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( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。
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立ったら投下できる。
-
二日後の夜。
時計はまもなく次の日を告げる。
街灯はないがぼんやりと明るい街を、
ミセリは歩いていた。
ミセ*゚ー゚)リ「うーむ……」
苦虫を噛み潰したような顔をしつつ街の外れまで来たが、
ゆっくりと振り返った。
ミセ*゚ー゚)リ「えっと……。
隠れてるつもりはないよね?
ショボンくん」
暗闇の中から現れるショボン。
暗闇を利用した姿を隠せるギリギリの範囲と位置からではあったが、
横にある建物や障害物に隠れてはいなかった。
(´・ω・`)「うん。着いてきただけ。
僕は隠蔽とか鍛えてないし」
ミセ*゚ー゚)リ「だよねー」
笑顔だが少しイラついているミセリと、
無表情だがのんびりしているショボン。
ミセ*゚ー゚)リ「えっと、止めに来たんだよね?」
お互いの表情が見え、
無理なく会話のできる距離で立ち止まるショボン。
(´・ω・`)「止めても無駄でしょ?」
ミセ*゚ー゚)リ「え?」
(´・ω・`)「パラメーター的には僕より上のはずだし。
本気で走られたら追いつけないよ」
.
-
ミセ*゚ー゚)リ「まあ、ねぇ」
(´・ω・`)「ここで立ち止まったのは、
自分より弱い僕を外に連れ出さない為。
あとは、僕と少しは話をしようって思ったから」
ミセ#*゚ー゚)リ
(´・ω・`)「そんな怒らないでよ」
ミセ#*゚ー゚)リ「怒ってませんー」
(´・ω・`)「ならいいけど」
ミセ#*゚ー゚)リ「ほんとにこいつもあいつも……」
(´・ω・`)「ありがとう」
ミセ*゚ー゚)リ「え?」
(´・ω・`)「改めて、言わせてもらうよ。
ありがとう」
ミセ*゚ー゚)リ「……それを言うなら、私の方だよ」
(´・ω・`)「ビコーズの記憶が改ざんされているふり、
辛かったと思うから」
ミセ*゚ー゚)リ「私があの二人を巻き込んだんだから、
その償いは当然だよ。
二人には、背負わせなくていい重荷を持たせてしまった。
本当は私の事なんて忘れて、
ビコーズの事も、私のせいにしてくれればいいんだけど。
あの二人は、そんなことできる子達じゃないから」
暗闇のせいではなく、
ミセリの表情に影が落ちる。
.
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ミセ*゚ー゚)リ「あのままだったら、
ビコーズと私、二人分の重荷を背負ったままだった。
こんなおかしな世界で、そんなものまで背負ったら、
苦しくて苦しくて、おかしくなっちゃうよ。
でも、更に私がおかしくなれば、
しかも私の中のビコーズの記憶が違っていれば、
私だけに、集中できる」
にっこりと微笑むミセリ。
その顔に媚びは無く、
心からの笑みだった。
ミセ*゚ー゚)リ「私を笑顔にするために、
笑顔を見せてくれる。
おかしくなった私を守るために、
笑顔を見せてくれる。
最初はぎこちなかったけどね」
その頃の笑顔を思い出したのか、
小さく噴き出す。
ミセ*゚ー゚)リ「最初は無理矢理でも、
笑顔はいつしか本当の笑顔を呼ぶ。
忘れることは出来なくても、
それ以上の思いがあれば、目標があれば、
ゆっくりと、鎮めることはできると思うから」
(´・ω・`)「ミセリ」
ミセ*゚ー゚)リ「それにね、それは私にも好都合だったの。
きっと一人では、耐えられなかった。
皆がいてくれたから、耐えることが出来た。
皆に私の知っていることを伝えるっていう大義名分が出来たから、
それまではって……、思った。
ツンちゃんとクーちゃんの心を守るっていう大義名分で、
私自身、ビコーズとゼアフォーの事を心の奥底に閉じ込めることが出来た。
……私はずるい。
だから、ショボンくんにありがとうなんて言われると、
逆に苦しくなっちゃう」
.
-
(´・ω・`)「ミセリ……」
ミセリが、静かにショボンを見つめた。
ミセ*゚ー゚)リ「ありがとう。ショボンくん」
(´・ω・`)「あの夜ミセリに協力を求められたとき、
本当は反対するべきだと思っていた。
ツンとクーの事だけを考えれば嬉しい申し出だったけど、
君の心がどうなるのか、不安だったから。
でも、この一か月をミセリも楽しむことが出来たのなら、
良かったよ。
嘘をつくのは、やっぱり心苦しいからね」
ミセ*゚ー゚)リ「はい。二つ嘘だよね」
(´・ω・`)「?」
ミセ*゚ー゚)リ「まず一つ目。
ショボンくんは、このことで私も笑顔になるって気付いてた。
ううん。笑顔になるように、色々と誘導をしてた」
(´・ω・`)
ミセ*゚ー゚)リ「そして二つ目。
ショボンくんは、嘘をつくことに躊躇しないし、心苦しくなったりはしないよ。
その嘘が、誰かのための『嘘』ならね。
ま、これは勘だけど」
(´・ω・`)「ミセリ……」
ミセ*゚ー゚)リ「そしてムカつくことに、
それはシャキンも一緒なのよね。
ね、シャキンにも話してあったんでしょ?」
(´・ω・`)「うん。よくわかったね」
.
-
ミセ*゚ー゚)リ「これも勘。
でも、そうだろうなって。
その方が、私の為って思いそうだなって」
(´・ω・`)
ミセ*゚ー゚)リ「お、当たったみたいだね。
私がショボンくんを巻き込んだことを気に病まないように、
わざともう一人くらい仲間にするかなって思ったの。
そしたらシャキンかなって」
(´・ω・`)「一つはずれ」
ミセ*゚ー゚)リ「あれ?何か違った?」
(´・ω・`)「シャキンの方から僕に言ってきたんだよ。
『ミセリ、ほんとはちゃんと覚えているんだろ』ってね。
だから僕も気にせず巻き込ませてもらった。
確かにミセリと話した後にシャキンも巻き込むことも考えたけど、
夜遅くだったから、次の日になって落ち着いてからって思ってた。
そうしたら向こうから聞いてきた。渡りに船だったよ」
ミセ*゚ー゚)リ「あの男。
やっぱり要注意人物ね。
あんなフラフラしてるくせして妙に鋭いし。
ショボンくんは腹黒いのが表に出ているからまだ良いとして、
一見ぼやぼやしてるっていうのが」
(´・ω・`)「腹黒いとか」
ミセ*゚ー゚)リ「ごめんごめん。
つい、思ってることを」
(´・ω・`)「ひどいな。
腹黒のミセリに言われるとへこむよ」
ミセ*゚ー゚)リ「お、言うねぇ」
互いにきつい視線を交わした後、
噴き出す二人。
.
-
ミセ*゚ー゚)リ「ショボンくんも私に言うようになったね」
(´・ω・`)「前にドクオが言っていたのが分かるよ。
僕達はよく似ているって」
ミセ*゚ー゚)リ「腹黒なところが?」
(´・ω・`)「うん。腹黒なところが」
再度噴き出す二人。
(´・ω・`)「でも、仲間にはなれない?」
ミセ*゚ー゚)リ「えー。私は仲間だと思ってたのに」
(´・ω・`)
ミセ*゚ー゚)リ「……ごめん。うそ。
あ、でも、みんなの事は好きだよ。
ただ、私はみんなのそばに居ちゃダメなだけ」
(´・ω・`)「何故そんなこと」
ミセ*゚ー゚)リ「私のそばにいた二人が、
二人とも死んだんだよ。
私がいたから、あの二人は……」
(´・ω・`)「まだそんなことを!」
ミセ*゚ー゚)リ「事実だよ!
……二人が死んだのは、事実。
そして私があの二人をこのゲームに呼んだのも、
私を守ったのも、
私が気付けなかったのも、
事実なの」
(´・ω・`)「ミセリ……」
.
-
ミセ*゚ー゚)リ「皆といて、本当に楽しかった。
本当はもっと早く分かれるつもりだったけど、
迷ってしまうくらい、楽しかった。
でも、それじゃあダメだって思ったの」
(´・ω・`)「これからどうするつもり?」
ミセ*゚ー゚)リ「昨日話したよね?
忍者になるって」
(´・ω・`)「本気だったんだ」
ミセ*゚ー゚)リ「うん。
三人で、なろうって、誓ったから。
それにね、βテスターとして、
この世界で私が誰かのために出来る事に
つながらないかなって、思ったの」
(´・ω・`)「ん?」
ミセ*゚ー゚)リ「ふふ。
これ以上は内緒。
なにか、出来たらいいなって、
思ったから。
そのために、
頑張ってみようかなって思ったの」
(´・ω・`)「ビーターさんや、
情報屋さんのことが切っ掛け?」
ミセ*゚ー゚)リ「うん」
(´・ω・`)「何か考えていそうだなとは思ったけど……。
ドクオも、ちょっと挙動不審だし」
ミセ*゚ー゚)リ「ドクオくんもね。
考えていそうだね。
でも、みんなの事が大事だから、
悩んでると思う」
.
-
(´・ω・`)「ミセリは、
離れる決意につながったんだ」
ミセ*゚ー゚)リ「そういうこと。
理解してくれてうれしいな」
(´・ω・`)「理解は、出来るよ。
でも、納得はできない。
一緒に居ても忍者にはなれる」
ミセ*゚ー゚)リ「忍者は孤独なのよ」
(´・ω・`)「ミセリ……」
ミセ*゚ー゚)リ「止めても無駄だよ?」
(´・ω・`)「……うん……。
でも、またいつか、パーティー組めるよね!
