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《only world》 Ver0.02
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ゲーム内専用のロールスレッドです
《only world》内でのロールは基本的にここでどうぞ
【名称】 《only world》
【設定】 今より少しだけ未来の世界。インターネットが現代よりも格段に普及し、それによってネットゲームのプレイ人口も増加
とある有名なゲーム会社がリリースした新作MMORPGが大ヒット。その自由度の高さと圧倒的なボリュームから、MMORPG界でも最上位のプレイ人口を得る
ゲームそのものの世界観は王道のファンタジーものであるが、システムや細かい設定等は、他のあらゆるMMORPGから切り取ったかのような「ごちゃまぜ」状態にある
また公式が頻繁にアップデートやイベントを行なう為、未踏の地が数多く散在していたり、新たなスキルがいつの間にか追加されていたりする
【システム】 キャラクターメイクに非常に自由度があり、所謂《スキル制》。レベルの概念は無く、その分プレイ時間による知識や慣れに影響される事が多い
ステータスは個別に振る事が出来るが、覚えたスキルによって変動する事もある
スキルの中には特定のステータスや所持アイテム、及び他のスキルを覚える事によってしか覚えれないスキルも存在し、その数は非常に多く多種多様
中には、持つ者が非常に少ない、所謂《ユニークスキル》も存在しているようだ
また、キャラが死亡した場合、バフ他ボーナスやメリットの喪失・一定確立で重要アイテム損失等の《デスペナルティ》が発生する
拠点となる街以外ではPVPを行なう事も出来るが、一方的なPKを行なった場合は《犯罪値》が増加し、一定期間マーカーの色が変化したり、特定のスキルの使用不可・デスペナルティの増加等が発生する
【世界】 アップデートによって新たなダンジョンやマップが現在進行形で追加されており、未だ未踏の地も数多く存在している
ダンジョンの形状はアイテムを捧げる事によってランダムに変化する、所謂《インスタントダンジョン》
また、各地の街からはプレイヤーが多く存在する《拠点》に移動する事が出来る。殆どのプレイヤーは、パーティの募集やアイテムの売却をそこで行なっている
【その他】 その規模の大きさから、専用の情報サイトや掲示板等も存在し、様々な情報が日々行き交いしている
最近、それらから「キャラロスト現象」や「データ外の謎のモンスター」等、仕様を逸脱した明らかな異常性がまことしやかに囁かれているようだ
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>>950
【二人が首を捻る。とんでもなくシュールな光景】
【それを自覚して、思わず噴出す】
【そして、つらつらと吐き出される言葉達】
【合成音声によって作られた音信号は、彼の意図を、感情を、希薄にして】
【見れば、背負われているのは火砲】
【余り遠距離系統の武器は詳しくないが、この距離からでも感じられる気圧は、間違いなくユニークアイテムものだろう】
【初心者が手に入れれるものではない。程度の差こそあれ、ユニークアイテムは例外なく入手困難であるはずなのだから】
【――まあ、そんな思考を凝らすより速く、直感的に、彼女は目の前のアバターが初心者ではない事を、何となく感づいてはいたのだが】
……グレてるって言うな
【半眼で呟いて、妙な動きをする彼にチョップ】
【背の小さくしかも小柄な外見を持つ彼女では、それも背伸びしないといけないのだが】
…………本当、いきなりだね
ま、丁度良いのかな?
【言いつつも、別にそれを拒否するつもりはない】
【寧ろ、片手剣だけである今は、一人だと少々心許なかったトコロだ】
【自分自身が彼を余り嫌いになれないのも、あるかも、しれない】
【目の前に表示されたパーティ申請の峯が書かれた窓を、右手でタッチする】
【ポーンッ、と音が鳴り響き、視界右下にパーティメンバーの名前を表記する枠が現れた】
【同時に、目の前にパーティを結成した事を示すウィンドウ】
……で、なんでこんな所まで?
とは言っても……ここまで来た以上、目的は同じだろうけど
【ダンジョンの奥を見詰める】
【暗闇の向こうから、低く、唸り声のような】
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>>951
Guard!
「グレてるって言わない。あい」
復唱する。チョップが当たると同時にジャストディフェンスのエフェクト。そもそもこういった事ならダメージは入らないが
「(∵ )」
いつの間にかお面の覗き孔の位置が変わっていた。ハーイ
「てれてれててん」
「いやった」
無機質なVCがパーティ参加の際のSEを真似た
感情の起伏が判り辛い。まぁ、判らないほどでは無いが
どこか人間性を感じさせた
コムリンクを起動し、メンバーウィンドウを開いて装備を覗き見。情報とは価値ある物である
各種装備に付与された上昇値を見ながら頷いている
「なにこれピーキー」
「特化さんだな!」
言いつつ、火砲をプライマリに移行する。腰溜めに構えて、闇の向こうを見据えた
「竜の、結晶鱗欲しい」
がちゃがちゃと左腕にあるバックラーを見せた
「これの修理」
「(∴ )」
『砲撃体勢』
徹甲弾を選択し、装填
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>>952
次言ったらこんどは刺すからね
【地味にガード。まぁ、当たったところで特に何かあるわけでもないのだが】
【手刀型にした手を離して、再びお面に顔を向ける】
【「……それどーやってんのさ」呆れたように呟いて】
【まあ、もうこのアバターの謎について考えていてもキリが無いな、と嘆息】
…………全く
【無機質な声で、それでも何故か陽気さを思わせるように】
【はしゃぐ彼に向けて、思わず溜息を吐いた】
【それでも、口許には愉しげに笑みを浮かべながら】
【背中の剣を引き抜く。ブン、と一振り】
【適度な重さを返してくるこの剣は、今日も変わらず頼もしい】
【左手に持つもう一本の剣はないが、それでもまあ、何とかなるだろう】
【感触を確かめつつ、そう思考し】
……ふふ、火力と速度こそが至高
偉い人にはそれがわからんのですよ
【おどけたように言って、続く闇へと振り返る】
【地下十二階に及ぶこのダンジョンだが、形状そのものは逆ピラミッド型で、潜るほど狭く、小さい部屋になっていく】
【現階層は十。十一階はただの補充スペースになっている筈だから、実質、ここを超えればあとはボスだけだ】
【俄然、右手に込められた力も大きくなる】
それじゃ、行こうか
頼むよ、相棒
【ぱちりとウィンクして、水晶で作られた道を進み始める】
【すぐ前にある小部屋は、モンスターハウス。入れば直ぐにモンスターが一斉ポップして部屋も閉め切られるはずだが、此処さえ超えれば、地下十階は超えたも同然だろう】
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>>953
「いやん」
何の鑑みも無い、言っただけである
が、くねくねしようにも砲撃姿勢を取っている為、それどころではない
「・・・・・・(∴ )」
一瞬、僅かに左腕が霞んだ気がした
次の瞬間には覗き穴の位置が変わっている
「(∵ )」
重厚かつ、踏み拉く軍靴の音を立てながら、少し遅れてGretelを追従する
先程の違和感はおそらくこれである。極端に移動速度が遅いのだ
大量の弾薬にPOT類、マップやドロップ品、それに加えて装備重量
むしろ、この程度の速度の低下が異常なのかもしれない
「叩かれる前に叩け精神」
それだけ言って、頷く
「Copy。任された」
了解の意を持って、Gretelと同時に入れるようにSP消費
次弾を拡散衝弾に。装填し、空リロードして、拡散衝弾を最初に持ってくる
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>>954
いや、その外見で「いやん」とか言われても……ねぇ
【ツッコみながら、道を進む】
【きらきらと、暗闇の中光り輝く水晶の孔】
【空気は妙な寒気に覆われ、うっすらと霧に覆われている】
【ちら、と歩く男の腕を見る】
【一瞬、何か、霞みを見たような。そんな錯覚】
【一度瞼を閉じれば、もう既に、覗き穴の位置は変わっていて】
…………
【後ろから、ゆっくりと歩んでくる鉄の音】
【その速度にあわせて、そっと自分の歩みを遅くする】
【過重系の装備を持つキャラクターは、案外こんなものなのだろうか】
【いや――寧ろ、これでも速い方か】
なんだか、そう言うと馬鹿っぽいような……
【微妙な気持ちで苦笑する。なんだかただの脳筋みたいだ。脳筋だけど】
【部屋の前で立ち止まる。一瞬だけ、背後を確認】
【一度、小さく頷いて。そのまま部屋の中へと進入する】
【瞬間、部屋のあちこちから現れる、合計二十数体の人型モンスター達】
【外見は、骸骨系戦士モンスター、《スケルトン》の色違いだ。骨の変わりに結晶を肉体としており、手に持つ古びた剣もまた、結晶】
【クリスタルで出来た骸頭部の向こう側にある眼が、青白く光っている】
【骸骨系モンスター《呪われた結晶兵》】
【攻撃値や素早さもさることながら《耐久》系統の数値が恐ろしく高く、しかも軽度の魔法攻撃を反射するというありえない防御性能を誇るモンスターである】
【通常なら、支援スキルで底上げした火力で、何とか倒せるような敵なのだが……】
それじゃ、背後――頼んだよ!
