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( ^ω^)剣と魔法と大五郎のようです

117 ◆x5CUS.ihMk:2016/10/26(水) 21:57:05 ID:RSFxJfvw0


  ナンカスの誤算は続く。
  それは杉浦ロマネスクの剣の腕前についてである。


  確かにロマネスクは弱かった。
  構えは変。握りも変。実際に模造剣を振らせてみるとどこぞの古代民族の舞のように無駄が多い。
  しかしそれはあくまでロマネスクが正しい剣を知らなかったが故である。


  ナンカスが稽古を始めると、ロマネスクはめきめきと頭角を現し始めた。
  特別ではないがそれなりの才能は認められる。
  何より愚直なまでにまじめな性格は、正しい指導を得て爆発的に技術を向上させた。


  ロマネスクはその後もめきめきと腕を上げた。
  異邦の流派であるナンカスの剣を真似、吸収し、五年も経つころには並び立つほどの腕になっていた。


  これが面白くないのは、師であるナンカスである。
  師である前にまだまだ現役の剣客であった彼にとって、一見して天才のロマネスクは十分に嫉妬の対象足りえた。


  伸び悩む自分に反して、ロマネスクはめきめき腕を上げて行く。
  自身に才があると信じていたナンカスだからこそ焦った。
  無邪気にナンカスを師と仰ぐロマネスクの態度がむしろ、ナンカスの劣等感を煽る。


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