ギルドも作るから!
入ってくれるよね!」
ミセ*゚ー゚)リ「!ショボンくん……。
うん。そうだね。
私がちゃんとした忍者になれたら。
そして、誰かを、助けることが出来たら。
入れてもらおうかな」
(´・ω・`)「……その日を楽しみにしてる」
ミセ*゚ー゚)リ「でもさ、そうなる前に、この世界から出たいな」
(´・ω・`)「それは……そうだね」
ミセ*゚ー゚)リ「だよね」
笑いあう二人。
ミセ*゚ー゚)リ「さて……じゃあ行こうかな」
.
-
(´・ω・`)「あ、ちょっとまって」
ミセ*゚ー゚)リ「?まだ何かあるの?」
(´・ω・`)「いや、来たみたいだから」
ミセ*゚ー゚)リ「来たって……あ」
ショボンの後ろから走ってくる一つの影。
ξ#゚⊿゚)ξ「ミーセーリー!」
ミセ*゚ー゚)リ「ショボンくん!?」
(`・ω・´)「残念。あいつらを呼んだのはおれだ」
ミセ*゚ー゚)リ「シャキン!」
建物の影から現れるシャキン。
ミセ*゚ー゚)リ「ショボンくん?」
(´・ω・`)
一回シャキンを睨んでからショボンに視線を向けるミセリ。
その視線を受けてニッコリと笑顔を見せたショボン。
ミセ*゚ー゚)リ「はぁ……」
ミセリが溜息をつくとほぼ同時に、
ショボンの横にツンとクーが立った。
その後ろにはブーン達四人もいる。
ξ゚⊿゚)ξ「ミセリ!」
ミセ*゚ー゚)リ「ごめんツンちゃん!
でも昨日みたいに反対されるとなかなか離れられないかなって思って」
.
-
ξ゚⊿゚)ξ「もう反対なんてしないわよ……」
ミセ*゚ー゚)リ「え?」
川 ゚ -゚)「ミセリがやりたいことを止めるのは、
私達のわがままだ」
俯いたツンの代わりにクーが口を開く。
川 ゚ -゚)「もちろん心配だし、出来ればそばにいてほしい。
でも、この世界に来たのも自分自身の意思ならば、
この世界で何をするのかも、
自分の意志であるべきなんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「だから……もう止めたりはしない。
でも……でも……!」
川 ゚ -゚)「離れたって、
一緒のパーティーに居なくたって、
私達は、仲間で、友達だ」
ミセ*゚ー゚)リ!
川 ゚ -゚)「私とツンは、
いや、ここにいる皆そう思っているはずだ。
だから、ミセリ、ちゃんと見送りたかったんだ。
旅立つミセリを」
ミセ*゚ー゚)リ「クーちゃん……」
クーを見つめるミセリ。
そしてそんなミセリにツンが抱きついた。
ミセ*゚ー゚)リ「つ、ツンちゃん!」
ξ゚⊿゚)ξ「離れたって、フレンドリストからは消えない!
メッセージだって送れるし、
街やフィールドダンジョンなら居場所だって分かる!
離れたって逃げられると思わないでよ!」
.
-
ミセ*゚ー゚)リ「に、逃げるって……」
ξ゚⊿゚)ξ「何かあったらすぐ連絡して!
すぐ行く!
私やクーじゃ解決出来なくても!
ブーンがショボンがドクオがシャキンがミルナがデミタスが!
絶対に誰かが力になるから!
ちゃんと連絡して!
っていうか何もなくても連絡して!
三日に一度はメッセージくれなきゃだめ!」
ミセ*゚ー゚)リ「ツンちゃん……」
ξ゚⊿゚)ξ「約束してくれなきゃこのまま離さないから!」
ミセ*゚ー゚)リ「反対しないんじゃなかったの?」
ξ゚⊿゚)ξ「反対してるわけじゃない!
約束してほしいだけ!」
ミセ*゚ー゚)リ「まったく……。
ありがとう。ツンちゃん。
クーちゃんも」
棒立ちだったミセリがツンの背に右手を回す。
そしてクーを見て左手を差し出した。
川 ゚ -゚)!
ミセ*゚ー゚)リ
ミセリの微笑みに誘われるかのようにゆっくりと近付き、
二人を抱きしめるようにクーが抱きついた。
ミセ*゚ー゚)リ「本当に。ありがと」
クーも抱きしめながら、ミセリが二人に囁いた。
.
-
街を出るミセリを見送った八人。
その姿が見えなくなると、
ショボンがゆっくりと後ろを向いた。
それを合図としたかのように、
全員が街の中心方面、
宿泊している宿屋に向かって歩き始めた。
(´・ω・`)「明日の出発はいつもより二時間くらい遅くしようか」
ショボンの提案を何かしらの反応で肯定する七人。
するとツンがショボンの横に来た。
ξ゚⊿゚)ξ「ショボン、……ありがとう」
(´・ω・`)「ちゃんと会っておかないと、
お互いに悲しいと思ったから」
ξ゚⊿゚)ξ「今日の事もそうだけど、
ミセリが本当はちゃんと覚えてるってことを、
教えてくれたこと。
あの時は気が動転してちゃんとありがとうって言えなかったから」
(´・ω・`)「……うん」
川 ゚ -゚)「私からも、礼を言わせてほしい。
ありがとう。ショボン」
(´・ω・`)「クー」
ショボンを挟んでツンとは反対側を歩くクー。
八人は、ショボンを中心にして固まって歩いていた。
.
-
( ^ω^)「また、一緒に探検出来るおね」
( ゚д゚ )「ああ。大丈夫さ」
(´・_ゝ・`)「そうだな。また一緒に遊べるさ」
('A`)「おれも、そう思う」
(`・ω・´)「忍者か……。
ここには職業ってないんだよな?ドクオ」
('A`)「うん。だからミセリはこれからエクストラスキルの『体術』を探すんだと思う」
(´・_ゝ・`)「体術?」
('A`)「うん。
ここは『ソード・アート』っていうだけあって、
剣や武器を使って戦っている。
『剣技(ソードスキル)』を駆使して。
でも、体術スキルを身に付ければ身体能力の補正が働いて、
尚且つ素手での攻撃も出来るっていう噂があったんだ。
βの時に。
噂では、アルゴがどうやってとれるかを知ってるって話なんだけど、
何故かその情報は売らないんだよな……あいつ」
( ゚д゚ )「ほー」
(´・ω・`)「だね。
僕も一回交渉したけどダメだった。
話しぶりからすると知っているのは確か見たいなんだけど」
(`・ω・´)「で、その体術を持っていると『忍者』なのか?」
('A`)「んー。まあそんな感じ。
後は短剣とか爪なんかを武器にして、
できれば投擲も鍛えてそんな恰好をすれば、
『忍者』かなって。
ミセリ達三人は、そんな遊びをしようって言ってた」
.
-
(`・ω・´)「なるほどな……んっ?」
ドクオの言葉にとりあえずの納得をしたシャキンだったが、
画面の端に現れたメッセージ到着の知らせを見てウインドウを開いた。
それとほぼ同時に次々にウインドウを開いていく。
(´・ω・`)「みんなどうしたの?」
立ち止まった七人を見て、
不思議そうに歩みを止めたショボン。
全員がそのメッセージを見て驚き、
ショボンを見た。
('A`#)「おい、ショボン」
(´・ω・`)「ん?」
ξ#゚⊿゚)ξ「いま、ミセリからメッセージが来たんだけど」
(´・ω・`)「え?そうなの?僕のところには来てないけど」
川#゚ -゚)「だろうな。この内容ならそうだろ」
(´・ω・`)「え?内容って?
っていうか、皆なんか怒ってる?」
(;^ω^)「ショボン、毎日ほとんど眠ってないってホントなのかお?」
(´・ω・`)!
ξ#゚⊿゚)ξ「その感じからして、本当みたいね」
(´・ω・`)「え、あ、いや」
( ゚д゚ )「前からおかしいとは思っていたんだ。
スキルの熟練度が早すぎるってな」
.
-
(´・_ゝ・`)「ああ。
槍はいつも戦闘時に使ってる程度だけど
投擲や調理なんかのレベルの上がり方がちょっと急だなと」
( ゚д゚ )「何か裏ワザかアイテムでもあるのかと思ったが……」
(´・ω・`)「ないですそんなもの!
もしあったらみんなにちゃんと教えます!」
( ゚д゚ )「うん。お前ならそうするだろうって思った。
最初は危険がないか自分で試すとしても、
試すだけなら結構時間は経ってるからな」
川#゚ -゚)「つまり、ミセリの言ってきたないような真実だということだな」
(´・ω・`)「あ、その……」
ξ#゚⊿゚)ξ「ショボン!?」
('A`#)「ショボン?!」
(;^ω^)「ショボン……ちゃんと言ってほしいお」
(´・ω・`)「ブーン……みんな……」
泣きそうな表情のブーンを見て、
ショボンも同じ様に辛そうな顔をした。
そして自分を見つめる全員の顔を見て、
一度深呼吸をすると頷いた。
(´・ω・`)「……うん。眠れない」
('A`#)「ショボン!なぜそんな大事なことを!」
(´・ω・`)「多分、テストタイプのナーブギアを使っている弊害なんだと思う」
( ^ω^)!
.
