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( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。
-
立ったら投下できる。
-
(;´・_ゝ・`)「一瞬感心したおれの純粋さを汚すな」
<_プー゚;)フ「VIPの中ではまともな方だと思っていたのに」
(;゚∋゚)「ほ、ほら。
攻略の安全度が増して、おれ達も潤うならそれはそれで」
川 ゚ -゚)「コルは大事だぞ?」
(;゚∋゚)「おれのフォローを活かそうじゃないか」
川 ゚ -゚)「さ、与太話はこれくらいにして先に進むぞ」
('A`)「うえー」
_
( ゚∀゚)「おー」
<_プー゚)フ「おう」
(´・_ゝ・`)「はいはい」
(;゚∋゚)「あからさまにテンション低いな」
川 ゚ -゚)「テンションは低くてもやることはやるから問題ない」
先頭を歩こうとするクーの隣にドクオが並び、
その後ろをエクストとジョルジュ。
最後尾をデミタスとクックルが続いた。
川 ゚ -゚)「そうだドクオ」
('A`)「ん?」
川 ゚ -゚)「ハインがドクオから花束貰って嬉しすぎて、
でもみんなには内緒って言われてその喜びを示すことが出来ず、
私達に対して色々と行動がおかしくなってるからどうにかしてやれ」
.
-
('A`;)「なっ」
_
( ゚∀゚)「ほう!花束!」
<_プー゚)フ「どっくんやるぅ」
('A`;)「な、何でそのことを知って!」
((;゚∋゚)))
後ろを向いたドクオに対し、クックルが慌てて首を横に振る。
川 ゚ -゚)b「ショボンがそんなネタを仕入れていないわけないだろう。
モララーに頼んでいるアレについても情報は収集済みだ」
('A`;)「ああああああああああああああああああ」
思わず頭を抱えてうずくまったドクオの肩を両側から抱くジョルジュとエクスト。
_
( ゚∀゚)「ドクオ、後で詳しくな」
<_プー゚)フ「よし、さっさと終わらせてバーボンハウスに行こうぜ!」
('A`;)「ショボンめええええええええええ。
モララーくそおおおおおおおおおおお」
川 ゚ -゚)「あ、モララーの方はハインには内緒にしておけよ」
_
( ゚∀゚)b「ガッテン」
<_プー゚)b「承知」
(´・_ゝ・`)b「心得た」
(;゚∋゚)b「りょ、りょうかい」
('A`;)「もうやだこいつらー」
.
-
川 ゚ -゚)「はっはっは。さぁ行くぞ」
_
( ゚∀゚)「おー!」
<_プー゚)フ「おう!」
(´・_ゝ・`)「さっさと済ませよう!」
( ゚∋゚)「なんてあからさまなテンションアップ」
川 ゚ -゚)「ドクオもいつまでも座ってない」
('A`)「誰のせいだと思ってやがるんだこんちくしょう」
ゆらゆらと揺れながら立ち上がったドクオ。
そのまま歩き出すが、愛用の片手剣はしっかりと握っていた。
川 ゚ -゚)
クーの持つ薙刀が、狼男の腹を引き裂いた。
狼男「ぐをおおおおおおおおお」
叫びながら後ずさりした狼男がクーを睨む。
('A`)「ふむ……」
(´・_ゝ・`)「どうした?」
('A`)「いや、上に来れば来るほど、
敵の動きが「人」っぽくなってきたなと思ってさ」
(´・_ゝ・`)「うむ。確かに」
視線の先、
狼男は切られた自分の腹を押さえつつ曲刀をクーに向けていた。
.
-
('A`)「下の層ではない動きだよな」
( ゚∋゚)「……どういうことだ?」
('A`)「基本的に下の奴らは決まった動きしかしない。
パターンがあるってことだ。
だからこう来たらこう返せ、こう防御しろ、
ここで攻撃しろ、っていう流れ、型がある」
( ゚∋゚)「最初の頃の攻略本には世話になった」
('A`)「だけど、上の層……ここ最近の敵は、
動きが人間っぽくて、型にはまってないように思えるんだ」
( ゚∋゚)「ふむ」
(´・_ゝ・`)「あの腹を押さえるなんて仕草も人間みたいだな」
( ゚∋゚)「確かに今までの敵ではなかった動きだ」
('A`)「ショボンが言ってたんだけどよ、
もしかすると今までのプレイヤーの動きや行動を蓄積して、
それを敵に反映させているじゃないかって」
(;´・_ゝ・`)「おいおい」
('A`)「まあこのあたりに出る敵ならそれほど意識しなくても良いけど、
さらに上に行って個体の強さが上がったら、
注意するに越したことは無い」
(;゚∋゚)「そうだな」
('A`)「あと」
(´・_ゝ・`)「まだあるのか」
('A`)「おそらくボスクラス、あとフロアボスとかちょっと強いクエストボスとかには、
雑魚的よりも高度なAIが使われているはずだから、
もしプレイヤーの経験が敵にも反映されているとしたらかなり怖いって」
.
-
(;゚∋゚)「……」
(;´・_ゝ・`)「……」
('A`)「怖いよな」
(;゚∋゚)「ああ」
(´・_ゝ・`)「うむ」
('A`)「一番怖いのはショボンだけど」
(;゚∋゚)「……」
(;´・_ゝ・`)「……」
('A`)「ま、そうだとしてもおれ達がやることは変わらないんだけど」
ちらっと戦うクーの横にいる二人を見る。
('A`)「戦闘の時は、あれくらいの方が良いのかもな」
<_プー゚)フ「いけ!そこだ!」
_
( ゚∀゚)「さすが!うまい!」
クーに声援を送っている二人。
(´・_ゝ・`)「あれはあれで問題じゃないか?
完全に観客化してるし」
('A`)「でもまぁ気持ちは分かる。
上質の演武を見ている気分になるし」
( ゚∋゚)「……ドクオは、そういった物を見たことがあるのか?」
('A`)「ん?ああ。……少しは、な」
( ゚∋゚)「ふむ……」
.
-
(´・_ゝ・`)「クーは最近の敵の方が戦いやすそうに見えるな」
('A`)「かもしれない。
おれ達もゆっくり見るか。
このエリアはあの敵しか出てこないし」
ジョルジュ達のいる方に歩き出すドクオ。
二人もその歩みに続いた。
川 ゚ -゚)「甘いな」
クーの足が流れるように進み、
一気に間を詰めて狼男の武器を持つ手首を穿つ。
武器を赤く光らせた、
つまり剣技を発動させようとした狼男の手を攻撃し、
剣技の発動の為に必要な型を崩し、
技のキャンセルを起こさせた。
<_プー゚)フ「え?狙ってやった?」
('A`)「剣技発動強制解除。
通常の間合いならフサギコの剣技もキャンセルさせるぞ。
クーは。
いつものトーナメントで、フサギコに安定的に勝てるのはクーくらいだろ。
相性って奴だろうけどな」
<_プー゚;)フ「え!?」
('A`)「しかも」
強制的に剣技をキャンセルさせられた狼男は技後硬直を起こす。
もちろんそれを黙ってみているわけがなく、
クーは薙刀を出来るだけ細かく動かして狼男の身体を切り刻んだ。
_
(;゚∀゚)「相変わらずえげつない」
('A`)「ギリギリまで剣技は使わない」
.
-
<_プー゚;)フ「まじっすか」
狼男の二本あったHPバーが今の攻撃で一本になっていた。
狼男「ぎぇゆらやあああああああああ」
硬直が解けた狼男は曲刀を振り上げ、
クーに向かって振り下ろした。
ブーンやドクオなら、もうその場にはいないだろう。
シャキンやジョルジュなら、盾や剣で受け止めただろう。
しかしクーはそのどちらも選ばなかった。
曲刀の腹に薙刀の柄を合わせ力の方向を変え、
摩擦を感じさせないすり足で曲刀の攻撃線から体をずらし、
そのまま狼男の右側に移動した。
川 ゚ -゚)
そして薙刀を狼男の曲刀の背に当て、
狼男の力の方向に合わせて下方向に押す。
身体を前方向に曲げる狼男。
曲刀が大地を突き刺し、すぐに抜くこともできない。
狼男「!?」
思わず動きを止めた狼男に対し、
クーは刃の向きを変え、
そのまま狼男の腕に沿って斜めに薙刀を振り上げた。
狼男「!!!」
狼男の首を切り裂かれた。
即死とはいかないが、
急所への強力な攻撃がHPバーを半分ほど削り、
色が黄色に変わった。
.
-
狼男「―――――!!!!」
声ではなく、音でもない、
空気の振動のような咆哮。
周囲で見ている五人が思わず身を引き締める。
しかしクーは全く気にせずに振り上げた薙刀を大きく一回頭の上で回した後、
今度は赤く光った薙刀の刃を狼男の脳天から股間にかけて縦に振り下ろした。
狼男「!!!!!」
身体を回転させながら薙刀を振り上げ、
もう一度狼男を左右に切り分けるように薙刀を振り下ろす。
狼男のHPバーの色が赤に変わり、
そして消えた。
川 ゚ -゚)「 」
剣技後の硬直を2秒起こしてはいるが、
構えを解かないクーの目の前で、
狼男がポリゴンへと変わった。
川 ゚ -゚)「ふむ」
呆気にとられるデミタスとエクスト。
何度か見ているとはいえ感心の驚きを顔に示しているジョルジュとクックル。
ドクオはゆっくりとクーに近付いた。
('A`)「最後の残心までの流れ、さすがだな」
川 ゚ -゚)「ふっ。おばあさまが見ていたら叱られそうな戦い方だがな」
('A`;)「今ので叱られるのかよ」
.
