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Ammo→Re!!のようです
739
:
名も無きAAのようです
:2017/06/12(月) 21:19:37 ID:cylVOJUg0
飢える者同士、十分な稼ぎを得られない子供であれば、共同体として集まり、助け合わなければ生きられない。
彼の生まれた街では、そういった子供たちをストリートチルドレンと呼び、救済措置は一切行われなかった。
代わりにあったのは、ストリートチルドレンを取締り、街の清浄化を図る事だった。
警察はそのために雇われ、不法労働をする子供たちが次々に捕まり、施設に投獄された。
施設は子供たちを救うための場所ではなく、商品としての選別を行う場所だと、子供たちの間では有名だった。
実際、施設から逃げ出した多くの子供がそこで行われている選別作業を目の当たりにしていた。
女は娼館や金持ちの家に売られ、男は炭鉱やごみ処理施設に送られ、それ以外は慰み者として施設で飼い殺しにされた。
恐れるべきは捕まる事だと、子供たちはストリートチルドレンと化した時から教えられた。
やがて理解したのは、警察は正義の味方ではないという事だった。
正義はきっと、子供たちのところには現れないのだと諦めたのは割と早い段階でのこと。
大人たちの間に正義はあり、子供であるが故に正義の恩恵が受けられないと考えるようになった。
そして、正義の味方は金持ちの味方であることを知ったのは、彼が十歳になった時だった。
いつもと同じ要領でパンを盗み、逃げていた時の事だった。
運悪く鉢合わせた警官に捕まり、デミタスは死ぬほど殴られた。
逮捕こそ見逃されたが、その日、デミタスはゴミ屑のように地面に横たわって体力の回復を待つしかなかった。
夜が明け、下水道に作っていた彼らの家に戻ると、そこには誰もいなかった。
代わりにあったのは、打ち壊された家の残骸だけだった。
後に目撃していた人間から聞いた話では、深夜に警察の一斉捜査が行われ、下水道を住処にしていたストリートチルドレンが大勢施設に連れていかれたとの事だった。
パンを盗みに行っていたデミタスは命拾いをしたのだ。
だが、自分よりも幼い子供たちは逃げることなどできようはずもなく、投獄されてしまった。
彼らに待っている結末を想像しただけで怖気が走ったが、どうすることも出来ない事をよく理解していた。
彼には力がなかった。
何かを変えるための力がなかったのだ。
月日が流れ、デミタスは力をつけるようになった。
ケチな盗みから強盗に仕事を変え、路上強盗や押し込み強盗にも手を出した。
売春の斡旋にも手を染めたが、薬物には手を出さなかった。
女が金を稼ぐ最も簡単な方法は売春で、それは年齢が若ければ若いほど高額になった。
デミタスが行ったのは子供相手に性をぶつけたい変態を見つけ、未払いで逃げられることを防ぐために客の選別を行い、少年たちをボディーガードとして雇う事だった。
取り分は女たちと決めた分だけもらい、後は体を売った彼女達に支払われた。
十歳にも満たない女でも安全に体を売ることが出来る為、彼の商売は右肩上がりとなった。
様々な会社の重役や高官が客として来ることも珍しくなく、それを弱みとして握り、警察に圧力をかけて子供たちに手出しをさせないようにした。
だがまだ足りなかった。
彼は子供たちに売春や危険な仕事などさせず、もっと多くの子供を救いたかった。
そして、決意した。
怪盗となり、盗んだ金品を売り払おうと。
道具を揃え、少しずつ下積みをしていった。
彼は十件目の盗みを終えた時に気付いた。
自分には盗みの才能があると。
盗みは芸術性を重視するようになり、より優雅に、より華麗に盗むことを目指すようになった。
予告状を出し、警察を翻弄し、その無能さを世間に知らしめた。
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