-
(´・ω・`)「目をつぶって少しすると、
部屋に一人でいても『音』が聞こえてくるんだ」
川 ゚ -゚)「音?」
(´・ω・`)「うん。歩く音、喋る音、
周囲の本当なら届かないような『音』が、
耳に押し寄せてくる」
( ゚д゚ )「それは『聞き耳』スキルみたいなもんなのか?」
(´・ω・`)「おそらく違うと思います。
僕が聞けるのは『音』であって声じゃないので、
何をしゃべっているのかは全くわかりません。
純粋な、『音』です」
('A`)「つまり、うるさくって眠れないってことか」
(´・ω・`)「うん。目を開けているときは大丈夫なんだけどね。
おそらく目を閉じることによって耳の働きが良くなりすぎてしまうんじゃないのかな」
(´・_ゝ・`)「普段良い『目』を封じることによって、
『耳』の性能が上がってしまうってことか?」
(´・ω・`)「おそらくですが」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあんた、今まで全然寝てないの?」
(´・ω・`)「さすがにそんなことは無いよ。
最初は2・3日徹夜すると、
気を失うように2時間くらい眠ることが出来た」
川 ゚ –゚)!
(;^ω^)「い、今はどうなんだお!?」
(´・ω・`)「最近は音に少し慣れてきたのと、
ちょっと力の使い方にも慣れてきたから、
一晩で2時間前後は眠れてるよ」
-
('A`)「おまえ……」
(´・_ゝ・`)「それで、起きてた時間にスキルを鍛えていたってことか」
(´・ω・`)「はい。
と言っても調理と投擲ぐらいですけどね。
部屋で練習出来て今有益なのはとりあえずこの二つかなと思ったので」
( ゚д゚ )「あの説明書もその時間を使って作っていたわけか」
(´・ω・`)「ええ。
スキル上げだけじゃなく、データの整理もはかどります」
(´・_ゝ・`)「で、シャキンは知っていたわけだな」
デミタスの言葉で、六人の視線が今度はシャキンに移る。
(`・ω・´)「まあな。
あ、でもショボンから相談されたりしたわけじゃないぞ。
スキルの上がり具合がおかしいから問い詰めたら、げろっただけだ」
( ゚д゚ )「ゲロとか汚い」
(`・ω・´)「うっさい」
('A`)「おれ……気付けなかった」
ξ゚⊿゚)ξ「私も……」
川 ゚ -゚)「私もだ……」
( ^ω^)「僕もだお……」
ショボンの近くに立つ四人がうなだれた。
.
-
(;´・ω・`)「さ、最初はそれなりに大変だったけど、
今考えるといろいろやることとか整理することがあったから
それはそれなりに良かったと思うんだ。
今はそれに慣れたからもう普通だし、
ちゃんと眠れてるし。
それにきっとこういう事になってなくても僕は起きて色々やってたと思うから、
そんなに気にしないで」
( ゚д゚ )!
(´・_ゝ・`)!
( ゚д゚ )「ショボンが……」
(´・_ゝ・`)「慌ててる!」
(`・ω・´)「お前らのそういう着眼点好きだなー」
(;´・ω・`)「ね、だからそんなに気にしなくていいから!」
('A`)ウツダシノウ
川 - )「私はいったい何を見てきたんだ……」
( ´ω`)「僕はダメダメだお……」
(;´・ω・`)「だ、だからね、みんな!」
ξ#゚⊿゚)ξ「うるさい!」
(;´・ω・`)「ツ、ツン!」
ξ#゚⊿゚)ξ「何を言おうが、
あんたが大事なことを黙っていたのは事実なのよ!」
(;´・ω・`)「大事なことって、それほどのことじゃ……」
ξ#゚⊿゚)ξ「大事な友達がちゃんと眠れないだなんて一大事でしょ!」
.
-
(´・ω・`)!
ξ#゚⊿゚)ξ「私が眠れないって言ったらどうする!?
ドクオが気持ち悪いって言ったらどうする!?
クーが苦しいって言ったらどうする!?
ブーンが足が痛いって言ったらどうする!?
シャキンが変なもの食べてお腹が痛いって言ったどうする!?
ミルナが目が痛いって言ったらどうする!?
デミタスが手が動きづらいって言ったらどうする!?」
(´・ω・`)「……心配で……なんとかしてそれを……」
ξ゚⊿゚)ξ「そしてそれをあんたに黙ってたことを知ったらどうする」
(´・ω・`)「……辛い」
ξ゚⊿゚)ξ「私たちの気持ちが少しは分かった?」
(´・ω・`)「……」
ξ#゚⊿゚)ξ「まだ『僕の事なんか』なんて思ってるんだったら本気で怒るからね」
(;´・ω・`)「!」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたが私たちの事を大事に思ってくれているように、
私達はショボンが大事なのよ。
いい加減、ちゃんと認識しなさい」
(´・ω・`)「ツン……」
('A`)「おれ達じゃ頼りないかもしれないけどよ」
(;´・ω・`)「そんなことは!」
川 ゚ –゚)「確かにナーヴギアからくる不調なら、
私達では役に立てることは無いだろう。
でも、何かしらのフォローはできるかもしれない。
……知らなければ、何もできないんだ」
(´・ω・`)「クー……」
.
-
( ^ω^)「考えていたことがあるお」
(´・ω・`)「ブーン?」
( ^ω^)「僕は、道具屋になるお」
('A`)「は?」
ξ゚⊿゚)ξ「え?」
( ^ω^)「ツンの作る服やクーの作る薬を売るのに、
良いと思ってたんだお
今鍛えている鑑定スキルも役立つお」
ξ゚⊿゚)ξ「あれ、本気だったの!?」
( ^ω^)「鑑定スキルを鍛えながら、
考えていたんだお。
そして、道具屋をしていれば、
色々アイテムを売る人が来ると思うんだお」
川 ゚ -゚)「そりゃあ……まあ」
( ^ω^)「今思ったんだお!
もしかしたら、『耳栓』とかあるかもしれないお!」
('A`)!
ξ゚⊿゚)ξ!
(´・ω・`)!
川 ゚ -゚)!
( ^ω^)「こんな風にみんなで考えれば、
もっといい案が見つかるかもしれないんだお!
だからショボン、抱え込むのはやめてほしいお。
話して、ほしいお……」
.
-
(´・ω・`)「ブーン……」
自分を見つめる視線に改めて気づき、
ゆっくりと仲間たちを見るショボン。
その視線は怒りを含んでいるものもあるが、
全員が優しくて、自分を思ってくれていることが分かるものだった。
(´・ω・`)「みんな……ごめん……。
そして、……ありがとう」
頭を大きく下げるショボン。
少しの間そのままでいると、
彼の足元に滴が零れ落ちた。
.
-
ミセ*゚ー゚)リ「そろそろ良いかな」
一人夜の街道を歩くミセリ。
ミセ*゚ー゚)リ「『し・か・え・し』、ハートっと。
改行して、
『理由は知らないけど、眠れてないことをちゃんと皆に話しなさいよ』っと。
こんな感じかな。
よし、ショボンくんに送信!」
少し大きめに呟きつつ、
ウインドウをタップする。
ミセ*゚ー゚)リ「みんな……大好きだよ」
ウインドウを閉じ、前を向くミセリ。
その表情は少し寂しげだが、
しっかりと前を見ていた。
.
-
次の日をミーティングに当てた八人は、
一度はじまりの街に戻り、
あの宿屋で状況の整理とこれからを話し合った。
そして彼らは、
次の日には全員で活動を再開した。
それから十日後、
シャキン達三人が五人と別れ、
独自に行動を始めた。
その別れに涙は無く、
全員が、少し寂しげではあったが、
笑顔だった。
.
-
( ^ω^)「またみんなで遊ぶことができるおね……」
ξ゚⊿゚)ξ「あたりまえでしょ」
川 ゚ -゚)「それまでは、五人で頑張ろう」
('A`)「そうだな……」
(´・ω・`)「みんな、相談があるんだ」
( ^ω^)「お?なんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「まだ何か隠しごと?」
(´・ω・`)「ちがうよ。相談」
川 ゚ -゚)「どんな内容だ?」
(´・ω・`)「ギルドを作るって話はしたよね」
('A`)「ああ。3層でできるクエストをやれば、
ギルドを作ることが出来るようになる」
ξ゚⊿゚)ξ「今の『パーティー』より良いのよね?」
(´・ω・`)「設定とかめんどくさいところもあるみたいだけど、
僕たち五人にとってはメリットの方が大きいと思う。
それに、個人で建物を購入すると個人でしか建物を管理できないけど、
ギルドで建物を買えばギルドのメンバーで建物の管理を出来るようになる」
( ^ω^)「お?どういうことだお?」
川 ゚ -゚)「ショボンが例の手帳を使って建物を買うと、
鍵を閉めたり模様替えしたり、
その『建物』に関する設定を決めることが出来るのはショボンだけだが、
ギルドとして購入すれば、ギルドのメンバーで設定を付けることが出来るってことか?」
(´・ω・`)「うん。そんな感じに考えてくれればいいよ」
.
