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Ammo→Re!!のようです

714名も無きAAのようです:2017/06/12(月) 20:31:46 ID:cylVOJUg0
彼の言葉には力がこもっていた。
絶対の信頼を置ける人間に心当たりがあることは何よりも強みとなる。
クサギコの頭の中にはマニーの要望を満たすことのできる人間が複数人浮かんでおり、有事の際にはすぐに行動できるように常に密な連絡を取る仲だ。
事態に合わせて彼は絶対の信頼を置く部下の名前を記憶しており、今回の様な護衛任務に適任とされる人間は特に強く印象に残っている。

クサギコは駆け足で部屋を出て行き、残ったブロック長は二人。

¥・∀・¥「これから乗船する客が二人くる。
      その迎え入れ、および適所への誘導を」

ノリパ .゚)「承ります」

静かに、だが有無を言わせぬ口調で第三ブロック長ノリハ・サークルコンマが名乗りを上げた。
マニーは無言で頷き、ノリハはすぐに無線の電源を入れて行動を開始した。
情報がまるで蜘蛛の巣のように広がり、ノリハへと集約される。
これにより、離れていたとしても情報が逐一共有されるため、ノリハは素早く的確な指示を出すことが出来る。

¥・∀・¥「ロミス、君には事後処理をお願いしたい。
      いくつ出るか分からないが、また死体が増える。
      それを秘密裏に処理できるか?」

最後に残った男は、自分の役割を心得ていた。

£°ゞ°)「船上での事故はよくあることですので、お任せください」

仔細を聞かずとも、第二ブロック長オットー・リロースミスが市長の依頼を引き受けたのは、市長の決断に対して疑念を持っていないからである。
彼らは皆、オアシズと言う船を守るためであればその手を汚すことも厭わない。
“オアシズの厄日”と呼ばれる一連の事件を経てから、彼らの連帯感は強くなっていた。
同一の目的を達するためにはそれぞれの役割を果たし、共通の敵を排除することが最優先だとようやく理解したのだ。

全てのブロック長がそれぞれの能力を生かし、市長の指示に従う姿は軍隊を彷彿とさせる。
市長の指示は即ち、彼らが選んだ代表者の意志。
緊急時に下されるその決断に過ちはない。

¥・∀・¥「さぁ、ここからが忙しくなるぞ」

ネクタイを締め直し、マニーは無線で入ってきた内藤財団のニュースを文字化した資料に目を通し始めた。
この忙しい事態の中で発表されたのは、世界共通の単位。
それはあまりにも魅力的な提案であり、画期的な発案だった。
長さや重さに関する単位の煩わしさは彼も感じており、どうにか統一できない物かと考えたこともあった。

世界最大の企業がその提案をするという事は、遅かれ早かれ他の企業もそれに追従することになる。
しかもそれが浸透するためにラジオを無償配布するという方法も大企業だからこそ実現できるもので、利益を度外視した物だった。
ラジオは新聞よりも早く、そして識字について考えなくて済む情報媒体。
声と電波さえあればどこまでもほぼ同じタイミングで同じ情報を流せるだけでなく、会話まですることのできる太古の技術。

ラジオによって発せられる広告は新聞やチラシよりも明確に人々に伝わり、そして伝播する。
巨大な広告市場を自ら開拓し、大きな損をして大きな得を取る戦術に出たのは大胆な発想だが、効果的だ。
オアシズにもラジオは当然あるが、それは客室で客たちが自由に聞くことのできる設備としてあるため、船内中に流してはいない。
地上の喧騒を忘れるために穏やかな曲を流し、客に極上の船旅を楽しんでもらうのがオアシズの方針であり、よほど緊急性の高いニュース以外は放送されなかった。


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