲にも影響を与えていく。……氷結を専門とした術式に比べれば劣るだろうが、周囲をある程度そうさせてくれる】

【そうして脆くなった頭部に、カイの放った魔力弾が次々と命中していく】
【前述の氷によるダメージと合わせて、頭部の形状をどんどん変えていくだろう】

【さすがに頭部を潰されてもなお、動こうとするはずは――】
【……あった。致命傷を負った状態でも、最期の時まで攻撃の意思を止めず】
【けれども、それが結果を成すことはない。そのうち、動きは止まる】

【――たとえ幾ら待っても、ドラゴンが蘇ったり、あるいはドラゴンの体内から新手の敵が現れたりはしない】
【先程少しだけ姿を見せた存在が次なる何かを呼び寄せたりもせず】
【(文句の1つや2つでも言えば、その存在そのものが再び出てきてくれるかもしれないが、敵対の意思は見せない)】

【さて、……おそらく、終わったのだろう。驚異の排除は】


757 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/29(日) 01:10:06 6.kk0qdE0
>>754>>756

「は、はい!」
「(あれ?カイさん?)」

【内心口調が変化して居る事に気が付き】
【少々訝し気になるも、再びドラゴンと向き直る】
【やはり、だ】
【自分自身の氷のランスと、そしてカイの魔力の弾丸】
【これらがドラゴンの頭部を、歪な形状に変化させていき】
【やがて……】

「倒した?」

【いや、油断は禁物であった】
【まるで最後の抵抗の様に、再び動き出し、そして攻撃の意思を見せる】 
【小銃に着剣し、構えるも、ドラゴンは地に臥せり、動くことは無くなった】

「……」

【試しに近づき、銃剣で突いてみるも、動かない】
【緊張が解け、安どのため息が漏れ】

「カイさん!やりました!!倒しましたよ!!」

【共に戦った女性に、そう声をかけた】


758 : ◆D2zUq282Mc :2018/04/29(日) 01:31:13 JY1GydDk0
>>756 >>757

【ドラゴンの頭部は形を変え、元あった雄雄しい姿では無くなっていた】
【死ねば全て同じ。唯の残骸でしかない。荘厳ささえ見せ付けていた龍の最期に憐憫の眼差しを向けていた】

『…そうですね。脅威の排除は成りました。そして私達が生き延びているのは奇跡に近い。
 今はそれを喜びたい。そんな所ですが―――』

【『この結末に至るまでに失ったもの達への鎮魂は未だ済んでおりません』
 翔子にドラゴンから離れるように促した後、神妙な面持ちでそう言ったカイは
 自身が手にした100式擲弾筒をドラゴンへ向けて放つ】

【水の国の街を壊して回り、幾多の命を奪ったドラゴンが憎くての行動ではなく】
【あくまで、死者への手向け。異国の地で散った桜の国の軍人を悼んでの事】

【それが済んだ直後、漸くカイは安堵したか、その場に座りゆっくり後ろに倒れ、夜天を仰ぐ】
【その内に、徐々に元の粗暴なカイへと戻りつつあった】

「あー、くっそ疲れた。けどよ、ドラゴン狩ったヤツはこの世が広かろうとアタイらだけじゃねえか?
 くくっ、実に貴重な体験だ。末代まで自慢できるぜ。まあ――あのヤロウの存在は腑に落ちねえがな」
「確かにアタイらと敵対はしなかった。ただ、それだけだ。人を試してるかのようなカミサマ気取りは
 癇に障るったらありゃしねえ。もしかしたらマッチポンプじゃねえのか?」

【口にするのは歓喜と疑念。何故あの人物はここにいて直ぐに居なくなったのか。それに答えるものは居るのだろうか】


759 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/29(日) 13:35:12 WMHqDivw0
>>755

【覚悟の決まった少女の姿。化物はそれを、4つの目でしっかり見ていた】
【もう次はない。これで終わり。この電撃でお前を黒焦げにしてやる――】
【……伝わる言葉で言ったわけではもちろんないが、まるでそう言っているかのよう】
【唸り声が止んだ。再び訪れる嵐の前の静けさ。しっかりと意志を持った少女なら、すぐにわかるだろう】


【 「――――――ばぢばぢばぢばぢ っ!!」 】


【少女の前後左右に散らばった4つの光球から、一斉に電撃が迸る】
【檻の中に閉じ込めた獲物に浴びせるような攻撃、だけど】
【檻ほどの密閉性なんてない。いくらでも、抜け道のある――化物の知性に見合った杜撰さ】

【少女にできることと言えば、この隙間だらけの檻から抜け出して】
【大きな一撃を放ったあと、クールダウンを要している化物に、たしかな一撃を加えることだ】
【覚悟が決まっているならきっと容易なこと。もう、躊躇なんていらないのだ】


760 : ◆qijkYF5k5g :2018/04/29(日) 13:50:53 5w/a9BZQ0
>>759

ぉおっ……!

【小さく、気合を入れるかのように声を出しながら、少女は走り出した】
【化物に一気に近づくことによって、電撃を回避する】
【が、完全な回避は出来ず――】
【背中に少し、直撃ではないが電撃を浴びてしまう】

っ……!

【熱く、焦げるような嫌な痛みが背中を襲う】
【だが止まらない、。化物まで距離を詰め――】

えりゃぁーっ!

【両手の拳を、前に突き出す】
【不格好だが、渾身のパンチ】
【同時に、能力によって両手の血液が金属化し、先ほどと同じ硬く重い一撃が】
【命中さえすれば、化物に残った正面の両目に叩き込まれるはず――】


761 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/29(日) 13:53:41 ZP5d3v9M0
>>687

ええ、うん…そう。
彼女に、任せておけばい。信頼できるとか色々考える前に、今私達は彼女に頼らなくちゃ

【オーウェル社の逃げたアンドロイド、それだけ聞けば信頼できるか怪しい。でもフォルケン博士のと思えば】
【黒幕を憎む(ロボットが憎むという感情があるかは別として)1人であることには変わりない】
【利害関係の一致。またしてもそんなドライな感情が私の理性を納得させる材料になっていた】

いいえ、聴いて。

【そういうと、止められるのはわかっていた。だって、さっきの話と矛盾していると思うから。矛盾していると思われても仕方がない】
【ここからは戦術と戦略の違いの話に近い。戦術とは全体の流れの一戦、一ラウンド。戦略とはそれを包む大きな大局をしめす】
【ようは試合に負けても勝負で勝てばいい。肉を切らせて骨を断つ――どこかで負けても最終的な勝利につながるなら。負けておいたほうがいい】

そもそも、婦警がなにものか。鈴音さんは知ってる?黒幕の手先で…そういう事以外。何が目的で誰が指示しているのか
もっともっともっと奥の奥の奥のことまで…知らないと。他の皆が動けない。
それが出来るのは多分…私だけ。私なら彼らは内側から鍵を開けてくれる。なんなら、私が鍵だから

だから、まず私が望むのは―――対話。言葉で、私は…戦ってみたい。それが、わたしにできることなら

それと、もし、黒幕の使う技術がオーウェルのものなら…対策は考えてある。ごく簡易的なものだけど
…もし、婦警を捕まえるなり――殺すなり。…するなら、それも手伝える

【きっと心配しているのだろう。そして悩んでいるのだろう。でも、伝えないほうが酷だと思うから。私は言うしか無い】
【それにきっと、メールを出してしまっているから、遅かれ早かれ――対話の時は訪れる】


762 : ◆zuR4sSM1aA :2018/04/29(日) 13:57:12 0jLFl.bY0
>>707


「ふむ────。君たちはその“リスト”がどこにあるのか知っている訳か」
「返せるもの、返せるものか……。何が君たちの気に入るものになるだろうか」


【顎に手を当て、どんなもので“返せる”のか検討を始める】
【現状“リスト”はこの一件が終われば最強の兵器になり得る】
【それを手にするためには、何らかの代償が必要であると──至極当たり前なのだが、何が良いのか考え込んだ後】


「君たちと組んで黒幕を潰したなら、あとは円卓だけだろう」
「そちらは私達だけで“瓦解”させる──これでどうだ、まだ足らないか?」


【彼女らの戦力を「円卓」の崩壊に注がせるのではなく、現在最大の的である「黒幕」に注がせる】
【此方は“暗に”彼女らのチームを支援し、この一件が終われば「円卓」を瓦解させる】
【彼女らは「円卓」の今後を気にする必要もなく、そして徒に戦力を消費することもない】
【──まあ初期案だ、まだまだ足らないと言われることも想定していて】


763 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/29(日) 14:41:25 WMHqDivw0
>>760

【――――潰れる感触】


――――――Arrrr――z___hhhh!!


【少女の拳は、真っ直ぐに化物の目に穿たれた】
【残っていた4つの目は潰れ、中から血と、透明の液体をだらだら零し】
【もう元に戻らないことをはっきりと示していた。それと同時】
【中空を漂っていた4の光球が、ぱちんと弾ける音を残して――霧散する】

【これでもう、この化物の攻撃手段は、その無駄に大きな図体を使ったものしかなくなった】
【しかしそれも、大事な大事な器官――視界を司る目がすべて潰れたことによって】
【正しい使い方もできなくなったろう。あとはもう、少女がとどめを刺せば終わるだけ】

【化物はもんどりうって暴れ回り、ついには鱗のない――皮膚の薄い腹の部分】
【そこを上に向けるように転がって、みっともなく手足をばたつかせるようになっていた】
【あとはもう、することなんて一つしかないだろう。暴れてはいるが、もう残された力なんてそうそうない】


764 : ◆qijkYF5k5g :2018/04/29(日) 14:52:48 5w/a9BZQ0
>>763

はっ、はっ……

【息を切らしながら、化物の状態を見て確認する】
【目は潰れ、光球は消滅】
【最良な形でダメージを与えることが出来たようだ】

【少女は近くに落ちていた拳銃を拾い、装填し】
【目の前でのたうち回る化物の無防備な腹を狙う】

軍か警察を呼びに行ってもいいけど……
このまま放っておいたら復活してまた人を襲うかもしれないし……
撃つよ?

【伝わるかわからないが、化物に話しかけた】
【ばたばたと暴れる様子が、どこか悲しく感じたのかも知れない】

あなたは魔海、とかから来たの……?
それとも、誰かに……機関とかに作られたバケモノ……?

【疑問を投げかけながら、答えてくれるとは思っていなかったのだろう】
【そのまま引き金を引いた】
【銃弾が、化物の腹に向かって放たれた】


765 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/29(日) 15:00:08 WMHqDivw0
>>764

【銃弾は正しく化物の腹を穿ち、その機能を停止させる】
【当然だとも言わんばかりに、少女からの問いかけへの返答はないまま】
【ギャ、と呻くような声を上げて――化物は動かなくなった】

【――静寂が戻ってくる。化物と、数人の人間の死体が横たわる路地裏】
【少女がそのままその場に居続けたなら、足音を聞くだろう】
【聞く限りではゴム製の靴底が立てる音。かつかつという硬質なものではなくて】
【それでも、それなりに重量感のある音。成人男性のものと判断するのが正しいか】


……あっれ、死んでら。まあいいや、手間かかんないのはイイコトだし……


【それを伴って現れたのは、長身の青年だった。褐色肌、銀髪をした黄色い眼の男で】
【少女がもう帰っていたなら、しれっとその場の「後片付け」を始める】
【そうでないのなら、にこやかに笑いながら少女に手を振って――やっぱり「後片付け」】
【敵意はない。少女を見ても、何もしようとしない。……不気味なまでに平然としている男だった】


766 : ◆qijkYF5k5g :2018/04/29(日) 15:46:51 5w/a9BZQ0
>>765

……

【化物は死んだ、かどうかはわからないが――戦闘不能になった】
【勝利をしたが、嬉しい感情はあまり湧いてこなかった】
【そして聞こえる足音――少女はその場から動かず、待った】

えっと、誰?

【やってきた男を見て拳銃を構えたりはせず、聞く】
【始めた「片付け」を見ながらも、攻撃の素振りは見せず】

……その人

【ひとつの死体を指さした】
【それは、化物に最後に殺された人間――少女に「逃げろ」と言った人、だった物】

その人の死体は持ってかないで
わたしに、逃げろって言ってくれた。死にそうな時にわたしを心配してくれた人だから
だから、わたしが埋めてあげるの

【少女は無表情のまま、青年に話した】


767 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/29(日) 16:03:21 WMHqDivw0
>>766

おれ? おれはねえ、このバケモノの「飼い主」――の部下、だったんだけど、
ヘマって檻から逃がしちゃってネ、すっごい頑張って探してたの。
ごめんネー、こんなになるまで捕まえられなくて……

【「おじょーちゃんがやっつけたの? すごいネー」】
【そう宣いながら、ひょいひょいと死骸を袋のようなものに詰めていく】
【相当な重量の肉を軽々と扱っていく。ならばこいつも人間ではないのかもしれない】

【……その手は当然のように、化物の牙に食い荒らされた人にも伸ばされて】
【一人、また一人。拾っては袋に詰めて、最後の一人に手を伸ばし】
【――た、ところで少女の声がかかる。青年はきょとんとした顔をして、ふうんと口にして】

そう。じゃあ「ソレ」はおじょーちゃんにあげる。
……手は貸さなくていい? きっと結構、重いと思うんだけどー、

【にっこり。当たり前みたいに笑って見せるのだった】
【仮にも死体とはいえ、人間をモノのように扱って「それ」呼ばわり。きっとろくな人物ではない】


768 : ◆qijkYF5k5g :2018/04/29(日) 16:29:58 5w/a9BZQ0
>>767

人に飼われてたんだ……いろんなペットがいるんだね

【飼い主がいたということは、つまり野生ではなく】
【逃しちゃったという説明を聞けば、疑わずあっさりと信じて】

わざと襲わせたんじゃないなら、仕方ないかな……
じゃあね、お兄さん

【殺された人への扱いに怒るような正義感は、持ち合わせていないようだった】
【狙ってこの人達を殺していないのなら、もう何もないと】

大丈夫、ちゃんと体は鍛えてるからねっ
うっ……

【人間の死体を抱えるのは初めてで――】
【それは想像よりもずっしりと重く、よろけるが】
【なんとか抱え、そのままこの場を離れるべく、歩き出した】


769 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/29(日) 17:06:46 WMHqDivw0
>>768

【「ウン。それじゃー、気を付けてネ」 ……】
【ひらひら手を振って、屍を抱えて去り行く少女を見送る青年】
【最後までへらへら笑っていたが、少女の姿が見えなくなると】
【ポケットからスマホを取り出して。どこかしらへ、電話を掛ける】


……やっほーミア。あのワニ? トカゲ? どっちか知んねーけどあの試作品、
死んでたわもう。能力者にやられて。しかもちっちゃい女のコ一人に。
つまりダメダメってこと、実戦投入とか絶対ムリムリって話……あーあー怒んなって。

イイコトも教えてやっから。その能力者の女のコ、金髪碧眼だったヨ。


【――そう伝えると、電話の向こうで黄色い声が上がる】
【青年はそれを耳にしながら――あくまでも笑みは崩さないまま、目尻に歪みを交え】
【「じゃあ切るネ」。それだけ言い残してスマホを直し、後片付けを再開したのだった】


//長いことおつかれさまでした! ありがとうございました!


770 : ◆qijkYF5k5g :2018/04/29(日) 17:13:11 5w/a9BZQ0
>>769

//ではこのまま〆で!戦闘ロールにお付き合いいただきありがとうございました!


771 : ◆Heckemet8M :2018/04/29(日) 17:43:14 u1dxVMlM0
>>757 >>758

【放たれたグレネード弾を睨む眼はもう無く、爆風と共に血や肉片等が周囲へ飛び散るだろう】
【死してもドラゴンか、やはり通常の兵器によるダメージは――けして低くはないが、やはり能力によるそれよりも効きが悪い】
【破裂した水道管が撒いた水のせいもあってか、周囲はとても赤くて鉄臭く、けれどもその水がいずれはどこかへ流してくれる】

「――マッチポンプか。ククッ、どォーかな」

【再び2人の近くにへと現れる、先程の……ディルメルとか名乗っていた存在】
【帰っていなかったらしい、この者は。……いや、先程浴びた泥水は綺麗さっぱり無くなっていて】
【単純に身体を洗いに行っただけだったのかもしれない】

「能力者を嫌う者共が集まる街に、能力を持ォたぬ強者が外かァら現れる」
「そォれを退けるにィは、己らが嫌った存在が持ォつ力が無ァければ厳しい」

「――で、そォのドラゴンは海の向ゥこうから現れた訳だ」
「俺が関わっていると、貴様らは断言でェきるか?」

「あァ、テレビ見ィとけよ。面白ェモノが見ィられるぜ。"黒幕"がもォッと嫌いになァれるぞ」

【もし何かしらの方法で引き止めなければ再びその者は姿をくらまし、そして三度戻ってくることはないだろう】


772 : 名無しさん :2018/04/29(日) 18:41:46 miSqrrKs0
>>761

――――だから。駄目だってっ……、

【ひどく複雑な表情をしていた――だけれどわざわざ要求してきたのだ。麻季音――ソラリスがすべてにおいて重要なピースであるのは、最初から分かっていた】
【そのなかで相手は奪い取るでもなく、自分を使って連れてこさせようとした。正面切って襲い掛かって来ることをしようとしなかった。――少なくとも、初手では】
【それが出来ないのか。しないのか。までは、分からないけど――冷静じゃない頭はそう難しいことを考えられない。とにかく麻季音を護らねば、とそれに執心してしまって】
【まして。裏切り者に選ばれた。この情報で裏切って来る人間だと思われた。その引け目が余計にいっそう執着させる――ぎゅう、と、手のひらを握りしめ】

知らないッ……けど、! だからって――麻季音ちゃんが行くことない、そんな風にして、何、されるかっ――、
――麻季音ちゃんは行っちゃ駄目。"本物"のあなたが来たら、――護ってあげる、って、当たり前の約束が、出来ないかもしれない……、
クラァケさんが居る。クラァケさんなら、麻季音ちゃんのふりだって、できるよ、ねぇ――お願いだから、あなたをわたしに護らせて――、お願い……。

【婦警が何者であるかを、自分たちは知らない。知るためには、それこそ、本当に……黒幕の奥深くまで潜り込む必要があるだろう。それでもなお、判明するかは分からない】
【けれど麻季音なら深くまで入り込める。相手が求めているのだから。その理屈は分かる、分かっている、と、思った。だけど――やはり、確約ができない】
【能力を封じることのできる敵を相手にして。麻季音のことを護り続けてあげられない。それがどうしたって怖くて、どうしても、どうしても、受け入れられないみたいに】
【――――だから来ないで、って、懇願する。それでもきっと冷静なのは麻季音だった、きっとひどい寝不足で。追い詰められて。何日も引きこもっていたようなひとは】

…………でも――、

【――きっと全く冷静でなんてないのだ。ひどい引け目があって。それを取り返さないといけないってところから、きっと、考え方は始まっている】
【麻季音は重要なピースだって分かりながら、同時に誰よりも護りたい。だって、他のひとに比べて、あまりに、当たり前に、生きていていいはずの子だったから】
【知る限り二つの名を使う探偵が一般人かって、そんなの否だ。蛸によく似た亜人も一般人でないと思う。自分は言うまでもなく。ウェインも、カニバディールも、平穏じゃない】
【だけど――だけど。その中で。一番普通に見えた、こんなことがなかったら、普通に生きている子だって、思えた。――それが壊れてしまうのが、他人のことであるのに、ひどく恐ろしくって】


773 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/29(日) 23:33:11 6.kk0qdE0
>>771>>758

「ううーん、どうなんでしょうね?」
「ドラゴン退治は、確かに聞かないですけど……」

【擲弾筒を放つカイの言葉に、こう答えて】
【しかし、同時に確かに気になる事もあって】

「本当に、邪禍さんじゃないんですか?」

【マッチポンプ、と言うのはどうにも疑うには材料も足りず】
【そして同時に、怪しさも過分にあったが】
【判断は出来ない、そしてそれ以上に、邪禍に極めて近い話し方の女性に、疑問が尽きなかった】

「テレビ!?え、ちょっと何の事なんですか!?」

【最後に放たれた意味深な台詞】
【そして去って行く……】

「色々、解らない事はありましたが」
「ありがとうございました!」

【少女はそう言うと、カイに握手を求める様に手を差し出し】
【そして終わったらば、そのままバイクを起こし】

「では、また何処かで!」

【こう言って帰って行くだろう】


774 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/29(日) 23:37:25 wn2rqSVw0
>>536

【「力を持つ者こそ、その力に溺れず――」――それを聞けば、こくりと頷く】
【そういう所で捻くれる事無く、素直に聞き届けるのは】
【やはり教育の賜物だろうか。或いは、ゼン=カイマという】
【自らが生まれ育つこの街そのものという先例があるから、かも知れない】

【――どちらにせよ、話が己の質問の答え】
【すなわち、魔術でも使っていたのか。その返答ともなれば】
【雑念、雑念――と。その消し方に興味の対象は移ってしまって】

【普段ならすぐに食べきってしまうクッキーも、珍しく進みが遅い】
【けれど焼き立ての手作りお菓子。甘い物に目がない少女が、食が進まないはずもなく】
【ものの数分ですっかり自分の分を食べきってしまうと】
【しっかりと「ごちそうさま」を言ってから、手を洗って――ふぅ、と椅子に座り】


……ん。母上、どうかしたのか?……俺、何かしたかな、……?


【そうしてぼけっと天井を眺めつつ、先程の思考に戻る――そんな時】
【ふと感じる、母親の目線に問いかけをする】

【きちんと父親の分は残したし、手も洗ったし。怒られる、ということは無いのだろうと】
【視線を追ってみれば自分の服を見ているような。確かに汚れたり、解れたりはあるが】
【少女――ベアトリクスからすれば、これが普段の格好であったりする】

【昨春まで実際に修道院に通ったりもしていたものの、今や単なるお古でもあり】
【それで鍛錬などをするものだから――ボロ布とまでは行かないが】
【教会にいくには、流石に厳しいものがあったりするのだった】


775 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/29(日) 23:37:43 wn2rqSVw0
>>635

【目が覚める。その瞬間から視界を支配するのは、淡い光の玉】
【その造形は単純でありながら神秘的であり、暫し呆然と魅了される】
【感動の雫が目元からこぼれ落ちるのに大した時間がかかることもなく】
【眼球さえ動いていれば満足だというように、起き上がることもない】

【ただ光を浴びているだけで満足だった】
【ただそれを見つめるだけで幸せだった】
【ただ同じ世界を共有するだけで――堪らなかった】


【それだけ見惚れていたものだから、かけられた声には緩慢な反応】
【「何か言ったか?」というような動きで首だけを向けると】
【そこに居る彼女を見留めて、忘れたように声を漏らし】

【これまたゆるりと起き上がると、細い足を床に付けてその身を支える】
【足取りは覚束ない。けれど誘蛾灯に誘われる羽虫の如く】
【ふらりと一歩、足を前へ――その手は、求めるようにその好奇へと伸ばされて】


【天の使いが差し伸べた手を握るように、恭しく】
【例えそれが輝かしい愛に満ちていようが、終わりのない闇の深淵に引き摺り込む物であろうが】
【"  "を見失った彼の、拠り所とでも呼ぶべきものは――そこに、在ったのだから】


776 : ドラ :2018/04/30(月) 02:31:32 XqQAhkbc0
>>728

(……あのでっかい銃、どう考えても威力高いよだろうなぁ……何発かもらったら確実に装甲が砕けるだろうね
それだけじゃない。貫通はしなくとも……衝撃はほとんど軽減できないだろうし、急所にもらえば麻痺って普通に死んじゃうな
呼吸と血液の流れが乱れれば……即アウトだ)

(……しかし、あんなどデカい得物を女の力で扱うなんて……筋力だけじゃ足りないだろうね、多分少ない筋力を補って狙いを定め討つ『技術』もあるはずだ
まさに、『達人』と『達人』の戦いになる……ところで彼女やっぱり滅茶苦茶エッチだな、別の意味で足が動かし辛くならないよう気を付けっと)

【構えながら、ドラ―――キャットⅢは敵の戦力の分析を冷静に済ませる】
【敵の銃の威力は間違いなく急所にもらってはならない事は即座に見抜く。遠距離の戦いは不利だ、可能な限り速やかに接近戦に持ち込みたい】
【後は鏡の能力の全貌……『鏡』?と聞いて……以前誰かからそれにまつわる能力を聞いてないか必死に脳内を探り始めていた】

【官能的なポエットに対しキャットⅢもまた律儀に言葉を返すだろう】


言うじゃないのお嬢さん?それはそれは、素人童貞には耳が痛い話だねぇ
逆に言えば愛撫までならぼくもかなり存じてるほうさ……そう!!おっぱいに関しては!!ぼくはこの世界でも1,2を争う達人さ!
君こそ、一撫でで腰砕けにならないでよね。吐いた唾は絶対に飲めないんだから

なかなか魅力的なお誘い受けちゃってるけ・ど!ぼくのとてもビッグで図太い自尊心を砕けるなんて
思いあがってるのは君とて同じさ……


【余裕そうでスキだらけ、そんな印象を相手に与える彼の態度だったが、銃身が彼へと向いた瞬間にはすでに彼は射線から消えていた】
【躊躇のない動きを相手に、ほぼ同時に動き出していた……!反射神経だけでは説明がつかない、まるで『速度』に慣れているような動きだった】
【決して大柄ではないカチューシャの体よりも大きく身を低くしながら―――カチューシャへ向けて滑るように接近してくる―――?】

【冷静に足元を見れば、彼の足から膝にかけてバチバチとエネルギーのような何かが流れ、身を低くしたところで脛の動きだけで前方に低空跳躍】
【そして膝で滑りながらほぼ仰向けに彼女のほぼ足元にたどり着くだろう!】


―――うん、お仕置きの時間だよ。ぼくから……君に向けてね!!オーバードライブ!!


【一連の動きを見る。やはり筋力だけでなく、技術による制御だった!彼の予想は当たっていた】
【ならばまずは手を潰す!カポエイラのような動きで滑らせていた足を跳ね上げ下から彼の右足の蹴りがカチューシャの右手へと放たれるだろう!】
【ただの蹴りではない……受ければどこか暖かなエネルギーがビリッと流れ、数十秒ほど一時的な麻痺が発生する!武器封じの一手だ!】


777 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/30(月) 09:28:10 ABHv169.0
>>776

【くるり、と手首を返す。── 右手に寄せた狙撃銃、長い銃口が地面を向いて】
【そのまま背中に狙撃銃を置いたなら、大きく体重を預け、地面を蹴った】
【まるで月面で大きく宙返りをするように、背中から後方へ大きく翻る】

【優美な軌道であった、タイトなスカートに身を包んだ臀部が弧を描いて、肉感的な身体を身悶えさせる】
【すとん、と後方の地面に脚から降りて、右手で地面に突き立てた狙撃銃に触れる】
【まるで貴方の首筋に指を這わせる様に滑らかな動きで、彼女は銃身をそっと撫でた】


あら、折檻してくださるの? それも麗しい音律であるけども
粗雑な痛みでは唯痛いだけ、無作為に打たれるのはとても悲しいの
それじゃ物足りなくて切なくなるの、そんな私の姿をお望みかしら

鍛えてらっしゃるのね、その脚運びも、逞しい身体も、十分に殿方めいて
それでいて精力は坊やの如く滾ってるのでしたら
激しい戦いは向いてないのではなくて? そう身体が主張するのではないかしら


【開花する前の蕾が如く、触れ合う彼女の唇、潤んだ言の葉が蕩けるような熱を帯びて】
【耳元で囁かれる様な吐息混じりの言葉、貴方の情感をなぞる曲輪の如く】
【彼女は知っている、自分の淫らさを──だからこそそれを主張し振りまく事で、相手の色欲を乱そうとする】

【微笑みを浮かべる様に口の両端を少し横に広げたが、実際に微笑みは浮かばない、その暗示があっただけ】
【でもそれで十分だと言うように、白拍子は表情を潤沢に使わないのだから】
【暗示さえあれば良かった、寂しげな視線を秋波な目元に浮かべさえすれば大抵の男性を骨抜きに出来た】


ねぇ坊や、戦いに理由を持ってらっしゃるのかしら、そんな風に数字を集めるのは如何して?
私は不思議よ、とーっても不思議、カチューシャはどうしてかなって思ってしまうの
それはまるで飛び方を知った小鳥の様に、軈て狩られる儚い運命だもの

それとも坊やは自分の力を信じていらして? それならそうと、早く言って欲しいの
叩き壊してあげる、坊やの自尊心をズタズタのボロボロのぐちゃぐちゃにして──
その後は優しくベッドで愛するの、身体も心も、支配してあげる


【強く地面を蹴って疾走、ドラとの間合いを詰めにかかる】
【走りざまに狙撃銃を拾って、両手でその銃身を握ったなら】
【まるで薙刀を叩きつける様に一閃、狙撃銃を振り下ろすだろう】

【振り下ろしたらそのまま、右足を後ろに退いて左足を前に】
【重心を下に下ろし銃口を上げる──狙撃の体勢へと移行するだろう】
【堰を切ったように激しい流れ、僅かな澱みもなく彼女は動作をする】


778 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/04/30(月) 09:29:44 ABHv169.0
>>724
/まだ大丈夫ですか?


779 : ◆9YLBM3qPyY :2018/04/30(月) 12:04:21 DIKJp7AM0
>>774

【じっと、娘を見つめる。クッキーを頬張る姿が、小動物じみてとっても可愛らしい……違う。今は親馬鹿してる場合じゃない。】
【服が、ボロボロなのだ。活発で良く動き回る上に、成長の問題で服が間に合わなかったという事情もあるので、仕方がないとはいえ】
【いつまでも間に合わせのおさがりを着せておく訳にも行くまい。彼女も女の子なのだから、きっと新しい服の一つでも欲しい筈だ。】
【……いや、欲しいのだろうか。そういうお洒落には無頓着そうな気もするが……。どちらにせよ、このままお古を着せるわけにはいかないが。】

何でもありませんよー……ちょっと、じっとしてて下さいね?
……やっぱり、このままじゃ厳しいかしら……

【なおも、頬に左手の人差し指を当ててじぃっと観察する。それが、何か考え事をしている時の癖だと、貴女も知っているかもしれない。】
【観察すると、膝や肘の部分や裾が特に解れたり擦り切れたりしているのが分かる。やはり、よく動くせいなのだろう。】
【肘や膝は日常生活でも肘を突いたり転んだりよく擦ってしまう部分だろうし、ローブは構造上裾を引きずりやすい。】
【そもそも礼拝用の服は、静かに祈りをささげるために作られているのだから、鍛錬と称して運動をするのに適していない。】
【間に合わせとはいえ、やはり修道服は娘に着せるのには向いていない服だったというのがよく分かる。ならば】
【ちゃんと、彼女の生活に合わせた服を仕立ててやらないと。さて、思い立ったが吉日。】

んー……よし。……ベア。お出かけしましょう!
たまには、お母さんとデートに付き合ってくれませんか?なんて。

【ぽんと手を叩いて、声を掛ける。親子でお出かけをデートと表現するのは、なんだか可笑しいけれど……。】
【まだ娘には、服を買いに行くことは秘密にしておく。サプライズと表現するのは大袈裟だけど、喜ぶ顔が見たくて。】
【母親は我が子の喜ぶ顔を見るために、あれこれ考える物。時には厳しく叱る事はあるが、基本的には笑顔でいて欲しいのだ。】
【空回りすることもあるけれど、それはそれ。たとえ9回失敗しても、1回成功して笑顔が見れたら、それで十分。】
【エプロンを脱いで手早く畳んで、お出かけの準備。さて、財布の入ったポーチはどこにあったかしら……】


780 : ◆jw.vgDRcAc :2018/04/30(月) 12:18:18 DIKJp7AM0
//>>779
ごめんなさい、トリップの文字が欠けてました!


781 : ◆KP.vGoiAyM :2018/04/30(月) 13:18:20 ZP5d3v9M0
>>772

【私は頭を振って、鈴音さんの言葉をまた制止する。気持ちは痛いほどわかる。逆の立場なら私だってとめるだろう】
【けど、そうしなくてはならない理由がある。それに…本当はそうしなくちゃならないことぐらい、鈴音さんだってわかってるだろう】

クラァケさんなら真似できる。でも、相手は能力を消すのよ?一瞬で、それこそ…化けの皮は剥がされる。そうなったらこんどこそ
…殺されるわ。それだけならまだいいけれど…

【殺されるだけならまだいい。それが相手のすべてを物語っている。能力を奪い、記憶を奪い、人格を奪い、恐怖と、仮初の幸福を植え付ける】
【そんな相手に…立ち向かわなくてはならない】

それに、クラァケさんには悪いけど、専門的な話まではコピー出来ないでしょ?結局、私は私にしか出来ない。
…黒幕に、私達が優位な点において、そのうちの一つが向こうが作れない技術をこちらは作れるという点よ。
もしそれを手に入れるなら、必然的に向こうは譲歩しないとならない。…交渉してみる価値はある

【たしかに私には特殊な力もない、数奇な運命もない、普通に両親が居て、学校で勉強して、単なる一般人。】
【だけど私からすれば他の皆さんのほうがよっぽど普通だ。私の生まれもった、この人が言う所の“天才的な”頭脳は、どこか“人間的”ではない】
【常に合理的で、正しい判断を下す。いくつもの私が並行して議論していて――優しさにかけている。そう思うときもある】

【だからこそ、この役は適任だと思う。生物学的に見れば、皆一緒。脳科学的にも大差はない。だが、認知的に、哲学的にみれば全員が特別だ】
【ようするに、どこに価値を置くか、そのバイアスで特別と普通はわけられる。学問は多様な価値観を吸収して、最後には虚しくなる。そういうものかもしれない】

…というか私はまだ捕まる気はないわ。向こうの奴に会って、宣戦布告してくるだけよ。
戦いは…これからよ。だから、今はゆっくり休んでいて。その時のために。…それまでそれを補うくらいのメンバーはいるはずよ?
貴女が集めたんだから。大丈夫よ

【と、笑ってみせた。さっきは泣いたりしていたのに我ながら落ち着き無いなと思う。でも、これで。敵に向かうことが出来る―――ありがとう】


782 : カイ中身 :2018/04/30(月) 14:10:20 OghXxL2I0
>>771 >>773

【ドラゴンが出現した原因は不明。ディルメルなる人物との因果関係も今となっては解らず仕舞い】
【それどころか反能力者の風潮に対して、結果的に能力者の有用性を証明する為の体の良い宣伝として利用されたとさえ感じるのだった】

けっ、確かに断言は出来ねえな。という訳でこの話は終いだ。ーー実にけったいな野郎だ。

【それ以上に気になる言葉が、黒幕というワードがカイの言葉を打ちきって、その言葉が出た意味を思案しようとした瞬間ーーー】

んあ?ンだよその手は

【差し出される手。握手を求められているような手。思わぬ行動に驚目を瞠らせて、苦笑が溢れた】

【だからおたんこ那須なんだよ、おめえは。アタイの手は血で汚れてるから握ろうとしないでくれよ。おめえまで汚れちまうぞ】
【喉元まで出かけた言葉をのみ込み、意地の悪い笑みを浮かべながら手をのばして握手に応じた】

…まあ次は味方かどうか解らねえが、生きていれば何処かでまた会うだろうな。

/これで〆…ですかね
/何はともあれ何日にも渡ってのロールでしたがお疲れ様でした!ありがとうございました!


783 : ◆Heckemet8M :2018/04/30(月) 14:38:34 u1dxVMlM0
>>773.782

「違う。――なァ、考えてみろ」
「奴は邪な悪魔。俺は聖の天使。奴は聖を嫌う。……"天使"もだ」

「奴と相反する存在であァる俺が、どォーして同じ存在だァと思えるのだァろうか」

【――否定しすぎると逆に怪しいとはよく言うが、しかしその者が述べた理由はもっともであり】



【街に大きなダメージを与えただろう、今回のドラゴン襲撃事件】
【中継するチャンネルは殆どなかったが、何者かの手によって断片的だが皆の活躍も映っている映像がネット上に公開され、すぐに消されては、また上げ直されて】
【それを運良く確認できれば、ディルメルだけは何故か映っていないという事実が発覚する。2人が何もない所へ話しかけるおかしな絵が誕生していたり】
【ドラゴンが虚空を翼で殴ったら何故か爪が溶けるという奇妙な絵も誕生していたりして――存在自体はしていたということか、まるで"幽霊"のようである】

【一方、その後のテレビでの扱いは……】
【"次のニュースです。水の国の〇〇にドラゴンが現れました。ドラゴンは既に討伐済みですが、被害総額は――と見積もられております。"】

【――以上。その辺の家が火事になった時の方が大きな扱いなのではないか、そのくらい小さな扱いなのだ】
【新聞でも同様の扱いだ。どこかの誰かの投稿の方が大きいレベルで、当然写真の1枚すらなく】
【明らかに何かが干渉している。今まで起きた似たような事件は、もっと大きく扱われていたはずだ】

【そのうち、別の大きな事件が起これば報道すらされなくなるだろう――】

【……ただ、一部を除いてだが。】
【例えばJAチャンネル。それは、普段は外部の映画・アニメ・ドラマ等を適当に放送しつつ、たまに無難なニュースを淡々と流すだけという地味なチャンネルなのだが】
【稀に、どこも放送していないような情報……例えば機関の襲撃予告情報を流したりすることもある。また、スポンサーがいないため運営の実態が不明瞭という噂もある】

【少なくともそのチャンネルは今回の事件の中継をばっちり行っており、別の大きな事件が起きるまではトップニュースとして流すだろう】
【もちろん活躍の映像も流すし、能力者が活躍した事も告げて、街の復興の様子も逐一伝えてくれる】

//お疲れ様でした!


784 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/30(月) 15:23:48 wn2rqSVw0
>>779

【お洒落に無頓着か、と言われればそれは間違いなくそうだろう】
【そういった機会が無かったということもあるし】
【なにより、勝ち気なこの少女自身が「花より団子」なワケで】

【じっとしていてと言われれば、不思議そうに母の顔を見つめながらも動きはせず】
【母親の癖――頬に人差し指を当てる仕草から、何を考えているのだろうと思案して】
【騎士としての将来だろうか。武技の練度だろうか、それとも魔術か。不安がりながら水を飲もうとグラスを傾け――】


――…っ、ごほっ…!?ん、な……っ!
いやっ……デート…っ?……で、出かけるだけ、だよな……。

【普段は生真面目で優しい母が、珍しく冗談を言うものだから】
【思わず咳き込みながらもすぐにそれが冗談だ、と気付き】
【そしてその直後に、少しは落ち着いた頭が「お出かけ」だと理解し】

【元来外に出るほうが好きな性格というのもあるのだろう】
【表情はぱっと明るくなり――いざ外へ、ともなれば】
【ポーチを探して、何かと準備をするだろう母親を「早く」と急かすのだ】

【やがて家を出る時は、その戸口の側に立てかけた大剣――センチネルという、巨岩の如き剣だが】
【父から譲り受けたその得物を担ごうともするが、止めておいた】
【母との折角の外出なのだから、そんな物も必要ないだろうと判断し】
【けれど柄を握る代わりに、小さな手でしっかりと母の手を握って――どこへ?というように、優しい横顔を見上げたのだった】


785 : ◆9VoJCcNhSw :2018/04/30(月) 15:24:28 wn2rqSVw0
本スレ>>963

【「説明聞いてたっ!?」という言葉に、肩を竦めてYESと答える】
【それでも尚自分が行った言葉は間違いではないということなのか】
【訂正もしなければ否定もしない。――ちなみに先の呟きにもツンとして反応もせず】


ほーんと、恐怖だの怨嗟だのを操っちゃうっていうんですから
人間としてどうかと思いますけどねえ……幸い、私と彼はお金の関係ですし。

持って帰って喜ばれるなら、どんな危ないものでも持って帰っちゃいますとも。
それに私は触る気ありませんよ?妖狐といえどメンタルはガラス。
適当な魔術で保護して、それをお渡しして終わりですともっ。


【――問題はその後だ。イルの反応を見て、クズノハはあからさまに面倒そうな顔をした】
【思いつきで言った言葉に食い付かれた。何より相手は魔族なのだ】
【人間なら冗談半分でも言わなさそうなことを、きっと本気で提案するに違いない】
【そして一度でも乗ったら最後、骨どころか尻尾の先までしゃぶり尽くされる事だろう】
【とはいえ――眼の前の結晶をみすみす見逃すのも、やはり惜しくて】


……あのお、聞こえます?妄想垂れ流しにするのは
ぜひとも私が居ない所でやってほしいんですがねえ。
そもそも交尾とか、貴女のパートナーさんって雄なんです?
まあ?化なんかも出来ますから、問題ないと言えば無いですけど……って、そうじゃなく。

そうですねえ…――お金で解決できないとなると、選択肢は二つでしょうか。

一つはさっきお話したように、私が貴女に飼われてあげるコト。
ですが、日数制限は付けちゃいますよ?
これでも誇り高い妖狐ですし、病魔に永久就職するほど今の雇い人相手に忠義もありませんし。
……まっ、長くても一週間か一ヶ月ですかね。大した事も出来ませんけど。


もう一つは"この街"をもう一つ作ってしまうこと、とか。


【「アスタンって名前の都市国家、ご存知です?」と問いかける】
【一ヶ月ほど前だろうか、人口6万を数えるその都市は一夜にして壊滅した】

【下手人はカノッサ機関の一員。すぐさま奪還され、今は「リンドウ・ハツセ」という】
【とある財政界の成功者が私財を投げ打って復興の途上であるといい】


あれ、マッチポンプでして。要は私の雇い人が仕掛けたんですけどね?
やろうと思えば万人単位で殺して都市を空っぽに出来るわけで。
貴女の大好きな絶望やら恐怖やら、量産できると思うんですが…――どっちがお好みです?


【サラリと語るその内容に、人類に対する欠片程度の憐憫も混じっておらず】
【そのまま問いかけるのは二つの選択肢、どちらが好みかというもの】
【なんとなく、嫌な予感がしていそうな表情だったが――どちらを選ぶにしろ】
【自ら提示した選択肢を、この妖狐が拒むということは恐らく、無いだろう】


786 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/04/30(月) 19:32:49 IBKicRNQ0
>>718
【擬態時の彼女の髪と同じく、赤い色の指輪。彼女の為だけに作られたのだろう、赤い指輪】
【その〝赤〟は、彼らがこれまで踏みつぶし、これから害する人々の鮮血か。はたまた、彼らの支配する新たな世界の夜明けの色か】

【少なくとも、照れ笑いと共に指輪を見せびらかす今の彼女は、それだけの恐ろしい存在とは思えなかった】


それは失礼、婚約の段階だったか。赤いドレスで結婚式とは、素敵な思い出になりそうじゃあないか
私まで招待していただけるとは、光栄だな。表の教会でやるとなると、向かう際のルートは考える必要がありそうだが
お許しいただけるなら、喜んで出席させてもらおう

【カニバディールの方も薄く笑いながら、あくまで世間話の体。しかし、やはりそこには見えるのだ】
【彼女が王に抱く、絶対の信頼。愛とは選択であり、対象以外を切り捨てることでもある】
【故に、異形は恐れていた。純愛に生きる存在は、時として誰より恐ろしいと知っていたから】

【だが同時に、己とは方向性が違えども異形を抱えているはずの彼女が、こうして屈託なく幸せな結婚式を語る姿に】
【どこか眩しさすら覚えている面もあった。彼女は伴侶を得て、汚泥の底から抜け出したのだろうと】


〝世界〟……

【思わずオウム返しにした。異形は、笑わなかった。一瞬にして『円卓』の頂点に立った男。その言葉を、笑い飛ばすことなど出来なかった】
【彼は〝やる〟。会ったこともないが、確信があった。ジルベールと言う男には、それだけの力と器があるのだと】

……まったくだ。強欲極まりないお方だよ。陛下の隣にいる者は、退屈とは無縁だろうな
世界を睥睨する。そこいらの奴が言うなら、夢物語と断じて良いような話だが……
それを実現する力のある者が言うなら、別だ

【夫となる男のことを語る、彼女の言葉に同意を示しながら異形は察していた】
【己が求められるもの。王の見る夢を実現させるため、その障害となるものを排除するために必要なもの】

『黒幕』を潰す前に、『円卓』に力尽きてもらっては困る。『黒幕』が消えた後に、『円卓』に残って居られても困る
この点に関しては、私とデュボン陛下の利害は一致していると言えるだろう


ロッソの言う通り、〝ちょいと〟レベルに過ぎないのだが……確かに、リストのことは聞いている
……仰せの通りに、王妃殿下。『円卓』がきちんと王に踏み潰されて寿命を終えられるよう、微力を尽くそうじゃあないか
リストの捜索と入手。糸口となるのは、『公安』だろうな……

【異形は答えた。今、この戦いにおいては王に傅く、と。彼の望む物を手にするべく動くと】
【すでに脳内で、そのための道筋を描きながら。金色の瞳を真っ直ぐに見据えた】


787 : 名無しさん :2018/04/30(月) 19:38:08 0GNDW7mo0
>>762

…………ううん、"わたしたち"でさえないかもしれない。ほかのひとが知っているかを――わたしは知らない。だけど。わたしは。
……わたしは、知っているよ。全部ではないけれど――それに、それを"どう"やったらもらえるのかも。わたしは、知らない。

ううん、――そのひとはね、わたしに、教えてくれなかったの。本当は誰が持っているのか。どういうかたちで、"それ"があるのか。

だけどね……知らないよりも、きっといいでしょう? だからね、全く分からないで探すより、よっぽどいいと思うの――、

【この集団の何人がその情報を知っているのか。それを少女は知らなかった――あくまで自分は知っているという話。そしてそれを、共有もしていない】
【よっぽど重要だから黙っていた――というよりか。どうしたってこの状況だ、"後回し"にしていたのだろうと見えて。――ただ、その情報というのも】
【どこの誰がどういう風にして持っていて、何をしたらそれをくれるか……っていうものではない。あくまで、どのあたりにあるか。ひどく大雑把で頼りない、が――】
【――全く知らない状態で情報の沼地の中からたった一つの真実の鏡を探し出すより、よっぽど簡単でしょう、って、――強気に笑んでみせて】

――そうだね、わたしたちはね、黒幕も、円卓だって要らないの。だから、黒幕を倒したら――円卓も、潰しちゃうけど。
そのときにね、あなたたちが潰してくれるっていうなら――それはね、ありがたいなぁ、って、思うの。思うんだよ、――さっきの言葉もあるからね。
それが"嘘だ"って絶対に思うわけじゃ、ないけれど。――――ねぇね、それが絶対だって。本当だって。どうやって信じさせてくれる?

あなたのさっきの言葉。聞いたよ。覚えてるよ。そのうえで――どんなふうに信じさせてくれるの、わたしを。

【相手にとって円卓は不要。だからそのうち潰す気。リストの存在を伝える前から言っていたのだ、ならば、きっとそれはほんとのことだと思う】
【だけど――裏切らないっていう証拠が欲しかった。なんせ情報源が情報源だ、自分から漏洩した、そしてそれで裏切られた――となれば、好ましくない】
【なるだけ確実なものであってほしいと願う。そしてそれはきっとお互いにだろう。黒幕が終わった後に円卓が勝手に終わってくれる……それは、やはり魅力的だけど】

【――そうたくさん"わがまま"できるほど、完全な情報は持っていないのだから。あくまでこちらは零から探すよりいいでしょう、と、強気に笑むのが、精いっぱい】
【それを気取られぬようにするしかないのだ――相手にとってそのカードがどれだけ重大な意味を持つかは、だって、きっと、彼らほどは知らないのだもの】


788 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/30(月) 20:01:01 WMHqDivw0
【氷の国――――】

【駅か港か空港か、どこかしら、やって来た男には迎えが寄越されていた】
【いつぞや、レヴォルツィオーンの本社へ“冒涜者”がお呼ばれした時のこと、その際に】
【従者としてついて来ていたうちの一人――褐色の青年の方が、車を運転してやって来た】

【「すんませんネー狭い車で。ウチ、普段移動手段に拘ってないんで、こーいうトキに無礼やっちゃうっつーか」】

【ぜんぜん申し訳もなんとも思っていなさそうな、へらへらした顔で頭を下げながら】
【それでも入念に掃除はしてきたらしい車内、ドアを開けて座るよう促す】
【好きな香りも何も知らないから、芳香剤はナシ。代わりに消臭剤をそこかしこにぶら下げて】
【走り出したら「……ラジオとか聞きます?」などと訊いてくる。気まずいらしい】

【そんな、奇妙なドライブも1時間経たずして終わる。着いた先は、誰もいない廃墟だった】
【立ち並ぶ建物の残骸はどれもこれも彩度が抜け落ちて、見渡す限り灰色】
【たまに蔦とか苔とかの暗い緑色が目に入るくらい。そんな色合いの街並みの中】
【一番白っぽく保たれている建物があった――折れた十字架が屋根に突き刺さる、廃教会】

【褐色の青年は男をその中に案内して、おもむろにある一か所へと突き進んでいく】
【礼拝堂、パイプオルガンのあるあたり。鍵盤の上に乗っかった瓦礫をどかして】
【何らかの讃美歌。簡単な簡単な一節を弾いてみせると――「がこん」。地下から音が響いて】
【さらに近辺の瓦礫をどかすと――地下へ続く階段が姿を見せた。ややこしい造りで隠してある、地下室】
【それは間違いなく、“冒涜者”の根城。研究者の城たる「ラボ」に間違いなかった】


…………や、ごめんね、こんな寒いところに呼んじゃって。
温かい飲み物は要る? コーヒー、紅茶、グリーンティー、ココア、ホットミルク……
くらいなら出せるけど。お菓子もあるよ、ちょっとだけだけど――

【階段を下りた先、ドアをくぐると薄暗い室内に入る。空調はそれなりに利かせてあったけど】

【――薬液で満たした瓶に入れられ棚に並んでいる、なんらかの生き物のパーツ、あるいはまるまる一体】
【大量の付箋が貼ってある本と、乱雑な文字がみっしり書き込まれた紙束が転がるデスク】
【地面や壁を埋め尽くすように走っている管、管、管。赤黒い汚れの目立つ手術台】

【……そういった、あからさまなインテリアの散らばる室内で。男をもてなそうとするのだ、この女は】
【きっと「普通」であればあり得ないこと、それでも女はここでいいと判断している。目の前の人物が、どういう人か知っているから】


789 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/30(月) 20:20:18 uPyolTM20
>>788

【迎えの青年に「やぁ」などと軽い調子で挨拶をしたその男は珍しい格好をしていた】
【一般的なサラリーマンが常に身につけるスーツ姿にそれらしい仕事用の鞄】
【何も知らないものが見れば、そのあたりを歩いている仕事人と見分けがつくことはないだろう】

【車に乗り込んだ彼はどこか気まずそうにする青年を見ては、薄い笑みを浮かべていた】
【背筋が凍るような、それでいて安堵させるような不気味な笑み。何も変わらない、いつも通りのものだ】
【移動時間中は風景を楽しみ、あるいは青年の表情を眺めては時間を潰す】

【到着してからはその研究所までは足早だった。興奮が隠せないといった様子で】
【地下の階段を下っていき、その根城へと足を踏み入れる】


何、お前たちの創作物がこの目で見られるのだ
どれだけ遠かろうと足を運んでみせるとも。それこそ、異世界だろうと何だろうと、な
飲み物はそうだな、ココアでももらおうか


【スーツ姿が黒い影のように変貌していき、黒衣へと変わっていく。彼なりの変装だったというわけだ】


790 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/30(月) 20:33:45 WMHqDivw0
>>789

……スーツ姿も格好良いよ、あなた。
顔がいいと何でも似合って、得だねぇ……

【「今度ミス・ウィッチに見せてあげれば?」なんて言いながら、椅子に掛けるよう促して】
【それから「ココアだってさ、淹れて」と声を掛ければ――少ししてから、奥の方からもう一人】
【新たな人影がやってくる。ふたりの従者のうち、青年のかたわれ。赤い靴の少女だった】
【トレイにカップと、クッキーの缶を置いて持ってきて、テーブルの上に乗せながら】
【ちら、と男を上目遣いに見やって――すぐ逸らした。その顔色は、青白かった】

【逃げるように去っていく少女、入れ替わるようにして奥の部屋に行っていた青年が戻ってくる】
【その両腕で、箱を一つ。赤色と緑色、クリスマスカラーのシルクのリボンが丁寧に巻かれている】
【――プレゼントボックス、それを抱えていた。そう大きくもないそれを、テーブルの上に置いて】


それで、いきなり本題に入っちゃって申し訳ないんだけど――これ。
ミス・ウィッチからバトンを貰って、やっと出来たんだ、お待たせしました。
……よかったらあなたの手で開けてみてよ、イヤなんだったら僕の方でそうしてもいいけど――

【悪戯っぽく女が笑う。人差し指で差した先は、リボンの尾っぽ】
【引っ張って、ほどいて、開けてみろとのことだった。勿論拒否すれば、まだ傍にいる青年が開けるだろうけど】


791 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/30(月) 20:41:11 uPyolTM20
>>790


はは、凡庸な格好だ、あいつに見せるのは少しばかり恥ずかしいな
だが女に容姿を褒められるのはいつだっていい気分だな、ブラスフェミアよ


【促されるままに席に座り、その後に現れた少女へと視線を向ける。相手を見て、不気味な笑みを浮かべる】
【逃げられてしまえば「なんだ、嫌われるようなことをしたかな?」などと冗談めかして言い】
【それからカップに口をつける。暖かかなココアを一口飲み、「悪くない」と感想を漏らす】

【青年が箱を持ってくる。カップを机に置き、瞳を少年のように輝かせる】


粋な演出をしてくれるじゃないか
いいな、こういうのは嫌いではないぞ。遊び心はいつだって大切だ
ああ、待った、待ったとも。このときをどれほど待ちわびていたか

では、開けるぞ?


【わざわざ宣言をしてから、リボンの尾を指でつまむ】
【わざとらしく、焦らすように、ゆっくりとそれを引っ張っていき、解く】


792 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/30(月) 21:05:24 WMHqDivw0
>>791

……恥ずかしいとか、そういう感情、あるんだ……

【わりと失礼な発言。でも目をまん丸くして言っているあたり、本気でそう思っていたらしい】
【「あー、ごめんごめん」――適当に濁して流そうと試みてから、自身も男の向かいに座り】
【じいっと見つめていた。男がリボンを解くのを、母親みたいな目をして、にっこり笑って――】

【……解けたリボンはゆるりとテーブルに垂れ下がる。それを脇に置いて、蓋を開けたなら】
【箱の中には「何も入っていない」と見せかけて――目を凝らせばすぐにわかる】
【もやもやした、薄く白濁した霧のような気体が満ちている。真っ暗闇の中に、ゆらゆらと】
【陽炎みたいに揺らめいてから――その気体はゆっくりと、外に、漏れ出てきた】

【もやもやもや――煙にも似て空間に立ち上る白い気体、それは一か所に固まって】
【もごもごと蠢き始めた。やがてその色が濃ゆく、濃ゆく、はっきりと目に映るようになったなら】
【改めて、ヒトの形を作り始める。そうしてようやく、輪郭と色彩を得てゆくのだ】

【――――】

【 全体的にそんなに大きくない、というか小さい。細さも併せ持っていて、おそらく少女のシルエット 】
【 淡い桃色を帯びた白い肌。すべすべして、健康的な輝きを放つ 】
【 頭髪は長く長く、尻を隠すくらいまで伸ばされていた、根元は焦げ茶色、毛先に行くほど白金色 】

【 頭のてっぺんと、髪の毛の先――尻のあたりをよく見れば、何故だか猫のパーツが着いているのだ 】
【 三角の耳と、長い尻尾。頭髪と同じ色合い。シャム猫のカラーリング 】

【 そうして、躰を創り上げてから――最後に閉じた瞳をぱっと開く。明るい空色のきれいな瞳が、男を見て 】

「――――――よろしくおねがいしまーす!」

【――――元気よく、ご挨拶。にっこり笑う愛らしい少女の姿が、霧から生まれて其処に在った】
【生まれたまんまの姿でぱっと片手を上げて――慌てた様子の青年が、自身のジャケットを羽織らせて、肌を隠してやる】

【――――】


……あーしまった、服のことなんにも考えてなかった……お見苦しいものお見せしました。
それでまあ、こういう子になったんだけど――詳細説明するね、いいかな?


