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( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。
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立ったら投下できる。
-
(´・_ゝ・`)「一応ショボンに確認してもらえるか?」
( ・∀・)「それもそうだな。
聞いてみる」
ウインドウを出すモララー。
そのままメッセージを打ち始める。
/ ゚、。 /「ショボン?情報屋、か?」
(´・_ゝ・`)「いや、こいつのギルドのマスターなんだ。
クエストの情報を整理してあるから、
分からないことがあると聞くことにしていてな」
/ ゚、。 /「三人は、同じギルド……では、ないの、か」
三人をゆっくりとみるダイオード。
彼の視界に映る情報に、モララーとデミタスとでは違うギルドマークが浮かぶ。
/ ゚、。 /「君はギルドに、入って、いないんだな」
ζ(゚ー゚*ζ「はい。
ソロと言えばカッコいいですけど、
いつも色んな人の後ろにくっついたりしてクエストとかやってるんです」
照れくさそうに頭を掻くデレ。
ζ(゚ー゚*ζ「今日もモララーさんのお店で鉱石の話になって、
そしたらモララーさんが一緒にクエストやろうかって言ってくださって。
たまたまお店にいらしたデミタスさんも一緒にやってくださるって言って」
/ ゚、。 /「ほぉ」
ζ(゚ー゚*ζ「ありがとうございます。
モララーさん。デミタスさん」
.
-
(*・∀・)「いやいやデレさんのおねがいだからじゃなくて
お得意さんのお願いだしと言っても誰のお願いもOKするわけじゃないけれど
ってことはやっぱりデレさんのお願いだからということになってしまうわけだけど
でもそれだけって訳でもなくて色々と色んなことがあって」
(´・_ゝ・`)「ま、おれ達も少しやってみたかったクエストだからってことだ」
( ・∀・)「ああ、まあ、そんな感じ」
(´・_ゝ・`)「返答来たのか?」
( ・∀・)「んーと。あ、来た。
…………うん。大丈夫、だって。
デミタス、戦闘の注意点も来たから一応転送しておく」
(´・_ゝ・`)「ん、頼む」
デミタスがウインドウを開き、
モララーがウインドウを閉じた。
(´・_ゝ・`)「……なるほど」
( ・∀・)「ダイオード、
このクエストは四つ続いて完了だけど、
それぞれに鉱石がもらえる。
次のクエストをやるにはその鉱石を使わないといけないから、
途中のクエストで欲しい鉱石が出るならそこで終わるわけだけど、
おれ達は四つ目までやるつもりだ。
ダイオードはどこまでやる予定なんだ?」
/ ゚、。 /「欲しい、鉱石は、
『アダマントライト=プラス』」
(´・_ゝ・`)「じゃあ最後まで一緒だな」
( ・∀・)「おーけー。
じゃあラストまでよろしく頼む」
/ ゚、。 /「こちらこそ」
.
-
握手をするモララーとダイオード。
その二人をニヤニヤとほほ笑みながら見るデミタスとデレだった。
バーボンハウスのカウンターでは、
見慣れた光景が広がっていた。
(´・ω・`)「はい、ありがとうございます」
ウインドウで渡された食材を確認するショボン。
昼を過ぎて休憩時間としたため客は誰もおらず、
カウンターには三人がいるだけだった。
( ФωФ)「うむ。良かったのである」
(-_-)「良かった」
(´・ω・`)「これで……」
カウンターの中には立ったままのショボン。
カウンターの椅子にロマネスクとヒッキーが座っている。
ロマネスクのウインドウが開かれ、
いくばくかのコルが提示された。
( ФωФ)「はて?この金額は?」
(´・ω・`)「今日で前回のクエストの金額は完済になりました。
お疲れさまでした。
この金額はオーバーした分です」
( ФωФ)「!なんと」
(-_-)「え、でも、あともう一回くらいあったはずじゃ」
.
-
(´・ω・`)「魚の方は同じですが、
鉱石の方が全体的に高騰していまして、
その分だけ高く計算させてもらっています」
( ФωФ)「そうであるか!」
(-_-)「へー。そうなんだ」
( ФωФ)「だ、だが良いのであるか?
必要でないものを高く買ってしまっておるのでは」
(´・ω・`)「鉱物に関してはこちらで指定したものですから、
相場に従わせてもらいますよ。
といいますか、前々回から少しずつ買取金額を上げています。
今も送りましたけど各品の買い取り単価表は……」
(;ФωФ)「あー。もらっているのは分かっているのであるが……」
(´・ω・`)「見ていないんですか?」
(;ФωФ)「ショボン殿はずるなどはしないとおもっているのである」
(´・ω・`)「そういう事ではなく、ちゃんと確認してください。
まあこれで終わりですからもう見ることは無いと思いますけど」
(;ФωФ)「いやまあそうであるようなないような」
(´・ω・`)「?」
( ФωФ)「あ、だがこのコルはそのまま収めてほしいのである。
予定よりも遅くなってしまったため、
微々たるものではあるが利子代わりとして受け取っていただきたい」
(´・ω・`)「ちゃんと支払予定日前に連絡もいただいてますし、
その後は一回の支払い額を予定より多くしてもらっています。
ギルドとして利子などもいただいていませんから、
逆にこちらとしても受け取るわけにはいかないです。
これは対等な取引ですから、
ちゃんと受け取ってください」
.
-
( ФωФ)「……分かったのである」
コルをそのまま受け取るロマネスク。
(´・ω・`)「お疲れさまでした」
そしてショボンの差し出した手を握った。
( ФωФ)「それでその、じつは」
ロマネスクが何かを離しだそうとしたと同時にドアベルが鳴った。
(`・ω・´)「開いたってことは誰かいるだろー」
(´・ω・`)「シャキン……」
(;ФωФ)「シャキン殿」
(;-_-))
豪快に店の中に入ってくるシャキン。
握手した手を離した二人はそれぞれに彼の名を呼び、
ヒッキーは静かに頭を下げた。
(`・ω・´)「相変わらず大人しいなあお前は」
ヒッキーの頭をガシガシと撫でるシャキン。
(;-_-)「や、やめてください」
(`・ω・´)「お、声でたな。こんちは、ヒッキー」
(;-_-))
シャキンが一度離した手をもう一度頭に近付ける。
(;-_-)「こ、こんにちは。シャキンさん」
.
-
ヒッキーの挨拶を聞いてから手を下ろし、
ニヤッと笑った。
(;ФωФ)「シャキン殿、あまりヒッキーで遊ばないようにしてほしいのである」
(`・ω・´)「心外だなロマネスク。
おれは心配しているんだぜ。
ちゃんと喋らないと誤解されたりするからな」
(´・ω・`)「はいはい。
で、どうしたのシャキン。
連絡よこさないで来るのは久し振りだね」
(`・ω・´)「ん?ああ。
ロマネスク達が来てるだろうから遊びに来た」
(;ФωФ)「それは……」
(((;-_-)))
(´・ω・`)「一応真面目な話をしていたんだけど、
まあもう終わったからこちらは良いけど」
(`・ω・´)「そうか!」
(;ФωФ)!?
(;;-_-)!?
(`・ω・´)「じゃあまたあの店に行こうぜ!
奢るからさ。誰も付き合ってくれないんだよ。
新しいメニューが出たみたいで」
(;ФωФ)「じ、実は別に依頼があるのである!」
(´・ω・`)「え?」
(;-_-)))
.
-
(;ФωФ)「やりたいクエストがあるので、
それをやるための見積もりをお願いしたかったのである」
(´・ω・`)「クエスト……ですか?」
(;ФωФ)「そうなのである。
特に急ぎではないので、
今度は先に代金を支払えるようにしたいのである」
(´・ω・`)「……はい。
それでは、受けるかどうかは別になりますが、
まずは詳しいお話を」
(;ФωФ)「よ、よろしくお願いするのである」
(`・ω・´)「なんだよー。まだ仕事のあるのかー。
おれも夕方からちょっと用事あるんだよな。
じゃあヒッキー、お前だけでも」
(;;-_-)「ぼ!ぼ!ぼくも話に参加したいので!」
( ФωФ)「え?ヒッキー大変な話はめんどくさいって」
(#-_-)「ロマネスク!
僕も話に参加するから!って!
言ったよね!」
(;ФωФ)「あ、そ、そうであったな。
うむ。勘違いしていたのである」
(`・ω・´)「ちぇー。
じゃあおれも話聞いてようかな。
暇だし。
うん。そうしよう」
( ФωФ)
(-_-)
.
-
(`・ω・´)「で、なんのクエストをやりたいんだ?」
ヒッキーの隣に座るシャキン。
少しだけ納得がいかない顔をしつつ、
ロマネスクとヒッキーは話し始めた。
森を歩く一人の青年。
そこは中層、といっても下層に近いフロアであり、
出現するモンスターのレベルはそれほど高くは無かった。
しかしそれほど重要な森ではなく、
一部のクエスト、
しかも通常は重要ではないクエストを行うためだけの森であるため、
今はひっそりとしていた。
そしておそらく、
この層を根城にする程度のプレイヤーは、
彼を見たら踵を返し、
逃げ出すだろう。
何故ならば、
彼の頭に浮かぶカーソルは、
オレンジ色をしているのだから。
『オレンジプレイヤー』
他のプレイヤーを傷つけたプレイヤーは、
自分の頭に浮かぶカーソルがオレンジ色になる。
それ以外の要因でもオレンジ色にはなるが、
何故オレンジになったのかを見ただけで知る方法は基本的には無いため、
カーソルをオレンジに変えたプレイヤーは他者から
『他のプレイヤーを傷つけた、もしくは殺した者』
と思われ、忌み嫌われる。
( ゚д゚ )「うん。よし。そうだな」
.
-
オレンジプレイヤーであるミルナが、
ウインドウを開き何かの操作をしながら、
そして独り言を呟きつつ歩いていた。
( ゚д゚ )「それにしても、
これを戻さないとあいつらの所にもどれないな。
くそっ」
森の道はそれほど広くはないが、
一人で歩くには十分すぎる幅だ。
( ゚д゚ )「次は出るぞ。
狼1と蜂2。8分で熊1と蜂1」
呟いて、ウインドウを閉じる。
( ゚д゚ )「しかし、よくもまあこんな戦闘を思いつく」
片手斧を、
片手と言ってもかなり大きいのだが、
それを片手で器用にくるくると回していた。
( ゚д゚ )「でもまあ、さぼってたツケが回ってきたってことだからなぁ」
自嘲気味に呟いた後も、
そのまま足を進める。
( ゚д゚ )「さて、次か」
メイン武器としている片手斧を持つ手に力を籠めるミルナ。
一人、ゆっくりと次のエリアに移動する。
移動した先も、先程と同じような一本道だった。
少し広めの道。
両側には鬱蒼とした樹木。
そして、道の中央を進む。
.
-
( ゚д゚ )「まずは狼と蜂……」
道を三分の一ほど進んだ時に、
彼の目でも分かるほど空間に歪みが生まれた。
( ゚д゚ )
黙って武器を構える。
そして目の前に、情報通りの敵が現れた。
( ゚д゚ )「!」
ミルナが斧を振り被る。
構えるとほぼ同時に黄色に輝く斧。
一歩分踏み込み、
そのまま斧を投げた。
回転する斧が直線で飛ぶ。
そして一匹の蜂に命中した。
( ゚д゚ )「今度こそ!」
蜂の胴体を分断させた斧。
蜂はそのままポリゴンと化した。
( ゚д゚ )「よし!」
斧はそのまま回転しつつ弧を描くように飛び、
ミルナの手元に戻ってきた。
片手斧剣技『ブーメランショット』
片手斧と片手槌にだけ存在する『帰ってくる』投擲攻撃。
しかしその扱いはとても難しい。
( ゚д゚ )「よっしゃぁ!」
.
