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( ^ω^)達はアインクラッドを生きるようです。
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立ったら投下がある。
-
支援
-
次の日の朝。
同じ宿に泊まった三人は宿の隣の店で朝食をとっていた。
(`・ω・´)「二人はこれからどうするんだ?」
朝食といっても硬いパンを二つと、
謎の飲み物である。
( ゚д゚ )
(´・_ゝ・`)
シャキンの問いかけに答えられず、
顔を見合わせる二人。
(`・ω・´)「?二人はこれからどうするんだ?」
( ゚д゚ )「あ〜。まだ決めてない」
(´・_ゝ・`)「おれもだ」
(`・ω・´)「そっか。
おれは昨日話した弟と合流しようかと思う。
そっちはそっちで友達四人と一緒だから、
良ければ一緒に動いてみないか?」
( ゚д゚ )「え?」
(´・_ゝ・`)「で、でも」
(`・ω・´)「向こうは既に五人だからパーティーは組まないだろうけど、
何かしら一緒に行動するのはいいだろ」
(´・_ゝ・`)「五人なら、シャキンを入れればちょうど六人だろ?
それでパーティー組めばいいんじゃないか?」
(`・ω・´)「ずっと一緒だとあいつを甘やかしちまうからな」
( ゚д゚ )「(ブラコンだった)」
(´・_ゝ・`)「(ブラコンだった)」
.
-
追い付いた
支援
-
にやりと笑ったシャキンを見て、
同じことを考えた二人。
(`・ω・´)「どうだ?」
( ゚д゚ )「おれは……正直ありがたい」
(´・_ゝ・`)「おれもだ。ありがとう」
(`・ω・´)「何言ってんだ。
誘ったのはおれだぞ。
じゃあパーティーに誘うな。
えっと、こうしてこれで……。
お、ミルナの名前が出た。
どうだこれで!」
シャキンが独り言ちながら自分のウインドウを操作すると、
ミルナの目の前にシャキンからパーティーに誘われたウインドウが現れた。
( ゚д゚ )「よろしく頼む」
(`・ω・´)「よしよし。
じゃあこうしてこうすれば……。
よし、デミタス出た」
続いてデミタスの前に現れたウインドウ。
(´・_ゝ・`)「よろしく」
こうして三人は行動を共にすることとなった。
.
-
(´・_ゝ・`)「シャキン、聞いていいか?」
(`・ω・´)「ん?なにをだ?」
路地を歩く三人。
先頭を進むシャキンの後ろを、ミルナとデミタスが並んで歩く。
(´・_ゝ・`)「道、覚えてるのか?」
(`・ω・´)「ああ。はじまりの街は説明書にマップも載ってたしな」
( ゚д゚ )「え?あれを覚えてるのか?」
(`・ω・´)「?あれだけじゃないぞ?
こっちに来て中央広場に詳細な地図があったし、
通った場所は自動でマッピングされてるし」
(´・_ゝ・`)「でも今それを見てないよな?」
(`・ω・´)「黒鉄宮は昨日も行ったしな。
まぁ中央広場のそばだし、わかりやすいだろ」
(´・_ゝ・`)「はぁ……」
( ゚д゚ )「あの分厚い説明書も読んだのか?」
(`・ω・´)「さすがに二回は読まないとちゃんと覚えられなかったな」
(;゚д゚ )「覚えた!?」
(;´・_ゝ・`)「あれを!?」
(`・ω・´)「ん?ああ。
お、着いたぞ」
目の前には大きな広場。
茅場晶彦とその言葉を思い出し、顔をしかめるミルナとデミタス。
昨日の事であるはずなのに、なぜか遠い過去のような、
それでいてつきさっきの事のように脳裏に浮かぶ。
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来てるー!!
-
(`・ω・´)「ん?どうした?」
足を止めた二人を不思議そうに見るシャキン。
(`・ω・´)「黒鉄宮に行くぞー」
自分たちが感じているような感覚を全く持っていないように見えるシャキンを、
二人は少しだけ羨ましく感じていた。
黒鉄宮につくと、シャキンは入り口付近を見渡せることができ、
なおかつ隠れることのできる場所を探した。
( ゚д゚ )「何故隠れる?」
(`・ω・´)「突然現れて驚かそうと思って」
(´・_ゝ・`)「待ち合わせをしてるんだろ?」
そしてうまいことそんな場所を見つけると、
二人とともに隠れた。
(`・ω・´)「いや、してない」
( ゚д゚ )「は?」
(´・_ゝ・`)「え、じゃあなんでここに?」
(`・ω・´)「いや、あいつの事だから来るだろうと思って」
( ゚д゚ )「いやいやいやいや」
(´・_ゝ・`)「さすがに無理だろそれは」
(`・ω・´)「んー。あいつの思考を考えると、
多分今日の朝ここに来ると思うんだよな。
友達と一緒に」
.
-
柱の陰に押し込まれ、二人に詰め寄られるシャキン。
( ゚д゚ )「この状況でそんな悠長なことを」
(´・_ゝ・`)「名前もわかってるんだろ?
そのショートメッセージってのなら、
名前さえわかればメッセージを送れるんだろ?
送ってみろよ」
(*`・ω・´)「もし間違ってたら恥ずかしいじゃないか」
(´・_ゝ・`)「今更そんなことで恥ずかしがるな」
( ゚д゚ )「……あ……れ?」
呆れる二人。
なんとかしてメッセージを送らせようと考えつつ、
ちらりと黒鉄宮を見たミルナの動きが止まった。
(´・_ゝ・`)「どうしたミルナ?」
( ゚д゚ )「シャキン、弟は顔が似てるのか?」
(*`・ω・´)「おれに似てかっこ可愛いぞ。
怒られるからあいつには言えないけど」
( ゚д゚ )「もしかして、彼か?」
(´・_ゝ・`)「なに!?」
慌ててデミタスがそれでもこっそりと柱の陰から顔を出す。
そしてその後ろからシャキンも続いた。
(´・ω・`)
川 ゚ -゚)
ξ゚⊿゚)ξ
(`・ω・´)「おっショボンだ」
.
-
リアルタイム記念
クリスマスに投下しなかったのは意地かリア充か…
-
(´・_ゝ・`)「ほんとに来やがった」
( ゚д゚ )「マジか」
振り返り、ニヤニヤとショボンを見ているシャキンを見る二人。
(`・ω・´)「あいつの事だから無茶はしていないと思ったが、
無事で何より。
けどドクオとブーンがいないな……。
あの三人がこの状況下で別行動をするとは考えにくいが……」
呟いている内容はまじめだが、
その顔はにやにやとした笑顔で正直気持ち悪いと二人は思った。
( ゚д゚ )「で、で、でだ。
出て行って声はかけないのか?」
(`・ω・´)「んー。ちょっと考える。
多分あいつ等も生命の碑を見に来たんだろうから、
そのあとおれも確認して……。
ミルナ、デミタス、どちらか頼まれてくれるか?」
( ゚д゚ )「何をだ?」
(`・ω・´)「生命の碑を見に行ってきてもらいたい。
そこで、『Boon』と『DOKUO』の名前を確認してきてほしい。
……線が引かれていたりはしないと思うが」
(´・_ゝ・`)?
(`・ω・´)「あいつ、『Shobon』は、その二人とこの世界に来たはずなんだ」
.
-
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
っと思って喜んだシャキンほ変人っぷりに泣けたwww
とはいえ能力てきにはさすがに(´・ω・`)と同族なんだな
-
(´・_ゝ・`)「彼女たちは?」
(`・ω・´)「さらに一緒に来た友達だとは思うが。
会ったことはない」
( ゚д゚ )「分かった。おれが行ってこよう」
(`・ω・´)「頼む」
ミルナが柱の陰から出て黒鉄宮の入り口に向かう。
(´・_ゝ・`)「だが、それと今顔を出さないのは意味があるのか?」
(`・ω・´)「今のあいつは何か追い込まれているように見える。
もし二人のうちのどちらかに何かがあったんだとしたらすぐに飛び出すが、
そうでなければ少し様子を見たい」
(´・_ゝ・`)「……」
まじまじとシャキンの顔を見るデミタス。
(`・ω・´)「どうした?」
(´・_ゝ・`)「いや、ブラコンなのに甘やかすだけじゃないんだなと思った」
(`・ω・´)「甘やかすだけが愛じゃないのさ」
(´・_ゝ・`)「はいはい」
瞬間的に表情を引き締めたシャキン。
しかしすぐにニヤニヤとした笑いに戻ってしまったため、
デミタスはまた心の中でため息をつくこととなった。
.
-
(`・ω・´)「お。出てきたな」
しばらくするとシャキンが心なしか弾んだ声で呟いた。
(´・ω・`)
ξ゚⊿゚)ξ
川 ゚ -゚)
少年を先頭に、少女が二人続く。
その歩き方は先ほどまでの自分達のようで、
デミタスは少しだけ恥ずかしくなった。
(´・_ゝ・`)「み、ミルナが遅いな。
後は付けなくていいのか?」
(`・ω・´)「んー。多分、これが使えるから」
ウインドウを出していたシャキンが、
流れるように指を動かしている。
(´・_ゝ・`)「なにしてるんだ?」
(`・ω・´)「『追跡』ってスキルを使うと対象の跡を追えるらしいんだ。
レベルを上げればその場に居なくても足跡とかを追えるらしいけど、
まあ目の前にいる奴の後ろを追うだけなら、
付け焼刃で設定したスキルでも大丈夫だろ。
本当なら『聞き耳』スキルであいつらの会話も聞きたいところだけど、
さすがに武器のスキルを外すのは心もとないからな」
(´・_ゝ・`)「…………シャキン、
おれがその『追跡』を付けて追うから、
お前はその『聞き耳』ってのをつけろ」
(`・ω・´)「え?いやそれは」
(´・_ゝ・`)「少しは役に立たせろ。
パーティーなんだから」
.
