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( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。
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立ったら投下できる。
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二日後の夜。
時計はまもなく次の日を告げる。
街灯はないがぼんやりと明るい街を、
ミセリは歩いていた。
ミセ*゚ー゚)リ「うーむ……」
苦虫を噛み潰したような顔をしつつ街の外れまで来たが、
ゆっくりと振り返った。
ミセ*゚ー゚)リ「えっと……。
隠れてるつもりはないよね?
ショボンくん」
暗闇の中から現れるショボン。
暗闇を利用した姿を隠せるギリギリの範囲と位置からではあったが、
横にある建物や障害物に隠れてはいなかった。
(´・ω・`)「うん。着いてきただけ。
僕は隠蔽とか鍛えてないし」
ミセ*゚ー゚)リ「だよねー」
笑顔だが少しイラついているミセリと、
無表情だがのんびりしているショボン。
ミセ*゚ー゚)リ「えっと、止めに来たんだよね?」
お互いの表情が見え、
無理なく会話のできる距離で立ち止まるショボン。
(´・ω・`)「止めても無駄でしょ?」
ミセ*゚ー゚)リ「え?」
(´・ω・`)「パラメーター的には僕より上のはずだし。
本気で走られたら追いつけないよ」
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ミセ*゚ー゚)リ「まあ、ねぇ」
(´・ω・`)「ここで立ち止まったのは、
自分より弱い僕を外に連れ出さない為。
あとは、僕と少しは話をしようって思ったから」
ミセ#*゚ー゚)リ
(´・ω・`)「そんな怒らないでよ」
ミセ#*゚ー゚)リ「怒ってませんー」
(´・ω・`)「ならいいけど」
ミセ#*゚ー゚)リ「ほんとにこいつもあいつも……」
(´・ω・`)「ありがとう」
ミセ*゚ー゚)リ「え?」
(´・ω・`)「改めて、言わせてもらうよ。
ありがとう」
ミセ*゚ー゚)リ「……それを言うなら、私の方だよ」
(´・ω・`)「ビコーズの記憶が改ざんされているふり、
辛かったと思うから」
ミセ*゚ー゚)リ「私があの二人を巻き込んだんだから、
その償いは当然だよ。
二人には、背負わせなくていい重荷を持たせてしまった。
本当は私の事なんて忘れて、
ビコーズの事も、私のせいにしてくれればいいんだけど。
あの二人は、そんなことできる子達じゃないから」
暗闇のせいではなく、
ミセリの表情に影が落ちる。
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ミセ*゚ー゚)リ「あのままだったら、
ビコーズと私、二人分の重荷を背負ったままだった。
こんなおかしな世界で、そんなものまで背負ったら、
苦しくて苦しくて、おかしくなっちゃうよ。
でも、更に私がおかしくなれば、
しかも私の中のビコーズの記憶が違っていれば、
私だけに、集中できる」
にっこりと微笑むミセリ。
その顔に媚びは無く、
心からの笑みだった。
ミセ*゚ー゚)リ「私を笑顔にするために、
笑顔を見せてくれる。
おかしくなった私を守るために、
笑顔を見せてくれる。
最初はぎこちなかったけどね」
その頃の笑顔を思い出したのか、
小さく噴き出す。
ミセ*゚ー゚)リ「最初は無理矢理でも、
笑顔はいつしか本当の笑顔を呼ぶ。
忘れることは出来なくても、
それ以上の思いがあれば、目標があれば、
ゆっくりと、鎮めることはできると思うから」
(´・ω・`)「ミセリ」
ミセ*゚ー゚)リ「それにね、それは私にも好都合だったの。
きっと一人では、耐えられなかった。
皆がいてくれたから、耐えることが出来た。
皆に私の知っていることを伝えるっていう大義名分が出来たから、
それまではって……、思った。
ツンちゃんとクーちゃんの心を守るっていう大義名分で、
私自身、ビコーズとゼアフォーの事を心の奥底に閉じ込めることが出来た。
……私はずるい。
だから、ショボンくんにありがとうなんて言われると、
逆に苦しくなっちゃう」
.