【少女が単身飛び込む。とてつもない速度だ】
【モンスター達が一斉に少女のほうを振り向く。ターゲットが真っ先に移動した少女に移ったのだろう】
【少女が、剣を構える。剣は青白く光を纏って、骸骨戦士を一直線にきりつける】
【片手剣単攻撃スキル――《スラスト》。その一撃で、骸骨の体力ゲージが三割ほども減少した】
【とんでもない馬鹿火力である】
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>>955
何やら言いたそうにしている少女だが、まあ気にせず行こうそうしよう
どうせ倒せば暇が出来るのだし
「(∴ ) 」
「脳筋ですしおすし」
けらけらと笑い声が聞こえる
合成音声なので非常に耳障りだが、すぐに止んだ
頷き返し、縦にマウントしてあった火砲を前へと向ける
部屋の全貌を把握、コムリンクに敵位置を表示
その傍らで、砲兵は一陣の、黒い光を逸らせる白い風を見た
「・・・速ッ」
一撃で三割程のライフをもぎ取っていく、しかも単発系の初期スキルの一つで
結晶系のMOBは非常に硬く、それらを鑑みるに、感嘆を挙げるには十二分であった
「(∴ )」
関心を寄せていたのもつかの間、砲兵は部屋の隅に陣取り、ぶつぶつと独り言を呟いている
「座標射角想定効果範囲敵、良し。減らすか」
合成音声はそのままに、口調だけが変わった。これが素か
『支援砲撃』『拡散衝弾』
火砲が火を噴く
Gretelを巻き込んだ砲撃は、しかし彼女を害する事なく、一撃目で二十近く、殆どの敵のライフを二割程持っていった
続く追撃判定。連続的に鳴る炸裂音と轟音の中、更に二割を削る。幾らかの結晶兵にはクリティカルが発生し、数体をもぎ取った
「あと三発で赤字・・・・・・(∴ )」
「まいっか(∴ )」
榴弾を装填し、リロード。バレルが回転し、一砲身分動いた
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>>956
【不意に、視界が白で染まった】
【爆音。轟き、煌き、そして全てを破壊する】
【モンスター達のゲージが、一気に二割近くも減少する】
【更に、もう一回の爆撃。もう一度、二割ほどのダメージ】
【幾らかの敵は強烈な爆音の中無慈悲にもその閃光に屠られ、塵となって霧散していく】
……ははっ、とんでもない馬鹿火力じゃん
どっちが脳筋さ
【思わず、口許が緩んだ】
【一部の敵はダメージ量とエフェクトからかターゲットを彼女から外し、爆撃の元へと変えようとしている】
【負けるわけにはいかない。彼女特有の負けん気が、身体の内に頗る火に油を注いだ】
【走る。優先すべきは、ターゲットを変えようとしているモンスター達】
【剣の刀身が、夕焼けを思わせる橙色に輝いた】
【斬り開く、一撃。左斜め上に向けて一刃の煌き。骸骨の体力が四割程度削られ、更に仰け反りの追加効果】
【そこに、踊るようにして身体を回転。周囲に纏わりついていた三体程の敵が巻き込まれ、ゲージを無残にも消滅させる】
【さらに、そこからの袈裟斬り。仰け反っていた骸骨が、残っていた僅かな体力を一瞬にして刈り取られた】
【片手剣二連続攻撃技――《インフィニティ》。攻撃エフェクトが終わると同時、一気に四体もの骸骨が爆散し、消滅する】
【既に、ここまでで十体ほどの敵は消滅している】
【恐ろしく攻撃力の高いパーティだ。単純な攻撃命令をこなされている筈のモンスター達ですら、何処か慄いているようにも見える】
――――ハァッ!
【掛け声と共に、新たな敵へと斬りかかっていく】
【戦鬼――そんな言葉が似合うほど、刹那的で、可憐な剣技】
【一撃でも喰らえば死ぬ。そんな覚悟が、見て取れる】
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>>957
少女の剣
得物、技、身体、その全てが調和を一点に進んでいる様で、オペラでも観ている様な錯覚を覚えた
結晶兵がこちらを向いた。砲撃は威力と範囲こそふざけているが、ヘイト値の上昇が凄まじいのだ
そんな結晶兵を、易々と穿ち、裂き、その煌く粒子を一身に浴びて尚、一撃をとめる事が無い
「・・・・・・・・・」
故に砲兵はいつもの仕事をするだけでいい
堅実に、着実に。現状の最善を選び出し、少女の邪魔にならぬ様、ターゲットを少女にしている結晶兵だけを狙う
『直射』『徹甲弾』
少女が次の獲物に切り掛かり、背を向けた瞬間、欠けた結晶兵が剣を振り被った
その骨格の上半身を、轟音と共に消し飛ばす。砲弾は狙い過たず、少女を害さんとする結晶兵を文字通り、砕いた
徹甲弾は砲兵には珍しい、効果範囲が設定されていない砲弾である
だが、高硬化弾頭は敵の防御値を80%無視し、被害を与える。六割程残っていたライフを一撃で消し飛ばしたのだ
実に、対照的な二人である
強固な防御能力と範囲火力に特化した結果、そもそも避けるという行為を想定していない砲兵と
凶悪な破壊力と絶大なスピードを会得した結果、些細な一撃で即死しかねない少女
一概して言えるのは両者とも、馬火力である
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>>958
【不意に、背後から聞こえてきた爆音】
【だが振り返る事はしない】
【《スラッシュ》の発動によって威力と速度を上乗せされた肉体が、システムに乗っ取って剣を上斜めに切り払った】
【赤色の輝きを乗せて振るわれた黒刃は、いとも簡単にその結晶で出来た骨を抉り、屠る】
【目の前の敵を片付けてから、少女はちら、と彼のほうを向いた】
【小さく、首を頷ける。「ありがとう」と、そう伝えるように】
【それをじっくりと見る暇も無く、少女は再び駆け出すだろう】
【白の中、黒を持って】
【部屋の中に居るモンスター達を全て蹴散らすのに、そう長い時間はかからなかった】
【最後の一匹を、《スラスト》の青白い刃が貫く】
【骸骨が音を立てて爆散すると同時、閉ざされていた部屋の扉が開き、下層へ繋がる階段を露わにする】
【周囲には、大量の素材アイテム。モンスター達によってドロップしたものであろう】
……ふぅ、疲れた
やっぱ結晶系は堅いわー
【爽快感を滲ませながら呟いて、ウィンドウから赤色の液体が詰まった、一本の瓶を出現させる】
【《強化ポーション》――体力が回復し、さらに一定時間ステータスを僅かに底上げさせるアイテムだ】
【恐らくは、迎えるであろうボス戦闘の為に】
【呑み終えた瓶を放り投げる。瓶は落下途中で塵となって霧散した】
【階段のほうへ歩みを進める。この一階層下、地下十一階層はボス戦闘の前の休憩ゾーンとなっている筈だ】
【実質、残るはあの“結晶竜”のみとなる】
準備、おーけー?
【振り向いて、問う】
【主語は抜けているが、この状況ではもう、言わなくても伝わるだろう】
【目の前の階段から、威圧するような竜の唸り声が聞こえる】
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>>959
その後も、《支援砲撃》による榴弾爆撃はとまらず、最大効率で敵を巻き込み、スラストの一刃を支援していく
砲撃音は止まず、砲兵自身も撃ちもらした結晶兵に斬り付けられ、手傷を負った
「・・・・・・おー」
近づかれた瞬間、砲兵は砲撃体勢を解除し、セカンダリの大型拳銃を抜く
斬られ、ノックバックを重量過多で強引に圧殺し、《ヘッドショット》
対装甲目標に対してのこのハンドキャノンは拳銃系で無類の強さを発揮する
追撃、追撃、追撃。ちょうど三発撃ち、殺害
ドロップ品をさりげなく拾いながら、階段に近付いていく
「お疲れさまんさ」
「(∴ )」
会話をしている間にも、パーティウィンドウの砲兵のステータス、そのライフが回復していっている
リジェネレイト、持続的に回復するエンチャント持ちらしい
「おーけー」
火砲を肩に担ぎ、猛る竜の息吹渦巻く階段へと、脚を進めた
確信には遠いが、奇妙な感情が浮かぶ
「竜程度では、阻めまい」
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>>960
自動回復か……羨ましいものを持ってるね
【呟きながら、階段を下りる。足音が、結晶で出来た通路に響く】
【羨ましい、とは言ったが――実際、自分が持っても無用の長物だろう】
【どうせ自動回復なんてあったところで、大きな一撃を喰らったら蒸発してしまうんだし】
【どうでもいい事を考えながら、地下十一階にたどり着く】
【同時に、轟く唸り声】
【どこからともなく声が聞こえてくる。“結晶竜”がプレイヤーを警告していると言う、なんともありがちな展開だ】
【要約すると「死にたくなければここから立ち去れ」らしいが、まぁ、なんとも芸が無い】
【テンプレもテンプレだな、と思いながら無視して進む。この口上も、既に何度も耳にしているし】
…………さて、
気合入れて、行こうか
【小さな部屋の最奥に存在する扉に、手をかけ】
【一度後ろを振り向いてから、扉を、開け放った】
【長く、長く。地下に階段が繋がっている】
【これまでの階段の二倍はあるだろう。周囲の結晶も、先程より透明度を増しているように思える】
【立ち込める冷気は何倍にも膨れ上がり、仮想の寒気で皮膚を泡立たせた】
【いつのまにか、視界を遮る霧も、濃くなっているようで】
……頼りにしてるよ
今のボクじゃあ、多分あの鱗は削りきれない
【振り向かずに、声だけで】
【階段を延々と下っていると、終に大きな扉にたどり着く】
【竜のようなものの周囲に、恐らくは結晶と思われるものが刻まれた、石の扉】
【触れる。開くか、否か。最後のメッセージウィンドウ】
【一度後ろを振り向くと、少女はウィンドウを軽く叩いた】
【勿論、「YES」で】
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>>961
「いいでしょ」
とは言ったが、そもそもライフが無いと軽く死ぬ。ついでに言うと防御が無いと解ける
という訳で重装甲でもなければ使い辛いエンチャントの一つである
そして、地下十一階
「・・・・・・おー」
棒読みが響く。逆に気合が抜けそうな声色である
唸り声が響く通路を抜け、冷気を擬似感覚デバイスが錯覚させる
徐々に明度を増す水晶。それは、主の身を真似た結果だろうか
「任せて」
「鱗剥がれたらよろしく」
「(∴ )」
扉の前、少女が扉を押し開けるモーションをした
開かれる結晶の主の御前
担いだ火砲を正位置へと戻し、眼前に居るであろう晶竜に身構える
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>>962
【間の抜けた掛け声に苦笑しながら、扉を開く】
【妙に仰々しい音を立てて、視界が開く】
【それは、巨大な部屋だった】
【一階層が丸々ボス用に宛がわれているのだから、当然といえば当然である】
【だが然し、暗い。とても部屋の奥は見えそうにない程に】
【それでも時折部屋の中に唸り声が反響して、そこにいる“存在”を強く、強く主張していた】
【二人が部屋に入った瞬間、開いた扉が勢い良く閉まる。同時に、《Lock》の四文字】
【ぼうっ、と。部屋のあちこちに配置された洋灯が、青白い炎で周囲を照らし始めた】
【不気味に、一つ。大きな影が現れ、ゆっくりとその全貌が明らかになっていく】
【それは、巨大な竜だった】
【爪も、鱗も、牙も。全てが結晶で出来た、青白い竜だ】
【《結晶竜クリスタルドラゴン》――陳腐な名前と裏腹に、モンスターからは凄まじい情報圧を感じる】
【これまでとは、明らかに違う雰囲気で以って】
【少女が剣を構える。その顔が、“少女”から“剣士”へと変化していく】
【独特の緊張感が、場を包む。触れることを許さぬ氷の刃のように、少女の雰囲気が鋭利なものとなっていく】
【結晶竜――クリスタルドラゴンの攻撃パターンは、多く分けて三つ】
【鋭利な爪による《引き裂き》攻撃と、耳を塞いでいない、若しくは音攻撃に耐性のないアバターをスタンさせる《咆哮》】
【それに、氷属性の前方範囲攻撃、《氷のブレス》である】
【移動方法は主に翼による飛行移動だが、遠距離攻撃できる仲間がいる今、それは単なる撃ち落としのチャンスでしかない】
【ドラゴン系統のボスのテンプレートと言っても良いだろう】
【ただ、この竜の持つ、最大の特徴。即ち、《結晶系統》】
【クリスタルで出来た鱗は、全てのMOBの中でも五指に入るほど、恐ろしく堅いのだ】
【本体そのものに高い攻撃耐性がある上に、《物理遮断》《魔法反射》の性能を持った結晶は、こちらの攻撃をものともしない】
【攻略するには、トンデモ火力か防御貫通系統でダメージを与えるか、鱗を剥すしかない】
【しかも鱗を剥しても、時間経過で再生するというチートっぷりなのである】
――ァァァァァアアア!
