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('A`)ドクオは凄腕ハンターのようです

93名も無きAAのようです:2015/11/24(火) 18:57:32 ID:ptr5LEp20
タイムストップしてる間に両方殴ればいいんじゃないですかね……

94名も無きAAのようです:2015/11/24(火) 18:59:41 ID:RwSNsPyg0
>>93
タ、タイムストップ中は敵の体が硬まってて殴れないっていうアレだから…

95名も無きAAのようです:2015/11/24(火) 19:09:01 ID:J3ltwwtE0
魔法道具屋にすごいデジャブ

96名も無きAAのようです:2015/11/24(火) 19:14:15 ID:tg6D0t7M0
魔法道具屋クッソwwwww
>>92 さっき言われてた自演は作者のことちゃうと思うで
自分のコメントにレス付けてたっていう意味だと思われ
乙でーす

97名も無きAAのようです:2015/11/24(火) 20:48:50 ID:H1eTPJDI0
乙乙

98名も無きAAのようです:2015/11/24(火) 21:06:32 ID:SeWWrMD.O
皆さん、オワコン社長をよろしくお願いします。気に入ったらチャンネル登録!!
http://www.youtube.com/watch?v=aSMLi2uOkvk
http://www.youtube.com/watch?v=cbwrnLKERpA
http://www.youtube.com/watch?v=gPevsHpSj-Y
http://www.youtube.com/watch?v=9ekKaVB5uHg
http://www.youtube.com/watch?v=cP0NAOzKQAE
http://www.youtube.com/watch?v=hekgfuTcX6o
http://www.youtube.com/watch?v=1uzYFjN7z5E

99名も無きAAのようです:2015/11/24(火) 23:47:39 ID:sB0pME9o0
えーもーなにこれめっちゃよいじゃん。

もっとくれ…

100名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 00:39:12 ID:rEntLBSM0
魔法道具屋の下りはパロディじゃね

101名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 10:54:33 ID:u92jQ9qc0
読みやすくてこの作品好きだわ
ここのアサピーなんだかかわいいな

102名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 19:56:26 ID:jFCv16tI0

6.お仕事


ノパ⊿゚)「ふんふふーん」

新入りメイドのヒートは、歩いていた。
今日も今日とて、楽しく仕事である。

主人であるドクオにも言っていないが、彼女の家は貧乏であった。
何でも、祖父だか曽祖父だかの借金が返しきれていないとか。
ヒートの上に三人の姉がいるが、それが理由か全員働きに出ている。
ついに私も家計の役に立つことができる、と意気込んでいた。

労働時間は7時から20時。
時間としては長いが、ドクオ家でのんびりする時間も長いので激務という訳ではない。


ノパ⊿゚)「おはようございます!!」

渡されていた合鍵を使い家に入る。
ノックなどは、特に要らないと言われていた。
そもそもこの時間、主人はまだ寝ている。
だから挨拶も必要ないのだが、そこは一応。

103名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 19:57:32 ID:YIj08ZrU0

ノパ⊿゚)「よし」

朝ご飯は、大抵がサンドイッチ。
具は毎日変えているが、たまに彼女の気まぐれで納豆ごはんにメニューが変わる。
納豆が苦手な主人ドクオはその気まぐれの発動を心底恐れているが、そんなこと彼女は知る由もない。

ちなみに、今日は納豆ご飯にしようと思った。

それだけではさすがに職務放棄なので、他に一、二品作る。
目玉焼きと焼きウインナーに決めた。
朝ご飯は、まだそれしか作れない。
フレンチトーストは、まだ練習中であった。

ノハ;゚⊿゚) ジュゥゥ…

ノハ;゚⊿゚)

ノハ;゚⊿゚) パッ!

…焦げていない。
黄身も割れていない。

ノハ*゚⊿゚)「おっしゃ!!」ガシャァン!!

皿は割れた。

104名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 19:58:15 ID:YIj08ZrU0

('A`)「お早う…」

ノパ⊿゚)「おはようございます!」

大抵、朝ご飯を作っている途中に主人は起きてくる。
やはりハンターたるもの、眠りは浅くなくてはならないのだろう。
たぶん、有事か何かに備えて。

実際は家に入るときの「おはようございます!!」で強制的に眠りから引きずり出され、
料理を作る物音や歓声で完全覚醒を余儀なくされているのだが、それも彼女は知る由もない。