-
川 ゚ -゚)「そうだな……。ドクオにならば良いか。
私が習っている薙刀の流派は『無想流』だが、
今の動きには『神崎風塵流』が混ざっている。
今の私にはおばあさまのように使い分けなど出来んから仕方ないが」
('A`)「は?」
川 ゚ -゚)「来島家はもともと『無想流』の武術をつないできていたが、
おばあさまはもともと『神崎風塵流』の使い手なんだ。
来島に嫁いでから『無想流』の使い手となり門下生に教えているが、
私に稽古する時は『神埼風塵流』も教わっていた。
『神埼風塵流』の源流が『無想流』だから出来た事ではあるが、
普通なら無理だろうな。
本来なら私も『無想流』のみを教わればよかったのだが、
おばあさまが見せてくれた演武が忘れられなくて、
無理を言って教えていただいた。
ただ私の性格的には『神埼風塵流』の方があっているらしく、
稽古以外では使い分けが難しい。
今の私の薙刀には色々と混ざっているということだ。
更に言うなら最後はソードスキルも使ったから、
かなりごちゃまぜミックスだ」
自嘲気味に笑いつつ、
ウインドウを開くクー。
川 ゚ -゚)「よし。ゲットできた。
これで今日の目標数は溜まったな」
('A`)「……『無想流』……」
川 ゚ -゚)「私は直接剣術を習ってはいないが、
門下生の動きは見たことがある。
ドクオの構えや足さばき、そして剣の振りには、
『無想流』が根底にあるように感じることがある」
('A`)「……この世界に来て、時々、さ。
忘れていたことを思い出すことがある。
本当に小さい頃、父さんが、竹刀で稽古をしてくれたこととか」
.
-
川 ゚ -゚)「おばあさま曰く、真面目で良い門下生だったそうだ。
帰ったら、挨拶の一つでもしてやってくれ」
('A`)「……うん」
俯き、右手に持った片手剣をみるドクオ。
クーは柔らかく微笑んだ後、
近寄らずこちらを見ている四人に向かって声をかけた。
ギルドVIP。
会議室。
VIPのメンバーだけでなく、
NSのメンバーとプギャー達3人もそこにいた。
普段とは席の形も変えて数を増やしているが、
何故か誰も座っていない席が5つあった。
(´・ω・`)「それでは全員揃ったので、
会議を始めます」
白い長机を前に、白い壁を背に座っているのはショボン。
そして彼を挟んでクーとシャキンが座っている。
彼らと向き合うように長机と椅子が並べられ、
メンバーは思い思いに座っていた。
ξ゚⊿゚)ξ「この人数は初めてね」
( ^ω^)「全部で何人いるんだお?
ぼく、ツン、ドクオ……」
('A`)「VIPが12人」
.
-
( ゚д゚ )「NSが6人とプギャー達3人」
(´・_ゝ・`)「全部で21人か」
▼・ェ・▼「キャン!」
( ´∀`)「ビーグルも入れて22人もなね」
('A`)「悪い、抜けてた」
_
( ゚∀゚)「何やかんやで20人超えか……」
( ・∀・)「……本当はもっと多いしな」
(´<_` )「規模的にはどうなんだ?」
( ´_ゝ`)「確か、今アインクラッドで20人を超えてるギルドは多分そんなに多くなかったと思う」
( ´∀`)「そうもなね。
多分十人前後が一番多いんじゃないもな?」
( ゚∋゚)『そうなのか?』
( ´∀`)「もなもな。
前に情報屋さんが出してたギルドリストだとそんな感じだったもな」
ミ,,゚Д゚彡「そんなリストがあったのを知らなかったから」
从 ゚∀从「情報屋って例の鼠のアルゴか?」
( ・∀・)「ああ。前にショボンが買ってたやつならおれも見た」
( ^Д^)「ギルドの数も増えてるんだろ?」
| ^o^ |「ギルドでないと受けられないクエストもありますから」
( ´ー`)「ギルドを作るには3層のクエストをやらなきゃいけないけど、
中層プレイヤーなら余裕をもってやれるだーよ」
.
-
(゚、゚トソン「そうですね。
私もNSに入る前に入ったギルドは、
ギルドクエストをやりたい人達用に作られた急造ギルドでした」
<_プー゚)フ「はあ?そんなんでギルド回せるのか?」
(゚、゚トソン「もちろんすぐに空中分解しましたよ。
クエストも結局クリアできませんでしたし」
<_プー゚)フ「だよなぁ」
_
( ゚∀゚)「エクストはNSが初ギルドなのか?」
<_プー゚)フ「おう。
ずっとソロやってた」
( ´∀`)「トソンもその前まではずっとソロだったもな?」
(゚、゚トソン「いえ、いくつかギルドに誘われて入ったことがあります。
ただパーティーの時は良いのですが、
何故かギルドに入るとひと月経たずに辞めてほしいと言われまして……。
理由は分からないのですが」
<_プー゚)フ「コルに細かかったんだろ」
(´・_ゝ・`)「だろうな。
うちに入った時にも色々言ってたし」
( ゚д゚ )「想像できる」
(゚、゚トソン「コルは大事ですよ。
ギルドに入ると自動的に徴収されるわけですから、
その使い道や運営方針を説明していただくのは当然です」
( ・∀・)「それは当然だな」
(゚、゚*トソン「ですよね。モララーさん」
( ゚д゚ )「度が過ぎると引かれるってことだ」
.
-
ξ゚⊿゚)ξ「よくNSでやってられるわね」
( ゚д゚ )「入ってきた時にその話をされたから、
それ以降は全部任せた」
ξ゚⊿゚)ξ「はあ?」
(´<_` )「え?入ってすぐ?」
( ゚д゚ )「ああ。
それまではシャキンに任せられないからおれがやっていたけど、
トソンの方がうまくやれそうだったから」
(゚、゚トソン「まさか入った次の日に任せられるとは思いませんでしたが、
それからはNSのギルドとしてのコルに関しては全て私が調整しています」
(´・_ゝ・`)「おかげで貯金も出来たしな」
(゚、゚トソン「ホームは既に購入されていたので拠点はありましたが、
備品も含めて色々と無駄が多かったので、
全て洗い出して整理しました。
悔やまれるのはその時にブーンさんを紹介していただいていなかったことです」
ξ゚⊿゚)ξピクッ
(;^ω^)「流石に不要なものは高く買ったりしないお」
(゚、゚トソン「その節は色々と買っていただきまして、
ありがとうございました。
また少し不要物が溜まってきましたので、
後日お伺いします」
(;^ω^)「……相場に少しくらいはおまけするお」
ξ゚⊿゚)ξ……アアソウイウコトネ
( ´_ゝ`)「けどトソンとエクストは続いているよな。
ハインと二人の間だけでも三人くらい入って抜けてるだろ?」
.
-
( ゚д゚ )「ああ」
(´・_ゝ・`)「うちはほら、外から見ると少数精鋭でガンガン進んでるギルドだけど、
実態はほら、シャキンだから」
<_プー゚)フ「おれは自由にやらせてもらってるし、
寝る場所もあって、今までより安く武器の装飾も出来て、
強くもなれて、良いこと尽くしだ」
(゚、゚トソン「私もエクストと同じです。
まさか全部任されるとは思っていませんでしたが、
任された以上はちゃんとやらせていただきます。
毎月月末に出している収支報告書をちゃんと読んでいただけないのは不満ですが」
( ゚д゚ )「目は通してるぞ」
(゚、゚トソン「ギルマスがです」
ξ゚⊿゚)ξ「それは無理よ」
('A`)「無いものねだりだな」
_
( ゚∀゚)「ダメだな」
( ´_ゝ`)「期待したらいかん」
(´<_` )「そこら辺はな」
( ´∀`)「まだ甘いもなね」
( ・∀・)「好きにやれば良いってことだ」
(;^ω^)「おー」
(;゚∋゚)
ミ;,,゚Д゚彡「フォローできないのが悲しいから」
( ゚д゚ )「流石によくわかってる」
.
-
(´・_ゝ・`)「シャキンだからな」
(`・ω・´)「おーい、おまえら、そろそろ静かにしろー」
ずっとしゃべり続けているメンバーに対し、
シャキンが苦笑いを浮かべながら静かにするよう注意したが、
それでも喋りは止まらなかった。
(`・ω・´)「おいお前たち、いい加減に……」
川 ゚ -゚)「全員静かに」
静かに全員を見ていたクーが、
冷静に、決して大きな声ではなく、
けれど全員に届く声で声をかけると、
全員が黙りショボンを見た。
(`;ω;´)「良いんだ良いんだどうせ俺なんて」
川 ゚ -゚)「シャキンも黙りましょうか」
(`・ω・´)「ハイ」
(´・ω・`)「ええっと……。
それでは静かになったところで話を進めます。
まずは資料を配布するので、出して3ページ目まで読んでください」
ショボンがウインドウを出し操作をすると、
全員の目の前にもウインドウが飛び出した。
その『トレードウインドウ』には、
ショボンから送られたアイテムが一つだけ記されている。
(;^ω^)「おー。
なんかクーの機嫌が悪いお」
ξ゚⊿゚)ξ「そうなのよね。
多分ショボン絡みで何かあったんだと思うんだけど」
('A`)「……『これ』絡みだろうな」
.
