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( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。
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立ったら投下できる。
-
<_プー゚)フ「何もない……?」
(´・ω・`)「くるよ!3!2!1!ジャンプ!」
タイミングよくジャンプする11人。
しかしエクストは高さが足りなかったため着地が少し早く、
片膝をついてしまった。
<_プー゚#)フ「畜生!」
('A`)「どういうことだ?」
( ´_ゝ`)「目には目を歯には歯をってことか?」
(´・ω・`)「おそらく。
攻撃されるとジャンプで返すんじゃないかな。
ただ、僕の様子見のナイフであの威力。
どんな攻撃にも一定なのか、攻撃力に比例するのか分からない」
( ´_ゝ`)「やってみるしかないだろ」
大金鎚を振り上げる兄者。
(´・ω・`)「……」
( ´_ゝ`)「ん?どうしたショボン」
(´・ω・`)「うん。やってみようか」
( ´_ゝ`)「え?いいの?」
(´・ω・`)「自分で言っておいて」
( ´_ゝ`)「いやだっていつもおれが強硬策を言って、
それを止めてなんか良い策を出してくるっていう流れだから」
(´・ω・`)「腹案はあるけど、まぁ後でも良いかなと。
ただ、防御はするから準備はするよ」
( ´_ゝ`)「ん?」
.
-
ウインドウを操作して槍を取り出すショボン。
(´・ω・`)「クックル、防御の準備しておいて」
( ゚∋゚)「分かった」
(´・ω・`)「兄者、武器は」
( ´_ゝ`)「一番低レベル、剣技なしで通常攻撃一発」
(´・ω・`)「うん。よろしく」
自分は構えずに、クックルの斜め前に立つショボン。
(´・ω・`)「シャキン、ギコ、盾の準備を。
ジョルジュ、エクスト、両手剣で防御技だしてもらう可能性があるからよろしく」
名前を呼ばれたものが準備を始め、
呼ばれなかった者がクックルの後ろに立つ。
兄者はのんびりと『ザ・バウンドケーキ』に近寄った。
( ´_ゝ`)「いいか?」
(´・ω・`)「みんな、準備は良い!?」
全員が頷くのを確認するショボン。
(´・ω・`)「いいよ!」
( ´_ゝ`)「うりゃあああああああ!」
兄者が槌を振り上げながらジャンプすると同時に、
兄者に向かって駆けだすショボン。
その後ろをシャキンが続く。
( ´_ゝ`)「!!よっしゃあ!」
2メートル以上跳躍した兄者。
巨大槌をかろうじてバウンドケーキの向かって左の角に当て、
そのまま振り下ろした。
.
-
( ´_ゝ`)「いよしっ!」
槌の先端を、円を描くように後方に振り上げ、
肩を回しながら肩に担ぐ。
(´・ω・`)「後方に跳ぶ!」
( ´_ゝ`)「おおうっ!」
ショボンの声に跳躍する兄者。
1メートル以上跳んだその前に、槍を持って立つショボン。
シャキンは兄者の横に立つ。
( ´_ゝ`)「え?なにこれ」
一部を砕かれたバウンドケーキ。
ぼろぼろとスポンジよりも少し硬そうな生地が崩れ落ちる。
(´・ω・`)「!防御!」
自らの槍を回転させながら叫ぶショボン。
その声と同時にクックルも同じ様に槍を回転させた。
二本の槍は青白い光を生み、
その光が半球状に広がってそれぞれに仲間を包む。
その瞬間、バウンドケーキから何かが飛んだ。
('A`;)「ちょっ」
(;^ω^)「おっ?」
_
(;゚∀゚)「げっ」
それぞれに奇声を上げるメンバー。
(;´・ω・`)「何か出るかなとは思ったけど」
ミ;,,゚Д゚彡「普通サイズのパウンドケーキが飛んでくるから……」
.
-
(`・ω・´)「うむ。おもしろい」
兄者が砕いたバウンドケーキのかけらのうち、
一定の大きさのものは通常サイズのパウンドケーキの形に変化し、
そしてエリア内を縦横無尽に飛びまくっている。
( ´_ゝ`)「確かに」
(´<_`;)「面白いとか言える状況か!?」
(;゚∋゚)「大丈夫か!?」
(;,,゚Д゚)「結構衝撃が来るぞゴルァ!」
(`・ω・´)「多分一つ一つの体当たりが、
さっきの兄者の攻撃くらいある!
気を付けろ!」
(;´・ω・`)「ジャンプも来るよ!3!2!1!」
声に合わせ、ショボンとクックル以外が飛び上がる。
バウンドケーキが着地し、地面が揺れた。
(;´・ω・`)「クックル!大丈夫!?」
(;゚∋゚)「おれは大丈夫だ!ショボンの方が気を付けてくれ!まだ大丈夫か!?」
(;´・ω・`)「……そろそろ終わる」
(;^ω^)「出るお!」
(;´・ω・`)「多分通常攻撃は効かない!
僕とクックルの作った壁に当たったケーキは砕け散ったけど、
盾や武器で防いだケーキは跳ね返っただけだった!」
('A`;)「わかった!やってみる!」
(;´・ω・`)「技後の硬直に気を付けて!」
(;^ω^)「わかったお!」
.
-
クックルの後ろから外に出るタイミングをうかがう二人。
しかし四方から飛び跳ねるパウンドケーキに隙を見出せない
(;´・ω・`)「兄者、あと10秒でおわるから、そのタイミングで範囲技を。
シャキン、兄者のフォローを」
( ´_ゝ`)「おれは大丈夫だ。
シャキン、ショボンのフォローに回ってくれ」
(`・ω・´)「二人ともまとめて守ってやるよ。
兄者の終わるタイミングでおれが剣を振り回せばすむだろ」
(;´・ω・`)「両手剣の全方位は」
(;´_ゝ`)「おれ達にもヒットするだろうが!」
(`・ω・´)「そういやそうか」
「僕がいくょぅ」
( ´_ゝ`)「?今なんか声が……」
ショボンが自分の横、シャキンの前の何もない空間を見る。
(;´・ω・`)「うん……そうだね。頼むよ。でも、無理はしないで。ぃょぅ君」
自分の名を呼ばれた瞬間、
フード付きのマントをなびかせてぃょぅがショボンの作る壁の隙間から飛び出した。
(`・ω・´)「いけいけー!」
飛んでくるパウンドケーキを両手剣の側面でたたき落としながら、
シャキンが無責任な声を上げた。
走り抜けるぃょぅ。
その姿はフサギコの装備とよく似ているが、
色は灰色とかすれた緑を基調としていた。
また全体的に少し短めになっており、
手首足首を露わにして駆け抜けるその姿はまさに『少年剣士』だった。
.
-
( ´_ゝ`)「え?いつからいたの?」
兄者が呆然と呟く。
その数秒で、ぃょぅの持つ短めの刀はパウンドケーキをいくつか切り裂いていた。
(`・ω・´)「初めからいたぞ」
(;´_ゝ`)「え?」
(´・ω・`)「終わる!兄者お願い!」
( ´_ゝ`)「お、おう!」
ショボンが回す槍が止まり、
三人を包む光が消えていく。
まるでそれを待っていたかのように四方から三人に向かって飛ぶパウンドケーキ。
( ´_ゝ`)「とりゃ!」
(`・ω・´)「とうっ!」
少し気の抜けた掛け声を上げて地面を叩く兄者。
叩いた地点から1メートルほどの大地が揺れ、
そこから先には半径二メートルほどの衝撃波が3メートルの高さまで広がる。
シャキンは硬直しているショボンを小脇に抱えて揺れる地面を回避した。
(´・ω・`)「ありがと」
(`・ω・´)「お兄ちゃんだからな」
(´・ω・`)「はいはい」
( ´_ゝ`)「弟者―!お兄ちゃん頑張ってるぞ!」
(´<_`;)「黙って戦っとけ!」
( ´_ゝ`)「ちぇー」
.
-
(´・ω・`)「衝撃波が消えるタイミングでクックルの所に!」
(`・ω・´)「わかった」
( ´_ゝ`)「弟者―。そっち行くからなー」
(´<_`;)「だまってろー!」
その間も、緑灰色の影は光る刀で確実にパウンドケーキを切り裂いていた。
その速度は、ブーンよりも遅い。
その位置取りは、ドクオよりも拙い。
その攻撃力は、ここにいる誰よりも低い。
彼のレベルは、ここにいる誰よりも低い。
けれど彼は、この場にいる誰も出来ないことを、成し遂げていた。
ミ,,゚Д゚彡「ぃょぅ……凄いから」
自分に向かって飛ぶパウンドケーキを避け、
すれ違いざまに光る刀で切り捨てる。
同じ方向に跳ぶパウンドケーキは無駄に追わず、
自分に向かって飛ぶ敵だけを確実に仕留める。
_
( ゚∀゚)「すげー」
(´・ω・`)「クックル、引き継ぐよ」
(;゚∋゚)「ありがとう」
クックルの前に立って槍を回し始めるショボン。
光がメンバーを包むように広がり始めた時に、
クックルは槍を動かすのをやめた。
(´・ω・`)「ブーン、ドクオ、出れる?」
.