('A`)「今日は…納豆ご飯?」

ノパ⊿゚)「と、目玉焼きとウインナーです!」

('A`)「…そう…」

ノパ⊿゚)「? 何か?」

('A`)「…いや、何も…」

ノパ⊿゚)「そうですか?」

('A`)「いただきます…」

主人の繊細な心情に、メイドが気づくのはいつになることか。
粗野なメイドに、主人がはっきりものを言えるのはいつになることか。

105名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 19:58:57 ID:YIj08ZrU0

ノパ⊿゚)「今日は仕事でしたよね?」

('A`)「うん。バジリスクだって。遠いから夜まで帰らないかも」

ノパ⊿゚)「バジリスクってアレですか。目ぇ見ちゃ駄目なやつ」

('A`)「そう。即石化、とかはないけど見続けると危ないんだ」

ノパ⊿゚)「へー…毒とか吐くんですか」

('A`)「吐きはしないけど、牙にあるから飛ばしてくる。なんかピュッて」

ノハ;゚⊿゚)「うへー」

('A`)「正面にいなきゃいいんだよ」

主人と食事のときに、魔物の話を聞くことが多かった。
まだ来て一週間程だが、「対策が分からない」と言われたことはない。
凄腕と呼ばれる訳である。

106名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 20:00:02 ID:YIj08ZrU0

('A`)「じゃあ、行ってくる」

ノパ⊿゚)「行ってらっしゃいませー」

借りた馬で発つ主人を見送り、家事に取り掛かる。

ノパ⊿゚)「おしっ!!」

彼女の信条は、日々成長、である。

どれだけ何ができなかろうが、三日前よりも今日、今日よりも三日後の方が少しでも上手くできるようにする。
そうやって生きようと思っていた。

それが反映されているのであろう、最近は皿洗いであまり皿を割らなくなったし、掃除で物を倒さなくなった。
はじめは日に6枚割っていた皿は、今や日に2枚にまで留めておけるようになった。
初日に蹴倒した観葉植物も、今や華麗に避けて箒がかけられる。

だから、主人の研究を止めない姿勢は好きだった。
人は皆、何かが一定までできるようになると、成長をそこで止めてしまう。
しかし主人は、仕事がなくても部屋に閉じこもって研究をすることが多い。
そんな主人の見えない姿は、他の人とは違って感ぜられた。


実際は人と会いたくないが為に、部屋で暇潰しに研究するなりフィギュアを眺めるなりしているだけなのだが、やはり知る由もないことである。

107名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 20:00:43 ID:YIj08ZrU0

ノパ⊿゚)「おわったー」

掃除が終われば、もう昼時だ。
今日は主人がいないので、散歩と買い物がてら、外に食べに出ることにした。
申し訳ないことに、その為の小遣いも給料とは別に貰っている。
しっかり仕事をしよう、と思った。

メイド服から外行きの服に着替え、しっかりと施錠して外に出る。
流石にメイド服では出られない。

ノパ⊿゚)「!!」

チーズの焼ける、香ばしい匂いが漂ってくる。
もとを辿ると、一軒のパン屋。
綺麗な店員さんが迎えてくれた。

ξ゚⊿゚)ξ「あら、いらっしゃい。ちょうど焼きたてよ」

ノハ*゚⊿゚)「焼きたて!」

昼ご飯は、とろけたチーズの載ったパンにした。
安いし、大きいし、何より美味しい。
できたてということもあり、すぐに食べ終わってしまった。
勢いでもう一つ食べてしまい、店を後にする。
ぜひともまた来ようと思った。