-
それぞれにウインドウから『資料』を取り出すなかコソコソと話している面々。
しかし指示通りに資料を読むと、
ほぼ全員が表情を引き締め、鋭い視線でショボンを見た。
(´・ω・`)「僕達が殺人ギルドに狙われているのは前々から話してありました。
これは、その殺人ギルドがかかわったと思われる事件の一覧です」
ξ;゚⊿゚)ξ「こんなに……?」
(´・ω・`)「推測も含まれるため全部そうだとは限りません。
けれど各情報屋から買った情報、
バーボンハウス、雑貨屋Booon、流石武具店、モララー細工工房、
VIP牧場と農園、依頼された仕事の時や教育時にも集めた情報から、
この結果を導き出しました」
静まり返る室内。
けれど誰もが大人しく聞いているのではなく、
怒りや恐怖、苦しみや悲しみの入り混じった表情をしていた。
(´・ω・`)「攻略組の精鋭によって崩壊した殺人ギルド『Laughing Coffin』との違いは、
彼らは自分達が表に出ないため、世間には知られていないことです。
ですが情報屋界隈では既に周知の事実となりつつあります。
また、基本的に彼らは自分達よりも弱い相手しか狙っていないため、
攻略組などの上層プレイヤーの目には触れにくくなっています」
ざわつく室内。
じっと黙って彼らを見つめるショボン。
ざわめきが、波が引くように静かになる。
(´・ω・`)「けれど、彼らは今僕達を狙っています。
不本意ながら僕達のギルドは中層プレイヤーの中ではトップクラス。
『攻略組に入れるギルド』とまで言われ始めました。
そんな僕らを狙い、殺し、潰し、自分達の存在を世に出すつもりなのだと思われます」
( ^Д^)「なんでそんなことを」
(´・ω・`)「自己顕示欲。
目の上のたん瘤だった『Laughing Coffin』が壊滅させられ、
自分達が裏の世界の表に出るチャンス、
とでも思ったのではないかと」
.
-
(゚、゚トソン「そんなことで……」
(´・ω・`)「小さなギルドやパーティーで犯罪を犯していた集団は、
今までに何個か潰し、黒鉄宮の監獄エリアに送っています。
彼等はある意味分かり易かったです」
(´・_ゝ・`)「分かり易い?」
(´・ω・`)「はい。
彼等はコルやアイテム欲しさ、
或いはplayer killに魅せられてしまい、
犯罪を犯していました。
『Laughing Coffin』も、
ギルマスのPoHは少々違っていたように思えますが、
ギルドのメンバーの行動はplayer killに感じる悦楽を得るためだったと思われます」
从 ゚∀从「ひでぇな……」
(´・ω・`)「ですが、今回のギルドはどこか違うように思えます。
『裏で蠢く自分がカッコいい』
『他が出来ないことが出来る自分が凄い』
『みんなを助けるとか叫ぶ偽善者の集団じゃない、
人間の本能に従順にしているおれ達の方が自然だ』
そんな、愚かな自己顕示欲を、感じます」
( ´ー`)「中二病だーよ」
(´・ω・`)「そうですね。
本来ならば気にしたくない相手です。
向こうから寄ってこなければ、相手にしたくない。
けれど、彼らは僕らを殺し、ギルドを壊滅させようとしている」
言葉を切るショボン。
そしてゆっくりと全員の顔を見てから口を開いた。
(´・ω・`)「降りかかる火の粉ならば、
振り払い、消したいと思います」
静まり返る室内。
.
-
誰も身動ぎ一つせず、ショボンを見ていた。
しかしショボンが口を開こうとしたその時、
彼が先に言葉を発した。
_
( ∀ )「ショボン」
(´・ω・`)「……なに?ジョルジュ」
_
( ∀ )「その、殺人ギルドってのは、どこ、……なんだ?
ギルマスは誰、…… …… …… なんだ?」
(´・ω・`)「ジョルジュ……」
_
( ∀ )「……言って、くれよ」
(´・ω・`)「…… …… ……。
ギルド名は、『ANGLER』。
ギルマスは、『ロマネスク』」
( ФωФ)「準備は進んでいるのであるか?」
(-_-)「うん。みんなちゃんと動いているよ」
( ФωФ)「ならばよいのである」
(-_-)「みんな殺りたくて殺りたくて仕方ないみたい」
( ФωФ)「仕方ないであるな。
今までストップをかけてきたであるから」
森を歩くロマネスクとヒッキー。
その森は低層階と中層階の境目の層の片隅にあり、
特にめぼしいクエストも付加価値の無いこの森を歩く者は今はほとんどいない。
実際今も彼らは森に入ってから誰にも会っていなかった。
.
-
( ФωФ)「さて、そろそろつくのである」
(-_-)「ん。わかった」
腰の小さなポーチからアイテムを取り出すヒッキー。
そして大きな木の根元に辿り着くと、
取り出したそれ、
オカリナのような笛を口に付けた。
( ФωФ)「いつ聞いても良い音色なのであるな」
ヒッキーの奏でる音色は美しく、儚く、透明で、
エリアを広がっていった。
そして一曲終わると、巨木の根元に人が一人充分通れるほどの穴が開いていた。
(-_-)「出来たよ」
( ФωФ)「では入るのである」
ロマネスクに促されヒッキーが進み中に入ると、
彼もその後に続いた。
_
( ∀ )「……」
ξ゚⊿゚)ξ「ジョルジュ……」
_
( ∀ )「……悪い、進めてくれ」
(´・ω・`)「……。
ギルド『ANGLER』が暗躍していくつかのPK行為が行われたのは確かだと思われます。
ですが調査により、おそらくは『ANGLER』全体が、
ギルドのメンバー全員が関わっているということは無いようです」
.
-
_
( ∀ )「!」
(´・ω・`)「《釣り師ギルド》であるという隠れ蓑を最大限に生かすため、
ギルドメンバーのほとんどは本当に釣りや低層階の狩りで生計を立てている、
PKには関わっていないプレイヤーだと思われます」
( ゚д゚ )「どれくらいのメンバーが関わっているんだ?」
(´・ω・`)「分かっている限りでは、
ギルマスの『ロマネスク』」
_
( ∀ )「……」
(´・ω・`)「その右腕、『ヒッキー』」
('A`)「ま、そうだろうな」
(´・ω・`)「以前の行為でギルドを辞めさせられている、
おそらくは実動担当の『マタンキ』」
( ^ω^)「……許すことはできないお」
( ・∀・)「今度はちゃんと倒す」
(´・ω・`)「あとこれも推測ですが、情報収集担当で『フィレンクト』」
ミ,,゚Д゚彡「……よく来てくれる、良いお客さんだから」
| ^o^ |「情報収集のためにバーボンハウスによく来ていたという事ですか?
そこからその方も怪しいと?」
(´・ω・`)「それもありますが、
彼が仕入れたと思われる情報をもとに、
PKが起きていました」
<_プー゚)フ「?どういう事だ」
(´・ω・`)「彼が仕入れた情報を、
同時に知ることが出来るように手を打っているので、
そこから導き出しました」
.
-
<_プー゚)フ「へ?」
(´・ω・`)「PKの理由はいくつかありますが、
その一つにレアアイテムの強奪があります。
噂で弱小ギルドやソロプレイヤーがレアアイテムを手に入れた事を知った時は、
情報を道具屋界隈に回して買取を持ちかけるようにしています。
有力な道具屋や防具屋などが高価での買取を募集している噂が耳に入ると、
本人自らが買取を依頼しに来たりすることもあります。
また、自分がレアアイテムを持っていることを周りに知られたことが分かると、
それによって命が狙われることがあること流石に分かっているため、
高い頻度で売ってしまうプレイヤーがほとんどでした」
(゚、゚トソン「……お金は人を狂わせます」
<_プー゚)フ「お前が言うと段違いに重いな」
(゚、゚トソン「とりあえず流しますが、
会議が終わり次第裏庭に来てください」
<_プー゚)フ「ごめんなさい」
(´・ω・`)「ただレアアイテムとはいえ結局はアイテムです。
それを理解できていない人も多く、今までちゃんと鍛えていないのに、
それを持つことによって強くなったと勘違いする人もいます。
知り合いのプレイヤーなら説得したり影から手を回すこともできますが、
知らないプレイヤーの場合は探すところから始めなければいけません。
……間に合わず、調べていると黒鉄宮の碑に線が引かれていました」
何人かが息をのむ音が聞こえる。
(´・ω・`)「因果関係を完全と言い切ることはできません。
ですが、確率は高いと思われます」
会議室が静まり返る。
(´・ω・`)「現在ギルドとして分かっているのはこの四人です。
先にも言いましたが自分達は情報ややり方を示唆することが中心で、
実際に行う者はギルドに全く関係ないプレイヤーであることが多々あるようです。
しかし釣り人ギルドとして数十人が登録しているギルドですので、
彼ら以外にも実動担当や情報収集する者がいてもおかしくありません。」
.
-
(;´ー`)「そんなのどう対策すればいいんだーよ」
(´・ω・`)「極論を言えば、誰が向かってこようが対応できる状況にするだけです」
丸い部屋は、木の中にあった。
巨木の中を丸くくり抜いたようなとでも言えばよいだろうか。
中央には年輪がくっきりと出た大きな丸い木のテーブル。
その周りを八個の切り株の椅子が囲んでいる。
灯りを放つ電球などは無く、
部屋の壁、木肌が淡い光を放っていた。
そんなおとぎ話やファンタジー小説に出てきそうな雰囲気を持った部屋だったが、
部屋の中はピリピリとした空気で満ちていた。
( ФωФ)「全員揃っているようであるな」
ヒッキーが開けたドアから彼に続いて部屋の中に入ってきたロマネスクは、
部屋の中にいる者達を見回してからにやりと笑う。
椅子の数よりも多い人数が、
それぞれの場所でロマネスクとヒッキーを見た。
(‘_L’)「お二人が最後です」
(-_-)「ロマネスクの準備が遅いんだよ」
( ФωФ)「リーダーは一番最初か一番最後に来るものなのであるよ」
(‘_L’)「ならば最初から来てくだされば」
( ФωФ)「ここは彼が寝泊まりしている場所である以上、
最後に来るのが唯一の正解なのである」
部屋の片隅に視線を向けるロマネスク。
その先では、椅子に座らず膝を抱えて床に座っている男がいた。
.
