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竜界誕生録 〜拾われし竜界王〜

1???:2012/09/20(木) 08:53:04

俺は・・・ここで亡くなるのかな・・・?
でも・・・それでいいかも・・・
なんせもうこの世で必要とされてない奴だし・・・
ああ、もし過去に戻れるのなら・・・
夢の中にだけ・・・生きたかったな・・・

そう思い、15歳位の少年は倒れる。
だがそこにかすかに感じたのは助ける気配。
そこから別の世界へと、話は進む・・・

2???:2012/09/20(木) 09:22:58
「・・・んっ?」
起きた時にはもう夕方。
と言うより一番気になるのが・・・
「俺って、拾われた・・・?」
そう、もうこの世に必要とされてないのに、なぜ拾われたか。
「そういうことってとこかな?」
「・・・!?誰?」
「まぁ、元気になったね〜。」
「え・・・?」
そうか、この人が助けてくれたのか。
「で、まぁ名乗る程でもないけど、名乗らないのも失礼なんで・・・」
そういってそばに近づき、自己紹介をする。
「初めまして。私の名は天野美冬。この天野家の次女ってとこかな。で、あなたは・・・?」
「えと・・・」
一瞬戸惑う。自分の嫌いな名前は言いたくない。そう思った。だがそんな軟弱な心を美冬は、
「・・・?どうかした?それとも、名乗りたくないとか・・・?」
「あ・・えと・・・」
「いいんだよ。何もそこまで無理して言わなくていいから。」
そう言われて、なんだか申し訳ない気持ちになる。
「誰しも言いたくないことってあるから・・・そうでしょ?」
「うん・・・」
言い返せなかった。まるで気持ちが分かる位に、優しかった。
「なら無理して言わなくていいの。そんなに鬼じゃないもの。
でもちょっと困るわね。あなたのこと、なんて呼んだらいいか・・・」
やっぱり、名乗ろうかな・・・
「ううん。こんなとこでめげちゃダメ。どうにか決めなきゃ。ねぇ」
「はい!?」
「あなたのこと・・・家の弟ってことでいいかしら・・・?」
「え?えぇぇぇぇ!?」
天野家の弟。そこからの繋がりで、また一歩、別世界へと進んでいく・・・

3???:2012/10/11(木) 10:32:57
(俺が・・・天野家の弟〜!?)
「まぁ、会ってすぐだから悪いとはおもってるけど・・・どうかな?」
そりゃそうだろう。でも俺はこの世で必要とされているのか?
「あの、弟になっても何をすれば・・・?」
「ん?まあ簡単な仕事だよ。でも働いてる時間の大半が暇な時間だからねぇ。仕事なのかな?」
大半が暇!?あり得ない仕事だ。
でも良く考えたら他に行く所もないし・・・
「分かりました。こんな俺でよければ・・・」
「ええ。歓迎するわ。じゃあまず、苗字は天野で、名前は━━」
「克実でいいです。」
突然だった。あれほど名乗りたくも無い名前を自分から名乗ったのだから。
「そう。じゃあ天野克実でいいわね?」
縦に自分は頷く。
「よし、それじゃあ、姉さんの所に行きましょ。名前も決まった所だしね。」
そういって美冬さんについて行く。
そして克実に任せられる仕事とは?一体なんなのだろうか?

4???:2012/11/16(金) 10:38:06
美冬さんについていき、1階に下りると、そこにもう一人の人がいた。
(あれが・・・美冬さんの姉?)
とてもそうには思えなかった。
なぜか?そうには見えなかったから・・・かな?
理由は分からないが・・・姉妹と言うよりは・・・義兄弟(?)
「あら、すっかり元気になったみたいね。」
「おかげさまで。」
「おっと、紹介が遅れたわね。私は天野遠子(あまのとおこ)。美冬ちゃんの姉・・・かな?」
かな?いや待て。やっぱり違うのか・・・?
「いやいや、合ってるから。姉さん」
「そう?まぁ実際そうよね。」
合ってる・・・のか?
「まぁまぁとりあえず座って。仕事内容について話すから。」
ああ、そういえばそうだった。大半が暇な仕事・・・一体なんだろう?
とりあえず席につく。
「では、仕事内容について話す前に、あなたの素性をあらかた美冬ちゃんから聞かせて貰うけど、いい?」
自分は縦に頷くと、美冬さんから解説を始める。
「・・・ん。了解。それじゃあ、そうね。あだ名を決めましょうか?」
「え?」
「そのまま呼ぶのも・・・嫌でしょう?なんせ自分の名を名乗りたくもないからって。
なんならせめて呼び名を決めておこうって。どうかしら?」
(なんでだろう。こんなに、他人である自分の気持ちが・・・あの二人になんでわかるんだ?
でもまあ実際そうだし、そうするかな。)
と思い縦に頷く。
「決まりね。じゃあ・・・「カーくん」。これでどうかしら?」
悪くないかな・・・そう思い、縦に頷く。
「うん。じゃあカーくん。あなたに託す仕事内容は・・・」
(な、なんだろう・・・?)
「あなたには、もう一つの世界の王様になってもらうわ。」
(・・・え?)
「えええええ!?」
もうひとつの世界とは・・・?ましてやその王とは一体?