-
少しだけもたつきながらも無事に柄を掴んだミルナ。
だが掴んだ瞬間に技後の硬直が発生した。
( ゚д゚ )「……っ」
その間にも狼と残った一匹の蜂がミルナに向かう。
( ゚д゚ )「……おい、ちょっと遅いだろ」
ミルナが口にする直前、
木々の中から影が飛び出していた。
一撃離脱。
影は次々にモンスターに襲い掛かり、
そのまま森に飛び込み、
そしてまた飛び出して攻撃を与えた。
武器はそれぞれに違うようだが、
共通するのは『片手用』であるということだろうか。
更に言うと武器は全く光っていないため、
剣技を使っていないように見える。
( ゚д゚ )「よし、次行くぞ!」
硬直の溶けたミルナが片手斧を振り上げ、
先程と同じように投げた。
黄色に輝く斧が回転しながら空間を切り裂くように飛ぶ。
同じように蜂に当たるが、今度は翅の部位破壊をするにとどまった。
( ゚д゚ )「だめかっ」
戻ってくる斧から一瞬目を離す。
( ゚д゚ )「あっ!」
.
-
斧を取るのに失敗してしまう。
何とか柄に手を当てることは成功したため
後方に飛んで行ってしまうようなことは無かったが、
しっかりと掴めず落としてしまった。
( ゚д゚ )「うっ」
技後硬直。
( ゚д゚ )「たのんだぞ」
地に落ちた蜂は、既に影の攻撃でポリゴンへと変わっていた。
雄叫びをあげる狼。
怯むことなく飛ぶ影は、短刀でその体を切り裂く。
HPバーは色をなくし、狼もポリゴンに変わった。
( ゚д゚ )「よし、次は熊と蜂だな。
次は通常攻撃の後に波動をやるから、
気を付けろよ」
自分しかいない。
いや、自分しか見えない森の道で、
ミルナが話す。
しかしすぐに目の前の空間が歪み、
一匹の熊と蜂が現れた。
( ゚д゚ )「はっ」
熊が実体化するタイミングで駆け寄ったミルナは斧を左下から右に振り上げる。
切り裂かれた熊の皮膚。
避けた隙間から見える赤いポリゴンが、
この世界が現実世界でないことを思い出させた。
.
-
( ゚д゚ )「ふっ」
しかし気にすることなく手首を返し、
腕を肘から切り落とすように斧を振り下ろす。
悲鳴のような叫びをあげる熊。
( ゚д゚ )「だめか」
両手を上げた熊を見て、
後方に飛ぶ。
その間にも影は蜂を攻撃していたが、
倒すことはできていない。
( ゚д゚ )「よし!範囲攻撃いくぞ!」
斧を構えるミルナ。
彼の後ろから影が飛ぶ。
( ゚д゚ )「え?」
影に気付いた時には、
既に赤く光る斧を左から右へ水平に薙ぎ払っていた。
(; ゚д゚ )「ちょっおまっ」
技後の硬直を起こすミルナの視界の中に、
ミルナの放った衝撃波に当たる影がいた。
(#゚д゚ )「プギャー!!!!」
(;^Д^)「あー。悪い。すまん。ごめんなさい」
無事に敵を倒し次の安全エリアまで移動したミルナ。
.
-
仁王立ちし、右手に持った斧で目の前に正座しているプギャーの頭をつついている。
(#゚д゚ )「衝撃波の範囲に飛び込むとか馬鹿すぎるだろう!
弱い武器で戦っているから良いものを、
普段の武器で戦っていたらどうなっていたか分かっているのか!」
( ^Д^)「……すまん」
「そこで怒ってたのですね」
周囲の草むらから聞こえる声。
( ゚д゚ )「ん?」
「またクエストやり直しだからね」
「大変だ 」
( ゚д゚ )「!」
慌ててウインドウを出すミルナ。
そして現在受けているクエスト一覧を確認する。
(;゚д゚ )「……そんな……」
「頑張るだーよ」
(;゚д゚ )「!シラネーヨ!!」
!
(#゚д゚ )「出てきてお前も正座!」
(;´ー`)「えー」
木々の中から現れるシラネーヨ。
マントを付けたままプギャーの隣に正座した。
(#゚д゚ )「もとはと言えばお前が帰ってくる斧に当たるっていう凡ミスをしたからだろうが!」
.
-
(;´ー`)「さっき散々謝っただーよ」
(#゚д゚ )「どちらにせよお前達は注意力が散漫だ!
もっと周りの動きを気にしろ!」
(;^Д^)「はーい」
(;´ー`)「だーよ」
(#゚д゚ )「『はい』は短く!
『だーよ』は返事と認めん!」
(;^Д^)「はい」
(;´ー`)「はいだーよ」
(#゚д゚ )「大体おまえたちは……」
「説教するよりさっさと戻った方が良いと思うんだけど」
「私達の事を思っての説教だと思われます」
(#゚д゚ )「せっかく一緒にいるんだから、
もっと見習ったらどうだミセリや……」
「あら、照れるちゃう。ねっ」
「*……照れる 」
(#゚д゚ )「今回の訓練はおれの技の熟練度を上げるだけじゃなく、
お前達の動きのだな……」
「!ミルナさんがレベルの低い武器を使っているのは、
一度の戦闘で技を出す回数を増やすだけじゃなく当たったことの事を考えて!」
「そりゃそうでしょ。
ショボンくんの指示みたいだし。
レベルが高いから武器のレベルが低くても危ないことには変わりないけどね」
.
-
「HPが四分の一を切る前にPOT回復するよう、
ショボンさんの指示だ 」
「はぁ……」
「ところで、そろそろ止めて行かない?
帰るの深夜になっちゃうよ?」
「そ、そうですね」
(#゚д゚ )「基本的のお前たちの動きはだな」
|; ^o^ |「み、ミルナさん。
そろそろアライメント回復クエストのやり直しを始めないと帰るのが深夜に……」
( ゚д゚ )!
周囲の木々の中から現れたブームが話しかけると、
ミルナは一瞬戸惑った後に、
何もなかったように冷静にこれからのスケジュールの相談を始めた。
(´<_` )「はい」
( ><)「ありがとうなんです!」
VIP農園。
弟者に渡された花束を大事そうに受け取るビロード。
その横ではクックルがにこやかにその光景を見ている。
( ゚∋゚)『いつもありがとう』
( ><)「クックルさんに作ってもらう花束が綺麗で、
ぽっぽちゃんも喜ぶんです!」
.
-
(´<_`;)「あー。そうなんだ」
( ><)「どうしたんですか?」
(´<_`;)「いや、渡す相手がそこにいるから。
サプライズじゃないんだなって」
( ><)「……サプライズはもうあきらめたんです」
(´<_` )「なんかごめん」
(;゚∋゚)
(*‘ω‘ *)「かわいいっぽ」
( <●><●>)「ビーグルさんが可愛らしいのは分かっています」
弟者とクックルの視線先には、
ビーグルの頭を撫でているぽっぽとワカッテマスがいる。
( ´∀`)「撫でてもらって良かったもなね」
▼*・ェ・▼「きゃんっ」
_
( ゚∀゚)「しかしお前たちもおれ等の事が好きだよな」
( <●><●>)「それがものすごいうぬぼれだということはわかってます」
_
( ゚∀゚)「だっておれ達の指導を受けるために予約待ちしたり、
花買いに来たり、バーボンハウスだってよく来てるんだろ?」
(*‘ω‘ *)「明確に『指導』をしてくれるのはここだけだっぽ。
強くなるためには一番だっぽ」
( <●><●>)「花を買いに来るのはビーグルだけですし、
純粋に美味しくて安価だからバーボンハウスに通わせていただいているだけです」
.
-
( ><)「いつも二人ともVIPは理想だって言ってるのに」
花束を持って近づいてきたビロードがぼそりと呟く。
(*‘ω‘ #)「……空気を読めっぽ」
(#<●><●>)「ビロードにそれを求めるのが無理だということは分かってます」
左右からビロードのこめかみ辺りを拳でぐりぐりと押す二人。
(;><)「な、なんですか二人とも!
止めるんです!」
_
( ゚∀゚)「ホントに仲良いな」
(´<_` )「良いトリオだ」
( ´∀`)「仲良きことは美しきこともな」
( ゚∋゚))
▼・ェ・▼「きゃんっ」
( ´∀`)「そういえば、また次を申し込んでくれてるもなよね?」
( <●><●>)「また待たされるのは分かってます」
( ´∀`)「シャキンが、
NSで良ければまた一緒にクエストやっても良いぞって言ってたもなよ」
( ><)「本当ですか!」
(*‘ω‘ *)「それは嬉しいっぽ」
( <●><●>)「とてもありがたいですが、ご迷惑では」
( ´∀`)「NS全員で行くわけじゃないし、
最近増えた低層のクエストをやりに行きたいみたいだからちょうど良いって言っていたもな。
それに前に一緒にクエストして、シャキンが三人を気に入ったみたいもなよ」
.
-
(*‘ω‘ *)「あの猪突猛進ギルマスはすごかったっぽ」
( ><)「エクストさんの特攻もすごかったんです!」
( <●><●>)「トソンさんの冷静さも参考になります」
( ><)「ミルナさんとデミタスさんも優しくて、強くて、
勉強になるんです!」
(*‘ω‘ *)「ハインさんの指示も的確で勉強になるっぽ」
がやがやと騒ぐ三人を、
四人は見守っていた。
流石武具店。
店の中には兄者とブーンがいた。
( ´_ゝ`)「ん。サンキュー。
依頼したのは全部ある。
助かった」
( ^ω^)「まいどありがとうだお」
トレードウインドウを見ていた兄者が操作をすると、
ブーンには自分のウインドウにコルが入る音を聞いた。
( ´_ゝ`)「それで、参考になるようなものは見つかったか?」
( ^ω^)「なかなかないお。
いっそのこと第一層とか見に行ってみようかと思うけど、
はじまりの街に行くのは……」
( ´_ゝ`)「……あそこはな」
.
-
( ^ω^)「だおね……」
手に取っていた手甲を台の上に戻すブーン。
( ^ω^)「今日は弟者は?
弟者にも頼まれていたものがあるんだお」
( ´_ゝ`)「そうそう、聞いてる。
おれが受け取るよ」
( ^ω^)「わかったお」
ウインドウを操作し始めるブーン。
( ^ω^)「弟者はおでかけかお?
この前クックルから行き詰ってるみたいだってのは聞いたけど」
( ´_ゝ`)「いや、今日は鍛冶屋同士の会合だ」
( ^ω^)「おっおっお。そんなのがあるとは知らなかったお」
( ´_ゝ`)「最近だよ。
もともとは師事していた人が同じ鍛冶屋同士で
連絡を取り合っていただけだったんだが、
ちょっとそうも言っていられない状況になってきてな」
( ^ω^)「お?」
( ´_ゝ`)「ここのところ、
ひと月に一人くらいのペースで鍛冶屋が殺されている」
(;^ω^)「そ、それは本当なのかお?」
( ´_ゝ`)「『鍛冶屋が狙われている』のか、
『たまたま鍛冶屋が殺された』だけなのかは正直分からん。
だが、情報はまとめておいた方が良いだろうってことになってな。
今までも鍛冶屋同士で誰かしらとつながってはいたから、
声をかけて集まり始めたんだ」
.
