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Ammo→Re!!のようです
41
:
名も無きAAのようです
:2015/02/08(日) 21:51:45 ID:F94asbco0
体をバスタオルで拭き、髪を乱暴に乾かす。
アメニティのバスローブを着て、ベッドルームに戻る。
酒を一瓶飲んだこともあり、何か飲み物を口にしたかった。
備え付けのマグカップにインスタントコーヒーの粉を落とし、スティックシュガーを三本分入れ、湯を注ぐ。
安いコーヒーの匂いの中に、甘い香りがよく映える。
火照った体に、熱いコーヒーを流し込む。
薄く、おおよそ香りを楽しむようなものとは程遠いが、それでもトラギコに満足げな溜息を吐かせるだけの味がした。
精神状態によっては、冷えた物よりも温かな飲み物が効果的な場合がある。
今の状態では、この一杯のコーヒーが馳走にも思えた。
トラギコにも、自分が無力なのだと考え、押し潰されそうになる一瞬がある。
その一瞬は、これまでに受けたどんな傷や言葉よりも深くトラギコを傷つけた。
誰かが無能と罵るのではなく、自分自身で無力さを感じ取ってしまうその現象は、決して避けようのないある種の病気だ。
発作的に襲ってくるその瞬間を耐え続ける中で、トラギコが救いにしている物がある。
事件を解決した際に被害者とその家族から向けられる感謝の言葉と笑顔だ。
それを思い出すだけで、自分が無力ではないのだと持ち直すことが出来た。
どうしてもカールの死について納得が出来ず、トラギコは自責の念に心を握りしめられる思いだった。
気持ちを整理してからベッドの淵に腰かけ、書き込みを終えた地図を眺めながらコーヒーを一口啜る。
ブライアンホテルからグレート・ベルまでは徒歩で約三分、ショボンたちが目撃された市場までは十五分といったところだ。
漁港からグレート・ベルに続くなだらかな道――アイリーン・ストリート――沿いに並ぶ朝市は、大勢の地元住民と観光客で賑わうことが予想される。
となると、朝市に再び姿を現す可能性も考え、市場の中にある喫茶店、もしくは定食屋に張り込んで観察するのが最も賢明だ。
地図には一階、もしくは二階に席のある飲食店に印がつけられている。
中でもトラギコが注目しているのは、かなり広いスペースを持つアイリーン・ストリートのほぼ真ん中に位置する噴水周辺の店だ。
人々が円滑に行き来することを目的として作られた噴水周辺の道は太く、その道に沿って建物が並んでいる。
更に重畳なのが、その建物のほとんどが何かの店という事だ。
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