-
( ^ω^)「アパートを買えば、
個室を持つこともできるってことかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「なるほど。
個室のカギの設定もギルドのメンバーが
個別に設定できるようになるわけね」
(´・ω・`)「うん。
今だと宿屋のドアのかぎの設定は借りた人だけだし、
それでいてパーティーメンバーだと開けることが出来るとか、
ちょっと変な設定だからね」
('A`)「ギルドの『ホーム』を作りたいわけだな。
おれは賛成だ」
川 ゚ -゚)「反対するべき点は見当たらないな」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね。いいんじゃない」
( ^ω^)「ミセリやショボンたちも一緒に暮らせるような大きな家が良いおね!」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ。絶対にみんなで」
(´・ω・`)「相談は、まだあるんだ」
('A`)「ん?」
(´・ω・`)「この前も話したけど、僕は、調理スキルを使って店をやりたいと思う」
川 ゚ -゚)「言っていたな」
(´・ω・`)「うん。ギルドとしてのお金を稼ぐこともできるし、
情報を集めるにも色々な人の集まる『店』は良いと思うんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「聞こうと思ってたんだけど、
あんた、最初からそれを見越して調理スキルを?」
(´・ω・`)「さすがにそこまで見通せないよ」
.
-
ξ゚⊿゚)ξ「どうだか」
(´・ω・`)「ブーンが道具屋さんをしてくれるなら、
僕はレストランとかカフェで情報とお金を集めるのもありかなって思っただけだよ。
そしてホームで道具屋や店を開ければいいなって思ってるんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「ま、いいんじゃない。
どうせならみんなでスキル鍛えて、誰でも店番を出来るように……」
川 ゚ -゚)「いや、ツンはやめておいた方が」
('A`)「そうだな。ツンはダメだ」
( ^ω^)「ツンは服を作るのを極めるといいと思うお!」
ξ#゚⊿゚)ξ「あんたたち!
この世界ではスキルさえ鍛えれば誰でも出来るんでしょ!」
川 ゚ -゚)「いや、それでもツンは止めておいた方が」
('A`)「おれもクーに賛成だ」
(;^ω^)「おっおっお。
やっぱり向き不向きはあると思うんだお」
ξ#゚⊿゚)ξ「むかつくわねー」
(;´・ω・`)「ま、まあ。
とりあえずこの前個人のスキルの方向性は決めたんだから、
それでいいんじゃないかな。
ツンは服飾。
ブーンは鑑定スキルで道具屋。
クーはPOT関係。
ドクオは戦闘系のソロプレイ可能なスキル」
ξ゚⊿゚)ξ「ドクオのは気に入らないけど」
.
-
('A`)「戦うのもそうだけど、
基本はみんなが進む道を先行して情報収集が出来るようなスキル設定ってことだよ。
素早く敵を見つけたり、敵に気付かれなかったりするようなスキルを鍛える」
ξ゚⊿゚)ξ「ま、よしにしてあげる」
('A`)「ありがとーよ」
川 ゚ -゚)「それで、相談とはこれで最後か?」
(´・ω・`)「いや、重要なのがもう一つ」
ξ゚⊿゚)ξ「なによ?」
(´・ω・`)「……ギルドには、
良い人が居たら勧誘したいと思ってる」
('A`)!
( ^ω^)!
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっとびっくりした」
川 ゚ -゚)「あ、ああ……」
('A`)「おれ達を守るのに、人が必要ってことか?」
(´・ω・`)「さすがにそこまで考えてはいないよ。
この二か月で、色々考えたんだ」
( ^ω^)「色んなことがあったおね……」
.
-
(´・ω・`)「うん。
……。
もちろん、いまでも最初の気持ちは変わらない。
僕はみんなを絶対にリアルの世界に返す。
それは、変わらない。
でも、シャキンと合流して、
ミセリやミルナさんやデミタスさんに会って、
思ったんだ。
『みんな』で、帰りたいって」
( ^ω^)「ショボン……」
(´・ω・`)「果てしない夢だってのは分かってる。
自分に何かが出来るだなんて思うことが、、
おこがましいことだって事も分かってる。
でも、もう、優しい人たちが消えるところを、
見たくないって思ったんだ」
('A`)「ショボン……」
(´・ω・`)「もちろんこの世界にもクズはいると思う。
嘘のうわさを流すようなカスがいるのを、
僕達は知ってしまった」
川 ゚ -゚)「……ショボン」
(´・ω・`)「だから、そんなクズから、
一人でも助けることが出来ればって……」
ξ ⊿ )ξ「いいんじゃない」
( ^ω^)「ツン……」
ξ ⊿ )ξ「反対するようなことじゃないでしょ」
(´・ω・`)「ツン……」
川 ゚ -゚)「……良い奴が、良いな」
.
-
('A`)「『お人よし』だな」
( ^ω^)「だおだお!
一緒に笑える人が良いおね!」
川 ゚ -゚)「仲間を、友達を大事に思えるような」
('A`)「自分の命と同じように、
まわりの命を大事にしてくれるような」
ξ゚⊿゚)ξ「……そう、ね。
そういう人が、良いな」
互いの顔を見る五人。
全員が、今は離れた四人を思いつつ、
そしてこれから出会える仲間たちを想像して、
穏やかな笑顔を見せていた。
.
-
以上で本日の投下を終了します。
乙と感想とご意見、ありがとうございます。
次回で二十話終了予定です。
またよろしくお願いします。
ではではまたー。
.
-
乙大分今に至る背景が見えてきたな
-
ラフィコフィの時に助けてくれた忍者ってそういうことか
-
乙です
-
おつ!
忍者の正体に衝撃受けてる
ミセリが敵側じゃなくて安心した
今後どうなるか分からないけど、本編で帰れるといいな
-
ショボシャキが突出してるとは言え、ミセリもかなり頭いいんだなー
腹黒だけどw
この後は誰に会うんだっけ?
ジョルジュかモナーだったと思うんだけど
また読み返してくるかー…
-
来てたから読みなおしたけどそのたびに新たな伏線に気づくわ
今ある話全部見てから5話とか6話見るとやっぱあいつアカンわ
-
忍者の件で15話読み返したんだが、店名とギルド名の件で混乱している。
ど
-
ど?
それでは投下を開始します。
よろしくお願いします。
.
-
あざっす!
-
12.ギルド
.
-
おう、久しぶり。
どうした?こんなところで。
ん?
おれ?
前に話しただろ?ギルドに入った経緯は。
経緯は聞いたけど理由は聞いてない?
いや、あれが理由だと思うけど。
まあ、そうだな。
簡単に言えば、こいつらと友達になりたいって思えたからだな。
一緒に泣いてくれたツンとクー。
静かに激怒していたショボン。
一見クールというかやる気がなさそうだけど、
実は熱血なドクオ。
あと、ブーンは、そうだな。
変な意味じゃなく、一緒に居ると、気持ちいいな。
ゆったりできるというか。
ほんわかできるっていうか。
な、そう思うよな。
仲間仲間。
おれはさ、あんまり仲の良い友達っていなかったんだ。
遊び仲間はいっぱいいた。
勉強するよりツレと遊んでたし、
同期と飲みにいって愚痴言って、笑って……。
でも、悩みを相談できるようなツレっていなかったんだなって。
この世界で、一人でいて、思った。
.
-
なんだよ、そんな顔するなよ。
で、ま、あの五人は、そういう友達になれるかもなって、思ったんだ。
もちろん今まで出会ってきたやつらの中にもそんな奴はいたかもしれない。
ただ、おれはそんな仲間はいらないって思ってたんだろうな。
一人で何でもできるって。
実際そうやってきたし。
けど、それじゃダメだったんだな。おれは。
きっと、ずっと、欲しかったんだ。
笑いあえるだけじゃなく、
互いの苦しみを思って、
泣ける友達や仲間が。
だからそんな顔するなって。
おれがそんなこと考えていたなんて意外だって?
はっはっは。
冗談冗談。
けどさ、正直なところ、嫌になったら抜ければいいって思ってた。
ん?今?
もちろんそんなこと考えてないぞ。
っていうか、結局一度も考えたことないな。
あ。
でも兄者と弟者が仲間になった時に一瞬大丈夫かと思ったけど。
聞いたか!だよな!
そう思うよな!
あれはホントに酷かった!
.
-
笑った笑った。
こんな感じか。
おれがこのギルドにいる理由は。
ちょっと気恥ずかしいけど、ま、いいか。
最後に?
なんだ?
ラフコフのことか……。
ショボンの事、信じられないか?
そっか。
うん。いや、うん。
そうだな。
うん。
なんだよ。
泣いてなんかないって。
そうだな。
うん。
ショボンは、ショボンなんだよな。
で、それを支えるのがあの四人で、
おれ達だと思ってる。
あいつは、おれたち全員の命を、
自分の命や自分自身の色んなものを賭けて、
守ってた。
最初聞いたときは怒ったけど、
でも、考えてみるとあいつは、
いや、あいつらは最初に会った時から、
あんな感じだったんだ。
ん?
分からないか。
実はおれもよくわからない。
.
-
怒るなって。
でもさ、別にそこはわからなくても良いって思う。
大事なのは、おれはあいつらが大切で、
そしてもちろんギルドの皆が大切で、
すごく大事だってことだと思うから。
それが分かってれば、
あとはその時その時の最善を尽くせば良いんじゃねえかな。
ん?どうした?
納得できない?
まあ、そうだな……。
でもそれは、自分で見つければいいんじゃないか?
だけど、たぶん分かってると思うぞ。
心の中では。
.
-
いらっしゃい……と、どうした?
ギルドとあいつら……ねぇ。
おれと兄者とあいつらのことは話したよな。
それでもまだ聞きたいのか?
ふーん。
めんどくさいことを考えてるな。
怒るなって。
はいはい。
じゃあお詫びに話してやろう。
そうだな……一言でいえば、『恩人』になるんだろうな。
あの五人は。
ああ、恩人。
あいつらが居なかったら、
多分おれはもうこの世界に居なかっただろうから。
だから、『恩人』。
けれど、恩人だから仲間になったわけじゃない。
ギルドに入ったわけじゃないぞ。
.
