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Ammo→Re!!のようです
822
:
名も無きAAのようです
:2017/10/01(日) 19:21:34 ID:UYTFpBow0
――左腕に温もりを感じたのは、そんな考えを巡らせていた時だった。
寄り添う形で何かがヒートのベッドに入ってきたのだ。
布団の上からでも感じる温もり、体温。
それは人よりも体温の高い証拠。
つまり、これはブーンの体温に相違なかった。
何故ここにブーンがいるのかという気持ちが、ヒートの意識を麻酔の海から引き上げた。
呂律の回らない状態で、ヒートは彼の名を呼ぶ。
ノハ´⊿`)「ブーン……?」
(∪;´ω`)「お……」
ノハ´⊿`)「な……で……」
麻酔の為か、口が上手く動かせない。
目も見開けないが、その声は間違いなくブーンのそれだ。
(∪;´ω`)「えっと…… ヒートさん、しんぱいで……
そしたら、ししょーが、そいねしろ、って……」
ブーンの言う師匠がロウガの事なのは知っている。
狼の耳付きであり、その戦闘力は桁違いに高く、棺桶を使ったとしてもヒートが勝てるとは考えにくい猛者だ。
彼女は縁あってブーンの命を助け、更には生き抜くための指導を買って出た。
そんな彼女と酒を飲み交わしたヒートの印象は、極めて良好だった。
人柄は掴み所がない印象だが実直な姿は正に狼といったところで、前イルトリア市長の警護を担当していることからも分かる通り、真面目な性格をしている。
そうでなければ、あの“ビースト・マスター”が雇うはずがない。
彼の武勇伝と伝説はいくつもあるが、そのどれもが彼の恐ろしさと情けの無さを物語るものであり、イルトリアの代表者としての資質を十分に発揮していた男。
そんな男が雇い、手近に置くとなれば間違いなく一流の人間だ。
ブーンはそんな男とも親しくなり、友と呼ばれる間柄となったのは本当に予想もしない展開だった。
全くの偶然だが、彼等はデレシアの知り合いであり、彼女に一目置いていた。
デレシアの人脈の広さについてはもう驚くまいと考えていたが、やはり驚かざるを得なかった。
だがそれは、ある意味でこの上ない保証でもあった。
デレシアの友人である彼女のアドバイスを受けたブーンは、ただそれを実行したに過ぎない。
恐らくあの短い話の中で、ロウガはヒートがブーンに抱いている感情を察したのだろう。
そしてブーンがヒートに対して向けている感情と合わせて考え、この案を出したはずだ。
(∪;´ω`)「ヒートさん…… ぼく、いっしょにいてもいいですか?」
ノハ´⊿`)「ん……」
その返事がブーンにどの意味で理解されたのか、意識が再び遠のこうとしていたヒートには考えることも適わなかった。
静かに眠りの波に身を流され、ヒートの意識は今度こそ深い海の底に沈んでいった。
だが今度は、傍らに感じる温もりが共に海底へと進んでくれたため、何も不安な気持ちは浮かばなかった。
何より、腕に感じる温もりがヒートの心の中に浮かんでくるあらゆる不安を消し去ってくれた。
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