-
(`・ω・´)「……ありがとう。
それじゃあ頼む」
既に開いていたウインドウを操作し始めるデミタス。
そしてショボンの後姿を注目する。
(´・_ゝ・`)「……なるほど。足跡が見えるようになるんだな。
ん?もう黒鉄宮の入り口近辺の足跡は消えかけてる。
おれの顔はばれてないはずだし、
先に行くぞ」
(`・ω・´)「ありがとう」
(´・_ゝ・`)「見失わなかったら、
後でまとめて聞くさ」
ショボンの後姿が路地の角を曲がったのを確認した後、
柱の陰から出て歩き始めるデミタス。
それと同時にミルナが黒鉄宮から外に出た。
( ゚д゚ )「?」
一人歩くデミタスを見て不思議そうな顔をするミルナ。
シャキンが駆け寄る。
(`・ω・´)「ミルナ」
.
-
( ゚д゚ )「デミタスは一人でどうしたんだ?」
(`・ω・´)「いまスキルを使ってショボンを追ってくれているんだ。
おれ達はデミタスの後ろを少し空けてついていこう」
( ゚д゚ )「そんなスキルがあるんだな」
歩き始めたシャキンの隣に駆け寄るミルナ。
そして歩調を合わせて歩き始める。
( ゚д゚ )「『Boon』と『DOKUO』に線は引かれていなかった」
(`・ω・´)「そうか…よかった」
( ゚д゚ )「あと、彼が彼女たちの名前を呼んでいるのを聞いた。
背の高い方が『クー』。小さい方が『ツン』だ。
字は分からないが、対応しそうな名前としては『KuU』、『COO』、『Qoo』。
『TUNN』、『T.U.N.』なんてのがあった。
そこらへんも見ていたら遅れた。すまん」
(`・ω・´)「!そ、そうか。
ありがとう。助かるよ」
驚いたようにミルナの横顔を見るシャキン。
( ゚д゚ )「……助けてもらってばかりってのも、
いやだからな」
ミルナは前を向いたまま、
少し照れくさそうにつぶやいた。
.
-
時間は二時間ほどが過ぎようとしており、
時計の針はお昼へと向かっていた。
シャキンたち三人の視界の隅にいるのはクーとツン。
ショボンは二人より少し前にいて、
屋台のような店先で中の女性と話をしている。
(´・_ゝ・`)「で、どうなんだ?」
(`・ω・´)「普通にクエストをしているみたいだな。
さっきも今も物を届けるお使いの話をしている」
( ゚д゚ )「ならそろそろ話しかけたらどうだ?」
(`・ω・´)「それなんだけどな……」
( ゚д゚ )「どうした?」
(`・ω・´)「三人の会話が、不自然なんだ。
一見普通に会話しているけど、
ショボンがおかしい。
あいつは友達に対してああいう喋り方はしないと思う」
(´・_ゝ・`)「友達じゃないとか?」
(`・ω・´)「いや、三人の会話の中に『ブーン』と『ドクオ』が出てくることと、
その内容からこっちに一緒に来たことは間違いない。
全部で五人で遊ぶってのも、向こうで聞いたしな」
( ゚д゚ )「ふむ。
それで、どうするんだ?」
.
-
(`・ω・´)「……先にドクオとブーンに会いたいな。
話をしたい。
出来ればメッセージより直接会いたいが、
どうやら二人は先行して次の町に行っているみたいなんだ」
少しうつむき加減で眉間にしわを寄せるシャキン。
こめかみや眉間を数回人差し指でたたくと、
ミルナとデミタスの顔を見た。
(`・ω・´)「二人ともすまない、
せっかくパーティーを組んだ…」
( ゚д゚ )「なんて街に行くんだ?」
(´・_ゝ・`)「パーティーとしての初陣だ、
腕が鳴るな」
(`・ω・´)「のに……え?」
( ゚д゚ )「行くんだろ?次の町に。
パーティーとして、一緒に行くぞ」
(´・_ゝ・`)「どちらにせよいつかは外には出なきゃいけなくなる。
それなら信用できる奴らと数人で出た方が安心だろ?」
(`・ω・´)「二人とも……。ありがとう」
頭を下げたシャキンに慌てる二人。
しかしすぐにミルナがショボンたちを再び見た。
( ゚д゚ )「ん?おい、シャキン、一人近づいてくる奴がいるぞ?
あれはドクオとかブーンじゃないんだよな?」
(`・ω・´)「え?」
ミルナの横、隠れていた角から顔を出すシャキン。
デミタスも後ろから顔を覗かせる。
.
-
(`・ω・´)「いや……違うな。二人のどちらでもない。
会話も……仲間にしてほしいとか話しているな。
それでショボンが断ったところだ」
(´・_ゝ・`)「そうか」
( ゚д゚ )「一人でいるのは心細いからな」
デミタスとミルナは互いの顔を見たあと少しだけ笑いあい、
そして二人してシャキンを見た。
(`・ω・´)「……今はしょうがないな。
だが、あの断り方は……やはり追い詰められているのか……」
そんな視線には気付かず、スキルによって会話を聞いているシャキン。
デミタスとミルナも視線を再びショボンたちに向ける。
既に話はついたのか、ショボンたち三人は歩き始めていた。
話しかけていた青年が、一人たたずんでいる。
(´・_ゝ・`)
( ゚д゚ )
(`・ω・´)「……この街にとどまるなら声をかけてもいいが、
これから外に出るつもりである以上、
話しかけるわけにはいかない」
(´・_ゝ・`)「……うん」
( ゚д゚ )「ああ。そうだな」
たたずむ青年を見つめるデミタスとミルナに、
そして自分に言い聞かせるように話すシャキン。
二人は無言でうなずいた。
.
-
そしてデミタスが慌てて声をかける。
(´・_ゝ・`)「シャキン、どうする?まだ後をつけるか?」
追跡スキルを発動させるデミタス。
(`・ω・´)「いや、大丈夫だ。ありがとう。
あの様子ならショボンたちはとりあえず大丈夫だろうから。
次の街に行く準備をしよう。
回復POTとかポーション類をそろえたり、行き方、道を調べないと」
( ゚д゚ )「本当にいいのか?」
(`・ω・´)「ああ。とりあえずは顔を見ることができたから満足だ」
ウインドウを開くシャキン。
そして街の地図を開くと、道具屋の位置を確認する。
(`・ω・´)「ここから北に行ったところに道具屋があるはずだ。
まずはそこで揃えよう」
(´・_ゝ・`)「分かった」
( ゚д゚ )「おう」
それぞれの顔を見る三人。
そして頷きあうとシャキンの先導で進もうとするが、
そのシャキンが急に足を止める。
その視線の先には、男女の三人組がいた。
( ゚д゚ )?
(´・_ゝ・`)?
不思議そうに声をかけようとした二人に対し、
左手を上げて声を出さないように指示するシャキン。
.
-
そして右手を右耳に当て、声を聴きとれるような仕草をする。
( ゚д゚ )「(聞き耳?)」
(´・_ゝ・`)「(スキル?)」
そしてその三人を追い始めるシャキン。
慌てて二人もそれに続く。
(´・_ゝ・`)「どうした?」
(`・ω・´)「どうやらあの三人も次の街《ホルンカ》に行く予定らしい。
ちょっとついて行ってみよう」
二人に向かっていたずらっ子のような笑顔をするシャキン。
それに対し二人は呆れながらも笑顔で返し、
シャキンに続いて視線の片隅に映る三人を追う。
デミタスはそっと追跡スキルを発動した。
.
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以上、本日の投下を終了します。
支援や感想、ありがとうございます。
二十話と今年の投下はもう少し続く予定なので、
よろしくお願いします。
因みに昨日投下をしなかったのは、
M○テと検○ちゃんを見ていて投下のタイミングを忘れてました。
次もちゃんと予定を立てて投下させていただきます。
ではではまたー。
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乙!
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乙乙
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やっぱシャキンも優秀なんだなぁ
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乙
今年中にまだ投下するなんて嬉しいこと言ってくれるじゃないの
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そもそも血族後継の第一候補だったシャキンの後釜候補がショボンだから、本質的にはシャキンの方が万能なのかもしれないな
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おつおつ
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おむつー
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おつむ大丈夫か上げチキ
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おむつ必要だって自己申告してるくらいには大丈夫じゃなさそうだな
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どーも作者です。
冬コミも終わった年の瀬、
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
それでは、今年最後の投下を始めさせていただきます。
よろしくお願いします。
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6.βテスター
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-
よろしくお願いします。
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《ホルンカ》
はじまりの街を早朝に出た五人は、
昼前に目的地である《ホルンカ》にたどり着いていた。
ξ゚⊿゚)ξ「なるほど。ここは『村』ね」
入り口から見える民家を見てツンが呟いた。
川 ゚ -゚)「映画や書物で見るような『中世の村』だな。
魔女狩りの時代を思わせる」
周囲を観察しながらクーも呟く。
その横でドクオとブーンは先頭で村に入ったショボンの背中を見ていた。
ショボンは無言で周囲を見ていた。
ξ゚⊿゚)ξ「私たちの服装もそんなイメージよね。
ドクオ、ずっとこんな感じなの?」
('A`)「おれが行ったところはこんな感じだったな」
(;^ω^)「つ、ツンもドクオも」
('A`)「あ……」
ξ゚⊿゚)ξ「まわりに誰もいないことぐらい確認してます」
川 ゚ -゚)「うむ。近くには誰もいないな。
だが、昨日の話に出てきた『聞き耳』スキルを使われたら」
ξ゚⊿゚)ξ「あっ」
(´・ω・`)「さすがに今のタイミングで
あのスキルをスロットに入れている人はいないと思うけどね。
ふつうは」
四人の会話も聞いていたショボンが振り返りつつ、
苦笑しながら会話に参加した。
.