5カーくん:2012/11/16(金) 10:55:26
もう一つの世界?そんなのある訳無いのに・・・何を言ってるんだ?この人・・・?
「まぁ、驚いて当然よね。唐突で。」
「確かに唐突だけど・・・でもなんで俺が?」
「まぁ・・・難しく言うなら・・・あなたはもう不治の病に侵されているの。」
「な、なんだってー!?」
本当に何を言ってるんだと思う自分。でも、本当なのか?
「その名も・・・中二病・・・だっけ?」
「いや、合ってるから。」
な・・・なんだそれか。まあ確かに不治の病だが・・・それと何が関係あるんだ?
「その中二病のせいで、あなたはこの現実で生きる意味を無くした・・・
けどまだそんなあなたでも、この現実ではなくとも、まだ出来ること、それがこの仕事ってこと。」
現実ではなく、遠子さんが言うもう一つ世界で生きる・・・?
そんなことが出来るのか・・・?
「それは、本当にあるの?」
「勿論。どうかな?やってみる?」
(まぁ他に行く所もないし・・・少しだけでもやってみるかな)
と思い縦に頷く。
「本当!?じゃあ決まりね。ではとりあえず、今日はもう遅いから、明日からにしましょう。
それと、これからよろしくね。カーくん。」
そっか。この天野家の弟になるんだった。それでなおかつもう一つの世界の王。
中二病な俺でもできること・・・それは一体何なのだろう?

6カーくん:2012/12/06(木) 09:59:40
そうして、もう一つの世界に行くと言うことが決まった後、
何から何まで遠子さんや美冬さんに世話になった俺。
そして、夜が明けた今この頃。
俺たちは今・・・朝礼のような集会をしていた。
「さて、全員揃ったことだし、今日の目的を話しますか。」
そういって、遠子さんが指揮を執りつつ、進めていく。
「さて、カーくん。今回はもう一つの世界の王になるかどうかの日なの。
その為にまずは、その世界の名を知ってもらわなければ困るわ。」
確かに、名はあるだろうし、聞いておこうかな。
と思い自分は縦に頷く。
「その名は・・・竜界。ほぼ全世界からの竜の種族が集まりに集まっている世界なの。
その世界にはそういない人間もいるの。そうして竜の血と人の血が
混ざって出来た新たな生命、竜人として、そしてその竜人の中の王として、
カーくん、あなたが選ばれるように私達が出来る限り保障するわ。」
「竜界・・・ね。」
「そう、その世界の行き方も知っているから安心して。
ここまでOK?」
ある程度分かったところで、自分は縦に頷く。
「よし、そうと決まれば・・・」
(いよいよ・・・か?)
「お隣の家に行きましょう。そこにゲートはあるわ。」
(・・・ここにないんだ・・・)
もう一つの世界、竜界。そして次回、ついにその扉を開くことになる!

7カーくん:2012/12/21(金) 13:28:10
もう一つの世界ーー竜界。
その扉に向かって俺達は今・・・
地下道にいた。
「これ大丈夫なの?犯罪じゃ・・・?」
「まぁでも、気にしたら負けだって。これだけの地下道作るのは結構苦労したから。」
(その苦労は他に活かせなかったのか・・・?)
と思っていると、奥底に着き、目の前にあったボタンを押す。
そうすると、チャイムのような音が鳴り、誰かが向かってくる。
「はいはーい。ちょっくら待ってね〜」
そういって、天井が開き、そこに通じる梯子を登った。
「おはよう、美冬ちゃん。遠子さん。そして初めまして、カーくん。」
「!?なぜ俺の名を・・・?」
どうもおかしかった。確かにこの人はいなかった筈・・・
「だって・・・ねぇ?美冬ちゃん」
「ええ、ゴメンねカーくん。」
そう言うと、美冬姉は何かを取り出す。
「なんそれ?」
「盗聴器。これで、話が分かると思って。」
なるほど。と思い縦に頷く。
「まぁ、そう言うことで、早速行きますか?竜界へ。と、その前に。」
(・・・?)
「私は藤野麻理。とりあえず名乗っておくね。さて、行きましょうか。」
(麻理さん・・・か)
そう覚えると、麻理さんは宝箱のような箱を開けて、
「ここに飛び込めば、竜界へ行けますぜ。心の準備はおk?」
そう言うと、迷わず全員縦に頷く。
「じゃあ・・・行きますぜ!」
こうして全員が宝箱の中に飛び込む。
この先にある竜界。そこに待ち受けるものとは・・・?

