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ξ゚⊿゚)ξツンちゃん夜を往くようです
72
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 11:50:52 ID:4g.XOfMIO
ツンちゃん最高だわ
73
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 14:21:20 ID:HywJ6Hdg0
せんせー!デレちゃんの尋問内容が気になりまーす!
74
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 20:26:25 ID:d5Oqci1Y0
素直クールは魔物化したドクオに倒された。
すごい戦闘があり、私はドクオをちょっと見直した。
おわり。
.
75
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 20:27:06 ID:d5Oqci1Y0
( ^ω^)ノ 「おいす〜」
午前8時ごろ、やっとブーンが教室に現れた。
危機感をそぐ気の抜けた挨拶。
二時間前にすごい戦いを終えた私にとって、それは日常を思い出させてくれるすごいあれだった。
('A`)「おー。なんか素直四天王とかいうの倒しといたぞ」
ドクオはさっそく先程の戦いをブーンに伝え始めた。
( ^ω^)「誰が来たお?」
('A`)「素直クールだってさ。知ってるか?」
( ^ω^)「知らんお。たぶん使い捨ての雑魚だお」
('A`)「筆頭とか言ってたけど、たしかに強くはなかったな」
( ^ω^)「向こうも人員不足なんだお。お察しだお」
.
76
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 20:27:49 ID:d5Oqci1Y0
ξ゚⊿゚)ξ「それより」
と言って、私は会話に割り込んだ。
ξ;゚⊿゚)ξ「ドクオまで正義だ悪だの関係者だったとか、知らなかったんだけど」
('A`)「そりゃ教えてねえもん」
ξ;゚⊿゚)ξ「なんで教えてくれなかったの? ブーンもだけどさ」
( ^ω^)「ツンはバカだから教えると面倒臭いんだお!
ってお爺ちゃんが言って決めたんだお! 秘密にするって!」
ξ;゚⊿゚)ξ「えぇ〜……激化の話はポロッと話したくせに……」
('A`)「この際バラしちまえばな、お前は今までも魔王軍に守られてたんだぜ。
お前を探しに来た正義の連中を撃退したり、身辺警護したり」
( ^ω^)「まあ大体ドクオが一人でやってたけどNE!」
ξ;゚⊿゚)ξ「は? つまりストーカーじゃないの死になさいよ」
(;'A`)「こないだの女、中学の時に相手したの俺なんだぞ。
すげー強くて相打ちが限界だったけどよ、俺が居なけりゃなあ……」
ξ;゚⊿゚)ξ「変態! どうせ風呂とか覗いてたんでしょ! オゲェェェ!!」
(;'A`)「ブーン、こいつめんどくせえよ……」
( ^ω^)「だから言ったお」
.
77
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 20:28:41 ID:d5Oqci1Y0
しかし、私の日常からどんどん逃げ場がなくなっているぞ。
ただでさえ日常を構成するものが少ない孤高スキル持ちとして、この現状は致命的と言える。
頼みの綱はお母さんだけだ。
もし本当にウチが魔王のアレだった場合、もう完全に逃げ場はない。
( ´∀`)「おはよぉ〜〜」
その時ふとモナー先生の声がして、私は教室の時計を一瞥した。
もうすぐ朝のあれが始まるくらいの時間だった。
他のクラスメイト達も着々と教室に集まりつつあった。
( ´∀`)「適当に出欠とるから答えてってモナ〜〜」
(;'A`)「でもよぉー、ほんとにまったく気付かなかったのか?
自分がそういうのと関わってるってさぁ」
モナー先生が一人ずつ生徒の名前を読み上げ始める。
その一方で私達は声をひそめ、会話を続けた。
ξ;゚⊿゚)ξ「そんなの、完全ノーヒントで分かる訳ないじゃない!」
(;'A`)「……分からないのが自然だったかぁ」
( ^ω^)「……」
.
78
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 20:29:21 ID:d5Oqci1Y0
( ´∀`)「じゃあ次、魔王城さん〜」
ξ゚⊿゚)ξ「……あ、はい」
会話に気をとられて返事しそこねそうだったが、私は咄嗟に振り返って返事をした。
私の名前は魔王城ツン。どこにでも居るタイプの女子高生だ。
(;'A`)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「ほら、次アンタが呼ばれるからね」
( ´∀`)「魔物部く〜ん」
(;'A`)「……はい」
( ^ω^)「ドクオ、ツンはバカなんだお」
苦い表情のドクオに、ブーンは優しくそう言っていた。
.
79
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 20:30:09 ID:d5Oqci1Y0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【ξ゚⊿゚)ξ:魔王城ツン】 ごく普通の女子高生。その正体は一体・・・?
【('A`):魔物部ドクオ】 ごく普通の男子。まものべと読むぞ。その正体は一体・・・?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
80
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 20:32:26 ID:d5Oqci1Y0
【interlude:1】
妖刀・首断ち。
その刀は、戦時中のハインリッヒ高岡が魔王軍的なあれの中ボスくらいの奴を殺して奪った刀。
刀身の切れ味もさることながら、目を見張る能力は毒性付与・呪術展開・精神操作の三つ。
もともと悪の側で製作された一振りであるため、刀は十全なる悪意に満ちていた。
从 ゚∀从「……お前の名前は」
ζ( ー *;ζ「……デ、レ……」
从;゚∀从「……まだ抵抗できんのか。俺の時より洗脳教育がひでぇな」
妖刀を得たハインが最初に行ったのは自分自身への精神操作。
当時から正義の一団は半ば洗脳に近い教育を行っていたため、そうでもしなければ彼は自分を保てなかったのだ。
もし妖刀を手にするタイミングが少しでも遅れていれば、彼もこのメス豚のように従順な存在に変えられていた。
ζ( ー *;ζ「こ……殺せッ……!」
从 ゚∀从「このまま精神操作に耐えてりゃ勝手に死ぬ。精神崩壊だ。
死にたいなら頑張って我慢するといい。それが出来れば、の話だが……」
ハインは妖刀・首断ちをメス豚――デレの首に当て、ゆっくりと肌を切り裂く。
これで全身三十ヶ所目の切り傷、三十回目の精神操作。
デレの精神は、もう間もなく壊れようとしていた。
.