-
ああ。
もちろん恩を返したいとは思ったけど、
純粋にあいつらと一緒に居たいって思ったんだ。
いつも冷静に物事を判断するのに、
時々驚くほど情に流されるショボン。
好き勝手やっているようで、
実はかなりおれ達の事を考えているドクオ。
おれ達がバカなことをするとすぐ怒るけど、
おれ達がバカにされるようなときは烈火のごとく怒って、
そして泣きそうな顔でおれ達をかばうツン。
いやいや副長をやっているようで、
けれどギルドの事を一番に考え、
おれ達のために行動しているクー。
その中心で、にこやかに笑っているブーン。
普段は聞き役で笑ってばかりなのに、
議論や行動が停滞した時はあいつの一言で動き出すことがよくある。
そんなあいつらと、
一緒に居たいって思えたんだ。
だからあいつらの役に立つために鍛冶屋のスキルを覚えたりもした。
ま、鍛冶屋自体はおれの性格にもあってたから良かったけどな。
……そうか。
正直、いまこのギルドにいるのは
過去に色々あったやつばかりだからな。
そう思っても仕方がない。
あいつらに恩を感じているのは事実だし。
けどな、さっきも言ったけど、
それだけじゃないんだよ。
何よりあいつらがそんなのを望んでないのが分かるし、
多分それだけでギルドに入ったやつはいないんじゃないかな。
.
-
そうか。
分かった。
兄者なら奥にいる。
ああ、またな。
.
-
あ、来た。
さっき弟者と話しているのを見た。
なんか真面目な話をしてるっぽかったからな。
こっちには来なきゃいいなと思いつつドアを閉めた。
怒るなって。
で、ギルドとあいつらの事を聞きに来たんだろ?
そりゃま、想像つくさ。
あいつらね……。
笑顔で恐怖政治のギルマスのショボン。
凍て刺すような視線がキュートな副長クーちゃん。
結局ただのゲーマーな特攻隊長ドクオ。
顔は可愛いのに色々残念な伏兵ツン。
笑いながら走る切り札ブーン。
ってところか?
怒るなって。
真面目に言ってるぞ?
だから怒るなって。
.
-
ショボンの恐怖政治は、
代わりにすべての責任を自分にするためのもんだ。
ラフコフの件で知ってるだろ?
クーはショボンが情に流された時も冷静に物事を判断して進めようとしている。
けどあいつも目の奥では優しくおれ達を見ているな。
どんなに頑張っても非情にはなれないだろうし、
それが自分でも分かっている。
ドクオは好きなようにやってるし、
ショボンに対しても好きなように言ったりしている。
それを見てると、結構好きかっても良いんだってのが分かるんだ。
ショボンから依頼されたり、
ギルドとして守ることも多いけど、
結局のところ自分の命を大事にしていれば良いだけだしな。
ショボンの近いところにいるあいつがそうやっていれば、
「やってもいいんだ」ってわかるってもんだ。
そうそう。
おれも好き勝手やらしてもらうしな。
って、あいかわらずだな。
ツンは……な……。
細剣使いのくせに無茶を言いやがる。
けど、それに見合った努力もしてるから、
力を貸してやりたいって思う。
……本当はもう戦いなんてしたくないんだろうな。
お前だってあいつと戦うのイヤだろ?
ああ。おれも嫌だ。
で、ブーンか……。
あいつは究極の天然だな。
人をやさしい気分にさせる、
天性のものをもってる。
あいつののほほんとした顔を見ていると、
人を憎んだり怒ったりってことが馬鹿らしく思えてくる。
そんなあいつがギルド最強ってのもおもしろいな。
.
-
ん?いや、全員が本気で一対一で戦ったら、
多分あいつが一番強いぞ。
ああ。フサももちろん強い。
おれ達だって負けてはない。
けど、あいつのアレから逃げられるとは思えない。
だいたいフサは対人戦なら確かに強いけど、
モンスターとの戦いは普通に強いレベルだぞ。
あいつの持ち味は『剣技の種類をギリギリまで悟らせない』だから。
その点ブーンのアレはある意味完全に力押しだからな。
流石にフロアボスとかには無理だろうけど、
低層のイベントボスくらいなら一人で倒せるだろ。
なんだ、しらなかったのか。
でも、見たことはあるよな?
そうか。
限界ギリギリまでやってるのは見たことがないか。
そりゃ、あれをおれ達にやれるような非情な男じゃないからな。
ブーンは。
あれは本当に最後の手だ。
まあ連発されたらおれが倒れるけどよ。
……やっと笑ったな。
そうか。
行くか。
じゃ、またな。
.
-
!
いらっしゃいだから!
あ、そうか……。
奥で、待っててほしいから……。
久し振りだから!
とりあえずこれとこれとこれを持っていくといいから!
?
話?
わかったから……。
ふさがみんなに会えたのは、奇跡だから。
あの時、あの瞬間、あの場所に居なかったら、
ショボンに会えなくて、そしたらきっとまだフサは一人で、
木の下で、果実が落ちるのを待っていたから……。
きっと、今も。
だから、皆には、感謝しかないから。
特にショボンは、あの時のふさにとって、
神様みたいだったから。
ホントだから。
最初声をかけられたときはまた騙されるんじゃないかって不安だったけど、
話して、聞いて、聞いてくれて、笑ってくれて、
そしたら、ふさも笑ってたから。
あの時のショボンの笑顔を、
ふさは忘れることは一生無いから……。
.
-
でも、よく知って、一緒に戦うことが出来るようになったら、
それだけじゃないことを知ったから。
だから、ふさも、戦うことを選んだから。
ふさも、皆を守りたいって思えたから。
最初は怖かったから。
武器もうまく使えなくて、
戦い方も分からなくて、体に合わなくて……。
でも、刀を使った時に、分かったから。
ふさは、刀で皆を守るって。
そして、みんなのそばに居ようって。
みんな、仲間の為に自分を犠牲にするから。
だから、ふさはみんなを守るために、
誰かと戦える強さを、
出来れば一瞬で戦意を削ぐことのできる力を、
手に入れたくて頑張ってるから。
特にショボンはダメだから。
自分の事を、軽く扱いすぎるから。
クーもドクオもツンもブーンもいるから大丈夫だと思うけど、
ふさも、そのとき叱れるようになりたいって、
思ったから。
.
-
そ、そんな良いもんじゃないから!
でも、ありがとう……だから……。
あと、夢があるから。
ふさもだれかを、
ふさのように苦しんでいる人を、
助けることが出来る強さを持ちたいって、
思ったから……。
え?もう?
じゃ、じゃああとこれとこれとあれとそれと……。
で、でも!
分かったから……。
じゃあ、また、だから。
.
-
どうしたもな?
ギルドの事?
変なことを聞きに来たもなね。
ほら、まずは座るといいもな。
ショボンからもらったおいしいお茶を淹れるもなよ。
なるほどもなね……。
でも、モナーに聞いても仕方ないもなよ。
モナーは、モナーもなから。
そうもなね……。
正直モナーは、皆に初めて会った時、
皆に助けられたとき、このまま「モナーとして」死ぬのも良いかと思っていたもな。
それがここに逃げてきた自分に対する罰なのかと思ったもな。
違うもなよ。
ここに来てからは、
うん、色々あったけど、
死を選ぶほどではなかったもな。
でもビーグルと出会って一緒に過ごしているうちに、
リアルの世界に置いてきたものを、
やれることをやらなかったことを、
後悔し始めたもな。
そんな時、ビーグル目当ての奴らに襲われて、
でもまだ戦うことに覚悟が出来ていなかったから、
それならばこのまま……って思ってしまったもな。
.
-
そんな顔してもリアルの事は話さないもなよ。
ここにいる間は、
仲間や友達の事だけを考えたいもなから。
リアルの事に思いを馳せても、
それはいまは『やりたくてもやれないこと』もな。
そんなことを考えて足を止めるより、
目の前の友達の為に、やれることをやることの方が大事もなから。
やれること?
モナーはがんばっているもなよ。
VIP牧場はモナーの誇りもな。
もちろん戦いも頑張っているもなよ。
何かあった時、みんなを助ける力になりたいもなからね。
.
-
?また変なことを聞くもなね。
そうもなね。
まずショボンは、怖いもなね。
ショボンにとっての真実は、
『みんなの事が好き、大事』ってことだけみたいに見えるもな。
それ以外の事は、全部嘘みたいに見えることがあるもな。
だから、モナーはショボンを助けたいもなよ。
ショボンが自分の為に笑えるように、
力になりたいもな。
クーは綺麗もなね。
見た目もそうだけど、
その立ち振る舞いが綺麗もな。
自分の思いを出来るだけ抑えて、
皆の事を一番に考えようとしている姿が綺麗もな。
ドクオは面白いもな。
気にしていないようで、周りに気を配って、
好き勝手にやっているようで、
まわりの事を考えて行動しているもな。
ハインとの事もそうもなね。
本当はハインの事が好きで仕方ないのに、
一人の女の為じゃなく、周囲の皆の為に戦うために、
自分の思いを封印しているもな。
本当……おもしろいもなよ。
ツンは可愛いもなね。
ブーンに対する態度もそうもなけど、
こころのままに行動しようと努力しているところが微笑ましいもな。
え?
多分違うもなよ。
もちろん自分の意に沿わない事をしたり
話したりはしていないと思うもなけど、
思うがままに、我儘に、
勝手に行動したりはしていないもな。
彼女は、すごく不器用なんだと思うもな。
ブーンとは良い恋人同士だと思うもなよ。
.