8カーくん:2012/12/21(金) 14:00:03
麻理さんの言う通りに、竜界に通じるゲートに飛び込んだ俺達。
その竜界に向かって俺達は今・・・
無事なんとも無く着いた。
「・・・ここは?」
「ここが、竜界の中でも代表的な場所、竜人城だよ。
といっても、まだゲートの部屋だから、とりあえず出よう。」
そういって、部屋を出ると、一人の騎士のような・・・
(騎士の・・・ような・・・?)
「お帰りなさいませ、姫様。そちらの方は?」
「姫・・・様?」
「ええ。この世界じゃそう言うことになるわ。そしてこの人が━━」
(ひ・・・人?)
どう見てもおかしかった。なぜなら・・・兜の中には、顔が無かったからだ。
仮面のような兜でもなく、人が被れば絶対に顔が見える兜なのに・・・何故?
「私の名は、ハーケン・B・ブレード。Bは、ブラスターの意味を持ちます。
して、姫様、そちらの方は?」
「ああ、この子が、例のアレに受けさせる人だよ。」
「なるほど。見た感じでは、一般人のように見えますが?」
「ええ。その通りよ。」
着々と話を進めていく。
「では、ここでは話が長くてお辛いでしょうから、こちらへ。」
そういって、ハーケンと名乗る人(?)に案内される。
着いたところのプレートには「会議室」と付けられていた。
「お好きな席へどうぞ。」
そう言われて、とりあえず座る。
「では姫様。この方が、竜界王の試験を受けると・・・間違いないですかな?」
「ええ。でも、紹介が遅れたわね。カーくん。自己紹介なさい。」
そういって、俺は縦に頷き、ハーケンさんに自己紹介をする。
「ふむ。姫様が現実世界で拾ったと・・・なるほど。期待出来そうですな。」
「本当?ハーケンさん。」
「異世界から拾われた人は、意外と大きく動かせるものですからな。
同じ世界でも、動かないものは数多い。例えば・・・仕事など。」
「確かに・・・じゃあカーくんは?」
「うむ。とりあえず、試してみましょう。」
(試す?一体何をだ・・・?)
「克実様・・・でしたな。この世界、竜界の王の座に着くには、二つ条件があるのです。
一つは、王に相応しい能力を手にすること。
もう一つは、姫様全員と戦い、それに勝利することです。」
「姫様って・・・まさか、美冬姉達と!?」
「うむ。しかし、
それなりの能力を付けて戦うのですから、慣れれば大したことは無いでしょう。」
「あら、なめられたものね・・・」
(なんか聞こえたよ・・・?おい・・・)
「でも、美冬姉達を含んで、何人いるの?」
「そうですな、8人ですな。」
(は・・・8?)
そう、それこそが、美冬姉達が「八姫」と呼ばれるものだとは、まだ知らない・・・

9カーくん:2012/12/21(金) 14:51:12
竜界に無事に着き、竜界の王としての試練を受けることになった俺。
その先に待ち受けることを考えた俺は・・・
絶望していた。
「なんで8人もいるの〜?聞いてないっての・・・」
そう言ったところに横から、
「まあ、先代の竜界王さんが、あれほどの人数を姫にしちゃうもの。しょうがないわ。」
(しょうがない・・・ね。ちくしょう。一体何させるんだよ、俺に・・・)
「ではまず、能力をつける実を用意しますので、少しばかりお待ちくだされ。」
(って言ったっきりなんだよなぁ・・・、その能力で大丈夫なのかってんだ。
てか待てよ、まだ俺は能力を知らないから、ここで聞いた方が・・・)
「美冬姉ちゃん。俺が戦わなきゃいけないお姫様に、なにか能力はあるの?」
「ええ。教えてあげようか?」
俺は当然の如く縦に頷く。
「まず、私は太陽の如き技を放てる能力・・・と言えば大したこと無いから安心して。
次に、姉さんは、凍結と戦国の能力・・・これは、主には氷の刀を用いるけど、
稀に弓や鎌・・・そういった昔ながらの能力があるわ。
それで、麻理ちゃんは、雷電と死神のような能力を持つの。死神の能力で武器は鎌で、
雷電で相手を麻痺させ、その隙に刈り取る・・・恐ろしい能力なの。
そして、私たち4人で、「サンシャインチーム」と呼ばれた中で、
最強と恐れられるのが・・・風原さやか。その子が、風神のような能力を持つの。
変幻自在なその攻撃は、もう誰にも見切れなくなってしまうほどなの。
さて、ここまでいい?」
「質問。美冬姉と、遠子姉。麻理さんにさやかさん・・・だっけ?
その4人で、サンシャインチームなの?」
「ええ。8人いる中の4人が分かれて、そう名づけられたわ。
だから、残りの半分は、「ルナティックチーム」と呼ばれる人たちの能力を教えるね。」
そう言われて、俺は縦に頷く。
「まずは、ルナティックの由来である、ネリスさん。この人が、これまたすごい人で、
満月と光の能力を持つわ。その弱点は、まだ本人も分からない位の強力なものだわ。
次に、ジルさん。生まれ育ったのが、夜になると毒沼が出るところだったからか、
状態異常と魔銃の能力を持つの。腕は百発百中で、そこから放たれる麻痺弾や、
貫通性のある弾が発射されるとなると・・・これがまたってところね。
もう一つが、ルナティックチーム最強は確定の人。シルヴィアさん。
あの人は時空を左右させる能力を持つの。だから、当たる筈の攻撃も、
当たらなかったり、様々な効果がある空間に封鎖され、そこから放つ怒涛の攻撃・・・
おそらく八姫最強の座に立つかも知れない位なの。
最後に、影を表すような人。シャディさん。
相手の影を用いて、相手に化けて、影から心を読み取って動く・・・
まあ、悪く言えば面倒な子ね。こんなところだわ。」
(てことは最強さんと、確定で戦わなきゃいけないんですね。分かります。
さあて、どう戦ったらいいものやら・・・)
そう思い、刻一刻と、決戦の時は近づくのだった。