81
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 20:33:15 ID:d5Oqci1Y0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
,、,,..._
ノ ・ ヽ 五平餅は、中部地方の郷土料理。潰したご飯を串焼きにしたものである。
/ ::::: i 醤油または味噌に、胡麻など油脂を含むものをあわせてタレを作る。
/ ::::: ゙、 むかし食べたけどすごくおいしかった(wikipedia)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
82
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 20:34:02 ID:d5Oqci1Y0
( ´∀`)「みんな揃ってるから、次は転校生を紹介するモナ!」
ξ;゚⊿゚)ξ「ねえねえ、やっぱ今日みたいなのってまた来るの?」
( ^ω^)「そりゃもう来まくるお。
お爺ちゃんの居場所がバレた以上、もう逃げてらんないお」
私達はなお先生を無視して小声で話し続けた。
ありがちな転校生の話より、今は私の身の安全の方が大事なのだ。
( ´∀`)「転校生はなんと四人! すごいモナ!」
ξ;゚⊿゚)ξ「うそだーいやだー……」
('A`)「お前も自衛くらい出来るようにならねぇとな。
いつ第二、第三の刺客が来るか分からねぇ。放課後に特訓でもするか?」
ξ;゚⊿゚)ξ「いやだ帰ってアニメ見る」
( ^ω^)「でもお爺ちゃんが今日も呼んでたお。学校終わったら三人で来いって」
ξ゚⊿゚)ξ「行く」
ハインさんはカッコイイので会いに行くのもやぶさかではない。
少なくともドクオと特訓なんて死んでも嫌だ。
.
83
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 20:37:03 ID:d5Oqci1Y0
( ´∀`)「みんな注目モナ〜」
私達の雑談に気付いたのか、モナー先生がやんわりと注意を発した。
普段から気高い生き様を見せる私は素直に先生の意図を汲み取り、黒板の方を見る。
( ´∀`)「……よしよし。それじゃあ四人とも、入るモナ!」
先生が廊下に向かって言うと、教室の扉が開いて四人のメスがぞろぞろ入ってきた。
ξ゚⊿゚)ξ(なんだどいつもこいつもメスか)
ジョン・トラボルタあるいはシド・バレットを期待していた私は本当にガッカリだった。
( ´∀`)「四人は姉妹で転校してきたんだモナ。
長女のクールさんから、自己紹介をお願いするモナ」
私は教壇に立ち並んだ四人を死んだ目で眺める。
もう本当に興味がないので早く終わってほしかった。
.
84
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 20:37:44 ID:d5Oqci1Y0
川(#)"-゚)「第一刺客ノ高校から来ました。素直クールです」
ノパ⊿゚)「第二刺客ノ高校から来ました。素直ヒートです」
lw´‐ _‐ノv「第三刺客ノ高校から来ました。素直シュールです」
o川*゚ー゚)o「第四刺客ノ高校から来ました。素直キュートです」
('A`)
( ^ω^)
ξ゚⊿゚)ξ「……ドクオってあの長女とか好きそう」
長女の素直クールは傷だらけで、おそらく自傷癖があるメンヘラだろうと私は名推理した。
そしてドクオはこういう女が好きだろうと女の感が告げている。
('A`)「……お前さ、まず人の話をしっかり聞こうな」
ξ゚⊿゚)ξ「……?」
( ^ω^)「ツンはバカだから」
.
85
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 20:39:06 ID:d5Oqci1Y0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
――VIP高校某所、素直四天王アジト。
お昼休み。
屋上の給水タンクの裏に設置されたテントの中で、素直四天王は第一回作戦会議を行っていた。
某所という描写は単にそれっぽさを演出する単語でしかなく、アジトは普通に屋上だった。
川(#)"-゚)「ククク、これで四天王全員が揃ったな……」
転校初日からボロ雑巾スタイルで登校する事になった長女・素直クール。
不敵に笑ってはいるが彼女は地の文一行でドクオに敗北している。
彼女は四天王最速の騎士であったが、その描写は諸般の事情で全カットされた。
ノハ;゚⊿゚)「姉ちゃんなんでボロボロなんだ!? 転んだ!?」
次女・素直ヒートは力持ち。
lw´‐ _‐ノv「…………」
三女・素直シュールは手先が器用。
o川*゚ー゚)o「いやいや負けたんでしょ。一人で戦いに行ってさぁ〜」
四女・素直キュートは普段は生意気だけど真面目に戦うとすごい強いタイプの敵。
たぶん彼女の戦闘シーンが一番複雑になるので、既にカット候補だった。
以上が、四天王それぞれのポジションであった。
.
86
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 20:40:24 ID:d5Oqci1Y0
川(#)"-゚)「こ、これは敵の実力を知る為に、あえて尖兵としての役割を……」
o川*゚ー゚)o「そりゃ強いに決まってんじゃん。
私達って別に正義悪のアレじゃないんだよ?」
負け惜しみを語るクールに対し、キュートは爪の手入れをしながら生意気に答えた。
彼女の言う通り、この素直四天王(自称)は別に作中の面倒な設定とはまったく無関係だった。
確かに作品を読み返してみると素直クールが正義の側である描写は一行もない。
そして彼女の戦闘シーンは一行(20字)しかない。
扱いの酷さを考えるに、彼女達が特別重要な存在ではないのは明白だった。
o川*゚ー゚)o「私達、ちょっと身体能力が高いってだけで凡人じゃん?
それで傭兵紛いの事してるけどさ、あんなマジ連中になんか勝てないって、ムリムリ」
川(#)"-゚)「だ、だけどお姉ちゃん、みんななら出来ると思って……」
o川*゚ー゚)o「みんな? 最初から一人で行動してたのに?」
川(#)"-゚)「いや、だって本当に危なかったらみんなを巻き込めないし……」
o川*゚ー゚)o「あーはいはい。またそれね、分かった分かった」
川(#)"-゚)「キ、キュート……」
ノハ#゚⊿゚)「おいキュート! ねえちゃんイジメるなよ!」
o川#゚ー゚)o「……は? トーゼンのこと言ってるだけでしょ?」
川(#)"-゚)「あ、喧嘩はダメだといつも言ってるだろう……」
素直クールは姉妹に対してはヘタレだった。
.
