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从 ゚∀从二人暮らしのようです(-_-)

110名も無きAAのようです:2016/05/21(土) 18:11:13 ID:hKs1utCE0
翌日、僕は休みだったので車で山の方へ向かった。
家の前の道路を山の方へ進んでいくとどんどん道幅は狭くなる。
民家も殆どなく寂れた公園施設があるぐらいだ。更にその先へ進むと行き違いも厳しいような狭い山道となる。
それでも山を登って行くと開けた土地に霊園が広がっている。山あいの開けた場所に棚田のように墓石が並んでいる。
墓地の中にある駐車場に車を停めた。来園者は一人もおらず極めて静かであった。

僕は家に隠していた彼女の携帯電話と自分の携帯電話を取り出した。僕と彼女の携帯電話はキャリアが同じだ。
そして僕の携帯電話は圏外になっている。この墓地に到着する前からもうずっと圏外だった。
キャリアの電波エリアマップを見てもこの一帯は完全にサービス範囲外のようだった。
同じキャリアでも機種が違えば電波の取得には差が出ると聞いているがここまでエリア外ならば大丈夫なはずだ。
念のため周囲に人がいない事を確信してから彼女の携帯電話の電源を投入する。
時間をかけて携帯電話が起動する。そして認証に必要なパターンをなぞる。
このパターンを教えてもらうのに彼女の爪を三枚も無駄にした。
デスクトップはとてもシンプルなものだった。
ソニー製携帯電話のデスクトップにはアプリがあまり配置されていない。
ゲームの類は一つもインストールされていなかった。五ページあるデスクトップの中で何もないページも存在する。

さっそく無料通話アプリを開く。昔はメールなどの送受信を見るのが手っ取り早かったが今ではこちらの方がよく使用されている。
圏外の状態で電源を投入しているために新たなメッセージは見られない。恐らく行方不明となり心配するメッセージが届いているだろう。
今頃サーバに保管されているはずだが電波を受信出来る場所まで行かなければメッセージはこの携帯電話に届かない。
既存のメッセージを見て、彼女について知ろうというのが今回の一番の大きな目的だ。
数人とのメッセージのやり取りを見れば彼女について何か分かるのでは、と考えていた。
しかしそれは先頭のトーク履歴で呆気なく達成されてしまう。
メッセージの履歴の先頭にいるユーザーの名前はフルネームで登録されていた。
そのユーザーの苗字は、まさしく彼女の同じものだったのである。


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