-
川 ゚ -゚)「それもそうだな。ふつうは」
( ^ω^)「だおねー。ふつうは」
ξ゚⊿゚)ξ「え、あ、そうか。そうね。ふつうはそうね」
意味ありげにドクオを見る四人。
少しだけ不機嫌そうに横を向くドクオ。
('A`)ゼッタイヤクニタツカライインダヨ
誰にも聞こえない声でぶつぶつと呟くドクオを見て笑顔を見せた四人だった。
(´・ω・`)「でも……確かに思ったよりも人が少ないね」
ドクオを先頭に歩く五人。
その横にショボン。
クーとツンが続き、その後ろをブーンが歩く。
('A`)「だろ?
まあこの時間だから、
この村にいるほとんどの奴は狩りに出てると思うけどな」
(´・ω・`)「そっか。今日の天気なら森でも明るいもんね」
('A`)「ああ。
今ここにいるってことは、
戦ってここに来たってことだし、
片手剣使いはあのクエストやってるだろうしな」
川 ゚ -゚)「ふむ。
今二人が持っている剣はそれほど強いのか?」
('A`)「この村までで手に入る剣の中では段違いだ。
それに強化回数もそれなりに多いから、
うまく鍛えれば3層か4層くらいまで使えるんじゃないかな」
ξ゚⊿゚)ξ「お得ね」
.
-
川 ゚ -゚)「だが、失敗もあるんだろ?
その強化ってやつは」
('A`)「ああ。
しかも失敗した分も回数としてカウントされる。
強化の種類も何種類かあるから、
それも楽しみでもあるな」
そう言って笑ったドクオの笑みはスキルを決めるときの笑顔とほぼ同じで、
横で見たショボンは後ろの三人に見られなくてよかったと思った。
(´・ω・`)「強化回数は、武器ごとに異なる。
強い武器でも一回しかなかったり、
それなりの武器でも複数回強化できたら、
最終的には強い武器になる。
ってことでいいんだよね」
('A`)「ああ。そういうことだ。
強化の種類は耐久値や重さ、正確性や切れ味に速さがある。
どの武器にも好きな強化ができるはずだから、
どんな強化をするかによって同じ名前の武器でも個性が変わるだろうな」
川 ゚ -゚)「なるほどな。
基本の武器を自分好みに変えられるということか」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ私の細剣をものすっごく重く硬くしたり、
ブーンの片手剣とかをものすごく軽くできたりするの?」
('A`)「回数が多い武器なら可能だろうけど、
かなり回数が多くないと難しいだろうな。
まあ基本となる武器の特性を損なうことはしない方が良いだろ」
( ^ω^)「スキルと同じでどんな強化をするか考えるのが楽しそうだおね」
('∀`)「だよな!」
ブーンの言葉に思わず振り向いたドクオ。
ツンとクーがその笑顔を見て眉間にしわを寄せた。
昨日のスキル設定を思い出したからだった。
.
-
そしてその眉間のしわに気付いたドクオは慌てて前を向く。
('A`)「も、もうすぐ着くぞ。
ショボン、ここにはどれくらいいるつもりなんだ?」
(´・ω・`)「……五日。出来れば四日。
状況に応じても一週間くらいをめどにしたい」
( ^ω^)「お?」
(´・ω・`)「ここには転移門もないからね。
出来れば転移門のある街を拠点にして、
各村や街でのクエストをこなすのはもちろん、
あの《書庫》で進行を確認したりしたいし」
ショボンの言う《書庫》をどこの事か理解した四人。
男二名は壁一面の本を思い出し、心の中で苦笑いを浮かべた。
ξ゚⊿゚)ξ「で、今私達はどこに向かってるわけ?」
('A`)「ん?ああ。ここだよ」
ツンの問いかけとほぼ同時にドクオが歩みを止め、
四人も止まると彼の指さす方向を見た。
( ^ω^)「結構広くていい感じだったお」
村はずれまでやってきた五人。
村に入ってから見た見た家屋としては大きめの部類に入る家の前で歩みを止めた。
川 ゚ -゚)「農場?牧場か?」
('A`)「農場だな。
二階部分に泊まることができるんだ。
泊まると家主からクエストを受注できるようになるけど、
やらなくても別にペナルティはない。
最初の日に一度に借りられる最大日数の7泊分を借りてあるから、
まだおれが借主になってるはずだ」
.
-
農家の入り口に進むドクオ。
無言でドアを開け、中に入る。
入ったすぐが大きな部屋になっており、
ソファーには中年の男女が座っていた。
しかしこちらを見ようとはせず、
男は黙って新聞のようなものを読んでおり、
女性は編み物を行っている。
ドクオの後ろを四人が続く。
三人は小さな声で「おじゃまします」と呟きながら周囲を見回していたが、
最後に入ったブーンは「またおせわになりますおー!」と、
元気よく挨拶をした。
思わず立ち止まる三人。
しかし部屋にいた男女はちらりとこちらを見ただけですぐに視線を元に戻した。
ドクオは部屋の隅の会談の前で振り返っていた。
('A`)「反応ないから声かけなくてもいいと思うんだけどよ」
( ^ω^)「挨拶は大事だお」
ξ゚⊿゚)ξ「挨拶は良いけど声が大きすぎるのよ」
( ^ω^)「おっおっお。
驚いたのならごめんだお」
まったく悪いと思っていないブーンの言葉に苦笑いを浮かべる四人。
階段を上がると短い廊下の先にドアがあった。
('A`)「二階全部を使ってるんだ。
風呂はないけど、それ以外は大体そろってる」
(´・ω・`)「最終日にまた連続で借りることが出来るの?」
('A`)「ん?ああ。大丈夫だ。
ただ一度借りるとキャンセルや、
途中で泊まらなくなっても返金はできないから、
そこら辺は注意して借りた方がよいな。
今回はあとで全員で来ることが決まってたから、
一週間分キープしたけど」
.
-
(´・ω・`)「了解。
ここは宿屋じゃないから割引もないだろうしね」
('A`)「ああ。
一回クエストをクリアした後に借りたけど、
金額が結構ぎりぎりだった」
(´・ω・`)「あとで金額教えて」
('A`)「お、お、おお」
ξ゚⊿゚)ξ「(忘れてるわね)」
( ^ω^)「(こりゃ忘れてるおね)」
川 ゚ -゚)「(覚えていないな)」
(´・ω・`)「(忘れたなら言ってくれればいいのに)」
('A`;)「お、覚えてるぞちゃんと。
う、うん。ちょっと待ってくれ」
四人の視線にうろたえながらも、
扉を開いて中に四人を促した。
ξ゚⊿゚)ξ「ベッドルームは一つなのね」
川 ゚ -゚)「ベッドは二つあったが」
今日の朝まで泊まっていた宿よりは質素だが、
素朴な雰囲気を持つ部屋を一通りチェックしたツンとクーがソファーに座った。
部屋の隅のキッチンを自分のスペースと決めたショボンに
「とりあえず座ってて」
と言われ、ドクオとブーンもソファーに座っている。
.
-
川 ゚ -゚)「手伝えることはあるか?」
(´・ω・`)「大丈夫だよ。
ありがとう。
今はお茶だけだからね、
まずは座って待ってて」
川 ゚ -゚)「……うむ」
立ち上がろうと腰を浮かせたクーだったが、
ショボンの言葉に座りなおした。
そのやり取りを複雑そうな表情で見守る三人。
(´・ω・`)「お待たせ」
木のトレイにカップを五つ乗せてやってくるショボン。
トレイをテーブルの上に乗せる。
席を譲ろうと立ち上がったブーンを制して、
部屋の隅にある小さな丸い木の椅子に近寄るショボン。
(´・ω・`)「どうぞ」
四人がトレイの上のカップを手に取ると、
ショボンは木の椅子をテーブルの横に置いてそれに座った。
その位置は四人と話すには都合の良い場所で、
リーダーとして会話を進めるにはちょうど良い場所であり、
四人は自分の座った場所を、座り心地の良い椅子をショボンに譲ることが出来なくなった。
(´・ω・`)「さて、とりあえずこれからだけど、
まずは先頭の訓練だね。
できれば二人がやったクエストもやってみたいけど、
それは僕らでも大丈夫かな?」
.
-
('A`)「レベル的には問題ないと思う。
今日の戦いぶりを見ても、
よほどのへまをしなければ問題ないと思う。
ただ、おれとブーンがクリアしてるからクエストを制覇するって意味では
やる意味はないんじゃないか?」
(´・ω・`)「他のクエストもやりたいから、
それにかかりっきりになるようならまずは他のクエストをするつもりだけど、
戦闘の練習も何か目的があったほうがやりがいがあるだろうからさ」
ξ゚⊿゚)ξ「それもそうね。
報酬がある方が良いかもしれない」
('A`)「現金な奴だな」
ξ゚⊿゚)ξ「うるさい」
川 ゚ -゚)「だが報酬は片手剣なんだよな?
ドクオとブーンは持っているわけだし、
ショボンは武器を変えるつもりか?」
(´・ω・`)「何があるかわからないからね。
予備はあったほうが良いと思うんだ。
それに、そんな強い剣なら欲しがる人も多いだろうから」
('A`;)「おいおい、商売をするつもりか?」
(´・ω・`)「お金はあるにこしたことはないよ。
もちろんそのために命を懸けるのは馬鹿げてるから、
ほどほどにやるだけだけどね。
それに、できれば色々なパターンを知りたいから」
( ^ω^)「お?何のパターンだお?」
(´・ω・`)「クエストのパターン、
会話のパターン、
状況のパターン。
選択肢いかんによってはレアなパターンに進むことがあるってわかったからね」
.
