[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
この世界は既に征服されていたようです(゚、゚トソン
318
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:13:38 ID:AMuwusfc0
私に突進した時よりも数段速い。
でも私はここで死ぬわけにはいきません。
ボス犬は迷いなど無く首筋を狙い一直線に飛びかかる。
319
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:14:18 ID:AMuwusfc0
-ドクン-
.
320
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:15:26 ID:AMuwusfc0
トソンは身体をひねり紙一重で躱す。
肩口のパーカーの生地が消える。
(゚、゚トソン「っ!!!」
勢いを殺しきれずボス犬が地を滑る。
土煙が舞う。
ぶるると悔しそうに顔を振り体制を立て直し、もう一度飛びかかるために振り向いた。
321
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:18:29 ID:AMuwusfc0
瞬間。
トソンの両足が土煙を突き抜け現れた。
咄嗟の事にボス犬は驚き反応が遅れる。
(゚、゚#トソン「やあああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
めりめりと頭に足がめり込む。
ミセリ直伝のドロップキックが決まる。
▼・ェ・;▼「グガアアアアア!!!」
トソンの全体重を浴びせられ吹き飛ぶ。
すぐに砂にまみれたトソンが立ち上がる。
▼・ェ・#▼「グルオオオオオオオオ!!!!」
ボス犬は激昂し牙を剥き出したまま走り、爪を横薙ぎに振るう
322
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:19:24 ID:AMuwusfc0
-ドクン-
.
323
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:21:09 ID:AMuwusfc0
すっと身体を引く。
ドクオさんに引っかかれた時に切れたパーカーの腕の部分の奥の肉が弾ける。
(゚、゚;トソン「うぐ......」
休む間も無く爪を剥き出しにしたアッパーが下から迫る。
324
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:21:57 ID:AMuwusfc0
ードクンー
.
325
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:25:41 ID:AMuwusfc0
トソンは最小限の動きで右にステップを踏んだ。
ブンッ
即死の爪は太ももを掠める。
(゚、゚#トソン「うわあああああああああああ!!!」
恐怖を無視してガラ空きの足にスコップを食い込ませる。
▼・ェ・;▼「ギャオオオオオオオオオオオオ!!!!
326
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:26:22 ID:AMuwusfc0
-ドクン-
-ドクン-
-ドクン-
-ドクン-
-ドクン-
327
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:27:10 ID:AMuwusfc0
目で追う事がギリギリ、当たればそこで致命傷になり得る一撃を躱し続ける。
心臓が......うるさい。
(゚、゚#トソン「いやあああああああああああ!!!!」
躱すだけではなく隙を見てスコップをめり込ませる
328
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:28:57 ID:AMuwusfc0
▼ ェ ;▼「グ......」
な、なぜあたらん......
何度も殺したと確信した。
殺した感覚は......爪に残っている。
殺した感覚が何度もあるとはおかしいな話だが説明のしようがない。
しかしこの爪はかすり傷を作る程度。
今までに感じた事もない感覚に戸惑い焦る。
▼ ェ ;▼「何が起こっている......」
トソンから距離を置き小さく呟く。
329
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:30:49 ID:AMuwusfc0
(゚、゚;トソン「何が起こっているんでしょう......」
トソンは自分に語りかける。
彼女自身も何度も死を覚悟していた。死んでしまった感覚もある。
何を言っているのか自分でもわからない。
だがボス犬の爪が自分に当たる瞬間。
とても怖くなり身体を動かした。
それだけだった。
別に動きをスローモーションに感じているわけでも無い。
運がよかったのか。
彼女自身も全く分からなかった。
しかし好都合。
この感覚が続く間に早くあいつを屈服させないと。
330
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:31:38 ID:AMuwusfc0
再び衝突。
トソンのかすり傷が増えていく。
犬の出血が増えていく。
ボス犬は焦っていた。
飢えで自分たちが死ぬ前に獲物を仕留めなければならない。
なぜこんなにも細く弱そうな生き物に後れを取っているのだ。
辺りはボス犬の血液が点々と飛び散っている。
331
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:34:46 ID:AMuwusfc0
▼・ェ・#▼「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
命を燃やし最も大きく吠えた。
辺りの木々がビリビリと震える。
全ての力を振り絞り走る。
土煙がボス犬を追いかける。
332
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:36:59 ID:AMuwusfc0
咆哮に怯み体の動きが鈍る。
(゚、゚;トソン「ッッッ!!!」
スコップを構えようとするがあまりの早さに間に合わない。
腕を突き出す。
槍の様に鋭い一撃はトソンの胸に向かう
どんなに紙一重の動きをしたとしても間に合わない。
どこにあたろうが致命傷は免れない。
333
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:37:43 ID:AMuwusfc0
ードクンー
.
334
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:38:23 ID:AMuwusfc0
トソンはギリギリのところで反応し身体を右後ろに引く。
335
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:39:31 ID:AMuwusfc0
が
▼・ェ・#▼「捉えたああああああああああああああああ!!!!!」
避けきる事は出来ず不幸にも爪はトソンのやや左の胸を捉える。
人間と言う種族の心臓の部分。
ズンッ
振り抜く
-ドク......ン-
( 、 トソン「 」
声が出ない。
胸に衝撃を受け吹き飛ばされる。
336
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:41:46 ID:AMuwusfc0
地面に叩きつけられ大きくバウンドする。
(゚、゚;トソン「ガハッ......ゴホッ、ゴホッ。」
2度ほど跳ねたところで力強く根を張る木に勢いを殺される。
(゚、゚;トソン「ぐ......ドクオ......さ......」
失敗してしまいました。
運が尽きてしまったのでしょうか......
胸が焼ける様に熱い。
何をされたのでしょうか。
身体が鉛の様に重い......
337
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:43:21 ID:AMuwusfc0
直ぐに腕に力を入れて立ち上がろうとする。
(゚、゚トソン「まだ......もう一度立ち上がらないと。」
ゴボッと音を立てゆっくりと血が地面を濡らす
ドクオがボス犬を気にせず駆け寄る。
(゚A゚)「トソンンンンンンンンンンンンンン!!!!!」
▼・ェ・#▼「はあ、はあ、ようやく仕留めたか。ここまでしぶとい獲物は初めてだ......」
犬の子供たちがぴょんぴょん跳ねながら近寄る。
「ボス!ボス!ヒャハハハハ」
「カッコイイカッコイイ!!!キヒヒ!!」
▼・ェ・▼「グフフフ、さあ、子ども達よ食事の時間だ。」
嬉しそうに狂気に満ちた目を輝かせ子供たちは2人に近寄る。
足を引きずりボスが続く。
338
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:44:53 ID:AMuwusfc0
( A )「あ、ああああああ......」
動くことができない。
逃げ出したい衝動に駆られるが自分のために戦ったトソンを置いていくことは流石の俺でもできない。
臆病だけれど中途半端な俺は黙って死を受け入れる事しかできない。
鼻先に子供の吐息が当たる。
不気味な笑い声が耳にこびりつく。
「アーン」
ゆっくりと首筋に牙が迫る。
一思いに......やってくれ......
でも......最後にかーちゃんに薬を届けたかったなあ......
339
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:45:56 ID:AMuwusfc0
これが死に行くという感覚なのでしょうか
走馬灯なんて見えないし、家族の幻覚も見えません。
何も感じません。
私の身体はどうなってしまったのでしょうか。
うっすらと目を開けるが目の前が真っ赤です。
致死量はどれくらいかわかりませんが......
ううむ......結構出てますね。
ふふふ、再び目を閉じちゃえばどんなに楽なことでしょうか。
-......クン-
-ド......クン-
-ドクン-
心臓の鼓動が響く。
まだ大丈夫と私に訴えかける。
分っています。
-私は-
340
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:46:41 ID:AMuwusfc0
異常。
ボスは何かを感づき足を止める。
野生の勘という物なのか。
▼・ェ・;▼「待て子ども達。何かがおかしい。」
341
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:47:21 ID:AMuwusfc0
-私は-
まさか。
トソンを見る。馬鹿な!先ほど殺したばかりではないか。
まだ息はあるかもしれんが動けるわけがない。
342
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:48:01 ID:AMuwusfc0
-この世界で-
もしや。
ドクオを見る。プルプルと震えている生き物に恐れは毛ほども抱かない。
343
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:48:49 ID:AMuwusfc0
-強く-
一体何が。
辺りを見回す。自分の獲物を奪うような他の生き物はいない。
異常は未だにずるずると体内を這いずる。
344
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:49:46 ID:AMuwusfc0
-強く-
静寂に包まれた森林だけがざわざわと揺れる。
子供たちもきょろきょろと見回す。
345
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:50:32 ID:AMuwusfc0
-強く-
もう一度トソンを見る。
見ればわかる爪が心臓をとらえ、既に動かなくなっている。
346
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:51:12 ID:AMuwusfc0
-強く-
ほら見ろ!現に今もポタポタと血が垂れているじゃないか!!!
347
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:51:56 ID:AMuwusfc0
-強く-
ん?
垂れている?
ぽたり......ぽたり......ぽたり......