-
そしてブーンもなね。
ブーンは、不思議な人もな。
最初会った時は正直、
四人の後をついてきているだけの人かと思ったもな。
でも違うもなね。
ショボンとは別の角度で四人を、
いや、VIPを支え、守っているように思えるもな。
あの五人の、
そしてVIPの、
中心なのかもしれないもなね。
これでいいもな?
え?
もう行くもなか?
そうもなか……。
それじゃ、またもな。
.
-
また……か。
一緒に戦う日は、近いような気がする。
それまでの、さよならだ。
だから、『またもな』。
ビーグルも、そう思うもなね。
.
-
『こんにちは』
『話?』
『じゃあ、中でしようか』
『突然どうした?』
『なるほど』
『気にしなくていい』
『ショボンはすごい奴だと思う。
自分達ギルドをまとめるだけじゃなく、
中層プレイヤーの育成や強化なんて、
なかなか出来る事じゃない』
『クーもショボンを支えてすごいと思う。
このギルドをまとめて戦うなんて、
なかなか出来る事じゃない』
『いや、おれの指揮なんてまだまだだよ。
ショボンとクー、そして兄者とモナーがいれば、
おれの出る幕なんてないと思うんだけどな』
『そう言うなって。
兄者は普段はアレだけど、
いざとなればしっかりするぞ』
『信じられないのも仕方ないと思うけどな』
.
-
『と、いうわけで、クーもすごい』
『ドクオも凄い。
あれだけ強くてしかもソロプレイヤー仕様のスキル構成にもかかわらず、
パーティーとしての戦いも淀みがない』
『ふつうレベルの違うやつらと戦う時は相手のレベル関係なしに戦うか、
おいしいところを低レベルに譲って自分がメインで戦うけど、
ドクオは仲間の足りない処だけを補うように戦うことが出来る』
『仲間の呼吸を読むことが上手いのかもしれない』
『そういえば、モララーもうまいな』
『え、いや、うん。ツンは』
『い、いや、そんなことは無い。
ただ、うん。そうだな。
ちょっと、苦手意識はあるかもしれない』
『ちがう!きらいじゃない!』
『その、怒られたら怖いなって思うだけだ』
『笑いたければ笑っていいぞ。
でも、ツンに怒られて平気か?』
『だろ?』
.
-
『ツンは痛いところをつくことが上手いからな。
でも、それは多分天性の物じゃなくて、
おれ達の事をよく見てよく考えているからだと思う』
『すごいよ、彼女』
『さてブーンか。
ブーンも悩むな』
『いや、つんとはまた違う』
『つかみどころがないというか。
雲のようというか』
『ブーンが五人のカナメなのは疑う余地はないが、
表現しようとすると、言葉にできない』
『そう思わないか?』
『だろう?』
『良い奴だし、努力家だし、いつも笑顔だし』
『表す言葉はいくつもあるけれど、
それだけで済ませちゃいけないような気がする』
『ブーンも、すごいやつだよ』
『もういいのか?』
『そうか』
『またな。元気で。』
.
-
またな。
かならず、また。
そして、また、話したい。
.
-
いらっしゃ……お、おう。
話?
ああ。
わかった。
奥に行ってろ。
待たせたな。
いや、大丈夫だ。
で、話って?
あいつらの事?
なんでまた。
ま、いいけど。
ショボンか。
知り合った時はただの弁当屋だと思ってたのに、
まさかギルドマスターだとは思わなかった。
.
-
んー。
いや、イメージが変わったわけじゃない、な。
ただ、ギルドマスターとしての一面をあとで知った、とういうところか。
おそらくだけど、あいつは『ショボン』という仮面、
自分で作り上げた『ショボンというイメージ』をもとに、
活動しているように見える。
ビーグルの事だって本当に好きだし可愛がっているだろうけど、
あれすら全て周囲からどう見えるかを計算しているように感じる。
驚いたか?
けどな、これはおれがそう思っているってだけで、
それが真実だとは限らないぞ。
それに、たとえ仮面だとしてもショボンが良い奴なのは変わらないし。
おれはあいつを信じてる。
友達だと思ってる。
その仮面すらひっくるめてな。
このギルドに入れてくれて、本当に感謝してる。
フサギコのこともだ。
ショボンの対極にいそうなのはブーンだな。
あいつは天然に見える。
天然で、純粋に、純潔な良い奴。
そばにいるだけでゆったりできるような、
不思議な奴。
とはいっても男だから、
色々あるっぽいけどな。
なんだよ。
それは内緒だ。
.
-
次々、今度はドクオだな。
こいつはな。
最初は暗そうな、おどおどしたゲーム好きに見えた。
ふたを開けたらおかしなゲーム好きだった。
色々とオタクだし。
でも、頼れる奴だし、信用できる。
正直ハインとの事はちゃっちゃとくっつけって思ってるけど、
それだってあいつなりに色々考えているみたいだしな。
クーはなー。
じつはあいつが一番ギルドに囚われている感じだな。
ん?
気付いてないか?
あいつがギルドの用事絡み以外で外に出てるの見たことあるか?
無いだろ。
もちろん必要なものの買い出しなんかは行っているみたいだけど、
遊びや気晴らしで外に出るなんて、ほとんどないんじゃないか。
ツンが気にして誘って外に連れ出しているし、
ショボンも時折一緒に外出したりしているみたいだけど、
ショボンが自由に動けるように、
基本的にはギルド本部に詰めてる。
おれ達を信じてないってわけじゃなく、
おれ達に重荷を背負わせないために、
そしてショボンが背負うものを少しでも軽くするために、
そうしているんだろうな。
頭が下がるよ。
.
-
さて、ツンか……。
ツンはなー。
平気でキツイこと言うからな。
それがまた的を射ているから質が悪い。
でも、いつだっておれ達の事は考えているんだよな。
無茶ぶりだって、それ以上に自分が無理しているのがほとんどだ。
だから、こちらもやってやろうって気になる。
ただ、ま、もう少し言い方は優しくしてくれてもいいと思うけどな。
だろ?
そう思うよな!
そうか。
もう帰るか。
あ、いや、おい……。
あの時は、悪かった。
酷いことを言った。
それでも!
おれが酷いことを言ったのは間違いない。
すまなかった。
ああ、うん。
今の状況のことは、聞いてる。
でも、さ……。
.
-
おれは、言葉で人が死ぬってことを、
心が死んでしまっているってことを知っているはずなのに、
酷いことを言ってしまった。
だから、謝りたかったんだ。
自己満足でしかないけど。
そう……か。
そういってもらえると、
ちょっと安心するよ。
ありがとう。
じゃ、また。
ああ。
また、ギルドで行動できるのを、楽しみにしてるよ。
あ、でも、その前に元の世界に帰れた方が良いのか。
そうだな!
ああ!
またな!
.
-
またな……。
二人とも……。
.
-
ごめんね、つきあわせちゃって。
気にするなゴルァ。
ふふ。ありがと。
それで、どうするんだ?
……。
やっぱり、許せないのか?
うん。やっぱり、こんなの、いやだ。
……。
こんなの、許せない。
そう……か。
ごめんね。つきあわせちゃって。
気にするな。ゴルァ。
でも。
おれは、おれの意志で、お前の気持ちに力を貸すって決めたんだ。
……。
だから、もう、気にするな。
……ありがとう。
けれど、きっと大変な道だ。
うん。
だから、頑張るぞ。しぃ。
うん。ギコくん。
.
-
第二十話
終
.
-
以上!第二十話でした!
乙と感想とご意見!
いつも本当にありがとうございます!
長かった!長かった!長かった!
二十話だけで半年以上!
十八話からの過去編で考えると十ヶ月!
もっとスッキリサックリ終わるはずだったのに何故かこんなに長く!
そしてこれでも結構エピソードを削ったという悲しさ。
短辺書ける人ってすごい!
ただ個人的には月に一回のペースくらいで投下できたのでちょっと満足してたりします。
さて、一応これで過去編というか各人のVIP入団編は終了です。
多分。
色々書ききれてないこともありますが、
まぁ表に出ない設定も数多くあるのが常だと思うので。
この次は、時系列的には十七話の続きになる予定ですが、
何か思いついたら能天気な閑話が書けたらなとも思っているところです。
投下方法はまた一話分まとめて投下するか、
今回のように少しずつ投下するか未定ですが、
多分次も長くなると思われますので……。
もしお時間があれば、
投下の順番ではなく時系列の順番で読んでいただけると、
もしかすると面白かったりするかもです。
自分も一回読み返すつもりです。
それではまた次回、よろしくお願いします。
ではではまたー。
.
-
おつ!
二十話良いな、皆も頑張ってるしギコとしぃも頑張ってる
二人がまたブーン達と戦うことがあったら自分も嬉しい
書きたいこと短くまとめるって大変なんだよな
次の投下も楽しみにしてます
-
乙
エタる作者が多い中、これだけ続けてくれるのはありがたい
-
おつおつ
-
乙
-
乙乙
ギコしぃの動きもそうだけどまたんきとかあの辺気になってるからなあー
楽しみにしてるよ作者
-
乙です
最初から見返したくなったわ
>>26
( ^ω^)「ミセリやショボンたちも一緒に暮らせるような大きな家が良いおね!」
シャキンかな
-
下げ忘れ申し訳ない
-
>>78
ショボンハブられててわろた
-
乙
勝手に20話で完結かと思ってた
続いてくれて嬉しい
次も楽しみにしとります
-
乙です。
原作、アニメを見直して今ブーン達はこの層でこんなことをしてるのかなーとかを考えながら読んで楽しんでます。
これからも頑張って下さい。
-
>>39
すまん>>38だけど、ど は気にしないでくれ
ギルド名と店名はシャキンに気付いてもらう為って15話に書いてあったけど、ギルド組む前からシャキンと会えてるから疑問に思ったのよ。
-
どーも作者です。
何故か最終投下日を7月と思ってのんきに書き溜めしていたら、
6月だと気付いて投下しにまいりました。
何とか三か月以内に投下できて良かった。
>>78
(´・ω・`)「ブーン……」
>>83
ふっふっふ。
ということで、投下を始めます。
今日もよろしくお願いします。
.