-
( ^ω^)「おー。
それ、ショボンには」
( ´_ゝ`)「実は繋がった全員が集まるのは今日が初めてなんだ。
だからまだ言ってない」
( ^ω^)「僕から少し伝えておくかお?」
( ´_ゝ`)「いや、弟者が帰ったら情報をまとめて、伝えるさ。
まあアルゴが既に気付いて動いているようだから、
そこから話がいっているかもしれないが」
( ^ω^)「わかったお。
兄者も弟者も気を付けてくれお」
( ´_ゝ`)「ああ。分かってる。
うん。弟者に聞いていた内容もそろってる。
助かったよ」
喋りながらもウインドウを操作していた二人。
ブーンのウインドウに再びコルが入る音がした。
それと同時に開かれる流石武具店の扉。
( ・∀・)「客だぞー」
( ´_ゝ`)「お前は客じゃない」
( ^ω^)「モララーおいすー」
( ・∀・)「お客様をお連れしたんだよ!」
って、ブーンちっす。
ここで会うのも珍しいな」
( ^ω^)「今日の僕は配達人だお。
で、お客ってのは後ろの人かお?」
( ・∀・)「その通り!
デレさんどうぞ!」
.
-
ζ(゚ー゚*ζ「あ、こ、こんにちは」
モララーは二歩店の中に入り、
扉を支えながら後ろから店内を覗くデレを二人に紹介した。
( ・∀・)「この方は」
( ^ω^)「デレさんこんにちはだお」
ζ(゚ー゚*ζ「ブーンさん!
こんにちは!」
( ・∀・)「え?知ってるの?」
( ^ω^)「ツンの所にオーダーに来たりして知り合ったんだお。
でも今のモララーの店の所で道具屋をやってた時から、
お店には来てくれてたおね」
ζ(゚ー゚*ζ「え!?
覚えてくれてたんですか!?
嬉しいです!」
( ^ω^)「おっおっお。
可愛かったからすぐ覚えたお」
( ・∀・)「……ちくってやる」
( ^ω^)「誰に言うのかは分からないけど、
ツンには既に話してあるお」
( ・∀・)「ちっくしょー!」
( ´_ゝ`)「で?客ってことは欲しい武具があるんだろ?」
兄者がカウンターの中から話しかけると、
デレが不安そうにモララーの顔を見る。
その不安そうな瞳に、彼は笑顔で頷いた。
( ・∀・)「実はオーダーなんだ」
.
-
( ´_ゝ`)「オーダーか。
武器でいいのか?」
( ・∀・)「ああ、種類は両手棍。
メインの鉱物はアダマントライトプラス」
( ´_ゝ`)「『アダマントライト=プラス』で両手棍。
杖……か。
まさかおまえ、『ラグナロク』を作れってんじゃないだろうな」
( ・∀・)「そんなことは言わねーよ。
大体あれはアダマントライトプラスだけじゃ作れないだろ?」
( ´_ゝ`)「鉱石がそろっても作れる保証はないけどな。
ん。わかった。
だがアダマントライトプラスで作る以上多少重いもんが出来上がるが大丈夫か?」
デレを一瞥する兄者。
ζ(゚ー゚*ζ「……」
( ´_ゝ`)「大丈夫そうだな」
ζ(゚ー゚*;ζ「え?え?」
( ^ω^)「今手にしてる武器から、
大体の筋力パラメータを推測したんだお。
とは言っても、もともと両手棍の使い手ならそれなりに上げてあるはずだおね」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、は、はい。
重たくて持てないのは嫌なので、
それなりに上げてあります」
( ^ω^)「なら大丈夫だお」
ζ(゚ー゚*ζ「みなさん、凄いですね」
( ・∀・)「え?なにがなにが?」
.
-
ζ(゚ー゚*ζ「だって、武器を見てパラメーターを推測とか、
使ってる武器で分かったりとか」
( ・∀・)「えーいやそんなことは無いよ
とか言っちゃうと謙遜に聞こえて怒られちゃうのかな
とか考えちゃうけどでもやっぱりそんなことは無いかなって
言えるのが少しは凄いとか思われちゃうのかな」
( ´_ゝ`)「武器屋なら当たり前だ」
( ^ω^)「ぼくらはそういう座学なんかも勉強しているんだお。
モンスターのレベルは見ればわかるからそこから基本の強さを推測できるけど、
武器や防具で戦い方や強さも推測できると戦い方も変わるから」
ζ(゚ー゚*ζ「!なるほど」
( ・∀・)「良ければ今度マンツーマンで教えるよ」
ζ(゚ー゚*ζ「私には無理だなー」
( ・∀・)「いやいやそんなことは」
( ´_ゝ`)「『アダマントライト=プラス』はレベルの高い鉱物だが、
その分扱いも難しい。
成功率を上げるためと方向性を決めるために添加物の使用をお勧めしてるが、
どうする?」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、はい。
アイテムもいくつか持ってきました」
カウンターに近寄るデレ。
( ・∀・)「どれどれ」
( ^ω^)「モララー邪魔するなお」
( ・∀・)「してねーよ!」
.
-
( ´_ゝ`)「しかし『アダマントライト=プラス』か。
続くもんだな。
今何かキャンペーンクエストか何かの景品になってるのか?」
ζ(゚ー゚*ζ「いえ、そんなことは無いはずですけど」
( ^ω^)「何かあったのかお?」
( ´_ゝ`)「いや、この鉱石は続き物のクエストの報酬だし、
今では同じクラスの強さをもった鉱石も出てきたからあんまり見なかったが、
今日朝やってきた客もこれを持ってきてオーダーしてきたから」
( ^ω^)「おー。珍しいこともあるおね」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、もしかして」
( ・∀・)「そうかもしれない!」
( ^ω^)「お?どうしたんだお」
( ・∀・)「もしかしてそれ、長身の男じゃないか?」
( ´_ゝ`)「商売人としての守秘義務はあるぞ」
ζ(゚ー゚*ζ「ダイオードさんっていう男性じゃないですか?
実はクエストをご一緒させていただいたんです。
ダイオードさんも報酬が必要だったので、
パーティーは組みませんでしたけど」
( ´_ゝ`)「……ふむ。
ま、何を作るか言わなければいいか。
ああ、そのダイオードって男だった」
ζ(゚ー゚*ζ「やっぱり!」
( ^ω^)「凄い偶然もあるもんだおね」
ζ(゚ー゚*ζ「ほんとうですね!」
.
-
( ・∀・)「ほんとうだよね!デレさん!」
盛り上がる三人。
その三人を、少しだけ冷めた目で見つめる兄者。
( ´_ゝ`)「(偶然……ねぇ。
ホントに偶然なんだか)」
(´・ω・`)「お食事中失礼いたします。
いつもありがとうございます」
.
-
バーボンハウス。
時間がずれている為満席ではないが、
半分ほどの席が埋まっていた。
ミセ*゚ー゚)リ「こちらこそいつも美味しいお料理ありがとうございます!」
(‘_L’)「いつも楽しませていただいています」
客席を回っていたショボンが店の奥の席にやってきて、
一組のカップルに話しかけていた。
(´・ω・`)「実は試作のスイーツがありまして、
宜しければ味を試していただけますでしょうか」
ミセ*゚ー゚)リ「え!良いんですか!」
(‘_L’)「これ、ミセミセ。
ありがとうございます。
ですが、そのような特別扱いは」
(´・ω・`)「いえ、今全部のテーブルを回りましてお願いをしてきたところなんです。
幸いみなさん甘いものを食べることが出来るようでしたので、
快諾していただいております」
二人が他のテーブルを見てみると、
確かに何組かが同じケーキを食べているように見えた。
ミセ*゚3゚)リ「もおふぃえふぃえっはらおはたひんだはらー」
(‘_L’)「ミセミセ、なんて言っているか分からないから」
(´・ω・`)「いかがでしょうか?
五択のアンケートへの回答もお願いしているので無理にとは申しませんが」
(‘_L’)「いえ、そういう事でしたら喜んで協力させていただきます」
ミセ*゚ー゚)リ「やったぁ!」
(;‘_L’)「ミセミセ……」
.
-
ミセ*゚ー゚)リ「だってもともと美味しかったけど、
最近さらにおいしくなってきたから新作とかチョウ楽しみなんだもん。
フィレフィレだっていってたじゃん」
(;‘_L’)「そ、それはそうですが」
(´・ω・`)「ありがとうございます」
深々と頭を下げるショボン。
フィレフィレと呼ばれている男は恐縮した様に座ったままだが頭を下げ、
ミセミセと呼ばれている女はただ笑っている。
(´・ω・`)「それでは食事が終了した頃に届けさせていただきますので、
宜しくお願いいたします。
アンケートも同時にお届けさせていただきますので、
ご記入いただけましたらそのままテーブルの上に置いておいていただければ幸いです」
優しい笑みを浮かべながら二人を交互に見つつ話すショボン。
(´・ω・`)「お食事中失礼いたしました。
ごゆっくりお楽しみください」
そして再び頭を下げ、踵を返して席を去った。
ミセ*゚ー゚)リ「やったね!」
(‘_L’)「まったくミセリは……」
ミセ*゚ー゚)リ「えー。でもフィレフィレも美味しくなったって言ってたじゃん!」
(;‘_L’)「声が大きいですよ」
ミセ*゚ー゚)リ「ごめんなさーい」
舌を出し、可愛らしく自分の頭を軽くたたくミセリ。
(‘_L’)「まったくミセミセは」
.
-
ミセ*゚ー゚)リ「でもフィレフィレとデートする時は
ここか下のバーボンハウスでご飯しているから
正直ちょっとあきてきてたけど、
スイーツが美味しくなったしこういうサービスも時々あるならこれからも来ても良いね!」
(‘_L’)「そ、そうですね」
ミセ*゚ー゚)リ「でもなんでいつもここなの?」
(;‘_L’)「そ、それはその。
そうです!
女性と一緒に来られるようなお店を、
私はバーボンハウスくらいしかしらないので」
ミセ*゚ー゚)リ「そうだったんだ!
ミセミセ嬉しい!
また来ようね!」
(;‘_L’)「は、はい!」
少し騒がしい二人をちらりと覗き見する他の客は何組かいたが、
すぐに興味を失って自分の食事と会話に意識を向けた。
深い森の中。
ぽっかりと空いた空間に、
一般的な成人男性とほぼ同じサイズのカマキリが一匹いた。
すでにHPバーは赤く染まっており、
カマキリの動きには少しだけ精彩さが欠けている。
カマキリ「kyawaa―――」
獣とは違う、少しだけ機械音であることを感じられる高い叫び声に少しだけ怯みつつ、
彼女はカマキリに向かって走った。
.
-
右手に持った大ぶりのナイフは緑色に輝いており、
日の光の中でも緑の線を空間に刻む。
*(‘‘)*「はっ!」
掛け声と同時に跳躍したヘリカルはカマキリの懐に飛び込み、
そのままナイフを振るった。
カマキリ「gyaryaaaaaaa!」
耳に突き刺さる甲高い悲鳴。
しかしカマキリのHPバーはまだ1メモリだけ赤く光っている。
(,,゚Д゚)「!」
(*゚ー゚)「ギコくん」
後方でその戦いぶりを見ていたギコが思わず駆けだそうとしたが、
しぃがその手を掴んで止めた。
その二人の視界の中で、
ヘリカルはナイフを離す。
(,,゚Д゚)「!!」
(*゚ー゚)「……」
その反対の手、
拳を握り体に引き寄せた左手が、
赤く光っていた。
*(‘‘)*「はぁ!」
拳がカマキリを殴った瞬間、
カマキリのHPバーは光をなくし、
その体をポリゴンに変えた。
.
-
今日はここまでで。
続きはまた20時間後くらいに宜しくお願いします。
ではではまたー。
.
