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Ammo→Re!!のようです
860
:
名も無きAAのようです
:2017/12/04(月) 19:53:39 ID:v4yXdykE0
だがトラギコは違う。
デレシアを追うあまり本質を見失うことはしない。
本質はデレシアを逮捕することで、彼女の秘密を暴く事ではない。
まずは彼女の周囲に現れる犯罪者を捕まえ、雑草を処理しつつ、その正体を知らなければならない。
自分が相手にしようとしている人間は果たして、何者なのか。
それが分かって初めて、逮捕するための算段が立つのだ。
そこまで手間をかけなければならない犯罪者は、これまでに見たことも聞いたこともなかった。
それだけに、今さらながら自分の勘が恐ろしくなりつつあった。
直感のような物でトラギコはデレシアを生涯最後の獲物に相応しいと考えたが、どうやらそれは大いに的中し、同時に大いなる困難をトラギコにもたらしてくれた。
オアシズで起きた一連の事件は、結局迷宮入りとして処理されたそうだが、トラギコはそれを皮切りにしてデレシアを追い詰めようとした。
それがそもそもの始まりだった。
今では世界中に影響力を持つと推測される秘密結社の存在を知り、巻き込まれることになった。
ふと、背筋に冷たいものが走る。
まさか、デレシアはここまで見越していたのだろうか。
幾度も殺そうと思えば出来たはずだ。
それをしなかったのは、トラギコをここまで引きずり込むためだったのか。
時間を追うごとにデレシアに対する気持ちが膨らみ、トラギコは目の前に転がるジョルジュの甘言に乗らなかった自分に称賛を送った。
一歩間違えれば自分がこうなっていたのかもしれないと思うと、ぞっとする。
静かなドライブが続き、尾行車もないまま、二人を乗せたセダンは港の方へとやって来た。
市街地でようやくライトを点けたトラギコは、エラルテ記念病院へと向かった。
事態を今どのようにして収束させようとしているのか。
そして、上層部に紛れ込んでいる裏切り者の目星をつけるための仕込みをするため、トラギコはあえてその場所を目指した。
本来であればトラギコは今頃ジュスティアへと連行されていることになっており、ここにいてはならない存在だ。
誰が指示したのか、下準備をしたのかまで明白ではあるが、それを知らない体で戻るのだから極めて危険な賭けでもある。
恐らくは、ベルベット・オールスターは警察内に紛れ込んだ秘密結社の細胞だ。
彼がトラギコの抹殺を企て、デミタスが円卓十二騎士の棺桶から電力を奪い取るための下地を整えた人間で間違いないだろう。
全ての状況がそう言っているのだ。
このままトラギコが死に、円卓十二騎士もデミタスによって殺されていたら、全ては闇の中に葬り去られていたはずだ。
ヅーの奮闘とトラギコの抵抗が無かったら、否、デレシアとの出会いでトラギコが変わり、トラギコとの出会いでヅーが変わっていなければそうなっていた。
これでも最悪の結果は回避できたことになる。
後はこれからの動き次第でその結果が生きてくるはずだ。
決して無駄には出来ない。
(=゚д゚)「さて、いっちょやるか」
車から降り、後部座席からジョルジュを担ぎ上げてトラギコは病院へと足を踏み入れた。
懐のM8000は安全装置が解除されていた。
待っているのは最低の待遇か、それとも、最高の待遇か。
あまり期待することなく、いつでも拳銃を抜けるようにだけしてトラギコは重い足取りで病院の扉を開いた。
――待っていたのはある意味で最高の待遇だった。
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