793 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/30(月) 21:12:43 uPyolTM20
>>792

【リボンを解いたブランルの顔が怪訝そうなものへと変わる。何もなかったのだ】
【だがすぐにそれは気づきの色合いへと変化。箱の中には霞のような何かが確かに存在していた】
【その気体を黒曜色の双眸が追っていく。「おお」と感嘆の声さえあげていた】


────これは、ははっ、流石に驚いたぞ

まさかこういったものを用意してくるとは
キメラ作成の科学者だから確実に通常の生物の範囲を逸脱しないと考えていたというのに
まさかの不定形とはな! いやはや、これは一本取られたな

見苦しいなどと言うな、これは素晴らしいじゃないか!
ああ、是非ともお前の口からこの創作物のことを聞かせてくれ
どのような説明か、楽しみで仕方がない


【興奮のままに浮き上がった腰をもう一度、席に下ろして】
【逸る気持ちを抑えてブランルはブラスフェミアへと向き合った】


794 : ◆3inMmyYQUs :2018/04/30(月) 21:18:04 I8P2g3Y20
>>671

【(骸に、続きを書き足すものがあった)】

【その屍の瞳は確かに生命の光を喪失した虚無を湛えていた】
【しかしその暗黒であるべき眼(まなこ)が、あるとき、緩慢に一つ瞬きをした】

【指先がぴくりと、電極に繋がれたように痙攣した】
【それを前奏として、横たわっていた骸が糸で吊り上げられでもするように浮かび上がる】
【工場で行われる製造ラインの一工程ででもあるかのごとく、身の中心を軸にゆっくりと回転して】

【そのまま、すとり、爪先から地へと降り立った】

【首が据わっていない】
【そのことを自覚したか、あらぬ方へ折れていた首に芯が通って、正常な位置に戻される】

【周囲に満ちる薄闇と静寂に骸は何を思い出したか、その頭部が何かの歯車で駆動するかのごとき動作でゆっくりと虚空を見上げた】

【眼差しの先には鋭利な月影】
【それを眼に映した途端、であった】

【初めは頭部が震え始めた】
【その何かの悍ましい病を患ったかのごとき微細にして尋常ならぬ震動は】
【頸と肩と胴へ伝わり、両の五指、そして足の爪の白い先端に至るまで伝播した】

【不可解に身震いする最中、その膚が全うな人体には有り得ない挙動で、捻転した】
【その身が実は粘土で出来ていて、見えざる何かによってこねくり回されているかのように】
【貌が、髪が、肌の色が、体格が、性別が、かつてその者であった構成要素が瞬く間に別の何かへと歪んでいき】


──────あふぅ。


【やがてそこに、一つの女が現れた】
【婦警、と呼べる装いをしていた。今し方生まれ変わったような爽快な笑みを湛えていた】

【婦警は周囲を見回して、しかしそこが自身の思い描いていた場所ではないことに気付いた】

──あれ?
少しずれちゃいましたよ、くるちゃん。

──あれれ?
公妨も筆の誤り、です。

──字が違いません?

──え? 何のことです?
まあ、すぐそこですから、歩きましょう。
夜は短し、です。

──歩けよ乙女〜♪

【その場に在ったのは間違いなく一人であったが、女は会話をしていた】
【そうしてからようやく、どこかへ向けてその足を一歩踏み出したとき】

【──ぐぅ……と】
【何かひどい空腹に苛まれたかのような、腹の虫の鳴く音がした】

【女は何だろうと小首を傾げたが】
【ふとその腹を見て、すぐに合点した】

【「あぁ──」】


【そこには、開いた柘榴のような風穴が空いていた】


【────────】
【────】
【──】


/初っ端からすみません、分けます↓


795 : ◆3inMmyYQUs :2018/04/30(月) 21:19:32 I8P2g3Y20
>>671

【「あぁ──いました、いました」】


【──と】
【薄闇の彼方から、微かな声が響くだろう】

【〈風穴開け〉の彼女が歩んできた方向からであった】
【もし気配の察知に優れていたならば、先ほど〈風穴〉を開けた方向で何かの気配が蠢いたのを感じていたかもしれない】

【そうした只ならぬ色を滲ませた闇の奥から、それは姿を現した】

【一人の〈婦警〉であった】
【皺も汚れもなく、折り目正しく着こなした正式の警官服】
【旧友に巡り会えたかのような底抜けの笑みを湛えた彼女は、およそ裏稼業の者とは相容れぬはずの相貌であったが】

【真っ直ぐに彼女を見据えるその眼差しこそが、まさしく『依頼主』側の人員であることを物語っていた】

──いやあ、遅くなってすみませんね。
ちょっと“お腹が空いていた”もので──

【言いながら、決まり悪いのを誤魔化すような笑みをして、その腹部をさすりつつ】


──お久しぶりですねえ。
……あ、今はまだ“初めまして”でしたか──ええっと……


【〈婦警〉は来るなり喋り立てるのだが、そこでふと口を詰まらせて】
【相手の名を呼びたいのだが、上手く口から出てこない、そんな様子でまごついた】


796 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/30(月) 21:33:06 WMHqDivw0
>>793

お褒めいただきありがとう……ふふ、それじゃあ話すね。

ミス・ウィッチが「アレ」――異界生物の臓物から創り出した異能は「不定」――
他者の畏怖する事象や、物体に体の一部及びすべてを変形できるんだって。
だからこの子は「固体」にしなかったの、こっちのほうが自由に変形できるから……

【子供が思いついたみたいな夢物語、空想じみた発想を、無理やりにでも現実のものとする】
【其処における才能だけが、この女にはあった。螺子の外れた、世界と噛み合わない歯車にしか成せない】
【おかしくて奇妙な挙動。それを「普通」にこなすのが、この女――話を、戻そう】


……それで、それだけじゃないんだ。この子の、一番褒めてほしいところは。
ねえブランル、少しだけ――目を閉じてくれないかな。酷いことはしないって約束するから。

【ね? と、小首を傾げてねだるように――女がまた笑った】
【サイズの合わないジャケットを羽織った、猫の少女に指を振る。男の方に近付いて行けと】
【男が、女の言に従って目を閉じたなら――「ねえ、何も見えなくなったよね?」と問いかけてくる声が聞こえる】
【仮に拒否したんなら、少しだけ残念そうにしながら、口頭だけでの説明を始めるだろうが】


797 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/30(月) 21:41:38 uPyolTM20
>>796


なるほどな、この面白い性質はあの女が……そうかそうか
お前といい魔女といい、やはり私には人を見る目があるな


【魔女が取り出した性質を利用した。それを聞いたブランルは、まるで弟子が一つの仕事を成したように喜んでいた】
【それからブラスフェミアに頼まれるとブランルはすんなりと目を閉じる】


女のねだりには弱くてな
これでいいか? 確かに見えなくしたぞ


【両目を閉じたブランルだったが、待ちきれないせいか、組まれた両手で指が動かされていた】


798 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/30(月) 22:15:26 WMHqDivw0
>>797

それじゃあ、少し、びっくりするだろうけど――いや敢えてびっくりしてみせてよ。
そしたら僕、この子を作った甲斐があったなって、喜ぶからさ……

【目を閉じた男の傍に、少女が寄っていった気配だけが伝わるだろうか】
【それ以外はきっとわからないはずだ。目を瞑ってもらっているのだから】
【「そのまま、出来るだけリラックスしてね」――女の声がして、次の瞬間】


【 (――――よろしくおねがいしまーすっ!) 】


【男の精神、ココロと呼ばれる部位に――何かしらのバリアとか、防御の術がかけられていないなら】
【唐突に発動する術。――――男の、たしかに閉じた瞼の向こう、そこに】
【なぜか少女が立っているのだ。瞼を閉じた真っ暗闇に、だ。はっきりと輪郭と色彩を保って】
【会ったときと同じよう、元気に笑って手を上げて、男をしっかり「見ながら」挨拶してくるのだ】

【男が吃驚して目を開けるか、あるいは女の「もういいよ、ありがとう」の声を受けて目を開ければ】
【隣で、男に手をかざしながらにこにこ笑っている少女の姿があるだろう】
【精神干渉術。それに似た何かを使ったのだと、きっとすぐに理解できるはずだ】


799 : ◆Heckemet8M :2018/04/30(月) 22:19:17 u1dxVMlM0
【水の国・アルターリ】
【かつては栄えていただろう都市も、今は無残な姿を見せていて】
【ここは、とあるビルの屋上。それは、異世界への門が開かれた場所。】

【――どこからか、コウモリが1匹飛んできた】
【屋上の適当な位置に辿り着けば、そのコウモリの姿は1つの人影にへと姿を変えていて】

「もォッたいねェなァ。数百万人規模の都市だァッたか?」
「そォいつを全員部下にすゥりゃア、……異形の輩も回収すゥりゃア」
「ククッ、まァ過ゥぎた事だ。……そォれよりも!」

【歪な空間の裂け目を見つつ、戦場にいたとある人物が予測していた言葉を発していたのは】
【黒い外套を羽織っていて、頭部から二本の赤い角を生やした、コワモテで奥二重でエルフ耳の、男にみえる者だった】
【身長約216cmの筋肉質な細身で、黒い白目と血の様に真っ赤な虹彩を持ち、ボサボサとしている長い黒髪だ】
【首には紫色の毛のマフラーを巻いていて、黒い褌一丁の服装だ】
【また、鋭く赤い牙や同じく爪を持ち、いかにも悪魔だと思わせる黒い翼や同じく尻尾を持っている】
【その翼の先端には赤い爪があり翼膜は紫色、尻尾の先の方は紫色で先端には赤い棘があった】

「――こォーいう門は念の為保護しィねェとな。随分と強靭そォーだが、念の為だ」

【嬉々とした表情で、足元に魔法陣を生成すれば――そこからいずる闇が形を成し】
【複数の、……チェスのポーンのような、けれどもデザインは非常に、……その、……なオブジェクト】
【大きさは、2リットルのペットボトルと大体同じだろうか。着色された石らしき素材で、何かの魔力を宿している様子】

【そんなものを、裂け目の周りに置き始めるその者。……一体何をしたいのだろうか】


/GW中は返せないかスローペースになると思います


800 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/30(月) 22:25:32 uPyolTM20
>>798

【目を閉じて、視界をゼロにした状態で少女の姿を幻視した】
【精神に干渉する術。それはどうやら成功したようではあった、のだが】


────ああ、よく出来ている、素晴らしいものだ
驚いてやりたかったところだが、”その手”の類は専門でな
どうしても予兆が分かってしまうし、受けるのにもちょっとした準備が必要なんだよ


【目を開き、感想を口にする。魔術を発動させた微かな気配があった】
【精神に対する防護は実はあったのだ。少女からの予兆を感じ取ったブランルはその防護を瞬時に変化させて、彼女の術を受け入れた】
【そういった面倒な手続きをしなくてはならない事情が、この男にはあった。そうしなければ、あるいは折角の創作物に傷をつけたかもしれない】


だが、いずれにせよよくやってくれた
お前たちの仕事に文句のつけられる部分はないな
後はこの少女を私が兵器化するだけ……だったのだが

さて、どうしようか
すでに完成していると言っていいほどの出来栄えだ
私が妙に手を加えるのも、なんだか勿体無い気もするな?


【少女へと手を伸ばして、その頭を撫でようとする。「名前は?」なんて声をかけながら】


801 : ◆DqFTH.xnGs :2018/04/30(月) 22:30:10 r5A/K0Nk0
>>786
【よかった、とミラはまた笑う。「客の一人もいねぇ式なんて、つまんねぇだろうしよ」】
【「赤いドレス、いいだろ?あたし、赤が好きだから」「ゾーイにも声かけたんだ」】
【「黙ってたけど、あたしのダチでさ」────楽しげに、そう語る】
【本当にただの、ありふれた式を語っているようだった。おかしなことと言えば、彼女の姿形くらい】
【奇妙なカプセルに埋め尽くされた部屋の中での会話とは思えないくらいに、普通の会話だった】


ぎゃはっ…………人から“さん”付けされたり、見上げられるっつぅのは悪い気分じゃねぇけどよぉ
“王妃”だの“殿下”だのまで格が上がっちまうと、流石にこう、くすぐったいな
どこの世界に、クソだのブタだのって連呼する姫様がいるんだっつぅ話だ。なぁ?

にしてもほんと、ジルはすげぇよな。マジで世界に手ぇ伸ばせるんだから!
おかげさまで退屈なんてのはだいぶ縁遠い言葉にはなっちまってな!
まぁ、お陰でやべぇことにも巻き込まれたりはするんだが……それはそれっつぅかさ
そうそう!アスタンっつぅ国、知ってるか?あれもジルが────おっと


【人差し指を口元に。内緒話のジェスチャ。アスタン──】
【さほど大きくない、山間の小さな国。以前その国が機関員の手によって滅び】
【リンドウ・ハツセなる者の手によって復興がされているという国だった】
【大きく報道はされていないし、一時期ちょっとニュースになった程度の】
【絶妙な加減で世間の興味を引きそうにない────そんな国の名をぽろりと出す】
【話の流れからして、ジルベールが何かしらの手を引いたのだろう。そうでなくては】
【有名どころか無名に近い小国の名が彼女の口から出るとは思えなかった。「内緒な」】
【人差し指を口元に添えたまま、バツが悪そうに笑う。それでも目だけは愉快そうに輝いているあたり】
【この表情は、ジルベールに対して向けられたものなのだろう。正確には】
【少し情報を漏らしてしまったことに対する罪悪感のような。そんなところだ】


いや、それにしてもあんたが協力してくれそうで正直助かったわ
こう────リストを探すっつっても一人じゃ中々手が回らねぇしよぉ

そんで…………リストのこと、あんたはどんだけ知ってんだ?
生憎とあたしはまだ、全っ然でよ。厳島のヤローがなんか知ってそうなのまでは分かってんだが…………
流石にぶん殴って聞き出すわけにもいかないのが難点なんだよな

後は…………公安、か────鵺だっけ、あのチビガキ
あいつ確か、公安三課だっつう話だよな。なんか、話のひとつでも聞き出せりゃラッキーだけど、よぉ


【金色の目が三つ目を真っ直ぐに見る。ある種の信頼が、金色に混ざる】
【少なくとも、“円卓”の灯火が潰えるまでは確実に彼は協力してくれるのだろう】
【今までの協力者たちは、黒幕潰しのためだけの人員だった。円卓に連なる者は】
【彼女が知る限りでは、自分ただ一人。故に──少しだけ、期待と安堵があった】


802 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/30(月) 22:42:52 WMHqDivw0
>>800

ん、じゃあわざわざ受けてくれたってこと?
それは面倒臭いことさせちゃったね、ごめん……でもサプライズ、やりたかったからさ。

ちょっとだけ、話を説明に戻すね――この子の大まかな「つくりかた」、「材料」の話。

とっても有名な実験だからさ、もう説明はしないけど……「シュレーディンガーの猫」。
あの実験が偶然にも成功してしまって、本当に「重ね合わせ」になってしまった猫。
それが、材料のひとつめ――生きてもいない死んでもいない、ここに居るしここには居ない、
あらゆる可能性を重ね合わせた不定の存在。それがまずひとつめでね。

もうひとつは――どこかの世界、どこかの国、どこかにある小屋の中でで発見された「ねこ」。
そのねこを見るとね、他のどんな猫を見ても「ねこ」にしか見えなくなるんだって。
そんな、精神に強く強く影響を及ぼす存在――仮にねこって呼ばれてる存在を、材料のふたつめに。

それからみっつめ、これがわりと根幹にあるんだけど。割とどこにでもいるタイプの「夢魔」。
自分の身体を霧に溶かして、人の夢に入りこむ特性を借りたんだ。
この三つをうまいこと混ぜて、混ぜて、かたちにしたのが――その子だよ。

――まとめると、ミス・ウィッチの創った遺伝子、「ジャバウォック」の異能によって
対象のトラウマを察知して、その形に自分の身体を変えたあと――それを「精神」に。
それも深い深い――深層、無意識レベルまで入りこんでに直接見せつける。

名付けて「イド潜り」――それがこの子の特技になるんだ。
どう、なかなかえげつなくない? ココロを壊すための兵器としては、なかなかうまくできたと思うけど――


【――一息に。そこまで説明し終えて、どうかな、と首を傾げた。テストの結果を見せる子供めいて】
【少女は、男に頭を撫でられて、喉をごろごろ鳴らしていた。それを見て、ああ、と女が口にして】


……そういえば、名前、つけてなかったよ。
「箱詰猫<ギフトキャット>」って個体名はあるけど、それだとなんだか可愛くないよね……


803 : クローディア :2018/04/30(月) 23:01:55 B3KDEI320
【かちゃりーーと、ガラスが重なる音が静かな店内に響く】
【少し落とした照明と、人のいない店内ーー先ほどまで賑わっていたのだけど、グラスもお皿も片付けて仕舞えば嘘のように】
【そんな店内にかちゃり、かちゃりと不規則に音は響く】
【ーー月に照らされた夜の海みたいな長い髪を一つに縛ったクローディア。ゴシゴシとお皿を洗うたびに左右に揺れる】
【服装はたぶん、お店の制服。でも、左手の甲にはしっかりと黒い宝石のアクセサリー】
【どうしても外したくないって、店長に頼み込んだのだろう。今はそのアクセサリーも泡に包まれていて】
【ーー最後の食器は苦手な薄いグラス。割れないように丁寧に、ピカピカに洗って】
【それが終われば、ふぅって満足そうに声を漏らす。よし、今日も割らなかったと一人でニコニコ】
【濡れた手をタオルで拭きながらふと、顔をあげる】
【……少し、緊張していた。暗めの店内を見回す。皿洗いが終わればもう何も聞こえない】
【すぅ、と小さく息を吸った。一瞬だけ迷ったんだけど、やっぱりってーー】

翔子さん、いますか?

【レジ締めか、掃除かーー店内のどこかにいる彼女に声をかけて】

//予約です!


804 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/30(月) 23:05:23 uPyolTM20
>>802

ああ、シュレーディンガーの猫か
なるほど、巨視的スケールでも不確定性原理や量子効果が表に出てきているわけだ
波動関数の収縮がむしろ起こらずに、確率的に一つの状態が取られることはない、と
射影仮説を打ち消す面白い状態だな、これは。科学者として興味が…………

あぁいや、悪い。ちょっと無関係な話に逸れてしまったな
二つ目の存在とやらも実に興味深い。変わった「ねこ」だなそれは

それで…………ふむ、なるほど


【ブラスフェミアの説明を興味深そうに、時折相槌を打ちながら聞いていた】
【うんうん、と何度か頷き、それから少女の頭をゆっくりと撫でる。手が動き、顎の下を撫でさする】


上出来、などという言葉では足りぬほどだ
それは科学者としてもそうだし、魔術師としてもだ
お前たちは見事に、私の期待を上回る成果を出してくれたな

人にせよ魔族にせよ、精神がある以上は恐怖もあるだろう
どういった相手にもまず間違いなく効く素晴らしい兵器と言えるだろう
…………まぁ、一部の例外もあるだろうが、な


【悪戯っぽい笑みを浮かべながら、その例外本人が兵器としての批評をしてみせた】


名前は……そうだな、ちょっと可愛げが足りないな
んー……どうだ、お前は。自らの存在を区別するための言葉として、何を望む?


【この男にしては珍しい、酷く優しげな声色で創作物たる少女へと語りかけていた】


805 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/30(月) 23:07:45 6.kk0qdE0
>>803

【店内は〆の掃除もすっかりと終わり】
【翔子と店主の宗司は、取り止めの無い会話をしていた】
【そんな中……】

「ん?どうしたの?」
「(あら?)」

【声が掛けられる、随分と緊張した様な声色だ】
【翔子が答え、宗司は視線だけを向けた】
【一体何かあったのだろうか、と】
【グラスか皿でも割ったのでは?そんな感じに答え】
【クローディアの方を向く】


806 : クローディア :2018/04/30(月) 23:23:21 B3KDEI320
>>805

お疲れ様です、お皿洗い終わったのだわ!

【店長である宗司はそう、伝えて。その笑顔には全く緊張は感じられない】
【しかし、翔子の方に視線を移せば少しだけ顔が強張ったような気がしなくもない】
【すぐに俯いたのだけど、そそそそっと翔子に近寄って。彼女の裾をぴっ、と引っ張って。そのままぴぴぴぴっと少しだけ強引に引っ張って】
【どうも宗司から離したいらしく、そのままお店の隅の……一番暗いところに誘導することに成功したなら、話し始めるだろう】
【若葉の瞳でしっかりと、彼女の瞳を見つめながらーー】

翔子さん、悪魔の存在って信じてる?

【あまりにも怪しすぎる質問ーーでも、とても真剣に。袖を掴む手を、離さないままーー】


807 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/04/30(月) 23:29:01 6.kk0qdE0
>>806

「えーっと?何々?どうしたの?」

【クローディアに引っ張られ】
【そして、店の隅、ちょっとした暗がりまで誘導される】
【どうしたのだろう?何かよほど思いつめた事情があったのか……】

「……」
「……え?」

【そうして、彼女がようやく話し出した言葉は】
【此方の意表をついて、尚余りある物だった】

「ええーっと、まあ、信じる……かな?」

【思い浮かんだのは先だってのアルターリの件】
【そして、邪禍の顔】
【悪魔と言われる存在を二人もこの目に見てしまったら、それはもう、と】
【詳細は話さないまでも、そう短くだが答えた】

「それが、一体どうかしたの?」


808 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/30(月) 23:29:07 WMHqDivw0
>>804

本当にいろいろ詳しいね、あなたは。
たくさん褒めてくれてありがとう、上手くできて良かったよ――って言いたいところ、だけど。
この子にも「ヴォーパルソード」……弱点はあるから、一応覚えておいて。

ひとつめ、あなたの言う通り――「例外」がある。
あなたみたいにココロにバリアがある人や、それか、……それすら必要としないくらい、ココロの強い人。
そういう人たちには、「イド潜り」が効かないんだ。天敵ってやつだね。

もうひとつは――「個」として確立させすぎること。
この子の根幹は「不定」であることだから、あまりにも「個」としての意識が強くなりすぎると変形ができなくなる。
シュレーディンガーの猫だって、箱を開けたら生きてるか死んでるか、どちらか分かってしまうのが普通でしょう?

……だから本当は、名前をつけるのも、あんまりよくないかもしれないんだけど……


「――――ミィ!」


【女の声を無視するように、少女がにぱっと笑いながら。鳴き声ともとれる語を口にした】
【そう呼んでほしいという返答なのか、そうでないのか判断に迷うところではあるが】
【それでもきっと――そう呼ばれれば喜ぶのだ。男の手に、自身の頭をぐりぐり押し付けながら】


809 : 名無しさん :2018/04/30(月) 23:29:42 0GNDW7mo0
>>781

でも――でもっ! でも、――――。

【分かってる――分かっていることを、相手も、分かるだろう。いつかそれはする必要があることだ。そして、それをすれば、事態は大きく動く】
【だけど。少女の気持ちだけでいうなら、そんなことを、させたくなかった。平和な場所で生きていてほしいって、願ってしまう。どうしても。自分を呪うように、幾重にも重ねて】

――相手が約束を守るか、なんて、分からないよ! 洗脳の技術持ってる、相手に――っ、何されるのかなんて!
それこそ、――それこそっ、死んだほうがましかもしれない、なのにっ……、"宣戦布告するだけ"だなんて――、無理、だよ、ねぇ……。

【ぎゅうと手を握りしめる、――また泣いてしまいそうな、目をしていた。頑なに相手を護ろうとする、いろんな現状を差し置いても。それが最適解だって、分かりながらも】
【ちぐはぐだと自分自身で理解しながら。正しくないって分かりながら。ばらばらのことを言ってしまう、それくらいに追い詰められて――あるいは、限界のふち、立たされて】

――――――大人の言うこと。聞いてよ。なんで――。

【――こんなときばっかり、大人ぶる。だけれどそれは同時に最大限の自嘲でもあった。自分自身に対する批判の言葉、もうそれしか言えない自分へ、くだらないって突き付ける一言】
【分かっているから、出来るとは限らない。理論上できるはずのことだって、実際やってみたなら、ちっともできなかったりする。心が剥がれ落ちてしまいそうになるのを堪えて】

――――。

【「貴女が集めたんだから」】
【「大丈夫よ」】

【――――、ひぐ、と、息を詰まらすような、小さな声がした。そんなの。ずるいって思う。どっちが大人だか、分からなくなってしまうみたいで。――言い返せなく、なって】


810 : クローディア :2018/04/30(月) 23:40:35 B3KDEI320
>>807

【信じる、という言葉が彼女の口から出たのなら。やっと袖から手を離し、ふう、と一息ついて額を拭う】
【大きな任務を達成したかのような、得意げな表情に一瞬だけーー】
【この一言を言うのに随分緊張したらしい。たぶん家でも聞くか聞かないかずっと考えていたのだろう】
【ーーどうしても気になって。聞かずにはいられなかった】
【緊張のほぐれたクローディアは思い出すように話し出す】

あのね、路地裏でゴミ箱に入っていた人を見つけたの

【ーーちょっと唐突な出だしだ】

大丈夫かなぁって思って近寄って……なんだかんだでゴミ箱から出すことは成功したのだけど……
それでね、かっこよくきまった写真が載ってる、指名手配のポスターを見せられたのだけど……
翔子さん、指名手配のポスターに載ってる悪魔って知ってる?

【確認するように、ゆっくりと。首を傾げて、また少し不安そうに】
【指名手配されてるくらいだし、彼女が「知ってる」っていってもそこまでは驚かないだろうけどーー】


811 : ◆r0cnuegjy. :2018/04/30(月) 23:40:59 uPyolTM20
>>808


ふむ。不定であるためには存在を曖昧にしておく必要がある、か
一理ありそうだな。とはいえ…………


【頭を手に押し付けられて、それに応じるようにもう一度撫でてやる】
【意外に思われるかもしれないが、ブランルは案外楽しそうだった。それこそ愛玩動物を相手にしているようだった】


そうかそうか、お前はそう呼んでほしいのか
ならば、ミィ、と呼んでやろう。誰しも己を他者と区別する必要がある
だったら、それは自らが定めるべきだろうな。私の名と同様に


【”ブランル”という名前もまた決められたものらしい。上機嫌そうに言葉をかけていた】
【ミィを撫でながら、顔だけをブラスフェミアへと向ける】


兵器の価値は戦果を挙げることだが、その能力を引き出すのは使い手だ
弱点を十分に把握していくことは極めて肝要だと言えるだろうな

さて。となると…………やはり私がこいつに手を加えるのは少し難しそうだな
元々は生体兵器にする予定だったが、まさか不定形のものを渡されるとは思わなかった
我ら三人による合作は別の案がある。そちらに回すとしようじゃないか

今回はお前たちがあの異世界の生物をどう料理するのかを見る試金石でもあったしな
もちろん、それは大成功だと言えよう
それで、こいつはどうしようか。どこかで役立つ場面を作ってやらねばな


【ブラスフェミア、そしてこの場にはいない魔女の手腕を高く評価しつつ、次の計画にも言及する】
【主目的は二人が何を作り上げるかを試すことにあった。ブランルはその部分において大層満足そうだった】


812 : ◆S6ROLCWdjI :2018/04/30(月) 23:51:42 WMHqDivw0
>>811

「ミィだよ! ミィだって! つくりぬし、きいた!? ミィ!」

はいはい聞きました。それじゃあその、ミィを……ううん、大丈夫かなあ。
……まあいいか、懐いてるみたいだし……

【きゃいきゃいはしゃいで尻尾を振り回すミィに、女は渋い顔をして】
【ううん、と唸った。手を加えるのが難しい、と言われれば】

そうだね、ガワはもう弄るのは難しいかもしれないけど……
問題はその精神性なんだよね。生まれたばっかりの子供でしかないから、
誰かの言うこと聞くしか能がないの。それはそれで楽ちんだけど……
そこらへんの「教育」してもらえればいいかなって思ってたりしたんだけどね、

【どうかなあ。そう呟いて、会話を区切り――首をひねって、唇に指をあて】
【どこで使おう。そういう話になったら、また少し考えるようにして】

ミス・ウィッチの作ってくれた変形機能、とってもよく出来ててさ
肉体部分を無機物に変えたりも出来るから――戦闘もそれなりにこなせるはずなんだよね。
ためしに何処かの戦場に投入できたらいいかもね。精神を育てたあとで、さ。

【「軍隊を相手取るのは難しいけど、対人戦闘ならめっぽう強いはずだよ、この子は」】
【言いながらクッキーをひとつ摘まんで軽く放ってやる。ミィはそれを開けた口でキャッチして、咀嚼し始めた】


813 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/05/01(火) 00:05:17 6.kk0qdE0
>>810

「ご、ごみ箱!?」

【なんとも唐突な会話の入り口だった】
【一瞬唖然としたが、どうにも表情から見るクローディアの話は、冗談や笑い話の類では無さそうで】

「……うん、それで?」

【黙って、少女の話を聞くことにした】
【やがて】

「……知ってる、よ」

【一筋の嫌な汗が伝う】
【明らかに、少女は邪禍の話をしているのだ】
【それが、何を意味するのか……そしてあまつさえ、出会った、とは……】

「それから、どうしたの?」

【今度は此方の表情が強張りながら、こう聞いた】


814 : クローディア :2018/05/01(火) 00:20:20 B3KDEI320
>>813

……知っているのね

【……3パターンもあるし、指名手配のポスターの割には綺麗な写真だった。一度見たら印象に残るのは間違いないだろう】
【細い指で自分の制服の胸元を掴んだ。どうやらここからが本番らしい】
【ーーちらっと、宗司を見た。どんな顔をしてるかなって、『仲間はずれ』にしたみたいな自分の行動に不快になってないかって】
【本当に一瞬だけだったから、どんな顔をしているかまではクローディアにはわからなかったけど】

それでね、いろいろお話を聞いたの
誘拐、とか部下にする、とかちょっと怖かったけど、魂とか、魔翌力とか……………

【一瞬間が空く】
【ほんの数秒、クローディアにとってはもうちょっと長く感じたかもしれない】
【握った胸元の制服が少し、シワになってしまう頃にーー】

兵器とか……

【随分小声だった。遠慮しているかのように、呟くように】
【だけどすぐに、また口を開いてーー】

あ、でね、一番聞きたいことなんだけどね、あの、翔子さんって
学生さんよね?

【悪魔とか誘拐とか兵器とか。そんな言葉を並べ後にする質問とは思えない内容】
【あくまでも平然を装っているけど、顔には冷や汗が浮かんでいる】


815 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/05/01(火) 00:29:54 6.kk0qdE0
>>814

「……」

【ちらりと見えた宗司の顔は、ただ黙って成り行きを見守る顔】
【そして、ある種全てを悟った顔】
【少女がそれに気が付くかは、少々疑問だが】

「……そう、だったんだ……」

【兵器、と言う言葉が出た時に】
【二人ともぴくりと、一瞬鋭い目つきで反応し】

「……そうだよ、学生だよ」

【問われた言葉も、答えた言葉も、至って平凡な物】
【だが、顔は最早表情を作れていない】

「でも……」
「曹長!もういいわ、意味が無い、この子感づいてるわ」

【何か言いかけた時、宗司が初めて口を開いた】
【それから意を決して】

「それから先の話は聞きたい?」
「聞きたいなら……覚悟はある?」

【そう真剣な顔で、聞いた】


816 : クローディア :2018/05/01(火) 00:41:29 B3KDEI320
>>851

【『学生』であることを認めて貰えば心の中の絡まった糸は一瞬で解けると思っていた】
【そうだよ、と肯定する彼女の顔ーーもっと明るく言ってくれれば。「何言ってるのー!」って笑ってくれれば】
【「急にごめんね」「危ない人がいたから気をつけて」で終われると思っていたーー】
【悪魔が言った「那須翔子」は同姓同名の別人だと、信じれた】
【ーー宗司の言葉に肩が震える】
【それからの話ーー覚悟ーーここまで聞いて知らんぷりはできない】

……私に説明してもらえるのかしら?

【ーー声に震えは感じない】


817 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/05/01(火) 00:47:43 6.kk0qdE0
>>816

「少尉?」
「……隠す必要は、もう無いみたいね……話しなさい曹長」

【そう、クローディアの言葉に、短い会話の後】

「クローディアちゃん、これ以上は後戻り出来ないよ……」

【それでも、と言うのなら】
【二人はクローディアの前で、一瞬で衣服を更衣する】
【魔導海軍の士官用制服、二人とも白の詰襟に所属の意匠と階級章、宗司の方はモールが一本付いている】

「私達は、櫻の国の海軍の諜報員なの……」
「ようは、スパイって事ね」

【それぞれ、そう答える】

「私達はカノッサ機関の動向を追う為、櫻の国から来ました」
「私の学生と言うのは、偽装身分ね」
「クローディアちゃんは、何の話を聞きたいの?」

【あくまで口調こそ優しが、その場の空気は非常に厳しく】
【そう、聞いた】


818 : クローディア :2018/05/01(火) 01:05:54 B3KDEI320
>>817
【一瞬にして制服が変わった二人に、そこは少し声が出てしまったのだけど】
【張り付いたように胸元を掴む手が離れない。あぁ、この二人は生きてる場所が違うんだなってーー能力者、悪魔、スパイ……そんな存在がたくさんいるのがこの世界なのかってーー】
【厳しく、電気を帯びるような空気。見知った二人なのに、今は他人のようで】

ひとつだけ、聞きたいの。
翔子さんがビームを放つ兵器を持っているって悪魔が言ってたの
絶対に嘘だって、同姓同名の誰かだって、思っていたのだけれど。そうじゃないって今わかったの。
でね、聞きたいのはその……

【やっと胸元から手が離れる。代わりに今度はお腹の下で両手を組んで】
【若葉の瞳をあげて、二人を見つめて】

その兵器を使うことで、翔子さんが痛い思いをするとか、怪我をしたりとか、そういうのは、無い……のかしら

【翔子の身体の心配。彼女がそういう仕事をしていることについては、何も言わなかった。最初は信じたくなかったけれどーーでも】
【ただ、同い年くらいの女の子が、一緒に仕事して、空き時間にはいろいろお話したお友達の身体に傷がついたりっていうのは、嫌だった】


819 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/05/01(火) 01:15:45 6.kk0qdE0
>>818

「これが、今この世界を取り巻く現実の一端よ……」

【機関の暗躍に、翻弄される国と人々】
【これが、この世界の暗部なのだ、と】

「ビーム?」
「個人携行用魔導砲の事?それならあるよ、兵器と言うか武器って言った方がいいかな?」

【そう言いながら、翔子は自分のポケットに手を入れる】
【出てきたのは、数センチ程度の精巧な対物狙撃ライフルの模型】
【やがて……】

「ほら!」

【それは、巨大化し、実際の大きさの狙撃ライフルのそれになった】

「体内の魔力を直接照射する武器なの、訳があって私の身体は普通じゃ無くなっちゃったから」

【故に、翔子の身体の魔力量は常人のそれをはるかに上回る】
【小規模な魔力炉程の魔力量を有している】

「詳しい事は言えないけど、怪我は戦いに出る度にしてるよ、銃とは関係が無いけど」
「痛みは……うん、あるよ、武器と言うか魔力の副作用みたいなものだけど」

【そう、淡々と、つとめて淡々と話す】

「クローディアちゃんは、優しいんだね」

【こう、話すことも忘れずに】


820 : クローディア :2018/05/01(火) 01:32:00 B3KDEI320
>>819
【まるで手品みたい、なんて言えたら良かったのだけど】
【ライフル……本でも見たことがない武器。でも、何をするものかは知っている】

普通じゃなくなった……

【彼女の言葉を繰り返す。独り言のように。詳しく話せないのであれば繰り返し聞くことはしない。でもーー】
【やっぱり、怪我してるんだーー痛い思いをしているんだーー手に力が入ってしまう】
【考えてしまう。目の前の彼女が怪我をしている姿を。……もしかしたら、怪我だけじゃ済まないかもしれない】

優しくなんかないのだわ、私翔子ちゃんに何もしてあげられないの

【若葉が朝露をこぼすようにーー涙が頰を伝う。制服にしみを作り、やがて地面にもぽたぽた落ちて】
【今まで何もしてこなかった自分が情けなかったり、そればかりかこの二人に甘えっぱなしだったな、なんてーー】

間違いであって欲しかったけど、絶対信じるつもりなかったけど、家でずっと考えてたらどんどん不安になってきて、聞かずにはいられなかったのだわ
でも聞いたところで私は「やめて」だなんて言える立場じゃないのに。何もできないのにっ

【言葉が押し寄せる。滝の様に、勢いよく】
【やがては泣いていることすら情けなくなって裾で思いっきり顔を擦るのだろう】
【顔が真っ赤になるくらい擦って、やっと顔をあげた時。少しだけ、笑っていた】

話してくれてありがとうなのーー


821 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/05/01(火) 01:43:34 6.kk0qdE0
>>820

「クローディアちゃん……」

【涙を伝い、それが止めどなく流れ】
【そうして悲しむ、クローディアの姿は、居た堪れない気持ちになり】

「ごめんね、今まで話せなくて」
「……ごめんね……」

【ぎゅっと抱きしめる、いつの間にか自分も泣いていた】

「私、私……」
「クローディアちゃんに、心配かけちゃったんだね……」

【抱きしめる力が、強くなって】

「……」

【それを見ながら宗司も、言葉なく目を拭い】
【そしてクローディアの方を見て、何かを考える様に……】


822 : クローディア :2018/05/01(火) 01:52:42 B3KDEI320
>>821
【ぎゅっ、と抱きしめ返す。……力は弱いから苦しくはないだろうけど】

痛いのはダメなの、敵の攻撃なんて全部避けてやるといいのだわ

【なんてーー冗談じゃなくて本気で言っている】
【ふと、視線をあげれば宗司と目があって。充血した目と、擦りすぎて赤くなった顔で……ニコッとしてしまうのはたぶんそういうクセなのかもしれない】

お姉さまも、怪我はよくないの
だから全部避けるのだわ!
それか、悪い人に見つかる前に後ろから忍び寄って捕まえちゃうといいのだわ!

【……もちろん、本気で言っている】


823 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/05/01(火) 02:04:26 6.kk0qdE0
>>822

「そうね……もし銃弾を見切れたら、私もそうするね」

【実際には余程の条件が重ならねば、難しいのだろう】
【そしてまた、彼女の痛み、と言うのが、銃火器の怪我の類では無く、もっと別の物】
【それは、言及しない事にしたようだが】

「そうねえ、ありがとう、若しくは……」
「貴女が、私達を守ってくれるかしら?」

【クローディアに、宗司は意を決したように】
【そう答えた、その言葉が意味する物とは、一体何だろう……】


824 : クローディア :2018/05/01(火) 02:14:45 B3KDEI320
>>823

私が、守る?
でも私、本当に何もできないのだわ。戦ったりも、全然できないのに…

【言葉の意味を考える。笑顔は消え、困った様に首をかしげる】
【何もできないーーその言葉に嘘はない】
【戦えないし、もし誰かに襲われたらたぶん抵抗もできないまま……】
【今までは大きな危険もなく、普通に生活していた小娘がーー何ができるというのだろうと……不安が身体に出る。小刻みに震えて、翔子に隠れる様に縮こまって】


825 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/05/01(火) 09:35:34 6.kk0qdE0
>>824

「何も、戦え何て言ってないわ、私達それなりには強いのよ?」

【ゆったりとした動作で、そうクローディアの前に来る宗司】
【翔子はまさか、と言った顔で宗司を見る】

「クローディア、貴女私達の『本業』の方も手伝う気無い?」
「所謂諜報員の、その情報収集役をね」

【そう話す】
【彼らの武器は、能力でもましてや銃でも本来は無い】
【情報だ、即ち情報戦、これこそが彼らが真に身を置く戦いの場だ】
【彼らを、自分達を守る事、これはより多く、より広い情報を収集し、あるいは仲間を集める事】
【彼らの正体を知った以上、それは必然的に発生する選択肢であった】
【無論、それでも危険は付いて回る、自衛の武器程度は貸与されるのだろうが……果たして】


826 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/01(火) 12:09:59 uPyolTM20
>>812


教育か。それならば得意分野だ。こう見えても弟子は多いしな
いいだろう、上手くやってみせよう。まずは、物事の判断基準から、だな


【ブラスフェミアの提案にブランルは得意げに笑ってみせた。確かな自信を匂わせる表情だった】
【はしゃぐミィから手を離してカップに移す。ココアを一口飲んだ後、「お前も飲むか?」とミィに差し出しつつ】


そうだな、こいつの性能は明らかに高い
なのであれば、適した戦場も確実にあるだろう
そのあたりは任せろ。まだまだこの世界を退屈なものにするつもりはない
必ず、私が用意した舞台でこの少女を踊らせてみせよう


【楽しげに黒衣の男の指先が踊る。戦場を、少女にスポットライトを当てるための舞台を思い描く】
【黒曜色の瞳には世界が映り込み、脚本家がそれを彩る。狂気の魔術師はアルターリ戦では飽き足らず、まだその先を見据えていた】


では、この少女の居場所はどうする?
私としては、例えばお前の元に通っても構わない
私が預かってもいいが、こう見えて多忙でね。構っていない間、こいつは退屈するだろう


【話が具体的なものへと移行する。ブラスフェミアか、ブランルか。あるいは魔女か】
【誰の元にミィを置くべきか。その判断を女へと投げかけていた】


827 : ◆jw.vgDRcAc :2018/05/01(火) 12:40:01 DIKJp7AM0
>>784

【冗談を言った側からすれば100点満点の反応を見せてくれた娘に、少しだけ嬉しそうに悪戯っぽく微笑みかけてみせる。】
【人間は、少しずつ変化するもの。実子を持って、笑顔を大事にするようになって……それで、茶目っ気も増えたのだろう。】
【三つ子の魂百までと言うし、生来の真面目さが変わる事は無いが……そこに新たな要素が加わることで、違った表情が見えるのかも。】

【急かされるままに手早く外出の準備をして、一人で帰ってくるであろう夫とあなたの姉に買い物に行く旨の書き置きを残して】
【待ち焦がれる娘に「お待たせ」と声を掛ける。差し出された愛しき小さな手は、自分と同じ温もりを持っていた。】
【尋ねるように見上げる娘に、「秘密です」と言わんばかりの無言の笑顔を見せて……いざ、出発。】

―――さ、行きましょうか!

【扉を開けて、一歩踏み出す。―――今日もいい天気。絶好のお出かけ日和だ。】

【戸締りを確認すれば、手を引きながら歩きだす。あなたの歩みに足並みを合わせるようにしながら】
【やろうと思えば転移魔術でも使って一瞬で目的地まで辿り着けるのだろうが、そんな無粋な事はしたくない。】
【折角親子でお出かけするのだ、ちゃんと歩いて行った方が良いに決まってる。道程でさえも、大切で貴重な時間だ。】

【復興にかこつけた再開発で、商都の様相を呈してきた街の一角。何でも揃う……と言っては大袈裟かもしれないが】
【様々な店が構えられ、物を買うでもなく見て回るだけでもそこそこ楽しい。好奇心旺盛な年頃の貴女の目には、何が留まるのだろうか。】

わ、新しい掃除機……あれ、欲しいのよね……。……いけないいけない、今日は自分の為の買い物ではなくて。
……ベアは、最近欲しいものはありますか?

【目移りするのを自制しつつ……自分にも欲しいものがあるのだから、娘にも欲しいものはあるはず。】
【そこはかとなく、尋ねてみる。勿論今日買いに来たのは服であるから、欲しいものがあったとして買うという訳ではないが。】
【道すがらの話題として、そんな事を訊いてみつつ……そうこうする内に、目的の店―――洋服店も近くなる。】
【さてさて、どのあたりまで来れば娘は察するだろうか……なんて。】


828 : 名無しさん :2018/05/01(火) 14:57:36 ABHv169.0
>>785

【クズノハの反応を知って知らずか、イルは楽しげに妄想を紡いでいく】
【パートナーの事を聞かれたなら、きょとんと首を傾げて雌だよ、と】
【まるで性などたいした問題ではないと言いたげに、彼女は優美に笑う】


ふぅん、誇り高い妖狐様をぐちゃぐちゃに出来るんだぁ♪ あっ、大丈夫だよ、壊しはしないしっ
苦痛と快楽のバランスは熟知してるからご心配なくっ、ボクのテクニックはあの子も認めてくれてるし
一ヶ月もくれちゃったらもう、戻れないとゆーか、ボクの手に落ちるとゆーか

快楽でどろどろに漬けちゃって、現実と夢の境を曖昧にして、いつも、いーっつも蕩けた状態にするの
あぁ愉しみだなっ、こーんな綺麗なおねーさんをボクの好きな様に出来るんだもん
可愛い衣装用意しなきゃ、鈴ちゃんとお揃いの首輪に拘束具に────

────街?


【口先で紡ぐのは欲望の歌、悪徳を栄えさせる邪な野望】
【啄む言の葉の中途に、気になる言葉が重なった、きょとんと小首を傾げて】
【ふんふん、と頷いて貴女の言葉を聞いた、なるほどねーと相づちを打って】


ますますおねーさんの雇い主ってヤバイニンゲンだね、ほんとにニンゲンなの?
とっくに悪魔にダース単位で魂売り払ってるんじゃないの? まだそっちのが救いあるし
しかしおねーさんも凄い事思いつくね、妖狐ってそんなコトばっか考えてんの?

──でーもーねっ、おねーさん一つ勘違いしてるよ、万人程度じゃ、腹の足しにもならないから
ボクの最終目標は、もっと、もーっと先にあるしっ、それぐらいの人数の絶望とかより
おねーさんを期間限定でも、好き勝手出来る方がよっぽど好きー♪

でもさ、それ以上に、ボク、おねーさんの雇い主に会ってみたくなったなっ
どれだけぶっ壊れてたら、そんなニンゲンになるのか、興味あるし


【クズノハの元まで近寄る、小さな顔をほほえみの色に染めて】


829 : ◆9VoJCcNhSw :2018/05/01(火) 16:56:17 wn2rqSVw0
>>827

【今日も明るい日差しの中を共に歩き出せば、時折母の顔を横から見上げる】
【その歩幅を合わせてもらっていることに気づくには】
【もう少し歳を重ねる必要がありそうだったが、その分しっかり手は握って】
【一緒に歩くだけでも楽しそうに口元を綻ばせながら、街並みへ】

【洗練されたショッピングモールや高級商店街とは比較にならないが】
【様々なものが頻繁に売り買いされ、売り手も買い手も活気がある】
【そんな市場は見ていて楽しいもので、何がどうという興味がなくとも】

【例えば野菜の詰め放題だとか、キラキラと光る宝石だとか】
【試乗もできる車両展示会だとか――注目は次から次へと移ってしまい】


……えっ?あ、あぁ……欲しいもの、って言われると……。
んー……背が、大きくなる薬……いやっ、なんでもない!

なんつーか……あんま、無いな……。
お菓子はもうさっき食べたし、他に…、ん――?


【しかしいざ何が欲しいのかとなると、パッと出てこないもの】
【というのも、ベアトリクスという少女が現代的な趣味を持っていないこともあり】

【普通の子供が欲しがる、玩具とかゲームとか本だとか――】
【そういった物が中々出てこなくて。ふと浮かんだのは新しい武器とか、鎧とか】
【ただそれも元々持っているわけで。悩む中でふと目を上げれば、視界に入るのは洋服店】

【――そう言えばさっき、自分の服をじっと見られていたような】


…………――ぁー、服……とか……?


【気付いたのは本当に近くになってから。それくらい、衣服というものに執着がない】
【例えば母親が色々と着ているのを綺麗だなと、そう思うことくらいはあるけれど】
【もしかして――。そう感づいたのか、何処か期待するように顔を上げた】


830 : ◆9VoJCcNhSw :2018/05/01(火) 16:56:36 wn2rqSVw0
>>828


現実と夢の境が曖昧とか、それ壊れてるっていうんですけどー?
というか、そういう妄想は私の居ない所で垂れ流して貰えます?
っていうかこれいうの二回目ですよね?さっき言った気がするんですけど?

……―――鈴ちゃん。……鈴、すず……んー、んー……?


【ぴょこん、と耳が動く。人工的な蛍光色にも勝る鮮やかな毛並みが揺れる】
【〝鈴ちゃん〟――何処かで聞いたことがあるような、無いようなフレーズ】
【もっともなんだかしっくり来ない。自分にとって大して重要でもないからだろうか】

【ゆらりと尻尾を揺らして、考えるのを止めた。別に、マズい事でもないだろう】
【なら別に良い。面倒そうに病魔を見据えて、「知りませんよ」と肩を竦める】


まっ、考えてることは悪魔ですけど死ぬほど人間的ですよ?
そういう意味じゃ、突き詰めれば人間の方こそ悪魔的なのかも知れませんねえ。

……それにしても燃費の悪いお腹なことで
別に…――会ってくれるかどうかは、あっち次第ですケド。
取り敢えず電話、してm『――prrrrrrrr』――ハイハイっ、貴方のクズノハさんですよ♪

……―えっ。あ、いえまあ良いんですけどね、ちょうどアルターリに居ますし。
ですけど警備の配置とか、私軍隊系の事は門外狐……穴があっても良い?はあ、まあ、それなら……、……あー、所でですねー。


【どうやら――不意に掛かってきた電話こそ、その雇い主であるらしい】
【新たな仕事の割り振りだろうか。電話口だとキャラが若干変わるようで】

【顔を寄せたイルを「ビョーキが移りますから」なんて通話口を押さえながらシッシと手で払ったりして】
【その対応はともかく。数分話すと結論も出たのだろう、電子音と共に電話を切り――】


【「1時間もあれば此処に来れるらしいですけど、会ってみます?」】
【「あんまりオススメしませんけどねえ。情緒不安定ですし、性格良くありませんし」】
【「金払いは大変よろしいんですけど、多分貴女の事とか見向きもしませんよ?」】
【「なーんか、色仕掛けとかあんまり利かない系なんですよねえ……」】


――――で、どうします?お喋りでもして待ってみます?


831 : 名無しさん :2018/05/01(火) 17:12:14 ABHv169.0
>>830

【電話口でのキャラ変化を見て、ニマニマと笑う】
【親しい人物のフォーマルな部分を見たような、或いはその逆】
【お高くとまった女性の、可愛らしい一面をかいま見たような、そんな表情】


かぅわぃーっ♪ 電話だとおねーさんボクのものにもなっちゃうのかな?
だったらさっ、電話番号教えてよーっ、欲しくなったり寂しくなったらかけちゃうしっ
んま、病気だなんてひっどいなぁ、ゆっとくけどボク自身はすっごく健康で

……へぇ、渡りに船だね、まるでそういう風に回ってるみたい
いいよ、会いたいな、ボクが興味を持つようなニンゲン久々だもん
或いはね、もうその時点でニンゲンじゃないみたいな


【なんてね、と言ってぱたぱたと空中を泳ぐ、おしりを突き出す形でゆらゆら】
【色仕掛けなんてしないよーと言いつつ谷間を作ってる、よいしょっと】
【グラビアアイドルも素足で逃げ出すような格好をして、何を言うか】


んー、そうだね、手っ取り早く聞くけどさーおねーさん、ボクと共に生きる気は無い?
おねーさん、ニンゲンじゃないし、ボクもニンゲンじゃない、結構いっぱい居るんだよね
そういう存在を集めて、国を作るの、んーっ国っていうとまた変だけど

"フェイクワールドワンダーランド" 名前をつけるならそんな感じかな♪
きっと楽しいよ、好きなだけ好き勝手に生きるの、汚くてみすぼらしいニンゲンなんて、何処にも居ない
そんな世界、作ってみない?


【睦言の一片に似ていた、嘯くような音律で、言葉を説いた】


832 : ◆KP.vGoiAyM :2018/05/01(火) 18:24:00 ZP5d3v9M0
>>809

もう、どうせ…このまま逃げても、私は追われる。
そうしたらもう、私も、この世界も取り返しがつかなくなる。

【もうすでに、運命は真っ直ぐ何処かへ走り出している。ポイントを切り替えて何処かへ行くことは定められている】
【立ち止まっても、手を離しても、後ろに道は既に無く、その先には暗闇しか無い】
【ならば、私は出来ることをしなくちゃならない。この戦いはそもそも、私の戦いなのだ。巻き込まれているのはむしろ他の人の方―――】
【―――また、堂々巡り。同じ話になる。そう…答えは無いのだから。】

でも、私も…皆のためになりたいの。それは、鈴音さんと同じ事…同じ思い。だったら、いいな。
とめてくれてありがとう。…心配してくれて…ありがとう。

【私は嬉しかった。本当に、本当に。だから、話してよかった。その分、とても辛いけど。そうしなくてはならないとわかっていたから】
【でもこれは私のエゴなのかもしれない。私が、私の覚悟のために…辛い何かを押し付けているのかもしれない】
【それでも、いちばんの優しさに私は頼りたかった。守ってもらいたかった】

【守るという言葉もまた、難しい。単純にその身の安全であればいいというわけでもない。それなら監禁だって守っていることになる】
【見守る、信じる…辛いけど。私も彼女を守るために。そうする】

私は子供だから。ワガママなの。鈴音さんの言うことなんて、聞かないわ…なんてね。

【そう冗談めかして私は笑った。まるで今生の別れのようで、この空気をなんとか切り替えたくて…でもこれぐらいしか今の私には出来ない】


833 : ◆zuR4sSM1aA :2018/05/01(火) 19:01:34 0jLFl.bY0
>>787

「確率が限りなく0に近いよりは──少しでもある方が良いな」


【彼女が確実な場所を知っているというわけではなさそうだけど】
【それでも、大凡の場所は分かるのだろう──見えない闇の中を手探りで探すよりも、ヒントを得て探すほうがまだ見つかりやすいだろう】
【そのためにも、彼女の言葉を──鏡を引き出さなければいけない】


「──元々敵対している私が、証明しろと言われても難しいだろうが」
「世の中の行動には、全て金が必要だ。日常の消費活動から私達のような研究者の研究費用とか、な」
「今は君たちと協力して“黒幕”という存在を打ち負かす為に、私達はいろいろな行動をしている」


【──だから、今は金がいるんだ】
【“円卓”とは今だけの関係であると──一時的な利害の一致であると】
【彼女に理解してもらえるかわからないけど、此の女の真なる思いではあった】


834 : ◆S6ROLCWdjI :2018/05/01(火) 19:09:41 WMHqDivw0
>>826

うん、宜しく頼むよ。そういうことだからミィ、今日からこの人がおまえの先生。
わかった? わかったんならもう一回ご挨拶しな。

「せんせい? せんせい、……せんせい、ヤ。
 パパ。パパがいい、パパ! よろしくおねがいしまーす!」

【少女がそんなことを言いだすものだから、流石の女も慌てたらしい】
【こら、と強めの口調で言っても、少女はつーんとそっぽを向いて】
【耳を後ろに向けて徹底抗戦のかまえ。……女は、重たい溜息を吐いて】

……こんな調子だから、まずは目上の人の呼び方から教育してやって……。
はあ、先が思いやられるな……もーちょっと知能の方も弄れたらよかった。

居場所、うーん……そうだね、とりあえずは僕んとこでもいいけど。
見ての通り世話してくれそうなのはいるし、二人も。
ミス・ウィッチはどうだろう……いきなり押し付けたら迷惑かな?

……あ、そういえばあなたの所にもひとり居なかった? 白衣の若い子。

【親指で後ろを指し示した先には褐色の青年がいた、あとひとり、少女もいるはずで】
【彼らに押し付ける気まんまんらしい。そう口にしながらも、ふと思い出す】
【ブランルの隣でずっと悔しそうな顔をしていた、白衣の青年の顔】
【まあ、世話役を押し付けるのは誰だっていいだろう。指名すれば、その人物に少女を渡す心算で】


835 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/01(火) 19:19:45 E24Belag0
>>834


あっはっはっは!
いや、構わない、こう見えて子供も多く作成してきているのでな
くくっ、それでもまさかパパと呼ばれるとは思ってなかったな……これは中々愉快だぞ


【少女の呼び方にブランルはつい破顔させていた。その砕けた態度が逆に男の気にいる部分となったらしく】
【子供を”作成”してきた、なんて要らない情報まで付け加えていた】


さぁて、どうしたものかな
魔女に渡してもいいが、向こうには厄介な創作物がいたしな
あれの傍は教育的に悪そうだ。お前のところなら安心できそうだが……

あぁ、怜司のことか?
……く、くくっ……それは面白いかもしれないな
あの陰鬱な男が純粋無垢な少女を手渡されて、どうするか眺めるのも一興だろう

とはいえ、あいつは私に反抗的だからな。お前たちからすると、面白くないことをするかもしれんぞ?
きっと、普通の感性を与えて人間社会で生きられるようにしようとするだろうな
私としては、それを得たこの少女がどうなるかを見てみたい気もするが……

なぁ、お前はどう思う?
これからのお前の暮らしの話だ。気になるだろう?


【助手の話を振られた男は、楽しげな──あるいは恐ろしげな──笑みを浮かべて】
【それからまたミィへと手を伸ばしながら、少女へとどうしたいか尋ねるのだ】
【少女が何を求めるのか、どうしたいのか。ブランルはそのことをかなり気にかけている様子だった】


836 : ◆S6ROLCWdjI :2018/05/01(火) 19:36:10 WMHqDivw0
>>835

「ほら、パパ。パパだって。つくりぬし、きいた?」

聞いた聞いた、はいはい僕が悪かったです、好きにしてよ。
ていうか僕はママじゃねーのかよ……

「…………」

【少女はめちゃくちゃ嫌そうな顔をしてブランルの傍に駆け寄り、服の裾を掴もうとした】
【そんなに女を母呼ばわりするのが嫌なのか。嫌らしい。そう無言で語っている】
【女は諦めたような顔をしてもうひとつ溜息を零して――】

……教育に悪そうっていうのは確かに、確かに……。
僕が行ったときは裸の女の人が出てきたし、なんか、喰われちゃいそう、色んな意味で……

そうだそうだ、レイジくん! 元気してる?
そうねえ、随分マトモな精神してたみたいだから……うんうん、普通のニンゲンとして扱いそう。
でも、あなたがしっかり「教育」してくれるんでしょう? だからきっと大丈夫だよ、
どれだけニンゲンっぽく生活したところで――自分がそうなれないってしっかり理解できるはず。

【彼の顔を思い出して、女も愉快そうに笑った。ブランルの「教育」があれば大丈夫だと】
【そう判断しているらしい、だから「彼」に渡すのも吝かではないと言う】
【手を差し出されたミィは、一度二度耳をひくつかせてから――半ば反射的に、ブランルの手を取った】

「パパのとこがいい。ここ、さむくて、ヤ!」

……だってさ。ふられちゃった……ってなわけで、あなたのところに置かせてもらっていいかな?


