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Ammo→Re!!のようです

455名も無きAAのようです:2016/10/03(月) 21:10:01 ID:slfccTV.0
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      The fuckers who deny my vendetta can't stop me, forever and never.
               復讐を否定する奴に、あたしは止められない。
     ヽ/ ! ` l´,ヘ ', ヘ.∧,-、   ` ‐' ‐-='´---,
      | | !   f'/,ィV ', ',∧^リ         _, ‐'‐-..、
      | | !   | イリ' V.', ',∧'、     -/:::::::::::::::::::::::
.     -=| l. l /    l. ', l ∧ ヽ r-.、γ´::{:::::, ---- 、
       ',ヘ. ヘ. __    ! l ト. ト.ヽ/:::::::::{:::::::::l:':::::::::::::::::::::   Heat ・ Ororus ・ Redwing
        ヾヘ. ハ. ` _ j ハ | ', l >ヽー-、{::::::::::',::::::::;:::::::'l´ ――ヒート・オロラ・レッドウィング
         \ 'ーチl !| l | (.!|' 、:::`:::::::',::::::::::',:::::::::::::::l
          ∨ l. ト. リ':l |::_lj〉`:ヽ::::::::::}::::::::::}::::::::::::∧

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月明りが世界を仄かにモノクロに染め上げる静かな夜。
一台のバイクが、鬱蒼と茂る木々の間を猛烈な速度で走り抜けていた。
巧みなハンドル捌きで運転する黄金色の髪を持つ女性は、ヘッドライトを切った状態にも関わらず、周囲の木の位置が分かっているかのように運転していた。
曲芸じみた技術を目の当たりにし、驚きの表情を浮かべるのはタンデムシートに座る赤髪の女性。

闇に目が慣れてきた彼女も、密生した木の輪郭を見つけることが出来るが、この速度を保ったままバイクを運転できるかと言えば、答えは否だった。
路面が不安定であり、尚且つ高速移動中に視界が狭まる事を赤毛の女性は知っていた。
そして、二人の間では一人の少年が小さく寝息を立てていた。
犬の耳と尾を持つ少年は、運転する女性の服を辛うじて掴んではいるが、まるで起きる様子がない。

三人を乗せた高性能なバイクは、世界中、あらゆる場所を走破できるように設計されており、落ち葉や腐葉土で柔らかく不安定なこの地面でも二つの車輪はしっかりとその役割を果たしている。
二輪駆動によって実現する並外れた走破能力は、野生動物さながらである。
四本の足を持つ動物がその足で大地の変化を察するように、そのバイクはタイヤ越しに大地を感知し、走りの性質を変えていく。
それだけではなく、馬が主人と認めた者の走り方を覚えて気遣うのと同じように、このバイクは運転手に合わせて多くを学習し、それを形にしていく力があった。

バイクの名は、アイディール。
全てのバイクの理想形であり、作り手と乗り手の理想の結晶だった。
アイディールには名が与えられていた。
それは、アイディールが――彼女が――誕生してから、初めての事だった。

(#゚;;-゚)

カタログ上の名前ではなく、個として識別するための名前。
他の誰のものでもない、自分だけの物。
名前を与えられた彼女は、何度もその瞬間のことについて反芻し、自己学習を行った。
間違いなくそれは人間の感情で“喜び”であり、“感謝”の気持ちが芽生えていることが分かった。

自分で導いた答えに、彼女は疑問を持たない。
彼女の中に疑問はないのだ。
彼女は人工知能。
声を発することの無い、寡黙な存在。


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