-
お
-
( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。
第二十一話
旅路 〜それぞれの戦い〜
.
-
日本某都市
2024年8月 本城総合病院 別館
J( 'ー`)し「あら姉者さん、こんにちは。
まずはお見舞いですか?」
乳白色の廊下。
ヒールの音を響かせて歩いていた女性に、
ナース服のドクオの母が声をかけた。
∬´_ゝ`)「徳永さん。こんにちは。
はい、先にアホ面を拝んでおこうかと思いまして」
J( 'ー`)し「あらあら」
会釈を交わす二人。
∬´_ゝ`)「ところで徳永さん。
私には一応『流石市香』という名前があるんですが」
J( 'ー`)し「あらあら」
∬´_ゝ`)「いやあの、『あらあら』じゃなくてですね」
l从・∀・ノ!リ人「姉者は姉者なのじゃ!」
J( 'ー`)し「あら妹者ちゃん。
こんにちは」
徳永の足に抱きつく幼女。
∬´_ゝ`)「未花……」
l从・∀・ノ!リ人「こんにちはなのじゃ!」
J( 'ー`)し「妹者ちゃんもお見舞い?」
l从・∀・ノ!リ人「そうなのじゃ!」
.
-
∬´_ゝ`)「はぁ……もう」
l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者とちっちゃい兄者に会いにきたのじゃ!」
∬´_ゝ`)「兄者と弟者でしょ」
l从・∀・ノ!リ人「妹者にとっては二人とも『兄者』なのじゃ」
∬´_ゝ`)「はいはい」
l从・∀・ノ!リ人「姉者からみたら二人とも『弟者』なのに『兄者』って呼んでる方がおかしいのじゃ!」
∬´_ゝ`)「……この二年で知恵を付けたわね。
良いのよこれは。あだ名なんだから」
l从・∀・ノ!リ人「成長しているのじゃ!」
J( 'ー`)し「それじゃあ妹者ちゃん、一緒に行こうか」
l从・∀・ノ!リ人「行くのじゃ!」
手をつなぎ歩き出す徳永と妹者。
顔見知りの看護師と小学生低学年の実妹が仲良さそうに歩いて行く後姿を見た姉者、
いや『流石市香』は、一度肩をすくめた後その後ろに続いた。
三人が入った部屋には、四つのベッドがあり四人の患者が横たわっていた。
本来ならベッドが六つくらい入りそうな大きな部屋だが、
各ベッドの横にはそれぞれ大掛かりな装置が設置してあるため、
それほど広くは感じない。
l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者もちっちゃい兄者も元気そうなのじゃ!」
∬´_ゝ`)「元気……ねぇ……」
J( 'ー`)し「ふふふ」
.
-
∬´_ゝ`)「ま、こいつらなら向こうの世界を楽しんではいるでしょうね。
こっちでこんなに心配しているのも知らずに」
少しだけこめかみに青筋を立て、
けれどすぐに優しげな表情で弟たちの口元を見る姉者。
ヘルメットのように頭を覆うナーヴギアは顔も鼻まで覆っているため、
口元しか見えない。
その口元には管が差し込んであり、
ほんの少し開かれている。
徳永は兄者と弟者とは別の患者に近寄り、
横のシステムを作動させていた。
l从・∀・ノ!リ人「何をしてるのじゃ!」
J( 'ー`)し「これはね、みんなが目を覚ました時に、
ちゃんと起き上がることが出来るようにするために、
眠ったまま体を動かしてあげてるんだよ」
l从・∀・ノ!リ人「???」
J( 'ー`)し「妹者ちゃんが風邪ひいていっぱい眠ったあと、
起き上がった時になんか体が動かしづらかったことない?」
l从・∀・ノ!リ人「!あるのじゃ!」
J( 'ー`)し「みんないっぱい眠ってるでしょ?
だからその時よりもいっぱいいっぱい体が動かすのが大変なの。
でもこの機械を使うと、起きた時に身体を動かすことが出来るようになるのよ」
l从・∀・ノ!リ人「すごいのじゃ!」
J( 'ー`)し「起きたらお兄ちゃんたちにいっぱい遊んでもらえるね」
l从*・∀・*ノ!リ人「遊ぶのじゃ!」
兄者と弟者のベッドの間に駆け寄る妹者。
そして二人の顔を交互に見ている。
.
-
J( 'ー`)し「ふふふ」
∬´_ゝ`)「ほんと、凄いですよね」
J( 'ー`)し「文明の利器ですからね」
∬´_ゝ`)「徳永さん、また古い言い方を」
J( 'ー`)し「私は古い女ですから」
∬´_ゝ`)「そんなこと言ってるとうちの母親に怒られるますよ。
あの人まだまだ現役のつもりだから」
J( 'ー`)し「苺さんは元気だもの。
子供四人も産んで、まだまだ活躍ね」
∬´_ゝ`)「……じつは五人目が」
J( 'ー`)し「!それはそれは!
おめでたいことで!」
∬´_ゝ`)「来年の頭ぐらいには生まれる予定なので、
それまでには解決するといいんですけど……」
J( 'ー`)し「五人目と六人目をいっぺんにってことはないの?」
∬´_ゝ`)「……怖いこと言うのやめてくださいよ」
J( 'ー`)し「ふふふ。
あらもうこんな時間。
そろそろ会議室に行きましょうか。
今日は交さんと苺さんは来られるの?」
∬´_ゝ`)「いえ、今日は二人とも仕事の都合で」
J( 'ー`)し「そうなの。
じゃあ今日は二人の代わりに宜しくね」
.
-
∬´_ゝ`)「もう大丈夫ですよ。
凄く荒れたのは最初の頃くらいで、
ここ半年以上は落ち着いていますし。
今なんてほぼ座談会じゃないですか」
J( 'ー`)し「そうなら良いんですけどね。
あの荒れた時期はお二人が居なかったら……」
∬´_ゝ`)「皆さんやり場のない思いを病院にぶつけていましたから。
特にここは設備が整っている分、何とかならないのかっていう思いがあったみたいで」
J( 'ー`)し「そうね。ここは他よりも進んでいるから」
∬´_ゝ`)「他の病院ではこんな設備は無いんですよね?」
J( 'ー`)し「無いわけじゃないのよ。
ただ全員分無いとか、少し型が古いとか。
だから私みたいにタイマーセットしてボタンをポチって訳にはいかないみたいね。
ここは事件が明るみに出た日の夜には院長が動いて最新の……違うわね、
実験段階の物もあったみたいだから、
世界最新鋭の機器を手に入れたみたい」
∬;´_ゝ`)「凄いですね。
やはり息子さんの為ってこともあってでしょうか」
J( 'ー`)し「そうねぇ。
そういう思いも無いとは思わないけど、
僅かでしょうね」
∬´_ゝ`)「そうなんですか?」
J( 'ー`)し「ええ。多分あれは医療機器マニアなだけよ」
∬;´_ゝ`)「へ?」
J( 'ー`)し「だって業者の人と話したり説明受けたりしてるときの表情ったらもう」
∬´_ゝ`)「聞きたくなかったです」
J( 'ー`)し「あらあら。
誰にも言っちゃだめよ」
.
-
∬´_ゝ`)「言えませんから安心してください」
J( 'ー`)し「ふふふ。
さてほんとに遅れちゃうわね。
行きましょうか」
∬´_ゝ`)「はい。
未花、行くわよ」
l从・∀・ノ!リ人「分かったのじゃ。
おっきい兄者、ちっちゃい兄者、またくるのじゃ!」
二人の手を一回ずつ握って姉者に駆け寄る妹者。
その瞳が少しだけ潤んでいることに姉者は気付いていないふりをしながら、
彼女の頭をやさしく撫でた。
会議室のドアを徳永が開け、姉者と妹者が部屋に入ると、
すでに席はほぼ埋まっていた。
とはいっても机の配置は会議らしくなく、
座っている人間も和気あいあいと話している。
∬´_ゝ`)「えっと……」
姉者が座る席を探すと、三人が入ってきたことに気付いた一人の男が立ち上がった。
|(●), 、(●)、|「未花ちゃん!市香ちゃん!こっちこっち!」
∬´_ゝ`)「あっ」
l从・∀・ノ!リ人「ダディのおじちゃんなのじゃ!」
∬´_ゝ`)「ちょ、こら未花、ダディじゃなくて伊達さんだって何度ってこら待ちなさい!」
五十代後半程に見える、いかつい顔をした男が、
笑顔で妹者に手招きしていた。
.
-
l从・∀・ノ!リ人「久しぶりなのじゃ!」
|(●), 、(●)、|「二ヶ月ぶりだなぁ。未花ちゃんは元気だったか?」
l从・∀・ノ!リ人「元気なのじゃ!