【少女が、勢い良く竜に斬りかかっていく】
【黒い刀身は透き通った鱗に当たると、甲高く、音を立てて剣を弾いた】
【流石の攻撃力ゆえか、竜のゲージがほんの僅かに揺れる】
(……流石に、堅いな)
【逆に言えば、あの攻撃力でも、これだけしか】
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>>963
砲兵は考える
少女の雰囲気が別種の、剣士へと変貌する様を観ながら
バレルシリンダーを確認。砲身には徹甲弾が収まり、咆哮と共に吐き出されるのを待ち構えている
「(∴ )」
少女は一つの矢となって、竜を削る
流石の結晶系統、結晶兵相手に無類を誇った火力も及ばないか
ならば
《直射》『徹甲弾』
直接照準。片膝をついて砲撃姿勢、自身とバレルとの差異をノイズとして除去し、砲兵は稀なる水準の集中力を発揮した
「・・・・・・・・・無敵だと?笑わせる」
呟く。恐らく少女には届いていないだろう。
「俺は砲。過たず敵を穿ち、焼き払う、砲」
少女が当てた鱗、その傷にFMDの奥の瞳を見開き
轟音と共に、徹甲弾を放つ。硝煙と熱を放つばれるを回転させ、二射目を用意
燃焼ガスを撒き散らしながら、結晶竜の鱗、Gretelが傷つけた一枚を徹甲弾が穿った
だが、ボスに加えて物理耐性持ち。そう易々と削れはしない
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>>964
【背後から、一閃の弾が放たれる】
【轟音と、閃光。鱗が剥れ、霧の中を飛来した】
【この鱗は拾えば大層な価値になるらしいが、今はそれどころではない】
【意識を、剣先に集中する】
【剣を、引く。黒い剣は血の色の光を浴びて、青白い風景に対比する】
【狙いを定める。剥れた、鱗に向けて】
【剣が、空を裂いて放たれる。血の色の残滓が、後を追う】
【少女が、足を一歩、踏み出す】
【全てが減速する世界で、意識だけが加速する感覚】
【彼女特有の、“加速感”】
【音を、光をも貫く神速の一撃は、確実に鱗が剥れた一点を狙う】
【閃光。弾けて、貫く一撃。紅く光は瞬いて、轟音と共に竜を貫く】
【片手剣重刺突スキル――《ストラトス》】
【竜の体力ゲージが、大きく一割も減少する】
【怒り狂うような、竜の咆哮。両の爪を、少女に振るった。だが、少女には当たらない】
【“加速”している少女には、そんな“鈍い”攻撃など、攻撃のうちに入らない】
【振るってきた爪に、《スラスト》をぶつける。正面からぶつけても勝ち目は無いので、爪と爪の間を狙って】
【僅かにぶれるだけ体力ゲージ。流石に、先程のクリティカルヒットのようにはいかないらしい】
【銀色の、長い髪が後を引く。黒色の刃が、竜と触れ合う】
【それは、まるで天使の舞踏のように】
【竜が、突然首を持ち上げた】
【少女が、大きく眼を見開く。間違いない、これは《咆哮》の前動作】
【反射的に、耳を閉じる。だが、間に合わない。攻撃スキルの反動が、全ての行動に枷を負わす】
【そして】
【竜が、鳴く】
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>>965
まずは一撃。それを逃さず、Gretelが黒剣を捩じ込む
これで一割程体力が削れる。だが、一割だ
回避運動と共に攻撃を加えている様は蝶の様に舞い、蜂の様に刺すを体言しており
結晶竜の外殻と打ち合う黒剣も剣戟を奏でた
が、まだだ。今は攻撃箇所を増やす事に専念する
次いで、砲撃。《直射》による砲撃は通常よりも威力が増し、初速も増す
徹甲弾がまた、抉れた場所に程近い鱗を穿ち、内部を焼く
それにしても凶悪な防御性能だ。正直、二人で来るようなものではない
「・・・・・・ッ」
竜より、呼気が洩れ、眼が見開かれる
これほどまでに装填速度を気にした事があったろうか
轟音
擬似感覚ですら鼓膜が破壊され、三半規管が乱れゆれる錯覚を覚える状況で、砲兵は分析を始めた
ダメージは十二分に建て直し可能。リジェネレイトも問題なく活動している
気がかりなのは、前衛の少女。支援の線も含めて、装弾する
徹甲弾が二発、そして榴弾が一発
じわりじわりと、要塞が動き出した。結晶竜の、その前に
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>>966
ぐっ……ぅぁ……っ!
【轟く、竜の鳴き声。空間が揺れ、周囲の結晶が音を立てて割れていく】
【《咆哮》。大型モンスターの多くが持つスキルで、周囲をスタンさせる、音系統の攻撃】
【ダメージ量は少ないが、長時間の麻痺効果は正直絶大だ。しかも、音源に近いほど効果が強いと繰れば――】
…………
【ビリビリと、未だ空気が揺れる中】
【全身が動かない。思わず、冷や汗が流れる】
【拙い。この状態でブレス攻撃でも放たれたら、眼を当てられない事になる】
【良くて九割、悪くて即死】
【動けと、全身に命令を送る。相手の体力ゲージは、二人の連撃を加えた今でも残り八割】
【ここでダメージを食らっては、勝つ可能性は遥かに遠のくだろう】
【正直、前回はここまで強くなかった筈だ。アップデートで強化されたか、ドS運営め】
【竜が、勝ち誇ったように唸り声を上げた】
【首を持ち上げる。口の間から、燃え盛る蒼い炎が見て取れる】
【間違いない。この前動作は、《氷のブレス》】
【ドラゴンの前方全体を攻撃する、超広範囲の氷系統ブレス攻撃】
【前動作が大きい故に普通ならば避けられるが、ボス系統の強力なAIは、これを《咆哮》の後に使ってくる事が多いのだ】
【ああ、負けるのか――そんな思いが、頭を駆ける】
【自分が負けるのは言い。だが、自分の背後に居る、自分の仲間たる彼はどうなる?】
【折角、頼ってくれたというのに。申し訳なさと悔しさで、自然と涙が浮かんだ】
【竜が、首を大きく仰け反らす。それは、ブレス攻撃直前の流れ】
【そして――――】
【――――竜種最大の弱点である、首裏の、露出】
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>>967
竜の勝ち誇った唸りが運営の笑い声に聞こえたのは自分だけではなかろう
竜の《咆哮》は砲兵のライフこそ削ったものの、AGI分をVIT等に準振りした身を貫くことが出来なかった
結果、距離も幸いしてスタンを最小化する事が適った訳である
そして、鈍足ながら、砲兵は少女の前へ
SP消費はしたものの、そもそも砲撃以外にSPを使わないのだ。その点で、砲兵は継戦能力に優れていた
「・・・・・・・・・」
無言で砲兵は唸る竜の前に立ち、火砲を構える
装填したのは徹甲弾。素直な弾道、高初速、殆どの敵に対して有効なかつ、スタンダードな砲弾
竜が、鎌首を擡げて仰け反る
見えた。顎下の更に下部、リジェネレイトによる湯気がアーマーのそこかしこから洩れ、それを振り払う
「(∴ )」
《直射》『徹甲弾』
ほぼ垂直に立てた火砲が硝煙と轟音、そして弾頭を吐き出した
「問題ない」
-
>>968
【少女が、横目で移動してくる要塞を見詰めていた】
【その瞳が、必死に「逃げろ」と叫んでいる】
【縫い付けられたように、動かない身体】
【ぶわっと、湯気が周囲に広がった】
【冷気の包む空間に熱の篭った空気が広がり、思わず全身の筋肉が弛緩する】
【どうする気、なのか。要塞が、砲台を構える】
【竜が、その青白い瞳で要塞を睨んだ。その眼が、侮蔑に歪んでいるように感じる】
【「人間程度では私には勝てない」と、ただのデータの塊が嗤っているように、感じる】
【そして――――】
【竜が、ブレスを吐き出そうと、首を動かした、瞬間】
【轟音と閃光、火花と硝煙が、凍り付いた空間に木霊した】
【音よりも速く、火花を飛び散らして弾が放たれる】
【竜が、僅かに眼を見開き驚愕した――そんな、錯覚】
【弾が、竜の首筋に当たる】
【爆音。部屋全体が揺れ、竜が苦悶の声を放った】
【一気に、ボスのライフゲージが減少する。およそ、四分の一。二割五分のダメージ】
【竜の体力は、既に半分より少し多い程度。五割程度しか残されていない】
【あまりの威力に、竜の全身が、まるで紙のように吹き飛んだ】
【砲台そのもののダメージもあるだろうが、やはり因子として大きいのは、弱点である首裏を攻撃したことだろうか】
【竜はそのまま何処かに落下し、今の攻撃で砂埃に隠れてしまっている】
…………