837 : ?????? ◆auPC5auEAk :2018/05/01(火) 19:45:07 ZCHlt7mo0
【風の国 『UNITED TRIGGER』店舗前】

【このところ、主要なメンバーに相次いで欠員を生じているUT。当然、その活動はどうしても縮小せざるを得ないところがあるのだが】
【――――間の悪い事に。あるいは人の業と言うべきか。力を欠いた正義の旗手は、不満の捌け口にされ始めていた】

【――――「水の国のテロに一枚噛んでるという噂が嘘なら、一刻も早く説明しろ!」】
【――――「正義のお題目で、一体幾ら儲けやがったんだ!」】
【――――「この国でも魔防法が成立したら、お前ら真っ先に取り締まられるんだ、ざまぁみろ!!」】

【店の前に押し掛けた群衆は、品の無い罵声を飛ばし、時には物を店舗へと投げつけたりする】
【もはや暴徒手前の彼らへと向けて――――細かな光の粒が降り注がれる。それを目に浴び、人々は次々と悶絶していった】

ハァ、ハァ――――批判なら、幾らでも受けましょう――――ッ、だが――――そんな誹謗や、侮辱――――黙って聞いているつもりも、ありません――――ッ
そんな――――暴徒じみた事を、いつまでも続けるなら――――実力行使も、辞さないと――――言っておきますよ――――!

【――――店を守らんと、彼らの前に立ちはだかり、目くらましを浴びせかけた人物がいたのである】

【ラベンダー色の肩ほどまで伸びた髪で、赤と青のまるで死人の様な冷たいオッドアイを持ち、体表に紋様の様な、仄かな光を放つ金色のラインが走っている】
【白いワンピースの上から、明らかに身の丈に合っていないボロボロのコートを着込んだ、10歳くらいの少女】

【背中に悪魔の様な翼を生やし、そこから光の粒の様なものが燦々とこぼれている。その光を、一団へと向けて見舞ったのだろう】

【だが――――その少女も、怒気とは別に、苦渋と苦痛に表情を顰めていた】
【着ているコートの裏地から、ポタポタと血が足元へと垂れ、食いしばる口元は、消耗に細かく痙攣している】
【凛として立っていた姿勢も、いつまでも維持する事が出来ず、左のわき腹を抑えて体を微かに傾ける――――負傷した身だったのだろう】

「――――――――ッ!!」
来ないで! ――――今は、下がっていてください――――ッ

【ドアの奥、気を揉む気配が飛び出してきそうになるのを、少女は鋭く制止する。目くらましに動きが止まった群衆も、まだ諦める気配ではなく、双方に睨み合いが続いていた】

【――――第三者なら、誰もが不毛と分かり切っている光景。それでも止まれないのは――――やはり、人の愚かしさと言うべきなのだろうか】

/7日辺りまでのんびりと待ちますー


838 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/01(火) 19:51:44 E24Belag0
>>836

【「妙に嫌われてるな、お前?」とブランルはミィとブラスフェミアの様子に苦笑していた】
【ミィが手を取り、その手を握り返す。小さな微笑みを浮かべてから、ブラスフェミアへと向き直り】


そういうことなら、私の元で預かるとしよう
お前たちが折角、完成させた作品だ。決して無駄にはしないと約束しよう

怜司のやつにも逃がしたりしないよう”きつく”言っておく
あれはあれで小利口な男だ。ミィを己が人生を賭けて守るほど剛毅でなければ、外の世界に放り出すほど愚かでもない
適度に守り、適度に苦しみながら仕事をしてくれるだろうよ。実に楽しみだ


【黒衣の男には助手の苦悶の姿が目に浮かんで見えていた。想像するだけで、楽しげな笑みが浮かんでいた】
【カップに残ったココアを飲み干して、それからミィに向けて「よろしく頼むよ」と挨拶をする】


これで大体のことは決まったかな?
私の方としては、今のところ、まだこちらから何かしろ、というのはない
魔界の扉は開かれ、あとはすべきことをするだけだ。お前たちの出番はもう少し先になる

ああ、朗報ならある。水の国そのものが、私たちを支援してくれるそうだ
魔界には自由に行けるし、あの街を守ってさえもくれる。協力は惜しまない、と
そうかの国の”王”が約束してくれたよ。実に心強いことだな?


【ミィについての話が終わったと考えたブランルは、軽く近況の話を持ち出した】
【先日のアルターリ戦、それに続いた”暴王”ジルベールとの会合。結果として、水の国の協力を取り付けたこと】
【それらをブランルは嬉しそうに語って聞かせる】


839 : ◆S6ROLCWdjI :2018/05/01(火) 20:06:23 WMHqDivw0
>>838

創った子にはみんな嫌われるんだよね、何故か。
……みんな恩知らずなんだからさっ、もう知らないっ

【そう言って、今度は女がつーんとそっぽを向いた】
【ふたりの従者にも敬われている様子はなかったが、どうやら他にもすべてそうされているらしい】
【その原因がなぜだかわかっていないあたり、正しく人の心がないのだ、この女には】

【――すっかりブランルの方に渡ってしまった被造物、ミィを見て、目を細めてから】

うん。それじゃあ、よろしく頼むよ。
……その前に適当な服を見繕ってやらないと可哀想だな、レイジくんが。
流石に女児服の見立てまでやらせるとなると可哀想、それはそれで面白そうだけど……

【素っ裸に男物のジャケットを着ただけの格好を見て、また溜息を吐いた】
【頭を押さえて、それから――ブランルの話にふうんと相槌を打った】

……王様って、あの、……あの、かー。うん、敵に回すよりはずっといい、
いいっていうか心強いっていうか……安心した。そんなら当分安泰だ。

アルターリ、だっけ? ニュースで見たけど実に面白いことになってたね、
お誘いいただけたのに行けなくって申し訳なかったね……次があったら、また呼んでよ。
ミィは勿論、うちの――今引っこんでるほうの、赤い小娘。あの子もね、
ミス・ウィッチに弄ってもらって、面白く仕上げてもらったんだ。戦場に投入するには十分だと思う。

【王、のワードに心当たりがあったらしく――安堵の息すら吐いて見せて】
【それから、此方の被造物を兵力として差し出すことには大歓迎だと。そう言ってみせた】
【まるでパーティの下準備でもして、わくわくその日を待っている子供みたいな顔をして】
【そうしてまた、笑うのだ。「あなたと出会ってからずっと楽しいことばかり」って、御礼さえ口にする】


840 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/01(火) 20:22:54 E24Belag0
>>839


どうやら知り合いのようだな
こちらの予想以上に話に食いついてきてくれたよ。魔界の…………

そういえば、私が何をしようとしているか、何をしているか、どちらもお前たちに話していなかったな


【何かを言いかけたブランルはそれを中断して、別の説明を差し挟んだ】


まぁこれは私の、というよりは我が社の、なのだがな?
現段階での目的はな、”『魔界』の植民地化”だ
我が社の社長、リカルド・B・ボレモスは極めて単純な、力と権力の入手法としてそれを考え出した

先のアルターリにおける儀式はそういった意図があったのだ
次にお前たちに頼む仕事も、それに関するものとなる
もちろん、次の楽しい”舞台”にもお前を誘うつもりだ。今度は来てくれよ?


【『魔界』────隣接するとはいえ、異世界だと認識されているそれの植民地化】
【馬鹿げた夢物語のようなものを、明日の予定であるかのような現実感と共に男は話していた】
【その第一幕にブラスフェミアが同席できなかったことを、ブランルは本当に残念そうにしていた】

【そして一言。彼女が御礼なんてことを言い出せば、欠けた月のような既朔の笑みを浮かべて】


────私についてくる限りは、この世界で退屈などはさせない
狂気で彩られた舞台。激情と理性が衝突するこの世で最も面白い演劇を、特等席で見せてやる
だから最後まで、きっちり付き合ってくれよ? お前ももう、私にとってはなくてはならないのだからな


【特別な親愛の情がその言葉には込もっていた。それが礼に対する答えだった】


841 : クローディア :2018/05/01(火) 21:01:37 B3KDEI320
>>825

【宗司と目が合うーー逸らすーー合わせるーー】
【くるくると眼球も思考も回転するーー頭の中にある知っていることをかき集め、言語化できるように構築する】
【ちらり、と翔子を見やる。そして、口を開けばその声は震えていて】

わ、私に務まるとは思えないのだわ
パソコンだって、機械だってつかえないの
魔力だって全然だし、武器を持つのもとても怖いわ
それに、もし……私が悪い人に捕まったら……
絶対に自力じゃ逃げられないのだわ……
捕まって、すぐに、葬ってもらえるならそれでいいの
でも、もし、諜報員の、秘密を喋れって……痛いことされたら私……


【この年齢の少女ーー特別な訓練とは無縁だった人ならば当然の反応かもしれない】
【そうなれば力になるどころか、足手まといになってしまうとーーそういう心配のほうが勝っていて】


842 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/05/01(火) 21:11:28 6.kk0qdE0
>>841

「うーん……」
「困ったわね〜」

【こちらが諜報員である事を知られた以上、身内として関係者にしてしまうのが一番いい】
【そう考えたが、いかんせん普通の少女なのだ】
【この悩みや考えも、ある種必然かもしれない】

「無理強いはしないわ、でももし……やってみたいって思ったらいつでも言いなさい」
「あ、曹長、鍵は預けておくわよ」

【それだけ言い残し、ぽんとクローディアの頭に手を置いて】
【そして宗司は帰って行った】

「誰だって、痛い思いは怖いよね」
「クローディアちゃんは、やっぱり優しいね」

【そう、笑顔を向ける翔子】


843 : ◆S6ROLCWdjI :2018/05/01(火) 21:13:15 WMHqDivw0
>>840

【何かを言いかけたブランルに、ねえ、と追及しそうになって――すぐやめた】
【じいっと聞き入る姿勢。厭らしいにやにや笑いもやめて、じいっと】

……植民地、……植民地? え、あの、支配するとかそういう意味の……、
…………ごめんねちょっと、ちょっとだけ現実味が、味わえなくて……
ちょっとだけ待ってね、うん、理解するから……うん、うんうん……

【いい意味でも悪い意味でも凡庸な女には、男の言がふわふわした夢物語に聞こえていて】
【でもそれは――この女も同じことだった、というよりは、「研究者」は皆そうなのだろう】
【誰もが信じないような、指を差して笑い飛ばして馬鹿にするようなことを本気で夢見て】
【そしてそれを現実のものとするために、ありとあらゆる手段を尽くすのが「研究者」だ】

【それを二つに分けるとするなら、夢を叶えるために禁忌を犯せるか、そうでないか】
【それだけの違いしかなく、その間には何より深い溝があって、何より高い壁がある】
【この場にいる男と女は、溝と壁の向こう側にいる。それだけの共通点、たったそれだけの】
【たった、それだけが――強い強い絆を結んでいるのだとしたら――――】


――――……うん。素敵な世界にして、連れて行ってね。ついていくから。


【――――伸ばされた手を取らず、ついて行かない理由が、ないのだ】

【にっこり笑って、一度だけ深く頷いた。それが彼女の、“冒涜者”の確かなアンサー】


844 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/01(火) 21:29:30 E24Belag0
>>843


────よし、いい答えだ
お前といい魔女といい、私は女運がいいな?
お前たちのような素晴らしい人間に囲まれていることを、私は永遠に誇れるだろうよ


【優しげな笑みが男の顔には浮かべられていた。それは、ブランルという男が浮かべる表情の中で珍しいものだった】
【彼が仲間だと認識した相手にしか見せない顔。今で言えば、魔女とブラスフェミアにしか見せない顔だった】
【狂気じみた────狂気そのものの魔術師が見せる、”普通”の表情。そういった意味で、男と女はよく似ていた】


それじゃあ、これぐらいか?
ふふ、最後のは少し照れくさいやり取りだったな?
まずはミィに服を見繕ってやってくれ。準備ができたら、連れていくとしよう

私としては一日ぐらい、お前と過ごしてもいいのだが
最近は何せ忙しいからな。一日ぐらいは休みが取りたいものだ
ま、お前の方が忙しいだろうから、そう我儘も言えないが


【ブランルからの用件は本当にこれで終わりだった。少しばかり冗談めかして笑いながら】
【休みがほしい、なんてことまで言いはじめる。流石に激務は堪えるらしい】
【後はどうするかはブラスフェミア次第だった。居てもいい、なんて言えばきっとこの男は本当に一日過ごすのだろうが】


845 : ◆S6ROLCWdjI :2018/05/01(火) 21:55:02 WMHqDivw0
>>844

照れ臭いなんて言わないでよ、僕たち、「友だち」でしょう?

【恥ずかしげもなくそう言ってのけるのだ、この女は。そのままの笑顔で】
【果たしてその言葉はブランルの信頼に足るものだったかどうかは知らないが――】
【――後方で佇んでいた従者、青年が聞こえない音量の声で呟いて、吐き捨てるのだ】

【 「……まーた出やがった。この、嘘つき女」 】



【――――】

確かにお疲れだろうねえ、あんなに大変なことしてたんだもの。
この国で休んでいく? 寒いことくらいしか変わったところはない国だけど……
いい感じのホテル空いてないかなあ。オム、探してきてよ――――

――――それか、なかったらここでもいいけど。僕もお休みしたいもん、一日くらいいいよ。
過ごしやすさはまあ、ないに等しいけど……タダだし、きっと楽しいよ。

【お泊り会の企画。子どもめいて笑って提案して、男がそれを承諾したなら】
【申し訳程度に確保してある客間に通すのだ。ベッドとサイドテーブルと椅子くらいしかない粗末な部屋】
【そこでいいなんて、世迷言を言うなら――女は嬉しそうに笑って、その部屋を貸すだろう】

【そうして過ぎ去っていくはずの、狂人たちの密会。その先に残るのは】
【彼らが生んだ不確不定の化物。あどけない少女の形をして笑う、人を傷つけるためのひとでなしだけ――】

//こんなところでしょうか。長いことありがとうございました!


846 : クローディア :2018/05/01(火) 21:58:05 B3KDEI320
>>842

【宗司を見送ると、へなへなとへたり込み。掃除も終わった綺麗な床にぺたんと座り、翔子を見上げて】
【とても長い時間に思えた。でも、肩の荷が降りたようにすっきりとしていて】

ただの店員である私が踏み込んではいけないことだったのだわ
本当に、話してくれてありがとうなの
私はこれからもここで働く一般の人間で、翔子さんのお友達なの

【引っ掛かりが取れたように、晴れやかに。ーーやがて立ち上がればぽんぽんと、制服を伸ばして】

……もし、いつかお手伝いできるようになったら、その時はちゃんと翔子さんを助けるのだわ
あ、もちろん今日聞いたことは誰にも言わないの!犬や猫にも言わないのだわ!

……じゃぁ、私たちも帰えりましょうか!

【そういって、翔子の手を取るのだろう】


847 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/01(火) 21:59:28 E24Belag0
>>845
//お疲れ様でした!


848 : 厳島の中 ◆rZXDD3W69U :2018/05/01(火) 22:21:58 6.kk0qdE0
>>846

「クローディアちゃん!?」

【緊張の糸が切れたのか】
【その場にへたりと座り込んでしまうクローディア】
【大丈夫?とかけより】

「うん!ありがとう!」

【クローディアの手を取り】

「その時が来たら、お願いね」
「じゃあ、行こうか!」

【そのまま二人は、店を出るのだろう】
【願わくば、この平和が、小さな願いが恒久の物であらんことを……】



//お疲れさまでした!
//では、これにて〆となります!


849 : クローディア :2018/05/01(火) 22:25:46 B3KDEI320
>>848

【手を取ってくれた、自分の知らないところで頑張っている少女を応援……ていうのも変だけど。見守る……というのもまた違うかもしれないけれど】
【辛い時には寄り添うことくらいならできるかもって】
【その程度しかできないことも情けないのだけど】
【今はただーー彼女と顔を合わせれば微笑み合うことができる日々が続くことを祈って】

//こちらも締めさせていただきます!
//お付き合いくださりありがとうございました!


850 : ◆9VoJCcNhSw :2018/05/01(火) 22:28:37 Yk8vyI/U0
>>831

【「会いたい」とイルが口にすれば、それで話は決まり、なのだろう】
【面倒ごとが一つ片付いたことを喜ぶように溜息をつきながら】
【袖から紙切れ──式神を取り出し、小さく術式を唱える。すると、それは大きな折り紙のように】
【馬の形をしっかりと作り、そこに横に腰掛けるようにして一息ついて】


……ペットの申し出の次は、一緒に生きないかと来ましたか。
我ながら随分と好かれたものですねえ……。

……まっ、考えておきます。私、別に人間が好きとか嫌いとかないですけど
居ない世界っていうのは見たことないですし?
仮に貴女が仕切るなら、碌でもない国……だか、国か知りませんが……になりそうですし。
現状ではフィフティ・フィフティなんて所ですか。

そもそもどうやって作るのかとか
能力者より風当たりの強い私たちがそれをすればどうなるかとか
"人間"無くして"人外"がやっていけるのか、とか……その気なら、議論したい事は多いわけですが。

……適当に保留して流すつもりと思われるのもアレなので。はい、どーぞ。


【す、と差し出すのは一見すれば鶴の折り紙。けれど、イルがそれを受け取ったなら】
【手の中でパチンと弾けて、蓮の花が咲いたような形に変化する】
【その花弁には、番号とアルファベットの羅列。連絡先である事は間違いなく】


【──それからしばらく、つらつらと喋る。甘味、特にきんつばが好きなのだ、とか】
【同族から妖になる者が減っているだとか、山郷で大騒ぎする狼の妖怪が居て困るとか】
【こんな見た目なので堂々と往来を歩けなくて面倒だ、とか。なんというか、疲れたOLのような話し方】

【ただ、歳を重ねているというだけあって内容と話し方は中々のものであり】
【数十分くらいは気付けば経っている、なんて具合】


『────病魔ってのはそいつか、クズノハ?』


【ざり、と瓦礫を踏み、そんな声が聞こえると話はようやく途切れるだろう】
【待ち人来たれり、というわけだ。もっとも、その容姿に特筆するところはない】

【短めの髪は珍しくもない栗色で、瞳は黒。身長180cmと少し、服はピンクのベストに白のツータック】
【奇異な武装も、不気味さもない。身なりだけならオフィス街にいくらでも居そうなものであり】
【「あの人ですよ」とクズノハがイルに伝えなければ、なんて事はない人間に見えた】


851 : 名無しさん :2018/05/01(火) 22:44:47 uAZPyfPw0
>>832

【――――場面は移ろって、後日だ。結局あの日少女は麻季音のことを言い負かすことができなくて、しばらくぐずぐずとしていたのだけど】
【結局、相手が出ていく――ということを、止めることはできなかった。それでも絶対に護るからって誓って、絶対だよ、絶対だからね、って、何度も繰り返して】
【そのあとは――少女がやけに相手のところに顔を出してくることだろう。心配しているのかもしれなかった、あるいは不安なのかもしれない、そのときも、用事もないくせに】

――――麻季音ちゃん、ちょっと水の国に行ってくるね。……ううん、特区とかじゃないよ、もっと、別の――。

【それでも邪魔しないように声量は押さえて。確かに伝えたのだろう、"少し出かけてくる"なんて声、それこそ本当に、そこのスーパーで醤油を買ってくるだけ、みたいな】
【だけど――それで、戻らなかった。食べ物の本片手に初めて作ってみていた料理もちょっとした漬け時間のまま。ここはこうしたほうがいいかなってメモも、書きさしのまま】
【当たり前に戻って来るつもりだったのだろう。なにもかもそのままで。だけどきっとみんなそうだった。――"みんな"が誰かって?】

【――――――――それって、多分、出かけたまま。生きて帰れなかったひとたちとか】

/こういうかたちで大丈夫でしょうか、まずいようなら言ってくださいっ、おつかれさまでした!


852 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/01(火) 22:45:34 ABHv169.0
>>850

【目の前で行使される術式、なるほどどうして妖狐というものは不思議な術を使う、と】
【イルは目を細める、論理的な言葉であった──頭の良い相手は好きだから】
【けれども前提条件が違った、それは小狡い蛇のように意図して隠していた事実だから】


あはは♪ ごめん、ごめん、そういや言ってなかったけど、ボクが統治する訳じゃないんだっ
とゆーかっ、誰かが統治するとかじゃなくて、それが自然な形になるとゆーか
うん、難しいなぁ、全部明かしちゃうのってさ、面白くないじゃん

ただおねーさんにだけ言ってあげれるのは、ボクの作る国は受け皿なんだよね
有るべき存在が有るべき場所に位置する為の受け皿──
そーだね、続きはこっちの連絡先にっ♪ 悪用していいー?


【鶴の折り紙を受け取って、その変化におおーっと声を上げて】
【ぱたんと折りたたんだなら胸の谷間に入れる、動作がいちいち扇情的で】
【──しばしの歓談、こちらの話はだいたい惚気であるが】


そいつだなんて横柄な口を利くね、ニンゲン風情が
キミがどんだけ生きてるか知らないけど、そっちのおねーさんはキミより何十倍も年上なんだから
立場を弁えなよ、そーゆーのだっさいしっ

言われたからさ、用意するけどホントに大丈夫?
虚勢貼ってるんなら止めた方がいいよ、ボクの作る結晶は
とびっきり悪意が篭ってるからさ、キミたちだったら幾らでも殺せるぐらい


【それは現れたジルベールの雰囲気もあっただろう、イルの言葉は痛烈だ】
【羽を羽ばたかせ近くによった、手を伸ばせば触れられる距離】
【イルは掌に別の黒い結晶を用意した、光を吸い込む無明の闇】


853 : 名無しさん :2018/05/01(火) 22:59:24 uAZPyfPw0
>>833

【――――はあ、と、少女が小さく息を吐いた。ため息だったかもしれない、"こう"なってから、"こんな"ことが、急に増えた。気疲れする】
【信じていいのか分からない人間を、とにかく信じてみる必要があったり。あるいは信じて良さそうな人間を本当に信じていいのか疑ってみる必要があったり】
【そして時には――信用できると分かりながらも。巻き込んでしまいたくないなって思ってしまって、ひどくためらってしまったり】

…………厳島命。櫻の軍の……諜報員。それを持っているひとをきっと知っている。知っているだけじゃなくて、きっと、会ったり、しゃべったり、出来る。
櫻の軍が水の国のことで動いているの、変だよ。それに最初は――新聞記者だって名乗ってた。セリーナにだけ用事があったのかもしれないけど。
嘘ばっか吐いてるのかもしれないけど――それだって。すっごく上手なわけじゃあなくって。あのひとね、わたしは、あんまり――……ちょっと、ふわふわしすぎてるみたい。

【利害の一致。だけれど今回のことについて、それはひどく信用できた。――それが一致している限りは、いろいろなことが出来る。殺し合う仲さえ、語り合うことが出来る】
【何も教え合う信頼には程遠い。けれど彼女はやがて観念したように伝えるだろう。それが関係者の名前。どこにあるかは知らない。けど。持っている人間をきっと知っていて】
【それどこでなく深くかかわりあってるはずだ。――ただ、少女としては特別に信頼を置いているわけではないらしい。それどころか、どこか訝しげでもあるほど】

【だけどそれとこれとは関係なく。"これ"が伝えられる限りの情報の全部だ。相手がどういった立場の人間であるかは――まあ、おまけみたいな、もので】


854 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/01(火) 23:15:20 E24Belag0
>>799

……はぁ。全く酷い目に遭った

【屋上にやってきたのは白衣を着た青年だった。顔には明らかな疲労があった】
【視線を上げると目に映るのはいつぞやの悪魔。門に対して何かしているらしい】
【ため息を一つ。のんびりと歩いて近づいてから】

邪禍さん、何してんですか
それ、悪戯していいものじゃないですよ

【何だか分からないのでとりあえず悪戯扱い】
【どーでも良さそうな声だったが、ちょっとぐらいは何してるか気になっていた】


855 : ◆9VoJCcNhSw :2018/05/01(火) 23:16:30 wn2rqSVw0
>>852

【「悪用とかダメに決まってるんですけど、もしかしてお分かりでない?」】
【「もしそんな事されたら、わたくし毒は皿まで食べちゃう派ですので」】

【どうぞ、よろしく――そんな、歪だけれど悪くない会話】
【人外同士の奇妙な絆とでも言うべきものが生まれたりもするのだが】
【新たな訪問者、というか呼び出された本人の機嫌は――大分、悪かった】


    
            『 あァ? 』



【「ニンゲン風情」と言われての返答はただその一言だった】
【言葉、でもないような。言うなればゴロツキが「何だコイツ」の意味合いで使う声】
【男はそのまま無言でクズノハに視線を向ければ――当の妖狐はそっぽを向いて、素知らぬ振りをして】


『……歳なんざ知るかよ、馬鹿かお前?俺とそいつは単純な契約関係だ
 俺が雇い、そいつが雇われる。俺が金を払い、全てに納得してそいつが受け取ってる。
 こんな単純なことも理解出来ねえなら口を開くな、バカが伝染る』


【相手を見事に馬鹿だと決めつけ、言うだけ言って言葉を切る】
【口論には強いタイプらしい――そして何より、強情で強欲で】
【一度自分で"こう"と決めたら動かない。そう感じさせる確かな足取りで歩み寄ると】


『……キミ"たち"?そりゃ不思議な言葉だな、この世界に六罪王なんて二人しか居ないはずだ
 俺と、腰抜けのロジェクトと。で、お前はそれでどちらかを殺したことがあるのか?』


【「無いよな、じゃあ貰おうか」――男が、ジルベール・デュボンが右手を伸ばす】


【だがその瞬間に、今まで何も感じさせなかったジルベールを覆うように"黒い靄"が出現する】
【靄はすぐに形を作り、暗黒色の巨大な髑髏――そして上半身だけの骸骨へと変貌して】
【人一人は優に握りつぶせる大きさの、黒い骨の手で以て、ともすれば病魔ごとその結晶を握ろうとするだろう】

【――漂う黒い靄は、その全てが人間の持ちうる負のエネルギーが具現化したものだ】
【恨み、辛み、憎しみ、苦しみ、痛み、嫉み―……例を上げれば限りがない】

【だがその総量は莫大なものだった。人間一人分の怨みなど、骸骨の小指の先ほどにもならない】
【余程恨まれてきたのか、或いは人間という生き物の最も辛酸な部分を這いつくばって行きてきたのか】
【理由も由来も分からない混沌――イルには、それが極めて〝マズいもの〟だと分かるだろう】

【長く触れれば、如何なる生命をも枯死させる。呪いや祟りと呼ばれる現象すらも飲み込んだような不快感】
【仮に人間がこの場に居れば、即座に嘔吐し、パニックを起こし、トラウマを甦らせるようなブラックホール】


【――――骸骨の手は、安直に言ってそんなモノだった。そして、結晶もイルも取り込むように、黒骨の手は握られた】


856 : ◆zuR4sSM1aA :2018/05/01(火) 23:33:03 0jLFl.bY0
>>794-795

【背後、暗闇の彼方──何処からともなくかすかな声が響く】
【帯から取り出したパイプを吸いながら、左腕を後ろに下げて左半身を後ろに向ける】
【胸部が少しはだけた黒留袖が、夜風に揺られて────】

【何かおかしい気配は感じていたが、視界が良好な場所であるから】
【異変があればすぐ気づくだろう、という考えで見ていなかったのだけど】


「お前が、今日の“依頼人”か」


【パイプを口から離し、白い煙をぷかりと吐くと】
【彼女の顔を一瞥して、ゆっくりと立ち上がる。彼女の服装をしばらく見て】
【警官のものであると気づけば、ちょっとした違和感を覚えるのだけど】


「なかなか気が利いた洒落が言えるな」


【口角を歪ませれば、もう一度パイプの吸い口を咥える】
【どう見ても、あの風穴は先程男に空けたもの──憑依か何かしたのだろうか】
【憑依するにしても、他にもっといい人は居たのじゃないかと思うのだが】


「──“柘榴”だ。お前は何て名前だ?」


【雇われの殺人鬼と、娼婦の両面を持つ名前だと──】
【裏に住まう人間なら知っていてもおかしくない。顔はほとんど同じなのだから】
【違うのはその性格と、羽織っている着物だけ。くゆる煙が、夜風にながされて──】


857 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/01(火) 23:33:51 ABHv169.0
>>855

【──風向きが変わった、イルの表情に僅かばかりの暗雲が見えた】
【それは明らかに異質であった、纏う雰囲気は何処までも粗暴なゴロツキに近くとも】
【何故か目を離せなかった、離してはいけない、と本能が叫んでいた】


──へぇ、ニンゲンの癖に偉そうに喋るんだね、分かんなきゃ良いけど
六罪王だか何だか知らないけど、ニンゲンである以上仕組みは変わんないでしょ
脳みそのキャパなんて変わんないし、忠告したのに、これだからバカは──


【風が弾けた、出現した骸骨に圧倒的な嫌悪を感じてしまったから】
【羽が強く羽ばたいた、遠く離れる様に、真っ先にこの場から逃げ出す様に】
【無様であった──否、無様で無ければならない程、彼女の脳内で警笛が鳴っていた】

【彼女は骸骨の手から逃れるだろう、結晶はその手に飲み込まれていった】
【胸の奥底からムカムカするものが上がってきた、喉を震わせて飲み込む】
【──何だ、と思った、目の前の存在が唯のニンゲンとは最早思えなかった】


──気色悪い、何それ、意味わかんないんですけど


【率直に言葉が漏れた、病魔からしても理解出来ぬ代物であったから】


858 : ◆Heckemet8M :2018/05/01(火) 23:34:23 u1dxVMlM0
>>854

「――悪戯とォは、なァかなかの節穴な眼ェをしィているよォーだ」
「俺様は門の保護活動をしィているだけ。まァ、効果有ァるかは知ィらねェが」

【1つ、また1つ、――悪趣味なオブジェクトが召喚されては置かれていって】
【その行為をしつつ、横目で彼の姿を確認すれば……いつもの、悪そうな笑み】

「随分と疲れているよォーだな、ククク……栄養ドリンクなァらやァるぞ?」

【オブジェクトのついでに出されるは、透明な瓶に入った謎の液体】
【いや、液体と呼んで良いのだろうか。腐ったジャム的なものではないのか――とにかく、真っ黒なナニカ】
【それから、思い出したかのように小振りなジュラルミンケースを取り出し、雑に地面に置いた】


859 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/01(火) 23:39:03 E24Belag0
>>858

保護活動……?
多分、要らないと思うけど……っていうか、何、消えたら困るの?

【かなりの疲労のせいか、言い方が以前よりもぶっきらぼうだった】
【門を保護するということは門にあってほしいということあろうと予想して、疑問をぶつけてみる】
【謎の液体が出てくると「うへぇ」と露骨に嫌そうな顔をして】

えぇ……それ、本当に栄養ドリンク?
毒か何かにしか見えないんだけど……毒だったらさっき浴びたばっかだし、もういいよ
あと、それ、何?

【ジュラルミンケースを指差してこちらも質問】
【あーだこーだと言いながらも、別に邪禍のやることを邪魔したりもしない】
【彼の行動が見られる位置に陣取って座り込む】


860 : ◆jw.vgDRcAc :2018/05/01(火) 23:44:47 DIKJp7AM0
>>829

【一緒に歩きながら、改めて見慣れたようでまだ見慣れない街並みを眺める。……随分変わったというのが、正直な感想。】
【ゼロからの復興だったがゆえに、旧来の街の在り方に囚われない街作りが出来たのだろう。賑やかに、元気に】
【信仰が失われたという訳ではないが、活気は以前より満ちている。これもまた、健全な人間の在り方・営みなのだろう。】
【娘にとってはきっと、これが故郷の姿。自分の知っている街の姿を知らないというのは、ほんの少し寂しいが】
【これからを生きる彼女にとっては、こんな元気な街の方が相応しいはず。キラキラ目を輝かせる小さな横顔に、街並みを重ね合わせて目を細め】

……ふふっ。薬なんて無くても、きっと大きくなりますよ。
でも、気持ちは分かります!私も、ベアくらいの頃は大きくなりたいって思っていたものです……

【もっと背が高くなりたい。そんな子供らしいお願いに、思わず頬が緩む。そういえば自分も彼女くらいの頃はそう思っていたっけ。】
【今でも、そんなに大柄という訳ではないが……子供の頃は、もっともっと小さくて。いつも誰かと話すときは見上げていた。】
【これからどんな風に、どれくらい大きくなるのだろうか。それは分からないが……元気でさえいてくれたら、きっと結局何でもいいのだ。】
【そんな事を考えていると―――おや、ようやく気付いたらしい。見上げたあなたに、正解!と言わんばかりに笑顔を向けて。】

ふう、到着です!……ふふっ、今日は自分の魅力をを磨く修行です!なんて、ね?

【到着したのは、洋服店。そこまで大きい店ではないし高級な店でもないが、品揃えは十分。何より、良い物が安く売られているのがいい。】
【服飾にあまり気を留めない彼女も、きっと気にしないだけで興味が無い訳ではないはず。やっぱり、お洒落は楽しい物だから】
【鍛錬ももちろん良い事だが、たまにはこんな風に自分を素敵に飾るのも悪くはないだろう。どんな服でもきっと、ボロボロの修道服よりは良く見える。】
【親の贔屓目かもしれないが……折角こんなに可愛らしいのだから、もっと色んな服を着せてあげたいのだ。】
【「さ、入りましょ?」手を引いて、店の中へ。色んな服が、きっとあなたの目にも留まるだろう。さて、どんな服に興味を示すだろうか―――】


861 : リオシア ◆qijkYF5k5g :2018/05/01(火) 23:47:40 5w/a9BZQ0

【水の国・某所。様々な店が立ち並ぶ大通り】
【そこに面したとある大型書店から少女が一人、自動ドアを開けて出てきた】

ふー、とりあえず今日はこのくらいかな……

【空色の瞳を持つ少女は、白みがかった金髪を真ん中で分けた短めのツインテールをぴょこぴょこさせながら歩く】
【身長は155cm程度、黒い半袖のブラウスに白いショートパンツ、肩から小さなショルダーバッグを掛け──】
【両手には、この書店で買ったと思われる本が二十冊くらい抱えられている】

う、ちょっと買いすぎちゃったかも?おっとっと……

【たまによろつきながら歩を進める少女には、前がよく見えていないらしい】
【もし誰かが前を通りかかれば、ぶつかって本をばらまいてしまうことだろう──】
【ちなみに本の内訳は哲学や宗教学の専門書が多く、少女にしては渋いと思われるかも知れない】


//このスレが終わるか、こちらで〆切るまでは募集してますので気が向いた方はいつでもどうぞ


862 : ◆Heckemet8M :2018/05/01(火) 23:52:26 u1dxVMlM0
>>859

「別に困りはしィねェ――が」
「数百万の魂を消費しィた結果がすゥぐに崩壊しィたらもォッたいねェだァろう? 丈夫そォーだが、一応だ、一応」

【――本当は、それが繋ぐ先の世界に興味があったのだ】
【この世界で一般的に知られている魔界。その住民と接触したこともあった】
【あちら側の存在を入手すれば、更なる力を手に入れられるかもしれない――】
【なんて思いは、怪しげな表情でしか語らないのだが】

【パチン、と、カッコつけながら指を鳴らせば、センスを疑うオブジェクトたちを起点として構築される魔力のドーム】
【透明だが少し風景が歪んだか。けれども、元々歪な存在がそこにあるが故に、ある意味では馴染んでいて】

「毒じゃアねェぜ、濃厚な魔力のビールだ。……ククッ、ちょいと刺激が強いかァもしィれねェけェどな」
「――あァ、お前メールよォこしてただァろう。注文の品がでェきたとかなァんとかって」

「出ァせ。」

【――当然だが、この者は取りに行くとかなんて一言も言っていない】
【ただ、"忙しく無くなったら連絡する"との事だけを返信していたのみ】


863 : ◆9VoJCcNhSw :2018/05/01(火) 23:59:04 wn2rqSVw0
>>857

【逃げ出した病魔を敢えて追うほど、骸骨の黒い手は執拗ではなかった】
【ただ絶望と恐怖を結晶化させた物質を握ると、その骨身に染み込ませ】
【やがて何事もなかったかのように、巨大な髑髏は姿を消す】

【あとに残るのは、霧や夜の暗闇にも似た黒い靄だけだ】
【けれど周囲を漂うその靄は量も多く、耳を澄ませば何がしかの怨嗟が聞こえるようで】


  『さっきまで見下してた割に、随分な逃げ様じゃねえか。
  
       なあ、病魔。意味が分からねえなら、分からせてやろうか?』


【靄に近付き、触れている感はじわじわとした不快感が継続する】
【無論、耐性というものもあるだろう。同系統の存在らしい病魔ならば、なんてことは無いかも知れない】

【ただ、少なくとも――クズノハは脅威を知っていたからか、気付けば大分距離を取っていた】
【もしそちらに目を向けたなら、「止めといたほうが良いのでは?」なんて口の動きやら、ジェスチャーやら】
【奇妙な縁を持ったイルを諌めるように、いくつかのシグナルを送っていた】

【――当のジルベールはといえば、生理的嫌悪を増幅させる靄の最中にあって、微動だにしなかった】
【その手には確かに件の結晶が握られていて、曇天の空に透かすように見定める】
【けろりとしたものだった。深淵が口を開けて、そこに立っているかのようだった】


864 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/02(水) 00:03:00 E24Belag0
>>862

うん……? うん……
まぁ確かにそれはそうだけど……俺としてはむかつくから壊しちゃいたいよ、こんなもの

【数百万の魂を使った。その事実は一般的な感性を持つ赤木にとっては嬉しくない話だった】
【邪禍が善意からそんなことをしているとはどうにも思えず、微妙な返事をしながら感想を話す】

いや、濃厚な魔力とか人間からしたら毒でしょ、毒
そりゃ邪禍さんはいいだろうけど……って、今? 今その話すんの?
えぇ〜……しょうがないなぁ

【「疲れてるんだけどなぁ」と文句を山ほど垂れながら床に手を置く】
【左右に魔法陣がひとつずつ展開。それが後方にも連なり、合計で十となる】
【それぞれにつき一体ずつ機械人形が召喚されていく。普段使っているものと比べれば簡素な見た目だ】

【人間と同じ形状に、腕や肩、脚や胸といった一部分に装甲を足してある】
【兵器もいくつか内臓されているのか、装甲には切れ目がある】
【量産型であるせいか、装飾などはほとんどない。色合いも金属そのものだった】

とりあえず十体。命令を打ち込んでやれば自律稼働するよ
何体必要かも分からないし、仕様もよく分からなかったからひとまず納品するよ

【細かい要望がなかったことにも文句を言う。言えばまだ改良なり増産なりはするつもりらしい】


865 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/02(水) 00:09:10 ABHv169.0
>>863

【靄を払うように手を軽く振る、曇る表情には不快感が顕だった】
【ある程度の耐性はあった、少し触れるだけならば問題は無いだろう】
【──然し之は底が見えなかった、同時に思う思考は一つ】

【何故こいつは、ニンゲンの身でこれだけの憎悪を負うことができるのか、と】


乙女とっ捕まえて散々な言い様、下品な言葉遣いが移るんですけどっ
良いからそれ仕舞ってくんない? その汚い靄みたいなもの
こっちも全然乗り気じゃないけど、やっぱりそこそこ似てるみたいだからさ

取り引きできないかなぁ、ニンゲン


【──彼女にとっては最大限の譲歩であった、それでこの口調ではあるが】
【未だ距離をとったまま言葉をかける、クズノハに軽く抗議の視線を向けて】
【こんなバケモン来るなら先に言ってよ、と、そんな感じ】


ここに大体数万ぐらいの怨嗟あるからさ、それ全部結晶にしてあげる
だから代わりになんだけど、紹介してくんない?
ニンゲンじゃない存在、何人か──連絡先も含めて


【提案──それはある種の確信を持っていた】
【ジルベールの纏う雰囲気、それは多く異形を引きつける性質のそれ】
【クズノハがそうであるように、彼と接する異形がいるのではないか、という読み】


866 : ◆Heckemet8M :2018/05/02(水) 00:23:18 u1dxVMlM0
>>864

「おォーッと、壊すのォは俺様が許さねェぞ」
「壊したら……よォーし、取ォり憑いてやァろう。ククク……保護装置も蹴飛ばすなよォ? 良ォいか、絶対だぞ?」

【――冗談めいた口調、けれども何だろうか。本気でやりかねないオーラだ】
【保護装置、というのはおそらくこの謎のオブジェクトの話。ほっといても他の誰かが撤去するだろうが……】

「そォーでもねェ。……カニバディールって奴は難なく飲ォみ干してたからな」

「残念だァが、今だ。」
「俺様、ちょいと色々と立ァて込んでてなァ……婦警対策に、特区対策に、あァれとかそォれとかに、魔界旅行計画に、……」
「……偶然だァが、顔を合ァわせた今がチャンスってわァけ!」

【それから、召喚された機械人形たちを上から目線な態度で眺めて】

「ククク、細かい仕様とォか数はモノを見ィてからと思ってな。今はこォれで良ォい。――あァ、そォれで結局幾らだ? 金はケースに入ってるが」

【おそらくは、早速機械人形をベタベタと触ったり、外から見える構造を確認し始め、"命令の打ち込み方を教えろ"なんて命令をしてくるだろうか】
【さて、先程取り出したジュラルミンケースに入っている金が代金ということだろう。……ただし、開けてみても紙切れ1枚しか入っていない】
【――それに貼られた付箋には、適当に数字入れろなんてメモ。つまりは、この紙切れは"小切手"だ。ケースに入れてあった意味は……多分、ない。】


867 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/05/02(水) 01:44:40 IBKicRNQ0
>>801
【屈託のない笑顔。変化するのは、見た目だけではないらしい。夫の敵対者にする顔は、あの笑顔に対してどんなに冷たいのだろう】
【そんな思いは腹の底に閉じ込めて。「それはそうだ。賑やかな方がいいなら、手下たちも連れていこうか?」などと続けて】
【「ああ、きっと貴女には赤が似合う」「アンドロイドとも友人だったのか。式場で私も会えるかもな」。異形もまた、これまでその身に重ね続けた罪とは裏腹に】
【彼女との、何てことない会話を紡いでいくのだ。異形にも亜人にも、裏世界で生きる者にも感情はある】


ふ、ふ。少々口汚い姫というのも、面白いとは思うがね。
頂点に立ってしまえば、貴女がその後の〝姫〟というもののイメージのベースになることもあり得る

今までにも、世界に手を伸ばそうというものは大勢いたが。その多くは、己の強大な武をもって覇を唱える。そういうものだった
翻って、デュボン陛下のそれは、より堅実かつ現実的だ。私は、それこそが陛下の恐るべき点だと思うね

アスタン……そうだったか。まさかあの国が、最初の一国だったとは
ああ、もちろんだ。ここだけの話にしておこう

私も一つ明かしておこうか。あそこを直接襲った赤崎さん……“Crimson”に、検体を提供したのは私なんだ
私が彼女に引き渡した魔術師の子供が、あの国の襲撃に一役買った……ふ、ふ。私はすでに、陛下の絵図の端に組み込まれていたらしい

【うっかりと口を滑らせた様子の彼女に対し、カニバディールは得心がいったように頷く】
【あの日、酒場で言葉を交わした赤崎博士の目指すところを思えば、増幅した魔力を行使する対象が必要だとは思っていたが】
【それが、小国とはいえ国一つを潰した。初手としては、ずいぶんと大きなところを狙ったなと考えていた。恐らくは、それに協力した者もいるのだろうと】

【それが、まさかジルベールであったとは。「裏の世界も案外狭いらしい」と薄く笑いながら、異形も同じように人差し指を口元で立てて】
【内緒のジェスチャーをして見せる。彼女のそれとは違い、醜悪な異形がやっては気持ちの悪い仕草となったが】
【ちょっとした罪悪感と、どこか夫を誇るような金色の目は、夫婦で世界を見下ろす未来を見据え続けているのだろうか】


『円卓』はつまらない連中だとは言ったが、私の経験上そういった連中は、自分たちのことを隠すことだけは無駄に上手いことが多い
探すとはいっても、困難なのは確かだろうな

残念ながら、私も現時点では詳しいことは掴めていない。……だが、先もいったように保身に長けた『円卓』が
リストを外部に持っていかれた、となると、相手は限られてくる

厳島が知っている……櫻の国の軍人が関わっているとなれば、櫻の政府筋か……いや
やはり、より近いところ。『公安』の方が可能性は高いだろう

鵺は……私も知ってはいるが、あれでなかなかに腕の立つ忍びだ。口を割らせるのは難しいな
そうなると――――

【あくまである程度のものとはいえ、彼女の金色がこちらに向ける信頼、期待、安堵】
【それに応えるには、未だ異形の手持ちの札は少ない。だが、ふとそれを思い出した。敵の罠から帰ってこられなかった者を】


黒野カンナ……今回の件で、『黒幕』に連れていかれた女。厳島が気にかけていた女だ
厳島は、そのカンナがルハニア社とオーウェル社。黒幕側の企業についての情報を掴んだと言っていた

もし、厳島がリストの件を黒野カンナから聞いたのなら……黒野カンナこそが、リストを掴んだ存在……とすれば
『黒幕』の下から、誰より早く黒野カンナを奪還出来たのなら……リストのことを聞き出せるかもしれん

【まるでロッソの、探偵の真似事のように、異形は推測していく。無論、探偵のそれとはかけ離れた憶測だ】
【だが、『黒幕』に繋がる企業について調べ上げたほどの女性。『黒幕』が唯一、あの場から引きずり出した女性】
【盗賊の嗅覚が告げた。彼女こそが、カギとなり得ると】


868 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/05/02(水) 02:04:50 IBKicRNQ0
>>644
温厚な人柄のようで、私としても彼との釣りは落ち着いたひと時だったよ

【太陽の悪魔。見るからに強力な存在たる彼らの止まぬイタズラに晒されて】
【なお、ああして温厚でいられることが、マサジの非凡を示しているのかもしれない】

(キノコの生えたこのザマも、きっちりとクラウドに上がっているのだろうな……)
邪禍さんや闇沌さんなら、こちらの世界のことにも通じているのだろうが
それにしてもすでにクラウドの整備とは。流石に、行動の速いお二方だ

【言い合いも端末の投げ渡しも、もはや洗練されたといっていいやり取り】
【喧嘩するほど仲がいい、を地で行くと言っていいのだろう】


【しばし、異形は固唾を飲んで彼らのやり取りを見守っていたが。ここは普段のジュゼッペの行いに救われたらしい】
【泡に包み込まれた彼を見て、安堵したのもつかの間。〝それ〟が起きた】

…………。マジか……この歳で、こんな形で……。生え際の後退ですらなく、円が二つ……
マジか、これ……マジか……

【普段なら、絶対に口にしないような言葉が、放心状態のカニバディールの口から漏れ出る】
【シャッター音にも反応できず、しばらくは撮られるがまま。サタリュウトに拡散していく黒歴史を止める術はもうなかった】


――――失敬。お騒がせしてしまった
上の宮殿でも見かけたが、相当な実力を持っておられるとお見受けするが
あまり、邪禍さんの前線には出られていないのかね? お二人を初め、向こうの世界でお会いしたことのない方が多いのだが

【少ししてどうにか立ち直り、露骨に話題を転換する。禿げた頭で】
【至極まじめそうな顔を作り、彼らの実力を見て抱いていた疑問を口にした。頭の草原に光が跳ね返って、中途半端に光る頭で】


869 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/05/02(水) 02:40:31 IBKicRNQ0
>>837
ほう、真っ先に取り締まりを受けるのは『UNITED TRIGGER』か

「私たちとしてはありがたい限りですね、ボス!!」

『獲物が自分たちの手で、盾を放り出してくれるってんだからな』

【突如として、不毛だが絶望的な均衡を破る声が響いた。三人分。いずれも男の声だ】
【聞こえたのは、別々の方向から。群衆を囲むようにして。たかが三人でありながら、彼らを追い詰められると言わんばかりに】

【UT事務所、向かって右からやってきたのは地味な黒スーツと革靴、髪を丁寧に撫で付けた細い茶色のフレームの眼鏡をかけた男】
【UT事務所、向かって右からやってきたのはミリタリーコートと軍用ブーツ、長い銀髪に鋭い目つきの剣呑な男】

【そして、正面からやってきたのは。2メートルを軽く超える身長に、薄汚れた灰色の作業着と黒いラバー地のエプロン】
【黒いゴム長靴を身に着けた、角ばった顔つきと黒い瞳の両目、そして額に巨大な一つ目を持った異形の男だった】


三すくみだよ、諸君。民衆はその立場と数で正義を糾弾し、正義はその武力と仲間との絆で悪を討つ
ならば、民衆を惨たらしく踏みにじって高笑いするのは、我々悪党の役目というわけだ

「グーがなくなれば、チョキの一人勝ち!! 頭の中身がパーの衆愚な皆さんには、我々の〝ギフト〟をお届けしましょう!!」

『そら、お前らもこれで能力者だ。ありがたく思えよ』

【三人の男たちは、それぞれその手に注射器を握っていた。あの日、この異形どもが流した映像を見た者がいれば、その中身はわかるだろう】
【人に粗悪な能力を押し付けるためだけに作られた薬品。それが今、目くらましに怯んで動きを止めた群衆の最後尾へと】
【振り下ろされんとした――――その、数瞬前。大男は三つの目玉で目くばせをした。血を流しながら、暴走する群衆から居場所を守ろうとする、ラベンダー色の少女に】

(気付け、ラベンダァイス。プロレスだ。群衆が捌け口を欲しがっているなら、我々こそがうってつけだ)
(彼奴等の怒りは、恐れ。能力者への、未知への不安。ならばそれを、我々が更なる恐怖で塗りつぶす!!)

(元より怨敵同士、いつもより少し派手に殺し合って見せればいい。わかりやすくいこうじゃあないか――――!!)

【注射器を突き立てようとする三人の動きは、戦闘者としては不自然に遅かった。長口上も含めて、ラベンダァイスに介入の隙を十分に与えるために】
【全ては、今の混沌の世のため。異形どもにとっては愛しき汚濁に満ちたこの世界を、『黒幕』に渡さないため】

【UTが、『スクラップズ』を下した。その既成事実を生み出すためだ】

/こんな流れで、もし可能でしたら!!


870 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/05/02(水) 02:44:13 IBKicRNQ0
>>869
/一か所、訂正です……
【UT事務所、向かって右からやってきたのはミリタリーコートと軍用ブーツ、長い銀髪に鋭い目つきの剣呑な男】
→【UT事務所、向かって左からやってきたのはミリタリーコートと軍用ブーツ、長い銀髪に鋭い目つきの剣呑な男】


871 : ◆KP.vGoiAyM :2018/05/02(水) 11:37:36 ZP5d3v9M0
>>851

【それからの私は、多分。相当焦っていたんだと思う。表面上は、かっこつけて大人ぶっていても、自分で決めたことでも】
【その言ったことの重さに、重大さに、危険さに目を背けるために目の前のやるべきことばかりに熱中していた】
【普段どおりの鈴音さんの姿を見て、安心していた。そう…普段どおりだと思っていた。】

【私は不安だったけど、私には出来なかった。鈴音さんを救うことは、守ることは。でも、まだ私は諦めていない】
【全ての元凶は黒幕。私は、私に出来る最善を尽くす。そして――探偵にだけは伝えておく】
【依頼に上乗せして、解決してもらおう。それが仕事なんだから張り切ってもらわないと。鈴音さんを救い出しなさいと】

【軋んだ、歯車が回っている。全てを変える大仕掛け(パラダイム)の準備が】
【私達は、選択しなくてはならない。】

【主よ、われ汝に呼ばわる】

/大丈夫です!長期間ありがとうございました!お疲れ様でした!!


872 : ◆Heckemet8M :2018/05/02(水) 16:33:26 Li.LUg8w0
>>868

「邪禍も闇沌も新しいもん取り入れるの大好きだからなー」
「おかげで退屈しねェーんだけどよ!」

【――元凶であるジュゼッペの方は気持ちを切り替えるのが上手らしく、】
【カニバディールから質問を投げかけられれば、それに対してすぐに応じるだろう】

【一方のチェーザレは、彼に比べればそこまで上手でないようで】
【できる限り、カニバディールの頭部の惨状を見ないようにしつつ、けれども時々小刻みに震えて】

「あー、そォーいえば俺ってあんまり邪禍に召喚されたことねェーな」
「アレだろきっと、コストの問題。……闇沌言ってた気ィすんもん、強ければ強いほど召喚コストも嵩むって」
「でも、それ言ったら元地方神の方が多分高いよなァー。確かに俺たち、実力はそれなりにあると思うけど!」

『それか、俺たちは対天使の戦力として、……おんぞっ、……ふふ、……温存しているか』
『げほっ、げほっ……精神的には正義寄りかつ我が強いから、制御可能な状態で召喚したとしても扱いづらいとかかもしれないです』

「あー、それあるかも。街の襲撃の手伝いとかあんまり興味ねェーし」
「漫画とかゲームとかで忙しい時はさくっと召喚蹴るし」
『ジュゼッペ。貴様は蹴らなかった事のほうが少ないだろう』
「チェーザレが言うのそれ。実際にしてなくともナンパで忙しいなんて理由で蹴ってるの何回見たと思う?」

【強力だがあまり表に出てこないような存在は、もしかすると非協力的というだけなのかもしれず】
【あるいは、召喚コストの節約や別の目的のために温存しているという可能性もあるが】
【いずれにせよ、彼らも言われてみればそうかもしれないというレベルな感覚らしい】

「でも、人間形態でそっちに遊びに行ってることは結構あるぜ? ゲーセンとか色々回ってんだ」
『もしかすると、たまたますれ違わなかっただけ――なのかもしれないですね』

【それから、チェーザレはこの建物内の窓のカーテンを閉め始めた】
【理由は――突如現れた光り輝く不毛の大地対策だろう。何も言わなかったが、おそらく。】


873 : ◆DqFTH.xnGs :2018/05/02(水) 16:49:29 SU4WZg8.0
>>867
【「いいね」「姫のイメージをぶち壊して新しく塗り替えちまうのか」それも楽しそうだと言って】
【けらけらと笑う。ジルベールが現実的な思考を持つというカニバディールの意見には】
【異論なんてあるわけがない。そうそうと頷いて──「しぃ、な」と】
【まるで子供同士の内緒話。相手の不恰好なジェスチャに、これまた面白そうにミラは笑ってみせるのだ】


ぎゃはっ、にしてもほんと…………世間は狭いな
まさかそんなとこであんたが噛んでたとは知らなかったぜ
内緒な、内緒。くくっ……!内緒話って、なんかわくわくしちまうよな

ん、で────────黒野、カンナ…………か


【少し考え込む仕草をして、するりと姿形を変える。夕焼けのような赤い髪の女】
【血に汚れたパンツスタイルは……“あの場所”で見た姿をそのまま再現した結果だった】


…………この女、か────悪いな、“こいつ”さぁ、全然喋ってなくって
だから性格とか口調だけじゃなくて…………声すら分かんねぇんだ
ま、とりあえずカンナってのはこんな姿ってぇのを教えられただけで良かった、が────

しかし────なる、ほど。確かに“こいつ”だけは別クラスとか言われてたな
リストを“こいつ”が握っているかはさておいて…………調べておいた方が良さそうな女じゃあねぇか
連中が必死こいて囲ってる女だもんな。案外、リスト以外にも大事ななんかを抱えこんでるかも分からねぇ
けど闇雲に探したところで、それこそカンナの行方なんざ分かりっこねぇな…………
ルハニア…………、…………オーウェル…………。……………………ん、


【また姿が揺らぐ。元の亜人の姿だ。戻った理由は特にはないが、強いていえば】
【その方が楽だから。傷は無理矢理塞がれたばかり。そう何度も異能を行使するのも、疲れてきたところだった】
【携帯端末を取り出して、文を打ち込む。その時ばかり手をヒトの形に変える。そうじゃなければ】
【画面に吸盤が張り付いて、鬱陶しいことこの上ないのだ】


…………今さ、ダチを特区に潜り込ませてんだ。さっきちょろっと言ったっけな?
んで────そのダチ。アンドロイドなんだよ
くくっ…………そいつ。どこ製だと思う?…………ぎゃは、今は亡きフォルケン博士が作った人間そっくりのアンドロイド

ゾーイって名前のそいつは…………博士が生前勤めてたオーウェル社が創ったってぇ話だ
もしかしたら…………特区で情報拾えちまうかもな?
なんてったって────黒幕と繋がってる企業お手製のアンドロイドだ
機械のことはさっぱりだけどよぉ…………黒幕連中の目を誤魔化しつつ情報を引っこ抜くのにあいつ以上の適任はいねぇ


【そうは思わないか。そう言って、端末に打ち込んだ文章をカニバディールに見せた】

【『よぅ、ゾーイ。ご機嫌か?こっちはぼちぼち。ところで、特区のことに加えてもう一個お願いがあるんだ』】
【『黒野カンナ、ってやつのことを調べて欲しい。可能ならその居場所も』】
【『だけど調べる時はとびきり気をつけろよ。なんつったってカンナを捕まえてんのは黒幕連中だからな』】
【『危ない事ばっか頼んで悪い。帰ってきたらまたスシでも食おう』】

【どうよ、とまた笑ってからメールを送信する。もちろん、カニバディールが追記したいことがあれば】
【もののついでだ。後ろの方にでも付け足してから、ゾーイ宛に送ってしまう】


874 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/02(水) 17:15:25 E24Belag0
>>866

分かった分かった……そんなに念を押されると前振りかと思うよ
あと、カニバディールだっけ? そいつナンバーズでしょ?
恐怖のカノッサ機関のナンバーズと一般人の俺を一緒にしないでよ、無理だって

【カニバディールの名前は鈴音からも聞き、テレビでも見ていた】
【会ったことがないのもあって、正直なところ目の前の邪禍よりもよほど怖い】
【なので例として出されても全く頷けるものではなかった】

婦警に特区、ね
そのあたりの話も後で聞きたいんだけど、とりあえず

…………ケースに入ってるの? へぇ

【ケースに金がある、と言われれば少し目の色が変わる。期待の色だった】
【明らかにうきうきした様子でケースのところまでいき、中を開く。そして落胆】

……あのさ、邪禍さん
ケースの中に金があるって言われたら、普通札束とかかなぁって思うじゃん!
俺のこの小市民的な期待を返してよ! 人生で一度きりの経験が出来るとか思っちゃったじゃん!

