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Ammo→Re!!のようです

792名も無きAAのようです:2017/07/17(月) 21:22:28 ID:s.K.qiF.0
声は聞こえていないだろう。
本来そこにあるはずの耳はなく、あるのは赤黒く変色した傷口にしか見えない穴。
目は見えていないだろう。
本来そこにあるはずのところからは血が流れ出し、砕けた鉄片が突き刺さっている。

(=゚д゚)「何だよ、お前の事見直したラギよ。
     次からはペンじゃなくて、銃を持って一緒に仕事をしてみるラギか?
     お前みたいな根性のある女、長官の秘書にしておくのは惜しいラギ」

聞こえていない事を承知で声をかける。
これは死にゆく同僚に向けての、手向けの言葉。
返答など期待していない、ただの独白だった。

「あ……あ゛……」

そのはずだったのに、ヅーの悲鳴が止み、何かを訴えかけるような声が聞こえてきた。
失われた腕を動かして、必死に何かを掴もうとしているが、何も掴むことはない。
彼女の手が何かを掴むことなど、もう二度と出来ない。
だが、掴むことが出来た物ならある。

(=゚д゚)「どうだ? 俺とお前が組めば、結構いいコンビになると思わねぇか?
    俺が実働で、お前がその後処理。
    なぁに、お前なら出来るラギ」

掴んだのは、トラギコの信頼だった。
これまで、トラギコは進んで誰か警官を相棒にすることはなかった。
警察官としての人生の中で、誰一人として、トラギコの信頼を勝ち取ることは出来なかったのだ。
どんな新人も、どんなベテランも。

結局は、トラギコを落胆させてしまうだけで終わるのだ。

「と……ら……ぎこ……」

だが。
この女は。
聴力も視力もない中で。
トラギコの名を呼んだ。

(=゚д゚)「おう、どうした?」

優しげな声で、トラギコは聞き返す。
ここに横たわるのは騎士よりも高潔な女。

(=゚д゚)「遠慮せずに言えよ」

「わた……し……じょ……うずに……」


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