【少女はただ、呆然としていた】
【目の前で繰り広げられた、トンデモ攻撃】
【よもや、あそこまでダメージを与えるとは】
……あ、あり、がとう……
【ようやく身体の自由がきくようになったのか】
【立ち上がる砂埃を見詰めながら、呆然と呟く】
-
>>969
「・・・・・・。」
コッキングボルトを起こし、榴弾が装填されたバレルをセンターへと持ってくる
危なかった。リロードディレイが残っていたら、やられていただろう
しかし二人とも存命。そして、結晶竜の体力は五割程まで削れた
竜系エネミーの弱点として首裏は広く知られている
秘匿していた連中が一時期wikiを荒らし始めた辺り、どうもこの少女が絡んでいる気がするが
だが、この一撃は大きい。スタンの危険性を考慮しても、である
砂埃が晴れるまでの間に態勢を整えねばならない
『パーティヒールポーション』
周囲に振りまく様なモーションの後、パーティ全体のライフを少量回復させる
「おういえ」
相変わらずの合成音声
おちょくる余裕がないのか、口数は少なくなっている
代わりに、小さな独り言は増えたが
「氷結ブレス・・・榴弾で焼いた方が・・・部位ダメージで・・・・・・仰け反りも・・・」
「(∴ )」
少女の頭にぼすぼすと手を乗せた
グローブに覆われた手は熱く、右腕の所々が赤熱している
リジェネレイトの効果も拮抗している様だ
無理な姿勢での砲撃や至近距離の接射、連続使用の熱によりダメージをじわじわと受けている
「終わらそう?」
「(∵ )」
ハーイ
-
>>970
【竜種の首裏は最大の弱点、というのは、割とこのゲームでは有名な話だ】
【いや――有名に“した”と言った方が正しいか】
【ただ、その情報に反して、案外首裏を狙うのは難しい】
【通常の状態ではそもそも攻撃できない位置にあるし、ブラス攻撃のようなモーションも、普通は避けるのに必死で攻撃する暇など無いからだ】
【そういう意味では、ひとえにこの要塞的なアバターの“火力”の高さこそが為しえた技というべきだろうか】
【巨大なドラゴンを吹き飛ばすほどの火力など、そうはない】
【ブレス攻撃をキャンセルされた竜は、そうとうにお怒りの様子なのか、砂煙の向こう側から低く唸り声を上げている】
【思わず、弛緩した右手の筋肉を、もう一度緊張させる】
【そうだ、これが、唯一の機】
……そうだね
あのドS運営に、眼にもの見せてやろうか
【少女が、ブンと剣を振るう】
【そこに、先程までの不安げな要素は一切無い】
【あるのは、勝気な、笑みだけで――】
【砂埃が、風によって晴らされる。竜が翼を振るったからだ】
【突風によって視界が開け、再び竜の全貌が明らかになる】
【全身の鱗は所々剥れていたが、それも少しずつ治ってきているようで】
【竜が、吼える。同時に、少女が走る】
【音を立てて、全てが遅く、自らの魂は際限なく加速されてゆく】
【クリアになっていく、全ての感覚。右手に持つ剣を、強く握り締める】
【竜が、自分に向かって爪を向けてくる。ああ、なんて遅い攻撃だろうか】
【ようやっと本調子になってきた脳が、音をたててスパークする。全身の毛細神経に、仮想の電気信号が流れ、身体を動かしていく】
【剣が、夕焼けを思わせる橙色に輝き始めた。高く飛び上がって、竜の眼前へ】
【爪をからぶった竜は、驚愕を顔に表して、飛び上がった少女を見詰めている】
【身体が軽い。思わず、口許が緩んだ】
【振るう。斜めに振り上げられた剣は、竜の顔に一文字の傷をつける。何枚かの鱗が剥れて、ゲージが一割ほど減少】
【身体を回転させ、今度はそれと十字になるように剣を振り下ろす。再び、一割のダメージ】
【空中で《インフィニティ》を放つ純白の少女の姿は、正しく“天使”を思わせるほどに】
-
>>971
武者震いに似た感覚を覚える。無論、擬似感覚に過ぎないのだが
それらは確かに自分の手にあるし、竜の怒気は電子情報から変換されるまでもなく畏怖を感じた
故に、傍らの少女の声、そして凄然たる笑みに、一片の疑問も無い
「おういえ」
割れた鱗が徐々に再生してきている
そして、それが捗っていないという事も。着実にライフを減らし、一騎当千と呼べる二人は尚地に立っている
勝てる。そう思った。それを実現させる事は決して不可能では無いという事も
飛翔する少女は正しく天使を思わせた
稲光に似たランダムな軌跡に乗せられた二連の斬撃は十字を竜の顔に刻みその分、強固な鱗を剥ぎ取った
そこである
十字を刻まれ、怯んだ結晶竜。その十字に、榴弾が叩き込まれる
《支援砲撃》『榴弾』
全身を鎧う、純粋に堅固な鱗が剥がれた顔に叩き込まれた榴弾は燃焼噴流ガスを二度に渡りぶち撒け、二割近くを焼いた
「・・・・リロードは間に合わない。」
火砲を棄て、セカンダリ武装に切り替え。《砂漠の鷹》こと、変質したピースメーカーをホルスターより抜き、構えた
元より、防御貫通80%という狂った性能を持ち、更に《砂漠の鷹》のエンチャントにより防御貫通100%にまで上がっている
自動拳銃の強みである、セミ・オートマチック機構が五発の弾丸を焼けて、肉が露出した頭部に正確に叩き込んだ
「《姫君》と砲兵の苛烈、如何でしたか」
「(∴ )」
-
>>972
【背後から発射された銃弾は、正確な軌道で以って竜の額を焼いた】
【削られる二割のゲージ、苦しむ竜の唸り声】
【残り一割弱を示す、竜の命の残量】
【剣を引く。落下するまでのタイムラグに、剣を引く】
【黒き刀身は血の色を纏って、とてつもない情報圧を吐き散らしている】
【片手剣重攻撃――《ストラトス》】
【鱗が剥げ落ち、熱によって焼かれた肉は、煙を上げて何とか再生しようと音を立てていた】
【だが、そんな時間を与えるつもりなど、毛頭無い】
【丁度、自分の背後から、何かが飛来してくるのを感じた】
【世界が加速する。竜が、最後の抵抗と、大きな《咆哮》を上げようとする】
【少女の剣が、音も、光も、そして】
【データの枠を超えた“意識”の壁をも貫いて、進む】
【加速する、魂の轟きを感じる】
【エンジンのように、全身が熱く、滾る】
【全身が、羽根のように軽い。全てを貫いて、進んでいけそうな気すらしてくる】
【紅刃が、蒼き結晶を貫く】
【バチバチと、脳が音を立てて焼けていく――】
【激しい、閃光。二人の攻撃は同時に竜へと当たり、とんでもないダメージエフェクトを発生させた】
【その眩さに、思わず眼を綴じる】
【一瞬の、間。次いで、爆音】
【結晶竜の全身が音を立てて爆散し、膨大な経験値が入った事を告げる】
…………ふぅ
【周囲に大量の素材アイテムやレアアイテムが舞い降りる中、最後に少女は降り立って、ドレスのスカートの端を持ちながら軽く礼をした】
【まるで、カーテンコールのように】
……またいつか、再び戦おう
今度は、サシで、さ
【もう何も無くなった虚空に向けて、一人呟く】
【それに応えるように、世界はきらきらと瞬いた】
-
>>973
爆風を背にする
「・・・・・・・・・アンコールは、要らないな」
マガジンを交換しながら呟く
結晶が滝の様に砕け降り、それは暫く幻想的な響音と共に残った
分配はランダムに指定しており、それぞれに権限が指示される
「んっふっふ。黒字黒字」
割と気にしいである
コムリンクを起動、インベントリを開き、受け取り権限のあるドロップを拾っていく
「お疲れさまんさ」
「(∴ )」
彼の中で流行ってるらしい
「・・・・・・えい」
少女に近付き、後ろから抱え上げて一頻り堪能した後
「・・・ばいばい」
RETURNコマンドでダンジョン外へと帰還した
//この辺で。長丁場ありがとうございました
-
>>974
うん、お疲れさ……って、ちょっと!?
【抱き上げられて、思わず上擦った声を放つ】
【抵抗はするが、どうにも力では勝てそうに無い】
【筋力値云々の話というより、少女がこういった事になれていないのだ】
【一通り少女を堪能したあと、大柄の男はそのまま消え去ってしまった】
【なんとも、最後まで掴めなかったプレイヤーである】
……ま、いっか
ささ、ボクもさっさと出よう
【自分の受け取り権限があるドロップから、必要な者だけを入手し、もう一度だけ振り向く】
【強化された、水晶竜。この強さは、果たして本当にアップデートの所為なのだろうか】
【何だか、違和感を感じる。けれど、その正体はつかめない】
【結果、変なもやもやだけが、ただ】
…………あー
もう、考えない! さっさと帰ろ!