87
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 20:41:56 ID:d5Oqci1Y0
lw´‐ _‐ノv「…………わ」
ノハ;゚⊿゚)「――ッ!! 待て、シュールが何か言うぞ!!」
o川;*゚ー゚)o「ッッ!!」
川(#)"-゚)「シュール……」
lw´‐ _‐ノv「わ、わ…………」
lw´‐ _‐ノv「――――私が天に立つ」
ノハ;゚⊿゚)「…………」
o川;*゚ー゚)o「…………」
川(#)"-゚)「おお、シュール。なんて頼もしい……」
lw´‐ _‐ノv「先ずは紅茶でも 淹れようか」
第三刺客ノ高校・素直シュール。
彼女が今、ツンちゃん討伐第二の刺客として動き出そうとしていた。
.
88
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 20:43:28 ID:d5Oqci1Y0
\
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
,、,,..._
ノ ・ ヽ と思う支倉焼であった
/ ::::: i
/ ::::: ゙、 また次回
,i :::::: `ー-、
| :::: i
! :::::.. ノ
`ー――――― '"
89
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 20:43:59 ID:7Qob8PCE0
乙
90
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 20:47:59 ID:xp.lNWsQ0
おつおつ
91
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 21:10:09 ID:AtmrqgXQ0
乙
クーぼっこぼこじゃねえか
92
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 21:29:50 ID:PO7V9kks0
ツンちゃんの半端じゃないお馬鹿さが可愛い
素直姉妹は正義側でも悪側でもなかったのかよwwwww
乙でした!
93
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 22:01:09 ID:IFViHNBg0
ツンが本当に馬鹿だ
94
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 22:41:52 ID:.5KNHCjs0
鳩サブレみたいな鳥いいな
95
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 22:49:52 ID:7Qob8PCE0
五平餅は美味いよね
中部地方だからたまにおやつとかに食べるけど飽きない
96
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 22:49:55 ID:RMtD0kb.0
新しいな
97
:
名も無きAAのようです
:2015/10/24(土) 23:45:56 ID:1g0rBq0.0
まるで緊迫感はない
98
:
名も無きAAのようです
:2015/10/25(日) 01:43:15 ID:FS7CgB3.0
乙
ツンとドクオの名字がダイレクトすぎてワロタ
99
:
名も無きAAのようです
:2015/10/25(日) 01:52:35 ID:kqe6L8L60
都城王土
100
:
名も無きAAのようです
:2015/10/28(水) 01:10:39 ID:JhpYg7NAO
支倉焼www唐突な地元の銘菓にフイタwww
久しぶりに食べたい(´・ω・`)
101
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 06:22:13 ID:OmzQ/CLU0
【interlude:2】
かつて『勇者』と定義された物質があった。
その物質は思考能力を持ち、自我も十分に発達した完璧な生命だった。
しかし人工物である以上、それが純然な生命として認められることはなかった。
人間にとって、人間から生み出されるもの以外はすべて『物』として定義される。
ゆえにその『勇者』はただの物であり、人間が使役する道具の一つでしかなかった。
勇者が誕生したことにより、『正義』は物質としてこの世に受肉した。
これまで形を持たず、単なる思想・法則・所属の名前でしかなかったものが形状を得た。
最早、それは神を人造することと同じだった。
正しくあろうとする意思は、全人類が共通して持っている『野性』。
人類の野性は遂に理性を超越し、あらゆる行為を正当化する物質を完成させた。
人間は、自分の正しさを主張・実行する時にこそ、理性を捨てて他人を傷つける。
ならば正義は野性の別称に他ならないと、かつての魔王は一考していた。
【interlude:out】
.
102
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 06:22:58 ID:OmzQ/CLU0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
放課後、私達はハインさんの屋敷に集まった。
しかし私は屋敷に着くなり、彼に一言釘を刺されてしまった。
从 ゚∀从「ここから先は命に関わるな話だ。今日ばかりは、誤魔化すなよ」
――誤魔化し。
確かに、ここ数日の私にはそれがあった。
認めざるを得ないが、私は少し、怖かったのだ。
正常であるはずの自分の日常は、その真逆のものに包囲されていた。
数日前までの平和は、私の勘違いと非日常の暗躍で構築されていた。
そんなことを受け入れるには、やはりまだ、時間がかかる。
.
103
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 06:23:38 ID:OmzQ/CLU0
ハインさんの和室に腰を下ろし、私達は出されたお茶に口をつける。
今日ばかりは私もお茶を飲んだ。お茶請けは鳩サブレだった。
从 ゚∀从「で、さっそく襲撃があったと」
('A`)「ああ。よく分からん奴が一人来た」
从 ゚∀从「素直四天王だったな。グーグルで調べた感じ、ただの雇われだ。
ツイッターの呟きからして間違いない」
そのソースは貧弱すぎる、と私は声を大にして言いたかった。
しかし今日ばかりは真面目に徹すると決めたので、ぐっと堪える。
从 ゚∀从「あとあいつらバカだから大して気にしなくていいぞ。
次の襲撃予告もツイッターでやってるしな、マジのバカだ」
( ^ω^)「ツンに負けず劣らずのバカだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「……次って、いつ来るの?」
私が真剣な面持ちで尋ねると、ハインさんは簡潔に答えた。
从 ゚∀从「あと30分くらいだな。素直シュールが来る。
情報源はツイッター。素直クールのアカウントからだ」
ξ゚⊿゚)ξ「……これって真面目な話なの?」
从 ゚∀从「当たり前よ。敵がバカなだけだ」
.