-
にっこりとほほ笑んだショボン。
はじまりの街でのショボンと女主人の会話を思い出し、
四人はこわばった笑顔でその微笑みに返した。
川;゚ -゚)「では、今から行くか?」
(´・ω・`)「……夕方まであと二時間ちょっとくらい。
本格的な戦闘練習は明日からにして、
とりあえず今日は受けれるクエストを全部受けてくるくらいにしようか。
そうすれば村もひと回りできるだろうし」
視界の隅のデジタル時計を確認しつつ、
ショボンが提案する。
(´・ω・`)「どうかな?」
ξ゚⊿゚)ξ「いいんじゃない」
( ^ω^)「賛成だお」
('A`)「おれもいいと思う」
川 ゚ -゚)「私も異論はない……。
だが、いいのか?」
三人が賛成する中、
ひとりクーは口ごもり、
逆にショボンに問いかけた。
(´・ω・`)「どうかした?」
川 ゚ -゚)「その、シャキンさんに会わなくて」
クーの言葉に目を見張る三人。
ショボンも瞬間的に表情がこわばったが、
すぐに穏やかな笑みを取り戻した
(´・ω・`)「ああ、うん。そう……だね」
.
-
表情は先ほどまでと変わらないが、
少しだけ低くなった声で呟き、
ドクオに視線を向けた。
('A`)「……さっきメッセージは入れたけど、
今少し先まで狩りに出ているらしい。
暗くなる前には戻る予定だっていうから、
それこそ二時間くらいあとじゃないかな」
川 ゚ -゚)「そうか……」
(´・ω・`)「ありがと。ドクオ」
('A`)「いや別に……。
あ、で、例の奴らの方なんだけどさ」
ξ゚⊿゚)ξ「βテスターの?」
('A`)「そうそう。
そいつらは一時間くらいで戻ってくるっていうから、
戻ってきたら会ってやってくれないか?」
(´・ω・`)「うん。わかった。
会う時は僕とドクオだけで」
ξ゚⊿゚)ξ「あら、私達も行くわよ」
川 ゚ -゚)「ああ。行かせてくれ」
(´・ω・`)「え?うん……」
ξ゚⊿゚)ξ「会わせたくないの?」
(´・ω・`)「いや、話がどんな内容かわからないからなんとなくさ。
どちらにせよドクオとブーンの顔は知られていて、
これからこの村で会うこともあるだろうから、
仲間ってのはすぐ分かるから顔を隠す必要はないんだけど」
ξ゚⊿゚)ξ「話は私達も聞きたいから」
.
-
(´・ω・`)「そうだね。
相手は女性みたいだし、
二人にもいてもらった方が良いかな」
( ^ω^)「女の子のプレイヤーどうし、
仲良くなれるといいおね」
ブーンの言葉を聞き、
ツンは軽くにらみ、
クーは呆れた顔をし、
ドクオは聞こえていないふりをして、
ショボンは苦笑いを浮かべた。
小さな村であるため設備を確認しつつ一周回るのにうはそれほど時間はかからなかった。
クエスト数もそれほど多くはなく、
全部のクエストを受注して地図に印をつけたころ、
やっと一時間が経過した。
川 ゚ -゚)「これで全部か?」
('A`)「そのはずだけど」
ショボンの顔を見るドクオ。
(´・ω・`)「うん。書庫の本に書いてあった数とは一致したよ。
ただページに空きがあったから、
隠しとかクエストをクリアすると出てくるような継続の物もあるかもね」
ξ゚⊿゚)ξ「そんなのもあるんだ」
( ^ω^)「狼を退治したら、その群れに長も倒してくれとか。
卵と小麦粉を届けたら、その卵と小麦粉で作ったケーキを他の人に届けてくれとか」
ξ゚⊿゚)ξ「自分で届けなさいよ」
.
-
(;^ω^)「報酬がもらえなくなっちゃうお」
ξ゚⊿゚)ξ「楽な仕事でお金を稼ぐってことね」
川;゚ -゚)「ツン……」
('A`)「相変わらず見も蓋もないことをしれっと」
(´・ω・`)「間違ってもないけどね。
簡単なクエストを重ねてお金を稼いで装備を強くして、
できるだけ優位な状態で戦いに出るようにするわけだし」
川 ゚ -゚)「それはそうだが」
(´・ω・`)「受注回数制限があるクエストもあるみたいだけど、
ここやはじまりの街のお使い系は時間をおけば何度も出来るみたいだし、
初期装備の僕達にはいいクエストだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「……何度も同じお使い……。いいかげ……」
呟きを耳にしてツンを見るブーンとクー。
その顔を見て、ツンは続きを口にするのはやめた。
('A`)「さて、そろそろ来る頃かな」
村の入り口の近く。
小さな広場にやってきた五人。
周囲を見回すドクオ。
( ^ω^)「メッセージは来てないのかお?」
('A`)「さっききて、もうすぐ村に着くって話だったんだけどよ」
ドクオが村の出入り口に視線を向け、
自然と四人もそちらを見た。
ξ゚⊿゚)ξ「女一人に男二人の三人組なのよね?」
.
-
川 ゚ -゚)「……いないな」
(´・ω・`)「こないね」
( ^ω^)「影もないお」
('A`;)「お、おれはただあいつがそう言ってきたってことを告げただけで」
日は傾き始めており、五人の影は少しだけ長くなっていた。
四人の視線に耐え切れなくなったドクオが村の外をよく見ようと移動しようとした時、
背中から、つまり村の中心部の方から声が聞こえた。
「アルルッカバーくん!」
勢いよく振り返るドクオ。
つられて振り返った四人。
五人の視界に映る三人の人影。
背の高い男と、低い男。
二人の男に挟まれるように、
小柄な女性、いや少女が手を振っている。
('A`)「美影!おれはドクオだ!」
「なら私の事もちゃんと今の名前で呼んでよね。
ドクオくん!」
光の加減で顔が見えないが、
その声や口調から、笑顔でいることがうかがえた。
女の子らしい小走りで五人に近づく少女。
そして慌てて男二人がそのあとに続いて駆けて近寄った。
そして少女は迷わずショボンの前に立ち、
にっこりとほほ笑んだ。
.
-
ミセ*゚ー゚)リ「こんにちは。ショボンさん。
元『MIKAGE(美影)』、今は『miSeri(ミセリ)』です。
よろしくね」
.
-
握手を求めて右手を出したミセリ。
ミセ*゚ー゚)リ「……あれ?どこかで……」
(´・ω・`)「こ、こちらこそ」
その手を握ろうと右手を出そうとしたショボンの前に立ちふさがる二人の男。
( ∵)「おれがビコーズだ」
小柄な男がショボンの手を掴んで握手をし、
( ∴)「おれがゼアフォーだ」
大柄な男が横からショボンを上から見下ろす。
(´・ω・`)「こんにちは」
その二人の行動から逆に冷静さを取り戻したショボンが笑顔で握手をする。
男二人の背中にショボンとの対面を遮られたミセリは一瞬眉間に皺を寄せたが、
すぐに可愛らしく両頬を膨らませた。
ミセ*゚ー゚)リ「二人とも、ちゃんと挨拶させてくれなきゃだめだよ」
( ∵)「姫!なぜこんなやつらと!」
( ∴)「われら二人では姫を守るのに力不足とでもおっしゃるのですか!?」
少しだけ怒ったような口調に、
慌てて振り返る二人。
そして片膝をついてミセリの前に傅くと、
悲痛な声を上げた。
( ∵)「姫は我らが命に代えてお守りいたします!」
( ∴)「このような下賤の者達と親しくする必要などございません!」
声を荒げる二人を見て顔をこわばらせる五人。
.
-
ミセリはビコーズとゼアフォーに微笑みを向けた。
ミセ*゚ー゚)リ「二人ともいつもありがとう。
二人のおかげで毎日が楽しいよ」
( ∵)「ならば姫!」
( ∴)「姫!」
ミセ*゚ー゚)リ「でもね、三人でもっと楽しくなるには他の人と仲良くなることも必要だと思うんだ。
まだ忍者になる方法も掴めてないし、
三人だけじゃ情報を集めるのも大変でしょ」
( ∵)「それは……」
( ∴)「ですが姫!」
ミセリが二人の前にしゃがみ、
二人の膝の上にのせている手をとる。
( ∵)「姫」
( ∴)「姫」
ミセ*゚ー゚)リ「二人ともありがとう。
この世界を生き抜くために、
頑張ろうね」
優しく微笑むミセリ。
その笑みは聖母の様で、
ビコーズとゼアフォーの心に暖かく染み渡った。
その一部始終を見ていた五人。
そのうちの四人はあからさまに唖然とた表情をしつつ、
程度は違えど心の中で『茶番劇』と同じような意味の言葉を思っていた。
しかし一人、ショボンだけはミセリを鋭い瞳で、
そしてどこか慈しむような優しさをもった光を帯びて、
見つめていた。
.
-
( ∵)「わかりました。姫」
( ∴)「ですが、くれぐれも相手を信用しすぎぬようご注意ください!」
勢いよく立ち上がり、
ミセリの後ろに移動する二人。
二人の頬が赤く染まっていたが、
それを言葉にして指摘できる猛者は今ここにはいなかった。
ミセ*゚ー゚)リ「分かってくれてうれしいよ。
ありがとう。二人とも」
ゆっくりと立ち上がり、
二人に振り返るミセリ。
小首をかしげながら微笑みを向けると、
二人の顔はさらに赤くなった。
ξ゚⊿゚)ξ「……うざ」
川 ゚ -゚)「良くも悪くも『女』だな」
(;^ω^)「ちょっ。二人とも」
('A`)「でも、ああいうのが『女子力』って言うんじゃないか?」
ξ゚⊿゚)ξ「……むかつく」
( ^ω^)「まあまあ」
川 ゚ -゚)「ドクオは騙されないようにな」
('A`;)「そこまで女慣れしてないわけじゃないぞ」
ξ゚⊿゚)ξ「慣れてないから近寄らないだけでしょ」
('A`;)「うるせー」
(;^ω^)「三人とも聞こえちゃうお」
.