【脱出コマンドの窓を開いて】
【「またね」と、一匹の竜と一人の男に向けて呟きながら】
【それを最後に、少女はそこから消え去った】
【それが、“水晶竜”との、最後の戦いになるとも知らずに】
/うい、乙。またいつか
-
【《水晶竜の城》】
【地下十二層】
【それは、少女と男がここを訪れてから、数刻が経った頃の話】
【ダンジョンの最奥として存在する、霧と霜に満ち満ちた部屋】
【一匹の竜が、唸り声を上げながら周囲を見渡している】
【《結晶竜クリスタルドラゴン》――全身が透明なクリスタルで構成されたこの竜は、《水晶竜の城》のボスモンスターだ】
【巨大な翼と荒々しい爪、全身を覆う鱗すらも、透き通るような結晶】
【《結晶》属性を持つこのモンスターは、このゲームにおいても五指に入る堅さ、耐久性を誇っており、パーティですら討伐は難しいとされる】
【不意に、音を立てて扉が開いた】
【反射的に、竜がそちらを振り向く】
【そこに居たのは、一人の小柄な少女型アバターだった】
【背は、とても小さい。全体的に小柄な印象を受ける少女だ】
【腰まで届く長髪は、水晶を反射してきらきらと輝く、薄紫色】
【瞳は空よりも蒼く、目の前の竜に対して微塵の恐れも、不安も示す事は無い】
【華奢な全身に着飾るドレスは、まるで夜そのものみたいな、漆黒】
【その背格好は、数刻前にここに来た真っ白な剣士に、良く似ていた】
【竜が、少女を確認して猛る咆哮を上げた】
【電子信号によって支配されたAIが、戦闘用のものへと切り替わる】
【少女が、靴音を立てながら、ゆっくりと竜に近づいていく】
【竜の攻撃射程範囲内に入る寸前、少女が、優雅にウィンドウを開いた】
【装備アイテムである、真っ白な刀剣。それを実体化させ、その右手に掴む】
【射程範囲内に入った事を確認してか、竜が大きく爪を振るった】
【少女が、片手間に剣を振るう。ガィン! と鉄と鉄同士がぶつかり合うような音】
【竜が、まるで慄いたかのように一瞬だけ動きを止める。その後、不安を取り除かんとするような、爪による連打攻撃】
【黒の主は、それを片手の剣だけで往なす。その度に竜の体力ゲージは揺れ、ドット単位で減っていく】
【少女が、ついに竜の眼前までたどり着いた】
【思わず、竜の方が後ずさりする。それを、ゆっくりと追いかける少女】
【その顔にはずっと、のっぺりとした無表情のみが浮かんでいて】
【ついに壁に背をつけてしまった竜が、口を大きく開く】
【口の間から、溢れる蒼炎。氷属性ブレス系攻撃、《氷のブレス》】
【竜が、首を振り上げる。ブレス攻撃の前動作。そして、弱点である首裏の、露出】
【少女が、それを狙っていたかのように動いた】
【右手の白刃に、漆黒の輝きが満ち始める】
【余りの敏捷値と筋力値の高さ故か、蹴飛ばした床に爆音が響き、周囲の床が僅かに飛散する】
【少女が、軽く飛んで、その長剣で竜の首を突いた】
【片手剣スキル、《ストラトス》に非常に良く似た動き。刃は深く、深く竜の首へと入り込んでゆく】
【竜が、苦悶の声を上げる。まるで、本当に痛みでも感じているかのように】
【その時、不可解な現象が、起こった】
-
【少女の持つ白刃に纏わりついていた、漆黒の輝き】
【それが竜の首に刺さった剣を起点にして、ゆっくりとその身体を侵食し始めたのだ】
【竜が、憤怒と苦痛に声を荒げる。ずず、と。音を立てて、黒は竜を侵食していく】
【明らかに、このゲームの仕様を超えた現象だ】
【周囲に誰か居れば、この現象は周知に知れ渡り、対策でもされたのかもしれないが】
【今、この場で。起こっている現象を見ている者は、竜と、少女だけ】
【竜の、結晶で出来た透明な鱗が、ゆっくりと漆黒に染まっていく。濁っていく】
【その全身が、透明感のある蒼から、夜みたいな黒へと変化していく】
【同時に、竜の名前。《結晶竜クリスタルドラゴン》の名前が、歪み、文字化けして】
【新たな文字列へと】
【数分、そんな現象が続いた】
【不意に、剣から吐き出される闇が、終わる。少女が、剣を引き抜いた】
【目の前の竜を、再確認する。そこに居た竜は、もう、先程までの透明感のある結晶の竜とは、全てが異なっていた】
【漆黒の爪。漆黒の鱗。漆黒の、牙。全てが闇に染まった、堕竜】
【唯一、紅い輝きを持つ瞳が、ぎょろりと少女のほうを睨んだ】
【少女は、微笑とも、無表情ともとれる表情で、竜をじっと見詰め返している】
【竜の名前が、文字化けしたそれから、確かな語列を作り出す】
【《Das Hausgesinde》――そこにあった文字列は、もう、既にこのゲームの仕様からは逸脱していた】
【竜が吼える。少女が、剣をストレージに収納する】
【もう、既に竜は、少女の敵ではなくなっていた。例えるならば、下僕。例えるならば、そう、眷属】
【システムを逸脱した存在は、気付く。目の前に居る少女は、自分より遥かに格上の存在なのだと】
【少女が、ストレージから本を取り出した。テイム系のスキルを持っていると入手できるアイテム、《調教図鑑》】
【本を開く。竜が、光の束となって本の中へと収納された。本を閉じて、再びストレージへ】
【扉が、開く。このフロアにいる該当モンスターが消えた事で、ボスモンスターを倒したと認識されたのだろう】
【少女が、ゆっくりと扉に近づいていく。静寂の中、足音だけが響く】
【最後に、一度だけ後ろを振り返って。少女は、扉を閉めた】
【後にはもう、何も残らない】
【《水晶竜の城》からボスモンスターが消えたと騒ぎになるのは、それから数時間後の事である】
-
【《春の谷の教会》】
【そこは、先日追加されたばかりの新マップだ】
【見渡せば、辺りは花と草木に溢れている】
【所謂、“草原”系のマップ。名前から見ても、恐らくは春をイメージして作られたものだろう】
【マップのレベルとしては、中の下、といったところだろうか】
【春のマップらしく、ポップするのは植物をデフォルメしたような、可愛らしいモンスターばかり】
【中央に巨大な教会があり、噂ではその中はとんでもない高レベルダンジョンらしいが、そこは残念ながらまだ実装されていない】
……あー、もう……
なんで出ないかなぁ……
【そこに、一人の少女が座っている】
【銀色の髪に、全身を纏う真っ白なドレス。瞳は赤く、その肌は白磁のように肌理細やかだ】
【右手に持つ漆黒の剣は、噂では相当高ランク、かつ入手困難なユニークアイテムだという】
【この少女型アバター――《Gretel》と言えば、巷ではそこそこ有名な古参プレイヤーである】
【敵をばったばったとなぎ倒す馬鹿みたいな火力と、反比例してすぐ溶ける紙みたいな体力】
【古参にありがちな固執を無視した自由奔放なプレイスタイルは、新参には好かれ、古参には嫌われる】
【良い意味でも、悪い意味でも、人の心に残り易い】
【しかし、彼女は飽くまでも高レベルプレイヤー。少なくとも、こんなマップに居る事はおかしい】
【その“理由”が書かれたウィンドウを、溜息をつきながら開く】
【新マップ公開記念イベント――《しあわせウサギを探せ!》】
【そう題されたこのイベントは、つい先程、公式から発表のあった、期間限定イベントだ】
【この新マップ《春の谷の教会》には、《やせいウサギ》と呼ばれる、超弱小モンスターが出現する】
【だが、その中に時折、《因幡の白兎》と名付けられた、限定アイテムをポップする特殊モンスターが紛れ込んでいるというのだ】
【見れば周囲のプレイヤーも、我先にと周囲を探り、ウサギを虐殺している】
【沢山倒せばそれだけ対象がリポップする確率も上がるので、普通の《やせいウサギ》も狩る価値はあるのだ】
…………はぁ
【しかし、未だ《因幡の白兎》がポップしたという話は無い】
【思わず溜息を吐く。流石に有名だけあって周囲の眼を惹いているが、本人は気付いてもいない】
-
>>978
……ふぅ
【金切り声を上げて燃え落ちる植物型モンスターを一瞥しつつ、よりよい位置取りをするために歩みを進める】
【無骨から華美まで、多種多様な装備が用意されているこのゲームでは珍しく地味な灰色ローブ】
【そこに同色に誂えられた三角帽子とくれば、まず初心者――なのだが】
だいぶ感覚が戻って来たかな
にしても……やっぱり、人が多いわね
【轟、という音と共に未だ炎の軌跡を引き摺る杖を一振りする】
【火山の岩盤をその隙間に見え隠れする溶岩をそのままに押し込めたような黒鱗の威容】
【持ち手の少女の背丈を大きく超える程の長さを誇り、立っているだけでも目立ちそうな武具である】
【にも関わらずドロップ報告がない――とすればユニークアイテムか、はたまた数少ない生産職によるプレイヤーメイドと容易に推し量れる】
【エルフ型の小柄な少女の体躯に白い髪を流したこのアバターの持ち主の名は《解凍れんじ》】
【一般的には所謂中堅層に属し、なおかつ本人があまり目立たないようにしているためあまり知られていない】
【……と少し前までは彼女自身も信じていたのだが、とある知人が思いっきり掲示板に名前を載せてくれやがったので実際は微妙なところである】
ちょっと休け……ん?
【新マップ実装のための調整中のためか、《湧き》が甘いマップ中央の教会エリアに辿り着き一息つく】
【久々の仮想世界の空気を改めて胸いっぱいに吸い込みながら顔を上げると、一人のPLの姿が目に止まった】
【《姫騎士》とも言えるその姿、仮想世界慣れしている者だけが纏う独特の空気】
【見間違い、あるいは思い違いでなければ、確かあれは――】
《Gretel》……?