-
( ФωФ)「マタンキ、この部屋の寝心地は如何であるか?」
(・∀ ・)「……しらねぇよ」
( ФωФ)「ふむ……。
今は低調のようであるな」
(-_-)「この前緑に戻したのに、
またオレンジになってるし」
(‘_L’)「もう付き合うのは御免ですよ」
( ФωФ)「まあまあそう言わず。
高調の時しか動かないマタンキを御することが出来るのは、
フィレンクトくらいなのであるから」
(‘_L’)「嬉しくありません」
(・∀ ・)「フィレンクト、水飲みたい」
(‘_L’)「はいはい」
座っていたフィレンクトがテーブルの上のカップをもってマタンキに近付いた。
(-_-)「何やかんや言って良いコンビ」
( ФωФ)「であるな」
「ねえ、そんな話をするために集めたの?」
四人を冷ややかな目で見ていた何人かの一人が口を開いた。
( ФωФ)「すまないのである。
今日はVIPを壊滅させる作戦についてお集まりいただいたのである」
「VIPなんて関係ない。
私はあいつを殺せればいいだけ。
……許せない、あいつを」
.
-
( ФωФ)「そうであったな。
もちろん分かっているのである」
小柄な『少女』がロマネスクを見つつ足を組み替え、
腕を組んで睨んだ。
(少女)「言っておくけど、
あいつを殺させてくれるっていうから、
来ているんだからね。
そうでなければ、誰があんた達なんかのいう事なんか」
(-_-)「ふん。
ビッチが」
(女)「引きこもりの童貞は黙ってなさい」
(#-_-)「誰にでもに股を開く女に興味ないよ」
(女)「その『誰にでも』に入れてもらえない虫けらは黙ってなさいって言ってるの」
(#-_-)「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるs」
ウインドウを出したヒッキーを見てウインドウを出すデレ。
( ФωФ)「やめるのである。
目的を同じくする者同士が戦うのは愚かである」
武器を取り出そうとした二人を制するロマネスク。
見れば部屋にいる者は防具は付けているが武器は手にしていない。
( ФωФ)「ここに入るにはキーアイテムか設定されたアイテムが必要であるが、
基本的には圏外なのである。
モンスターが出ない以上、
この部屋では武器はご法度なのである」
(-_-)「……分かってるよ」
ウインドウを消す二人。
.
-
(少女)「あと言っておくけど、私、ここでもリアルでもバージンだから」
一瞬身体を震わせたヒッキーだったが、
誰もそれについては触れなかった。
「別に、ひとりでかまわない」
少女の隣、座っていても分かる長身の男が口を開いた。
( ФωФ)「貴殿もそんなことを言わないで欲しいのである」
(長身の男)「今までも、一人で、殺してきた。
助けも、仲間も、必要ない」
(‘_L’)「……今まで貴方が殺してきた者達とは違い、
今度はギルドに入って仲間で動いている者です。
我らと共にいた方が、都合が良いでしょう」
(長身の男)「だから、ここにいる。
でも、これ以上 意味のない 話し合いは、必要ない」
( ФωФ)「言う通りであるな。
……話しを進めるのである」
席に戻ったフィレンクトに目配せをしつつ、
ロマネスクは発言しない者達も含めた全員を改めて見回した。
(´・ω・`)「大まかな作戦は以上です」
渡した資料の中の、
作戦について説明を終えたショボン。
細かい点については個別に話すことにしたと言っていたが、
それでも時間的には長い話だった。
.
-
しかしもちろん、誰一人寝ることもなくその説明をしっかりと聞いていた。
(´・ω・`)「質問はありますか?」
( ゚д゚ )「ショボンにしては大雑把な作戦だな」
(´・_ゝ・`)「『作戦』と言っていいのか?」
(´・ω・`)「厳密にいうと違うでしょうね。
どちらかというと『対応策』に近いと思います。
相手の出方待ちなので仕方ありませんが」
从 ゚∀从「こちらから誘うことは考えてないのか?」
(´・ω・`)「はい。
……戦闘せずとも彼らが考えを改め、
僕らを狙わず、今までの行為を悔やんでくれるのが最善だと思っています」
一瞬の間。
全員の表情を見て、ショボンが困ったように苦い笑い顔を見せた。
( ´∀`)「この『個別』にやってくるというのは確かもな?」
その空気を壊すようにモナーが聞いた。
(´・ω・`)「おそらくは」
( ゚д゚ )「流石に一対一はやばいだろ」
(´・ω・`)「はい。
ですが一人でなければ狙われないでしょうから、
一見一人にはなってもらいます。
もちろん影にサポートは付けます」
ξ゚⊿゚)ξ「わたし、いらないわよ」
( ´_ゝ`)「おれもいらん」
(;^ω^)「ツン!」
(´<_`;)「兄者!」
.
-
ξ゚⊿゚)ξ「だって、
狙ってくる敵が分かってるなら、
それに対して対応すればいいだけの話じゃない」
( ´_ゝ`)「武器もわかってればその対策も練れる」
(;^ω^)「危険だお!」
ξ゚⊿゚)ξ「危険なのはあんたの方よ」
( ^ω^)「お?」
ξ゚⊿゚)ξ「もしそのとき私も兄者もいなかったら、
あんたどうやって『天使の神速斬(エンジェルホライズン)』をやるつもりよ」
( ^ω^)「お、お。それは、その……」
(´・ω・`)「その辺りの手は打つよ」
ξ゚⊿゚)ξ「手って?」
(´・ω・`)「ツンや兄者以外にも出来るようになればいいだけの事だよ」
ξ゚⊿゚)ξ「それが出来ないから問題だったんじゃない。
私達以外でやれるのはショボンくらいでしょ?
もちろんブーン一人でもやれるけど、
それじゃあ機動力は八割、いや七割が良いところよ。
それに一番大事なのは止めることが出来るかってことよ」
(´・ω・`)「それもわかってる。
ブーンが長時間やろうとした時のストッパーがね。
だけど、何とかできると思う」
ξ゚⊿゚)ξ「……信じるわよ」
(´・ω・`)「準備と訓練は必要だから、
ツンにも力は貸してもらうよ」
ξ゚⊿゚)ξ「了解」
.
-
( ^ω^)「おー。僕の意志に関係なく話が進んでる気がするお」
('A`)「諦めろ。
おれはとっくの昔に諦めてる」
从 ゚∀从「どっくんは私が守る」
('A`)「そこで口を挟むな」
从 ゚3从「どっくんのいけずー」
ξ゚⊿゚)ξ「あら、ハインもその口出来るようになったのね」
从 ゚3从「練習した!
な!トソン!」
(゚ε゚トソン「私にふらないでください」
<_プー゚)フ!
( ・∀・)!
( ^Д^)!
(´・ω・`)「はいはい、話を元に戻しますよ」
(`・ω・´)「このノリがおれらの良いところだな」
(´・ω・`)「そうなの?」
(`・ω・´)「そうだろ」
川 ゚ -゚)「時と場合は選んでほしいところですが」
(´・ω・`)「だよね」
(`・ω・´)「選んでるからこれくらいで済んでるんじゃないか」
クーが諦めたように肩を落とし、
ショボンは今度は朗らかな笑顔を見せた。
.
-
( ФωФ)「以上が作戦である」
ロマネスクの話が終わると、
何人かが大きなあくびをした。
(少女)「ま、これなら良いけど。
私の邪魔はしないでね」
(-_-)
(女)「なに?」
(-_-)「べ、別に何でもない」
(長身の男)「了解、した。
こちらの邪魔も、しないでほしい」
( ФωФ)「分かっているのである。
貴殿は貴殿の信念で動いていただければいいのである」
(長身の男)「……」
( ФωФ)「お主もわかったであるか?」
「……わかっているのです」
(-_-)「本当に分かってるの?
さっきから下ばかり向いてるけど」
部屋の中には口を開かずただ聞いているだけの者が何人かいたが、
ロマネスクとヒッキーは一人の男を見た。
俯いていた男が顔を上げる。
.
-
(男)「……私がやるべきことをやらないと、
私の大事なものがどうなるかを分かっています。
ですが、私の力であの面々を倒せるとは思えないのです」
( ФωФ)「VIPの面々は君には本気を出せない。
それがある以上大丈夫なのである」
(男)「……はい」
(-_-)「それに何度も指導を受けてるんだから、
戦闘の癖くらい見抜いてるでしょ?
君なら」
(男)「!……はい」
( ФωФ)「それがあるから君を引き入れたのである。
働きを期待しているのである」
(男)「…… ……わかっています」
そこにいる全員の、
いやマタンキ以外全員の視線を受け止めながら、
彼は頷いた。
ギルドVIPホーム、会議室。
白い部屋で、ショボンだけが喋っていた。
(´・ω・`)「細かい動きや流れに関しては、
個別、チームごとに説明しますが、
大まかな話はこれで終わります。
基本は『臨機応変』ですが、
今の皆なら難しくはないと考えています」
.
-
大きく頭を下げるショボン。
全員がほぼ同時に息をついた。
ξ゚⊿゚)ξ「ねえショボン。
一つ聞きたいんだけど」
(´・ω・`)「はい」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたの本心。
建前や言葉で着飾ってない、あんたの本心。
教えて」
(´・ω・`)!