-
乙乙
-
乙乙
-
乙
-
*(*‘‘)*「しぃねぇ!やりましたです!」
(*゚ー゚)「やったねヘリカルちゃん!」
ハイタッチした後抱き合い、
そして互いの両手をもってくるくると回って踊る二人。
(,,゚Д゚)「いつの間に……。
知らなかったぞゴルァ」
遅れて近付いてきたギコがぼそりと呟く。
踊りをやめ、
いたずらっ子の微笑みでギコを見る二人。
(*゚ー゚)「へへー。
折角体術スキル覚えたんだから、
これは出来るようにしておいた方が良いかなって思って」
*(‘‘)*「いっぱい練習したのですよ!」
(,,゚Д゚)「教えておいてくれればいいだろうゴルァ」
(*゚ー゚)「だってギコくんに話したら反対しそうだし」
(,,゚Д゚)「あたりまえだゴルァ。
これは奥の手だぞゴルァ」
*(‘‘)*「分かっているのです。
それに、今のは最後にこれをやるために計算して戦っていたのですよ」
(,,゚Д゚)「はぁ?」
(*゚ー゚)「普通の敵じゃ無理だけど、
グランデマンティスならもう何回も戦ったから、
何とか計算で来たんだよね」
.
-
*(‘‘)*「ハイなんですよ!」
(,,゚Д゚)「まったく……」
*(‘‘)*「へへへ」
ニコニコしながらギコに近付くヘリカル。
(,,゚Д゚)「……覚えたからって、乱用するなよ。
あくまでも奥の手。
基本は武器で倒すんだぞゴルァ。
……でもまあ、よくやったぞゴラァ」
ヘリカルの頭を無骨に撫でるギコ。
*(‘‘)*「へへへへへ。
褒められたのです」
その手から逃れるように、
けれど嬉しそうにシィの後ろに隠れるヘリカル。
(,,゚Д゚)「ゴルァ。逃げるな」
*(‘‘)*「へへへなのですよ!」
駆け寄るギコと、逃げるヘリカル。
追いかけっこを始めた二人を笑顔で見つめるしぃ。
*(‘‘)*「しぃねぇ!」
広場を三周ほどしてしぃに抱きついた。
(,,゚Д゚)「まったく……」
(*゚ー゚)「さて、そろそろ帰ろうか」
*(‘‘)*「もう一度『Grande Mantis』と戦うのです!
今度は武器だけで倒すのですよ!」
.
-
(*゚ー゚)「もう一回か……。
まだ大丈夫……かな」
ギコの顔を見てから周囲を見るしぃ。
ギコはウインドウを出し、
何かの操作を始めた。
(*゚ー゚)「どう?」
(,,゚Д゚)「ああ、まだ大丈夫そうだ」
(*゚ー゚)「じゃ、がんばろっか!」
*(‘‘)*「ハイなのですよ!
打倒『Grande Mantis』なのです!」
(;*゚ー゚)「前から思ってたけど、妙に発音良いよね」
*(‘‘)*「フランス語はおばあちゃんに少しだけ習ったことがあるのですよ」
(,,゚Д゚)「ほー。フランス語なのか。グランデマンテスって」
*(‘‘)*「『Grande Mantis』」
(,,゚Д゚)「グランデマンテス」
*(‘‘)*「『Grande Mantis』」
(,,゚Д゚)「グランデマンテス?」
*(‘‘)*「……もう良いのですよ」
(*゚ー゚)「ははは。
私も似たような感じだからなー。
さて、もう少しすると出てくるはずだよ」
*(‘‘)*「ハイなのですよ!」
.
-
ナイフを構えるヘリカル。
ギコとしぃは武器を準備しつつも少しだけヘリカルから離れた場所に待機する。
周囲の森の中では、
そんな三人を観察する影があった。
川 ゚ -゚)「ハズレだ」
明るい森の中。
アイテムを検品していたクーが一言呟くと、
少し離れた位置で周囲を観察していた四人からため息が漏れた。
_
( ゚∀゚)「またかー」
<_プー゚)フ「戦うのは好きだけどよ」
(´・_ゝ・`)「そんなに見つからないモノなのか?」
( ゚∋゚)「レアと言えばレアだが、今日は少し運が悪い。
いつのもならそろそろ五つくらい見つかっていてもいいんだが、
まだ二つだから」
('A`)「誰だよ運が悪いのは」
ドクオの呟きに、ジョルジュとエクストとデミタスがドクオを見た。
('A`)「え?なに?おれ?」
_
( ゚∀゚)「ドクオ、ハインと二人でフラワーガーデン行ったんだって?」
('A`)「あ、あれはショボンにアイテム採取のお使いを頼まれて!
それに今は関係ないだろうが」
.
-
(´・_ゝ・`)「前日からハインがデートだデートだって言っていたけどな」
('A`)「あいつがおれと一緒に行動する時はいつもそう言っているだろ!
それに今はそんな話は」
<_プー゚)フ「つまり、いつもデートをしていると」
('A`)「エクストてめ、最近レベルと腕を上げたからって調子に乗ってるだろ!
帰ったら圏内模擬戦やるぞ!」
<_プー゚)フ「おれはドクオさんみたいに女にうつつを抜かしたりしていないっすから」
('A`)「慣れない敬語を使ってもだめだ!
って内容もひでぇ!現なんか抜かしてないだろ!」
ニヤニヤと笑う三人と口で戦うドクオ。
(´・_ゝ・`)「ま、そこで運を使っているドクオが一番運が悪そうだということで、
満場一致だ」
('A`)「別におれが運の悪いのは認めても良いけど、
理由には全く納得がいかん!
クックル!クックルは」
( ゚∋゚)「……そういえば、あの時作った」
('A`)「ごめんなさい。
目当ての薬草が見つからないのは、
運が悪い私のせいです」
クックルの言葉が続く前に突然土下座するドクオ。
片手剣を離したりせず、
器用に持っているのは流石と言える。
_
( ゚∀゚)
(´・_ゝ・`)
<_プー゚)フ
三人の目がきらりと光った。
.
-
_
( ゚∀゚)「クックル、詳しくは後で」
(´・_ゝ・`)「後学の為に」
<_プー゚)フ「情報は力っていつもショボンが言ってるからな」
('A`;)「クックル!!」
( ゚∋゚)「……顧客に対する守秘義務はあるが、
それがどの範囲まで適用されるかはショボンに確認してみよう」
('A`;)「ショボンに知られたらブーンに知られてツンに知られて結局全員に広まるじゃねえか!」
( ゚∋゚)「そんなことを言われてもな。
おれはギルマスに指示を仰ぐだけだから」
('A`;)「許してくれー」
川 ゚ -゚)「何をやっているんだお前らは」
('A`)「く、クー」
無駄話をしている五人に近寄るクー。
心の底から呆れており、
それが表情に現れていた。
川 ゚ -゚)「ちょっと私がメッセージを送っているとすぐさぼる」
(´・_ゝ・`)「さぼると言われてもなぁ」
_
( ゚∀゚)「いやいやクー。
どうやらドクオがハインに花を送ったようだぞ」
<_プー゚)フ「二人の仲もとうとう進展が!」
川 ゚ -゚)「まったく……。
それとクックル、
思わず話した声がデミタスたちにも聞こえたとはいえ、
実は話せることはまだギルドの外には内緒なんだから、
少しは控えろ」
.
-
(;゚∋゚)「すまん。
聞こえるとは思ってなくて……。
ショボンから返信来たか?」
川 ゚ -゚)「喜んでたよ。
世界が広がったってな。
NSのメンバーにはまた今度正式に話そうと言っている。
ただ、それ以外にはまだ内緒にするように気を付けてくれとのことだ。
デミタス、エクスト、そういう事だからショボンが話すまでは、
誰にも言うなよ」
( ゚∋゚)「そうか!うん。わかった」
<_プー゚)フ「話せるなら話せた方が良いんじゃないか?」
川 ゚ -゚)「奥の手ってのは、
もてる分だけ持っていた方が良いんだよ」
<_プー゚)フ?
_
( ゚∀゚)?
(´・_ゝ・`)?
('A`)?
川 ゚ -゚)「さてお前たち。
それはそうと、
そんなことばっかり言ってるからもてないんじゃないか?」
不思議そうな顔をした四人に対し、
軽蔑したような笑顔で話を変えた。
_
(;゚∀゚)「べ、別におれは女なんて」
(;´・_ゝ・`)「に、二次の美少年さえいれば」
<_プー゚)フ「まあこの世界は女が少ないし」
川 ゚ -゚)「クックルも、あんまり変なこと言わないことだな」
.
-
( ゚∋゚)「ああ気を付ける」
川 ゚ -゚)「さて、そろそろ進むぞ。
今日の目標は十個だからな」
<_プー゚;)フ「まじかー」
川 ゚ -゚)「マジだ。マジもマジも大マジだ」
_
( ゚∀゚)「ちょっと工房に籠ってたと思ったらいきなりこれだからな」
( ゚∋゚)「おれが育てた薬草ではお気に召さなかったらしい」
川 ゚ -゚)「いや、あれはあれで充分役に立った。
通常のハイポーションよりも更に回復力を上げたモノが出来たからな」
(´・_ゝ・`)「それが出来たならいいんじゃないか?
クックルの方でその薬草の栽培は出来るんだろ?」
( ゚∋゚)「ああ。通常の薬草ほどは無理だが、
八割がたは栽培に成功している」
川 ゚ -゚)「うむ。私もとりあえずの目標はクリアできているが、
作っている最中にもう少し伸びしろがあるような気がしてな」
_
( ゚∀゚)「だけどよ。
最悪クリスタルで回復すれば一発なんだから、
POTにそこまで回復力が無くってもいいんじゃないか?」
(´・_ゝ・`)「おれ達、VIPとNSのメンバーは、
ショボンとブーンがかき集めてるおかげで回復結晶を贅沢に使っているが、
他の奴らはそういうわけには行かないからPOTの需要はまだでかいぞ」
('A`)「ブーンの店でも販売価格はそれなりだ」
<_プー゚;)フ「本当にクリスタルをぜいたくに使ってるよな。おれら」
_
( ゚∀゚)「ああ、まあな。うん。そうだな」
川 ゚ -゚)「もちろんそうなんだが、
それ以外にも気になるところがある」
.
-
( ゚∋゚)「なんだ?」
川 ゚ -゚)「ショボンがこの前言っていたんだ。
結晶無効化エリアが増えているって」
(´・_ゝ・`)「……そうなのか?」
川 ゚ -゚)「正確には、無効化エリアを発生させるトラップがって事みたいだけどな」
('A`)「それって……」
川 ゚ -゚)「ああ。
あいつらに使われたことがあるアレだ。
エリアを結晶無効化してモンスターを無限発生させるトラップ。
それが増えているらしい」
_
( ゚∀゚)「マジかよ」
川 ゚ -゚)「しかもトラップのレベルは高難度。
今や解除のスキルを鍛えている奴がいないと宝箱も開けられん」
(´・_ゝ・`)「そっちはドクオとモララーか?
うちはミルナとトソンが鍛えてる」
川 ゚ -゚)「トラップだけならいいが、
これから先はイベント戦やフロアボス、エリアボスとの戦闘でも、
無効化エリアが設定されることがあるかもしれないと、
ショボンは言っていた」
_
( ゚∀゚)「その時は、スゲーPOTが必要だってことか」
川 ゚ -゚)「そういう事だ」
( ゚∋゚)「流石クーだな。そこまで考えているとは」
川 ゚ -゚)「商売のビックチャンスを逃すわけにはいくまい」
('A`;)「そこかよ!」
_
(;゚∀゚)「えー。そっち?」
.