348
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:52:38 ID:AMuwusfc0
-私はこの時代で強く生き抜いてみせます-
背中は皆に十分押してもらいました。
最後に突き動かすのは私自身の言葉のみ。
349
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:54:36 ID:AMuwusfc0
既にスコップを杖代わりにし立ち上がっているトソンの姿があった。
(゚、゚;トソン「はあ......はあ......ぐ.......」
これが最後です。
考えるのです。
今なら......今ならいけるはず。
相手は達成感に溢れ、気が抜けている。
そう。この後あいつは死んだはずの私が動き出して大声で驚く。
ボスは自分の爪を見るが爪に着く血は確かに赤い。
魔法使いなどではないことは分っている。
なのに
▼・ェ・;▼「なぜ......なぜ生きているんだあああああああああああ!!!」
よし。死ぬほど痛いですがポーカーフェイスです。私。
350
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:55:16 ID:AMuwusfc0
(゚、゚トソン「......」
(゚、゚トソン「その爪に付いた血」
(゚、゚トソン「舐めてみればわかるかもしれませんよ?」
351
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:55:57 ID:AMuwusfc0
▼・ェ・;▼「!?!?!?」
これが異常の正体か。
トソンは左胸から垂れる自分の血を手ですくい犬の子供達に近づく。
子供達は首を傾げる。
▼・ェ・;▼「離れろおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
驚いたのか蜘蛛の子を散らすように笑いながら草むらへ飛び込んでいく。
352
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:57:29 ID:AMuwusfc0
トソンはにやりと笑う。
どうやらまともな思考が働いていないようです。
カラカラカラ......
スコップを引きずりボス犬へ近づく。
ガチガチと牙が震える。
確か笑い犬は本来とても臆病な生き物だとフォックスさんが言っていましたね。
(゚、゚トソン「一人......だけになっちゃいましたねえ......」
ゆっくりと手を伸ばす。
(゚、゚トソン「私を食べる気だったんでしょう?」
じりじりとボス犬が後ろに下がる。
(゚、゚トソン「さあ......」
すたすたと臆せずトソンが近寄る。
(゚、゚トソン「さあ......」
353
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:58:20 ID:AMuwusfc0
(゚、゚トソン「さあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ピリピリと傷に響く。
▼・ェ・;▼「お、おおお、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
何度か転びそうになりながらボス犬は走り去った。
354
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 22:59:42 ID:AMuwusfc0
(-、-トソン「うう......」
ふらふらとドクオさんの方へと近づく。
(-、-トソン「ドクオ......さ、ん」
(゚A゚)ブクブクブク
なんであなたが気絶してるんですか......
(゚、゚トソン「全くもう......」
(-、-トソン「相変わ.....ら、ずです......ね。」
糸が切れたように倒れる。
355
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 23:00:22 ID:AMuwusfc0
私って......この時代に来てから危険な目にあってばっかりですね.......
お父さんお母さん......ついでにミセリ。私......強く生きていますでしょうか?
356
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 23:04:59 ID:AMuwusfc0
(゚A゚)「トソン!!!!トソン!!!!起きて!!!!ねえ、起きてよ!!!」
意識を手放し切る前にゆすり起こされる。
(-、-トソン「起きたんですね......良かったです。」
アドレナリンが切れたのか体が酷く重くて目を開けることも困難です。
(;A;)「何で......俺はまたトソンの事見捨てて逃げ出したのに。」
(-、゚トソン「.....」
(-、-トソン「ふふ、そんなに取り乱したらお母さんに笑われてしまいますよ。でも......ちょっと辛いので流石に寝かせてください。」
緩やかに血が流れる。
目の前で微笑む女性は想像を絶する痛みを受けながらも俺の心配をしていくれている。
彼女から沢山のものを貰いすぎた。
でも俺は彼女に何もしてあげられていない。
出来ることは何もない......
それならせめて......俺は生涯彼女のためにこの命を尽くそう。
尽くさなければいけない。
357
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 23:05:51 ID:AMuwusfc0
でもそのためには今......
涙をごしごし拭い彼女を抱き立ち上がる。
('A`#)「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
この足がちぎれようと俺の足は止まる事は無いだろう。
358
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 23:06:52 ID:AMuwusfc0
私はこの時代に来てから、初めてできた友達のために役に立とうと必死でした。
そうしないと......私がきちんと生きていることを証明できない気がして......
今思えば幼稚で自己満足で軽はずみでしたね。
その結果ドクオさんをこんなに心配させてしまいました。
もし目が覚めることがあったらもうこんな無謀な事はしないように気を付けましょう。
359
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 23:07:48 ID:AMuwusfc0
私はこの時代に来てから、初めてできた友達のために役に立とうと必死でした。
そうしないと......私がきちんと生きていることを証明できない気がして......
今思えば幼稚で自己満足で軽はずみでしたね。
その結果ドクオさんをこんなに心配させてしまいました。
もし目が覚めることがあったらもうこんな無謀な事はしないように気を付けましょう。
360
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 23:08:28 ID:AMuwusfc0
7話 近代的全力闘争 〜おわり〜
.
361
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 23:10:16 ID:AMuwusfc0
悲しいことにタイトルコール忘れてた。
>>309
と
>>310
の間にあったことにしてください......
この世界は既に征服されていたようです(゚、゚トソン
362
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/26(日) 23:11:19 ID:AMuwusfc0
以上です。
なんでこうも投下ミスが多くなってしまうんでしょうか。
感想や質問等あれば是非お願いします。
363
:
名も無きAAのようです
:2015/07/26(日) 23:24:18 ID:Nt2h5MaU0
お疲れ様でした。
最後1話のオマージュ?だとしたらトソンはお母さん似だねえ。
364
:
名も無きAAのようです
:2015/07/26(日) 23:37:39 ID:OSpZPuw60
乙!
胸に風穴開けられても動けるトソン半端ねぇな…本当に病人か?
この先の展開に期待ですな
365
:
名も無きAAのようです
:2015/07/27(月) 02:28:47 ID:Olmxo2ps0
乙 交換できるようになったのかと思った
366
:
名も無きAAのようです
:2015/07/27(月) 06:48:24 ID:/0.qmQBI0
乙。おもしれー。伏線っぽいのが多い気がするけれど回収頑張れ。
367
:
名も無きAAのようです
:2015/07/30(木) 16:58:57 ID:Crz2amvU0
今夜投下します。
368
:
名も無きAAのようです
:2015/07/30(木) 17:13:00 ID:Qnm9tPvc0
まってました
369
:
名も無きAAのようです
:2015/07/30(木) 17:21:57 ID:7SPIr5Ew0
トリップ付いてないけど本物?
370
:
名も無きAAのようです
:2015/07/30(木) 18:27:11 ID:UpKOpDA20
作者騙りは最低だぞやめとけな
371
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/30(木) 19:30:08 ID:.KywFxjw0
今夜投下出来そうなので投下します。
372
:
◆vkc4xj2v7k
:2015/07/30(木) 19:39:15 ID:7SPIr5Ew0
本人来たか
このトリップ割ろうと思えば誰でも割れそうだから変えた方が良いぞ
俺が成りすましても確実にバレるから俺にしか割れてなければ問題ないけど
373
:
名も無きAAのようです
:2015/07/30(木) 20:37:04 ID:Ygo4PD4A0
割るなよ…
374
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 20:40:07 ID:.KywFxjw0
割られてしまった......流石に安直すぎましたね。
新しい酉はこれで行きます。
そして準備ができたので投下します。
375
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 20:41:04 ID:.KywFxjw0
暖かい毛布に包まれゆっくりと目を覚ます。
(゚、-トソン「う......うう......」
見知らぬ天井です。
J( 'ー`)し「あら、おはよう。」
確か......私は......ドクオさんを助けるために必死で......死にかけて......
ええと......なんとかはったりが決まって......最後は倒れて......
J( 'ー`)し「?」
柔和な笑みを浮かべるモグラ族の女性は首をかしげる。
(゚、゚;トソン「ど、どなたですか......それにここは......」
......そういえばとてもお腹が空いています。どのくらい眠っていたのでしょうか。
376
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 20:41:57 ID:.KywFxjw0
J( 'ー`)し「ごはんできてるけれど食べれるかし(゚、゚トソン「頂きます。」
上体をばっと起こし立ち上がろうとした瞬間。
(゚、゚;トソン「いだだだだだだだ!!!」
体中がピリピリと痺れ再びベッドに沈む。続いて左胸の辺りに激痛が走る。
(゚、゚;トソン「うごごごごご......」
J( ;'ー`)し「きゅ、急に動いちゃだめよ。まだ怪我は治ってないんだから。」
暖かそうな湯気が上るお粥らしきものを運びながら彼女は慌てる。
モグラ族の食事と聞いてふと虫っぽいものが頭を過りましたが心底安心しました。
J( 'ー`)し「ゆっくり起き上がれるかしら?」
ゆっくりとなら特に痛みもなく起き上がれました。
377
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 20:44:05 ID:.KywFxjw0
J( 'ー`)し「ここは私たちの村よ。うちのドクオの面倒を見てくれてありがとう。」
(゚、゚トソン「ああ!お母さんでしたか!風邪はもう大丈夫なんですか?」
行儀が悪いと知りつつも、とてもお腹が空いていたので待ちきれずにお粥を口に運びました。
いくつかの山菜を使ったお粥は少し苦いけれど素朴な味がしてボロボロの身体にじんわりと染み渡ります。
J( 'ー`)し「ええ、トソンちゃんの持ってきてくれた遺物のおかげで直ぐに治ったわ。」
おや、いつの間にかボロボロなパーカーの代わりに綺麗な白い布.......
ロングワンピースの様な服が体を包んでいます。
どんな生地を使っているのでしょうか?とてもふかふかです。ちょっとぶかぶかですが。
J( 'ー`)し「ドクオが泣きながらあなたを抱きかかえてきた時は何事かと思ったわ。」
(-、-トソン「そうですか......ドクオさんが......よかった私......まだ生きてたんですね......」もそもそ
ドクオさんに感謝しないとですね。
378
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 20:45:51 ID:.KywFxjw0
----------------------------------
沢山の野菜が入った籠を背負い村へ急ぐ。
俺はトソンに付いていくと決めたんだ。
今度こそ役に立つんだ。
だから......早く起きてくれよ......