【それはもう文句言いまくりだった。よほどショックだったのか、ケースをばんばん叩いている】
【しかしぶつくさ言いながらも、小切手に金額を記入する、というのも一般人としては夢のあるシチュエーションだ】
【にやつきながらペンを取り出してそこに金額を入れていく。いくらにしようか悩みながら。金額を書いたら命令の仕方も教えるだろう】


875 : ◆Heckemet8M :2018/05/02(水) 17:57:11 Li.LUg8w0
>>874

「振ゥりじゃアねェ。良ォいか、実行しィたら……」
「――お前のメールアドレスを"メル友募集中の女子高校生"と称して駅の掲示板に貼ァり出してやァろう!」

「ほォう、バレたか。――ククク、何事にィもチャレンジだ、チャレンジ」

【チャレンジ精神を語り始めたが……強引に飲ませるほど飲ませたいわけではないため、】
【No thanks.を貫いていれば、そのうちオブジェクトに対してそれをかけるだろう。魔力強化の効果を齎す】
【が、……ただでさえアレでソレだというのに、腐った漆黒ジャムでデコレーションされれば当然……】

「あァ、そォの辺りも聞ィきてェなら聞ィきな。手数料としィて小切手かァら金額引ィいておくが」
「金額引ィく代ァわりに、こォのゲートがむゥかつく理由や他もォろもろを言ィッても良ォいぞ」

「――ククク、残念だったな! 現金の方が良ォかったか、金額聞ィいてねェから小切手にしィただァけだが……偽札で良ォいなァら、今すぐ出ァすぞ?」
「ちょいと厳重にタンス預金は管理しィてるのでなァ……一部は部下に荒ァらされたが!」
「とォもかく取ォり出すのに若干時間がかァかるってワケ。俺様も色々あァッて疲れてんだよ」

【小馬鹿にした表情でポーズを取り、そして煽り口調。……要するに、現金も出せるが面倒くさい。そんな話か】

【さて、命令の仕方を教えられれば、試しに1体へ―― 一番近くにあったそれへと行ってみるだろう】
【が、この悪魔、中々下手っぴである。酔っ払いみたいな動きをさせるわ、"後は流れで"なんて無茶振りをするわ】
【がに股開かせつつ両手を斜め外側から股方向に向けて上下させる動きをさせるわ、本当に召喚士なのか疑わしくなってくるレベルである】


876 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/02(水) 18:09:18 E24Belag0
>>875

何、その現実的な嫌がらせは……
チャレンジっていうのは危ないことやるときの文言じゃなくって……うわぁ
何それ……ちょっと、邪禍さん見た目悪すぎだよそれ……うわぁ

【謎のオブジェはどろどろのどす黒いジャムで装飾されて、見るも無残な姿に】
【もうドン引きだった。悪魔の美的センスには全くついていけていない】
【そういう種族差とかはガン無視して素直な感想をぶつける。もはや何のオブジェか分からない】

え、金額の代わりに文句言うの? 変じゃない? 邪禍さん得するの?
っていうか、邪禍さんタンスに預金あるの? なんでそういうところいちいち小市民っぽいかな……
しかも荒らされたって……部下って、レオ、レオーテ……なんだっけ

まぁ何でもいいや。折角だからちょっと多目に書いとくね!

【そう言って赤木は小切手にゼロをたくさん書いておいた。多分、相場の百倍になっている】
【それから命令の仕方を教えて、試しにやらせてはみるものの────】

────この下手くそ!!
悪魔だっていうのに何で人形の取り扱いが上手くやれないんだよ!!
そうじゃないってさっきから言ってるでしょ!!

【罵声が飛ぶ。あまりに変というか、雑なやり方に作成者はカンカンになって怒っていた】
【それでも、きっちり動かせるようになるまでは教えるのだろう、多分、きっと】


877 : ◆Heckemet8M :2018/05/02(水) 18:34:32 u1dxVMlM0
>>876

「ククク……大事なァのは実用性! 見ィた目は次だ次」
「まァ、どォちらも兼ァね備えていィるのが俺様なァのだが!」

【――どやぁ。放射光エフェクトが見えてきそうなまでの、腹立たしさを感じる態度。】


「要するに……情報だ、情報。こォのゲートの情報をよォこせって事」
「お前の文句だァッて、そォれに繋がってるかァもしィれねェしな……ククッ」

「あァ、書ァいた金額が当座預金の残高超ォえてたら当然でェてこねェから多目にしィ過ぎるなよ」
「……って! 相場にしィやがれ、相場に!」

【せっかくだからの内容をきっちり聞き逃さず、ばっちり文句を言ってから】
【その後も文句は続くだろう。人形の操作に対してアレコレ言われれば、同じだけ言い返す】

「うゥるせェー! 俺様は魂有ァる者を利用すゥる者! こォれをこォーでこォーすゥれば歩くはz……違ァーう!」
「くッ、こォのままでは朝日が登る……えェーい、うおォりゃア!」

【――……歩かせるつもりが、なぜかブレイクダンスを始める機械人形。むしろ何をどうすればそうなるのだろうか】
【そしてこの者、怒りゲージ(逆ギレゲージ)が溜まれば……その右手を空高く掲げて】
【生成するは、人の形をした簡素で半透明な存在。……止めなければ、ブレイクダンス中の人形にぶち込むだろう】
【それに成功すると、何故かいきなり動きが良くなるのだ。】


878 : ◆9VoJCcNhSw :2018/05/02(水) 18:44:01 wn2rqSVw0
>>860

【自分の魅力を磨く修行――。――"難しい"というのが、少女の第一印象】
【何せ自分磨きというのは、こう、"鍛錬"というモノだったのだ】

【例えばトレーニングとか、素振りとか、練習試合とか】
【そこで上手いことをやって誰かから称賛されるのが、言ってしまえば魅力】
【大分――いやかなり偏った知見なのだが、この少女は結局の所、そうだった】


            【故に、目移りする】


【スーツ――知的でイケてるが、子供が着る印象はない】
【スカート――いや、ない。なんかひらひらして、動きやすそうだがダメな気がする】
【キャラ物のシャツ――、……そもそも何のキャラだろう、興味がない】
【ジーンズ――良いかも知れない。父上のよく着ているし、無骨で格好良い】
【パーカー――これも良い。ゆとりがある作りが、大分着心地が良さそうだ】

【――そんな具合。どうにも決めかねて、決まりかけるのは随分とボーイッシュ】
【合っているといえば合っているのだが、何か違う気もした。そこで頼るのは、やはり母で】


難易度、高えな……母上っ?えっと……俺、どんなのが似合うかな?


【そう、着飾った女性といえば自分の中ではやはり母親がその基準だ】
【なんというか、こざっぱりした服を着ているような印象がある】

【あれなら動きやすさもあるし、最低限の可愛らしさ――的な物もあるだろう】
【多分に着ている人物の印象がそこに織り交ぜられている感もあったが】
【母の手を握ってその顔を見上げる瞳は、純粋に母の薦めはなんだろうかと問うものだった】


879 : ◆9VoJCcNhSw :2018/05/02(水) 18:44:40 wn2rqSVw0
>>865


……取引。なるほど、その程度を理解するだけの頭はあるみたいじゃねえか
なら最初から言え。そうしてりゃ、無様に逃げる姿を見られずに済んだのにな。


【合理的、打算的、契約を重視する傾向。そんな男であるがゆえに】
【取引という言葉には乗ってきた。元より、それが目的なのだから乗らないはずがない】

【しかしながら――黒い靄、これを消すことはしなかった】
【仕舞ってくれないか、という言葉に関しては完全に黙殺し】
【敢えて収めることはしない。それは、イルに対する脅しにも似たものだった】

【いつだって同じことが出来る。お前の言いなりになる気は微塵もない】
【あまり人間を舐めるなよと――彼女からすれば生意気な、そういう意思表示】


人工生命体を"ニンゲンじゃない存在"と数えるのなら、5人知ってる。
2人はある女の"持ち物"で、3人はある女の"子供"で"神"だ。
どっちも、所有者の連絡先はある。呼び出すことも出来る。

他には悪魔も居たと思うが…――クズノハの連絡先、聞いたんだろ?
ならそっちから聞くほうが多分早いな、そいつらは。

……――それで?お前は人外ばかり集めて、何するんだ?


【取引には乗っても良い。だがその理由、それを何に使うのか――】
【――別に、知らなくても良いことだった。例えば、イルという病魔からすれば】
【「万人の怨嗟を結晶化して何に使うのか」という質問と、これは同義だ】

【結局の所、答える答えないではなくて。乗るか乗らないか、それだけの話】

【――そしてもう一人、ニンゲンじゃない存在も知り合いには居たが】
【これは黙っていた。言う気も無かったし、目の前の相手に言う気にはならなかった】


880 : ◆3inMmyYQUs :2018/05/02(水) 18:48:09 LevMp5MM0
>>775

【二つの手が、静謐の中でそっと重なった】

【白い女は言葉を発さなかった】
【ただ一つ、その口元をゆっくりと微笑ませた】
【彼の救いに携われることが何よりの幸福だとでも言うように】


【──風が吹いて、どこかの彼方で鐘が鳴った】
【それは終幕を仄めかす合図のようでもあったし、】
【新しい始まりを告げる号令のようでもあった】


【歪な塔の頂をその舞台とするなら、降り注ぐ月光は適切な照明であった】
【やがて雲は緞帳幕となって、余韻を曳くように緩慢に、その明かりを覆った】


【朧な薄闇が訪れて、彼に囁いた】


【(ようこそ、おかえり、初めまして)】



【────────】



【あるいはエピローグ。あるいはプロローグ】

【──耳朶を微かにくすぐるようなノイズ音の波】
【それは無機質な砂嵐のようでもあり、記憶の原初に根ざす胎内の血流音のようでもある】

【彼が次に眼を開いたとき、そこに天地と重力は喪失されている】
【視界にあるのは色のない何かの粒子が雑然と蠢く虚空ばかり】

【そこ、あるいはそれは〈円環の廃墟〉と定義されている】
【実在しない領域に名前を付けられるべくもないのであくまで副題に過ぎないが】
【何にせよ彼の訪れを歓喜と慈しみと狂える精神によって出迎える者たちがあった】

/↓


881 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/02(水) 18:48:42 E24Belag0
>>877

いや、邪禍さんが兼ね備えてるかとか聞いてないから
っていうか、兼ね備えてないし。その見た目、人間からしたら変だよ?

【冷静なツッコミを入れる赤木。ついでに前々から気になっていた見た目についても言っておく】

えー、ケチだなぁ。大悪魔なんでしょ? お金持ちじゃないの?
手数料についてはそうだね、情報で渡しておくよ。このゲートを作ったのは…………

って、何それ、どこをどうしたらそうなるわけ!
だから歩かせるには…………ちょっと何しようとしてんの!

【文句言われながらも書き直そうとせず、むしろまだ文句を返す有様だったが】
【邪禍が魂的な何かを作り出して人形に入れようとしたところに、手刀を入れる】
【つい邪魔をしてしまったが、仕方ないのだ。壊そうとしているように見えたのだ】


882 : ◆3inMmyYQUs :2018/05/02(水) 18:48:54 LevMp5MM0
>>775


 ────li!ll|!li!ll|ii!illili|i|────

【(ようこそ)と〈計劃者〉は言った】
【研磨されたステンレスで出来た卵のようなのっぺらぼうがしかし確かに笑んでいた】


 “             ”

【(おかえりなさい)と〈看護師〉は言った】
【その穢れの無い制服も心底幸せそうな笑みと合わされば白無垢のようにも見え得た】


 「             」

【(久しぶり)と〈教師〉は言った】
【古い学び舎を訪れたかつての生徒を歓迎するように、その成長に感激するように、顔が皺を浮かべて綻んだ】


【他にも言霊の主がいる】
【上下左右の統一されていない空間の中で銘々好きな角度から念を送る者があるだろう】

【魔性を湛えた白金の狙撃手の姿を認めたなら】
【彼女は『カチューシャ』であると知ることができる】

【白銀の髪をした怜悧な法曹士の姿を認めたなら】
【彼女は『ケイ・ガーヴェイ』であると知ることができる】

【既に“言った”のか、これから“言う”のかは分からない】
【ここに時空や因果というものは存在しないから、明日生起するものが今既にあるように見えるかもしれないし、かつて在ったものが遙か未来まで無いかもしれない】

【しかしそんなことは些末事であろう】

【彼らはみな〈ともだち〉である】
【彼が喪ったものを取り戻す、その手助けをするためにいる】

【 〈それ/It〉 】

【それは厳かにして静謐なる夜も、戦火の猛る狂乱の夜も、】
【如何なる闇の空にあっても、あらゆる星々の煌めきさえ及ばぬほど輝いて】
【高貴で、慈悲深く、それでいて気まぐれな明かりを注ぐ女神】


【確かに“それ”を眼に映すことは出来るだろう】
【しかし“それ”についての認識と理解がすっかりと喪失されている】
【そうでありながら、彼の常軌を逸した慕情だけが、孤児のように心中へ取り残されている】

【それはさながら、想い人がすぐそこにいるらしいことを分かりながら、】
【いざ眼にしてもその貌が認識できず、声を聞いても意味を結ばず、】
【失読症/dyslexiaにも似た決定的な欠落として判じられるのかもしれない】

【それがどれだけの懊悩や煩悶、悲哀となるのかならぬのかは彼自身にしか知れないが】
【〈ともだち〉は彼の抱く虚無を癒やすために、救済するために、そっと支えるように念を添えるのだ】


【──きみは天性の芸術家だから──】

【──本当に必要なものを得るのなら──】

【──描き、創り続けるしかない──】

【──かつて無い、新たなる世界を──】

【──〈真世界〉を創出するまで──】



【─────   友よ、エデンは死んだ。オメラスへ往こう    ─────】


883 : ◆Heckemet8M :2018/05/02(水) 19:06:31 u1dxVMlM0
>>881

「ほォう、お前の眼ェはどォーやら節穴のよォーだな……」
「なァらば、少し本気を見ィせてやァろう。ハイパービューティフルモード!」

【魔法陣に吸い込まれていくその者、おそらく数十秒ほど待てば戻ってくるはずだ】
【なるほど、確かに姿……それどころか声まで変わっている。身長175cm程度、長い黒髪にモデルの様に整った体型な女体だ。B寄りでもD寄りでもない】
【簡単に言えば、半悪魔だった先程の姿の女体化。服装もほぼそのままだが、赤い毛になったマフラーがそのまま胸も隠すような状態になっているという違いがある】

【ただ、非常に残念なことに……顔のパーツや筋肉量がほぼそのままなのである。輪郭は確かに女性的だが……うん。】


「あァ、金はあァるぜ。商売や依頼量、銀行強盗でたァんまり稼いだ金がな……」
「だァが! お前ばァッかりに使うワケにはいィかねェ!」
「たァだでさえ、お前が言ィおうとしていたレオーテヴュートにタンス1つ全滅さァせられたといィうのに……で、作ったのは……」

【――行動を止められれば、めちゃくちゃ不服そうな表情で睨みつけてくるだろう】

「どォーしたらって、お前の言ィう通りにアレコレしィただけ!」
「何をって、ちょいと魂をぶゥちこもォーとしィただけだぜ! 発注時に言ィッただァろう、手ェを加えるかァもってなァーッ」
「ククク、俺様ベースだァから少しじゃじゃ馬かァもしィれねェが」

【そして、隙を見て再びぶちこもうとする。……なお、手が滑ったり位置や動き次第では赤木にぶち込まれる可能性もあるので要注意だ】
【もう一度止められれば、この場では行為を続行せず、生成した魂はそのまま食べてしまうだろう】


884 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/02(水) 19:12:30 ABHv169.0
>>879

【温度が落ち着いた、流転する事象にイルは微かな苛立ちを募らせつつもあった】
【底無しの畏怖を撒き散らしたかと思うと、理知的な面を覗かせる──そして如何にか、その面が両立している】
【見る角度によって姿を変える月面、或いは解釈の違いで割れる神にも似た存在】

【気に入らなかった、安全装置を解除し、引き金に指をかけたまま彼女と話す相手が】
【羽を羽ばたかせ警戒しながら距離を詰める、真一文字に結んだ口がいくつかの間を置いて】
【ゆっくりと開く、朝焼けに微睡む瞼に似た、怠惰そうな音色を灯して】


やっすい挑発どーもっ、ボクも出てきた相手がこんな誰彼構わず噛み付く狂犬だなんて思ってなかったしぃ
野蛮人が知的な卓に着けるようにするのも、上位存在の役目だから付き合ってあげてるワケなのっ
言っとくけど、次骸骨だしたらマジ殺すし、あんまボクを舐めないでよね


【真紅の瞳を狭め睨むような目付き、言葉は些か子どもっぽい雰囲気を纏うが、身に纏う魔力の量で言えば相応】
【無礼な言葉遣いも、言ってしまえば持っている力の証明に他ならないのだから】
【与えてはいけない存在に力、と考えると、イルもまたその線では良い所を進んでいた】


あぁいいよ♪ 人工生命体最高じゃないか♪ 愚かなニンゲンが自分達の都合で作り出した生命
それに殺されるんだよ? 意趣返しだなんて皮肉が効いてるしっ、ボクそういうの好きだよっ
ふぅん、『持ち物』で『子供』で『神』ねぇ──叶うなら早速お目通ししたいんだけど

じゃぁクズノハちゃんからそっちも聞いとくっ、大戦果だねっ、出会いは何時になっても嬉しい限り
……聞いてくれるんだ、アフターサービスもちゃんとしてるんだね、そーいう抜け目ないとこ最高に嫌いだけど
まぁいいよ、その知り合いとやらの顔も、立ててあげなきゃいけないしぃ

──国を作るんだよ、ぁぁ、でもこの物言いじゃ、勘違いするコが出てくるかもしんないねっ
この世界をボク達のモノにするんだよ♪ ニンゲンと、そこに付き従うヤツらを尽くぶっ殺して
大丈夫、一部のニンゲンはロードーリョクとして残しとくよ、用具箱にしまって、必要な時に取り出して


【ある種国を買う事を目的とする男と、近い部分があるのかもしれない──違うのはその手法】
【彼女は金を集めたりはしない、彼女の好む人外を集めることを第一としていた】
【それは空想であった、行きずりの女に語る、ありもしない閨言、それでも】

【──信じてしまうぐらいには、その言葉は女には魅力的なのだろう】


885 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/02(水) 19:23:05 E24Belag0
>>883

お? ……おぉ!
…………あ、あれ……やっぱ変じゃん

【魔法陣に吸い込まれて首を傾げ、現れた姿を見て感嘆の声をあげ】
【そして最後にバランスを見てがっくりと肩を落とす。ある意味、予想通りのオチではあったが】

もう、しょうがないな……そういうことなら相場ぐらいにしておくよ
何作ったのかも気になるけど……あーもう、分かったから好きにしなよ
…………げ、動き良くなってる。信じらんない

【破壊するようではなかったので今度は止めなかったが、動きの改善を見て目を丸くする】
【まともな技師であり人形師でもある赤木からすればもうめちゃくちゃなやり方だ】
【なんというか、文句を通り越してゲテモノを見るような顔で邪禍を見ている】


886 : ラベンダァイス ◆auPC5auEAk :2018/05/02(水) 21:58:04 ZCHlt7mo0
>>869

――――っ、ぐ――――――――
(アルターリの傷が――――まだ、全く治ってないのに――――だ、ダメだ――――今、折れちゃ――――!
 もう――――もう、『UT』の留守を守れるのは――――私、ぐらいなんだから――――こんな所で、折れていては――――ッ!!)

【ズルズルとその姿勢は崩れてしまい、とうとう少女――――ラベンダーは、外装の手すりにもたれかかる格好で、膝をついてしまう】
【己の血の音が、膝の先でピチャっと跳ね上がる。呼気はザラつき、脂汗は体から逃げるように滲み出る】
【――――つい先日の、水の国 アルターリの惨劇。その場に居合わせ、戦いに飛び込んだ、その傷が癒えぬまま病院を飛び出し、彼女はここにいた】
【まともな戦力の残っていないUTを、自らの手で守るために――――】

――――――――ッ!? か、カニバ――――ッ

【そうした睨み合いの中に、悠々と姿を現した3人。何事かと視線を向けて、群衆は、そしてラベンダーは絶句する】
【群衆は、異様な風体の3人組に面食らい、そしてラベンダーは、そのリーダー格――――『カニバディール』と言う固有名詞の認識に、戦慄する】
【何故、彼らがここにいるのか――――まさか、UTをこの機に潰すつもりなのでは――――最悪の可能性が、頭をよぎる】

【――――自分を除いた主要メンバーたちは、そのほとんどと言ってしまって良いほどに、失踪してしまっている】
【リーダーであるセリーナは行方不明。かつて水の国大会で準優勝の成績を残したソニアは、豹変して悪徒の列に連なり、他のメンツの活動も聞かなくなってしまった】
【それどころか、実戦の実働メンバーですらないはずの鈴音まで、近頃消息不明である】
【――――『現状』に対する、密かな繋がりの事を知ってはいても。もう自分達には利用価値がないと、切り捨てられようとしているのではないか、と、ラベンダーは疑ったのだ】

(――――三すくみ、チョキの一人勝ち――――これは――――――――ッ)

【――――その焦りを、わずかながらでも押し留めたのは、彼らの放つその言葉だった】
【目端の利く人間なら、世相の裏に読み取れる、とある策謀――――その事を、彼らは意図し、暗に仄めかしている。それに踊らされる衆愚を、嘲笑う】
【自分たちは正に、「チョキに一人勝ちをさせない為に」手を組んだ、呉越同舟なのであり。彼らはそれを、まだ意識している】

――――――――ッッ!

【その疑念は、カニバディールの、「気のせい」では済まされないアイコンタクトで、確信に変わる】
【この場を収めるためには、形なりとはいえ「戦闘をして見せる」のが最適解なのだと。正に『魔防法』と言う建前が、世間に示されている様に】

ッッ、――――ぅぅぁぁぁああああああッッッ!!

【血の滴る足に力を籠め、叫びで己を後押しし、再び立ち上がる。消耗した身体は、それだけの行為を必要とした。劇的な効果を狙った訳ではないが、その様は凄絶だ】
【そして魔力を行使し、両手に火炎弾を形成。2人の乱入者に向けて、2発ずつ「放物線を描く形で曲射」した】
【無論、群衆たちに誤射する事を恐れて、そして「彼らにも対処のしやすい形にする為に」選んだ射撃である】

【パニックに陥り、それぞれに散開して逃げ出そうとする群衆たち。だがその中に、場違いな勇気を発揮しようとした手合いが混じっていたらしい】
【「Power to the people!」の叫びと共に、1発の銃声が響き、カニバディール向けて弾銃が発射される――――正直、狙いはずれており、気にする事の無いものだが】
【群衆の興奮は、とうとうそんなレベルにまで達しているのだという認識だけは、叩きつけられるかもしれない】


887 : サリードの中身 ◆auPC5auEAk :2018/05/02(水) 22:25:15 ZCHlt7mo0
>>886
/訂正です
【そして魔力を行使し、両手に火炎弾を形成。2人の乱入者に向けて、2発ずつ「放物線を描く形で曲射」した】

【そして魔力を行使し、両手に火炎弾を形成。3人の乱入者に向けて、2発ずつ「放物線を描く形で曲射」した】


888 : ◆ROhV0jlpGg :2018/05/03(木) 02:29:05 qpY1SMsA0
>>679

【両者の言い分を、女はただ静かに聞き……溜め息。下らない。】

身体検査ならば、この私が行おう。
ただし。何も出てこなかったのであれば――――わかっているな?

―――たとえ、如何なる事情があろうとも。
公衆の面前にて、他者を窃盗犯扱いし、その事実を喧伝した。
まして、それが事実に反するのであればその行いに公益性は認められず―――これは、名誉毀損に当たるだろうな?

【まずは、男に対して。主張を続けるのならば、それだけの確信を得ているのだろうな、と】
【それから、少女の方へ視線を移し。言葉を続ける】

…………考えがある?
武力に頼って物事を解決するなど。そんなものを〝考え〟だなどと、笑わせるな。

―――貴様がヒトであるならば、法に従え。
規律に従えないのなら、それはもはや二足で歩くだけの獣と変わらない。

〝弁護士として〟、そう言わせてもらおうか。

【彼女の雰囲気の変化を察したうえで、それを窘めるように。】
【それだけ告げたなら、再び二人の様子を見渡して。事態の変化を待った】


889 : 名無しさん :2018/05/03(木) 10:39:38 V2Z6VVc20
>>885

「くッ、お前……何が不満なァんだッ!」
「モデルの如き体型! 程々の胸部! 高露出! ユースブック的声かァらムディタマッチヴィレッチ的声へェの変化!」
「そォんなマッスルボーイッシュデビル系女子のなァァアアアーにがッ! 不満なァーんだッ!」

【堂々たる態度からの指差し運動。なるほど、間違った自己評価は一切していない】
【あのオブジェの作成者なのだ。そのセンスに関しては、お察しの通りということか】

「わァかれば良ォい、わァかれば。」
「──ククク、"ディルムサグペスプ"……新たな魂を生ゥみ出し、宿らせただァけ」
「俺様の本領は、魂を使う技! 制御も当然得意だ」

「よォーし、1号! キレッキレの動きで的確に同一位置の脛を攻撃だ!」

【足を破壊しない程度の威力で、けれども普通に痛い。そんな加減で赤木の脛の同一位置を攻撃しようとする人形】
【造り主にも容赦ないその動きは、どっかの悪魔の性格が出ているのか、そもそも操作者が前述の悪魔だからか】
【──ある程度の時間が経てば、思い出したかのように"で、ゲート作ったのはブランル的な奴だって?"なんて、言ってない情報を確認し始めるだろう】


890 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/03(木) 15:45:44 E24Belag0
>>889

そりゃ単体はいいのかもしれないけど全体のバランスが最悪じゃないか!
だいたい顔変わってないしさぁ、そもそも邪禍さんだし……って痛い痛い痛い!!

【文句を言い続ける赤木の脛に人形の攻撃が直撃。脛を抱えて跳ね回る】
【目尻に涙を溜めながらジト目で抗議。そんなもので通じるならきっと苦労はない】
【きっと執拗な動きで攻撃を続ける人形に対して、ついに「ふざけんなー!」と激怒。他に人形で取り押さえたり邪禍の脛を蹴り飛ばしたり】

【そんなコントじみたことをしばらく続けてから】

そう、そうだよ、ブランル……あれ、名前教えたっけ?
レヴォルツィオーンの開発主任で俺の上司。そいつがここで儀式をして魔界へのゲートを作ったんだ
目的は植民地化だとか何だとか。馬鹿げた話に聞こえるかもしれないけど、本気のようだったよ

【脛をさすりながら邪禍の確認に答えていく】
【魔界の植民地化が目的らしく、伊達や酔狂というわけでもないらしい】


891 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/05/03(木) 20:51:59 CeLuxyoc0
/4レスに分けますっ
>>566-567

(……それでいいさ。理解なんて、誰に求めたこともない――――――)

【自分たちのあった地獄は、自分たちだけのものだったから。そして、この女の様な脅威など――この世に一人きりなのだろう。それこそ、“他者とは違う生き物”、】
【けれど裏切りという一語が、数秒もの沈黙と。その先に、火山の激発の様な激情を呼び起こしていった】

「…………“その程度の覚悟しか抱けないから”…………
 お前たちは、〝正義〟に届かないと言っているんだ――――――――ッ‼

 たとえ目の前の“悪”を滅ぼそうと、それに害されようとした者は、変わらず“他の”脅威に晒される……!
 そしてただの個人の域でしか戦えないお前たちは。
 自分たちの死を“あり得ること”として、計算に組み込むことすらも出来はしないッ‼

 だから本気で守ろうとする術にも、何一つ思い至ることがないのさ――――
 私が放逐しようとしたあの子供が、生きるため、私に届き得る“力”を得た、代えの利かない、強大な一人の“人間”だってな……ッ‼

 そのお前たち如きが、私の、あいつへの裏切りを語る……!?

 虫ケラにも劣る矮小な視界だなッ――――
 “道具”で終わるのも相応の末路でしかない……惨めな命だと笑ってやるよ、インフィニティージーンッ……‼」

【叫びは、荒れ狂う感情と積み重ねた過去の熱に焦げつく様でさえあった。僅かな余命を、さらに消耗させようと躊躇いなどしない】
【幾ら苦しくとも、“その一人”があったから耐えて、生き続けられた友への裏切りなど――ただの言葉でさえ、断じて許容できるものではなかった】

【だから憎んで、感情を叩きつける。お前如きが彼女を語るなと、只管に憎しみの叫びを、“強さ”と自由意志という信念に乗せて牙を剥いた】
【死なせたくないなら死を遠ざければいい。当人の能力がそれに及ばないなら、鍛え上げて生存のための技能をも与えればいい――】
【決定的に欠く害意は、“肉体を失った武術家”であった父親がカバーする。喪失と回帰は、守るための修羅を呼び起こして】


【たとえここで斃れようと、トライデントとアコーディオンに『RL』を討たせれば少年たちに繋がる手掛かりは途絶える。】
【あとには、より強く、そして“悪”にも“人”はいることを識った守護者たる“正義”が残る――それが、世界の鎖を砕くことに次ぐダリアの理想】

【寿命や消耗が問題なら、解き放つことはひどく痛快で。より大切な目的は、その程度で叶わなくなるならば初めから届かない――――】

【――――たとえ他の意志に敗れようと、世界にだけは斃されない。ひとりで、過去の悪夢を背負って終わりまで生きて、いつか……そうして死ぬのだと】
【その覚悟と絶対の拒絶は、皮肉にもわかりあう余地を消し去って】


892 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/05/03(木) 20:53:24 CeLuxyoc0
>>566-567

【なにかを殺すことでしか守ることのできない女ではなく、まだ人の心を残すはずの白き“正義”へ。少年を説得する役割は、状況によって託された】
【紡がれる言葉は、重く。巨大ななにかに振り回され続けただけの命には、きっと平穏への家路を急ぐ理由になったのだろう】
【けれど、】

『――――……どうして……?』

【その一言に、数多の前提が瓦解した。息を呑む者は幾人あっただろう。少なくとも一人が、意味する所を、異能獲得の経緯から真に理解して焦燥する】
【消去法で言えばダリアになるが、

【ダリアの誤算は、トライデントたちの自己定義を見誤ったこと。】
【死を望み、けれどその意味として、悪なるものを滅ぼすために燃え尽きる生涯を生い立ちに誓い――そんな自分を、怪物と捉えてもいる】
【……だから。人間として人間を説得するのではなく、“力”を以て促すことを彼らは選んだ】
【インフィニティージーンの誤算は、少年が怯え震える弱者ではなく、心にも戦う“強さ”を得た人間であったこと】
【守るため異能を発現させさえした無垢な心は、不条理への悲憤に燃え、常に誰かが誰かを殺す世界を、叩き壊さんばかりに拒絶する】

【この女(ひと)も、お父さんも……みんなみんな殺すなら。“あの人たちが、消えてしまえば”……――――!!】

「……やめろ」

【悲しみと激情に瞳を焦がす幼い憤怒を、聞き慣れたその一声が制止した。懇願ではなく、決してその先を許さないというひどく重い諫止】
【それは喪失と、それでも下してきた選択に裏打ちされた意志の重みだった。“奪ったからこそ”、それ以上を許容しない――】

「お前がいると、私は全力を揮えない
 …………一度だけでいい
 “信じろ”、アルス――――私こそが、奴らが憎み、けれど決して届くことのない怪物……ッ

 殺すのは――――奴らの幸福全てを奪い、命ごと地獄へと叩き返すモノとしてあるのは――――この“私”の側だ……‼」

【きっと、少年の名に添えたこれも彼らには矛盾としか映らないだろう。 】
【瀕死の身で紡ぐ言葉は、力の大小以上の問題として、怪物を信じ、それが他者を害することを信じろというあまりに血臭を帯びたものだった】

【けれど、そんな悪魔を願う絶望に至る道があることを、そう成り果てた悪魔は知っていた】
【……思えども、絶対に口にするはずのなかった言葉。自分よりも強い誰かに、託し、信じてみていい――】
【常に強大な怪物としてあった“かつての少女”に、誰も言ってくれなかった言葉。それはごく当然の道理で、嘆くことなんてもう出来なかったけれど】


893 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/05/03(木) 20:54:30 CeLuxyoc0
>>566-567

【資格や出来る出来ない以前に、絶対に受け入れてはいけない結末があるから。こんな無様を晒してでも、この闇に墜ちるものをすげなく拒絶した】

【“殺すための戦い”しかできない女が、こんな言葉を吐けるのは彼らがあるから。】
【巻き込んだ挙句、最後に戦いを忌ませて逃がそうと企んだ馬鹿な真似の帳尻を、原因(じぶん)の手で合わせなくてはならない――】
【正義など知らず、それでも意志を貫く。そうでなければ、眼前の信念の怪物に対する勝利も……世界に対峙することも、叶いやしないと決断を選び取れば】

【我に返り、瞳を震わす少年は、最後に一言だけ、異能の媒体たる言葉をそこに残して――誰にも届かぬ想いを残し、スイッチを押した】
【正邪の両者が共に自分の命を守ろうとしていることは、混迷のなかでも分かったから。きっと自分の知らない理由で、そうしなきゃいけないんだと歯を食い縛り】
【悲しみでなく、受け取った幾つもの想いゆえに、自分を待つ温もりの元に転移して―――――。】

【残された女は、一瞬だけ穏やかなものにもみえ得る光を瞳に宿してそれを見送った】
【あとに残るのは、守ろうとしたものの殺害を宣告された、一人の、血染めの紅い悪鬼――――、】

「そうか――――
 私の側にも、お前たちの生存を望む理由はもう無くなった

 怪物同士の喰らいあいに、弱者も、犠牲者も必要ない……
 ただ、滅ぼす私と無惨な骸を晒すお前――――その二つだけが、この下衆な惨禍の終わりを飾ればいいッ‼」

【憎悪に満ち、自信に満ちる。魔の赫光を瞳から滴らせ、大気から噴出する地獄の瘴気が殺意に呼応し、世界を穢した】
【絶命の時間で計り知れぬ“死”を味わわされた過去と、その干渉を跳ね除ける意志。それを自明とするほどの経験――】
【魔の肉体を得たそれらは、『リスクストレージ』による神経干渉――過去を想い続けるひとりを表す様なその現象を、脳から容易く跳ね除けて獰猛に破顔する】
【これまでの様に、叩き潰して終わらせてやる。精神感応系の力を悉く蹂躙してきた揺るがぬ自負は、肉体の反応から、次なる一手へ思惟を進めて、】

「……か、ふっ……ぅ、ぐッ――――――‼」

【だが、趨勢を決する要素は他にあったのだ。障害の再現は、確かな負荷をその肉体に与えていた】
【決定的な相性を、ここまでの彼らとの戦いが齎した傷が覆す。傷口から夥しい血を噴き溢してよろめく肉体は、意志力だけを燃え滾らせてなおも前進】
【ギアを上げる。燃料(チカラ)を注ぎ込む。心臓の鼓動を死の鐘と変えて、聞く者総てを滅ぼす現象へ――――さらに“強く”、】

【肉体に依存することのない異能――――その本領が、今こそ真に悪魔の脅威を顕さんとした】


894 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/05/03(木) 20:55:07 CeLuxyoc0
>>566-567

【瘴気を密集させることによる防壁を展開――防ぐも、足場がもはやその圧力に耐えられない】
【数秒で軋みをあげだす球状障壁もろともに、程無くして崩落の時を迎えるだろう】
【だが構わない。守りという弱さなどこの限界程度で事足りると、一切の温度を宿さない瞳が、冷徹に計算尽くの勝利を構築し、見据えた】
【〝酸素支配〟/物質生成、純エネルギー化を追記、設計。発動形態は体内発破――――座標指定型の比較的“遅い”形態だが】
【対敵の消耗と大規模な力の行使から来る隙は、遂行と致死に十分だと、獄焔に燃え盛る左掌を標的へと翳す】
【命が潰えようとする一瞬を、連ねる二手を以て力づくで奪略し。“共にあることで行使される強大な異能を”、今こそ滅却せんとして――――。】

(――――――――ッ!?)

【友への想いも、積み重ねた過去も。】

(……これ、は……ッ――――なら、私が、……ここまで戦ってきた、その意味さえも、……もう……ッ――――?)

【――なにもかも無意味で、絶対に極点に届かない理由を、“その理由を悟らせる存在の再びの最接近が”、この瞬間に理解させた】

【最悪の絶望の再生、極まった出力、越えずにあれない壁と、存在を許すことのできない“敵”の存在――――】
【己を苛んだ者たちの理論さえも参照して揃えた異能顕現の材料は、進化を促せど未だ極点に到らせていない】
【その理由に気付くことは、戦い続けられる理由を半ばまで消し去って】

【その空白ぶんだけ発動の遅れた破壊の力。その行使を、ひしゃげ、潰れた防壁が、もはや到達できぬ一撃と悟らせ、“崩落”――――、】

「……か、…………は……ッ……――――――」

【肉体を裂く手応えをインフィニティージーンに残しながら、数えきれぬ階層をぶち抜いて紅い女が落下する。瘴気の防壁を展開したことも、原型を留める理由には不足だろう】
【破壊音が絶えてやっと生まれる静寂は、べっとりと最上階にこびり付いて濡れ光る鮮血と共に、絶命という結末を確信させる様で】

【けれど、数十秒ばかりの時を経て、地の底より睨み上げる様に生じる、か細くも、以前にもまして禍々しい視線――――】
【鼓動めいた、計り知れぬ何者かが存在することの圧力の波濤は、まだ全てが終わってはいないことを報せていた】

【止めを刺しに降下するのもいいし、少しでも回復を期するために待機を選ぶことも至当だろう】
【だが今まさに滅びようとしている一つの意志は、最後の賭けに臨もうとしている――――。】
【女の動きを止めた要素も、今もって彼らにとっては理解の外だろう。ならば離脱か、継戦か。“命を賭けて止める”――その答えは、今も彼らに息づくだろうか】


895 : トライデント&アコーディオン ◆auPC5auEAk :2018/05/03(木) 23:37:45 ZCHlt7mo0
>>891-894

〔――――何を勘違いしているんだ、馬鹿め〕

【ダリアの激昂に、インフィニティージーンは呆れた調子で冷淡な言葉を呟く。もし表情があったなら、気だるげに瞳を細めているだろう】

〔生きている以上、全ての命はいずれ死ぬ……当たり前の話じゃないか。なら、『他の脅威』とやらは当たり前の話だし、『『我々』の死』も、当たり前の話だ……
 それに意味を与えてくれるモノこそ、『魂』であり、『行い』であり、『矜持』であり、『尊厳』だ、それだけなのだ……
 『我々』は――――そう、トライデントも、アコーディオンも、他人の命を背負いこむ気など無い。悪を戮した事で救った命が、知れずどこかで潰えるなら、それはそこまでの話だ
 ――――『そこまでの話』にしなければ、ならないのだ。でなければ、命は自分のモノでなく、選択も自分のモノでない、徹頭徹尾意味の無い、残骸の様な命しか、この世界には残らない――――ッ
 「届き得る“力”を得た」など、笑わせるな。余計な横道に引きずり込んだ挙句、余計な重荷を命に背負わせただけではないか――――!

 ――――例え要らないと言われても、憐れんでやろう。お前には『命』が見えていない。そうなったのはお前のせいじゃない。強要された過去の故、結局はな……
 それ故にお前は『罪』なのだ。『罪を犯した』んじゃない……『そもそも罪』なのだ。悼んでもやろう……
 だが――――世界に力と混沌を齎すというなら、お前はもう、『グラトン』や『シルヴァー・レイズ』と同類だ……それが裏切りだと分からないなら、結局はトライデントが正しかったのだと、『我々』も認めなければならない――――ッ!〕

【――――例えこの呪わしい命が、その軛から解き放たれるチャンスがあるのだとしても、トライデントもアコーディオンも、恐らくそれに手を伸ばさない】
【それが彼らの『覚悟』なのだ。ダリアの行いは、自分達を歪めた元凶のそれと、同じ意志に、同じ場所に向かっている。そんな力で延命するなど、唾棄すべき行為だと】
【そして、それが『始まりの女』への裏切り以外の、何物でもないと。その言葉へと激昂する様であれば、最後に残った同情さえ、無意味になるのだと】
【もう、ただ1度だけの説得を試みた様な、言葉に余計な刃物を混ぜない様にと言う配慮も無い。思いの丈をただ、ダリアへとぶつける。その歪んだ魂に、幾らかでも痛みを与えてやろうと――――】
【――――この『歪み』であるところのダリアには、もうそうする事でしか、『尊厳』を残してやれないのだろうから――――】

〔――――――――!?
 やめろ……その手をむざむざ、戦いで汚すな……! これは、お前の血を求める殺し合いではない……!
 その力はただ、自分と家族と、そして大切な人を守るためにあれば良い、それ以上踏み込むな!!
 バケモノになるなど――――『我々』の様な、普通に生きれない存在だけで、十分なのだ――――ッ〕

【傍観者であったはずの少年の、納得できないと言う調子の呟き。その意味する所は、どうやらインフィニティージーンにも理解されたようで】
【焦った言葉で、インフィニティージーンは少年を制止に掛かる。今度は真っ直ぐに正対して。自分がその矛先を向けられていると、理解した上で。】
【――――やはりダリアの巻き込んだこの力を、この少年は持て余している。それがインフィニティージーンの認識だった】
【自分たちの殺し合いの意味を『見届け役』でしかないという彼が、正確に理解しているとは、到底思えない。そんな少年が、不条理を否んで力を行使しても】
【生まれるのは――――結局の所、更なる不条理と、彼自身の未来の、望ましくない歪曲だけ。そんな力を振るうには、まだ少年は自己を見つめる時間が足りていない】

【――――『彼ら』の言葉がどこまで響いたかは不明だが、少年はともあれこの戦場から転送される。1度だけ小さく、インフィニティージーンは頷いた】

〔――――もう良い。この歪みには、終止符を打つべきだ。――――この世界に生きる、全ての無辜達の未来の為に。そして『悪』の終焉の為に――――ッ!〕

【最後には、やはり決着は、この2人――――否、3人だけの世界で閉じられなければならない】
【――――この世界には、守るべきものなど、思ったほどには無いのかもしれない。この戦いは、そんな命題を『正義』の胸に突きつけた】
【だが、それでも――――ただ、ささやかに幸せを守って生きている人間たちは、この世界に幾らでも居る筈で】
【だからこそ、こんな死闘をすら『通過点』として、『彼ら』は前に進まなければならないのだ――――】

/続きます


896 : トライデント&アコーディオン ◆auPC5auEAk :2018/05/03(木) 23:38:00 ZCHlt7mo0
>>891-894

〔(――――いつまでも、何度でも。そんな守りを固めようが、限界は必ず訪れる。それが分からないお前ではあるまい――――!)〕

【左腕を失った痛みは、思った以上に体に響いてこない。よっぽどのアドレナリンが分泌されているのだろうか】
【ただ真っ直ぐに、加速した思考は、真っ向からダリアを両断しようとする。――――何か仕掛けてくる。その前にトドメとする――――】

〔――――――――ッッ!!〕

【瞬間――――耐えきれずに砕け散ったのは、自分の命でも、ダリアの命でも無かった――――床だった】
【崩落していくその姿は、目で追う事も不可能で。ただ己の手に残った――――切り捨てたという確信だけが、戦いの終わりを告げていた】

〔――――――――終わった、か。歪み、災厄め――――もう、その名を呼ぶすら、憚られる……
 目指すは、『シルヴァー・レイズ』――――その復讐だけは、受け継いでも良い……
 ……死ねば、全ては平等だ。この世を生きるに、不適だったお前も――――せめて、冥福を――――ッ〕

【片膝をついて、インフィニティージーンは静止する。それは、もう「名前すら呼びたくない」とした、ダリアへの弔いの為でもあり】
【そして、消耗しきった己を、小康状態に持って行くための、小休止でもあった。落ち着けば、自然と欠落した腕の痛みは増してくる】
【だが――――もう気持ちを張る場面ではないのだ。それよりも、体力を優先すべきである】
【素直にこの戦いの終了を祝えるのは、『始まりの女』を思う事だけなのだろうと――――静かに嘆息して】

〔――――――――――――――――ッッ!?〕

【――――悪寒が走った。何故かは分からない。思わず姿勢を起こすインフィニティージーン】
【原因はすぐに思い至った。ダリアが――――彼女が、最後に何かをしようとしているのだ。悪あがきか、それとも最後まで隠し通した切り札か】
【分からないが――――ともあれ、まだ何かがある――――】

【――――休息の時間を過ごしていたインフィニティージーンには、対処の余裕が無かった】
【反射的に、ならばともかく――――意識的に何かをするだけの時間は、恐らく残っていなかったのだ】


897 : 名無しさん :2018/05/03(木) 23:39:48 ybmS2cm20
>>890

「やァはり節穴だァな、お前のそォの眼ン玉ッ!」
「俺様のイケメンは男女兼用! そォれを叩き込んでやァろうッ!」
「……痛ェッ! やァりやがったなッ!」

【げっしげし。涙目を見せようとも、抗議しようとも、予想通り止まることはなく】
【他の人形に取り押さえられてようやく止まるだろうか、あまりここでダメージを蓄積させたくないため、抵抗はさせない】

【……が、操作者はある程度のダメージを受けても問題ない。故に、やられたらやり返す。等倍返しだ!】
【残りにくいが地味に痛い攻撃。関節技とか、押すと痛いツボを突くとか……一応協力者相手なので、自重はしないが手加減している、かもしれない】

【さて、茶番の後の話──】

「あァ、教えてはねェ。が、レオーテヴュートが名前を言ィッてたかァらな」
「ゲート壊せとだァけ言ィわれ、ゲート開いたまァでは言ィッてなァかったが」

「魔界の植民地化、ねェ。」
「ククク、……そォーだな、北風よォり太陽で攻ェめるのがオススメだ、って教えとけ」

【一瞬、眼に力が入った。睨むつもりではなく、目的に対する思いが滲み出ただけだろう】
【──が、特に否定はしなかった。いや、どうだろうか。わかるのは、すぐにいつもの表情に戻っていたことのみ】

「……ん? なァるほど。お前"も"上司に反抗的なタイプだァな?」
「反抗期の部下は部下で見ィていて面白ェかァらな、お前も気ィをつけな……ククク」


898 : ◆9VoJCcNhSw :2018/05/04(金) 11:08:08 wn2rqSVw0
>>884

【にや、と男は笑った。やすい挑発だろうが、相手が上位存在だろうが関係ない】
【要は相手が自分の射程範囲内に居ることを選んだのだから、それで良い】

【交渉において、言葉に銃を添えると言葉だけのときより多くの物が得られる】
【かつて、とある悪党がそう言った。そして今回、自分の持つ銃は相手に通用する】
【むしろ恐れられてすらいる――相手が"殺す"と安い威嚇をするくらいには、効いている】
【ならそれでいいと言うように黙っていた。距離を詰める彼女に、こちらも一歩歩み寄り】


……いい趣味をお持ちで。それじゃ、取引は成立と見ていいんだな?
一応忠告しておくが、クズノハがお前に教える連絡先は『持ち主』のモノだ

『持ち物』が直接の連絡手段を持ってるってのも、変な話だからな
まあ、二人組の方は持ってるかも知れないが…――十分な手掛かりにはなるだろう。
なんなら直接交渉したらいい。『持ち主』はどっちも研究者だ、話せば分かるタイプだと思うぜ?

しかし、まあ……"国"ときたか。そりゃ結構だ、夢は大きいほうが良い
そんな世界になっちまった時は、是非とも労働力として残して貰いたいもんだな。


【――自らもいずれ世界を買うという野望がある、とは言わなかった】
【それは相反する目的。明確なまでに自分と相手を"敵"と位置づける言葉だ】
【だから言わない。最も、数万人分の怨嗟を欲しがるような"負"の力を持つような男が】
【聞きようによっては命乞いにも似た軽口を叩いて終わりなのか、なんて疑問は残るだろうが】


【「さて」と男は切り出す。連絡先を教えるという話は着いた】
【となれば後は――そういうように、ジルベールは無言で右手を差し出すのだった】
【その掌に収まるべきものを出せ、ただの手が雄弁に物語っていた】


899 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/04(金) 19:19:13 E24Belag0
>>897

オススメって何? 邪禍さん魔界嫌いなの?
俺としてはどっちでも……うぅん、でも侵略するつもりらしいから、やっぱり悪いことな気はするな
そもそもブランルってやつはかなり悪どいやつだから、やることは基本的に悪いことだしな

【魔界の植民地化はどちらでも、と言いかけていたが、実行犯的に悪事だと判断して良くないと言い出す】
【そいつのやることは全部悪いことだ、と考えるぐらいには上司のことは嫌いらしい】

”も”ってことはそのレオなんちゃらって人もそうなの?
まぁどっちでもいいんだけどさ、こっちは本当に
ブランルのことが知りたいなら何でも教えるよ。でも、邪禍さん的には敵じゃない感じ?

【赤木としては情報を流して妨害したいようだったが、邪禍の様子を見る限り積極的になる気がしなかった】
【なので欲しければ、程度の消極的な態度を取っていた】


900 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/04(金) 19:30:16 X5HEDcEk0
>>888

【女性の理知的な発言を聞き、先ずたじろいだのは男の方であった】
【強気に出れば折れる筈との読み。些か早計であったと言わざるを得ない】
【急に口ごもり二の矢が注げなかった、選ぶ言葉に先はなく】


……っ……お見通してはるんや──せやったら、うちは何もでけへんな
弁護士はんやねんな、どうりでそない賢い考えができはるんやね
うち、そういうのあんま得意やあらへんから──うん

大丈夫、もう手は出さはらへんよ、そう言われたら従うし
身体検査やったっけ、じゃあお姉はんにしてもらいます
──ちと恥ずかしいけど、手出すよりよっぽどマシや


【少女は向けられた言葉に僅かな同様を見せたが、静かに息を吐くと落ち着いて言葉を返す】
【元々はおとなしい性質なのだろう、バツの悪そうな笑みを一つ浮かべて】
【うんと頷いて身体検査に同意する。大きな瞳が信頼した色を見せて】


 ” ちっ……分かったよ、そんな風に出てこられちゃこっちの負けだ ”
 ” ふん、大方グルなんだろう? 汚ぇ手口だよ ”
 ” 弁護士様に出てこられちゃ、こちとらお手上げさ── ”


【往生際の悪い言葉であった。言い掛かりと言っていい、無視してその場を後にするのが吉】
【しかし、その言葉に少女は表情を曇らせた。狂犬のように鋭く視線を向けて】
【女性が窘めなければ今にも飛びかかりそうな、そんな雰囲気をまとっていた】


901 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/04(金) 19:45:11 X5HEDcEk0
>>898

【交渉においては何倍もジルベールの方が上である。経験や能力を含めそれは明らかであった】
【不確定要素があるとすれば、目の前のイルという存在そのものであった】
【初心者がありえない賭けをするかの如く。優位な場でもひっくり返る事は怏々にしてあった】


ご忠告どーもっ、分かんなかったらクズノハちゃん経由で文句言うから
『持ち主』ってどーせニンゲンでしょ? あーぁ、気乗りしないなぁ
どうしてこうニンゲンの知り合いばっかできるのやら、ホント、多すぎると思わない?

今回で数万人だか死んだけどさぁ、まだまだ限りなく数いるんでしょ?
勘弁してほしいよね、生命力ばっか強くて鬱陶しい蟲みたいっ
なぁニンゲン、もしかしてアンタ、やろうと思ったら数万人ぐらい軽く殺せる?

それだったら利用価値あるし、殺さないでいておくよ
掃除夫ぐらいには使ってやるよ、全員ぶっ殺すのはボクの手に余るから
そういうのは奴隷の役割でしょ? 雑用雑務はぜーんぶおまかせっ♪


【深い疑問は持たなかった。ニンゲンの考えなんて、とでも思っているのだろうか】
【我儘な小娘であった。それを可能にするだけの力を持っているという裏付けでもあろうが】
【安い言葉が余計に拍車をかけた。──それでも、持っている雰囲気だけは一人前】


あはは♪ せっかちなニンゲンだね、自殺志願もここまで来たらある種驚きだよ
言っとくけど数万だよ、数万──さっきので、一人分だったから
どーなっても知らないからね、まあニンゲンがどーなろうが、元々知らないけど

──ほらよっ、精々楽しみな


【掌に出現する黒い結晶、先程よりも数十倍は大きな水晶のような形をしていた】
【纏う雰囲気は歪であった。深い穴の底を見たかのように黒く暗澹としていて】
【例えるならばそれは闇そのもの。光を捉えこんで離さない、そんな黒色であった】

【愉悦に口角を釣り上げる、常人であれば直視するのも躊躇うほど】
【彼女はそれを差し出した。ジルベールに向けて、襷でも渡すように】


902 : ◆9VoJCcNhSw :2018/05/04(金) 22:58:49 wn2rqSVw0
>>901

【"蟲"――蟲か、と男は感じた。確かに人間の数というのは、限りない】
【それは人間から見た蟻や害虫に対する感情と似ているのだろうとも思う】

【上位存在なんて言っていたから、単なる傲慢なのだとも感じたが】
【同時に、生まれついて"そういう感覚"なのだろうと理解したのだ】
【勘違いよりも尚更タチが悪い――言おうとした所で、ふと口籠る】

【「やろうと思ったら数万人ぐらい軽く殺せるのか」――さあ、どうだろうか】


……自分の能力を、そういう方向で使ったことがないんでね。
分かりかねるとしか言いようが無い。まあ、暇があればいつか試すさ
それだけの能力があれば、雑用ぐらいはやらせてくれるっていうなら、な?

それじゃあ、……あぁ。――片手くらいは許せよ、病魔。


【巨大な結晶にも似た、数万人分の怨嗟。それをただ素手で受け取る――】

【流石にそれが悪手であることは、容易に想像が付いていた】
【故に断った。先に「次に出したら殺す」と言っていた、例の黒骸骨】
【その右手だけを顕現させる。周囲の黒い靄は全てその手に集約され】
【結晶と並ぶ不快な暗黒が人骨という形を成して、水晶と交わる】

【言うなればそれは、磁石の反発し合う極を合わせるようなもの】
【等価の負荷をぶつけ合うことによりそのエネルギー値をゼロとする】

【それが逃げと見られようが関係ない――荒々しい形をした結晶を、そのまま強く握れば】
【"ばキっ"と音を立てながら握りつぶし、一部は吸収しながら形を整え】
【巨大な水晶を、「水晶玉」と呼べるサイズまで圧縮し、握ったままに手を下ろす】

【――何も、過剰な自信があるわけでもない。虚栄心でそれを欲した訳でもない】
【必要であり、適切な処置を施し、手袋代わりに能力を具現化させただけ】
【「それじゃあ、後はクズノハとよろしくやってくれ」――なんて言えば、踵を返してその場を後にしようとして】


903 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/04(金) 23:41:14 ABHv169.0
>>902

【表情に苛立ちが満ちた、それと同時に戦慄に近い色合いを滲ませて】
【羽根を強く羽ばたかせて飛び退いた、かすめ取られる様に水晶を握り潰され】
【後に残るのは怨嗟の水晶玉なのだろう、それ一つが兵器と言っても過言ではない程に】

【それは煮詰める動作と似ていた、圧縮された怨嗟はそれそのものが悪意の篭った怨念そのもの】
【直視することすら躊躇う特大の汚物に似て、ジルベール以外の者であれば扱う事すら困難だろう】
【それはこの病魔さえも──同類であった】


──っ!! バーカバーカ!! べっつにぜんっぜん!! 怖くなんか無かったんだから!!
ほんっっっと!!! きっしょく悪い能力してるっ! ニンゲンの中でも最高級に大っ嫌い!
知らないわよ! 用が済んだらとっとと消え失せて!! 早く!!


【踵を返したジルベールの背に言葉を投げかける、ヒステリックな声が大きく地を揺らす】
【それは我儘な子どもそのもので、響く音色に正当性なんてどこにも無く】
【ただあったのは嫌悪であった、ジルベールと、彼の使う能力への、おぞましい迄の嫌悪】


ああああああああ!! もう!! キモいキモいキモい!!
何なのあいつ! 訳わかんない!! あんな気色悪い奴、魔界にもいなかったし──!!
もう最悪ぅ!! 気分わっるいし、マジテンション下がるしぃ!!

やだやだやだ!! まだアイツの痕跡残ってるしっ!!!
気分わっるぅ、こんなん家帰って鈴ちゃん嬲ってストレス発散しなきゃ
クズノハちゃんさぁ、なんかえげつい拷問具とか持ってない? いい感じにいったそーな

拘束具でもいいよ、ボクがそそりそうなやつ──クズノハちゃんが実演してくれるなら、よりいーけど
口直しとゆーか、お色直しとゆーか、もぅ一端リセットしなきゃやってらんないし


【髪の毛を掻き毟る、感情を隠さず吐露する】
【巻き上がる暗い欲望を振り撒きながら言葉を投げかけた】


904 : ◆3inMmyYQUs :2018/05/05(土) 00:13:27 LevMp5MM0
>>856

【えへへ、と気の抜けた笑みを婦警はした】

いやあ、ほら〜、実際に口に入れてみないと分からない味ってあるじゃないですかあ。
蜘蛛の味とか、土の味とか、……初恋の味とか?

