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o川*゜o゜)o セッションするようです (@∀@-)

1名も無きAAのようです:2016/10/04(火) 05:29:45 ID:eRkcdR1o0
初スレ立てです、よろしくお願いします。
短いです。

2名も無きAAのようです:2016/10/04(火) 05:30:42 ID:eRkcdR1o0
音楽室のピアノを弾いていたら、誰か入ってきた。
小さな背丈、ハゲちらかした頭、薄茶色の白衣、分厚いメガネ。
理科のあさピー先生が、バイオリンを持って立っていた。
先生はまず、私の演奏を批判した。
そしてバイオリンを構え、今弾いていた小節から始めろと言ってきた。

3名も無きAAのようです:2016/10/04(火) 05:31:47 ID:eRkcdR1o0
o川*゜o゜)o セッションするようです (@∀@-)

4名も無きAAのようです:2016/10/04(火) 05:32:51 ID:eRkcdR1o0
まるで心臓が空気に溶けていくようだった。
いつも通りの、辟易するような嫌味が、するすると体に染み込んだ。
あさピー先生のバイオリンが、私のピアノを魂にした。
そして私は、すべてに決心がついた。
音大進学を諦めること、今度の発表会を最後にピアノをやめること、パパの言うことを聞くこと。
どれもこれも、もう構わなかった。
あさピー先生とのセッションは、私の夢見ていたもの全部をくれた。

5名も無きAAのようです:2016/10/04(火) 05:33:54 ID:eRkcdR1o0
だから、最後の発表会に、先生に一緒に出てもらいたいとお願いした。
お願いするたびに断られた。
たっぷりの嫌味と拒否を浴び続けて、
それでも私はあの時の曲のみを練習した。
ピアノに向かっていなくても指が動き続けた。
リハーサルの日、先生は何も、嫌味の一つすら言わなかった。
一切目も合わせてくれなかった。

6名も無きAAのようです:2016/10/04(火) 05:34:54 ID:eRkcdR1o0
とうとう本番の日、今までで一番の祈りを込めながら、
理科準備室のドアに手をかけたら、鍵がかかっていた。
職員室にもいなかった。
あさピー先生は、学校に来てすらいなかった。
そりゃそうだよね。休日だもん。
私は心底悲しい気持ちで、とぼとぼと会場に向かった。
そしたら先生が待っていた。
私は、先生が、こんなに身ぎれいにしているのを初めてみた。

7名も無きAAのようです:2016/10/04(火) 05:35:40 ID:eRkcdR1o0
o川 - )o (@ @-)

8名も無きAAのようです:2016/10/04(火) 05:37:06 ID:eRkcdR1o0
音がした。
そっちを向くと、お客さんがみんな立って、手を叩いていた。
吠えるような声を上げる人もいた。
小さな発表会会場が、今にも割れてしまいそうだった。
ふと、ママのほうを見た。隣にパパがいた。
パパが泣きながら、激しく手を打ち鳴らしていた。
突然、私の眼の前に、手が出てきた。
あさピー先生が、私を見つめていた。
私は先生の手を取って、二人で深々とお辞儀をした。
その上を、いつまでも、いつまでも、拍手が鳴り響き続けていた。

9名も無きAAのようです:2016/10/04(火) 05:39:15 ID:eRkcdR1o0
ここまで。

o川*゚ー゚)o(-@∀@) ありがとうございました

10名も無きAAのようです:2016/10/04(火) 06:17:24 ID:Wakm/MLk0
典型的やおい
次から短編投下は総合を使おうね

11名も無きAAのようです:2016/10/04(火) 12:29:03 ID:eRkcdR1o0
≥≥10

失礼いたしました、
ご指摘ありがとうございます。


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