-
( ^ω^)「行けるお!」
('A`)「おれもだ!」
ぃょぅが数を減らし、更に彼が動き回り注意を引き付けているため隙が生まれていたため、
ブーンとドクオはショボンの返答を待たずに飛び出した。
ブーンという青い風が吹き荒れ、
ドクオという闇が敵を砕く。
けれどその二人の動きを邪魔することなく自分のやるべきことをやるぃょぅの動きに、
他のメンバーは視線を奪われていた。
(=゚ω゚)ノ「お久しぶりですょぅ!」
片手を上げてあいさつした後に、
「ぴょこん」という擬音が聞こえそうな仕草で頭を下げるぃょぅ。
全員の顔がほころび、それぞれに握手をし、彼の頭を撫ぜた。
(´・ω・`)「ちょっと試したかったから、隠蔽で付いてきてもらってたんだ。
彼の隠蔽スキルとツンとモララーの作ったマントが合わされば
ほぼ完璧に気配を消せることが分かったのも収穫だけど、
それよりなにより助かったよ。
ありがとう。ぃょぅ君」
最後に握手をするショボン。
(*=゚ω゚)「嬉しいょぅ」
顔を赤らめるぃょぅ。
(`・ω・´)「なるほど。デミタスを連れてこなかったのは正解だな」
ボソッと呟いたシャキン。
数人が黙って頷いた。
.
-
('A`)「で、これからどうするんだ?
あいつはこちらから攻撃しなけりゃ攻撃してこないみたいだけど、
すり抜けて奥にも行けなさそうだぞ」
(´・ω・`)「確実にわかったことは、
攻撃一回に対し、ジャンプの攻撃が一回。
攻撃力はそれほど大きくはないけど、
まともに当たれば数秒間体が動かせない。
砕いたり切ったりして零れたスポンジは、
その分だけ小さい形に姿を変えて突進攻撃を行う。
攻撃力は、バウンドケーキを攻撃した時のパワーと同等」
_
(;゚∀゚)「なんだそりゃ」
(´<_` )「クエストとはいえ、ふざけすぎだろ」
( ^ω^)「敵が目の前にいるのに、
こんな風に話し合いが出来るのも面白いおね」
('A`)「だなー」
( ゚∋゚)「だが、のんびりやっていて大丈夫なのか?」
(´・ω・`)「カウントダウンは出てないから時間は無制限っぽいけど、
クエスト自体に『日が沈む前に届けて』って言われているから、
そろそろ片付けないとだけど……」
(´<_` )「だが、どうする?」
_
( ゚∀゚)「ここはおれが一発」
<_プー゚)フ「いやおれだろ」
両手剣を構える二人。
だが誰も反応しなかったため静かに剣を下ろした。
ミ,,゚Д゚彡「ぃょぅに頑張ってもらうから」
(=゚ω゚)「!」
.
-
(´・ω・`)「それが一番なんだけど……」
(=゚ω゚)ノ「役に立てるなら何でもやるよう!」
(´・ω・`)「無理なく、自分の命を大事に、
でも、君にしかできないことをお願いしたい」
笑顔を消し、真剣なまなざしでぃょぅを見るショボン。
(=゚ω゚)「!……」
その視線を、しっかりと受け止めたぃょぅ。
ゆっくりと頷く。
(´・ω・`)「ありがとう、じゃあ説明するよ」
(=゚ω゚)ノ「はいだょぅ!」
(=゚ω゚)ノ「準備できたょぅ!」
バウンドケーキの側面、
円形広場のギリギリに立つぃょぅ。
マントを外し、先ほどよりも少しだけ長い刀を持つ。
('A`)「大丈夫なのか?武器を強くして」
ミ,,゚Д゚彡「長さ重視でそれほど強くはないから」
( ´_ゝ`)「あれもおれが作った」
(´<_` )「いちいち胸を張るな。
それを言うなら防具は全員おれが作った」
( ´_ゝ`)「ぃょぅのマントはツンとモララーの共作だろ」
.
-
(´<_`;)「うっ。
あ、あれは防具じゃないからな」
( ´_ゝ`)「負っけ惜っしみー。
負っけ惜っしみー。
弟者せっせと負っけ惜っしみー」
(´<_`#)「『待ちぼうけ』のメロディで歌うな!」
(´・ω・`)「そろそろやりたいなー」
( ´_ゝ`)「うむ。いつでも行けるぞ」
(´<_`;)「すまん。大丈夫だ。進めてくれ」
<_プー゚)フ「仲良いな」
(*´_ゝ`)「エクストには今度良い剣をプレゼントしてやろう」
(´<_`#)「もう防具作ってやらん」
('A`#)「そこの三人!やるぞー!」
( ´_ゝ`)「おう!」
(´<_` )「すまん!いける!」
<_プー゚;)フ「え?おれも怒られた?」
駆けだすぃょぅ。
刀は水色に光り輝いていた。
そして跳躍し、上から下へ、
ザ・バウンドケーキが円形広場に突き出ている線に沿うように刀を通す。
もちろん刀を長くしたとはいえバウンドケーキを切る長さは無いのだが、
水色の光はいつの間にか刀の先数メートル伸びており、
光がバウンドケーキを切断していた。
着地し、刀を大地に付けるように下ろすぃょぅ。
.
-
そして硬直したのその体をクックルが抱き上げ、
すぐさま後方に走る。
(=゚ω゚)「ありがとうだょぅ」
( ゚∋゚))
黙って頷くクックル。
(=゚ω゚)ノ「大丈夫だょぅ。
クックルさんが話せるのはヘリカルにも話さないょぅ」
(;゚∋゚)「え、聞こえてたのか?」
(=゚ω゚)「小さかったけど、聞こえてたょぅ。
でも、秘密はもらさないから大丈夫だょぅ」
( ゚∋゚)「そうか。
いつも二人で花を買いに来てくれていたから、
少し心を許していたんだろうな」
(*=゚ω゚)「嬉しいょぅ」
二人が安全な位置に退避した時には、
切られたバウンドケーキが無数のパウンドケーキに変貌を遂げていた。
(´・ω・`)「ジャンプ来るよ!3!2!1!」
そしてショボンの指示に従ってジャンプをすると、
その時にはパウンドケーキが飛び始めていた。
( ´_ゝ`)「とりゃ!」
回避のジャンプの着地と同時に兄者が大金鎚を振り下ろす。
今度は前方に衝撃波が生まれ、3メートル近く扇状に広がった。
(´<_` )「おれ達は位置固定で衝撃波攻撃だからな。
動くなよ兄者」
.
-
硬直する兄者の前に立ち、両手斧を構える弟者。
( ´_ゝ`)「いけいけ弟者―」
(´<_` )「とう!」
気合を込めて真横に斧を振る。
生まれた衝撃波はほぼ兄者の放ったものと同じくらいだった。
( ´_ゝ`)「流石だな」
(´<_` )「ふっ。あたりまえだ」
二発の衝撃波によって多数のパウンドケーキが削られたが、
開いた隙間を埋めるようにパウンドケーキが飛ぶ。
<_プー゚)フ「やらせるかよ!」
_
( ゚∀゚)「へっ!」
兄者と弟者に向かって飛ぶパウンドケーキを叩き落とす二人。
両手剣は共に白く輝いている。
(`・ω・´)「両手剣にも範囲攻撃はあるぞ!四人でローテーションを組め!」
シャキンの指示ににやりと笑う二人。
_
( ゚∀゚)「ショボン!」
(´・ω・`)「そこら辺は四人でやりやすくしていいよ!
その半径2メートルのエリアは任せた!
全員あの四人のエリアには入らないようにして!」
<_プー゚)フ「いよっしゃあ!
任された!!!」
それぞれに構える四人。
.
-
支援
-
(`・ω・´)「ギコ!盾持ち片手剣は慣れたか?」
(,,゚Д゚)「ま、まだまだだ!」
(`・ω・´)「今日は防御と攻撃のいい練習になるぞ!」
(,,゚Д゚)「!分かったぞゴルァ」
並んで盾を構える二人。
普段ならそのまま突っ込んでいく二人だったが、
今日は向こうから飛んでくるパウンドケーキに合わせて盾を操った。
(`・ω・´)「こいつであいつらを跳ね返せることが出来る。
角度をうまくやれば四人の所に向けて飛ばすことが可能だ」
シャキンの盾に当たったパウンドケーキが跳ね返されて飛び、
エクストの放った衝撃波に巻き込まれて消滅した。
(,,゚Д゚)「ご、ゴルァ」
(`・ω・´)「それは相手の剣を受け流したり反射させるときと考え方は同じだ。
瞬時に相手の攻撃のベクトルを見極めて、
それにふさわしい型に盾を構える。
それを意識しろ。
相手の攻撃を受け止めるだけの盾の使い方から、
一歩進めるはずだ」
(,,゚Д゚)「!ゴルァ!」
( ゚∋゚)「ギコも強くなったな」
クックルが無造作に回しているようにみえる槍は、
自分の周囲を飛ぶパウンドケーキを的確に攻撃している。
時折赤く光るが、基本的には剣技ではなく通常攻撃だ。
( ゚∋゚)「槍はこういう攻撃は向かないんだよな」
(´・ω・`)「基本的には『刺突』だからね、
技としては流し切りも出来るけど。
それに両手槍は攻撃力が高い分、
数で勝負してくる敵には弱い」
.