あなたの味は、とっても美味でしたよ。

【そうして八分咲きだった笑みが満開に変わった途端、】
【風穴の中で泉の湧き出すように肉と臓物が構築されていき】
【ぽっかりと空いていた空虚を埋めると、終いにはその服まで元の正常であろう有様へと戻った】

【それから相手の名を告げられれば】


──ああ! そうでした! 柘榴さん!


【ぱん、と身体の前で掌を軽やかに打ち鳴らした】
【口元の笑みが一層深まって、「そうでした、そうでした」と嬉しげに何度か頷く】
【いちいち動作が大袈裟だが、何かに納得したのはどうやら間違いなく】


あなた──いえ、あなた“達”のことは良く知っていますよ。
わたしも──わたし“達”ですから。

なんだかとっても、気が合いそうだなって────


【柘榴の纏う幽玄な鋭利さとはまるで対照的に】
【どこか間の抜けたようにすら見える様子で語らい】
【その良く動く口の勢いに任せるまま、次の句を継ごうとした──そのときだった】


【 ──ぱンっ 】


【一発の炸裂音が空気を塗り替えた】

/↓


905 : ◆3inMmyYQUs :2018/05/05(土) 00:14:06 LevMp5MM0
>>856

【恐らく柘榴がまず目にするのは】
【がくん、と唐突に揺れた婦警の頭部と、爆ぜた右眼窩。そして飛び散った赤い内容物】
【一瞬、真紅の花のように咲いたそれが、すぐさま重力に引きずり降ろされて不細工な小雨と化した】


──あれ?


【一拍、何が起きたか理解が追いつかぬ様子で、小さな声を漏らす】


【 ──ぱンっ 】


【先と同質の炸裂音がもう一撃した】
【次は左の眼窩が爆ぜて、二輪目の紅花を咲かせた】


──あれ? あれあ、れ、あれ──


【何の前触れも慈悲も無く両の視界を潰された女は】
【何かを確かめるように両掌で自身の顔を触れ始めるのだが】
【そこでようやく思い出しように平衡感覚が狂い、前後左右に全うならぬよろめき方をしたかと思えば】

【ど、と。それは呆気なく倒れた】
【ぷっつりと何かの糸が切れたように】


【──微かに、硝煙の薫りが鼻につくかもしれない】

【婦警の後方遙か奥、路地の薄闇の中で何かの気配が陽炎のように揺らめいた】
【こつ、こつ──と。静寂の水面に広がる波紋のように、硬質な靴音が反響した】

【それは次第に柘榴の方向へと近付きつつあった】
【数歩と待たず、それは闇の奥から滲み出すように姿を現すだろう】


 『────────────』


【──女、のようであった】
【そのすらりとして滑らかな流線型のプロポーションがはっきりとそう表していた】
【身体に張り付くような漆黒のボディスーツが、薄暗い中であって尚それをより一層際立たせていた】

【黒く長い髪であった。束ねられず、流されるままに垂れた濡鴉色の艶が、その精緻な歩行に合わせて微細に揺れる】

【無機的に整った顔の白皙が、黒ずくめと薄闇の中で際立って、浮遊する生首のようでもあった】
【その硬質な瞳だけがさながら鬼火のごとく爛々と鈍い光を帯びて、一直線で柘榴を捕捉していた】

【──それが何者なのか何なのか、一切語るものは無かった】
【ただ“何をしに”来たのかはその一言ですぐに明らかになった】


 《ターゲット一致 > モード:デストロイ》


【言うが早いか、謎の女体はその両手に備えた二丁の自動式拳銃──無骨な45口径──を】
【柘榴に向けて照準し、引き金を引く。炸薬の爆ぜる狂暴な音と共に、二発の鋼弾が解き放たれる】

【それは恐らく予期通りの、銃砲に在るべき速度と衝撃を伴って】
【空気と紫煙を荒々しく穿孔し、柘榴の胴中心部へ向けて一直線に飛来していくだろう】

【彼我の距離はおよそ十m弱といったところ】
【事前動作が全て見えていたなら、その時点で何か行動を起こす余地は十分にある】
【刀の間合いではなかろうが──それも、ただの人間にとっては、という程度の話に過ぎない】


906 : ◆9VoJCcNhSw :2018/05/05(土) 02:10:54 wn2rqSVw0
>>880>>882

【〝それ〟――そうとしか表現できなくなってしまった、なにか】
【夜な夜な空を見る。見るけれど、その表情は悲哀と喪失に満ちていて】
【見えるけれど見えないものを追い求め、男は夜の街を闊歩する】


【それは時として草原を、街角を、ビルの屋上を、或いは朝のカフェテラスを】

【ふらりと訪れ、尋ねかける。〝キミも何かを探しているのかい?〟】
【時として共に歌う。共に作詞し、共に絵を描く。そしてきっと、語らって】
【己の探す、何か。誰かが探す、また何か。共に探そうと誰そ彼を誘い、招いて、共に落ちてゆく】


   【〝ボクもそうなんだ、だから――〟】
  
              【〝ともだちになろうよ、いいだろう?〟】



【劇役者のような華美な着飾りは、自分を見てくれない"それ"の気を惹くためなのか】
【或いは空っぽになった自分を守るための"殻"のようなものなのか】

【そんなことは誰にもわからない。ただ分かるのは、ある日ある夜ある時より】
【世を放浪する一人の芸術家が現れて、"ともだち"を探して彷徨いているという事実】
【どこから来て、どこへ行き、なんのために、なにを求めているのかは分からないけれど】


             【 "彼"は確かに、そこに居た 】


907 : ◆9VoJCcNhSw :2018/05/05(土) 02:11:31 wn2rqSVw0
>>903

【その制御に成功し――歪んだ右手に水晶玉を握ってしまえば、後は関係ない】
【そういうようにジルベールは踵を返して、暴言を受けるだけ受けながら】
【やがて残骸となった街角を曲がり、消えた。もっとも、まだこの都市に居る】

【それも本気で特定しようと思えば座標も出せる。そういうエネルギーは未だ感知出来るだろう】
【病魔が作り出した数万人分の怨嗟。そしてそれを得た男の力は、それだけの物ということらしく】


――あっ、終わりました?はあ、まあ、何となく何があったというか
貴女とあの人の合わなさ具合は分かりますけど。
……イルちゃんさん、結構躁鬱気味とか言われません?


【さて、問題はこの狐。イルとジルベールの取引中は一切顔を出さなかった】
【要は2人が衝突するだろうことは予想した上で、強固な結界を張っていたのである】

【それは外界を確認できないかわりに、自分も損耗を受けないという類のもの】
【まあ、聞くべき部分は耳を欹てていたのだけれど――つまりは進んで蚊帳の外に居たわけで】
【激高するイルとは対照的に冷静そのもの。結界内でお茶でも飲んでいたんじゃないかというくらいに平然として】


えっ、私ですかあ?……私、誰の言うことでも聞く尻軽狐じゃないんですケド。
……仕方ありませんねえ、そこまで言うなら……んー。これとか、これとか、あとこれとか?


【これ、その1――突起の付いたカフス上の手錠。ただし、裏地は目の荒いヤスリの構造】
【着用した状態で暴れたり、手をこすり合わせたり、或いはキツめに装着するだけで――後は分かるだろうか】

【これ、その2――少々大振りな木製の台。詳細説明、ごにょごにょ――名称"爪剥がし"】
【手を固定して、台を叩く。思い切りよくやらなければしっかりは剥がれないとかなんとか】
【ちなみに足にも使用可能。自分でも、他人でも剥がせるのがミソだという】

【これ、その3――小型の万力。それも相当にちいさな、ねじ巻き式の古風なもの】
【指を巻いてよし、関節にねじ先が食い込むようにしてよし、アクセサリーによし】
【圧迫しすぎると壊死しちゃうので気を付けて下さいな、とのこと】


……ま、使う使わないはイルちゃんさん次第ですけど?
何事も用法用量は守ってお使い下さいな。私、セキニンとか取りませんから。
あ、それと何でしたっけ…――〝連絡先〟でしたっけ?


【「はい、どうぞ」なんていって式神を一枚ふわりと飛ばす】
【わざわざ受け取らずともイルの手元に滑り込むその和紙には】
【"Crimson"と"ブラスフェミア"、その名前と連絡先が示してある】

【「というわけなんですけど、他に質問とかあったりします?」――と、最後に妖狐は尋ねるのだった】


908 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/05(土) 11:57:23 ABHv169.0
>>907

【彼女はジルベールの位置を辿ろうともしない、水と油。極力関わろうとはしないのだろう】
【絶対殺すし、と小さく舌打ちをしながら呟く。穏やかではない言葉加減で】
【ため息一つ零したなら、やや不機嫌そうにクズノハへ視線を向けるのだろう】


は? ボクがそんな甘っちょろい精神してるように見える?
ニンゲンが何を言おうと、何をしようとボクの精神に僅かばかりも影響与えないしっ
そんだけアレが規格外なの、あーっもう思い出すだけでヤダヤダヤダ!


【いーっと口を横に広げて嫌悪をアピール、とまあ不機嫌な様子であったが】
【クズノハが差し出した拷問器具を見やると態度が急変、ゾクリ、とする様な笑みを浮かべる】
【玩具を前にした子供とは言い得て妙か、脳内に渦巻くはドロドロの妄想であって】

【──それを現実に出来るだけの力を持っている分、余計に質が悪い】


アハハハハ!! いいね! いいね! こーゆーのだーいすきっ!
クズノハちゃんも大概趣味イイじゃんっ、こーゆーの使ったりしてるの? それとも使われたいタイプ?
いつでもゆってよ、ボクは使うのも使われるのも大好きだからさっ

あー、どうしよっかなぁ♪ 再生結界でも作って延々に爪剥がさせてもいーしっ、先端から順に万力とかぁ
寝起きドッキリ爪剥がしとかもおつだよねっ、そう思わない?
ふふっ♪ 楽しみが増えたなーっ、今夜は寝かさないぞっ♪


【差し出された器具を両手で抱きしめて、恍惚に頬を蕩けさせる。真紅の瞳が喜びに悶えて】
【飛来する連絡先、ああと軽い呼応で返す様子に最早興味は残っておらず】
【血と肉の狂宴を、頭の中で繰り広げさせて、快楽を貪っていた】


んー、ないかなっ、強いて言うならさぁ
いつかクズノハちゃんを買い取って、ボクの友達兼奴隷にすることかなぁ
クズノハちゃんがその気なら、今でもいいんだけどっ


909 : ◆9VoJCcNhSw :2018/05/05(土) 17:11:57 vKyBY0WM0
>>908

【ジルベールに関することとなると、すこぶる機嫌が悪くなる。覚えておいた方が良さそうだ】
【そんなことを頭の中のメモに留めておいたかと思えば】
【拷問器具を見た瞬間にはころりと表情を変えて、残忍ながらも愉悦混じりに笑っている】
【その変化の凄まじさに、妖狐は思わず『うわぁ……』と呟いていたりした】

【──ちなみに、クズノハがこのような拷問道具を持っているのは理由があり】
【ざっくりと言ってしまえば、彼女が『旧い存在』だからであったりする】

【生まれ故郷の櫻の国では、地方によって土着の信仰や儀式が存在することがある】
【そのごく一部は密教に近いものであったり、或いは近年になって当時の道具が改良され】
【大罪人に対する拷問、処罰の道具として使われるようなことがあり】

【その流れを様々な立場で見てきたクズノハには、自然とそんな『手持ち』ができるのである】


というわけなのでぇ……別に使ったり使われたりする趣味は無いんですよねえ
私、こう見えて結構夜の生活はノーマルですし。
どうぞパートナーさんとだけ、度を越さない範囲で楽しんで下さいな。


【それから──最後、と言って示された内容には
僅かに表情を固くした】
【完全な拒絶、ではない。けれど、目の前の病魔に潜む凶暴性には棘があった】


……お友達でしたら構いませんよ?
その時はお金なんて要りませんとも。だって、お金の関係って友達じゃありませんし

ですけれど、奴隷はきっぱりお断りしておきます。
私、身売りするほど生活に困っているわけでもありませんし
奴隷とかご主人様とか、そもそもあんまり好きじゃありませんので。

どうしてもというのなら……私を、身も心も屈服させて下さいな。
……それでは私、帰りますね。まだまだお仕事もありますし……さよならです、イルちゃんさん。


【──さて。イルは、受け取った拷問器具をの中に仕込まれた機器に気付けるだろうか】
【それは実に小さな自己位置発信用の端末で、非常に単純な構造であり、電力のみを動力とする】
【魔術などを全く介さないが故に、この世界においても非常にファンタジックであろうクズノハには似合わない】

【仕掛けたタイミングは、イルがジルベールと話していた時。くれと言われなければあげるつもりだった】
【鈴ちゃんというワード、拷問やそれに通づる好色な反応。きっと飛びつくだろうという閃きでしかないが】

【イルが何事もなく持って帰れば、それらの器具は約二週間にわたって自己位置を発信し続けるだろう】
【そこで何も気付かなければ──妖狐はにこりと笑いかけて、その場を去るだろう】


910 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/05(土) 17:47:27 X5HEDcEk0
>>909

【微睡みの中で返事するかの如く、クズノハの言葉に対しての返事は凄く雑で】
【はいはーいなんて嘯く言葉、恐らくきっと度をこさない範囲なんて聞いていない】
【続く言葉は割と常識めいた響き、んーと少し考え込むような仕草を見せて】


へぇ、友達ね、いいよ、友達、クズノハちゃんとボクとは友達になるんだね
どういうものが友達かは良くわかんないけど、ボクはクズノハちゃんが好きだし、友達に相応しいんじゃない?
少なくともさっきのアレよりよっぽど、クズノハちゃんのこと分かってあげれるしぃ

ふぅん、クズノハちゃんは屈服させてもらいたいんだぁ♪
そういうハッキリしたやり方の方が好きだよ、わかり易く白黒つけれるほうがっ
身も心も従順に♪ 覚えたよっ、ふふ、次会う時が楽しみだなっ


【あるいはその一言が余計だったかもしれない、変な解釈を彼女に付け加えて】
【成程ねーと、一回二回ころころと舌先で転がす貴方の言葉】
【踵を返したなら背中を見送るだろう、そこに何らかの反応は増えなかった】

【クズノハを見送るだろう。クズノハの読みは的中とでも言うべきであった、イルは器具を直ぐ様住処に持ち帰る】
【しばしばとある一点で動いていた、つまりは使用されていた、と判断するのが正しいか】
【やがてどこかにでもしまい込んだのか、動かない日が続く、時折使用し、位置が軽く動いた】

【たまに野外へ持ち出される事があっても、基本的には同じ位置であった、水の国、『旧市街』】
【数日の後にその具体的な位置まで確定するだろう、『工場』と呼ばれる特別な施設】
【その施設に、位置情報がやがて固定された──】


/長時間お疲れ様でした!


911 : ◆3inMmyYQUs :2018/05/05(土) 22:16:41 LevMp5MM0
>>906


【──────】


【 「──とても楽しそうに、月ばかりを描く画家がいたそうだ」 】


【 「へえ?」 】


【 「どこかの王子みたいな優男で、 】
【  頼めば似顔絵なんかをさらっと、それも写真よりもリアルに描いてくれるとか 】
【  いつかの六罪王にも似てるとか、色々な噂が立ってたんだけど── 】
【  ある時からぱったり、見かけなくなってしまった」 】


【 「ふーん?」 】


【 「でもここ最近、なんだかまた変なやつが現れて」 】


【 「変なやつ?」】


【 「──とても悲しそうに、月を見上げる男なんだ」 】
【 「前にいた画家と良く似てるって話だけど、どうだろう、他人の空似かもしれない」】
【 「彼はあんな顔はしないだろうからね」 】


【 「似てる人だらけだねえ」 】


【 「まあ、鏡映しみたいに似てる人が、世界に三人はいるって言うから」 】


【 「でも、実は全部同じ人、だったら面白いね」 】


【 「え?」 】


【 「だってそうでしょ」 】
【 「すごく悪いことしたり、楽しそうに似顔絵描いたり、悲しそうに月を見たり」 】
【 「万華鏡みたい。人間万華鏡」 】


【 「そう、なのかな」 】
【 「……でも本当に同一人物だったら、そんなに怖いことはないね」 】


【 「え、どうして?」 】


【 「だって、そんなのまるで──── 】






【 ──自分が誰だか、分かってないみたいじゃないか」 】



【──────】



【(NEXT────)】



/っという感じで、蛇足かもですが。
/大変長いことお付き合いありがとうございました、お疲れさまでした!!


912 : ◆zuR4sSM1aA :2018/05/05(土) 22:46:18 0jLFl.bY0
>>904-905

「──へえ、私のにも味があるのか。えぐ味がすごかったんじゃないか?」


【貴女の味は、とても美味だった──と言われると、どうにも可笑しく感じるけれど】
【蜘蛛の味よりも、土の味よりも、ましてや初恋の味よりも。えぐ味はどうしても高いだろう】
【彼女の腹に空いていた空虚は、湧き出すかのように血肉で埋められてしまって】


「ふっ、お前さんはやけに明るいようだ。気が合うかは────」


【──ぱンっ】

【乾いた音が一つ、気味が悪いほどに響いた】
【暗闇の中の奇襲、対面に立つ女の右目が吹き飛んで】
【血の小雨を地面に齎したのなら、女はゆっくりと立ち上がり──】

【──ぱンっ】

【同質の炸裂音がもう一つ、二人しか居ないはずの空間から響いて】
【女の左目を貫いたその瞬間に──黒留袖の裾を揺らして駆け出した】


【ゆっくりと倒れゆく女の身体を踏み台にして──どうせ復活するだろうと】
【跳躍すると、月光に照らされる標的を一瞬だけ目で追う】
【闇の奥からにじみ出てくるような、気味の悪い漆黒のボディスーツ】

【身体から黒い霧が噴き出し、女の辺りを覆っていく】
【暗闇の中では流石にエージェントと言えども追いかけるのは不可能な筈】
【作り出した残像に鉛玉が食い込み、渦を作り出して空過していく】

【10メートルの距離を。地上に降り立つと同時に一気に詰める】
【それこそ数歩──瞬歩と呼ばれる歩行法を用いて一気に迫ると】
【柘榴の花を彼女の腹部に咲かせてやろうと──腹部に黒刀を突き立てようとした】


913 : ◆Heckemet8M :2018/05/05(土) 23:59:48 u1dxVMlM0
>>899

「――いィや、むゥしろ気ィに入っている」
「昔、ゲートが繋がってた時に、ちょいと遊びに行ィッた事もあァるからな。俺様の世界の一部の間取りの参考にしィてやった」

「ククッ、だァからブランルとォかいう奴を俺様の敵とみィなすかは、今のとォころはどォーともいィえねェ」
「最終目的が俺様のそォれと相反すゥるとしィても、過程が"混沌の味方"をすゥるなァらば! 俺様の"目的の味方"となァるのなァらば!」
「あァる程度は俺様も協力しィてやァらんこともねェ」

「……俺様の懸念はだァな、魔界の侵略と植民地化を人間共が行えば、当然敵視さァれる。"仕返し"さァれるかもな」
「人間共の"可能性"は、強者共の敵意を握り潰せるか? あァるいは、感じさせねェことがでェきるか?」
「俺様がこォの世界を掌握すゥる前に人間共が滅ぼされるのォは困るのでな……ククク」

「あァ、話が脱線しィたな。で、なァーんの話だァッたか。……ブランルの敵か味方か、だァッたか?」
「まァ、俺様は未定だァがレオーテヴュートは間違いなく敵対すゥるとだァけいィッておォこう」
「お前の思った通り、奴は反抗期なァんでな。俺様に従う気はほォぼほぼねェ、好ゥき勝手動くだァろうよ」

「つゥまり、俺様が伝えるかァはとォもかく! レオーテヴュートへ間接的に情報を流すのは、悪くねェと思うぞ? 能力とォか弱点とォか」

【なんとなく味方寄りな雰囲気も無くはないが……今回の件だけではまだどのような立場を取るかを計りかねているのだろう】
【――黒幕を潰す事に協力したのも、おそらくは過程も目的もどちらも己の敵だったから、か。】

【全く何も言わなかったが、ベラベラ喋ってる間に何かを召喚しようとしていて現れていたのは"やだ"の2文字が堂々と書かれた紙。なお即座に握りつぶした模様】


914 : ◆3inMmyYQUs :2018/05/06(日) 00:07:42 LevMp5MM0
>>912

【排出された薬莢が宙を舞う】
【それが地に落ちるほんの一瞬前には既に、】
【黒留袖の彼女は襲撃者の眼前に至っている】

【息も吐かせぬ刹那の中】
【漆黒の切っ先が空を裂き女へと肉薄】
【すぐに鮮やかな柘榴の花が咲き誇る──筈であった】


【鮮紅の代わりに猛々しい火花が狂乱した】


 『──────────』


【無機質な黒衣の女は、その上体をしなやかに且つ鋭く後方へ反らせた】
【ほんの一瞬前までその腹部があった箇所には、十字を描くように交差させられた二丁拳銃】
【それで以て白羽取りにも似た形を取りつつ、その凶悪な突きの一撃を上へ跳ね上げんとするような力を加えていた】

【刃は金属の表面を滑り、絶叫じみた甲高い摩擦音を上げる】
【爆ぜた火花がその一瞬だけ、両者の相貌を照らし出す】
【千々に乱れる黒髪の波の中、果てしない無感情を湛えた白皙が、しかし眼差しだけは相手を離さず捕捉していた】

【きン──と】

【空薬莢が地を叩き、澄んだ音を響かせる】

【その刹那。後方へ反っていたその身が、続けて横方向への捻りを加えられる】
【極めて変則的な体勢だが、片足を軸に回転していくその駆動はどこか回し蹴りの予備動作のようで】
【しかしそこから繰り出されたのは、彼女の横頬めがけた銃底での殴打。さながら裏拳のような形で】



【──唐突に訪れた無機質な漆黒の襲撃者】
【一変した空気に瞬時で適応する和装の殺人鬼】

【常人を超えた反応速度を持つ者同士の応酬がそこに始まろうとしていた】
【どの一撃が相手に届き、また届かぬのか。それを知るのは両者のみ】
【先に動きを止めるのは、どちらか】


915 : ドラ :2018/05/06(日) 02:45:31 XqQAhkbc0
>>777

わぁお、身っ軽ぅ!!

【下段からの変則的な蹴りを華麗に回避したカチューシャに対し、キャットⅢは余裕をこめて軽口を言い放つ】
【同時に彼女がただの能力者じゃない、かなり高度な戦闘訓練を受けている事も、狙撃銃の扱いから近距離戦の対応までの一連の流れで理解した】
【避けられた蹴りの反動を利用し、バック宙を決めたら、そのまま身を正して着地。再び両手を前に出し、構えをとる】


でもぼくもスマートな動きしてるでしょ?機敏さがぼくのウリさ。
きみも初手の射撃はなかなかの機敏さだった……ぼくが神速のガンマンの大親友じゃなかったら初手で決まってたかもな
最も、来るとわかってればきみの体のサインを読み取って致命傷は防いで見せるさ、ばっちりとね

ついでにいうなら足腰の強さと絶倫さ……もといスタミナにも自信があるよ、千里を息を切らさず走って見せるくらいにはね!
激しい戦いが苦手かどうかは……きみ自身がぼくに触れて確かめてみたらどうだい?


【甘い声色、憂いの流し目、カチューシャが持って生まれた魔性の色香に対しキャットⅢは得意げな軽口をかまし自分のペースを崩さない】
【全ての挙動に男を惹きつける蠱惑的なその色気を目の当たりにしながらも……仮面の戦士となったドラは平常心が全く崩れない事に気が付くだろうか】
【カチューシャは初対面ゆえまだ気が付いていないのだからやむを得ない事だが、現状ここにまず一つめの『思い違い』がある】

【―――そう、これが総てを等しく受け入れるジンジャーならば話は大きく変わっていたが、ドラは彼とは大きく異なるタイプの男】
【同じスケベ野郎でも、ドラはこだわりが強すぎて色気だけではその心を虜にすることができないのだ!属性攻撃の概念を会得せれば御せぬ男である!】


……いやはや、何を言い出すかと思えば……きみ、なかなかにすっとろいなぁ
戦いなんて大した理由もなく始まるものだし、ナンバー集めもぼくのちょっとした遊び心の産物さ
そして……うふふ、この期に及んでまだ容易くぼくを屈服させておもちゃにしちゃえるなどと侮られているのかい?

―――こりゃたまらないなぁ!むしろぼくの方こそ……きみの身も心も徹底的に叩きのめしたくなってきた!ゾクゾクするねぇ


【両者ともにほぼ同時に距離を詰めにかかっていた!キャットⅢの方も次に彼女が狙撃銃を拾うことは間違いないと予測したからだ】
【銃口よりも深く距離を詰める事で自身への射撃をし辛くさせる事が目的の急接近だった、そして彼はカチューシャの次の一手を目の当たりにする】
【狙撃銃を構える前に、振り上げるアクション―――次のカチューシャの一手が分かった瞬間彼は脳裏の記憶を瞬時に引き出した】


(―――あの銃で直に打ち込む気か!……そういや昔『こち亀』読んだ時に見たことがあったっけ
日本兵の扱う銃剣はまさに男の薙刀!中距離で振るうのに適したリーチがあって、接近戦にも対応できる銃剣術ならば接近されても渡り合える!
彼女の銃も『そういうの』に適した設計が施されてるってわけか!)


【近づいた以上は避けられない―――もしあの攻撃を下がって回避しようものなら彼女は先ほどのように流れる動きで狙撃の体勢を整え今度こそ胴のど真ん中を撃ち抜かれる】
【キャットⅢはカチューシャに肉薄する射程距離にたどり着くと同時に頭の上で両腕を交差。右腕が上に行くように構えながら降り下ろしを防御した!】
【受けると同時に両足をぐ、と曲げ、衝撃を受け止めるものの――――右腕にみしり、と嫌な音を彼は聞いた。痛みも遅れてやってきた】


―――痛っつぅ!!やるなぁ!!なら……ぼくも容赦なく!!


【受けた右腕が銃にさらに体重をかけられへし折られる前にキャットⅢは斜め下から上弦の月を描くような動きで右手で狙撃銃を受け流そうとするだろう】
【一秒から二秒、彼女が完全に自分に狙いを定めるまでの余裕があればいい。回避の準備も行える猶予、そして攻撃の一手を叩き込むための抵抗の動き!】
【同時に彼の左手はもう引き抜かれていた、中段の突きの構え―――狙いは彼女の腹部、肝臓部位への一撃!】

【当たれば大きな激痛が伴う。そのうえ波紋入り―――数秒ほどの呼吸を乱されかねない!女性相手でも容赦のない無慈悲の一手だ!】


916 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/05/06(日) 03:37:15 IBKicRNQ0
>>873
そうとも。後に続く姫たちが、揃って貴女と同じような言動を取る。なかなか愉快な未来じゃあないか?

【カニバディールもまた、いつになく楽し気な笑顔を彼女と交わす】
【ジルベールについて頷く彼女の、本当に屈託のない表情にいつの間にか毒気を抜かれていたのかもしれない】


ふ、ふふ……私自身も知らなかったことだ。赤崎さんが個人的に動いたものとばかり考えていた
ああ、内緒だ。ここだけの話にしておこう……ふ、ふ。私も秘密は大好きだよ

【だが、続いて彼女が〝黒野カンナ〟の姿をすれば。その顔は再び引き締められる】


ああ、容姿がわかるだけでもありがたい。あの状況でまるで喋らなかった、というのもそれはそれで手掛かりになる
別クラス……『黒幕』どもにとっても、特別枠なのは間違いないわけだ

だろうな。敵にとって重要だとすれば、その辺に放り出しておくわけもない
いるとすれば敵の懐……思い当たるのは、『特区』だが……

【考え込む異形の前で、彼女もまた亜人に戻る。異形にとっても、その方が自然に感じられた】
【手だけを変えることも出来る器用さには、内心で舌を巻いた】


フォルケン博士……!! 『黒幕』が使う技術の出どころか。それもオーウェル社時代の……
そんな存在と友人だとは、貴女も相当に顔が広いな

思った以上に、そのアンドロイドが『特区』に潜っていることは重要事項だな
ああ、違いない。敵の膝元に食い込むのに、これ以上ない人選だ

【言いながら、カニバディールは文面に目を通す。砕けた口調だが気遣いも見られる、彼女らしい文章】
【彼女の笑顔に頷きを返しつつ、ただ一つ追記を依頼する】

すでにご存じかもしれないが……『婦警』と思しき人物が、『特区』内で看護師の姿で活動しているのを確認している
『特区』に潜った私の協力者も、尾行に気付かれて捕われかけた
もし知らないでいるなら、伝えて欲しい。糸目の看護師には気をつけろ、と


917 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/05/06(日) 04:08:29 IBKicRNQ0
>>886
【心身共に満身創痍。生体兵器、とはいえ彼女はやはり少女でもあるのだ】
【未だ傷の癒えない身体でこの場に立つ彼女が、膝をついたことを誰が責められよう】
【アルターリの地獄を戦い抜き、今またこの場で絶望的な戦いに身を投じる彼女を、誰が詰れよう】


【しかし、異形どもは容赦なく表れるのだ。彼女への気遣いなどではなく、自分たちの利のために】
【されど目的は同じ。UTを護る。最悪の未来を起こさせないために】

【ラベンダーの疑いはもっともだ。たとえ、密約のことを知っていようと、この邪悪な盗賊どもを、救いがたき外道どもを、手放しで信じられるはずもない】
【カニバディールも、それをよく自覚していたからこそ、言葉と目線で彼女に伝える努力をした】
【UTが多くの仲間を失っているからこそ、その灯を絶えさせないための努力をしに来たのだ】

(そうだ……いいぞラベンダァイス。その傷でよく頭を回してくれた)
(彼奴等に一人勝ちを許してはならない。真っ先に脱落するのは、『黒幕』どもだ――――!!)

【己を鼓舞するように叫ぶ彼女を見て、意図が伝わったことを悟ったカニバディールは】
【彼女の凄絶さを引き立てるべく、醜悪な笑みをいっぱいに浮かべてその様を嘲る。己をより邪悪に、危険に見せるために】

ぐ、ガアァ!! 「ああっづぅ!!」 『チィイ!!』

【以前とは違う曲射での攻撃、その意図を盗賊どもは読み取る。そして、火炎弾の軌跡にわざと両手を添えて】
【構えた注射器を爆散させた。自分たちのダメージは最小に、かつラベンダーが人々を悪意から守ったとアピールするために】


(!! 私を認識した上で、それか……!! もはや狂熱だな……)

【そこへ、鳴り響く銃声。叫び。軌道はそれているがゆえ、無傷で済んだが。その叫びは、異形の危機感を呼び起こす】
【この群衆相手に、UTへの矛先を逸らさせるにはまだ足りない。更なる恐怖を。更なる混乱を。その上での、救いを】

「Power to the people!」 ハッハハハハハ!! 笑わせてくれる!! 貴様ら民衆に、何の力があるというんだ!?
その豆鉄砲一つで、私をどうにか出来ると思い込むようなお粗末な脳みそ以外に、何か持っているのかね!!

そら、何を逃げ出そうとしている!! UTを弾圧するのだろうが!! たかが盗賊三匹の横槍程度で諦めるな!!

【叫びながら、カニバディールは右足の肉を膨張させ、長く伸ばしつつ回転し、即席の肉の鞭の如き回し蹴りを広範囲に放とうとする】
【逃げ散ろうとする群衆の足を薙ぎ払い、転倒させようという狙い。自分たちの力では逃げることすらままならないという現実を突きつけるためだ】

【その成否に関わらず、配下二人が群衆に襲い掛かろうとする。演技とはいえ、ラベンダー一人に対処を強いるのは酷な展開だ】
【そう考え、カニバディールはもう一つの手を発動させた】


「さあて、お注射が嫌なら私の特性の毒を――――ぐぎゃああ!!」
『何だ!? 貴様……!! UTの増援か!!』
ギア……!! またお前か!!

[『スクラップズ』……!! また、はこっちの台詞だ!!ラベンダァイスさん!! 手下二人は、僕が抑えます!!]

【生き人形ギア・ボックス。UTに残った数少ないメンバーの一人。UTに寄せられ続ける依頼を必死に捌く多忙な生活を送っている男】
【いかにも、今状況を知って駆け付けたかのように。眼鏡男・ポイゾニックに玩具武器『サプライズ・キューブ』による鉄球発射を食らわせ】
【手にしたサーベルで、銀髪男・レギオルフォンに斬りかかって見せる。ラベンダーには、ギアが彼女に微かな頷きを見せたのがわかっただろうか】

【ギアもまた、密約を知ってこの場の「形なりの戦闘」に加わりに来たのだ。レギオルフォンの二刀流と切り結ぶ姿も】
【大げさな剣劇をしてはいるが、互いに致命打を避けている】

【UTを生かす。ただ一つの目的のため、この場の戦闘者全員が〝決死の模擬戦〟とも言うべき戦いに身を投じる】
【カニバディールは、さもギア登場への動揺を押し隠すように、歯噛みしつつラベンダーに向き直ろうとするだろう】
【三つの眼に、いつにない必死の色を宿して。目線で、(続けろ!)とラベンダーに訴えながら】

/ギアとラベンダーさんはロールで会ったことなかったかもですが
/もし可能なら同組織として挨拶くらいはしていたという形にしていただければと思います……


918 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/06(日) 05:18:35 ABHv169.0
>>915

【物憂げなマリンブルーの目尻が蕩ける。頬白と混ざって淡い青色を溶かしていく】
【それは怜悧という言葉では足りない程に儚く繊細な色合い、どこまでも透き通る透明色の水面】
【大きな瞳は瞬きの度に漣が起きて、長い睫毛が凪のようにその翠表を靡かせた】


──"神速のガンマン"ね、早いだけの殿方なんて嫌なの、カチューシャの相手には物足りないから
カチューシャは退屈が嫌いなの。愛してくれる殿方は、掃いて捨てるほどいるんだーかーらっ
坊やのお友達も坊やも、束にして相手するの、それでも満足するかは、分からないけど

えぇ思ってるの、殿方なんて皆そう、優しく握って舐めてしまえば骨の髄まで抜けてしまう
それでは濡れないわ、濡れないの、この身の奥まで焼ける程じゃなぁいと
ふふ、でーもーねっ、坊やは可愛がってあげるの、それがね、カチューシャのやり方だから


【右腕で受け止められる狙撃銃、軽く息を吐いて掌にはしる衝撃を緩和する】
【良い選択であった。回避したなら容易に撃ち抜けたのに、バトルセンスはかなりのものか】
【狙撃銃が受け流される、銃口が地面にキスをした。ガラ空きになった腹部に左の拳が迫る】

【狙撃銃の先端を更に地面に食い込ませた。両手に力が入る、すれ違いざまの瞳が憂いを帯びて】
【彼女の身体がふわりと浮いた、地面を蹴って棒高跳びの要領で身体を浮かせたのだ】
【大きくドラの頭上を飛び越える形で攻撃を回避する、丁度空中で前方宙返りをする形だ】

【ドラの後方に着地する、スラリと伸びた脚線美。両足が伸びて音もなく形作った】


坊やは分かってないの、意味を持たない戦いなんて野蛮人のすることなの
乱暴なだけでは絶頂には程遠くて、機械的な動きなんて以ての外
女性を愛したければ、満足させたければ、滾るような愛が必要不可欠だから

戦いもそうなの、ふふ──坊やには少し、早かったかしら、だったらね、カチューシャが教えてあげるの
力の振るい方、身体の動かし方、女性の愛し方、手を取って優しく教えてさしあげる
そうであるなら、私の戦いに、より一層の意味が生まれるのだから


【着地際に狙撃銃を拾う。ノータイムで握る左手は引き金へ】
【間髪入れずに引き金を引いた、銃弾はまっすぐドラの右肩を背中側から狙う】
【位置が入れ替わり、利き手と逆になっても尚正確無比な射撃を放つことが出来る】

【それこそが彼女の妙技"狙撃"であった。早撃ちに関しては恐らく彼に遠く及ばない】
【しかして、彼女の技術はまた別の神域にある、どれだけ研磨すればそこに辿り着くのか】
【唇が肉感的に濡れる、吐息混じりの音律が、耳元で聞こえるような錯覚を見せて】


919 : トビラの中 ◆191We52L8E :2018/05/06(日) 08:27:04 2Og/BdkI0
【どこかの国の、どこかの路地裏】


【日は長くなってきたが、朝方の風には未だ微かな冷たさが残っていた】
【彷徨うように奥へ奥へと転がっていく紙屑を、野良の仔猫が無邪気に追う】
【暴力と死に彩られた"第五世界"の路地裏としては、極めて珍しいことではあるが】
【日頃この路地裏は、――少なくとも、野良ネコの安住の地になる程度には――平和な場所であった】

【が、今日は事情が違っていた】

【表通りのレストランのゴミ箱から朝飯を調達して戻った母猫は、路地裏の奥から届く微かな鳴き声を聞き洩らさなかった】
【芯の周りにいくらか実が残った林檎を放り捨て、一目散に駆け出す】
【母猫が生まれたのは、この路地裏ではない。ゆえに、彼女は知っていた】
【この新世界、自分たちが生きていくことが如何に困難な世界であるか――――】
【本能のままに、子を守ろうと母は走った】


【結果として言えば、彼女が恐れたような事態はそこにはなかった】
【可愛い我が子は、倒れた"ニンゲン"を珍しがって声をかけているだけだったのだ】
【この薄暗い場ではめったに見ないほど、そいつは真っ白だった】
【オスなのかメスなのか分かりにくい長さの髪から、やけにデカイTシャツから覗く腕まで】
【全てがあまりに真っ白なので、彼女はずいぶん驚いた】

【猫二匹と、倒れたまま動かない"ニンゲン"】
【いつもと少しだけ違う、だがそんなに変わらない新世界の路地裏は】
【やってくるであろう誰かを、静かに待ち続けている】


920 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/06(日) 09:30:26 ABHv169.0
>>919

【少女は鼻歌を歌っていた。──馴染みの野良猫を探して弾む足取り】
【片手にはコンビニで買った猫缶、在り来りのものであったが
それで十分喜ぶことを彼女は知ってる】
【いないなーなんて周囲をキョロキョロ、路地裏の角を曲がって、ようやく見つけた】


にゃっにゃにゃーん♪ ふふーんっ、見つけちゃいましたよっ
今日も大人しく鵺ちゃんにご馳走されるが良いぞっ、お腹いっぱいにさせてあげるんだからっ
ふひひーんっ、今日はちょこーっと奮発して、たかーい猫缶を買ってきた……って、あれ

あららー、之はひょっとして行き倒れというやつでしょうか、あらま
鵺ちゃん第一発見者だったり? だとすればちょこーっと面倒臭いですです
ふつーの警察には駆け込みづらい事情、てんこ盛りですからねぇ


【白を基調としたゴシックワンピースの上から黒い姫袖のドレスを羽織り】
【軽くウェーブのかかった純白の長い髪と、蕩けるような蜂蜜色の瞳】
【白い手袋とソックス、黒の編上げブーツの少女であった】

【彼女は白ずくめの貴方を見つけ、屈みこんだ。両手でちょこんとお膝を抱いて】
【つんつーんと指を伸ばして反応を見る、大きな瞳をじぃっと向けて】
【もしもーしと声をかける、柔らかな音色が街並みに流れた】


921 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/06(日) 14:16:47 W2NMqHfc0
>>913

うーん、なるほど
ま、邪禍さんは悪人っていうか悪魔だし、良いことするやつの味方とは思わないけどさ

で……能力に弱点だっけ
…………弱点はないんだよね、多分

【ブランルの情報を話し始めた赤木の表情は重苦しいものだった】

ブランルってやつは、技術者であると同時に魔術師でね
奴は”振動”や”波動”って呼んでる、特殊な魔術を扱うんだ。曰く、この世界でもブランルしか使えないらしい
それで空間転移だとか、空間歪曲を利用した攻撃や防御だとか、そういうことができるんだ

まぁ、魔術はどうでもいいんだ。問題は能力の方
<ペンドレルベル>だったかな。門だの王国だのって文言がつくこともある……名前もどうでもいいか

これは……なんて言えばいいのかな。伝えるのが難しいんだけど
あいつは”死なない”んだ。頭を撃っても、身体を吹き飛ばしても、それこそ完全に消滅させても何をしても
身体の中か何の中かは知らないけど、内側に……無数の声があって……あれが何なのかは、俺には分からない

【青年の顔には言い様のない恐怖が映り込んでいた。不気味なものを思い返すような不愉快さがあった】
【魔術については空間を司るものだ、という程度の情報で、それだけで十分なようだ】
【能力については留意すべきなのは不死であるということ。何か謎もあるようだったが、赤木は詳細を知らなかった】

邪禍さんがどれだけ強いかは知らないけど、あんまり近寄らない方がいいと思うよ
あれは、強いとか弱いとかいう次元じゃない。もっと別の何かだ
敵対してくれるっていうんなら、止める理由はないけど。味方するとかは、オススメしない

【「単に俺も困るしね」──そう付け加えて、一旦口を閉じた】
【紙が出てきてその中身をチラ見して、「本当に部下なの?」なんて疑問も加えておいた】


922 : ◆Heckemet8M :2018/05/06(日) 16:11:48 u1dxVMlM0
>>921

「当然だ。俺様は邪な悪魔! 正義の糞共の味方なァんざ、"基本は"しィねェ」

「――空間操作に完全消滅さァせようとも死ィなねェ、か。ククッ、上質な素材になァりそォーだ」

「不死にィも色々種類があァッてな……」
「全ての平行世界・全ての時間かァら存在を僅かも残さず完璧に同時かァつ一瞬で消ェさねェと死ィなねェタイプなァら厄介だァが」
「例えば、本体を潰せば終ォわりのタイプ。……お前が見ィていたブランルは、本当に本体か? 本体の全てか?」
「間違いなァく本体全てだ、と、言ィうなァら――別の場所にバックアップをとォッているタイプ、あァるいは引ィき出せるタイプかァもな」

「無数の声……って言ィうのはこォーいう話か?」

【邪禍の右腕が変化して漆黒のスライム的なものになれば、それが伸びて赤木の顔を覆おうとするだろう】
【もし成功すれば、休日のテーマパークの雑踏に混ざった時のような、非常にどうでも良い(稀に気になる内容もあるけど)会話が"魂に対して"大量に聞こえてくるはずだ】
【感覚としては脳内に直接語りかけられるような感じだろうか。なお、それ以外はベタつかない市販のスライムのような強度であり、つまりわりと簡単にどうこうできる】

「こォれは"半分は"俺様の能力じゃアねェ、魂共が勝手に喋ってるだァけ」
「――ククク、本当に弱点が1つもねェ奴なァんざ、そォれこそ"真なる神"以上の存在。お前が見ィつけられてねェんだ、そォれを」

「で、俺様がお前のオススメで動くと思うか?」

【――なお、諦めずにもう一度召喚しようとしていたようだが、町内会のおばちゃんが作ったかのようなセンスの文字と背景で「やだ」と書かれたA4のコピー用紙が送られてきて終わった】
【紙をぐしゃぐしゃに丸めて、それから、"部下だが何か問題でも?"なんて、自信たっぷりな顔と態度で言ってくるだろう】


923 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/05/06(日) 18:29:36 hkU8qsdY0
/5レス程に分けます……!
>>895-896

【墜落した肉体が示す凄惨な姿は、想像を絶するものだっただろう】

「……は、……ッ、――――ぁ、かは、ッ……――――――、は、ぁ……ッ、……ぅ、けほ……っ、……――――‼」

【全身の感覚は既に絶え、体組織は過去にないほど砕け、随意運動は叶わない。】
【血を吐き溢す女は、類稀な容姿の左半分を完全に紅く染めて咳き込んでいた】
【酸素を起点とした物質生成から無理に補った肉体は、あと一度の能力行使で完全に燃え尽きるだろう。インフィニティージーンとの戦いで受けた打撃は、それほどにこの女を消耗させている】

【肉体の状態は完全に限界を越えていたが、その程度の痛苦より遥かに重い絶望が、その意識を冒しつつあった】

【〝氷空綺藍〟――――この“力”は、ダリア・レオンフィールドの意志のみに依って起動し、遂行され】
【それ自体が法則を砕き虚空を生み、新たな可能性を拓く性質を保有する。――それこそを本質としながらこれまで辿り着けなかったことが、全ての答えを紡いでいたのだ】
【既に飽和し、純性を保つ異能だからこそ、“力”はダリア自身の意志にだけは、現状の性質を強化するだけの結果しか返さない。】
【必要だったのは、心からその勝利と進化を願い、寄り添う“他者”の存在――――それこそが極点に到る飛翔を彼女に許す、とうにもぎ取られた片翼だった】

【自分ひとりで、過去を背負って進む決意こそが。何よりその想いを、理想から遠ざけて――――。】

(……ひとり、でも。……私、……は……――――ッ、)

【“だからこそ”、縋ることは決してない。ただの地獄への旅路を共に歩む者があることなど、この魂に懸けて許さない。だから、命尽きようと遺すべき意味を想った】
【このビルもろともの焼却――――殺戮者1人を滅ぼすことの代価が、2つの、さらに滅ぼしたい組織の“敵”たちの死などあまりに救えない。】
【この殺意を、数度の汚染を土台として力ごと焼き付けることによる、心身の高度汚染――――】
【あの異形が限界として持つ寿命を、二組織の鏖殺を確たるものとする“力”を加えながら引き延ばそうと……軋む心に決めて、】

【――――“そうやって、また何もかも灼き殺すの?”】

(……、――――――――。)

【幻聴ですらないその言葉は、二度目の喪失の日のように凶弾となって心を穿った。能力の進化のため、掘り返した過去の声に……殺意が震え。】
【届かぬ未来に限界を迎えた心が遂に、決壊するまま、震える胸に、雫を溢した――――】
【だから致死量を遥かに越えた出血が、異能に代行させていた機能の取り立てにかかる。躰が、秒刻みで死んでいく】

【死後、その魂はアリスという純粋な魔種へと捧げられる定めにある。殺意に依る異能が解け始め、支えられた命が終わろうとすることは、“人間”としての彼女の終わりでもあった】
【彼らが願う冥福は、可能性すらも初めからなかった。その生涯は、初めから終わりまで、奪われ、奪い、血を流すためだけにあったかの様に意味を失ってゆく】
【これが、存在を喰らわれることの痛みなのだろうか。もう何の感覚もない躰だというのに、胸の奥だけがどこか、寂しげに痛んで】

【……約束。終わりゆく心が想うのは、愛しさと痛みが入り混じるその記憶だけ。……この日、1つを加えたけれど。】
【ちろちろと指先から上がりだす火に。いよいよ、身も心も限界なのかなと、酸欠の脳でそれだけ思って】


924 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/05/06(日) 18:30:04 hkU8qsdY0
>>895-896

≪……って、………、――――――――≫

「……え、…………?――――」

【傷つき倒れ臥すダリアの耳朶を、あどけなさを残す声が揺らす】
【見開く榛色の瞳は、この女の生の反応で。これほどまでに追いつめられなければ、信念のまま、一人で歩んだから聞くはずのなかった声――――。】


『勝って、ダリア――――
 ……まだ、やっぱり正義だとか悪だとかはわからないけど
 
 苦しくても……ずっと、ずっと死んでほしくないよ。あの人たちにも、ほんとは、苦しい思いなんてしてほしくないけど……――――。』

「――――――――――――、――――――――――。……、――――」

【『もう、あんなケガしないで。……約束だよ?』――それが、少年が残した届くはずのない言葉。限界を迎えたこの女に、あまりに優しく響くありえざる夢。】
【無意味にしたくないから、手放せずに。手放せないから、背負わせられなくて。そうして、遠ざけたはずの想いが――――。】
【少年の異能を伝い、この闇の底で潰えようとする心に寄り添った。穏やかに目を瞑り、触れることのない温もりを想う。くすりと、目許にちいさな雫を残したまま女は微笑って――】

(…………ああ、)

【状況を理解してしまった心は、静かに心を練り上げていく】

【無垢な願いが、最後のピースをここに嵌め込んだ。けれど到達の鍵を得た状況以上に、その願いこそが、心を衝き動かして胸を焦がす】
【噛みしめる様に目を瞑り、どうしようもなく揺れ動くその心に。今一度、彼を利用して生き延びることへの葛藤が浮かび――――、】
【……その“悪”を。ダリアは己が一存で、“終わる”覚悟と共に、その胸に抱いて、選択する】
【譲れないのは、本当だから。そしてたとえ裏切りと呼ばれようと、愚直に、こんな“生”を願う想いに応えずにはいられないから。】

【至上の正義を謳うものに、刻み込んでやらねばならないだろう。確かに、この想いを望むものがあったこと。】
【名も無き犠牲者などどこにもなくて、人の数だけ痛みも想いもカタチがあること。それも、あまりに容易く世界という巨大な潮流に呑み込まれ――。】
【……それを、捨て置けなかったから自由への願いは世界を砕く焔となり。】

(……“戦う理由は、まだ潰えていない”――――)

【眦を決して数十メートル上方の白影を見た。悼むという一人きりの想いを、自ら殺した実感を抱きながら、虚ろな空に刻む彼。】
【その祈りが誰も救わないことを知っていたから、悪魔は、こんな地獄を選びとる。】
【これが、邪悪の証明なのだろう。それでも構わないと、女は最後の異能を行使した】
【獄焔が、その身を余さず貪り尽くして―――――――――、】


925 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/05/06(日) 18:30:46 hkU8qsdY0
>>895-896

【――――そして、幻想が現実を食い破る。】
【天を割いて天頂にまで延びる、獄焔の巨翼――――光の柱としか認識できない超級の威容は、世の終わりさえ感じさせる、彼らのいう災厄に相応しいものだっただろう】
【恐るべき出力が完全制御され、熱と圧力が織り成す非実体の刃が、切断面を鏡面化させるほどの精緻さで建造物を刳り貫いて】
【崩落も延焼も許さずに。幅十数メートルに及ぶ亀裂を、最上階まで到達させる】
【開く経路を、バックドラフトじみた灼熱の乱気流がたちどころに昇る。金の眼光がふたつ、“己の宿敵を映して壮烈に輝き”――――】

【それは、新生。】
【それは、叛逆。】

【それは彼らとの最後の戦いに、世界の敵となる力の総てを以て挑む叛天の魔人――――。】
【物質化する莫大なエネルギーが、“人”そのもののカタチをとる。左腕だけは、翼めいた形態の、数メートルの獄焔の器官を人間の腕よりも優先させて――――。】
【大切なものを守ろうとした少年は、それを奪おうとした者ではなく、自分たちを守ろうとした一人の女の勝利を願った。 】
【その願いに応え、殺戮の異能が魔を未だ嘗てない高みへと到らせる。……これは、単にそれだけのこと。】
【応報と呼ぶには残酷すぎて、復讐と呼ぶには力強すぎた。敗亡の淵で燃え上がる意志が、勝利に餓え】
【白くしなやかな指が虚空を掴む。かつて少年へと差し出した右手は、今こそ敵対者を殺すための力に満ちて】

「獄焔装填(カリ・ユガ)――――――――


【“最大火力形態”をそれは内包し、】

 ――――――――帰天魂唄・転生(ヴィルディ・アドヴァイタヴァーダ)――――‼」

【獄焔を纏い拡げた翼は、誓いし空へと遂に到った。】

【冠するその名は、最後の邪悪。正邪の闘争ではなく、救いのない、ただ“終わりゆく世界”、】
【滅ぼされるべき闇を銘に選ぶそれは、どこまでもこの女らしい在り方で。けれどその中に在る意志を肯定し、それを否む真理の反存在を、絶望を越えて謳い上げてゆく】
【そうして悪魔は天を仰ぎ、続いてインフィニティージーンを睥睨した。赫光は溢れずに瞳の内に留まり、この世ならぬ光陰の妙を、その金の虹彩は宿して】

「……悪いな、“正義”。〝当たり前を受け入れたなら、当たり前に奪われ続けるだけの世界〟――――
 そんな場所から這い出た私の命は、誰も想像できないほどしぶとかったらしい。
 だけど、この〝獄焔装填〟が私の答えだ――――
 正義より真理より、ひとりの願いに心動かされる。不躾で、無様で、矛盾だらけでも……それが、私が終わりまで抱いて歩む、唯一つ希望(ヒカリ)と呼ぶべき終の焔――――
 ……この世界に、刻む命だ……‼」

【片翼で重力を裂き、翔べるはずのない現実を圧しながら。床面からわずか数メートルの高さを浮遊し、限界という軛を拒絶する】
【傷一つなくなった肌を視線から遮る獄焔は、その性質を残したまま、鈍く輝く着衣へと変容し――――】


926 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/05/06(日) 18:31:14 hkU8qsdY0
>>895-896

「……救われてはいけない“始まり”なんて、この世界の何処にもない。そう思ったから、私は、お前たちが運命に牙剥くことを願った。
 だけど……それは要らないんだな。お前たちの戦いは、ずっと、違う場所を目指して進んでいた――――
 
 目の前の悪さえ滅ぼせれば、そうして守れたはずの誰かが他の悪に、脅威に喰らわれても構わない――それが、お前の言ってのけた言葉だ
 そんな無様が。その邪悪を許すことが、“当たり前の世界の営み”……?

 ……自分だけが拾い上げられる命を救うことすら投げ捨てて、膝を屈することの何が“正義”だ。
 その美称に酔い、命を、使い捨ての弾丸だと勘違いした破綻者がお前だ……‼

 ただ諦め、逃げ出しただけの弱者が。
 ……そんなにも無意味な終わりを迎えたいのなら。自己満足の妄念のまま、お前の憎む“悪”として此処で逝け
 〝お前は何処にも届かない〟――――お前も、私に同じ想いを抱くんだろう? なら、取り繕わずただ憎め……‼

 目的のために“生きる”覚悟すら持てず、足掻くことすら知らない弱さで殺した愚を悔いて、嘆き……朽ち果てろォォッッ――――‼!」

【本心は、かつての悲憤を含んで焔となった。……きっと、彼らを真に理解したとなど言えないのだろうけれど――――。】
【咆哮する意志、完成する憎悪。僅かに残る哀しみをも灼き尽くし、ただ互いが在ることを許さぬ領域へ到って殺意が迸る】
【この先、“力”に何らかの大きな制約が残ることを、ダリア自身が確信しつつあった。だが、この戦いでインフィニティージーンを斃せたならばそれは構わない――】
【異能の獲得など、ただの始点に過ぎないのだから。〝氷空綺藍〟の酸素支配を、真に暴威と成さしめたのはその運用――】

【生身と武器と異能のすべてを、ダリア・レオンフィールドは殺戮装置として完成させた上で行使する。それは、果てなき巨大な力を翼とした今こそ、絶対的な脅威となるだろう】


927 : ダリア・レオンフィールド ◆wEoK9CQdXQ :2018/05/06(日) 18:31:39 hkU8qsdY0
>>895-896

【世界が歪む。“力”は天空を制圧し、地上へと経路を繋ぎ、任意のエネルギーを与えながらそれ自体を戦場に投下する】
【激烈な振動がまず動きを奪い、脳髄を揺らしながら蒼く染まる大気が発火するだろう。振動付与、そして純エネルギー化――同時に増幅。】

【原理はごく単純。オゾン層そのものを異能の制御下に置き、その規模を以てなお限りなく目標に及ばぬ出力を、世界法則の破壊を以て実無限へと到達させる】
【法則の破壊を前提とする以上、本来起点すら無用だろう。けれど選んだその発動は、遂に到った空を知るためなのか――――】
【自分を巻き込むことを一切躊躇せず、文字通り世界を焼き尽くすに足る“力”の極限。】
【それを、たったこれだけの領域へと落とし込んだ】
【防御など、もはや一切その意味をなさない。回避など、屋上全域を完全制圧する死の恒星を前に望むべくもない。】

【ゆえ生存の余地があるとするなら、エネルギーを完全に制御したがために限定された、天頂から最上階床面数ミリまでの破壊範囲の外――】
【つまりは直下の階へと移動し、世界に牙剥く“力”を操る意志を、今度こそ討ってみせることなのだろう】
【力及ばず潰える結末を、彼らが許容できないのなら。“無理であろうと、通し尽くして勝利を掴むのみ”――】

【燃え盛る闘志が定めた意志は、既にその域でダリアを衝き動かしていた。瞬時に対応できずとも、可能性は、足場の崩落という幸運にも残されている――】
【彼らの意志は、そこで何を望むのか。きっと、あらゆる手段は肯定されて――――。】


928 : ◆9VoJCcNhSw :2018/05/07(月) 02:50:18 wn2rqSVw0
>>910

【―――――――――――――――――――】

【―――――――――――――】

【――――――――】

【――――】


……というわけで、「鈴ちゃん」――鈴音さんは水の国の旧市街に居るかと。
まっ、私個人としては助けに行くなんて愚策も良い所だと思いますが……

いくら顔が広いからといっても、"居ないと勝てない"わけでも無いでしょうし
イルちゃんさんの根城である以上、地の利だって向こうにありますし。
"婦警"でもなんでも構いませんけど"黒幕"を叩いてからにして欲しいですよねえ。

……はい?……いえいえ、仲良さそうって。
あっちが勝手に親しげにしてきただけですよ、私奴隷にされかけたんですから。
でもまあ、一緒に居たら楽しいんだろうなあとは思いましたよ?

