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Ammo→Re!!のようです

426名も無きAAのようです:2016/08/30(火) 20:43:35 ID:t6mV4x2M0
ブーンが最初に選んだのは、ヒートと同じく、図の中央。
その初手に、ヒートとデレシアは揃って軽く驚いた。
前の勝負で使われた手を選ぶのは、何故なのか。
デレシアはヒートの時とは異なり、ブーンの印の斜め隣に印を置いた。

やがて、そこから攻防が始まった。
奇妙な攻防だった。
一進一退の攻防ではなく、すぐに決着をつけようとしない戦いだった。
最初、ヒートはデレシアが手加減しているのだと思ったが、すぐにそれが誤りだと気付いた。

ブーンの印のつけ方はヒートのそれに酷似しているが、デレシアの手法にも似ている。
デレシアが行っているのは、ブーンがどのような手を選んでくるか、その見極めだった。
例えば、Aの場所に書くのが定石だとしたら、ブーンはCを選ぶ。
Cに対してDが有効な対処であれば、デレシアはKの場所を選んだ。

こうして勝負が決した時には、ほぼ全ての場所に印が書かれていた。

ζ(゚ー゚*ζ「惜しかったわね」

(∪´ω`)「おー、ざんねんですお……」

ブーンは気付いていないだろうが、彼はこの短時間でヒートの攻めとデレシアの搦め手を取り入れてそれを使っていた。
やはり、ブーンには優れた才能がある。
1を知れば10を理解するのではなく、1を知れば10を吸収する才能。
その正体を理解できないため、彼自身は気付くことが出来ないが、実践の場では大いに力が発揮される種類の才能だ。

(∪´ω`)「……お」

ブーンがおずおずと、遠慮がちにヒートを見上げた。

ノパー゚)「あたしともう一回やってみるか?」

(∪*´ω`)「おっ!」

こうして、ヒートとブーンは第二戦を始めた。
ヒートの思った通り、ブーンは人の技を吸収しているというのがよく分かった。
最初の頃とは違い、ヒートと同じ様に好戦的な位置に印を書いていた。
彼女の考えでは、このゲームは防戦した者は負けるか、勝機を逃すかの二択だった。

攻撃こそ最大の防御であり、最善の策だ。
炎には炎を。
ブーンもその考え方を己の一つとして吸収してくれるのであれば、この上なく喜ばしいことだ。
彼の中に自分の考えが根付き、彼を形成していくのは子を育てる喜びに近い。

もっとも、ヒートにとってブーンは子と言うよりも弟としての認識が強かった。
それでも喜びは同じだ。
それはデレシアも同じだった。
彼女もまた、ブーンが多くを吸収する姿を見て喜び、感心していた。

ノパー゚)「残念、あたしの勝ちだ」


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