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从 ゚∀从二人暮らしのようです(-_-)

121名も無きAAのようです:2016/05/21(土) 18:46:27 ID:hKs1utCE0
過去に彼女が修学旅行で四日ぶりに帰宅しただけでも妹は泣いて飛びついてきたという。
半狂乱になっていても喪失状態になっていてもおかしくないと彼女は呟いた。
修学旅行で家を空けている間に妹は夜中に彼女を探して近所を徘徊していたという。
それを見つけ父親がひどく打ったが、次の日にまた彼女は探しに行ってしまったのだと。
もしかするとまた自分を探して夜な夜な歩きまわっているのでは、と彼女は涙を流した。
僕はそこで情報収集を遂に打ち切った。価値のある情報だった。
大丈夫だよ、と彼女の髪を撫でて僕は落ち着かせる。
妹に会わせてあげたい。僕はそう思う。



次の日から僕は日付が変わるあたりに自転車で出掛けるようになった。
自転車は長らく車庫の隅に置かれていたもので随分と傷んでいる。
この家は市街地から離れている上に通勤はいつも車を使う。
コンビニエンス・ストアもスーパー・マーケットも遠くて車の方が便利だ。

しかし今回は偵察であるので車は使えない。夜に車はとても目立つ。
自転車で夜の道路を走る。小田原厚木道路はこんな時間でも往来がある。
対して下を走るこの道路は人気がない。寝静まっているといった感じだ。
特定のポイントに着き、周囲を確認して自転車のライトを消した。
集落の中に車がやっと一台通れるかといったぐらいの道路が横に伸びている。
コンクリートで固められた上り坂をなんとか登っていくと間もなく茶色の一軒家が見える。
彼女の家だ。電気は点いていない。眠っているのだろう。そのまま止まらずに進む。
小田原厚木道路をトンネルで越える。街灯もない道が続く。不意に視界で何かが動いた。
自転車のライトを点けると少女の姿が浮かび上がる。僕はそのまま自転車を漕いですれ違う。


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