[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
从 ゚∀从二人暮らしのようです(-_-)
263
:
名も無きAAのようです
:2016/06/04(土) 23:10:21 ID:bLfC7y560
幼稚な考えだと分かっていた。トソンを助けたいという気持ちだけでここまで来た。誰もがぼく達の知らない場所へ。
しかし将来的な展望などはそこにない。行き当たりばったりの逃避行だ。果てまでたどり着いてその先にどうするのか。
どうやって生活していくのか。いずれ貯金は尽きる。会社から解雇通知が来る。頭でそんな当然の未来は理解しているのだ。
それでももう後戻りは出来ないとトソンを邸宅から連れ出して横浜ベイブリッジを渡った時に覚悟したのだ。
(´・_ゝ・`)「行こうか」
(゚、゚トソン「はい」
ぼくは結局トソンが何をお願いしたのか訊かなかったしトソンもぼくに訊かなかった。
九州自動車道に戻って南下を続ける。熊本インターチェンジで降りて市街地へ向かう。
駐車場に車を停めてトソンが見てみたいと言っていた熊本城に行く。
それから繁華街を歩いてみた。熊本もJRの駅と中心地は離れているようだった。
新幹線もある熊本駅からは路面電車が繁華街の方へ続いている。
古い単行の列車もあれば黒塗りの豪華絢爛といった列車も走っている。
散策をしているともう遅い時間となったので熊本で泊まる事にする。
繁華街にある三井ガーデンホテルに予約をして駐車場に車を入れた。
もう熊本なのだ。もう一つ南下すると鹿児島に入る。果ての地、長崎鼻まで間もなくだ。
そこでいったんぼく達の旅は終わる。果てに着いてしまえばその先はない。
それからの事も考えていなかった。トソンを助け出し、一緒に逃げ、果てに着く。
そうしてどうするのか。明確なビジョンなんて持っていなかった。
しかし必ずその先というのは存在するのだ。どういう形であれ存在する。待ち構えている。
ホテルでぼくはトソンとセックスをする。一日の運転の疲れを癒やすようにトソンは労る。
こんな日々がずっと続いていけばいいと思っていた。果てに着いてしまうのならばまた一周すればいいと思った。
二人で日本一周でもしようかとすら思った。しかしそれは違うのだ。時間の引き伸ばしにしかならないのだ。
ぼくはトソンを助けたかった。助け出した。しかしそれは一時的なものに過ぎない。本質的なものは解決されない。
現実からトソンを隠匿しているだけだ。いずれ終焉が来るものだ。分かっているのだ。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板