そりゃ、私だって狐ですし。昔から人間さんには煮え湯も飲まされてきたってもんです。
その辺の分別をしっかり付けるのが私なわけですが
要は言いたいことは分かるわけで、友達くらいならなってあげてもいいかなー、なんて。

……条件、ですか?そうですねえ、あの娘には割とハッキリ言っちゃったんですけど
わたくしの身も心もあの娘に屈服しちゃったらでしょうか。
もしそうなったらどうなっちゃうんでしょうねえ?
まず首輪にリード、ハーネスもどうとか言っていたような
私のキュートな狐耳にはイヤータグが付けられ、時には家畜呼ばわりされ
自分でプレゼントしたグッズで嬉々として可愛がられちゃったり?
それはそれでまあ……私も傾世と行かないまでも傾城くらいは乗り気な妖狐ですし?
もしも屈服しちゃったらめくるめく飼い狐生活の始まり、なんてぐあいでしょうか…――


            
           ……ええまあ。負けませんけどね。



【「ええ、はい、ではでは〜」――ぶつん。画面がブラック・アウトした端末を、妖狐は袖にしまいこんだ】


/遅れながら大変お疲れ様でした!ありがとうございましたっ!


929 : ◆ROhV0jlpGg :2018/05/07(月) 07:16:04 qpY1SMsA0
>>900

【男の言葉。少女の反応とは対照に、女は落ち着いたものだった。】
【すべて済んだ、と言わんばかりに、もと行こうとしていた方角へと足を向け直しつつ、口を開く】

――――生憎と、安い挑発に乗ってやる義理も無い。
何とでも好きなように言え、文句があるのならば法廷へと訴え出るがいい。

まあ……痛い目を見るのがどちらか、など……言うまでもないだろうが。

【ふっ、と鼻で笑うようにして、締め括る。そこに感じさせるのは絶対的な自信か】
【一歩、二歩、と歩き出せば、投げる言葉は背後の少女へのもの】

―――暴行で留置場に入れられても、面倒は見んぞ。
本当に無実だというのならば、余計なことをせずに大人しく去れ。

【―――そうして、女は本当にそのまま歩いていく。】
【もし彼女がそのまま、男の方へ向き続けたなら。きっと、返答すら聞かずに去ってしまうのだろうが……】


930 : "トビラ"の中 ◆191We52L8E :2018/05/07(月) 11:01:23 ekK.G.s60
>>920

【「いつものお姉ちゃんだ!」とでも思ったのだろう】
【少しも動かないつまらないオモチャを放り出し、仔猫は少女の方に駆け寄り、抱いてもらおうと跳びかかる】
【母猫の方も馴染みのある顔に気を許したのか、少女に並ぶようにその横に腰を下ろした】

【一方の青年はというと、これはもうなんの反応もなく、Tシャツの背はピクリとも動かない】
【しかし不思議なことに、"死"の気配は少しも漂っていないのだ】
【少女の指が触れた、肩まで届こうかという白髪は、少し乱れているもののやたらに艶があって】
【その下に覗く、血が通っているのか怪しく思えるような色の肌も、死者のそれとは明らかに様子が異なっている】
【とはいえ、それは決して生者の雰囲気を意味せず】
【もっと無機質な――――そう、まるで、初めから命など持ち合わせていないかのような】


【母猫が意味もなく一つ鳴く】【それに呼応するかのように、唐突に、何の予兆もなく】
【長い睫毛を揺らして、深紅の双眸が現れた】


「んと……『もしもーし』、?」


【うつぶせに倒れた体を起き上がらせることはなく、しかし、瞳は少女をとらえて】
【投げかけられた言葉をそのまま反芻しただけ、といった風に】
【されども、決して投げやりさを帯びることなく】
【白に包まれた青年は、少女にそう返答した】


931 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/07(月) 11:30:33 S/DUh6T.0
>>929

【暫し呆然と二人は立ち尽くしていたのだろう。時間にすれば寸刻にも満たないが】
【或いは然し永遠にも似た一瞬であった。切れ味鋭い舌鋒が、快刀乱麻を断つかの如く】
【男の方は女性の怜悧さにたじろぎ、言葉を失くしたが──】


……っ、警察の人らは、うちらを守ろうとせんのに、そういう所はしっかりしてはるしね
お偉いさんがたは皆そうどす。うちらみたいな人らより、ぎょうさんお金持ってはる人らのが大切やさかい
──なぁ、弁護士はんもそうなん? 弱者の味方ってゆうんは、肩書きだけ?


【すれ違いざまに言葉を投げ掛ける。ある種八つ当たりにも近い旋律だろうか】
【理論より感情が優先してしまった、言った後にはっと気づいたように表情を変えて】
【一歩、二歩と辿るように足取りを変える。後方を歩く女性に向き直って】


──……ごめんなさい、つい言い過ぎはった、お姉はんには関係あらへんのに


【謝罪の言葉を加えるだろう。バツが悪そうに視線を逸らして】
【店主の方は面倒事に巻き込まれるのが嫌なのか、少女の方に関わるのをやめて】
【少女はしばし女性の返答を待つ、返ってこなければ何か数言喋りかけるだろうが】


932 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/07(月) 11:43:16 S/DUh6T.0
>>930

【飛び込んできた子猫をむぎゅーっと抱き締める、ハートマークが付きそうなくらいに愛らしく】
【そのまま頬擦りの攻勢を加えるだろう。愛いやつ愛いやつとは彼女の言】
【器用に片腕で子猫を抱きつつ、もう片方の手でつんつんとしていた】


あれま、真っ白な殿方ですことっ、色気たーっぷりな辺り美形の匂いがぷんぷんしますが
それにしても、死んではいないんでしょーけど……不思議な感覚がしますです
ありゃ、お母様何をお鳴きになっていらして? はいはい、ご飯ならもう用意が──

あら、お兄さんってば生きてらっしゃったんですね、重畳重畳
起き上がれます? 無理ですか? 困りましたねー
可憐な少女たる鵺ちゃんには、お兄さんを持ち上げて起こすなんて芸当無理無理無理ですしっ


【此方の方向を向いた真紅の瞳に、彼女はやや驚いた素振りを見せる】
【瞳に映るのは好奇心と少しばかりの安堵。死体だった場合些か後味が悪かった】
【少なくとも生きている──それは彼女にとって、少なくない喜ばしさがあった】


はいもしもしですよっ、いやーお兄さんってばめちゃ幸運ですね
この世界にはわるーい人が一杯なんです、それこそ犬も歩けば何とやら、世紀末世界もかくやというほど
しかして、捨てる神あれば拾う神あり。お兄さんが巡り会ったのはそんな肥溜めに咲く一輪の花!

……肥溜めっていい表現じゃないですね。まあ、なんかそんな感じです、そんな
どうしたんですか? お腹空いてます? 古今東西行き倒れと聞いたら空腹画定番ですが
……ご生憎と猫缶しかないんですよね、いや、まぁ、食べれますけど……ねぇ?


【ちらちらーっと少女は猫缶をチラつかせる。高級食品であった(猫用)】
【鰹の出汁がよく効いた塩味。風味豊かな缶詰であった(猫用)】
【暫し彼女は貴方の返答を待つ。真紅の瞳を眺めながら】


933 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/07(月) 20:22:33 W2NMqHfc0
>>922

どういう不死かまでは俺には分からなかったよ
能力の話をするときのあいつは、抽象的な言い方を多用するようになってよく分からなくなるんだ
だから……って、何これ、ちょっと!

【思いっきり嫌な顔をしていたが、そのまま頭をスライムに覆われる】
【雑音が聞こえ始めると「あー」とか「おー」みたいな気の抜けた声を出す】

大体、こんな感じではあったかな。もっともっと強烈だったけどね……
ま、忠告はしたし、あとは邪禍さんの好きにしてよ

それはそれとして、部下の信頼とかそういうのなさすぎじゃない……?
まぁいいや。気が向いたら今言った話でもレオなんちゃらさんにしておいて

後は、俺としてはこのへんの話がしたい

【赤木は携帯端末を取り出して画面を切り替え、それを邪禍に見せる】
【そこにはここ最近送られてきたメールの内容が書かれていた。カニバディールからのものや、ミラからのもの等】

もう一体何がどうなってんの?
事態があっちこっちに変わりすぎて、直接関与してない俺はもうさっぱりだよ!

【赤木は話をアルターリの事件からチームMのものに変えたいようだった】
【ここ数週間で事態はいくつか変化していて、それについて文句を言いながら不満そうな顔をしていた】


934 : ◆zuR4sSM1aA :2018/05/07(月) 21:49:46 0jLFl.bY0
>>914

【マズルフラッシュを焚いて放たれる銃弾は一発も当たること無く】
【相手の判断能力は鈍い、おそらく一発で仕留められる────】
【などという油断が、女に隙を作るのだ。相手の身体能力を、判断能力を侮辱していたのだから】


「ッ、なにッ────!?」


【柘榴の花弁を風穴に添える代わりに聞こえたのは、絶叫じみた金属音】
【刃先をよく見れば、十字に交差された二丁の拳銃が受け流していたのだ】
【──しまった。想定外の事態に対応を迫られて、思考が鈍っている間に】


「ふッ、ぐ…………!」


【相手の眼差しが、此方を刺している。夜闇に潜む、鷹のようにも思えて】
【片足を軸に彼女が身を捩れば、空中で身動きが取れない女の頬を銃底が捉える】
【舌に固いものが転がる感覚を覚えながら、身体を半ひねりしてなんとか着地する】


「ッぺ……。やってくれんじゃねぇか」


【血混じりの唾を吐く──その中には小さな歯片も混じっていて】
【闇に浮かぶ月光を反射させながら、重力に沿ってゆっくりと落ちていく】
【──音もなく、落ちたのならば。息を一つ吐いて地面を踏み締めると】

【ごンっ、と小さなダイナマイトでも破裂させたかのような低い音が響く】
【手にしていた刀──破壊の集合体を思い切り踏みしめて爆散させたのだ】
【それも地面に置いていたから、土煙が上がって女の姿は捉えられないことだろう──】

【それも彼女が常人ならば、だが】


935 : ◆Heckemet8M :2018/05/07(月) 22:25:06 u1dxVMlM0
>>933

「まァー、種を易々と明ァかしたくねェんだろ。つゥまりビビってる!」
「――ククッ、まァ、いィつも通り俺様の好ゥきにすゥるぜ」

【なお、この腕スライムだが……確かめ終われば一旦顔から離れるものの、放って置くと、隙を見て断続的に雑踏を聞かせようとしてくる】
【別に顔を覆う必要は一切無いらしく、ある程度の面積を触れさせればOKらしい】
【この挙動に意味は全くない。ただの嫌がらせか何かだろう、それかせっかく腕を変化させたからもう少し動かしたいだけか】

「部下共をぎィちぎちに縛る趣味はねェんでな。そォれに、"あァる意味"信頼はさァれている、安心しィな……ククク」

【相変わらずの自信たっぷり加減。"ある意味"が悪い意味であることは、もはや言うまでもないか】

「――あァ、簡単に言ィうとだな」



    「色々あァッた!」


   【バァーーz__ン!】



【……さて、奇妙なポーズを解除しつつ】

「俺様もメールで届いた内容以上の事は知ィらねェ。マッチポンプ作戦に手ェを回してたかァら忙し……おォッと、そォッちは別の奴の仕業だァッたな」
「とォもかく、婦警抹殺作戦を遂行すゥるなァらば、鈴音誘拐の件の詳細を得ェるのが先かァもな」
「そォッちの件に婦警が絡んでねェなァらば俺様は関わらねェが、対価さァえ払えば何かの貸出はしィてやァらんこともねェ」

「こォーいう時、チームの拠点がねェと不便だァな。まァ、ごォッた煮チームだァからそォーんなモンか」


936 : ◆jw.vgDRcAc :2018/05/07(月) 22:37:31 DIKJp7AM0
>>878

【色々と手に取っては悩む娘の姿を、後ろでゆっくりと眺める。悪戦苦闘する姿も、なんだか微笑ましい。】
【活発で元気で……そして、男勝りな彼女が服を選ぶと、こうなるのだろう。なんだか、男の子みたいな】
【それはそれで悪くないというか、むしろいいような気もするが。そうじゃない、と本人は思っているようで】
【頼られるように見上げられると、その期待に応えたくなるのが親心という物で……】

……うん。そうですね……えーっと

【スカートやワンピースで女の子らしく……は、彼女はあまり気に入らないだろう。さて、どうしよう。】
【改めて娘の姿を眺める。日々鍛えられているだけあって、同じくらいの年頃の子と比べてすらりとスタイルが良い。】
【きっと、毎日の鍛錬の賜物だろう。自分を魅せるという点において、元の素材の良さはぜひとも生かしたい所。】
【―――しかし、自分が選んで子に与えるだけでは、学習にならない。こういう時こそ、一緒に考えるようにしないと。】

ベア。あなたは、顔もスタイルも自分が思っているよりもずーっと魅力的なのですよ?ふふっ
元が素敵なんだから……そうね。もっと自分を魅せるようにしましょう!
でも、露出が多すぎてはしたないのはお母さん的にはNGかしら……

……さ、一緒に考えましょう!スタイルを見せるにはどうすればいいと思いますか?
ヒントをあげましょう。半袖や半ズボン、ノースリーブみたいな腕や足を隠さないものだと、
より自分のスタイルが見えるでしょう?それに、動きやすい……ふふ。あなたにとってはきっと、それも大事だと思います。
あとは、色の組み合わせも考えてみて?あなたの好きな色は、何色ですか?

【……選んであげるのではなく、ヒントだけ与えて、あくまで娘自身に選ばせる。その方がいいと思う。】
【簡単な話だ。少女らしい可愛らしい服にしなくたって、彼女自身が少女なのだから、自分自身を魅せれば自ずと少女らしくなる。】
【意図的に変な柄物や男物を選んだりしない限りは、スタイルを見せるようにすれば動きやすさと活発な少女らしさを兼ね備えたようになるだろう。】
【贔屓目も入っているかもしれないが……彼女は魅力的だ。お洒落に無頓着な彼女にそれを自覚させる、いいきっかけになるかもしれない。】


937 : ◆zuR4sSM1aA :2018/05/07(月) 23:32:14 0jLFl.bY0
>>853

【彼女が小さなため息を吐いたのを見ていたけど、そうしたくなる気持ちも分かる】
【状況が状況である故に、敵であったとしても信じなければならないときがあるのだ】
【決して信頼できる相手でもない人間を一時的とはいえ、味方として見なければならないのだから】


「──厳島、命……。櫻国の諜報員なのか、そんな人間まで絡んでるんだな」
「どうにもおかしいな、下手すりゃ内政干渉だと取られても可笑しくない」


【彼女が語った男の名前に聞き覚えはなかったが、それにしても櫻国の諜報員が動いているとは】
【それがバレでもしたら、軍事干渉だと言われてもおかしくない──そんな事態だった】
【そしてふわふわしている、というのは印象の話だろうか?それとも語尾のことなのだろうか────】


「兎に角、本来は敵なのに色々と聞いてすまない」
「この借りは──、きちんと返すさ。安心してくれ、君らの手を汚させたりはしない」


【円卓参加者の名簿が手に入ったのなら、此方で全て“片付く”】
【そうすれば彼女たちの手を汚すこともないし、ことが終わればきっちり精算できるだろう】
【それには厳島命という男にあってみなければならないのだけど──伝手をたどって探してみることにした】


938 : 名無しさん :2018/05/08(火) 00:27:47 JQlEozC.0
【その村は少ない人口ながら人々が楽しく暮らして居た。他の場所との交流も特には無く、自給自足の生活】
【その村で産まれた赤子で其処で育ち、やがてはその村で結婚し歳を経て骨を埋める】
【その村は幸せに満ちていた。些細な事かも知れないけれど、穏やかに時間が過ぎていく】
【その村は変わらない。毎日草木も楽しげに囁き、暖かな日差しが照らし】
【その村は――――……】

「だぁれにも知られる事無く、静かに朽ちていってしまいました。仲の良かった人達はお互いを悪魔と決めつけ、裁くために傷付け合ったのです
――今宵私アリスが紡ぐお話は、お終い
たった数日。ねえ、どうだったのかしら。仲の良い皆での殺し合いなんてきっと楽しかったと思うけれど
綺麗な水にほんの少しだけ、汚れを落としただけなのだけなのに……簡単に黒く染まってしまうのね。不思議ね、不思議」

【今、瘴気に包まれたその廃村。場違いなお茶会用の椅子に一人座るのは簡素な紅いドレスを纏った少女】
【重怠いような、耐性が無ければ息をするのも怠く思えてくるような――】
【生きた人の姿など何処にも無く、有るのは嘗て村人だった人達の骸だけ】
【そのどれもが手に農具や包丁と物騒な物を持ち、互いの胸部に深々と差し込んで倒れている者も珍しくは無い】
【親と思われる骸が子を暖炉に押し込めるような姿。幼子が大人の背に飛びかかり刃で首を掻き斬ったと取れる死体】
【少女がたった一人の生存者と考えるか、それともこの惨事の元凶と捉えるかはこの場を訪れた者次第でもあるけれど】
【或いは、僅かにでも“魔”の存在が理解出来るならばその少女の存在も必然と分かるだろうか。――悪魔、と】

「――――これで一つの物語はお終い。楽しい楽しいお話の結末
……そしてこんばんは。新しい旅人さん。それとも悲劇を喜劇に変える騎士様かしら?もしかしたら悪い魔女?
どれだって良いし、何だって良いわ。楽しければ、それでお話が動くのだもの。だから、そう……
折角だもの。少しお話をしましょう?此処のお話でも私のお話でも、貴方のお話でも――……きっと、楽しいわよ?
美味しいお茶もあるし、焼きたてのクッキーだって。それとも、別なモノがお望みかしら」

【先にこの少女が気付いたのか、それともこの場を訪れた者が気付いたのか。それは然程重要でもあるまい】
【金色の双眸は其方へと向けられ、クスクスと小さく笑いながら話し掛けて来るのだ】
【小首を傾げれば良く手入れの施された金髪がサラリと肩を滑り】
【……数時間前、とある場所に対して救難信号が飛ばされた。それを辿ってきた人物が居ても可笑しく無い】
【ただフラフラと歩いていたら迷い込んでも、“ナニカ”を嗅ぎ付けて寄ってきた者が居ても】
【相手が誰であろうと、小さな悪魔は敵意も見せずこの場所でのお茶会に誘うのだ】
【断ったって、立ち去ろうとしたって。――急に攻撃を仕掛けたって。それは、全て来訪者の自由】


939 : 名無しさん :2018/05/08(火) 00:49:09 zjxmDfw20
>>937

それも――結構だよ、公安のひととも知り合っているみたいだったから。"ちょっとお手伝い"とかじゃ、ないの。きっとだけど――……。
やっていることね、聞く限りなら。櫻の国も敵だ……ってことは、ないと思うんだけど。……諜報員、だなんていうひとがね。
わたしみたいな……ただのひとにね、嘘つきがばれちゃうの。ちょっと変だから――"そうでしょ"?

【もう一度、ため息。重たくなった空気が身体の中にたまってしまったみたいだった――なら。ため息ついでに深呼吸】
【息が白くなる季節じゃなくって良かったと思う反面で、そうだったらなら少しくらい気持ちも落ち着いたかな、と、思う――ただ彼女はどうしたって、専門ではないから】
【そういった人間たちがどう振る舞うものであるのかは、知らない。素っ頓狂なことを言っているかもしれないけど――あくまで少女の印象としては、そうだった】

【――それからいくつかの情報を伝えるだろう。といっても、見た目のたぐいだ。髪の色とか、瞳の色とか、背丈とか、体型であるとか。そう言ったのを伝えて】

――ううん、いいの、今更だから。ほかにもね、機関のひとも手伝ってるよ。……誰か、は、内緒でいいかな――……、
…………――うん、待ってるね。今は味方だし――、まあ。だいぶ先のことだと思うから――、今はまだ円卓に居てもらわないとね、困るもの。

【本来は敵だのに――だけどそんなの今更だった。だけれど一つだけ違うなら"彼"にはそういう意味で絶対的な信頼があるのに対して、相手とは、初対面であったこと】
【ならばどうしたって彼へ対するものにはいくらか劣ってしまう。けど。――それでもひとまず相手を信用する。円卓を潰してくるって誓いを対価に、持っているものを渡して】
【――そこまでを話せば、腰に手。夜の風にふわっとスカートがなびいて――「もういいかな」って呟く、確かめるように、視線を相手に向けて――】


940 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/08(火) 01:01:35 ABHv169.0
>>938

【幻想的な光景であった。無数の骸に包まれながら、可憐に笑う少女の姿】
【月灯りが貴方の金の髪を溶かす。柔らかな光が、黄金色の残照を煌めかせて】
【それは追悼のようでもあった──悪魔の甘言に乗った哀れな人々への、鎮魂が如く】

【ふわりと舞い込む風が一葉。揺らす音律に微かな愉悦が混じっていた】
【貴女なら直ぐに察知するだろう。或いは目敏く感じ取るかもしれない】
【──『同類』であった、人類に対して僅かばかりの憐憫も見せないような、そんな】


あーぁ♪ すごぉく、素敵な景色──ねーね、この景色ってさぁ、君が作ったの?
すっごく良く出来てるねっ、分かるもんねー、この手入れされた自然の様子
きっと大事にされてきて、長く長く積み上げてきた歴史があって

──それをグチャって一瞬で壊した感じぃ♪ ボクね、そうゆぅの凄く好きなんだ、だって痛快じゃん
まるで自分達が世界一偉いだなんて宣って、えっらそーに草木や動物を支配してさぁ
なっさけなくぶっ殺されるニンゲン達がさぁ! いい気味だよねっ♪


【小柄ながら豊満な身体を大きく露出した、ホルターネックのビスチェ調の黒いビキニ】
【同色のローライズのショーツ以外は、白く肉感的な素肌を晒している少女であった】
【セミロングの藍色の髪の毛にはアホ毛が一本だけ揺れて、真紅の瞳を濡らす】

【背中には悪魔羽根が揺れて、彼女が人間でないことを伝えるのだろう】
【ピッタリとお尻に張り付くショーツから飛び出した、悪魔の尻尾がキュートに揺れたなら】
【長い睫毛がこれでもかと言うぐらいに、愛らしい雰囲気を創りだす】

【彼女は貴方の対面に座るだろう、真紅の瞳が写鏡の様に貴方の金色を写して】
【──悪魔とは少しだけ違う魔力であった。ほんのわずかな種類の違い】
【純粋な悪魔と比べると何処か褪せた風味の、そんな魔力であった】


ねぇ、どうやったの? ボク、それが気になるな♪ こんな見事に潰せるの、中々いないよ?
それに芸術的だもん、驚いちゃった! この我が子ぶっ殺してる親とか傑作だよね!
悪魔もドン引きするよっ、ニンゲンの本質が分かっちゃったって、感じぃ♪

ボク以外にこんな事できるの、あの糞ビッチちょうちょか、ぶっ飛んだジャ=ロしかいないと思ってたけど
こーんなかわいぃ悪魔が出来るんだもんっ、驚いちゃった
ねーねー教えてよっ! それでさ、仲良くなろうよ、ボク達きっと仲良くなれるよ♪

お友達から、始めましょ


【彼女は人懐っこい笑みを浮かべる、それはきっと人に向けられる事は無いけど】


941 : ドラ :2018/05/08(火) 01:15:14 XqQAhkbc0
>>918

【仮面の上からでもわかるほど勢いよく『ブフーッ!!クッフッフッフ……!!』と大笑いしたのが丸聞こえだった】
【明らかに『早いだけの殿方』の部分で大爆笑してやがる……だが一方でこの男の戦闘スタイルは思いのほか遊びが少ない】
【その凶暴さをむき出しにし、確実にに敵を取りに行く苛烈なモノだ】

【やはりこのドラという男、女相手だろうと敵であればためらわず戦闘不能に追い込もうとするタイプの人種だ―――!】

【うまく決まる、そんな確信はあっけなく裏切られた。がカチューシャはすさまじく軽やかな身のこなしで今度はドラの頭上を飛び越えた】
【「あら!?」と動揺を隠そうともしないリアクション、そして精密無比なその一撃!】
【振り向いた時には間に合わなかった、後ろからの精密無比な一撃は右肩にみごと命中、バチィン!!と大きな火花が舞い、金属か何かが砕ける音が響いた】


ぐああ!!……ここまでできるかい、大した子だな……!

(―――めちゃくちゃすばしっこい。まさかレバーブローをかわしやがるとは……きまると思ったのに!
運動神経はぼくと同等レベルに高いぞ……これまでぼくが倒してきた連中のなかでも格段に手ごわい部類の敵かもしれないな
OK、OK、呼吸を整えて確実に仕留めにかかる一手を少しづつ積んでいこう

現時点で見せているのはあの『狙撃』。奴はまだ鏡の能力すら使ってない……ま、手の内を隠しているのはぼくも同じ。少し……目にモノ見せてやろーか!)

―――……逆に聞くけどさぁ、これはぼくときみの戦い―――まぎれもない命のやり取りだよ?
そんな状況できみはぼくに『きみ以外のモノ』に目を背けててほしかったわけ?……戦いは混じりけがない、より純粋な闘志だけが存在してるのが一番さ
今この時のきみとの戦いに集中させてくれないかなぁ"カーチャ"?おばあちゃんも言っていた。『食事は一期一会、毎回毎回を大事にしろ』ってな

きみが力の振るい方を教えてくれるんだったら……ぼくは敵の『喰らい方』を教えてあげようじゃないの


【ベルトの横ホルスターから、ハンマーのシルエットが刻印された小型のディスクを抜き取ると、ベルトの鈴部分を横にスライド】
【斜め上からぐ、と押し込んで鈴部分をかちゃりと戻し、鈴を鳴らすと―――電子音声が響くだろう】


チリリーン♪『Tiger Breaker Active!』


【するとベルトの中央から光の玉が飛び出し、しばらくキャットⅢの周りをぐるぐる回ると、彼はその中身の柄をキャッチする】
【出てきたのは、片手で振り回せるほどの大きさの、虎の意匠が象られたハンマーだ、名を『タイガーブレイカー』】
【ぶん、ぶん、と重さを確かめるように振り回すと、一歩、二歩とカチューシャに近づきながら二回、三回、四回とベルトの鈴を鳴らし始め―――】


チリン チリン チリン チリリーン♪ 『Power Gain!!CAT!!』

まずは……純粋な『力』というものを味合わせてあげようか!!そぉらぁ!!


【電子音声と共にキャットⅢの体が若干光始めると―――突如、キャットⅢの足さばきが急激に加速する!】
【あのベルトには身体機能の強化システムが組み込まれているらしい、それがこれまでの彼の身体能力以上の力を発揮させたようだ】

【不意を突くように一気に距離を詰めて急接近!狙いは―――今まさに彼女が手にしている狙撃銃!そこに奇襲で力任せにハンマーを叩きつけにいくらしい】
【手へのダメージ、武装を取り落とさせる狙い―――いや、うまくすれば武器破壊を狙えると踏んでの一手だ!】


942 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/08(火) 02:02:36 ABHv169.0
>>941

【呼吸と呼吸の雲間に、僅かに陰る宵月の如く】
【肉薄する貴方の身体。荒々しい息遣いすらも感じ取れる距離】
【精力に満ちた表情、逞しい彩りに、胸の奥がきゅうと搾られて】

【脳裏を背徳が掠める、とろりと蕩ける被虐的な思考】
【此のまま剛毅で叩き潰されたなら、しなやかな指先を砕かれたなら】
【破壊する悦び、壊される快楽、一瞬の閃光は何を見せたのか】


……ふふっ、立派なモノをお持ちね、坊や──少しドキドキしちゃったの
イケないことなんて、言われなくても分かってるの、でもどうしてかしら
人は皆、そうと分かっていて禁忌を侵すの、悪徳に耽ってしまうの

ねぇ、どうしてなのかしら、私もそうよ、そうなってしまう一人なの
乱暴なだけでは濡れなくて、それでもその、若さに濡らしてしまうの
──はしたないの、きっとこれは、その罰ね

ふしだらな娘には罰を、身ぐるみを剥いで啼き止むまで恥辱を
ありったけの罵声を、両手は縛って頭の上、そして心ゆくまで鞭をください
被虐は悦び、やだ坊や、そんな顔するのね


【膝を折った、長い両脚が折り畳まれてその場に座り込む】
【手首で狙撃銃を回転、彼女の背中を渡って、右手へと移動する】
【そして左手は地面に付けるだろう、ハンマーが振り下ろされる位置へ】

【このままハンマーを振り下ろされたなら、左手の骨は粉々になる、細くしなやかな指も、全て】
【けれども、地面にハンマーを叩き付けるのはそれ相応の反動がある筈だ】
【回避は難しい、それならば洗練された"受け"を彼女は見せる】


坊や、私は貴方の言葉に乗ってあげるの、今は貴方の事だけ考えるの
貴方の指使い、貴方の舌先、貴方の言葉、貴方の──
そうあれかし、と望むのであれば、私は幾らでも貴方の寵姫になるの

命の取り合いとはそういうものではなくて? 尊厳すらも、賭けるにはまぁだ足りないの
私は私の全身全霊を以て、貴方に奉仕するのだから
坊やは大人しく、されるがままに腰を振るの


【右手に持ち替えた狙撃銃、引き金をかけて、鳶座りのまま銃弾を放つ】
【貴方のハンマーを持つ手を撃ち抜こうとする、可能ならば手の甲に銃口をつけて】
【──零距離狙撃とは言い得て妙か、歪む口元の笑みを残して】


943 : キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/05/08(火) 16:34:29 lp4TKcVo0

>353

【アナスタシアの話を静かに聞いているキング。だが大人しいのは上半身だけで、下半身は降りかかる火の粉の連続に焦りまくり】
【貧乏ゆすりをぎしぎし続けながら、指でつつ、とワインの瓶をなぞった。ダグラス・マックスウッド―――記憶喪失の元六罪王、カノッサの最高戦力。】
【自身もまた目の前で味わった異常なまでの戦闘力とデタラメな力、それを行使する本人が全てを失い此処を目指している―――それも、ウェインが吹き込んだせいで、だ。】


―――あんのクソ金髪すけこまし野郎め。アイツの入れ知恵かよ、死人はこれだから……嗚呼くそっ。
なんて奴を呼び込んでくれやがったんだ、なんだってUTをわざわざ紹介しやがったあのバカは!

眠ってたから知らなかった、で済む問題じゃねえぞオイ……どうすりゃいいんだ、ウチで匿うか?
いやでもな……自分より強い奴を匿うってのも変な話だし……ええい、ままよ。なるようになれだ、全く。


【とりあえず事情は呑み込めたのだろう。キングはダグラスについては一先ず納得し、出会った時に対処を考える事にした。】
【あれこれ対策を練ってみるのも悪くはないが―――そうするとあの力の有効活用、という部分ばかり頭に浮かんでしまう。例えばそう、】


奪還に……"協力"してもらう、とかな。

―――ああいや、なんでもねえよ。ごめんなアナちゃん、独り言さ。
それで……その通り、腐れ大企業が隠れて人体実験のオンパレード、正義感発揮してセリーナは突撃。

問題はそのセリーナがやられちまった、って点だな。よっぽどやべえ奴がいるか、数の暴力に敗れたか。
だが"弾"末魔はそれこそ対多数の戦闘には絶大な戦力を発揮する。一対一よりもよっぽど、それが本域とばかりにな。

となれば……アナちゃんの言う通り、セリーナを倒せる化け物がいるから、それをどうにかする為の化け物も必要……って感じになるな。
ただよ、ダグラスってのは―――だめだだめだ。辞めようぜそういうのは。危なすぎる、頼りになるのは間違いないが、何か嫌な予感もするぜそれは。


【ダグラスに頼る―――そう、ある意味で理知的な判断だ。だが無辜の男を戦力カウントするのは矢張り、気が進まない。】
【なにより下手に戦いの中で記憶や人格を取り戻したりされたらそれこそ大騒ぎだ。尤も、それもまた避けられない運命であるのかもしれないが。】


大体ダグラスの野郎は毒気だって抜けちまってんだろう? それこそ鉄火場に引き戻すのも酷な話だし―――……あぁ?
ヘイ、なんだよアナちゃん。言葉を濁すのはナシだぜ、こっちは腹割って話してるんだからな! なんなら酒のお代わりとツマミもくれてやるぜ。



―――まあでも。冗談抜きにどれぐらいの人数集まるかってのは……ああ、難しいな。
それこそ今いるメンツなら……W-Phoneを確認した限りだと数人、って所じゃねえか。どうにもメンバー事情はゴタゴタらしい。

……正直猫の手でも借りてえのが本音だ。最悪は、"オレの実家"に頼ることになる。
……けどその前に、ウチの連中と同じく"強大な存在"で、記憶が正しければオレの実家の近くに"とっ捕まってて"、
セリーナについてもそれなりに関りが―――ああいや、それなりってどころじゃねえな。アイツは友達以上の関係とまで言い切ってたし。ともあれ―――

……こっちにも一匹アテがあるんだ。オレも一回マジで戦ったことがあって、そん時も相当やべえ奴だったが――――、


………――――――――――――――、。


……あれ?


【そういえば、"彼女"は六罪王だった。ベイゼの口から洩れた"誰か"さんについても、そうらしい。】
【怪しげな赤い目が、目の前の美女の視線と交錯する。ひょっとしてもしなくても、―――"アテ"というのはどうやら同じらしく。】
【要するに、考える事は皆一緒なのだ。化け物には化け物をぶつけるんだよ、ホラー映画でもそんな台詞があった気がするし、何よりこの状況。―――キングは天を仰いだ。】


944 : キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/05/08(火) 16:34:57 lp4TKcVo0
>>358

【さて―――事情は複雑、相手も複雑、おまけに自身も複雑な心情と来た物だ。】
【重なってはいけない込み入った事件が一気に三つも四つも畳みかけて来て、もはやどこから糸を解いてよいのか】
【絡み合った因果に雁字搦めになるのは時間の問題か、若しくは既にそうなっていると考えてもいい程の状況であった。―――あった、のだが。】


(魔力―――練り上げた其れ、術式……いや、いっそ"呪い"の方が近いか?)
(分からんがかなり高度なテクニックで編まれた魔力群だな、禁呪や古代呪文を知る様な術者でないと作れない類の―――。)

(……それなりに技術も知識も着けてきたつもりだったが、こういう規格外のモンを前にするとまだまだ実力不足を痛感するな。)
(さて、重要なのは正体其の物よりもそういう存在である、って点だな。こりゃ、簡単には死なないし……体調その他の心配をするにも普通とは異なってくる、か。)


【作られた存在、という点で彼と彼女は共通点を持っていた。だが、一方はかつて確かに生きていた存在、】
【方やハナから人造生命体としてカプセルの中で作られた存在。同じ魔を宿す作られた存在であっても、そこに明確な差異はあった。】
【しかしだとしても、キングと鈴音は同類である事に変わりない。身から出る魔力の渦が、鈴音にも溶け込んでいくだろう―――本当の悪魔の、濃い魔力が、だ。】




あー……。


【しかし。矢張りそこはプラプラ生きている半魔と、全てを背負いながら進む少女。】
【持ち得る境遇が余りにも違い過ぎた。彼女が現在抱える状況を鑑みると、とてもではないが助けてくれとは言えない。】
【どうやら単に危険な状況にあるだけではないらしく、守るべき何かを失いかけている様な―――そんな素振りすら感じさせる。そういう、"拒否"だった。】


(……事情を聴いてからじゃないと全部を話し辛い。かと言って、だんまりって訳にもいかねえ。……参ったな、こりゃ。)


……そうだな。セリーナの話だけ……うん。したいのは山々だ。
オレとしてももう形振り構っていられん、全部ぶちまけてキミにも助けを乞いたい所、なん、だが。
 
悪いな、ここでキミが本気で怒って、オレをボコボコにしようとしたって、それこそ殺そうとしたって構わないんだが―――。



【一か、八か。キングは賭けに打って出る。ぐっ、と身体を鈴音へ近づけると、魔力を込めた紅い瞳で彼女の視線を覗き込み。】
【ある種の"干渉"を施す―――悪魔としての技術、感情に直接アクセスし言葉より綿密に意識を伝える、原始的だがシンプルで、効果的な―――】
【そういう"力"で以て、鈴音の心理にアクセスしようとするだろう。だが、仮にそれが叶ったところで"覗き見"はしようとしない、むしろ逆の事をキングは始める。】

【映し出されるのは景色。暴力と血に塗れた時代から、仲間に囲まれて世界を護る為戦った過去、そして一人の女性と出会い】
【そうして今も想い合っているけれど、決して会えない、そういう関係に至るまでの"経緯"―――つまり、彼の足跡を、流し出していこうとする。】
【特段、それがどういう事かと言えばなんてことはない、自己紹介にも近いそれだ。だが確かに、映像の中には含まれている―――セリーナとのそれ、楽し気に話す姿。】

【安心、という物をどういう形で提供できるか。考えた末に出てきたのが、相手が魔力存在であるが故の"術"だった。】
【セリーナとは親友である事。鈴音の話をいつも聞いていた事。そして、今大変な事になっているという"情報"を掻い摘んで―――、】


  【――――――ふ。と映像は途切れるだろう。或いは、前述の全てが拒否されていたとしても、同じくここに行きつく。】


……悪いな。オレはオレで女の子を見捨てて自分の都合を押し付ける、なんて事は出来ねえんだ。
何があったのか知るまで、キミがキミの事情を話すまで、セリーナの事は全てを伝えられない。

なんなら……知った後でもいい。セリーナがどうなったか聞いた後でも、構わない。構わないから―――鈴音。
キミのことを教えてくれ。今みたいに……オレの事も教えるから。だから……何があったんだよ、怪我も、それから"あの子たち"ってのも。

聞き流すにはちょいと、オレの耳は良すぎる。このまま、ってのは無理だ。
何を抱えてる。両手いっぱい、零れ堕ちてもう傍から"危険だ"って分かるくらいなんだぜ―――だから。

……話そう。互いに、互いの事を。お願いだ、鈴音。


945 : ラベンダァイス ◆auPC5auEAk :2018/05/08(火) 17:53:30 ZCHlt7mo0
>>917

(――――しっかり、しっかりしなくちゃ――――今考えるべきは――――彼らを倒す事じゃなくて――――ッ)

【傷に耐えながら、ラベンダーは今一度、己の中で状況を整理する】
【自分の火炎弾を、わざと注射器を守らない形で受けた3人の姿は、もうその意図を明確にさせている】
【今は、周りの群衆に対して『どれだけ劇的に戦って見せるか』を、一番に考えなければならない】

【――――この状況、しっかりと頭を回して居なければ、渦中にあってさえ、混乱は避けられないだろう】
【如何に、今の世界が混乱の中にあるものか。それを改めて認識させられる】

【――――放たれた回し蹴りは、群衆の足を――――発砲者を含めて――――捉え、転倒させる】
【ざわざわと波打つ草原の様に、人は揺らぎ、そして折り重なる――――発砲者は、まだ諦めては居ないようだった】
【――――「我々に英雄はもういらない! 人は人自らで未来をつかみ取るんだ! それが、先生の教えだぁッ!」】
【悲鳴と怒号が渦巻くUTの店先に、そんな声は確かに響いていた。誰のものかは分からないが、そんな声が確かに、群衆の中から1つだけ――――】

(くっ――――手加減はしてくれるようだけど、あまりわざとらしくまでは出来ないはず――――これ以上は、どうすれば――――ッ!?)
ぎ――――っ、ギアさん――――!!

【流石に、手負いの身で1対3の戦闘を「それらしく」演じる事も難しく、そしてあまり彼らにレベルを落とさせる訳にもいかない】
【どう対応するべきか。普通とは違う頭を巡らせていたラベンダーは、その増援の姿を見て、思わず声を張り上げる】
【――――かつて、『Amy Syndrome』のカプセルを守るためにD.R.U.G.S.首領〝Cypress〟と戦い、1度だけ仕事を共にしたUTの仲間――――ギア・ボックス】
【その任務失敗の直後に、軽く会話を交わしただけに過ぎない仲間だが、その応援は、正に『地獄に仏』だった】

【――――初めは、この状況に純粋なリアクションを返してきたのかとも思ったが、返してくる視線には、何かの確信を抱いたような光が浮かんでいる】
【どうやら――――彼もまた、この『見世物』の意味を理解し、一枚噛んでいるらしいと、ラベンダーは解釈した】
【スクラップズの、あの時には見なかったメンバーたちを抑えにかかるというギアに、その事を任せ――――ラベンダーはまっすぐに顔を上げる】

ヴ――――――――アアアアアアアア!! 『ベルセルク・フォース』!!

【一瞬、傷の痛みにうめきながら、ラベンダーはその力を開放する。全身の光のラインが激しく発光し、そして周囲に閃光が走る――――】

【ラベンダー色の装甲の様な表面に覆われた、太く、寸胴な体型の人型】
【ごつい大きな手を備えた腕には、左右にそれぞれ3枚ずつ、円盤状の刃が備えつけられている】
【機械的な頭部も相まって、まるでSF作品に出てくる宇宙服か潜水服の様な、人型のロボットの様な機械的な姿をしている】

【――――左の脇腹に、剥き出しの大きな貫通傷が見て取れる姿ながらも、ラベンダーは、あの時になかった力を発現させたのだ】

【スラスターから、ラベンダー色の噴射を吹かせて飛翔。群衆の真中へと飛び込むと】

――――死にたくなければ――――どけぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッッ!!

【今度は真っすぐに加速。慌てて飛びのき、あるいは這って逃げる群衆が開けた道を、カニバディールの元へと駆ける】

【――――右の拳をかます。もしも受け止められたら、わずかに力を均衡させた後に、後方へと飛びのいて】
【胴を捉えたなら――――そのままスラスターを吹かせて跳躍。5mほどの高さから、地面へと叩きつけようとする】
【――――勿論、どちらにしても本気ではない。投げ下ろすにしても、確かな受け身が取れるように加減をして】
【そして――――拳を均衡させている間か、空へと飛び出す一瞬――――カニバディールだけに聞こえるように、こう囁いたのだ――――】

【――――「3時間後、落ち合えますか? 場所は――――」群衆たちには届かない、完全に2人だけのメッセージが――――】

/了解です。では本文に書いたように、〝Der Tod und das Madchen〟イベの直後に面識を持っていた、という体でお願いします


946 : 名無しさん :2018/05/08(火) 21:30:14 JQlEozC.0
>>940
【この悪魔にとって、予想外の来客と言う事は一切無いのだろう。逆に言えば、この場に訪れる全ての存在を歓迎する】
【人でも魔物でも、天使でも悪魔でも。――ただ、今日だけは少し違った】
【悪魔、とは僅かながら異なる気配。きっと別な種族とまでは行かないだろうけれど、僅かな差異だからこそ余計に感じ取れる】
【クスクス、と少女は小さく笑って見せた。“悪魔らしさ”を醸し出す相手の所為か、自身と同じ様に惨劇の起きたこの場に相応しくない立ち振る舞いにか】

【小さなテーブルを挟む様にして向かい合えば、何処からか暖かな紅茶が現れて。――気付けば“在った”と表すべきか】
【先程までは無かった筈なのに、今は以前からあったの様に。まるで時間の捻れ。皿に盛られた、まだ暖かさの残るクッキーだって――】
【何より側に寄れば分かるであろう事。この少女自体が非常に曖昧にも思えるだろうか。居るのに、居ない様な】
【確かにこうして話、呼気を感じ、紅茶を差し出してくる。……だが、まるでそれらは幻の様でもあり】


「私は少しだけ“疑惑”を流してあげただけよ?だって、人間はお互い信頼が強い程直ぐに皹が入ってしまうもの。変な生き物よね、とっても変
この人達の中の誰かが悪魔に乗り移られている……そんな勘違いをさせただけで、みーんな憎み合っちゃったの
お母さんにが罵られた仕返しに。お父さんが殴られたお返しに。子供が殺された報いに――綺麗な水に落とされた不純物がグルグルぐるぐる。気が付けば全部が汚れてしまっても、もう気付かない
何で汚れてしまっていたのか何て、きっとどうでも良くなってしまったのね。それとも殺す事が楽しいなんて本能があったのかしら?
笑いながらナイフを突き立てて居た人も居たわ。謝りながら石で顔を潰している人も
貴女のお気に入りの“其れ”は……お婆さんを殺してこいって命令を出来なかった子に対しての罰だったかしら?
でも、この村を消したくて消したわけじゃ無いのよ?ただ、お話を見てみたかったの。全員が仲良しのこの場所に、少しでも疑いが産まれてしまったらどうなってしまうのか……そんなお話を

怖がりだから、きっと全てを支配したいの。臆病だから、きっと偉そうに見せたいの
一つ一つ殻を剥いていけば、みんなみんな弱虫で
だから人間は面白いのよ。私は好きよ?大好き。一人一人違うお話しを持っていて、読んでいて飽きないのだもの。だけど……」

【笑みには笑みで返される。きっと同じ様に、外見の歳相応の笑みで】
【ただ、その目は自分とはまた異なった悪魔を不思議そうに見つめる様でもあった】
【不意に、少女の姿が僅かにぶれる。気付けば、来訪者の直ぐ横から声が聞こえるだろうか】
【本人に敵意は無いが、それを攻撃と捉えて咄嗟に離れるのも良い。然れど、もし座ったままであるならば】


          「これでこの村のお話はお終い。きっとみんな急に壊れて殺し合った、なんて伝わっていくのでしょうね」
  「――初めまして、悪魔さん。お友達は大歓迎よ?だってずっと本を読んでいるだけじゃ詰まらないもの」
          「だけど、お友達ならお互いの事を知らないといけないわ。そうしなければ、ただの顔見知り止まりだもの」
                     「私はアリス。悪魔のアリス。本にも飽きてしまったからずうっと昔から人間を見ているのだけど」
  「貴女は何だか不思議ね。こうして悪魔の様に綺麗な尻尾も翼もあるのに、まるで少し違うみたい」
「ねえ、悪魔さん……貴女は誰かしら?仲良くなるために、私も貴女を知らないといけないもの」
「チシャ猫だってトランプの女王様だって、白ウサギだって知っているけど貴女の事は何も分からないの。貴女は誰かしら、悪魔さん?」

【来訪者の左に現れた悪魔が、撫でるようにして藍色の髪に触れつつ語りかけてくる。この村の顚末を締めくくるかのように】
【来訪者の後ろに現れた悪魔が、言葉を続ける。まるで翼の輪郭を辿るように、四つ指揃えて外縁を撫で下ろし】
【来訪者の右に現れた悪魔が、その差異を挙げる。尻尾の根元を掌で握り、擦り上げながら最後には先端の三角形を摘むように】
【――そして、変わらずに正面に居た悪魔が紅茶を啜りながら問う。純粋な悪魔とも異なる様に思える貴女は一体何なのだろうかと】
【それぞれが発する言葉は心をざわめかせる耳障りに聞こえるか。それとも脳を蕩けさせるような甘美に思えるか】
【どの様な言葉を紡いだって、“正面の”悪魔が楽しそうにその言葉を聞くのだけれど】


947 : トビラの中 ◆191We52L8E :2018/05/08(火) 21:49:42 2Og/BdkI0
>>932

【もう馴れっことでもいうべきだろう。仔猫はなされるがままだった】
【母猫の方も、少女に対しては警戒を見せることなく――内心ちょっと引いているのだが――もみくちゃにされる我が子を見つめていた】
【少々の優しさを受けたところで、野良の動物は人に懐柔されはしない】
【それを可能にしているのは、きっと、彼女の人柄が成せる業なのであろう】

「ああ、殿方、というのは間違いだな。生殖機能は持ち合わせていないし、ね」

【頭上で賑やかな少女と違い、その言葉は極めて静かであった】
【あまりに平坦すぎて、気迫とか感情とか、そういった類のものが読み取りにくく】
【人形のように妙に整った顔と相まって、機械音声が再生されているかのような】
【一種の冷たさともとられる雰囲気を纏っている】
【もっとも、体勢が体勢なのでかえって滑稽に映るかもしれないが】

「行き倒れ、と言えるのかな。活動開始はたった今だし――――
 ――――ああ、猫缶でも食べれるよ。人間用の食物じゃなくてもエネルギーにできるんだ。
 このままだと、立ち上がれなくてね」

【うつぶせに倒れたまま、青年はかすかに肩をすくめた】
【目を開いて以来、身体の各所が微妙に動いているのだが、大きく体勢は変わっていない】
【動かないのではなく、動けない。一言で表せばそうなるのだろうか】
【危機感のない語調ではあるが、相手の見方次第では重症に映る可能性もある】


「……でも、いいの? この子たちの食糧なんじゃあないのかい?」


【仔猫と母猫が、少女をじっと見つめていた】


948 : 名無しさん :2018/05/08(火) 21:57:32 JPvz6X4o0
>>944

【"これ"を例えるなら、きっと、祝福に似た呪いだった。投函することが出来なかった何万通の恋文みたいに重ねた気持ちの形、だけど、最後に呪いに転じてしまった情愛】
【いつか愛した人間と再び一緒に過ごしたい――たったそれだけの願いと気持ちから生まれたにはあまりに罪深くて救いようのない、禁忌そのものに近い、赦されざるもの】

【けれど一つ見立て違いがあったとしたなら。しいて言うならば――これはよほど優れた技術によるものではなく】
【むしろ。全く何も知らない子供が。全く知らない国の辞書だけを渡され。たったのそれだけで、一つの物語を紡いでみせろ、と、命じられたような】
【そういうちぐはぐさ――ひとつの綻びをふたつの綻びで塞ぎ、ふたつの綻びをみっつの綻びでごまかし、みっつの綻びをよっつの綻びでなかったことにする、みたいな】
【――だからこその、呪いだった。そうしてそうまでしないと果たせない願いを彼女は託されてしまっている。それとも彼は彼女越しに見るのかもしれない、施した存在を】

【――――――蛇だった。真っ白い、蛇。遊色効果を持つ半透明の白い鱗は光の角度によってさまざまな色合いに煌めいて。ならばひどく美しい、白蛇】
【血のように赤い瞳も併せたならば白子の蛇なのだとも知れる。そうしてその瞳の色は少女の右目と同じ色をしていた。――そんな蛇が、彼女には、憑いている】
【守護神だと言えば聞こえはいい。だけど存在はもっとかすかでありふれた魑魅魍魎にも劣る。ならばそこに覗き見ることさえ奇跡のような。ただ執念と未練と無念さだけで、留まるもの】

――――っ、

【びくり、と、その痩躯が一度震えた。本当の悪魔が持つ魔力を感じて――どうしたって魔力で動く彼女は魔力に対して敏感だった。あまりに色鮮やかならば、受け入れたくない】
【それは結局どれだけおいしいんだって分かっていても熱の時にステーキもチョコレートパフェも食べられないのに似ていた。――けれど。それとこれとは別でもあり】
【魔力で動く――普段は他者から魔力の供給を受けながら。自分でも魔力を作りながら。食べ物から自然に存在する魔力を取り込みながら。動いていた、動いていたのだけど】
【今この状態は――供給を受ける以外の魔力がほとんどなかったから。眠らねば魔力を作ることはできず、食べねばそれを取り込むことができない。ゆえに】
【拒みながらも消極的にゆるく取り込むのだろう、あるいは溶け込まれる。――呼吸する限り嫌でも副流煙を吸い込んでしまう、みたいな、温度感ではあったけど】

――――――"だが"?
……分かってないの? セリーナが居ないって分かったら、それこそ、黒幕だけじゃなくって、カノッサも、それ以外も……、来るかもしれないのに、
っ、う、――何、するっ……、

【ひどく鋭い目が彼を睨んだ。聞く限り状況は逼迫していて――そんなこと、言っている場合では、ないはずなのに】
【ぎゅうと自分を抱きしめたままで頭を揺らす、出来の悪い生徒に当たり前の道徳を説くみたいに――その実、余裕がなくって気を回せていないのは、彼女自身であるのに】
【ずいと身体を近づけられると反射的に身体を逸らす。だけど――これはやはり本能だった。魔力を感じてしまったなら、そこに目を向けてしまうから、目が合って】

【――情報が流し込まれる。強張る身体はそのことに慣れていないことを示す、ひどく硬直して――だから、途中で振り払うこともなく/できず。相手が見せようとした全部、見たなら】

そんなの――っ、わたし、なんかより! セリーナの方が大事、でしょ、――っみんな分かってるよ、そんなこと!
銃が握れたらセリーナだってわたしにいろんなこと、任してくれた? セリーナにできて、わたしにできないこと、わたしが、出来る子だったら――?
――そしたら、こんなふうにだって、ならなかったかも、しれない、……。…………――。

【――――世界規模で価値がある人間がいて。敵の場所に囚われていると聞いて。あまりに無感動に無感情に、なんにも考えないようにしながら、損得勘定だけで答えを出した】
【多分それで正解になるはずだった。それが正解だって言ってその話が始まるものだと思っていた。――ならば相手は今の彼女にとっての天敵に等しくて、それなら、困ってしまう】
【相手の言葉を受け入れるだけの余地はもはやない、最低限必要な話を聞くことはできても、自分のことまで話せと迫られるのは、ひどく、ひどく、苦痛に思えて】

【キングとセリーナの関係性は、分かった。だけど――それはやっぱり、少女がセリーナに向ける信頼が彼にも向けられるようになるようなものではなく】
【二人が知り合いであったとしても、彼女と彼は初対面でしかなかった。――ひどく悔やむ目は今までの自分の全部まで悔やんでしまうように切実で、だから、】


949 : キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/05/09(水) 12:13:12 lp4TKcVo0
>>948

【この半魔には、"五つ"の精霊が憑りついている―――と言うより、正式な契約の元加護を受けている、というのが正しい表現か。】
【超常的且つ幻想的、そういった存在の力を借りているだけあって、目の前の少女が何かそれに近しい―――"何者か"の起こす奇跡に依って】
【成り立っている者であるという事までは辿り着く。だが編みこまれたそれがよもや稚児の技で必死に紡いだそれとまでは理解できないだろう―――】

【何故ならば、通常そんなことは"滅多に無い"からだ。人体を成立させるほどの魔術、肉体を構築させた"祝福"。】
【そんな物を、ちぐはぐな技術で無理やりに繋げるなど―――正当な術式を学び、魔法の原理を理解している男であればあるほどに】
【理解が及ばない範疇の話。そう、気が遠くなるほどの熱意と執念、執着がなければ成しえないし―――想像だにしない結果が目の前の少女の存在だった。】


―――ああ、そうだ。セリーナが居ねえ。仲間が居ねえ。誰も居ねえ。
そんな事、対外に漏れたらUTは一気に責め立てられる。その通りだ、危険な状態だよ。


……けどな。そんな事は当たり前なんだ。やられる時はやられる、それを覚悟でアイツは此処を作った。
だから、大事なのはUT其の物じゃねえ。組織という形其の物じゃねえ、酒場の佇まいでもねえ、基地でもねえ。


―――そこに残る人間がいるか。再興しようとする人間がいるか。
"立ち上がってやろう"と思える、人間がいるかどうか―――そこなんだ。重要なのは、ソイツだ。

UTにとっての一番の財産は、キミやセリーナ、それに残った少ない仲間を含めた、"人員"だ。
集う事、立ち上がることを目的として作られた組織と考えりゃ、必然的な答えだろう。その仲間が、財産なんだ。


セリーナだけじゃないぜ。キミもだ。鈴音、キミも"財産"なんだ。いや―――……、
キミが、財産なんだ。キミこそが、そうだ。セリーナの方が大事だって? そんな筈、あるか。

セリーナが自分を、誰かより大切な人間だなんて思い込む様に見えるか。
仮に回りがそう言ったって絶対に認めねえ。そりゃそうだ、そんなモン大間違いの大ホラだからだよ。

オレだって認めねえ。どっちが大切かなんて、そんなアホらしい疑問には答えるのも辟易とするが……
応えは"どっちも大切"だ。それ以外の回答はねえ。一つもねえ。どっちもだ、鈴音。キミも、セリーナも、それに―――みんなも。

出来る事、出来ない事、人それぞれ違って、無力さを味わう時だってある、けど―――忘れるな。


【何処まで行っても、この男はあくまで悪魔。そして、人の血を継ぐ人間でもある。】
【だから、愛さずにはいられない。守ろうと、救おうと思わずに居られない。目の前の少女が、そんな表情で】
【こんなにも困っているのに―――そこで何も声を掛けず、大事な事を伝えず居るのは無理だった。それが、どんなに苦痛を孕んでも。】

【鈴音自身が苦しいとしても、だ。もっと酷い事になる前に―――此処で、聞き出す。】
【何があって、どうするべきかを。確かに彼女の考えは間違っていない、目の前の見ず知らずの男を頼るのもおかしな話だ、それでも。】



セリーナは、キミを必要としていた。大切に思っていた。

悔やんだり、否定したくなる気持ちは分かってあげられる。オレだってそうだったから。
でもそれは、本当は自分を大切に思ってるからこそ出てくる感情だ。鈴音、今一杯一杯で、大変だろうけどよ。

頼むから……オレに向き合う、チャンスをくれ。キミが居ないと、セリーナを助けられない。
セリーナもキミに、助けてほしいって絶対に思ってる。本当だ。嘘じゃねえ。だから―――……、だから。

互いに助け合わせてくれ。……それが、UT<此処>の流儀だろう?


