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Ammo→Re!!のようです
863
:
名も無きAAのようです
:2017/12/04(月) 20:25:57 ID:v4yXdykE0
トラギコが切り札をベルベットに突きつけた時、アサピー・ポストマンは徒歩で道路を伝って山を下っている最中だった。
脚は疲労感から動かすのも面倒になっていたが、歩かなければならない理由があった。
本当であればトラギコの車に乗って街に戻れたはずだったのだ。
だが現実は非情であり、アサピーは自力で戻るほかなかった。
状況判断をすれば確かにこれが最善だが、トランクに入れて途中まで運んでもらえるだけでもいいのにとは言えなかった自分が憎い。
(;-@∀@)「あー、寒い……」
――ジェイル島にトラギコが向かってから、アサピーは言われた通り徒歩で安全で尚且つトラギコと合流しやすそうな場所を探していた。
そうしている内にアサピーは狼と遭遇し、追い立てられることとなった。
唸り声と跫音から逃げている間、アサピーは死に物狂いで山を駆ける事となった。
日ごろの運動不足が嘘のように足取りが軽く、息苦しさなど忘れてしまっていた。
どうやらここ数日でトラギコにこき使われたことで体力が付いたのかもしれないと、内心で感謝することになったのは大分後の事である。
追われている間生きた心地がしなかったが、いつまでも狼が襲い掛かってこないことに不信感を抱いたが、次第に自分がどこかに誘導されているのだとは気付かなかった。
いつの間にか狼達が消えたことに安堵しつつ、アサピーはとにかく一分でも早く道路に出て街を目指すことにした。
無意識の内にカメラを両手で構えながら山中を移動していると、一台のセダンが眼下の道路で停まるのを目撃した。
この状況で走るセダンは極めて怪しく、スクープの匂いを彼の嗅覚が嗅ぎ付けた。
本能に従ってアサピーが茂みに隠れて様子を見下ろしていると、男が一人車から降りて来た。
フロントライトに照らし出された男の顔は、ジョルジュ・マグナーニに相違なかった。
間違いなくスクープだと判断し、彼の一挙手一投足を見守ることにした。
ライトが照らし出す倒木の前に立ち止まり、そして、行動を起こす。
奇しくもジョルジュがライトを背にしているため、その顔は逆光で黒く影ってしまっている。
だが焦りは感じなかった。
『Go ahead. Make my day』
棺桶の起動コードを耳にしたとき、アサピーの指はカメラの設定を変更して夜間撮影に最適な物に切り替え終えていた。
逆光ではあるが、アサピーの予想では、フラッシュは不要だった。
それを証明するかのように、爆発音に聞き間違うほどの銃声が四度鳴り響く。
シャッターボタンは四度押された後だった。
発砲炎が彼の顔を照らし出し、アサピーは銃声ではなくその光を事前に読み取ってシャッターを切ったのだ。
望遠レンズの向こうに映る影の動きを見て、次にいつ銃爪を引くかを予想する。
タイミングを逃せば光は失われ、暗闇だけがフィルムに写ることになる。
興奮する気持ちを落ち着かせ、手ぶれの無いようにしっかりと両脇を締め上げる。
(;-@∀@)「……っ」
かつてジュスティア警察で活躍し、その破天荒な行動から多くの敵を産んだ警察のダーク・ヒーロー。
彼が対応した事件の多くは彼抜きでは迷宮入りしたと言われ、実力の高さも相まって一時期は彼の信仰者のような警官が生まれ、犯罪者の射殺率が上昇したこともあった。
その男が銃を構えている姿は、彼の事を詳しく知らない人間でも魅了されるぐらい美しかった。
まるで無駄がなく、そうある事が自然であるかのような芸術的な姿。
そんな彼を前にして胸が高鳴らないカメラマンはいない。
多分に漏れず、アサピーも胸の高鳴りを押さえきれずにいた。
歩けば問題が起き、動けば事件が解決するとさえ言われた男。
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