108名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 20:01:47 ID:YIj08ZrU0

またぶらぶらと歩き始める。
夕飯はどうしよう、とか考えながら。

ノパ⊿゚)「あ!」

大通りの掲示板で、よく知った顔を見つけた。
自分の仕事を斡旋してくれた、アサピーだ。
何かの紙束を持っている。

(-@∀@)「やあ、ヒート。久しぶりだね」

ノパ⊿゚)「お久しぶりですアサピーさん!」

(-@∀@)「元気だったかい?…と聞くまでもなく、元気だね。結構結構」

ノパ⊿゚)「はい!ここで何してたんですか?」

(-@∀@)「いやー、ビラ貼りだね。これがそう。メイドと執事しませんか、って。あと、スカウト」

掲示板を見ると、確かに広告が貼ってある。

『メイド・執事求む。経歴・年齢不問、まずは相談から。でも個人的にメイドは若い方がいい』

ノパ⊿゚)「…最後の一文が個性的ですね!」

(-@∀@)「正直に生きようと決めてるんだ」

109名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 20:02:35 ID:YIj08ZrU0

ノパ⊿゚)「スカウト、って?」

(-@∀@)「知らないっけ。君はお姉さんの紹介で入ったんだもんね。そうそう、クールさんはいいメイドだよ、相変わらずね」

ノパ⊿゚)「クー姉、あまり帰ってきませんから寂しいです」

(-@∀@)「ほぼ住み込みの形式だもんね。心中お察しするよ。…スカウトの話だったね、実践してみせよう」

言うなりアサピーは周りを見渡す。
手慣れているような口ぶりだ。

(-@∀@)「なんとなく、暇そうな人を探すんだ。このお昼時だからね」

やがて、カフェの方へ近づいていく。
外に備え付けられているテーブルでコーヒーを飲んでいる若い女性に目をつけたようだ。

ζ(゚ー゚*ζ

ノパ⊿゚)「あの人ですか?」

(-@∀@)「好みのタイプだから」

ノパ⊿゚)「正直っすね」

110名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 20:03:38 ID:YIj08ZrU0

(-@∀@)「こんにちは。今、お時間よろしいですか?」

ζ(゚ー゚*ζ「え? はい、大丈夫です」

(-@∀@)「単刀直入に聞くんですけども、今、決まったお仕事とかってやってらっしゃいますか?」

ζ(゚ー゚*;ζ「いや、たまに家の仕事のお手伝いをしてるだけですけど」

(-@∀@)「あぁすみません、いきなり不躾に…。いやね、メイドに興味はありませんか、と聞きにきたんです。要はスカウトです、スカウト」

ζ(゚ー゚*;ζ「スカウト…」

(-@∀@)「いやー、見たところお綺麗ですし、引く手数多ですよー、きっと。いかがです?あ、これチラシなんですけどね、良ければ」

ζ(゚ー゚*ζ「………あ、なんか聞いたことあります、この事務所の名前」

(-@∀@)「この辺だとウチぐらいですから、こういうことやってるの」

ζ(゚ー゚*;ζ「いやでも、忙しいので毎日はちょっと…」

(-@∀@)「ああ、メイドっていうと毎日ってイメージですけどね、実際は週三か週二ぐらいで欲しいって方が割と………」

111名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 20:04:48 ID:YIj08ZrU0

ノパ⊿゚)「…どうでした?」

(-@∀@)「家の仕事がひと段落したら来るかも、って」

ノハ*゚⊿゚)「おー!スカウト成功!」

(-@∀@)「いやいや、来てくれるのはほんの一握りだよ。そんな世の中甘くないのさ」

ノパ⊿゚)「へー…でもアレですね、アサピーさんって喋るの上手いですよねー」

(-@∀@)「いやー…そうでもないよ。仕事のときはできるけど、これがプライベートになるとどうも、ね……ははっ……」

アサピーが暗くなってきたので、適当に切り上げて別れた。
仕事に戻らなくては。


ノパ⊿゚)「ふむ」

夕飯を考えながら買い物をする。

ノパ⊿゚)「今日は」

ノパ⊿゚)「オムライスにしてみよう!」

オムライスを作ったことは、まだないが。
なんとなく、出来る気がした。

112名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 20:05:30 ID:YIj08ZrU0

ノハ;゚⊿゚)「……」

そして、失敗した。

アサピーの言う通りだった。
世の中は甘くない。

(;'A`)「これ…何?」

ノハ;゚⊿゚)「あ、オムライスです」

主人が一口。
ヒートはじっと見守っている。

(;'A`)「卵、なくていいかも…その、チキンライスっていうか…」

ノハ;゚⊿゚)「…それは、チキンライスって扱いならいけるってことですか」

(;'A`)「…」

(;'A`)「ギリギリ滑り込みで…」

ノパ⊿゚)

(;'A`)「……アウトかな」

ノハ;゚⊿゚)「精進します…」

チキンライスも初めてだった。
頑張ろう。

113名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 20:06:21 ID:YIj08ZrU0

ノパ⊿゚)「ごちそうさまでした!」

('A`)「ごちそうさまでした」

夕飯を食べ終わって、皿を洗って片付けてしまえば、その日の仕事は全部終わり。
あとは帰って、自分の家の家事をして、眠る。

毎日こんな感じだが、今のところは楽しい。

まだまともに役に立てているかは分からないが、少しずつ役に立つようになれればいいと思う。
一歩ずつでいい。

('A`)「あ、ヒート?」

ノパ⊿゚)「はい!」

(;'A`)「これから仕事の時にさ、昼ご飯の弁当、作って欲しいんだけど…できる? 本当に簡単なやつでいいからさ」

ノパ⊿゚)

ノハ*゚⊿゚)

ノハ*^⊿^)「はい!!!!」

そう、こんな風に一歩ずつ。

114名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 20:07:02 ID:YIj08ZrU0
けふはここまで

115名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 20:10:21 ID:HJ6OGQLc0
乙!
ヒート可愛い。

116名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 20:12:27 ID:QJKWZtoE0


117名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 20:14:32 ID:7yer7A720
いいねえ

118名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 20:15:57 ID:aIMvBgAw0

ヒートかわいい……うちで働いてくれ……

119名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 20:41:07 ID:rYGXv0UU0
おつつ

120名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 22:30:35 ID:t1gBmq3g0
いろいろやって完結できないパターン

121名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 23:27:18 ID:7rRxy7pQ0
>>120
こいつ完結してほしくないんだろうからこんな事言ってる荒らしなんだぜ

以後俺含めスルー

122名も無きAAのようです:2015/11/25(水) 23:28:17 ID:mfHQpn6Y0
こういう日常系は本当に完結してほしくない
常に見ていたい

123名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 02:44:15 ID:KPfSZYJk0
こういうタイプは完結する位なら適当なタイミングで失踪してくれる方がありがたい

124名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 02:56:40 ID:gr0GEp2I0
俺はこういうタイプの作品でもなるべくならしっかり完結してほしいわ

125名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 03:27:40 ID:Fc6i93vE0
なんでもう終わりの話になってるの??