-
( ゚∋゚)「ああ」
クックルは、飛んでくるパウンドケーキを見て槍を動かしている。
ショボンは、飛んでくるパウンドケーキを予測して体を動かし避けていた。
( ゚∋゚)「チャクラム、久しぶりだな」
戻ってきたチャクラムを手に取り、
流れるようにもう一度放つ。
(´・ω・`)「練習はしていたけどね。
使う場所を選ぶ武器だから」
( ゚∋゚)「そうだな。
チャクラムは、投擲武器の中でも特殊な部類に入る。
形は輪投げの輪を大きくしたようなとでも言えばいいだろうか。
そして持ち手の部分以外はほぼ『刃』であるため、
手に持てば敵を切り裂くこともできる武器である。
その為この武器を使うためには、『投擲』だけでなく『体術』スキルも必要としている。
だがしかし、この武器の最大の特徴は『手元に戻ってくる投擲武器』であるという事だった。
通常投げたら投げっぱなしの投擲武器と違い、
チャクラムはブーメランのように戻ってくる。
投擲武器最大の難点が、この武器には無かった。
しかしその代わりに大きな難点がこの武器には存在した。
それは、武器を投げた後戻ってくるまで、他の攻撃が出来ないという事だ。
武器が戻ってくる場所は基本的には投げた場所であり、
大きく位置移動した場合はうまく受け取ることが出来ない場合もある。
更に剣技中は投げてから戻ってくるまでが一つの『剣技』であるため、
システムに認識されない動きをしてしまうとそこで剣技がキャンセルされてしまい、
身体の硬直、チャクラムが明後日の方向に飛んで行ってしまう、
といった失敗となってしまう。
これによりチャクラムは、
巨大な敵や、モンスターが一体しか出てこないエリア、
更に言えば数名で一体と戦う時には非常に有効な武器と言えるが、
ソロで戦う者が使う武器ではなかった。
だがショボンが後方で支援や場の支配を目的として戦う時、
チャクラムは最強の、いや、モンスターにとって『最凶』の武器となる。
と、いう事だな」
.
-
(;´・ω・`)「え、あ、う、うん。
そうだね。
え?……クックル?」
( ゚∋゚)
戸惑いながらクックルを見上げるショボン。
何かに期待しているかのようなキラキラした目でクックルがショボンを見た。
(;´・ω・`)「え?あ。う。
せ、説明乙?」
(*゚∋゚)
嬉しそうに笑ったクックルを見て、
更に困惑したショボンだった。
その間も風と影は戦場を走った。
パウンドケーキよりも素早い動きと思えるほどの素早さで駆け、跳ぶ、青い風。
その隙間を縫うように黒い影が現れ、斬撃が光る。
青灰色の影は大地を駆け巡り、光る刀で敵を確実に切り裂く。
その周りを、風になろうとする鳥のように緑灰色の影が跳躍し、敵を切り裂いた。
( ^ω^)「おっおっおー!」
('A`)「のんきだなぁ」
( ^ω^)「みんなで戦うのは楽しいお」
('A`)「はぁ」
ミ,,゚Д゚彡「その気持ちわかるから!」
(=゚ω゚)ノ「僕もうれしいょぅ!」
.
-
ミ,,゚Д゚彡「こんな風にぃょぅと戦えるなんて思ってなかったから!」
(=゚ω゚)「がんばったんだょぅ!」
( ゚∋゚)「彼も凄いな」
(´・ω・`)「ぃょぅ君は、フサギコと同じ刀スキルを使いたいって曲刀を振り回して、
今やフサギコとはまた違う形で充分に刀を使いこなしてるよ。
レベルが低いのは敵を倒していないだけで、
スキルの熟練度も高いし、使える剣技も一つ一つを丁寧に練習してる。
だから最初の頃の技なら硬直を意識しないで使えている」
( ゚∋゚)「なるほど。
アインクラッドにおいて、
個人のレベルと武器を使うためのスキルの熟練度は別であり、
更にスキルのレベルを上げると使えるようになる剣技の一つ一つにも熟練度が存在する。
その中で個人のレベルは敵を倒したりクエストを攻略しないと上がらないが、
スキルの熟練度はその武器を使うことによって、
剣技の熟練度はその剣技をつかう事によって上がる。
つまり敵を倒さなくても、スキルや剣技の熟練度を上げることができる。
ということだな」
(;´・ω・`)「え、あ、うん、そのとおりなんだけど。
さっきからどうしたの?
なんかそういう縛りとか罰ゲームとか?」
( ゚∋゚)「前にしぃに間違った解説をして怒られたから、
頑張ってるんだ」
(;´・ω・`)「……そうなんだ」
( ゚∋゚)「理論的に技を知っていた方が、
指揮をする時の判断力につながるからな」
(´・ω・`)「……うん。だね。
でも戦闘中は心の中で思うだけにしておいた方が良いかも」
( ゚∋゚)「そうか?」
.
-
(;´・ω・`)「うん。できれば」
( ゚∋゚)「わかった。善処しよう」
(;´・ω・`)「(善処なんだ……)」
(,,゚Д゚)「ゴルァ!」
(`・ω・´)「全体に目を向けろ!
今飛ばしても四人の誰も範囲攻撃をしていないだろうが!」
(;,,゚Д゚)「!お、おう!」
ギコが弾き飛ばそうとしたパウンドケーキを切り裂くシャキン。
通常技の為消滅はさせられなかったが、
飛ぶ方向を変えることには成功している。
(`・ω・´)「盾持ちが受け流した攻撃の先に仲間が居たらどうする。
後ろに指揮者がいる時はその指示に従えばいいが、
それでも常に自分でも考えろ」
(,,゚Д゚)「分かった!」
改めて盾を構え、片手剣を握りしめるギコ。
シャキンはそんなギコを隣に見つつ、
改めて盾を構えた。
<_プー゚;)フ「シャキンがスゲー指導してる」
_
( ゚∀゚)「なんだ。ギルドの時とか教えてもらってないのか?
シャキンは両手剣も使うし」
<_プー゚)フ「んー。おれと一緒の時は盾持ちばかりだし、
楽しく戦ってるけど指導らしい指導を受けた覚えはないな」
(´<_` )「でもエクスト、戦い方が前と変わったな」
<_プー゚)フ「?そうか?」
.
-
(´<_` )「ああ。
スタイルは変わってないけど、
一つ一つの動きに余裕を感じる」
_
( ゚∀゚)「おれもそう思う。
前は隣に居てお前の剣が当たりそうになったことあるけど、
最近はすぐそばに居ても安心して戦えるからな」
<_プー゚;)フ「あー。悪かった」
(´<_` )「ま、シャキンが言わなくてもミルナやデミタスが言っているのかもな」
<_プー゚)フ「いや、特にそれほど指導は……」
_
( ゚∀゚)「後ろから怒鳴られたりしないのか?」
<_プー゚)フ「それはされる。
あとパーティーで戦闘した日の反省会でもいっぱい」
(´<_`;)「……それ、指導じゃないか?」
_
(;゚∀゚)「指導だな」
<_プー゚;)フ「!え、あ、そ、そうか」
(´<_`;)「(バカな子だ)」
_
(;゚∀゚)「(アホな奴だ)」
( ´_ゝ`)「おまえら真面目に戦えよー」
(´<_`;)「ああ兄者、すまんすまん」
_
(;゚∀゚)「範囲攻撃は任せちまったな」
( ´_ゝ`)「おれは結構使うようにしているけど、
お前らあんまり範囲攻撃技は使わないだろ?
熟練度上げるためにも使っとけよ」
.
-
<_プー゚)フ「でもなー。威力はあるけど硬直長いし」
( ´_ゝ`)「アホ。だからこそだろうが。
熟練度上げれば硬直時間も短くなる。
使える技を増やせば戦い方も変わるってことだ」
<_プー゚)フ「……ふむ」
( ´_ゝ`)「あれでいてギコは片手剣の扱いに関しては高いレベルを持ってる。
その使い方がまずかったから、ショボンはそこを直した。
その上でギコは自分で盾を使うことを選んで、今必死に練習しているんだ」
(´<_`;)「兄者が……」
_
(;゚∀゚)「真面目なことを話してる」
( ´_ゝ`)「弟者ひどーい。
兄者おこっちゃうぞ。ぷんぷん。
ジョルは後で頭に金鎚な」
(´<_` )「気持ち悪いことを言うなボケ」
_
(;゚∀゚)「ちょ、おい、対応違いすぎるだろ」
( ´_ゝ`)「かわいい弟と同じ扱いを求めるな汚らわしい」
_
(;゚∀゚)「汚らわしいってなんだよ!」
<_プー゚)フ「……おれも、そろそろ本気を出すか」
(´<_`;)「おい、今まで本気じゃなかったとかシャキン達に怒られるぞ」
<_プー゚;)フ「い、いや、本気で真面目にやってたけど、
その方がカッコいいかなって」
(´<_`;)「(やっぱりバカな子だ)」
_
(;゚∀゚)「(とことんアホな奴だ)」
( ´_ゝ`)「中二病も大概にしておけよー」
.
-
攻略方法を決め、順調に戦いを進めた彼らにとって、
『The BoUnd Cake』は強敵ではなかった。
(´・ω・`)「さて、それでは先に進もうか
その後十回ほど同じことを繰り返し、
『The BoUnd Cake』をポリゴンにすることに成功した12人。
ドロップ品は手に入ったが経験値が入らなかったため、
この後の戦いに備えて全員が武器を構えたまま道を進む。
すると前方には、『お菓子の家』が見えた。
ミ,,゚Д゚彡「『ヘキセンハウス』だから……」
ぼそりと呟いてちらっとギコを見るフサギコ。
ギコは隣にいたシャキンの陰にそっと隠れた。
(´<_` )「『ヘキセンハウス』、『お菓子の家』
ってことは、今度は『魔女』との戦いか」
弟者の言葉を聞き、気を引き締める面々。
('A`)「扉から入らないといけないのかな」
(;^ω^)「おー。狭いところの戦いは苦手だお」
(´・ω・`)「まずは僕がドアを開けるよ。
ただもしトラップがあるとまずいから、
調査をしてもらえるかな。ドクオ」
('A`)「了解」
.