-
五人だけに聞こえるように小さな声で呟いたツンとクー。
慌てるブーンとここぞとばかりに突っ込みを入れるドクオ。
ミセ*゚ー゚)リ「では改めて。
よろしくお願いします。
ショボンさん」
(´・ω・`)「こんにちは。
ミセリさん。
こちらによろしく出来る事があるかは分かりませんが、
まずはお話だけでも」
ミセ*゚ー゚)リ「お話だけでもさせていただけるなら光栄です」
お互いに柔らかく微笑んで挨拶し、
握手をする二人。
川 ゚ -゚)
ξ゚⊿゚)ξ
クーとツンはそれを少しだけ複雑な気分で見ていた。
しかし深い付き合いの二人は違う感想を抱いたようだった。
('A`)「しょうがないけど、警戒心バリバリだな。
ショボンの奴」
(;^ω^)「おー。
女の子相手にあれは……」
('A`)「仕方ないけどな。
充分怪しいし」
最後の声が聞こえていたのか、
ミセリがショボンと握手をしたままドクオを見る。
ミセ*゚ー゚)リ「ひどいなードクオくん。怪しいだなんて」
('A`)「実際怪しいだろうが。
っていうか、どこから聞こえてた?」
.
-
ミセ*゚ー゚)リ「最後の『じゅうぶん怪しい』ってのだけだよ」
ショボンに向かってお辞儀をしながら握っていた手をほどくと、
ドクオの前に移動する。
身長はツンと同じくらいでドクオとそれほど変わらないのだが、
腰に手を当ててすこし前のめりになり、
上目遣いにドクオの顔を覗き込むミセリ。
ミセ*゚ー゚)リ「私のどこが怪しいのか、
聞かせてほしいな?
ドクオくん」
('A`*)「べ、別にどこが怪しいとかそういうことじゃなくてだな」
ミセ*゚ー゚)リ「じゃあどうして怪しいとか言うのー?」
('A`*)「そ、それはその、言葉のあやというかその」
ミセ*゚ー゚)リ「えー。ドクオくんって確証もないのにそういうこと言っちゃう人なんだー」
('A`*)「な、なに言ってんだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「きもっ」
川 ゚ -゚)「ひどいなこれは」
('A`)「!」
ドクオに聞かせるようにツンとクーは言葉を吐き捨てる。
それにより冷静さを取り戻したドクオは数歩後ずさり、
頭を振った。
('A`)「と、とにかく、ショボンに話があるんだろ?」
ミセ*゚ー゚)リ「うん。そうだよ」
('A`)「ならショボンと話せよ」
.
-
ミセ*゚ー゚)リ「ドクオくんが変なこと言うから問い詰めただけなのに」
('A`)「さっさと話せ」
ミセ*゚ー゚)リ「はーい」
ドクオに微笑みかけ、その斜め後ろにいたツンとクーにも笑顔で会釈し、
最後にブーンに微笑んでからショボンに向き直すミセリ。
ξ゚⊿゚)ξイイカゲンニシロヨアノオンナ
川 ゚ -゚)「ツン、顔が怖い」
(*^ω^)「おっおっお。
どうしたんだお?ツン」
ξ゚⊿゚)ξ「にやけてんじゃないわよ」
(;^ω^)「に、にやけてなんかいないお」
ミセ*゚ー゚)リ「ショボンさん、
少し込み入ったお話になるかもしれないんですが、
お時間は大丈夫ですか?」
(´・ω・`)「時間は構いませんが、
それは今ここで話せるような内容ですか?」
少しだけ周囲を気にするような仕草をするショボン。
ミセリもそれに倣って視線だけで周囲をうかがう。
日の傾きが顕著になってきた広場には、
日中の狩りから帰ってきたプレイヤーがちらほらと通り過ぎていた。
女性プレイヤーは珍しく、
更に三人もいるため多少人目を引いているのが分かる。
ミセ*゚ー゚)リ「そう……ですね。
出来れば他の人に聞かれない場所の方が良いかと思います。
ただこの村の宿屋の部屋は広くありませんから、
適当な空き家があればいいんですが」
.
-
四人の頭には今自分たちが確保している農場の二階が浮かんだが、
ショボンが何も言わない為、口を開かなかった。
(´・ω・`)「それでは、まずは話す場所を確保するということで、
今日は一度解散」
「ミセリ!ビコーズ!ゼアフォー!」
ショボンが会話を終わらせようとした瞬間、
ショボンの後ろからミセリたち三人を呼ぶ声が聞こえた!
その声を聞き、更に自分たちに向かって手を振る男を見て露骨にいやそうな顔をする三人。
ドクオとブーンもその声の主を見る。
すると二人の顔には笑みが浮かんだ。
ツンとクーが五人の表情の違いに怪訝な顔をしつつ声のした方を見ると、
手を振りながら走ってくる一人の男と、
その後ろに二人の男が見えた。
川 ゚ -゚)「え?」
ξ゚⊿゚)ξ「あれ?」
ミセ*゚ー゚)リ「何でこんな時に……ん?」
走ってくる男の顔を見て、同じタイミングで気付く三人。
川 ゚ -゚)「……似てるな」
ξ゚⊿゚)ξ「似てるわね」
ミセ*゚ー゚)リ「そうか、さっきどっかで見たような顔だと思ったけど」
駆け寄ってきた男が、
ショボンに後ろから抱き着いた。
川 ゚ -゚)「うわっ」
.
-
追いついた支援
-
ξ゚⊿゚)ξ「おっ」
ミセ**゚ー゚)リ「あらっ」
(`・ω・´)「ショボン!
元気そうでなによりだ!
会いたかったぞ!」
(´ ω `)「にい……さん……」
シャキンの声を聞いてから少しうつむき気味に動くことが出来なかったショボンが、
シャキンにだけ聞こえる小さな声で呟いた。
.
-
ドクオたち五人が借りている農場の二階の部屋に、
シャキンたち三人とミセリたち三人が入り、
合計十一人が集まっていた。
二人掛けソファーの片方にはミセリとドクオが座り、
ミセリの後ろにはビコーズとゼアフォーがSPのように威圧的に立っている。
ドクオがソファーの隅に座っているように見えるのは、
見間違いではないだろう。
テーブルをはさんで反対側のソファーにはミルナとデミタスが座っており、
ひじ掛けにシャキンが座っている。
そしてシャキンの座るひじ掛けの横に置かれた木の椅子に、
ショボンが座っていた。
互いに譲り譲られながらそれぞれがその場所に収まったのちに、
それぞれのパーティーを代表してショボン、シャキン、ミセリは、
自分たちの現状とあの日からの行動を話し合った。
もちろんショボンたち五人が『はじまりの街』で手にした恩恵は内緒のままだったが。
そして話している間、シャキンの手はずっとショボンの頭を撫でていた。
ショボンの後ろ側に、ブーンとツンとクーが壁沿いに立っているが、
その光景を見て三者三様の表情を見せている。
(´・ω・`)「とにかく、状況を整理しよう」
最初のうちは頭を撫でる手を邪険にあしらっていたが、
今は諦めたのかそのままにいしてた。
( ゚д゚ )「(整理?)」
(´・_ゝ・`)「(この状況を?)」
(´・ω・`)「兄……シャキン達三人は」
(`・ω・´)「なんだよ、『兄さん』で良いんだぞ?」
.
-
(´・ω・`)「うるさい。
パーティー三人は、
始まりの街でミセリさん達三人がホルンカに行く事を知って、
接触したと。
そこで意気投合して」
ミセ*゚ー゚)リ「してないよー」
( ∵)「してない」
( ∴)「するわけがない」
(`・ω・´)「なんだよ、仲良く六人でこの村にやってきたっていうのに」
( ゚д゚ )「すまんな。三人共」
(´・_ゝ・`)「助かったよ」
ミセ*゚ー゚)リ「ミルナさんとデミタスさんは良いんですよ」
(`・ω・´)「え?おれはダメなの?」
( ∵)「あたりまえ」
( ∴)「改めて聞くことのできるその性格が羨ましい」
(*`・ω・´)「褒められると照れるな」
(#∵)
(#∴)
(´・ω・`)「付いてきた三人を無下に扱うのも憚られ、
安全に連れてきていただいたんですね。
ありがとうございます」
ミセ*゚ー゚)リ「いいえー。
お二人はご兄弟なんですか?」
.
-
(*`・ω・´)「血よりも熱く堅い絆で結ばれた」
(´・ω・`)「他人です」
(`・ω・´)「二人……」
(´・ω・`)「他人の空似です」
(`・ω・´)「……です」
ミセ;*゚ー゚)リ「あ、た、他人なんですね」
(´・ω・`)「分かっていただけて幸いです」
(`・ω・´)「です……」
ミセ;*゚ー゚)リ「あはははは」
(;゚д゚ )「(さっきまで『兄さん』と呼んでいたその口で)」
(;´・_ゝ・`)「(何の躊躇もなく『他人』と言い切れるとは)」
(´・ω・`)「話を戻します」
ミセ;*゚ー゚)リ「はい」
(`・ω・´)「はーい」
(´・ω・`)「その過程でシャキンたち三人は、
ミセリさん、ビコーズさん、ゼアフォーさんの三人が、
βテスターであったことを知った」
(`・ω・´)「特に隠してはいなかったな」
(´・ω・`)「今まではそれでいいと思いますが……」
ミセ*゚ー゚)リ「うん。
ショボン君の言う通りだと思う」
.
