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( <●><●>)最低な死を迎えるようです

1名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:28:59 ID:lO35HPnw0
私は医者になりたかった。


「おい......またあいつだよ」


そのために私はすべてを捨てていた。


「まーいかにもって感じだよねぇ」 


周りのものは全て、目障りなゴミに見えた。


「おめでとう、和歌手。全国模試トップ、本当にお前は先生の、いや我が校の誇りだよ」


( <●><●>)「はい」


周りの雑音など、聞くに値しない。
馬鹿な豚共がブヒブヒとうるさいだけだ。
意味のない話であーでもないこーでもないと時間を浪費するだけの、バカ共。
愚民と言ってもいい。
怠けることしか知らないバカに付き合う暇などない。
私は、医者になるのだから。

2名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:29:40 ID:lO35HPnw0
医者は、いい。
人の体を自由にすることを許されたただひとつの役職。
つまりそれは人の超越。
人を救える唯一で絶対の存在。
神に足を一歩、踏み入れることと同じ。
あんなバカ達と違う世界に住めるのだ。


( <●><●>)「......」


学校と言う名の牢獄の窓から外を見る。
ああ、なんてバカげてる世界なんだ。
いくら優秀でも世間体と言うものがなければ息をするのすら弾劾されるこの世界。
バカがバカな世界を作ってるのがよくわかる。
バカが優秀な人間を押し下げてるのが肌でわかる。
そしていざ優秀な人間が前に出ようとするとそれを食い潰す。
それはまるで、害虫。
そう、寄生することしか頭にないバカな寄生虫なのだ、やつらは。

3名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:30:24 ID:lO35HPnw0
( <●><●>)「......ふっ」


そんなことを考え、三分ほど無駄にしていたのにようやく気がついた。
こんなわかりきった無駄なことを考えるくらいだったら勉強していた方が数百、いや数千倍......いや0にいくらかけても0なのだからもはや比べることすらできないレベルで無駄なことだった。


( <●><●>)「......」


パラリ、と医学書を開く。
それだけで周りが奇怪な目でこちらを見る。
自分の将来のために何かすることがそんなに異様な光景だろうか?
まああのバカ共は今を生きれればいいとしか考えられないバカだから仕方ないと言えば仕方ないが。
最も、今も生きられないバカもいるわけなのだが。

4名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:31:05 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「ねぇねぇ和歌手くん!」


そう、こいつだ。
バカ中のバカ。
素直九徒。
きゅーと、だなんて名前を付けるくらいだ、親も相当頭がイカれてしまってるのだろう。
なんせ子供は、こちらの勉強してるのが見えているはずなのに邪魔をしてくるのだから。


o川*゚ー゚)o「次さー、数学じゃん?出見先生のやつ、確かテストあるよね!」


( <●><●>)「......」ペラッ


o川*`ー´)o「お願い!山教えて!」

5名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:31:49 ID:lO35HPnw0
( <●><●>)「......」カリカリ


o川*゚ー゚)o「むー!教えてくれたっていいじゃーん。ケチー」


( <●><●>)「......邪魔」ペラッ


鬱陶しい。
夜の蚊の羽音より鬱陶しい。
近寄るな。
バカが移るだろうが。
ボタンはちゃんと閉めてないし着崩してるわ、髪は茶色入ってるわと校則スレスレをいくその格好。
もし近くにいて友達とでも思われたら私の世間体がおかしくなる。
早く、消えろ。

6名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:32:30 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「いっつもさーなんかよくわかんないの読んでるけどーなにそれー?」


( <●><●>)「......」カキカキ


o川*゚ー゚)o「ちょっと見せて......うーわー、これ英語?やっぱすごいんだねー和歌手くんって」


ドイツ語と英語の見分けもつかないのかこのバカは。
ドイツ語と分からなくても英語ではないと気づかないのか。
バカだ、バカすぎる。
そしてなぜ私はこんなバカに絡まれなければならないんだ。


( <●><●>)「......」ペラッ


o川*゚ー゚)o「ねーねー」


甘ったるい声が脳を揺さぶる。
吐き気がする。
なんだ、こいつは。
いつも、いつもいつも、いつもいつもいつもいつも邪魔しやがる。
なぜ優秀な私がこんなやつに絡まれなければならないんだ。
こんなバカ、さっさと淘汰されて絶滅すればいいのに。

7名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:33:12 ID:lO35HPnw0
キーンコーンカーンコーン......


o川;*゚ー゚)o「げぇ、休み時間終わっちゃった......べんきょーできてないよ。どしよー......」


知るかバカ。
そう思いながら本をしまう。
同時に教室に出見先生が入ってきた。
そして予告通りテストを配っていく。
テストが手元に来るとき、チラリと時計を見る。
約5分、くらいか。
私が今日、この女に無駄にされた時間は。
頭のなかで計算し確認する。
さて、この無駄になった分、どこで取り戻そうか。
そんなことを考えながら配られたテストを解いていく。
当然、解らない問題も、間違える問題もひとつもなかった。

8名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:33:53 ID:lO35HPnw0
.........
......
...