-
スタスタと板チョコレートに見えるドアに近付くドクオ。
そしてクッキーとチョコレートで出来たキノコの形のドアノブをタップする。
_
( ゚∀゚)「(きのこの山だ……)」
(,,゚Д゚)「(きのこの山だ……)」
( ^ω^)「(屋根にはたけのこの里の大きいのがあるお。
おいしそうだおねー)」
ミ,,゚Д゚彡「(アポロもあるから!)」
(=゚ω゚)「(ヘリカルが喜びそうだょぅ)」
( ´_ゝ`)「(とりあえず一個取ってみるか)」
(´<_` )「(兄者を制止しないと)」
<_プー゚)フ「(あ、屋根に刺さってるポッキーの太い奴名前なんだっけ)」
( ゚∋゚)「(あれはフラン……だったかな。懐かしい)」
(`・ω・´)「!(も、もしやあれは幻のすぎのこ村!?)」
(´・ω・`)「(そういえばスポンサーに明治の名前があったような)」
('A`)「とりあえずトラップは無いな。
ってお前ら、キョロキョロしすぎだろ。
何をそんなに見てるんだ?」
怪訝な顔で周囲を観察するドクオ。
慌てて視線を戻す何人か。
(´・ω・`)「ありがと、ドクオ。
じゃあ開けてみるね」
左手にチャクラムを持ち、
右手でドアノブを掴むショボン。
.
-
音がしないドアをゆっくりと開ける。
「……人間か……」
暗闇に視界を奪われた刹那、
低い、地を這うような声が聞こえた。
(´・ω・`)!
ドアノブを突き放すように押してドアを全開に開けるショボン。
そしてチャクラムを盾のようにして構えた。
「……人間が来たのは、どれほどぶりじゃろう」
暗闇の中、ぼぅっと老婆の顔が浮かぶ。
その肌はしわくちゃで、垂れ下がった長い鼻が口にかかっている。
フードを被っているのか耳や頭は隠れていた。
老婆「後ろにもおるのか……」
ショボンの後方に目をやり、ぼぞっと呟く。
老婆「何人じゃ?」
(´・ω・`)「え?」
老婆「何人で来たんじゃ?」
(´・ω・`)「…………12人です」
老婆「そうか」
暗闇の中、老婆が後ろを向いたたためその顔が見えなくなった。
老婆「何をしておる。中には入れ」
(´・ω・`)「え?」
.
-
老婆「ああ。人間には暗いのか。
エルフは目が良い奴が多いからな」
室内が、明るくなった。
『Sweets Cafe MAGICAL ELF』
渡されたメニューの一番上には、
蔦をモチーフにした装飾文字でそんな言葉が書かれていた。
_
( ゚∀゚)「なんて書いてあるんだ?」
(老婆)「『スウィーツカフェ、マジカルエルゥフ』にようこそ」
ジョルジュの呟きを聞いたのか、
やってきた老婆がグラスに入った水を配りながら笑顔で言った。
( ´_ゝ`)「巻き舌にこだわりを感じるな」
綿菓子で出来たソファーに腰かけている兄者が、
メニューを見つつ呟く。
ミ,,゚Д゚彡「スイーツカフェ……おいしそうなメニューだから」
赤地に白いドットの大きなキノコに腰かけたフサギコが、
食い入るようにメニューを見る。
(´・ω・`)「ここはその……カフェなんですよね?」
キュートでラブリーでKAWAII店内を見回しつつショボンが聞く。
(老婆)「なんじゃ、知らずに入ってきたのか?
まあ客はエルフしか来んから知らんのも無理はない」
.
-
(´・ω・`)「はあ、そうですか……」
真っ黒に見えた老婆のローブも、よく見ていると濃い紫色の細かい花柄だった。
(老婆)「で、注文はどうするのじゃ?」
(´・ω・`)「あ、えっと、実は、
ルヴァイ村のパルスエットさんからケーキを作る材料を頼まれておりまして」
(老婆)「なんじゃ。材料を買いに来たのか。
ウモス村というと、レスター小僧がいた村じゃな」
(´・ω・`)「あ、はい。レスターおじいさんの孫娘さんの依頼でして」
(老婆)「人間は年を取るのが早いもんじゃ」
(´・ω・`)「はははは。
それで……」
(老婆)「うむ。何が必要なのかは想像できる。
用意してやろう。
で、注文はどうする?」
(´・ω・`)「あ、いえ、物がそろいましたらいただければすぐにでも」
(老婆)「物はすぐにそろう。
で、注文はどうするのじゃ?」
(´・ω・`)「あのその」
(老婆)「注文はどうするのじゃ?」
(´・ω・`)「できればその……」
(老婆)「ご注文は?」
(´・ω・`)「……」
ミ,,゚Д゚彡「しょ、ショボン」
.
-
メニューを片手にキラキラとした目でショボンを見るフサギコ。
隣に座っているぃょぅも同じ様に、
更に言えば甘いもの好きを公言しているメンバーは、
控えめに、けれどしっかりとメニューを読んでいた。
(´・ω・`)「……今選んでいますので、少々お待ちいただけますか?」
(老婆)「ふぉっふぉっふぉ。
人間相手に腕を振るうのは久し振りじゃ。
腕がなるのう」
(´・ω・`)「はぁ……」
ミ,,゚Д゚彡「メニューはいっぱいあるから!
出来れば別の物を頼んでシェアしてほしいから!」
(´・ω・`)「……はぁ」
ショボンの溜息は、フサギコ以外の苦笑いを誘った。
(´・ω・`)「で、これのレシピは?」
ミ,,゚Д゚彡「教えてほしいから!」
そして全員が食べ始めた後、
ショボンとフサギコがエルフの老婆に詰め寄る姿を見て、
二人以外の全員が見ないふりをした。
.
-
エルフの作るスイーツを堪能したのち、
依頼者のいる村に戻った12人。
ぃょぅは店を出ると同時にマントを羽織りスキルを発動させたため、
周りから見えるのは11人だ。
(パルスエット)「ありがとうございます!
これで作れます!」
依頼人に材料を渡すと、
彼女は「ちょっと待っていていください」
と言って奥の部屋に移動した。
そして1分もたたずに戻ってくると、
手にはパウンドケーキを12個持っていた。
(´・ω・`)「……パウンドケーキ」
(パルスエット)「おじいちゃんはこれが大好きなんです!
食べさせてあげられます!」
(´・ω・`)「あー。そうなんですかー」
(パルスエット)「あまりにも美味しくて食べた人が驚いて飛び上がるから、
別名「バウンドケーキ」っていうんですよ」
(´・ω・`)「……そうなんですかー」
(パルスエット)「これは依頼料とおすそわけです。
本当にありがとうございました!」
笑顔で奥の部屋に戻る女性。
ショボンはクエストクリアを告げるチャイムと、
経験値やアイテムが入る電子音を聞きながら、
複雑な表情で家を出た。
.
-
('A`)「どうぞお召し上がりください」
ξ゚⊿゚)ξ「うむ。よくやった」
川 ゚ -゚)「ほう。これが報酬のケーキか」
ギルドVIPホームのリビングルーム。
部屋にはツンとクーとドクオ、そしてブーンとショボンが居る。
そしてソファーでくつろぐツンとクーの前に、
クエスト報酬のパウンドケーキが並べられた。
ξ゚⊿゚)ξ「!うん!おいしい!」
川 ゚ -゚)「なるほど。噂になるのが分かる」
(´・ω・`)「え?噂になってたの?」
ξ゚⊿゚)ξ「あれ?ショボンが噂話の収集できてないの?」
(´・ω・`)「知らなかった」
川 ゚ -゚)「一部の女子で作ってる会報の噂話コーナーに載ってたネタだからな。
ランダムで渡されるケーキの中に、
格段においしいものが存在するっていう。
多分これの事だろう。
悪いが今までにショボンやフサギコが作ってくれたものも含めて、
この世界で食べた中で一番おいしい」
ξ゚⊿゚)ξ「うん。一番ね」
( ^ω^)「おっおっお。
まだまだこの世界の食は奥が深いってことだおね」
(´・ω・`)「ちょっとくやしいな」
川 ゚ -゚)「で、その渡された会員カードがあればまたその店に行けるのか?」
.
