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Ammo→Re!!のようです

955名も無きAAのようです:2018/12/29(土) 09:22:02 ID:P5VaBOs60
今もまだあの女を殺したくて仕方がないのだ。

(<:: ´ω::>)「ヒートさん、おはな……です……お」

物思いにふけっていると、ブーンがおずおずと歩いてきた。
彼の手には鮮やかな赤色の小ぶりな花束が握られている。
微妙に色が異なる複数の花が束にされ、ところどころに白くて小さな花が見えている。
店主が気を利かせてブーンに持たせてくれたのだろうか。

(<:: ´ω::>)「あの……これ……」

ノパ⊿゚)「ん? どうした?」

(<:: ´ω::>)「これ、ヒートさんに……」

花束を差し出され、反射的に屈んでそれを左手で受け取る。
花の芳香がふわりと漂ってきた。
生まれて二十五年を迎えているが、異性からこうして花束を貰ったのは初めての事だ。

(<:: ´ω::>)「おねーさんたちに……おねがいして、あの……つくってもらって……」

ノパ⊿゚)「お、おう」

驚いたのはブーンの行動力だった。
あれだけ人見知りが激しい彼が、全くの初対面の人間に話しかけたのだ。
ジュスティアは人種差別の激しい街であることは事前にデレシアから伝えられていたのにも関わらず、だ。

(<:: ´ω::>)「ヒートさん、げんきないから……」

ブーンの小さな手が、ヒートの頭に乗せられた。
そして優しく撫でられた。

(<:: ´ω::>)「げんき、だしてください」

ノパー゚)「ははっ、まいったな……」

元気づけたりしなければならない立場だと思っていたが、どうやら、ブーンは思った以上に成長を遂げているようだった。
旅の中で彼が成長していく様は、やはり、ヒートにとっては我が事のように嬉しいものがあった。
まさかこうして、慰められるとは思いもしなかった。
ブーンの手を取り、ヒートは彼を抱きしめた。

店の裏口から静かなエンジン音が聞こえてきたが、ヒートの心はそれに向けられることはなかった。
その時ばかりは、彼女の心の中にあった増悪は微塵も姿を見せなかった。
あるのは、愛おしいという感情だけだった。

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     総作画監督・脳内キャラクターデザイン・グラフィックデザイン【ID:KrI9Lnn70】

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