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Ammo→Re!!のようです
619
:
名も無きAAのようです
:2017/03/28(火) 21:08:26 ID:2nMT7N0s0
冒険家としての夢。
航海士としての夢。
警察官としての夢。
探偵としての夢。
弁護士としての夢。
検事としての夢。
研究家としての夢。
彼には、別 の 夢 が あ っ た か も し れ な か っ た の だ 。
夢は親のエゴによって狙撃手へと塗り潰され、彼の人生は血で汚れる事となった。
狙撃は嫌いではなかったが、彼は、もっと自分の意志で未来を築き上げたかったのだ。
未来を奪われたそもそもの原因を作った魔女を、カラマロスは何としてでもこの手で殺したかった。
そうすることでロングディスタンス家の因縁は終わり、彼の子孫は夢を自由に追う事が出来ると信じた。
幼少期、彼が味わった屈辱は一生涯忘れることの無い物だ。
彼の両親が与えた名前はカラマロスだが、その名前はジュスティアの童話を知っている人間ならば誰もが聞いたことのある名前だ。
カラマロフ、カラマロスという双子の鼠が森で魔女と対峙し、正義の名のもとに罰するという童話。
物語の最後は魔女の魔法によって二人が一人の人間となり、英雄として人の二倍の寿命を生き続けることで完結となる幼児向けの話だ。
そして両親に与えられたこの名前が大人の誤解を招き、彼の人生に影響を与えることとなった。
始めに間違えたのは彼の親戚だった。
親戚はカラマロフ、と呼んだ。
彼の名前はカラマロスだった。
次に間違えたのは学校の教師だった。
教師はカラマロフ、と呼んだ。
彼の名前はカラマロスだった。
子供たちはカラマロスをからかい、カラマロフと呼んだ。
やがて時が流れ、彼は軍隊に入った。
次に間違えたのは上官だった。
間違いを指摘されたことに激怒した上官は、彼の書類を書き換えた。
カラマロフ・カラマロス・ロングディスタンス、と。
そして彼は、二つの名前を与えられることとなった。
カラマロフ、そしてカラマロス。
彼は自らのアイデンティティを奪われた。
未来を奪われ、己自身をも奪われた男は魔女への復讐を誓ったが、それは叶わぬ夢となった。
魔女は同じティンバーランドの同志の手によって殺された。
それはつまり、仇を失ったという事。
父親の悲願であった世界最高の狙撃手の称号が転がり込んできた時、カラマロスは酷い喪失感に襲われた。
目標が無くなった人間は虚無感のあまり、廃人のようになると言うが、カラマロスは違った。
確かに彼は夢を奪われ、そのことに対して怒りを覚えていたが、今は別の夢を追っている最中。
老婆が別の誰かに殺されようが、実はどうでもいいということに気付いた。
狂った世界を変え、正しい世界をもたらすという夢の前には、肉親の死でさえ些事でしかない。
彼の私情で大義をないがしろにすることは許されない。
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