950 : 名無しさん :2018/05/09(水) 12:54:39 JPvz6X4o0
>>949

【――――きゅぅ、と、少女の喉が小さな音を立てた。それは呼吸の仕方を一瞬忘れてしまったみたいに、それとも、変な力が加わってしまったみたいに】
【セリーナがいなくて。仲間がいなくて。誰も――みんな、居なくなってしまった。もちろん、全員じゃない。まだ残っているひとは居て、だけど、だからこそ】
【居なくなってしまったひとたちがどうしたって目立ってしまう。――そんなの分かっている。そしてそれは他の――それこそ戦うためのひとたちこそ、知っているだろう】

――――――――、

【正しい答えを言ったのだから。それで良くって、物事も、全部良くなればいいと思った、自分ひとりが少しくらい辛くたって、それ以外のものが救われるなら】
【少女はそういう考え方をする――というのはちょっとだけ間違っていた。正確に書くのならば、追い詰められた時や余裕のないときに、そういう考え方をする、癖がある】
【ありふれた人間や日常や平穏に憧れれば憧れるほど、当たり前の前提すら持っていない自分に価値がないと思う。何年も積み重ねてきた自分に対する呪い、性格、みたいなものなら】

【――きっと、ひどく傷つけられた人間のような顔をしているのだろう、到底書き表すことのできない汚らしい言葉で心を犯されたみたいに、それくらいの、表情を】
【当然彼はそんなことしていない、むしろ全く真逆のことをしていると誰だって分かるはずだのに、少女には理解できなかったみたいで。ぎゅうと自分を抱きしめたなら】
【足をずりずり擦るようにわずかに後退する、これ以上は嫌だと言う意思表示、だけれどこれ以上に踏み込まないと何にもならないと言う目印、開け放たれたドア越しでも】
【室内と室外とで隔たれているみたいに。彼からすればこのドアの向こうは、少女が一時であれ逃げ込んで隠れる場所に選んだ安全地帯で。だからこそ、意味があって】

――嘘だ、嘘だよ、みんなみたいにいろんなこと、上手にできない、すごい能力だって、ない、銃だってできないのに、
いっぱい頑張ったのに――、全然、よく、ならなくっ、て、――みんな、頑張ってる、のに、わたしがっ――、わたし、が、邪魔、してたら、
どうしようって……、セリーナだって、――みんな、だって、わたしが、もっと、――、

【いやいやするみたいに頭を揺らす、"それ"を受け入れてしまったなら。いろんな自分が嫌いになる、ひどいことを言ってしまった自分も、それで、避けられていると思っていた自分も】
【だからってそれがひどいことだともきっと分かっている。いろんなことを分かりながらも、だけど、受け入れること、ひどく苦しくって、痛くって、辛いなら】
【気づけば大粒の涙がぱたんぱたんって落ちていく――彼の知らない事柄も含めて口にするから、意味はきっと全部は伝わらないのだけど。だけど、何かが、どうしようもなくて】
【いろんなことが重なってしまって。おいしいミルフィーユだって上手に食べられなくってちりぢりになるなら、苦痛めく現実だなんて、もっと、上手には、出来るはずない】

なんで……?

【――本当に分からない。そういう声だって、ぼろぼろ泣きじゃくりながら、架空のぬいぐるみを抱きしめるみたいに。自分を抱きしめながら】
【どこかでちょっとだけセリーナみたいなひとだと思った、だけど何かが違うと思って。――それを考えること、今はまだ、それだけの余裕はなくって、できないけど】
【じりじり逃げ出そうとしていた足がふっと止まる――いろんなことが嘘じゃない、のは、分かる。分かった。分かったけど――飲み込み時を見失った餅を噛むみたいな、気持ち】


951 : キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/05/09(水) 14:00:26 lp4TKcVo0
>>950

【離れていく。物理的距離も、精神的距離も。一歩、また一歩と。足を引き摺るようにしてずりずりと。】
【鈴音の方が、キングから距離を取る様に退がっていって。―――追いかけるのは容易い。鍵は締まっていないし、扉は開いたまま。】
【だが先程、扉が全てを隔てていたその時よりも更に、溝が深まってしまったかの様に―――動けないでいた。逃げる鈴音を、キングは一先ず追いかけずにいた。】


―――ああ。そうかもしれない。鈴音には出来ない事があるんだろう、銃だってそうだろう、戦闘だって……。
本当はもっと、出来るようになってて可笑しくないかもしれない。セリーナだって、"訓練"してくれてたんだもんな。

だけどよ、鈴音。キミをセリーナが鍛えてたのはなんでだ? 強くなってほしいから? 自分を手伝ってほしいから?
戦力としてカウントしたいから―――? いいや、そうじゃねえよ。頑張ってほしいからとか、足で纏いにならない為にとか、そうじゃない。


―――アイツはキミを守りたかったんだ。心の底から。本当だ。
だからたんぽぽを開く時に、条件として訓練を申し出た。だって、キミが相手にするのは、"普通の人たち"だけじゃ、ないからだ。

貧しい奴ら、怖い奴ら、行くところのねえ奴ら……色んな連中が、優しさに、灯りに導かれてたんぽぽに寄り添う。
そうなった時、セリーナは両手いっぱい広げてキミを護れるか、自信がなかった。それでもキミの夢を、応援したく思った。


だから、教えた。身を護る術。誰かを護れる術。最低限、"危険をいなすだけの術"を。
真っ向から断ってやるのもキミの為だったろう。危ない、そんなの無茶だ、そう言ってたんぽぽを断る事だって、奴には出来た。けどしなかった!


当り前だろう。……―――アイツにとって。キミはそれだけ大きな存在だった。
いいや、セリーナだけじゃない。みんなにとって、鈴音がどれだけ尊い存在か。誰もかれも、酒場に来る奴は全員―――

キミの名前を出す。「おい、今日はあの可愛い給仕さんはどうしたんだ」「最近見ねえな、何かあったのか」
「倒れてたんだ、頼むから様子を見てやってくれ」―――ほんの二日か三日、オレが来てからそれしか経ってないのに。
鈴音の名前を聞かない日なんて一日も無かった。全部本当の事だ。全部オレが直接聞いてきた事だ。みんな……心配してるんだ。

なんで? 簡単だよ。セリーナも、店のみんなも。鈴音を知るすべての人間が、鈴音の事を好きだから!
それ以外に何があるっていうんだ? 嘘だと思うなら―――


【ようやく、キングは踏み出す。部屋の中へ、ゆっくり。一歩、一歩と鈴音に近づいていく。】
【立ち止まり涙を流す彼女、自分の身体を自分で掻き抱く鈴音を、キングは―――その両手で、包もうとするだろう。】


オレの心音を聞け。
ほら、ドキドキしてるだろう―――キミがどんなに追い詰められてても。
それは自分を蔑ろにしていい事の理由になんて、なりやしないんだ。鈴音……本気でこの状況を打破したいなら。

抱えてるモンを互いに、見せ合おう。そうすりゃきっと……きっと。よくなる。大丈夫だ、絶対……なんとかしてみせる。だから―――。


952 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/09(水) 14:09:37 W2NMqHfc0
>>935

…………何その変なポーズは。まぁいいや。そりゃ邪禍さんも知らないよね
ナンバーズな上、どっかでテロまで起こしたカニバディールが何か、それこそ正義の味方みたいなこと言い出したと思えば
鈴音が誘拐されるし、あれだけ肩入れしてたミラは手を引くとか言い出すし、もう何が何やら

【寄ってくるスライム腕を手でしっしっと追い払いながら話を続ける】

貸し出しかぁ
んー…………俺としても、公安やレヴォルツィオーンに関係がないところまで手を回す余裕はあんまりないんだけど
けど、婦警ってのが接触してきたのは鈴音だしね。黒幕の連中が尻尾を出したっていうんなら、掴んでおきたいよね
まぁ、ただの技師である俺としては、そのあたりの細かい作戦については他の誰かに任せるよ

【邪禍同様、この件に関して赤木は消極的だった。理由は邪禍とは全く異なるものではあったが】

ごった煮チームってのは分かってるけど、本当に不便だよね
俺も機械人形を邪禍さんに納入するのはいいけど、間に誰か挟んでるってのはいいんだか悪いんだか
どこかに拠点があって、そこに放り込めばいい、とかだと助かるんだけど

【不便さについては同意見。物を作成して渡す側である都合上、いちいち誰かを探して渡すのは非効率にさえ思えた】


953 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/09(水) 14:17:57 ABHv169.0
>>946

【俯瞰する悪夢にも似て、互いに見せるのは落ち着いた様相。ある種の同一性がそこにはあるのだろう】
【差し出された紅茶のカップ。露出した細い指先が磁器の表層をなぞっていく】
【それは僅かな暗示であった、そこに居るようで居ないような貴方を確かめるような】


なぁるほどねっ、ニンゲンの愚かなトコ、よぉく分かってるんだね♪ ボク驚いちゃったよ
だーってこんなヤツらの考えなんて、理解する気も分かる気もさらさらないしっ、変わってるね
ボクは嫌い、嫌い──大嫌い、だからこそ、この光景は大好きなんだ、あっ……

──んもぅ、アリスちゃんってば、だいたんっ……んぅ……いきなり、ボクの恥ずかしいとこ、触るしぃ
ぁう──んっ、でも……満更でもぉ、ないよぉな……ぁ
そこ……っ──ぃい……っ──そこ、すきぃっ……


【彼女の周囲に現れた悪魔達が、彼女の身体に触れていく。吐息に熱が篭った。艶やかな呼吸が漏れて】
【白い太股を内側にきゅっと寄せて、ゾクゾクと身震いしたなら裸足が伸びたり縮んだり】
【もどかしい快感を抑えるように右の指が、蕩けるように自分の口内を掻き混ぜた】

【──とろん、と目尻の真紅が溶けたなら、ビクンビクンと身体を大きく震わせて】
【かくんと糸が切れた様に身体を前に折って、視線を下に向けた】
【少しして、ぺたりと、顎をテーブルの上に乗せて貴方に視線を向ける】


……もぉ、アリスちゃん……大胆っ──ぁ……まだ、ちょっとぉ……
ボクが骨抜きにされるなんて、中々ないんだから、アリスちゃんの手腕に脱帽だよ♪
ボクはね、イルってゆぅんだっ、イル=ナイトウィッシュ

"病魔"だよ。正確に言うと、ちょっと違うんだけどぉ、大体はそういう存在なの
そこのニンゲン共が可愛い可愛い病に、そんな名前をつけて弾圧するもんだから
ボクが代わりにお仕置きを下すように、生まれちゃった訳──そんなとこかな

だからね、魔界ってそんなに行ったことないんだっ♪ 生まれも育ちもこっち、だったし
ねぇね、アリスちゃんは魔界出身なの? だとしたら、どんなトコだったの?
チェシャ猫、トランプ、三月ウサギ──不思議な国が、相応だと思うけど


【話している内にペースを戻して、頬杖をつく形で問いかける】
【柔らかいほっぺたをふにふにと、自分の指でなぞって】


954 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/09(水) 14:28:17 ABHv169.0
>>947

【言葉が聞こえた。──最初、その声があまりにも平坦なもんだから、幻聴に聞こえて】
【次に子猫が喋ったのかななんて考えて、君かい? と頬ずりしてた子に尋ねて】
【最後にようやく、うつ伏せに倒れた貴方がかけてきた声だと気づいた】


おおぅ! 貴方でしたかっ! 吃驚ですよーっ、ほらほら、喋る時にはきちんと、喋りまーすって合図してください
じゃないと鵺ちゃん飛び上がってしまいます、えっ? 殿方じゃないんですかっ?
じゃったらでしたら、なんとお呼びしましょう? お、お姉様?

まあ確かに別嬪さんは別嬪さんですけどっ、なんか変わった喋り方される人ですねっ
なんとゆーか平坦というか、鵺ちゃんのお胸というか……いやジョークですよ、笑ってください
んまぁ広い世の中ですしっ、そんな風に喋る方もいらっしゃるんでしょうけど!


【こう喋る人もいるにゃん♪ と言って猫と一緒に猫娘のポーズ、多分反応はされない】
【ソプラノの音色を歌う様に紡いでいた。そこに僅かばかりの落ち着きはなく】
【ぱちくり、大きく瞬きしながら貴方の様子を観察する】


あれま、ほんとに食べるんですか? どうしてもっと言うなら鵺ちゃんは止めませんが
ですが味うっすいですよぉ、あまりにもひもじい時に恵んでもらったことありますけど
なんでこの猫さん達はこんな薄味で我慢できるのか心配に思いましたけどっ

そりゃ三等分です、喧嘩しちゃ鵺ちゃん怒りますよ? 仲良く食べてください
それじゃ、遠慮なく──


【ゴシックワンピースの姫袖からクナイを取り出し、小脇に子猫を抱え猫缶を開ける】
【中の固形肉を器用に三等分し、母猫、子猫へと渡して】
【最後に缶の中に残ったお肉を、貴方へと差し出すだろう】

【あ、あーんして差し上げましょうか? なんてナチュラル煽り】


955 : ドラ :2018/05/09(水) 15:57:38 XqQAhkbc0
>>942

(まずここまでやりあった結果わかったのは、彼女の攻撃手段はほぼあの『狙撃銃』に依存している事。
あのガラス細工の魔法陣からの攻撃で多面的な攻撃をしてこないあたり彼女の能力そのものには攻撃力がないのかな、だからあの銃を破壊されたり
ぼくに振り落とされたりすることに関してはわりと死に物狂いで防いでくる、という訳だ)

(次に彼女の持つ身体能力。持って生まれた運動神経がこのぼくに匹敵する……回避力が半端ない
ぼくだって彼女並みに回避力には自信があるんだが……彼女の狙撃は精密無比。確実に当てることに関しては圧倒的にあちらに利がある
よってこの部分において圧倒的不利な状況という訳だ―――なるほどなるほど)


【表層はおどけながらも内面は極めてクール。何手にも及ぶ攻防の中でドラはカチューシャの力量を少しずつ理解しだした】
【彼女を倒すために取らなければならない手は何か。何を出せば勝利は見えてくるか、死に物狂いで思考し続ける】
【彼の長年の戦闘経験の中から最善手を見出す作業は今この時も続いている】


(この戦い、ぼくの方もいくらか『犠牲』を支払わなければならなくなるだろうが……決して勝てない戦いではない
どちらが勝利するか現状ぼくにも全く想像はできないが……うふふ、どっちにしろもはや『勝利』だけでは割に合わないことになるだろうね
カチューシャ、きみは強い。馬鹿正直な手ではきみはぼくの指の中から容易く零れていくだろう―――だから、きみに対して最も必要な『一手』は……)


【『タイガーブレイカー』は片手武器、十分な威力を叩き込むためにはなおの事渾身の一撃でなければならないだろう】
【その通り、降り下ろされたならば確実にその手を砕けるし、その際に起こる反動で確実にキャットⅢは右手を引き抜くことが出来ない】
【彼女の狙い通り―――彼のハンマーを持つ右手は間違いなく撃ち抜かれるだろう】

【―――右手。そう『右手』だ】

【最初の降り下ろしからのレバーブローも右腕で防御し左手で放っていた。そして右肩にはカチューシャの背後からの狙撃が命中している】
【確実にダメージが蓄積していて、十二分の威力は乗らないであろう『右手』でハンマーを振るっているのだ―――】
【威力はあまり乗らなくてよかったのだ。狙いは彼女の左人差し指の位置。そこにダメージを与えて砕けなくてもあわよくば引き金を引く指の動きが削げれば、それでよかったのだ―――】


おやおや、ぼくにその『左手』くれるの?うれしいなあ……じゃあお返しにぼくもきみにこの『右手』をあげるよ
これで貸し借りなしだよね?―――じゃ、遠慮なくきみから勝利を『奪わせて』もらっちゃおうかな?

――――ほぉら、捕まえた


【―――『罠』だ!!キャットⅢの言葉通り、引き抜けない右手をなんと自分から差し出した―――狙い通り手の甲に銃口を自分から差し出した!】
【彼女の狙い通りキャットⅢの右人差し指の付け根あたりに命中、装甲は一撃で砕け、血が噴き出始める―――】
【だがこれで左手が開いた―――その左手をカチューシャのさらさらの前髪あたりめがけてす、と手指を髪に絡められさえすればそれでよかった―――これが成功したならば】


―――リーバッフオーバードライブ!!


【絡めた指をぐ、と掴み―――むんずと彼女の髪をひっつかみ、一気に彼女の頭部を下に降り下ろさせるのが狙いだ】
【ドラはこの一手で彼女を『捕まえたかった』のだ―――!その降り下ろされた彼女の顔面目掛けて―――鋼鉄の右膝蹴りを叩き込むのが本命!】
【無論波紋入り―――顔の筋肉が痺れ、どちらかの目が上がらなくなるかもしれない追加効果もおまけだ、これが成功したならば、おそらく彼女は彼の手から離れ後ろに吹き飛ぶだろう】


956 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/09(水) 16:21:08 ABHv169.0
>>955

【──銃声、撃ち抜く貴方の右手。硝煙が彼女の透き通る髪をなぞって】
【鮮血が零れた。手首を伝い零れる血筋は、枯葉細工の如く淡い色合いを見せて】
【唇の端が微かに濡れて、そこに映すのは白妙の微笑み】


……っ──ぁぁ……痛いわ、痛いの、坊や──とても
狙撃手の指が、っ……どれだけ繊細か、分かっていらして?
人を殺める指先は、誰よりも重いの、伝わるかしら


【左手の人差し指へ振り下ろされる槌。覚悟はしていた、それでも漏れる嬌声を止められず】
【傷口が熱を持った。口元から滴る熱混じりの吐息、大きく胸を揺らす呼吸の破片】
【砕けた爪が皮膚を蝕む。卵の殻を砕くが如く、しなやかな指先が壊れた】

【しかし、いつまでも痛みに浸らせてくれない。ぐらりと身体が前方向へ乗り出した】
【前頭部に感じる痛み、前髪を貴方の指先に絡め取られている】
【──弾け飛んだ。右膝が彼女の顔面を捉え、華奢な彼女を後方まで吹き飛ばす】

【地面に叩きつけられ細身が跳ねる。無造作に投げ出された両脚が、どこか淫らであった】


……ふふ、久しぶりね、久しぶりなの、ここまで苛烈に責められたのなんて
危うく意識が飛びそうになって、その限界で果てた思い出が蘇ってきたの
いけないの、仕置きの最中で寝てしまったなら、更に凄絶な折檻が待っていて

乙女の顔に危害を加えるのは坊やの特権。──殿方は顔を汚すのを躊躇われるから
左目が開かないの、貴方の攻撃を受けると痺れてしまうの。それは物理的なものかしら
どちらでも良いの、ただあるのは、私の頬に傷つけた貴方の標


【地面にピンヒールを突き立て立ち上がる、左の頬が腫れ上がり痛々しい様相】
【波紋の効果もあって左目が閉じていた。眠姫のように整った寝顔の様子】
【そこに怯えも怒りもなかった。ただ新雪の如き、深い落ち着きを携えて】

【左手が伸びて頬を撫でた。パントマイムの様にしばしどこかと、指先で頬を辿って】
【傷口に触れてビクリ、と身体が震える。あぁ、と小さく吐息を漏らした】
【右手の狙撃銃を下ろしたまま、立ち尽くすのだろう。反撃はしなかった】


957 : ドラ :2018/05/09(水) 18:39:07 XqQAhkbc0
>>956

【右手の人差し指の感覚がほとんどない―――手の甲の装甲も完全に砕けていた】
【だがやったかいはあった。『右手』を差し出しながらもみごとカチューシャの顔面に本命の一撃が入っていた】
【ようやくのクリンヒットである。―――まずは一撃。ドラは仮面の下で誇らしそうに笑みを浮かべる】


いってぇ……躊躇わず撃ちやがった。やるじゃないの

言っておくけどそーいう趣味って訳じゃない。ぼくは―――敵から勝利をもぎ取るためならあらゆる一手をためらわないってだけさ
大真面目な余所行きのぼくのスタイルだよ。本当に強い奴にしかぼくの本気は見せないんだぜ、誇っていい
だから、本当にきみの事はスッゲー可愛い子と思ってるよ、悪事を働くカノッサ機関の連中なのが残念なくらいにはねぇ

―――今日一日はその目は開かないぜカーチャ。グズグズするなよ……まだぼくの本気は終わりじゃない
きみの『まいった』の一言が口から飛び出すまでが勝負だ


【またなれなれしく縮めた愛称でカチューシャを呼んでくるドラ。親愛のつもりだろうか】

【撃たれた右手の痛みをぶん、と降ってごまかしながら、彼は再び戦闘態勢を取り始めた】
【左目が開かないのなら大成功だ。これでこちらから見て右側からの攻撃には対応が遅れる事だろう】
【最も、その右手はかなりボロボロなので拳を放ってもあまり威力は乗らないだろうが】

【彼は躊躇などしなかった―――立ち上がり、まだ構えなどはない物の戦意を失っていないことは読み取れた】
【彼女が立ち上がると同時にキャットⅢは動き出していた!左目を閉じたのをいいことにこちらから見て右の方向に楕円形の軌道を描きながら接近!そして】


―――仙道ウェイブキック!!


【放たれたのは右足の蹴り!―――左目を閉じたゆえに右目で見るのが出遅れると踏んで早速かましてきた】
【狙いは彼女の左の腹部から腰にかけての位置!渾身の一撃をここに見舞う!】


958 : ◆Heckemet8M :2018/05/09(水) 19:04:41 u1dxVMlM0
>>952

「まァ、状況が混沌としィているのは混沌の味方であァる俺様としィては見ィていて面白ェ」
「――ククッ、今回の件はお前も乗ォり気じゃアねェみィてェだな。問題ねェ、あァッちはレオーテヴュートの担当だ」

【そういえば、奴に丸投げしたことは軍人にしか伝えてなかったか。――なんて付け足すように呟いて】
【身体の一部を変化させたものだが、別の意思を持っているかのようにうねるスライム】
【追い払う手の動きをされれば、最初は諦める(ふりをして再び接近する)ものの、そのうち拗ねた様子で体育座りの人型を作り始めるだろう】

「俺様みィてェに世界経由で部下共と簡単にやァりとりでェきねェのは本当不便だ」
「もォはや召喚拒否に返事すゥら出ァさねェレオーテヴュートだァッて、俺様かァら向ゥかえば一発だァといィうのに」

「拠点……ソイルベイビィ研究所は警備が不十分だァな、そォれに存在を隠してねェ」
「……そォーだ、良ォい物件なァら知ィッてるぞ。セキュリティばァッちり、場所も良ォい感じで、家賃月36万+利用者1人辺り4万追加な広々物件!」

【……その怪しすぎる表情を見れば、それの持ち主が誰であるかは自ずとわかってしまうだろうか】
【こんな輩が持っている物件なんて、一体何が起こるかわかったものじゃあない】
【おまけに微妙に高い。いや、兵器やら機械やら何やらにかかった費用に比べれば安いのだが……】


959 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/09(水) 19:30:20 W2NMqHfc0
>>958

ま、必要であれば手を貸すけど。鈴音ってやつとは色々あってね
俺が積極的に関わるのはちょっと、都合が良くないんだ。レオなんちゃらさんが間に入ってくれるんならちょうどいい
手伝ってもいいって言っておいてよ……もしくは、普通に連絡先教えてよ

【拗ねたスライムの様子を一瞬は気にしたが、それどころでもないので一瞬だけだった】
【いい加減、邪禍を間に入れるのが面倒になったらしく、連絡先を要求。召喚に応じてくれるのが楽だったが】
【どうにもその様子が全くないので諦めた】

…………いや、邪禍さん持ちの物件ならタダで貸してよ
そんなセコい商売してる場合じゃないでしょ。っていうか、地味に高いしさ
いや、セキュリティばっちりならいいのかもしれないけど、何でそういうみみっちいことするかなあ!

【ちまちまと商売しようとする邪禍にイラっとした様子で赤木は文句をぶつける】
【料金そのものには納得いきかけてたが】


960 : 名無しさん :2018/05/09(水) 19:47:57 d49mbfew0
>>951

【ぐうと唇を噛む。自分を抱きしめたままで頑なになって、それなら、何もかも聞いていないようなふり、聞こえていないはずはないのなら】
【ぐすぐすと不規則な吐息で時々涙をこぼす、長く訓練を付けてもらっていたのに、結局、これくらいのことしかできないことも――いろんなことが、ひどく、悲しくて】
【もっととびきりに何もかもが上手な子だったら。そんな風に思ってしまう。もし――もしも。セリーナが思ったように、あるいはそれ以上の成果を出せていたなら】
【あんなふうな言葉じゃなくって。お願いするって言ってもらえたかもしれない、って、思ってしまったなら】

【――息さえ詰まってしまったみたいになってわなわなするのが精いっぱいになる、ぺたんって座り込んでしまいそうになるのを、くだらない意地みたいなもので押し留め】
【彼の言葉。――もう少し前の少女だったなら、きっと、素直に受け取れただろう。ちょっとどころじゃなく照れるだろうけど、それでも、嬉しいものに聞こえたはずで】
【だけれど"こう"なってからでは。彼の言葉さえ苦痛に思う、――あるいはそれこそ、"あの時"のセリーナに似る気持ちなのかもしれない、追い詰められたような、気持ちになって】

――――っ、

【ひゅう、と、吐息の音。反射的に口から出してしまいそうになった言葉が、つっかえて、止まる。それはきっと幸いだったのだろう、――その瞬間に、包み込まれて】
【ひどい言葉を吐き出すために吸い込んだ息は吐き出されることなく驚きに留まる、――彼の言葉通りに鼓動、なんて、感じている余裕はないけれど。その体温くらいなら、きっと】
【――冷えてしまっていた。と言っても部屋が寒いわけではない、ならば。飲まず食わず眠らずで消耗した身体は真っ先に人間を模倣するための機能から、切り落としていく】
【すなわち体温や果てには呼吸までも。このありようの少女には極論必要のないもの。緩やかに停止しかけていた人間らしさが、だけど、他者の体温を間近に感じ】

――――――――だって、だって、どうしようもないよ、みんな、殺されちゃう、かも、しれない、
そうじゃなかったら、わたしが、殺さなくっちゃ――いけなくて……、裏切り者になれって、――――

【――――ぶわっ、と、いろんな気持ちが溢れてしまう。いっぱいいっぱいに意識して頑張って張っていた意識が緩んでしまって、なら、少しだけ、ほんの、少しだけ】
【ちいちゃな迷子が心細くなってしまって見つけてくれた見知らぬひとに縋りつくみたいになる、――ぎゅうと彼の服を掴んで、そっと、身体を寄せて】
【そうしてしまえば――あるいはいつか聞いたことあるかもしれない、少しだけ子供っぽくて人懐こい、多分こっちが本当の振る舞いに似るもの、――「やだよ」、か細く震えた、小さな声が呟いて】


961 : ◆Heckemet8M :2018/05/09(水) 20:23:42 u1dxVMlM0
>>959

「そォーか、ククク……駄目だな、あァいつ引ィきこもってやがる」
「ちょいと待ァて。――、――ほォれ、電話番号、メールアドレス、テレビ電話アカウント、SNSのアカウント、等」

【額に刺すつもりかのように……トランプ投げの要領で左手で投げられる名刺。……少し余計な情報も混ざっているが、内容自体は偽物ではなく】
【おそらくは、召喚に全く応じない彼に対するちょっとした嫌がらせだろう】
【余談だが、この名刺の紙は非常に上質で、とっても丈夫で、指もよく切れる】

「ばァれたか。ククク、お前なァ……家賃は大事なァんだぞ? なァ」
「無料奉仕なァーんざ俺様がやァるわけねェーだァろう。まァ良ォい、とォりあえず物件を見ィィーーるが良ォい!」

【召喚されたそれは、……そこのきったないオブジェよりはマシだが、なかなか趣味の悪すぎる混沌とした掘っ立て小屋だった】
【黒曜石の様な未知の物質で出来た外壁、何かの骨と思わしき装飾、窓から覗くのは何色ともつかぬナニカ】
【しかもよく見れば、……亀のように生えた4つ脚を持っていて、今は動いていないがおそらくこれで歩け――いや、ちょっと体勢を整えた。】
【……この掘っ立て小屋は生きている。確かに、ドアと窓の位置を見ればなんとなく顔に見えなくもない】

【しかし、これで広々か。ワンルームでトイレすらなさそうな、ビルの屋上に収まる程度の大きさでそれはかなり誇張表現に聞こえるが……】


962 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/09(水) 20:35:34 W2NMqHfc0
>>961

話を聞く限りじゃ、俺と馬が合いそうなんだけどなぁ

【まだ見ぬ相手に対して、何となく親近感が湧いていた】
【名刺を両手でぱしっと挟んでキャッチ。それを連続で成功させてどんどん捕まえていく】
【「多過ぎじゃない?」なんて文句も言うが、実際に多いんじゃ仕方ない】

うーん、この悪魔的センス
見た目の酷さはこの際、いいとしても……うわ、動いたキモっ!
これ、そんなに広くないんじゃないの? それともやっぱり中で空間が歪んでるとかそういうやつ?

【現れた掘っ建て小屋を指差して、気になった部分を指摘】
【空間歪曲が予想に上がっているのは恐らく、上司であるブランルの影響があるのだろう】


963 : ◆Heckemet8M :2018/05/09(水) 21:14:46 u1dxVMlM0
>>962

「くゥれぐれも悪用すゥるんだぞ?」

【……キモいという言葉が聞こえていたのだろう、掘っ立て小屋の扉が開けば】
【そこから現れるは、……たくさんのゲジゲジだ。それを吐き出してきたのである】
【別に特殊な性質は一切無い。本当にただのゲジゲジである。しっかり生きてるけど。】

「安心しィな……亀の中は広いって相場が決ィまってるだァろう?」
「ほォれ、入れ入れ。人間共に害がねェ程度に混沌と魔力は調整しィた」

【体育座りスライムと左手でめっちゃ押しこもうとしてくる――開いたドアの先の風景は見えない。窓から見えるそれと同じ色があるのみ】
【けれども、それを抜ければ……なるほど、はっきり言って月36万では到底借りれなさそうな気がしてくる程の広々とした、しかし悪趣味な玄関、続くリビング】
【部屋数も割とあって、ついでにテレビも見れる。……ゲジゲジやGなどはいないので安心だ、なお悪口を言った場合はこの限りでない】

【気になる点といえば、空気が魔海とか魔界のようなそれという程度か】
【調整したという言葉通り、それが害になることはまず無いだろう】
【なお、入るのを拒否した場合は、G攻撃をしてくるらしい】


964 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/09(水) 21:42:13 W2NMqHfc0
>>963

────ぎゃぁああああああああ!!!!!

【絶叫だった。それはもう大絶叫だった。屋上全部に響くぐらいの叫びだった】
【つまり、赤木は虫が大の苦手だった。そんなものが大量に吐き出されたのだから叫びたくもなる】
【逃げまどおうとする赤木。そこを邪禍に邪魔されて掘っ建て小屋に押し込まれる。首を全力で横に振ってるが無駄】

【中に入った赤木は恐る恐る周囲を確認。とりあえず虫はいないので安心】
【悪趣味さはいい加減慣れてきた。さらに奥へと進む。歩みはお化け屋敷に入ったかってぐらい遅い】
【リビングに入り、部屋を確認。テレビを確認。ここまでやってようやく安堵の息をつく】

……何これ……便利そうじゃん
虫とかはちょっとやばすぎて……やばいけど……
これ、っていうか、ここ、どうやって使うの? 共通の転移術式でも配るの?

【紹介された物件の便利さだけはきっちりと認識。その上で利用方法について邪禍に尋ねる】


965 : ◆jw.vgDRcAc :2018/05/09(水) 21:57:10 OX.x04tc0
>>396

【それでも、包み込み切る事は出来ないだろう。当たり前だ、彼女は自分より小さく、手の大きさも違うのだから。】
【―――ここで、はっと気付く。ああ、彼女はまだ年若い少女なのだと。娘とさほど変わらない年頃なのだと。】
【だというのに、ずっと年上の自分に対してさえ、頼っていいと笑う。頼るのではなく、頼られようとする。】
【本当なら、まだ保護者に頼っていても何ら可笑おかしくない年頃だというのに……他人の為に、戦っている。】
【痛みを知り、他人の痛みを共感できている。一体彼女の短い人生の間に、どれだけの波乱万丈があったのだろう。】
【向けられた笑顔に浮かぶ、混じり気の無い優しさ。何より、自分の無実を信じてくれたことが嬉しくて】
【皐月は、一瞬でも彼女を疑ったことを恥じ、そして悔いた。】

……うん、ありがと。
貴女が味方で、本当に良かった。たとえ一人でも、絶対に諦めないとは決めていたけれど……
貴女の言う通り、相手は途方もなく大きくて……本当は、一人じゃ心細さで折れてしまいそうで。
だから。……その笑顔が傍にあるだけで、とても心強いです。

―――ええ、諦めませんとも。たった一人、私を信じてくれる人が居るんですもの。

【握られた手の温もりに、猜疑に囚われかけた心が溶かされる。空元気じゃない、ほんとの笑顔を浮かべられたのは、いつ振りだろうか。】
【しかし、それと同時にまた別の念が浮かぶ。……彼女に、甘えられる人はいるのか。この我が子と歳の似た少女に、頼れる人はいるのか。】
【彼女自身が言う通り、三課には事情がある。自分と同じ、何かの罪を背負っているという事だ。それは、恐らく彼女も例外ではない。】
【―――こんな優しく真っ直ぐな少女が何をしたと言うのだ。どうしてこんな小さな少女が、罪と責任を負って戦わなければいけないと言うのだ。】
【それは、少女一人が背負うにはあまりに重すぎる。彼女はその優しさゆえに、辛さや弱みを見せようとはしないが……その笑顔の裏側で】
【きっと数えきれない痛みに耐えているはずだから。そうじゃないと、あんな声色にはならないし、あんな笑顔は浮かべられない。】

でも……私ばかりが頼るわけにはいきません。どうか、時には私も頼って下さいね?
私は弱いから、全てを背負う事なんて出来ませんが……重みを分かち合うことくらいなら、出来る筈ですから。
もしも辛い事があったなら、私が味方になります!その、頼りない味方ですけど……ね。

【戦闘員ではなかった自分は、彼女よりもずっと弱い。……おそらく、頼る場面の方がずっと多いだろう。】
【でも……だからと言って、頼られる事を放棄するのは違う。ほんの僅かでも何か出来る事があるのなら、力になりたい。だから】
【お返しとばかりに、微笑む。―――どこか疲れてやつれていた表情は、穏やかな色を湛えていた】


966 : ◆Heckemet8M :2018/05/09(水) 22:10:15 u1dxVMlM0
>>964

「あァー、ビデオモード起動しィておけば良ォかった」

【なんて、叫び声にかき消される程度の声量で呟いて。……そこだけは不幸中の幸いか】
【もしビデオモードの起動が間に合っていたのならば、きっと消されること無く残されてしまうのだから】
【なお、呼び出されたゲジゲジは後でスタッフができる限り回収したとか】

「ククク……まァ、こォいつを貶せばいィつでも虫には会ァえるから安心しィな」

「――そォこだな。基本召喚しィッぱなしになァるのはとォもかく」
「俺様の部下なァら簡単にどォこからでも入れるだァろうが、あァいにく、お前も奴らもそォーじゃアねェ」

「そォれこそ、空間操作がでェきる奴とォかがいィりゃア楽なァんだが。ククッ」
「俺様の術はあァくまでも召喚術。結果としィては転移しィてるがな」
「高コストで制御もかァけられねェ、そォれに双方の同意も必要だァから使わねェだァけで一応部下以外にィも使えなァくはねェ。が、」

「めェんどいッ!」

【簡易召喚魔法陣紙作るの地味に面倒なんだよ、どっかの部下は週1でわざと紛失してるけど!】
【……テーブルに片足を乗せて、めちゃくちゃ偉そうな雰囲気でそう叫ぶのだった】


967 : 名無しさん :2018/05/09(水) 23:56:49 JQlEozC.0
>>953
【陶磁器は正しく本物。その香りも、暖かな感覚も。まるで少し乱暴に扱えば壊れそうな程に】
【夢、とでも言うのだろうか。曖昧すぎる存在で、視線を外した時には居なくなるような】
【逆に、気付いた頃には直ぐ隣で楽しそうに笑っているような。居るのか、居ないのか】

「あら、好き嫌いは駄目よ。ダメ――良く知った上で、嫌いと言わなきゃ
……だけど、貴女は良く知っていそう。それなら別に良いのかしら――……何であっても、貴女が嫌いならそれで良いのね
貴女が人間の事を嫌いでも、私は貴女の事を嫌いになる訳では無いのだもの

――……ねえ。聞こえて居るかしら?」

【焦らすように、逆に急かすように。緩急が襲いかかり、決してその刺激に慣れさせない】
【やがて突っ伏してしまった少女の周りで悪魔がクスクスと笑いながら一人、また一人と消えていって】
【最後に残った……否、一番最初から居た悪魔が悪戯っぽく小首を傾げるのだ。満足して貰えたかしら――言外に、そんな意味を含ませながら】
【冷たくなった紅茶を交換してあげながら、言葉を耳に入れ】


「病魔……そう、イルは病魔なのね。私、病魔に会う何て初めてよ?
でも、確かにみんなが病気を治すために色々な事をしてきたから貴女が人間を嫌いになってしまうのも仕方ないのかしら
だって、人間は怖がりだものね。新しい病気が出てきたら、直ぐに治そうとしてしまうのだもの
――フフ、イルも大変なのね。お仕置きをするのだって、人間が沢山居るのだから難しいでしょう?」い

【その答えで、違和感に納得が行ったのだろう。悪意の塊とも違う……何とも言い表しがたい感覚に】
【確かに病は忌み嫌われるモノ。それだけに対抗策も数多く練られる。人種問わず、年齢問わず】
【病の種類については多くは知らずとも、長く人間を見て来た身としては何となくその苦労が想像出来そうでもあった】
【――尤も、少女の力こそ不明だが。お仕置き、と言うからにはそれに関連する物だろうと考えて】


「私は魔界生まれでも此処の生まれでも無いの。気付けば在った――そう言うのかしら?
語り手、紡ぎ手、ストーリーテラー……今まで色々な呼ばれ方をしたけれど、“ナイトメア”と呼ばれる事が一番多かったわ。うん、きっとそう
悪夢なんて人それぞれ。怖い物も人それぞれ。だから私は曖昧な存在
魔界は、そうね……私は余り面白く無かったわ。こっちの方が、ずっと沢山のお話が見れるのだもの。人間が苦しんで、悲しんで……そのお話を見ている方が私は好きよ?
それに、こっちじゃ無ければイルのお話も見る事が出来なかった筈だから……うん、やっぱり此処が良いわ
だけれど不思議な国は良く行くわ。だって、私のお家だもの。他の人にとって、余り居心地の良い場所では無いみたいだけれど」

【悪夢。夢。起きた時に忘れている事が多い其れは、実に曖昧で】
【自分の産まれた歳も分からない。だから、年齢も分からない。――人外には多く当てはまる事だろうか】


968 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/10(木) 12:05:28 S/DUh6T.0
>>957

【間髪入れずとはこの事か。──少女の目ではドラの残像しか見えない】
【失った左半分から消える。身体ごと向き直さなければ見えない位置】
【そんな余裕は無かった、ドラの蹴りが直ぐ側に迫る】

【──呼吸すら躊躇う一瞬。静寂が無音に響く】
【風を切る迅雷の蹴り、嵐の如く吹き荒れるドラの攻撃】
【猛々しい暴風であった。山風の様に苛烈に】







"目を潰した" "指を折った" ──その程度で狙撃手から逃れられると?


【彼女の背中にピッタリと狙撃銃が付けられて、左の脇腹から銃口を覗かせる】
【射撃。放たれた銃弾が、ドラの蹴りを真っ正面から撃ち砕かんと──】
【背面狙撃、細身の身体には無駄な肉が一切なく、台座にするにも丁度良いのだろう】

【硝煙が舞い上がり、プラチナブロンドを弄ぶように静かに撫でて】
【大きくバトンを振るう様に狙撃銃を右手で回転させ、持ち直した】
【マリンブルーの双眸が、呼吸をする様に瞬き、また開かれて】


だとすれば落第点、坊やは一体今まで何を見ていたのかしら
カチューシャの銃弾は許さない、地の果て迄地平線だって撃ち抜いてみせる
この程度で私をまいらせるつもり? 腰が砕けても足りないの

ねぇ坊や、最初から余力なんて考えちゃダメなの。ひょっとして貴方、自分がリードできるだなんて、思ってる?
ふふ、やぁね、手綱を取るのはカチューシャ。貴方は私の、されるがまぁま

"Разбитый Стеклянный Синдром"
──"Broken Glass Syndrome"


【彼女の右手側に見えるのは姿見であった。表面が今も尚貴方の姿を写しているだろう】
【左半分の視界を封じられた瞬間、鏡を生成、彼女にとって視界のハンデは無いに等しい】
【見えていた、最初から──。それが彼女の能力】

【閉じた左目は恋人同士が睦まじく掌を重ねる様に。白百合の様な瞼を押しとどめて】
【腫れた左頬はそれこそ牡丹が如く、鮮やかな色合いを白哲の頬に映していた】
【長い睫毛は水差しにつけた水仙の彩り。淑やかな潤いをそこに残す】


969 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/10(木) 12:19:50 S/DUh6T.0
>>965

【擽ったそうに笑う。──慈愛とはこの事かなんて、彼女にはわからないけど】
【木漏れ日の様な温かさが貴方にはあった、そして彼女は縁側でうたた寝をする仔猫の如く】
【目を細めてふわふわの髪を目の前で揺らす、撫でて欲しいなぁ、なんて思いがあって】


ふっふーんっ! 大船に乗った気持ちですよっ、どんぶらこ、と勢い良く漕いでいきます
例えどんなに敵が大きくても、皐月姉と鵺ちゃんと、仲間が居たら怖いもの無しですっ
私達以外にも頼れる人達はいっぱい居るんですから! 何を心配する事がありますか!

そーれーにっ、一人じゃないですよっ! リーちゃんは口は悪いけど根はいい子ですし
三課には他にも他にも、キチンと本質を見れる人が山ほどいますからっ
頭でっかちの警察なんて頼りになりませんっ! ちょーっと勉強できるからって何様ですかね!


【誇らしく胸を張ったなら、次の瞬間にはぶーっと頬を膨らませる。感情表現は大きく】
【そう思いません? と小首を傾げる動作、その何処にも憂いや恐れなどない】
【──貴方の深い思惑や思慮までは辿れない。否、辿れなくて正解なのだろう】


そんなことないですよっ! いーっぱい頼らせてもらいますっ
鵺ちゃん戦いはバッチシですけど、それ以外がぜーんぜんダメで
特にこう頭を使う作業は、無理寄りの無理寄りの無理なんですっ!

ですから皐月姉はめーっちゃ頼りになりますっ! えへへ、お姉ちゃんに相談するのって、夢だったんです
ねーねー、他に聞きたいこととか無い? 今『魔制法』の裏話だったっけ?
疑問なんだけどさっ、もし完全に法律が施行されて、能力者がいなくなったら、どうなるんですか!


【言葉の通り、思考力に難がある。これが彼女の大きな弱点】
【分かんないです、的にキョトンとしつつ、貴方の方を見て】
【羨望の眼差しを向けている】


970 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/10(木) 12:35:04 S/DUh6T.0
>>967

【吐息にまじる熱を悟られない様に、紅潮する頬の色を濡れた睫毛に浸した】
【思い出すだけで背筋を指先でなぞられるみたい。全身の神経が敏感に反応する】
【柔らかな頬をぺたん、とテーブルに付けて、余韻に浸っていた】


んっ……ぅ、聞こえてるよ──もぅ、こんな事しときながら、……ぁ、ん、白々しいんだぁから
……ニンゲンは病気を忌み嫌うけどさ、それってさ、ニンゲンだけなんだよね
他の動物はみんなみんな、それを摂理だって受け入れるのにね

だからボクは傲慢なニンゲン達が嫌い、だーい嫌いっ!
いっぱい居るのは良いよ、だってそれでこそ殺し甲斐があるもの
ねぇ、この世界にどれだけ病気があると思う? どれだけ凄惨な病気があると思う?

生きながらにして、体全てが骨になる病気。皮膚が全部ドロドロに溶ける病気。
ありとあらゆる毛穴から血を噴出する病気。内蔵が溶けて逆流する病気。
ニンゲンが沢山いるから楽しいんだよ♪ 分かってくれる、よね?


【少女は笑う。──パーティの計画を練る子どものようにあどけない微笑みで】
【憎悪とはまた違う、何があったから憎むわけではなく、何もなくとも憎むのだろうか】
【彼女には理屈がなかった。取って付けたような理由はあれど、人を殺すのに必要は無い】


──なるほどね、アリスちゃんも特異な存在なんだ
だったらボク達仲良くなれるよね。下手に魔界に行っても、あんまいい思い出ないしっ
特にボクってばこんな魅力的な存在だから、悪魔には狙われるし淫魔には嫌われるしで

だって不思議な国には理屈が無いしっ、そこが気に入らないんじゃない? 愚かだと思うけど
ふふ、ボクは好きだよ。アリスちゃんの世界はきっと不条理なんだ、正直者も馬鹿を見る。
それは病気の世界も一緒なんだ♪ ボクは気ままに誰彼構わず病気にするから

だからこそボクは不条理な存在で、理不尽の塊──君の世界にも出てくるんじゃない?
"スナーク" 実はさ、あの遺伝子もボクには入ってるんだぁ♪ 後付けだけどね
理論や理屈じゃない不条理を愛そう♪ ボク達やっぱり、仲良く出来るから、さぁ


【────ねぇ】


アリスちゃん、ボク達の世界、作らない?


971 : ◆jw.vgDRcAc :2018/05/10(木) 14:17:16 OX.x04tc0

>>969

―――そうですね、一人じゃないです!頼って、頼られて……うん。とっても、心強いです。
この選択は、間違ってなかったって……今なら、思えます。……ありがと。
ふふっ……相談なら、いつでも待ってますよっ。

【微塵も不安を見せる事のない彼女。きっと、此処はそれだけ安心できる場所なのだと、伝えたいのだろう。ああ、十分に伝わっているとも。】
【この道を選ぶかどうか、葛藤はあった。抗えば抗うほど、また傷つくのではないかと憂いたりもした。しかし……間違いじゃなかったようだ。】
【―――また、ふと娘の事を思い出す。ああ、そういえば撫でて欲しい時にこんな仕草をするっけ。……きっと、彼女も同じことを思っているのだろう。】
【直感的にそんな事を思って、そっと手を伸ばす。慣れた手つきで優しく撫でるのだから、きっと何度も誰かをこんな風に撫でていたのだろう。】
【テロを企図して誰かを傷つけようとした咎人とは、とても思えないような穏やかさを湛えて。温もりを、掌から伝えて……少しの間、少女の優しさに報いる。】

【そして、問われるのはifの世界。もしも本当に完全に法律が施行されたらどうなるのか。】
【少しだけ、目を瞑る。……ああ、こんな事、少し考えるだけで十分だ。結果なんて目に見えている。】

そうですね。……聞きたい事の前に、あなたの問いに答えましょう。
……今度は、違う種類の人が「普通の人より力を持っている危険な人」として弾圧されるでしょうね。
それは、お金持ちの人かもしれないし、力持ちの人かもしれないし、頭のいい人かもしれない。

人間は多種多様、違いがあって当たり前なのです。「普通の人」なんて、誰一人居ないのです。
それなのに、「あいつは自分とは違うから普通じゃない。排除する」なんてことが一度でも許されてしまったら……
……きっと、対象を変えて同じことが繰り返されて、最終的には人間は一人残らず居なくなるでしょう。

きっと、この一件の裏側に居る人は、そんな事まで考えていないのです。
何が目的で、こんな法律を生み出したのかは知りませんが……その先に、望むべき未来など無いというのに。
あるのは先細りの破滅だけ。ああ、愚かしい……

……だから、こんな愚かな事は止めなければいけません。
鵺ちゃん。私からも聞きたい事があります。さっき言っていた「裏で糸を引いている人」の手掛かりはあるのですか?
見つけ出して、一発ひっぱたいて気付かせてやるんです。「どんな目的であれ、それは間違っている」と。

【一度違いを許容出来なくなった人類の行く末は、簡単に想像出来る。別の違いも許容できなくなるに決まっている。】
【みんな同じになんて、なれっこないのだ。普通じゃないという理由で誰かを排除しても、こんどは別の誰かが普通じゃない人になる】
【これはきっと、杞憂などではない。多様性を許容出来なくなった人間に、未来など無い。あるのは弾圧のスパイラルによる自壊だけだ。】
【ぐっと語気を強め、前を見据えた。その愚行を止めるのに相応しい、心強い味方に向けて。】


972 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/10(木) 16:08:51 za4u/1jg0
>>971

【撫でられたなら表情が花開く。水彩の絵の具、キャンパスに落とした色合いに似て】
【一面の白にたっぷりの飛沫が上がって、広がる淡い淡い彩りが満ちていく】
【心地よさそうに目を細めて、しばし貴方の指先に手繰られていた】


──なるほどです、皐月姉の説明はすごくわかりやすいですっ
ほんとに、なんでそんな所まで分かるのかなーって、びっくりしちゃいます
そして、納得もできます、うんうんって、言っちゃうぐらいに

……しかし、考えれば考える程当たり前なんですけどね、みんな違うなんて
そりゃ鵺ちゃんにもムカつく相手なんて山ほどいましたし、喧嘩もしましたけど
その人を消し去りたいなんて思ったことは、全然なかったですよ

そういう時はお話し合いが一番です、話して仲直りして、それでいいのに
なんで法律なんでしょうね、分かんないです──ぜんぜんっ
んぅ、賢い人の考えなんて──分からないですよ


【机に突っ伏してなでなでされながら、そんな事を言ったりして】
【視線を上げたならそこにあるのは、理知的な双眸、子供が親に尋ねるみたいに】
【或いは生徒が教師に質問するみたいに、言葉を重ねた】


……『n2文書』って文書があります、これは機関と公安が裏で繋がっている証拠の文書です
私は『魔制法』の裏を調べている際、罠にかかりました……その時、私達に危害を加えた人物
彼らはこうも言っていました、『カノッサ』と──

また、『円卓』って別勢力もあるです、『魔制法』に関してはあまり深く関わってないですが
兎に角、裏にいるのは機関と、公安のほぼ全部で間違いないです
だからこそ、三課が重要って言われたんですけど……


【鵺はそこで頭の上に?を浮かべる、そこの意味がよくわかっていないのだろう】
【個人名は出てきていない、故に質問の答えには不適切かもしれないが】
【貴方の知性を持ってすれば、よりわかりやすい整理ができるだろうか】


973 : ◆3inMmyYQUs :2018/05/10(木) 22:51:47 LevMp5MM0
>>934


『────────────』


【確かに打ち据えた感覚に、しかし不敵に笑むでもなく】
【黒衣の襲撃者は人形のように表情を一変もさせず、無機質な瞳をただ相手へ据えていて】

【エネルギーの急激上昇を検知──】
【──したときには既に土煙が上がり、柘榴の姿は沙幕の向こうへ消えていた】

【──が、そこでもやはり余計な反応を見せるでなく、】
【それはただ淡々と、変化した状況に応じた次なる一手を選択した】


『サーチモード変更 > Heat Seeker』


【そのどこか硬質な瞳の、虹彩の色が変化して】
【今まで通常視界で捉えていたものが、『熱源感知』のモードへと切り替わる】

【すう、とその細腕が静かに、しかし精密に動いて】
【手にした二つの銃口を、捉えた熱源へと据えると──容赦なくそれぞれの引き金を引く】

【その熱源が柘榴であるかどうかは分からない】
【ただその襲撃者はそうである可能性が最も高いと判断し攻撃した】
【通常の視界ではないため、狙いも先ほど精密ではない。ただその狂暴な速度にあって然るべき破壊力だけは変わらず】




────うー、ん…………


【倒れて物言わなくなっていた婦警は、】
【ぴくりと指先を動かし、その作動を開始しようとしていた】
【彼女に対して何かしようと思うのならばそこに一切の抵抗はないが】
【別に放っておいても何ら構わないだろう】


974 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/10(木) 23:21:44 W2NMqHfc0
>>966

うーん、めんどいかぁ
実際問題、コストがかかるってのは馬鹿にできない話だしなぁ
そこを我慢しろって邪禍さんだけに言うのも何だかなぁ

【偉そうな態度にイラっとしたことはともかくとして、赤木は邪禍の言い分に意外と肯定的だった】
【そのあたりは技師のせいか。面倒臭い作業の面倒臭さがよく分かっているせいで無視はできなかった】

んー…………転移術式そのものは俺も使えるな
何とかこう、やれないかな。邪禍さんの召喚術を元にして転移用の魔導具を作ったりさ
やれなくはないと思うんだけどな。邪禍さんの召喚術の詳細次第だけど

【そのへんのソファ──邪禍の正面に座りつつ、一つ提案をする】


975 : ◆jw.vgDRcAc :2018/05/10(木) 23:41:55 OX.x04tc0
>>972

ふふっ、鵺ちゃんの言う通りです。みんなが話し合いで仲良く出来ればどれだけいい事か……
でも、そうなると都合の悪い人が居るのでしょう。きっと。……本当に、どうしてでしょうね。

法律である理由……それは、弾圧する事への罪悪感をなくすためでしょう。
ルールだと言われれば、自分は間違っていないと信じることが出来る。責任を感じずに済むのです。

【撫でながらの問答。視線が重なれば、ふわりと柔らかく微笑みながら―――しかし、紡ぐ言葉は裏腹に重い現実を示す。】

だから、沢山の市民が「安心して」弾圧や排斥に参加することが出来るんです。それが間違っているかどうか、顧みることもなく。
すると、より多くの人が気軽に弾圧に参加するようになる。きっと、今の流れは更に大きく強くなります。
―――それが、ルールを決めた黒幕の狙いでしょう。後は、自分たちの手を汚さずとも、市民が勝手に殴ってくれる。

【手を汚さずに奪うんだよ、傷つけずに殴るんだよ、それが上手く生きる秘訣で―――なんて、有名な歌手が歌っていたっけ。】
【巧みに民衆を利用して、意のままに気に入らない人を排除する。その為の「法律」なのだと説く。……説明しながら自分でも暗い気持ちになるくらい、どす黒い話だ。】
【ふわふわの髪を撫でる癒しがあって良かった。……無ければ、こんな話はし続けたくないと思うだろう。】
【与えられた情報を統合し、整理して、話を続ける。あくまで伝聞でしかない以上、憶測の域は出ないが……】

……なるほど。公安の全てが「裏」だと。―――確かに、それは重要なお話です。
鵺ちゃん、よく考えてみて下さい。……私たちも、公安の一部です。今の所、表向きは彼らの仲間なのです。
動き方によれば、仲間の顔して情報を引き出すこともできる。分かり易く言えば、スパイ状態なのです。
もしくは、途中まで仲間のふりをして背後を突くことも出来る。勿論、一度それをすると敵と認識されますが……

……罠を仕掛けるほどに用心深い連中です。きっと、私たちの立場でないと引き出せない情報は少なくないでしょう。
とすると、今度は黒幕の反対勢力にとって私たちは利用価値がある事になる。だって、自分たちでは引き出せない情報を引き出せるのですから。
これは、大きな交渉材料になるでしょう。動き方次第では、大きな味方をつけることも出来るかもしれない。
相手が大き過ぎて、正面切って戦えばとても太刀打ち出来ません。……だからこそ、きっと私たちが重要なのです。

そして、黒幕の足元を掬うのがその文書……そうですね、鵺ちゃん?

【「私も、まだあまり理解しきれてはいませんが……」と付け加えて。しかし、三課の重要性は恐らくその点に集約されるだろう。】
【公安に反対勢力であると認識されていない。圧倒的に大きな相手に対抗するには、その利点を利用して足元を掬うしかない。】
【説明しながら、声が少し震えていた。……とんでもない所に入ってしまった、うかつに動けば終わってしまうではないか】


976 : ◆Heckemet8M :2018/05/10(木) 23:51:46 u1dxVMlM0
>>974

「ほォう、俺様の術を利用すゥると――」
「ククク、そォれこそお前が機械人形を悪用すゥるなと言ィッたよォーに」
「俺様も、賃貸契約が終ォわったら無効化すゥる。そォの条件なァら、家賃値上げで対応しィてやァろう」

【"1割増しだ"なんて付け足して。……家賃の件は、無かったことにはなってなかったらしい】
【さて、未だスライム化している片腕を空高く掲げれば――それがぶちりとちぎれて分離、テーブルの上に着地して】
【人型風になりつつ何故か魔力を吸い取られそうな踊りをしているが、まあ実際に吸われるわけではないので放っておいて問題ないだろう】

「俺様の術は基本的に理屈じゃアなく勘で使っている、つゥまり詳細なァーんざ俺様も知ィらねェ」
「まァ、能力封じが効ィくだァろうこォとは間違いねェが」

【そして、相変わらずの上から目線な態度で顎をくいっと動かす。……おそらく、"片腕も貸してやる"のジェスチャーだろう】
【魂を持っているため理屈がわからなくとも能力を使える。召喚術はもちろんのこと、邪禍が持つ他の能力も扱える。個別で渡せるものではないのかもしれない】

「……勘でちょいとだァけ教えてやァろう」
「まァずは2点間の繋がりを作成、一時的にエネルギー化しィて繋がりを移動、移動先で再構築……ってとォころか」
「部下の場合は魂に付ゥけたタグで場所を探知、引ィき寄せる。双方合意状態はそォれの疑似再現あァたりだ」

「ククッ、教えたとォころで真似でェきる術じゃアねェな。俺様の片腕に頼め。バイト料に魂や魔力喰ゥわせねェとストライキすゥるけェどな」


977 : 名無しさん :2018/05/11(金) 00:17:32 JQlEozC.0
>>970
【病は一時的に勢力を増しても何時も人類が対抗策を打ち出してくる。ずっと昔から病気というものは存在して――そのどれもが、克服されていく】
【少女が病魔で在るなら、人間を恨むのも……殺したがるのも無理は無い】
【別に無関心というわけでは無かった。人それぞれ、ならば悪魔もそれぞれ。聞いていたって、楽しいのだから】

「――――あら、まだ足りなかったかしら?それとも、お代わりをご希望なのかしら?

