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レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。
Ammo→Re!!のようです
734
:
名も無きAAのようです
:2017/06/12(月) 21:09:56 ID:cylVOJUg0
だから怯える必要はない。
命を狙われることは初めてではない。
何度も狙われ、何度も襲われた。
その度に撃退し、その度に生き延びた。
悪に屈しない心がヅーの恐怖心を麻痺させ、今日まで命の危険を感じたことはなかった。
感じていたとしても、それを自覚することはなかった。
だが今、ヅーは初めて己の気持ちだけで悪と向き合うことになっていた。
悪を自らの価値観で判断し、己の力で敵対する。
それは秘書という肩書を得た彼女にとって、全く経験のない事だった。
与えられた仕事をこなし、与えられた命令の通りに果たす。
それだけの人生のはずだった。
生まれてからこれまで、ずっとそうだった。
英才教育を施され、警察官僚になるための勉強をし続けた。
友人はいなかった。
いたのは、ライバルだけだった。
そのライバルですら、ヅーにとっては己を高めるための燃料程度にしか見ていなかった。
歴代最優秀の秘書として採用された時、彼女が感じたのは無だった。
こうなるために生きてきたのであり、こうなることは当然の結果だったからだ。
レールの上を歩き続け、そのままジュスティアの街を統治する重役へとなり上がる。
そう、思っていた。
レールに石を置いたのはトラギコだった。
彼は常にヅーの進路を妨害し続け、常に惑わせてきた。
その生き方はやがて、ヅーの中に小さな憧れとなった。
自ら定めた方針に従って生きるその自由さは、彼女にはないものだった。
CAL21号事件の判決が下った際の彼の声は、今も耳に残って離れない。
あれを慟哭と言うのだろう。
人間が腹の底から吐き出す激怒の声だったのだろう。
その姿を見た時、声を聞いた時、ヅーは羨望を覚えた。
彼は自分で生きている。
彼はレールを破壊して生きている。
その自由奔放なまでの生き方に、正義を通している。
正に、生きた獣の正義。
トラギコはジュスティア警察の在り方について文句を言いはするが、警官であり続けているのは、正義を貫きたいからに他ならない。
己の手で事件を解決したいからこそ昇進のチャンスを全て意図的に蹴り落とし、今の階級に甘んじている事をヅーは良く知っている。
最前線で事件と戦い続けるトラギコの姿は、かつて一瞬だけヅーが憧れた正義の味方によく似ていた。
唯一の違いは、ヅーの知る正義の味方には大勢の仲間がいる事だが、トラギコの仲間は極めて少ない点だ。
腕時計から聞こえてくる秒針の音に、ヅーは意識を現実に向けなおした。
瓜//-゚)「……センサーに反応は?」
(´・_・`)「ない。 小動物の反応すらない」
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