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(´・ω・`)「ミセリ……」
ミセリが、静かにショボンを見つめた。
ミセ*゚ー゚)リ「ありがとう。ショボンくん」
(´・ω・`)「あの夜ミセリに協力を求められたとき、
本当は反対するべきだと思っていた。
ツンとクーの事だけを考えれば嬉しい申し出だったけど、
君の心がどうなるのか、不安だったから。
でも、この一か月をミセリも楽しむことが出来たのなら、
良かったよ。
嘘をつくのは、やっぱり心苦しいからね」
ミセ*゚ー゚)リ「はい。二つ嘘だよね」
(´・ω・`)「?」
ミセ*゚ー゚)リ「まず一つ目。
ショボンくんは、このことで私も笑顔になるって気付いてた。
ううん。笑顔になるように、色々と誘導をしてた」
(´・ω・`)
ミセ*゚ー゚)リ「そして二つ目。
ショボンくんは、嘘をつくことに躊躇しないし、心苦しくなったりはしないよ。
その嘘が、誰かのための『嘘』ならね。
ま、これは勘だけど」
(´・ω・`)「ミセリ……」
ミセ*゚ー゚)リ「そしてムカつくことに、
それはシャキンも一緒なのよね。
ね、シャキンにも話してあったんでしょ?」
(´・ω・`)「うん。よくわかったね」
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ミセ*゚ー゚)リ「これも勘。
でも、そうだろうなって。
その方が、私の為って思いそうだなって」
(´・ω・`)
ミセ*゚ー゚)リ「お、当たったみたいだね。
私がショボンくんを巻き込んだことを気に病まないように、
わざともう一人くらい仲間にするかなって思ったの。
そしたらシャキンかなって」
(´・ω・`)「一つはずれ」
ミセ*゚ー゚)リ「あれ?何か違った?」
(´・ω・`)「シャキンの方から僕に言ってきたんだよ。
『ミセリ、ほんとはちゃんと覚えているんだろ』ってね。
だから僕も気にせず巻き込ませてもらった。
確かにミセリと話した後にシャキンも巻き込むことも考えたけど、
夜遅くだったから、次の日になって落ち着いてからって思ってた。
そうしたら向こうから聞いてきた。渡りに船だったよ」
ミセ*゚ー゚)リ「あの男。
やっぱり要注意人物ね。
あんなフラフラしてるくせして妙に鋭いし。
ショボンくんは腹黒いのが表に出ているからまだ良いとして、
一見ぼやぼやしてるっていうのが」
(´・ω・`)「腹黒いとか」
ミセ*゚ー゚)リ「ごめんごめん。
つい、思ってることを」
(´・ω・`)「ひどいな。
腹黒のミセリに言われるとへこむよ」
ミセ*゚ー゚)リ「お、言うねぇ」
互いにきつい視線を交わした後、
噴き出す二人。
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ミセ*゚ー゚)リ「ショボンくんも私に言うようになったね」
(´・ω・`)「前にドクオが言っていたのが分かるよ。
僕達はよく似ているって」
ミセ*゚ー゚)リ「腹黒なところが?」
(´・ω・`)「うん。腹黒なところが」
再度噴き出す二人。
(´・ω・`)「でも、仲間にはなれない?」
ミセ*゚ー゚)リ「えー。私は仲間だと思ってたのに」
(´・ω・`)
ミセ*゚ー゚)リ「……ごめん。うそ。
あ、でも、みんなの事は好きだよ。
ただ、私はみんなのそばに居ちゃダメなだけ」
(´・ω・`)「何故そんなこと」
ミセ*゚ー゚)リ「私のそばにいた二人が、
二人とも死んだんだよ。
私がいたから、あの二人は……」
(´・ω・`)「まだそんなことを!」
ミセ*゚ー゚)リ「事実だよ!