川 ゚ -゚)「おい、ツン」
ξ゚⊿゚)ξ「今話したことは全部間違ってない。
VIPが狙われているってことは、
VIPはもちろん、NSや関係の深い人達も狙われるってことでしょう。
そこにいるプギャー達とか。
辞めたとはいえギコやしぃも狙われるかもしれない。
だからこの作戦?対応策?には納得できる。
でも、あんた本当はどう思ってるの?
今みたいな会議での言葉じゃなく、
ギルドマスターとしてではなく、
ショボンとしての本心を教えて」
( ^ω^)「ツン……。
でも、だおね。
ショボン、僕も知りたいお」
('A`)「ああ、おれも」
(´・ω・`)「みんな……」
五人を見る面々。
そしてショボンに視線が集中した。
.
-
(´・ω・`)「……戦いたくなんか、ないよ。
僕も人を傷付けたくないし、
皆にも誰かを攻撃なんてしてほしくない。
でも、それでは『誰か』の餌食になるだけだって分かってるから、
僕は戦うことを選ぶ。
でも、殺しちゃいけない。
向かってくる相手に、一番は説得したいけど、
戦わなければいけなくなってしまう時が来る。
そして、戦わないことを選ぶことによって、自分が殺されたら意味が無い。
自分の命を大事にして、
その上で、相手の命も守ってほしい。
みんなには、その為の強さを持てるように努力してもらったつもりなんだ。
だから、今回はこんな難易度の高いオーダーを出してしまっている。
ごめん。
でも、ぼくは」
▼・ェ・▼「きゃん!」
(´・ω・`)「ビーグルちゃん……」
▼*・ェ・▼「きゃんきゃん!」
椅子から飛び降りたビーグルがショボンに駆け寄り、
その膝に飛び乗った。
そして頬をショボンに摺り寄せる。
▼*・ェ・▼「くぅーん」
( ´∀`)「わかってるもな。
きっとみんな、わかってるもなよ。
ショボンの気持ちは」
ちらっとツンを見るモナー。
その視線の先で彼女は笑顔で肩をすくめた。
.
-
( ´∀`)「でもそれじゃあショボンが無茶をしそうだから、
ちゃんと言葉にしてもらったもな。
ショボンも、ちゃんと自分の命を一番に考えなきゃダメもなよ」
(´・ω・`)「!みんな……」
にやにやとショボンを見る面々。
隣のシャキンがつついてくるので目を向けると、
ドヤ顔で笑っている。
反対側ではクーも穏やかな笑顔を見せていた。
(´・ω・`)「ありがとう」
そして表情を引き締めると音を立てて立ち上がった。
(´・ω・`)「みんな!
がんばろう!
終わったら!
みんなでパーティーだ!」
片手を上げるショボン。
らしからぬその姿に一瞬全員が呆気にとられたが、
すぐに続いて立ち上がり、全員が声を上げつつ片手を上げた。
数時間前に歩いた道を逆に歩くロマネスクとヒッキー。
夕暮れに近い時間で、やはり自分達以外の人影は見えない。
(-_-)「ねえ、あれでいいの?」
( ФωФ)「うむ?」
.
-
(-_-)「マタンキもだけど、あの男とか……女とか」
( ФωФ)「うむ。
彼らは基本的に自分の殺したい相手しか考えていないのである。
ならばおぜん立てはしても邪魔はしない。
手助けもしないのが当然なのである」
(-_-)「……うん。
そうだよね。
本当あいつら、自分の欲しか考えてないんだからしょうがないよね」
( ФωФ)「ヒッキーもあいつを殺したいのではないか?」
(-_-)「え?う、うん。
でも僕は別にどうしてもあいつじゃなきゃってわけじゃ……」
( ФωФ)「殺したい相手を殺すのが一番なのである。
吾輩もマタンキも狙いがある以上、
ヒッキーも自分の欲に正直になればいいのである。
吾輩もそれが一番うれしいであるよ」
(*-_-)「え?あ?うん」
思わず立ち止まってしまったヒッキー。
のんびりと歩くロマネスクの背中を一瞬悲し気に見てから、
顔を横に振り、表情を変えて嬉しそうに小走りに横に並んだ。
( ФωФ)「彼奴等もうすうす感付いて策は練っていると思われるであるが、
我らはともかく外の者達まで予測するのは不可能なのである。
あのしたり顔のギルマスがうろたえるのが楽しみである」
(-_-)「本当、あの頭のいい振りしたバカ。
マタンキが殺したいって言ってたけど、
あいつにもギルドが壊滅するところを見せたいよ」
( ФωФ)「そうであるな。
でもあやつが要であるのは間違いないのである。
あいつがいなくなればギルドは分解するであろう」
.
-
(-_-)「主要メンバーを何人か殺すしね」
( ФωФ)「作戦の決行まではまだひと月ほどあるのである。
それまでヒッキーも更に鍛えてほしいのである。
期待しているであるよ」
(*-_-)「う、うん!がんばるよ!」
上気した顔で横にいるロマネスクを見上げるヒッキー。
だがすぐに前を向き、ニヤニヤとした笑みを抑えきれないまま少し下を見ながら歩く。
ロマネスクはそんなヒッキーを冷ややかな目でちらりと見降ろした。
( ФωФ)「(せいぜい頑張ってほしいのである。
別にお前が死んでもどうでもいいであるが、
自由に動く手足が居なくなるのは少し面倒臭いであるからな)」
自分を見る視線に気付いて顔を上げるヒッキー。
それを見たロマネスクが慈しむような優しい笑みを浮かべると、
ヒッキーは満面の笑みで返した。
第二十二話
終
.
-
乙!
今回も熱かった!
次回の決戦は色々ありそうだな…
-
どーも作者です。
二十二話、終了しました。
いつも乙と感想ありがとうございます。
さて、残すところメインエピソードもあと二つくらい、
予定している閑話も一本くらい、
ということで来年の完結を目指しております。
本当は映画の前に終わらせたかったけど、
それは流石に無理そうなので来年中には。
まぁ本来の予定は今年の11月には終わる予定でしたが。
一応意識して出した伏線や思わせぶりな表現はすべて回収して終われる筈ですが、
残ってしまったらそれはそれで。
それでは次回、
第二十三話 『crossing field』
も、よろしくお願いします。
ではではまたー。
良いお年を。
.
-
乙
なんか指摘していいのかわからんミス?が一個あるぞ
-
女がネタバレされとる
-
最初ここで全員判明させてたのでこんなことにww
ま、いっか。(笑)
-
乙
流れから想像つくとはいえネタバレw
-
乙乙
良いお年を
-
つまり長身はあいつか
-
今年最後の・・・
http://3step.me/3exf
-
乙です。
来年もまたヨロシクお願いします。
-
何だこれ、何だこれぜんっぜん予想外なの俺だけなのか続き気になり過ぎる
-
デレ、ダイオード、ワカッテマスか
-
複線回収を読んでてゾクゾクする感じ好き
あと何箇所か誤字です
>>311 時間間隔→感覚?
>>330 離しだそうと→話しだそうと
>>375 狼男の首を切り裂かれた→狼男の首が
>>393 話しを進める→話を進める
-
いくつか原作キャラが登場していたけど黒の剣士は登場するんかな?
ソロだからでないのかな?
なーんとなく期待してしまう。
-
少女だけわからん。
俺も別ヶ所の誤字見っけた
>>346
( ・∀・)「お客様をお連れしたんだよ!」
って、ブーンちっす。
ここで会うのも珍しいな」
カギカッコの締めが二つある
>>360
計算で来たんだよね
→計算出来た?
>>363
クックルの
いつのもなら
→いつもなら?
-
_,,,、、、、、 ,,_
,、 -‐‐‐- 、 ,_ ,、-''´ `丶、,,__ _,, 、、、、、,
___r'´ `'‐、. / `':::´'´ `ヽ、
,、‐'´ _,,、、、、、、_ ヽ`‐、 _/ ': :' ヽ.
/ `'' ‐-`、-、 ヽ、 ヾヽ、、_ ,、-',.' , 、 ヽ
/ -‐-、、,,_‐-、 、 \ヾ‐-、ヽ、、、;;;,、 '´ ., ' '´、,ヽ 丶
. / -‐‐‐==、丶、ヽ. ヽヽ、ヽミ/ ./ :.木 : ',
i' ‐-、、,,_==/=ゝ ヽ\ \_i レ' ,,,、,,__./ ,, '.` '´; ',
. i ヽヽ、、,,,___,,,/-‐〃´\ヽ`、 ゝ´ ´´´. ,' / Y´ヽ ;
,,{ ヽ \、丶_;;,/_//;;;;;;;;;;;;'ヽヽr':: ,' , ' } ! .i
〆' iヾ ヾミ 、_'´' ヾ'‐ 、;;;ソ´'、{:::::: ,' r'. ,' l .!
./ / , i `、ヽ、 ''‐- =`;;,,、‐ ヽ}、:::::::::......,' ,' / .,' .,'
{ { { .{ヽ `、ヽ.`''''''''""´ 、 ,‐-、 iゝ:::::::::::,' ノ ノ 、'
http://gekiyasu-h.com/sp/main.html
-
いようの妹だろ
-
少女=女=デレじゃない?