10カーくん:2013/01/08(火) 11:46:01
美冬姉に情報収集をして、八姫の能力を知った俺。
それぞれ聞くだけでも強力だろうと思った俺・・・
ならぬハーケン視点。
ハーケンはある場所に能力を付ける実を取りに行っていた。
その実の在り処とも思える部屋、宝物庫の奥に居た。
「先代様・・・これでよいのでしょうか?あの方でよいのでしょうか?
あの方に・・・「思い」を授けても・・・」
そう呟きながら、ハーケンは、実が入った箱を持って宝物庫をあとにする。

 カーくん視点
「そう言えば、誰から最初に戦うの?」
「そうねぇ、多分、一から順にかもね。大体のことの順番は。
だからおそらく私からかもしれないわ。」
「・・・マジですかぁ。」
「そう落ち込まないで。決して負けたら死ぬようなものじゃあないもの。
でも・・・手加減は出来ないかもしれないから、そこは了承して。」
俺はしょうがないと思いつつ「わかった」と言った時、ドアをノックする音がした。
「姫様、お持ちしました。」
「ええ。入っていいですよ。ハーケンさん。」
そう言ったあと、「失礼いたします」と言って箱を持ったハーケンさんが入る。
「姫様、克実殿、こちらが━━」
そう言って箱をハーケンが開ける。
「竜界王に相応しき能力を付ける実、「思考」の実でございます。」
ハーケンが言う「思考」、その能力とは・・・?

11カーくん:2013/02/01(金) 10:07:59
竜界の城の室内で、能力を手にする実を持ってくることを待っていた俺。
箱を開け、その実を見た俺は・・・
少し驚いていた。
「これが・・・能力を手にする実・・・?」
(と、言うよりは・・・白い葡萄・・・?)
実、というよりは果物のようなものだろう。
白く、そして葡萄のように、何粒の実が付いているからだ。
「そうですな。一般的な果物とは分かりにくいですからな。
しかしこれは本当に能力を付ける実であって、
その能力は、神を超えた能力でもある「思考」なのです。」
「神を超えた・・・?それを俺に?」
「はい。現実世界からこの竜界まで来たものは、
かなりの戦闘力の違いがあり、その物にこそ相応しいのでは・・・と。」
俺が「なるほど」と言うとハーケンは語りを続ける。
「まぁ能力を付けるのはいたって簡単ですからご安心くだされ。
この実の一粒を胃の中に入れさえすれば・・・ですからな。」
そう言った後、俺は(いいんだよね)と思って、実から一粒を取ろうとする。
だが━━
バチィッ!
「うっ!?」
思わぬ驚きに会ったからか、俺は腰を抜かしてしまった。
「これは・・・そうでしたな。」
「?何だってんだ?ハーケンさん。」
「今のは諦めない心を試したのでしょう。
能力を手にする実にはよくあることです。
ですが・・・耐え切ってくれませぬか?」
(諦めない心・・・か)
そう思った直後に俺はもう一度手を寄せる。だが━━
バチィッ!
「くっ!だけど俺は・・・!」
バチバチッ!
火花が飛び散るぐらいの勢いで電撃が走る。しかし━━
「諦めて・・・たまるかよぉっ!」
ブチッ!
電撃が阻むなか、とうとう一粒もぎ取り、
「ハァ・・・ハァ・・・いただきます。」
そう言ってもぎ取った一粒を口に入れる。
その直後、一気に何かが襲い掛かる。
「ぐっ!?」
「む!いけません!早く胃の中に押し込むのです!」
そう告げられた後、俺は実をゴクン、と流し込んだ。
しかし何故か体がふらつき、倒れていった。
「ハーケンさん。これは・・・?」
「これは予兆ですな。能力を付けるもう一つの試練の・・・!」
ハーケンが言うもう一つの試練。それは俺の夢の中で行われていた・・・