104
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 06:24:18 ID:OmzQ/CLU0
从 ゚∀从「んで、30分後の襲撃に向けて俺達がすること」
話を区切り、ハインさんは私達をそれぞれ一瞥した。
从 ゚∀从「ツンちゃんに戦い方を教えて、素直シュールを迎撃させる」
ξ;゚⊿゚)ξ「――えっ?」
突拍子もないセリフに思わず声を漏らす。
何より文句をつけたいのは時間だ。たった30分で私に何を学べというのか。
从 ゚∀从「安心しな、つってもやる事は単純よ。
ツンちゃんは魔王の血筋、能力回路は既にある。
あとはそこに神経をつなぐだけ。要領は、耳を動かす練習と同じだ」
ξ;゚⊿゚)ξ「……私、耳は動かせるけど超能力は無いわよ」
从 ゚∀从「言っただろ、要領は同じだ。
お前はどうやって耳を動かせるようになった」
ξ;゚⊿゚)ξ「……自分の体なんだから、動かせて当然だと思って……」
从 ゚∀从「それが入り口。あとは欲しい力を想像して、体に反映させるだけ」
ξ;゚⊿゚)ξ「えぇ……」
.
105
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 06:24:58 ID:OmzQ/CLU0
ξ;゚⊿゚)ξ「うーん……」
いきなり欲しい力と言われても、特に無い。
そもそも戦闘行為を知らない私に戦闘を想定した能力を考えろという方が無理だ。
もう真面目に考えているのが辛くなってきた。帰って寝たい。
( ^ω^)「ツンは足早いから身体強化でいいと思うお!」
ξ゚⊿゚)ξ「あーそれでいいやもう」
横から飛んできた名案を取ってつけた私は思考停止して自己暗示を始めた。
ξ゚⊿゚)ξ(アシハヤーイ、アシハヤーイ、スゴーイ)
多分こんな感じでいいだろう。
というか、何がダメなのかも分からないのでこれ以外にやりようが無い。
(;'A`)「……やっぱすげぇな、魔王の一族は」
(; ^ω^)「さ、さすがにやりすぎだお……?」
すごく適当にやっているのに、二人はなぜかすごく驚いていた。
私はまったく無自覚だったが、なんだか周囲の空気が震えているような気がする。
ちゃぶ台の湯飲みもカタカタ震えているし、なにやら魔力的なものの高まりも感じる。
ξ゚⊿゚)ξ(スゴーイ、モットスゴーイ)
脳内で唱えるともっとすごくなった。すごい。
.
106
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 06:25:38 ID:OmzQ/CLU0
从 ゚∀从「よしよしツンちゃん、その調子で続けてな。
この分なら素直四天王程度は全カットできそうだ」
そう言いながらハインさんは立ち上がり、和室を出ようと歩き出した。
从 ゚∀从「あとはおめぇら二人で見守っててやんな。
俺は野暮用を済ませてくるからよ」
('A`)「ウス」
( ^ω^)「……分かったお!」
ξ゚⊿゚)ξ「スゴーイ、アシガハヤーイ……」
その時、私は見逃していなかった。
ハインさんが腰にしっかりと刀を携え、戦いに赴く剣客の意気を纏っていた事を。
ξ゚⊿゚)ξ(スゴクスゴーイ)
しかし、私はハインさんを止められなかった。
私はどこかでまだ誤魔化し、油断していたのだ。私を取り巻く平凡な日常は、決して欠けたりしないのだと――。
ξ゚⊿゚)ξ(スゴーイ)
.
107
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 06:26:45 ID:OmzQ/CLU0
【interlude:3】
ハインリッヒ高岡は刀一本を持って屋敷を出た。
夕日に背を向け、夜に向かって前進する。
夕方の住宅街にはまだ人の往来がある。
ここで戦いを始めてしまうのは、彼らにとっても不都合が多かった。
彼ら――それに含まれる人物は十人。
ζ(゚ー゚*ζ「……いいの? あっち放っておいて」
从 ゚∀从「適材適所よ。後の事はブーンに教え込んである」
ハインリッヒ高岡と洗脳調教済みのデレ。
残る八人は、すべて正義側の刺客だった。
敵は既に戦闘可能範囲に居た。
いつでもどこでも戦いを始められるよう、早くもハインを包囲していたのだ。
都合の良い戦場さえ決まってしまえば、この戦闘は一呼吸の間に幕を開ける。
.
108
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 06:27:51 ID:OmzQ/CLU0
从 ゚∀从「……デレ、敵の情報はあるか」
ζ(゚ー゚*ζ「……言う必要ある? どう見ても総力で潰しに来てるじゃない」
デレの言う通り、敵は全員が主力級の怪物達だった。
敵は戦時中 『王座の九人』 と呼ばれた戦士達。
勇者不在の正義の一団が、形式上あえて勇者に近い存在として認めた最強の九人。
そして今、ハインのもとには 『王座の九人』 から八人が来ている。
その意味が分からないハインではなかったし、戦えばどうなるかも、彼は十分に自覚していた。
あえてツン本人には告げなかったが、正義の側は本気でツンを奪いに来ている。
本来なら今日中に魔王化まで教えたかったが、今の彼女にそれをするだけの精神力はない。
物事には順序がある。時間は無いが、少しずつやっていくしかないのだ。
从 ゚∀从「んなこたぁ分かってる。目的は時間稼ぎだ。
そんで、できれば生きて帰る」
ζ(゚ー゚*ζ「できれば、ね……」
デレは含みのある言い方をして、ハインの顔を覗き込んだ。
ζ(゚ー゚*ζ「私は貴方の精神操作で恐怖なんか消されてる。
けど貴方は怖くないの? 敵は元上司だし、最強だし」
从 ゚∀从「怖くねぇよ。恐怖なんざ、この刀を持ったときに自分で消しちまった」
.
109
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 06:28:31 ID:OmzQ/CLU0
从 ゚∀从「――しかし、まあそろそろ場所を決めねえとな」
ハインは枯れた声で周囲の住宅を一望した。
屋根には人影。別段隠れる訳でもなく、淡々とハインを追ってきている。
从 ゚∀从「おい、死ぬならどこがいい」
ζ(゚ー゚*ζ「……海かな。逃げやすいし、戦いやすい」
从 ゚∀从「オッケー決まり」
そう言い、ハインが立ち止まって膝を折る。
目的地が決まった今、これ以上だらだらしている理由もない。
戦いが遅くなってツン達が追ってきた場合、それこそ全てが台無しになってしまう。
从 ゚∀从「海まで飛ぶぞ」
――瞬間、ハインの姿が平凡な町並みから消え去った。
それを追うようにデレが、そして『王座の九人』の面々が、戦場に向かって地面を蹴った。
【interlude:out】
.