-
女 デレ、少女 ヘリカルで読んでた
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いよぅが死んだ(かどうかまだ未確定だが)のをショボンあるいは他のメンバーのせいだと思ってるならヘリカルに動機はあるな
でも予想はこの辺にしとかないと自治厨が騒ぎだすからやめといた方がいい
-
自治というかマナーだよね
-
地味にブーン芸の方に修正入っててワロタwww
的外れっぽいから書いちゃうけどデレは男じゃないかと思ってる
-
この掲示板自体全然動きないから時々不安になるな…
-
次はいつだろね
-
明日です
-
おっどもです
-
うそです
-
三月だねー。(・ω・`)
-
いつまでも待ってるから気ままに投下してね
-
無理せず自分のペースで毎日投稿すればええんやで
-
地味に鬼畜
-
鬼がいた(・ω・`)ww
-
つい最近一気読みしたから続きが気になって、SAO知らないからこれを期に読もうかなぁと思っている
-
最近mateでこの板開くとエラー吐いて読み込めないんだよな…
なんでだろ
-
結局のところ(少女)と(女)は別の人物なのか?
俺も誤字なのかどうか分からなくて話の流れから同一人物かと思ってたんだけど。話の都合上答えられないやつなら無理に言わなくても構わない。
次が楽しみだが、死ぬ奴が出ないかとハラハラしすぎて胃痛がしてきた。
-
どうも作者です。
何とか23話が書き終わり、現在直しをしております。
問題なく進めば、土曜日の夜には投下が出来るかなと思っているところです。
また結構長くなったため、少しずつ投下をする予定です。
お付き合いいただけると嬉しいです。
>>416 様
>>418 様
ご指摘&修正ありがとうございます。
ほんと、投下前に誰かに校閲してもらいたい!!
というわけにもいかないので、自分で頑張ります。
次回以降も宜しくお願いします。
長くなると不明点等も出てくるとおもいますが、
意識して書いている点に関しては作中で解決してもらえる予定です。
それ以外に関しては、完結後にでもまた。
(;´・ω・)タブンダイジョウブダトオモウケド
だれもいない……cmするなら
|Д`)・・イマノウチ ♪
.
-
cm LongVersion(微妙に映画のネタバレあり)
「これが、あの事件の真実」
♪僕の声が届いた時に〜♪
SAO事件から2年。
街にはARデバイス。《オーグマー》を装着した者であふれていた。
そしてオーグマーを使用したゲーム《オーディナル・スケール》は、
若者を中心に浸透していく。
「学校で配ってくれたって聞いたもなよ」
「便利だから!」
「みんなもオーディナルスケールをやってるんだろ?
おれも買うべきかな」
「ポイントととか溜まるし」
オーディナルスケールの人気はゲームの面白さだけではなく、
世界初のARアイドル《ユナ》によるところも大きかった。
彼女の初ライブは大きく注目される。
.
-
「みんなは行くの?」
「んー。無料だし、学校全員招待されたわけだし。
学校の友達にも誘われてるから行こうかと思ってる」
「あれ?行かないのか?」
「そうか。行かないのか。私もやめるかな」
「ならおれにチケットくれよ」
「おれらが渡されたチケットは学生証と同時に出さないとだからダメだな」
「楽しみだなー。ユナちゃん」
ライブ会場で進行していた陰謀。
しかしその企みは、『ヒーロー』により阻止された。
企みの全貌と結末を知った少年が、静かに狂う。
「……僕ならもっと、うまくやれる……」
VRの世界に囚われていた少年たちが、
ARの世界でも武器を手にする。
.
-
「あんた!自分が何をしようとしているか分かってるの!?」
「私は、何処までもそばにいる」
「おれだって!おれだって……。でも……っ!」
少年の狂気が、仲間達の運命をも狂わせる。
「おれは、誰とも戦いたくない」
「進むにも、止めるにも、戦いは避けられないもなよ」
「くぅ〜ん」
それぞれの思いが交差し、絡み、悲しみを引き寄せる。
「あの日あの時、声をかけられた時から、今どうするかは決まっているから」
「おれだって!おれだってあいつに……。あいつとも、もう一度話せるのなら……」
神速の片手剣士が、空色の風となり、天使の羽根をきらめかせながら街を駆ける。
「やろうとしていると事の善悪は別として、技術や仕組みには興味がある」
「そうか。……初めてだな。完全に敵になるのは」
それぞれの思いをもって武器を持ち、目の前の仲間との戦いを選ぶ。
.
-
「門下生になったとはいえ、現実世界で私に勝てると思っているのか?」
「勝てるとは思ってない。でも、足止めくらいはしてみせる」
少年と少女の思いは同じ。
「わたしもあいつも!誰もそんなこと望んでない!」
「自己満足だけだったことはわかってる。でも……」
その先にあるモノは。
『( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。-MOMENT-
〜VIPのメンバーはオーディナルスケールで戦うようです〜』
彼らの先にあるのは悲しみだけ
『2018年投下予定』
♪この瞬間を掴め〜♪
「 僕の名前は、《ホライゾン》だお 」
♪Catch the Moment♪
.
-
映画を見て思いついたので書いてみた。
後悔はしていない。
映画は絶賛上映中です。
詳細については次回の投下後に。
ではではまたー。
.
-
乙乙
2018年投下なんだな言質は取ったぞ
-
ブーン達の戦いはまだ終わらないのか……(投下前提)
-
これは次回で最終回のフラグととっていいのか
2018年も絶賛アインクラッド投下中のフラグととっていいのか
うーん…悩ましいとこ
-
>>443
これは楽しみが止まらない
-
cm ShortVersion (TYPE-sh)
「これが、僕の贖罪」
♪僕の声が届いた時に〜♪
ARデバイス《オーグマー》を使用したゲーム《オーディナルスケール》
その陰で進行していた陰謀は、英雄によって阻止された。
「僕は失敗しない」
だがその陰謀を知った少年が、
自らの願いの為に動き出す。
「あんた!自分が何やってるか分かってるの!?」
「前を見ていればいい。私はそばにいる」
「おれはどうすれば……」
友人を傷付けてでも成し遂げたい思い。
「そんなことが……」
「できるっていうのか」
「でも、代償は必要もなよ」
「あいつは、そんなことを」
「やりたいっていうなら、やれば良いさ」
「仲間だから、止めたい」
「力になりたいから」
「おれだって……」
交差する思い。
袂を別つ友人達。
『( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。-MOMENT-
〜VIPのメンバーはオーディナルスケールで戦うようです〜』
願いが悲しみを呼ぶ。
「あんたが忘れたら意味ないでしょ!」
「僕の記憶を、基にする」
♪この瞬間を掴め〜♪
「 僕の名前は、《ホライゾン》だお 」
♪Catch the Moment♪
.
-
どーもです。
それでは投下を開始します。
宜しくお願いします。
.
-
( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。
第二十三話
crossing field 前編 – 命は美しい -
.
-
1.
2024年10月初旬 アインクラッド
ギルドVIPホーム、執務室。
執務机に備えられた椅子にショボンが座り、
扉と執務机の間にあるソファーセットには、
ブーン、ドクオ、ツン、クー、シャキンが座っている。
(´・ω・`)「集まってくれてありがとう。
この後また全体ミーティングをするわけだけど、
先に情報のすり合わせをしておきたくてね」
(`・ω・´)「根回しは大事だからな」
(;´・ω・`)「根回しというかなんというか」
ξ゚⊿゚)ξ「別にいいわよ。私もショボンに伝えておくことあったし」
川 ゚ -゚)「おやツンもか。奇遇だな、私もだ」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、あれ?
この前苦戦してたのがやっとなんとかなったの?」
川 ゚ -゚)「別に苦戦などしていないがな」
( ^ω^)「アイテムの買い占めはもうしなくていいのかお?」
川 ゚ -゚)「いや、試作が済んでこれから本格的に生産に入るから、
市場の動向は見ておいてくれ。
悔しいことにまだ成功率は70%くらいなんだ」
( ^ω^)「了解だお」
('A`)「ってことはまさか」
川 ゚ -゚)「素材集めを付き合ってもらう」
('A`)「うえー」
.
-
ξ゚⊿゚)ξ「あ、私も今回の生産で全部使いきっちゃったから、
欲しいの一杯あるのよ。
よろしく頼むわ」
('A`)「お前も一緒に行くんだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「行っても良いけど、
普通のオーダーも入っているから、
あんたに頼まれているマントの製作は遅くなるわよ」
('A`)「……ちゃんとリスト作れよ。
もう『書いてなくてもいつも頼んでいる奴なんだから気を利かせなさいよ』
は、無しだからな」
ξ゚⊿゚)ξ「はいはい。
クーは一緒に行っている暇あるの?」
川 ゚ -゚)「作りたくても手元に残っている材料が少ないからな」
( ^ω^)「前に買い占めした時の名残で、
他の道具屋から回ってきているのがあるお。
今はあんまり人気の無い商材でどこの店でもちょっと余ってるみたいだから、
声をかければ多少は集められると思うお」
川 ゚ -゚)「そうか!」
('A`)「……クーもちゃんとリスト作れよ」
川;゚ -゚)「すまん、助かる。ありがとう」
(`・ω・´)「なんだなんだ。
また新しい商材か?」
(´・ω・`)「二人とも、頼んでおいた奴で良いのかな?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうよ。
高性能インナーウエア。
当社比防御能力80パーセント以上アップ」
.
-
(`・ω・´)「それは凄いな」
ξ゚⊿゚)ξ「その分作るのは難しいし、
耐久値にはまだ問題が残っているけどね。
攻略組に下ろすのも無理として関係者全員に配り終えたから、
それを報告したかったの」
( ^ω^)「着心地もいいおね」
川 ゚ -゚)「着心地?」
('A`)「そっか?」
(´・ω・`)「鉱物から作った糸で作ったとは思えない出来ではあったけど、
前から作ってもらってたインナーとそれほど変化は無かったように思えたけど」
( ^ω^)「お?そうかお?