自宅に着き籠を下すと、真っ先に彼女の眠る寝室へ急ぐ。
扉を開ける。
('A`;)「あ......」
いない。
やっぱり不甲斐ない俺を置いてもうどこかへ行ってしまったのか
転びそうになりながら母親の経営する酒場へ走る。
ばんっ、と勢いよくドアを開けて叫ぶ。
('A`;)「かーちゃん!トソンが......」
379
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 20:47:56 ID:.KywFxjw0
(゚、゚トソン「?」もそもそもそ
('A`)「......」
(゚、゚トソン「?」もそ......
('A`)「......」
(゚、゚;トソン「ど、どうひはんでふかどふおしゃん」もそもそもそもそ
('A`;)「あ、あれ、トソン。もう大丈夫なの?」
元気そうに口いっぱいに食べ物を含んでいた。
(゚、゚トソン「ちょっと痛いけれど余裕ですよ。」もそもそ
目の前の友人は頭と身体中に包帯を巻いている。
見ていてとても痛々しい。
顔には薬草ペーストを塗り込んだせいか緑色の化粧が施されている。
余裕そうに見えるがまだ痛みが残っているはずだ。
380
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 20:48:38 ID:.KywFxjw0
J( 'ー`)し「あらドクオ。帰ったのかい?」
('A`)「かーちゃん......トソンの怪我は大丈夫なの?」
J( 'ー`)し「最初は胸の刺し傷を見て絶望的かと思ったけれど、奇跡的に内臓を外していたみたいね......」
他は体中の切り傷と右腕の肉が少し抉れてるくらいだよ。
あ、頭からも出血してたから頭痛とかしたらかーちゃんに言うんだよ。
後の言葉は聞こえなかった。奇跡的に生きてくれただけでも本当に胸がいっぱいだった。
( A )「本当に......良かった。」
381
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 20:49:19 ID:.KywFxjw0
彼の心配をよそに箸をすすめる。
(゚、゚トソン「......朝ご飯美味しい。お粥も美味しかったですけれど物足りなかったです。」もそそそそ
確かに左胸を刺された気がしますが......心臓外れてたんですね。よかったよかった。
(゚、゚トソン「ご飯食べて寝れば治りますよ。」もそもそもそ
でもあの時は流石に死んだかと思いました。
J( 'ー`)し「ゆっくりとは歩けるみたいだし、暇なら何もないけれどここら辺を案内しておやり。」
(゚、゚トソン「おお、ドクオさん是非お願いします。」
('A`)「わかったよ。」
食事を済ませると2人はゆっくりと外に出た。
382
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 20:50:13 ID:.KywFxjw0
改めて村を見回してみるとモグラ族はまばらにいますが建物が少ないですね。
(゚、゚トソン「村と言っても意外と閑散としてるんですね。」
('A`)「モグラ族の自宅は地下にあるんだ。今外に見えてる建物はお店だったり倉庫だったり、畑とか牧畜に使う小屋が多いね。」
(゚、゚トソン「なるほど......皆さん地下の方がやっぱり落ち着くんですかね。」
('A`)「寝る時は地下のが落ち着くね。ちなみにトソンが寝てたのは来客用の宿屋で地下は俺の家だよ。隣の酒場はかーちゃんが運営してる。」
(゚、゚トソン「お母さんのご飯美味しかったです。」
('∀`)「かーちゃんの料理は世界一だよ。」
ドクオさんが大きな声を出して胸を張りました。
383
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 20:53:32 ID:.KywFxjw0
すると村のモグラ族たちが声を聞きつけて集まり次々にドクオに声をかける。
彼は皆に頭を撫でられてもみくちゃにされつつも嬉しそうに返答している。
数分後。
彼がへとへとになって抜けだしてきました。
(゚、゚トソン「ドクオさん人気者ですね。」
('A`*)「久々に外に出てしばらく留守にしてたから皆に心配されたんだ。今日まで薬草集めてばかりで挨拶も忘れてたしね。」
照れくさそうに笑いながらゆっくりと歩き村の外に出る。
384
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 20:55:51 ID:.KywFxjw0
町を離れ綺麗に整備された獣道を歩く。
('A`)「......あのさ。」
(゚、゚トソン「?」
('A`)「前に言い損ねたけれど......俺のとーちゃんは笑い犬に殺されたんだ。」
(゚、゚;トソン「なるほど......そうだったんですね。」
以前はたかが犬と思ってしまいましたが彼らの天敵なんでしたね。
('A`)「俺が小さい頃に俺と村を守って死んだんだ。だからこの町でとーちゃんは英雄なんだ。」
(゚、゚トソン「そんなことが......」
('A`)「とーちゃんが死んでから俺は地中に引きこもって泣いていたんだ。だんだんと大人になっても未だにショックから抜け出せなかった。」
(゚、゚トソン「.......」
合点が行きました。
そして母親が風邪をひいてしまい残された家族も失いそうになったと思い彼は家を飛び出したんですね。
('A`)「村の皆は俺の事をまだ心配してくれてたんだ。もういい加減自立しないとね。」
(゚、゚トソン「ドクオさんは立派ですね。」
('∀`)「へへへ。あとかーちゃんが元気になったんだ。トソンのおかげだよ。」
(゚、゚トソン「あ、お母さん元気そうでしたね。よかったです。」
段々と森の中へ来ましたが、きちんとした道はこんなに歩きやすかったんですね。
385
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 20:56:57 ID:.KywFxjw0
('A`)「後フォックスが村に来たよ。」
(゚、゚トソン「無事村に着けたんですね!後で挨拶しないと。」
('A`)「......昨日まで村にいたけれどもう隣の町にいっちゃったよ。最近雨が降らないからって雨を降らせてくれたんだ。皆喜んでた。」
(゚、゚;トソン「昨日!?私は何日寝てたんですか?」
('A`)「3日くらいだよ。もう目覚めないかと思って本当に心配だったよ。」
人間そんなに長く眠れるんですね......
歩くたびに水の音が近くなる。
さらに少し歩くと太陽が眩しく反射する川の腹に出た。
(゚、゚トソン「綺麗ですね。」
('A`)「小さい頃とーちゃんとよく釣りをした川だよ。綺麗な川に自生してる薬草を取りに来たんだ。トソンの顔にくっついてるのもそれだよ。」
(゚、゚トソン「通りで薬臭い匂いがずっとしていると思いましたよ......」
386
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 20:57:37 ID:.KywFxjw0
ドクオさんはせっせと薬草を集めています。
私も手伝うと言ったのですが私を気を遣ってか頑なに拒否されました。
この顔に塗られてるのもこうやってドクオさんが集めてくれたんですね......
浅瀬に足をつけ、川の中の魚をしばらくぼーっと眺めていました。
(゚、゚トソン「......」じゅるり
('A`)「終わったよ〜。ついでにまた木の実見つけたから持ってきたよ。」
(゚、゚トソン「はっ!これはいつぞやの木苺っぽい木の実。」
ドクオさんの手から奪い取り噛みつきます。我ながら結構遠慮が無くなってきましたね。
('A`)「トソンは......さ。」
387
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 20:58:17 ID:.KywFxjw0
「これから......どこへ行くんだ?」
.
388
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:00:10 ID:.KywFxjw0
突如投げつけられた不意打ちの質問。
考えてもみませんでした。
もう家族も友達もいない。
そして目的も無い。
とても悲しくなります。
(゚、゚トソン「そうですね。その前にドクオさんに私のとっておきの秘密を教えてあげましょう。」
決心がつきました。
389
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:00:53 ID:.KywFxjw0
昔の事
友達の事
家族の事
私の事
病気の事は悲しませてしまうと思ったので伏せておきましょう。
ドクオさんに『私の今まで』を話しました。
390
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:01:53 ID:.KywFxjw0
(゚A゚;)「え......ということは.......え?トソンは遺物の時代の生き物ってこと?」
(゚、゚トソン「私よりも先の時代の遺物もあるかもしれませんが......そうなりますね。今はもう一人ぼっちですが。」
(゚A゚;)「そうなんだ......昔はトソンみたいな見た目の生き物が沢山いたんだ。」
(゚、゚トソン「モグラ族やフォックスさんや魔法使いみたいな種族はいなくて言葉を喋るのは私たち人間だけでした。」
何故人間がおらず他にこんなに沢山の種族がいるのでしょうか......そして気になるのが魔法......何故そんなものが......
