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从 ゚∀从二人暮らしのようです(-_-)

112名も無きAAのようです:2016/05/21(土) 18:17:03 ID:hKs1utCE0
僕は一枚の写真で手を止める。屋外で撮られた写真で、くるうはカメラに向かってピース・サインをしている。
注目すべきは背景だ。茶色の一軒家が映っている。自宅ではないだろうか。更に後ろには高架の道路が見える。
そこにはちょうど緑の案内看板が立っている。それは高速道路や有料道路に設置されているものだ。
最近の機種はカメラが高画質になっており拡大してみると文字がなんとか読み取れた。
そこには荻窪 小田原方面 出口500mと書かれている。その荻窪インターチェンジは僕の家の前にあるものだ。

僕の家の隣を走る小田原厚木道路はあの道路に寄り添うように北東方向へ伸びている。
彼女は同じ高校の学生の多くが使う幹線道路ではなくあの道路をわざわざ使って通学していた。
そのため僕は彼女の家があの道路沿いに広がる集落のどこかではと考えていたのだ。
彼女の携帯電話は赤外線通信機能を搭載したものであり僕の携帯電話にもそれはあった。
その写真を含めた数枚のヒントとなり得る写真を僕の携帯電話に赤外線通信で送信する。
そして彼女の携帯電話の電源を切り、鞄に仕舞ってから車を出した。

携帯電話の電波が受信出来るところまで降りてきてから僕は自分の携帯電話でグーグル・アースを開いた。
小田原厚木道路もグーグル・アースで見る事が出来る。そこであの写真に映っていた案内看板を探した。
案内看板が示す荻窪インターチェンジは僕の家のすぐ横だ。そこから五百メートルほど北上したところを表示させる。
その案内看板を見つける。その下には細い道路が横切っていた。あのいつもの道路から脇に入ったところである。
ちょうどそこに一軒家がある。僕はそれを表示させると、あの茶色の一軒家が現れた。
少し調整してみるとそれは彼女が撮った写真のアングルと完全に一致する。
僕の携帯電話に送信した先程の写真を見比べてもそれは確実である。
この茶色の一軒家が恐らく彼女の自宅なのだ。予想通りあの道路近くの集落だった。
この家から彼女の高校に通うならばあの道路を使うルートが最適だと言える。
彼女の自宅が分かった。彼女の弱点も見つけた。僕は次にどうすべきか再び考える。



家に着くと警察官が二人、僕の家を覗いていた。パトカーは近くに停まっておらず、付近一帯の聞き込みといったところだろう。
遂に来たか、と僕は気を引き締める。平常心を保ち怪しまれないように振る舞わなければならない。
仕事で身についた感情を顔に出さないという事をきちんと頭で思い浮かべる。
いつも通り、そうすれば乗りきれるはずだ。


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