( <●><●>)「......ふぅ」


夜、随分遅くなってしまった。
調べものをしに近くの大学の図書館に行っていた訳だがなかなかの収穫だった。
早く帰って、まとめ直さなければ。
そう思い、小さな路地へと入っていく。
人通りの少ない、暗い路地。
だがそこが一番家へ近い抜け道なのだ。
危険な噂などもない。
怖がることなく、その道を進む。

9名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:34:46 ID:lO35HPnw0
( <●><●>)「......ん?」


その暗い道の先に二つの影が見えた。
身長的と体格的に一つは太った男のもの、もう一つは小柄な女のもののようだ。
襲われてる、という雰囲気ではないしどう考えても、親子とかカップルではない。
そしてこんな路地。
思わず汚いものを見たときのように顔をしかめてしまう。
恐らくあれは、援交だろう。
底辺の底辺。
糞の掃き溜めのすることだ。
この道を選んだことを少し後悔する。


( <●><●>)「......」


まあ、そんなもの無視して通ればいい。
気づかれないように一本早めのところで曲がればいいだけの話だ。
そう考え歩みを早める。
どうやらあちらも話が終わり、別れるようだ。
ちょうどいい、さっさと帰れ。
さっさとあいつらを視界から消したい。

10名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:35:28 ID:lO35HPnw0
さらに歩みを早める。
早く、帰りたい。
その一心で。


「......和歌手くん?」


......
今、私が呼ばれた?
どう言うことだ?
ここに、私以外はあのゴミしかいない。
いやでも私にゴミの知り合いなんていない。
......
いや、一人いた。
いやだがまさか、そんなにバカだとは思っていなかった。
私はそんなのに付きまとわれていたのか。
吐き気がする。
目眩もする。
重たい視線をあげる。
暗い道の先にいた女の影。
それは。


o川*゚ー゚)o「あはは......」


素直九徒がそこにいた。

11名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:36:09 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「いやーまさかこんなところで友達とあうとはねー」


( <●><●>)「......ふん」スタスタ


o川;*゚ー゚)o「え、ちょっ!?何で帰るの!?」


( <●><●>)「......帰りたいからですが、何か」


o川*゚ー゚)o「......何か聞きたいこととかないの?」


( <●><●>)「別に」


o川*゚ー゚)o「......ふふ、本当に私に興味ないんだね。いや、私って言うより周り、かな?」


( <●><●>)「分かってるじゃないですか、なら」


o川*゚ー゚)o「和歌手くんってさ、童貞だよね?」

12名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:36:50 ID:lO35HPnw0
( <●><●>)「は?」


......思考が止まった。
何を言っているんだ、こいつは。


o川*゚ー゚)o「あはっ!ようやく興味持ってくれた?」


( <●><●>)「......」


o川*゚ー゚)o「和歌手くんも男だもんね」


( <●><●>)「下らない」


吐き捨てるようにいう。
下らない。
ああ、本当に下らない。
体を武器にするなど、本当にこいつは。
どこまで人から堕ちているんだ。

13名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:37:53 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「......ふーん。下らないんだ」


( <●><●>)「......」


o川*゚ー゚)o「......ほれっ」


(; <●><●>)「っ!?」


いきなり、胸のボタンを外した。
そうわかったときにはもう、そこには白い肌が存在していた。
医学書で何度も見たこともある筈の胸。
だというのに、顔が暑く、火照る。


o川*゚ー゚)o「あー、赤くなったー」


(; <●><●>)「せ、生理現象です。別に......」

14名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:38:33 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「うんうん、そうだよね。だからさ」


(; <●><●>)「......うっ!?」


さわり、と撫でられる。
そして気がついた。
いつの間にか股間が熱く、苦しくなっていた。
撫でられたその感触でそれはさらにはち切れそうなほどに膨れ上がる。


(; <●><●>)「あ、こ、れは......これも」


o川*゚ー゚)o「うんうん、男だったら仕方ないことだよ。知ってるよ、何度も見てきたからさ」


(; <●><●>)「......」


o川*゚ー゚)o「......だから、さ。知ってるんだ。これ」


出さないと、苦しいよね?