126名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 23:10:14 ID:jrQLXXF60

7.エビルスパイダー


(;'A`)

凄腕ハンターウツタ・ドクオは、今、覚悟を迫られていた。
事の起こりは三十分前。

ちょっと見た事のないキノコでも食べて、グルメ気取ってみようと思ったのが間違いであった。

食べたその瞬間から、一切の魔法が使えなくなってしまったのだ。
毒なら魔法で解毒しよう、とか軽く思っていたが、流石に予想外というものだった。

それだけなら、まだいい。
彼には国の騎士団長にも劣らぬ剣捌きがある。



その剣も、今しがた溶けた。

127名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 23:11:01 ID:jrQLXXF60

(;'A`)

前に見えるのはエビルスパイダーという魔物。
大きな蜘蛛だ。

この魔物、本来は巣を作るだけである。
無毒な魔物の筈だった。

それが、酸を吐いた。
咄嗟に剣で守ったが、剣は失う結果となってしまったのだ。

(;'A`)「新種かな…」

国の魔物調査委員に要報告だ、と頭の中に留めたが、まずは目の前。
彼は徒手空拳の武術においても、ナンバー1と言ってもよい実力を持っている。
攻撃手段を二つ失っても尚、負ける要素はなかった。




(;'A`)



蜘蛛が、苦手でなければ。

128名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 23:13:44 ID:jrQLXXF60

そう、彼は蜘蛛が苦手であった。


(;'A`)



昔のことだ―――

駆け出しの頃にまさにこのエビルスパイダーを相手取ったことがあった。
怖いもの知らずのハンタードクオは、魔物を二つに切り裂いた。

それが、間違いであった。

切り裂いたその断面、特に腹から数百数千の子蜘蛛(手のひらサイズ)がわらわらと飛び出し、波濤となって彼を襲ったのである。

ドクオは半狂乱に陥り、所構わず剣を振り、火炎を放ち、雷を落とし続けた。
しかし圧倒的な物量にはそれでも足らず、結果的に半径50メートルを消し飛ばす大爆発を引き起こし、事態を収束させた。

そのせいで、その山はそこだけ未だに岩肌である。

129名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 23:14:49 ID:jrQLXXF60

そんな彼が、素手での戦闘を強いられる結果となった。

平素であればこの魔物は、極大火炎魔法で灰と化すか、闇の魔法で存在ごと消し去るか。
どちらかであった。

それが、素手。
心中は察しても察しきれないというものである。

(;'A`)「何でキノコなんか食っちまったんだ…」

もともとこの魔物だと知らされていれば、そんな無謀は犯さなかった。
『なんか大きいやつがいた』というだけの依頼だったのである。

今日に限って、魔法符は切らしてしまっている。

これを慢心と言わずに何と言うのか。
彼はもう気を抜かない、見知らぬキノコなど食べないと、彼は固く誓った。

130名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 23:15:59 ID:jrQLXXF60

(;'A`)「…」

ともかく今は、素手でやらなければならない。
剣も、魔法も、ないのである。

しかし、考え無しでは行けない。
できたら一撃で、安全に仕留めたい。

溶毒を持っているが、分泌しているのは内臓であろう。

ならば胸でも、もちろん腹でもなく、一撃で頭を砕きたい。


もちろん、ドクオなら可能である。
一瞬で間合いに入り、毒を吐かれる前に頭に一撃を見舞い、離脱。


しかし、理論上可能でも実行できるかは、別である。
思考と実行は、違うのだ。

気合を高め、一瞬で、いや一瞬すら生温いほどの速度で、自らの触覚をも騙す速度で拳を打ち込む必要があった。

さもなくば、恐らくぬるりとした、じゅるっとした、生暖かくて臭い何かを、思う存分拳で感じることになる。

131名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 23:17:11 ID:jrQLXXF60

(;'A`)「っっ………」

(; A )「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!」

咆哮。


人体の限界を超えるための、自らの慢心を清算する為の。
かつてない叫びは、少し離れた彼の街にまで届いた。
それを聞き「新種の魔物だ」と勘違いした人が、ドクオ討伐依頼を書き始める程だった。


そして。

(;'A`)「!?」

気合十分のドクオは、何かに気づいた。
体に、変化が訪れている。

自らの体から、金色のオーラが迸っているのだ。

(;'A`)「まさか…」

(;'A`)「覚醒…!?」

そう、覚醒、であった。

ここにきて。いきなり。なんの前触れもなく。
このスペックの上、覚醒であった。

132名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 23:18:51 ID:jrQLXXF60

何が何だか分からないが、これがあれば蜘蛛に触れずに倒せる。
希望が見えた。

彼は蜘蛛に右腕を向けた。
勝利を確信した笑みが浮かんだ。

('A`)「ふふ…蜘蛛風情が、覚悟を決めな。終わりだ!」

('A`)「破ッッッ!!!!!」

('A`)

('A`) ?

何も起こらない。
エネルギー波とかが出る予定であった。

('A`)「なるほどな…。『破』じゃなかったか 」

('A`)「滅ッッッッッ!!!!!!!」

('A`)

('A`)「邪ッッッッッッ!!!!!!!!」

('A`)

('A`)「セイッッッッッッ!!!!!!!!!」

('A`)

('A`)「ほぉんッッッッッッッッ!!!!!!!!!」

ちなみに、ここまでの行動は、全て蜘蛛の攻撃を避けながらの動作である。
凄腕と呼ばれる所以である。

133名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 23:19:50 ID:jrQLXXF60

(; A )「…………」

かれこれ五分。
何も、起こらない。

間違いなく、二度目の慢心であった。

もう本当に、物理攻撃しか残されていない。

(; A )

(;'A`)

('A`)

覚悟を、決めた。
元はと言えば、自分の油断から生じた状況。
ケリを、つける時だ。



('A`)「行くぞ!!」

覚醒によって、身体能力は極限まで引き出されていた。
光にさえ届きそうな速さで、距離を詰める。

魔物がそれに気づく前に、脳天に一撃を―――――!!