(゚A゚;)「......」
ドクオさんは驚きのあまり言葉が見つからないようです。
(゚A゚;)「あ......えっと......食費かかりそうだよね!人間って!」
(゚、゚#トソン「......」
なんて言葉を見つけてるのでしょうか。腕を動かすのはしんどいので後で覚えていなさい。
391
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:02:33 ID:.KywFxjw0
でも.......『私のこれから』はどうしましょう。
(-、-トソン「何処へ行くか......でしたね。」
ああ、そうです。
簡単なことじゃないですか。目の前の気になることを順番に解決していけば良いんです。
(゚、゚トソン「とりあえずですが、旅を......しようと思います。何か人間の残した遺物を探して私達の時代に何があったのかを知ろうと思います。」
目的としては十分ですね。我ながら単純です。
392
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:03:37 ID:.KywFxjw0
(゚、゚トソン「......ここでお別れですね、ドクオさん。一緒にいてとても楽しかったです。」
やっと立派に外に出れるようになった彼はこれからお母さんと仲良く暮らせるでしょう。
その手助けが出来ただけでも嬉しいです。
('A`;)「いや、あ......その......うん。俺も、すごく楽しかったよ。」
宿に帰るまで彼は口数が少なかったです。
ううむ。やっぱり驚かせてしまいましたね。
でも彼には知ってもらいたかった。
393
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:04:58 ID:.KywFxjw0
J( 'ー`)し「あら、お帰り。早かったわね。」
('A`)「うん。何もない村だからね。薬草置いて来るよ。」
床の扉を開け地下に下りていく。
J( 'ー`)し「......もうそろそろ出かけるのね。」
(゚、゚トソン「ええ。旅に出ようかと。」
J( 'ー`)し「トソンちゃんのおかげでドクオが立派になって帰って来たの。いくらお礼を言っても足りないわ。本当にありがとう。」
母がニコニコと笑顔で語りかける。
J( 'ー`)し「お父さんが亡くなってから、一緒にご飯も食べず土の中に引きこもって出てこなかったのよ。」
出てこなかった所を見るに土の中の虫ばっかり食べてたんだろうね。
と続ける。
(゚、゚;トソン「......」
あれはこれのせいでしたか。
394
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:07:04 ID:.KywFxjw0
(-、-トソン「.......私のおかげじゃないです。ドクオさんの意思ですよ。」
J( 'ー`)し「え......ドクオの?」
(゚、゚トソン「ドクオさんはお母さんの風邪を心配して引きこもっていた家から飛び出したんです。既に十分立派だったんですよ。」
J( 'ー`)し「!......ちょっとごめんね、夕飯の鍋の火を止め忘れたわ。」
お母さんは振り向き早足で歩くけれどその背中はプルプルと震えていました。
ふふ、ドクオさんはお母さん似ですね。
('A`)「かーちゃん薬草棚に置いといたからね!」
「あ、ああ、ありがとう!」
厨房から声が聞こえ何事もなかったかの様に母が現れる。
J( 'ー`)し「そういえばドクオ......」
('A`)「......?」
J( 'ー`)し「........!」
('∀`)「......!」
J( *'ー`)し「......?」
楽しそうに話す家族の光景。
395
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:08:10 ID:.KywFxjw0
前向きになれたドクオさんと元気になったお母さんを見て、私が少し役に立てたんだなあと、誇らしく思いました。
でもやっぱりちょっと羨ましいな......
J( 'ー`)し「あ、そうそう。トソンちゃん。あなたの服ボロボロだったから直してみたんだけど......」
(゚、゚トソン「これは......私のパーカー?」
J( 'ー`)し「破れた部分を縫ってなめした皮を編み込んで丈夫にしてみたんだけど気に入ってくれるかしら。」
腕、胸、肩、背中、裾。
急所の部分に綺麗になめした皮が編み込んであり堅そうで、なおかつ動きやすく見た目もお洒落なパーカーがありました。
もう怪我をしないようにというお母さんの優しさを感じます。
(゚、゚トソン「かわいい......」
('A`)「かっこいい......」
(゚、゚*トソン「ありがとうございます。とても素敵です。」
396
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:09:17 ID:.KywFxjw0
J( 'ー`)し「うふふ、あとこれも持って行ってね。」
保存食の干し肉とチーズ。
怪我した時用の薬草ペースト。
それと、ええと......60cmくらいの小さい金属の......L字型の......棒?
(゚、゚トソン「これは.....?」
(゚A゚;)「こ、これは古代の遺物じゃないか!」
ドクオさんが興奮気味に解説を始めました。
397
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:10:00 ID:.KywFxjw0
彼曰く
これ1つで斬る、殴る、刺す、が出来る万能の武器。
力が上手く伝わりやすい芸術的な形をしていて少ない力でも物を動かせる。
小さく空いた穴には装飾をつけられて女性心をくすぐる。
しかもなぜか放置しておいても錆びない魔法がかけられている。
ドクオさんの言葉ですからねこれ。
私のじゃないですよ。
398
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:10:51 ID:.KywFxjw0
(゚、゚トソン「バールだこれ......」
.
399
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:11:33 ID:.KywFxjw0
(゚、゚#トソン「バールだこれええええええ!」
今日一番の大声が出ました。
魔法って言ってますがこれただのメッキですよね。物は言いようです......
('A`)「超かっこいい。いのちをかりとるかたちをしている。」
よく分かりませんがドクオさんやっぱり男の子ですね。全くよくわかりませんが。
400
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:13:19 ID:.KywFxjw0
便利......ええ。少々腑に落ちませんが便利そうですし喜んで貰っておきましょう。
J( 'ー`)し「お父さんの倉庫にあったんだけれどドクオを助けてくれたお礼に上げちゃうわ。」
(゚、゚トソン「大切なものなんですね。大事にします......」
J( 'ー`)し「あとベルトにそれを横付け出来るような鞘を作ってみたから使ってね。」
(゚、゚トソン「おお!動きやすそうです。ありがとうございます。」
だんだんと旅の用意が進みます。
ドクオさんとの別れが近い。
後は......
あ、残念ながらお気に入りのレギンスは血まみれのボロボロになってしまいましたね。
これは捨てて次は長めのパンツを出しましょう。丁度ベルトに鞘も付けられますしね。
部屋で着替えさせてもらいます。
401
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:14:00 ID:.KywFxjw0
よし。
.
402
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:15:25 ID:.KywFxjw0
ドクオさんのお母さんが直してくれたレザーパーカー。
着替えや食料や傷薬が入った斜め掛けのショルダーバッグ。
動きやすいストレッチパンツ。
背中の腰のベルトには横付けされた鞘にバールが刺さっています。
不思議な格好の新時代の冒険者ルックスの完成です。
(゚、゚トソン「ドクオさん。お母さん。お世話になりました。」
J( 'ー`)し「......まだ休んでいけば良いのに。疲れたらいつでも戻ってきていいのよ。」
403
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:16:13 ID:.KywFxjw0
病気の詳細は聞いた気がしますがコールドスリープ前の記憶は曖昧なせいで思い出せません。
思い出そうと唸りましたがダメみたいです。
まあ、それはそのうち思い出すでしょう。
......実感は無いですが私の身体は確かに病に侵されています。
両親がコールドスリープを提案するくらいなのでおそらくそこまで先は長く無いのでしょう。
何事もできるだけ急がないと。
404
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:16:54 ID:.KywFxjw0
J( 'ー`)し「隣町にはアクセサリー屋をしてる妹もいるし、最近までこの町に住んでいた宿屋のダイさんもいるから会ったら私の名前を出すといいわ。」
(゚、゚トソン「何から何までありがとうございます。」
('A`)「また......またねトソン。隣の町までは安全だから心配しなくて大丈夫だよ。」
(゚、゚トソン「また会いましょう。」
('A`)ノシ
町を後にし、比較的綺麗な砂利が引かれた道を歩く。
町の皆さんは私の事を魔法使いと思ってか近寄ってきませんね......もうちょっと交流したかったです。
ふふ、ドクオさんはいつまでも手を振ってくれてますね。
では......さようなら。
.
405
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:17:39 ID:.KywFxjw0
('A`)ノシ「......」プルプル
J( 'ー`)し「ドクオ......あなたの人生は一度しか無いのよ。」
('A`)「?」
J( 'ー`)し「かーちゃんの事は気にせず好きなように生きなさい。」
( A )「......」
J( 'ー`)し「ドクオ......?」
( A )「俺はとーちゃんの守った街でかーちゃんを守らないと......」
J( 'ー`)し「違うでしょう?かーちゃんは何でも知ってるのよ。」
( A )「......」
J( 'ー`)し「始めの1歩は踏み出せたんだからこれからも自分で決めるのよ。」
(;A;)「かーちゃん!」
J( 'ー`)し「なんだい?」
(;A;)「ごめん......親孝行できなくて......でも......俺はどうしてもトソンの......トソンの力になりたい......」
J( 'ー`)し「あんたが満足の行く人生を歩めるならそれだけでかーちゃんは幸せもんだよ。」
('∀`)「かーちゃん......ありがとう!」
J( *'ー`)し「それでいいのよ。」
ドクオはすぐに自分の部屋に帰ると準備してあった道具と父親譲りのスコップを片手に走り出した。
406
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:18:39 ID:.KywFxjw0
('A`)「行ってきます。もっと立派になって帰ってくるよ!」
J( 'ー`)し「たまには手紙を書くのよ。いってらっしゃい。」
走る。
今まで見守ってくれたモグラ族に手を振りながら走る。
俺はとーちゃんみたいに立派になる!
走る。
直ぐに見慣れた短い髪の毛の後ろ姿に追いつく
('A`)「トソン待って!!!!!」
精一杯叫ぶ。
彼女は驚いて振り向く。
('A`)「俺は初めて自分で決めたんだ!」
.
407
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:19:54 ID:.KywFxjw0
俺は暗い地面の中に引きこもっていたどうしようもないモグラだ!
それに何度もトソンを見捨てて逃げた。
でもトソンはそんな俺を自分の命を省みず助けてくれた!
だから俺は......
俺の生涯をかけてトソンに恩返しをしたいんだ!
トソンの力になれるかわから無いけれど、精一杯頑張るから!
お願いだ。
俺も......
408
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:21:26 ID:.KywFxjw0
叫びながら何故だか涙が溢れてくる。
(;A;)「 俺も......一緒に......」
いつの間にか目の前にいた彼女が何も言わずに抱きしめる。
ええ、私も一人でとても心細かったです。
あなたが付いて来てくれるなら私も嬉しいですよ。
短くも壮絶な体験を通して2人の心はとても近い位置にあった。
言葉はいらなかった。
( A )「ありがとう......」
(゚、゚トソン「でもよいのですか?せっかく外に出れて仲良く胸をはって母さんと暮らせるところだったのに。」
少々意地悪をしようとします。
('∀`)「ああ、もっともっと立派になって帰ってくるんだ!親父みたいに。」
おや、普段は泣きそうになるのに......