12カーくん:2013/02/23(土) 11:14:01
能力を手にする実を食べたものの、何故か倒れてしまった俺。
そんな中、倒れていた俺は・・・
夢の中にいた。
「・・・ここは・・・?」
そう呟くと、
「気が付いたか。拾われた少年さん。」
「・・・?誰?」
全く知らない青年が、突然現れた。
だが、青年はそのまま語り続ける。
「俺か?俺はあんたの能力の主、シンキング。
その意味は「思考」・・・これで分かるだろう?」
「てことは、あんたが能力の主であって、
あの実の中にいたのは・・・」
「そう、俺だ。天野。そんでもって、ここで色々しなくちゃなんねえからさ、
それで能力を実際に付けるか付けないかに変わるんだ。」
「じゃあ、下手なことしたら・・・?」
「能力はつかねぇ。だけどよ、俺の場合はたった一つの質問に答えてもらうだけだ。」
「それで・・・いいのか?」
「戦闘技術とかの部位に当たるとめんどくせえだろ?」
そう言われると・・・と思い、縦に頷く。
「まぁそんなに難しいもんじゃねぇから安心しな。
じゃあ・・・質問していいか?」
「・・・ああ。」
「じゃあ・・・あんたは、何のために戦う?」
「・・・?俺は━━」
「待ちな。守るためとか言わせんなよ。」
(ば・・・ばれた!?)
「な・・・なんで?」
「俺はあくまでも「思考」の能力。
そいつの能力は、「思って考えた通り」にする能力だ。
あんた以外にも俺の能力を手にしようとした奴はいくらでもいた。
けどそいつらにあんたと同じ質問をしたらよぉ、同じ答えばっかりなんだよ。
守るため、守るため、うるさいんだよ。どうせ守れる奴なんか数人しか居ねぇ。
だからよぉ、俺が初めて聞いた答えを言えよ。そうじゃなきゃ・・・な?」
(守るため・・・はダメか。なら・・・)
カーくんの答えは!?

13カーくん:2013/05/19(日) 14:05:46
夢の中で、訳わからないまま話てる俺
色々事情はわかったんだけど…
どうするよ?俺?
質問にまともな答えで…
いいん…だよね?
でも誰かを守るなんて駄目らしい
んなあほな…そしたら何も…
「俺は…あんたの望む答えはでない」
「…何だって?答えは出ないだと?」
「確かに誰かを守るなんて、叶わないものさ。だけど分かるのは、守るって決めた奴は最後まで守ろうとしたんだ
自分の命がどうなってでも、必死に守って幸せにしようって!…叶わないのは事実だ。でも、守れるかなんて、そんなのはまだわかってないから!だからあんたの望む答えは出ないし、誰かを守る心も変わらない!」
「……言うじゃないの。」
そういって、「思考」 は俺の体に乗り移るかのように、俺に触れたと気づいた時には消えていた。
「シンキンーー」
グと言う前に
「これからよろしくな。そろそろ夢が覚めるぞ」
「え?おいちょーー」
わかったころには、もう覚めていた。

14カーくん:2013/05/19(日) 14:40:54
夢の中で、能力を手にした(?)俺。
んで、気付いたら夢から覚めるつって
ベッドの上。
夢から覚めたら、ハーケンさんと美冬姉がいた。
「む、お目覚めのようですな。あのかたとお話になられましたか?」
「ん?ああえーっと…」
夢の中であったこと、「思考」がどうにか話をわかってくれたこと。たくさん話して、何で俺がって思ってたことはもう、忘れそうな感じで話していた
「なるほど…では、手のひらに火を灯してくださりませぬか?能力がついたか、真実を明かすように。」
「…うん。」
そう言うと、握りしめた手のひらを開くと同時に火が現れた。
「おお…素晴らしい!まさか本当に能力が付くとは。」
「それなりに頑張ったから…かな?」
「そういうことでしょうな。
では、第二の試練は明日から、ですので、今日のところはごゆっくり。」
そう言うと、ハーケンさんは部屋からでる。
「…そっか。俺、お姉と戦うんだっけ」
「そうね。でも…」
「?」
「嫌なら、どうにか説得させてみるよ?どうする?」
「気持ちだけ。許すと思う?」
そう言うと「そうだね」と返す美冬。
「でも大丈夫かな?まだ全然にわかだし、これと言って初歩的な使い方も知らないし…」
「じゃあそこだけ説得っていうのはどうかな?」
「賛成。後で頼むね。」
「うん。それじゃあ今日はもうおやすみ。」
そう言って、灯りを消す美冬。
「さて、どうするかなぁ…」
考えている間に寝てしまう。
次回からはバトル編…だといいな。

15カーくん:2013/06/15(土) 22:58:07
次の日になり、試験であることからか、早く起こされた俺…
寝ぼけながらも準備を済ませ…
はっけよーい。
いや、相撲じゃないからね?うん。
そんな感じでってことだよ?うん。
「さて、では始めましょうか…」
まじっすか。なんもマスターしてなーー
(大丈夫だ。思う通りにやればいい。)
んー…いいの…かな?
「では両者、位置に着いて…戦闘開始!」
まっずいぜ…どうするか?
ここは…相手の様子を確認して…
「ふふっ…避けてごらん?カーくん?」
「んな無茶な…」
「そう困らないで…簡単よ?牽制程度くらい、避けてみなさいな…」
そう言うと、左手に熱気が集まる。
「行くよ?ファイアボール!」
そう言うと、火の玉を投げる。
しかし放ったのは一つだけ。どう考えても避けられるものだ。
「それくらいは…」
「それくらいは?」
避けたすぐそばに美冬がいた。手加減のつもりか、持っている槍は振るわない。
「っく…どうして攻撃しない!」
「なら…攻撃の仕方は分かるの?」
「そっそれは…」
「大丈夫、恐れないで。ここは…現実世界じゃないのだから。」
現実世界じゃない。それだけで閃いた。
何が出来るか…分かってきてーー
「フレア!」
「!?」
美冬の足下から核の炎が包み込む。しかし
「甘いねぇ…でも、分かるでしょう?自分の出来ることが」
なるほど…
「美冬姉!迷いは…なくなったぜ!」
さあ、バトルスタートだ!