-
(;´・_ゝ・`)「一瞬感心したおれの純粋さを汚すな」
<_プー゚;)フ「VIPの中ではまともな方だと思っていたのに」
(;゚∋゚)「ほ、ほら。
攻略の安全度が増して、おれ達も潤うならそれはそれで」
川 ゚ -゚)「コルは大事だぞ?」
(;゚∋゚)「おれのフォローを活かそうじゃないか」
川 ゚ -゚)「さ、与太話はこれくらいにして先に進むぞ」
('A`)「うえー」
_
( ゚∀゚)「おー」
<_プー゚)フ「おう」
(´・_ゝ・`)「はいはい」
(;゚∋゚)「あからさまにテンション低いな」
川 ゚ -゚)「テンションは低くてもやることはやるから問題ない」
先頭を歩こうとするクーの隣にドクオが並び、
その後ろをエクストとジョルジュ。
最後尾をデミタスとクックルが続いた。
川 ゚ -゚)「そうだドクオ」
('A`)「ん?」
川 ゚ -゚)「ハインがドクオから花束貰って嬉しすぎて、
でもみんなには内緒って言われてその喜びを示すことが出来ず、
私達に対して色々と行動がおかしくなってるからどうにかしてやれ」
.
-
('A`;)「なっ」
_
( ゚∀゚)「ほう!花束!」
<_プー゚)フ「どっくんやるぅ」
('A`;)「な、何でそのことを知って!」
((;゚∋゚)))
後ろを向いたドクオに対し、クックルが慌てて首を横に振る。
川 ゚ -゚)b「ショボンがそんなネタを仕入れていないわけないだろう。
モララーに頼んでいるアレについても情報は収集済みだ」
('A`;)「ああああああああああああああああああ」
思わず頭を抱えてうずくまったドクオの肩を両側から抱くジョルジュとエクスト。
_
( ゚∀゚)「ドクオ、後で詳しくな」
<_プー゚)フ「よし、さっさと終わらせてバーボンハウスに行こうぜ!」
('A`;)「ショボンめええええええええええ。
モララーくそおおおおおおおおおおお」
川 ゚ -゚)「あ、モララーの方はハインには内緒にしておけよ」
_
( ゚∀゚)b「ガッテン」
<_プー゚)b「承知」
(´・_ゝ・`)b「心得た」
(;゚∋゚)b「りょ、りょうかい」
('A`;)「もうやだこいつらー」
.
-
川 ゚ -゚)「はっはっは。さぁ行くぞ」
_
( ゚∀゚)「おー!」
<_プー゚)フ「おう!」
(´・_ゝ・`)「さっさと済ませよう!」
( ゚∋゚)「なんてあからさまなテンションアップ」
川 ゚ -゚)「ドクオもいつまでも座ってない」
('A`)「誰のせいだと思ってやがるんだこんちくしょう」
ゆらゆらと揺れながら立ち上がったドクオ。
そのまま歩き出すが、愛用の片手剣はしっかりと握っていた。
川 ゚ -゚)
クーの持つ薙刀が、狼男の腹を引き裂いた。
狼男「ぐをおおおおおおおおお」
叫びながら後ずさりした狼男がクーを睨む。
('A`)「ふむ……」
(´・_ゝ・`)「どうした?」
('A`)「いや、上に来れば来るほど、
敵の動きが「人」っぽくなってきたなと思ってさ」
(´・_ゝ・`)「うむ。確かに」
視線の先、
狼男は切られた自分の腹を押さえつつ曲刀をクーに向けていた。
.
-
('A`)「下の層ではない動きだよな」
( ゚∋゚)「……どういうことだ?」
('A`)「基本的に下の奴らは決まった動きしかしない。
パターンがあるってことだ。
だからこう来たらこう返せ、こう防御しろ、
ここで攻撃しろ、っていう流れ、型がある」
( ゚∋゚)「最初の頃の攻略本には世話になった」
('A`)「だけど、上の層……ここ最近の敵は、
動きが人間っぽくて、型にはまってないように思えるんだ」
( ゚∋゚)「ふむ」
(´・_ゝ・`)「あの腹を押さえるなんて仕草も人間みたいだな」
( ゚∋゚)「確かに今までの敵ではなかった動きだ」
('A`)「ショボンが言ってたんだけどよ、
もしかすると今までのプレイヤーの動きや行動を蓄積して、
それを敵に反映させているじゃないかって」
(;´・_ゝ・`)「おいおい」
('A`)「まあこのあたりに出る敵ならそれほど意識しなくても良いけど、
さらに上に行って個体の強さが上がったら、
注意するに越したことは無い」
(;゚∋゚)「そうだな」
('A`)「あと」
(´・_ゝ・`)「まだあるのか」
('A`)「おそらくボスクラス、あとフロアボスとかちょっと強いクエストボスとかには、
雑魚的よりも高度なAIが使われているはずだから、
もしプレイヤーの経験が敵にも反映されているとしたらかなり怖いって」
.
-
(;゚∋゚)「……」
(;´・_ゝ・`)「……」
('A`)「怖いよな」
(;゚∋゚)「ああ」
(´・_ゝ・`)「うむ」
('A`)「一番怖いのはショボンだけど」
(;゚∋゚)「……」
(;´・_ゝ・`)「……」
('A`)「ま、そうだとしてもおれ達がやることは変わらないんだけど」
ちらっと戦うクーの横にいる二人を見る。
('A`)「戦闘の時は、あれくらいの方が良いのかもな」
<_プー゚)フ「いけ!そこだ!」
_
( ゚∀゚)「さすが!うまい!」
クーに声援を送っている二人。
(´・_ゝ・`)「あれはあれで問題じゃないか?
完全に観客化してるし」
('A`)「でもまぁ気持ちは分かる。
上質の演武を見ている気分になるし」
( ゚∋゚)「……ドクオは、そういった物を見たことがあるのか?」
('A`)「ん?ああ。……少しは、な」
( ゚∋゚)「ふむ……」
.
-
(´・_ゝ・`)「クーは最近の敵の方が戦いやすそうに見えるな」
('A`)「かもしれない。
おれ達もゆっくり見るか。
このエリアはあの敵しか出てこないし」
ジョルジュ達のいる方に歩き出すドクオ。
二人もその歩みに続いた。
川 ゚ -゚)「甘いな」
クーの足が流れるように進み、
一気に間を詰めて狼男の武器を持つ手首を穿つ。
武器を赤く光らせた、
つまり剣技を発動させようとした狼男の手を攻撃し、
剣技の発動の為に必要な型を崩し、
技のキャンセルを起こさせた。
<_プー゚)フ「え?狙ってやった?」
('A`)「剣技発動強制解除。
通常の間合いならフサギコの剣技もキャンセルさせるぞ。
クーは。
いつものトーナメントで、フサギコに安定的に勝てるのはクーくらいだろ。
相性って奴だろうけどな」
<_プー゚;)フ「え!?」
('A`)「しかも」
強制的に剣技をキャンセルさせられた狼男は技後硬直を起こす。
もちろんそれを黙ってみているわけがなく、
クーは薙刀を出来るだけ細かく動かして狼男の身体を切り刻んだ。
_
(;゚∀゚)「相変わらずえげつない」
('A`)「ギリギリまで剣技は使わない」
.
-
<_プー゚;)フ「まじっすか」
狼男の二本あったHPバーが今の攻撃で一本になっていた。
狼男「ぎぇゆらやあああああああああ」
硬直が解けた狼男は曲刀を振り上げ、
クーに向かって振り下ろした。
ブーンやドクオなら、もうその場にはいないだろう。
シャキンやジョルジュなら、盾や剣で受け止めただろう。
しかしクーはそのどちらも選ばなかった。
曲刀の腹に薙刀の柄を合わせ力の方向を変え、
摩擦を感じさせないすり足で曲刀の攻撃線から体をずらし、
そのまま狼男の右側に移動した。
川 ゚ -゚)
そして薙刀を狼男の曲刀の背に当て、
狼男の力の方向に合わせて下方向に押す。
身体を前方向に曲げる狼男。
曲刀が大地を突き刺し、すぐに抜くこともできない。
狼男「!?」
思わず動きを止めた狼男に対し、
クーは刃の向きを変え、
そのまま狼男の腕に沿って斜めに薙刀を振り上げた。
狼男「!!!」
狼男の首を切り裂かれた。
即死とはいかないが、
急所への強力な攻撃がHPバーを半分ほど削り、
色が黄色に変わった。
.
-
狼男「―――――!!!!」
声ではなく、音でもない、
空気の振動のような咆哮。
周囲で見ている五人が思わず身を引き締める。
しかしクーは全く気にせずに振り上げた薙刀を大きく一回頭の上で回した後、
今度は赤く光った薙刀の刃を狼男の脳天から股間にかけて縦に振り下ろした。
狼男「!!!!!」
身体を回転させながら薙刀を振り上げ、
もう一度狼男を左右に切り分けるように薙刀を振り下ろす。
狼男のHPバーの色が赤に変わり、
そして消えた。
川 ゚ -゚)「 」
剣技後の硬直を2秒起こしてはいるが、
構えを解かないクーの目の前で、
狼男がポリゴンへと変わった。
川 ゚ -゚)「ふむ」
呆気にとられるデミタスとエクスト。
何度か見ているとはいえ感心の驚きを顔に示しているジョルジュとクックル。
ドクオはゆっくりとクーに近付いた。
('A`)「最後の残心までの流れ、さすがだな」
川 ゚ -゚)「ふっ。おばあさまが見ていたら叱られそうな戦い方だがな」
('A`;)「今ので叱られるのかよ」
.
-
川 ゚ -゚)「そうだな……。ドクオにならば良いか。
私が習っている薙刀の流派は『無想流』だが、
今の動きには『神崎風塵流』が混ざっている。
今の私にはおばあさまのように使い分けなど出来んから仕方ないが」
('A`)「は?」
川 ゚ -゚)「来島家はもともと『無想流』の武術をつないできていたが、
おばあさまはもともと『神崎風塵流』の使い手なんだ。
来島に嫁いでから『無想流』の使い手となり門下生に教えているが、
私に稽古する時は『神埼風塵流』も教わっていた。
『神埼風塵流』の源流が『無想流』だから出来た事ではあるが、
普通なら無理だろうな。
本来なら私も『無想流』のみを教わればよかったのだが、
おばあさまが見せてくれた演武が忘れられなくて、
無理を言って教えていただいた。
ただ私の性格的には『神埼風塵流』の方があっているらしく、
稽古以外では使い分けが難しい。
今の私の薙刀には色々と混ざっているということだ。
更に言うなら最後はソードスキルも使ったから、
かなりごちゃまぜミックスだ」
自嘲気味に笑いつつ、
ウインドウを開くクー。
川 ゚ -゚)「よし。ゲットできた。
これで今日の目標数は溜まったな」
('A`)「……『無想流』……」
川 ゚ -゚)「私は直接剣術を習ってはいないが、
門下生の動きは見たことがある。
ドクオの構えや足さばき、そして剣の振りには、
『無想流』が根底にあるように感じることがある」
('A`)「……この世界に来て、時々、さ。
忘れていたことを思い出すことがある。
本当に小さい頃、父さんが、竹刀で稽古をしてくれたこととか」
.