前のより軽くて着てないような感覚だお」
ξ゚⊿゚)ξ「ま、着心地なんて人それぞれの感想よね」
川 ゚ -゚)
('A`)
(´・ω・`)
ξ゚⊿゚)ξ「な、なによ。人の顔をじろじろと」
川 ゚ -゚)「いや別に」
('A`)「いいんじゃね」
(´・ω・`)「防御能力が一緒なら」
ξ゚⊿゚)ξ「一緒よ!そこに差をつけるわけないでしょ!」
(´・ω・`)「ならいいや」
.
-
( ^ω^)「お?」
ξ゚⊿゚)ξ「はいはい。この話は終了。
ちゃんと報告したわよ」
(´・ω・`)「うん。ありがとう。防御力は出来るだけ上げておきたいからね」
(`・ω・´)「なあツン」
ξ゚⊿゚)ξ「なに?」
(`・ω・´)「おれ、もらってない。
関係者じゃない感じか?
うちのメンバーも渡されたって報告貰ってるから楽しみに待ってたんだけど」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
(`・ω・´)「ツン?」
ξ゚⊿゚)ξ「忘れることは、誰にでもあるわよね」
(`;ω;´)
ξ;゚⊿゚)ξ「だ、大丈夫よ。
余ったからおかしいなとは思ったのよね。
人数分はちゃんと作ったから、安心して。
後で渡すから」
(`・ω・´)「絶対だからな!」
ξ゚⊿゚)ξ「はいはい」
('A`)「他にも忘れられた奴いたりして」
ξ゚⊿゚)ξ「…… ……」
川 ゚ -゚)
(´・ω・`)
(`・ω・´)
('A`;)「否定しないのかよ」
.
-
(;^ω^)「……あとで皆が来た時に聞いてみた方が」
ξ゚⊿゚)ξ「ま、まあ、うん。
大丈夫だと思うけど、念には念を入れないとね」
(´・ω・`)「じゃあ後のミーティングは、まずはその確認からだね」
ξ゚⊿゚)ξ「だ、大丈夫よ。多分」
(´・ω・`)「クーの方は、例の毒の件だよね」
川 ゚ -゚)「ああ。報告書も作成した。
目を通して問題が無ければアルゴに回してくれ」
(´・ω・`)「ありがとう」
川 ゚ -゚)「通常毒と麻痺毒、それとその二つの混合毒。
通常毒と麻痺毒は今までのレベルを超えている。
通常の解毒薬でも効果が無いわけじゃないが、
飲んですぐ消えるわけじゃないようだ。
クリスタルでの浄化もすぐに効果が出るわけじゃないようだ」
(´・ω・`)「それは……」
川 ゚ -゚)「今のところは犯されている時間が現状の物より短いからどうにかなっているが、
これが長くなったら命に直結するだろうな」
('A`)「特にボス戦で麻痺毒なんてくらったら……」
(`・ω・´)「で、解毒薬も作ったんだろ?」
川 ゚ -゚)「もちろんだ。
多少難航したが、成功している」
ξ゚⊿゚)ξ「さすがね」
川 ゚ -゚)「以前クリスマスにやったクエストの経験が役に立ったな。
思えばあれは複合毒の存在を教えてくれていたわけだし、
今回の製法に関してアイデアのもとになった」
(`・ω・´)「ほぉ……」
.
-
(´・ω・`)「この世界に偶然は無い。
全て必然である。だね」
('A`)「茅場晶彦の作りだしたゲームの世界だからな」
( ^ω^)「もう販売できるのかお?」
川 ゚ -゚)「いや、そこまでの量は出来ていない。
何分面倒臭い。
製法が難しいから作れる者も少ないと思うが、
まあ情報が出回れば、一週間もあれば何とかなるだろう。
今ある分は、うちの者達と攻略組に回す分くらいだな。
攻略組の方はアルゴ通しで渡してもらえばいいだろう。
私が作ったと分からないよう、街売りの瓶を買ってこないと」
(´・ω・`)「よろしく頼むよ」
川 ゚ -゚)「クリスタルの方はモララーに作らせている。
あいつの作った空水晶に解毒薬を足すわけだが、
どうやらこちらも成功率が悪いようだ」
('A`)「当分は薬メインにした方が良いだろうな」
川 ゚ -゚)「ああ。
それが賢明だろうな。
あと、耐麻痺効果を持ったアイテムの製作は既にモララーに依頼済みだ」
('A`)「モララーの睡眠時間がまた減ったわけか」
川 ゚ -゚)「もう一人細工師が欲しいところだな。
水晶の生成はともかく誰かマシロに居ないのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、裁縫スキルもいない?」
(´・ω・`)「うーん。
両方とも聞かないな。
フォックスに聞いておくよ」
ξ゚⊿゚)ξ「よろしく」
川 ゚ -゚)「頼んだ。
あとショボン、生成方法の情報散布方法も任せる」
.
-
(´・ω・`)「うん。いつも通りに進めるよ」
川 ゚ -゚)「私の方もこれでおわりだ」
(´・ω・`)「了解したよ。
さて、他に何かある人はいるかな」
全員の顔を見るショボン。
誰も何も言わない。
(´・ω・`)「じゃあ僕から。
正式に依頼が来たよ」
川 ゚ -゚)「そうか……」
ショボンの言葉に全員が頷き、
クーだけが口に出して返答した。
(`・ω・´)「どうするんだ?」
(´・ω・`)「どうするもなにも、受けるしかないよ」
川 ゚ -゚)「そう……だな」
ξ゚⊿゚)ξ「しょうがないわよね」
( ^ω^)「例の『遺跡調査』かお?」
(´・ω・`)「うん。そう。
アルゴさんから内内に連絡は来てたからね。
正式発注は『血盟騎士団』だけど、
実際は攻略組全体での話し合いかな」
('A`)「今の最前線の迷宮区に、
遺跡フロアにあったものと同じモチーフの石像が多数あるんだよな」
(´・ω・`)「うん。
もともとフロア内にも点在してたから、
関係があるんじゃないかってのは言われていたみたいだけど。
で、迷宮区が本当に迷宮で、
いまだに完全な地図が作れてないみたい」
.
-
ξ゚⊿゚)ξ「そこで下のフロアを調べてほしいって訳ね。
自分達でやれば良いのに」
('A`)「うま味も面白みも少ないからな。
今の攻略組の奴らじゃレベル上げには下のフロア過ぎて不向きだし」
ξ゚⊿゚)ξ「そんなのこっちも一緒でしょ」
川 ゚ -゚)「フロアが広がってはいないがクエストが増えたという情報はある」
( ^ω^)「新しいアイテムが出てくるかもしれないおね」
ξ゚⊿゚)ξ「まあそこらへんは気になるけど」
(´・ω・`)「もともとはアルゴさんに来た話だけど、
彼女だけじゃあのフロアの総浚いは無理だよ」
(`・ω・´)「そこで、VIPに回ってきたと」
(´・ω・`)「うん」
ショボンが机をタップするとウインドウが現れる。
そして操作を始めると執務室の壁に映像が浮かんだ。
(´・ω・`)「右が遺跡フロアの全域図。
で、左がその上のフロアの全域図」
ξ゚⊿゚)ξ「上のフロア?
ってどんなところだっけ」
川 ゚ -゚)「虫がいっぱい出てきたところだろ」
ξ゚⊿゚)ξ「ああ、あそこね」
心底嫌そうに顔をしかめたツン。
(´・ω・`)「覚えてる?中央道路?」
( ^ω^)「お、あそこかお!」
.
-
('A`)「真っすぐの道をひたすら進んでくやつな。
ちゃんとした名前のあるフィールドダンジョンだったよな確か。
中央道路って呼んでたから覚えてないけど」
( ^ω^)「途中で出てきたカマキリ男がむやみに強い奴だおね」
ξ゚⊿゚)ξ「ああ!
あのバー四本あって、むやみに強いカマキリ!
無視して横をすり抜けること出来るけど、
後ろから襲ってきてうざい奴」
川 ゚ -゚)「だが後方から襲ってくるのはクエストをやってるときだけだし、
時間をかけてやればそれほど驚異ではなかったはずだが」
('A`)「確かあそこを通るよりも別のルートを通れば安全に行けることが分かって、
迷宮区をクリアするころには、クエストやる以外では使われてなかったよな」
(`・ω・´)「一回全員でやりに行ったな」
( ^ω^)「おっおっ。覚えてるお!」
川 ゚ -゚)「それで、そこがどうしたんだ?」
(´・ω・`)「それだけ覚えてくれているなら次に進むけど、
まずはここに色を付けておくよ」
フロア図の中心近くに引かれる青い線。
(´・ω・`)「で、こっちの遺跡フロア。
遺跡フロアの中心の円形遺跡群フィールドダンジョンは覚えてるよね」
全員が頷く。
(´・ω・`)「その中心に、大きな木があったの覚えてる?」
ξ゚⊿゚)ξ「……なんとなく」
( ^ω^)「根元でご飯食べたことあるおね?
たしか安全エリアで」
.
-
川 ゚ -゚)「上を見てもてっぺんが見えなかったような」
(´・ω・`)「そう、あれ。
この位置なんだ」
右の図に赤い丸を付けるショボン。
(´・ω・`)「そして、この二つの地図の東西南北を合わせて、
迷宮区の位置を合わせると……」
左の図が動き、右の図に重なる。
すると青い線の先に紫色の丸が浮かんだ。
川 ゚ -゚)「位置が重なり合う?
中央道路のほぼ先端だなここは」
ξ゚⊿゚)ξ「何がある場所?