16カーくん:2013/06/22(土) 21:32:23
迷いは消えた。あとは何をすべきか。
答えはもう分かっている。だがまだ分からないのが、
美冬姉の能力の全て
太陽の如き技を放つ、あんまりそれだけじゃあ分からない…
さて、どう来ることやら…
「迷いはなさそうね…でも、出来るかしら?」
「…?どう言う意味だ?」
「決まっているでしょう?迷いがなかろうが…上手くいくとは話が違う!」
来るかーー!?
「消え…て…?」
「これは…常識なのよね」
ーー!なんとか避けるものの、血が少し出ている。かすったとしても、剣圧で範囲が広く、傷つける。
「っく…いててっなら…よっ!」
カーくんは槍を作り出し、投げる。だが美冬も、素人ではない。
軽々と避けられてしまう。
「っ!まずいな…」
「残念ね…でも分かるでしょう?遊びなんかじゃない。本当の戦いだって。」
「…知ってるよ。こう見えてもな…」
そう言うと、カーくんは両手に剣を作り出す。
「最初っから俺は…本気だよ!
さあ、見せ場だ。うおおおっ!」
カーくんは美冬に斬りかかる。
しかし二刀流のカーくんに対し、流石は、と言ったところか、美冬も上手く押し返す。
「ふふっ…いい見せ場ね。ならっ!」
小競り合いになっているところを美冬から距離をとる。
「見せ場なら見せ場らしく…最後まで…だよ!」
「ははっ…それも楽しそうだな!」
まだ…前座だぜ!

17カーくん:2013/06/22(土) 22:13:12
「でやぁっ!」
カーくんからかかってくる。
二刀流が大きく美冬にとって響くと思うが、相手が相手だった。
「いいわねぇ!その眼差し、どこまで保てるかしら?」
「どこまでも!そう思えば!」
「叶う…かしらね?」
(消えた!?いや…)
ーーガキィッ!
見切ったかの如く、お互いの武器が競り合う。
「ふうん…ついてこれるとは…面白いわね。その能力…」
「何度か見たからな…おかげで!」
競り合うところを、今度はカーくんから距離をとる。
「こんな芸当も出来るのさ!ファイアボール!」
「!おおっと…まさかラーニングするとは…驚きね。」
「それだけだと思う?」
「…?どう言うこと?」
「簡単なことさ!」
そう言うと、カーくんの周りに、いくつものファイアボールが作り出される。避けるのは常人では難しい。
「面白いわね…」
「だろう?だからこそ、だ!」
カーくんはファイアボールを放つ。
多い分、範囲は広く放たれる。だが、
避けるフリさえしなかった。
「…ふふふっ…凄いじゃないの。でも」
カーくんの目の前に美冬が突如現れる。
「相手は…相手だよ?」
「だよ…なっ!」
カーくんはそれを瞬間移動で避ける。
「まさかそれも…?」
「見よう見まねだが…ね」
「それでこそ、私が拾った人ね。」
「普通の戦いも、飽き飽きしてたころだろ?」
「普通じゃない戦いか…いいじゃないの!」
誰が前座は終わったと言った?

18カーくん:2013/07/14(日) 18:55:57
〜美冬視点〜
(ふうむ…中々いい勝負になりそうね…
あの子の能力次第で弱点を突かれることもある…と。
強いて言うなら…アレンジマスター?
面白くなってくるじゃないの。)
「はあっ!」
美冬が疾風のごとき素早さで攻撃する。だが、
「おっと…これで!」
避けたカーくんは自分の前方に
水の球体を何個か造りだし、放つ。
(水!これでは…まずいわね…
弱点でもあれば、戦況おも揺るがしかねない…)
美冬は避けつつ、次にどうするかを考える。
(水で冷えてる辺りには…逃げられないわね…
常温よりも冷えてしまうなんて…なんて冷たさなの…?
けど、冷えたなら、温かくすれば!)
「ふふふ…私を倒せる位まで強くなってそうだけど
その程度では終われなくてよ?」
「だろうな…何なら、何かしでかす気かい?」
「そうね…少し、暑くするわよ」
そう言って左手を掲げると、
「何だ…?地面が暑く…!?」
「ふふっ…この暑さの中で、あなたは耐えられる?」
「言われなくてーー」
も、と言う前に美冬の槍は既にカーくんの…
喉元だったのだ…
「…う…あ…?」
「…怖い?そうよね。怖いよね?
ここから掠りもすれば…」
そう、死に至ってしまうだろう。刺されて、やがては…
「悪いわね…これが私の本気…
その辺りが常温なら、そこまで瞬時に動ける…
太陽が与えられた熱…それを活かすのが、この私よ」
「…へぇ…てことは」
「!?」
カーくんは瞬時に動き、美冬から大きく距離を取る。
「こう言うことか?」
「…ふふふふ…そんなについていけるなんて、あなたが初めてよ…
なら…今度は何についていくか…分かるわね?」
「迷いはないって…言った筈だぜ?」