-
(´・ω・`)「……どうだろう。
とりあえず、あのルートのクエストに進むには調理スキルを上げた者が必要なんだと思う。
そしてカードをもらえるのも、調理スキルを持っているものだけ、
もしくは1パーティーに一つ。
パーティーのリーダーをしていた僕とフサギコの所にしかカードが入らなかったから、
両方とも憶測だけど多分ね」
( ^ω^)「でもポイントカードはお店を出る時に全員がもらったおね」
('A`)「婆さん嬉しそうだったな」
( ^ω^)「『また来るのを待ってるぞ』って言ってたおね」
(´・ω・`)「敵自体は攻略方法が確立できたからそれほど大変じゃないし、
また折を見てクエストをやってみるのもいいかもね。
メンバーも色々と変えてみて」
ξ゚⊿゚)ξ「その時は私も行くわよ」
川 ゚ -゚)「もちろん私もな」
(´・ω・`)「うん。よろしく頼むよ」
( ^ω^)「でも、ぃょぅ君の隠蔽はすごかったおね。
僕は同じパーティーだったし説明を受けていたからいることは知っていたけど、
現れるまでどこにいたのか全く分からなかったお」
('A`)「ああ。実は時々看破のスキルを使ってみたんだが、
見付けることが出来なかった。
まあおれの看破の熟練度はまだコンプリートしてないってのもあると思うけど」
ξ゚⊿゚)ξ「また呼ぶの?」
(´・ω・`)「このクエストにおいては、
レベルの低い、
攻撃力のそこまで高くないメンバーが必要だから。
次はヘリカルちゃんも一緒に行くのもいいかも」
ξ゚⊿゚)ξ「良いわね。ヘリカルちゃんの戦いも見てみたいし」
.
-
(´・ω・`)「ま、何はともあれ、これからの話だけどね。
カードの調査もしたいし。
売れる情報なのかどうかも精査しなきゃだし」
川 ゚ -゚)「そうだな。
良くも悪くもこのギルドは特殊だから、
一般的な情報として流していいのか悩むところだ」
(´・ω・`)「うん」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、ハインからメッセージ来てる。
向こうでも食事会をしたみたいね」
川 ゚ -゚)「こちらにはトソンから来てる。
あ、ヘリカルちゃんからもだ。ぃょぅ君と二人で食べたみたいだな」
ξ゚⊿゚)ξ「えー。私の所にはヘリカルちゃんから来てない。
……あ、きた!」
川 ゚ -゚)「しぃにもメッセージを入れてみるか」
ξ゚⊿゚)ξ「やめときなさいよ。
ギコと二人でフラワーガーデン行ってるんでしょ。
万が一返信が来たら帰ってきた時冷やかす楽しみが半減するから」
( ^ω^)「またそういう悪趣味なことを」
('A`)「ケーキの感想を言いあうとか、
結構ちゃんとつながってるんだな」
川 ゚ -゚)「時々女子会をしているからな」
(´・ω・`)
('A`;)
(;^ω^)
川 ゚ -゚)「?何故沈黙する」
.
-
(´・ω・`)「いや、何を話しているのかと思ってさ」
('A`)「正直怖い」
ξ゚⊿゚)ξ「失礼ね」
川 ゚ -゚)「ふふふ。女性は神秘的なものだからな」
ξ゚⊿゚)ξ「多分ドクオが言ってる怖さとは違うと思うわよ」
川 ゚ -゚)「?そうか?」
(;^ω^)「おっおっお」
夜は更けたころ、戻ってきたギコとしぃがリビングの会話に参加した。
その後夜の狩りに行っていたジョルジュとモララーが加わり、
ギルドVIPのリビングは、いつまでもにぎやかなままだった。
その後、バーボンハウスのスイーツのレベルが上がったと噂されるのは、
また、別の話。
終
.
-
おまけ
今日のモナーさん
.
-
(シリカ)「モナーさんがテイマーの会合に出席されたの久しぶりですよね」
( ´∀`)「そうもなね。なかなか時間が合わなかったもな」
(シリカ)「ふふふ。そういう事にしておいてあげますね」
▼・ェ・▼「きゃん!」
Σ゜ニ<<「ピー」
森の中を歩くモナーと少女。
年は12歳程度だろうか。
深紅の装備が良く似合う、
可愛い少女だった。
そしてその頭の上には小さなドラゴンが飛んでいる。
( ´∀`)「シリカちゃんもちょっと会わないうちに変わったもなね」
(シリカ)「え?そうですか?」
( ´∀`)「最初は装備が立派になったからかと思ったけど、
ちょっと大人っぽくなったみたいもな」
(シリカ)「え、あ、そうですか?
そんな風に言ってもらえると、うれしいです」
( ´∀`)「そういうところもなね」
(シリカ)「え?」
( ´∀`)「前だったら否定して、肯定して、
自分の可愛さを前面に押し出してブリブリしていたのに、
今は落ち着いてちゃんと自分の言葉で反応しているもな」
(シリカ)「……それほど仲良くないのに、
会合の後でお疲れのところお付き合いいただきまして誠にありがとうございます」
.
-
( ´∀`)「『中層プレイヤーのアイドル竜使いシリカ』
のお誘いを断ることなんてできないもなよ」
(シリカ)「それ絶対思ってませんよね!
というかバカにしていますよね!」
( ´∀`)「もなもなー。
そんなことないもな。
思ってるもなよー。
二つ名は誰かが意図的に付けない限りは自然につくもなしね。
もちろん本人の行動が引き金だとしてももな」
(シリカ)「……モナーさん、私の事嫌いですよね」
( ´∀`)「今は好感が持てるもなよ」
(シリカ)「ありがとうございます」
少しだけ怒ったように言った後、噴き出す少女。
(シリカ)「もう、前から思ってたけど凄い人ですよね。
モナーさんって。色々と!
でも、そんなモナーさんだからお連れしてみようかなって思ったんですよ」
( ´∀`)「そういえば、どこに行くもな?」
(シリカ)「秘密の場所です。
実はこの前発見しまして。
知り合いの高レベルの方を案内したんですけど、
行けなかったんです。
でも、その後一人だと行けて……。
だから私より強くて、しっかりとしたビーストテイマーさんと一緒なら行けるかもと思って」
( ´∀`)「もなもな……」
(シリカ)「この次が分岐なんですけど」
エリア移動をする二人。
.
-
移動した先は、前方に二股に分かれた道があり、
さらにその手前に右に行く道があった。
(シリカ)「ここです!
この手前の右の道がそうなんです!」
( ´∀`)「確かに地図と道が違うもなね」
(シリカ)「!ここのエリアの地図お持ちなんですか?
特に大事じゃないし、低層エリアでほぼ一本道なのに。
この分岐だって左右に分かれるだけでまた一本に戻るじゃないですか」
( ´∀`)「うちのギルドは得ることのできる情報は出来る限り得て整理しているもなよ。
さっき本部に残ってたメンバーに問い合わせたら送ってくれたもな」
(シリカ)「へー。凄いですね。
ギルドってみんなそんな感じなんですか?」
( ´∀`)「うちはギルマスが特殊もな」
▼*・ェ・▼「きゃん!」
(シリカ)「そ、そうなんですか。
(何故ビーグルちゃんは嬉しそうなんだろう)」
Σ゜ニ<<「ぴゃー」
(シリカ)「あ、うん。そうだね。ピナ。
じゃあ行きましょうか。
この道です」
二股に分かれた道の手前、
右に向かう道に向かう少女とドラゴン。
モナーとビーグルが続く。
(シリカ)「少し歩きますけど一本道で、モンスターは出ません」
( ´∀`)「それは良いもなね」
.
-
(シリカ)「そういえば、モナーさんは自分の二つ名はご存じなんですか?」
(;´∀`)「もな!?
し、知らないもなよ。
というか、モナに二つ名なんて」
(シリカ)「『中層のフロントランナー 銀狼使いのモナー』だそうです」
Σ゜ニ<<「ぴぴー!」
(;´∀`)「なっ!それはいったい何の冗談もな!」
▼・ェ・▼「くーん」
(シリカ)「今の攻略組に、ビーストテイマーていないそうなんです。
というか、今までいたことがあるのかちょっと知らないですけど。
それで、ビーストテイマーのイメージって、
ビーストテイマーになりたいが為にあんまり戦闘とかしてなくて、
強い人の後ろを付いてテイミングできるモンスターを
探しているやつらだって言われ始めているそうなんですよ。
あと、ペット飼って遊んでるやつらとか」
(;´∀`)「そういう人がいるって噂は聞いたことがあるもなけど、
それとどんな関係が……」
(シリカ)「連れているモンスターも、
それほど強いモンスターって多くないですし。
だからピナみたいなドラゴン系と、
ビーグルちゃんみたいな狼系は『戦える』ってことで貴重らしいみたいです。
更に言うと、ピナの種族『フェザーリドラ』と、
ビーグルちゃんの『シルブリュールフ』はその中でも別格らしいです」
Σ゜ニ<<「ピー!」
▼・ェ・▼「きゃん!」
(シリカ)「そして、私はまぁほどほどですけど、
モナーさんは中層のトップギルド、VIPのメンバーじゃないですか。
だからビーストテイマーのイメージ回復のためにそういう二つ名を広めようって相談してますよ」
.
-
(;´∀`)「じょ、冗談じゃないもなよ!」
(シリカ)「今日は言いだしたモルガンさんが来てなかったのでその話にならなかったですけど、
だからちゃんと次回も来た方が良いですよ」
(;´∀`)「……教えてくれてありがとうもな」
(シリカ)「いえいえー。
今日付き合っていただいているお礼です。
あ、そろそろ着きますよ」
道の先に見えたのは、
直径5メートルほどの木々に囲まれた広場だった。
中心には大きな木が生えており、
その根元には大きな穴が開いている。
(;´∀`)「ここがそうもな?」
(シリカ)「はい。広場に一歩入って、立ち止まってみてください」
( ´∀`)「もなもな……」
モナーと少女は一歩広場に踏み込み、
そのまま大きな木を見つめた。
すると大きな木に開いた穴の中に、
白い毛玉が見えた。
( ´∀`)「もな?」
(シリカ)「今日も出てきてくれるみたいです」
○
視線の先に、大きな白い毛玉。
もぞもぞとそれは動き、ぐるりと回転した。
.
