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Ammo→Re!!のようです
859
:
名も無きAAのようです
:2017/12/04(月) 19:52:36 ID:v4yXdykE0
――島の反対側から聞こえてきた砲撃音が何を意味しているのかは分からないが、十中八九デレシアが関係しているだろう。
だが、彼等の行動力があれば今頃はデレシアと合流し、臨機応変な対応をしてくれるに違いない。
そして首尾よく事態が動けば、予定通りショボン・パドローネとシュール・ディンケラッカーを捕まえている事だろう。
いずれにしても悪い方向に転ぶとは考えにくい。
トラギコは自分のやるべきことに専念し、そちらの方については結果が出てから考えることにした。
考えるべきはジョルジュについてだった。
僅かだが憧れを抱いたことのある男の堕落した姿に、トラギコは深く落胆していた。
このようにして逮捕するとは、極めて残念な話だ。
分かっていても、溜息が漏れ出る。
警察の汚れ仕事を引き受けてでも彼の信じる正義を果たし続けていた男が、今では、混沌の根源と化してしまった。
何が彼をそうさせたのか、断片ではあるが聞く事が出来たのがせめてもの慰めだ。
恐らく彼は、トラギコと同じ物を追っていた。
即ち、秘密のベールに覆われた旅人の正体。
デレシアと名乗る旅人について、ジョルジュはその正体を知りたければ自分に協力しろと交渉してきた。
それは、彼もまたデレシアについて調べている事を意味しており、それが警察を裏切る理由の一つになったと考える他なかった。
優れた警官だった男と言う背景を考えれば、何故彼女について調べているのか、想像するのは難くない。
ジョルジュも彼女の背景に興味を持ち、己の手で解決するべき事件であると判断したのだ。
その為だけかは分からないが、少なくとも、昔からデレシアに執着しているのは間違いない。
一体どれほど昔からデレシアについて調べているのか、それが気になるところだ。
そしてその切掛けについて知る事が出来れば、トラギコは少しではあるがデレシアの素性に近づく事が出来る。
こうして考えてみると、結局、多くの謎がデレシアへと帰結してしまう。
まるで堂々巡りだ。
彼女の周囲にある謎にかかわると、デレシアへと至り、そこで打ち止めになり、再び謎が生まれる。
安易な気持ちで取り掛かるのではなく、これまでよりも慎重に調べて行かなければならない。
今、トラギコは一本のか細い糸を握っていた。
それは手を離れたとしても気付かない程細く、軽く、本当にあるのかさえ不安になる程だ。
デレシアとトラギコを繋ぐのは、貸し借りと言う極めて不確かな糸。
糸を手繰れば相手に繋がるかもしれないが、手繰れないかもしれない、そんな糸。
貸し借りの大きさで言えば、間違いなくトラギコはデレシアへの借りの方が大きい。
彼女に貸しを一つでも二つでも作っておけば何らかの繋がりになるという打算も込みで、騎士たちを彼女の元に向かわせた。
これで少しはデレシアに貸しを返せたはずだ。
彼女にとっては余計な助力かも知れないが、それでも、これが繋がりとなってくれることをトラギコは心のどこかで望んでいた。
容疑者の力に頼ることになったのは極めて遺憾だが、それでも、プライドで事件が解決する程世の中は上手くできていない。
力にはより強力な力を持って対処しなければならない時もある。
彼女はこの世界の各地に強力なコネを持ち、比類なき戦闘力も有している。
そんな彼女と数度のやり取りを持てば、繋がりのような物が生まれるのではないかという僅かな期待があった。
それは恋する思春期のような気持ちであり、トラギコにとっては極めて不慣れな感情でもあった。
しかし、これしか手段がないのだ。
あの正体不明の女に繋がるためには、何だってやるしかない。
きっとジョルジュもそんな考えで警察を捨てたのかもしれない。
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