【気づいたときには、そう呟いていた】
-
>>979
…………?
【自分を呼ぶ声に、少女が振り向く】
【銀色の髪が、動きに釣られて揺れ、残滓を残した】
【赤い、宝石みたいな輝きを持った瞳が、《解凍れんじ》を認めた】
キミも、《因幡の白兎》狩り?
残念だけれど、まだ出現報告は無いみたいだよ
【整った唇から、そんな言葉が漏れる】
【何と言うか、何処となく気品とか、そういったものを感じさせる声質だ】
【比喩的に表現するなら、鈴のような、とか。そんな感じになるだろうか】
【それで居て、口調そのものは明るく、そして何より親しみ易い印象を与える】
それとも、教会に入りたかったのかな
まぁ、開いてないんだけどね
【「かくいう、ボクも入りたかったんだけど」苦笑しながら、そんな事を呟き】
-
>>980
……しまった
【こちらの声が聞こえたらしく、向き直った《Gretel》と目が合う】
【小さく自分に対して毒づきながら、羞恥心から空いた片手で三角帽を握り締め目深に被り直した】
【そんなにミーハーなつもりはないんだけどなぁ、と心中で呟きながら深呼吸】
【……久々に訪れた仮想世界での失態をこれ以上大きくしないよう、たっぷり間を取る】
【元々《草原》系のMAPは見通しがよく、厄介なmobを引っ掛けた際に振り切りづらいため《魔法使い》の彼女は避けていたのだが】
【ここはある程度障害物もあり、敵の強さもそれなりの上なおかつ弱点属性を突けることが多いため安全マージンは十分取れる】
【おまけにイベントのおかげで人が多く、想定外の《湧き》に対する勘や即応力を取り戻しやすい】
【――……というのが建前で、実際には新しいMAPを見て回りたいという気持ちや】
【期間限定イベントを我先に達成してやろうといった野心の方が大きな動機だった】
【というわけで、】
まぁ、そんなところね
え……こんなに狩られてるのに?
【「それは妙だ」――そう言いたげに、少女の眉が歪む】
【念のためシステムウィンドウを開き、範囲魔法で巻き込んでいないか調べてみる】
【該当なし。……もっとも、クエストフラグ持ちを倒せば表示がある筈なのでそもそも見逃すはずもなかったのだが】
もしかしたら――出現場所が限られているのかもしれない
例えば《隠しエリア》がある……とか
【草原系に属する癖にこんなに視界が悪いのだ。何らかの作為を感じざるを得ない】
【というより、あの性格の悪い運営ならいかにもやりそうだ――そんな思考を巡りらせながら】
【一歩ずつ純白の少女に近づいていき、ついで通り過ぎて、教会の扉に手を触れた】
もし開放されてたとしても、一人じゃここは無理よ
貴女は……そんなことはないでしょうけど
【まだ見ぬ地への羨望を若干滲ませた声の響き】
【体の向きを変え、扉に寄りかかってルビーの瞳を正面から捉えた翠玉は、淡く緩んでいた】
-
>>981
やっぱり、キミも妙だと思うかい?
【座ったまま、少女は眼前を見詰める】
【そもそもがこの新マップ。不可解な点が、明らかに多すぎるのだ】
【草原であるくせにこの視界の悪さ、何故か転々と置かれた、意味の無いオブジェクト】
【教会は後のダンジョンの布石だとしても、所々に謎の石像があったり、少なくとも何かしら仕掛けていそうな】
そうなんだよねぇ……その線が、かなり強いんだけど……
ただ……ねぇ
【実際、それが何処なのか。一通り周囲を巡ったものの、それがさっぱり掴めない】
【故に、一先ずはこんなところで、座って休憩していたというわけだ】
【溜息。割と勇んできただけに、少女にとってこの状況は、少々面白くないものらしい】
【「よっと」と、声を出して少女が立ち上がる】
【呆れたような、疲れたような顔から一転。愉しそうな、そして人懐っこそうな笑みへと】
【此方が、寧ろ少女の“素”の状態なのかもしれない】
そんな事ないよ。ボクだって、多分一人じゃ無理だと思うし。
というか、ボクはまだまだ弱いよ。このゲームには、もっと強い人が一杯居るんだもの!
【今のままでも十分強いのだが、どうやら少女はそれじゃ満足できていないようで】
【「そうでなきゃ、詰まらないけどね」そう言って、少女は笑う】
【強者のプレイヤーが必ず持つ、強さへの固執や、地位への執着】
【MMORPGの“リソース”への執念を、全く感じさせない少女である】
【上位プレイヤーとしては、かなり特異な方と言えるだろう】
……それにしても
【もう既に、打ち解けたような口調で少女が言う】
【なんというか、良い意味でも、悪い意味でも距離感を忘れさせる少女だ】
【……少々、危うさすら感じさせる、純粋さである】
その杖、凄いね
ボクはあんまり杖には詳しくないんだけど……相当なモンじゃあないの? ソレ
【持っている杖に指をさして言う】
-
二人の居る教会より少し離れた平原で、地響きが聞こえてきた
地響きの主が近付いてくると共に、攻撃エフェクトがうっすらと見えてくる。《やせいウサギ》のものだ
どうやらトレイン紛いの事をしているらしい、土煙と攻撃エフェクトの中、地響きの主が姿を現した
現在は入手不可能なエンプレスガード一式。クローズドベータ終了時に参加者に送られたアイテムボックスから完全なランダムで出るという
右手には禍々しい瘴気を孕んだ、石突から鎖が伸びる槍。左には全身を覆う程のタワーシールド
アバター自体も大きく、一般的な男性PCよりも二周り程大きい
背のマントからは長大なバスタードソードが伸びており、鞘が揺れている
「HOHOHO」
Guard! Guard! Guard!
ジャストディフェンスの表示と一緒に、ダメージ表記。全て0なのは装甲で全て弾いているからか
ふざけた声のVCが聞こえてくる。二人の内、解凍れんじに気がつき、右手を振った
「おや懐かしい。そして色々な意味で有名な方も。初めまして」
-
>>983
全力で名前間違い
-
>>983
おや、まあ
【少女が振り向く】
【銀色の髪。空に揺らいで、残滓を残した】
【華奢な身体に、白いドレス。白磁のような肌に浮かぶ、紅の瞳】
【右手に握られた剣は、濃厚な情報圧を放っている】
《歩兵要塞》……会うのは、初めてだったよね
始めまして。ボクは《Gretel》
【不敵な笑みを浮かべて、少女が言う】
【前進から湧き上がる衝動が、他人からも見て取れよう】
【まるで、ガラスケースの中にある玩具を前にして、そわそわしている子供みたいに】
【ただ、目の前の“強者”と戦いたいという、少女の疼き】
【通称“うずうずモード”。この少女の愛すべき“欠点”として、巷では割と良く知られている】
【と、いうのも――この二人、掲示板では良く話に上がるからだ】
【古参の上位層でありながら人々から好かれ、しかも性能が対と言って良い二人】
【某掲示板で良く立つ「仮想対戦スレ」では、この二人のカードは大変人気のあるものとなっている】
【行動範囲が違う為に直接会うことは無かったが、今此処で初めての対面】
【にわかに、周囲のプレイヤーもざわめきだした気がする】
此処に居るって事は……あなたも、同じ目的なんだ?
【《やせいウサギ》を指差しながらいう】
-
>>985
群れる《やせいウサギ》の群れに蹴りが入る
《only world》での格闘はSTR、筋力とDEX、器用度、マスタリースキルと装備重量で計算される
そこから更に敵の防御力を減らす訳だが、蹴りを食らった《やせいウサギ》が一撃で消し飛んだ
「Gretel・・・《姫騎士》、《空間殺法》、《デュアルエッジ》に《紙の姫》、高名はかねがね。」
曰く、弱き者を助け、強き者に挑む《姫騎士》
曰く、光に類する程の機動力と、熟練した技術に裏打ちされた攻撃力を備える《空間殺法》
曰く、紡ぎ手の魔剣を右に、そして結晶白の主の晶剣を左に。故に《デュアルエッジ》
曰く、範囲攻撃に巻き込まれただけで儚く散る《紙の姫》
BBSや某掲示板では色々な憶測や逸話、そして議論があり、その中で複数の称号が少女に付けられた
無論、皮肉や中傷も含まれているだろうが
そんな少女を前に、巨躯の鎧は淡々と《やせいウサギ》を蹴り殺して行く
怯え、竦む者や健気にも抵抗を続ける者。逃げようとする者も一切合財まとめて
ガジュッ
蹴り殺す
「やはりイベントには出ませんとね。LUCK上がると被ダメージ下がりますし」
答えながらも、屠殺を続行
通常攻撃なのでSPも消費せず、スタミナもすぐに回復。そもそもHPバーは動きすらしていない
《やせいウサギ》にとっては完全な詰みに陥っている
「まぁ、リスポーンテーブル廻してるだけですが」
-
>>982
そう……ねえ
【白の剣士が、己の経験と勘によって覚えた違和感を】
【灰色の魔法使いは、後衛火力という特性の故に把握していた詳細に記憶していた地形から見出し】
【おぼろげながらも頭に浮かんだ可能性を、まとまらないままで口にした】
MAPに仕掛けが施されている場合は……石像が重要なポイントになりそうね
回ったり、押せたりしないのかしら
後は……フィールドの特性を生かして、隠している場合とかかな
どこか燃やせたり、切り開いたり。
――でも、ここの運営の性格だと、あとずっぽうじゃ無理そうだもんなぁ
【はぁ、と溜め息を吐く】
【……しかし、たとえ意地悪ではあってもアンフェアな筈はないのだ】
【どこかに必ず、大きな見落としが――】
【悪循環に陥りそうな頭を切り替える為にも、明るい声を上げた少女の方に再び視線を戻す】
【アバターの設定年齢だけではない。その奥から滲み出る快活さに、意識せず口元が緩み】
……貴女は、愛しているのね。この《世界》を
【ふと、気付いたらそんな言葉が漏れていた】
【ゲームではなく世界、といったのはロールプレイの一貫だけではない】
【数限りないPLが存在する世界最王手のMMORPG】
【その中で昇り詰めるだけの技術を磨き、情熱を注ぎ込みながら】
【赤く輝く宝石の瞳の中に映し出されているのは、あくまでも未知との出会いの期待で】
【自身が抱く偏見――狩場の独占や装備の強化に固執する、といった上位プレイヤーの印象を】
【丸ごと吹き飛ばすような眩い笑顔に、暫し、見とれてしまい】
そうね。私も……強くなりたい
【自然、掌に力が入り、ぎゅっと黒鱗の杖を握り締める】
【遠目で見る犯しがたい雰囲気とは裏腹に、接しやすい《Gretel》の注意が自身の愛丈に及ぶと】
【唇で大きな弧を描き、心なしか誇らしげにその由来を語り始めた】
ふふっ、分かる?