134名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 23:20:48 ID:jrQLXXF60

(;'A`)「!?」

拳がヒットした瞬間、魔物が消え去った。

(;'A`)

否、違う。
そんな訳はない。

空を見る。
まとめて粉々になった蜘蛛と子蜘蛛の体が、今まさに天から降り注ごうとしていた。

魔物が内側から破裂したのだ、それがこのオーラの力だ、と理解できた頃には、遅かった。

纏っていたオーラは、もうない。
その一撃で、既に疲労困憊だった。

( A )

ドクオにはもう、立ち尽くすことしか――――――

135名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 23:21:36 ID:jrQLXXF60






この日の彼のお風呂は、普段より二時間長かった…。






.

136名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 23:22:21 ID:jrQLXXF60
えっ…?
そういえばこれって、どうやったら完結できるんだ…?

137名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 23:33:50 ID:Fc6i93vE0
蜘蛛テロやめろよ…………俺も苦手なんだよ…………
乙です、ドクオの凄腕っぷりと小市民っぷりが面白い

138名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 23:40:59 ID:GKifrQRU0
蜘蛛はマジでやめてよ……

139名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 23:45:03 ID:qMNhAD3.0
>>136
書くことなくなったら適当に50年くらいジャンプして孫に昔話をするじいさんオチでいいよ

140名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 23:50:39 ID:gr0GEp2I0
ドクオ討伐依頼わろた

141名も無きAAのようです:2015/11/26(木) 23:51:16 ID:WMppDlqE0
乙乙

142名も無きAAのようです:2015/11/27(金) 00:04:47 ID:H0LSJ.T20
面白いな
乙乙

143名も無きAAのようです:2015/11/27(金) 07:21:41 ID:nwBF2RQ60
ここまでハイスペックとは…

144名も無きAAのようです:2015/11/27(金) 18:00:17 ID:Otd0tVQY0
>>122-124
どの気持ちもわかる

>>136
ドクオをトラックに突っ込ませろ

145名も無きAAのようです:2015/11/27(金) 22:10:55 ID:kGOiR2..0

8.賢者の石


(;'A`)

凄腕ハンターと呼ばれるウツタ・ドクオは、驚いていた。
彼は最近、錬金術に凝っていた。

普通の魔法とは違う仕組み、違う力のそれが面白くて、色々と練成しては楽しんでいた。


ふとした思いつきで、賢者の石を作ってしまうまでは。


(;'A`)「どうしよう…どうしよう…」

本物である。
これに触れた金属は、皆黄金に変わる。
焦りすぎてちょっと落としてしまった時に、ベルトのバックルが黄金に変わったので本物である。

握って少し念じると、石から液体が出てくる。
おそらくこれを飲むと不老不死になれるが、怖いので流しに捨てた。
タレ眉のホムンクルスのお方に怒られそうな気がした。

146名も無きAAのようです:2015/11/27(金) 22:11:45 ID:kGOiR2..0

(;'A`)

さらに、目の前。


ノハ;゚⊿゚)

(;-@∀@)