19カーくん:2013/08/03(土) 16:37:41
〜カーくん視点〜
さて、どうするか…
一応分かっていることはあるっちゃあるが…
ああいうふうに使われるとちょっと厄介だな…
まあ、最後まで気を抜くなってことか。
常温のみ瞬時に動けるとはいえ、暑さが止みやしねぇ…
何でこうもごちゃごちゃ考えなきゃいけねぇんだ…
「覚悟は…いい?」
「!」
カーくんが考えを止めると同時に
美冬の攻撃の回避に成功する。だが、
(そうか!こいつは…)
美冬の攻撃が連続で続く。
瞬間移動を重ねながら、次々に槍を振るっていく。
(この暑さ…つまり周りが常温以上だ!
逃げ場どころか、回避を予測されたら…)
そう思い、カーくんは大きく距離を取る。
すると、瞬時に美冬が現れ、切りかかる。だがーー
ガキイィィン!
「!?」
「見えたぜ…あんたの動き!」
反撃をするカーくんだったが、
その刹那、何処かから痛みが走る。
「!?」
「ふふ…あはははっあははははは!!
誰の動きを見えたって?私の能力の何を理解したのかな?」
美冬は確かにそこにいたーー筈だった。
だが今の美冬はカーくんの背後におり、槍を刺している。
(嘘…だろ…)
槍を引き抜くと同時にカーくんの体も倒れる。
(負け…る?それじゃあ俺は…)

20カーくん:2013/08/03(土) 17:12:33
「ふむ…終えたようですな。姫様」
「ええ…さほど彼も…変わりなかったわ。
ついていけるところまでは良かったけど、
隙の一つや二つ見つけた位で攻撃が当たる…
そんなふうに思ってちゃ、何も越えられないわ。」
「…聞いていれば、殆どのことがごもっともですな。
ですが、想いは、そう簡単に消えぬものですぞ。」
「…?それはどういうーー」
「ことだか、教えてやろうか…美冬姉!」
「!あなた…まだ生きていたとは…
そして立てるなんて…どこにそんな力が…?」
「…分かんねぇさ…けどな、思い出したんだよ。
どれだけ歩んでも、未来が見えない道を歩くのは止めるって、
誓ったんだよ。これが、希望なんだから!」
「!」
カーくんは瞬時に動き、その間に右手に剣を造り出す。
だが、斬りかかると分かって、美冬も反応できない訳ではない。
しかしーー
(飛び越えた!?でも!)
飛び越え、その隙を突こうとするも、仮にも姫。
ニ手目を考えて、瞬時に回避する。
「ちっ…厄介だな…」
「ふふっ…厄介なら…どうする?」
「どうするだと?決まってんだろ!」
そう言うと、周囲の熱気が、カーくんの両手に集まる。
「熱が…吸いとられて…!まさか!」
「そう、そのまさかだ!」
カーくんは吸い取った熱を一瞬にして、
大地を凍てつかせるほどの冷気に変え、地面に叩きつける。
少しばかり風圧があるが、そんなことはカーくんが知らない訳がなく、
体制を崩すことなく大地を凍てつかせた。
「な…これでは…」
「間に合わねぇし、逃げ場もねぇだろ!?」
カーくんは瞬時に移動し、美冬に斬りかかる。
美冬は当然の如く回避するが、その回避の早さは、
目で追える程の遅さになっていた。
「くっ…やってくれるわね…その能力」
「逆に、思い付かなきゃそのまま死んでたさ。
こっからが本番!避ける場も、逃げ場もないぜ!」

21カーくん:2013/10/12(土) 22:16:30
(避ける場も逃げ場もない…か。
確かにそうだけど…まだ策がない訳ではない!
ここで行うのは他でもない、有利にすること…
そうでもしないと…やられかねない。)
「さあ!覚悟はいいか!?」
「くっ…」
カーくんは猛スピードで突撃する。
常人なら目で追い付けない速さで。
ところがそれに反応できない美冬ではない。
とっさに回避するものの、一般人と同じような素早さに落ちている。
あれほど全ての攻撃が避けられていた素早さが、
寒さの影響で常温さえも消えているため、
能力による回避も全く役に立たない。
「調子に…乗らないで!」
避けたところを追いかけるカーくんの前に、
火の玉を造りだし、飛ばす。
「うあちっ!」
幸いにも掠っただけで済んだものの、直撃されては元の子もない。
確かに不利な美冬ではあるが、全てが封じられた訳ではないのだから、
逆に数ある戦法が多く絞られた為、
出来る事がこれぐらいしかないとわかったのだろう。
だが、そう長く続くものではなかった。
「そこだ!」
「!?うあっ!」
カーくんが能力を使い、上手く回り込め、
そこから攻撃が通ったのである。
回り込めたのさえ気付けない美冬にとっては、
このうえないダメージが通ってしまったのだから…
「うぐっ!はぁ…はぁ…」
片膝を付けながらも、痛みからもがく美冬、
槍はまだ持っており、戦意は残っているようだ。
「…何で!何で武器を収めないんだ!?」
「!?」
突然の言葉に、誰もが驚いた。
「俺は…もうこれ以上は戦いたくない。
拾ってくれた恩がある人を、死なせるなんて出来ない!」
「!」
(この子は…何て事を思うの…)
突然の言葉に、騎士が突き刺す。

22カーくん:2014/01/19(日) 21:42:17
〜美冬視点〜
戦いたく…ない?
何を言ってるの?あの子は…
あの人が、許す筈がないじゃない!