中央道路の一番先は遺跡があって、
そこでクエストボスと戦ったのは覚えてるけど」
('A`)「その二つ前の安全エリア。
たしか中央に森があって、
森の中には入れなかったような」
( ^ω^)「確か石碑があったおね。
なんて書いてあるかは分からなかったけど」
ξ゚⊿゚)ξ「はいはい。あったあった。
え、じゃあもしかしてあの森は……」
(`・ω・´)「下の巨木の先端ってことか?」
(´・ω・`)「もしかするとね」
ξ゚⊿゚)ξ「へー」
( ^ω^)「おー」
('A`)「ふーん」
(´・ω・`)「なんか気の抜けたような」
.
-
川 ゚ -゚)「それが何か関係あるのか?」
(´・ω・`)「関係あるかどうかを調べるのが今回の僕達の仕事なんだけどね。
そこから何か道が開けるかもしれないから」
ξ゚⊿゚)ξ「そりゃそうか」
(`・ω・´)「だが闇雲に調べるわけじゃないんだろ?」
(´・ω・`)「そりゃね」
重なった図に新たにひかれる赤い線。
川 ゚ -゚)「これは?」
(´・ω・`)「円形遺跡群の外周と、
そのすぐ内側の通路。
『円形』と呼んではいるけど綺麗な円ではないんだよね。
で、こっちが今攻略組がマップ攻略している迷宮区の図面」
重なったフロア図の横に、迷宮区のマップが現れる。
浮かんでいる黄色の線。
(´・ω・`)「線は判明している迷宮区の外周通路。
もちろん尺度は調整してあるけど、
これもまた重ねてみると……」
画面の図が重なると、
一部の赤い線がオレンジに変わった。
(`・ω・´)「これ、色はお前が変えてる?」
(´・ω・`)「うん。分かり易いかと思って」
(`・ω・´)「だよな」
( ^ω^)「お?」
(`・ω・´)「いや、なんでもない」
.
-
('A`)「部分部分がきれいに重なるわけだ」
(´・ω・`)「うん。
で、更に言うと」
ξ゚⊿゚)ξ「迷宮区の入り口と、中央道路の入り口が同じ」
川 ゚ -゚)「迷宮区のいまだ未到達地点、おそらくはフロアボスの部屋と、
紫色の丸が重なるわけか」
(´・ω・`)「そういうこと」
ショボン以外の全員が溜息に似た吐息をつき、
壁の図面を凝視する。
(´・ω・`)「あとは現地で調べてみないとだけど、
何かヒントはあるんじゃないかな」
( ^ω^)「遺跡フロアでスイッチを押したら迷宮区に通路が出来るとかだったら面白いおね」
(´・ω・`)
川 ゚ -゚)
(`・ω・´)
('A`)
ξ゚⊿゚)ξ
(;^ω^)「じょ、じょうだんだお。
そんな目で僕を見るのは止めてほしいお」
(´・ω・`)「いや、うん。そうか」
川 ゚ -゚)「その可能性も……」
(`・ω・´)「無くはないだろう」
('A`)「簡単なスイッチとかではなくても」
ξ゚⊿゚)ξ「遺跡で何か決まった行動をするとか」
川 ゚ -゚)「遺跡と中央道路、両方で同じタイミングとか」
(;^ω^)「おっおっ?」
.
-
川 ゚ -゚)「他には重なる場所とかないのか?
中央道路の周辺も気にしてみた方が良いだろう」
(´・ω・`)「もう少し詳しい情報をもらうよ。
同じモチーフの石像とか石舞台とかがあるかもしれない」
(`・ω・´)「それがいいな。
なんなら迷宮区を見に行くのも良い」
('A`)「迷宮区か。
パーティー二つでいくか」
ξ゚⊿゚)ξ「なに喜んでんのよ」
('A`;)「べ、別に最前線に興味がるとかそんなんじゃ」
( ^ω^)「興味があるんだおね」
川 ゚ -゚)「あるんだな」
ξ゚⊿゚)ξ「あるんだ」
(`・ω・´)「素直になれ」
('A`;)「べ、べべべべ別に」
(´・ω・`)「とりあえずアルゴさんと、
血盟騎士団のアスナさん、
あとエギルさんにも話を聞いてみるよ。
流石武具店のお得意さんにも攻略組がいるっていうから、
兄者と弟者に頼んでそこにも繋いでもらって。
色んな角度からの情報のすり合わせもしておきたいし」
(`・ω・´)「そうだな。それが良い」
川 ゚ -゚)「中央道路の周辺も調べなおしが必要かもしれん」
('A`)「そうそう。そこからそこから」
.
-
ξ゚⊿゚)ξ「じゃああんたは中央道路、
私達は迷宮区の調査ね」
('A`#)「なんでだよ!」
立ち上がったドクオを白けた目で見るツン達。
('A`;)「あ、いや、その、ほら、レベル的にも強さ的にもさ、
迷宮区にはギルドのトップクラスをさ」
(`・ω・´)「素直になれ」
('A`)「……最前線行ってみたいです」
(´・ω・`)「とりあえずは打ち合わせが済んでからね。
というか、ボス戦はともかく最前線に行くのは反対はしてないんだけど。
ちゃんとルールさえ守ってくれれば」
('A`)「はーい。
そのルールがめんどくさい」
返事をしつつ座るドクオを、
ブーン以外は呆れた表情で見ていた。
ξ゚⊿゚)ξ「ところでさ。
ねえ、あっちからの連絡は?」
(´・ω・`)「あれ以来ないね」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたの予想が外れたの?」
(´・ω・`)「なら良いけど」
ξ゚⊿゚)ξ「どういう事よ」
(´・ω・`)「今最前線で起きていることは、
知ろうと思えば誰でも知ることが出来る。
情報屋にコルを支払えばね。
そして、僕達の事をある程度知っている人なら、
僕達が関わることを想像するのは簡単だよ」
.
-
ξ゚⊿゚)ξ!
川 ゚ -゚)「つまり、そういうことか?」
(´・ω・`)「多分ね。
あのギルドからの依頼なら受けないって選択肢もあるけど、
アルゴさん、というよりも攻略組からの依頼ならば、
僕達は受けざるを得ないってことも分かる事だよ。
なんといっても『攻略』に関わる事だから」
(`・ω・´)「しかも、おれ達が倒されれば攻略が遅れる可能性がある。
ギルドを殺人ギルドとして一躍世に広めるチャンスだな」
ξ゚⊿゚)ξ「……シャキン」
冷静に、他人事のように呟いたシャキンを睨むツン。
(`・ω・´)「バカが考えそうなことを、言っただけだぞ」
ξ゚⊿゚)ξ「分かるけど、ムカつく」
川 ゚ -゚)「つまり、今回の調査が狙われるという事か」
(´・ω・`)「可能性は高いと思う」
川 ゚ -゚)「ふむ……。
分かっていても、やるのか?」
(´・ω・`)「……うん」
川 ゚ -゚)「別に攻めているわけじゃない。
あの会議で、気持ちは切り替えたつもりだ」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ。
向こうが振りかけてきた火の粉は、
完膚なきまでに振り払って消してしまわないとね。
二度とそんな気にならないように」
('A`)「ああ。そうだな」
( ^ω^)「だおだお」
.
-
(´・ω・`)「みんな……」
川 ゚ -゚)「それで、いつやるんだ?
状況を考えれば、すぐなんだろ?」
(´・ω・`)「うん。
攻略組からは早急の対応を依頼されている。
だから明後日って答えておいた」
ξ゚⊿゚)ξ「本当に早いわね。
ま、しょうがないけど」
('A`)「迷宮攻略に手間取ると、
その分勢いは下がるからな」
(´・ω・`)「本当は明日って言いたかったみたいだけど、
流石にそれはね。準備もあるし。
今話した内容も上げて、答えをもらわなきゃだし。
あと、血盟からはサポートに何人か出そうかって言われたけど、
急なチームだと動きが乱れる可能性があるからお断りしておいたよ」
(`・ω・´)「いいのか?」
(´・ω・`)「攻略組が居たら出てこないだろうからね」
川 ゚ -゚)「それならそれでいいと思うが」
(´・ω・`)「これ以上被害が出る前に潰さないと、とも思うんだ」
川 ゚ -゚)「うむ……」
ξ゚⊿゚)ξ「クー」
川 ゚ -゚)「いや、すまん。
大丈夫だ」
(´・ω・`)「……」
('A`)「クー。
不安なのはおれも、きっとみんな同じだ」
ドクオの言葉にそれぞれがそれぞれの態度で頷く。
.
-
('A`)「でも、それ以上に殺人ギルドなんてものを許すことはできない。
ラフコフには、いやPoHには正直勝てる気はしないけど、
あいつ等には勝てるチャンスがあって、
潰すことが出来る力をおれ達は持っていると思う」
川 ゚ -゚)「ドクオ……」
( ^ω^)「僕達が出来るだけの事をやれば、
きっと勝てるお。
その為の策をショボンとシャキンが考えてくれたし、
僕らも頑張ってるお」
クーの手を握るツン。
その手がほんの少しだけ震えているのに気付き、
クーは驚いたように彼女の顔を見た。
ξ゚ー゚)ξ
ニッコリとほほ笑む彼女に、クーは泣き顔のような笑顔を見せた。
(´・ω・`)「みんなには、大変の思いをさせてしまっている。
けれど、僕達に出来る力があり、
そして狙われているのならば、
やるべきだと思うんだ」
(`・ω・´)「今回の件、
全員の意志でリーダーのお前についてきている。
だから今回は、お前は前を向いていればいい。
横や上や下は四人で、
後ろはおれが見ているから」
(´・ω・`)「……ありがとう」
( ^ω^)「おー!っだお」
.
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