15名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:39:14 ID:lO35HPnw0
甘い言葉が、脳を揺さぶった。
吐き気がするほど甘く、そして甘美。
私の全てが麻痺してるような錯覚。
拒絶するだけなら簡単なのに。
突き飛ばせば、終わるはずなのに。
流れに逆らえない。
このまま、流されてしまいたい。
今まで溜めてきた欲望が溢れ返るような熱い感覚。


(; <●><●>)「......」


o川*゚ー゚)o「あはは、いつもと全然違うね和歌手くん」


(; <●><●>)「あ、う......」


o川*゚ー゚)o「ね、いいでしょ?和歌手くん。したい?したくない?」


(; <●><●>)「......」

16名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:39:55 ID:lO35HPnw0
心臓の音が早くなる。
ダメだ、やめろ、やめろ。
理性が私を止めようとする。
さあ、いけ、いけ。
本能が私を進めようとする。
二つの波がぶつかり、私を狂わせる。


(; <●><●>)「......ハァー......ハァー......」


o川*゚ー゚)o「そんなに無理すること?」


(; <●><●>)「え?」


o川*゚ー゚)o「優等生でいるの、辛いでしょ?」


(; <●><●>)「......」


o川*゚ー゚)o「いいじゃん、今は私しかいないんだよ?だからさ、もう優等生なんてやめちゃってさ、やりたいことしちゃいなよ」


(; <●><●>)「やりたいこと?」

17名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:40:49 ID:lO35HPnw0
私のやりたいこと。
やりたい、こと。
やりたい。
優等生をやめて。
欲望をぶちまけたい。
我慢、したくない。


o川*゚ー゚)o「ね、だからさ」


しよ?


頭が縦に揺れた。

18名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:41:29 ID:lO35HPnw0
手を引かれるまま、たどり着いたのはひとつの所謂ラブホテルというところだった。
だが、頭の麻痺した私が覚えているのはいつの間にか部屋にたどり着き二人とも服を脱ぎ捨てたところからだけだ。

熱い。
暑い。
暑い熱い暑い熱い暑い熱い暑い熱い暑い熱い暑い熱い暑い熱い暑い熱い暑い熱い暑い熱い暑い熱い暑い熱い暑い熱い暑い熱い暑い。

空気が、体が、心が、空間が。
全てが熱く、暑い。
火照る。
なにも着てないのに着ていたときより暑い。
なんだ、これは。
こんなもの、知らない。
私の、知らない世界だった。

19名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:42:09 ID:lO35HPnw0
「はぁー......はぁー......」


疲れていないのに、呼吸が早まる。
そんな様子を見てか九徒はクスクスと笑った。
顔がもっと熱くなる。
普段の私なら九徒に笑われることくらいなんとも思わないはずなのに今は違った。
顔が真っ赤になり、頭が真っ白になる。


「じゃあ、するね」


「あっ......」


気がつくと九徒はいつの間にか私のそばまで近寄っていた。
そして、軽く触れられる。
ただ、それだけ。
それだけなのに。
体に突き抜けるような電流が走る。
頭が、狂いそうだった。

20名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:43:15 ID:lO35HPnw0
「......」


いや、狂ってしまってるのだ。
だってもう、そこにいる私は私の知っている私ではなかった。
早く、早く早く早く!
早く、快楽に身を投げたい。
脳が狂ったように命令を出している。
獣の本能が目覚めるかのごとく、性欲へと身を投じる。


「......入れるね?」


「あ......」


先端が、当たっている。
ムズムズと何かが込み上げてくる。
早く、ぶちまけたい。
私の欲望を全て、吐き出したいのだ。

21名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:44:06 ID:lO35HPnw0
「......ん!」


挿入は、思った以上にあっさりと行われた。
だけど、それは私の残りわずかな理性を吹き飛ばすには十分すぎた。
私は、獣になる。
ぶちまけたい。
早く、早くこの中に。
頭のなかはもう真っ白だ。
考えたくもない。
今はただ、この快楽に身を任せたい。
早く、早く、そして長く。
この、快楽を......


「っ......!」


目の前が白濁に染まっていく。
汚れていくのが、堪らなく気持ちよく、脳を麻痺させていた。

22名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:44:21 ID:rRGQG8NY0
腹上死乙

23名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:45:04 ID:lO35HPnw0
.........
......
...


( <●><●>)「......ん」


気がつくと自宅のベッドだった。
どうやら私は昨日の一部を忘れてしまうほど興奮し、脳が狂っていたようだ。
昨日のことを少し思いだしまた体が熱くなる。
昨日、あんだけやってしまったというのにまだ、体は求めていた。


(; <●><●>)「......私は一体、どうしてしまったんだ」


鏡に写る自分を見る。
そこには見慣れた顔があった。
でもそこに写る私は、私の知っている私ではなかった。

24名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:45:44 ID:lO35HPnw0
「......和歌手、よくできた。満点だ」


( <●><●>)「はい」


出見先生のテストが返される。
当然、満点。
確認するまでもない。
当たり前の結果というやつだ。


「素直、追試だ」


o川;*゚ー゚)o「げぇ......」


まあ、あちらも当然の結果と言うやつだ。
あまりに予想通り過ぎて少し笑った。

25名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:46:29 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「ねぇー和歌手くーん」


