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Ammo→Re!!のようです

838名も無きAAのようです:2017/10/01(日) 19:45:46 ID:UYTFpBow0
頭突きを放とうとするも、影は風に吹かれる紙のようにするりとジョルジュの前から消え失せ、肋骨に固い一撃を見舞った。
鍛えようのない骨を狙われ、彼の肋骨は悲鳴を上げた。
音だけで折れたのが分かる。
その一撃でジョルジュは意識を失い、地面に落下して意識を取り戻した。
  _
(;゚∀゚)「ぐっ…… くそっ……」

冗談のような強さだ。
この強さは円卓十二騎士よりも遥か上。
騎士を二人相手にして生き延びたジョルジュだからこそ、そう断言できる。
影に潜んだこの襲撃者は、ジュスティアの最高戦力二人を合わせたものよりも強い。

相手の正体は耳付きであり、そして、この超人的な戦闘能力。
この二つを手にしてしまえば、答えを導き出すのにそう時間は必要なかった。
  _
(;゚∀゚)「“イルトリアの獣”か……!!」

前イルトリア市長の元には、三人の直属の部下がいた。
全員が耳付きであり、全員が最高戦力という存在。
三人の戦闘力は円卓十二騎士の総数よりも上とされ、ある種の伝説として語られてきたもの。
それが、イルトリアの獣。

その内の一人は狼の耳付きであり、近距離戦闘に非常に長けていたと聞く。
“讐狼”、“ウルフ・オブ・ヴェンデッタ”、“アヴェンジャー”など、渾名は一つ収まらない。
これがオアシズでショボンの画策を打ち破った人間の一人。
その名は、ロウガ・ウォルフスキン。

相手にとってこの上なく最悪の人間だ。
元警察官が敵う相手ではない。
容易に逃げ切れる相手でもない。
どこまで抗えるか、試してみる他選択肢はなかった。

木を背にし、吹き飛んでも手放さなかった二挺の銃を構え、最後の反撃を試みる。
ジョルジュは覚悟を決めた。
噛み殺されるにしろ、切り殺されるにしろ、最期は無抵抗で終わるつもりはなかった。
だが、いくら待っても止めの一撃を刺しに来る気配がない。

それどころか、周囲には気配すらなかった。
殺さずに消えたというのか。
敵として認識せず、殺す必要すらないと判断したのか。
それとも、別の目的があったのかは分からずじまいとなった。

上体を動かすと肺に痛みが走るため、木に寄りかかったまま時が過ぎるのを待つことにした。
ややあって、一台の車が山道を進んでジョルジュの姿を照らし出した。
その頃にはジョルジュの意識は朦朧としており、その車が味方なのか、それとも別なのかの判別は下せなかった。
車から降りてきた人間によって銃が力づくで奪い取られたことから、少なくとも、味方ではないことは確かそうだ。

そして、固定されているツェザリカも取り外され、ジョルジュの棺桶についての知識を持つ人間であることも分かった。
もう抵抗をする体力はなかった。
聞こえた声には間違いなく聞き覚えがあり、怒りが含まれていることも聞き取れた。


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