(゚、゚*トソン「ふふ、頼もしいですね。では一緒に行きましょうか。」
409
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:22:21 ID:.KywFxjw0
私は「もう家族も友達もいない。」と言いました。
どうやらこれは間違っていましたね。
これからはこの時代でできた初めての友人が私の支えになってくれるようです。
もう心配をかけないように突っ走るのはやめましょう。
2人で一緒に悩んで一緒に解決していきましょう。
これからよろしくお願いします。
410
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:23:21 ID:.KywFxjw0
----------------------------------
休憩と睡眠を取りながら歩くこと1日。
隣の街の近くまでは特に何にも遭遇せず着きました。
怪我も段々と良くなってきました。
問題と言えば非常食を私が食べ切ってしまったことくらいでしょうか
段々と大きくなる立派な大木を使った門。
町の中は煙突のようなものからたくさんの灰色が上がっている。
(゚、゚トソン「生活の色だ......」
私は人の作った暖かさを感じ、とても懐かしくなりました。
人間は居ないだろうけれどきちんと回っているであろう町の光景はとても懐かしいものです。
411
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:24:50 ID:.KywFxjw0
大きな門を抜けて町に入るとすぐに大きな噴水広場がありました。
ワイワイと賑わう光景は昔見た駅前を連想させます。
懐かしい光景と違うのは......
鳥の頭を持った人のような生き物が飛んでいる事。
大きなツノを生やした人型の生き物が笑っている事。
狐のお面をかぶり楽しそうに弦楽器を弾く生き物がいる事。
たくさんの体毛を生やしたゴリラみたいな生き物がそれに合わせて歌っている事。
噴水から続く石畳の道を辿って見ると家々が肩を寄せ合い立ち並んでいる。
石でできた簡素な家。
木でできたログハウス。
大きなツリーハウス。
統一感のないが奇妙な一体感がある町並みがそこにはありました。
(゚、゚;トソン「これは......」
('∀`)「......」
ドクオさんは心なしか楽しそうです。
412
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:26:08 ID:.KywFxjw0
この時代に人間は居ないという事は分かっていました。予想もしていました......
だけど。
改めて見ることによって思い知らされました。
今私のいる新時代は......
いえ。
413
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:27:05 ID:.KywFxjw0
この世界は......
既に......
414
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:27:47 ID:.KywFxjw0
この世界は既に征服されていたようです(゚、゚トソン
.
415
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:28:40 ID:.KywFxjw0
............
いやいやいや!まだ人間が一人残っているじゃないですか!
私のこの命が尽きるまで。
この世界で起こったことを解明してみますよ!
そのためには......
(゚、゚トソン「まずは食堂を探しますか。」
('A`)「宿が先だよ......」
416
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:29:45 ID:.KywFxjw0
8話 新時代的新世界 〜おわり〜
.
417
:
名も無きAAのようです
:2015/07/30(木) 21:32:18 ID:cVtXeRIY0
おつ!
風死ワロタ
418
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:32:29 ID:.KywFxjw0
以上です。
これでこの作品の1部は終わりです。
多分5部か6部くらいの作品になるかと思います。
ただ、久しぶりの投下で誤字脱字糞改行が酷く一度スレを削除してやり直すかもしれません。
感想質問等あればよろしくお願いします。
419
:
名も無きAAのようです
:2015/07/30(木) 21:34:54 ID:7SPIr5Ew0
乙
>>373
簡単に割れる(あるいは既に割られてる)トリップ使ってると簡単に成りすまされるから変えた方が良いっていう警告的な意味を込めて書き込んだ
成りすます奴がいなかったらそれも迷惑行為だろって言われたら反論できん
420
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:35:36 ID:.KywFxjw0
(今回はミスが無くて良かった)
421
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/30(木) 21:36:57 ID:.KywFxjw0
>>419
酉ってそんなに簡単に割れてしまうんですね。助かりました。ありがとうございます。
422
:
名も無きAAのようです
:2015/07/30(木) 22:03:53 ID:Mm3v81fQ0
酉を使うときはその酉で検索かけるといい、ひらがなカタカナ四文字まではほぼ全て割れてるといっていい
423
:
名も無きAAのようです
:2015/07/30(木) 23:06:39 ID:WlQY93ww0
つか反映されるのは最初四文字だけ これ豆な
乙いいねいいね
424
:
名も無きAAのようです
:2015/07/30(木) 23:12:44 ID:XkRsq0AM0
乙!
バールワロタ
425
:
名も無きAAのようです
:2015/07/31(金) 01:07:50 ID:pLgXMAuM0
エクスカリバールやんけ 乙
426
:
名も無きAAのようです
:2015/07/31(金) 09:25:35 ID:jNGlp4zo0
いやぁ好きだなぁこの世界。
まだまだ続くと思うと嬉しい!
にしてもバールww
>>423
そうそう、半角英数だと8文字まで反映されるけど日本語だと4文字までなんだよな
427
:
名も無きAAのようです
:2015/07/31(金) 11:21:40 ID:8MQ80KYA0
皆バール好きすぎでしょ。それにしてもこの世界観とても素敵だ。伏線残したまま完結かと思ったけれどまだ続くのはすごく嬉しい。
第一部すごく綺麗に終わってて良かった。
あとフォックス広場に紛れ込んでてワロタ。
428
:
◆75HDnYo/hM
:2015/07/31(金) 18:46:17 ID:Bqi5xqLI0
感想ありがとうございます。皆バールそんなに好きなのか......
例によって百物語を書くので次の投下は遅れます。
429
:
名も無きAAのようです
:2015/08/01(土) 11:39:19 ID:MYg8jIZ20
バールは男の浪漫だよ。
綺麗にまとめる話得意でしょ作者。
すごく良かった。乙乙
430
:
名も無きAAのようです
:2015/08/01(土) 14:03:24 ID:lE1CaYX60
一人称がコロコロ変わるのがちょっぴりややこしいかなって思った
自分の読解力不足もあるけどね
431
:
名も無きAAのようです
:2015/08/16(日) 22:35:57 ID:mUyyGrfo0
続きこないなぁ
待ってるゾ!
432
:
名も無きAAのようです
:2015/08/19(水) 00:56:33 ID:1UgY9fiA0
もう祭りも終わった 期待してるからゆっくり急いで書いてくれ
433
:
名も無きAAのようです
:2015/08/19(水) 01:10:48 ID:L86JwLKM0
ああ。急かすつもりは全く無いがなる早でな
434
:
名も無きAAのようです
:2015/08/20(木) 20:19:36 ID:4TcOCuEQ0
続き......続き......
435
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/08/24(月) 20:03:48 ID:SjRD6.HA0
いまさらですが
>>102
書き込みミス
>>295
書き込みミス
あと同じ文が続いているところは大体書き込みミスです。
まさか期待してくれる人がいたとは......ありがとうございます。
現在仕事が立て込んでいて次の投下は少し遅れてしまいそうです。
こんな拙い文ですが沢山の入れたいシーンとどうしても書きたいエンディングがあるので
余程のことが無い限り逃亡はしません。
もうしばらくお待ちください。
436
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/08/24(月) 20:06:23 ID:SjRD6.HA0
あれ、酉が変わってる。
一応本人ですので。
437
:
名も無きAAのようです
:2015/08/26(水) 05:23:12 ID:6JgOvztU0
>>436
それだけだとちょっと信用できないから、twitterか何かでこの酉が本人ですよーって告知してくれないか
続き期待してる
438
:
名も無きAAのようです
:2015/08/26(水) 09:28:00 ID:bWLut4kI0
>>437
そんなに疑わなくてもよくね?
439
:
名も無きAAのようです
:2015/08/26(水) 10:36:49 ID:E6iPuOZU0
まあ信用はあんまりできないけどね
来たらいいなくらいの心構えでいれば
440
:
名も無きAAのようです
:2015/08/26(水) 13:31:56 ID:PGR.QeoA0
なんでネガティブな事ばっか言うかなー
441
:
名も無きAAのようです
:2015/08/26(水) 13:36:52 ID:RcSCbwas0
最近荒れてるから仕方ないっちゃ仕方ない
そこにつけこまれて荒らされるのだけは勘弁だが
何にせよ期待してるぞ、作者
442
:
名も無きAAのようです
:2015/08/28(金) 21:15:20 ID:R/Y5TXVA0
生存報告来てたか
楽しみにしてるぞー
443
:
名も無きAAのようです
:2015/08/31(月) 16:17:34 ID:3ogljQ9E0
面白かった続きはよ
444
:
名も無きAAのようです
:2015/09/10(木) 21:54:19 ID:IjwJliTE0
まだ〜?(^_^)/□☆□\(^_^)
445
:
名も無きAAのようです
:2015/09/13(日) 16:40:25 ID:mw/Z4ua60
追いついた乙
446
:
名も無きAAのようです
:2015/10/07(水) 22:49:19 ID:lYTT7Kmo0
>>430
分かる
447
:
名も無きAAのようです
:2015/10/14(水) 20:55:50 ID:SUXB/.Ok0
作者!
待っとるぞー!