目撃者がいるのである。
二人も。

(;-@∀@)「え…ちょっと、貸して」

(;'A`)「あ、う、うん…」

賢者の石を受け取ると、アサピーはズボンのチャックにそれを押し当てた。
彼の股間がまばゆく輝きはじめた。

(;'A`)「あの…いちおう凄いものだから、股間とかはちょっと…まずいかな、って」

(;-@∀@)「失礼…手近な金属がこれしかなくて…」

147名も無きAAのようです:2015/11/27(金) 22:12:36 ID:kGOiR2..0

ノハ;゚⊿゚)「それって、売ったら高いんですか?」

(;'A`)「バカ高い…っていうか値段もつけられないとは思うけど…色んな国から刺客が沢山来ると思う…」

ノハ;゚⊿゚)「まずいっすね…」

売れない理由は、それだ。
賢者の石は、未だどこの国でも製造に成功していない。
また、製法も確立されていない。

売れば、そのルートを嗅ぎ付けられることは確実だった。

(;'A`)「ほぼ運でできたものだから捕まっても製法とか教えらんないし再現もできないし…」

ノハ;゚⊿゚)「なるほど」


(-@∀@)「しかし、上手く使いたいところだね」

(;'A`)「…えっ使うの?」

(-@∀@)「おかねほしい」

(;'A`)「あっ正直…」

148名も無きAAのようです:2015/11/27(金) 22:13:59 ID:kGOiR2..0

ノハ;゚⊿゚)「なんとか、こう、国とかにバレずに…」

(;'A`)「第一、どこが賢者の石買える大金持ってるの」

ノハ;゚⊿゚)「…」

ノハ;゚⊿゚)「国?」

(;'A`)「いやいや」

(-@∀@)「石自体を売ることは考えなくていいんじゃない?」

ノハ;゚⊿゚)「でも…賢者の石ですよ?」

(;'A`)「だからでしょ」

突然、ヒートの動きが止まった。
何かに気づいたようだ。
おずおずと、話し出した。

ノハ;゚⊿゚)「…、ちょっといいですか」

(;'A`)「どうぞ」



ノハ;゚⊿゚)「今、すっごい犯罪のプラン練ってるっぽくてちょっとかっこいいです、私達」

(;'A`)「限りなく近いからね、その例え」

149名も無きAAのようです:2015/11/27(金) 22:14:44 ID:kGOiR2..0

(-@∀@)「まあ、聞きたまえよ。君達」

今度はアサピーが話し出す。
メガネを指で押し上げ、インテリらしさを醸し出している。
ちょっとだけ期待できそうな気がした。

(-@∀@)「石自体は、確保しとけばいいんだよ。金を売ればいい」

(-@∀@)「鉄のものを手に入れて、金にする。それだけでいいんだ」

(-@∀@)「実家の蔵から遺産が見つかりまして、とか言えば自然だし、そこまで詮索されないだろう」

(-@∀@)「あとは、以下無限ループ。石さえあれば、ね」

(;'A`)「えっ待って…なんでそんな冷静になっちゃってんの…」

(-@∀@)「じゃ、スプーン借りるよ」

(;'A`)「自分ちのでやって!」

(-@∀@)「大丈夫大丈夫、倍にして返すよ」

(;'A`)「ダメな台詞!」

150名も無きAAのようです:2015/11/27(金) 22:15:39 ID:kGOiR2..0

ドクオの制止もむなしく、アサピーは行ってしまった。
ドクオ家の金属食器を、根こそぎ金に換えて。

ノハ;゚⊿゚)「成功するんですかね…」

(;'A`)「…わからない」

ドクオが立ち上がったところ、ヒートが不思議そうな顔をした。
ドクオの股間を凝視している。

ノハ;゚⊿゚)「………?」

(*'A`)「あ、何…?」

ノハ;゚⊿゚)「……ご主人様、ベルト…?」

見ると、普段と同じベルト。
なんの変哲もない。

('A`)「…なんの変哲もない?」

ノハ;゚⊿゚)「一回、金に変わりましたよね?」

('A`)

('A`)「あれ?」

151名も無きAAのようです:2015/11/27(金) 22:16:54 ID:kGOiR2..0

(;'A`)「あ、じゃあ、もしかして…」

(;'A`)「一定時間で元に戻る?」

ノハ;゚⊿゚)「はい」

(;'A`)「やっぱり賢者の石としては不完全だったのかも…」

ノハ;゚⊿゚)「じゃ、石からでてきたあの水は…」

(;'A`)「不老不死には、なれないのかな…多分…」

二人の間に、沈黙が流れた。

ノパ⊿゚)「…夜ご飯、作りますね」

(;'A`)「あ、うん…。今木の皿と木のスプーンしかないから、それで食べられるもので」

ノパ⊿゚)「頑張ります!」

152名も無きAAのようです:2015/11/27(金) 22:17:42 ID:q2ey3gsw0
一瞬でも金に出来るって普通にすごくね……?

153名も無きAAのようです:2015/11/27(金) 22:17:48 ID:kGOiR2..0





アサピーが詐欺の罪で起訴されたのは、また別の話である。






.

154名も無きAAのようです:2015/11/27(金) 22:18:38 ID:kGOiR2..0
二日に一回とか言いながら毎日できてるけど、そろそろペース落ちるんじゃないかと思う今日この頃

155名も無きAAのようです:2015/11/27(金) 22:19:26 ID:5KjnEdSw0
おつおつ
VIPで紹介されてたよ

156名も無きAAのようです:2015/11/27(金) 22:21:14 ID:kGOiR2..0
>>155
現在進行形でスレ見てます
わりと恐れ多いです

157名も無きAAのようです:2015/11/27(金) 22:29:10 ID:fwuRfEm60
アサピーェ…

158名も無きAAのようです:2015/11/27(金) 22:43:25 ID:QNNG5Hro0
ペース早いけど無理せずな
面白いから嬉しいけど

159名も無きAAのようです:2015/11/27(金) 23:54:23 ID:2Zf9XGlM0
唯一の友人がwww

160名も無きAAのようです:2015/11/28(土) 00:29:16 ID:T3gM12uE0
アサピー…

161名も無きAAのようです:2015/11/28(土) 15:48:31 ID:H0x3s8hk0
友人のアサピーが前科持ちに...

162名も無きAAのようです:2015/11/28(土) 23:15:12 ID:xWGPSmkg0
タレマユのホムンクルスというとホムンクルスは生きるようですの主人公かな

163名も無きAAのようです:2015/11/28(土) 23:20:18 ID:RQgebicI0
なんかワロタ

164名も無きAAのようです:2015/11/29(日) 13:12:07 ID:Mgx5Qz7I0
股間のチャックを金にしたまま外出したのかアサピーは

165名も無きAAのようです:2015/11/30(月) 23:05:48 ID:mBvYQh/U0

9.グール


(;'A`)