110
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 06:29:11 ID:OmzQ/CLU0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
なんやかんやあって私は身体強化が出来るようになった。
序盤の遅刻シーンの走りがまさかこんな形で回収されるとは私自身も驚きだった。
('A`)「そろそろ30分経つな。ホントに来るのか?」
( ^ω^)「3分前に『がんばれ妹!応援してるぞ!』って呟いてるから多分来るお」
('A`)「もーマジでバカだな」
( ^ω^)「うん」
ξ゚⊿゚)ξ「まったくね」
私達は庭先に出て敵襲を待っていた。
作戦と呼べるものは無かったが、とりあえず私が前に出て頑張る感じだった。
ξ;゚⊿゚)ξ「……やっぱり、殴る蹴るをするのよね」
だが、私の中にはまだ戸惑いがある。
私は日常系作品の主人公だぞ。こんな安易にジャンルを飛び越えていいのか。
くそぉ帰ってアニメ見たい。戦ったら絶対疲れるよ……。
.
111
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 06:30:17 ID:OmzQ/CLU0
( ^ω^)「……ツン、分かるかお?」
ふと、ブーンが意味不明なことを尋ねてきた。
意図が読めなかったので、私は真顔で首をかしげる。
('A`)「……気配読みはまだ無理だ。もっとも、今やられると色々面倒だけどな」
( ^ω^)「……そうだおね」
二人は今までにない冷たい表情で言葉を交わす。
友人としてあんまり言いたくはないが、その様子は先日のハインさんとメス豚に近い。
つまり、殺し殺される世界に生きる人達の威風。
私の知らないことを多く知る二人は、何かを憂うように揃って遠くを見つめている。
その視線の先で何が起こっているのか、私には分からなかった。
lw´‐ _‐ノv「ククク私は人形使いの素直シュール……」
ξ゚⊿゚)ξ「出たな素直シュールおりゃ」
lw´‐ _‐ノv「くそぉ」
('A`)「魔王すごい」
( ^ω^)「ツンすごいお」
激闘の末、私は素直シュールに勝利した。
そして帰って寝た。今日も一日大変だった。
.
112
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 06:31:49 ID:OmzQ/CLU0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
素直シュールを撃退した翌日、学校は休みだった。
本来なら惰眠の限りを尽くしあらゆる自己研鑽を放棄するこの休日に、
私はまたしてもハインさんの屋敷に呼び出されていた。
しかしその事をすっかり忘れて約束の時間を6時間ほど過ぎて寝ていると、ブーンとドクオが我が家に来た。
午後6時。夕飯前に迷惑な男達だ。
@@@
@@@@
( ФωФ)「いらっしゃいね、ブーンちゃんドクオちゃん」
ξ゚⊿゚)ξ「おえー」 (ツンちゃんは眠すぎるとまともに話せない)
( ^ω^)「こんばんはだお! おじさん相変わらずすごい魔力だお!」
('A`)「やっぱ次期魔王はすごいっすわ」
@@@
@@@@
(; ФωФ)「ドギクゥ!! ききき貴様ら、我輩が魔王な訳なかろう!
夕飯出してあげるからツンちゃんの部屋で遊んでなさい!」
( ^ω^)「ここまで魔王感が滲み出てる人も中々居ないお!」
('A`)「やっぱスケールちげーわ魔王」
.
113
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 06:32:29 ID:OmzQ/CLU0
お母さんが魔王一派な訳がないのに何を言ってるんだろう。
私は訝しんだ。そして二人を自室に招き、ふたたびベッドに横たわった。
ξ´⊿`)ξ「話があるなら適当にお願いね……。
なんかもう眠くて眠くて……」
( ^ω^)「そりゃ仕方ないお!
初めて魔力使ったんだから、大体そうなるお!」
ξ´⊿`)ξ「そうなの? あーどおりで」
('A`)「地の文にする暇がないくらいの圧勝だったからな。
あれだけの魔力ぶっ放せばこうもならあ」
ξ´⊿`)ξ「……じゃあ次からは加減しなきゃね」
私はゆっくりと起き上がり、二人の話にちゃんと集中する事にした。
何にせよ敵が来ているのは本当なのだし、まあとりあえず聞いてやるかというスタンスだった。
.
114
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 06:33:09 ID:OmzQ/CLU0
( ^ω^)「今日はドクオが先生だお!
先生、今日のテーマはなんですかお!」
('A`)「えー今日は魔族の特徴と戦い方です、はい」
起きるなり、ブーン達は早速本題を切り出した。
私はうとうとしながら話を聞いた。
('A`)「いい加減、事情をちゃんと説明しないとゴチャゴチャして面倒ですからね。
今日は情報を整理しつつ、ツンちゃんに現状を把握してもらいます」
( ^ω^)「イェ〜〜」パチパチ
ξ´⊿`)ξ「つまり説明回ね……」
('A`)「元も子もないことを言うとその通りだ」
.
