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Ammo→Re!!のようです

45名も無きAAのようです:2015/02/08(日) 22:09:06 ID:F94asbco0
これが味の秘密。
大雑把な味付けをそう感じさせないための工夫だ。
肉の甘みを引き立て、かつケチャップの酸味を主張させすぎない存在。
よく噛んでみれば、その瑞々しい歯応えがしっかりと感じ取れる。

それらを包み込むのが、断面を軽くトーストした柔らかなパンだ。
香ばしさの中に僅かな甘みを持つパンは、濃い味を調える重要な役割の担い手だ。
想像以上に味わい深いホットドッグに、トラギコは密かに舌鼓を打った。
値段は受け入れがたいが味は抜群だとして、トラギコはこのホットドッグの評価を改めた。

市場に動きはない。
大事にホットドッグを口に収めて、トラギコはタンブラーの蓋を外してそこから砂糖を入れた。
嵩が増え、かつ味が調えられたコーヒーを息で冷ましつつ口の中に招き入れる。
熱いが、甘くていい味をしていた。

十五ドルの味である。
こればかりは、美味くなければおかしい。
時刻は四時七分。
アイリーン・ストリートを歩く人の数は、明らかに少ない。

ホットドッグで汚れた口元と指をナプキンで拭い、懐から光学照準器を取り出す。
頬杖をつく動作と格好で照準器を構え、眼下の動きを観察する。
歩行者の顔や動きを見て、何か怪しげなことはないか、不自然な点はないかを探す。
ショボン・パドローネやデミタス・エドワードグリーン、もしくはシュール・ディンケラッカーがいれば十分。

昨日の今日で出歩くとは思えないが、犯罪者は一度安全が確認された場所にもう一度足を運ぶ習性がある。
あのショボンも、その習性を知っている。
ならばこちらが知っていることを逆手にとって、あえて利用する可能性があった。
裏の裏を読む、そうしなければ今のトラギコはショボンの考えに追いつけない。


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