-
(´・ω・`)「人の負の感情には、
警戒するに越したことはないです」
ミセ*゚ー゚)リ「私もそう思う。
これから気を付けるよ」
( ∵)「姫を危険に晒すわけにはいかない」
( ∴)「降りかかる火の粉は蹴散らすがな」
ミセ*゚ー゚)リ「二人とも、ありがと。
でも、二人もちゃんと気を付けてね」
( ∵)「はっ!」
( ∴)「かしこまりました」
(´・ω・`)「ミセリさん達とシャキンたちはホルンカに到着後別行動。
分かれた後にそれぞれドクオとブーンに出会い、
僕たちもホルンカに来る予定なのを知ったわけですね」
ミセ*゚ー゚)リ「もともとアルルっじゃない、
ドクオくんには連絡するつもりだったから。
連絡したらもうホルンカにいて、
更にアニールブレードのクエストまでクリアしてたなんてびっくりしたよ」
( ∴)「しかも二人分とは」
( ∵)「運がいいな」
('A`)「ああ。ほんとに運が良かった。
というか、多分おれ達が行く前に誰かがクリアしてたんだと思う。
一回目はかなり早く目当ての敵が出てきたから」
ξ゚⊿゚)ξ「どういうことよ」
ドクオの言葉に頷く元テスターの三人。
しかしそれ以外の七人は意味が通じなかったため疑問に思った瞬間、
それをツンが口にした。
.
-
大晦日に投下とか昔のブーン系思い出すぜ しかもこの作品とか発狂するレベル
しえんしえん
-
('A`)「ああ、えっと……」
ミセ*゚ー゚)リ「この世界では、
基本的にそのエリアに出現する敵の量と、
時間で出てくる敵の量は決まっています」
あたまを掻いて言葉に詰まったドクオを見て、
ミセリが助け舟を出した。
ミセ*゚ー゚)リ「アニールブレードのクエストでは、
少女の病気を治すのに必要な実を取に行くんですが、
それはある敵を倒さないとドロップしません。
あ、クエストのネタバレになるけど良いですよね?」
(´・ω・`)「はい」
(`・ω・´)「ああ。大丈夫だ」
ミセ*゚ー゚)リ「では続けますね。
敵は植物系の怪物で、名前は『リトルネペント』。
見た目はそうですね……。
大きさは人の背丈より高いです。
名前に『リトル』ってあるけど大きいです。
移動や攻撃は根や葉を動かすことでします。
基本的にはそれほど素早くはありません。
はじまりの街の周辺やホルンカに来るまでの道で出会う猪型や狼型と違って、
かなり怪物、モンスターの色合いが強くなります。
βの時は、そういった見た目で腰が引けてまともに戦えないでいた
プレイヤーもかなりの数いたみたいなので、
注意した方が良いです」
壁際に立つツンとクーを見てにっこりと微笑むミセリ。
ミセ*゚ー゚)リ「先ほども言いましたが、
クエストクリアに必要なアイテムは『リトルネペント』を倒さないとドロップしません。
しかもどの『リトルネペント』でも良いわけでもなく、
頭に花を咲かせた『リトルネペント』を倒さないと、
ドロップしません」
.
-
(´・ω・`)「頭に花がついた怪物……」
ミセ*゚ー゚)リ「はい。
そして花付きのリトルネペントはあまり出てこないため、
出すためには目の前のリトルネペントを倒す必要があります」
川 ゚ -゚)「?」
ξ゚⊿゚)ξ「?」
( ^ω^)「?」
ミセ*゚ー゚)リ「例えばエリアに出てくる数が5匹であり、
現時点で花付きが居ないのならば、
その5匹を倒して新しくリトルネペントをポップさせなければ、
花付きを見つけること、倒すことが出来なくなるわけです」
川 ゚ -゚)「なるほど。そういうことか」
ξ゚⊿゚)ξ「でも、その5匹を倒したたら花付きが出てくるってわけでもないんでしょ」
ミセ*゚ー゚)リ「その通りです。
だからその場合はまたその5匹を倒して、
更に新しくポップさせます」
川 ゚ -゚)「出てくるまで繰り返すってことか」
ミセ*゚ー゚)リ「はい」
( ^ω^)「おー。なるほどだお」
ξ゚⊿゚)ξ「って、なんでクエストクリアしたあんたが説明聞いて納得してるのよ」
(;^ω^)「あの時は戦うことと強くなることに必死で、
そんなことを気にしていられなかったんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「まったく」
.
-
ミセ*゚ー゚)リ「花付きが出てくる確率は低いので、
ドクオくん達が行ってすぐ出会えたってことは、
誰かがその場所で先に倒しまくっていた可能性が高いってことです。
もちろん運が良かっただけかもしれませんけどね」
これで終わりとばかりにドクオに向かって微笑むミセリ。
('A`)「と、言うわけだ」
ドクオは笑顔は見ないようにして、
ミセリの言葉を引き継いだ。
(´・ω・`)「なるほどね。
その花付きが出るのはどれくらいの確率なのかな」
('A`)「出現率が固定か変動かって疑問もある」
(´・ω・`)「変動するなら厄介だね。
あまりにも出ないと心が折れそうだ」
(`・ω・´)「折れかかったぞ」
( ゚д゚ )「出なかったな」
(´・_ゝ・`)「何度、一回やめようと言ったか」
ミセ*゚ー゚)リ「私たちの時も出なかったですよ。ねっ」
( ∵)「思い出させないでくれ」
( ∴)「私の剣の為に、ありがとうございました。
この御恩は必ずやどこかで」
ミセ*゚ー゚)リ「はいはい」
心底疲れたように話すシャキン達三人。
それとは違ってどこか楽しそうに話すミセリ達三人。
少しだけ笑みが漏れ、
全員の表情が穏やかになる。
.
-
( ゚д゚ )「ゲームなんだから裏ワザとかあってもよさそうだが」
(´・_ゝ・`)「そうだな。ワープポイントとかアイテムとか」
('A`)「裏ワザ……」
ミセ*゚ー゚)リ「ありますよ。お勧めはしませんけど」
ミルナとデミタスの雑談にドクオが表情を曇らせると、
ミセリはほがらかにほほ笑んだ。
( ゚д゚ )「あるのか?」
ミセ*゚ー゚)リ「はい」
(`・ω・´)「お勧めしないっていうのは?」
ミセ*゚ー゚)リ「リトルネペントには、ノーマルと花付きの他に、
頭に実を付けた『実付き』というのもいるんです」
(´・ω・`)「実付き……」
(´・_ゝ・`)「そいつが?」
ミセ*゚ー゚)リ「強さは普通と一緒なんですけど、
その身を割ると臭いを振りまいて、
仲間のリトルネペントを呼び寄せるんですよ」
ξ゚⊿゚)ξ「へー」
川 ゚ -゚)「つまり、数多くの敵を呼び寄せることが出来る。
そうすればその中に花付きがいる可能性が高いってことか」
ミセ*゚ー゚)リ「そういうことです」
(;^ω^)「おー。それってドクオが言ってた……」
('A`)「ああ。そうだ」
ブーンとドクオが表情を曇らせる。
.
-
ミセリはバーボンハウスで素知らぬ顔で浮かれてたと思うと感慨深いな
支援しえん
-
ミセ*゚ー゚)リ「ただ良いことばかりじゃありません。
出てくるのは敵ですから、
私たちに襲い掛かってきます」
( ゚д゚ )!
(´・_ゝ・`)!
ξ゚⊿゚)ξ!
川 ゚ -゚)!
(`・ω・´)
(´・ω・`)
ミセ*゚ー゚)リ「この臭いで寄ってきたリトルネペントは、
エリア内の最大量や時間制限を飛び越えてやってきますし、
興奮しているのか動きも素早くなります。
つまり普段よりも手強い敵に囲まれてしまうわけです。
そして絶対花付きが出る確証もありません。
だからβの頃ならともかく、今やるのはお勧めしません」
( ゚д゚ )「に、逃げることはできないのか?」
ミセ*゚ー゚)リ「できますよ。
ただそれなりに鍛えてからでないと難しいと思うので、
今のレベルでは……」
あいまいな笑顔で言葉を濁すミセリ。
そして、少しだけ声を小さくして独り言のように呟いた。
ミセ*゚ー゚)リ「そうか……。
もしかするとドクオくんが行く前に、
誰かが実付きを倒していたのかもしれないのか。
それで出現数が増えて確率的に遭遇できたのかも」
.
-
(´・ω・`)「ゼアフォーさんもアニールブレードは持たれているんですよね?」
( ∴)「ああ。昨日一日がかりだった」
(`・ω・´)「おれも持ってるぞ!」
(´・_ゝ・`)「おれらも一日とちょっとくらいだったか」
( ゚д゚ )「暗くなりかけてたな」
( ∴)「それでも一日で出たならば、まだ良い方だと思う。
今は一日以上かかることもあるみたいだ」
(`・ω・´)「日頃の行いが良いからな!」
(´・ω・`)「そして僕たちもこの村に来て、
あの広場で落ち合ったというわけですね」
(*`・ω・´)「なんだよー。
反応なしかよー。
可愛い奴だなーほんとに」
(; ゚д゚ )「(うわ……)」
(;´・_ゝ・`)「(うわ……)」
ξ;゚⊿゚)ξ「(うわ……)」
川;゚ -゚)「(うわ……)」
ミセ;*゚ー゚)リ「(うわ……)」
(;∵)「(うわ……)」
(;∴)「(うわ……)」
さらに激しくショボンの頭を撫でるシャキンに、
同じ思いを抱く七人。
しかし二人、ドクオとブーンは違う思いを抱いていた。
(;^ω^)「(お?シャキンさん?)」
.
-
('A`;)「(シャキンさんとショボンの関係は分かってるつもりだったけど、
ここまで……?)」
(;^ω^)「(ど、どくお……はどう思ってるのかお)」
('A`;)「(ブーンも違和感感じてるよな?多分)」
思わずお互いの顔を見る二人。
シャキンは視界の隅にるドクオの表情を見て、
心の中で柔らかく笑った。
(´・ω・`)「さてミセリさん」
ミセ;*゚ー゚)リ「は、はい!」
(´・ω・`)「何かお話があるとのことでしたが、
どういったご用件でしょうか」
ミセ;*゚―゚)リ「え?あ、は、う、うん」
当事者であるはずのショボンに全く平然と質問され、
すぐに返事ができないミセリ。
大きく深呼吸するミセリを、
ショボンとシャキンはそうとは見えないように観察していた。
ミセ*゚ー゚)リ「相談……なんだけど、
私達とパーティーを組まない?」
( ∵)「姫!」
( ∴)「姫!?」
身を乗り出してソファーに座るミセリの顔を覗き込む二人。
ミセリはそんな二人に可愛らしく微笑むと、
少しだけ困ったような顔をして話しかける。
ミセ*゚ー゚)リ「二人とも落ち着いて。
今からちゃんと話すから」
.