-
川 ゚ -゚)「おばあさま曰く、真面目で良い門下生だったそうだ。
帰ったら、挨拶の一つでもしてやってくれ」
('A`)「……うん」
俯き、右手に持った片手剣をみるドクオ。
クーは柔らかく微笑んだ後、
近寄らずこちらを見ている四人に向かって声をかけた。
ギルドVIP。
会議室。
VIPのメンバーだけでなく、
NSのメンバーとプギャー達3人もそこにいた。
普段とは席の形も変えて数を増やしているが、
何故か誰も座っていない席が5つあった。
(´・ω・`)「それでは全員揃ったので、
会議を始めます」
白い長机を前に、白い壁を背に座っているのはショボン。
そして彼を挟んでクーとシャキンが座っている。
彼らと向き合うように長机と椅子が並べられ、
メンバーは思い思いに座っていた。
ξ゚⊿゚)ξ「この人数は初めてね」
( ^ω^)「全部で何人いるんだお?
ぼく、ツン、ドクオ……」
('A`)「VIPが12人」
.
-
( ゚д゚ )「NSが6人とプギャー達3人」
(´・_ゝ・`)「全部で21人か」
▼・ェ・▼「キャン!」
( ´∀`)「ビーグルも入れて22人もなね」
('A`)「悪い、抜けてた」
_
( ゚∀゚)「何やかんやで20人超えか……」
( ・∀・)「……本当はもっと多いしな」
(´<_` )「規模的にはどうなんだ?」
( ´_ゝ`)「確か、今アインクラッドで20人を超えてるギルドは多分そんなに多くなかったと思う」
( ´∀`)「そうもなね。
多分十人前後が一番多いんじゃないもな?」
( ゚∋゚)『そうなのか?』
( ´∀`)「もなもな。
前に情報屋さんが出してたギルドリストだとそんな感じだったもな」
ミ,,゚Д゚彡「そんなリストがあったのを知らなかったから」
从 ゚∀从「情報屋って例の鼠のアルゴか?」
( ・∀・)「ああ。前にショボンが買ってたやつならおれも見た」
( ^Д^)「ギルドの数も増えてるんだろ?」
| ^o^ |「ギルドでないと受けられないクエストもありますから」
( ´ー`)「ギルドを作るには3層のクエストをやらなきゃいけないけど、
中層プレイヤーなら余裕をもってやれるだーよ」
.
-
(゚、゚トソン「そうですね。
私もNSに入る前に入ったギルドは、
ギルドクエストをやりたい人達用に作られた急造ギルドでした」
<_プー゚)フ「はあ?そんなんでギルド回せるのか?」
(゚、゚トソン「もちろんすぐに空中分解しましたよ。
クエストも結局クリアできませんでしたし」
<_プー゚)フ「だよなぁ」
_
( ゚∀゚)「エクストはNSが初ギルドなのか?」
<_プー゚)フ「おう。
ずっとソロやってた」
( ´∀`)「トソンもその前まではずっとソロだったもな?」
(゚、゚トソン「いえ、いくつかギルドに誘われて入ったことがあります。
ただパーティーの時は良いのですが、
何故かギルドに入るとひと月経たずに辞めてほしいと言われまして……。
理由は分からないのですが」
<_プー゚)フ「コルに細かかったんだろ」
(´・_ゝ・`)「だろうな。
うちに入った時にも色々言ってたし」
( ゚д゚ )「想像できる」
(゚、゚トソン「コルは大事ですよ。
ギルドに入ると自動的に徴収されるわけですから、
その使い道や運営方針を説明していただくのは当然です」
( ・∀・)「それは当然だな」
(゚、゚*トソン「ですよね。モララーさん」
( ゚д゚ )「度が過ぎると引かれるってことだ」
.
-
ξ゚⊿゚)ξ「よくNSでやってられるわね」
( ゚д゚ )「入ってきた時にその話をされたから、
それ以降は全部任せた」
ξ゚⊿゚)ξ「はあ?」
(´<_` )「え?入ってすぐ?」
( ゚д゚ )「ああ。
それまではシャキンに任せられないからおれがやっていたけど、
トソンの方がうまくやれそうだったから」
(゚、゚トソン「まさか入った次の日に任せられるとは思いませんでしたが、
それからはNSのギルドとしてのコルに関しては全て私が調整しています」
(´・_ゝ・`)「おかげで貯金も出来たしな」
(゚、゚トソン「ホームは既に購入されていたので拠点はありましたが、
備品も含めて色々と無駄が多かったので、
全て洗い出して整理しました。
悔やまれるのはその時にブーンさんを紹介していただいていなかったことです」
ξ゚⊿゚)ξピクッ
(;^ω^)「流石に不要なものは高く買ったりしないお」
(゚、゚トソン「その節は色々と買っていただきまして、
ありがとうございました。
また少し不要物が溜まってきましたので、
後日お伺いします」
(;^ω^)「……相場に少しくらいはおまけするお」
ξ゚⊿゚)ξ……アアソウイウコトネ
( ´_ゝ`)「けどトソンとエクストは続いているよな。
ハインと二人の間だけでも三人くらい入って抜けてるだろ?」
.
-
( ゚д゚ )「ああ」
(´・_ゝ・`)「うちはほら、外から見ると少数精鋭でガンガン進んでるギルドだけど、
実態はほら、シャキンだから」
<_プー゚)フ「おれは自由にやらせてもらってるし、
寝る場所もあって、今までより安く武器の装飾も出来て、
強くもなれて、良いこと尽くしだ」
(゚、゚トソン「私もエクストと同じです。
まさか全部任されるとは思っていませんでしたが、
任された以上はちゃんとやらせていただきます。
毎月月末に出している収支報告書をちゃんと読んでいただけないのは不満ですが」
( ゚д゚ )「目は通してるぞ」
(゚、゚トソン「ギルマスがです」
ξ゚⊿゚)ξ「それは無理よ」
('A`)「無いものねだりだな」
_
( ゚∀゚)「ダメだな」
( ´_ゝ`)「期待したらいかん」
(´<_` )「そこら辺はな」
( ´∀`)「まだ甘いもなね」
( ・∀・)「好きにやれば良いってことだ」
(;^ω^)「おー」
(;゚∋゚)
ミ;,,゚Д゚彡「フォローできないのが悲しいから」
( ゚д゚ )「流石によくわかってる」
.
-
(´・_ゝ・`)「シャキンだからな」
(`・ω・´)「おーい、おまえら、そろそろ静かにしろー」
ずっとしゃべり続けているメンバーに対し、
シャキンが苦笑いを浮かべながら静かにするよう注意したが、
それでも喋りは止まらなかった。
(`・ω・´)「おいお前たち、いい加減に……」
川 ゚ -゚)「全員静かに」
静かに全員を見ていたクーが、
冷静に、決して大きな声ではなく、
けれど全員に届く声で声をかけると、
全員が黙りショボンを見た。
(`;ω;´)「良いんだ良いんだどうせ俺なんて」
川 ゚ -゚)「シャキンも黙りましょうか」
(`・ω・´)「ハイ」
(´・ω・`)「ええっと……。
それでは静かになったところで話を進めます。
まずは資料を配布するので、出して3ページ目まで読んでください」
ショボンがウインドウを出し操作をすると、
全員の目の前にもウインドウが飛び出した。
その『トレードウインドウ』には、
ショボンから送られたアイテムが一つだけ記されている。
(;^ω^)「おー。
なんかクーの機嫌が悪いお」
ξ゚⊿゚)ξ「そうなのよね。
多分ショボン絡みで何かあったんだと思うんだけど」
('A`)「……『これ』絡みだろうな」
.
-
それぞれにウインドウから『資料』を取り出すなかコソコソと話している面々。
しかし指示通りに資料を読むと、
ほぼ全員が表情を引き締め、鋭い視線でショボンを見た。
(´・ω・`)「僕達が殺人ギルドに狙われているのは前々から話してありました。
これは、その殺人ギルドがかかわったと思われる事件の一覧です」
ξ;゚⊿゚)ξ「こんなに……?」
(´・ω・`)「推測も含まれるため全部そうだとは限りません。
けれど各情報屋から買った情報、
バーボンハウス、雑貨屋Booon、流石武具店、モララー細工工房、
VIP牧場と農園、依頼された仕事の時や教育時にも集めた情報から、
この結果を導き出しました」
静まり返る室内。
けれど誰もが大人しく聞いているのではなく、
怒りや恐怖、苦しみや悲しみの入り混じった表情をしていた。
(´・ω・`)「攻略組の精鋭によって崩壊した殺人ギルド『Laughing Coffin』との違いは、
彼らは自分達が表に出ないため、世間には知られていないことです。
ですが情報屋界隈では既に周知の事実となりつつあります。
また、基本的に彼らは自分達よりも弱い相手しか狙っていないため、
攻略組などの上層プレイヤーの目には触れにくくなっています」
ざわつく室内。
じっと黙って彼らを見つめるショボン。
ざわめきが、波が引くように静かになる。
(´・ω・`)「けれど、彼らは今僕達を狙っています。
不本意ながら僕達のギルドは中層プレイヤーの中ではトップクラス。
『攻略組に入れるギルド』とまで言われ始めました。
そんな僕らを狙い、殺し、潰し、自分達の存在を世に出すつもりなのだと思われます」
( ^Д^)「なんでそんなことを」
(´・ω・`)「自己顕示欲。
目の上のたん瘤だった『Laughing Coffin』が壊滅させられ、
自分達が裏の世界の表に出るチャンス、
とでも思ったのではないかと」
.
-
(゚、゚トソン「そんなことで……」
(´・ω・`)「小さなギルドやパーティーで犯罪を犯していた集団は、
今までに何個か潰し、黒鉄宮の監獄エリアに送っています。
彼等はある意味分かり易かったです」
(´・_ゝ・`)「分かり易い?」
(´・ω・`)「はい。
彼等はコルやアイテム欲しさ、
或いはplayer killに魅せられてしまい、
犯罪を犯していました。
『Laughing Coffin』も、
ギルマスのPoHは少々違っていたように思えますが、
ギルドのメンバーの行動はplayer killに感じる悦楽を得るためだったと思われます」
从 ゚∀从「ひでぇな……」
(´・ω・`)「ですが、今回のギルドはどこか違うように思えます。
『裏で蠢く自分がカッコいい』
『他が出来ないことが出来る自分が凄い』
『みんなを助けるとか叫ぶ偽善者の集団じゃない、
人間の本能に従順にしているおれ達の方が自然だ』
そんな、愚かな自己顕示欲を、感じます」
( ´ー`)「中二病だーよ」
(´・ω・`)「そうですね。
本来ならば気にしたくない相手です。
向こうから寄ってこなければ、相手にしたくない。
けれど、彼らは僕らを殺し、ギルドを壊滅させようとしている」
言葉を切るショボン。
そしてゆっくりと全員の顔を見てから口を開いた。
(´・ω・`)「降りかかる火の粉ならば、
振り払い、消したいと思います」
静まり返る室内。
.
-
誰も身動ぎ一つせず、ショボンを見ていた。
しかしショボンが口を開こうとしたその時、
彼が先に言葉を発した。
_
( ∀ )「ショボン」
(´・ω・`)「……なに?ジョルジュ」
_
( ∀ )「その、殺人ギルドってのは、どこ、……なんだ?
ギルマスは誰、…… …… …… なんだ?」
(´・ω・`)「ジョルジュ……」
_
( ∀ )「……言って、くれよ」
(´・ω・`)「…… …… ……。
ギルド名は、『ANGLER』。
ギルマスは、『ロマネスク』」
( ФωФ)「準備は進んでいるのであるか?」
(-_-)「うん。みんなちゃんと動いているよ」
( ФωФ)「ならばよいのである」
(-_-)「みんな殺りたくて殺りたくて仕方ないみたい」
( ФωФ)「仕方ないであるな。
今までストップをかけてきたであるから」
森を歩くロマネスクとヒッキー。
その森は低層階と中層階の境目の層の片隅にあり、
特にめぼしいクエストも付加価値の無いこの森を歩く者は今はほとんどいない。
実際今も彼らは森に入ってから誰にも会っていなかった。
.