-
(^ω^U)「おん!」
( ´∀`)「!」
▼*・ェ・▼「キャン!」
( ´∀`)「わんわんおーもな!」
(シリカ)「そうなんですよ。
超レアテイミング可能モンスターと噂されるワンワンオーが、
出てくるんです」
( ´∀`)「もなもな!
近付いて大丈夫もな?」
(シリカ)「んん……。もうちょっと、ここで見ていてもらえますか。
あ、ビーグルちゃんは行っても大丈夫です。
ピナ、ピナも遊んできていいよ」
Σ゜ニ<<「ピャー!」
▼・ェ・▼「くーん」
( ´∀`)「行ってきていいもなよ」
▼*・ェ・▼「きゃん!」
ぱたぱたと飛んでいくドラゴンを追うように走り出すビーグル。
Σ゜ニ<<(U^ω^)▼・ェ・▼
( ´∀`)「かわいいもなね」
(シリカ)「……これからが、凄いんです」
( ´∀`)「もな?」
(U^ω^)Σ゜ニ<<(U^ω^)▼・ェ・▼
(U^ω^)Σ゜ニ<<(U^ω^)▼・ェ・▼(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)Σ゜ニ<<(U^ω^)▼・ェ・▼(U^ω^)(U^ω^)(^ω^U)
( ´∀`)「!?」
.
-
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)Σ゜ニ<<(U^ω^)(U^ω^)▼・ェ・▼(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
「「「わんわんお!」」」
(;´∀`)「!?」
無言で指さし、少女とその光景を交互に見るモナー
(シリカ)「そうなんです。いっぱい出てくるんです」
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(^ω^U)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
▼・ェ・▼「くぅーん」
Σ゜ニ<<「ぴぎゃー!」
二人の元に戻ってくるビーグルとドラゴン。
.
-
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)ζ゚⊿゚)ζ(^ω^U)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(^ω^U)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)(U^ω^)
二人の元に戻ってくるビーグルとドラゴン。
(; ) ;´∀` 「なんかいるもな!」
▼; ▼ ;・ェ・ 「キャンキャン!」
(;シリカ)「!?」
(;´∀`)「あ、あ、あれはいったい?」
▼;・ェ・▼「きゃん!」
(シリカ)「(あれ?普通だ)
あ、ああ。モナーさんは会うの初めてですか?
『デン・ツーレ=ラビット』
ワンワンオーと同じくらいのレアモンスターですね。
まあこんなにいっぱいワンワンオーを見ちゃうと、
レアモンスターとか思えないですけど」
.
-
ツン混ざってるしwww
-
(;´∀`)「あ、あれがデン・ツーレ=ラビットもな?
初めて見たもなよ。
(いっぱいのブーンの中にツンが!)」
(シリカ)「ウサギ特有のツンっとした顔が可愛いですよね」
(;´∀`)「そうもなね……。
(シリカちゃん、分かって言ってるもな??)」
(シリカ)「でもデン・ツーレは、
いつも一匹しか出てこないんです。
それで、出てきたらワンワンオーも増えません。
じゃ、私達も行ってみましょうか?」
(;´∀`)「い、いくもな?」
(シリカ)「モフモフさせてもらうと気持ち良いですよ?」
(;´∀`)「も、もなもな……。
じゃあ、いってみるもな」
ワンワンオーの群れの中に入っていく少女。
その上空を飛ぶドラゴン。
モナーはビーグルを胸に抱いてから、
恐る恐るその後ろに続いた。
(シリカ)「ワンワンオーちゃんたち可愛いねー」
群れの中心まで来たシリカが、しゃがんで目の前のワンワンオーを撫でる。
(シリカ)「うわっ今日もモフモフだー。
ピナも可愛いけど、この毛並みは凄い!」
Σ゜ニ<<「ピャー!」
.
-
(;´∀`)「(か、可愛いけどブーンだし、
しかもなんかツンが一人いてこっち見てるし)」
∩∩
ζ゚⊿゚)ζジー
(;´∀`)「も、モナーの名前はモナーもな。
(あああああああ。なにモンスターに自己紹介してるもな!)」
(シリカ)「私の名前はシリカです」
(;´∀`)「(シリカちゃん天使もな!)」
∩∩
ζ゚⊿゚)ζジー
(シリカ)「ワンワンオーちゃんも可愛いけど、
デンツーレちゃんも可愛いね」
(;´∀`)「(その目は
ξ゚⊿゚)ξ「当たり前でしょ。私を誰だと思ってるのよ」
って言ってる目もな!)」
(シリカ)「どうしたのかな?
一緒に遊ぶ?」
(;´∀`)「(違うもな!
ξ゚⊿゚)ξ「私のブーンになれなれしく触るんじゃないわよ」
って言ってる目もな!)」
(シリカ)「ワンワンオーちゃんいっぱいで楽しいね。
きみのお友達はこないのか?」
(;´∀`)「ちがうもな。
ツンはこの状況が一番楽しいもな。
ハーレムもなよ」
(シリカ)「え?モナーさん?
ツン?ハーレム?」
( ´∀`)「!も、もなもな。
どうしたもな?」
.
-
(シリカ)「今何か言いませんでしたか?」
( ´∀`)「言ってないもなよ。
本当にみんな可愛いもなね」
∩∩
ζ゚⊿゚)ζジー
(;´∀`)「か、可愛いもなね」
∩∩
ζ゚⊿゚)ζジー
(;´∀`)「か、可愛いもなよ」
∩∩
ζ゚⊿゚)ζジー
(シリカ)「モナーさんデンツーレちゃんに好かれてますね。
羨ましいな。
抱き上げてみたらどうですか?」
(;´∀`)「もなもなー。
そんなことないもなよ。
(シリカちゃんその目は節穴!?)」
(シリカ)「大丈夫ですよ!
モナーさん!
やってみましょう!」
(;´∀`)「も、もな……」
少女に促され、ウサギに恐る恐る両手を出すモナー。
するとウサギはくるりと後ろを向いて、
ピョンピョンと大樹に無かって跳ねていった。
ワンワンオー達は道を開け、
そしてその後に続く。
(シリカ)「あっ」
.
-
( ´∀`)「もう帰るみたいもなね」
ぴょんと大樹の穴にウサギが飛び入ると、
ワンワンオー達も次々に入っていった。
(シリカ)「あの穴が入り口で、
地下に住んでるんでしょうか」
( ´∀`)「そうかもしれないもなね……」
最後のワンワンオーが木の中に消えると、
森に静けさが戻った。
(シリカ)「帰っちゃった。
モナーさん、今日はありがとうございました」
( ´∀`)「モナーこそ、凄いものを見させてもらったもな」
(シリカ)「ただこれ、情報として情報屋さんに流した方が良いんでしょうか」
( ´∀`)「……そうもなねぇ。
モナーとしてはあまり広めない方が良いと思うもなけど。
二人ともレアキャラなわけだから人が来ると思うもな。
ビーストテイマーでなければ辿り着けないとしても、
この場所を守るためにはあまり公言しない方が良いような気がするもな」
(シリカ)「モナーさんもそう思いますよね!
実は私も同じ意見なんです!
でも攻略の為にはこういう情報もちゃんと広めた方が良いのかなっとも思って……。
本当は先にお連れした方に相談しようと思ったんですけど、
来れなかったから何となく言えなくて」
( ´∀`)「そのあたりはモナーも気にしておくもなよ。
うちのギルドはボス戦の情報集めの為のクエスト攻略が依頼されることもあるもなし、
ギルマスは情報屋さんとも仲が良いから気にしておくもな。
もしも話した方がよさそうな時は一度シリカちゃんに連絡するから、
その時改めて相談することにするもな」
(シリカ)「!あ、ありがとうございます!」
.
-
モナーの手を両手でつかむ少女。
そして上目遣いでにっこりとほほ笑んだ。
Σ゜ニ<<「ピピー!」
▼・ェ・▼「キャン!」
( ´∀`)「(兄者には会わせられないもなねー)
じゃ、もうすぐ暗くなるからもう帰ろうもな」
(シリカ)「はい!
今日は本当にありがとうございました!
ピナ、行こう」
Σ゜ニ<<「ピー!」
もと来た道を歩き始めるモナーと少女。
モナーの足元にはビーグルが、
少女の頭上にはドラゴンが寄り添うようにいる。
ふとモナーが振り返ると、木の穴からウサギがこちらを見ていた。
∩∩
ζ゚⊿゚)ζジー
( ´∀`)「(大丈夫もなよ、この楽園は誰にもじゃまさせないもな)」
モナーが心の中で呟くと、
ウサギはお辞儀をするように頭を下げてから、
木の中に戻っていった。
おまけも終わり。
.