448
:
名も無きAAのようです
:2015/11/07(土) 18:58:27 ID:M9rF1f160
続きまだかな〜
449
:
名も無きAAのようです
:2015/11/17(火) 03:23:59 ID:iA9ddLXg0
このスレを見付けて寝不足になってしまった…
続き楽しみにしてる
450
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 20:50:10 ID:oAHzRbHI0
皆さん感想ありがとうございます。少し時間が取れたので投下したいと思います。
この物語は
1「」を使った会話
2地の文
3地の文に似た紛らわしい心の声
でお送りしています。
読みにくいかもしれませんが()を使うのがあまり好きではないのでどうかご容赦を。
できるだけ読みやすくレスを区切って書いていきたいと思います。
一人称は1つの段落の始めが人の名前。その後が彼、彼女と使っていましたが書いていくうちにごちゃごちゃになっていたようなので次から統一します。
ご意見ありがとうございました。
451
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:01:26 ID:oAHzRbHI0
かーちゃんはドクオと同じ様に大切な人の旅立ちをいつまでも見続けていた。
J( 'ー`)し「あの子。大丈夫かしら......」
見送りを中断させたのは数年前に引っ越してきた噂好きの若いモグラの奥さんだった。
「かーちゃんさん!村長の娘さんが見つかったかったらしいわよ!」
数日前からモグラの村は村長の娘が行方不明になった事でもちきりだった。
J( 'ー`)し「!......本当かい?」
引きこもりがちだった村の英雄の息子が傷だらけの女性を運んで来た。
本来なら小さな村の大きなイベントになるはずだった。
しかし集落を大切にするモグラの村では村長の娘の捜索を優先させていた。
J( 'ー`)し「どこで見つかったの?」
「それが......」
---------------------------------------------------------
.
452
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:04:38 ID:oAHzRbHI0
普段生き物が集まることのない村の裏の森に沢山のモグラ族が集まっていた。
こんなにもモグラ族が集まるのは年一度の祭くらいだろう。
しかし今日は祭りの時とは違い、とても静かな集まりだった。
ある者は目を覆い、ある者は口を抑え、またある者は泣き崩れていた。
.
453
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:07:01 ID:oAHzRbHI0
辺りにはどす黒く変色した赤土。
既に黒くなった血液がいたるところに飛び散っている。
その中心に横たわるモグラ族の少女の胸にはナイフが深く刺さっていた。
絶望にまみれた死に顔はこの世の全てを呪っているかの様だった。
J( 'ー`)し「こんなことって......」
モグラの村を覆っていた暗雲はじわり、じわりと息子達の足跡を辿っていく。
---------------------------------------------------------
.
454
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:09:52 ID:oAHzRbHI0
この世界は既に征服されていたようです(゚、゚トソン
ttp://imefix.info/20151208/241212/
455
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:11:41 ID:oAHzRbHI0
(゚、゚トソン「それにしても凄く賑わっていますね。他の町もこんな感じなのでしょうか?」
('A`)「元引きこもりにそれ聞く?」
(゚、゚;トソン「そ、そうでしたね。これから一緒に色々見ていきましょう。」
家と呼ばれる様々な種類の建物を寄せ集めてくっつけた不思議な町並み。
トソンはその中の1つのツリーハウスをまじましと見つめていた。
(゚、゚;トソン「改めて近くで見ると手作り感満載ですね。どうやって作るんですかこんなの。」
('A`)「集めてきた材料を飛んだり、もぐったり、糸吐いたりして組み立てて作るよ。」
(゚、゚トソン「人間の頭では即座に理解できませんねそれ。」
456
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:12:45 ID:oAHzRbHI0
広場に近づくにつれて喧騒が大きくなる。
しかし喧騒に近づけば近づくほど声量が身を潜めていった。
ひそ、ひそ、ひそひそ......
(゚、゚トソン「私達なにか見られてませんか?」
('A`;)「ト、トソン!」
ドクオは勢いよくトソンの服を引っ張ると走り出した。
457
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:14:06 ID:oAHzRbHI0
(゚、゚;トソン「わわわ、どうしました?」
('A`)「多分魔法使いだと思われてるから離れよう。」
(゚、゚;トソン「あ......」
2人はできるだけ人目に付かない路地へ滑り込んだ。
458
:
名も無きAAのようです
:2015/12/08(火) 21:14:47 ID:zYDkfnAE0
おお!待ってたぜ!!
459
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:15:55 ID:oAHzRbHI0
【魔法使い】
肌の色が白く
血液が白く
人間にかなり近い外見をした生き物
その性格は皆一様に利己的で残虐
それぞれ好みを持っており、それを手に入れるためならどんな手段でも使う
しかし好みを手に入れるためには『交換』と言う手段を用いなければならない
利己的な性格故、彼らは交換を望んでいない相手に言葉巧みに物を与え、対価として強制的に自分の好みを奪う。
460
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:17:03 ID:oAHzRbHI0
そうでした。人間は魔法使いに似ているんでしたね。
広い視野でこの街を見れないのは残念ですが仕方がありません。
(゚、゚トソン「これならばれないでしょう......」スッ
トソンは人目を避けるためフードを被った。
('A`;)「あ、怪しいよ。」
(゚、゚トソン「気を取り直して街を探索しましょう。」キラキラ
('A`;)「......うん、トソンがそれでいいならいいよ。」
461
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:19:01 ID:oAHzRbHI0
冷静になったかと思いきやトソンの瞳は子供の様にキラキラと輝いていた。
そして何事も無かったかのように生き物の波に混ざり、その様子を横目で眺めることを再開した。
(゚、゚*トソン「......やっぱりこの世界は凄い。」
本当に様々な種類の生き物がいますね。
自分より小さい生き物。
はるかに大きい生き物。
毛深い生き物。
人間みたいに毛の少ない生き物。
翼が生えている生き物や虫の様な生き物。
手を繋いだ全く種の違う男女の生き物。
言語も共通なようですし、皆自知性を持っており雑談を楽しんでいるとは......
不思議な感覚です。
見た目が違うのに此処まで平等に生きているなんて。
私の時代では信じられません。
もしかしたらここはとても素敵な世界かもしれません。
462
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:20:01 ID:oAHzRbHI0
きょろきょろふらふらと後をついてくるフードの生き物。
先導しながらトソンを伺うドクオはため息をこぼした。
('A`)「やっぱりめっちゃ怪しいよトソン......」
463
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:20:59 ID:oAHzRbHI0
次の瞬間。
ドンッ
「あいたあああああああ!!!」
トソンにぶつかった生き物が派手に転ぶ。
('A`;)「あー、何やってるの。また尻餅ついて。」
咄嗟の衝撃にトソンのフードがはだけた。
(゚、゚;トソン「いてて、あ、し、失礼しました。沢山生き物がいたので浮かれてしまって......」
「いやいや、こちらこそ。前を見ていませんでした。」
('A`;)「大丈夫ですか?」
(゚、゚トソン「あ......」
「いたた、最近はケモノによくぶつかりますねえ......」
('A`)「あれ?」
464
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:22:40 ID:oAHzRbHI0
「おや?」
キツネの仮面。背負った弦楽器。ふさふさとしたつい触りたくなるような尻尾。
爪'ー`) 「おやおやおや?また会えましたねトソンさん、ドクオさんも。」
以前焦土の町で出会った男性が服に付いた砂をはらっていた。
('∀`)「フォクス!こんにちは。」
爪'ー`)「お元気そうで何よりです。トソンさんも無事目が覚めましたか。 」
(゚、゚トソン「ええ!紳士さん(笑)もお元気そうで何よりです!」
('A`;)「......」
爪;'ー`)「......私何か気に障るようなことしましたっけ?」
('A`)「やっぱりあの時噛み千切られるような事したんじゃない?」
爪;'ー`)「してませんよ......」
(゚、゚トソン「半分冗談ですよ。」
爪;'ー`)「そうですか、それは良かった......え、半分?」
何かこの人は不思議とからかいたくなるような変態性を秘めていますね。
465
:
名も無きAAのようです
:2015/12/08(火) 21:23:32 ID:oKwUhNIA0
支援
466
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:23:39 ID:oAHzRbHI0
爪;'ー`)「ま、まあいいです。そんなに元気になってくれたなら、私も頑張って薬草を集めた甲斐がありました。」
(゚、゚;トソン「わ......え、そうだったんですか?」
('A`)「うん、手伝ってもらったんだ。」
(゚、゚;トソン「そ、そうとは知らずに失礼を。」
爪'ー`)「命の恩人は深く傷つきました。」
(゚、゚;トソン「う......」
爪'ー`)「......病床で寝顔じっくり見れたんでそれで手打ちにしましょう。」
('A`)「......」
(゚、゚トソン「......」
爪'ー`)「......」
(゚、゚#トソン「......貴様」スチャ
爪;'ー`)「......じ、冗談ですよ。その物騒な物に手をかけるのを止めて下さい。」
('A`)「仲いいね2人とも。」
ドクオはこの雰囲気を壊さないように静かにトソンのフードを頭に戻した。
467
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:25:03 ID:oAHzRbHI0
爪'ー`)「ふむ......ドクオさんはトソンさんに付いて行く事にしたんですか。旅はとても良い物です。良き経験になるといいですね。」
('A`)「......」コクコク
爪'ー`)「それにしてもあんなケダモノよく撃退できましたねえ。」
(゚、゚トソン「ケダモノ?」
ドクオが服の袖を引っ張る。
468
:
名も無きAAのようです
:2015/12/08(火) 21:31:27 ID:gjGuWI8Q0
きたー!!(゚∀゚ 三 ゚∀゚)支援!!
469
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:34:03 ID:oAHzRbHI0
(゚、゚トソン「ん?どうしましたドクオさん。」
それに合わせて身を屈めると彼は耳打ちする。
('A`)「笑い犬の事だよ。俺たちみたいに集落を作って生活するのがケモノ。無差別に俺らを食べる言葉が通じないのがケダモノ。」
(゚、゚;トソン「あの、それもっと早く教えてくださいよ......」
とても大切な情報じゃないですか。
言葉......?あれ......でも......
