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Ammo→Re!!のようです
712
:
名も無きAAのようです
:2017/06/12(月) 20:28:46 ID:cylVOJUg0
すれ違う人々とぶつかりそうになることも無く、ロマネスクはただ、風のように静かに進む。
彼が独り言のように口を開いて言葉を紡いだのは、果たして、何がきっかけだったのだろうか。
鼻歌を歌うような気軽さで、ロマネスクは真後ろに控えていた人物に話しかけた。
( ФωФ)「吾輩に用か?
変装までしてご丁寧なことだ」
よほど観察力の優れた人間でなければ、彼が話しかけたかどうかさえ分からなかっただろう。
あまりにも自然すぎるその動作に対して応じた男の反応もまた、自然極まりない物だった。
故に、二人が会話をしていることに気付いた人間は皆無だった。
¥・八・¥「……お気づきでしたか」
背後にいた髭の男、オアシズ市長リッチー・マニーはその姿のままロマネスクの横に並んで歩いた。
オアシズを取り仕切るその男の立ち振る舞いは優雅さを決して失わず、それでいて自然体を保っている。
ある意味では、マニーは優れた役者だった。
己の心境を決して表に出さず、やるべきことにだけ目を向ける姿は、正に一つの役割を演じ切らんとする役者そのものだ。
( ФωФ)「何と言ってきた?」
¥・八・¥「“残火の処理を”、との事です」
皺の刻まれたロマネスクの口元が、僅かに笑みを形作る。
そしてほとんど見えていない黄金瞳をマニーへと向ける。
( ФωФ)「なるほど。
お前は?」
¥・八・¥「予定通りに」
( ФωФ)「うむ」
何事もなかったかのように、二人はそれぞれ別の道を選んで別れた。
二人が会話をした時間は三秒程。
その声量は絞られ、嵐の音と船内に流れる緩やかな音楽、そして人々の喧騒によって周囲には聞こえていない。
そう、ただの人間には、決して聞き取ることが出来なかった。
( ФωФ)「……任せる」
独り言のようにつぶやかれたロマネスクの言葉は、果たして誰の耳に届いたのだろうか。
返答らしい返答はない。
それでも、彼は意に介した様子もなく、静かに歩き続けるだけだった。
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