115
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 06:33:49 ID:OmzQ/CLU0
||
|| ('A`) ☆その1 魔王軍について
||_ (o□o_______________________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| |
||三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
116
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 06:34:58 ID:OmzQ/CLU0
('A`)「二人とも、数十年前に戦争があったのは知ってるな?」
( ^ω^)「知ってるお! 正義と悪の戦争だお! お爺ちゃん大活躍!」
('A`)「そうだ。その二つの集団に特に決まった名称は無いが、それだと面倒だから一応名前がある。
『勇者軍』と『魔王軍』。分かりやすさ重視だ」
ξ´⊿`)ξ「なんて分かりやすい……」
('A`)「こないだのメス豚は勇者軍、俺達は魔王軍になる。
それぞれ組織体系に違いはあるが、まずは魔王軍について教えていく」
ξ´⊿`)ξ「……ねえ、この話って長い?」
('A`)「ああ、そこそこ長いけど?」
\
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
,、,,..._
ノ ・ ヽ なので次回持ち越しを決めた十万石まんじゅうだった
/ ::::: i
/ ::::: ゙、 また次回
,i :::::: 十 `ー-、
| ::::. 万 i
! :::::. 石 ノ
`ー――――― '"
117
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 06:55:37 ID:GzyE9wac0
スゴーイ、オツ
118
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 07:10:47 ID:DSUsy/CE0
>>103
、単刀直入に言うがクソワロタ
119
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 08:09:01 ID:Qgd25EQY0
スゴーイオツ
モットスゴーイオツ
120
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 08:12:11 ID:i5HpjTUc0
埼玉銘菓きたな
121
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 08:27:50 ID:PDpk8ryU0
乙
122
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 09:24:16 ID:r9tUk70I0
おつん
123
:
名も無きAAのようです
:2015/10/29(木) 13:01:12 ID:lP2v6Ufk0
ワースゴーイ、ナンカスゴーイ
124
:
名も無きAAのようです
:2015/10/30(金) 15:00:21 ID:4ni/3yd.0
お母さんじゃなかったのかwww
スゴクスゴーイ乙
125
:
名も無きAAのようです
:2015/10/30(金) 16:09:14 ID:tugaYgiQ0
お母さんでおじさんなんでしょ
ズゲーナスゴイオツ
126
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 14:23:00 ID:rkuYIrQM0
||
|| ('A`) ☆その2 魔王軍についての続き
||_ (o□o_______________________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| |
||三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
127
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 14:23:41 ID:rkuYIrQM0
ξ゚⊿゚)ξ「私のターン! 私はモンスターをセット、リバースカードを二枚セット!」
('A`)「とりあえずざっくり言うと、魔王軍はその大半が魔族に分類されてんだ。
で、魔族は共通した一つの能力を兼ね備えてる」
ξ゚⊿゚)ξ「マジック発動、手札抹殺! 互いのプレイヤーは手札を全て捨て、その枚数ドローする!」
つと シャッ!
□
∩ξ゚⊿゚)ξ「ドローカード! 太陽の書!
さっきのセットモンスターをリバースさせる! メタモルポット!」
ξ゚⊿゚)ξ「互いのプレイヤーはさらに手札を捨て、五枚ドロー!」
(; ^ω^)「ツンお得意のクソゲーだお! 環境無視だお!」
('A`)「それが変身能力。下の方から言うと、魔人化、魔物化、魔獣化とかがある」
.
128
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 14:24:24 ID:rkuYIrQM0
ξ゚⊿゚)ξ「私はさらにリバースカードを一枚セット、ターンエンド!」
( ^ω^)「よし、ブーンのターンだお!」
('A`)「待って話を聞いて」
私とブーンはドクオを無視して遊戯王を始めていた。
私のデッキは【運バーデストロイ】。かつては全盛期クジャドを沈めたこともある私の相棒だ。
デッキ破壊、バーン、遅延プレイの三要素から相手を煽り殺す友情破壊デッキなのでもうブーン以外誰も相手をしてくれない。
一番気持ちいい勝ち方はリバースモンスターと油断して低攻撃力でD-HEROディフェンドガイに突っ込んできたモンスターに
牙城のガーディアンとクロスカウンターを叩きつけるパターンである。本当に気持ちいい。
('A`)「今すごく大事な話をしているよ」
伏せた三枚は無差別破壊・死神の巡遊・運命の分かれ道。
どれもクソゲーを演出する最高のカード達だ。
もしハーピィが来たとしても手札には速攻のかかしがある。
カップ・オブ・エースという名の強欲な壷もあるのでアドは無視でいい。もしダメでもギャンブルさえ発動できれば元通りだ。
('A`)「あのねツンちゃんはね、変身能力の最上位のね、魔王化がね」
( ^ω^)「ドロー!」
ξ゚⊿゚)ξ「ドローフェイズにトリプルトラップ発動!
無差別破壊・死神の巡遊・運命の分かれ道!」
ξ゚⊿゚)ξ「サイコロ! コイン! コイン!
無差別破壊は失敗、あとは成功!」
(; ^ω^)「クソゲー乙!」
ξ゚⊿゚)ξ「まず死神の巡遊! 正位置により、相手はエンドフェイズ時まで召喚・反転召喚ができない!
続いて運命の分かれ道! ブーンは2000ポイントのダメージ、私は2000ポイント回復!」
これでブーンのライフは残り6000。ダイス・ポットの爆殺圏内に捉えた。
.
129
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 14:25:20 ID:rkuYIrQM0
(; ^ω^)「僕の【ゴリ押しDD】が止まったお……」
(; ^ω^)「あんまりやりたくないけど、仕方ないお!
早く決着つけないと泥沼化してクソゲーが悪化するお!」
('A`)「これ終わったら話聞いてくれる?
ていうかブーンお前も話す側だったよな?」
( ^ω^)「僕はDDD反骨王レオニダスとDD魔導賢者ケプラーでペンデュラムスケールをセッティング!」
ξ;゚⊿゚)ξ「くっ! なにが止まったのよ、バーンメタを張りおって!」
(; ^ω^)「うるさいお! まだデッキ破壊があるから変わらんお!」
( ^ω^)「――と、これでレベル4から9のモンスターが同時に召喚可能!
これで死神の巡遊の効果からは逃げ切ったお! いくお!」カーン!!
( ^ω^)「揺れろ、魂のペンデュラム! 天空に描け光のアーク!」
( つと
/\
゚゛ "゚ ←振り子のAA
( ^ω^)「ペンデュラム召喚! 来い、僕のモンスター達!」
.
130
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 14:26:00 ID:rkuYIrQM0
( ^ω^)「DDケルベロス、DDナイト・ハウリング!」
( ^ω^)「そしてシンクロ召喚! 漆黒の花よ開け! ブラック・ローズ・ドラゴン!」
ξ゚⊿゚)ξ「定番ね」
(; ^ω^)「三回限りの仕切り直しだお!
これナシでそのデッキの相手なんかできないお!」
(; ^ω^)「即、効果発動! フィールド上のカードを全て破壊!」ドヒューン!!