休み時間。
甘ったるい声が私を呼ぶ。
どうやら九徒が私を呼んでるようだ。
が、本から顔はあげない。
いや、上げられない。
だって、顔を見れないから。
その声だけでも、顔が暑い。


o川*゚ー゚)o「わーかーてーくーん?」


ピタリと、腕にくっついてくる。
服の上から微かな柔らかさが伝わってくる。
その感触に昨日触れた柔らかさが手のひらに蘇る。
体が、熱い。
本の内容なんて、頭に入らない。

26名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:47:13 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「......勉強、教えてほしいんだけどさ」


(; <●><●>)「......」


o川*゚ー゚)o「放課後、3階の空き教室で待ってるから」


(; <●><●>)「わ、私はいかな」


o川* ー )o「したいこと、お礼にしてあげるからさ」ボソッ


(; <●><●>)「っぃ!?」


耳元でボソリと呟かれる。
その微かに耳に空気が当たる感覚。
それすらも私を狂わせるかのごとく体中から汗を吹き出させる。

27名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:48:08 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「じゃ、気が向いたら来てね。ほら、授業始まるよ」


(; <●><●>)「......あ」


気がつくと次の授業の先生が教室に入ってきていた。
どうやら気がつかない間にチャイムがなっていたようだ。
私は、それすらも気がつかないほどおかしくなっていたようだ。


(; <●><●>)(わ、たしは......)


頭のなかで様々な考えがグルグルと渦巻く。
先生が授業を始めたがそれどころではない。
私はこれからどうすればいいのか。
全く分からなかった。

28名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:48:51 ID:lO35HPnw0
.........
......
...


o川*゚ー゚)o「あ、来てくれたんだ」


( <●><●>)「......まぁ」


なぜ私はこんなところにいるのか。
いつもならもう帰っているか、調べものをしているかなのに。
時間は有限なのに。
無駄にしてしまっていいのか。
でも、しかし、それでも。
私は、ここに来てしまった。


( <●><●>)「......何が解らないんですか?」


o川*゚ー゚)o「ん?え、あー!そっか勉強するんだった!」


( <●><●>)「......帰りますよ?」


o川;*゚ー゚)o「あータンマタンマ!冗談だよー!とりあえずここ教えてっ」

29名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:49:34 ID:lO35HPnw0
( <●><●>)「ふん......どこがわから......は?」


o川*゚ー゚)o「いやー、難しいよねー数学ってさぁ」


( <●><●>)「......あの」


o川*゚ー゚)o「ん?」


( <●><●>)「これ、教科書の1P目なのですが」


o川*゚ー゚)o「だーかーらー!そっからわかんないのー」


目眩がする。
いや、忘れてたわけではない。
こいつがバカだって分かってはいた。
分かってはいたが。
限度があるだろう。
よく、よくこの高校に入れたもんだと逆に感心してしまう。

30名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:50:32 ID:lO35HPnw0
( <●><●>)「......はぁ。ならもう追試に受かるためだけの勉強をしますか」


o川*゚ー゚)o「え、そんなのできるの?」


( <●><●>)「出見先生のテストならある程度予測できますからね。それに合わせてやりましょう」


o川*゚ー゚)o「ひゃーさっすが。頼りになるねぇ」


( <●><●>)「始めますよ?」


o川*゚ー゚)o「はーい、和歌手先生!」


なるべく、深くは追求せずに、浅く、浅く授業を進めていく。
九徒みたいなバカでも分かる言葉を頑張って考え、教えていく。
もう何年も前から知っているものを教えても私には何の得もないのに。
それでも知恵を振り絞りなんとか伝えていく。

31名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:51:22 ID:lO35HPnw0
楽しい。
沸々と胸の奥から沸いてくる。
忘れてた感情、いや、捨てていた感情。
思い出した、思い出してしまった。
無駄だと切り捨てていたものを。


o川*゚ー゚)o「いやー、ありがとうね」


( <●><●>)「......いきなりなんですか?」


o川*゚ー゚)o「いや、ね。和歌手くんってさ、私のこと、嫌いでしょ?」


( <●><●>)「......」


o川*゚ー゚)o「否定してくれない、と。うん、知ってたからいいんだけどさ」


( <●><●>)「......別に」


別に。
まさにその言葉が全てだった。
興味ない。
嫌いかどうか考える以前の問題。
考えることすら、しない相手だった。

32名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:52:12 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「でも、これは好きてしょ?」


スッと、スカートを持ち上げる。
白の布が太ももの間に顔を覗かせる。
また、顔が暑くなる。
もうその下を見たことすらあるのに。
それでもその姿は私を昂らせる。
それでも必死に私は私を保とうとする。
まあ、単なる意地だ。