-
( ФωФ)「さて、そろそろつくのである」
(-_-)「ん。わかった」
腰の小さなポーチからアイテムを取り出すヒッキー。
そして大きな木の根元に辿り着くと、
取り出したそれ、
オカリナのような笛を口に付けた。
( ФωФ)「いつ聞いても良い音色なのであるな」
ヒッキーの奏でる音色は美しく、儚く、透明で、
エリアを広がっていった。
そして一曲終わると、巨木の根元に人が一人充分通れるほどの穴が開いていた。
(-_-)「出来たよ」
( ФωФ)「では入るのである」
ロマネスクに促されヒッキーが進み中に入ると、
彼もその後に続いた。
_
( ∀ )「……」
ξ゚⊿゚)ξ「ジョルジュ……」
_
( ∀ )「……悪い、進めてくれ」
(´・ω・`)「……。
ギルド『ANGLER』が暗躍していくつかのPK行為が行われたのは確かだと思われます。
ですが調査により、おそらくは『ANGLER』全体が、
ギルドのメンバー全員が関わっているということは無いようです」
.
-
_
( ∀ )「!」
(´・ω・`)「《釣り師ギルド》であるという隠れ蓑を最大限に生かすため、
ギルドメンバーのほとんどは本当に釣りや低層階の狩りで生計を立てている、
PKには関わっていないプレイヤーだと思われます」
( ゚д゚ )「どれくらいのメンバーが関わっているんだ?」
(´・ω・`)「分かっている限りでは、
ギルマスの『ロマネスク』」
_
( ∀ )「……」
(´・ω・`)「その右腕、『ヒッキー』」
('A`)「ま、そうだろうな」
(´・ω・`)「以前の行為でギルドを辞めさせられている、
おそらくは実動担当の『マタンキ』」
( ^ω^)「……許すことはできないお」
( ・∀・)「今度はちゃんと倒す」
(´・ω・`)「あとこれも推測ですが、情報収集担当で『フィレンクト』」
ミ,,゚Д゚彡「……よく来てくれる、良いお客さんだから」
| ^o^ |「情報収集のためにバーボンハウスによく来ていたという事ですか?
そこからその方も怪しいと?」
(´・ω・`)「それもありますが、
彼が仕入れたと思われる情報をもとに、
PKが起きていました」
<_プー゚)フ「?どういう事だ」
(´・ω・`)「彼が仕入れた情報を、
同時に知ることが出来るように手を打っているので、
そこから導き出しました」
.
-
<_プー゚)フ「へ?」
(´・ω・`)「PKの理由はいくつかありますが、
その一つにレアアイテムの強奪があります。
噂で弱小ギルドやソロプレイヤーがレアアイテムを手に入れた事を知った時は、
情報を道具屋界隈に回して買取を持ちかけるようにしています。
有力な道具屋や防具屋などが高価での買取を募集している噂が耳に入ると、
本人自らが買取を依頼しに来たりすることもあります。
また、自分がレアアイテムを持っていることを周りに知られたことが分かると、
それによって命が狙われることがあること流石に分かっているため、
高い頻度で売ってしまうプレイヤーがほとんどでした」
(゚、゚トソン「……お金は人を狂わせます」
<_プー゚)フ「お前が言うと段違いに重いな」
(゚、゚トソン「とりあえず流しますが、
会議が終わり次第裏庭に来てください」
<_プー゚)フ「ごめんなさい」
(´・ω・`)「ただレアアイテムとはいえ結局はアイテムです。
それを理解できていない人も多く、今までちゃんと鍛えていないのに、
それを持つことによって強くなったと勘違いする人もいます。
知り合いのプレイヤーなら説得したり影から手を回すこともできますが、
知らないプレイヤーの場合は探すところから始めなければいけません。
……間に合わず、調べていると黒鉄宮の碑に線が引かれていました」
何人かが息をのむ音が聞こえる。
(´・ω・`)「因果関係を完全と言い切ることはできません。
ですが、確率は高いと思われます」
会議室が静まり返る。
(´・ω・`)「現在ギルドとして分かっているのはこの四人です。
先にも言いましたが自分達は情報ややり方を示唆することが中心で、
実際に行う者はギルドに全く関係ないプレイヤーであることが多々あるようです。
しかし釣り人ギルドとして数十人が登録しているギルドですので、
彼ら以外にも実動担当や情報収集する者がいてもおかしくありません。」
.
-
(;´ー`)「そんなのどう対策すればいいんだーよ」
(´・ω・`)「極論を言えば、誰が向かってこようが対応できる状況にするだけです」
丸い部屋は、木の中にあった。
巨木の中を丸くくり抜いたようなとでも言えばよいだろうか。
中央には年輪がくっきりと出た大きな丸い木のテーブル。
その周りを八個の切り株の椅子が囲んでいる。
灯りを放つ電球などは無く、
部屋の壁、木肌が淡い光を放っていた。
そんなおとぎ話やファンタジー小説に出てきそうな雰囲気を持った部屋だったが、
部屋の中はピリピリとした空気で満ちていた。
( ФωФ)「全員揃っているようであるな」
ヒッキーが開けたドアから彼に続いて部屋の中に入ってきたロマネスクは、
部屋の中にいる者達を見回してからにやりと笑う。
椅子の数よりも多い人数が、
それぞれの場所でロマネスクとヒッキーを見た。
(‘_L’)「お二人が最後です」
(-_-)「ロマネスクの準備が遅いんだよ」
( ФωФ)「リーダーは一番最初か一番最後に来るものなのであるよ」
(‘_L’)「ならば最初から来てくだされば」
( ФωФ)「ここは彼が寝泊まりしている場所である以上、
最後に来るのが唯一の正解なのである」
部屋の片隅に視線を向けるロマネスク。
その先では、椅子に座らず膝を抱えて床に座っている男がいた。
.
-
( ФωФ)「マタンキ、この部屋の寝心地は如何であるか?」
(・∀ ・)「……しらねぇよ」
( ФωФ)「ふむ……。
今は低調のようであるな」
(-_-)「この前緑に戻したのに、
またオレンジになってるし」
(‘_L’)「もう付き合うのは御免ですよ」
( ФωФ)「まあまあそう言わず。
高調の時しか動かないマタンキを御することが出来るのは、
フィレンクトくらいなのであるから」
(‘_L’)「嬉しくありません」
(・∀ ・)「フィレンクト、水飲みたい」
(‘_L’)「はいはい」
座っていたフィレンクトがテーブルの上のカップをもってマタンキに近付いた。
(-_-)「何やかんや言って良いコンビ」
( ФωФ)「であるな」
「ねえ、そんな話をするために集めたの?」
四人を冷ややかな目で見ていた何人かの一人が口を開いた。
( ФωФ)「すまないのである。
今日はVIPを壊滅させる作戦についてお集まりいただいたのである」
「VIPなんて関係ない。
私はあいつを殺せればいいだけ。
……許せない、あいつを」
.
-
( ФωФ)「そうであったな。
もちろん分かっているのである」
小柄な『少女』がロマネスクを見つつ足を組み替え、
腕を組んで睨んだ。
(少女)「言っておくけど、
あいつを殺させてくれるっていうから、
来ているんだからね。
そうでなければ、誰があんた達なんかのいう事なんか」
(-_-)「ふん。
ビッチが」
(女)「引きこもりの童貞は黙ってなさい」
(#-_-)「誰にでもに股を開く女に興味ないよ」
(女)「その『誰にでも』に入れてもらえない虫けらは黙ってなさいって言ってるの」
(#-_-)「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるs」
ウインドウを出したヒッキーを見てウインドウを出すデレ。
( ФωФ)「やめるのである。
目的を同じくする者同士が戦うのは愚かである」
武器を取り出そうとした二人を制するロマネスク。
見れば部屋にいる者は防具は付けているが武器は手にしていない。
( ФωФ)「ここに入るにはキーアイテムか設定されたアイテムが必要であるが、
基本的には圏外なのである。
モンスターが出ない以上、
この部屋では武器はご法度なのである」
(-_-)「……分かってるよ」
ウインドウを消す二人。
.
-
(少女)「あと言っておくけど、私、ここでもリアルでもバージンだから」
一瞬身体を震わせたヒッキーだったが、
誰もそれについては触れなかった。
「別に、ひとりでかまわない」
少女の隣、座っていても分かる長身の男が口を開いた。
( ФωФ)「貴殿もそんなことを言わないで欲しいのである」
(長身の男)「今までも、一人で、殺してきた。
助けも、仲間も、必要ない」
(‘_L’)「……今まで貴方が殺してきた者達とは違い、
今度はギルドに入って仲間で動いている者です。
我らと共にいた方が、都合が良いでしょう」
(長身の男)「だから、ここにいる。
でも、これ以上 意味のない 話し合いは、必要ない」
( ФωФ)「言う通りであるな。
……話しを進めるのである」
席に戻ったフィレンクトに目配せをしつつ、
ロマネスクは発言しない者達も含めた全員を改めて見回した。
(´・ω・`)「大まかな作戦は以上です」
渡した資料の中の、
作戦について説明を終えたショボン。
細かい点については個別に話すことにしたと言っていたが、
それでも時間的には長い話だった。
.
-
しかしもちろん、誰一人寝ることもなくその説明をしっかりと聞いていた。
(´・ω・`)「質問はありますか?」
( ゚д゚ )「ショボンにしては大雑把な作戦だな」
(´・_ゝ・`)「『作戦』と言っていいのか?」
(´・ω・`)「厳密にいうと違うでしょうね。
どちらかというと『対応策』に近いと思います。
相手の出方待ちなので仕方ありませんが」
从 ゚∀从「こちらから誘うことは考えてないのか?」
(´・ω・`)「はい。
……戦闘せずとも彼らが考えを改め、
僕らを狙わず、今までの行為を悔やんでくれるのが最善だと思っています」
一瞬の間。
全員の表情を見て、ショボンが困ったように苦い笑い顔を見せた。
( ´∀`)「この『個別』にやってくるというのは確かもな?」
その空気を壊すようにモナーが聞いた。
(´・ω・`)「おそらくは」
( ゚д゚ )「流石に一対一はやばいだろ」
(´・ω・`)「はい。
ですが一人でなければ狙われないでしょうから、
一見一人にはなってもらいます。
もちろん影にサポートは付けます」
ξ゚⊿゚)ξ「わたし、いらないわよ」
( ´_ゝ`)「おれもいらん」
(;^ω^)「ツン!」
(´<_`;)「兄者!」
.
-
ξ゚⊿゚)ξ「だって、
狙ってくる敵が分かってるなら、
それに対して対応すればいいだけの話じゃない」
( ´_ゝ`)「武器もわかってればその対策も練れる」
(;^ω^)「危険だお!」
ξ゚⊿゚)ξ「危険なのはあんたの方よ」
( ^ω^)「お?」
ξ゚⊿゚)ξ「もしそのとき私も兄者もいなかったら、
あんたどうやって『天使の神速斬(エンジェルホライズン)』をやるつもりよ」
( ^ω^)「お、お。それは、その……」
(´・ω・`)「その辺りの手は打つよ」
ξ゚⊿゚)ξ「手って?」
(´・ω・`)「ツンや兄者以外にも出来るようになればいいだけの事だよ」
ξ゚⊿゚)ξ「それが出来ないから問題だったんじゃない。
私達以外でやれるのはショボンくらいでしょ?
もちろんブーン一人でもやれるけど、
それじゃあ機動力は八割、いや七割が良いところよ。
それに一番大事なのは止めることが出来るかってことよ」
(´・ω・`)「それもわかってる。
ブーンが長時間やろうとした時のストッパーがね。
だけど、何とかできると思う」
ξ゚⊿゚)ξ「……信じるわよ」
(´・ω・`)「準備と訓練は必要だから、
ツンにも力は貸してもらうよ」
ξ゚⊿゚)ξ「了解」
.
