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( ^ω^)剣と魔法と大五郎のようです

163 ◆x5CUS.ihMk:2016/10/29(土) 21:25:33 ID:eV43cX2A0


 気が付くと地面が目の前にあった。
 体が冷たい。さっきまで溢れていた力は今やどこにも感じない。
 訳がわからない。然し、どんな結果の中にいるのかは分かった。
 嘘だ。動かない口と喉の代りに、頭で叫んだ。こんなのは嘘だ。

 動かした視界にブーンが倒れている。
 何とか屍の山を脱したようだが、その後もしばし魔女とやり合ったのだろうか。
 おびただしい数の傷を負っている。辛うじて生きているのが不思議なほどだった。


     「私ね、本当に感動してる」


 目の前に踵の高い靴が現れた。
 魔女だ。何とかしなければと思ったが何をすればいいのかが一切思い浮かばない。
 

     「まさか、神格化を使えるほどの実力者が、こんなにぽっと、ノコノコと来てくれるなんて」


 大仰な動作で、踵が床を滑る。
 その時に伸びた赤黒い液体。討伐隊の血?
 違う。これは自分自身の体から流れ出ている。


     「ず〜っと、丁度いい人がいなかったのよね。その点、ドッグは本当にぴったり」


 意識が遠のいてゆく。血を流し過ぎた。
 ブーンが何かを叫んでいるがはっきりと聞き取れない。
 体を、なにか温かい力が包み込んでゆく。

 何かをされる。抵抗しなければ。
 反射的に組んだ魔法式が何なのか、自分でも分からなかった。


    「大丈夫、安心して。殺したりしないわ。あなたたちには時間をあげるだけ。だから……」


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