凄腕ハンターウツタ・ドクオは、対応に困っていた。

それは何故か。

本日の目標はグール。
何故か大量発生しているので、巣ごと殲滅して欲しいとのことだった。

しかし、思っていた以上に数が多い。
さらに言うと、その場所は貴重な草木の茂る森であった為、範囲魔法の使用は躊躇われた。

一匹一匹倒しても時間がかかる。
彼は、最近会得した召喚魔法を使うことにしたのだった。
味方が増えれば、時間は半分で済む。
そう思ってのことだった。

結果。

(´・_ゝ・`)「あっ、どうも…あ痛、いたた…」

グールの群れの目の前に、スーツ姿の頭髪の薄い男性が現れたためだ。

166名も無きAAのようです:2015/11/30(月) 23:06:41 ID:mBvYQh/U0

(;'A`)「…どうも…」

なにを隠そう、彼には早く帰らねばならない理由があった。
荷物が届くのだ。
それも、ただの荷物ではない。
まさに待ち望んでいたものが届くのだ。

『魔物っ娘フィギュアver.2・火竜モデル』。

一種類ずつリリースされていたこのシリーズにも、ついに火竜に順番が回ってきたのだ。

以前の火竜っ娘と同じと侮るなかれ。
これまでの面影もしっかりと残しつつ、より可愛く、より美しく、より溌剌と。
精密に、鮮やかに、活き活きとしたそれは、今にも元気に動き出しそうだ。
少しだけ見えるパンツはご愛嬌。

今回は、服装面に大きな変化が加えられた。
火竜の持つ、燃え上がるような独特な赤。
以前までは、服装にもその赤がふんだんにあしらわれていた。
民族衣装的な方向性こそ変わらないものの、それを今回は大幅に抑え、あえて地味ともいえる彩色の服装となっている。
しかし、それによって髪色の鮮やかな赤が、そしてその活動的な外見が、とてもよく映えるのだ。
服装単体でもよく見れば、石のアクセサリーなどが追加されており、ただ地味にした訳ではないことが分かる。

手に持つ武器は牙を模した槍から、正統派とも言える大剣へと変わった。
これはアンケートにより決まったことだが、次いで多かった槍派の要望にも答え、槍に装備を変更させることも可能となっている。
ちなみにドクオは大剣に一票を投じた。
やはり正統派、火属性パワー型が好みであることはもちろん、槍はむしろヘルウルフっ娘に持たせるべきだと思っていた。
そちらがアンケートによりクロー装備となってしまったことだけは、残念至極の極みであった。

ともかく、ファンの間では賛否両論あるこれらの変化を、ドクオはいたく気に入っていた。

167名も無きAAのようです:2015/11/30(月) 23:08:05 ID:mBvYQh/U0

届くはずのこれを、ヒートに見られる訳にはいかなかった。
未だヒートは、彼のフィギュア趣味を知らない。
彼の言いつけを守り、部屋に入っていなければ、だが。
包装はされているだろうが、万が一ということもあった。

(;'A`)「えっと…し、召喚…」

(´^_ゝ^`)「えーと、初めての呼び出しでして、不備があったらすみませんね。いたたた」

グールに噛み付かれながら男性が答える。
予想と違いすぎて戸惑う。

(;'A`)「えっと、お名前は」

(´^_ゝ^`)「あ、真名はちょっと…悪魔デミタスとでも呼んで頂けたら…」

(;'A`)「あ、はい」

(´^_ゝ^`)「いやあ、若い人がとっつきやすいかなってね。タスあたりが、ほら」

(;'A`)

(´^_ゝ^`)「デミたそ〜、みたいな」

(;'A`)

(´^_ゝ^`)「デミたそ〜」

(;'A`)

(´^_ゝ^`)

168名も無きAAのようです:2015/11/30(月) 23:08:50 ID:mBvYQh/U0

(;'A`)「悪魔って、あの、もっとイメージ的に…」

(´・_ゝ・`)「ああ、召喚斡旋所では黒の服装が規定されてますよ」

(;'A`)「あ、スーツ…はい…」

(;'A`)「いやいや、あの、戦ったり、とか」

(´^_ゝ^`)「いや〜〜〜…初めてですけど、やってみましょうか。えいっ」

言うなり悪魔デミタスは、裾に噛み付いていたグールを殴りつける。
鈍い音がした。

グールに変化はない。
元気に噛み付いている。

(´^_ゝ^`)「あ〜…ダメですねぇ…」

(;'A`)「こう…腕を振るだけで何故か敵が吹っ飛んだり、とか…悪魔ですよね?」

(´^_ゝ^`)「いやあ…ちょっと…」

169名も無きAAのようです:2015/11/30(月) 23:10:16 ID:mBvYQh/U0

(;´^_ゝ^`)「戦闘に関してはちょっと…娘の方ができるぐらいですから」

(;'A`)「娘さん呼べないんですか」

(;´^_ゝ^`)ゞ「いやあ〜〜〜…最近ちょっと…反抗期で…」

(;'A`)「あ、はい…すんません…じゃあ、魔法とかも…」

(´^_ゝ^`)「苦手ですねぇ…」

(;'A`)「はあ…」

(;'A`)「……?」

ハズレを引いたかもしれない、と半ば落胆しているドクオは何かに気づいた。
先ほどから、グールがドクオの方に来ていない。
デミタス相手に唸ったり噛み付いたりしているだけだ。