( <●><●>)「......」


o川*゚ー゚)o「んー、今回はあんまり慌てないんだねぇ。つまんないなー」


( <●><●>)「別に......」


o川*゚ー゚)o「......ぷっ」


(; <●><●>)「な、なんですか」

33名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:53:05 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「強がったり、カッコつけるのは逆にカッコ悪いよー?」


(; <●><●>)「うっ」


速攻でバレた。
顔に出ないようにしていたのに。
また、九徒に笑われる。
まるで、九徒の手のひらで踊らされてるのではないかと感じてしまう。
でも、不思議だ。


(; <●><●>)「......しますよ」


o川*゚ー゚)o「きゃー」 


不思議とそれも、悪くない。
そう、感じていた。

34名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:53:57 ID:lO35HPnw0
肌を重ねる。
単なる、生殖行為。
だというのにまだ慣れない。
心臓が痛くなるほどのこの鼓動。
燃えているのではないかと勘違いするほど熱い体。
そして狂うほどの、快楽。
体の合わさる音と粘液の混じり合う音、そして荒い呼吸の音が教室の中に響く。
誰かに気付かれるかもしれない。
でも、そんなことより今は。
ただ、快楽に溺れたい。
その一心で体を動かす。
甘い、甘い、今をただ楽しみたかった。

35名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:54:41 ID:lO35HPnw0
.........
......
...


o川*゚ー゚)o「いやー、またしちゃったね」


(; <●><●>)「......気づかれてませんよね?」


ようやく落ち着き頭が回るようになってきた。
そしてここになって危機感を持ち始める。
これではまるで私までアホみたいだ。
いや、実際アホだったのだろう。
いくら人の来にくいところとはいえ学校でこんなことをしてしまったのだから。

36名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:55:22 ID:lO35HPnw0
(; <●><●>)(......)


o川*゚ー゚)o「わーかーてーくん!」


(; <●><●>)「はい?」


o川*゚ー゚)o「かえろっ!」


九徒はいつの間にか服装を整え帰る準備を終えていた。
私はそれを見て慌てて脱ぎ捨てていた学ランを羽織る。
が、慌てるせいかボタンがうまく閉まらない。


o川*゚ー゚)o「ボタンなんていいじゃん別に閉めなくて。しかもそんな上まで」


( <●><●>)「服に付いているボタンは閉めるために普通は付いてるものですよ......っと、よし」パチッ

37名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:56:04 ID:lO35HPnw0
o川;*゚ー゚)o「ひえー......ホックまで閉めるんだね。うーん、知ってたけど凄いなぁ。苦しくない?」


( <●><●>)「慣れれば別に」


o川*´ー`)o「いやー、すごいっすなー」


( <●><●>)「では」テクテク


o川;*゚ー゚)o「......って、どこいくのー?」


( <●><●>)「どこって......さっき言ってたじゃないですか。帰るんですよ」


o川;*゚ー゚)o「えー、ならちょっとは歩調あわせてよー」


( <●><●>)「は?」

38名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:56:49 ID:lO35HPnw0
疑問を頭に浮かべると同時に九徒が横に来る。
それだけでなく腕を絡め体を密着させる。
先程までもっとすごいことをしていたと言うのに顔が暑くなる。
心臓の音が、頭にまで響いてくる。


(; <●><●>)「なにを」


o川*゚ー゚)o「一緒にかーえろ」


(; <●><●>)「家、近いんですか?私の家と」


o川*゚ー゚)o「んー?知らない。てかこの間会ったところの近くなら私んちは遠いってか逆方向かなー」

39名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:57:31 ID:lO35HPnw0
(; <●><●>)「......なのに一緒に帰るって......非効率的な」


o川*゚ー゚)o「和歌手君、世の中はねー効率だけじゃ楽しめないぞー」


( <●><●>)「あなたにだけは世の中のことを語られたくないですね」


o川*゚3゚)o「えー」


ああ、なんでだろう。
こんなにもうざったいのに。
こんなにものぼせるように暑いのに。
こんなにも心臓が痛いくらい鳴り続けているのに。
とても、とても、その時が心地よかった。

40名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:58:11 ID:lO35HPnw0
.........
......
...