-
しえしえ
-
文字にすれば語尾にハートや音符が付きそうな声と話し方。
それは二人の感情を削ぐことに成功した。
( ∵)「……分かった」
( ∴)「うむ……」
ミセ*゚ー゚)リ「えっと……。
正直に言うと、
最初はドクオくんだけを誘うつもりだったの」
二人がまた背後で仁王立ちに戻ったのを感じてから、
ミセリは話を戻して続けた。
(´・ω・`)「僕達のパーティーから引き抜くつもりだったと」
ミセ*゚ー゚)リ「言葉が悪いけど、
結果的にはそうなるのかな」
ショボンに微笑みかけるミセリ。
ショボンは視線だけで話の続きを促した。
ミセ*゚ー゚)リ「…… ……。
私達もβテスターでこの世界の事は分かってるつもりだけど、
ドクオくんの知識はそれを超えると思う。
それに戦闘能力も高いし、
効率の良いレベルの上げ方やスキル設定なんかも、
頼りになるって思ったから」
隣に座るドクオに微笑むミセリ。
ドクオは逆側を向いて見ないふりをした。
.
-
ミセ*゚ー゚)リ「だから最初はドクオくんにだけ話すつもりだった。
あの日はさすがに動けなくて、
次の日のお昼前くらいにやっと冷静になれて、
それでフレンド登録してあったことを思い出して連絡したんだけど、
正直驚いたよ。
もうホルンカにいるっていうんだもん。
三人で話したらアニールブレードのクエストの事も思い出したから、
早速こっちに来てドクオくんに会っていろいろ話を聞いたってわけ。
向こうで準備しているときに変な人に付いてこられちゃったけどね」
(`・ω・´)「なんだ。おれ達に会う前に何かあったのか?」
( ゚д゚ )「おれ達が『変な人』なんだと思うぞ」
(`・ω・´)「え!?」
(´・_ゝ・`)「素で驚けるポジティブさが羨ましいよ。
って、褒めてはないからな」
(`・ω・´)「なんだ」
ミセ;*゚ー゚)リ「ははは」
(´・ω・`)「それで、なぜ引き抜きから僕達とのパーティーに変わったんですか?」
ミセ*゚ー゚)リ「え?あ、うん。
ショボンくん、君がいるからだよ」
(´・ω・`)「僕ですか?」
ミセ*゚ー゚)リ「全員気になるけど、
特にショボンくんが気になるかな」
川 ゚ -゚)
後ろでクーのこめかみがひくひくと動いたが、
それに気付いたのは隣に立つツンだけだった。
.
-
ミセ*゚ー゚)リ「あの日の当日に冷静さを取り戻して、
自分たちにとって最善の道を選ぶ冷静さは、
賞賛に値すると思うけど?」
(´・ω・`)
ミセ*゚ー゚)リ「それにブーンくんも強いよね」
壁際に立つブーンに微笑みかけるミセリ。
(*^ω^)「おっ?」
ξ#゚⊿゚)ξ
(;^ω^)「おっ。そ、そんなことないお」
ツンのこめかみが動いて眉間に皺が寄ったのは、
ほぼ全員が気付いた。
ミセ*゚ー゚)リ「強いよー。
もうこの近辺の敵なら一人で倒せるでしょ?」
( ^ω^)「それは多分……」
ミセ*゚ー゚)リ「ドクオくんの指導があったとはいえ、
この短期間にそこまで強くなれてるんだから、
この世界で戦うセンスもあるんだと思うよ」
(*^ω^)「おー」
ξ#゚⊿゚)ξ
(;^ω^)「おー」
横を気にしながら喜びつつ冷や汗を流しているブーン。
そこにいた三人以外にも二人の関係性は一目瞭然といってもよかった。
ミセ*゚ー゚)リ「それに、女の子が二人もいたし」
.
-
ξ#゚⊿゚)ξ「?」
川 ゚ -゚)「?」
ブーンから視線を外し、
ツンとクーを見るミセリ。
それに対し、
ツンは不快感をあからさまに表して、
クーは不快感を隠しているがそれでも少し不審げに、
自分たちを見るミセリの顔を見た。
ミセ*゚ー゚)リ「最初会った時は女の子だったけど、
ゲームの中では性別を自分で決められるから。
本当に女の子かわからないからさ。
さっき広場で見た時に実はちょっと驚いたの」
にっこりと微笑むミセリ。
その微笑みは今までドクオやショボン、
そしてブーンに見せていた笑顔と同じで、
女同士であるけれど少し胸がときめいた。
ミセ*゚ー゚)リ「そのうえ、ここまでやってきた」
ξ゚⊿゚)ξ?
川 ゚ -゚)?
少しだけ寂しそうに呟いたミセリ。
ツンの眉間のしわは取れ、
クーの瞳の剣呑さも多少和らいでいる。
ミセ*゚ー゚)リ「多分だけど、
ここに来た女は私が一人目だと思う。
もしかしたらいるかもしれないけど、
見てないから。
多分……ね」
.
-
('A`)「おれ達も見てないな」
( ^ω^)「見てないお」
ドクオの言葉にうなずくブーン。
ミセ*゚ー゚)リ「きっとプレイヤーの人数自体、
男女比はかなり男の人に傾いていると思う。
それに男女関係なく、
ほとんどの人はまだはじまりの街にいるんだろうしね」
( ゚д゚ )「まあ、そうだろうな」
(´・_ゝ・`)「おれ達だって、
シャキンに出会っていなかったらまだあの街にいたと思う」
ミセ*゚ー゚)リ「今ここにいるのは、
基本元βテスターだと思う。
それは知識云々もそうだけど、
自分の身で怪物と戦うということを知っていないと、
街を出る決心ってなかなかつかないと思うから」
(`・ω・´)「向こうでは、
剣を振って動物を殺したりしないからな」
(´・ω・`)「またそういうことを言う」
(`・ω・´)「はっはっは」
(´・ω・`)「笑ってごまかさない」
ミセ*゚ー゚)リ「でも、二人はいる。
ドクオくんがいて、
ショボンくんがいて、
ブーンくんがいて、
例えまわりに守ってくれる人がいたとしても、
ここまで歩いてきたのは自分だと思うから、
ちょっと……ううん。すごく嬉しい」
.
-
( ∵)「確かに驚いたな」
( ∴)「ああ。姫以外にも勇敢な女性がいるものだと」
( ∵)「もちろん一番美しく聡明で勇敢で艶やかなのは姫だが」
( ∴)「ビコーズ、それはさすがに二人に悪い。
姫と比べるなど、すっぽんに月を見習えと言っているようなものだ」
( ∵)「それもそうだな」
( ∵)「はっはっは」(∴ )
ξ#゚⊿゚)ξ
川#゚ -゚)
(;^ω^)「ふ、二人とも落ち着いて」
ξ#゚⊿゚)ξ「べーつーにー」
川#゚ -゚)「怒ってなどいない」
ξ#゚⊿゚)ξ「ねっ!」
川#゚ -゚)「うむ」
(;^ω^)「な、ならいいお」
(´・ω・`)「つまり、僕達とパーティーを組むことにより、
自分の陣営を強化しようと思ったということですか?」
ミセ*゚ー゚)リ「陣営とかそんなのは考えていないよ?
ただ、力を合わせた方が、行動を共にした方が、
この世界で生き残る確率を高くできるんじゃないかなって思っただけ」
.
-
(´・ω・`)「そうでしょうか。
ここに来るときにドクオと話しましたが、
この世界でレベルを上げるのはパーティーを組むよりも、
ソロで動いた方が効率がいいと。
ミセリさん達βテスターならそちらを選ぶんじゃないですか?
それこそレベルを上げれば生き残る確率を高くできるのではないかと思いますけど」
ミセ*゚ー゚)リ「レベルだけを考えたらそうかな。
でも、何があるかわからない以上、
ちからを合わせることは大事だと思う。
危険な状態になってしまった時に、フォローしあえるから」
そこで言葉で一呼吸おき、
後ろに立つ二人以外の顔を見回すミセリ。
ミセ*゚ー゚)リ「一つの失敗が命にかかわる、
些細なミスも許されない今のこの世界では」
真剣なミセリの表情に、そこにいたうちの六人は何も言えず、
それぞれに今まであった命の危険や恐怖を思い出していた。
(´・ω・`)「お話は分かりました」
ミセ*゚ー゚)リ「それじゃあパーティーを」
(´・ω・`)「ですが、システム的にパーティーの上限人数は6人のはずです。
同じパーティーを組むのは無理でしょう」
ミセ*゚ー゚)リ「うん。それは分かってる。だから」
(´・ω・`)「『ギルド』ですね」
ミセ*゚ー゚)リ「そう」
.
-
(´・ω・`)「誰がギルドマスターになり、
ギルドを仕切るおつもりですか?」
ミセ*゚ー゚)リ「それは」
( ∵)「もちろん姫です」
( ∴)「もちろんです」
再び身を乗り出す二人。
今度も両サイドからミセリの顔を覗き込む。
ミセ*゚ー゚)リ「え、二人とも?
別に私はそんなこと」
( ∵)「我らは姫を守りし白と黒の風」
( ∴)「この剣は姫の為に振り、
この命は姫の為にある!」
( ∵)「姫以外の命令を聞くことなどできません!」
( ∴)「パーティーでもギルドでも!