ダディのおじちゃんはどうだったのじゃ?」
駆け寄って伊達に抱きついた未花。
伊達は未花の両脇に手を添えると、
頭より高く持ち上げた。
|(●), 、(●)、|「おじちゃんは未花ちゃんに会えなくて寂しかったよー」
l从・∀・ノ!リ人「それじゃあ今日いっぱい遊ぶのじゃ!」
嬉しそうにあしをバタバタさせる未花と、
それをみてさらに顔をほころばせる伊達。
|(●), 、(●)、|「そうだなそうだな。そうしような」
∬´_ゝ`)「ちょ、未花、失礼でしょ。
すみません伊達さん」
|(●), 、(●)、|「なんだ、市香ちゃんは『ダディ』って呼んでくれないのか」
慌てた市香が近寄ると、伊達が未花を下ろす。
未花は「あとで遊ぶのじゃといって空いている椅子に座った。
∬´_ゝ`)「……呼びません」
ため息交じり、呆れたように伊達を見る市香。
|(●), 、(●)、|「呼んでほしいな〜。
年寄りの頼みを聞いてくれないのか〜」
∬´_ゝ`)「泣く子も黙る大番長、『伊達涼一』がそんなしおらしいことを言っても駄目です」
|(●), 、(●)、|「ちぇーっ。
……ところでその『大番長』って誰に聞いた?」
.
-
∬´_ゝ`)「みなさんから」
不思議そうに周囲を見る市香。
事の成り行きを面白そうに見守っていた周囲の者たちが、
慌てて視線を逸らす。
|(●), 、(●)、|「お前たち……」
_、_
( ,_ノ` )y━・「だめですよ伊達さん。
それなりな年齢の人間はみんな知ってますから」
未花の隣に座っていた男が口に白い棒を銜えながら揶揄した。
|(●), 、(●)、|「おまえと苺だってすごいだろうが。
渋澤苺と隆一の歩いた後は雑草も生えないとか」
_、_
( ,_ノ` )y━・「昔の話ですね」
|(●), 、(●)、|「お、れ、も、昔の話だろうが」
_、_
( ,_ノ` )y━・「その後一念発起して、
防衛大に入学してある程度まで上り詰めたあなたはまだまだ現役でしょう?」
|(●), 、(●)、|「残念ながらもう現役じゃないぞ」
_、_
( ,_ノ` )y━・「私が何も知らないと?」
|(●), 、(●)、|「ほお、何を知っているというんだ?」
_、_
( ,_ノ` )y━・「言っても良いのならば言いますが?」
どこか余裕のある渋澤と、
目の座った伊達が互いを見る。
J( 'ー`)し
その異様な空気に徳永がそばに近寄ろうとした時だった。
.
-
「おじさん、その口に銜えているものは何ですか?
この部屋は禁煙ですよ」
_、_
( ,_ノ` )y━・「ん?これは……」
パイプ椅子に浅く腰かけていた渋澤が姿勢を正し、
銜えていた電子タバコを置いた。
_、_
( ,_ノ` )y━・「煙も出ないし電子タバコだからいいかなって」
∬´_ゝ`)「未花に悪影響なので止めてください」
_、_
( ,_ノ` )「はい」
∬´_ゝ`)「伊達さんも」
|(●), 、(●)、|「は、はい」
無表情に伊達を見る市香。
自分の子供と同じ年頃の女性に見つめられ、
直立不動になった伊達。
∬´_ゝ`)「私のした失言からではありますが、
もう少し場所と立場をわきまえていただけますか」
|(●), 、(●)、|「はい!」
∬´_ゝ`)「よろしくお願いします」
黙って未花の隣、
先ほどまで伊達の座っていたパイプ椅子に座る市香。
未花の隣を取られ悲しそうな顔をした伊達だったが、
大人しくその横のパイプ椅子に座った。
大人しくオレンジジュースをストローで飲んでいた未花だったが、
そんな大人達の行動を見てから、
ボソッと呟いた。
l从・∀・ノ!リ人「最近姉者は母者によく似てきたのじゃ」
.
-
先程から市香を通して流石苺、
流石家の女帝こと『母者』を思い出していた一同は、
心の中で大きくうなずいた。
J( 'ー`)し「(さすが、苺さんの娘って言ったら怒られるかしら)」
徳永は、入り口のそばに立ってその様子を微笑みながら見ていた。
するとドアが開き、一人の女性が入ってきた。
|゚ノ ^∀^)「すみません、遅れました」
J( 'ー`)し「大丈夫ですよ。まだこれからですから」
|゚ノ ^∀^)「みたいですね。良かった」
J( 'ー`)し「怜奈ちゃんも皆勤賞ね」
|゚ノ ^∀^)「……やっぱり、気になりますから。
私がナーヴギアなんて買っておかなければ、
郁弥がやることなんてなかったから……」
J( 'ー`)し「怜奈ちゃん……」
悲しげに微笑んだ怜奈。
徳永も、その微笑みに困ったような微笑みで返すことしかできなかった。
.
-
アインクラッド
プギャーの持つ片手剣が身の丈2メートルを超える猿人を切り裂いた。
自身のHPバーを黄色に変えられた猿人は、
雄叫びをあげつつ闇雲に曲刀を振り回す。
それを危なげなくすべて避けてから、
追撃の突きを与え、バックステップで離脱した。
( ^Д^)「よし!あとは頼む!」
プギャーの声に合わせて向かう剣士と槍使い。
( ^Д^)「前にも言ったけど間合いに気を付けろよ!
深追いせずにスイッチしろ!」
剣士「はい!」
槍使い「はい!」
( ^Д^)「よし!任せたぞ!」
( ´ー`)「こっちは間もなく終わるから大丈夫だーよ!」
| ^o^ |「任せてほしいです!」
( ^Д^)「そっちは最初から任せてる!」
それぞれに一体ずつ猿人を相手に戦っているシラネーヨとブーム。
自分の背後で戦っている二人に、
振り返らずに声をかけるプギャー。
そんなプギャーに近寄る一人の男。
爪'ー`)「お疲れ」
.
-
( ^Д^)「お前も戦えよ」
爪'ー`)「一体くらい、あの二人で大丈夫だろ」
そう言いながら、プギャーの見守る先で戦う剣士達を同じように見る。
爪'ー`)y‐
片手に装着された銀の爪が陽光に煌めく。
( ^Д^)「(いつでも駆けつけられるように準備はしてるか)」
爪'ー`)y‐「ん?なんだ?」
( ^Д^)「いや、何でもない」
爪'ー`)y‐「……これでもリーダーだからな」
照れくさそうに頭を掻いた男を横目で見てから、
プギャーは少しだけ笑みを見せた。
夕方。
無事にクエストを終了させた六人は、
50層に来ていた。
爪'ー`)「おまえらはしゃぎ過ぎて変なもの買うなよ!」
「「はーい!」」
喧騒に包まれた街を駆けていく剣士と槍使い。
爪'ー`)「まったく……」
それを見送った男は小さくため息をついた。
( ^Д^)「すっかり引率の先生だな」
.
-
爪;'ー`)「やめてくれ」
| ^o^ |「二人はフォックスをとても慕っているから」
( ´ー`)「『狐ヶ崎の狐』もあの二人には形無しだーよ」
爪;'ー`)「ホントにやめてくれ。
ちょっと助けただけなのに、ずっと後ろを付いてきやがる」
項垂れるにフォックスを見て笑う三人。
| ^o^ |「この世界で命を助けられたら慕いますよ」
( ´ー`)「諦めてリーダーやるだーよ」
爪;'ー`)「はぁ……。タバコ吸いてえ……」
更に笑う三人。
( ^Д^)「今日はこの後どうすんだ?」
爪'ー`)「この後?あいつらも自分達だけで帰られるだろうから、
おれも少しぶらつくつもりだけど」
( ^Д^)「おれらは道具屋に一件寄った後、
バーボンハウスに行くつもりだけど、行くか?」
爪'ー`)「バーボンハウス……。若様の所か」
( ^Д^)「若様って」
爪'ー`)「マシロの跡継ぎ、若殿様だろ?
だから若様」
( ´ー`)「ショボンがそうだってフォックスに聞いた時には驚いただーよ」
爪'ー`)「しらなかったお前らにおれがびっくりした」
| ^o^ |「普通は知らないですよ」
.
-
爪'ー`)「まあなー。おれは伯父さんに聞いてたから知ってたってのはあるけど。
でも本城病院がマシログループってことは知ってただろ?」
| ^o^ |「まあそれは知っていましたが」
( ´ー`)「だからってその息子がマシロの跡継ぎだとか、
更に言えばショボンが本城病院の関係者だなんて知らないだーよ」
爪'ー`)「もうちょっと街の事に目を向けろよ。
マシロが栄えれば街も栄えるぞ?」
| ^o^ |「!そこまで考えていたのですか?」
爪'ー`)「いや、おれはただのゴシップ好き」
( ´ー`)「勝手にするだーよ」
( ^Д^)「でもそうなると、あの人もそうなるってことだよな。
姉ちゃんの話では、頭は良いらしいし」
( ´ー`)「プギャー?」
( ^Д^)「あ、いや、何でもない」
( ´ー`)?
爪'ー`)「そうだな。ちょっと聞きたいこともあるしおれも行くか」
( ^Д^)「そうか。じゃあ先に道具屋も付き合ってくれ」
爪'ー`)「分かった」
プギャーとシラネーヨを先頭に歩き始める四人。
意味ある戦闘、やり遂げたクエストの充足感から、
心地よい疲労が四人に満ちていた。
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