(;'A`)「…?」

(´・_ゝ・`)「どうしました?」

(;'A`)「あ、ちょっと…そこにいてもらえますか」

ドクオは魔法の準備をする。
試したいことがあった。

170名も無きAAのようです:2015/11/30(月) 23:10:57 ID:UvrfCCdo0
フィギュアの描写に気合入りまくってて草

171名も無きAAのようです:2015/11/30(月) 23:11:13 ID:mBvYQh/U0

(;'A`)「『デコイドール』」

敵の気を引く分身を作り出す。
見向きもしない。

(;'A`)「『プロボーク』」

敵を挑発し、怒りを自分に向けさせる呪文。
効果がない。

(;'A`)「とうっ」

グールに軽く斬りつける。
一瞬怯むが、なぜかまたデミタスを襲い始めた。

(;'A`)「…」

(;´・_ゝ・`)「あいたたた」

(;'A`)「…おぉ…」

ほぼ確実であった。
この悪魔デミタス、やたらめったら『ヘイトが高い』。

魔物が、デミタスしか襲わないのだ。
ドクオは、この悪魔が少しだけ哀れになった。

しかし、それなら話は早い。
無抵抗の敵を切り刻むだけで終わるのだ。

172名も無きAAのようです:2015/11/30(月) 23:12:53 ID:mBvYQh/U0

―――二時間後。
全ての魔物を掃討し終えた。
本当に、ドクオには見向きもしなかった。

(;'A`)「お疲れ様です…」

(´・_ゝ・`)「あ、お疲れ様です」

デミタスには、何故か怪我一つない。
そこは悪魔と言うべきか。

(;'A`)「あ、じゃあもう結構ですんで…」

(´・_ゝ・`)「ああ、分かりました。それと、言い忘れてたんですけど」

(;'A`)「はい」

(´・_ゝ・`)「悪魔の契約上、これからは召喚時は必ず私が出ますので」

(;'A`)

(;'A`)「えっ」

(´・_ゝ・`)「あ、給料とかはこっちの魔界で出ますんで大丈夫ですよ」

(;'A`)「あ、はい」

(;'A`)「え、じゃあ、攻撃とかは」

(´・_ゝ・`)「いや〜…」

(;'A`)「あ、そっすか…」

173名も無きAAのようです:2015/11/30(月) 23:13:50 ID:2d3nt.To0
ただの案山子ですな

174名も無きAAのようです:2015/11/30(月) 23:14:52 ID:mBvYQh/U0






(´・_・`)「ちゃーす、ハンコかサインお願いしゃ…大丈夫ですか」


(; A )「ゼェ…ハァ…だ、ゴホッ…大丈夫です……ハァ……グフッ…」






.

175名も無きAAのようです:2015/11/30(月) 23:15:33 ID:mBvYQh/U0
正直2レス目が全てと言っても過言ではない

176名も無きAAのようです:2015/11/30(月) 23:16:29 ID:UvrfCCdo0
乙です、この空気感ほんとすき
そして配達員がショーンで草

177名も無きAAのようです:2015/11/30(月) 23:21:32 ID:GhFAGUCs0
支援絵が待ち遠しい(フィギュアの)

178名も無きAAのようです:2015/12/01(火) 00:17:47 ID:jPuzvenU0
>>173案山子て…言い得て妙だね

179名も無きAAのようです:2015/12/01(火) 00:30:06 ID:PHvvU.wE0
なんだこの>>166の濃密な文章

180名も無きAAのようです:2015/12/01(火) 00:50:49 ID:23dcWIM20
暗にイラスト描けって絵師を脅してるのか

181名も無きAAのようです:2015/12/01(火) 01:38:37 ID:uFzc9vfw0
デミたそwwwww

182名も無きAAのようです:2015/12/01(火) 07:50:11 ID:GZEdfcLc0
やっぱりデミタスは禿げてるのかな

183名も無きAAのようです:2015/12/01(火) 09:11:01 ID:gFx6XDm20
よく読んでみ

184名も無きAAのようです:2015/12/02(水) 00:27:04 ID:C85w8TFcO
毛がないから怪我ないのかな

185名も無きAAのようです:2015/12/02(水) 00:29:59 ID:77t1bygE0
>>184
お前天才かよ

186名も無きAAのようです:2015/12/02(水) 00:40:21 ID:XSTWUQP20
毛がなくて安全は謎かけの定番なんだよなあ

187名も無きAAのようです:2015/12/02(水) 09:30:57 ID:P3e1g4n.0
けがなくてよかったね

188名も無きAAのようです:2015/12/04(金) 12:03:46 ID:E9Be87SMO
反抗期で薄毛デミタスの娘ってもうハインしか思い浮かばないな

189名も無きAAのようです:2015/12/27(日) 21:59:24 ID:huIQ9J3A0
やっぱり完結しなかったな

190名も無きAAのようです:2016/01/15(金) 00:15:37 ID:RJjhvlPk0
描写を踏みにじってしまった
反省はしていない

http://i.imgur.com/Hf6FLHg.jpg

191名も無きAAのようです:2016/02/19(金) 09:12:51 ID:wgilHP1s0
復活しないかなぁ

192名も無きAAのようです:2018/04/15(日) 00:35:10 ID:Xfq2WKnQ0
ふと読みたくなったので掘り返し


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