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Ammo→Re!!のようです

428名も無きAAのようです:2016/08/30(火) 20:46:40 ID:t6mV4x2M0
彼はこれまで、今では想像も出来ない程の環境にいたのだ。
生ごみの食事を与えられ、暴力の挨拶で一日が始まり、罵倒の言葉を浴びせられて過ごしてきたのだ。
今では人の目を見て話が出来るようになり、言葉にも最初の頃の様なたどたどしさはなくなっている。
道中に出会った人間の影響というのは大きく、ブーンは日に日に多くの言葉を学んでいる。

未だに発音はぎこちないが、完璧に発音できる単語が一語だけあることに、デレシアは気付いていた。
“餃子”である。
オアシズ内の露店で販売されていたそれを食べたブーンは、本来発音の難しいとされるその言葉を素直に覚えた。
それ以外の言葉についても同じようにして吸収できるかと思われたが、今のところ、餃子の一語だけである。

ノパー゚)「うん、美味いな」

(∪´ω`)「おー」

こうして見ていると、ブーンはヒートによく懐いているのが分かる。
彼女と同じメニューを頼んだのもそうだが、ヒートが無意識の内にする仕草を、ブーンも真似る時がある。
例えば美味だと感じたものを食べた後、小さく唸るところ。
例えば、紙ナプキンで口を拭う仕草。

ブーンはヒートを手本に、多くを学んでいた。
それが嬉しかった。
デレシアだけに頼るのではなく、ブーンは他の人間を信頼し、その動きを取り入れる事が出来ている。
徐々に人間らしさを取り戻す彼の姿に、デレシアの胸が温かくなった。

食事を終えた三人はレストランを後に、腹ごなしも兼ねてスーパーマーケットへと徒歩で移動した。
輸入品の全てが停止した状態とはいえ、まだその初日だけに打撃は少なそうだった。
店頭に並ぶ生鮮食料品の数が減ってくるのも時間の問題だろう。
この緊急時に漁が許されるとは思えないため、まず真っ先に店頭から消えるのは魚だ。

ティンカーベル近海の魚は豊かな自然に育まれ、実にいい味をしている。
カツオのたたきを食べたかったのだが、デレシアは別の機会にすることにした。
別の場所でもそれを食べることは可能だ。
夕食に必要な食材の前に、まずは献立を考えなければならない。

ζ(゚ー゚*ζ「何か食べたいものはある?」

買い物かごを押すブーンとヒートに、ブーンは後ろからそう尋ねた。

ノパ⊿゚)「使える調理器具を考えると、そうさな……」

(∪´ω`)「……」

ノパ⊿゚)「ん? どうした、ブーン?」

(∪´ω`)「あの、えっと……」

ζ(゚ー゚*ζ「遠慮しなくていいのよ、ブーンちゃん」

(∪´ω`)「……ヒートさんのおりょうり、たべてたい……です……お」


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