('A`;)「言うの忘れてた、ごめん。」
470
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:35:31 ID:oAHzRbHI0
爪'ー`)「......トソンさん?」
(゚、゚;トソン「え、ええ。でも私死にかけましたけれどね。 」
爪'ー`)「ははは、そうでしたね。まあ私だったらさっくり殺されてましたよ。」
へらへらと笑っているのだろうがその表情はやはり仮面に阻まれて読み取れない。
('A`)「あの、村に雨を降らせてくれてありがとう......お礼言えてなかった。」
爪'ー`)「いえいえ、ちょっと疲れましたがお安いご用ですよ。」
(゚、゚トソン「そういえばあの時もひどく疲れていましたね。」
爪'ー`)「そうですね。でも、何かを得るためには何かを捨てなければいけないものですよ。それで世界はバランスがとれているのです。」
471
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:38:30 ID:oAHzRbHI0
(-、-;トソン「ええと???」
爪'ー`)「おっと、ふふふ、ではまた機会があれば会いましょう。」
(゚、゚;トソン「えっ!いや、あのっ!」
ひらりと尻尾を翻し町の中心へと溶けていった。
(゚、゚;トソン「はぐらかされちゃいました......」
('A`)「???」
(゚、゚トソン「いえ、なんでもないです......まずは宿でしたね。」
472
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:41:27 ID:oAHzRbHI0
('A`)「そういえばダイさんが今はこっちで宿屋やってるってかーちゃんが言ってたよ。」
(゚、゚トソン「ダイさん?ああ、ドクオさんの村に以前住んでた人でしたっけ。」
('A`)「うん。昔から村に住んでて小さい頃よく遊んでもらったんだ。」
(゚、゚トソン「近所の優しいお兄さんって感じですね。」
('A`)「お姉さんだよ。最近急にふらっといなくなったと思ったらいつの間にかこの町に住んで宿屋をしてるみたい。」
(゚、゚トソン「そうなんですか。」
('A`)「昔からよくわかんないケモノだけれど優しいよ。だからまずはその宿に寄りたいんだけど良いかな?」
(゚、゚トソン「ええ、案内をよろしくお願いします。」
('A`)「うん。かーちゃんから聞いた話だとこっちに......」
トソンは懲りずに行き交うケモノに目移りしつつも、ドクオからはぐれないように付いていった。
473
:
名も無きAAのようです
:2015/12/08(火) 21:41:28 ID:f.KzQoHY0
支援だ
474
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:45:32 ID:oAHzRbHI0
先ほどのフォックスさんのセリフはどういう意味だったのでしょうか?
何かを得た?捨てた?バランス?
さらに引っかかるのがケモノとケダモノ。
言葉が通じるのがケモノ?ケダモノ?
思考の波がひいては寄せてと脳を乱す。
一度気になってしまうと考え込んでしまうのが厄介な癖です......
分かってはいるのですがなかなか治りませんね。
ええと、なんでしたっけ。
ああ、そうです!私達が遭遇したあれは......
475
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:46:48 ID:oAHzRbHI0
......
(゚、゚トソン「......」グー
大きな腹の虫がなくと共に思考の波が不規則に衝突し始める。
ダメですね。お腹が空きました。
(゚、゚トソン「まだですか......」
('A`)「もうちょい。」
しばらくケモノの波に逆らって歩くとその数がだんだんと減っていった。
(゚、゚トソン「大通りはお祭りでもやっているみたいでしたね。」
('A`)「ね。俺はこれくらい静かな方が落ち着くなあ。」
ぐねぐねと不規則な曲がり角をいくつか曲がる。
('A`)「あ、ここだ。」
(゚、゚トソン「つきましたか。」
476
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:48:49 ID:oAHzRbHI0
田舎の民宿のような木でできた温かみのある建物はどこか懐かしさを覚えた。
ドクオはがたがたと建て付けの悪そうな横開きの扉を開けた。
('A`)「こんにちはー。」
……
……
('A`)「ごめん下さーい。」
……
……
('A`)「いないのかな。」
(゚、゚トソン「いないみたいですね。」
さらに少しの沈黙の後、がたっと物音が鳴り足音が近づく。
/ ゚、。 /「む......いらっしゃい......ませ......」
('∀`)「ダイさん!久しぶりドクオだよ!」
/ ゚、。 / 「あ......ドクオ?......こんにちは。」
477
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:51:57 ID:oAHzRbHI0
すらりと高い身長。
ピンと空へと張った鋭い耳。
長い尻尾が静かに揺れる。
猫の様なケモノの女性が出迎えた
(゚、゚トソン「おお、綺麗な方ですね。」
ゆっくりと長い手がドクオへ伸びる。
('A`;)「がっ......」
突然頭を掴まれびくりとドクオが震える。
/ ゚、。 / 「ふ......ふふふふ......もふもふ......ふふふ......」
ダイさんと呼ばれた女性はその手を引き寄せわしゃわしゃとドクオの頭を撫で回す。
('A`;)「わ!や、やめて!もう子供じゃないんだよ。」
(゚、゚トソン「......」
あらあら、嫌がっていても顔がにやついてますよドクオさん。
478
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:53:13 ID:oAHzRbHI0
/ ゚、。 /「ふふ......ふふふふふふ......ふふふふふふふふ......」
顔がにやつ......あれ、引きつってますねこれ。
('A`;)「トソン......助け........」
(゚、゚;トソン「えっと......」
/ ゚、。 /ふふふふふもふ......ふふふもふもふ......」
(゚、゚;トソン「あの.......よろしいでしょうか?」
彼女は手を止める。
/ ゚、。 /「む......君は?」
(゚、゚トソン「トソンと申します。」
/ ゚、。 /「トソン......はて?」
トソンはすっと首元のひもを解き、ゆっくりとフードを外す。
栗色のつやつやした髪がふわっと広がった。
479
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:54:19 ID:oAHzRbHI0
(゚、゚;トソン「あの、どうか驚かないでください。こんな見た目ですが私は魔法使いなんかではないので、その......安全?なはずです。」
ドクオはがっちりと固定された手の中からぼさぼさの毛並のまま這い出して声を荒らげた。
('A`;)「そ、そうだよダイさん!トソンは魔法使いに似てるけれど別の生き物なんだ!」
/ ゚、。 /「......そう......ですか。」
緑色の瞳がじっとトソンを見つめる。
480
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:56:09 ID:oAHzRbHI0
/ ゚、。 /「あなたの名前は......トソ......ン......トソン......よろしくお願いします......」
不思議な表情をしていました。
/ ゚、。 /「......」ジー
うまく言い表せませんが、懐かしむような、喜んでいるような悲しんでいるような?
そんな表情をしていました。
/ ゚、。 /「......」ジー
(゚、゚;トソン「......」
すごく見られています。
数秒後先に視線を外したのは緑色の瞳だった。
/ ゚、。 /「部屋は全部空いてるから......好きに使って......」
最後にそれだけを告げると元いた部屋へと戻っていく。
取り残された2人。
481
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:57:30 ID:oAHzRbHI0
(゚、゚;トソン「よ、よかった。驚かれませんでしたね。」ホッ
('A`;)「ね。俺だったら魔法使いが家に入ってきたら多分気絶する。」
(゚、゚トソン「とりあえず許可ももらえましたし部屋でこの後の事を考えましょう。」
2人は一番近い部屋に入り荷物をおろしベットに腰を掛けた。
部屋の中には2つのベッドと個室の浴室のみ。
質素だけれど広々としていて木の良い香りがした。
(-、-トソン「はあ、屋根のある部屋って素晴らしい。」
('A`)「穴倉の中にも屋根はあるよ?」
(-、-トソン「それは......天井と言いますか地面と言いますか......私の求めているものとは違います。」
('A`)「えー......」
482
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 21:58:36 ID:oAHzRbHI0
(゚、゚トソン「あっ!そうです。聞きたい事があるんです。」
('A`)「どうしたの?」
(゚、゚トソン「さっき言ってたケモノとケダモノの話なんですが。」
('A`)「うん。」
(゚、゚トソン「ドクオさんはケモノですよね?」
('A`)「ケモノのモグラ族だよ。」
(゚、゚トソン「笑い犬は?」
('A`)「ケダモノ。笑い犬ってのはその笑い声から取ったんじゃないかな?」
(゚、゚トソン「では言葉が通じるケダモノは何というのですか?」
('A`;)「そんなのいないよ。だから皆ケダモノって呼ぶんだよ」
(゚、゚トソン「でも......あの笑い犬は......言葉が通じていましたよ?」
483
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:00:47 ID:oAHzRbHI0
('A`;)「え?そうだっけ?怖過ぎて覚えてないや。でもケモノはケモノを食べる事なんてないし......」
ぐうううううう
先ほどよりも大きな腹の虫が泣く。
(-、-トソン「あ、ダメです......これ以上頭が動きません。」
('A`;)「あ、そうだった。ご、ご飯はどうする?」
(-、-トソン「どうしましょうか......もうお腹ぺこぺこです。」
484
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:02:54 ID:oAHzRbHI0
トントン
ノックの音の後がらがらと扉が開き、にょっきりと顔が覗く。
/ ゚、。 /「......2人とも友達だから部屋は勝手に使っていいけど......私......ご飯は作れないから......どこかで食べてきて......」
(゚、゚;トソン「う......死の宣告です。わかりました。」
('A`)「そうだ!ダイさん、のーちゃんさんのお店知ってる?」
/ ゚、。 /「かーちゃんの......妹ね?良い装飾品を作るために旅に出たらしい......最近会っていない......寂しい。」
('A`;)「そっか、ありがとう!でも、この町で頼れる人がいなくなっちゃった。」
/ ゚、。 /「力になれなくてごめんね......他に何かあったら......何でも言って......」
再び元の部屋へと彼女は消える。
485
:
名も無きAAのようです
:2015/12/08(火) 22:03:10 ID:qRVz/zuo0
嬉しいな
ちょうど今日昼間読み返してたんだよ
486
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:05:01 ID:oAHzRbHI0
(-、-*トソン「ふふふ、友達と言われてしまいました。」
('A`)「よかったね。」
(゚、゚トソン「また友達が増えてしまいましたね。また夜にでも話しかけてみましょう。」
('A`)「そうだね。」ぐー
(゚、゚トソン「ドクオさんもお腹が空きましたか。早くご飯......を......あれ?」
('A`)「今日はまだ何も食べてないしね。」
(-、-;トソン「あの、ドクオさん?とても大変なことに気が付いてしまいました。」
('A`)「ん?」
(゚、゚;トソン「どうやってご飯食べれば良いのですか?」
('A`)「え?急にどうしたの?食堂?」
(゚、゚;トソン「そうではなくてですね、あの......ううむ。」
('A`)「え、何々?」
487
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:06:39 ID:oAHzRbHI0
(゚、゚;トソン「物とかサービス。ええと、例えばご飯だったり宿泊だったりをするときにお礼に交換するものってあるんですか?」
('A`;)「えーと?」
(゚、゚;トソン「その、食べ物を作るのは大変じゃないですか。それを無料でもらうだけだと作った人に申し訳ないです。だから、ええと、うーん。」
('A`)「......カネ?」
(゚、゚*トソン「そう!伝わりました!金です!この時代にもあるんですね。」
('A`)「うん。そこらへんの穴掘るとボロボロなやつが結構出てくるよ。俺の住んでたところは田舎だったから物々交換ばっかりだったけれど、これくらいの大きな町だと皆金を使っ......て......」
(゚、゚トソン「......」
('A`)「......カネ持ってないね俺たち。」
(゚、゚トソン「ええ......」
('A`)「お腹すいたね。」
(゚、゚トソン「ええ......」
('A`)「仕事も探せばあるだろうけれど、働き終わる前にトソンは餓死しそう。」
(゚、゚トソン「ええ......」
('A`)「......虫食べる?」
(゚、゚;トソン「......引っ叩きますよ。」
('A`)「......ごめん。」
(゚、゚トソン「わたしたちのぼうけんはここでおわってしまった。」
('A`;)「不吉なこと言ってないで外出ようよ。」
(-、-トソン「行動しない事には何も解決しませんもんね。」
('∀`)「うん!」
488
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:07:47 ID:oAHzRbHI0
と、思いながら外を歩き回ってみたものの......