(; ^ω^)「ブーンは手札のレオニダスをもう一回Pスケールにセッティング。
これでターンエンド。ここからが泥沼だお……!」
('A`)
('A`)「……さきにメシ食ってくるわ……」
その時、ドクオは一人部屋を出て行ってしまった。
あんまり話に入れないから拗ねてしまったのだろうか。
あとでレアカードをあげよう。それより今は、目の前のデュエルに集中する――!
ξ゚⊿゚)ξ「いくわよ! 私のターン!」カーン!!
(; ^ω^)「来いお!!」コーン!!
.
131
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 14:26:40 ID:rkuYIrQM0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
,、,,..._
ノ ・ ヽ 【D-HERO ダッシュガイ】は、ツンちゃんお気に入りのカード。
/ ::::: i これで【アルカナフォースXXI-THE WORLD】を出すのが好き。
/ ::::: ゙、 適当に突っ込んだ大型モンスターをダッシュガイで出すクソデッキを所持している。(wikipedia)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
132
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 14:27:59 ID:rkuYIrQM0
【interlude:4】
@@@
@@@@
( ФωФ)(……共に暮らして十五年余り、騙しきるのも限界か……)
適当に選んだテレビ番組を見つめながら、ツンの母親(父親)は酷く憂いていた。
眉間をすぼめ、切実な現状に深い溜め息をもらす。
昨日、ハインリッヒ高岡が消息を絶った。
連れの女は確保できたが、あの男はおそらく死んでしまった。
今の魔王軍にとってそれは看過できない損失であったが、何よりツンを失う以上の事があってはならない。
今後も犠牲は増え続ける。しかし、我らに出来る事は限られているのだ。
@@@
@@@@
( ФωФ)(……王座の九人を相手に十分やってくれたぞ、ハインリッヒ)
('A`)「……ロマさん、ちょっといいっすか」
不意にドクオの声がした。
彼は表情を整えてから振り返り、ドクオに尋ねた。
@@@
@@@@
( ФωФ)「おや、どうした」
('A`)「ちょっとツンのことで。真面目な話です」
.
133
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 14:29:23 ID:rkuYIrQM0
@@@
@@@@
( ФωФ)「……夕飯を出そう。それからでも遅くあるまい」
( 'A`)「いえ、話したら俺は帰ります。なんか滅入ったんで……」
よそよそしく申し出を断り、ドクオは軽く頭を下げる。
そして、ドクオは静かに話し始めた。
('A`)「……そろそろマジにならないとヤバイですよ。
魔王軍は現状確かに磐石ですけど、今度は立場が逆なんすから」
逆、というのは先の戦争を指しての言葉だった。
あの戦争では勇者が不在で魔王が健在、しかし今はその逆。
勇者が居て、魔王が居ない。
本来その状態こそが平和をなす形であるが、今の形骸化した勇者軍は狂人達の集まりだ。
彼らが魔王軍を滅ぼした後、世界平和という名の管理社会を作るのは目に見えている。
('A`)「いずれあの勇者……化け物は復活します。
そのとき魔王化を扱えるのが貴方一人なら、今度こそ負ける」
('A`)「ハインの爺さんは一つずつ順にやってくつもりでした。
でも分かるでしょう。そんな余裕、まったくありませんよ」
並ぶ言葉はすべてが事実。猶予などとうに使い果たしている。
ツンには今すぐにでも魔王化を習得してもらいたい――
@@@
@@@@
( ФωФ)(だが、しかし……)
と、ためらう台詞が連続してしまう。
まだ年端も行かない少女に戦争の最前線に立てと、いったい誰が告げられようか。
それが自身の娘であるなら尚更だ――次期魔王・ロマネスクの内心は、混迷を極めている。
('A`)「俺が言えたことじゃないですけど、決断の時じゃないっすかね。
王座の九人が初っ端から出てきた訳ですし、次も誰かが死にますよ」
.
134
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 14:30:10 ID:rkuYIrQM0
('A`)「……先代が殺された時、誰よりも悔しかったのは貴方だと思います」
@@@
@@@@
( ФωФ)「……ああ」
('A`)「正しさに殺されるなら本望だ。
そう言って戦い抜いた先代は、この世全ての悪に踏み躙られた。
魔王と勇者の戦いは、とっくに人間の欲に染まりきったんすよ……」
@@@
@@@@
( ФωФ)「……親父も言っていたよ、前の勇者は真の戦士だったと。
それに比べれば、この戦いのなんと下劣なことか……」
('A`)「……それでも俺は戦いますよ。でも魔王が居なければ俺達は動けない。
だから魔王軍の誰もが貴方の魔王継承を待っている……って、今更ですかね」
@@@
@@@@
( ФωФ)「……プレッシャーだな。一度逃げた身にはよく染みる」
('A`)「……今度の隠居は正しかったと思います。ツンの事もあったし。
でも、それを終わる時が来たんだと、俺は思います……」
.
135
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 14:31:33 ID:rkuYIrQM0
('A`)「ツンは貴方を信じてる。だからもしツンを変えられるとしたら貴方だけだ。
現実逃避で遊戯王やってるアイツを変えてください」
@@@
@@@@
(; ФωФ)「……えっ遊戯王? 修行は?」
('A`)「まったくです。昨日すこし身体強化を教えましたけど……」
@@@
@@@@
(; ФωФ)「……思ったより全力で逃げているな、現実から」
('A`)「逃げ足速いっすから、あいつ」
ドクオはそう言い、もう一度頭を下げてから家を出て行った。
一人残されたロマネスクは、彼の言葉を反芻しながら自問する。
@@@
@@@@
( ФωФ)(……このヅラを外し、実は母じゃなくて父だったと伝える。
そして、本格的に魔王としての教育をする、か……)
@@@
@@@@
( ФωФ)(……キツイな……)
【interlude:out】
.