ハーケン「では、竜界王への試練を閉ざすとでも?」
美冬「!」(ほらみなさい。あの人は…
生温いような発言は殆どと言って良い程許されず、
そして断ち切るのがあの人。
竜界王のことを多く知っている彼だからこそ…
許されないけど…どうする?カーくん)
カーくん「…違う!閉ざすとか、そういうのじゃない。
殺したくも、死なせたくもないって言ったんだ!
それとも、今までの竜界王は、全部殺したのか!?
殺して竜界王になったって…そんなの…耐えきれない…」
美冬(…この子はただ、竜界王になりたかっただけ…
恩を返すのに殺すのは…それは心が痛むわね。
だからあんな事を…)
ハーケン「むぅ…では姫様、いかがいたしましょう?」
美冬「それでも、強さを身に付けねばなりません。
八姫全員を片膝つけさせ、そしてここに戻ってくる…と。
それでいいですか?ハーケンさん。カーくん。
ちなみに私は降参するけど。」
カーくん「…いいよ。みんな、生きていられるなら。」
ハーケン「では、私もそうさせて頂きます。
しかしその後も強くさせるように…
よいですかな?姫様。」
美冬「お互い納得するなら何度だって引き受けるわ。
…無理はしない方向でね。」
こうして、まずは一歩踏み出すカーくん。
しかしそれでも八の一。
あと七つの姫と戦い、生き残ることは出来るのか!?

次回予告
「戦国と凍結の能力」
「あれに捕まったら終わりじゃないかよおおお!!」
「ばかなっ…
姉さんが、能力を使いこなしているだと!?」

23カーくん:2014/01/20(月) 00:25:45
古く、今にも崩れそうな塔に彼女はいた。
おそらく最強とも伝えられる可能性がある、
最強の、姫が。
???「ハーケン殿か…久しぶりだな。」
ハーケン「こちらこそ…ですな。
まだここで修行を積んでおらしたと
思いましてな…シルヴィア様」
シルヴィア「ああ…と言うよりは、
城に帰らないだけだ。そうして、
ここで戦って、戦って、戦い続けていた。
だが、この塔に私以外に人は一時も入ることはおろか、
近づこうともしなかった。何もなく、
凶暴な魔物たちで沢山だからな。」
ハーケン「その分…ここで鍛えられていた…と。
他の姫様達も心配していましたが、
それはさておき、貴女様にお伝えせねばならないことが。」
ハーケンは全てをシルヴィアに話した。
竜界王候補が美冬を越えたこと、
候補者の意見により片膝着くまでが勝負だ。と、
シルヴィア「なるほど…あの姫を打ち負かすとはな…
だが、城には[太陽の最強]がいるだろう?」
ハーケン「仰るとおりで。勿論その者も打ち負かせば、
貴女様に、最高の勝負が出来ることでしょう。」
シルヴィア「片膝を着くまでだが…
まあ、ハンデとして考えよう。
要は、私が膝を着く前に仕留める。
そういうことだろう?」
ハーケン「はい。しかし、あくまでも
候補者の意見に沿って戦って下され。
あの者は貴女様と戦う時にはもう、
全ての戦いに全てを賭けたような戦いに
なるのですからな。」
シルヴィア「…心配するな。何も困ることはない。
[月下の最強]時空姫、シルヴィア…
私はここで待つ。この塔までの道のりを越え、
貴君の戦いを望もう。と、奴に言ってくれぬか。
勿論、奴が私以外の全てを越えたら…な。」
ハーケン「…お任せ下され。我らが竜界王は皆、
全てを越えて、成り立っているのですからな。」
そう言って、ハーケンは去っていく。
時空の姫の勇敢さに惹かれながら。
竜界王が、この最強をも越える時を
思いながら。

24カーくん:2014/07/23(水) 03:17:15
「やあ、遠子さんじゃないか…」
「ふふふ…遠子なんですよ?」
美冬との戦いを越えて、次の試練。
凍河の姫。
それは何を現すのか?
何を意味するのか、分からない。
しかし、分かるのはただ一つ。
氷の能力。
炎で仕留めることが出来ればいいが…
「じゃあ、始めようか。
その氷、溶かすから」
「いい挑発ですこと。
倒しがいがあるわ。でもその分、
美冬ちゃんを越えたその力は見たいねぇ」
「見せる暇さえ与えないよ。絶対に。」
「それは残念。じゃあ、倒されてもらいましょう」
さあ、バトルスタート!


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