-
乙乙
ぃょうが結構強かった驚きが大量わんわんおに消された
-
ぃょぅが二人目の忍者かと思ったけど確か死んだって明言されてたよな
-
やっぱり死んでるな
5 ◆dKWWLKB7io 2015/06/28(日) 22:53:57 ID:k22M11bE0
冷たい、黒い床に膝をつき、碑に向かって土下座をするかのような姿で。
涙が、床を濡らしている。
両手が、床を、自らの身体を、叩く。
それまで、ただ見守ることしかできなかった横に立つ和装の武装をした少年が、
少女を横から抱きしめるように支えた。
「……ぼくはそばにいるから」
少女は小柄で、年端もいかないようにも見える。
その泣き叫ぶ姿と、声は、同じように生命の碑を見に来た者の心を、重く、黒くする。
見守るように、隠れるように少女を見ていた黒い影も、そっと視線をそらし、柱の陰に消えた。
『 e-YOU 』
『floor 43 Player kill』
少女の視線の先の名前。
横線の引かれた、名前。
少女の泣き声が、黒鉄宮の中をいつまでも響いていた。
-
以上、閑話でした。
支援と乙と感想、ありがとうございます!
そっか……ぱなのか……。
ばじゃないんだ……。
ということで、ケーキの話でした。
次は22話で……多分……お会いできるかと……。
宜しくお願いします。
ではではまたー。
.
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>>181 タイトル修正
( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。
第 I 話 閑話 白い約束
.
-
大量のワンワンオーに全部持ってかれた
ぃょぅの活躍が見れて良かったが、余計死んだ(と思われる)事が胸にくるな
エクストやギコの頑張りも見れて良かった
おつ、次回も楽しみにしてるよ
-
乙!
まさか本当にモンスター化するとは(笑)
-
乙!
あくまで「e-YOU」が43層で死んだだけでぃょぅはわからない
-
ミセリについても判明したし近々ぃょぅについても何か分かるのかもしれないな、Player killってところがまた謎い
-
191に出てくるイーユウだってeーYOUの可能性あるしなあ
んでもヘリカルが兄ちゃんのスペルを間違って覚えてるとはちょっと考えにくいような
作者氏へ
189の2行目でエクストがゴルァ言ってるけど、これギコでいいんですよね?
-
単に誤魔化しで使ったんじゃないの?
-
照れ隠しだろ
その後ショボンがエクストにそんなに慌ててって言ってるし
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そうなのか
全然読解力ないんだな俺
すんませんromります、上のタワゴトは気にしないでください
-
>>188
(;,,゚Д゚)「ど、どこに行けばいいんだゴルァ」
>>189
<_プー゚;)フ「お、おれはそっちを取りに行くぞゴルァ」
どう見ても間違いだろ
>>262お前は間違ってないぞ
-
>>261
ショボンじゃなくてシャキンが言ってるし、直接言うのはギルメンだからで他はちゃんとショボンがまとめて気にしてるし
-
結局は作者の返事待ちだな
-
>>246
個人的にはここの
(シリカ)「ワンワンオーちゃんいっぱいで楽しいね。
きみのお友達はこないのか?」
ここで突然勇ましい喋りになってるシリカに笑いそうになったよww
-
どーも作者です。
乙と感想と推測、いつもありがとうございます。
参考にさせていただいてます。
そして閑話のネタにもww
>>259 様
はい、ギコの間違いです。
どちらに喋らせようか悩みながら書いていたらこんなことに(・_・;)
失礼いたしました。
>>266 様
シリカになんて言葉遣いを!
思わず自分でも笑ってしまいましたが(-_-;)
シリカファンに怒られそうですね。
『きみのお友達は来ないのかな?』
が、正解です。(~_~;)
お二人ともご指摘ありがとうございます。
さて22話ですが、書き終わりました。
誤字脱字と、今回の事が無いようにチェックをしております。
一応12月の頭くらいの投下を予定していますが、
遅くなりましたら申し訳ありません。
終わりが見え、あまり間を開けずに投下できるよう23話の書き溜めも考えているため、
状況を見つつ投下をしていければと考えています。
それではまた次回、よろしくお願いします。
ではではまたー。
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全裸待機で待ってるよ
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寒くなってきたので服着て待ってます!
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楽しみー
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下げろ粕
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age
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下げろ粕
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揚げ足取る意図はないんだが
エルフの綴りはELF、Lは舌を前歯に付けて発音するから、巻き舌要素はないんだ(Rなら巻き舌使うけど)
新エピ掲載前に水差してすまん、あとはromるよ
続き楽しみにしてます
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糠れ粕
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下げろ粕
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ハゲろカス
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下げろ粕
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糠れ粕
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下げろ粕
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下げろ粕
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さげろ糠
いやさげろ柏
いやいやさげろ狛
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下げろ粕
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上げろ粕
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まだー?
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12月もそろそろおへそか
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クリスマスプレゼントか、それともお年玉か、はたまた寒中見舞いか
まあ、年明けて落ち着いてからでも
気長に待ってるよ
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言えない。
さっきやっと22話のタイトルが決まって投下できるようになったとか。
ということで、投下開始します。
.
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( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。
第二十二話 彼らはアインクラッドで生きているようです。
.
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牛いyr7ウshdhdxdkslk1h16wwywwttwwshdkzddcbbcbbkcxjsjgxt66455ウ58t理dhjvxhdcjっだああswwwwwwwwwwwwwwwwwwgwggだgかjdjjfdjh木j空hfkjfdr杖いyw577578r8798rthいおfk;lfk
-
2024年9月 アインクラッド
青い空。
低く薄い白い雲。
その上には、上の層の底。
VIP牧場。
見慣れた空を見上げながら、
モナーが大きく伸びをした。
( ´∀`)「今日もいい天気もなね」
▼・ェ・▼きゃん!
足元ではビーグルも同じ様に空を見ている。
その横に立つジョルジュ。
右肩に細長い棒を担ぎ、
その先には一辺が一メートルを超える立方体に固められた牧草が付いている。
_
( ゚∀゚)「なにみてるんだ二人とも」
( ´∀`)「空もなよ。
今日もいい天気もなね」
▼・ェ・▼「きゃん!」
_
( ゚∀゚)「いつもの風景だよな。
あれ?でもこのフロアって雨降るのか?」
( ´∀`)「ふるもなよー」
_
( ゚∀゚)「そっか。見たことないな」
.
-
投下乙です。
寒いので体調等には気をつけて下さい。
番外編でどっくんとハインがイチャイチャするところを見てみたい・・・・
-
( ´∀`)「雨の日は退屈だから他のフロアに出てたり、
こっちに来るって連絡があっても断って、
こちらから会いに行ったりしてるもなからね」
_
( ゚∀゚)「そうだったのか」
( ´∀`)「覚えてないもな?
二ヶ月くらい前にジョルジュから今から行くって連絡あったけど断って、
クックルも誘って46層のクエストに行ったの」
_
( ゚∀゚)「え?あ。う、うん。そ、そっか。
あの時か!うん。そうだな。
ああ、覚えてる覚えてる。
あのクエスト大変だったよな」
( ´∀`)「うそもな」
_
( ゚∀゚)「……え?」
( ´∀`)「嘘もなよ。
雨の日で他に予定がなければ部屋でくつろいでるもな。
雨の牧場もなかなかおつもなよ」
_
( ゚∀゚)「え?あれ?クエストは?」
( ´∀`)「46層のクエストに行ったのは3か月前で、
ショボンからのオーダーで、クックルじゃなくてミルナとエクストと行った時もなね。
ダメもなよ。ちゃんと覚えてないと」
_
( ゚∀゚)「あ、う、うん……
っていうか、なんでそんな自然にそんなウソを……」
( ´∀`)「会話のエスプリもなよ。
ウィットに富んだ会話とでもいうべきもなかね。
どんな時でも余裕を持たなきゃダメもなよ」
_
( ゚∀゚)「お、おう……」
.
-
( ´∀`)「ジョルジュがこのフロアの雨を覚えてないのは、
滅多に降らないからたまたま遭遇してないか、
ただ忘れてるだけもなよ」
_
( ゚∀゚)「……この牧草ブロックはここで良いんだよな」
( ´∀`)「ありがとうもな。
たすかるもなよ」
今までずっと担いでいた牧草ブロックを指示されていた場所に下ろすジョルジュ。
棒を引き抜くとその先は三又のフォークになっており、
その棒を持ったまま自分のやってきた方を向いた。
_
( ゚∀゚)「あと三つでいいんだよな」
( ´∀`)「ありがとうもな」
_
( ゚∀゚)「……大体おれよりモナーの方が筋力パラメータ上のはずだよな」
ぶつぶつ文句を言いながら歩き出すジョルジュ。
▼・ェ・▼キャンキャン!
跳ねながらその足元をついていくビーグル。
その後ろ姿を笑顔で見るモナー。
しかしすぐにその表情を引き締める。
( ∀ )「多分、そろそろ嵐が訪れるもな。
余裕がなければ、嵐を乗り切ることはできないもなよ」
呟いた後、
横に刺してあった牧草をほぐす為のフォークを手に取ると、
牧草ブロックに向かった。
.
-
VIP農場。
( ゚∋゚)「楽しいか?」
(´<_` )「いや、別に」
(;゚∋゚)「じゃあなんで」
(´<_` )「いや、なんか何度やっても同じ様な防具しか作れなくなったから、
ちょっと気分転換に。
さっきとじょうろを変えたのはどういう理由だ?」
花畑に水やりをしているクックル。
その後ろを付いてきて、
時々質問する弟者。
( ゚∋゚)「ん?ああ。
このエリアの花は固定されてるからな。
そこまで高レベルのじょうろを使わなくてもちゃんと花が咲く。
さっきのは大体固定できたけど、まだ失敗することがある花だから、
高性能のじょうろを使ってるんだ」
(´<_` )「ほー。なるほど。
そっか。そういう差か。
ふむ。使うハンマーとかも変えてみるかな」
( ゚∋゚)「だが、防具や武器の製造の場合はやはりレベルの高いアイテムで作ったほうが、
レベルの高い、機能の高い防具や武器が作れるんじゃないのか?」
(´<_` )「……ああ。
一応プレイヤーメイドで作れる中でも高レベルの品は、
コンスタンスに作れるようにはなった。
でも、なんとなく行き詰っているようなきがしてな。
この先が、あるような……」
.