-
( ^ω^)「おー。僕の意志に関係なく話が進んでる気がするお」
('A`)「諦めろ。
おれはとっくの昔に諦めてる」
从 ゚∀从「どっくんは私が守る」
('A`)「そこで口を挟むな」
从 ゚3从「どっくんのいけずー」
ξ゚⊿゚)ξ「あら、ハインもその口出来るようになったのね」
从 ゚3从「練習した!
な!トソン!」
(゚ε゚トソン「私にふらないでください」
<_プー゚)フ!
( ・∀・)!
( ^Д^)!
(´・ω・`)「はいはい、話を元に戻しますよ」
(`・ω・´)「このノリがおれらの良いところだな」
(´・ω・`)「そうなの?」
(`・ω・´)「そうだろ」
川 ゚ -゚)「時と場合は選んでほしいところですが」
(´・ω・`)「だよね」
(`・ω・´)「選んでるからこれくらいで済んでるんじゃないか」
クーが諦めたように肩を落とし、
ショボンは今度は朗らかな笑顔を見せた。
.
-
( ФωФ)「以上が作戦である」
ロマネスクの話が終わると、
何人かが大きなあくびをした。
(少女)「ま、これなら良いけど。
私の邪魔はしないでね」
(-_-)
(女)「なに?」
(-_-)「べ、別に何でもない」
(長身の男)「了解、した。
こちらの邪魔も、しないでほしい」
( ФωФ)「分かっているのである。
貴殿は貴殿の信念で動いていただければいいのである」
(長身の男)「……」
( ФωФ)「お主もわかったであるか?」
「……わかっているのです」
(-_-)「本当に分かってるの?
さっきから下ばかり向いてるけど」
部屋の中には口を開かずただ聞いているだけの者が何人かいたが、
ロマネスクとヒッキーは一人の男を見た。
俯いていた男が顔を上げる。
.
-
(男)「……私がやるべきことをやらないと、
私の大事なものがどうなるかを分かっています。
ですが、私の力であの面々を倒せるとは思えないのです」
( ФωФ)「VIPの面々は君には本気を出せない。
それがある以上大丈夫なのである」
(男)「……はい」
(-_-)「それに何度も指導を受けてるんだから、
戦闘の癖くらい見抜いてるでしょ?
君なら」
(男)「!……はい」
( ФωФ)「それがあるから君を引き入れたのである。
働きを期待しているのである」
(男)「…… ……わかっています」
そこにいる全員の、
いやマタンキ以外全員の視線を受け止めながら、
彼は頷いた。
ギルドVIPホーム、会議室。
白い部屋で、ショボンだけが喋っていた。
(´・ω・`)「細かい動きや流れに関しては、
個別、チームごとに説明しますが、
大まかな話はこれで終わります。
基本は『臨機応変』ですが、
今の皆なら難しくはないと考えています」
.
-
大きく頭を下げるショボン。
全員がほぼ同時に息をついた。
ξ゚⊿゚)ξ「ねえショボン。
一つ聞きたいんだけど」
(´・ω・`)「はい」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたの本心。
建前や言葉で着飾ってない、あんたの本心。
教えて」
(´・ω・`)!
川 ゚ -゚)「おい、ツン」
ξ゚⊿゚)ξ「今話したことは全部間違ってない。
VIPが狙われているってことは、
VIPはもちろん、NSや関係の深い人達も狙われるってことでしょう。
そこにいるプギャー達とか。
辞めたとはいえギコやしぃも狙われるかもしれない。
だからこの作戦?対応策?には納得できる。
でも、あんた本当はどう思ってるの?
今みたいな会議での言葉じゃなく、
ギルドマスターとしてではなく、
ショボンとしての本心を教えて」
( ^ω^)「ツン……。
でも、だおね。
ショボン、僕も知りたいお」
('A`)「ああ、おれも」
(´・ω・`)「みんな……」
五人を見る面々。
そしてショボンに視線が集中した。
.
-
(´・ω・`)「……戦いたくなんか、ないよ。
僕も人を傷付けたくないし、
皆にも誰かを攻撃なんてしてほしくない。
でも、それでは『誰か』の餌食になるだけだって分かってるから、
僕は戦うことを選ぶ。
でも、殺しちゃいけない。
向かってくる相手に、一番は説得したいけど、
戦わなければいけなくなってしまう時が来る。
そして、戦わないことを選ぶことによって、自分が殺されたら意味が無い。
自分の命を大事にして、
その上で、相手の命も守ってほしい。
みんなには、その為の強さを持てるように努力してもらったつもりなんだ。
だから、今回はこんな難易度の高いオーダーを出してしまっている。
ごめん。
でも、ぼくは」
▼・ェ・▼「きゃん!」
(´・ω・`)「ビーグルちゃん……」
▼*・ェ・▼「きゃんきゃん!」
椅子から飛び降りたビーグルがショボンに駆け寄り、
その膝に飛び乗った。
そして頬をショボンに摺り寄せる。
▼*・ェ・▼「くぅーん」
( ´∀`)「わかってるもな。
きっとみんな、わかってるもなよ。
ショボンの気持ちは」
ちらっとツンを見るモナー。
その視線の先で彼女は笑顔で肩をすくめた。
.
-
( ´∀`)「でもそれじゃあショボンが無茶をしそうだから、
ちゃんと言葉にしてもらったもな。
ショボンも、ちゃんと自分の命を一番に考えなきゃダメもなよ」
(´・ω・`)「!みんな……」
にやにやとショボンを見る面々。
隣のシャキンがつついてくるので目を向けると、
ドヤ顔で笑っている。
反対側ではクーも穏やかな笑顔を見せていた。
(´・ω・`)「ありがとう」
そして表情を引き締めると音を立てて立ち上がった。
(´・ω・`)「みんな!
がんばろう!
終わったら!
みんなでパーティーだ!」
片手を上げるショボン。
らしからぬその姿に一瞬全員が呆気にとられたが、
すぐに続いて立ち上がり、全員が声を上げつつ片手を上げた。
数時間前に歩いた道を逆に歩くロマネスクとヒッキー。
夕暮れに近い時間で、やはり自分達以外の人影は見えない。
(-_-)「ねえ、あれでいいの?」
( ФωФ)「うむ?」
.
-
(-_-)「マタンキもだけど、あの男とか……女とか」
( ФωФ)「うむ。
彼らは基本的に自分の殺したい相手しか考えていないのである。
ならばおぜん立てはしても邪魔はしない。
手助けもしないのが当然なのである」
(-_-)「……うん。
そうだよね。
本当あいつら、自分の欲しか考えてないんだからしょうがないよね」
( ФωФ)「ヒッキーもあいつを殺したいのではないか?」
(-_-)「え?う、うん。
でも僕は別にどうしてもあいつじゃなきゃってわけじゃ……」
( ФωФ)「殺したい相手を殺すのが一番なのである。
吾輩もマタンキも狙いがある以上、
ヒッキーも自分の欲に正直になればいいのである。
吾輩もそれが一番うれしいであるよ」
(*-_-)「え?あ?うん」
思わず立ち止まってしまったヒッキー。
のんびりと歩くロマネスクの背中を一瞬悲し気に見てから、
顔を横に振り、表情を変えて嬉しそうに小走りに横に並んだ。
( ФωФ)「彼奴等もうすうす感付いて策は練っていると思われるであるが、
我らはともかく外の者達まで予測するのは不可能なのである。
あのしたり顔のギルマスがうろたえるのが楽しみである」
(-_-)「本当、あの頭のいい振りしたバカ。
マタンキが殺したいって言ってたけど、
あいつにもギルドが壊滅するところを見せたいよ」
( ФωФ)「そうであるな。
でもあやつが要であるのは間違いないのである。
あいつがいなくなればギルドは分解するであろう」
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(-_-)「主要メンバーを何人か殺すしね」
( ФωФ)「作戦の決行まではまだひと月ほどあるのである。
それまでヒッキーも更に鍛えてほしいのである。
期待しているであるよ」
(*-_-)「う、うん!がんばるよ!」
上気した顔で横にいるロマネスクを見上げるヒッキー。
だがすぐに前を向き、ニヤニヤとした笑みを抑えきれないまま少し下を見ながら歩く。
ロマネスクはそんなヒッキーを冷ややかな目でちらりと見降ろした。
( ФωФ)「(せいぜい頑張ってほしいのである。
別にお前が死んでもどうでもいいであるが、
自由に動く手足が居なくなるのは少し面倒臭いであるからな)」
自分を見る視線に気付いて顔を上げるヒッキー。
それを見たロマネスクが慈しむような優しい笑みを浮かべると、
ヒッキーは満面の笑みで返した。
第二十二話
終
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乙!
今回も熱かった!
次回の決戦は色々ありそうだな…
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どーも作者です。
二十二話、終了しました。
いつも乙と感想ありがとうございます。
さて、残すところメインエピソードもあと二つくらい、
予定している閑話も一本くらい、
ということで来年の完結を目指しております。
本当は映画の前に終わらせたかったけど、
それは流石に無理そうなので来年中には。
まぁ本来の予定は今年の11月には終わる予定でしたが。
一応意識して出した伏線や思わせぶりな表現はすべて回収して終われる筈ですが、
残ってしまったらそれはそれで。
それでは次回、
第二十三話 『crossing field』
も、よろしくお願いします。
ではではまたー。
良いお年を。
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乙
なんか指摘していいのかわからんミス?が一個あるぞ
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女がネタバレされとる
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最初ここで全員判明させてたのでこんなことにww
ま、いっか。(笑)
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乙
流れから想像つくとはいえネタバレw
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乙乙
良いお年を
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つまり長身はあいつか
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今年最後の・・・
http://3step.me/3exf
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乙です。
来年もまたヨロシクお願いします。
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何だこれ、何だこれぜんっぜん予想外なの俺だけなのか続き気になり過ぎる
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デレ、ダイオード、ワカッテマスか
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複線回収を読んでてゾクゾクする感じ好き
あと何箇所か誤字です
>>311 時間間隔→感覚?
>>330 離しだそうと→話しだそうと
>>375 狼男の首を切り裂かれた→狼男の首が
>>393 話しを進める→話を進める
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いくつか原作キャラが登場していたけど黒の剣士は登場するんかな?
ソロだからでないのかな?
なーんとなく期待してしまう。
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少女だけわからん。
俺も別ヶ所の誤字見っけた
>>346
( ・∀・)「お客様をお連れしたんだよ!」
って、ブーンちっす。
ここで会うのも珍しいな」
カギカッコの締めが二つある
>>360
計算で来たんだよね
→計算出来た?
>>363
クックルの
いつのもなら
→いつもなら?
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i' ‐-、、,,_==/=ゝ ヽ\ \_i レ' ,,,、,,__./ ,, '.` '´; ',
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〆' iヾ ヾミ 、_'´' ヾ'‐ 、;;;ソ´'、{:::::: ,' r'. ,' l .!
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いようの妹だろ
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少女=女=デレじゃない?
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女 デレ、少女 ヘリカルで読んでた
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いよぅが死んだ(かどうかまだ未確定だが)のをショボンあるいは他のメンバーのせいだと思ってるならヘリカルに動機はあるな
でも予想はこの辺にしとかないと自治厨が騒ぎだすからやめといた方がいい
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自治というかマナーだよね
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地味にブーン芸の方に修正入っててワロタwww
的外れっぽいから書いちゃうけどデレは男じゃないかと思ってる
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