そうね、きっと似た存在。病気って“感染”して広がって行くのでしょう。そして恐怖も感染して広がって行くの
どっちも人が居なければ広がりようが無いモノ。たった一人だけじゃ、意味が無いの
人間達が大切にしている関わりが、逆に人間達を苦しめる。どれだけ強くても、お金持ちでも、病気と死は平等だものね?
隠れる事も出来ない。逃げる事も出来ない。だからきっと、見えないのは怖い事」

【つ――。悪魔の細い指先が、テーブルの表面を撫でた。指の腹とテーブルとの接点は、ごく僅か】
【其れを視覚で捉えるか、或いは実際に脊椎に沿って撫でられていると錯覚するか。クツクツと嗤いながら悪魔は指を止め、今度は辿った道を戻る】
【それは共に世界を作らないか、との誘いの答えを考える手慰みの様な行動でもあり。或いは相手を弄ぶという悪魔としての本能なのだろう】
【指先が焦らすようにゆっくりと何度かの行き来を繰り返し、口を開いて答えを出す直前】


『無駄だよ。アリスは余り世界とか興味が無いんだ。楽しければ良い、そんな悪魔だから
自分が動くよりも、色々な変化を見て楽しんでいたい。昔っから変わらない――と言うか、誰だよ。お前
そんな恰好でブラブラしてたら悪魔でも風邪引くぞ。別にボクはお前なんかが風邪を引いても困らないけどな』

【村の何処かに居たのだろう。あからさまに不機嫌な表情を浮かべた、猫の亜人が現れて】
【黒いとんがり帽子に同じ色のローブ。如何にも魔女といった風貌に焦げ茶色髪を持つ少女――恐らくは使い魔】
【アリスの代わりに答えを出すと、二人の座る場所にまで近寄って勝手に別な椅子に座るのだろう】
【警戒心が強いのか、耳をピコピコ動かしながら病魔の事をじーっと見るけれど】
【アリスに対して『準備出来た』とだけ言えば、ふんと鼻を鳴らしてそっぽを向いて】
【ゆらりゆらりと揺れる尻尾。しかし……病魔が風邪を引く、なんてのも可笑しな話。何より心配しているのかして居ないのか】


「コゲの言う事もそうだけれど……私は物語の登場人物として動くより、お話を読んでいる方が好きなの
どうなるのか分からないお話を読んでいる方が
だから、イルと一緒に世界を作る事は出来ないけど――少しのお手伝いなら、させて貰えるかしら?
イルが作る世界を見ているのもとっても楽しそうだもの。楽しいお話なら幾つ見ていても飽きないわ
此処よりもずっとずっと楽しそうな物を見せてくれそうだもの――……ね?

――そうだ。私の代わりにコゲと一緒に、なんてどうかしら?」

【答えは、ノー。一緒に世界を作る事はしない……が、その手助けならばすると】
【手を止め、虚空に掌を向ければ其処に現れたのは人皮で装丁された一冊の古びた本。禍々しさの溢れる其れは、忌書禁書とも呼ばれるであろう】
【ただの人間が読めば心を壊して発狂するか、最悪死に至るか】
【本に綴られた文字は、それに相応しい力を持つのだろう。ならば、その呪われた一節一節を人間に聞かせれば――?】
【心が強い相手なら直ぐ死に至ることはあるまい。直ぐに発狂する事もあるまい。然れど、陥れていく事は出来る】
【まるでネクロノミコン。そんな一冊が、病魔の前に置かれて】
【続いて、良い事を思いついたとばかりに小さく手を打った。コゲ――猫の少女を、自分の代わりにどうだろうかなんて事】
【主の気紛れに驚いてか、無茶振りをされた当の本人は『にゃ――!?』何て毛を逆立てて嫌々と首を振りはするが】


978 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/05/11(金) 06:21:28 IBKicRNQ0
>>945
【そう、状況はまさに混沌だ。皮肉なことに、世界を画一化しようとする『黒幕』たちの動きがきっかけとなって】
【まるで、消える寸前の灯のごとく、世界中で混沌の炎が激しく燃えている】
【不倶戴天の敵といえる、ラベンダァイスと『スクラップズ』が、このような形で示し合わせて動いているという事態が起きていることが、何よりの証左だろう】

ふふははは!! さっきまでの威勢はどうした!!
――――いや、まだ元気なやつがいるようだな。英雄はいらない……興味深い教えじゃあないか

そうまでいうなら、私の前に姿を晒せ!! その先生の御高説をもっと聞かせてくれ!!
(先生……『黒幕』に与する扇動者か何かか? そうだとしたら、敵に近づく手がかりになる……)

【折り重なって倒れる群衆の中から、良し悪しは別として未だに熱を失ってはいない確かな叫びが聞こえる】
【恐らくは、先の発砲者と同じ人物か。それとも、他に紛れているのか。異形は三つの視線を素早く巡らせて、声の出どころを探す】
【叫んだ人物を捉えたなら。軽く手を振って、配下の一人ポイゾニックへと合図を送るだろう】


[(思った以上にまずい……ここまで追い込まれるなんて、任務にかまけて足元をおろそかにした僕は迂闊だった……)]
[(自分だけの責任だなんて自惚れるつもりはないけど……とにかく、やれることをやらないと!!)]

【人形の身体に宿る魂の内側で歯噛みしながら、ギアは派手な斬り合いを演じて見せる】
【カニバディールに転ばされた群衆を庇うように立ち、レギオルフォンと互いを切りつけ、切りつけられながら】

【彼女と知り合ったきっかけであるあの事件、恐るべきマフィアの頭目〝Cypress〟と病魔イル=ナイトウィッシュ】
【あの戦いからどれほど経っただろう。あらゆることがあの頃とは変わってしまい、しかし今自分はまだここにいる】

【そう、何の因果か宿敵たちと『見世物』までやることになって。それでも、全ては自分たちの居場所を護るためだと信じ、人形は道化のごとく踊る】
【彼女と交わした視線に、彼女もまたこの命がけの茶番を演じ切る意思があると判断し、ギアは己の舞台へと上がる】


――――く、はは……!! 相も変わらず、芸達者なことだ!!
あの戦いだけでも、ずいぶんといろいろな姿を見せてくれたが、まだ他の形態があったのかね!!

【表面上は笑いながら、カニバディールは初めて見る彼女の更なる力に冷や汗をかきつつ】
【彼女の攻撃に備えようとする。出来る限り派手にやられて見せなければならない。今のUTには、確かな実績が必要なのだ】

【右腕を膨張させる。肉塊と化した腕を引く。横に薙ぎ払って群衆もろとも、ラベンダァイスを吹き飛ばそうとしている、と人々の目には映るだろう】
【だが、そのあまりの速度に間に合わず。『ベルセルク・フォース』の拳は、異形の真芯を捉えた。そういった筋書きの下、演舞は実行される】


がはっ―――――!!!

【右拳の一撃は、見事に異形の胴体を直撃し、カニバディールの口から鮮血が噴き出す。目に見えて確かなダメージの演出】
【そのまま、スラスターの勢いに乗って異形の巨躯はラベンダァイスともども空中へと。映画さながらのアクション。と同時に、5メートル上空での刹那の意思疎通の機会】

【地面へと叩きつけられる直前。「わかった」と異形は囁き返した】
【その直後、巨体が地面へと落ちる。凄まじい轟音。弾け飛ぶ鮮血。しかし、それとわからぬように受け身を取って衝撃を逃がし】
【その上で、大げさに苦しんで見せる。傷を負ってなお戦い抜く、ラベンダァイスの強さと気高さを引き立てるべく】

/続きます


979 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/05/11(金) 06:21:41 IBKicRNQ0
>>945

「……やあ、こんにちは。ちょっとお伺いしたいんですけど、先生ってどなたのことです?」
「私、気になります!! 教えてくださいよ〜毒あげますから、毒!!」

【もし、先のカニバディールの観察が発砲者を捉えていたならば。合図を受けたポイゾニックがいつの間にかそちらへと向かっているだろう】
【手から毒々しい赤色の液体を滲ませて。それを相手の顔に押し当てようとしながら問いかける】

【触れた個所の皮膚に、凄まじい痒みを伴う発疹を生じさせる毒の液体。ポイゾニックの能力】
【繰り返し触れ続ければ、最後には皮膚が爛れるその液体は、こうして拷問にも効力を発揮する】

【もっとも、それは長くは続かない。本来の目的は、群衆を救うという演技にあるのだ】
【生き人形ギアと銀髪男レギオルフォンは互いに示し合わせ、ポイゾニックの拷問の結果が出るまでにほんの一瞬の間をおいて】
【レギオルフォンが、ギアのサーベルに斬り倒される。血しぶきを上げて崩れ落ちるレギオルフォンを尻目にギアが振り向く】

【[やめろ!!]という叫びと共に。銃口にボクシンググローブが装着された玩具の拳銃の引き金が引かれる】
【拷問の成果に関わらず、ギアのパンチングガンの直撃を受けてポイゾニックは吹き飛ばされることになるだろう】


やってくれたな……!!

【配下二人が倒れ、動けぬ肉塊の首領が一人。ラベンダァイスの傷を鑑みて、長時間の演技は難しいと踏んだか】
【もう一合、ラベンダァイスがトドメを見舞うための交錯に移行しようとする。両腕の肉を融合させて、さらに巨大な拳を作り出したのだ】

【それをラベンダァイスに、真正面から叩きつけようと振りかぶる。直撃したとしても衝撃が分散するよう、その肉の中を空洞として】
【ラベンダァイスが更なる演出を必要とし、死の模擬戦を続行するか。この一合をもって一時の決着とするか】
【互いに示し合わせることが出来ないまま、肉と機械がぶつかり合う――――】

/イベントで同じ場にいたことを忘れてました……ありがとうございます!! そういう形でお願いします!


980 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/11(金) 09:17:58 ABHv169.0
>>975

【こくこくと頷きながら貴方の言葉を辿る。正しく理解出来てるかは分からないが】
【一つ一つをなぞって咀嚼していく、 その航路に向かう先があって】
【垂れた前髪透かして、その先にある貴方の姿を見つめた】


……うんと、何となくですけど分かりましたっ、そうですか……そんなに、『三課』が重要になるんですね
んまぁ、確かに独立してる節がありますし、何より此処に居る人は権力とかそーゆーの関係ない人多いです
皐月姉に言われて、ますます気を引き締めなきゃって思う様になります! ありがとです!

そうです! この文書は機関と『公安』の密約について書かれてるのです!
元が機関員からのコピーなので、信憑性が疑われてたんですけど
この前ある事件があってから、大分その内容の裏付けが取れました!


【水の国与党の重鎮、ヨハネス・ロトゥノカイト。報道中に襲撃を受けた彼の逃走を手伝ったのが鵺だった】
【そして明かされたのが三項対立。黒幕と円卓、そして公安の三組織による権謀術数】
【黒幕の名の下に繋がる機関と公安、その繋がりが示されたと言っても過言ではなかった】


──そして、これはまだ、あんまり他の人には話してないんですけど
鵺ちゃんは『円卓』っていう、『黒幕』と対立する組織に今潜入してます
こっちはどちらかと言うと反『黒幕』ってスタンスで動いてるんですけど

明確な味方ではないというか、公安を嫌ってるというか、そんな感じの組織なんですよね


【円卓の存在についても明かす。膨大な資金源に支えられた高度な協力形態】
【一人の男を頂点に置き、反黒幕の動きをしながらも決して隙を見せない隠匿性を持っている】
【その点でいえば黒幕と一緒であった。秘密主義的な側面からも】


981 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/11(金) 09:34:39 ABHv169.0
>>977

【つー、と貴方の指先が背筋をなぞる。皮膚の表面を擽る甘い甘い感触】
【身震いをした。なぞられた箇所が熱を持つ。膝がかくんと震えて快感に身悶えをする】
【息絶え絶えに呼吸を漏らしながら、物干し気な顔で貴方をとろんと見つめた】


っ……んぅ……ぁ、そこっ……好きぃ……♪ ぁっ……♪
もぅ……ぜんぜん、入ってこないよっ……はなひ……っ
!! ゃ……そんなとこっ……なでな──ひゃ!!


【足の裏からムズムズとした感覚が登ってくる。膝の裏、太ももの付け根、おへそのした。】
【全身を細かい穂先で撫でられるみたいに、神経を蝕む悪魔の苛め】
【耽っていた。その催しに。──目尻を柔肌に溶かして、このまま果ててしまいそう、なんて、思いながら】


ふぇ……だぁれ……? んぅ……ボク、風邪なんてひかないもん……っ……ぁ
ひょっか──ざんねん、アリスちゃんには、アリスちゃんの楽しみが、あるんだね
ぁ……♪ キミは使い魔ちゃん? コゲちゃんって名前かなー、可愛いのっ


【新たに現れた使い魔に視線を向けた。ゆっくりと怠惰そうに身体を持ち上げて】
【背もたれに預ける身体。くたぁと両肩を下ろして両手を内腿に挟んだ】
【指が鼠径部をなぞって、止まった。示唆だけがあった。細いラインと豊満な膨らみが淫らに揺れて】


ぅん、とっても──とーっても楽しいよ♪ この世ならざるモノの世界さ
条理なんかじゃ縛れない、理は全て尽き果てて、深い淵に全て落ちるんだ
──アリスちゃんってば、素敵な提案してくれるんだね♪ ボクはいいよ、可愛い使い魔ちゃんは大好きだし

……素敵な本を持ってるんだね、これは凄いや、今まで見た中で桁違いの魔力
そこいらの聖典や異本じゃ太刀打ち出来ない。──虚神連中ぐらいじゃなきゃ
ねね、これ貰っていっていい? コゲちゃんと、一緒に


【イルは表情を明るくした。屈託のない笑みでコゲを見つめて──現れた本には少し警戒心を見せて】
【漏れる言葉は彼女には珍しい感嘆の声、良くもこんな本を持っていたものだ、と】
【視線の端にアリスを映す。いつも通り可憐な笑みを浮かべているのだろうけど】


982 : トビラの中 ◆191We52L8E :2018/05/11(金) 19:20:36 FPLZlXoM0
>>954

「ああ、抑揚がない、と言いたいんだね。すまない、その辺りは上手く調節できなくて。
 呼び方はお任せするよ。"名前"は持っていないから、さ」

【少女の問いには答えて、しかし軽口を気にすることはなく】
【あくまで"情報の交換"を行っているだけ。もしくは、一方的に意思を伝えているだけ】
【どこかそういった様子が見え隠れする話しぶりは、少女を苛立たせてしまうかもしれない】
【少女を見据える瞳は、まばたきの一つをすることもなく】

「お気になさらず。味を楽しみにして食べるわけじゃないから」

【口ぶりは、なんとなく人の気持ちを逆撫でするものから変わらない】
【もっとも、決して楽しんでやっているわけではない――――ニコリともしない顔を見ていれば、それは明らかだ】
【そんな鉄面皮のままで。青年はこともなげに】


「頼むよ。体が全く動かない」


【少女の腕に抱かれて、仔猫はガツガツ肉を貪っていた。すでに青年の事など眼中にないのだろう】
【一方の母猫は、しゃべる癖に動かないニンゲンを、時折不審げに睨みつつも】
【これも結局我関せず、貴重な食事の方を優先していた】


983 : ◆3inMmyYQUs :2018/05/11(金) 20:25:09 LevMp5MM0

【──ひどい風雨だった】
【大粒の雨と颶風が暴徒と化して、外から全ての窓を叩き割ろうとしているかのようだった】

【ごう……ん、と】
【低く轟いた雷鳴は、しかし怒りの絶頂はまだこれからだとでも言いたげだった】

【嵐の黄昏時。流石にこんな荒天下を好き好んで出掛けようという物好きは少なく】
【いつもは徐々に客の入り始めるUTの酒場もその日ばかりは湿っぽい空白が満ちていた】


【その昏い静寂が乱れたのは、丁度17時11分02秒のことだった】

【急な勢いで扉を押しのけ、何かずぶ濡れの人間が一人、荒れ狂う風雨と共に飛び込んできた】
【というよりはむしろ投げ込まれた、といったようにその者は来るなり力無く前のめりで倒れ伏した】


────────────…………っ、…………っ──


【男、青年であろうか、長めに伸びた灰色の髪に、元の色か水を吸っての色かは判然としないが暗灰色をしたクローク様の外套】
【如何なる訳か目元は黒い帯状布で覆われ、まるで処刑寸前の捕虜が何処かから逃げ出してきたかのような装いだった】

【酔客にしてはあまりに異質なその青年は】
【荒い息を整えようともせず、途切れがちな声で、しかし非常な急務を告げるようにこう呟いた】


────は……つ、せ…………──まき、ね、……──に……────



/そういう訳でマキちゃんの方よろしくお願いします。


984 : ◆jw.vgDRcAc :2018/05/11(金) 21:07:13 OX.x04tc0
>>980

【また目が合う。本当に目をよく見て話す子だ。目は口ほどに物を言うという言葉があるが、やはり目を合わせた方が伝わる事も多い。】
【ちゃんとうなずいたりしてアクションを起こしながら話を聞いてくれるから、話す側もちゃんと伝わっているのだという気になる。】
【忍者なら、諜報活動なんかもするのだろうか。彼女が相手なら、ついつい色んな事を喋ってしまいそうだ。】

……ふふ、私は鵺ちゃんのお話をまとめただけですよっ。
でも、そうですね……きっと、気を付けるに越した事は無い筈です。軽率に動けば、どうなるか分からないですもの。
その文書と証拠を私たちが持っているという事は、付け入る隙があるという事。僅かな隙ですが……
……私達は切り札です。慎重に動かねば。今は、その文書の裏付けをもっと強くするのが課題かしら……?

【逮捕されるまで世相に疎かったがゆえに、今知った情報も非常に多い。だんだんと、現況が見えてきた気がする。……気のせいかもしれないが。】
【とにかく、一筋縄ではいかないどころじゃない程に情報は複雑さを極めているというのは分かった。単純ではないがゆえに、行動には気を付けなければ。】
【特に、文書は強力な決定打になりうる。逆に、これが空振りだと一気に追い詰められるだろう。】

【そして、さらに示させる新しい勢力。さっきの時点で単純じゃないと思っていたのに、さらに状況は複雑になる……】

円卓……。……むむ。また新しい組織……
……その組織は、どうして黒幕と反目しているのですか?
正義だとかではなく、能力者が規制されると不味い理由があるとか……?
彼らは、どういった目的の組織なのでしょう。

【人道的に間違っているという理由だけで対立するなら、そもそも秘密主義にする意味は無い。むしろ大っぴらに仲間を募るべきだ。】
【そうしないのならば、そうしないだけの理由があるはず。明確な味方ではないという言い方も、どこか引っかかる。】
【場合によれば協力して状況打開に当たれるが、逆に打開すべき敵が増えるだけになる可能性も大いにある。】
【とにかくここは、知っている情報だけでもいいから組織の目的を把握しておかねば。皐月の顔は探究者の物に変わる。】


985 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/11(金) 21:28:44 W2NMqHfc0
>>976

え、別にいいけど……邪禍さんと違って悪用とかはしないけどなぁ
あと、家賃自体は別の誰かから取ってよ。俺、そんなに給料良くないんだよね
ミラ……あのタコあたりとかさ。資金源なんだから、必要な拠点の維持費ぐらい出すんじゃない?

【家賃は結局了承──とはいかなかったが、家賃をなくせ、なんて要求はしなかった。他に回したが】
【「何この不思議な踊り。ちょっと可愛い」なんてスライムに言いつつ、邪禍の話に耳を傾ける】

んん……要するにこのスライム?と相談?しつつ作ればいいわけか
…………あーいや、邪禍さん、そうじゃなくてさ
確かに、俺はこの邪禍さんの片腕があれば転移できるかもしれないけど、他の連中とか不便じゃない?
だから、転移用の魔導具を作って配ろうとか思ってたんだけど…………だめ?

【若干、食い違いを感じた赤木は説明を追加した。つまるところ、転移できるのが自分だけでは不足なのだ】
【この移動拠点をチームで用いる拠点にしたいのが、彼の目標であった】


986 : ◆Heckemet8M :2018/05/11(金) 21:51:19 u1dxVMlM0
>>985

「36万+4nの1.1倍くゥれェ、ナントカ金融とかカントカ銀行辺りかァら借ァりりゃ余裕で出ァせるだァろう」
「まァ、金さァえきィッちり払って貰えりゃア、出ァすのは誰でも良ォい。タコ野郎が了承すゥるかは知ィらねェが」
「そォーだな、払わねェ場合に、――ククク、利用者全員に"代ァわりの支払い方法"を強制すゥるだァけ」

【――邪禍の部下の中であることを考えれば、少なくともそこら辺の原っぱなんかよりはよっぽど調子よく動けそうであり】
【それが死体回収やら素材集めにしょっちゅう勤しんでは、色々な生物を作っていることを踏まえると】
【……ともかく、誰かしらが払えば問題ない。悪魔としては別に、払う存在に拘りはない様子】

「あァ、言葉が足ァりなかったか」
「スライム状ってこォとは、分ァけ易い。が、そォのままだァとポケットに入ィれられねェ」

【スライムとして切り離したため無くなっていた腕の部位。――その断面から闇が発生すれば】
【……間違えた、なんて小声が聞こえてくる。完成したのは、ターコイズブルーの蛇な腕だ】
【おそらくは、人型か腕型辺りの存在を義手代わりにしようとしていたのだろうか】

「つゥまりは"素材提供"だ、人間。まァ、俺様が本気出ァせば1人でなァんでもやァれるが」
「俺様は忙しいんだ。以上」


987 : 名無しさん :2018/05/12(土) 02:43:27 JQlEozC.0
>>981
【モノの遣り取りだけならばまだ使い魔も黙って聞いていたのだろう。だが自分が関わってくると別だ】
【更に自分の意思も確認せずに話が進んでいく所を見て危惧したのか、焦げ茶色の毛並みを持った猫の姿となればテーブルの上に飛び乗って】
【少女の顔を長い尾でペシペシと叩こうとしながら主に抗議をするのだ】

『ボクはぜっっったいに嫌だからな!知りもしない悪魔と一緒に仕事しろなんてお断り!
それにこんな痴女みたいなのと一緒に居たらボクまで変態だと思われるだろっ!』

「コゲをあげる事は出来ないけど、貸してあげる事は出来るわ
本の使い方もコゲが教えてくれるでしょうし――飲まれない方法だって、教えてくれる筈よ
イルが楽しい子で居る間は。私の楽しいお友達で居る間だけは
楽しい世界を見せてくれるのでしょう?だけれど、それが出来なかったら私がイルから“代わり”を貰うのはどうかしら
――ねえ。きっと楽しいと思うのだけれど」

【にゃあにゃあ、そんな風に鳴き喚く猫を撫でながら悪魔は嗤って応えた】
【イルが面白い悪魔で居る間は――逆に考えれば、そうで無くなってしまった時が期限】
【もし楽しく無くなったら。もしその世界を作る事が出来なかったら。“代わり”“代償”その言葉の意味は悪魔ならば分かるだろう】
【何を失うか、何を奪うのかは其の時によってきっと違う。くつくつと嗤いながら少女に問うた悪魔は、楽しそうで】
【同じ悪魔同士でありながら選択を迫る。それは戯れなのか、それとも……】


「答えはイルに任せるわね?だって、私が選んでしまったら詰まらないもの
――さあ、イルはどうするのかしら?
どれを選んでも、きっとお話は楽しい方に進んで行くわ。うん、きっとそう

迷って仕舞ったなら、また今度だって良いのよ?
もう太陽も顔を覗かせる頃だもの。太陽が昇ったら、悪い子達は寝なきゃいけないの
……それに、きっともう少しした新しいお話の登場人物達も此処に来るわ。なーんにも知らない知ろうともしない人達が、自分達の正義に酔いしれるために」

【――不意に、まるで骨が折れたような音が辺りで聞こえる。それが何個も、何十個も】
【三人分の声しか聞こえなかったこの村に、新たな気配。周りを見れば、死んだ筈の村人達が動き出しているのだ】
【死後硬直で固まった関節が動く度に聞こえる不快音。自身の腹からぶら下がる物を自分で踏みつけ引き摺り出しながら徘徊する骸】
【子供の顔を暖炉のレンガに押し付け、緩慢な動きで擦り削っていく母親。死後も傷付け合う嘗ては幸せだった村の人々。猫の少女が言っていた準備が出来たとはこの事か】
【気付けば夜明けも近くなりつつある。それに等しく偶然出会った悪魔達の別れも近付いている事だろう】


988 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/12(土) 05:36:54 ABHv169.0
>>982

【彼女はその程度では腹を立てない人種であった。さいですか、と何度が頷いて】
【調整? と聞き返すのは聞き慣れない言葉、瞬きしない目と合わせてじいっと見る】
【違和感があった。それはどこかに差異があるのだけど、気づけないみたいで】


名前が無いと不便ですよっ、鵺ちゃんはそう思いますっ
鵺ちゃんには鵺ちゃんという名前があるから、こうして楽しく生きてけますしっ
えーっと "ナナシ" さんだったら、どーっか懐かしい響きしちゃいますけどっ

えーっ! 食べ物を楽しむのなんて一に味、二に味ですよ!!
そんなのいけません! なりません! 断固として許しませんよっ
なーんか不思議な言い分です、ははーん、さては貴方人間じゃありませんね


【ニヤリと笑って指を鳴らす、冗談交じりの口振りで】
【貴方の言葉を否定しながらも不快感などないようで、ふふーんと鼻歌交じりに】
【ちょこんと座り込んで貴方に近づく、華奢な身体がその細さを増して】


んまっ、それは重傷ですね、ほんとに鵺ちゃん命の恩人じゃありません?
はいはい、今食べさせてあげますからねー、よいしょーっ!
たーんとお食べっ、といっても猫缶ですけどね、ねーこーかーんっ


【えいやと一切れをくないに乗せて、貴方の口元へと運ぶ】
【しかしまぁなんと、シュールな後継であろうか】
【路地裏では時に、こんな事も起きるという良い例であった】


989 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/12(土) 05:49:23 ABHv169.0
>>984

【鵺は吃驚して目を真ん丸に広げる。──皐月の発言が過不足なく真に迫る発言だったから】
【ほぇーなんて感嘆の言葉を漏らして、この人ほんとに頭いいんだなーっと内心思う】
【心強い味方であった。肯定の意味を込めて思い切りうんうんと頷いてみせる】


そーです! そです! んもうインテリヤクザにもそう言われました! 裏付けとってこい阿呆って
世間に公表するにしてもどうしても、今のままじゃまーったく信憑性ありませんから、永遠のゼロです
まぁその文書のネタ元が機関員ですからねっ、カニバディールって知ってます?

こーんな大きくて! 悪そーな目をした、それでもみょーに紳士的な人です、通称カニちゃん
その文書も彼から貰ったんです、機関員ですけど、黒幕に対抗する立場なんですよね
良くわかんないです、機関って一枚岩じゃないんですね──


【探求者の面持ちを見せる皐月の横顔、理知的な双眸が鋭利な煌めきを見せて】
【磨き抜かれた刀剣の如く、鋭い切り先が舌鋒となり、一刀の下に多くの論を切り開くのだろう】
【彼女の知能は確かに必要不可欠であった。智慧そのものは武器になるのである】


なーんかお金集めの組織らしいですよ、組織というか仕組みというか
そのお金の規模が尋常じゃないです、それこそ一国を傾けるほどに──
だからこそ対立するってインテリヤクザが言ってました、頭は二つもいらへんって

それに、今『円卓』を牛耳ってる人が、黒幕が嫌いって聞きました
その人が改革者となって、今の『円卓』を作ったと言っても過言ではないと
……まぁ、こうなってからは会ったことありませんけど、面識はありますし


【鵺は苦い顔を見せる、よっぽどその『円卓』の主に関して嫌な思い出があるのだろう】
【言の葉をひとつ投げ掛けて、もう1度貴方の返答をまつ】
【彼女が持っている情報の大体は話した、質問があれば可能な限り答えるだろう】


990 : 院長中身 ◆zO7JlnSovk :2018/05/12(土) 05:59:57 ABHv169.0
>>987

【コゲの尻尾攻撃をほっぺたに受けながら、イルはまっすぐにアリスへと興味を向けた】
【──深い闇を見ているようであった。気を抜いたらそのまま飲み込まれそうな程に】
【足元が解ける感触、それすらも心地よく感じるぐらいには、彼女もまた普通ではなくて】


最高♪ いいよアリスちゃん、その申し出、喜んで受けさせてもらうからっ
ボクを信じてよ、ボクが作る世界が楽しくないなんて有り得ないしっ
きーっとアリスちゃんが、自分から頼んで寄せて貰えるような世界を作ってみせるんだ♪

それができなきゃ、ボクをぶっ殺そうがどうしようがアリスちゃんの自由だから──もしかしたら、それもいいかも
兎に角コゲちゃんは借りてくねっ、よーろーしーくっ♪
それと、この素敵な本も、ボクのやぼーにきっちりきっかり役立ってもらうからっ


【差し出された選択肢はキチンと読み取る。選んだのは過酷な道のり】
【それでも彼女には十分魅力的だから、選ばないという道はなくて】
【──不意に音が響いた。不審に思い周囲を見たなら、それはさながら終幕のベルが如く】


確かに♪ ちょーどいい感じだね、工場にそろそろ、客が来る時間だから
ふふ、今日が開幕の日なんだーっ楽しい楽しい催し事のね
ボクの作る世界、その一端を切り開く世にも奇妙な物語の始まり

じゃあ、このコゲちゃんと本は持ってっていいんだねっ、約束したもん
またアリスちゃんのとこ来るよ♪ 今度は沢山の手土産を持って
じゃあね♪ 素敵な夜をありがとう


【イルの背中にある翼が開かれる。悪魔の持つ羽根を一対】
【許可を貰ったなら、コゲと本を小脇に抱え、飛び去っていくだろう】
【──進む一話、その先にある闇を探して】


/こんな所でしょうか! お疲れ様でした!


991 : ◆KP.vGoiAyM :2018/05/12(土) 11:31:35 ZP5d3v9M0
>>983

【UNITED TRIGGERの事務所の地下深くにつくられたこの場所は地上の天気の悪さもインターネットを通じた】
【データでしか知り得ることが出来ないほどに深く、堅牢なつくりをしていた。ここにいると時間どころか日にちも忘れそうになる】
【だが研究者の自分としてはそれは願ってもない程の最高の環境だ。私はここのところのそこに居た】

【初瀬麻季音、ハツセマキネ。17歳、女性。大学院工学研究所 応用電子機械知能研究 博士課程】
【遺伝か、環境か、突然変異かわからないけれど勉強は小さい頃から人よりも出来た。取り柄はそれぐらいで、能力や魔法もない】

【黒髪で、丸っこい髪型(気に入っているのだが、その名称は知らない)。背は高くなくて年齢をだいぶ下に見られるのがコンプレックスで】
【服装はいつもだいたいオーバーサイズのパーカーを着ている。あまり頓着し、気に入ったものは同じようなものを揃えるからそんな感じになりがちになる。】

【何故あえて今更こんな話をするのかというと、今置かれている状況や今後を見通す上で、一種のアイデンティティを整理しておこうと思ったからだ】
【客観的な目線とデータの整理は研究者の基本だから】

【17時11分02秒のことは、私は人づてに知る。その時、事務所の方に居たのは知り合いの知り合いの…とメンバーのアルバイトの代理ぐらい遠い人が】
【留守を預かっていた。たしかその日は探偵の知り合いとかだったはず。腰に刀を下げた、長い黒髪のメガネの女性。私は呼ばれて、地下から事務所の方に上がった。】

……私が、初瀬麻季音よ。

【色んな物の詰め合わせにつけられたアイデンティティの名称を口にする。】

【その雰囲気から、私はこの『事件』がまた進み始めたのを察した。外の天気が、その意味を暗示しているようで不気味だった】
【彼はまだすぐにその重要な一言を発するまでに呼吸を整える時間が必要だと思ったので、バーカウンターの中にあるタオルを取りに行った】
【その時に、カウンターの中に置いてある自動式拳銃が目に入ったが、私は手に取らなかった】

【タオルを彼のところまで持っていって、手渡そうとした。拒むならその頭でも肩にでもかけてやるだろう】


/よろしくお願いします!


992 : ラベンダァイス ◆auPC5auEAk :2018/05/12(土) 15:50:26 ZCHlt7mo0
>>978-979

【「――――未来あれ! 悪も正義もいらない、人が人を裁けばそれでいい、良いんだ!」――――そんな声が再び響き、そして声の主は起き上がる】
【――――何ということもない、20歳くらいの青年だった。若さゆえに、そうした熱に充てられているのだろうが、手には1丁のオートマチックを握りしめて】
【腰を落として発射体制を作りながら、両手で銃を構え、カニバディールに相対する。おそらくは半分素人なのだろう。構えは固く、そして歪だ】

(――――ごめんなさい。色々と問題が積み重なった中で、私はただ、日々の仕事だけにかまけていたせいで、ここまで状況が悪化するまで、介入できなかった――――ッ)

【ギアの感傷とはまた別に、ラベンダーの胸も後悔が差す。そうした調整を、セリーナに任せきりにしていたのだ】
【何か必要なら、自分にも声がかかるだろう――――こういうのを、一般社会では『指示待ち人間』というのだろうか】
【その為に、世界すら歪むのではないかという事態に、自分は何もできなかった。やり切れぬ思いが胸に込み上げるのを、無理やりに振り切った】

――――お前たちのおかげです。私の持っていた7つの力、っ――――それに、目覚めた、本当の力――――
12の力が――――私に、敵を討てと命じるんだ――――ぐ、っ――――空も海も大地も、全ての敵を、私は討つッ――――ッ!

【手の内を明かすような真似は、流石に避けるべきだったかもしれない。手を組んでいるのは、あくまで『一時的に』なのだ】
【それでも、半ば無意識にラベンダーは叫んでいた。あの夜に目覚めた5つの力、そしてもとより秘めていた7つの力】
【――――それが、生体兵器として、彼女が己の存在理由と定めている、敵を討つための力なのだ――――】

(――――伝わった。間違いない――――ここを片づけたら、一度しっかりと顔を合わせなきゃ――――)

【囁きは、どうやらカニバディールに届いたようだ。機械の身になりながらも、ラベンダーは安堵する】
【――――今の敵は、周囲の群衆、それは間違いない。だがそれも通過点でしかないのだ――――その先にいる敵のために、自分たちは情報交換をしなければならない】
【偽りの全力を発揮しながら、ラベンダーはすでに先を見据えていた】

【――――近寄ってきたポイゾニックに、発砲者の青年は銃を向ける】
【が――――やはりその姿勢はぎこちなく、そして無駄に力んだものだったのだろう。振り向いた際に拳銃を落としてしまい、その手に捉えられる】
【「ぐあああああ!! ひっ、光を、未来を、導きをぉぉぉぉ!!」痛痒の苦痛に苛まれながら、青年は叫ぶ。おそらくは、余計な事を口走らないように】
【己のうちに据えられたスローガンを、反復する。それだけに専心する。そうして、全てから目を背けようというのだろう】
【幸いにも、割合すぐに解放されるのだが――――その時まで青年は、時折混じる苦悶の声を除いて、それ以外の言葉を発しようとしなかった】

――――ぐ――――お前たちは、こんなところにいるものじゃない――――ッ、がぁああああああッッッ!!

【傷の具合は――――そろそろ、無理を押しても押し切れないレベルになりつつある】
【どうやらそれを、カニバディールは看破してくれたのだろう。真っ向からの一撃を見舞ってくる】
【それに応えんと、ラベンダーも最後の力を振り絞る。再びスラスターで加速し、真っ向からの拳】
【そして、腕から放たれた6基の円刃――――チャクラム。それは複雑な軌道を描きながら、カニバディールを切り刻まんと飛来する】
【――――ただし、勿論のこと、それは本気ではない。本当なら、深く深く切り込むこともできるその刃は、精々がサクッと浅く食い込んで終わりだ】
【拳と拳がぶつかり合い、止まる。『戦い』の最後は、このチャクラムを持って決着とする、と――――】

【――――3時間後というのは、後始末を終えて合流するまでの猶予、という他に、ラベンダー自身の手当の必要性も勘案したものだったのだ】


993 : カニバディール ◆ZJHYHqfRdU :2018/05/12(土) 17:52:52 IBKicRNQ0
>>992
人が人を裁く――――ずいぶんと簡単に口にするな
それを成すだけの力が、何よりその裁定を下すための確かな基準が、それを正確に執行する意思が
必要なものはあまりに多い……それが出来ないからこそ、今この世界は混沌なのだ!!

【こちらへと向く銃口に、カニバディールは怯むことなく叫び返す。彼の若さゆえの狂熱を否定するために】
【慣れていない発射姿勢。されど、油断は出来ない。時に素人の一時の狂気が、思いもよらない被害をもたらすこともある】
【だからこそ、配下の一人を割いて彼に当たらせた。臆病な肉屋は石橋を叩く】


(ラベンダァイスさん……)

【彼女と交わした視線は一瞬でも、その内側の苦悩は伝わった。迫りくる危機の前に、何も出来ずにいたのはギアも同じ】
【しかし、生き人形は前を向く。遅かったかもしれないけど、まだ終わっていない。己の魂を鼓舞する】


く、はは……!! あの日の小競り合いで、私は図らずもお前を完全な兵器に覚醒させてしまったわけか……!!
ならば、この失態は私自身が拭わなければな……!!

(12の力……)

【異形は、確かに彼女の言葉を聞いた。自らがまだ知らない彼女の手の内の一端を知った】
【いずれ再び敵に戻る日まで、異形は確かにそれを覚えておくだろう。しかし、それは今ではない】
【今、彼女は轡を並べる共闘者であり。そして、自らの存在を兵器としての在り方にゆだねる、頼もしい戦闘者であるのだから】


【そう、見据えるは未来。お互いにとって看過できない、より強大な相手を打ち倒した未来。全てはその時のためだ】
【群衆を騙し、UTを守り抜き、不倶戴天の敵と面を突き合わせて語らう。そのすべてを、互いに厭わない】

『光に未来に導き!! どこかの新興カルト教団ですか!? 教団のお名前は? 教祖様はどんな方なんです?』
『ほらほら、目を背けていては光も何もないでしょ!? インタビューなんですよ、もっと面白いことを――――ぐぎゃ!!』

【結局、わかったことはスローガンと群衆の間に広まりつつある狂熱の存在のみ。この青年もまた、その流れに飲み込まれたに過ぎないということ】
【それ以上は、状況が許さず。パンチング・ガンの直撃を受けて、ポイゾニックは地面に伸びた】


ぐ、がぁ……!! おの、れえええええええええええ!!!

【決着は、あっさりと。それもまた、リアルな戦闘の演出だ】
【真っ向から叩きつけられたラベンダー色の拳に、空洞の肉塊は食い止められる。傍から見れば、強い衝撃をラベンダァイスが抑えたように見えるだろう】

【続いて、放たれたチャクラム。いずれも浅い傷だが、カニバディールは大げさに苦鳴を上げて見せた】
【軌道の複雑さと肉を操る能力ゆえ、群衆の目から傷の浅さを隠すことも容易。筋肉を動かして、鮮血だけは派手に噴き出して見せながら】
【最後は、額の一つ目がチャクラムに捉えられ、切断された。実際には、肉体増殖で作り出した、かりそめの瞳】

【仰け反り、地面に倒れ伏す。そこへ、ふらつきながらポイゾニックが駆け寄る】
【すでに、深い刀傷(と見せかけた軽傷)を負ったレギオルフォンを引きずりながら】

「ボ、ボス……!! ああ、目が……!!」
『ち、くしょう……退くしかないぞ……』

【自分たちも満身創痍で、いかにも悔し気に。二人の配下は、倒れ伏したカニバディールを引きずっていこうとするだろう】
【[待て!!]と追い縋ったギアに、レギオルフォンがナイフを投げつける。足に突き刺さり、ギアが転倒する。事前に示し合わせ、その足には防具が仕込んであった】

【そうして、傷ついたラベンダーとギア、群衆を尻目にスクラップズは逃げていく。路地裏の奥の闇の中へと】
【倒れたギアは、いかにも悔し気に歯を食いしば史ながら追跡を断念し、ラベンダァイスの肩を貸しに行こうとするだろう】

【群衆の中から、歓声を上げる者が何人か。「やってくれた」「UTが助けてくれた」。カニバディールが急遽用意したサクラによる声だったが】
【それはきっと、波及していくはずだ。今、彼らを弾圧していた自分たちをUTは救った。その画策された事実を前に】


【その後。スクラップズは活動をしばし停止する。注射器による能力のばら撒きは鳴りを潜める】
【UTは見事、市民の脅威たる盗賊団を排除した。その事実は、確かにここに生み出されることになるだろう】


【――――3時間後。時間きっかりに、異形の肉屋は約束の場所に現れる。手下は連れず、演技とはいえ傷ついたその身一つで】


994 : ◆r0cnuegjy. :2018/05/12(土) 18:42:10 KFgZS3Io0
>>986

金出す役割のやつが金出さなかったら大問題だよ
まぁ、俺が言うと出さないかもだけど……仲悪いし
そのあたりもレオなんちゃらさんに投げちゃおうかな……まずいかな

あー、なるほど。そういうことか
んーと……じゃあちょっと待っててよ。調べて作ってみるからさ

【そう言って赤木はスライムを引き寄せて、転移術でいくつかの道具を取り出す】
【スライムに何か刺したり眺めたりして調べ、あるいは素材をいくつか取り出して組み合わせたり】
【そういった作業をやり始めていた。手際自体は、意外と良い】

【そして小一時間後】

…………できたけど、腕輪になっちゃったな

【銀色に鈍く輝く腕輪がいくつか出来上がっていた】
【腕輪にはスライム色に輝く部分が一つ。素材として使ったらしい】
【それを装着して部屋の中で転移をテスト。ソファの上から床へ転移し、さらに戻ってくる】

んー…………まぁ、多分いいか
邪禍さんにいくつか渡しておくから、メンバーに会うことがあったら渡しておいてよ

【机の上に腕輪を何個か置いて邪禍の方へと差し出す】


995 : ◆Heckemet8M :2018/05/12(土) 19:19:01 u1dxVMlM0
>>994

「まァ、そォーだな。六罪王のスポンサーがつゥいてるなァーんて言ィッておォきながら」
「家賃滞納なァんて、スポンサーどォーしたって話だァな」

「……ククク、俺様の信頼度は俺様自身がよォーくと知ィッている」
「そォの辺り含めてレオーテヴュートに投ァげる方が良ォいかも知ィれないが」
「奴は俺様の事が大嫌いだァからな。俺様の名前を出ァせば"絶対駄目な家だよね、うん"なァんて結論付ゥけて既読スルーだ」
「注意しィろよ?」

【――自信たっぷりに"部下にめっちゃ嫌われてる"と語る悪魔。自己分析もばっちり(?)】
【例えば"邪禍が良い物件見つけたから家賃の件タコに伝えて"なんて名前を出しつつ伝えれば】
【"ごめん、文字化けしてた"なんて返信があるのは、まだ機嫌が良い方。返信無しな可能性だって大いにあるのだ】

【ちぎられる分には特に文句の態度を示してこないものの】
【その身体に何かを刺されれば、カウンターとして爪の間を狙った刺突を、身体の一部で繰り出してくるだろう】
【威力は……まあ、指先の動きには影響ない程度(痛くないとは言っていない)。】


【……なお、作業中は暇なのか、呼ばれたりしなければ奥の方にある部屋に入ってしまうだろう】
【もし扉を開けてもそこには誰もいない、けれども、ちゃんとその扉からそれは出てくる】


【それから、物が完成すれば呼ばずとも現れるだろう。……姿は、最初に見せていた男体風なそれで、腕も治っている。着替えたらしい】
【まあ、女体風よりはバランス的にはマシか……どうせなら、バランス整えた女体に着替えて貰ったほうが良かったかもしれないが】

「ククク、でェきたか。あァ、代金はさァッきの小切手に加算しィておけ」

【机の上に置かれた腕輪、そのうちの1つを装備しつつ挙動のチェックを行う】
【転移の度に奇妙なポーズを取っているのはさておき――おそらく、問題はない気がする。まあ、何か起きたらその時はその時だ】

「あァ、考えといてやァろう。……もォちろん、お前も配れよ?」

【挙動を確認した後、置かれた腕輪を回収する】


996 : 名無しさん :2018/05/12(土) 20:35:52 JQlEozC.0
>>990
【去って行く病魔の姿を紅茶を啜りつつ見送り、やがて眩しそうに太陽を見遣る】
【――そんな中、燕尾服を纏った人物が直ぐ背後に現れて】

『凄いですネー。世界ですよ世界。あの子なら本当に作れてしまうのでは無いですカ?』

「ふふ――……そうね、帽子屋さん。もしかしたら出来るかもしれないわ。だって、病気って世界中に散らばって居るのでしょう?
それなら、それがもっともっと悪い事になれば……

楽しいお話なら大好きよ。だからきっと、イルなら面白いお話を読ませてくれるわ」

【顔も良く見えない。声も男か女か分からない。――そんな人物に対して楽しそうに言葉を返した後、少女は一つの詠唱を行う】
【その周りの空間が次第に歪み始め、まるで何も無かったかのように消え去り……】


【その日、一つの話が新聞に載る。『アンデッド達が住まう村の破壊に成功』なんて見出し】
【誰もその背景など気にせず、勝手に悪しき存在と決めた者達が死んだ事を喜ぶ】
【子を思っていた母はただ子を嬲って楽しむ悪魔だと変えられ】
【年寄りを助けていた好青年は年配者を虐げ喜ぶ悪人と歪められ】
【結局、真実を探ろうとする者は一人も居なかった。だから、善人ばかりだったと言う村は完全に世界の歴史から消える事になる】
【きっと、物語なんてそんなもの。他者が楽しめれば、その登場人物がどうなろうと――】

/お疲れ様でした!


997 : キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/05/12(土) 23:02:29 YPBLlEbw0


>>960

【さて―――セリーナもなかなかに強情で意地っ張り、強がりが悪癖の女性である。鈴音と揉めた事を】
【当然誰かに悩みとして漏らしたり、弱音として吐いたりはしていなくて―――尤も、それだけ本人も重く受け止めていた証拠だが】
【とにかくそういう事情で、キングですらこの両者間に何があったのかは把握出来ていなかった、いなかったが此処に来て様子からそれを―――感じ取り始めた。】


(―――……野郎、どういうことだコイツは。さっきから私が頑張ってたらセリーナも、って感じの言葉ばかりだ。)
(まさか……ああ、なんとなく繋がりそうで繋がらなかったが。"これ"が原因か―――あいつのバカバカしい特攻まがいの潜入は。)

(喧嘩……いいや。というよりもむしろ、鈴音を責めたのか? アイツ……それでこうなっちまってるって訳だな。)
(そこに加えて個人的に抱えてるなんかの事態が悪化してパンク寸前―――だとすりゃ最悪だな。どうにもバッドな状況だぜ、参った。)


【何らかの事情がある事は読み取れて来ていた。後はその実態に迫るだけだ。キングは鈴音をしっかりと抱き締める。】
【多分、そうやって褒める事こそが重荷なのだろうが―――然し、かと言ってそれを慰めるには時間を掛けてやるしか方法はない。】
【とは言え事態は切迫している。これ以上ゆっくりと、鈴音を立ち直らせるのはキングに許された時間の中で無理が生じる―――申し訳なく思いつつ】


……誰が、誰に殺されるっていうんだ。
誰を殺せば、それを免れるっていうんだ。鈴音、ひとつひとつでいい。

整理しようぜ、まずは"殺されちまう"っていうみんなについてだ。
それは誰で、どんな奴で、どこにいるんだ。キミの友達か、それともUTの仲間か?

まずはそれを教えてくれ。そしてその次に―――誰が殺そうとしてるのかだ。
大丈夫だ、教えてくれさえすりゃオレが絶対に守ってやる。相手が誰でも守ってやる。

たとえ相手が悪の大魔王だろうが、超巨大企業の天才社長だろうが、宇宙を支配する指輪を嵌めた大男だろうが―――
オレは負けない、殺させない。鈴音の大事な"その人たち"を、傷つけさせやしない。約束だ、話してくれさえすればどうにかしてやる、絶対に。

さあ……こっちを見て。オレの目を見て。落ち着いて言葉を続けてくれ。
君が困っているのは"誰かを殺されそうだから"、だな? その殺されそうなのは―――誰なんだ。


【キングは身体をくっつけたまま、鈴音の頭を掻き抱き、そうしてその瞳をのぞき込むだろう。】
【全身から流した魔力は―――悪魔の物とはいえ、微弱だ。人の血を内部に通わす彼だからこそ、濃すぎないそれ。】
【圧するための物としてではなく、むしろ共振を得る様に―――鈴音の肉体に魔力を溶け込ませ、落ち着きを取り戻させるようにするだろう】


998 : 名無しさん :2018/05/12(土) 23:25:53 vNoKwyD60
>>997

【"それ"には莫大な時間が必要だった。それに、手順も必要だろう。すべての懸念を取り除くには、時間も、力も、労力も、何もかもが足りなくて】
【でも、だからこそ。この一時の暖かさは"ない"よりずっと"まし"だった。全部のことが終わるまで、おそらくまともに休むことはできない。そのなかで】
【誰かにこうやって甘えたかったのかもしれない、でもできなかった。――本当に大人になれないのならば。中身だけでも。ほんの少しでも、強くって、大きな、自分にって】

――――――たんぽぽのっ、……――来てくれ、た、子が、! ――曽根上ミチカ、が、写真をっ――もって、て……、
カニバディール、か、麻季音ちゃんをっ……って、でも……――"でも"!

……やだよう、やだ――、うらぎりもの、に、なりたくない、でもっ……、あのこたちが、しんじゃう、っ……、

【――――そんな思いは、だけど、とっくに踏みにじられてしまったんだって、きっと彼なら理解できるのだろう】
【平和な状況でなら、それも"よし"だった。いろいろなこと、今までしてこなかったようなこと、苦手だからって後回しにしていたようなこと、やることが出来る瞬間のはずだった】
【ちょうど少女はセリーナに伝えていた、"たんぽぽ"のこと、もっといろんな風にできたら、って、今すぐじゃなくって、いいけれど。いつか、そういうのが、したいって】
【そのためにもっと訓練をつけてもらう。できないことに挑戦する。――そのはずだった。だけど。世界はそんな平和を、許してはくれなかったから】

【よいしょって背伸びして手を伸ばしたなら、今まで届かなかった何かが見えるかもしれない。今まで届かなかった何かに、手が届くかもしれない】
【だけど、その瞬間はどうしようもなく無防備でもあった。つま先立ちのところを、"どん"って押されてしまって、彼女は、バランスを崩してしまった】

【――殺される、というのは、どうやら子供たちであるらしい。それも、たんぽぽに来たことのある、子供。――――少女に対して何より重たい意味のあるもの】
【だけど続く言葉はきっと彼には全部分からない。曽根上ミチカは誰であるのか。麻季音……初瀬麻季音はともかくとして、カニバディール、という名前は無視しがたい】
【文脈的に、子供たちを人質に取られ、その二人をどうにかしろと言われた……曽根上ミチカという存在に、命じられて。であるように、思えたのだけど】

やだ……やだよ、やだ――、――――たすけて、

【ぎゅうと抱き着いたなら、多分、簡単には剥がれそうになかった。だから視線はきっと合わなくて、彼の身体にぴったり顔を埋めて、くぐもる声が】
【だけど特異な声であるなら、聞き漏らすとか、きっとなくて――わがままをする子供みたいに首を揺らしていやいやする、少しでも現実を遠ざけたいように】
【真っ白な両手が彼の手を掴んでいた。魔力はもうなんだか当たり前みたいに受け取ってしまっていたけど――それだって、きっと、伝わる。彼女にとっては大事だって】
【だから――彼の方で問題がなければ、しばらくそうやって吸わせておくのがいいかもしれなかった。助けてと縋った。――でも、まだ、情報は足りな過ぎて】


999 : キング ◆/iCzTYjx0Y :2018/05/13(日) 00:11:52 YPBLlEbw0
>>998

【恐らくは似た者同士―――血が繋がっていなくとも。戦闘が出来なくても、料理が出来なくても、銃が握れなくても給仕が出来なくても。】
【二人は矢張り、"姉妹"なのだった。セリーナと鈴音は似ている。重なる。或いは―――間近に行き過ぎて、似てきてしまっていたのかも、しれない。】
【それ程に二人は一緒にいたのだ。だから、困るときも一緒―――たくさん抱えて、自分を嫌悪して、褒められても慰められても、うんと言えない―――そんな】

【そんな二人だからこそ。やっぱり、周りは放っておかないという事だった。】
【キングは離そうとしなかった。離れようとしなかった。抱き締めたまま、そのままでいてやれる。】
【多分、彼女の涙が止むまでずっとそうしていられる。それがこの男の強みであり、そして何よりの人間らしさだった。】


―――キミの料理を食べに来てくれる、子供たちが……"ミチカ"だとかいうワケのわからんクソ野郎に。
捕まってるか、或いは狙われてるかしていて―――解放の条件に、キミ自身が"手を汚すこと"を求められた。

ああ、やっと分かった。そういうことだな、それで裏切者―――か。仲間を殺せ、って言われてたんだな。

(……まきね、ちゃん。新入りか、セリーナから聞いてなかったがバイト表に名前があったな。)
(そして―――カニバディール。……おいおい。ビッグネームが出て来たな、セリーナの野郎が殺し損なったアイツが―――、なんでだ?)

【これでひと先ずの状況は飲み込めた。問題はカニバディールを仲間、と捉えている点についてだが―――】
【さておき、まずは話してくれたことについて礼を言わなくてはならないだろう。いっぱい、いっぱい褒めてあげないと駄目だろう。】
【苦痛だったはずだ、この状況で誰かを尚も巻き込んだり―――頼ったりしろ、というのは。大変な苦しみを伴った筈だ。だから、キングは言うだろう。】


―――ありがとう。話してくれて、ありがとう。
よく言ってくれたな、よく頼ってくれた。よく―――頑張ったな。
辛かったろ、悔しかっただろ。でも言った。キミは言ってくれた、しっかり―――伝えてくれた。

もう大丈夫だ。絶対に、絶対に、絶対に―――安心しろ、大丈夫だ。

子供たちも、キミも、麻季音ちゃんも、……とりあえずは、カニの野郎も。みんなみんな、守ってやる。


オレが、キミ達を助けてやる。

【ぎゅ、と身体を抱きしめたまま。力強くそう告げた。嘘はない、偽りはない。】
【全力でそれを果たそうとするだろう―――だから。足りない情報もあるけれど、キングは言う。】
【助けるさ、と。セリーナが居ない今、この妹分を救えるのは―――いや、もっと言えば。UTの状況を打破出来るのは。】


(ああ、サタン。悪いけれど暫くは帰れねえらしい。此処には、オレしか居ねえからよ。)

……さて。鈴音ちゃん、もう一つだけ聞いてもいいかな?


1000 : 名無しさん :2018/05/13(日) 00:24:32 vNoKwyD60
>>999

【きゅうきゅう喉を鳴らす音がした。すぐに子供みたいに声をあげて泣き出してしまう、――数年一緒に過ごしたセリーナさえあの時始めて見たような、泣き方を】
【彼はこんなにもすぐ見てしまう。それは状況がよっぽど悪い証拠でもあった、そうでもないと、抱えてしまって――転んだ結果にぶちまけてしまったもの、どうしようもないって】
【一つ一つ拾おうにも、もはやどれもが重すぎた。それらはぽいぽいって気づいたら腕の中に放り込まれていったから、持てていただけだった、たったのそれだけだった】
【もう持てない。――どれ一つも、今のままでは。そうなってしまったなら、だけど、誰にも頼れないって思って、ずーっと、引きこもっていたのだろう、ひとりぼっちで】

【適当にあった洗濯物を勝手に拝借しただけの恰好。くっしゃくしゃの洋服をもっとくしゃくしゃにしてやろうってくらい、彼の洋服もしわくちゃにするくらい、縋る】
【きっと彼の服にしみ込んでいく涙は、だけどまだ冷たくはない。それだけ新しい涙が――暖かい涙がしばらくしみ込んでいくだろうから、だ】

【――彼の言葉には、頷く。間違えていないって返すのだ。子供たちを人質にされ――仲間に手をかけてくるよう、"脅迫"された】
【子供たちは死なせられない。だけど。裏切り者にもなれない。板挟みになって、どうしようもなくなった。提示された日付があるならば、それまでに決めないといけない】
【少女の脳裏に"まだ"答えはない。この数日後に"カニバディール"に告げることになる"正解"は、まだ、ないけれど。だからこそ、どうしようもないって、泣いてしまう】

【そうして――数分は経つだろう。やがて泣き止むのはなんてことなくて、ただ、ちょっと疲れてしまったから】
【何日も飲まず食わずだったのだ。それでこうも全力で泣いたなら疲れてしまう、――きっと、おなかだって、すいてしまう】
【――今なら、もう一度、提案できるかもしれなかった。そういう様子があった。初めの頑なさが少しだけ緩んでいて、だから、もしかしたら、って、思えた】

――――――、なー、に?

【すんすんってしゃくりあげながら、疑問形の音階が持ち上がる。すんすん、ぐすぐす、――それでも少しだけ、彼のほう、視線を持ち上げて】


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