-
( ゚∋゚)「ふむ。
草木を育てるのとはまた違った悩みがあるのだな。
考えてみれば、基本的にこちらは何が出来るか分かっている状態で育てるが、
防具や武器は、種類だけ指定して作るから、
その後はシステム任せだからな」
(´<_` )「レベルを上げて経験を積めば、
ある程度は制御できるけどな。
兄者が作るブーンの片手剣が良い例だ。
あれは作り過ぎって気もするが」
( ゚∋゚)「ははは。
あれは数が無いと意味が無いからな。
ブーンはもちろん兄者にも頑張ってもらわないと」
(´<_` )「ああ。今日も作ってるはずだ」
( ゚∋゚)「そうか。
またぶつぶつ文句を言いながら作っているのか」
くすりと笑うクックル。
その笑顔を横目に見て、弟者も笑顔を見せた。
( ゚∋゚)「さて、ここはこれでいいな」
持っていたじょうろをストレージにしまうクックル。
(´<_` )「終わりか?」
( ゚∋゚)「畑はな。
中も見ていくだろ?」
(´<_` )「中?」
( ゚∋゚)「温室で、
クーに頼まれた薬草の花と、
ツンに頼まれた色付きの牧草。
あとフサギコに頼まれた野菜とモララーに頼まれた花の栽培をしているんだ」
.
-
(´<_` )「モララーが花?ああ、例のデレとかいう。
あいつはホントに……。
ま、それは良いとして何故温室なんだ?」
( ゚∋゚)「渡された種や実が多くないから失敗しないようにと、
一つずつプランターに分けて肥料や水のあげ方を変えてるんだ」
(´<_` )「それは興味深いな」
( ゚∋゚)「良ければ意見も聞きたい。
見て行ってくれ」
(´<_` )「ああ頼む」
顔を見合わせてニヤリと笑う二人。
そして温室へと向かって歩いて行った。
( ´_ゝ`)「ふむ。今回も調子が良い。流石おれ」
( ^ω^)「いつもありがとうだお」
流石武具店の工房。
作業台に所狭しと並べられた片手剣と鉱石。
( ´_ゝ`)「しかし今回もかなりの量採掘してきたな。
大丈夫なのか?」
( ^ω^)「市場動向はチェックしているお。
それに三分の二以上、マッシロから回してもらった分だお。
もともとそれほど人気の無い鉱物だから、
市場から少なくなってもそれほど問題は無いはずだお」
.
-
色とりどりの鉱物の名前は『コランダムオール』。
ブーンが使用している軽い剣を作るために必要な鉱石である。
( ´_ゝ`)「ほう。おれはあまりマッシロのやつらには関わってないが、
ここら辺の鉱石を採掘できるレベルまで上がってきたのか」
( ^ω^)「みたいだお。
ぼくも道具屋をやってる二人くらいしか詳しくないけど」
( ´_ゝ`)「ま、いいか。
そこら辺はショボンの管轄だ。
さて採掘品にはかわらない。
鑑定がめんどくさいな」
(;^ω^)「おっおっお。
申し訳ないけど頼むお」
( ´_ゝ`)「うむ……それは良いが、
『天使の神速斬(エンジェルホライズン)』
に使う剣の変更とかは考えてないのか?」
( ^ω^)「おー。
他にアレに使えるような軽い剣だと、
流石にアレを使わなければならない状況の敵には通用しないかと思うんだおね」
( ´_ゝ`)「うむ。
『天使の神速斬(エンジェルホライズン)』は、
おれ達の切り札の一つだからな。
それ相応の敵にしか使わないし、
『天使の神速斬(エンジェルホライズン)』
を使わなければならないような敵には、
ある程度高レベルの武器でないと通用しないというわけだな」
(;^ω^)「そ、そうだお」
( ´_ゝ`)「ところでブーン、
『天使の神速斬(エンジェルホライズン)』は」
.
-
(;^ω^)「ちょ、ちょ、兄者,
もしかして、言いたいだけかお?」
( ´_ゝ`)「あ、ばれた?」
(;^ω^)「おー。
恥ずかしいからやめてほしいお」
( ´_ゝ`)「中二病フルスロットルでおれは好きだけどな」
(;^ω^)「兄者……」
( ´_ゝ`)「理想としては、やる前に
( ^_ゝ^)『天使の神速斬(エンジェルホライズン)』!キリッ!
とか叫んでほしい」
(;^ω^)「やめてくれお!」
( ´_ゝ`)「ま、冗談はさておき。
強い剣はどうしても重くなるし。
お前の特性、あの技を最大限に生かすには、
今のところはこいつが一番か。
量産も出来ているし」
( ^ω^)「他にもあればいいんだけど、
なかなか無いんだお」
( ´_ゝ`)「ふむ」
喋りながらも手を動かし続けている二人。
鉱石の状態で兄者とブーンが鑑定し、
用途に分けて鎚を変える。
鉱石を窯の中に入れると、
窯の炎が燃え上がり、
鉱石は溶けて形を変える。
取り出した兄者が鎚を振り下ろし、
その中で生まれた剣を再び二人で鑑定する。
.
-
( ´_ゝ`)「根本的に考えを変えてみるのもいいかもしれんな」
( ^ω^)「お?」
( ´_ゝ`)「プレイヤーメイドに拘らないで、
NPCから買える武具をリメイクするとか」
( ^ω^)「おー。それは僕も考えたんだけど、
やっぱり攻撃力の高い武器は重たいのが多いし、
軽さが強みの細剣とかも、鉱物に戻すと結局重い片手剣と同じ鉱物だったりして」
( ´_ゝ`)「防具はどうだ?」
( ^ω^)「お?」
( ´_ゝ`)「似てないか?
お前が使いたい剣と前提が。
『硬くて軽い』。
盾持ちタンクなんかは重い防具でも大丈夫だけど、
それこそお前が使ってる胸当てとかツンが使ってる防具なんかは、
コンセプトが同じだろ?」
( ^ω^)「おー。でも武器も防具も使う鉱石は同じだおね?」
( ´_ゝ`)「ああ」
( ^ω^)「それじゃあやっぱり……」
( ´_ゝ`)「だが、添加物は違ったりするぞ。
武器ではほとんど使わないが防具ではよく使う添加物がある。
弟者くらいのマスタークラスになれば、
鉱石に戻すときに添加物も戻せることもあるからな」
( ^ω^)「……調べてみるお」
( ´_ゝ`)「がんばれ。
サンプル作りはやってやるからよ」
( ^ω^)「ありがとうだお!」
.
-
満面の笑みを浮かべるブーン。
それを見て兄者も笑みを浮かべながら鎚を振り下ろした。
( ´_ゝ`)「……やれることは何でもやっておかないとな」
兄者の呟きは、
燃え盛る炎の音にかき消された。
ツンがバーボンハウスの扉を開くと、
カウンターにはNPCの女性が一人立っていた。
(アレクトー)「いらっしゃいませ」
ξ゚⊿゚)ξ「あら、えっと……アレクトーさんよね。
こんにちは」
(アレクトー)「こんにちは。ツン様」
店内には誰もおらず、
給仕を依頼しているNPCが一人テーブルを拭いていた。
ξ゚⊿゚)ξ「誰もいないのも珍しいわね。
まいっか。フサギコ戻ってる?」
(アレクトー)「フサギコさんからお聞きしております。
先程戻られて、エクストさんとトソンさんと奥に入られました」
ξ゚⊿゚)ξ「あれ?ブーンはこなかった?」
(アレクトー)「ブーンさんも一度来られましたが、
お食事をされただけで奥には入られていません」
.
-
ξ゚⊿゚)ξ「そっか。兄者の所か。
了解、了解。
ありがと、アレクトーさん。
それじゃあ私も中に入るわね。
登録メンバーに聞かれたら伝えて構わないから」
(アレクトー)「かしこまりました。ツン様」
手を振りながらカウンターを通り過ぎて奥につながるドアに入ろうとするツン。
しかしノブを手にして動きを止め、
振り返ってNPCの女性に近寄った。
ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、アレクトーさん」
(アレクトー)「はい。ツン様」
ξ゚⊿゚)ξ「ここのオーナーの名前知ってる?」
(アレクトー)「ショボン様です」
ξ゚⊿゚)ξ「うん。それはいい。
オーナーだし、フサギコが設定してるはずだし。
それじゃあうちのギルドの名前は知ってる?」
(アレクトー)「フサギコさんは、
ギルド『V.I.P』所属です。
ギルド『V.I.P』の方と設定されている方には、
フサギコさんとほぼ同じレベルの指示を聞くよう、
ギルド『N-S』所属の方に関しては、
『V.I.P』所属に対する接し方と同じにするよう指示を受けております」
ξ゚⊿゚)ξ「そうよね。うん。
……今日、フサギコを除くと誰がここ来たか分かる?」
.
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