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Ammo→Re!!のようです

740名も無きAAのようです:2017/06/12(月) 21:21:24 ID:cylVOJUg0
彼なりの復讐は、確かな効果があった。
街の警官たちは以前までのように威張らなくなり、少しずつだがストリートチルドレンの数も減ってきた。
彼は匿名で孤児院を設立し、それまでの劣悪な施設ではなく、その孤児院に子供たちが入るように尽力した。
孤児院を出ていく頃には、子供たちは世の中で生きていくのに必要最低限の学を身に着け、危険ではない仕事に従事することが決まっていた。

次にデミタスは美術品のついでに様々な書類も盗むようになった。
子供たちを金で買い、ペットのように扱う変態を世間に知らしめようとしたのだ。
それが大物たちの怒りを買い、多くの警官が導入された末にデミタスは捕えられることとなった。
事情を説明しても警察はデミタスの話を聞かず、死刑にされても構わないから子供たちを助けてほしいと懇願しても、それは黙殺された。

死刑が確定し、デミタスはセカンドロック刑務所に送られた。
資金を得られなくなった孤児院は潰れ、子供たちは売られ、デミタスは親しい友人からの情報でその末路を独房内で知ることになった。
誰が悪かったのか、それを考えるのは無駄だ。
ただ、変えたかった正義があったのだろう。

こうして、ようやく仇を討てる瞬間に巡り合えて、よく分かる。
デミタスの夢。
それは、悪になる事でも、子供たちを救う事でもなかった。
もっとシンプルな、子供の様な夢。

――正義の味方に、なりたかったのだ。

(_::゚゚[_|_]゚゚)『死ね!!』

(::[ Y])『?!』

飛び蹴りを重機関銃で防いだが、ヅーの体はまるで放り投げられた人形のように宙を舞い、鉄格子に激突した。
コンテナに入ったまま円卓十二騎士が出てこないことに、ヅーは気付いたことだろう。

(::[ Y])『盗んだのですね、電源を……!!』

流石は聡明な秘書だ。
こちらの仕掛けたトリックに気付いたようだ。
だがもう遅い。

(_::゚゚[_|_]゚゚)『あぁ、そうだ。
      充電されなければ、棺桶はただのコンテナ。
      充電ケーブルを繋げば充電されるなんて考えをする奴が馬鹿なんだ。
      そんな馬鹿に充電を頼んだ奴は、もっと馬鹿と言うわけだ』

エラルテ記念病院を本部に、ヅー達が集う事は分かっていた。
几帳面なジュスティア人であれば棺桶の充電を行うための部屋を用意すると考え、デミタスは充電を行う部屋の位置を割り出した。
そして、その部屋の電源に細工をして充電ではなく放電をするようにしたのだ。
電力を消耗した状態の棺桶を装着すれば、途中で必ずその力を失うことになる。

円卓十二騎士を二人相手にすることなど、デミタスには出来ない。
無力化するための手段として最も有効な手を使い、それは今、最高のタイミングで形となった。
だが、ヅーは棺桶の充電を誰かに任せることをしなかったため、放電の難を逃れた。
それだけが唯一、デミタスの用意した下準備での誤算だった。


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