《黒龍の心臓》をメインにして友人に作って貰ったの
銘は《焔舞グラベール》――強いのはもちろんだけれど、それ以上に……大切なものなんだ
-
>>983
あ、変態だ
【自身が知る数少ない古参プレイヤー……の筈なのだが】
【奇行の方が目立つ友人を認めて、挨拶代わりの悪態が口を突いて出る】
【先ほど知り合ったばかりの彼女とは性質は異なるものの】
【目の前の彼もまた、一般的な上位PLとモチベーションのベクトルが違うことは確認するまでもない】
【そういった面からいえば、尊敬に値する、とは思うのだが――】
相変わらず派手ね
……というか、装備ちょっと変わった?
【全く、表に出す気にはならない。というかむしろ、コイツにはこういう接し方が適切だと思う】
【内心で溜め息を突きながら、記憶の中と若干異なるテラーの姿を見咎めて目を細めた】
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>>986
《鉄壁》、《塔の盾》、《ネタ師》に《ガーディアン》……そして、《歩兵要塞》
なんともまあ、色々な名前を持ってるねぇ
【正しく、真逆】
【蝶のように儚く舞い散る姫騎士と、岩のように全てを受け止める生きた要塞】
【対比する二人。比較される騎士達】
【何度その名前を耳にしただろうか】
【対戦してくれと、希望の声すら幾度となく聞いた】
【掲示板を見れば、自分の名前と共に、同じ位置に連なる、その名前、その称号】
【そして、自分の攻撃を受け切れるであろう、その大きな盾】
いやぁ、凄いねぇ……噂には聞いていたけれど
本当に、生きた要塞だわ、これは
【《やせいウサギ》の様子をじっと見詰めながら】
【感嘆と、賞賛の声】
ボクだったら、その状況だと間違いなく三秒で溶けちゃうし
【苦笑しながら言う】
【比喩ではない。それほどに、彼女の耐久は低いのだ】
【全てをかなぐり捨てて、ただ、“加速”し“屠る”事だけに全てを集中した、戦鬼】
【もし、この二人が戦ったら。いや――もし、この二人が共闘したのなら】
【果たして、それを破れる者は、このゲームに何人居るのだろうか】
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>>988
良くぞ気付いた!とばかりに槍を振るう。前にいた《やせいウサギ》の一匹がちぎれて飛び散った
褐色の甲冑は以前と違って落ち着きを取り戻し、代わりに全体から瘴気が漂っている
槍に至っては以前よりも禍々しくなり、常に微細に震えていた
「やぁどうも!れんじさんお久しぶりで。」
「装備を全部、一回り強化しました。遂に憧れのスキル《全門耐性》が!」
各種攻撃耐性のスキルを育てることにより、パッシヴ防御のスキルツリーの一端を担うスキル《全門耐性》
貫通属性や特殊能力を除くほぼ全ての属性攻撃に耐性を持った事になる
実を言うと、このスキルを取得する人間は殆ど居ない
単純に、労力と利益が見合わないのだ
非常に欲しいスキルではあるが、そうすると殆どの時間と多数の攻撃スキルを諦めねばならない
だが、この男にはそれは些細な問題だったらしい
「《自動再生》とかも欲しかったですが、諦めました!」
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>>987
うーん……手詰まり、だなぁ
何か、こう、違和感だけはあるんだけど……
【考える。そもそも、前提を間違えているのでは、無いか?】
【考える。果たして、本当に情報は正しいのか?】
【高レベル用のダンジョン――入れない教会――】
【ありがちだ。確かにありがちで、無難な話だ】
【ただ、それだけに。ありがちなだけに、何処か引っかかる】
【もし、それが単なるミスリードだと、したら?】
【入れないのは“表から”だけで、もし、他に何処か入り口があるとしたら?】
【もし――もし、この教会すらもイベントの為のオブジェクトだと、したら?】
……ん、あ、あぁ……そうだね……
【頭の中に、高速展開された思考】
【流し耳で目の前の魔法使いの話を聞きつつ、更に思考を展開する】
【ありえない。九割九分、ありえない話だ。だが――】
……愛している?
そうなの……かな……
【呟いてみて、何ともなしに胸の中がほっこりした】
【目の前の魔法使いが、「強くなりたい」と、意思を漏らす】
【「キミならなれるさ、すぐに」。そんな言葉が、自然と口から漏れた】
へぇー……相当、有名な人が作ったんだね?
ボクから見ても判るよ。凄い、強い、意志と、力
【それは、“情報圧”と、時に呼ばれる力】
【少女の右手にある剣も、そうだ。凄まじい情報圧――見る人間を、圧倒する力】
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>>990
【ダメージゼロなどと滅多にお目にかからない表示を撒き散らしながら】
【僅かな所作でうさぎたちを蹂躙していく姿を目の当たりにして、少女の頬が若干ひくついた】
【慣れているとはいえ、この強烈なインパクトは如何ともしがたい】
え、ええええええっ!!
……スキル開放目的の放置キャラ以外でとったの、貴方が初めてじゃないの?
【驚愕、そして暫く後に溜め息をこれ見よがしに吐いてから半目でじーと見つめる】
【……《ネタ師》であることは重々承知していたが、まさかそのスペックと技術を以てして】
【ビルドまで生き様に捧げているとは流石に予想してはいなかったらしい】
【根気次第でどんなスキルツリーでも一線に立てる《only world》の奥深さに感心しつつ】
【「やっぱり色んな意味で変態なんだ」と解凍れんじは改めて認識していた】
【装備の妙な雰囲気には強化以外に思い当たる節があったが、あえて追求はしない】
【聞いている噂が真実ならば――その言葉は、《彼女》にとっての地雷を踏むことになるからだ】
いや、それ無理だからね?!
え、なに、今度はアクティブモブの中で放置でもしたいわけ!?
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>>989
「HOHOHO」
「私など、如何程の者でも無いでしょうに。」
最後の一匹を踏み潰し、地面に亀裂を入れながら少女へと視線を向けた
神速の斬撃。文字通りに重く、その一撃を食らえば少なからず、自分ですら傷を負う
無論、やりあう気は無かったが。PVPでも装備の耐久は減るのだ
「ただ、貴女の様に避けて刺す戦いが出来る程腕が無かっただけです」
そう応える間にも、《やせいウサギ》のスキル攻撃だけを的確にジャストディフェンスで弾き、通常攻撃を装甲で弾く
この動作に澱みや失敗は無い。慣れたといえばそれまでだが、実現出来るプレイヤーが何人いるのやら
少女の言葉に、巨躯の騎士は苦笑した
「それを自戒しているのだから、貴女は強いのですよ?憧れる方も、少なからず」
解凍れんじの方へと槍で指す
そういえば、彼女も凶悪な魔法攻撃を持っていた
火力大好きっ子ここに集う
「ちなみに貴女の横にいらっしゃる方、その方はその方でトンデモ火力です」
けらけらと笑い声。肉声なのか電子音声なのかは微妙な所だ
>>992
「問題はスキル構成的に墓主の寝室クラスのダンジョンは絶対に越せない事ですね」
墓主の寝室、上級者用のダンジョンで、アンデッドとゴーストが主力構成のダンジョンである
防御は鉄壁、だが攻撃は、中の中程度しかない。無論、装備重量を乗せるスキルでは洒落にならないが
故に、相手の攻撃を食らわない代わりにこちらの攻撃では倒しきれない状況になるのだ
「ところで失礼な事を考えませんでしたか?」
無表情な甲冑が解凍れんじをじっと見た。威圧感たっぷりである
「そういえば、れんじさんは火炎特化でしたね」
解凍れんじの言葉に甲冑ががしゃがしゃと鳴らしながら笑った
「《カウンターバッシュ》があるので自動狩り出来ますね。POTの素材集めに大活躍」
「まあ偶にフィールドボスに延々と殴られて死んでますが」
《プロヴォック》
踊りも加わりウザさは三倍である
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>>993
いやぁ、ボクなんてまだまだだよ
避けてっていうけど、そんなに避けが上手いわけでも無いしね
【ペースを掴まれたら、中々に苦しい戦いを強いられる】
【故に、少女の戦いは、この外見からは考えられないほどに勢いに満ち満ちている】
【止まる事も、退く事も無い。只管に、剣を振るう修羅の腕】
【彼女の戦いを見た人間は、例外なくこう言うのだ。「彼女に、停止の二文字は無いと」】
むしろ、ボクとしてはキミの方が凄いと思うね
良く、それだけジャストディフィンスできるモンだ
一体、それだけできるのにどれだけの時間を費やしたのか……
【賞賛と呆れの入り混じる声で、少女は言う】
【精密で、堅実。一見地味なそれは、とてつもない時間と苦労によって培われたのであろう事は容易に想像がつく】
【果たして、あの盾と、自分の黒刃。どちらの耐久が、先に底を着くのか】
【興味が、絶えない】
何処かの闘技に、出る予定は無いの?