136
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 14:33:04 ID:rkuYIrQM0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
,、,,..._ ☆サブレアンケート☆(好きな方を選んでね)
ノ ・ ヽ
/ ::::: i A・ロマネスク、ツンちゃんに色々打ち明ける
/ ::::: ゙、. B・やっぱりまだ無理。秘密にしとこ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
137
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 14:33:44 ID:rkuYIrQM0
〜特に必要のない1レス〜
( `ω´)「ツンとはもうデュエルしないお」
ξ;゚⊿゚)ξ「おこんないでよー」
@@@
@@@@
(; ФωФ)(こいつら本当に遊戯王やってたのか……)
お母さんに呼ばれて一階に行くと、ホカホカのご飯がテーブルに並んでいた。
私は拗ねてしまったブーンをチヤホヤしつつ席に着き、ありがたく夕飯を食べ始める。
( `ω´)「わざと回復させて自爆スイッチ使うなんてクソもいいとこだお。
しかもそれを三回全部やるとか、もう相手しないお」 パクパクモグモグ
ξ;゚⊿゚)ξ「だってレオニダス相手なら使えると思って……」パクパク
( `ω´)「怒ったお。牙城アステカ事件以来の怒りだお」モグモグモグモグ
ξ;´⊿`)ξ「ゆるしてー……またデュエルしてよー……」
@@@
@@@@
(; ФωФ)(ここまで気が抜けるのか、普通……)
.
138
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 14:34:24 ID:rkuYIrQM0
\
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
,、,,..._
ノ ・ ヽ と思うポンデリングであった
/ ::::: i
/ ::::: ゙、 また次回
,i :::::: `ー-、
| :::: i
! :::::.. ノ
`ー――――― '"
139
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 15:06:55 ID:QyJjG0gw0
乙
フリーで自爆スイッチって完全に試合放棄じゃねーか
140
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 16:03:40 ID:0vmEwwNE0
乙
ここまで魔王丸出しでどうやって母親だと思わせてたんだ
>>136
打ち明けてほしい
141
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 16:04:08 ID:i3eWzHGo0
サブレアンケートわろた
B!Bだ!!
142
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 16:51:31 ID:BPcu2VJ20
Aで
143
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 19:02:50 ID:6hc3PZqQ0
ぼくも、ゆうぎおうがすきです
どろーれん で わーるどとらんす できなくなったので、かなしいです
144
:
名も無きAAのようです
:2015/10/31(土) 23:53:00 ID:XgoqLJQcO
遊戯王のせいで開いたスレ間違えたかと思ったじゃねーか!スゴイスゴーイ乙!
サブレアンケートB
145
:
名も無きAAのようです
:2015/11/01(日) 15:41:23 ID:8vm1hrCg0
サブレはAで
146
:
名も無きAAのようです
:2015/11/01(日) 15:45:09 ID:YE94fGks0
サブレBで
それを教えるなんてとんでもない
147
:
名も無きAAのようです
:2015/11/01(日) 16:05:34 ID:QECQIX6U0
Aで
148
:
名も無きAAのようです
:2015/11/01(日) 16:35:21 ID:LhD5D3Do0
Aだっ!
149
:
名も無きAAのようです
:2015/11/01(日) 17:57:17 ID:Xcbse6Ss0
B
150
:
名も無きAAのようです
:2015/11/01(日) 18:37:18 ID:wn.CxIC60
b
151
:
名も無きAAのようです
:2015/11/01(日) 23:18:42 ID:tyu52b0w0
A
152
:
名も無きAAのようです
:2015/11/01(日) 23:32:03 ID:uCjTXQ/A0
いずれ打ち明けるだろう
今はまだB
153
:
◆9mGdTa8gSo
:2015/11/02(月) 10:42:11 ID:CVNtffdY0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
,、,,..._ ☆サブレアンケートは今日まで☆
ノ ・ ヽ
/ ::::: i 票数が同じだった場合、
/ ::::: ゙、. ツンちゃんをガンダムに乗せるよ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
154
:
名も無きAAのようです
:2015/11/02(月) 10:54:32 ID:/oBQKDf.0
A 6票(
>>140
含)
B 5票
ガンダムには乗らないようです
155
:
名も無きAAのようです
:2015/11/02(月) 10:55:13 ID:/oBQKDf.0
違う、B6票だ!ガンダム!!
156
:
名も無きAAのようです
:2015/11/02(月) 12:23:06 ID:TyWCieNs0
A!!!
157
:
名も無きAAのようです
:2015/11/02(月) 12:27:56 ID:xGedzFPQ0
むしろガンダムに乗ってほしいからB
158
:
名も無きAAのようです
:2015/11/02(月) 14:12:24 ID:dJ2Qy8q.0
ツンちゃんにはガンダムファイターじゃなくてデュエリストでいてほしいからA
159
:
名も無きAAのようです
:2015/11/02(月) 16:17:33 ID:xKw18kzg0
B!!
160
:
名も無きAAのようです
:2015/11/02(月) 16:57:54 ID:CXJESXKE0
いたちごっこじゃねーか
俺はもう投票しちゃったので投票なし
161
:
名も無きAAのようです
:2015/11/02(月) 19:15:14 ID:1pgd8q2A0
Aで
162
:
名も無きAAのようです
:2015/11/02(月) 19:43:23 ID:CeXqkadM0
じゃB
163
:
名も無きAAのようです
:2015/11/02(月) 19:49:38 ID:Z4FTkOjU0
Aだ!
164
:
名も無きAAのようです
:2015/11/02(月) 19:56:57 ID:kwE1.PB60
A
165
:
名も無きAAのようです
:2015/11/02(月) 20:11:59 ID:VBHDmTxU0
Bで
166
:
名も無きAAのようです
:2015/11/02(月) 20:35:07 ID:cHoC2Sws0
じゃあCで
167
:
名も無きAAのようです
:2015/11/02(月) 20:47:39 ID:c9/9cqmE0
もうCガンダムに乗るって選択肢を作った方が早いレベル
168
:
名も無きAAのようです
:2015/11/02(月) 20:56:27 ID:.QHLU1qg0
Bだ
169
:
名も無きAAのようです
:2015/11/02(月) 22:10:34 ID:vQEPgWJU0
Cのガンダムで
170
:
名も無きAAのようです
:2015/11/02(月) 23:32:49 ID:SoxpSLqE0
ガンダム打ち切りエンドとかありそうで怖い
171
:
名も無きAAのようです
:2015/11/03(火) 00:01:43 ID:ERDl3TCM0
A 10票
B 11票
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