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从 ゚∀从二人暮らしのようです(-_-)

246名も無きAAのようです:2016/06/04(土) 22:21:43 ID:bLfC7y560
ぼくはただの会社員だ。トソンを抱くのは野党第二位の党首を務める大物国会議員だ。
彼の行為はスキャンダルだ。ぼくの行為は罰せられる犯罪だ。
ぼくはこの状況をひっくり返せない。好転させる事は出来ない。
あるとすればトソンを攫ってしまう事ぐらいだ。
そうすれば少しだけこの現状を変えられる。
歯車を狂わせる事ぐらいは出来る。
そう、それが唯一自分に出来る事だ。
勿論それは全て失う。ぼくの全てを失う。
社会的地位も職も友人も全てを失う。
そんな事は頭では分かっているのだ。
逮捕されれば懲戒解雇になるし名前も新聞に出る。
それでもぼくに出来るのはそれぐらいしかないのだ。

トソン。ぼくは呟いて天を仰ぐ。
仕事中も、運転中も、食事中も、トソンの顔が浮かんでは消える。
クリアに鮮明に現れては水面に浮かぶ月のように儚く消えてしまう。
どうしてだろう。あんな話を聞いたから。彼女に恋をしたから。
ぼくが愛するのは女子高生だ。女子高生はいずれ女子高生でなくなる。
だから恋愛感情を抱いたりはしない。無情にも大人の女性へなってしまう。
それなのにぼくはトソンを想う。恋い焦がれるように想う。
トソン。声に出してみるといよいよそれは現実のものとなる。
この三週間、気づかないように蓋をしてきた。
考えないように奥底に封じてきた。
しかし無理なのだ。それは極めて難しい事なのだ。
考えないようにすればするほど考えてしまう。トソン。
苦しくなる。呼吸が上手くいかなくなる。
いつの間にか、自分の中でトソンがこれほどの大きさになっていたのだ。
自分に置けるトソンがこれほどの割合にまで膨れがっていたのだ。
あぁ、きっとぼくは恋をしていたのだ。ミステリアスなトソンに。
未完成な女子高生トソンに。いずれ大人になってしまうトソンに。
ぼくは無意識の内に携帯電話を取っていた。手のひらよりは小さいソニー製XPERIA。
無料通話アプリでいつも最上位にいたトソン。中ほどにまで落ちてきていた。
それを開いて最下部右端の通話呼び出しボタンを押す。
待ち合わせの時にすら使わなかったボタンだ。
一人の静かな部屋にその呼び出し音はとてもよく響いた。
長い長いコールのあと、不意に呼び出し音が途切れる。

『はい』


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