彼女と関わり始めてからもう何週間が経ったのだろうか。
そして彼女と何回、交わったのか。
もう、分からない。
それくらい時間が経った。


o川*゚ー゚)o「和歌手くーん、お昼食べよー」


いつの間にか九徒と昼食を食べるのが習慣化していた。
今日もいつも通り弁当箱を振り回しながらこちらの机へと向かってくる。


( <●><●>)「危ないしそんなに振り回しますとまた中身が混ざりますよ?」


o川*゚ー゚)o「やー、いいのいいの。私混ざってるのもなかなかいけると思うんだよー和歌手君」

41名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:58:51 ID:lO35HPnw0
( <●><●>)「そうですか、ちなみに今日の中身は?」


o川*゚ー゚)o「え?えーと......」


( <●><●>)「......?今日はあなたが作った弁当ではないんですか?いつも作ってきているのに」


o川*゚ー゚)o「あはは......まぁ」


珍しい。
いつの間にか始まったこの昼食会だが一度も九徒は弁当を忘れずすべて自分で作ってきていた。
少し分けてもらったこともあるが弁当用に考えて作っているのか冷えていても美味しく思わずバカの癖に上手いと誉め言葉が口からこぼれてしまったほどだ。
なぜか九徒には殴られたが。

42名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 17:59:35 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「いやー......今日はさ、おとおさんが作ってくれたのよね」


( <●><●>)「ふぅん......」


o川*゚ー゚)o「......さ、食べよ」


( <●><●>)「......?」


何やら九徒の様子がおかしい気もする。
まあだからといって何かしてやれることもないわけだが。
他人の問題は、赤の他人が介入すべきではない。
そんなの非効率的だし、なにより面倒くさい。
その相手が例え、仲のいい人であってもだ。

43名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:00:17 ID:lO35HPnw0
( <●><●>)「......」


下駄箱。
帰るための人がちらほらと自分の靴を取りだし家へと向かって消えていく。
私はその流れに従うように校舎から家へと向かう。
一人で帰路につく。
久しぶりに九徒が横にいない。
いつも当たり前のように絡んできたそいつがいない。
家が真逆だと言うのにわざわざ着いてきたあいつが。
理由も言わずどこかへ行ってしまった。

44名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:00:57 ID:lO35HPnw0
( <●><●>)「......」


静かだ。
家への道を一人で歩くとこんなに静かなものだったか。
寂しいわけではない。
でもなにか、物足りない。


( <●><●>)「ん?」


気がつくといつしか九徒と出会った細い路地の近くまで来ていた。
そういえばあのとき出会ってから一度もそういうことをしたということは聞いてない。
まあ話すようなことではないのだが。

45名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:01:55 ID:lO35HPnw0
( <●><●>)「まさか、ね」


早く帰る理由なんてないからここを通るメリットなんて無いわけだが。
何となく、足がそちらへと向かう。
......私は何を期待しているのだろうか?
なぜ、こっちの道を選んだのだろうか。
単なる気まぐれでこの道を選んでしまった。


( <●><●>)「......ん?」

46名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:02:40 ID:lO35HPnw0
そして、見た。


o川*ー)o


( <●><●>)(まさか本当にいるとは......)


そこに、九徒がいた。
私は思わず声を掛けようとした。


( <●><●>)「きゅ」

47名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:03:22 ID:lO35HPnw0
なぜ、私は分からなかったのか。
家が真逆でさらにはこんなところで彼女がいる理由なんてただひとつなのに。


( ゚∀゚)o川*ー)o


( <●><●>)「......あ......?」


3,40くらいの男が九徒の横にいた。
明らかに異常な光景。
親子とかそんな雰囲気じゃなくてあれは。

48名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:04:04 ID:lO35HPnw0
( <●><●>)「......」


彼女の体に手がのびる。
彼女はそれを拒まない。
彼女の体を引き寄せる。
彼女はそれを拒まない。
彼女の顔に男の顔が近づく。
彼女はそれを受け入れる。

やめろ。
やめろ。
やめろ。
やめろ。
やめてくれ。
なんだ、これは。
どす黒い何かが溢れてくる。
汚される。
彼女が、あいつに。
あの男に。
いや、考えろよ。
元から汚されてたじゃないか彼女は。
それがまた元に戻るだけ。

49名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:04:42 ID:kQQ9WFNY0
おお!続ききたのか?

50名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:04:47 ID:lO35HPnw0
......
......嫌だ。
嫌だ、嫌だ。
何でか、何でかは分からないがとにかく嫌だ。
でもどうするんだ?
今から飛び出すのか?
私が彼女の事情に介入していいのか?
今あの姿は彼女の望んだ姿かもしれないのに。


( <●><●>)「......あ」


唇が重なった。
それだけなのに、彼女がとても、遠くに消えていくような錯覚を受ける。
心のなかにいるきれいな彼女が汚されていく。
おかしな話だ。
私だって彼女を汚したのに。
それなのに、許せない。
私以外が彼女を汚すのが耐えられない。
でも、だからといって。
私に出来ることは、ない。
なにも、出来ない。

51名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:05:28 ID:lO35HPnw0
o川*;ー)o


( <●><●>)「......っ!」


一瞬、男に連れられていく彼女の顔に涙が見えた気がした。
それに私はひとつの結論に達する。
彼女は心のなかではこんなことを望んでいなかったと言うこと。
その結論に少しどす黒いものが安らぐのを感じ、そしてなにもできなかった無力感に私は押し潰されそうになっていた。

52名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:06:17 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「おっはよー!」


次の日、九徒はいつものように教室に飛び込んできた。
いつもの笑顔。
いつもの大声。
なにも、変わらない。


( <●><●>)(......)