我らに命じることが出来るのは姫のみ!」
( ∵)「我らが従うは姫のみ!」
( ∴)「姫!それをお忘れ無きように!」
ミセ*゚ー゚)リ「えっと……でも、ほら、ね」
( ∵)「姫!」
( ∴)「姫!」
ミセ;*゚ー゚)リ「……はーい」
積極的ではないが肯定したミセリの言葉にとりあえずは納得して姿勢を戻す二人。
.
-
ミセリは少しだけ助けを求めるようにショボンを見た。
(´・ω・`)「決裂、ですね」
ミセ;*゚ー゚)リ「えっ!」
(´・ω・`)「ビコーズさんとゼアフォーさんが
ミセリさんにリーダーになってほしいように、
僕達は僕達で思うところ、
考えることがあります。
現時点でそれが重なることはないでしょう。
ですので……」
ミセ;*゚ー゚)リ「い、いやいやいやいやいや。
ちょっとまってちょっとまって。
結論そんな早く出さなくてもよいと思うんだけど」
(´・ω・`)「でしょうか」
ミセ;*゚ー゚)リ「そうそう。
ほら、まずは一度一緒に狩りとかいってみたりしちゃったりとか」
(´・ω・`)「しかし」
(`・ω・´)「いいな!
やっぱり一度行ってみないとな」
ミセ*゚ー゚)リ「ほらほら、彼もそう言って……」
(`・ω・´)「実は次の街に行く前に行ってみたいところがあってだな」
ミセ;*゚ー゚)リ「って、……いきなり出てきて何言ってくれちゃってんのこの人」
(`・ω・´)「良いだろショボン、みんなで行こうぜ」
(´・ω・`)「……まったく」
ミセ;*゚ー゚)リ「ちょ、二人とも?」
(`・ω・´)「いーこーうーぜー」
.
-
(´・ω・`)「しょうがないな」
(`・ω・´)「よし!」
ミセ;*゚ー゚)リ「はあ!?」
(´・ω・`)「あ、でもこっちの戦闘練習が済んでからだよ。
だから早くても明後日、状況によっては更にその後だからね」
(`・ω・´)「分かってる分かってる。
おれ達はそっちも手伝うぞ」
(´・ω・`)「はいはい。ありがとう」
(`・ω・´)「遠慮すんなって。
おれたちの仲で」
(´・ω・`)「はいはい。ありがとう」
ミセ;*゚ー゚)リ「ちょいちょいちょいちょい。
何言っちゃってんのあんたたち」
(´・ω・`)?
(`・ω・´)?
ミセ;*゚ー゚)リ「なに二人してキョトンとした顔しちゃってるかな。
今誘ってたのは、わーたーし。
私。
わかってる?ねえ、わかってる?
わかってるわよね。わかってやってるわよね」
(´・ω・`)?
(`・ω・´)?
ミセ*゚ー゚)リ「だから不思議そうな顔をしてるんじゃないっつーの」
.
-
(´・ω・`)?
(`・ω・´)?
ミセ#*゚ー゚)リ「だーかーら。
似た顔して同じような表情してるんじゃないって言ってるの。
先に誘ったのはこっちだっていうのに
その目の前で別の奴と一緒に行く約束するなっていうの!
大体あんたたち、他人だって言ってたわよね。
だったらその設定をちゃんと貫きなさい!」
立ち上がり、
腰に手を置いてショボンとシャキンを指さすミセリ。
ミセ#*゚ー゚)リ「だいたいあんたたちはねー……」
そして自分を見る自分以外の者、
目の前の二人以外の視線に気付いて動きを止めた。
ミセ;*゚ー゚)リ「え……あ……あれ?」
('A`;)
(;^ω^)
ξ;゚⊿゚)ξ
川;゚ -゚)
(;゚д゚ )
(;´・_ゝ・`)
(;∵)
(;∴)
ミセ*゚ー゚)リ「あれー?
みんなどうしたのかな?」
小首をかしげながら微笑むミセリ。
八人はその笑顔にこわばった笑顔で返す。
.
-
しえんしえん
-
(;∵)「ひ、姫の言う通りだ!」
(;∴)「そ、そうだ!」
(;∵)「そうだそうだ!」
(;∴)「姫が正しい!」
ミセ;*゚ー゚)リ「二人ともありがとう」
(´・ω・`)「ミセリさん」
ミセ*゚ー゚)リ「あ、は、はい!あ!
な、ななんな、なにかな?
ショボンくん」
(´・ω・`)「さっきまでのが素ってことでいいですか?」
ミセ*゚ー゚)リ「え、な、何のことかな?
私はいつも私だよ?
へんなの、ショボンくん」
全員に笑顔を振りまいてから可愛らしくソファーに座りなおす。
(´・ω・`)「あと、」
ミセ*゚ー゚)リ「え?まだ何かあるの?」
(´・ω・`)「?いや、先ほどの件ですが」
ミセ*゚ー゚)リ「先ほどのって?」
(´・ω・`)?
ミセ;*゚ー゚)リ?
(`・ω・´)「一緒に戦ってみるってことだろ」
(´・ω・`)「うん」
.
-
ミセ*゚ー゚)リ「考え直してくれるの!?」
(´・ω・`)?
(`・ω・´)?
ミセ;*゚ー゚)リ「え、いやだから何でそんなキョトンとした顔を」
(´・ω・`)「ですので、シャキンに言われてとりあえず一緒に活動してみますかと」
ミセ*゚ー゚)リ「はあ?」
(`・ω・´)「みんなで行こうって言っただろ」
ミセ;*゚ー゚)リ「はあああああ?」
(´・ω・`)「とりあえず僕とそこの二人は
戦闘に慣れたいので明日はそちらメインになりますが、
明後日以降の日程で打ち合わせをしましょう」
ミセ*゚ー゚)リ
(´・ω・`)?
(`・ω・´)?
凍り付いた笑顔でショボンとシャキンを見るミセリ。
(´・ω・`)「どうしました?」
(`・ω・´)「どうした?」
ミセ##*゚ー゚)リ「あの話の流れでわかるかそんなもん!」
再び立ち上がってショボンとシャキンを睨みながら叫んだミセリ。
あまりの勢いに再び固まってしまう八人。
ショボンとシャキンは、そんなミセリを見て穏やかに笑っていた。
.
-
以上、本日及び2015年の投下を終了します。
いつも支援、感想、乙、おつむ、ありがとうございました。
また、よろしくお願いします。
なんとか彼女を出すことが出来てホッとしているところです。
が、二十話はまだ続きます。
また来年、よろしくお願いいたします。
ではではまたー。
良いお年をー。
.
-
おつおつ
色々な伏線回収がたのしみで仕方ない
来年も楽しみにまってますよっと
良いお年を!
-
乙乙
-
二十話の長さが凄いことになってくな……乙
-
乙!
-
乙乙、よいお年を
-
乙
年末は忙しくなるから無理だったかなと思ってたからこれは嬉しい更新
良いお年を!
-
見返せばいいだけなんだけど、ミセリって前に出てた?
-
多分バーボンハウスでフィレンクトの彼女としてと兄弟の店にも来てたはず
-
おつおつ
-
ミセリとフィレンクトが急に気になってきた
-
どーもです。
それでは投下を始めます。
よろしくお願いします。
.
-
7.迷路
.
-
『ミセ#*゚ー゚)リ「そこの二人、
明日からビシバシ鍛えるからな」』
ショボンとシャキンを睨みつつ、
小声で二人しか聞こえないように呟いたミセリを含む三人を見送った後、
シャキン達三人とショボンは農家を出て宿屋に向かった。
部屋は一人部屋を三つ、念のため三日分借り、それぞれに部屋に向かう。
一時間後にホテルのロビーで落ち合うことを約束してそれぞれに部屋に入る。
ショボンはシャキンの後ろに続いて部屋に入った。
(`・ω・´)「おつかれさん」
農家を出る前に頭から離した手を再びショボンの頭にのせ、
髪の毛を掻きまわすかのように撫でるシャキン。
身長はシャキンの方が少し高い。
けれどショボンが俯いていたため、ちょうどよい高さに頭があった。
上目遣いにシャキンを見るショボン。
しかしそこに可愛げといったものは無く、
出てきた言葉は恨み節だった。
(´・ω・`)「すぐ連絡くれなかったくせして」
(`・ω・´)「そう怒るなって。
理由は分かってるだろ?」
(´・ω・`)「分かってるつもりだけど、
とりあえず連絡をくれるくらいはしてくれてもいいと思うんだ」
(`・ω・´)「おれもあの二人とパーティー組んだりして大変だったんだよ」
.
-
待ってました!
-
(´・ω・`)「嘘だね」
(`・ω・´)「なんだよ嘘って」
(´・ω・`)「ちょっとしか喋ってないけど、
ミルナさんもデミタスさんもちゃんとした人っぽいし、
あの二人を丸め込んで落ち着かせることくらいかず兄になら分けないよ」
嬉しそうにショボンの顔を見るシャキン。
(´・ω・`)「……なに?どうかした?」
(`・ω・´)「いや、『かずにい』って呼んでくれたなと思ってさ」
(´・ω・`)「……シャキンにならわけないでしょ」
(`・ω・´)「なんだよー。『かず兄』って呼んでくれよー」
(´・ω・`)「うるさい」
頭を撫でる手を乱暴に外し、木製の丸椅子に腰かけるショボン。
顔は少し赤らめて怒ったような顔をしているが、
怒っているというよりも恥ずかしさの方が大きいようだ。
それを見て、笑顔でベッドに腰かけるシャキン。
(´・ω・`)「一時間しかないし、さっさと打ち合わせをするよ」
すねたように軌道修正を試みるショボン。
(`・ω・´)「そうだな。まずは情報の整理からしよう」
シャキンはそれに付き合ったが、
表情はまだニヤニヤと笑っていたためショボンは少しだけ睨んだ。
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