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Ammo→Re!!のようです

489名も無きAAのようです:2016/10/03(月) 21:59:58 ID:slfccTV.0
黄昏時。
鐘の音が鳴り響く、逢魔が時。
ヒートはアサピーが複数の棺桶持ち――エーデルワイス――に警護されながら病院から出てくるのを見下ろし、その警備体制の厳重さに舌を巻いた。
死角を補い合うように路地裏を移動し、こまめに状況の連絡を行っている様子は凶悪犯の輸送に似ている。

減音器の取り付けられたカービン銃を構える四人の棺桶持ちに囲まれ、その中央にいるアサピーは周囲を見渡し、不安そうな様子だった。
もしも彼らがアサピーを病院から別の場所に移すのであれば、夜になりきらないこの時間帯、そして路地裏を使う事は読めていた。
彼女の読み通り現れた一行は、アパートの階段の踊り場に姿を隠すヒートには気付いていなかった。
となると、おそらくはティンバーランドの人間もこの機会を狙っている可能性がある。

そうして、集団が路地をしばらく進んだ時、一人が叫んだ。

(::[∵/.゚])「……コンタクト!!」

接敵。
敵との接触は即ち、襲撃者の来訪を告げる吉報だ。
見れば、集団の正面に髭を蓄えた男が一人。
間違いなく、デミタス・エドワードグリーンだ。

そしてデミタスはヒートが見ている目の前で、その姿を消した。
高速移動による現象ではない。
それにしては予備動作も舞い上がる砂塵もない。
全身を不可視にする強化外骨格の成す業だ。

だがヒートはその棺桶に対して、一切後れを取ることなく立ち回れた。
早速一人がアサピーを抱きかかえて、建物の屋上へと続く退路を選んで跳躍した。
教則通りの判断だ。
狭い路地で不可視の人間を相手にするぐらいなら、退路が多々ある屋上を選んで保護対象者を逃がした方がいい。

その間に残った人間で襲撃者を撃退すれば、無事に何もかもが終わる。
だが教則通りという事は当然その対応をされている可能性もある、と思った次の瞬間、一人の首が地面に落ちた。
場数を踏んだはずの人間が、デミタスの姿を捉えられていない。
戦闘の素人であるデミタスに負けているという事は、その姿を目視出来ていないのだ。

強化外骨格の目を持ってしても目視が出来ない。
これは厄介そうだ。
そう思っていると、アサピーを連れていた人間が倒れた。
デミタスが移動したとは考えにくく、その倒れ方は、銃で撃たれた人間のそれによく似ていた。

また、狙撃だ。
鐘の音に合わせた狙撃は、その頻度と正確さを増している。
早目に片付けなければ、次はヒートが撃たれる番だ。
そして意外なことに、アサピーは自らの意志で屋上から路地裏へと落ちた。

ノパ⊿゚)「……へぇ、やるじゃんか」

棺桶を背負い直し、ヒートは称賛の言葉をつぶやく。
狙撃されていることに気付いたらしく、撃たれにくい建物の影を選んだのはいい選択だ。
デミタスに蹂躙されるエーデルワイスの一行を見下ろしていたヒートは、起動コードを口にした。


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