昨日の出来事が見間違いだったのではないかと思えるほどにいつもの彼女だった。
でも、確かに見たのだ。
彼女が汚され、そして涙するその姿を。
私は見てしまっていたのだ。

53名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:06:57 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「おーい、和歌手くーん。聞こえとるかーい?」


( <●><●>)「......うるさいですよ」


o川*゚ー゚)o「あ、聞こえてるんだ。じゃあなんで返事しないんだよー。このこのー」


(; <●><●>)「顔を突っつかないでください」


o川*゚ー゚)o「えー」


( <●><●>)「えー、じゃないですよ。ったく」


九徒の顔を再び見る。
そこにはいつもの笑顔がある。
作り物ではなく本物の笑顔。

54名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:07:38 ID:lO35HPnw0
( <●><●>)(......)


汚されたのだ。
昨日、この笑顔が。
まだ胸の奥にドロドロとした感情が渦巻く。
これは、なんだ。
不快で痛く、苦しいこの感情は。
私は、どうしたいというのだ。


o川*゚ー゚)o「あ、先生来ちゃった。じゃね」


( <●><●>)「......え?あ、ああ。はい」


気がつくと時計は1限が始まる時刻を指し示していた。
慌てて教科書を鞄から取り出す。
取り出しはしたが何もする気にはなれなかった。

55名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:08:19 ID:lO35HPnw0
.........
......
...


( <●><●>)「九徒、少しいいですか?」


休み時間。
私は九徒に話しかけた。
教室に残ったやつらがチラチラとこちらを見てくる。
いつもは気にならないのに、今日はなんだか落ち着かない。


o川*゚ー゚)o「んー?あ、和歌手くん。どったの?話しかけてくるなんて珍しいね」


( <●><●>)「いえその......」


o川*゚ー゚)o「んー?」


( <●><●>)「あー......」


九徒と話をしていた女子のグループがこちらを見ながらボソボソと話している。
私のことであろう。
居心地が悪い。
物凄く、むず痒い。

56名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:09:03 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「んー?ここじゃ話しづらいこと?」


( <●><●>)「......まぁ、わりと」


o川*゚ー゚)o「ん、じゃ、いこか」


九徒はそういうと私の手をとる。
小さく弱いその手に引かれ私は教室から連れ出される。
チラリ、と時計を見るとそろそろ授業の始まる時間だった。
戻らないといけない。
頭のなかでそう思う。
話なら後でもできるのだからいまは戻らなくては。
頭ではそう思っていた。
けどこの手を、何故か離す気にはなれなかった。

57名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:09:45 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「んで、和歌手くん。話ってなに?」


( <●><●>)「いえ......その昨日のことで」


そこまで言って言葉に詰まる。
聞いていいのだろうか。
昨日、彼女がしたこと。
聞くにしてもどう聞けばいいのか。
そもそも聞いてどうしたいのだ、私は。


( <●><●>)「......」


o川*゚ー゚)o「?」


九徒が首を小さく傾げ、こちらを見てくる。
真っ直ぐで綺麗な目だ。

58名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:10:42 ID:lO35HPnw0
でもその目は私の知らない男とのまぐわう姿を見てきたのだろう。
腕や足だけじゃなく、全て、全てを。


( <●><●>)「っ!」


o川;*゚ー゚)o「え、ちょっ......きゃっ!」


嫌だ。
彼女が他のだれかに汚されているのは腹が煮え立つような気分になる。
苛つく。
どす黒い物が込み上げてくる。
そのどす黒いもの、全てを吐き出したい。
そして彼女を染め上げるのだ。
私の、私だけの色に。

59名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:11:22 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「......もしかして我慢できなかったの?」


( <●><●>)「......」


o川*゚ー゚)o「ふふ......授業始まっちゃうけど、いいの?しかも学校で」


( <●><●>)「......しますよ」


o川*゚ー゚)o「きゃー」


九徒がわざとらしい悲鳴をあげる。
その甘い声が私を昂らせる。
彼女の姿、声、匂い、全てが。
まるで麻薬のように、私を魅了していた。

60名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:12:02 ID:lO35HPnw0
(; <●><●>)「はぁ......はぁ......」


息がキレる。
疲れた。
体から全てを吐き出したかのような倦怠感。
でも、スッキリしない。
まるで胸の奥に何かが突っ掛かったままのような感覚。
どうしても、昨日の彼女の涙を流す顔が忘れられないのだ。
私にはなにも、出来ないのに。


o川*゚ー゚)o「......和歌手くん、どうかしたの?」


( <●><●>)「え?」


o川*゚ー゚)o「だってなんか、辛そうだよ?」


( <●><●>)「......」

61名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:12:42 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「何があったかわかんないけど力になるよ?」