出来れば、いつかサシで戦ってみたいんだけど
【顔を輝かせながら、少女は言う】
【その眼が、きらきらと光を満ちている。噂にもあった通り、相当な「PVP狂」なのだろう】
【ころころと表情や雰囲気が変わって、まるで本当に子供みたいなアバターだ】
【ただ、その割には言っている事は殺伐としているが】
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>>991
うん。だって、こんなに純粋に楽しそうにしている人、初めて見たもの
その根源が“愛”じゃないわけがないわ
【誰もが味わったはずの――初めて仮想世界に降り立った時の胸の高鳴り。僅かな恐れと、それを遥かに上回る期待】
【おそらく眼前で気取らぬ立ち振る舞いを見せる剣士は、その感情を抱えたままこの位置まで登り詰めたのだ】
【「ありがとう」――言葉面では社交辞令と変わらない。しかし、ごく当たり前のように呟かれたセリフにはそんな意図は微塵も込められていなくて】
【はにかみながらも、様々な感謝を含め滑るように礼を述べた】
んー……どうかな
腕は確かだけれど、あまり名前は売れてないと思う。儲けは意識してないみたいだから
あ、でも、広場でたまに、私と色違いみたいな格好して大きな荷物を引き摺りながら歩いてるから
姿だけなら印象に残っている人が結構居るかも
――《魔女の銀窯》、それが製作者の名前
くす。……流石に、貴女ほどのプレイヤーに自分の作った武器を認められたとしったら喜ぶんじゃないかな
ちょっと捻くれてるから、「当たり前だろう?」とか言われるかもしれないけど
【まるで賞賛されたのが自分のことのように嬉しそうにしながら、愛しげに抱えた杖を撫で上げる】
【製作者のことを語る時にはちょっと困ったような顔をしながらも、唇の端に湛えた笑みは崩れなかった】
(…………)
【世間話でリラックスしながらも、状況を整理している】
【その性質からいって、運営が明言している情報に嘘はない筈だ】
【裏を返せば、PLが勝手に連想した内容は大きく間違っている可能性がある】
【そう、例えば、】
ねえ……
そういえば、虐殺系《スローター》系クエストみたいになってるけれど、どこにもそんなこと書いてないよね
《やせいウサギ》はあまりも弱すぎる。ひょっとして――
“殺す”んじゃなくて、“一定時間護り切る”ことが条件になっている可能性とか、ないかな
そうすると、ランダム移動から外れて、ある規則性をもって“案内”するようになるとか……
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>>994
「御謙遜を。」
僅かな地響きを立てながら、二人の少女に近付く甲冑
リアルであるとスプラッタ物だろうが、only worldでは割と良くあること
一度、彼女のPVPを動画ファイルで見た事がある。
それは苛烈。止まれば死と言い聞かせる様に、弾丸の如く視界の内外を問わず駆け巡り、切り刻む
「何、ログインして初めにヌー印牛乳飲んで体操して狩りいって牛乳飲んで狩りいって牛乳飲んで寝るを繰り返すだけです」
ちなみに、ヌー印牛乳とはゲーム内のアイテムで単価が安い回復アイテムとして有名である
ゼーフゾーンである街のすぐ外でヌーを倒す事でも入手出来る
擬似感覚デバイスを搭載したVRポッドでの後味に定評があるらしい
「フフン。身に余る光栄なお誘いですが、私では絶対に勝てないのですよ、貴女には」
断言する。これはリアルとゲームの差異はあれど、一つの真理の様な物だった
矛と盾は互いに切磋琢磨し、技術の進歩とともに進化していった
だが、強力な攻撃はどんな防御だろうと必ず傷は残る。絶え間なく続くとなれば尚のこと
「まぁ反撃程度は出来るかもしれませんが。私は飽くまで壁なのですよ」
諦め、という訳ではない
割に合わない、というのもあるが、勝てる確立が極端に低いのだ
「ですから、イベントであったらお相手仕る事もあるかもしれませんがね?」
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>>995
そ、そうかな…………
そこまで言われると、ちょっと照れるね
【頬を掻きながら、少女が照れ隠しに苦笑する】
【これだけ見ていると、本当にあどけない、ただの少女にしか見えない】
【少なくとも、良くBBSなどで書かれている、「戦姫」といった賛美や、「古参の裏切り者」といった揶揄など、全然感じられないように】
【「ありがとう」。少女が朗らかな笑みで伝える】
【まるで、姫君のように、天使のように】
ふぅん……確かに、聞いたこと無いなぁ
出来れば、いつか是非会ってみたいもんだけど
今度会ったら言っといてよ。《Gretel》さんが超賛美してましたー! 握手してくださいーっ! ってね
【大げさな素振りで、おどけたように言って】
【まるで春のように、桜のように笑う】
【「本当に、大切にしてるんだ」】
【杖を撫でる様子を見詰めながら、まるで自分のことのように、嬉しそうに言った】
【目の前の女性は、不意に何やら考え込んでいる】
【どうしたの? それを、問おうとした、その時】
【「虐殺」。「護る」。「案内」。流暢に繰り出される、“仮説”】
【思わず、眼を見開いた。そうだ、考えもしなかった】
【何故、ウサギがこんなにも弱いのか。何故、こんなに該当モンスターが現れないのか】
【全てが、それで納得がいく】
キ……キミ、凄いよ! あたまいー!
それだ! きっと、それに違いないよ!
【思わずれんじの手を掴んで、ぶんぶんと何度も上下させる】
【その瞳は、まるで新発見をした子供みたいだ】
【無邪気な笑みは、余りに純粋に、太陽みたいに輝いて】
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>>993
あー……確かに、あそこはね
俗に言う、レベルMAXの主人公とラスボスの戦いみたいになりそう
【この場合、ラスボスがテラーで、アンデットが主人公になってしまうところがなんともいえないが】
【属性上、彼女自身にとってはカモになるタイプのモブだが、よく狩る対象であるが故にランクが上がってもその性質は熟知している】
貴方に限っては、失礼にはあたらないわよ
……そうだけど、どうしたの?
【肩を竦めて受け流すも、続く言葉には首をかしげる】
【何度か共闘している上で、その確認はあまりに今更のことだと思えた】
良いなぁ。黒字狩り安定じゃない
自業自得。ま、せいぜいBOTと間違われないように気をつけるのね
【更にその斜め上だった】
【呆れつつも、正直放置狩り黒字なんて羨ましいにも程がある】
【五分が平常運転、ちょっとでも油断すれば真っ赤に染まるこちらとはえらい違いだ】
……そんなんじゃないわよ
【憧れてる云々については、蹴りで返事をした】
【……自分が痛かったらしい。踊りも合わせて余計むかついたのか、猫目が更に鋭くなり強く睨んだ】
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>>996
ヌ、ヌー印牛乳って……
【少女が、おおげさに顔をしかめて呟く】
【「あんな牛乳大嫌いだ!」その顔が、ありありとそう物語っている】
【そもそも、牛乳が嫌いなのかもしれない】
良くあんなもの飲めるね……
尊敬するよ、本当
【言うが、“尊敬”の色は、先程とは随分異なっている】
【どちらかというと、牛乳を飲めることそのものに対していっているような】
むぅ……残念……
この剣でどれだけその盾を貫けるか、試してみたかったんだけどねぇ
【自分の分身とも言える黒い刀身を撫でながら、言う】
【《グリムの魔剣》。それは、語り部たる彼女が持つことによって、七色の輝きを放つ剣】
【果たして、この黒刃は、あの岩のような要塞を砕く事が、できるのだろうか】
【答えは、誰にも判らず】
【しかし、無邪気に恐ろしい事をいう娘である】
【MMORPGで言う台詞にしたって、随分と攻撃的だ】
【姫だのなんだの言われている割に、その素は寧ろ、剣士と言った方が正しい】
【いや――故に、“姫騎士”か】
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>>998
「反論出来ないのが苦しい所です」
そうは言うものの声は軽い
「正直な所、貴女クラスが一人以上は欲しい所です」
理想的なのは、自分が壁で火力役が後ろで攻撃する陣、自身の防御力を如何なく発揮し、効率よく攻め滅ぼす
まぁ、この手の魔術師は偏った編成だらけなので際物揃いというのも困り者だが
そしてそれを由としている自分も。やはり、楽しまねば
「どういった過程があって、その結果に辿り着いたのかはまぁ、聴きませんが」
「いや別に。ただアンデッド相手なら火炎いいなぁ、と」
アンデッド相手にテラーが持っている槍で攻撃すると筋力分しかダメージが通らない
往々にして闇の属性を持つMOBが多いからだ
「POTを街で撒き過ぎて常に赤字一歩手前ですがね」
やめる気はないらしい
そういえば、時折自由広場で大量に高級回復POT等がばら撒かれている事件が・・・・
エンプレス装備の装甲厚は設定上3cm。さらに下には鎖帷子にレザーが仕込まれているので痛いのは仕方ない
ダンス3をやめて直立。れんじの視線に気付いて「いやん、怖い・・・」と何の動作も無く発言
>>999
「ヌー印牛乳をお嫌いとは!おっきくなれませんよ!」
「胸とか!背とか!」
「胸とか!」
Gretelを指差す。・・・主に胸の辺りを
何が彼を突き動かすのかは誰もわからない。中の人もきっとわからない
「ダメージ乗算としては、《バッシュ》で六分、《インフィニティ》総合で一割強は堅いでしょうね」
コムリンクを展開、するが二人からは盾が邪魔でまったく見えない
槍を突き立て、右腕を盾の陰で動かしていく
「少なくとも、何度も受けれる様な物じゃありませんね。ジャストディフェンス出来たらまた別ですが」
恐ろしい娘だ
余裕、そして適度な緊張。恐らくはその両方こそが彼女なのだろう
故に、騎士はにぃ、と兜の奥で笑う
自分は盾であり、破城鎚であり、易々と負ける事は無いと
無論、九割九分方負けるとは思うが
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