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Ammo→Re!!のようです

732名も無きAAのようです:2017/06/12(月) 21:07:57 ID:cylVOJUg0
それから異例のピッチで進められたエラルテ記念病院を取り囲む厳戒態勢は、ジュスティアが普段訓練を怠らずに行っている証となった。
予告されたのは夜九時だったが、準備が終わったのは午前十一時の事。
完全武装の警官、軍人が付近の道路を全て封鎖し、建物の屋上も制圧した。
実包の装填されたライフルを携える軍人の姿に市民は怯えを見せたが、同時に、興奮もした。

自分達に仇なす災厄と正義の味方が対決するのだ。
見届けたくもなろう。
彼らはジュスティア人。
正義を武器にあらゆる巨悪と対決してきた、世界の天秤たらんとする存在なのだ。

すっかり日も暮れ、夜空の月が昨夜同様の輝きを放つ夜八時半ともなると、空気はより一層重みを増した。
その重々しい空気はラジオを通じて、世界中の人間の耳に届けられた。

【占|○】『こちらぁ、極道ラジオFM893ですぅ。
     皆さぁん、先日脱獄したあの大怪盗ザ・サードがジュスティアに予告状を送ったのは知っていますよねぇ。
     予告されている時間は十時ですのでぇ、まだ余裕がありますけどぉ。
     本日はぁ、放送内容を少し変えてその様子を放送しちゃいますぅ――』

世界的な人気を誇るラジオ番組では現地にいる協力者を使い、現地の様子をリアルタイムで放送していた。
島にいた各新聞社の記者たちはこれを一世一代の出世のチャンスと考え、埃を被っていた機材を持ち出して現場へと急いだ。
ある者は質に入れていたカメラを買戻し、またある者は借金をして高性能なカメラを購入した。
狙うのは世紀の大怪盗が現れる瞬間と、決着がつくその時。

封鎖されているだけに、その写真が持つ価値はかなり貴重な物だ。
撮影できるのは一握りの人間。
現れるのは義賊として一部の市民から絶大な支持を得ていたデミタス・エドワードグリーン。

(-゚ぺ-)「しかし、すごいな、この警備は」

川_ゝ川「あぁ、この島でこんな警備態勢、見たことねぇ」

カメラを手にエラルテ記念病院を囲むマスコミ関係者の間からは、異口同音にその警備の厳重さを述べた。

〔Ⅲ゚[::|::]゚〕

近距離戦闘を想定しているのか、短機関銃MP45を装備したジョン・ドゥが敷地から離れた場所に立ち、その後ろに同じくM4カービンライフルを構えるジョン・ドゥがいた。
更に、敷地内には追加装甲で全身を灰色にし、ミニガンをいつでも撃てるように待機するジョン・ドゥがいた。
恐らくは屋内にも同様に棺桶持ち――強化外骨格を使用する人間の俗称――が待機していることだろう。
軍人と警察の連携作戦はジュスティアの犯罪史でもかなり珍しいものだが、ここまでの警備体制は前代未聞かも知れない。

サーチライトが夜空を照らし、緊急車両があらゆる路地を封鎖した。
病院を中心に一マイル圏内は全てジュスティアの監視下に置かれた。
こうしてカメラを持つ彼らの周囲は現職の警官、もしくは軍人によって囲まれているため、不審な動きは一切できない。
厳重な警備の中に集まるマスコミ関係者の姿は、大物の取材会見さながらの様子だった。

これまでにデミタスが盗んできた多くの芸術品は、どれも高価な物でそのほとんどが闇市場に流れ、二度と日の目を見ることはなくなってしまった。
今回彼が出した予告状に書かれていたのは、これまでに彼が一度も予告をしなかった
彼は泥棒であり、暗殺者ではないのだ。
何もかもが異例の中、予告された時間が刻一刻と迫っている。


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