散らばった服のシワを伸ばし、服を着ながらこちらに笑ってくる。
ほんのりと上気した肌がチラリ、と服の間から覗く。
また、体が熱くなる。
まだ、足りない。
こんなにも、吐き出し尽くしたのに。
まだ、足りないのだ。
再び、九徒に迫る。


( <●><●>)「......」


o川*゚ー゚)o「......今日の和歌手くん、ちょっと変だよ?」


( <●><●>)「......うるさい」


o川*゚ー゚)o「ま、いいよ。力になるっていったし、満足するまでしよっか」

62名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:13:22 ID:lO35HPnw0
そういうと九徒は上着を脱ぎ、下を脱ぎ捨てる。
彼女は再びYシャツ姿になる。
もう、何度この姿を見たのだろうか。
いつもと同じ彼女の姿。
もう慣れてもおかしくないのに。
でも、それでもこんなにも心が昂るのは何故だろう。
私はまた、その心の赴くままに感情を彼女にぶつけた。

63名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:14:03 ID:lO35HPnw0
.........
......
...


o川;*゚ー゚)o「はぁ......はぁ......」


(; <●><●>)「はぁ......はぁ......」


何時間経ったのだろう。
時計を見るといつのまにか学校の全ての授業は終わる時間となり外は紅くなり始めていた。


(; <●><●>)「......はぁ」


それでも心が晴れない。
この気持ちはなんなんだ。
酷く、不快。
何かがずっと突っかかっている。
でもそれはなんなのか。
全く、わからない。

64名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:14:45 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「結構時間経っちゃったね。私たちも帰ろっか」


( <●><●>)「え?......ええ、そうですね」


o川*゚ー゚)o「ん、あ、これ。服ね」


( <●><●>)「わざわざどうも」


九徒がそこら辺に散らばった服を集めて渡してくる。
気付かないうちに私は服を脱ぎ捨てていたようだ。


o川*゚ー゚)o「ほら、早く帰ろ!校門閉まっちゃうよ!」


( <●><●>)「待ってくださいよ......全く」


ボタンを閉めもせず、私は走っていく九徒の後を付いていく。
いつもと違う服の感覚。
締め付けられないその感覚はなかなかに心地よい気がした。

65名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:15:26 ID:lO35HPnw0
o川*゚ー゚)o「ごめーん、和歌手くん。今日もちょっと用事があるんだ」


昼休み。
九徒といつものように食事していると彼女はそう口にした。
その言葉にあの夜見かけた男の顔が脳内をよぎる。
急に食べていたものの味がしなくなり吐き気がしてくる。


( <●><●>)「そう......ですか」


o川*゚ー゚)o「ん?変な反応......あー、もしかして寂しい?私と帰れなくて」


寂しい?
寂しいのか?
いやこの気持ちは多分そんなのではない。
なんなのかは、分からないけど。
でも、違うということだけは確信できる。

66名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:16:06 ID:lO35HPnw0
( <●><●>)「......」


o川*゚ー゚)o「あれ?おーい」


じゃあ、この気持ちはなんなんだ。
私は彼女をどうしたいんだ?
堪らなく嫌いで苦手で関わりたくなかったはずなのに。


o川*゚ー゚)o「もー......すねちゃうぞー」


今はただ、この二人の時間が勉強よりもっと長く続けたいとどこか願ってしまった。

67名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:16:47 ID:lO35HPnw0
.........
......
...


( <●><●>)「......」


放課後。
私は一人、家へと向かう。
ただ、歩くだけ。
何時もならうるさいくらいの彼女の声が響く通りも音ひとつない。
静かだ。
まるで全てが死んでしまったかのように。


( <●><●>)「......あ」


何をするでもなくただ帰る。
ふと、いつもの小道との分かれ道にたどり着いた。
まさか、とは思う。
何度も出会うわけがない。
そもそも今日も彼女があんなことをしてるかなんて分からないのだから。

68名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:17:28 ID:lO35HPnw0
大丈夫、大丈夫なんだ。
そう自分に言い聞かせる。
何が大丈夫なのか何てわからない。
それでもそうしなければ自分が保てない。
酷く口が乾く。
吐き気がする。
それでも足を踏み出す。
ただ、期待していた。
何も起こらず、いつものように帰れることを。
ただ、祈っていた。


( <●><●>)「......」


足を踏み入れたその先。
私の視界の中には彼女はいなかった。
当たり前だ。
何度も出会える方がおかしいのだ。
彼女が住むのはもっと、遠くなのだから。

69名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 18:18:09 ID:lO35HPnw0
でも、代わりに私の視界には一人の男が写っていた。


( <●><●>)「......あいつは」


(; ゚∀゚)


あの夜、彼女といたあの男がそこにいた。


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