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Ammo→Re!!のようです

689名も無きAAのようです:2017/05/05(金) 09:36:53 ID:NjkwanZg0
変わりたいと願うブーンの気持ちを認めてくれたデレシアは、ディと共にヒート救出の作戦を託してくれた。
ディは運転手がいなくとも自立できるよう設計されており、また、目的地を指定すればその場所に向けて自動走行をすることが出来る。
そのため、ブーンはディに跨り、己の役割を果たすことにのみ専念すればよかった。
ブーンは囮であり、そして、要であった。

デレシアと同じローブを着て高速で逃げていれば、相手はブーンの事をデレシアと錯覚するだろう。
速度と機動力、一度も後ろを振り返らない精神力が求められる役割だったが、ブーンはそれを見事に果たした。
逃げているのがデレシアでないと分かった追手はすぐに狙いを変え、デレシアがいると思わしき方向に走り去った。
ヒートを手助けするのはデレシアではなく、ブーンだというのに。

こうしてブーンは無事に追手から逃げ延び、ヒートを救うために意識を切り替えていた。
ここからが本番だった。
デレシアが囮として戦っているのも、ブーンがこうしてディに乗っているのも。
全てはこの一瞬の為。

犯罪者たちをジュスティアの人間に任せ、その間にヒートを一時戦線から
ヒートはブーンが来ることを知らない。
打ち合わせなどない。
僅かな期間で互いの間に生まれた信頼関係、そして対応力だけが物を言う。

何としても成功させなければならない。
これまで守られ続けてきた自分が出来る、数少ない反撃の機会。
ヒートに対する恩返しの機会。
自分が誰かを守るために力を振るう、絶好の契機。

だから、叫ぶのだ。
声がかすれる程の大声で。
喉が潰れる程の大声で。
助けたいその人の名前を叫ぶのだ。

(∪;´ω`)「ヒートさん!!」

ブーンは大声でヒートの名を叫んだ。
まるで狼の遠吠え、獣の雄叫びのような大声量。
その声は暴風雨の中でも、まっすぐにヒートに届いてくれただろうか。
瞬く間に距離が縮まるが、ヒートは振り返らない。

もしも彼女にこの声が届き、そして、ブーンがここに来た意味を察してくれたのであれば反応があるはず。
あらゆるコミュニケーションの壁を越えた、反応が――

ノハ<、:::|::,》

(∪;´ω`)

――二人は視線を合わせることもなく、同時に手を伸ばした。
例え数百回練習したところで、ここまで見事な形で実現することは不可能だろう。
嵐と言う悪天候、そして戦闘中という環境に身を置きながらも、二人の呼吸は完全に一致していた。
まるで生まれた時から互いをよく知る姉弟の様な、阿吽の呼吸。


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