(゚、゚;トソン「くっ......」
辺りに漂う食堂らしき建物から漂う美味しそうな良い香りに足取りが重くなる。
(゚、゚トソン「いっその事町の外に出て木の実でも食べましょうか。」
('A`)「美味しいものが食べたい......」
少しずつ町の中心に近づくと威勢の良い掛け声が耳に入った。
「誰でも参加できるよー!」
「3人勝ち抜くと賞金としてカネ一袋とこの村の特産品の木の実一袋だ!」
(゚、゚トソン「あれはなんでしょうか?」
('A`;)「あ、トソン待って。」
489
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:09:31 ID:oAHzRbHI0
木の実という単語に反応して人集りに近寄る。
するとそこには沢山のケモノが密集して壁になっていた。
(゚、゚トソン「見えません......」
('A`)「何だろねこれ。」
壁の先が気になってぴょんぴょんと飛び跳ねる。
見えたのは木でできた広い円形の柵。
(゚、゚トソン「木の柵?何のお祭りでしょうか?」ピョンピョン
その後何度か飛んでかろうじで見えたのはその木の柵の中で佇む1人の女性。
心臓がちくりと痛む。
それがどうしても気になりケモノの壁を掻き分けて進む。
490
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:10:18 ID:oAHzRbHI0
('A`;)「ちょ......トソンどこ行くの?」
だんだんとドクオの声が小さくなる。
(゚、゚;トソン「あ、ここまでくればよく見え......」
柵の中の女性の頭程度ならジャンプせずに見える位置。
突如大きく吹いた風がうつむいた女性の髪を持ち上げた。
(゚、゚;トソン「えっ!」
491
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:11:01 ID:oAHzRbHI0
ドクン
トソンは急に走り出した。
壁を押しのけ進む。
ドクン
('A`;)「トソン!何処行ったの!」
友達の必死な声が更に遠ざかる。
492
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:12:04 ID:oAHzRbHI0
(゚、゚;トソン「ぐ......どいて下さい!」
トソンの必死な形相を見て周りのケモノは道を開ける。
そんなはずは......
ドクン
そんなはずはないです。
ドクン
心臓が何かを私に訴えかけている。
足が言う事を聞いてくれない。
ドクン
(゚、゚;トソン「どわっ!」
ケモノの壁が全て消えた瞬間、木の柵にぶつかり柔らかな土の中へごろごろと転がり込む。
(゚、-;トソン「あてて......」
493
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:13:01 ID:oAHzRbHI0
目の前には木の棒を杖にして肩で息をする女性の姿。
.
494
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:13:57 ID:oAHzRbHI0
「おおっ!次の挑戦者かー?」
ケモノの壁の中から一際大きな声が響く。
「現在2勝中の彼女に挑む怪しさ満点の挑戦者の登場だあああああ!!!」
(゚、゚;トソン「え?挑戦者?いえ、違......私は......ッ!そんなことより!」
495
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:15:15 ID:oAHzRbHI0
この時代で強く生き抜いてみせると誓ったばかりなのに......
どうして目の前の女性にこんなにも動揺してしまうのだろう。
.
496
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:17:06 ID:oAHzRbHI0
(゚、゚;トソン「あのっ!あなたはっ!」
すがる様に彼女へ言葉を投げかける。
その姿が改めて目に入る。
緑色の髪。
力強くしなやかな鳥の脚。
木の棒を杖にしている腕は肩の付け根から手首まで白い羽根が生えていた。
辛そうにしているが木の棒を握る人間と同じ手は力強い。
人と鳥が混ざったような生き物。
497
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:18:41 ID:oAHzRbHI0
ふらふらと立ち上がりキっと顔を上げた女性と目が合う。
ドクン
心臓が大きく跳ね上がる。
ぴょこんと跳ねたアホ毛。
人懐っこそうな瞳。
(゚、゚;トソン「私です!トソンです!あなたはもしかして......!」
彼女の姿勢が徐々に低くなる。
498
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:20:27 ID:oAHzRbHI0
彼女は羽なんて生えていない。
彼女の足は鳥の足ではない。
彼女は緑色の髪ではない。
でも......
.
499
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:21:52 ID:oAHzRbHI0
(゚、゚トソン「ミセリ......?」
.
500
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:23:00 ID:oAHzRbHI0
「3人目......」
ぼそりと女性は呟いた。
そして
トソンへ向かって導火線に点火された火の如く走り出した。
501
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:24:05 ID:oAHzRbHI0
9話 新近代的再開? 〜おわり〜
.
502
:
名も無きAAのようです
:2015/12/08(火) 22:31:24 ID:kmMEyYu20
乙!続き読みたかったんだ。
>>454
の絵もいいね!
503
:
◆uYz2yuhtJ6
:2015/12/08(火) 22:37:17 ID:oAHzRbHI0
支援と感想ありがとうございます。
次は年明け頃に投下できるかと思います。
この話の書き貯めがあと4話
以前書いたシナーの短編の続きが3話
忙しくて推敲する時間と投下する時間がなかなか取れません......
完結まで長い目で見てくれると幸いです。
504
:
名も無きAAのようです
:2015/12/08(火) 22:42:23 ID:W/L27xeg0
乙!
シナーの短編の続きも見れるとは嬉しい
505
:
名も無きAAのようです
:2015/12/08(火) 23:48:23 ID:GUt7UG3E0
うおおおおお来たああああー!!
嬉しい。
似てる人と戦うのつらいな……次も楽しみにしてる
506
:
名も無きAAのようです
:2015/12/09(水) 02:55:29 ID:didwVFew0
投下乙
507
:
名も無きAAのようです
:2015/12/09(水) 06:24:51 ID:A1FfwmYw0
乙!
508
:
名も無きAAのようです
:2015/12/09(水) 10:19:06 ID:7Ha22Ar60
こんなに良いスレ見逃していたとは
乙!面白かったシナーの方も読んでみたいな
509
:
名も無きAAのようです
:2015/12/09(水) 12:09:01 ID:iESoBGXo0
おかえり〜
510
:
名も無きAAのようです
:2015/12/15(火) 20:50:16 ID:Qyy3tCZA0
おつ!
今日はじめて読んでみたんだけどタイトルで近代的SFだと思って敬遠した前の自分を殴りたい
サブタイは友との再会じゃなく冒険の再開って意味なのかな?
511
:
名も無きAAのようです
:2015/12/20(日) 22:10:59 ID:NLOwOtUM0
年明けが楽しみだ
512
:
名も無きAAのようです
:2016/01/20(水) 22:50:59 ID:YwWROy1w0
待ってるぜ〜
513
:
名も無きAAのようです
:2016/01/27(水) 22:40:45 ID:u8sj7pb20
私待つわ
514
:
名も無きAAのようです
:2016/01/28(木) 13:55:22 ID:jB2vGb7o0
いつまでも
515
:
名も無きAAのようです
:2016/01/28(木) 14:14:19 ID:..llwTEc0
まーつーこ
516
:
名も無きAAのようです
:2016/01/28(木) 15:54:20 ID:PM..djcM0
たとうありよしが
517
:
名も無きAAのようです
:2016/03/09(水) 09:37:25 ID:qdrtk9Dw0
待ってるぞ〜
518
:
名も無きAAのようです
:2017/07/07(金) 07:40:05 ID:XyxKwxdI0
待ってる
519
:
名も無きAAのようです
:2017/07/07(金) 17:05:11 ID:aoOm13PY0
俺も待ってる
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板