……二人が死んだのは、事実。
そして私があの二人をこのゲームに呼んだのも、
私を守ったのも、
私が気付けなかったのも、
事実なの」
(´・ω・`)「ミセリ……」
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ミセ*゚ー゚)リ「皆といて、本当に楽しかった。
本当はもっと早く分かれるつもりだったけど、
迷ってしまうくらい、楽しかった。
でも、それじゃあダメだって思ったの」
(´・ω・`)「これからどうするつもり?」
ミセ*゚ー゚)リ「昨日話したよね?
忍者になるって」
(´・ω・`)「本気だったんだ」
ミセ*゚ー゚)リ「うん。
三人で、なろうって、誓ったから。
それにね、βテスターとして、
この世界で私が誰かのために出来る事に
つながらないかなって、思ったの」
(´・ω・`)「ん?」
ミセ*゚ー゚)リ「ふふ。
これ以上は内緒。
なにか、出来たらいいなって、
思ったから。
そのために、
頑張ってみようかなって思ったの」
(´・ω・`)「ビーターさんや、
情報屋さんのことが切っ掛け?」
ミセ*゚ー゚)リ「うん」
(´・ω・`)「何か考えていそうだなとは思ったけど……。
ドクオも、ちょっと挙動不審だし」
ミセ*゚ー゚)リ「ドクオくんもね。
考えていそうだね。
でも、みんなの事が大事だから、
悩んでると思う」
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(´・ω・`)「ミセリは、
離れる決意につながったんだ」
ミセ*゚ー゚)リ「そういうこと。
理解してくれてうれしいな」
(´・ω・`)「理解は、出来るよ。
でも、納得はできない。
一緒に居ても忍者にはなれる」
ミセ*゚ー゚)リ「忍者は孤独なのよ」
(´・ω・`)「ミセリ……」
ミセ*゚ー゚)リ「止めても無駄だよ?」
(´・ω・`)「……うん……。
でも、またいつか、パーティー組めるよね!
ギルドも作るから!
入ってくれるよね!」
ミセ*゚ー゚)リ「!ショボンくん……。
うん。そうだね。
私がちゃんとした忍者になれたら。
そして、誰かを、助けることが出来たら。
入れてもらおうかな」
(´・ω・`)「……その日を楽しみにしてる」
ミセ*゚ー゚)リ「でもさ、そうなる前に、この世界から出たいな」
(´・ω・`)「それは……そうだね」
ミセ*゚ー゚)リ「だよね」
笑いあう二人。
ミセ*゚ー゚)リ「さて……じゃあ行こうかな」
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(´・ω・`)「あ、ちょっとまって」
ミセ*゚ー゚)リ「?まだ何かあるの?」
(´・ω・`)「いや、来たみたいだから」
ミセ*゚ー゚)リ「来たって……あ」
ショボンの後ろから走ってくる一つの影。
ξ#゚⊿゚)ξ「ミーセーリー!」
ミセ*゚ー゚)リ「ショボンくん!?」
(`・ω・´)「残念。あいつらを呼んだのはおれだ」
ミセ*゚ー゚)リ「シャキン!」
建物の影から現れるシャキン。
ミセ*゚ー゚)リ「ショボンくん?」
(´・ω・`)
一回シャキンを睨んでからショボンに視線を向けるミセリ。
その視線を受けてニッコリと笑顔を見せたショボン。
ミセ*゚ー゚)リ「はぁ……」
ミセリが溜息をつくとほぼ同時に、
ショボンの横にツンとクーが立った。
その後ろにはブーン達四人もいる。
ξ゚⊿゚)ξ「ミセリ!」
ミセ*゚ー゚)リ「ごめんツンちゃん!
でも昨日みたいに反対されるとなかなか離れられないかなって思って」
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